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2014年6月11日 (水)

NATALを手で叩いてみた!! by てぃっしー (ニタニタ動画)

それにしてもこの人の人気はすさまじい。今、「好きなドラマーは?」の問いに最も数多く名前が挙げられるのが「ブライアン・ティッシー」ではなかろうか…。
Bt今さら触れるまでもなく、ブライアンはNATALのドラマーだ。

Acrylickit私なりのブライアンのドラミングに対するイメージはとにかく「音楽的」であると思う。その叩姿は、まるで歌を歌い、ギター・ソロやカッコいいギター・リフを弾いているかのようだ。

や はり、こうしたことは洋の東西を問わず、日本の売れっ子ドラマーさんたちにも同じことを感じる。そしてそういうドラマーのプレイは、レガートならレガー ト、スネアならスネア、バスドラならバスドラ、それだけ単体で聴いていても飽きることがない。そしてキマってうるさくない。音は大きいのにうるさく感じさ せることがない。
反対にやたら手は早く動くし、パワフルなのだが、うるさくてとても聴いていられないドラマーもいるがアレはツライな…。音楽を根こそぎブチ壊してしまう。
ドラムってのはプリミティブなだけに、プレイヤーの素養や資質がモロに出てしまうからおもしろい。

Bt_img_0083 Marshallの創立50周年記念コンサート『50YEARS OF LOUD LIVE』でもハウス・ドラマーとして大活躍してくれた。

Bt_img_0172 そのブライアンが主宰しているのが、敬愛するジョン・ボーナムへのトリビュート・コンサート『BONZO BASH』だ。
「bash」というのはアメリカの俗語で「にぎやかなパーティ」を意味する。日本語的に言えば「ドンチャン騒ぎ」となろうか?ドラムだけに「ドンチャン」だ。

Nm_img_2497_2コレは2013年のNAMMの時に開催されたBONZO BASH。
この時のことはすでにMarshall Blogでレポートしている。
演奏される曲は当然すべてZeppelinナンバー。私もキライじゃないからね、そりゃ楽しいですよ。
ところが、時差ボケの状態でMarshallの連中と軽くイッパイやりながら爆音の中にいるともう猛烈に眠くなっちゃってね…。
翌日、「シゲ、昨日のBASHどうだった?」なんて訊かれて、「最高、最高!Zeppelin好きだから!」なんて言ってたら他のヤツに「ウソつけ!シゲ、オマエ思いっきり舟漕いでたじゃねーか!」なんてからかわれちゃったりしてね。
でも、コンサートの内容はとてもヨカッタ。

Nm_img_2444その中でブライアンは何曲かギターを披露した。

Nm_img_2508後日会ったブライアンはこの刺青を見せてくれた。
へ?コレ、ジョン・ボーナムのマークじゃなくてジミー・ペイジじゃん?
ブライアンは大のジミー・ペイジ・ファンなのだそうだ。

Nm_img_3123ブライアンにもらったピック。
ブライアンのドラミングが至極音楽的なのはこういうこと、つまり、ドラム以外の楽器もよく知っていて、音楽全体を考えてのプレイを心掛けているからなのではなかろうか?

Nm_nm_nm_img_3544 さて、今年も開催されたBONZO BASH。
その中で鳥肌モノのブライアンの動画がアップされていたので紹介する。Zeppelinの新企画盤も発売されたことだしちょうどいいタイミングじゃん?!
スティックを使わない手によるドラム・ソロ。もちろん「Moby Dick」のアレだ。

今年の1月、ニュージャージーでの演奏。アキれるほどカッコいい!
見りゃわかるけど、ドラムはもちろんNATAL。
Acrylickit2オマケ的に他の動画も…「アキレス」。
ちなみにこの「アキレス」は英語圏の人たちは「アキリース」と発音する。「アキレス」ではまず通じない。
コレで一番困ったのが「ケンタウロス」。あのエフェクターを指して言おうとしたがトコトン通じなかった。
アレ、「セントァ」と「セ」にアクセントを置いて発音する。ゼンゼン違うじゃねーか!

早 期英語教育もいいけどね、こういうことも教えておかないと英語圏の人と話しをする時に恥をかく。英語は出来るようになるかもしれないが、「英語の文化」に 丸っきり無知であることが露呈してしまう。これだといくら英語がうまく話せても「世界の田舎者」としてバカにされ続けちゃうよ。

もう一発、「Kashumir」。
このあたりの曲は絶対にコンサートの佳境で演奏されるので、私には実物を観る機会は永遠に来ないかも…舟漕いでるから!

NAMM 2013でのBONZO BASHのレポートはコチラ

NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
日本語版は只今準備中です。

NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

2014年6月 1日 (日)

NATALでこんなことやってら!

May_img_0064 チョットおもしろいフランスの動画を紹介する。
それにしてもNATAL音よし!



明日も普通にマーブロをアップしますのでチェックよろしくです!

2014年5月15日 (木)

Marshallのポテンシャルを200%引き出す人のDVD~三宅庸介の教則DVD

エレキ・ギターが世に出てきて60年以上になるのかしらん?「エレキ」もいつも間にか「エレクトリック・ギター」って呼ばれるようになったね。

ある偉大なギター製作者が生前嘆いていたそうだ。
彼は自分の名前を冠した会社で知らない者はいないほど有名なギターを開発した人。晩年は自分のギター・ブランドを新しく立ち上げた。しかし、思ったようにうまくいかない。
「車でもテレビでも、消費者は必ず新しいモノを欲しがるのに、何だってギターはいまだに古いモノばかりがもてはやされるんじゃ!ワシが昔作ったものより、今作ったモノの方がよいにキマっとる!」
…とヴィンテージ至上主義のギター・マーケットに大きな不満を抱いていたらしい。
匿名が多くて恐縮だが、コレはその偉大なギター製作者の愛弟子で、世界のスタンダードのひとつとなったブリッジを開発したイギリスの友人から私が直接聴いた話しなのでウソではないだろう。

弾き込んで時間が経つとギターの音が良くなる…とよく言うが、これは科学的にも立証されているらしい。
長い間弾き込まれることによってギターに与えられる振動が、はじめは不規則に並んでいる木の組織を規則正しく並ばさせ、振動率が改善されていくのだそうだ。
だから、古いギターの方がよい音がするという理屈は成り立つらしいのだが、このギター製作者の気持ちもよくわかる。

そして、60年の間にエレキ・ギターというものが一体何種類ぐらいこの世に生を受けてきたのだろう?数万?数十万?全然見当もつけられないな…。
で、結果、ナンダカンダ言っていつの時代もストラトキャスターとレス・ポールに収斂されてしまうよね。
製造と販売に関して、この2種類のデザインで歴史的にどれだけのシェアを確保してきたんだろう?
半分ぐらいはストラトとレスポールなのかな?もっとかな?これまた見当がつかん。
そういえば、「レスポール」の場合、省略して呼ぶ人見たことないな。「レス」とか「ポール」とか…。

それじゃストラトとレスポールの普及率ってどっちが高いのね?
経済的な理由もあるし、ストラトキャスターの方が強い感じがするな。
ビジネスを考えず人のブランドの状況を無責任にアレコレ勝手に想像するのはおもしろいな。

ナゼにストラトキャスターに人気が集まるのか?
かくいう私も最初に買ったのはストラトキャスターのコピーモデルだった。理由はイトコのマネをしただけ。私より幾分年上のそのイトコはナチュラルのストラトキャスターのコピーモデルを持っていた。リッチー・ブラックモアのファンだったからだ。
あの頃(1970年代中盤まで)の男の子は一度はDeep Purpleに憧れたからね。
「音がどうの」なんてのは後からわかることなので最初は憧れのスターや形で選ぶのも当然のこと。

今、ギターを手にする若い人たちはナニを基準にギターを選んでいるんだろう?我々の時と違いにギター・ヒーローが完全に不在なワケじゃん?
14、15歳の子が楽器店に行って「ジミー・ペイジが好きなのでレスポール見せてください」なんて言ったらかえって気味が悪いかもしれない。あるいは店員さんがジミー・ペイジのことを知らなくても当然の世の中だろう。
やっぱり形で選ぶのかな?
カッコよさを追及するのもロックのひとつの楽しみだからそれもよかろう。
その点、私はストラトキャスターというのはもっとも「エレキギター」っぽい形をしていると思っていて、それがひとつの人気の源となっているように思うがどうだろう?

今日は稀代のストラト使い、三宅庸介の4月下旬に発売された教則DVDのお話し。

10撮影現場にドップリと入り込ませていただいた。
40『ストラトのポテンシャルを200%引き出す極意』というのがDVDのタイトルだ。
30dvdいつも担当楽器に(g)でなく(Stratocaster)と記すこだわりよう。三宅さんもストラトキャスターの権化ともいえる存在なのだ。それゆえこの企画に最もふさわしい先生といえよう。
80DVDにも登場する七つ道具。三宅さん、おっそろしく物持ちいいわ~。

20まずは模範演奏の収録から…。

50バッキング・トラックでも入魂の演奏!
70vもうこの時点でストラトのポテンシャルがだいぶ引き出されちゃってるんじゃないの~?

60基本的にはギターの調整等について詳しく解説するDVDなのだが、こりゃ、普通のパフォーマンス作品と変わらんわ!

90v ポジションを変えての模範演奏。

110結構余裕。

120vこれはジャケットの撮影をしているところ。

130照れちゃってはいるものの…

140結構余裕。

150いよいよドップリとストラトキャスターの世界へ!

ギターはメチャクチャすごいんだけど、いざカメラが回っておしゃべりをしてもらうとなると信じられないぐらいうまくしゃべれない人もいるんだよね。
三宅さん、物静かだし、ステージのMCではいつも必要なこと以外はしゃべらないので、「トーク大丈夫かな?」なんて個人的に心配していたんよ。
と・こ・ろ・が!
もう立て板に水でスラスラと説明をしてくれたのには正直ビックリ。
いつも自分がギターにしてあげてることに自信があるということのあらわれなのだろう。ホント、わかりやすい説明でお上手だった。ま、もっともギターの生徒さんも取ってらっしゃるからね。

160「ここをこっちから撮って…、それじゃダメダメ」…なんてわかりやすく説明するためにカメラ・アングルにも決して妥協を許さない!

170「オラ、これがネックをハズしたとこだよ」だなんてスゴんでいるワケではない。とにかくスミからスミまで三宅さんの持つストラトのノウハウを伝授しようと真剣なのだ。

180もちろんギターの鉄人、三宅さんのこと、Marshallがなければせっかくのストラトキャスターの魅力が半減してしまうことは百も二百も承知していらっしゃる。…ということでMarshallの解説もしてくれた。
本当は担当楽器のところは(Stratocaster & Marshall)と書き入れたいに違いないが、長すぎるのでシ省略されているのだろう。
みなさん、ストラトキャスターは正しく使いましょうね。

190しかしさ~、我々の世代は幸せだと思うね。Marshallにしてもストラトにしても、もっともそれらの楽器の魅力が発揮されているであろう音楽をドップリと聴かせてもらって育ったのだから。
三宅さんのようにその楽器が本来持っている特性や長所を知り尽くしている鉄人からノウハウを学ぶ取る意義は果てしなく大きい。

195vdvd 三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange, Beautiful & Loud
DVDの詳しい情報はコチラ⇒アルファノート公式サイト

200 (一部敬称略 2014年3月都内某スタジオにて撮影)

2014年4月 7日 (月)

マーシャル・ミュージアム

2012年5月の開館以来、2年間にわたり皆様にご愛顧頂いた山口県柳井市のMarshall Museum Japanが3月末を持って閉館した。

Img_0261 ちょっとコレをご覧頂きたい。
【Marshall Museum Japan Open!!】
<前編>~オープニング・セレモニー・レポート
<中編>~SHARA Plays Vintage Marshall!
<後編>見どころの一部とちょっとしたウラ話し

この時から2年…はるか昔のことのような、アッという間のことのような…。

展示品の解説や写真撮影等、開館準備にも深く関わらせて頂き、オープン時にはわが社エラリー社長と同行したり、SHARAさんを迎えて久しぶりに Roadshowまがいのオープニング・イベントの司会をやらせて頂いたり(あの時はしゃべりすぎてスミマセン)、後にYG社のスタッフとマー本制作のための取材に再訪したり、柳井にはたくさんの楽しい思い出が残った。
お世話になりました現地の皆様、Marshallに興味を持ってご訪問頂いた皆様にこの場をお借りして心から御礼申し上げます。

ミュージアムは移転し、再開するそうだ。新たな展開に期待している。
詳しい情報はコチラをご参照ください⇒Marshall Museum Japan

*     *     *     *     *     *     *     *     *     *     *

さて、話し変わって…最近ドイツの友人からこんなものを紹介してもらった。彼からはフクシマについてやたら質問されて困る時もあるが、こんな情報はありがたい。

Marshall Amp Museum Germany

サイト内はほとんどがドイツ語でサッパリわからんが、コレクターのプロフィールが英訳されていたので、ここで再訳してみよう(「ブリッジ通訳」というヤツですな)。

私はジグベルト・メルケル。実体は農業経営者です。趣味でギターを弾き、Marshallアンプを集めています。
最初のアンプはいまだにリハーサル・ルームに置いてあるんですよ。
コレクションは増え続け、リハーサル・ルームにもはや入りきらなくなってしまいました。その「カワイコちゃん」たちが我が家の住人になってしまいました。
そしてついに「ミュージアム開館」のアイデアが生まれたのです。
ウチにはもう使っていないほとんど空の大きな納屋がありました。
それからというもの朝晩Rumspinnereiの日々を過ごしました。もうメチャクチャでした。(「rumspinnerei」を調べたところ、説明自体がドイツ語で意味わからず。てがかりは付してあった動画から察するに、どうもゴッチャゴッチャの状態を指す比喩のようだ)

そしてとうとうその時が来ました。納屋の改造が終わったのです。
私たちのようにMarshallに興味を持ち、クレイジーな方々にお会いできますことを心待ちにしています。

P.S. : もしあなたの家の地下室に眠っているお宝があったらemailしてくださいね!

どこの国にもこういう方がいらっしゃるんですな。
このドイツのミュージアムはフランクフルトから直線距離で100kmぐらい、ライプチヒから70kmぐらい…これまたなかなかのカントリー・サイドにあるようだ。ウチの社長は訪れているハズなので今度ようすを訊いてみよう。
残念ながら私はもちろんお邪魔したことはないが、このウェブサイトを見る範囲内では、このコレクター氏のMarshallへの掛け値なしの深い愛情が伝わって来るような気がする。

このジグベルトさん、メール・アドレスに目をやると「sigi」となっていて、少し愛着を感じる。私は海外の人には「Shige」と呼んでもらっているのだが、向こうの人は「ゲ」がうまく発音できず、「ギ」になってしまうのだ。つまり「shigi」だ。

…と、待てよ。ここまで書いて急に思い出した!このオジちゃん、こないだのNAMMで会ったわ!…「オジちゃん」と言っても私より年下なんだろうけど…。
「日本のミュージアムの方がゼンゼンすごいですよ!」なんて謙遜していたっけ。
写真の通りとても普通でとても気さくな方だった。

こういう方がいてMarshallも幸せだ。世界中にミュージアムができればいいのにね。マーブロ・ネタにも困らないし…。
考えてみると、Marshallも最初からすべての全モデルを片っ端から最低ひとつずつ残しておいて保管していれば最強のMarshall Museumが出来ていたのにナァ。
Img_7943
ま、シリアル#1が残っているだけでもラッキーか?!

Img_7999

2014年4月 3日 (木)

Kelly SIMONZ~The Brave New Wolrd Order 2014 at 東京キネマ倶楽部

ついにKelly SIMONZがニュー・アルバムを発表した!
Kelly SIMONZ's BLIND FAITH名義での新作。タイトルはズバリ『BLIND FAITH』!

Ksインストあり、歌モノありの13曲入り。残念ながらまだ聴けていないのだが、とても楽しみにしている。

10_3曲やプレイだけでなく、詰め込まれたMarshallサウンドにも期待大!

20vそして、その発売に合わせたコンサートが今週の土曜日、4月5日、『The Brave New Wolrd Order 2014』と題して東京キネマ倶楽部で開催される。

30vキネマ倶楽部といえばKellyさんのホームともいうべき会場。
ゲストにアルバムに参加しているボーカルのYAMA-Bを迎えてのレコ発。盛り上がることは必定だ!

40v満を持してのメジャー・レーベルからの新譜発表。クリニック、教則本の制作、エフェクターの製作、こまめなSNSの管理等々、アクティブに活動を展開するKellyさんのこと、今まで以上に壮大なコンサートを見せてくれるに違いない!
土曜日は鴬谷へGo!
中京地区の人は伏見へGo

50vKelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ Official Website
東京キネマ倶楽部の詳しい情報はコチラ⇒オフィシャルウェブサイト 

60v(一部敬称略)

2014年3月17日 (月)

【お知らせ】マーブロの春休み

平素よりMarshall Blogをご愛読いただきまして心から御礼申し上げます。


週末や年中行事の日を除いては毎日の更新を心がけているMarshall Blogですが、諸般の事情より、本日からしばらくの間、不定期にアップさせていただきます。

「ナ~ニ、アイツ、ネタがなくなったんだろうよ、ヒヒヒ…」とお思いになる方もいらっしゃるかも知れませんが、残念ながらそうではありません。
『ライブ・レポート』などはようやく2014年分に入ったばかりで、順番待ちの記事が山になっています。
そうした記事にご協力いただきましたミュージシャンの方々、ならびにその掲載を心待ちにされているファンの皆様にはご迷惑をおかけしますことこの場をお借りしまして深くお詫び申し上げます。

ま、ようするに充電期間です。春休み…。
これからも従前にも増して楽しい記事をお送りしていく所存でございます。
しばらくの間、見逃した過去の記事などをチェックしてお楽しみいただきますようよろしくお願い申し上げます。

あ、お休みとか終了というワケではありませんからね!「不定期掲載」ですから。掲載時は今までと同様にfacebookやTwitterでも告知させていただきます。

以上ご理解のご了承のほど何卒よろしくお願い申し上げます。



2014年3月 7日 (金)

RISING!!~HardなRockのCafeから

「ローム…」

映画史上、もっとも短い名セリフ。これを発したのはもちろんある国の王女、アンを演じた、『ローマの休日』のオードリー・ヘップバーン。
劇中の記者会見中、外遊でもっとも印象に残るの場所を訊かれ、答えた時のひとこと。グレゴリー・ペック扮するアメリカ人新聞記者とのローマでのひとときのロマンスを胸に反芻しながら発した言葉だ。
この映画を観て、このシーンで「ジワッ」と来ない人はいまい。オードリーだからサマになる。
美しく、愛らしく、楽しく、悲しく、たった一言でまるで観ているモノがアン王女とローマをデートして来たかのような気持ちになる。さすが巨匠ウィリアム・ワイラーの演出だ。

ちなみに、この映画の中でカメラマンを演じたのがエディ・アルバート。カメラが仕組まれたライターは日本製だった。この映画は1953年におアメリカ公開。戦後から10年も経たないうちに、日本はこうした精密機器の製造に一日の長があったのだろうか?優秀だな~、日本人って。

脱線ついでに…そのエディ・アルバートが準主役を演じる『攻撃(Attack)』という戦争映画がある。1956年の作品。アメリカ陸軍の内幕を暴く内容とされスポンサーがつかず、監督の名匠ロバート・アルドリッチが自力で資金をかき集めて作った渾身の一作。主役のジャック・パランス(Van Dyke Parksの『Song America』にこういうカリプソの曲があるでしょ?)の演技があまりにもすさまじい。
コレ、日本のすべてのサラリーマンの中間管理職に観てもらいたい映画だと思ってる。内容には触れないが、自分が勤める職場に当てはめて観てみれば、次の日から世界が変わるよ。
もうひとつ、今のアメリカ映画と比べて観るもよし。アメリカ映画の現在のあまりの幼稚さが浮き彫りになる。もうアカデミー賞に意味はない。

さて、前置きは終わり。ナゼ、ローマなのか?今日はHard Rock Cafeのお話し。
10まずは、Hard Rock Cafeが世界規模で展開しているバンド・コンテスト「Hard Rock RISING」のお話しから…。

去る3月4日、「ハードロックカフェ東京」にて東京エリアのライブ・パフォーマンスを通しての決勝戦が開催された。
世界中のお店からこの決勝戦で選出された優勝バンドがウェブサイトで審査を受け、イタリア・ローマで開催される『Hard Rock LIVE』に出演できるというワケ。だから「ローマ」なのだ。
30私はといえば、昨年に引き続き審査員と撮影で参加させて頂いた。ではイザ、会場へ!
20出場バンドは3つ。昨年はパンク、ニュー・ウェイブ系のバンドが多かったが、今回はガラリとようすが変わり、ハード・ロック、ファンク、ロンクンロール系のバンドが登場し、Hard Rock Cafeらしいスケールの大きなコンテストになった。

まず。最初の登場は…。
それがサ、マーブロ読者にはおなじみのQUORUMなの。うれし恥ずかし、ファンのような、お父さんになって見守るような何とも不思議な気分。

40浪岡真太郎

50v北川遊太

60v盆子原幸人

70石川達也

80vま、コンテストであろうと、ワンマンであろうとまったく変わりのないロック・パフォーマンス!

904人の音楽性とテクニックが前面に押し出された演奏だったが…

100やはり遊太と…

110v幸人のバトルは大きな見どころとなった。最近のバンド・コンテストでこんなことが観れることはまずあり得ないだろう。

120 達也のドラミングも普段通りの熱気が爆発!

130_3もちろん真太郎の雄叫びも相変わらずロックの魅力に満ち溢れたものであった。

140フロアを埋め尽くしたお客さんは応援団というより、ファンだろう。大いに盛り上がった20分だった!

150vさて、グイグイと勢いを増しているQUORUM。待ちに待ったデビューCDが発売され注目を浴びている。
骨のあるリアルなロックがお好みの人は要チェックだ!Marshallサウンド満載!

QUORUMの詳しい情報はコチラ⇒QUORUM Official Site

145cd 続いての登場は、ガラリと変わってファンク系のDanDamJoeというバンド。

160

170v

180v

200v

210v

220v

230vこの手の音楽をやるにしてはギター×2にベース&ドラム、ツイン・ボーカルという変わった編成。
ジャパン・テイストが入った曲がとても魅力的だった!

DamDanJoeの詳しい情報はコチラ⇒dandamjoeのブログ

240そして、最後は「名も無きバンド」という名前のバンド。略して「ナモバン」!

250これが名前が無いのはもったいないとしかいいようのないゴキゲンなバンド!聞けばアメリカでの活動が盛んらしい。

2_tr_a_img_0256_2 ギターのShaku Keiji(シャク)。

270v吉永朝来(アサコ)

280vドラムの木村貴史(キム)。

2_tr_a_img_0247 アサコと…
350vシャクが歌い分ける問答無用の超陽気なロックンロール。330

アサコの声がとてつもなく魅力的だ。

310vシャクは普段はMarshallを愛用してくれている。

320vMCで「ピザ好き」を英語でアッピールしたキム。

325v20分の限られた時間であったが、すさまじく勢いのあるパフォーマンスで、この3ピースバンドの魅力を出し切った!

340vその結果、優勝は「名も無きバンド」の手に!ま、どこが優勝してもおかしくない内容だった。

360優勝バンドの名前をボードに書き入れる記念すべき瞬間!

370賞金が店長から渡される。

375しかしうれしそう!おめでとう!ロームへ行って来い!

名も無きバンドの詳しい情報はコチラ⇒オフィシャル・ウェブサイト

380最後にスポンサーのひとつ、Budwiserのバドガールたちと記念写真。
あ、幕間には彼女たちのカッコいいダンス・パフォーマンスが披露されたことも書き加えておこう。

私も審査員としてひとことコメントさせていただいた。いつもマーブロに書いているようなことを言わせてもらった。すなわち、「若い人こそいい黄金時代のいいロックを聴いて、若い感性で新しい音楽を作って欲しい」…と。
ありがたくも多くのお客さんがフムフムと頷きながら聞いてくれたけど、私はしゃべりだすと止まらなくなるので要注意だ。

390そして、もうひとつのHard Rock Cafeの話題は上野!
上野の店舗はJR上野駅の構内にあって、い~つも満員だ。
上野店は世界初の駅構内のお店で、国内では7番目に出展された。ちなみに六本木は世界で4番目の古株だ。

410vそういえば大分前にコロラドからバイク好きのアメリカ人が来て、「上野に行きたい」とリクエストがあり連れて行ったことがあった。
ご存知の通り、上野から鴬谷方面に向けての昭和通りは両側に無数のオートバイ屋が並んでいる…イヤ、もう「並んでいた」と言った方が正確か…。最近は随分さびれてしまった。
そのアメリカ人は口にこそ出さなかったが、斜陽感丸出しのバイク屋街にガッカリしたようすだった。
上野駅への帰途、彼がもうひとつ繰り出したリクエストは「シゲ、上野にハードロックカフェが出来たって聞いたんだけど連れて行ってくれるかい?」だった。
「もちろん!」と彼のリクエスト通り出来たばかりの上野店に連れて行ってあげた。
彼はHRCグッズのコレクターでもあり、世界の行く先々でグッズをゲットしているとのことで、上野のショップでもアレコレ買い込み、バイク街のことはスッカリ忘れてとても楽しそうだった。
そんなことを思い出してしまった。

2002年の開店だから、あれから早12年…その上野店が去る2月25日にリニューアル・オープンした。
400店内はすごく明るい雰囲気。

420v自慢のゴージャスなバー・カウンター。

430ゆったりしたスペースが奥にあり、パーティも出来るようになっている。何しろ上野駅まで徒歩0だからね、便利この上なし!

440店内に所狭しと展示されたメモラビリアも一段とグレードアップした。

445メモラビリアは来店して頂いてからのお楽しみ…ということでここでは詳しく触れないが、ホンノ少しだけ紹介すると…。
Les Paulのセーター。Mary Fordのはないよ。
ワタシね、ニューヨークでLesに遇ってサインをもらったことがあってね。なつかしいな~。(ナンチャッテ!)

450上の方に飾ってあるアイテムはハシゴに登って撮った。これが結構コワくてね~。若い頃は高いところなんか何でもなかったのよ!でも苦労の甲斐あっていいのが撮れました!

Ladder 私の一番は何と言ってもコレ!Ian Andersonのサイン入りフルート!これは欲しいな~!
この他にもマイコーの「#$%&」とか…、マドンナの「◎▽■▲」などが展示されている。

460バー・カウンターの壁には「Take Time To Be Kind」とある。これはHRCのスローガンで、他に「Love All, Serve All」、「Save The Planet」、「All Is One」、「Music For Life」、「Humanity Is International」などがあるそうだ。

470もちろんショップも充実!

480とにかく一度遊びに来てちょうだい!

Hard Rock Cafeの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

2_tr_img_0192 (一部敬称略 RISINGは2014年3月4日 hard Rock Cafe Tokyoにて撮影)

2014年3月 6日 (木)

【緊急告知】見逃さないで!~田川ヒロアキ&三宅庸介のエグいライブ

楽しみなライブがやって来る。

10田川ヒロアキと三宅庸介のジョイント・コンサートだ。
時は3月10日、場所は高円寺SHOW BOAT。

20これはそのリハーサル風景。
ムム?田川バンド、いつもと様子が違うぞ…!

30ファンキー末吉、そうる透、和佐田達彦、菅沼孝三、江川ほーじん、長谷川浩二、寺沢功一等々、日本を代表するリズム陣との共演を果たしてきたヒロアキ君。
今回は思いっきり若手を引き連れての登場なのだ!

40ドラムはDIRTY OLD MENの岡田翔太朗。

50翔太朗君は先日のライブ・レポートにも登場してくれた。

60DIRTY OLD MENは人気TVアニメ『弱虫ペダル』の主題歌「弱虫な炎」を演奏している結成10年を迎えた人気バンドだ。

70cdベースは永井双樹。
Joe ZawinulはJacoをWeather Reportに迎えるにあたり、「好きなドラマーを連れて来い」とドラマーの選択をJacoに一任したという。ベースとドラムは一心同体だからということだ。
そして、Jacoが連れて来たドラマーがPeter Erskineだった。その後、Weather Reportはバンドの黄金期を迎えた。
このエピソードと同じく、双樹君は翔太朗君が連れて来た。

80vヒロアキ君のやさしい指導のもとリハーサルはなごやかな雰囲気で進んだ。

90「チョーっと指にマメできないんですか?」「ゼンゼン平気だよ!」なんて場面も。

100ヒロアキ君は当日JVMを弾く予定。LOUD PARKを思い出すな~。

110ヒロアキ君のブランド、FretPianoのオリジナルTシャツ。
「HIROAKI TAGAWA」の下にはスパンコールの点字で「マーシャル魂」と書いてある…ウッソ~。
もちろん上下段ともその上のアルファベットを点字化したものだ。ファンの方からのプレゼントで一点モノ。市販はされていない。

120定番「Ave Maria」に混ざって新曲も披露される!

130v翔太朗君は若い割にはジャズや70年代のロックをよく勉強している。「いいミュージシャン=いいリスナー」という公式に間違いはない。

160残念ながら今の若いミュージシャンの多くは驚くほど昔のロックを聴いていないのは実情だ。特段キラっているようすもない。ただ文化の伝承に失敗し、イヤ、故意にかもしれないが、とにかく世代が断絶しているのだ。
もっとも、ロックの黄金期から遠く40年も離れたところへ来ているのだからムリもない。
しかし、60~70年代前半のロックは間違いなく「ロックそのもの」だ。
若いミュージシャンこそ、その時代の音楽を吸収して自分達の音楽を育むべきだ。ジャンプをする前に身体をかがめるのと同じだ。

170だからこうして百戦錬磨のベテランと若いミュージシャンの交流はどんどん推進していくべきだと思っている。
若手はベテランから知識と経験を得、ベテランは若手からエネルギーと感性を吸収する。これでいいじゃないの!

180vいつもと異なる田川ヒロアキ…実に楽しみだ!

田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

190vそして、この3月10日の高円寺、ひとりでも多くの人に見てもらいたいのは、共演者が三宅庸介だからだ。
Yosuke Miyake's Strange, Beautiful and Loud…ああなんてエグイ組み合わせなんだろう!まるで動くマーブロじゃんけ!

210三宅庸介

220v山本征史

230v金光KK健司

240v三宅さんは何しろ燃えている。そう、既報の通り4月2日に『Orchestral Supreme』なるニュー・アルバムをリリースするからだ。
ま、ハッキリ言ってジャケットの写真は私が撮った。おかげさまで方々からおほめの言葉を頂戴している。うれしいです。
でもね、正直、私は自分が見たい三宅さんの姿がファインダーの中に飛び込んで来た時にシャッターを切っただけなんよ。この写真を選んだ三宅さんこそ鋭い!
ジャケットより素晴らしいのが内容だ。何しろ出色の仕上がりだ。
収録されている曲は「三宅庸介」のかたまりだ。誰にも真似できない唯一の世界が広がっている。
また、主役のギターの音色があまりにもロックだ。
ある意味、MarshallとStratocasterの組み合わせによって生み出される、現時点における最高のトーンがここに捉えられているのではなかろうか?これもまた誰にも真似のできないものだ。

実際にナマのパフォーマンスも体感して欲しい。そのチャンスが目の前にあるのだから!

250cdStrange, Beautiful & Loudは明日、3月7日に三軒茶屋Grapefruit Moonにも登場する。

260こちらは大谷令文さんがゲスト。この日、令文さんはJVMを弾く予定。1959の権化、令文さんはツアーではTSL601を使ってくれたりしているがJVMは初めてだろう。現在のMarshallのフラッグシップモデル、JVMでどんな音を出すのかコチラも楽しみだ!
それとね、選曲。三宅さんと何を選ぶのかなぁ~?エグイ曲演るんだろうなぁ~。これも楽しみのひとつ。

三宅さんの『Orchestral Supreme』は4月2日発売だが、7日の三茶と10日の高円寺公演で会場限定で先行発売される。私も現物を見るのが初めてなのでとても楽しみにしている。

三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange, Beautiful and Loud

270エエイ、これも紹介しちゃえ!私の宣伝。田川ヒロアキ『Ave Maria』。
このジャケット写真も私が撮影したモノ。デザインは下町のヒプノシス、梅村デザイン研究所。まだ聴いていないは是非聴いてチョ!

280cdみなさん、お待ちしていま~す!

あ、そうそう当日のドラムはNATALのバーチのキットが使用されます。金光KK健司&岡田翔太朗のベテラン&若手コンビが叩きだすNATALサウンドにも注目!ドラマーさんもお待ちしています!

290(一部敬称略)

2014年2月14日 (金)

至上の楽団~三宅庸介新譜情報

バレンタイン・デイか…。すっかり卒業したな…ってんで今日も硬派な話題だよ。

新宿から高田馬場に移転し、昨年末にオープンしたレコーディングスタジオの老舗BAZOOKA STUDIO

10 新宿の頃が懐かしいような気もするが、高田馬場の新店舗では練習スタジオも併設され、こちらも大人気を呼んでいる。

20その練習スタジオの7部屋中5部屋にメイプル、バーチ、アッシュのNATALのドラム・キットがセットされていることは既報の通り。

Bm_img_0019早くも「NATALのアッシュの部屋をお願いします!」なんてリクエストを携えてお見えになるお客さんもいらっしゃると聞いた。うれしい限りである。

Bm_img_0022_2もちろん、数々の名盤を制作してきた優秀なエンジニアを擁するレコーディング・スタジオの方も相変わらずの盛況だ。
今、ミキサー卓に向っているのはエンジニアの内藤輝和、テルさん。実際にレコーディングの作業中だ。

30ちょっとわかりづらいが、今ギターのオーバー・ダビング中。一番奥ですさまじいギター・プレイが展開されている。

40その姿をミキサー室でジッと見守る。

50レコーディングに取り組んでいるのは三宅庸介率いるStrange, Beautiful and Loudの3人。

60もちろん三宅さんは愛用のDSL100と1960BVを持ち込んでいる。

70v愛器のうちの1本。当然ギターはすべてストラトキャスター。

80v足元もライブと変わらないいつもと同じ仕様。ただ…

90Jimiが見守ってくれている。「I stand up to a mountain~」。有名な「Voodoo Chile」の一節だ。「♪ブドゥチャ~イ、ブドゥチャ~イ」というヤツね。
そう、レコーディング中、三宅さんはVoodoo Chileと化した。

100ベースは山本征史
征史さんはこのバンドでは1992 SUPER BASSを使用する。コレがまた、SB&Lのサウンドにおっそろしくマッチするんだ~。大好きな音色。Marshallのベース・アンプは素晴らしかった。

110v休憩中。
陣中見舞いにやって来てくれたノンちゃんとしばし談笑。

120そして金光KK健司のドラム。

130NATALのバーチ・キット。12"、16"、22"、14"x5.5"。Traditional Customから14"フロアを抜いたスタイル。

140フィニッシュはTobacco Fade。グッドモーニングアメリカのペギちゃんのキットと同じ材質と色。(ペギちゃんのキットは「Rock」という2タムのキット)
このカラーはカタログやウェブサイトで見るより実物の方がはるかに美しい。このきれいな木目が写真に写りにくいからだ。実物を見た関西の人は「ウワ~、メッチャきれいやん!」と、東京の人は「すごくきれいだな~!」とほぼ例外なく言ってくれる。

150もちろんサウンドも素晴らしい。輪郭のハッキリした豊かなトーンとでも言おうか。
とにかく音に深みがあるところが好き。これがブリティッシュ・ロックを作って来た人達のドラムに対するひとつの総括なんだナァ。道理で好きなドラム・サウンドなワケだ。

160vそして、完成間近のYosuke Miyake's Strange, Beautiful and Loudのニュー・アルバムがコレ。いち早くジャケットを借りて来た。
タイトルは『Orchestral Supreme (TRIUMPH RECORDS XQHK-1010)』。
Zappaで「Orchestral」という言葉に、Coltraneで「Supreme」という単語に親しんでいるだけに私にはとても親しみを感じるタイトルだ。

職権濫用ですでに聴かせていただいた。
初出の曲の他に、If」や「Petal」等、SB&Lのコンサートでもおなじみの曲も収録されている。それら耳なじんだ曲もスタジオ・レコーディング・マテリアルならではの凝ったアレンジがなされており、まるで新曲を聴いているかのようだ。本当は1曲ずつここで解説したいところなのだが、今回は出し惜しみして、「素晴らしい出来である」ということだけ書き記しておく。

そして、このジャケット!
手前味噌ながら私が撮影した写真を使っていただいた。
三宅さんが自分の音楽性を重ね合わせてこの写真を選択してくれているとすれば、この上ない喜びだ。三宅さんに限らず、私はステージの上の人の「音楽」を撮影しているつもりなのだから…。だから、最近やたら見かけるお客さんばかり写っている写真は滅多に撮らない。ミュージック・ライフ誌で育ったクラシックな人間なのよ。
お客さんは雰囲気を作ることはできるが、音楽をクリエイトすることはできないと考えている。私が撮りたいのは「音楽」なのだ。ナンチャッテ。

「『My Goals Beyond』を思わせる」という感想は私だけかもしれないが。厳格なたたずまいと清潔感が素晴らしい。

Cdym3 発売は4月2日。
数か月でその使命を終え、3枚500円で中古レコード店のワゴンに乗っている資源の無駄づかいとしか思えないCDとはワケが違う。アーティストが命を削り、人生をかけて作った一生聴けるアルバムだ。
ギター・ミュージック・ファン、骨太なインスト・ロックのファンの方々には必ず聴いて頂きたい。そして、若い人たちにこそ聴いてもらいたいものだ。

Sbl_img_0976さて、その『Orchestral Supreme』発売前にいくつかコンサートが決まっている。
アルバムの予習がてら是非お出かけいただければ幸いだ。ひとりでも多くに人に観てもらいたい。
Strange, Beautiful and Loudの壮絶な音楽だけでなく、極上のMarshallとNATALのサウンドが待っている。

Sbl_img_0888 2月21日、『Sound Experience 10』。場所は三軒茶屋Grapefruit Moon。
こちらは征史さんのSTANDとのダブル・ヘッドライナー。
得意の「出演者4人で2バンド」。要するにリズム隊が同じでギターが島紀史にスイッチする。
STANDでのノンちゃんのギターも聴きものだ。

Sbl_img_09343月7日、『Sound Experience 11』。場所は同じく三宅さんのホーム、三軒茶屋Grapefruit Moon。
こちらはゲストに大谷令文さんをお迎えする。

Sbl_img_9704そして3 月10日、高円寺Show Boat。 『Show Boat Presents  三宅庸介・田川ヒロアキ  Guitar Show '2014』という企画。
「Guitar Show」か…なつかしい響きだ。詳しくはライブ・レポートの時ね。

これがチョット変わってて、田川ヒロアキBANDとのダブル・ヘッドライナー。
実は数年前にGrapefuit Moonで共演したことがあったが、それ以来の顔合わせ。
田川ヒロアキのバンドは若手リズム隊を組み込んだ当日本邦初公開のお楽しみフォーマット!Sbl_img_0981エンジニアのテルさんと記念撮影。
発売が待ち遠しい~!

三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange, Beautiful and Loud

170宣伝コ~ナ~!
Marshall Blogをご覧のギタリストの皆さん!バンドのドラマーさんに↓↓↓を教えてあげてくださ~い!

NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、今ならNAMMでフィーチュアされていたStave Snareシリーズもご用意しています。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

180

190現在NATALは日本国内発売準備中です。

2014年2月12日 (水)

『PON!』のグッドモーニングアメリカ

マーブロ読者にもす~っかりおなじみのグッドモーニングアメリカ。

10去る1月21日、彼らが日本テレビの朝のワイドショウ『PON!(平日10:25~11:30)』に出演した。
今回はドラムのペギちゃんから事前に情報が入ったので、準備万端テレビをつけて正座で拝見したのだが、実はテレビのワイドショウでグドモのメンバーに会うのはこれが初めてのことではない。
しばらく前に、テレビをつけたら偶然彼らに出くわしたことがあったのだ。ホントの偶然であの時は驚いた。彼らの地元八王子のおいしいラーメン屋さんを紹介していた。

今回の放送では、グドモの最近の飛ぶ鳥を落とすような活躍ぶりが報じられ、その4人がまたまたウマイものを紹介するという設定。
そのウマイものとは京王線代田橋駅前のたこやき屋さん「たこたけ」の「だしたこ」というメニュー。ソースのたこ焼きにだしをプラスしたという大阪と明石のコラボ・メニュー。
メンバーがにぎやかに「だしたこ」をほおばる姿がおいしそうな雰囲気を倍増させていた。

その中で、「だしたこ」の次に注目してもらいたいのはペギちゃんの胸!

20vオワッ!!なんとNATALのTシャツを着てくれてる!うれしいじゃあ~りませんか!

30飛ぶ鳥を落とす勢いというのはコレ。
メジャーからのファースト・シングル「イチ、ニッ、サンでジャンプ」が大ヒット中なのだ!(写真は通常盤)

Cd_3タワーレコード全店のチャート並びにBillboard Japanともに1位を獲得した。
1月25日からスタートしたレコ発ツアーは19公演、すべてがソールド・アウトとなっている!
40もちろんレコーディングではMarshallとNATALが大活躍した。
50vもうひとつ。
コレは昨年の『未来へのスパイラル・ツアー』の渋谷O-EASTでの千秋楽のようすを収録したDVD。
こちらもMarshallとNATALサウンドが炸裂している!

Dvd最後に、チョットこれ見てチョーダイ!
その大ヒット中の「イチ、ニッ、サンでジャンプ」のPV。とても楽しい曲を楽しくクリエイトしている姿が見ていてとても楽しい!
で、5:00すぎぐらいからは見逃しちゃいけませんゼ!
がんばれグドモ!

グッドモーニングアメリカの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL WEB SITE

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2014年1月21日 (火)

【追悼】佐久間正英さんのこと

記事が遅くなってしまい失礼とは存じながら謹んで一文寄させていただく。

佐久間正英さんが16日にお亡くなりになられた。
また日本の音楽界が偉大な才能を失ってしまった。

世代が古いため、私にとっての「佐久間さん」とは名プロデューサーではなく、飽くまでも四人囃子のベースの「佐久間さん」だ。

四人囃子は本当に好きだ。そして、今では森園さんや大二さんといっしょにお仕事をさせていただいていることによろこびと誇りを感じている。
しかし、残念ながら佐久間さんとはご一緒させていただく機会がなかった。

Ms1佐久間さんが参加している『ゴールデン・ピクニックス』、『Printed Jelly』、『包』の四人囃子の3作は私のロックの愛聴盤だ。
ずっと昔から、佐久間さんのことをどこかケタはずれ才人だと思っていた。実際でそうであることは間違いないのだが、そう思わせる風貌がまたヨカッタ。

ここに掲載している写真は2010年に開催された『Japan Progressive Rock Festival』で撮影したもの。
四人囃子を観たのはこの時が初めてではなかったが、私が日本のロックを聴き始めた頃にはすでに活動を停止していたので、四人囃子に飢えていて、やっぱりこの日もとてもうれしかった(Steve Hackettに初めて会ったのもこの時)。何しろ信じられないくらい蒸し暑い日だったが、この瞬間は暑さも忘れて夢中になってシャッターを切った。

下はもちろん「なすのちゃわんやき」。この佐久間さんのリコーダーがメチャクチャかっこよかった!

Ms2この時、楽屋で佐久間さんにサインしてもらった四人囃子の『From the Vault 2』。上が佐久間さんのサイン。下は大二さん。
坂下さんはウラに、森さんは中にサインしてもらった。私の宝物だ。

0010四人囃子は初代ベーシストの中村真一さんも鬼籍に入ってしまっているので、もうオリジナル・メンバーかそれに近い形での再結成は永久に出来なくなってしまった。悲しいことだ。

今でも『一色即発(1974年)』や『ゴールデン・ピクニックス(1976年)』を聴いているが、何回聴いてもまったく飽きが来ない最上の音楽世界を構築していることに感心する。
そして驚くべきは、これらのアルバムを、日本の20歳ソコソコの若者たちが作ったという事実だ。
「昔の人は偉かった」…では済まされないまでの音楽性の高さを感じざるを得ない。
今、一番若者たちに聴いてもらいたい音楽だ。

佐久間さんも生前現在の音楽界の状況をブログ等で憂いていらっしゃったが、私も同感だ。「日本のレコード会社は自分達の商品、つまり「音楽」を理解していないまま商売をしてしまったことのツケが今回ってきている」的なご発言をされていたように記憶している。

四人囃子の諸作を聴いていると、現在の音楽シーンの幼稚さと退屈さに絶望感を覚える反面、帰るべき場所があるということを指し示してくれているようで、勇気づけられたような気にもなるのだ。
そんな素敵な音楽と同じ時代を生きたことはを幸せなことだ。

佐久間さん、安らかにお眠りください。

Ms3(2010年8月22日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)

2014年1月 6日 (月)

【新春特別企画】Marshall Blogで見る日本のロック・シーン

あらためまして…明けましておめでとうございます

本日よりmarshall Blogを再開させていただきます。本年もご支援ご愛読のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

さて、今日の記事のタイトル…さっそく大ゲサである。大ゲサはMarshall Blogの専売特許なのであ~る。
昨年Marshall Blogの周辺でナニが起こっていたのかを振り返り、2014年の動向を考えてみようという企画。もちろん、Marshall Blogがレポートしたり取り扱ったりしている内容は大きな音楽界にあってはまったくミクロの世界ではある。んなことはよ~くわかっております。
数えてみると昨年1年でコンサート会場に足を運んだ回数は130回を超えた。つまり「3日に1回以上」。
好き嫌いが激しいヘソ曲がりの私のことだから、訪れるコンサートの音楽の種類も限られてくるし、当然取材の対象がMarshallがらみのバンドばかりなので自ずと幅が狭まってしまう。んなこともよ~くわかっとる。
でも、3日に1回以上現場に足を踏み込んでいれば、音楽界に関する色んな情報が耳に入って来るし、私のような鈍い人間でもトレンドのようなものを肌で感じることができるというものである。
で、昨年1年でMarshall Blogに頻出もしくは目立ってご登場いただいた方々をご紹介しつつ、何となく周辺の音楽トレンドをまとめてみたいと思う。いわば「マーブロのワガママ定点観測」ってとこかな。

まずは、ベテラン陣の目立った活躍。
1970年代より日本に定着したロック。その黎明期より活動を続けているバンドがパワフルに活動を続けていることはうれしい限りである。何しろ、噴き出すマグマのような、ギランギランに輝いた、ロックの黄金時代を直に経験、体験した方々の作る音楽である。
それが結成40年とか30年とかを経ていまだにそのテンションを維持してロックしている姿は素晴らしい。

外道は昨年40周年を迎え、ニュー・アルバムも発表した。レコ発ライブもやった。アッパレ秀人さん!なのである。
150EARTHSHAKERは30周年!ニュー・アルバムの他にSHARAさんとMARCYさんがソロ・アルバムをリリース。昨年後半は日本全国を隅々まで回る大ツアーを敢行した。そのパワーはまったく衰えを見せることはない。

20_2
こちらは29周年のSHOW-YA。もうこの人達は手がつけられないくらい日増しにパワーアップしている。『NAONのYAON』も最高だった。年末のコンサートは感動ものだった!もちろんこれもトックリとレポします。

3sy_img_0225
日本ロック界の至宝LOUDNESSも健在。11月末に開催された樋口さんのトリビュート・コンサートのレポートを近々Marshall Blogでアップする予定にしているので乞うご期待。

10_2

山下達郎の大ツアーを無事終えた広規さん。GUITAR☆MAN他多彩な活動で日本のリズムを支えている。未発表音源を収録したアルバムもリリース。
最良のバッテリーの相手を失った悲しみは大きいであろうが、その分ますますご活躍されることであろう。

380v大谷令文、小笠原義弘、ロジャー高橋という大ベテランによるTrio the Collagens。もちろん各々の活動も盛んである。こうした名手が揃った演奏はありがたや、ありがたや。

3tc_img_0062CANTAの安定した活動も心強い。「やれるうちが花」、「生きてるうちが花」は最近の私の座右の銘だ!

20日本メタル界の重鎮、CONCERTO MOON。ニュー・アルバム『BLACk FLAME』を発表し、そのレコ発ツアーで気炎を吐いたのは記憶に新しい。

10_2確かな実力を裏付けに独自の手法でプロモーションを展開するKelly SIMONZ。今春念願のメジャー・デビューが決定した。今後の展開が実に楽しみだ。

190v_3
この人も一年を通じて忙しい人だ。原田喧太。喧ちゃんもそろそろデビュー30周年を迎えるハズだ。「マサやんの還暦コンサート」は感動ものだった!『Guitar Crusaders』という大イベントが控えている。

46vこちらも昨年THE GOOD-BYEの結成30周年記念のコンサートを開いた曾我泰久。ソロやThe Paisleysの活動で良質なポップ・ロックを量産している。THE GOOD-BYEのコンサート・レポも近日中にアップする予定。ファンの皆さん、乞うご期待!

Gb_img_0451KRUBERABLINKAの赤尾和重。もちろんCazさん自身がMarshallを使っているわけではないが、日本版女性版ロニー・ジェイムス・ディオとして日本のハード・ロック、メタル界を支えているひとりであることに異論はあるまい。
女性のパワーは強いのだ。
10_4
そう、先のSHOW-YAは別格として、とにかく女性のバンドの台頭はすさまじい…イヤ、「台頭」を通り越してもう「安定期」に入ったと言った方が正しいか。
ロックを聴き始めた時から女性のバンドが林立しているヤング・ファンには想像がつきにくいかもしれないけど、いいですか、私が若い頃、女性のバンドというのは「土佐日記」ぐらい珍しかったのよ。
それが今では「女性」という接頭辞をなくして名前が通じるようになった。

SCANDALに「女性ロック・バンド」と説明を加える者はもはやいないのではなかろうか?
演奏・曲・演出…音楽エンタテインメントの三種の神器、イヤそれにルックスという四種の神器が組み合わさったと言っても過言ではあるまい。問答無用で楽しめるコンサートは「元気をもらった」ことを実感させてくれる。
20さらに、もはや日本のハード・ロック&へヴィィメタル・シーンにガール・バンドは絶対に欠かせない存在になったことも否めまい。
「ごめんね」だの「がんばろう」だのどこを切っても同じものしか出て来ない若手の男の子のバンドよりよっぽど筋金が通ったロックンローラーぶりを呈してくれる。
ちょっと気が付いたのは、こうしたガール・バンドでのMarshallの使用率が高めであるということだ。それは女性のギタリストが機材に疎いとか弱いとか言うことでは全くなくて、「やっぱロック・ギターはMarshallっしょ?!」という女性特有の思い切り感のようなものがあるのではないか?なんて感じたりするのである。これは大正解ですよ。

相変わらずの大人気を誇るAldious。ニュー・アルバムのレコ発ライブの盛り上がりようといったらなかった!
20圧倒的なパワーと計算されつくした曲で押しまくるDESTROSE。やはりアルバムとシングルをリリース。レコ発ライブも熱狂のウチに幕を閉じた
120ツイン・ボーカルで他との差別化を図るexsit✝traceは新鮮だ。
まだまだ他にもいいバンドがいるけんね。ドンドンMarshall Blogで紹介していきますから。
10_2アベノミクスがいかにもてはやされようと、やはり日本のハード・ロック&へヴィ・メタル界はまだ厳冬期を抜けることができないと言える。
その中でのQUORUMの出現は大事件だった。
この22、23歳の若者たちが醸し出すロック魂は、やはり多くの人の耳目を捉えているようだ。
Marshall Blogに登場した当初はさして話題にも上らなかったが、先日PVを紹介したところ、関係者から問い合わせが何件も集まり、多くの人から好意的な評価が寄せられた。
私が願うのは、QUORUMが彼らと同じ22、23歳の若者たちから支持を得てもらうことだ。こうしたロックの公式的な音楽は世代を超えてそのカッコよさが理解されるハズなのだから。

40こちらも結成25周年を迎えた人間椅子。
先般のレコ発ツアーも大成功のウチに終了させた。和嶋さん曰く「25年前とやってることは一緒」。
人間椅子も日本ハード・ロック界再生の大きな原動力だ。なにしろカッコいい!
190犬神サアカス團も長いキャリアを誇る和式バンドの雄だ。ソリッドなハードロックに乗せて絶望的に暗い私的環境を歌いあげるスタイルはこれまたワン・アンド・オンリー。J-POPとは完全に隔離された世界。それがロックの世界だ。
ただ、ボーカルの凶子さんの健康上の理由で休止期間に入ってしまったことが残念。またすぐに暗く再登場してくれるだろう!
12月のTSTAYA O-WESTでのツアー・ファイナルのレポを近日中にアップする予定。

Icd_img_0054 田川ヒロアキも伝統に根ざしたオリジナルのハード・ロック・サウンドを追及するたのもしい存在だ。
ギタリストとしての経験は百戦錬磨。活動の幅が信じられないぐらい広いのもこの人のキャリアの特徴だ。
今年も様々なシチュエーションで美しいMarshallサウンドを奏でてくれるに違いない。ギターの弾き方は間違ってるけどね。近日中にまた変わった現場での演奏のレポートをお送りする。

2wcd_img_0106ハードロックという切り口であれば絶対に触れておかなければならないバンドがある。
GRANRODEOである。
「ハードロック」を万人が楽しめる一般的なエンターテインメントとして活動を展開しているバンドの最高峰と読んでも差し支えないのではなかろうか。
この一声で数万人を若者を集めるモンスター・バンドのお客さんの男女比率はほぼ同一だ。男女半々。
ステージにズラリと並んだMarshallやe-ZUKAさんのギター・プレイに憧れてギターを弾いてみたくなる若者も多いハズだ。
70年代のロックを知り尽くしたe-ZUKAさんが書く曲は「ハードロック」そのものだ。これに10代の若い男女が熱狂しているのである。
ここでもいつもMarshall Blogで言っている公理が成立することが証明されると思うのだ。
「若者はカッコいいロックを知らないだけ…」

もうひとつ、GRANRODEOに感じるところは、彼らのサウンドが近い将来のひとつのハードロックの在り方ではないかということ。
つまりSWEETや後期のAEROSMITHのように職業作曲家が魅力的なメロディを作り出し、それを完璧なパフォーマンスで再現するというスタイル。GRANRODEOはメンバーのKISHOWさんの詞を書き、e-ZUKAさんの作曲しているからこの例には当らないが、音楽制作のひとつのスタイルとしてGRANRODEOがいい見本になるような気がしている。

これほどオリジナルから遠ざかってしまったロックだからね。お茶っぱに例えると、もう味も色も出なくなっちゃってるんですよ。その出がらしロックを聴いて育つ世代は出がらし以下のモノしかクリエイト出来ないのはモノの道理なワケ。怒んないで読んでよ。新春だから無礼講ということで…。

だからテクノロジーに走る。その結果ボカロなんてテクノロジーの妖怪みたいなものが出て来てしまう。
じゃ、クラシックはどうなんだ?ということになる。何百年も同じことをやってるからね。あれは古典芸能。古典芸能には古典芸能の楽しみ方というものがあって、「同じ素材をいかに料理するか」を味わうものなんですな。もはやジャズもその域だわね。
ロックを古典芸能してはならないとも思っている。いつまでも「Smoke on the Water」でもつまんないのよ!
今のロックを推進させる答えは未来にはなくて、過去にあると信じている。だから若いミュージシャンに徹底的に温故知新してもらうか、先に述べた通り音楽を正式に学んだ職業作曲家にいい曲を書いてもらうしかない。

さて、GRANRODEO、昨日のスーパーアリーナは感動ものだった。これもレポ近日予定。
470若手の活動も要注目だ。(直前にあんなこと書いたもんだからやりにくくなってしまった!)
Marshall Blogはやっている人間がクラシックなもんだから、ついベテラン勢に加担しがちと思っている読者も多いと思うが、んなことはない。
いいバンドがいればジャンジャンご登場頂きたいと思っている。

そのひとつがグッドモーニングアメリカ。スタイルはいわゆる「今のロック」だが、エンタテインメント性も高くひとつのショウ・パッケージとして完成した美しさを誇っている。

10_2摩天楼オペラも好きなバンドのひとつだ。もはや若手と呼んだら失礼なのかもしれないが、今をリアルタイムで走るバンドとして敢えて若手と呼ばせてもらうことにした。
Anziの超絶テクニックを強調する確立された様式美もまた「ロック」だ。
100「彗星のごとく現れた」印象のCrying Machine。「ロックにおけるポップ度」という観点から見るとここはちょっとGRANRODEOに通じるところがあるな。
メンバー5人の強烈なキャラも魅力だが、Marshall Blogとしては、ステージでは片時もフルスタックを離さないMashaくんの「Marshall愛」がうれしい。今後の活動に期待している。
210_2外タレだって負けていない。秋に来日した英マンチェスターのThe Virginmarys
「ブルース・フィーリングをパンキッシュに吸収したトラディッショナルなロック」なんて書くとイッタイナンジャソリャ?…ということになるが、ブリティッシュ・ロックの本場でも先祖がえりを標榜するムーブメントがないワケでなないことを知らせてくれた。
後日3人のメンバーのインタビューを掲載する予定。

30v昨年もうひとつ顕著に感じられたのはインストゥルメンタルのロックの普及だ。
レコード・ビジネス的にはインスト・ロックというものはヴェンチャーズ以来かなり厳しいやに聞いているが、「器楽演奏力」の衰退を尻目に、お構いなしに我が道を進むミュージシャン達の姿は問答無用にカッコいい。
老若男女を問わずこれらのバンドを見てギターの魅力を再認識してもらえるとうれしく思う。

その世界でもっともストイックな活動を続けているバンドのひとつが三宅庸介率いるStrange Beautiful & Loudだ。
この独自の音楽世界感は何人にも侵されるものではない。現在ニューアルバムの制作に打ち込んでいるところだが、仕上がりが待ち遠しくてしょうがない!

10中野重夫を擁する「中京の重戦車」DYNAGON。へヴィでわかりやすい曲とそのアダ名の通りゴリゴリと前に進むことしか知らない(戦車はバックできますが…)猪突猛進の演奏はベテランにしか出来ない域に達している。
今年は東京でもその姿を披露してもらいたいものだ。
190SHARAさんのソロ・ユニットmintmints。五十嵐sun-go美貴、寺沢功一、向山テツと組んだインスト・ロック・バンドの目玉的存在。
SHARAさんが書く完全無欠のレパートリーが楽しく、美しく、そしてスリリングだ。Marshallの社長、Jonathan Elleryのお気に入り。

20_22013年のインスト・ロック界(そんなのあるのか?)を語る時に完全にマストなバンド、D_Drive
リーダーのSeijiさんとは長い付き合いをさせていただいている関係で、比較的初期段階からこのバンドを見て来ているが、名実双方にわたる成長ぶりはすさまじく、見ていて大変愉快で、うれしく思っている。
現在のところドへヴィな曲を中心にレパートリーを展開しているが、その軸をブラすことなく、音楽の幅を広げて行って欲しいと個人的に思っている。めざせ「21世紀のヴェンチャーズ」!なんてね。

30_2ベテラン勢の外タレも元気に活動してくれているのもうれしい。

全曲Genesisのレパートリーで固めたSteve Hackettの来日公演は3日とも超満員だった。やっぱり日本はプログレ大国なのです。日本人にはプログレが必要なんだ!
いまだに「Supper's Ready」が耳にこびりついている!
140vああ、Dougはいつ見てもカッコいい。Whitesnakeの来日公演も熱狂的な支持を得た。

10

Paulが来てからもう一年か…ホントに早いナ。この時私が撮影した写真をPaulは今でもウェブサイトのHomeに使ってくれている
今年はナニをやってくれるのかな…楽しみだ!

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今年もいいイベントがたくさん開催されることを期待している。

大盛況だった『Legend of Rock』5回目の日比谷野音公演。やっぱりみんな70年代のロックに飢えていることは間違いない。

40v_2Ronnieへのトリビュート
数々のトリビュートものも楽しみなのだ。

10

『LIVE ROKUGENSIN』も楽しかった!

350_2そういえば、この爆風スランプのトリビュートの時は成人式の日で、東京が何年ぶりかの大雪に見舞われたんだっけ。出演者も会場に来ることができなくて一時はどうなることかと思ったけど大成功に終わった。最高に楽しいイベントだった。
ところで記事のタイトルにつけた「大無人」とか「天無人」とか、みんなわかったのかな?
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最近はまたLP人気が復活している…なんてことはもう今まで何回聞かされたことかわからんが、やっぱりレコードはいい!絶対いい。
大幅にレポートが遅れまくっちゃっているけど、「ミュージック・ジャケット・ギャラリー」も続けて行きます。

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こっちもなかなか進まなかったけど、書きたいことがテンコ盛りの「イギリス―ロック名所めぐり」。いつか日本のミュージシャンたちとイギリスに出かけ、Marshallの工場とロンドンをガイドすることが夢なのだ!だから積極的に書き進めるよ!
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…と昨年掲載した記事を交えて雑感を述べてみた。もちろん他にもたくさんの素敵なミュージシャンの方々を紹介してきたが、紙幅の関係上ここに掲載できなかったことをご理解いただきたい。

もうひとつ、忘れてならないのはもう二度とレポートできないミュージシャンたちのことだ。
2013年にも我々は洋の東西を問わずたくさんの才能を失った。
こういう書き方は不謹慎なことは承知しているが、とにかく見れる内に見ておいた方がよい。
ロックの黄金時代を経験しているオールド・ファンにはよくおわかりだろうが、クリエイティビティやオリジナリティという面においては音楽的なレベルが幼稚化し、それにつられて器楽演奏技術の水準が明らかに低下していると思う。
ポピュラー音楽は時代とともにうつろうものだからそれでヨシとする向きもあるが、これは別の問題。
「名人芸」というものは失ってしまうとその穴を完璧にフォローすることはできない。
今のウチに出来る限り「生きる伝説」を体験しておくことも大切だ。
その点、Jim Marshallや桑名さんや青山さんとお仕事でご一緒させていただいた自分は本当に幸運だと思う。

そういう意味で、今年…できれば…の話しだが、Marshall Blogを使って日本のロックのクロニクルみたいな活動ができればいいなと思っているのですよ。
つまり偉大な先達の音楽的なご経験を活字に残しておきたい…なんて思ってる。おもしろい話しがゴマンとあるはずだからね。現在展開中のPhil Wellsのインタビューじゃないけど、誰かが記録しておかないと誰も知らないおもしろい話しが永遠に闇に葬り去られてしまう。
どげんかせんと!

それと「伝承」。このテーマは変わらない。Marshall BlogはMarshallやNATALやEDENの情報に合わせて素晴らしいロックの遺産を次世代に伝えていくことを目標にしている。

あ、機材の話しを…。これは簡単。
「向こうの空き地に壁ができたってよ!」「マ~、シャルてること!(「しゃれてる」のシャレです)」
ロックはMarshall。Marshallはロック。三段積みでロックの風をひとりでも多くのギタリストに体験してもらいたい…以上。これしかない!

ナンカ初っ端から取りとめのない文章になってしまったけど、今年もMarshall Blogを何卒よろしくお願い申し上げます!

最後にひとこと。これは何年か前に山下達郎さんがステージでおっしゃったお言葉。

「平和じゃなきゃ音楽もできやしない」
Marshall_logo__white_on_black_backg

2013年12月26日 (木)

QUORUM PLAYS QUORUM

どうしようかな~…。まだ悩んでる…。

このMarshall Blog、無造作に写真を貼り付けて適当に文章を書いていると思ってるでしょう?
トンデモナイ!
確かにパターン化させている箇所はあるけど、読者のみなさんをなるべく飽きさせないように、無いアタマを絞りに絞って構成を考えつつ制作しているのです。
そうでもないと毎日読んでもらえないもんね。

で、困ったのは今回の記事。
「見てから読むか」、「読んでから見るか」…コレに相当悩んだ。
ナニを見せるかっていうとQUORUM。
待望のプロモーション・ビデオが出来上がったのだ!

エエイ!もう最初に見せちゃえ!
とにもかくにもまずはそのビデオをご覧下され。ハイ、クリック!

…と思ったけど止めた!
やっぱり最後に紹介することにした。ですので必ず最後まで記事を読んでからQUORUMの世界をご堪能くだされ。まずは撮影のレポート。

PVで収録された曲はそのままバンド名を冠した「QUORUM」。

10Quorumのステージでは定番のテーマ・ソングともいうべきキラー・チューン。

20QUORUMの4人。平均年齢22歳。肌がツルツルしてる!

40ボーカルの浪岡真太郎。「後輩」と言いたいところだがゼンゼン違う…現役の東大生。
120vギターの北川游太。
130vベースの盆子原幸人。
140vドラムは石川達也。

150vセットに使われたMarshallのフル・スタックとNATAL。

30やっぱり美しい!他のギターアンプではゼ~~~ッタイに作り出せない光景、そしてムードだ。これだけでロック。
QUORUMの音楽にはMarshallが欠かせない。彼らが演奏しているスタイルの音楽はMarshallがあったjからこそ生まれたものだからだ。

100そして、その雰囲気にピッタリ収まるのがNATALのドラム。スコーンと紅茶、フィッシュ&チップスにはイングリッシュ・エール、TESCOのサンドイッチにはWALKERSのポテチ…やっぱりイギリスのものにはイギリスのものがシックリ来るのだ!

110Marshallの壁を背にしょった4人。

50ギタリストの遊太はもちろんのこと…
200他のフロントの2人も最後まで高まったテンションをキープしていた。

70達也にはNATALだ!

80今回達也が使用したNATALはメイプルの24"ツーバスのキット。フィニッシュはSilver Sparkleだ。

170ペダルもNATAL製。スネアにはNATAL自慢のHand HammeredシリーズのDark Copperが使用された。

180こうして都内のライブハウスで撮影は順調に進んだのだった。
160それではここでそのプロモーション・ビデオを見ていただこう。
はい、クリック!

いかがだったろうか?

いつもMarshall Blogが騒いでいるように、カッコいいギター・リフにソロ、魅力的なロック・ヴォイス、へヴィでフレキシブルなリズム・セクション、これらを全部備えているバンドがQUORUMなのだ。

60vこうしたロックが突然変異的に先祖返りして生まれてくるハズもなく、メンバーが各々黄金期のロックをいい点をしっかりと受け止めて、今の世代の感性を注入して作り上げた結果がコレなのだ。
いつも言っているのはこのことなのだ。

185早くもこのビデオは世間で評判となっているようでうれしい限りなのだが、若い人たち…高校生ぐらいの子たちはこの曲を聴いて一体何を思うのだろう?
自分達のちょっと年上のお兄さんが髪の毛を伸ばして、細いGパンやビニパンをはいて、半裸で狂ったように演奏する姿がどう映るのだろう?
ギター・リフもソロもなく、甲高い声で「ゴメンね、ゴメンね」と優しい男の子の心情を歌うバンドの方がやっぱり魅力的なのだろうか?
そういうのはロックじゃないよ。

190vQUORUMをおじさん達の懐古趣味の対象で終わらせてはゼッタイにダメ。若いリスナーにドンドンとアッピールしていってもらいたい。
そうして、若い人たちがQUORUMに興味を持ってくれたらしめたものだ。その若い人たちはハッピーとなる。QUORUMをキッカケに一生かかっても聴ききれないほどの素晴らしいロックと出会う可能性が高くなるからだ。

210vさらにQUORUMの進撃は続く。
902014年2月19日、「QUORUM」を含む全5曲入りのミニ・アルバムがリリースされるのだ。しかもちょうど午年!
QUORUMにとって大きな飛躍の年となることは間違いないだろう。

CdQUORUMの詳しい情報はコチラ⇒QUORUM Official Site

220v(一部敬称略 2013年11月撮影)

2013年12月17日 (火)

おかえりバズーカスタジオ

(昨日からのつづき)…というワケで高田馬場へ発展的に移転したバズーカスタジオ。
新宿の時も駅から近かったが、今度も高田馬場駅からすぐ。まさに「歩いて2分、走って1分」!
煌々と輝く「BS」のネオンサイン!
これが今度のバズーカの入り口。

10地下に降りると細長い空間が広がる。
これがロビー。
ロビーが広いとうれしいね。
昔はスタジオなんて狭いの当たり前で、ヘタするとロビーが混んでいると楽器を持って部屋から出られないなんてところもあった。

20v_2昨日紹介したように元々バズーカスタジオはレコーディング・スタジオだが、新しいバズーカには練習用のスタジオが7部屋設置された。
壁に描かれた数字はその部屋の番号だ。

私が初めてバンドの練習でスタジオってものを使ったのは36年前。1977年か…当時はスタジオなんて今みたいにどこにでもあるものではなくて、楽器屋さんに併設しているスタジオが一般的だった。
うん、スタジオ屋さんなんてあんまりなかったよね、あの頃?
で、少しでも安いスタジオを探して都内をさまよったもんだ。
置いてある機材なんて使い古しのボロンボロンなものばかりだった。まずMarshallなんてなかったよね。ドラムのヘッドなんかおろし金みたいに凸凹になっちゃって…。

JCM800シリーズが出る前の話しだからね、Marshallといえば1959とか1987ぐらいしかなかったし、ま、たとえ置いてあったとしてもまだロクに弾けない子供の手に負える代物じゃなかった。
それが今ではMarshallが置いてあって当たり前。いい世の中になったもんだ。

もちろんバズーカスタジオもMarshall完備。来てくれたお客さんが快適な演奏ができるよう最高の機材を常備している。

30_2こちらはミキシング・ルームのうちのひとつ。
まだ他にもレコーディング・ブースとペアでいくつも用意されているのだが、取材した時点ではまだ準備中だった。
当然のごとく機材、環境ともに新宿に負けない、イヤそれ以上の快適なレコーディング設備が実現する。

40_2こちらは練習スタジオ。Marshallは各部屋にJVMのハーフスタックが常備されている。

まだJVMが「ムズカシイとかややこしい」とかいう声を耳にすることがあるが、ゼ~ンゼン簡単よ。
真空管のアンプを使える人なら誰でもすぐに使いこなせるはず。
GainとVolumeがと3バンドのEQがある3チャンネルのアンプが4個入ってるだけなんだから。それにリバーブとマスター・ボリューム、高域強調のPresenceと低域強調のResonanceが付いているというだけのもの。

4つのアンプもキャラクターがハッキリしている。
①Clean  :1959等のビンテージ系サウンド
②Crunch :JCM800 2203系
③OD1   :JCM2000系
④OD2   :ドンシャリのJCM2000系
という風なサウンドのイメージを持っているので、まずは今まで使って来たMarshallのイメージに合ったサウンドを見つけてそれを発展させていくとおもしろいと思う。
チャンネルをコロコロ変えるのもいいし、気に入ったチャンネル/モード一発で通すのも自由だ。
色々できる器用なモデルだけど、余計な機能が付いていない分、音がいいのだ。

JVMが発売された時、開発者のサンチャゴ・アルヴァレスに色々と教えてもらったり、意見を交換したりして楽しかったな~。

そして注目してもらいたいことがまだある。7部屋のうち、5部屋にNATALドラムが設置されているのだ。

50_2メイプル、バーチ、そしてアッシュの代表的な3種類の素材のキットだ。

60_2昨日、SSLのコンソールの買い付けの場面で登場したマネージャー。この方は数々の名盤を手掛けた一流のレコーディング・エンジニアでもあるんだけど、人一倍ドラムの音にうるさいときてる。
その方が、「ドラムいいね~!吸音しても吸音しても鳴りがよすぎて追いつかないよ!」と満面の笑みを浮かべて私に感想を述べていただいた。プレイヤーももちろんだけど、やっぱり「音づくり」のプロフェッショナルにほめてもらえるとうれしい!
その鳴りはやはり国産のドラムにはないものだという。元々ドラマーだったJim Marshallの夢とブリティッシュ魂がふんだんに込められたイギリスのドラムだからなのだ。

70_2NATALとともに帰ってきたバズーカスタジオ。
なお一層おもしろいことになりそうだ。

80_2そのバズーカスタジオ、来る20日に『スタジオ内覧会』が開催される!
スタジオ各々の設備が自由に見学できるのはもちろんのこと、当日はMarshall Blogでもおなじみの孤高のギタリスト、三宅庸介氏率いるStrange, Beautiful and Loudと数々の実績を持つ人気エンジニア、内藤輝和氏による公開レコーディングが催される。
演奏に興味がある人だけでなく、プロのレコーディング・テクニックに接してみたい人にも必見のイベントだ。

そして、そして!まだ日本本格上陸前のNATALドラムも叩き放題だ~!
いまのところ日本でNATAL Drumsが叩けるところはバズーカスタジオだけだからね。
Marshallブログを見ているギタリスト諸君、あなたのバンドのドラマーさんに教えてあげてチョ!

90_2ドラム・キットだけでなく、左に見えるNATAL自慢のPure Stave Snare(staveとは「桶」のこと。従来のプライ式ではなく、コンガのように桶のような構造になっているスネア・ドラム)や真ん中のHand Hammered Snare。右のMetal Snare(写真はアルミ。先日来日したPrimal ScreamのDarrin Mooneyが実際に使用したもの) も試すことができる。

100_2いよいよMarshall Blogに登場する機会も多くなってきたNATAL(ナタール)。
ドラム・ブランドとしては最後発もいいところだが、これまで若手ドラマーから日本を代表するドラマーまで驚くほど好意的で高い評価を頂戴している。大変うれしいです!
最後発といってもパーカッションのブランドとしてはその歴史は古く、1965年にまでさかのぼることができる。つまりMarshallより3歳年下なだけのイギリスのパーカッション・ブランドだ。

Natal_powerロンドンのアラン・シャープという優秀なパーカッショニストが、当時市販されているパーカッションに満足せず、パーツを集めて自分で納得のいく楽器を製作した。
アランが作ったボンゴは瞬く間に評判を集め、製作の依頼が殺到したという。そうしてビジネスとして立ち上げられたパーカッション・ブランドがNATALだ。
どこかで聞いたような話しでしょ?
そう、他でもない、Marshallだ。
マー本『Marshall Chronicle』でも詳しく触れたが、ご存知の通りJim Marshallはギタリストではない。つまり自分が使う楽器ではなかったというのは大きな違いだが、Marshallの起源はJimが作ったスピーカー・キャビネットだ。Jimは自分の歌声を美しく拡声するために自分の納得のいくスピーカー・キャビネットを製作したのだった。やっぱ同じだね。

N_logo NATALのパーカッションはそのご多くのミュージシャンに愛用された。特に当時革新的な製品であったファイバーグラス製のコンガは、Santana、T.Rex、Led Zeppelin、Fleetwood Mac、Deep Purple、The Rolling Stonesらに寵愛され大評判を得た。
ラテン・パーカッションのブランドというとすぐにアレが連想されるが、「Swingin' London」で盛り上がったイギリスでは少しばかり様子が異なったようだ。

このアルバム知ってるでしょ?そう我々が『ライブ・イン・ジャパン』として親しんでいるDeep Purpleの輸入盤『Made in Japan』だ。このジャケットの写真をよく見てもらいたい。

Mijこの写真が撮られたのは日本武道館でも大阪厚生年金会館でもない。下の写真にあるロンドンはFinsbury Parkにある有名なRainbow Theatreだ。
そして、ジャケ写の中でIan Gillanが叩いているコンガこそNATAL製なのだ。
またやT-RexやDavid Bowieを撮り続けた名カメラマン、鋤田正義さんの写真の中にも、Micky Finnが使うパーカッションにNATALのロゴを確認することができる。

Bs_img_0450そして、このイギリスを代表するパーカッション・ブランドをMarshallが引き継ぎ、ドラムの製造に着手したのである。

Maple_gloss_blackMarshallの創設者、Jim Marshallはジャズ・ドラマーだった。
元気な頃はパーティで興が乗ると、パーティ会場のステージの上のドラムに座り大勢の人の前で演奏して見せてくれたものである。

Ash_white_swirlNATALはドラマー、Jim Marshallの夢…

Bubingaブリティッシュ・ロック魂に満ち溢れたドラム…それがNATALなのだ。

KmafxblもうWhitesnakeを辞めちゃったけど、Braian Tichyはアッシュのキットを使用。もちろんWembleyの『50 Years of Loud Live』でもNATALを使っている。

BtThin LizzyのBrian Downey。Thin Lizzyというとすぐにツイン・リードだの、Gary Mooreだの、Phil Lynottだの…ま、その通りなんだけど…でもドラマーでもない私が断言しよう…Brian DowneyなくしてThin Lizzyサウンドはあり得ない。
この人のドラム、メッチャすごい。そんなBrianのキットはメイプルだ。

Bdこちらは再活動が忙しいUriah HeepのRussel Gilbrook。
再結成Uriah Heepは来日も果たしたが、私はロンドンで観た。切れ味鋭かったRussellのドラム・サウンドはバーチのキットから繰り出されていたのだ。

Rbそして、先頃Marshall BlogでレポートしたPrimal ScreamのDarrin Mooneyはメイプルのキットにメタル・スネア(上述)を組み合わせて使っている。
Darrin MooneyはGary Mooreバンドのドラマーだった。ね~、三宅さん?!

Dm_img_8789 とにもかくにも12月20日は高田馬場へGo!

おかえりバズーカスタジオ!

バズーカスタジオの詳しい情報はコチラ⇒BAZOOKA STUDIO公式ウェブサイト

110_2(12月12日 高田馬場BAZOOKA STUDIOにて撮影)

2013年12月16日 (月)

さよならバズーカスタジオ

東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前駅」。
新宿御苑は、元は江戸時代に信濃高遠藩内藤家の下屋敷のあった敷地だった。
1879年(明治12年)に「新宿植物御苑」が開設され、第二次世界大戦後に一般に公開されるようになった。
大正天皇・昭和天皇の大喪の礼がとり行われたのも新宿御苑。
2006年(平成18年)には「新宿御苑」の名を冠してから100年を迎えたそうだ。

Sgm_2駅を出てちょっと角を曲がると…。

04このスタジオがある。
アレ?これアビィ・ロード・スタジオだ。写真間違えた!

05やり直し。
「新宿御苑駅」を出て数十秒。
このビルの地下にそのスタジオがあった。

10vバズーカスタジオ。
「あった」というのは、入居ビルの老朽化を理由にこの老舗スタジオが移転することになったのだ。

20vバズーカスタジオの開業は1993年。現在まで20年間、ハード・ロックやへヴィ・メタルから様々なタイプの音楽にわたる数えきれないほどの名盤がここで制作されてきた。まさに都内屈指のの名録音スタジオだ。
かつてはJimmy Pageが使っていた1987を所有していたこともある。

30ロビーの風景。ウッディな雰囲気が張り詰めたミュージシャンの頭と心を和らげる。

40謎のエレベーター。
このテーブルに座ってソロ・アルバムを出したばかりのノンちゃんにインタビューしたんだっけ。
60「あ、オレの落書きだ!」なんてマーブロの読者もいるのでは?

50こちらは地下2階の待合スペース。

70こちらは地下2階のミキシング・ルームのひとつ。
取材当日にはもう引越しの準備が始まっており、膨大な量に及ぶ録音機器の解体が始まっていた。そのため、すべての設備を紹介することができないことをお許し願いたい。

80地下一階にもどる。
全設備中、2番目に大きなスタジオ「5.1」。

90ハイレベルな録音機器が部屋に充満している。

100

110そしてバズーカの心臓部。

120雰囲気満点のミキシングルーム!

130

150TANOYのスピーカー。

170レコーディング・ブースのようす。

180ナント言っても目を惹くのはこの巨大な72チャンネルのミキシング・コンソールだろう。
イギリスがオックスフォードの南西にあるベグブロークという小さな街でこのコンソールが製作された。

190Solid State Logic社製。いわゆる「SSL」。1969年創業のこの会社は元はパイプ・オルガンのコントロール・システムを製造していた。
「Solid State Logic」というのは創業者のコリン・サンダースがオルガンの製作者に自分の考えたシステムを説明するために考え出した造語だそうだ。
音楽のレコーディングに並々ならぬ興味を持っていたその創業者はやがてミキシングのコンソールの開発に着手し、SSLは現在では世界屈指のミキサーブランドに成長した。

200スタジオの開業にあたり、バズーカ・スタジオの現マネージャーがミキシング・コンソールの買い付けにアメリカのボストンに赴ていた際、「アビー・ロード・スタジオがコンソールを手放す」との情報をキャッチ。
そのままアビー・ロード・スタジオがあるロンドンのSt.John's Wood(冒頭の写真の場所。ヘヘヘ、最初にアビー・ロードの写真を掲載したのはこのためなのよ!)に飛んだという。

下はコンソールが東京に到着し、バズーカ・スタジオに設置しているところ。
設置時には指導のためにイギリスから技術者が来日した。

201マネージャーがアビー・ロード・スタジオを訪れた際に受けた説明。
「このコンソールはポールが自分のアルバムを作るためにSSLに特別に発注したものです。そのレコーディングの後、ポールがアビー・ロードに寄付してくれたものなのです」
ポールとはもちろん「ポール・マッカートニー」のことだ。

202Marshallや他のギター・アンプ・ブランドもそうだし、先のスピーカーのTANOYやGarrard、KEF、B&W、McIntosh、Quad、Neve等々、イギリスには名だたる音響機器のブランドが多いが、これはナゼだろうか?

203大変そうだけど、みんな楽しそうだ。

204vバズーカのマネージャーはこのコンソールを買い受ける際、「ここにキズがありますね?」と値引き交渉に入ったが、先方はこう切り返したという;
「ほほう…このキズはポールが付けたものかもしれないんですよ?ABBAのメンバーの誰かかもしれませんね。つまり、このキズは歴史なんですよ。それがわかりませんか?」
そう言われちゃったらね~。そしてこう付け足したという。
「このコンソールでこれからも新しい音楽の歴史を刻んでいってください」

205vこれはこのコンソールに付属していた証明書。「名器の血統書」とでもいおうか。
こう書いてある;

「(ヘッダー)abbey road
SOLID STATE LOGIC CONSOLE 4056B - ABBEY ROAD STUDIOS

1993年7月

Abbey Road Studio 1 でこのSolid State Logicコンソールを使用したアーティスト

FISH
AHA
ABC
DURAN DURAN
TOTO
DEACON BLUE
JOHNNY HATES JAZZ
FINE YOUNG CANNIBALS
PAUL McCARTNEY
GARY BROOKER
PERRY COMO
FLOCK OF SEAGULLS
MAURICE JARRE
ROY ORBISON
RUSS BALLARD
ANDREW LLOYD WEBBER
SARAH BRIGHTMAN
IT BITES
ADAM AND THE ANTS
BOB DYLAN
PAUL SIMON
ART GARFUNKEL
KATE BUSH
CHRIS REA
MICHAEL KAMEN
DONOVAN
JERRY GOLDSMITH
JOHN WILLIAMS」

Bs_img_7763そして、バズーカ・スタジオとSSL製ミキシング・コンソールは新宿で音楽の歴史を刻み続けて来た。

210やはりこうした名所がなくなるのは寂しいことだ。
加速度的に時代が移り変わっていく昨今、Marshall Blogを通じてロックや音楽の歴史を記録して後世に伝えたいと思っている。
その活動のひとつがこのMarshall Blogの『イギリス-ロック名所めぐり』や『Marshall Chronicle』のカテゴリーであり、やや広い意味では『ライブ・レポート』もそれに当るかもしれない。
覚えているようでも時間が経つと忘れちゃうからね。
それに、みんなが知らないようなおもしろい話しがまだまだたくさんあるんだよ。そんな話題をドンドン提供していきたい。

220冒頭に記したようにバズーカスタジオは移転するのであって、これが今生のお別れではない。
移転先は高田馬場。
今度はレコーディング・スタジオだけでなく練習スタジオを設備している。もちろん優れた耳と感性と技術を持ったレコーディング・エンジニアさんたちもそのまま引っ越すので完全にパワーアップすることになる。
つまり、「バズーカ」どころか、戦艦大和に搭載された46cm砲にスケールアップするのだ!
ちなみにこの46cm砲というのは当時世界最大で、1.5tの重さの砲弾を42km先まで飛ばすことができたという。42kmといったら東京~横浜までぐらいだからね。これを撃つ時には甲板の乗組員は全員専用の遮蔽物の影に隠れなければならない。さもないと発射した時の衝撃で内蔵が破裂してしまったらしい。その爆音たるや1959の三段積みどころではなかった…って当たり前か。

230でも、ここでは一旦言わねばなるまい…さよならバズーカ!
お疲れさまでした!
明日は高田馬場の新しいスタジオを紹介する。

240(2013年11月6日 新宿バズーカスタジオにて撮影)

2013年12月13日 (金)

mimic/+8 PARIS ROCK 2013-14秋冬展示会

生来シャレっ構わない性質でしてね…。いつもGパンでOK。そんなシャレッ気のない私でも避けたいと思うのは、年配者のTシャツ姿。企業のイベントなんかでよく見かけるでしょ?薄い頭と出っ腹、テッカテカに光った油ギッシュな顔のTシャツ姿のオッサン。プライベートではいいけど、ユニフォームとはいえ公の場ではあの格好は避けた方がいいと見かける度にそう思う。ムリな若づくりはしたくないな…。

思い起こしてみれば、Gパンって40年以上前、小学生校の頃「青山エイコー」って名前とともにポピュラーになったような記憶というか、認識があるな。よくラジオで宣伝してた。だいたい「Gパン」なんて言葉を使うこと自体オシャレじゃないことがわかってしまうね。「ジーンズ」でしょ?
「パスタ」よりは「スパゲティ」という言葉に安心感を覚える世代なのだ。キウイもマンゴーも食べない。アイスクリームはチョコレートかオレンジ(バニラもOK!)。ガンコおやじなのだ!

大好きな音楽でさえ流行り廃りには無頓着ときているのだから、ファッションへの執着度は推して知るべし。極北だ。
ネクタイを締めていた頃は家内が会社へ着て行く服を100%選んでくれていた。あ、ネクタイを締めなくなった今もだ。
何せ自分で服を買いたいと思ったことがほとんどないのよ。その代わりレコードやCDとなるとうるさいよ。私の人生、起きているプライベートの時間の97%ぐらいはGパンをはいて生きて来たな。

ところが!今日取材でお邪魔しているのはあるファッション・ショーの会場。

10_3ロビーのようす。

20v_2タイトルにあるようにこのショウはmimic/+8 PARIS ROCKというブランドの秋冬の展示会だ。

30_2Mercedes-Benzが主催する『Fashion Week TOKYO 2014S/S』の中の一幕。
60_3
40v_4mimic/+8 PARIS ROCKを主宰するふたり。
向かって左が滝川広志氏。右が柿沼憲一氏。

90v_3mimicのロゴを配したオリジナルのワイン・ボトルや一升瓶がカウンターに並ぶ。

40テーマは「ROCKS」。
昨日紹介したFUZZY CONTROLの最新作『ROCKS』もロビーに並べられた。
そう、昨日の記事の中で少し触れたが、FUZZY CONTROLのスタイリングは柿沼氏の手によるものなのだ。

そして柿沼氏のデザインによるブランドが+8 PARIS ROCK。そのプロフィールをオフィシャル・ブログから引こう。

「国内外問わず、多くのミュージシャンに衣装提供をしている+8 PARIS ROCK。
ローリングストーンズ、レッド・ホット・チリペッパーズ、ルーツ、グリーン・デイと言った海外のトップミュージシャンから、国内ではCHAR,中村正人(DREAM COME TRUE)、藤井フミヤ、RIZEと言った錚々たるアーティストにプライベートでも愛用されている。

近年では東京ディズニーシーにおいてブランド展開をはじめさまざまなアーティストとのコラボレーション企画を実現している。

とロックとは切っても切れない関係のファッションの世界において八面六臂の活動を展開しているのがカキさん。
そして、滝川さん、早い話し、コロッケさんと手を組んで新しくスタートさせたプロジェクトがmimic/+8 PARIS ROCKなのだ。

80_3カキさんとも存外に長いお付き合いになった。比較的迫力のあるルックスなので、昔はちょいと敬遠しがちだったが、レッチリのコンサート(VIP席)やファジコンのライブ他で何回も顔を合わせているうちに自然と仲良くさせて頂くようになった。

+8 Paris Rockのシンボルであるスカル・ラベルのミネラル・ウォーターも。
50_2ウオッ!こんなものまで!「ROCKSパン」!

110当日配布されたカタログ誌。表紙はJUONだ。

100_2ファッション・ショウが始まった!
以下の写真はモデルさんの登場順とは何ら関係ない。
160v会場は超満員!それにしても照明が暗い…。
140v_3今回はThe Rolling Stonesのベロ・マークや…

120v_3
220v
270Patti Smithらのイメージを使ったデザインがフィーチュアされた。

150v_2
170v
180v昨日の記事内でファジコンのメンバーが着ていた「MIMIC Rocks SHOW」のタイポグラフィをあしらったTシャツも登場。
200v
250v

210v

190v

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310v

320v

330v

340v

350v

360v…とまぁ、こんな具合。ファッションのことには残念ながら口出しできません。

370v最後にカキさんが登場。

380vそしてコロッケさんも。

390vコロッケさんにお会いするのはこれが2度目。一度カキさんのお店でご紹介をいただいたことがあって、今回、私を見るなり「あ、以前お会いしましたね!」なんて言われてうれしかった。
私が心からコロッケさんを尊敬しているからだ。
誰もやらない、誰もできない手法でモノマネの新しい分野を開拓する姿勢は真のアーティストと呼べるものだ。お笑い界のMile Davisとでも言おうか。そのバーサティりティと完成度の高さはモノマネ界のFrank Zappaとでも呼ぼうか。
次から次へと出て来る人のモノマネをモノマネする芸人とは格も桁もまったく違う。「お笑いスター誕生」で出て来た時からコロッケさんをリアルタイムで見続けてくることができたのはラッキーなことだ。

ファッションの分野でも売れっ子デザイナーのカキさんと手を組んで大成功を収めることだろう。

400vmimic/+8 PARIS ROCKのショップもオープンしたばかりだ。このチェ・ゲバラ、コロッケさんになってる!

ところで、何でMarshall Blogでファッション・ショウをレポートしたかって?モデルさんを見てみてくだされ!大事なMarshallプレイヤーが颯爽とウォークしているよ!

mimic/+8 PARIS ROCKの詳しい情報はコチラ⇒+8 PARIS ROCK公式ウェブサイト

410shop最後にひとつ。ファッション・ショウは撮影したことがなかったんだけど、照明が暗いわ、モデルさんの動きが予想よりはるかに速いわで、もう無我夢中でシャッターを切った。
これが「ロック・テイストにあふれている!」とか「ライブ感が出ている!」とか思いの他高い評価を多方面から頂戴した。そして、ファッション関連のウェブサイトに私の写真を取り上げていただいた。素直にとてもうれしいです。
ファッションの解説ができないMarshall Blogに代わって私が撮った写真とともに仔細にショウの中身を解説してくれているので、こちらも是非ご覧いただきたい。

コチラ⇒FASSHION PRESS

(一部敬称略 2013年10月18日 目黒にて撮影)

2013年12月 4日 (水)

【追悼】青山純さんのこと

「あなた、マーシャルの人?広規のアンプ調子悪いよ」

これが初めてお会いした時の青山さんのお言葉。2011年5月、伊藤広規さんが今でも積極的に取り組んでいる東日本大震災のチャリティ・イベントが仙川のKick Back Cafeで初めて開かれた時のこと。ビビった。

震災からまだ3カ月程度しか経っていない被災地の方々の生々しい体験談とゲストの方々の演奏が披露され、いよいよ登場したのはKAZ南沢さん、松下誠さん、中村哲さん、そして広規さんと青山さんだった。

素晴らしい演奏だった。
青山さんのプレイは「ドラム」という楽器として音楽の一部を構成するものではなく、一打一打が音楽そのものであり、広規さんのベースと絡むとそれはさらにすさまじさを増した。鳥肌が立った。

3日、青山さんが急逝された。まったく信じられない。

Ja_20 それから5カ月後、2回目にご一緒させていただいたのは福島県の『いわき街かどコンサート in TAIRA』でのことだった。

震災のチャリティ・コンサートということでMarshallも機材でお手伝いする傍ら、ステージの模様を撮影させていただいた。
会場に到着するなり楽屋にご挨拶にうかがった。もちろんそこには青山さんもいらっしゃって、私に向かってこうおっしゃった。

「広規のアンプ、ノイズ出てるよ。」

ガーン!またしても?! 穴があったら入りたい…とはまさにこのこと。ビビった。
しかし、幸運にも実際にはまったく問題なく、スゴ腕ミュージシャン達の演奏はまさに鬼気迫るものであった。

Ja_30 その時の演奏はもう何度もMarshall Blogで紹介しているライブ・アルバム『Relaxin' at IWAKI ALIOS』に収録されている。
このアルバムで私は9,000字に及ぶライナーノーツを書かせていただいたが、青山さんらの名人芸について思いのたけを書き記すことは、音楽を愛する者として、何よりも誇りであり、何よりも楽しかった。

Ri青山さんは、広規さんたちとともに翌年も『街かどコンサート』に出演し、前年同様の目的で私も参加させていただいた。
この時のもようはMarshall Blogでレポートした⇒いわき街中コンサートin TAIRA2012<後編>

Ja_img_2661 もちろんこの時の演奏も最上にして最高のものだった。
そして、悲しいことにふたりのこの姿を見ることはもう永久にできなくなってしまった。
Ja_img_2740いわきから帰って数日後、今度は高尾で昼食をご一緒させていただいた。
昼食といっても、青山さんと広規さんのデュオ・アルバム『A*I』のライナーノーツのためのインタビュー会とでもいおうか、プロデュースを担当していただいたホッピー神山さんを交え、おいしい料理に舌鼓を打ちながら色々なお話しを聴かせていただいたのだ。

Nt_img_0865その後、ジャケットに使う写真を撮影しようと「武蔵陵墓地」へ向かった。あいにく天気が悪く、かつ陽も暮れかかっていたため色がうまく出ずこんな仕上がりとなったが、この青山さんのトレーナーと広規さんのスニーカーの赤がとても印象に残った。(ホッピーさんも、赤いシャツと靴をまるで示し合わせたように着用していた)
その時撮った写真はモノクロに焼かれて、私が書いたライナーノーツの一角にレイアウトしていただいた。

Nt_img_0902 そうして出来上がったのがこの『A*I』。
ベースとドラムのデュエットを基本とした、2枚組の奇盤にして名盤。
青山さんの超絶プレイがテンコ盛りだ。我々はこの音源が残されたことに感謝するべきであろう。

Ai

そして、先月、満を持して発表された『FUTURE DAYS』。松下さん、広規さんらが中心となって1991~92年に制作された音源だ。
ここでも青山さんの素晴らしい演奏を聴くことができる。
もちろん、青山さんが参加して世に流通している音源は限りなく、そしてそのすべてが最高のプレイであることは言うまでもないことだ。

このアルバムを紹介したMarshall Blogの記事には先述した広規さんのチャリティ・コンサートのレポートが併載されている。このコンサートにも実は青山さんが参加する予定であったのだが、体調不良を理由にご欠席されたのだが、それがこんな風になってしまうなんて本当にショックなことである。

Fd私が知る青山さんは以上だ。親しそうにこんな記事を書く資格などないかもしれない。でも、一緒にお仕事をさせていただいたことを心から誇りに思っている。
さらに、音楽を愛する者として、素晴らしい音楽をクリエイトする能力を持つ芸術家がまたひとり鬼籍に入ってしまったという無念の気持ちは大きい。

大衆音楽の幼稚化とデジタル・テクノロジーの進歩による器楽演奏能力の低下が進んでいる結果、音楽の伝承が遅々として進まず、後進の演奏者が順調に育っているとは考えにくい昨今、青山さんのような「音楽の塊のような人」を失うことは、音楽がまたひとつ魅力を失ったことに等しいと思う。
このまま放っておけば、器楽演奏の「名人芸」は近い将来に絶滅する可能性が高いだろう。

謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
青山さん、どうか安らかにお眠りください。

Ja_10v 伊藤広規さん、荒木くり子さんには不世出の天才ドラマーと一緒に仕事をさせていただく貴重にして誇りある機会を与えて頂きました。この場をお借りしまして、心から厚く御礼申し上げます。

2013年11月21日 (木)

2014年もSHOW-YAとともに!

いや~、本当に早いものであと1ケ月とちょっとで2013年も終わりだよ。わかっちゃいるけど早い!
今年もSHOW-YA様には大変お世話になりました…って村人みたいなことを言っておりますが…。
オフィシャル・フォトグラファーとして東京で開催されたコンサートをすべて撮影させていただき、かつ毎回Marshall Blogにご登場いただいた。
日本一の女性ロック・バンドだかんね、やっぱり光栄の極みと言ってよかろう。
さらにうれしいのは。、昨年に引き続き今年も来年のカレンダーが制作されたこと。今年一年撮り溜めた私の写真を散りばめた月めくりの卓上カレンダーだ。

Sc_img_8318この後、12月28日にZepp Dyber Cityで『V.S. MYSELF~熟女なめんなよ!歳忘れ暴れ倒しGIG~』と題された大コンサートが残っているが、そのレポートは当然来年になってしまうので、ここで2013年のSHOW-YAを振り返ってみると、実にアクティブな一年であったと言えるだろう。

4月29日に5年ぶりに開催された『NAONのYAON』。
マーブロの記事を見た人も見てない人も、ハイ、下をクリック。
【NAONのYAON 2013】 vol.1 : SCANDAL、Cyntia、DESTROSE登場!
【NAONのYAON 2013】 vol.2 :LoVendoЯ、平野綾、星屑スキャット、Yuki&Chiiko登場
【NAONのYAON 2013】 vol.3 : シシドカフカ、土屋アンナ、夏木マリ、矢沢洋子、杏子登場!
NAONのYAON 2013】 vol.4 : 中川翔子、相川七瀬登場!
【NAONのYAON 2013】 vol.5(最終回) : SHOW-YA登場、そしてフィナーレ!

410昨年22年ぶりに発表されたアルバム『GENUINE DIAMOND』に続いて23年ぶりにシングル盤をリリースした。それがこの『V.S. MYSELF』。そのレコ発ライブが渋谷のTOWER RECORDSで開かれた。
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SHOW-YA~LIVE at TOWER

Vsm

7月には、『V.S. MYSELF』のリリース記念と恵子さんの50回目のお誕生日をフィーチュアしたコンサートが開催された。

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SHOW-YA~QUEENS BIRTHDAY <前編>
SHOW-YA~QUEENS BIRTHDAY <後編>

218
まだまだ他にもSHOW-YAのパワーみなぎるコンサートやイベントが当然あったが、とにかく最後は『V.S. MYSELF~熟女なめんなよ!歳忘れ暴れ倒しGIG~』というほとんどケンカ腰のすさまじいタイトルのコンサートで2013年を終了するワケだ。
充実した一年だった。

どこの会場も超満員だったが、そうした光景を見るにつけ、いかに多くの人がSHOW-YAの奏でるような骨のあるロックを希求していることがよくわかる。
コンサート直後、会場のロビーや駅への帰途、コンサートを観たたくさんのファンの皆さんが「カッコよかったね~」とか「やっぱりSHOW-YA」は最高だ!とか「早くまた観たいな!」とかいう風に話しているのを耳にすると。うれしいばかりではなく、やっぱりみんな本当にカッコいいを聴きたいんだ…ということを実感する。

もうひとつうれしく感じているのは、この1年ずいぶんたくさんの若手バンドを見て来たが、若いガール・バンドたちがガッツあふれるハードなロックでSHOW-WAの魂を引き継いでいてくれることだ。SHOW-YAの子供たちは間違いなく成長している。

お、ちなみに恵子さんとmittanは昨日リハーサル風景をレポートした『CLASSIC ROCK JAM』にもタップリ出演するのでそちらもお見逃しなく!


これがカレンダーの中身。メンバーの誕生日も記載されていて、誕生月には該当するメンバーの写真がフィーチュアされている。
しかし、よ~撮ったな~。楽しかったな~。どの写真も思い出があるわ~。

Sc_img_8321で、11月にフィーチュアされているメンバーはsun-goさん。そう、ナント、sun-goさん、今日が誕生日なのだ!関係ないっちゃないけど、昨日が私の誕生日だったのよ!
sun-goさん、お誕生日おめでとう!

sun-goさんは12月14日『EARTHSHAKER PARK』なるEARTHSHAKERの結成30周年を総決算する一大イベントにmintmintsで出演するのでそちらも楽しみだ。

Sc_img_8325カレンダーをいつも見えるところに置いて、2014年もSHOW-YAとお過ごしくださいね!
SHOW-YAとともにMarshallも!

SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA Official Website

2013年11月20日 (水)

CLASSIC ROCK JAMを楽しもう!

日本にもロックに関するイベントは数多くあれど、1994年に第1回目が開催され、不定期ながら開催され続けている『CLASSIC ROCK JAM』はまさに日本を代表する名イベントだ。

その一大イベントが『CLASSIC ROCK JAM 2013スペシャル―王道回帰―』題して昨年に引き続き今年も今週末に盛大に開催される。

10今回の『CLASSIC ROCK JAM』は児童虐待防止運動『Child Aid Live』とのコラボレーションとなる。その目的を『Child Aid Live』の公式ウェブサイトから引く。
「近年、子ども虐待の事件は、テレビや新聞で毎週のように報道され、目を覆いたくなるような光景が伝えられています。
このような現状にある子どもを虐待から救い、子育てに悩む親のSOSを社会全体で受け止めることのできる社会へと変容させることを目指し、子どもに関わる関係団体とエンターテイメント業界が協働してChild Aidプロジェクトは企画されました。

Child Aidロゴ そしてエンターテイメントの側面から、自らが企画したライブコンサート「Child Aid」を通じて、児童虐待防止に向けた強いメッセージを社会に発信することにより、地域における子育て支援を充実させ、より多くの方々へ『児童虐待』の実態と理解を深めることを目的にしています。

なお、同イベントは厚生労働省が毎年11月に行っている児童虐待防止推進月間の時期を合わせて行うものです。」
…ということ。この伝統のロック・イベントが当該の運動の大きな援助となることは間違いないだろう。でも、そのためにはロック・ファンの皆様のご協力が必要だ。
この週末は是非赤坂へ足を運んで頂きたい。

20_2私は、といえば昨年に引き続きオフィシャル・フォトグラファーの大役を仰せつかりスッカリ張り切っちゃってる。
…ってんで、昨日リハーサルにお邪魔して様子をのぞいて来た。

何しろこの大イベントにスタッフとして一枚かませていただく僥倖もさることながら、出演者、ローディ、スタッフ…古くから存知上げている方が圧倒的に多く、このホーム感が何ともうれしい。ホント、自分の居場所に帰って来たような…。

30今回のCRJは2日間の開催となる。
第1日目の22日は『アメリカン・ロック・ナイト』、23日は『ブリティッシュ・ロック・ナイト』というプログラムで英米のロックの名曲が人気ミュージシャンたちの至芸によって再現されるワケよ。

すでに両日ともセット・リストを拝見させて頂いたが、これがまたいい。このイベントって、誰もが知ってる超有名耳タコ曲をズラリと並べないところがうれしいんだよね。「♪フランク・ザッパアンダマーザー」もチョット食傷気味でしょう。

Marshall Blogではいつも若い世代に黄金時代のロックを伝承すべきと口やかましく主張しているけど、さすがに「♪ジャッジャッジャ~」ばかりじゃ、若い人たちにも「古いロックのステレオタイプ」とバカにされてしまう。

そういう意味で過去に素晴らしいシーンがあった。アレは決して忘れることができない………いつのことだっけナァ~…って忘れとるやないケ!…でおなじみの二井原さんのこと。
名演が多いCRJのこと、いつかは忘れちゃったけど、あの演奏は忘れられない。
Sladeの「Cum on Feel the Noiz」をプレイしたのだ。
まさか、これが出て来るなんて期待していないことも手伝って、二井原さん、完全にNoddy Holderよりカッコよかった!あの声だからね。あんなの歌える日本人そう多くはあるまい。

そういう楽しみがCRJにはある。

40今回もスゴ腕たちがゾロリと登場するからね。
SHARAさんもタップリ登場するよ。他にも我が原田の喧ちゃんや白田Rudy一秀さんらのおなじみのMarshallプレイヤーが素晴らしいギターを聴かせてくれることになっとる!

50おもしろいのは、今回使用されるMarshallがすべてJVMなのよ!
これはもうおなじみのSHARAさんのラック。JVM410H。

60vキャビは愛用のMF280B。もはや不動のゴールデン・コンビネーション。

70これは喧ちゃんのJVM410H。喧ちゃんもいつもMFキャビなんだけど今回は1960Bを弾く。

90vそして、これはRudyさんのJVM。Joe Satriani Signatureだ。

80vギッチョのSHARAさん。
みんな付き合いの長い仲間たちだけにリハーサルも和気あいあい、かつ順調に進む。ナニを演るかは当日のお・た・の・し・み、お楽しみ~!

100オールド・ファンが昔なつかしの曲を楽しむもよし、若いファンが知らない名曲とめぐり合うもよし、義ター・キッズが最高のプレイヤーの演奏にヨダレをたらすもよし、楽しみ方色々、見どころ満載のゴージャスなイベントをどうかお見逃しなく!

<アメリカン・ロック・ナイト>     2013年11月22日(金) 18:30開場  19:00開演
<ブリティッシュ・ロック・ナイト>  2013年11月23日(土) 16:30開場  17:00開演

ともに会場は赤坂BLITZ。

110vCLASSIC ROCk JAMの詳しい情報はコチラ⇒Child Aid Liveオフィシャル・ウェブサイト

120(一部敬称略 2013年11月19日 都内某スタジオにて撮影)

※Marshall Blog明日の更新は午後6時頃となります。

2013年11月19日 (火)

Jeff BeckとDSL

昨日のBEPPに引き続いてJeff Beckの話題をば…。

Pete TownshendやBig Jim Sullivan、Ritchie BlackmoreのようにJTM45の開発に携わったとか、Eric ClaptonみたいにHanewellのJimの店によく遊びに来ていたとかいうMarshall黎明期のエピソードにJ登場こそしないが、Jeff Beckは長年Marshallアンプを愛用し、その発展に寄与してきたギタリストであることは間違いない。

かたくなにMarshallだけを使用して来たワケでもないし、現在も他社のアンプと行ったり来たりしていることもMarshall Blog読者の皆さんならご存知だと思う。
でも、Marshallのギタリストと呼ぶことに反対する人はいまい。

下は2009年来日時の時のJeffのMarshall。さいたまスーパーアリーナでEric Claptonと共演した時のステージだ。

Jb_jb2_2この時は「あるモデル」を持参し、ツアーの前半ではそれを使っていたが、途中で気が変わり、急遽1987Xに変更となった。
何の変哲もない普通の売り物と同じ1987Xだ。

それ以前にはJCM2000 DSL50を使用していた。
Jeffのギターテクを務めるSteveとは以前からの知り合いで、来日するたびに色んな話しを聴かせてもらうのだが、彼の一番重要な仕事はJeffの頭の中にあるギター・サウンドをいかに正確に実現させるか…ということ。
Jeffが「あーでもない」、「こーでもない」と言葉で表現する理想のギター・サウンドが実現できるような機材を当てはめ、音づくりを実践するのだ。

世界のトップ・ギタリストから全幅の信頼を置かれ、サウンド・メイキングを任されるなどといえば聞こえはいいが、なかなか大変なことらしい。

Jb_jb1_2いずれにしても、JCM2000、VintageModern、1987Xとほぼ毎回Jeffのステージに配置されるギター・アンプがMarshallであることは実に喜ばしく、いかにJeffの頭の中にあるギター・サウンドがMarshallに根ざしているかということがうかがい知れる。

そして、今年のアメリカ公演。またDSLを使っている。
しかし、もうJCM2000は製造していない。そう、昨年発表されたDSL100Hを弾いているのだ。
動画の中のDSLの上に置かれているのは2061X。
アメリカのMarshallのNick(『50 Years of Loud Live』に出演している元Grim Reaperのギタリスト)によれば、Jeffは2061Xが大好きらしい。
また、Nickからの情報によれば、Jeff Hannemanの後任でSlayerに加入したGary HoltもDSL100Hを使っているそうだ。

恐るべしDSL100H!

さて、DSL100Hを弾くこのJeffの動画をご覧になって気がついた?結構大きな変革が起こってる…。
そう、Jeff Beckは基本的に50ワッターだったのに、ここへ来て100Wヘッドを導入したということ。それとも。あんまりワッテージは関係なかったのかな?