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2015年11月14日 (土)

クリス・デュアルテがやってくるぞ(ベース野郎アメリカへ飛ぶ) <後編>

それではオガンちゃんのインタビュー<後編>をどうぞ!

   ★    ★    ★    ★

S:クリスと初めての日本で演ったのはいつでしたっけ?

O_img_5432_6O:2006年ですね。
S:JIROKICHIで演った時?
O:そうです。
S:ギッチギチに混んでた。考えてみると私、それも含めて以降のギグは全部観てますわ。
O:そうですか~!
あの時、実はね…時効だから言いますけど…はじめのうちはチケットが五枚しか売れてなかった。
S:え~、あんなにパンパンだったのに~?
O:それで、どうしようか?!…ってことになった。で、インターネットで「クリス・デュアルテ、テキサス、ギター、スティーヴィー・レイ・ヴォーン」と検索ワードを入れて、引っ掛かって来たレコード屋とかライブハウスに片っ端から情報を送って宣伝してもらったんです。
「トモダチ」がテーマというのは、その時の気持ちに戻ろう!っていう意味合いなんですね。


<ちょっとこの後はしばらくカット。オガンちゃんとの秘密の会話>


S:で、こないだのツアーの千秋楽がニューヨークのイリジウム。どうでした?いい店だったでしょ?20年近く前にLes Paulを観に行った。
O:Les Paulだらけですよ、店の中。写真やらなんやら。いまだにトリビュートでLes Paulのトリオが出てますよ。
ビックリするぐらい音響がヨカッタですね。張り切って演りました。有名ですもんね。
後はマンハッタンで知っているのは「バードランド」ぐらいですから。Ron Carterをバードランドで観ました。
S:まだヴィレッジ・ヴァンガードはあるでしょ?私が行った頃はまだスイート・ベイジルとかヴィジョネスとかがまだありました。モダン・ジャズの生き証人と言われるヴィレッジ・ヴァンガードの創始者、マックス・ゴードンがまだ生きていて、店の後ろの方にいましたもんね。私もヴィレッジ・ヴァンガードでRon Carterを観たことがあります。
O:へ~。
イリジウムとにかく音がヨカッタですわ~。
S:確かに。それとLes Paulのギターの音がこの世のものとは思えないぐらい美しくて、演奏がメチャクチャうまいのに驚きました。

★★★イリジウムのChris Duarte Group★★★
Thelonious Monkの「52nd Street Theme」という曲があるように1950年代は西52丁目にはバードランド(モダンジャスの始祖、Charlie Parkerのニックネーム「Yardbird」、「Bird」にちなんで名前が付けられた有名なジャズ・クラブ。今はその名前を引き継いでの場所で営業している)を中心にジャズ・クラブがひしめき合い、人気ミュージシャンが毎晩駆け足で何軒もの店をハシゴしていたという。
イギリス-ロック名所めぐり」よろしく、私も20年前に52丁目を訪れてみたが、もうジャズの姿は影も形もない。
その後、ジャズ・クラブは中心をグリニッジ・ビレッジに移したが、Brecker兄弟がやっていたセブンス・アヴェニュー・サウスやスイート・ベイジル等の人気の店も閉店し、ニューヨークのジャズ・シーンもここ20年で一段と寂しくなってしまった感がある。なんて、最近はもうずいぶん言ってないので知った風な口がきけたものでもないが…。
その中で、一流ジャズ・クラブとして気炎を吐き続けているのがアッパー・ウエストのリンカーン・センターの前にあるイリジウムというジャズ・クラブ。
リンカーンセンターといえば、メトロポリタン・オペラハウスやエイブリー・フィッシャー・ホール、世界中のクラシックのエリートが通うジュリ―アード音楽院(Miles Daivisの母校)が集まっているアメリカの音楽&演劇芸術の本拠地だ。ロケーションがいいじゃないか。
チョット前まではLes Paulが毎週月曜日に出演していることで有名だった。
Lesはそれまでミッド・マンハッタンにあったファット・チューズデイという小さな店に毎週出演してたが、閉店してしまったので拠点をイリジウムに移した。
それを知らずに初めてニューヨークに行った時、Les見たさにファット・チューデイを訪ねてしまった。その後、イリジウムのことを知り、翌年めでたくLes Paulに会うことができた…というワケ。

そんなアメリカでも今となっては一、二を争う有名なジャズ・クラブで先日The Chris Duarte Groupはツアー千秋楽を迎えたのであった。

100Chris Duarte
ホントだ!壁がLes Paulの写真だらけだ!昔は深緑色の無地の壁だったような記憶がある。

110v小笠原義弘

120vJohn McNight
相変わらずデカイ!もうすぐ彼が叩くNATALの音が楽しみでしょうがない!

130vオガンちゃんはアメリカで調達したEDEN WT-800とD115XLTを使用。
コレのデリバリーににまつわる「ポンティアック事件」は前編をご覧あれ。

140vウワ~あのプレイが聞こえてくるようだ!楽しみだな~。

150vますますパワー・アップしたというクリスとどう対峙するのか…。

160v同じく進化を続けるオガンちゃんの日本でのクリスとのプレイに注目だ。

170v

(写真提供:Jim Belmond)

インタビューに戻る。

★    ★    ★    ★

S:そうそう、クリスは自分のラスト・ネームをどう発音しています?
O:クリス・ドゥアールテ。チョット舌を巻いてドゥアールテ。

O_img_5444_2

S:日本語になると、以前は「デュアルテ」と表記していたけど、最近は「デュアーテ」になってますね。
でもMarshall Blogでは昔ながらの「デュアルテ」にしています。その発音ですと「ル」入れていい感じですね?
O:それで合ってます。
本人はハッキリ「ル」って言っています。
こういうのよくありますな。ランディ・ローズとランディ・ローデスみたいな。
S:ロリー・ギャラガーなんて「ギャラグハー」でしたからね、昔は。
オガンちゃん、そういえば、今日マクラフリン観に行くっていってたよね。
アレもそう。昔は「マクローリン」とか表記してた。でも本当は「マクラッグリン」って発音する。だから「マクラフリン」も間違えていると思っていたんだけど、アレ、「マクラッフリン」と発音する人もいますね。
O:マラッフリン、初めて観るんですよ。
S:私も観たことない。またMarshall使ってくれないかナァ。
それと、「ブルース」か「ブルーズ」かってのもある。「マイルス」か「マイルズ」か?とか。
アレ、中間が正解で、普通に話す時は「ス」。ユックリいうと「ズ」…というのが私の研究結果。
O:みんな「ブルース」って言ってますよ。あれは「ブルース」です。
クリスなんかはフザけてワザと「ブル~~ィズッ」って言ってフザけますけど。

S:さて、今回の日本でのショウの見所は?
O:ショウの構成が以前と異なりドラマチックになっています。行き当たりばったりではやらない。それとコーラスに重点を置いています。
S:もちろんクリスのニュー・アルバム『Lucky 13』からの曲も演奏されますね?

Cdcd


O:はい。半分ぐらいニュー・アルバムからの曲になると思います。
S:オガンちゃん、最近の活動は?
O:ワールド・ミュージックになるんですけど、Dave Ralstonのレコーディングに参加します。元はスワンプ・ロックの人なんですけどね(インタビュー前日、オガンちゃんはピーター・バラカン主催の『Live Magic』というイベントにこのDavid Ralstonのサポートで出演した)。

ギターはクリスに頼もうかと思ってます。予定ですけど…。
あと大阪でやっているカロリー・キングというバンドですね。肥満体ばっかり集まっていて僕が歌とベースをやってます。

O_img_5456

それと三年前からやりたいと思っているソロ・アルバムに取りかかりたいナァとは思っています。
S:それは楽しみ!絶対やるべし!
EDENについてもお話しを聞かせて頂けますか?
O:とにかく音がいい。
きれいに音が飛んで行ってくれるんですね。そして、音のエッジが丸いんです。丸いのに抜ける。
僕らがやっている音楽は音が丸くないとダメなんです。
「ラウンドな音」、でも輪郭はハッキリしていて太い方がいい。そうなるとアンプを選ぶのがすごく難しんです。
自分はアクティブの楽器は使わない。
で、アンプのセッティングもかなり他の人とは変わっていたんです。
S:具体的には?

O:EDENはトレブルがやさしい。5ぐらいまで上げるんです。普通は2です。
ベースも普通でしたら6~7、まで上げよるんですが、EDENだと4~5程度で済みますね。
ナニが言いたいかと言うと、EDENの場合は、EQのつまみを全部真ん中付近にすると自分が欲しい音が出るんです。
だから幅が広いんでしょうね、ハイ側にもロー側にもてん。とにかく音が作りやすい。
S:あるベーシストがおっしゃっていましたが、EDENは自分が欲しいローが自然に気持ちよく出て来てくれる。こういうベース・アンプは他になかった…って。
O:わかりますね。きれいですよ、ローが。1x15”のキャビ一台でバッチリ!
S:とにかくオガンちゃんのベースの音はいかにもベースらしくて気持ちがいい。加えてベース・ラインがこれまたベースらしくてカッコいい。ベースだけで音楽を成立させることが出来る稀有なプレイヤーだと思っています。

★★★小笠原義弘のEDEN★★★
ヘッドはWT-800のみ。
1×15"が2台のパターン。中~大会場によけるブルースやロックのセッションで使用。

40v
4x15"は小規模会場でのロック用。

60v

ヘッドと1x15"はジャズ、ブルース系のセッション向きだ。
EDENの4x10"は音の立ち上がりの速さが尋常でないため、ジャズ、ブルース系の仕事が多いオガンちゃんは基本的に1x15"を好む。

30v_2
O:僕はとにかくJimmy Johnsonが好きなんです。こないだも会って来ました。

O_img_5422_2

S:誰と来たんですか?もうHoldsworthでもないですもんね?
O:Steve Gaddです。
S:他は?
O:Michael Landau、Larry Goldings、Walt…Waltなんでしたっけ?ラッパの…。
S:Walt Fowler?
O:そう!「オレの仲間がいなくなった」って言って「Duke」って曲を吹いてましたよ。(George Dukeのこと。Walt FowlerはGeorge Duke在籍時のFrank Zappa& The MothersのBruce、TomのFowler兄弟の末弟)強力ですよ!
S:今度の公演、Johnの叩くNATALが楽しみで、楽しみで…。
O:Johnもよろこんでますよ!NATAL好きみたいですから。
S:それはありがたい!
ところでオガンちゃん、私はMarshall Blogに政治的なことを持ち込むことを否といているんですが、敢えて言います。
私は父の影響で小さい頃からハリウッド映画が大好きでそこから音楽の世界に入りました。昔はとにもかくにもアメリカに憧れたし、英語もアメリカ英語を身に付けたかった。それが今、イギリス英語にシフトしたくてエラく苦労しているんですが…。
アメリカ人の友達はたくさんいるし、アメリカ人のイトコも何人もいる。
アメリカって、ひとりひとりはあんなにいいヤツラなのに、色んなことを知るにつけ、最近のアメリカは政治的にホントにイヤになってしまった。多分同じことを思っている人が日本にはゴマンといると思う。
でも、やっぱりアメリカなんですかね?
O:あのね、アメリカにはですね…僕が求める音楽があるんですよ。

…とココでインタビューは終わる。
この他にも昔話やら、音楽の話し、業界の話しと話題が尽きず、陣取った恵比寿の喫茶店の片隅で時間を忘れて大いに盛り上がってしまった!

さぁ~て、19日の先代から始まるChris Duarteのジャパン・ツアー。
ひとりでも多くの人に観てもらいたいナァ~。草食系でもなく、コピーでもなく、きっと「ああ、いい音楽を聴いた」って気持ちになれるハズ。
そう、この三人は「音楽の塊り」なのだ。
今のところの予定ではChrisはJVM210Cを使う予定だ。
オガンちゃんのEDEN、JohnのNATALともども実に楽しみだ!
お見逃しなく!


小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒DANCIN' FUNKY BASS!!!

Jp1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。
M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます!時間がなくてなかなか進みません!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
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詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略)

2015年11月13日 (金)

クリス・デュアルテがやってくるぞ(ベース野郎アメリカへ飛ぶ) <前編>

もちろん今日の記事のタイトルは四人囃子の代表曲からね。
さて、今回はオガンちゃんの話題。
前回は【春のオガンちゃん祭り】と題してお送りしたが今回は世界を股にかけた立体企画!
企画を考えて手をつけたら盛りだくさんいなりすぎちゃった!何でオガンちゃんの時はこうなるねん?
それはオガンちゃんの音楽活動の幅が広いからなんだネ~。
ということで二本立てでお送りします。

10v様々な音楽に首を突っ込んでる、ア失敬、幅広い音楽ジャンルをまたいでヴァーサタイルな活動を続けているオガンちゃんだが、そのメインに位置しているのはアメリカ人ギタリスト、Chris Cuarte(クリス・デュアルテ)との活動だ。
新旧のMarshall BlogやShige Blogに何度か登場しているのでファンでなくとも一般のMarshall Blogの読者であればその名前をご存知のことだと思う。
一昨年は目黒のBlues Alley Japanで収録した二枚組ライブ・アルバムをリリースしてその活躍ぶりを我々に見せて(聴かせて)くれた。
それが下のアルバム。
オガンちゃんのおかげで私の写真がスリーブに採用された。写真の使用に当たってはレーベルの親分であるシュラプネル・レコーズのマイク・ヴァーニーと契約書を交わしたことは何度も自慢した通り。だってうれしかったんだも~ん!チョットした鋤田正義さん気分よ。

この時の模様はShige Blogでレポートした。
コチラ  ↓   ↓   ↓
Chris Duarte Live in Japan 2012 <前編>

Chris Duarte Live in Japan 2012 <後編+YOUNG GUITAR DVD>

20cd そして、この夏はオガンちゃんがアメリカに渡り、Chris Duarte Groupの一員として全米をツアーして回った。もちろん相棒はEDENね。

12016473_1065600300140871_751586003 下はアメリカで配布されたその時の告知チラシ。
これにも私の写真を採用してもらった。
アメリカ人は私の写真が好きなのさ!←ウソこけ!
オガンちゃんいつもありがとう

30v
そして、もうすぐまたクリスが日本にやって来る!

O_o0566080013399638784 メンバーは2013年の来日時、並びにその全米ツアーの三人。
ギター/ボーカルがChris Duarte
ドラム/コーラスにJohn McKnight
そして我らが小笠原義弘

その来日公演に先立ってオガンちゃんから全米ツアーのこと、今回の国内ツアーのことで色々と語ってもらった。
面白かった~。
以下、是非ご覧くだされ!

40_2 クリス・デュアルテ来日直前!小笠原義弘インタビュー!

Shige(以下「S」):ナンダカンダでサヴォイ時代からどれくらいクリスとお付き合いされているんですか?
小笠原義弘(以下「O」):2006年ですね。10年目ですわ。
S:今回みたいにひとりで渡米してクリスと演奏したのはいつですか?
O:2013年ですね。「私ひとり」ということで言えば、それより前に日本で二回一緒んい演ってます。2011年と2013年。

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S:こういったら何ですが、他にシックリくるベースがいないからクリスはオガンちゃんを指名してくるワケですよね~?
O:ハハハ!
S:どうしてクリスはオガンちゃんと演りたがるんですかね?失礼な質問ですが…ルックスだったりして?
O:どうなんでしょうね~?気が合うんでしょうね。実際好きな音楽が似てるんです。Weather ReportとかJohn McLaughlinとか、ブルース、ロック、Led Zeppelinとかね…ほとんど同じなんです。
S;なるほど。で、今回は何か所アメリカを回ったんでしたっけ?
O:24か所ですね。
S:最初の方ではバックラインでご迷惑をおかけしちゃってスミマセンでした!例の「ポンティアック事件」!


※ポンティアック事件:オガンちゃんのリクエストでEDENのスタック・アンプをツアーの初頭から使えるよう、アメリカのMarshallのディストリビューターに頼んで滞在先のミシガン州ポンティアックのマリオット・ホテルに送り出すよう手配してもらった。
手配は完璧だったのだが、待てどくらせどオガンちゃんの手元にはヘッドしか配達されなかった。
荷主は「両方絶対送った!」、荷受人であるホテルは「絶対に荷物は一個しか来てない!」と譲らない。こっちはコントロール・タワーとして、眠い目をこすりながら真夜中にオガンちゃんからの報告を待ち続ける…。
「待てよ」…現地でクリスにも手伝ってもらって運搬を担当したFedEXを揺さぶったところ、ポンティアックにはマリオット・ホテルが二軒あって、ナゼかFedEXはキャビネットをもうひとつのマリオットに届けてしまったことが判明。
時すでに遅し!コレがわかった時にはもうオガンちゃんは次の巡業先に移動済。FedEXは大謝罪。
結果、時間を読んで完全に受け取るところができる先まで一番早い便でFedEXが無料で再配達したという次第。
日本だったらこんなことチョチョチョイと電話一本で片付けちゃうけど、やっぱり海外ってのは何をやるのも大変ですわ、ホンマ。
こっちは荷物が出て来るまでもう気が気でなかったワイ。

<下の写真はこの時オガンちゃんから送られてきた荷主振り出しの証拠のインヴォイス>

Invoice

S:で、ツアーはどんな感じ
O:今回はリハーサルなしで始まったんですよ!
S:ギャハハ!
O:スタート前にクリスの家に泊まらせてもらって軽く打ち合わせをしたんです。以前にも一緒に演っていますから、曲は覚えていました。
でも大半が新曲で…。キーが変わっていたりとか…。
でもそこは気持ちが通いあってるということで乗り切りました。
S:「キーが変わる?」
O:CDとキーが違ったりするんですわ。上がったり下がったり…。だいたいクリスはDチューニングなんですよ。
S:全部の弦を全音下げてるってこと?

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O:そうなんです。曲もドンドン変わっていく。最初、全部で37曲もらっていたんですが、最後には63曲になってもうた。せやから毎日曲を覚えなアカンのですわ。
S:その中に旅の途中でレポートしてくれた例のMingusの「Boogie Stop Shuffle」があったワケですな?(「Boogie Stop Shuffle」)は、急速調のマイナー・ブルースを基調としたベースの巨人Charles Mingusの人気曲)
余談だけど、コレをJack Wilkinsが五人のギター・アンサンブルにアレンジしたスコアがあるんですよ。音はない。

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O:ホンマですか~。クリスもアレンジして演るんですよ。テーマの構成をチョット変えたりして…。で、ギター・ソロが来て、ベース・ソロですわ。
S:あのテンポでベース・ソロは大変だ!ああいうレパートリーはどうやってキマるんですか?
O:クリスは昔からMingusとかThelonius Monkとかスキなんですよ。You needナントカとか?
S:「Well, You Needn’t」?
O:そうそう。ああいうの演りよるんですわ。
こっちもYouTubeに上がっている曲を全部チェックして予習していくんですよ。それでも知らない曲がジャンジャン出て来る。
S:そりゃいくらやったってキリがない。

70v

O:本番でスリー・コードじゃない曲を平気でいきなり演りよりますからね。サインが出るんですわ、コードが変わる時。精神力が鍛えられます。
S:それで一回で覚えなきゃ失格なんでしょ?向こうのジャズの連中は一回でコード進行覚えなければ使ってもらえないとか聞きますもんね。
O:はい。それで、ジャズ系の曲の時はこう言うんですよ、「ヨシ、どんな時でもスウィング感がなければダメだ!」って。
シャッフルかてそうです。言うたら連中ってホンモノなワケじゃないですか?だからイチイチ訊くんですわ。「コレでいいか?」って!
S:するとクリスは?
O:「大丈夫、大丈夫!日本人のシャッフルはチョット違う」…って言わはる。
S:やっぱり。いつもマーブロで言ってるヤツですな。「3」の感覚。
O:そう!クリスは「ヤング・ロック・シャッフル」って表現してましたね。「それでもいいけど、ZZ Topはああいう風にはしてないよ」って。
S:でもああいう人と演っているとグーッと引っ張られて自然といい感じになるんでしょ?

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O:毎回本番を録音しておくんです。で、ギグが終わって、食事して、部屋に帰って練習しましたよ。負けていられないんで!で、そういうところを連中は見てるんですね。それで「良くなってる、よくなってる!」って。シビアですよ。
S:あんな自分のことを「ラーメンくん」なんて言ってるのにね!
O:だから言ってましたよ。「最近チョットギターがウマく弾けるようになった」って。それまではいつも「僕はダメだ!」って言ってた。
「十分やろ」おもいますけどね。
S:以前「Moment’s Notice」を演っていましたよね。クリスはやっぱりColtraneが好きなんですか?
O:そうです。大スキですね。そういうフレーズが出て来る。
S:そうですね。あとソロの組み立て方とかColtrane的なものを感じさせますよね。すごくカッコいい。
O:そう、ブルースの方と彼の中には二種類あるんですね。
S:ライブ・アルバムには収録されなかったけど、あのブルースアレイでイスに座って真剣に「Moment's Notice」を弾く姿がとても印象的でした。
あの時はジャケットの写真、お世話になりました!
O:イエイエ、こちらこそ~。みんなあの写真とデザインすごく気に入ってるんですよ!
S:うれしいです!なんたってシュラプネルですからね!
で、話しは戻って、お客さんの年齢層はいかがです?
O:やっぱり高いですよね。十代のギターをやってる若い子なんかも結構来ますよ。あのね、圧倒的に女性客が多いんですよ。
S:クリスは比較的コンスタントにアルバムをリリースしていますが、アメリカでは一体どういう人達がクリスのCDを買うんでしょうね?我々みたいな連中か?

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O:そう、我々みたいの。でもファンはすごく多いんですよ。だから今回はどこへ行っても満員でした。
S:ピンですよね?
O:そう、ピンです。で、大きなブルース・フェスティバルなんかではヘッド・ライナーも務める人です。
S:基本的にずっとトリオですか?
O:トリオですね。
S:向こうのライブハウスって始まりが遅いって聞きますよね、11時とか…。
O:ハイ、でも僕らに限ってはどんなに遅くても九時です。その代りツーステージ演る。
S:それ典型的なパターンではどんな感じなんですか?
O:彼らは厳格な契約社会に生きてますから、ブッキングの時に「何分演る」ということをキッチリ決めるんですね。70分×とか、90分×2とかいう形になってくる。
S:それは同じ内容を二回演ってもいいんですか?
O:ダメです。入れ替えではないので、ファースト・セットとセカンド・セットは違う内容にしなければなりません。
S:ということは90分×2で三時間分の曲のストックがないと回りませんよね?
O:そうです。ですから毎晩24、25曲を演奏します。
S:それでお客さんは帰らないで最後まで大盛り上がり?
O:イヤイヤ、セカンド・セットの最後の名曲が並ぶところなんかお客さん帰ってますよ。だいたい一時ぐらいになってますから!もしくは酒飲み過ぎてベロンベロンで演奏聴いてないとか!
S:話は脱線しますが、そんなんなっちゃうとみんな車を運転して帰るんですか?
O:ダメです、ダメです!
S:じゃ、代行?
O:代行なんてありませんよ、アメリカには!

50_3

 

たいてい飲まない人がひとりいるんですよ。例えば夫婦で来れば奥さんが飲まないで運転するとか。
とんでもない田舎で演奏する時もあります。そういう時は当然車で皆さん来はりますが、飲みませんね。
S:え、結構みんな飲んでも平気で運転するのかと思ってました。
O:イエイエ、厳しいですよ。罰金百万円とか。日本でも今は運転者に酒を出すと罰せられますよね?アレは全部アメリカがお手本です。昔からああいうシステムです。
S:何となくそんなに厳しいという認識はなかったな。
O:車に酒のボトルがあっただけで大変です。そのボトルのフタが空いてたらまずアウトですね。もちろんふたを開けずに福利にボトルを入れて車に置いておいただけでも警官に見つかると結構怒られますよ。

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アメリカでは外で飲んだだけで逮捕ですから。店内だけです。もし、ボトルをもって店内からでたところにお巡りさんがいればどこかへ連れて行かれます。
ラスベガスみたいなところは別ですけどね。ベガスはアレ、少し日本が入ってます。
S:お客さんのようすは一般的にどうなんですか?曲を知っていようがいまいが、アタマっからガ~ッみたいな?
O:ガンガンにいきますよ!クリスもブッ飛ばしていくんですよ。アタマ三曲立て続けで、それからシャッフルですわ。スピーディですね今回は。
S:新譜も出たことですし、オリジナル曲で攻める?
O:イヤ、今回はカバー演っとるんですわ。前からBob Dylanは演ってるんですど…
S:ナンでしたっけ?

O:「One More Cup of Coffee」
S:『Desire』ね。
O:それとビートルズの「For No One」。
S:ポールの?アレは『Revolver』か。
O:ニューアルバムに「Minefield なんやら(Minefield of my Mind)」という曲があるんですけど、コレがすごいんですわ。ワンコードで狂ったように弾く。嵐のような曲ですわ。(YouTubeで確認したらコリャなるほどスゴイ。Jacoの「Crisis」を連想させた。このベースをオガンちゃんが弾くのかと考えただけでトリハダ立つわ)

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その曲をはさんで前後にそのカバー曲を演るんです。組曲みたいなもんですわ。
S:なんで「For No One」なんだろ。コレだけ弾いたけど「誰のためでもない」みたいな?
O:ガッハハハ!彼、ビートルズ大スキなんですよ。
それと、クリスはよく「8割オリジナル、2割カバー」って言ってますね。初めて来たお客さんが知らないオリジナル曲ばかりだと飽きてしまうので、だれもが知っているような曲を混ぜよるんですわ。ホンマ、お客さんを楽しませることを絶対に忘れない。そういうところはスゴイと思いますね。
S:そんなん聴くと今度の日本でのギグが楽しみですね。
O:今回は公私ともにクリスと関係があった人達全員に声をかけてるんですよ。「トモダチ」というのをテーマにしたんです。
で、演奏の時間は80~100分。我々の演奏だけが長くなるような構成にはならないと思います。。

<後編>に続く。<後編>ではLes Paulがホームにしていたマンハッタンの有名ジャズ・クラブ、イリジウムでのレポートを交えてお送りします。

小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒DANCIN' FUNKY BASS!!!


(一部敬称略)

 

2015年10月17日 (土)

【訃報】 TAKAEさんのこと

Marshall Blogを書いていて最もツライこのとのひとつは才能あるミュージシャンを失い、訃報をアップすることだ。
最近は立て続けにベテランのミュージシャンが物故し、日本のロック界の憂う機会が多くなっていたが、今回、若く、美しく、才能あるシンガーが天に召してしまった。
TAKAEITAのTAKAEちゃんである。

7_img_0102 TAKAEちゃんのことはTAKAEITAの前に所属していたバンドの頃に何度かステージを拝見して一方的に知っていて、Marshallを通じて長い付き合いがあるEITAちゃんを通じてお近づきにさせて頂いていた。
そんな関係からMarshall Blogに何度かご登場頂き、その素晴らしい歌いっぷりをレポートしてきた。
個人的には気安く連絡を取り合ったりするような関係ではなく、facebookでお友達になっている程度の間柄であったが、一度どこかの会場で陰陽座さんのコンサートの話しになって、「大スキなんです!!え~、あの時お写真撮られていたんですか~!」とすごくうれしそうに語っていたのを思い出す。
聞けばTAKAEITAのワンマン・ライブが目前に控え、来年には新しいプロジェクトが決定していたという。
また、日本のロック界は将来が楽しみな若い才能を失った。

TAKAEさんのご冥福を心からお祈り申し上げます。


以下はTAKAEさんが登場するMarshall Blogの記事です。
<2013年3月20日 目黒鹿鳴館>
QUEENS OF NOISE IN TOKYO その1~TAKAEITA

<2013年6月14日 目黒鹿鳴館>
EITA PARK 2013 <前編>

<2014年1月12日 初台Doors>
EITA PARK 2014

<2014年10 月4日 大塚Hear+s>
EITA PARK 2014・秋 ~時空海賊&TAKAEITA!食欲酒欲の秋~

2015年10月 3日 (土)

【号外】がんばれニッポン!

ガラにもなく、たまたまラグビーのワールド・カップを見ていて驚いた。

M_1000 このグランド、ナンカどっかで見たことがあるような…という気がした。
すると実況アナウンサーが「今日の試合はミルトン・キーンズからお送りしています!」…というではないの!
それで、Marshallの社長に即座にメールで確認してみた。

M_2000_2 するとすぐに返事が来て、「MK Donsスタジアムだよ、工場の向かいの…」と言うではないの!
やっぱり!

30MK Donsスタジアムとはミルトン・キーンズとウィンブルドンのフランチャイズチームが合体して発足したミルトン・キーンズのフットボール・クラブだ。

40Marshall Blogで何回か触れたことがあるのでご存知の読者も少なくないであろう。
本当にMarshallの工場から歩いて5~6分のハス向かいにある。

45 これがそのスタジアム。

50 今年の5月に行った時のグランド…ピッチっていうの?…のようす。

60このスタジアム、Double Treeというホテルが併設されていて、工場に行くと時々止まることがあるんだけど、高い方の部屋、すなわちピッチ側の部屋は居ながらにして試合が見れるようになっている。

70そして、コレもMarshall Blogに書いたことがあるが、かつてはMarshallがMK Donsのオフィシャル・スポンサーを務めていたことがあった。

80v_2 その当時はスタジアムの中に我らのMarshallスクリプト・ロゴがディスプレイされていただけでなく…

90スコア・ボードの両脇にはJCM800 2203と1960のフルスタックがあしらわれていた。
今日のサモア戦ではみることはできない。

100季節になると芝の緑の美しいこと!

110そして、コレは隣にある24時間営業の巨大スーパー、ASDA。TESCOに次ぐイギリス第二位のスーパー・マーケット・チェーン。
社長に「今日はASDA忙しいんじゃないの?」と冗談で聴いたら本当に大繁盛だったらしい。

115でもさ、日本代表のチームの中にギター好きがいてだよ、試合場に行く途中バスの中からMarshallの工場を発見したらどうよ?!
感動すんじゃね?
今、「23対0」…コレは大丈夫でしょ!がんばれニッポン!

120

2015年7月24日 (金)

がんばれヘビメタ!がんばれTORNADO-GRENADE!

今日は、先日紹介した若手ヘヴィメタル・バンド、TORNADO-GRENADEの登場だ。
いきなりだが、TORNADO-GRENADEのキャッチ・コピーを紹介するところから今日のMarshall Blogは始まる。

『かつてこの国にはメタルがあった。 日本人の、日本人による、世界に羽ばたけるメタル…。
それは「ジャパニーズ・メタル」と呼ばれ、国中が鋼鉄の輪で繋がれていた。
しかし、現代において、ハードロックは「過去の音楽」とされ、 ヘヴィメタルはアイドルやマンガの曲に取り込まれ、ハードロックもヘヴィメタルもダサいと言われる時代。
そんな現代に彼らは立ち向かう。 この国に今一度メタルの風を巻き起こし、 そして…爆発せよ!! Heavy Metal Strikes Back!!! TORNADO-GRENADE!!!』

…そういうこと。

10_2しかし、ホント、まさかLed ZeppelinやDeep Purpleが世間一般的に見て、すなわちオジサンの世界からひとたび離れれば、「過去の忘れ去られた音楽」になっていることに愕然とせざるを得ない…というのはチョット大ゲサで、こんなこと今に始まったことじゃない。
若い人たちの現場に出入りしていると、もはやそんなことを気にするレベルですらないところまで来ちゃったことを実感する。
若者が夢中になっているロックがベテラン・リスナーにとって「ロック」ではないように、ロック盛んなりし時代のロックもまた、若者にとっては「ロック」ではないのだ。
チョット前まで年配者と若者が意見を戦わせる番組をよく見かけたじゃない?アレの「ロック版」をやってみたらどうかね?
きっとDeep PurpleやLed Zeppelinの信奉者は頭から湯気を出して起こるに違いない。
反対に若者陣は自分たちが聴いているロックについて色々と言われても怒らないような気がするな~。
だって彼らはそれほど音楽に夢中になっているようには見えないもん。音楽というよりはフェス。みんなで集まって暴れることができればそれでOKみたいな。
我々はDeep Puepleを目の前にして暴れることは永遠にないでしょう。
それと若者にはアニメやゲームやインターネットといった楽しみが音楽以外にゴマンとあるもん。冒頭にTORNADO-GRENADEが言っているように、アニメやゲームの付属品がロックだから。


でもね、いつも言っているように、60~70年代の「ロック」を知らなければ「ロック」を聴いたことにはならないだろうナァ。これだけは曲げられない。
だって…だってサ、やっぱりケタ違いにカッコいいもん!
もうあの時代が戻ってくることはまずないだろう。しかし、突然変異的にあの時代に直結している若いバンドが出て来るからおもしろい…そしてうれしい。


ここでまたムズカシイのが、これまたいつも言っていることで、昔のロックをそのまま焼き直してもおもしろくないワケ。最初は「オ!」って思うんだけど、昔と同じことをやっていても意味をなさず、すぐ飽きられてしまう。なぜなら、Deep PurpleやLed ZeppelinのCDを聴けば事足りるからだ。
必要なのは、黄金時代のロックをミッチリと聴き込んで、今の時代に育った若者特有の感性を遠慮なくブチ込むことなんだな。
それを実践していると思っている若いバンドのひとつがTORNADO-GRENADEだ。
しかし、「TORNADO-GRENADE」って実にスペリングがムズカシイ!

20v塚本"JOE"旭

30v松浦カズマ

50

真壁雄太

40寺沢リョータ

60vドラゴンシャドウ村田

70…この5人が新曲のレコーディングに臨んだ。
「Rise up to Win!」という曲。
90
仕掛け人は実はこの人。低音暴力団の組長としておなじみ、寺沢功一だ(以下、てらちん)。

この曲は、カナダ人特撮監督ブエノ氏の『ガンキャリバー』という作品の主題歌だ。
てらちんがブエノ氏と知り合ったのは10年程前のことで、予てからブエノ氏の作品の主題歌の作曲を頼まれていた。
承諾したてらちんは、ブエノ氏との打ち合わせを重ねるうちに「若いミュージシャンに彼らの感性で作らせてはどうか」…というアイデアを提案。そして、TORNADO-GRENADEに白羽の矢が立ち、作曲を依頼することになった。
6月の初旬からてらちんとバンド・メンバーの間でメロディーやアレンジや歌詞のアイデアを煮詰めていき、6月27日のレコーディングと相成った。

T_img_0124 そして、レコーディングにはNATALが起用された。

10012"、13"、16"、22"のバーチのキット。フィニッシュはサンバースト・フェイド。

110それにしてもレコーディングの風景も変わりましたナァ。

130セーノで演奏して仮歌を入れる。もうこの段階でJOEくん100%入り込み状態!
120
ギター陣もサクサクとスムースに弾きこなしていく。
この雄太くんが自分で言ってたけど、まったく人見知りをしないキャラで、手が空いている時間はしゃべりっぱなし。タップリと笑かしてくれる!
一方、カズマくんは自他ともに認める強力な人見知り。このコントラストがおもしろい。

140ドラゴンシャドウはひとり個室で演奏。

150若々しく溌剌としたビートで曲を盛り上げていく!ん~、やっぱりNATALは音がよろしいな。

160vリョータくんも隣のダディにお構いなしにグイグイ押し込んでくる。

T_img_0383 すでに大熱唱してます。

170そうして出来上がったのがコレだ~!
「Rise up to Win!」…Take it away!

身近な言葉による歌詞と適度にハードな曲調。切れのいいギター・アレンジ、イキイキとしたリズム隊…作曲はカズマくんとJOEくん。カズマくんがベースを作って歌メロでJOEくんが手を加えられたとのこと。
若いヤツらに任せたのはてらちんのナイス判断といえそうだ!

この曲が主題歌となる『ガンキャリバー』は、DVDとして年内に商品化が予定されている。
そして来年、テキサスでの「TEXAS TOKUTAISEN」、そしてスペインの「STIGES」というふたつのフィルム・フェスティバルに出品されることが決まっているそうだ。
彼らの音が世界に発信される日も近いってワケ。

190

あ~一日よ~笑ったわ!若い人たちとの仕事は楽しい。ホント、パワーをもらうね。
みんな、そして、ドラゴンシャドウ、どうもありがとう!
次はカレーだ!

180さて、若いバンドならではのトンデモ企画が「大塚Heart's」にブッキングされている。
『スーパーカレー大戦ぽんぽこ』だって!
TORNADOの連中行きつけのインド料理屋さん、「スーラジ」にライブハウスまで出張してもらって、コンサートの傍らおいしい本場のカレーを食べちゃおうという企画だ!
コレがその白山にあるインド料理店「スーラジ」。

210v店内にはこの通り、ホラ、TORNADO-GRENADEのサイン入りポスターが飾ってある!
おいしいよ。

220v左は雄太くんのピック。右はスーラジのステッカー。スーラジづくし!

230 がんばれTORNADO-GRENADE!ハードロックを取り戻せ!

TORNADO-GRENADEの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

200

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版制作中!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年6月27日 都内個人所有スタジオにて撮影)

2015年7月23日 (木)

OGAN OVER AMERICA!!

こんなヘソまがりの私でも海外で活躍する日本人スポーツ選手を見るとうれしくなる。
それにしても、日本人の体躯も昔に比べ、こんなに立派になったというのにどうしていつまでも海外勢にかなわないんだろう?
やっぱり活動資金の公的な支援が乏しいのと、とどのつまりは優れた指導者に恵まれていないってことになるのかね?
そもそもアメリカなんてちょっと前まではほとんどサッカーやってなかったんじゃなかったっけ?バレーボールもそうだよね?それがアッという間に「世界の強豪」になっちゃった。
ま、スポーツの話題はヤメにしておこう…どうせ何も知っちゃいないんだから。

コレが音楽の世界とあればうれしいことは尚更だ。
教育システムが確立しているクラシックの世界は除いて、ポピュラー音楽の世界で海外に拠点を置いて活躍し、成功した日本人といえば、私の場合はまず1950年代にアメリカに渡った穐吉敏子。
その苦労は『ジャズと生きる(岩波書店)』とか『孤軍(全音楽譜出版社)』という彼女の著書に詳しい。
ケタはずれの音楽的才能があるのはもちろんだけど、それだけじゃとても乗り切れない。チャンスだって必要だ。そして、規格外の根性がなければとても達成できない偉業だ。
実際、ニューヨークでお会いした時にはすさまじいオーラを感じた。イヤ、正確にはコワくて話しかけられなかったので、そばで佇まいを拝見しただけなのだが…。
自伝を読んでいてすごく印象に残っているのは、敏子さんがキャリアを積んで自分のオーケストラを結成した時、現地のミュージシャンの奥さんたちが、ダンナに向かって、「アナタ、日本人の女に雇われるって一体どういうことなの?」と音楽とは関係のない被差別体験したということ。
穐吉敏子の高度な音楽性は演奏するミュージシャンに超難度の演奏技術を要求し、後には「ToshikoとZappaのところにいたミュージシャンは、どんな現場でもオーディションを受ける必要なし…」と言われるようになったとか。ホントかどうかは知らないが、これまたうれしい話し。
それと敏子がMiles Davisに最初に会った時、「Wanna sit in?」と訊かれて断ってしまったのを今でも後悔しているということ。
Milesの言葉の意味がわからなかったのだそうだ。「sit in」というのはジャズ用語で「一緒に演奏する」ということ。
「音楽は世界の共通語」かもしれないが、ギターでステーキの焼き方を表現することはできまい。やはり文化の異なる土俵で勝負するのだから、言葉の苦労も並大抵なものではないだろう。
ジャズのピアノ界とサックス界のYngwie Malmsteenが競演した『Sonny Stitt Sits in With Oscar Peterson』なんていうドンズバのアルバムもある。

ロックの世界では山内テツだろうナァ。
70年代にFreeとFacesという名門バンドで活躍したんだからあまりにもスゴイ。以前にも書いたけど、Facesの時は、ステージの前にウイスキーのボトルをストレートで半分空けて、ステージの途中でその半分を飲み干し、演奏が終了してまたボトルを一本空けていたというのだからすさまじい。相撲取りか?話しを聞いただけで胃がチリチリしてくるわ。
まだアニメもゲームもなかった時代だからね。音楽一本、ベース一本で勝負したワケだ。
Canのボーカルのダモ鈴木もいた。

そして、ここにアニメもゲームも関係なく、ベース一本で北アメリカ大陸をまたにかける男がいる。
小笠原義弘(オガン)である。
今日の記事のタイトルはもちろんPaul McCartneyから。

10vMarshall BlogでもレポートしたChris Duarteのトリオへの参加だ。

20Chrisはオガンちゃんを含むトリオでShrapnelからライブ・アルバムをリリースしている。
もう一回言わせて頂くが、イヤ、何回でも言わせて頂くが、このCDに使用されている写真は私が撮ったものなのよ…宣伝、宣伝!詳しくはコチラ

30cd今回の全米ツアーは、親方であるラーメン好きのChris Duarteと…

O30v前回一緒に日本を回ったJohn McKnight。
この人、音もプレイもマジですごいでね。NATALを気に入ってくれているところがまたスゴイ。

O40v初日は7月22日のオハイオの中東部のタスカラワス。Eastern Standard Timeでは今、8時チョット前。もうすぐ出番かな?だとすれべ初日なのでチョット緊張しているかも知れないね。

その後は、明日のオハイオはデイトンから、ミシガン⇒インディアナ⇒アイオワ⇒サウス・ダコタ⇒イリノイ⇒またオハイオ⇒ニューヨーク⇒コネチカット⇒ニュー・ハンプシャー⇒ロード・アイランド…と回って来て、千秋楽は、マンハッタンはリンカーン・センターの向かいの「The Iridium」だ。
Fat Tuesdayが閉店した後、晩年のLes Paulが毎週月曜日に出ていた店ね。
私もそこで20年近く前にLesに会ってサインをしてもらった。
いいナァ~、くっついてって写真撮りたいな~。
普段あまりアメリカびいきのことを言わない私だけど、コレは見てみたいよね。
ナゼかというと、アイオワだのダコタだの、この公演箇所を見ればわかるように、完全に現地の人だけを相手にするコンサートだからね。そういうところでオガンちゃんのプレイが一体どう受け入れられているのか?
オガンちゃんがもう何度もアメリカで、また世界中で演奏して評価が高いことはよくわかっているけど、現地の人たちの音楽をプレイする東洋人がどう受け入れられるか皮膚で感じてみたいんだよね。

O50vオガンちゃんのお供をするのはEDEN。

O60v今までは会場によってはこんなセットや…

O70vこんなセットを組んで来たが…

O80v今回はWT-800とD115XLTを引き連れて、こんなセットで思う存分暴れてきてくれることだろう。
現地での機材は『Nick's Photo Gallery』でよくMarshall Blogに登場してくれる、Marshall USA DivisionのNick Bowcottが面倒を看てくれた。
ここで彼にひとことお礼を言わせてチョーダイ!

Hi ADMF, thank you very much for looking after my friend with EDEN.  I really appreciate your generous support.  Ogan is brilliant.  I hope you get the chance to see him during this tour!      TDMF

O90vがんばれオガンちゃん!

O100v今回のツアーのために用意されたポスター。
私が撮った写真を採用して頂いた。
オガンちゃん、ありがとう!まるでツアーに参加するような気分だぜ!

小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒DANCIN' FUNKY BASS!!!

O100vlarge(一部敬称略)

2015年6月19日 (金)

THE DAY OF THE JAPANESE ROCK~6月28日は『日本のロック』の日!

今日の記事はコンサートの告知。
もううれしくてウキウキしちゃうコンサートだ。
『日本のロック』にドップリ浸かってしまおうという企画。

そう、「日本のロック」である。
イギリス人に「UK Rockといっても通じない。「ハァン?」と言われてしまうのが関の山だ。
イギリス人が自分たちのロックを「British Rock」と呼ぶように、この場合、我々も「ジャパニーズ・ロック」などと言わず「日本のロック」という日本語を使いたい。「日本のロック」なのだから…。

ああ、「日本のロック」!
J-POPやら最近のロックのフリをしているつもりの童謡とは似ても似つかない「悪」の芳香漂う不良の音楽!(飽くまでもイメージです)
いつかも書いたように私は洋楽至上主義で、「日本のロック」に親しみ出したのは70年代の後半、高校1年ぐらいの頃だった。
その頃、ロック、とりわけ「日本のロック」はまだ大人のための音楽で、私にはものすごく危険なイメージがあった。当時、ライブハウスに通う高校生なんてほとんどいなかったからね。
その「危険」というイメージは、パンク・ロックに見られるような「暴力」か「破壊」とかいう物理的なものではなく、「まだ見てはいけない大人の世界」を覗いてしまうような精神的な危険だ。
「日本のロック」にはそんな思い出がいつもつきまっとている。
だから「がんばれ」だの「ごめんね」だの「ありがとう」だのと歌っている最近のバンドさんが演っている音楽が「童謡」に聴こえてしまうのだ。

さて、今日ご案内するのは『伝説のロッカーたちの祭典』というコンサート。
出演は、
★外道
★頭脳警察
★めんたんぴん
★三文役者
★THE 卍
…という面々。
まさに「大人のFUJI ROCK」、あるいは「ジジイのサマソニ」!いいんだよそれで。
今時、こんなコンサートが開催されることにまずはオドロキ…そしてヨロコビ!

まずは、大人のみなさん、6月28日、新宿スペース・ゼロにお集まりください。
この会場は2000年にJim Marshallを迎えて『マーシャル祭り』を開催したゆかりの地。
もし、大人の皆さんにお年頃のお子さんがいらっしゃれば是非連れて来て頂きたい。
日本人が演る「ロック」の本当のカッコよさを教えてあげる絶好のチャンスになると思う…「大きなお世話!」と言われちゃうかも知れないけど。
もちろん、この記事を読んで興味を持ってくれた若者諸君!待っているぞよ!

M_densetsu2 さてさて、とにかくどの出演者も実に楽しみだよね。
先日ROLLYさんにお会いした時に「なんでTHE 卍が『伝説』なんですかネェ?大先輩に混ざって緊張しちゃいますわ~」などとおっしゃっていたが、ROLLYさんももはや伝説!

M_img_0066_2 佐藤研二さん、ロジャー高橋さんとともに伝説の1ページを彩ってくれるに違いない。
(※写真は先日レポートしたROLLYさんが参加しているOrquesta Libreのもの。THE 卍のステージではありません)

M_s41a6697_2 つけめん全盛の今、「めんたんぴん」などと書けば若い人たちには「麺単品」などと勘違いされそうだが、決して替え玉ではない。本物の日本のロック・バンドだ。(←ココしゃれになってます)
1969年に結成した小松出身の日本のGreatful Dead。
30年ぐらい前、小松にはよく行ったナァ。隣の根上(ねあがり:ゴジラ松井の故郷)というところへ何度も仕事で通った時代があったっけ。

さて、実は私は70年代の活動盛んなりし頃にはめんたんぴんを拝見したことがなかった。
そして今から7年前、オガンちゃんに誘われて、日比谷野音で初めてその姿を目の当たりにした。松浦さんがサポートでギターを弾き、オガンちゃんがベースを担当したのだ。
この時も「木こりの歌」とか「One More Saturday Night」とか、メチャクチャかっこよかった。
その後、中心人物のひとり飛田一男さんが亡くなってしまったのは残念至極だが、まだこうして活動をしてくれているのはうれしい限りだ。
今回も松浦善博さんがサポートで参加するというので楽しみ倍増!
しかし、麻雀ってやってる人見かけなくなったナァ。
(野音で撮った写真を掲載しようとしたのだが、どうしても出て来なかった!残念!!)

そして、三文役者。
出演者中、三文役者ほど「伝説」という単語がシックリくるバンドはいまい。
私が大学の時、2年ほどお世話になっていたということで、半ば公私混同で記事を2編掲載したので、詳しいことはソチラをご参照頂きたい。

三文役者なわたし <前編>
三文役者なわたし <後編>

M_img_0519_2 「伝説」のレパートリーもセット・リストに組み込まれているようだ。
哲さんの絶唱ぶりが楽しみでタマらない!

M_img_0425_2頭脳警察は私のロックのルーツのひとつ。
頭脳警察と三文役者がいなければ日本のロックは一切聴いていなかったかもしれないな~。

M_img_2458_2 もちろんPANTAさんは今でも多方面でバリバリご活躍を続けている。
切れ味鋭いカミソリのような言動は健在だ。

M_img_2442_2 そして、当日は盟友トシさんとの化学反応を存分に見せてくれるだろう。
ふたりが結合した時の元素記号は…「ZK」だ!
(※写真は2010年に撮影したもの)

M_img_1552_2 一昨年、結成40周年を迎え、今年『Rocking THE BLUES』というニュー・アルバムをリリースし、ますます血気盛んな外道!
そのレコ発公演のレポートをMarshall Blogに掲載したことは読者の記憶にも新しいだろう。

M_img_0005関係者からお聞きするところによると、今回秀人さんは大変気合が入っているそうであ~る!
新旧レパートリーを取り混ぜたオールタイム・ベストのセットリストで臨む?
いち時代を作った猛者たちの競演だ。秀人さんの激演ぶりが見ものだ。

M_img_0087_2 以上が出演者の顔触れ。
楽しみなことこの上なし!

★     ★     ★     ★     ★     ★
スゴイ写真がでてきたのでオマケ。
1978年か79年の渋谷屋根裏の楽屋。開演まえのスナップショット。
左から三文役者のちぇり~(大竹亨)、ひとり飛んで顔が半分隠れているのが私、そして哲さん。
一番右がPANATAさん!その左隣は先日の三文役者にもゲスト出演した片山さん。
撮影はSANAさん。
なつかしいな~。憧れのPANTAさんがお見えになってメチャクチャうれしかった。
老後のことなどまったく考える必要のないお気楽な時代だった。

M_sp2さぁ、28日お待ちしております!
え、なんでかって?
微力ながらMarshallはこのコンサートサポートさせてもらっているのだ!
とにかくこんなの滅多にないからお見逃し無きよう!
この顔触れ…次はないかもよ!

Densetsu2(一部敬称略)

2015年6月10日 (水)

【ルーク篁2Days】 Luke Will Rock You!!

先月の後半、ロンドンに行って来た。
渡英するのはかれこれ30回ほどになるが、今回ほど雨が少なく、天気が良い旅は初めてで、かえって気候の変動が心配になってくるぐらい。
あれほど天気のよいロンドンは怪しい…ま、天気が良い分には文句は言うまい。
この旅の様子をまたMarshall BlogやShige Blogでつづろうと思っているので、お好きな方や興味をお持ちの方は楽しみにしていて頂きたいと思う。
今日はその中からひとつ切り出してお送りする。

今回投宿したのはウエスト・エンドにほど近いアールズ・コート。

10_2この街はすでにMarshall Blogで紹介しているので、コチラをご参照願いたい。
⇒【イギリス - ロック名所めぐり vol.11】 Earl's Court(アールズ・コート)の見どころ

帰国後、ヒョンなことからこの辺りにまだすごいロックの名所があるのを知った。
あ~、もっと早く知っていれば取材したのに!
現在盛大に臍を噛んでいるところ。またいつか行こう。

20_2おなじみのエキシビジョン・センター。
前回は花柄、今回は工事中でクローズしていた。

24Led Zeppelinの『Presence』。
ここを舞台にした1975年のコンサートは有名だが、1976年にリリースされたこのアルバムのジャケットも大いにエキシビジョン・センターに関係がある。
ジャケットの写真は合成されていて、後ろに見えるのは、アールズ・コート・エキシビジョン・センターで毎年開催されていたボートの展示会に設けられた人口の水溜りの写真なのだ。
コンサートの成功に感謝してJimmy PageがHipgnosisに「エキシビジョン・センターの写真を使え」と言ったかどうかは定かではない。

Presence 第二次世界大戦後、オーストリアやニュージーランドからの多くの移民が住んだ地域。フラットを改装した簡易なホテルがそこら中に見受けられる。

40一方では、ヨーロッパ屈指の高級住宅街としても知られるサウス・ケンジントン地区に隣接していて、贅沢なたたずまいを見せる。

50_224時間営業のTESCO。
TESCO、ASDA、Sainsbury'sがイギリスのスーパーご三家。
物価の高いイギリスでは、こうした市民のためのスーパーは絶えず熾烈な競争を強いられ、勢力図が簡単に書き換えられるということだ。日本でも同じか…。
このTESCOにはヒドイ目に遇った…といってもこのTESCOが悪いワケではゼンゼンないんだけどね。
ちなみに、イギリスにはセブンイレブンもローソンもampmもないの知ってた?イヤ、あるのかもしれないけど、まず見かけることはあり得ない。
タネ明かしとTESCOでのヒドイ話しはまた別の機会に…。

60_2ローガン・プレイスという通りに入る。これだけ大きな標識なら「老眼」にもラ~クラク!
80_2
日本のつまらん風景に囲まれていると、ロンドンの街はどこもかしこも高級住宅街に見える。
ここはそれほどでもない感じ…。
いつか紹介したし、さっきも出たJimmy Pageの家があるサウス・ケンジントンあたりは誰が見ても高級ということがわかるけど。

70そう、この通りの端は「Garden Lodge」と呼ばれるFreddie Mercuryの家がある。
1991年11月にFreddieが亡くなるまで済んだ終の棲家だ。Marshall Blog二回目の登場。

90バイ・セクシュアルで知られるFreddieだが、この家はFreddieの遺志によりガール・フレンドだったMary Austinに贈られた。
その価値ナント2千万ポンド。今のレートなら42億円といったところか…。
地震がまったくないこの国の家は、ご存知の通り石やレンガで出来ていて、日本の家とは比べものにならないぐらい耐用年数が長い。
反対にイギリスの家を日本に建てるとすぐダメになってしまうらしい。頑丈な作りが地面の揺れを吸収できないからだ。
それに、極寒に対抗するあの密封性の高さは、とても日本の高湿度をさばききれまい。

一般的なイギリス人は、その耐用年数の長さを利用して、貯金をせずに家の手入れにお金をジャンジャンつぎ込む。
そうすることによって、中身や機能はいつでも最新の状態に保たれつつ、建物の歴史的価値が上がるため、買ったときよりも格段に良い値段で転売することができる。
日本のウワモノとは正反対だ。
そして、転売して生じるその差益を老後の生活費、すなわち老人ホームでの生活の資金に充てる…ということをするらしい。
聞くところによれば、老人ホームのシステムもしっかりしていて、税金さえシッカリ払っていれば末期の生活の心配もそうないということだ。
どこかの国と違って、税金を取るだけ取ってやりっぱなしなどということはない。世界の一等国として「ゆりかごから墓場まで」のポリシーは堅持されているのだ。

ま、このGarden Lodgeはそんな俗世のこととかけ離れた億万長者のすみかだけどね。
また、Maryは同時に9百万ポンドの遺産を受け取ったそうだ。
2千万ポンドに比べれば9百万ポンドなんて大したことなさそうだが、アータ、20億円近いからね。
こちとら昨今の円安で9ポンド使うのにも冷や汗タラタラだったんだから!
それにしてもロンドンの物価の高さは殺人的だよ!

ところがよくある話しで、この遺産相続のおかげでMaryは骨肉の争いに巻き込まれることになり、残されたQueenのメンバーとも疎遠になってしまい、塗炭の苦しみを味わうことになってしまった。

100壁にはアクリルの板が取り付けてあって、世界中から訪れるファンがメッセージを残していく。
Freddieの死後、ここはロンドンで最大の「Rock'n'Roll Shrine」と呼ばれている。すなわち、不世出のロックンローラー、Freddie Mercuryを祀った「ロックンロール神社」。
でも、誰かアクリル板を汚しやがったな?以前はもっときれいだったのに!

120_2コレはロシアのファンからだね。
そういえば、ロンドンやコッツウォルズのようなイギリスの有名な観光地は中国とロシアの観光客が爆発的に増えたと聞いた。
150
日本人のメッセージらしきものはなかったな。
このお屋敷の庭には日本の桜の木が2本植わっているそうだ。
最初に日本で人気を博したQueenだけに、Freddieの感謝の気持ちがそうさせたのであろうか?

140ところで、イギリスはいまだに火葬と土葬が選べるそうで、Freddieは火葬を選んだそうだ。
コレもFreddieの遺志で、彼は生前、熱狂的なファンに墓を掘り返されることをひどく心配していたらしい。
そこで、荼毘に付してもらい、その灰をMaryが預かった。Maryはしばらくの間その灰の入ったツボをGarden Lodgeに安置し、ごくごく秘密裡に持ち出してどこかへ納めた。
その場所はFreddieの両親すら知らないとのことだ。
130
庭への入り口。ドアには一輪のバラが…。
アレ?

160_2アレレ?
ドアの右…。

170_2コ、コレは!

180そう、「We Will Rock You」を歌うルークさんなのだ!
ルークさんの思いをロンドンに届けたというワケ。
CGではありません。
Freddieの魂は日本で受け継がれているのだ!
Luke Will Rock You with Marshall!!

190_2CANTAの詳しい情報はコチラ⇒CANTA OFFICIAl WEBSITE

200_2(一部敬称略 2015年5月19日 London Earl's Courtにて撮影)

2015年5月 6日 (水)

Happy Birthday Mr. MARS!!

MICk MARS!
今日(5月4日)は64回目の誕生日だ。Mickは一緒にいて充実した時間を過ごすことができる、ナイスでとても控えめな大スターであるだけでなく、世間一般に、(私がどう控えめに言ったとしても)犯罪的なまでに過小評価されているハード・ロック・ギタリストである。
Mickはまた、勇敢なギタリストのひとりでもある。
彼は脊髄に大きな悩み(脊髄炎)を抱え、苦しんでいるにもかかわらず、ステージで演奏し続けているのだ。大抵の男なら、もう何年も前に止めていたことは想像に難くない。
Crueと同じステージ立ったギタリストはみな口をそろえて言う。Mickのステージの音(中音)がバカデカイと…。
幸運にも私もサウンド・チェックに立ち会ったことがあるが、彼のギターの音は、聴く者を文字通り包み込んでしまうかのようだった。それは音の大きさによるものでは決してなく、音の「深さ」と「幅」によるものだった。
Mr. Marsは、ステージでは6から12台のスピーカー・キャビネットを背後に据えるのだが、それはルックスだけが目的ではない…何しろ全部鳴らすのだから!
Motley Crueを好むと好まないとにかかわらず、彼らは何百万の人を楽しませる「制度」そのものである。
また、絶対に再び開催されることのない『さよならツアー』を100%合法的にやり遂げたことも尊敬に値する。(いわゆる「解散ツアー」を二度やらないという契約が完璧に成立している)
たくさんのバンドが「解散ツアー」を謳い、何年も経ってから「コレでホントに最後ツアー」を敢行して自分たちのファンをカモにする行為は恥ずべきペテンだ。

誕生日おめでとうMick。あなたは最高だ!

D_mm2_3 (Marshall Nick BowcottからMick Marsへのバースデイ・メッセージ)

 

2015年5月 1日 (金)

【追補】 実録!GRANRODEO LIVE TOUR 2015 カルマとラビリンス

ゴールデン・ウィークでお休みを頂いているMarshall Blogだけど…アップしちゃった!
お、ちなみにこの「ゴールデン・ウィーク」というのは映画業界が作り出した日本語で、外人にはまず通じないので要注意。
でも、頻繁に日本に来るような外人には大分なじみの深い言葉のようで、実際に「『ゴールデン・ウィーク』なんてウマい表現だな…」なんて言われたこともある。

ということで、Marshall Blog読者の皆様も楽しいゴールデン・ウィークをお過ごしのことと存じます。
先日の『実録!GRANRODEO LIVE TOUR 2015 カルマとラビリンス』の<前編>と<後編>いかがでしたでしょうか?

Gr_img_0378実は、記事に掲載しようと思っていたのだが、あまりの量の多さに翻弄されてつい乗せるのを忘れてしまった写真が一枚ある。
それを皆さんに見てもらいたくて、休みとはいえこうして一本仕立てちゃったのよ!

Gr_s41a3826それは、2月22日のe-ZUKAさんのお誕生日の一枚のスナップ…

Gr_s41a3601コレ!
バースデイ・ケーキがMarshllになってる!
ヘッドはDSLだね。
ギター・ケーブルまでささっちゃって良く出来てますな~!
この写真は許可を得て、もちろんイギリスのMarshall本社にも送られている。「おいしそうなケーキ!」という反応があった。なにせMarshallのケーキだからね!

e-ZUKAさん、遅くなっちゃったけど、お誕生日おめでとうございます!

Marshall_cake_2 そして、いよいよ5月5日は『GRANRODEO LIVE TOUR 2015 カルマとラビリンス』の千秋楽。
場所はe-ZUKAさんの故郷、新潟県だ!
ギター殺人者の凱旋だぞ!あったかいゾ~!
場所は長岡市立劇場。
お見逃しなく!

GRANRODEOの詳しい情報はコチラ⇒GRANRODEO Official Website

 Gr_s41a3694

(協力 : 株式会社ランティス)

2015年4月 8日 (水)

LIFT OFF TO THE NEW MOON!~新生CONCERTO MOONの新たな旅立ち

ファンの方々は当然もうご存知のことだろうが、CONCERTO MOONのメンバーが大幅に交替した。
以前からサポートで参加していたAkiを正式メンバーに迎え、久方ぶりにキーボード入りの5人組バンドに回帰したのだ。
下はその新しい顔ぶれ。
写真は私が撮影させて頂いた。

向かって右から;
河塚篤史(ds)
島 紀史(g)
久世敦史(vo)
中易繁治(b)
Aki (kb)

…という布陣。
総帥のノンちゃんは別として、もう久世ちゃんも古株の仲間入りだ。
そしてツイン・アツシ体制となった。それに5人のうち3人の名前に「史」が入っている!
そう、こうしてCONCERTO MOONは、そのジャパニーズ・ヘヴィ・メタルの名門バンドにふさわしい新しい歴「史」を刻み出したのだ。

10そして、CONCERTO MOONは早速レコーディング作業に入った…ってんで、どんなようすか覗きに行ってきた。
Tシャツを見ればわかる通り、気合満点!

20v場所は勝手知ったる、NATALでもおなじみのバズーカ・スタジオ
60
今日はリズム・ギター録り。
Marshallをブースの中に設置しての演奏だ。

90

今回のレコーディングでは、ここ数年愛用しているMarshall MAJOR1967と1935Bをチョイス。
1935は70年代に製造されていたベース用のキャビネットだ。
ノンちゃんはそのまま使用している。

40v 威容を誇る2台のMarshall MAJOR。

50まずはマイク決め。
どのマイクが最も理想に近いサウンドで音を拾うか…。

70vすんなり決定。

80v そして、サウンドをチェック。
この顔は思い通りの音になっている顔だな。

100ドラムのパートにガシガシとバッキング・ギターのパートを重ねていく。
まだベース・パートも入っていない。
それなのに恐るべきドライブ感!

110vこりゃ仕上がりが楽しみだわい!
ジャケットも楽しみなんよ、CONERTO MOONは!

115v ニュー・アルバムの発売は今秋を予定している。
がんばれCONCERTO MOON!

120歴代のCONCERTO MOONの作品を手掛けるレコーディング・エンジニアの内藤さんと。

130CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒CONCERTO MOON Official Site

140(一部敬称略 2015年4月5日 高田馬場バズーカスタジオにて撮影)

2015年3月24日 (火)

FRUIT POCHETTE 『偉人-Clever Dick-』のMarshall~島紀史&福島克彦登場!

以前『ひめキュン祭り~大江戸アイドロール!SPECIAL』というイベントをレポートした
そのイベントに登場したFRUIT POCHETTEというふたり組がメッチャかっこよくてスッカリはまってしまったワケだが、そのふたりが今回新曲のPVを制作した。
今日はその撮影現場をレポートする。

10_3現場は川崎の撮影スタジオ。
コレがですよ、「KUROSAWA FILM STUDIO」という名の通り、黒澤明というか、その関連のスタジオなのよ!

15vエントランスには黒澤明の全作品のタイトルがズラリ…もうコレだけでテンションは最高潮!
うれしいなったらいれしいなッ!
ザッと数えてみるに全30作品中、22本観てた。

20_2私にとってのハイライトはやっぱり東宝に移籍して撮った1952年の『生きる』から1965年の『赤ひげ』までだな。
もちろんそれ以前の『酔いどれ天使』も『野良犬』も大好きだし、直後の『どですかでん』も観てるけど、超初期の作品と最後期の作品は観ていない。
初めての黒澤作品は父に連れられて、今は無きテアトル東京で観た『七人の侍』だった。私はまだ10歳で「野伏り」なんて言葉すら知らなかったが、「なんて面白い映画なんだ!」と感激し、志村喬や宮口精二のあまりのカッコよさにシビれた。
『デルス・ウザーラ』はロードショウ公開で中学一年生の時にひとりで有楽座へ観に行った。

最近はマンガ映画でよろこんでいるいい大人をたくさん見かけるが、コレは決して大ゲサな話ではなく、「人間」として生まれて来て、『七人の侍』を観ずして死んでいくほど不幸なことはないだろう。
ましてや日本人なら尚更だ。こんな映画を原語で楽しめるのだから。
反対にこれから観る人がうらやましくて仕方ない。
私は何回観たかな?軽く20回以上は観ていると思う。DVDになってから回数が尚増えた。今でも年に何回かは観ている。
数年前、ロンドンで『Seven Samurai』のDVDが3ポンドほどで売られていたので、それも買って来た。侍や百姓のセリフがどう英訳されているか知りたかったからだ。
ところで、『Seven Samurai』は正式な英題なのだが、どうして「Samurai」が複数形にならないのだろう?「Samurai」は固有名詞なのだろうか?それとも「七人」でひとかたまりということなのだろうか?
海外でも普通に公開されている超有名な黒澤映画だけに、映画好きの外人と話す時、時々話題が黒澤作品に及ぶことがある。
で、ある時「ラッシャマン」について訊かれた。「ラッシャマン」って何だろう?黒澤に戦隊モノなんてあったか?と不思議に思いながら彼の話しを聞いているウチにそれが『羅生門』であることがわかった。
私がいつも苦労している「原題問題」の逆のパターンだ。
他の作品はどうか…
『用心棒』が『The Bodyguard』、『隠し砦の三悪人』が『The Hidden Fortress』、『悪い奴ほどよく眠る』が『The Bad Sleeps Well』、『どん底』が『The Lower Depths』等々、直訳かそれに近いもの、あるいは原作のタイトルを転用しているもの(『どん底』の原作はゴーリキー)が多い。
では、ロック・ファンにクイズ。
『天国と地獄』の英題は何でしょう?
この作品はエド・マクベインの『キングの身代金(King's Ransom)』が原作だが、映画の方がはるかにおもしろい。
ここは『天国と地獄』だから、直訳して『Heaven and Hell』と言わせたいワケ、私としては…。
コレ、英題は『High and Low』という。
♪シンミアソ~ヨーラシンガッ!
あ~またこんなに書いちまった!

30ポスターのミニチュアも制作順にズラリと並べられていた。

40_2撮影現場のスナップ写真もたくさん飾ってあって一枚一枚丹念に見入ってしまった。

50_3そんな高いテンションを保ちつつ撮影スタジオに入ると…さらにテンション上が~る!
見よ!Marshallの壁!
もうコレだけでこのPVが名作になること間違いなし!

60スタートを待つ出演者とスタッフ…。

70_2カメラはいいか~?ピント送り頼むぞ!照明は大丈夫か~?オレはパンフォーカスにうるさいからな。
あ、外野なのにナゼか気分は黒澤明!
黒澤明はパンフォーカスにこだわった。被写界深度を確保するために露出を極限まで絞らなければならず、モノスゴイ照度のライトが使用された。そのため、室内の撮影現場は灼熱地獄だったらしい。
今日はなかなかの暗さ。開放で撮っても果たしてフルポシェの動きの速さに付いていけるシャッター速度が確保できるかどうか…。

80_2そんなカメラの心配をよそに楽しそうに談笑する出演者。

90さぁ準備OK!ドキドキするな~。

110_2いよいよ始まった~!曲は「偉人-Clever Dick-」。またしてもタイトルがいい!

120今日も元気なFRUIT POCHETTEのふたり!

130_3寺谷美奈ちゃんと…

140v…東志栞ちゃん。

150vギターは我らがノンちゃん、島紀史。今日は「シマノンネタ」はお休み。

160v久しぶりのMarshall Blog登場の福島克彦。

170_3ベースは勝己。

180ドラムはKEN'ICHI。
リズム隊の二人は以前Marshall Blogに登場しているLOKAからの参加。

190v曲はもちろんハードで軽快なスピード・チューン。

200vフリの大きい華麗なダンスも相変わらずだ。

210vそして、その激しいアクションがバッチリとシンクロするところが快感!

220_2本番の合間には振り付けの確認に余念がない。

230_2次のテイクいってみよ~!

240_2ノンちゃんはシェイプも仕様もチューニングもいつもとは大きく異なるギター。

250_2でもMarshallだけは変わらない!見よ、この衣装!ノンちゃんの正装なのだ。

260v下手で狂ったように編まれまくる福島さん。汗が滴り落ちる熱演はいつもと何も変わらない。

270_2イヤ~、それにしてもスゴイ。いくら若いたってこれだけ動くのは大変ですよ。下手をするとボクシングの1ラウンドよりゼンゼン激しいのでは?
やっぱりシャッター速度が追い付かん!

280_2もちろんリズム隊も一心不乱に動きまくって「偉人」を演出する。

290v

300_2休憩。
水分補給は欠かせない。

310_2髪の毛をリセットして…

320_2ギター・チームはその間、談笑。またDeep Purpleの話しかな?

330_2撮影再開。
延々と創作活動は続く…。

340_2そして出来上がったのがコレだ!見どころ満載。是非ご覧あれ!
カッコいいよ~!Marshallのセットにも注目してね。イヤでも目に入ると思うけど!

やっぱりロックはMarshallだね~。

FRUIT POCHETTEの詳しい情報はコチラ⇒Officila Web Site

島紀史の詳しい情報はコチラ⇒CONCERTO MOON Official Web Site

350_2(一部敬称略 KUROSAWA FILM STUDIOにて撮影)

2015年3月23日 (月)

芸術の春・依知川風人の世界~ASAKUSA COLLECTION vol.2から

コンピュータに向かって一日座って作業をするのはいいんだけど、足腰が弱っちゃって…。
ということで寸暇を惜しんでウォーキングにいそしんでいる…なんて言うとさぞかし懸命に運動しているように聞こえるかもしれないが、さにあらず。
ハッと気がつくと夕方になってしまって、やれ寒いだの、天気が悪いだのと運動ギライの輩は常にサボりがちなのである。
それでも、ウチの周囲は歩くに魅力的なコースが少なくなく、もっとも回数多く歩き回っているのが下の写真のエリアである。
隅田川は不幸にして関東大震災と東京大空襲という2大惨劇の舞台になった場所であることは重々承知しているが、吾妻橋から厩橋の方面に見える光景は、お茶の水の聖橋から見る秋葉原方面の景色と並ぶ私のお気に入りの「よき東京」の風景なのだ。
隅田川にかかる橋はロンドンのテムズ川にかかる橋と同様、どれも形式が異なり、「大都会を流れる大きな川」という共通項もあって、イメージをダブらせてしまうが、これら隅田川の橋が大正11年の海軍軍縮条約の産物として架けられたことはあまり知られていないようだ。
このあたりの話しはまた別の機会に触れたいと思う。

10そのウォーキング・コースにこんな施設があるとは知らなかった。

20浅草水上バスのりばの裏にある…

40「隅田公園リバーサイドギャラリー」という台東区の施設。

60v_2 ここで3月21&22日の2日間にわたって開催されたのが『ASAKUSA COLLECTION』というアート展。
略して「アサコレ」だ。
今回で2回目の開催となる。
「芸術」は秋だけじゃないつーことよ!
ちょうどfacebookでは、作家が自分の作品を1日3つずつ5日間公表していき、知り合いのアーティストを紹介してバトンを渡し、アートの輪を広げていく『5 DAYS ART CALLENGE』というアート・ムーブメントにちょうど参加しているところ。
え、私が一体何のアーティストかって?
それはコッチを見てチョーダイ!
Shige Blog】 5 DAYS ART CALLENGE <DAY1>

50_2さぁ、アサコレにお邪魔してみよう!
「うなぎの寝床」のように細長い空間に42組のアーティストが自慢の作品を披露した。
アートの他にもファッション・ショーや音楽やコメディ等々、出展出演者は総勢60にも及ぶ。
入場無料。

70お目当てはコレ。
依知川風人という書道家の展示だ。

80このお方が依知川風人さん。
なんで、書道家がMarshall Blog?と不思議にお思いの方もいらっしゃるかもしれない。
実は依知川さんは近藤真彦や沢田研二のバンドにも在籍していたベーシストで、長年EDENのベース・アンプを愛用してくださっているのだ。
そして、依知川さんのバンドは、ギターの方も1987をご愛用頂いているBARAKAというトリオ・バンド。1997年の結成以来、北米、ヨーロッパ、アジアの各地で演奏を重ねてきたベテラン人気バンドだ。
その依知川さんのもうひとつの顔がこの「書道家」なのだ。

90v 隅田公園は「桜」の名所。もうソロソロ咲き出すころだ。
ということで桜をモチーフにした作品が並ぶ。

100私、実は達筆なんです。父も祖母も字がウマかった。
もちろん自分ではそうは思わないけど、以前は事務所で、誰が書いたかわからないきれいな字のメモは大抵私のところに持って来られて、私が書いたものかと確認されたものだ。そのメモの字は大抵私が書く字より数段上手だったけどね。
ま、字に自信がないワケではない。でもそれはペンの話し。
毛筆となるとまったくダメ。
冬休みの書初めの宿題がイヤでイヤで仕方なかった。

160
だから、こうした依知川さんの作品を目の当たりにすると圧倒されるね。

170
力強い中にとても柔らかで可憐なテイストが見え隠れしているところが何とも魅力的だ。
180v
これは連作。
「春」、「麗」、「隅田川」とくれば滝廉太郎の「花」だ。だから真ん中の楽譜も「♪ソ~ソド~ドレドシラソ~」と「花」のメロディになっている。
ベーシストなのにト音で書いてくれているところがうれしい。

110カリグラフィだけでなく、こんな抽象画も手掛けている。

130v コレなんかちょっとジャクソン・ポロック風?

135v 照明の関係で、正確な色が出ないのが惜しい。

140Miles Davisの『Kind of Blue』のオリジナル・ライナー・ノーツはピアニストのBill Evansが書いているが、そこに「Japanese visual note」のことが書いてある。
その中でEvansは「そのアーティスト(実際に「artist」という言葉を使っている)は、無意識で、自然でなければならない」、「不自然な筆運びや邪念があれば線や紙が破壊されてしまい、修正することは不可能となる」…的なことを書いている。
これは墨絵のことを指しているのだろうが、確かに絵具をジャンジャン重ねていく西洋式油彩とは技法も精神もまったく異なるもので、おなじことが書道にも言えるだろう。
145
また、Eric Dolphyに「一度空間に放った音はもう二度と取り返すことはできない」的な名言があるが、一旦紙に筆を降ろしたが最後、後戻りはできない書道はDolphyの言葉に通じるところにあるような気がする。

165
John Coltraneが大好きだという依知川さんのこと、そういった精神が心に宿っているに違いない。ColtraneはEvansともDolphyとも活動していたのだから。

150…と思ったら、コレは邪念か?!
依知川さんのバンド、BARAKAの告知チラシが作品に混ざって展示してある!
…というのも来る4月18日、BARAKAのライブの通算500回を記念するコンサートが開催されるのだ!
もちろんMarshall Blogで取材を敢行する。楽しみ!

190BARAKAの詳しい情報はコチラ⇒BARAKA Official Web Site

依知川さんはD_DriveのSeijiさんに、「アサコレ」はオーストラリア在住のBARAKAファンのChisayoさんにご紹介頂いた。
おふた方にはこの場を借りて深く御礼申し上げます。

200せっかくなのでもう少しアサコレを見てみる。

210ファッション・ショウのリハ中。

220オ!こんなんみっけ!
Jimi HendrixやらBob Marleyやら…

230ナンダこれは?

235コレは消しゴム版画。

240作者は鈴木絵里沙さん。
高校生の時にナンシー関の消しゴム版画に影響を受けってセッセと授業中に鍛錬を重ねて技術を身に付けたそうだ。
手に持っている彫刻刀一本ですべての作品を仕上げるそうだ。
コレ、小さい曲線とか大変だよね~。
お見事!とても私にはできん!

shirusiの詳しい情報はコチラ⇒Instagram

250コチラはカツラ屋さんとプロマイド屋さんのコラボ。
カツラをかぶって写真を撮っちゃおうという企画。
270
カツラは仲見世通りのコマチヘア、そして写真の方はアータ、大正14年創業の日本で最初のプロマイド屋さん、マルベル堂だからね。すごいコンビだよ。
「ブロマイド」か「プロマイド」か…ていう話しは昔からあるけど、マルベル堂さんが「ブロマイド印画紙」を写真にしたものが「プロマイド」としているそうである。要するに原料が「ブ」、製品が「プ」ということだ。

260マァ、とにかく種種雑多、色んなものが展示してあって滅法おもしろ。

280写真や手芸品…

290アクセサリーから衣類…

300こんなのどうよ!

310「毒りんご飴」。
りんご飴のオブジェ。確かに「毒」のあるアイテム。

320

330作者は鈴木ひっとこさん。
350
「日野日出志風?」といったら喜んでいらっしゃったけど、どういう感覚?すごくいい!
日野日出志もよく子供の頃読んだけど、どうしても思い出せないマンガがあって、アレなんだっただろう?
舞台は万博会場だったから1970年(昭和45年)だったんだろうナァ。夜になって万博の会場でナンカの戦いが展開するんだけど、ちょっとエロチックな作風だった。
戦車が女性の尻の形をしていて、武器が「屁」なワケ。ちょうど冒頭に掲載したアサコレのペーパーの絵みたいなヤツ。
朝になると主人公は太陽の塔の目玉の穴のところで目が覚めて、「ナンダ夢だったのか?」という話し。後は思い出せないんだけど、ずいぶんおかしなものがたくさん出てきた。
その時から2度とお目にかかったことがない。
子供には十分刺激的だったんだろう、ほんの一部分とはいえ、アレから45年近く経っても覚えているんだから。
それぐらいインパクトがあるんじゃない?このひょっとこさんの掃除機。

340これもひょっとこさんの作品。
日本の伝統的な図柄なんだけど、素材がイヤホンや電源ケーブルになってる!カッコいい!

鈴木ひょっとこの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

360vひと際目を惹くヴィヴィッドな壁面!

370居心地のよさ、心地よさを制作のコンセプトにしている水彩画。

380作者は仲鉢恵子さん。
展示しているのは1号(ハガキ大)の似顔絵。
マァ、なんともポワンポワンした意匠と色使いで、たしかに心地よい。
一度見たら気分は「♪あったかいんだから」!

仲鉢恵子の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

390入口の広場では様々なパフォーマンスが披露されていた。

400おもしろかった~。
いよいよ春か…また暑くなってイヤだナァ。

アサコレの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

410(一部敬称略 2015年3月22日 隅田公園リバーサイドギャラリーにて撮影)

2015年2月16日 (月)

Nick's Photo Gallery 2~Loyal Tattoos

早くもNick "ADMF" Bowcottからおもしろい写真がまた送られてきたので紹介する。

その前に…Nickに対抗するワケではないが、写真の整理をしていて、私もNickの珍しい写真を見つけたのでオープニング・アクトとしてそれらの写真をまず紹介する。

下の写真は『Nick Bowcott Live in Frankfurt 2006』。
MUSIK MESSEでのMarshallブースのデモ・ルームにて。
ステージ下手はMarshallのデモンストレーターのChris George。現在はデモの仕事の他に、新商品のコーディネイトの業務を担当している。
上手のベースはRob Butterfield。

1_rimg0028

この写真を見てもわかるようにNickはいつも「誰々モデル」のギターを使っている。ご覧のようにギッチョなので、もしかしたら売れ残り品が安く手に入るのかしらん?
イヤイヤ、私はそれをNickの「偉大なギタリストへのリスペクト」ととらえている。
着ている服もそう。
ロックTシャツに仲の良いバンドのロゴが入ったジャンパー…これがNickの正装だ。

1_rimg0023

この日、Nickの後に登場したのはこの人。Bernie Marsden。

1_rimg0033

マァ、素晴らしい音色でしてね~。歌もウマいし。何よりもブルースやロックの空気を漂わせるその存在感がスゴイ。
フランクフルトは街はおもしろくも何ともなかったが、MESSEいつも本当に楽しかった。いろんな人の出会い、様々なことを教えてもらった。

1_rimg0030

以上はNickがらみの私のコレクション。
ここからが本題の、Nickが送って来てくれた写真たち。
今日はタトゥーの写真だ。

腕はNickの腕。文字はDimebag Darrellのサイン。
ご存知の通り、生前のDimebagはMarshallの使い手ではなかったが、Nickとは大親友の間柄だった。
日本にも古来から「○○命」なんて好きになった女性の名前を身体に彫り込むことはあったが、ああいう感覚なのかな?
Nickはストレートだから、「大親友、我とともにあり」ってところか。

1_dime

こちらもNickの肩付近。
おなじみのロゴ・サインはSlashだ。
SlashもNickの大親友。

1_slushそして、最後はコレ。コレを見せたかった。
ナント、Jim Marshall!
これでNickはホンモノのJCMシリーズになった!

「痛そう!」と言ったら、「ゼンゼン痛くなかった!」って。
「シゲ、お前もやれよ!」って言われやしないかとヒヤヒヤした!
生半可ではないMarshallへのNickの忠誠心をリスペクトを感じますな。
え、私はどうかって?
気持ちだけは負けませんとも!

1_jcm

2015年2月 7日 (土)

Nick's Photo Gallery 1~Dr. Marshall & Mr. Moore

Nickとの付き合いもずいぶん長くなった。NickとはNick Bowcottのこと。
かつてはアメリカのMarshallの輸入販売会社に勤めていたが、現在はMarshallの社員として主にアーティストの仕事に従事している。
まるでどこかで聞いたことがあるような話だ…。
私より3つ年上のイギリス人。もう何度もMarshall Blogに登場している。

10vNickは1979年に結成され、NWOBHMの旗手のひとつとして活躍したGrom Reaperの創始者であり、ギタリストでもある。

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もちろん大のMarshallバカ。
豊富な知識と経験からロックや機材に関する著述も数多い。
昨年12月に上梓された『アンプ大名鑑[Marshall編]』の共著者でもある。

1_3_mar_book_2コアなギター・ファンの方なら人気ギタリストのセットアップをイラストで詳述したコラムを見たことがあるだろう。
アメリカの某有名ギター誌に不定期に掲載されていたが、これの一部もNickの仕事だ。

1_img_00232007年、Marshallの本社で開催されたJVMとVintage Modernの発表会の時にはDoug AldrichがVintage Modernのデモンストレーションを担当し、NickがJVM410Hを担当した。
この時Nickは機能をアッピールするため、JVMに搭載されたMIDI機能を使って自動的に音色と変え、アンプやペダルボードに一切手を触れず、バッキングトラックに合わせて50曲以上の有名なロック・リフを弾くという離れ業をして見せた。
ちなみにこの時バンドでのデモ演奏をしてくれたのはThe Answerだった。

20『50YEARS OF LOUD LIVE』でもKerryや…

30Zakkのステージをサポートしてコンサートに花を添えた。コレはリハーサルの時のようす。

40会議の時など、アメリカと日本でまるっきりマーケットの環境が違うため意見が食い違うこともあった。そういう時は大変よ。「Why」ばっかりで、こっちの考え方をキチンと開陳しないと納得しない。そりゃ日本語だったら負けはしないんだけど、当然英語でやらなきゃイカン。
「あの頃は大変だった」と言いたいところだけど、英語には今でも苦労させられている。

とにかくNickは人を笑わせることが好きで、とても人気のある人なのだ。
そんなNickもMarshall Blogのことをとても高く評価してくれていて、海外のミュージシャンに私を紹介する時は必ずMarshall Blogのことに触れてくれる。
そして、私が興味を持ちそうなネタをよく送ってくれるのだ。そこで思いついた。
Nickの貴重な写真のコレクションをMarshall Blogで紹介したらどうか…と。
それが今日から始めた新カテゴリー『Nick's Photo Gallery』。

50vそのキッカケが下の写真。Gary MooreとJim Marshall。
昨日、2月6日はGary Mooreの命日だった。
Marshall本社の玄関ホールで撮影されたもの。Nichはこの写真にこんな言葉を寄せた。

「4年前の今日、ブリティッシュ・ロック/ブルースの偉大なギタリストのGary Mooreがあまりにも早く我々の前から姿を消した。そしてその早逝は世界中のギターを愛する者たちにとって計り知れないほど大きな損失となってしまった。彼のビブラート、完璧なフレージング、エモーション、ピッキング・パワーやスピード、そして華やかなトリル…それらは私や他の数えきれないほどたくさんのギタリストたちに莫大な影響を与えた。イヤ、今も与え、そしてこれからも与え続けるであろう。
今、Garyの時を超える偉大なギター・プレイを讃えるために、空港へ向かう車の中で4枚の偉大なCDを爆音で鳴らし続けている。すなわち、『Corridors of Power』、『Live at the Marquee』、『Back on the Streets』、そして「犯罪」としか思えないほど過小評価されている『G-Force』だ。
RIP Mr. Moore。忘れがたい素晴らしいメロディの数々をありがとう!
これはGaryの最高の友人のひとりとのワンショット。
もうひとりの偉人。本物のレジェンドとなったJim Marshallと…。」

60(Thank you very much for your cooperation, ADMF!!  From TDMF.)

2014年12月15日 (月)

Bring Me The Horizen at Wembley Arena

以前勤めていた会社のトイレに入ると、チョットした宣伝ということで、その会社が配給をしているシンバルのエンドーサーの小さなアーティスト写真が飾ってあった。
「ブリング・ミー・ザ・ホライズン」…それがそのドラマーが属しているバンドの名前だった。「It's a Beautiful Day」とか「Johnny Hates Jazz」式の文章型のバンド名が妙に印象に残った。
何せトイレに入るたびに出くわすもんだから…。
加えて、その写真のドラマーはまるで小学生のように幼く、「こんな子供がエンドースしているのか…一体どんな音を出しているんだ?」と、そのバンドに少し興味を持ったのも事実だった。

それから大分経ったが、昨年のLOUD PARKで初めて音を聴いた。
こっちはあの可愛い顔をしたドラマーの印象しかないもんだから、その爆発的なメタル・コア・サウンドに驚いてしまった。
そして、Bring Me The HorizenはKNOTFEST JAPAN 2014にも出演し、大いにイベントを盛り上げた。

今日のレポートはそのBring Me The Horizen。
KNOTFEST JAPANのそれではなく、ロンドン公演のレポートだ。
Marshallのアーティスト担当、Joel Mananが写真を送ってくれたのでそのステージの模様を紹介する。

10_912月5日、会場はWembley Arena。
そう、Marshallの創立50周年を記念するイベント『50 YEARS OF LOUD LIVE』を開催した会場だ。
完全ソールド・アウト。

15このバンド、以前はアメリカのバンドかと思っていたんだけど、イギリス中部はヨークシャーの出身。
若い人たちの間では信じられないぐらいの人気を誇り、母国イギリスの他にも、ヨーロッパやアメリカのメジャーなロック・フェスティバルに頻出しており、Marshallの1960を30~40台並べることでも知られている。
でも、今回のこのウェンブリーのステージはチョット感じが違う。
下は仕込みのようす。
Joelも私と同じようなことをしてるんだナァ。

20いつもは普通の1960Bをドバっと積み上げるんだけど、今回は白で固めた。

30ヘッドは1959。キャビネット上段は1936。プラークは「JCM900」になっている。
下段は1960B。いわゆる「ワン・ハーフ」と呼ばれているスタック方式。
ホワイトのエレファント・グレイン・カバリングとフレット・クロス。ゴールドのラージロゴ。Status Quoでも出て来そうな…。

40あの轟音が蘇るようなショット!
まぁね、60~70年代のロックで育った輩にはまさに「What's going on」状態。何せ激しい。
こういうのばっか聴いていれば、そりゃ「Led Zeppelinのサウンドがスカスカ」に感じるわナァ。
ヤヤヤ、写真の右下に見えるのは…。

50JCM800 2203が3台。これが上手のソデ。
70v
下手側にはJCM900 4100が2台。
時が経って、どんなにロックが変わりゆこうとも、ロックはMarshallを必要としている。
結論 : Marshall never die!
そういうこと…。

60(2014年12月5日 London Wembley Arenaにて撮影 Special thanks to Joel Manan)

***** お 知 ら せ *****

1993 年に出版され、当時もっとも詳しかったマーシャルに関する書籍『THE HISTORY OF Marshall(日本語未訳)』を、マーシャルの創業50周年を記念し大幅に改訂・増補して2013年に出版されたのが『THE HISTORY OF Marshall THE FIRST FIFTY YEARS』。

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そして、その日本語版がついに出来する!
レ アなアイテムを中心とした数百点にも及ぶ商品やマーシャルの歴史に名を残す重要人物のカラー写真(本邦初公開多数)、歴史的文書、ヴィンテージ・カタロ グ、販促アイテム、ミュージシャンや関係者の興味深い証言を満載してジム・マーシャルの波乱万丈の人生から、50年にわたって時代をロックし続けた名器た ちを立体的に詳述する。
マーシャル社が制作に全面的に協力したロックやギターを愛する者必携のマーシャル・バイブル!
なんて言うとカタっ苦しいけど、写真見てるだけでも十分に楽しいわ、コリャ!…という一冊。

J_cover

<内容>
ジ ム・マーシャル物語 爆音の父/Marshallサウンドの誕生/歴代のモデル(JTM45から新DSLまでを網羅)/スピーカー・キャビネット/50周年記念コンサート(コ レはマーブロが勝つな…/関連商品/Celestionスピーカーについて/マーシャル・シリアル・ナンバーの読み方…他、400ページ以上の充実したコ ンテンツ!

帯(腰巻)が付くとこんな感じ。

J_cover_with_belt
アンプ大名鑑[Marshall編]
著 者:マイケル・ドイル、ニック・ボウコット
監 修:ワタシ
発 売:12月19日(金)
体 裁:B5判/並製/400頁強(オールカラー)
価 格:本体4,500円+税

コチラでお買い求めになれます⇒amazon

2014年11月28日 (金)

VICTORY MOTORCYCLES+Marshall =MOTORHEAD? さらにBBC Four

ここ2日の車に続いて今日はバイク…単車の話題。
また英語かよ~…とおハラ立ちのことかもしれないが、この「単車」、英語で何というか?まず「オートバイ」ではない。
英語圏の人に向かって実際にこの言葉を使ったことはないが、おそらく「?」マークが相手の頭の上に浮かび上がるのではないか?
オートバイは英語で「motorcycle」という。

Frank Zappaに『Zappa in New York』なる超名ライブ盤がある。このアルバム収録の「Titties & Beer(おっぱいとビール)」という曲の中間部には寸劇が挿入されている。
その中で、悪魔に扮したTerryがZappa扮するバイカーに「モーラーサイコーメーン」とと呼びかける。つまり「Motorcycle man」、すなわち「バイク野郎」だ。「Auto-bi men!」などとはどう転んでも言わない。

日本でも明治時代に初めて輸入された頃は、「モーターサイクル」と呼んでいたらしい。それが大正12年(1923年、Jim Marshallが生まれた年!)に月刊誌『オートバイ』が創刊されてから、「オートバイ」という名前が定着したそうだ。
この時点で覚えなければならない英単語がひとつ増えたというワケだ。

こうした和製英語はわかりやすいし、我々の口にしやすくて便利なのだが、いちいちホンモノの英語を遠ざけて勉強の機会を増やしていることも間違いない。
「早期英語教育」と世の中では喧伝しているが、こうしたあまりにも何でもない単語の食い違いを是正することから始めるべきだと思うのだがいかがなものだろうか?

さて、今日はモーターサイクルの話題。
モーターサイクルや車は典型的なロックンロールの相方だ。イヤ、かつては、絶妙のコンビネーションだったといった方が正確だろう。双方、若者文化の象徴だった。
The Beach Boysの「Little Honda」や「Little Deuce Coupe」ではないが、今ロックと車のイメージを結びつける若者なんて皆無ではなかろうか?
YngwieとFerrariぐらい?
今は、ロックとゲームとアニメか…。

海外ではいまだにロックと車や単車のコンビネーションは健在で、双方向でイメージを高める手法がよく採られている。

車のこともわからないので、単車のことともなると尚更の門外漢な私なのだが、Marshallからこんな便りが届けられたので紹介する。

これらの写真は11月22~30日までイギリスはバーミンガムで開催されている『MOTORCYCLE LIVE2014』という展示会からのひとコマ。

「VICTORY MOTORCYCLES」というブランドのブースでMarshallが大活躍している。

05_2このVICTORY MOTORCYCLESというのは全米第2位のオートバイ(←どうしても言ってしまう!)・ブランド。Harleyのようなアメリカン・スタイルを採っているが、革新的なモダン・アメリカンを目指して、開発や設計に取り組んでいる。
「#LIVEFORMUSIC」の旗印の元、イメージを一新しているMarshallと方向性が合致したに違いない。

10_2こうした展示会にはつきものの美女たちもバッチリ!

20_2ギターを抱えて美女軍団の前でモーターサイクルにまたがっているのは…

30_2MOTORHEADのPhil Campbell!

40_2PhilはMarshallの50周年を祝うコンサート、「50 YEARS OF LOUD LIVE」にも出演し活躍した。
Philもとても気さくな感じで、実際に会うと「よきオヤっさん」という感じだったが、この人、私と歳がひとつしか違わないのね…ビックリ。

50_2 テール部のMarshallスクリプト・ロゴがイカすVICTORYとのコラボレーションで製作した「オート三輪」…違うか!齢がバレるな。なんていうんだろう?
英悟ではTrike Bikeというらしい。

60_2続いての話題。BBC。

J_img_0146_2本日11 月28日、午後10時(現地時間。日本だと明日の朝6時)からBBC Fourで「Play it Loud – The Story of the Marshall Amp」という番組が放映される。
BBCのウェブサイトで予告編が見れるのだが、若き日の(といっても60歳台ぐらいかな?)JimやKen Branがインタビューで登場している。ク~、見てェ~。
Marshallがどうやって作られたのかをシリアスなドキュメンタリー・タッチで構成している。
他にもPete TownshendやLemmy、Slashなども登場するらしい。
BBCのiPlayerってのがあればどうやら見れるらしい。でもナニこれ?
J_img_0147_2

予告編はコチラ…きっとすぐに見れなくなっちゃうからすぐに見て!

JimやKenが出てる~。

PeteやBig Jim Sullivanが出てる~。

コレは何としてでも全編見なくては!

(Thanks for the photos, Joel!  Thanks for the information, Craig!)

2014年11月14日 (金)

新しいMarshallの本!~The History of Marshall The First Fifty Years

2012年に創業50周年を迎えたMarshall Amplification。その節目を記念して大コンサートを開催したり、記念の限定モデルを発売したりしたことはみなさんよくご存じの通り。
それだけではなく、Marshallに関する書籍も発売されている。

10Marshallに関する書籍といえば、まず真っ先に思い浮かぶのは『Marshall Chronicle~50th Anniversary Edition(シンコー・ミュージックエンタテイメント刊)』(…だとうれしい)。
2012年12月に上梓されたいわゆる「マー本」。
日本人らしいキメの細かい内容で、一部のミュージシャンの間では「大人のエロ本」として愛でられていたらしいたことは記憶に新しい。

日本で唯一のMarshall社の社員として編集に参画させて頂き、文章の執筆だけでなく、企画を取り上げて頂いたり、掲載されているほとんどの写真を私が撮影したもので埋め尽くして頂いた。
私も、Marshall人生のひとつのまとめとして、また新たな勉強の機会として、徹底的に取り組ませて頂いた。
特にジムの波乱の生涯を柱にした「Marshallの歴史」に関するページには力が入り、何度も何度も読み直し、書き直し、考え直してひと夏をかけて完成させた苦心作だった。
このページのためではないにせよ、ジムの生家やMarshallの発祥地となったロンドンのはずれのジムの最初の楽器店への往訪記などは書いていて幸せを感じるほどであった。

それだけに書店に並んだ時はすごくうれしくて、周囲のお客さんの注意を促すよう、この本を開きながら何度も咳払いをしたり、本が後ろに隠れたりしていると、店員でもないのにこの本が前に来るように並べ直したりしたものだ。
この場をお借りしてシンコー・ミュージックエンタテイメントさんや関係者の皆様に改めて御礼を申し上げる次第である

15さて、日本ではギターに関する書籍はさまざまな形で編まれ、流通しているが、ギター・アンプの本となると、技術に関する本がわずかに散見されるものの、アンプという商品に関する本というとかなり少なくなってしまう。
何年かに一度、「アンプの本」的に楽器雑誌の別冊のような形でムックが出版される程度だろう。
そういう意味でも上述の『Marshall Chronicle』は手前ミソながら画期的な書籍だった。

しかしね~、アンプがなきゃギターはどうすんの?
時代の潮流なので、レコーディングならまだしも、ライブで卓に直接なんてダメよ、ダメ、ダメ。ドンとギターの音を風で受け止めなきゃ!
そこへ行くとKeith Richrdsはエライ。ダテに長いことThe Rolling Stonesやっちゃいネェ。
「ギターのことばっかり話しているけどよ、Leo Fenderが本当に偉大な知友はギター・アンプを作ったことなんだよ。そこんとこ夜露死苦」…このようなことを言ってらっしゃる。さすがのご慧眼である。

そのあたり、やはりアンプについての海外の認識や事情は違っていて、Marshallひとつ取ってもいくつかの書籍が流通している。
コレなんかはBluesbreakerに関することだけを扱った一冊。もちろん読んだ。結構おもしろい。

16これはおなじみ、英語版が輸入されて『爆音の父(The Father of Loud)』としていくらか出回っている。
コレは一体何回読んだことか…。Marshallの本ということもあるが、主役は半分Jim Marshall。
以前にも書いたが、工場へ行くたびにジムがサインを入れてお土産としてプレゼントしてくれるもんだから、ウチには裏表紙に「To Shige Jim Marshall OBE」と書かれたこの本が5冊ぐらいあって、宝物として大切に保存してある。(サインは後にDr. Jim Marshall OBEとなった)

13

ちょっと脱線するが、みなさん「Jim Marshallの本」ということでお間違いなきようにして頂きたいのはコレ。
フォトグラファーのJim Marshallの写真集。
下の2冊はこれまた私の宝もので、繰り返し眺めてはライブ撮影のためのインスピレーションを受けている。

18_2

19話しは戻って…
Marshallの本として長い間バイブル的に扱われてきたのコレ。「THE HISTORY OF Marshall(Hal Lenard Corporation刊)」。
コレもこれまでどれだけお世話になったことか…ボロボロになっちゃった。
30
先の「The Father of Loud」が出版される前は、工場のお土産はこの本だった。実際に私も2002年にジムから直接プレゼントして頂いた。
40
当時はもっとも立派なMarshallに関する本だっただけに、Marhall社としても大切に扱っており、こんな専用ケースまであつらえていた。
この本も英語版の原著は輸入されたものの、日本語版は結局刊行されなかった。

まぁ、いくら勉強しても英語で本を読むのはよっぽど「勉強するゼイ!」的な、ダイエットに挑む級の決心がなければなかなかにシンドイもんでしてな。英語キライじゃないけど、私だってイヤだよ。
だから日本語版の出版を望む声も多かったハズだ。

ところが、この本も1993年に出版されて以来改訂版が刊行されず、JCM900がもっとも新しい商品として扱われている、もはや古文書的な存在になっていた。

20それが、それが、それが!
装いも新たに日本語版が出ちゃうんだぜ!
じぇじぇじぇ!もはやこの快挙、「倍返し」どころの騒ぎじゃない。ワイルドだろう?!

著者は1993年版を表したMike Doyle。それにわが友、Marshallでアーティストやマーケティングの担当しているNick Bowcottが加わった。
Nichはご存知NWOBHMの旗手のひとつ、Grim Reaperの創始者であり、ギタリストだ。Nickとはお互いにTDMF(私)とADMF(Nick)と呼び合う仲。
Nickは大のMarshallマニアで長年にわたってMarshallを内から外から両面で見続けてきた人だけにここでも健筆を奮っている。

今回私は日本の出版社さんのご用命を受けて、全面的に監修のお仕事を頂戴し、苦しませて、イヤ、楽しませて頂いた。

150_2 見て!この厚さ!英語版原著のページ数は392ページにも及ぶ。
今や厚い部類にはいるであろうiPnone4Sがはるかに薄く見える!

55今回は、サブ・タイトルの「THE FIRST FIFTY YRAS」が示すように、Marshallの創業50周年を記念して上梓されたもので、思いっきり最近の情報まで盛り込まれている。
1993年版同様、シリーズごとに商品の詳細が解説されているが、前回はJCM900で終わっていたのに対し、今回は新DSLシリーズまでを網羅している。

そして何よりスゴいのは写真。
オールカラーなのだ!カルメンもビックリの総天然色!

60
何しろ以前のヤツはカラー・ページが挿入されてはいたものの80%以上の写真がモノクロで役場の書類みたいだったからね。

Capriの愛らしい赤も、Mercuryの美しいオレンジ色も…

80
6100の誇らしげなゴールドシャシやクールなブルーのカバリングも…

90
さまざまな広告もすべてカラーで再現されているのだ!
100

それとね…ココだけの話し…写真自体がスゴイのよ…。
私も何度も工場へ行っていろんなものを見せてもらって来たけどね、初めて見る写真がテンコ盛りなの。
「Marshall Chronicle」を編む時にもJimのかつての執務室(会長室)に入り込んで部屋の隅に積み上げられていたメッチャ古い販促物なんかをヒックリ返して見せてもらっったんだけど、今回この本を見て思った…「チッ…出し惜しみしやがって…」ってぐらい。
実はコレにも理由があって、今回の制作にあたってMarshallが管理している写真だけでなく、今回のために、外部からも個人蔵を含む多数の写真を集められたのね。だから決してあの時出し惜しみされてたワケじゃないということもわかった。

ハッキリ言って写真を眺めているだけでもこの本の価値があるってもんでわ。
と思ったらアータ、今回は日本語版が出るんじゃないの!
コリャ文句のつけようがないでしょうに。

70おかげで今、校正で第二の地獄を見ております。

第一の地獄は監修の作業。これがですね、ヨシャいいのに原文にはたくさんのロックや海外の文化に絡めた隠喩が使われていて、翻訳者さんがいくら正確に英文を訳してくれていても、文章を読んで意味が通じない。これを読み解くには、辞書と他のMarshallの本と、一番頼りのインターネットと都度格闘ですよ。もちろん原文もよく読まなければならない。もちろん一冊読破しました。
で、辞書でもインターネットでも、どうしてもわからないミュージシャンの専門用語のような部分はイギリスとアメリカの友達にメールをして教えてもらった。Nickやマーブロによく出て来るSteveにもずいぶん助けてもらったワケ。

またね、冗談が困るんですよ。原文でいくらうまい冗談を言っていても、日本語に訳すと何の意味もなくなっちゃうでしょ?もちろんそれを生かそうと四苦八苦したけど、うまくいくワケがない。
特に多いのがロックの名曲にひっかけるヤツ。おかげさまで、古いネタはほとんどわかるんだけど、邦題がガッチリ普及していたり、訳すと「何のことやら?」になってしまう。

これはね、結局は極上の神戸牛をハンバーグにしちゃうようなもの。だから海外の映画や音楽でどれだけ損をしているかわからない。
余談だけど、映画の字幕はスゴイ。プロから聞いたことがあるが、一般に、一行に14文字、1秒に6文字読むことを計算して日本語を付けているそうだ。みなさん何気なく字幕を読んでいるだろうけど、一流の翻訳家はこんな厳格なルールに従って字幕を付けているのだそうだ。これに不可解な冗談を織り込むんだから翻訳のウルトラCだ。
反対にスゴイのあるでしょ。比較的マイナーなミュージシャンの映像作品なんかに見られる一行30字ぐらいで三段積みになってたりする字幕。般若心経か?みたいな。
『スパイナル・タップ』とかZappaのなんかもヒドかったな。
ただ、映画の場合は聴きとる作業はなく、英語の台本が送られてきて時間があれば机上でジックリ訳を考えることができるそうだ。。

…ということで完成のあかつきにはそんな苦労も読み取っていただけるとありがたい。

110表紙は日本版オリジナルで、タイトルとしては『アンプ大名鑑 <マーシャル編>』ということになる。<マーシャル編>というのは先に<フェンダー編>という本が出ているため。
Keithのセリフの通り、FenderはMarshallの大先輩だし、JTM45の元はBassmanということはよく知られている話し。だからコレでいいのだ。

で、当然表紙をここでドーンとお見せしたいところなのだが、現在制作中。昨日ウチのハンブルなスタジオで私が使用する予定に写真をリクエストにお応えして撮影した。使われるかどうかわからないけど、コレもゼヒお楽しみに!

120_2Marshallは音を出す機械で、この爆音がロックを変えたことは否定しようのない歴史だ。それもジムなりに音楽の将来を予見して、ミュージシャンのリクエストやアイデアを具現化させただけなんだけど、いずれにしてもLeo Fender、Les Paul、Seth Loverの偉業に比肩する業績を残したことは事実だ。

この本の仕事をしている間、何百枚というMarshallの写真を見ていて思った。
StratocasterもLes PaulもP.A.Fもナニがいいってどれも例外なく見た目が抜群にいいよね。絶対に古くならない。
やっぱりとりわけMarshallは素晴らしい。
黒、金、白、一点の赤…これは、ミッキーマウスの黒と白と黄と赤と同じだ。これしかあり得ない。色だけでイメージを作っている。これはギターと大きく違うところだね。
そして流麗なMarshallのスクリプトロゴ。
ギター・アンプ数あれど、どんなに離れていてもMarshallだけはMarshallとわかる。
ハッキリ言わせてもらうけど、やっぱりMarshallが一番カッコいいよ。
したがってMarshallがステージで大活躍するロックがもっともカッコいいことも事実だ。
先に挙げたパイオニアたちのブランドとともに音の面でも、見た目の面でもMarshallはロックを格段にカッコよくしたのだ。

130v_2さて、この本のリリース情報。

タイトル : アンプ大名鑑[Marshall編]
著 者  : マイケル・ドイル、ニック・ボウコット
監 修  : 牛澤 滋由貴
訳 者  : 水科哲哉、脇阪真由
発 売  : 12月19日(金)予定
定  価    :  4,860円(税込)
出版社  : スペースシャワーネットワーク
体 裁  : B5判/並製/400頁強(オールカラー)、限定2,000部
 
詳しくはコチラ⇒amazon.com

ジムも今回の日本語版の出版をよろこんでいることだろう。
「日本の皆さんワシのMarshallをよろしくな…フォッフォッフォッ」…なんて声が聞こえてきそうだ。

M_img_0030クドイようですが下は英語版。表紙は差し替えられます。完成次第お見せします。

150音楽好きの彼にプレゼントするもよし、女流シュレッダーの彼女とのクリスマスの話題にするもよし、イングリッシュ・エールを飲みながらおコタに入ってジックリ読むもよし…。
みなさん、泣いても笑っても2,000部の限定です。
シッカリ校正やっときますんで、どうぞよろしくお願いします!

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2014年7月18日 (金)

FURTHER EXPROLATIONS~mintmints最新情報!

とある都内のレコーディング・スタジオ…

10スタジオ内の演奏を聴きながらエンジニアの作業を見守るのはSHARAさん。

20vスタジオの中にはてらちんとテツさん。そう、mintmintsの新曲のリズム録りの真っ最中なのだ。

30スピーカーから流れ出るベースとドラムの音にすべての神経を集中させるSHARAさん…と思ったら寝てた…というのはウソ。

40一旦演奏を終え、ミキサー室でプレイバックに聴き入るてらちん。

50…そしてテツさん。
今日はsun-goさんは残念ながら欠席。別の現場で同じようなことをしている。
70v
みんな自分の音にはとてもシビアだ。
レコーディング現場に立ち会っていつもスゴイと思うのは、プロはどんな短い個所でも自分が弾いた音を覚えていて、いとも簡単に気に喰わない場所を撮り直せることだ。
こちとら、どんなに時間をかけても何の文章を書いたかすぐ忘れてしまうというのに!

それと、ほんの微細なミスも絶対に許さない完全主義。
私も傍らでプレイバックを聴いていると、どんな小さいミスでもすぐわかるが…とカッコつけたいところだが、サッパリわからん。
「エ、今の一体何が悪かったの?」ってな具合。
聴いては撮り直し、聴いては撮り直し…これを延々と繰り返すワケだ。

私は飽きちゃってこういう作業は見ているだけでもすぐシンドくなんてしまうが、プロは違う。これがミュージシャンのもっとも大切な仕事なのだ。
曲を作って演奏して、CD(レコード)という物理的な商品のネタを制作するのがミュージシャンの一番大切な仕事だと思うのだ。
ライブ・コンサートやタオルを売ることがミュージシャンの一番大事な仕事ではないハズだと信じている。

60EARTHSHAKERに、mintmintsにと、着実にCDを発表し、創作活動を果敢に続けるSHARAさんには大きな拍手を送りたい…今、寝ちゃってるけど。寝てないってば!

80vこの日、取り組んでいたのは「ECHO」という曲。コレがまたいいぞ!
mintmintsのニューアルバムは9月のリリースを予定している。

90さて、時と所が変わって…。
ニュー・アルバム収録曲のPV撮影現場。
とても暑い日だった!

100暑さにめげず集まった4人。
石原SHARA慎一郎

110v五十嵐sun-go美貴

120v寺沢功一

130v向山テツ
250v
4人そろってmintmints!

150ここ、撮影スタジオなんだけど、トタン屋根でヤケクソに暑い!ビニールハウスの中にいるようなもの。
…なので、一回撮っては階下のエアコンの効いた部屋に下りて汗を引かせるということを繰り返した。

160曲は「Aladdin」。ポップでありながらの~、ハード・ドライビン!まさにmintmintsの真骨頂!

170vもう後は暑いのを隠して撮影に没頭するメンバーの皆さんの懸命な姿を楽しんでくだされ!

180今日のギターは黒。

190vステージ上さながらの激しいアクション!

200

205v

206てらちんも絶好調!

210v今回もヘビィでよく練られたベース・ラインで聴く者を楽しませてくれる。

220

230vテツさんが一番暑かっただろうな~。

240

2m_img_0111

2m_img_0220 さて、sun-goさんファンのみなさん、お待たせしましたッ!

265PVではsun-goさんもバッチリとフィーチュアされてますからね~!
280
新しいギター「Fairy」を携えての出演。

270v休憩時間にこのギターをイジらせてもらったけど、音のバランスがよくていい感じ。ネックも適度に細くて弾きやすい!アクションも実に心地よかった。sun-goさんの新しい相方にふさわしい出来だ。

290v暑くてもポーズはバッチリ。

300v「アヅイ~!」
「カット!」の声とともに冷風に当たるsun-goさん!

M_img_0081曲中にはふたりのツイン・リードのパートも!

310v

320

330さすが完璧なコンビネーション!
私が見ていた限りでは振り付けは何の打ち合わせもしていなかったような…。

340この他にもSHARAさんの曲解説も収録された。

350それともうひとつハイライトが!
それはてらちんの名司会に乗って、4人がファンの質問に答えるというコーナー。
テツさんがノリノリでメッチャおもしろかった!笑い声をこらえるのに苦労したわ。ま、どれだけ収録されるのかは知りませんが…。

とにかく見ていて、仲が良くて楽しそう!mintmints入りたいわ!
この雰囲気の良さが、新4大インスト・ロック・バンド一角の音楽に現れるんだろうね。
とにかく9月のリリースが楽しみだ!

360mintmintsの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

Img_0718_2 (一部敬称略 2014年7月15~16日都内某所にて撮影)

2014年6月27日 (金)

【追悼】小川文明さんのこと

2014年6月25日、ありとあらゆる音楽ジャンルにおいて活躍し、日本の音楽シーンにその名を轟かせた名キーボード・プレイヤー、小川文明さんが天に召された。享年53歳。

B_img_0651_2実は私の文明さんとの関わりはそう古くなく、始めてステージを拝見したのがこの2010年の7月に催された50歳のバースディコンサートのことだった。
しかし、それ以前より「Black Page」や「Suzy Creamcheese」などという文明さんのバンドの名前に親しみを感じていて、いつかお近づきになりたいと日頃から願っていた。双方Frank Zappaの代表曲の名前だ。

Flyer_2「こういうのがあるから見に来ない?」と令文さんに誘われてMarshall Blogの取材でお邪魔し、ついに文明さんのステージを拝見した。

B_img_0613 行ってみるとコレが最高のショウで、今、当時のMarshall Blogの記事を読み返してみるといかに自分が大満足したかのようすがよくわかる。

B_img_0423_2Bob Dylanの「My Back Pages」をKeith Jarrettのアレンジで、しかも日本語を乗せて歌ったのがものすごく印象に残っている。
このKeithのアレンジは当然、インストルメンタルで、ハッキリ言ってDylanのバージョンより格段に切なく、美しく、まるで違う曲のようで、私はこのKeithの演奏が大好きだった。
それにあの文明さんのウォームな声で、しかも日本語の歌詞を乗せたところがあまりにも素晴らしかったのである。
それとPaul McCartneyの「Junk」も感動的だった。普通こんな曲を演る人はいないからね。
B_img_0418この鍵盤ハーモニカのソロもよく覚えている。Donard Fagenみたいにカッコよかった!
B_img_0521_2出演者全員から50歳の祝福を受けて、文明さんは始終うれしそうにしていた。

B_img_0435アンコールはDave Masonの「Feelin' Alright」を歌って大いに盛り上がった。

B_img_0725_23時間を軽く超す長丁場だったが最高に楽しかった。

B_img_0732_3ところで、文明さんはギターをお弾きになったものの、もちろんキーボード奏者でMarshallは関係ないと言えば関係ない。
しかし、文明さんはMarshall Blogにご登場いただいた回数が最も多いキーボード奏者のうちのおひと方なのだ。
それは和佐田達彦さんのバンド、SPICE FIVEに参加されていたからだ。

「今度こんなバンドに参加します」…と田川ヒロアキさんから情報を得、駆けつけた。第1回目、つまりデビュー・コンサートからお付き合いさせていただいたのだ。
すなわち、2011年1月10日、高田馬場の音楽室DXに出演したSPICE FIVEで文明さんにお会いしたのが2回目だった。

S5_1_1_2SPICE FIVEは音楽達人たちの即興演奏と筋書きのない爆笑トークをセールス・ポイントとしているバンド。

S5_1_2_2この時もよっぽど楽しかったらしく、当時のマーブロの記事を読むと「このバンド、個性のかたまりで実におもしろい。ずっと続いてくれることを望む」などと記している。

その望みがかない、そのひと月後、2011年2月16日にもDXを訪れた。

B_img_1731_23つ前の写真とほぼ同じだが、違う日に撮影したモノ。

B_img_1560_2ひと月前のステージに引き続き、2回目も相当楽しんだようで…
『演奏は極めてシリアスなのだが、曲間のMCが異常なまでにおもしろい。和佐田さんと文明さんという最高のエンターティナーがいるから当然か?今日は「似てる」シリーズで盛り上がった。
「完全無欠のロックンローラー」とWeather Reportの「Birdland」って似てへん?」と文明さん。こういう落差の大きい比較がおもしろい』

文明さん「♪つっ~ぱって」のところを指していらっしゃる。「エリンギ」と「レギンス」の区別がつかないという話しとかね…。

B_img_1619
爆笑したのがコレ…
『文明さんの「似てる」シリーズではホント腹が痛くなるほど笑わせていただきました。何かの加減でアフロ・ヘアの話しになると突然、「ナァ、レッツゴー3匹の長作ってスタンリー・クラークに似てへん?」と言い出す。もうこれにはハマッた。長作とスタンリー・クラーク…この溝がおもしろい!終演後もうひとつ教えてくれたのが「ショーケン(萩原健一)とジャコ・パストリアス…どやッ?」!』
さらに、後日わざわざ私のところに寄って来て「ナァナァ、桂三枝とブライアン・フェリーって似とるやろ?」…というのも笑ったな~。

お笑いネタはトークだけでなく、音楽的に私の好みに合致した。
『話しがマイルス・デイヴィスに及び、突然「ピノキオ(『Nefertiti』収録)ってどんな曲やったっけ?」とピラピラといかにも適当にピアノを弾いて「あの頃のマイルスの曲って何を弾いても合ってまう…」とボソッとおっしゃる。もうコレがおかしくて、おかしくて!思い出せば思い出すほどおかしい!』
この当時のMiles Davis Quintetといえば、音楽的に最も高度な時期で、名実ともに世界最高のジャズ・コンボだった。それをこうしてギャグに当てはめてしまうところが何ともスゴイ。

「高田の馬場ラーメン戦争」という曲では大胆にChick Coreaの「La Fiesta」のメロディを突っ込んでみたり、音楽を知っていれば知っているほど楽しめるのが文明さんのパフォーマンスだった。

B_img_1804_2その後、東日本大震災が起こり、しばらくの間、Marshall Blogが休刊した。

そして、その再開第一弾の記事もSPICE FIVEだった。おそらく休刊中に取材したSPICE FIVEのステージのもようをいち早く読者に伝えたかったのだろう。

2011年3月30日、SPICE FIVE、3回目のステージ。この日は怪獣に話しが及んだようすで…「ゴジラ⇒ゴジラの使いまわしのジラース⇒怪獣博士⇒ゴモラ⇒ソドムとゴモラ⇒へドバとダビデ⇒♪ナオミ・カムバック…ときて文明さんが「B面がヘブライ語!」と落とす。爆笑!』…なんて展開になっていた。

B_img_0332_3当時SPICE FIVEは、ほぼマンスリーで音楽室DXに出演していて、翌月にも(4月20日)取材に出かけている。
この時はダイエットが話題になり…『和佐田さんおすすめの「下痢ダイエット」…と聞いて黙っていられないのが文明さん。すかさず…ゲイリー・ピーコック!』
私的にはGary MooreでもGary CooperでもなくGary Peacockというところがうれしかった。Keithがお好きだったんですね。

B_img_0413_2この時は珍しく「Little Wing」を歌われている。

B_img_0349そういえばこんなこともやった。
SPICE FIVEはといえば「音楽達人」の集団。楽器を巧みに操るメンバーの手を紹介する…というもの。
コレは弾き方が間違っていますね!

B_img_0365文明さんの手。

B_img_0361この日の〆は文明さんのオハコ、Dave Masonの「Feelin' Alright」。

B_img_0534_23回目ともなると大分慣れて来て、文明さん、客席に乱入。
『「前に座ってる人は運が悪いです!」と前列のお客さんにひとりずつ絶唱させた!』
さらには…
『森進一バージョンも登場!「こんばんは、森進一です。今度レッド・ツェッペリンというバンドに入りました!」と「移民の歌~森進一バージョン」を交える。全員大爆笑!しっかしミュージシャンってこんなことばっか考えてんだよね~!最高!』

ホントにおもしろかったな~。

B_img_0528_2文明さんはその豊かな音楽的素養を活かし、さまざまなユニットで活動されていたが、これのそのうちのひとつ…小川田川。
2011年6月8日に一度だけ取材している。
B_img_0697_2ここではお互いのオリジナル曲を持ち寄り演奏するという内容がメインで、SPICE FIVEを「動」とするならば、メンバーの少なさもあって小川田川は「静」というイメージで、しっとり系の文明さんを味わうことができた。
B_img_0724Randy Newmanの曲なんかも演奏していたな…イメージがピッタリだもんね。

B_img_0735_2ステージの合間の休憩中にカンパイ!

B_img_0772_22011年の6月にもSPICE FIVEは音楽室DXに登場したが、海外出張かなんかにあたってしまい、見逃さざるを得ないこととなり悔しい思いをした。1回目から皆勤だったからね。
そんなだから次の7月15日は早くから予定を空けておいた。

B_img_0011よく覚えていないのだが、どうも文明さん「ダイアナ」を歌われたようで…
『文明さん曰く、「昔のムード歌謡のリードボーカルの人って何で時々ヨーデルみたいになるんやろな?」っと実演。もうこれがメチャクチャおもしろくて…もうハラ痛いわ。平井堅のモノマネも大披露!』…などと記録に残っている。
B_img_0143和佐田さんとのトークのコンビネーションは絶好調…
『ナゼかここで文明さんから和佐田さんに質問。「ナァ、パフュームとゴールデン・ハーフってどっちが好き?」 なんでこんな質問?
和佐田さんから「それはわからんナァ、でもな、友達がホンマに間違うとってん。『バキュームのポリタンク』って…」
すかさず文明さん「それはないヤろう!」』…こんな調子。

B_img_0100文明さんは写真もお好きで、持参した自分のカメラを私に預けては、「演奏中の自分を撮ってくれ!」と頼んで来てくだすった。
ところが、そのカメラがコンパクト・カメラの割にはズームのない単焦点レンズのカメラで、アップで撮るのがすごく大変でいつも苦労した。
こちらもマーブロ用の写真を必死に撮影しているワケで、時として文明さんのカメラで撮ることをすっかり忘れちゃったこともあったっけ。
でも、やさしい文明さんはいつも「よ~撮れとるで!」とよろこんでくれたのがうれしかったな。
B_img_0037この日はRay Charlesの「What'd I Say」を熱唱された。
そこでこんな仕掛けも…
『よく聴いていると文明さんはクライマックスで「Keep it greasey so it'll go down easy!」と絶叫しているではないの!これはもちろんフランク・ザッパの『Joe's Garage』収録の「Keep it Greasey」。聞けば私のために歌ってくれたのだそうです。まったくありがたいこってす!』
コレも相当にうれしかった。

B_img_0150翌月にも取材をしている。2011年8月12日の音楽室DX。
みなさん、どれも同じ写真とお思いかもしれませんが、全部違う日に撮影したモノだからね!着ている服を見てもらえばわかるけど…でもこうして見ると、文明さんは赤系統の服が多かった。
B_img_0641お笑いなのかマジなのかわからない音楽トークも楽しみだった…
『上戸彩ちゃんが歌う「カップスター」のCMソング。「カップスター、食べたその日から~」 ってヤツね。文明さんが言うには「味のトリコに、トリコになりました」の2回目の「トリコ」の「ト」はブルーノートにするべきで、あんなに軽く歌って欲しくないという』
こんな調子。
もっともコレには和佐田さんの最高の切り返しが待っていて…
『すかさず和佐田さん、「ちょっと彩ちゃんにはブルース・フィーイングがなかったのかな?同じ<戸>でも綾戸智恵さんならブルーノート楽勝なんですけどね」(大爆笑)』

B_img_0681さらに…
『お店の酎ハイがおいしいというところから今度は焼酎論議へ。文明さんの鹿児島弁講座も大爆笑さ~↗
そして、文明さんの歌コーナー!今日はウィルソン・ピケットの「Mustang Sally」をチョイス。今日は文明さんなんだかノリが激しいゾ!』
「歌のコーナー」なんて書いてある。コンサートだから音楽が主体のハズなのに!それほどトークも充実していたということ。
もちろん文明さんなくしてはこうはいかなかった。

B_img_06942011年9月29日。故意にモノクロで撮った。
何しろ毎月取材しているので、写真がどれも同じになってしまうためマンネリから脱却するため何か変化を与えたかったのだ。
さっきの「手の写真」もそうだが、SPICE FIVEはMarshall Blogの実験の場という側面もあったのだ。

Img_0002文明さんはお元気なころfacebookに毎日ご投稿されていて、ひとつは「朝バッハ終了~!」というヤツ。指のトレーニングで毎日バッハを弾かれていたようだ。
それと、朝のコーヒー。実は私はコレを案外楽しみにしていた。
どういうことかというと、文明さんが珈琲を飲みながら聴いたCDを紹介してくれるのだが、グレン・グールドから軽いシンガーソングライターの作品まで、そのバラエティたるや尋常ではなく、自分も同類(のつもり)だけに「文明さん、こんなんも聴いてるのか~」といつも参考にさせて頂いていた。
同じくamazonにオーダーされていた本にも興味津々だった。「トッドの本、どうでした?」「おもろかったで!」なんて話もしたっけ…。

B_img_0089キーボードだけではなく、みんな文明さんの歌も大好きで、確かこれは透さんが文明さんにリクエストしたと記憶している…
『ジョー・コッカーの『Mad Dogs and Englishman』の最後に入っている「Delta Lady」。元はLeon Russell。1970年の『Leon Russell(あの「A Song for Youが入ってるヤツね」)』収録。いい曲だよね~。確かにLeonのネバネバのダミ声よりも爆発的なコッカーのダミ声の方がいいかもしれない。だから文明さんにピッタリだ!』

文明さんはこの「Delta Lady」という曲をご存知なかったようだが、「気に入った!」とおっしゃってその後のステージでもお歌いになられていた。この時が初演のハズだ。
B_img_01739回目のSPICE FIVE。
B_img_0089またこんなことをやっていた…
『文明さんによると、ボラギノールのに使われている音楽はキーが「G」なんだそうだ。加えて太田胃散のCMで使われているショパンの『前奏曲7番 Op.28-7』の調子ははキーが、そう…「E」なんだって。ホンマかいな?
アンプのスイッチを入れたままギター・ケーブルの先っチョを触って出るジージーいうノイズが「G」だとかいう話しは聞いたことあるけどな…ここで訂正、太田胃散のショパンは「胃腸調」イヤ、「イ長調」だそうだ』

真剣な鍵盤を叩いているのはWayne Shorterのブルース・ワルツ、「Footprints」。

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この日も「Delta Lady」と「Feelin' Alright」を熱唱された。
B_img_0110この2011年11月9日のステージを最後に私はSPICE FIVEから遠ざかってしまった。
この翌月の末で当時勤めていた会社を辞めたからだ。退社にともないMarshall Blogも終了し、閲覧することもできなくなった。
その後、さまざまな理由でSPICE FIVEを観に行くことはかなわなかったが、先月復活することができた。ついに2年半ぶりにSPICE FIVEを観たのだ

B_img_0058しかし、そこに文明さんの姿はなかった。
2011年11月9日の9回目のSPICE FIVEのステージが最後になってしまったのだ。
ああ、2年半の間無理をしてでも観に行けばよかった。今、とてつもない悲しさと後悔の念にさいなまれている。
410v稀代のエンターティナー、小川文明…。
エンターテイン(entertain)とは「人を楽しませる」という意味だ。「小川文明」の同義語だ。

この偉大な音楽家の芸術的遺産は色々な形で残され、後世まで親しみ継がれていくことだろう。
しかし、それでは文明さんのエンターティナーぶりをすべて網羅したことにはならない。
本当に人を楽しませ続けた文明さんの音楽以外の側面も記録されるべきと考え、ほんの一時期の一端ではあるがここに収録させていただき、Marshall Blogからの弔意に代えさせて頂いた。

腹の底から笑ったトークも時間が経つとおもしろかったことは覚えていても、細かい内容は忘れてしまうからね。
私がMarshall社の命を受けてこのBlogを書き続けている限り、この記事が削除される心配はもうない。お世話になった割にはこんなことしかできなくて恥ずかし限りではあるが、いつでも文明さんのエンターティナーぶりを楽しんで頂くことができるのではなかろうか?
文明さんの音楽作品を聴きながらいつでも好きな時にコレを読んで故人を偲んでいただければうれしく思うし、文明さんへの追悼になると思う。


文明さん、素晴らしい演奏と楽しいステージをありがとうございました!!
どうぞ安らかにお眠りください…

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