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ライブ・レポート Feed

2024年4月24日 (水)

EAST of EDEN -World Premiere Special Showcase [Encore]-


待望のEAST of EDENの2度目のライブ。
今回は前回のライブのタイトル『World Premier Special Showcase』に[Encore]を付し、会場をZepp Hanedaに移動しての開催となった。10v会場ロビーに飾られた祝い花。20ひと際目を惹くのがコレ。30「禁断の果実」がたわわに実ってる!
コレについてはこの後脱線させて頂きます。
40ブワ~っとCO2が盛大に吹き出して定刻通りにEAST of EDENのショウがスタート!50Yukiちゃんは前回同様Marshallを背に上手に陣を配した。60Yukiちゃんの背中のMarshallはいつも通りの「JVM410H」と「1960A」。70一方下手側のわかざえもんちゃん愛用のMarshallはJCM800シリーズのベース・アンプ・ヘッド「1992 SUPER BASS」とベース用4x12"キャビネットの「1935A」。
今回もわかざえもんちゃんが最高のサウンドをココから出してくれた!
75vところで、もうひとつYukiちゃんの背後に見えるのは…80vEAST of EDENのロゴ・サイン。
リンゴに巻き付くヘビ…カッコいいね。
もちろんこのリンゴは食べると知恵がついてしまう禁断の実。
すなわちアダムのリンゴ…「Adam's Apple」。
そしてイヴをそそのかしてそのリンゴを食べさせたのがヘビというワケね。90「Adam's Apple」はマイルス・デイヴィスが好んで演奏した人気の高いブルース・ワルツ「Footprints」が収録されている1967年のウェイン・ショーターの人気盤。
このアルバムは「Footprints」の他にもタイトル曲や「El Gaucho」なんてカッコいい曲が入っているのでおススメ。
そういえば、「ノド仏」って英語で「Adam's Apple」っていうんだよね。
いい機会だからその由来を調べてみると…コレは英語だけでなく、キリスト教圏のところはそう呼んでいるらしい。
だからフランスでは「pomme d'Adam」になる。
「pomme」は「リンゴ」ね。
ノド仏はアダムがリンゴを食べてノドに詰まらせた時のデッパリ…ということが元になっているらしい(諸説あり)。
で、禁断の「知恵の樹」の実を食べたアダムとイブは裸が恥ずかしくなってイチジクの葉を身にまとうようになり、さらに今度は「生命の樹」の実を食べて永遠の命をゲットしようとしたが神様の怒りに触れ、エデンの東に追放された…みたいなことは前回書いた。
一方、2人をそそのかしたヘビはその罰として神様に足を没収されて地面を這って生きなければならないハメになった…ということはそれ以前はヘビにも足があったのか?
それではヘビにならないような気がするが…。
100cd他方、映画では1966年に名匠ジョン・ヒューストンが監督した『天地創造』という作品があった。
何しろコレは原題が『The Bible』といって、旧約聖書をそのまま映画化したという3時間近い大作だった。
1976年、私が中学2年生の時にリヴァイバル公開されて、シネラマで上映できるテアトル東京に観に行った。
映画の中ではバベルの塔の建設やノアの方舟のクダリが実写化されていて、当然アダムがリンゴを食べてしまうシーンも登場した。
でもゼンゼン覚えていないナァ。
ジョン・ヒューストンの仕事にしては冗長で、映画自体としては結構苦痛な3時間だった記憶がある。110fこの前の年、スタンリー・ドーネン監督でサン=テグジュペリの『星の王子様(The Little Prince)』が映画化された。
スタンリー・ドーネンといえば『雨に唄えば』や『踊る大紐育』等を作ったミュージカル映画の大巨匠だが、中学1年だった私はさすがに「『星の王子様』というガラではなかろう」…と思って観に行かなかった。
ところが、この中でボブ・フォッシーがヘビに扮して踊っていることが世間で大きな話題となり、そのシーンだけは知っていた。
その「ボブ・フォッシーのヘビ」が私の中ではいつの頃からか完全に「アダムとイヴのヘビ」に変換されていて、「ボブ・フォッシーがアダムにリンゴを食べさせた」と思い違いをするようになっちゃったのね。
実はコレを書く少し前までそんな状態でホントに直前になって「あ、別物だったわ!」と気がつく始末。でも、このまま書き進めちゃう。
150f 
ボブ・フォッシー(Bob Fosse)はミュージカルの振付師で、映画監督としても名高く、1973年には『キャバレー』でアカデミー監督賞を獲り、同じ年にトニー賞とエミ―賞も獲得したスゴイ才人。
そんな人はかつていなかった。
しかも、その頃のアカデミー賞やトニー賞といえば今とは全く価値が違うからね。
更に人種差別や猥談をネタにした毒舌漫談家の半生を描いた『レニー・ブルース』や同じく自身の半生を題材にした『オール・ザット・ジャズ』でもアカデミー監督賞にノミネートされた。
どれもとてもクォリティの高い作品だった。
そんなフォッシーがスタンリー・ドーネンのご指名で自分で振り付けたヘビのダンスを「星の王子様」の前で踊って見せた。

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今ではそのシーンはYouTubeで見ることができるのでゼヒご覧頂きたいと思うのだが、ボブ・フォッシーを知らない人たちはそのダンスを見てビックリすると思う。
ナゼか?…マイケル・ジャクソンのダンスは完全にコレのコピーであることを知るであろうからだ。
私みたいな年寄りで若い頃から古い映画を観つけている輩にはこのフォッシーのダンスもフレッド・アステアのそれを元にしていることが簡単にわかると思うのだが、まぁ、ナニしろカッコいい。
ハゲていても十分にカッコいい。
「Beat It」や「Billie Jean」は言うに及ばず、「Thriller」やムーンウォークの原形のような振り付けも出て来る。
このことを皆さんに知ってもらいたくて書いた。
ちなみに「Beat It」や「Thriller」の振り付けをしたのはマイケル・ピータースという人だそうだ。
脱線終わり。
Bf_2満員の会場はもう興奮のカタマリ以外の何ものでもない!
175オープニングは「This Moment」。
ノッケからYukiちゃんもノリノリだ!
160_tmバッチリとソロもキマって…170v「楽園へようこそ!」0r4a0015_2 Ayasaさんのヴァイオリンが鳴り響いて「無重力飛行」。
ヤッパリいいな~、ヴァイオリンのロックは!180_mjhYukiちゃんのコーラス!
Yukiちゃんとのお付き合いもカレコレ15年ぐらいになるけど、コーラスをやっている姿は初めて見た!185お立ち台に上がって…190ギター・ソロ炸裂!200「Yukiさん」とあかねちゃんに突然振られて…230v「気ィ抜いてました」240vわかざえもんちゃんのスラップ・ベースがフィーチュアされる3曲目は「New Day」。
ギターを持ち替えたYukiちゃん。255vステージの上下で展開する…
270vAyasaさんとの掛け合いのソロがスリリング!260v_rk7弦ギターの特性を活かしたYukiちゃんのギターがヘヴィに鳴り響く「螺旋回廊」が続いた。280v_ddこういうエキゾチックな雰囲気の曲ってヴァイオリンがものすごく効果的にサウンドするんだよね。
320v_viaクリーン・トーンのリフが印象的なドライビング・チューンは「Deep Dive」。
このフレーズ耳に残るワァ。
やっぱりいいね、Marshallのクリーン・トーン。
この太いクリーンは真空管アンプならでは。
ソロもこのヌケヌケのトーンで弾いてくれた。
S41a0166 一方、ヘヴィなパートはどこまでもヘヴィなサウンドで!
やっぱりいいね、Marshallのヘヴィ・サウンド。
この激しい歪みサウンドは真空管アンプならでは。S41a0195ココのMCではメンバーの衣装が話題となった。
全員黒を基調とした衣装ながらデザインが全く異なる。
あかねちゃんに「Yukiさん、カッコいいね!」と振られて…
「ありがとう。カッコいい?
私もこんなシュッとしたおしゃれなスーツ着せて頂いて大満足でございます!」300v衣装にも満足したところで会場限定販売CD収録の「echo echo」。
またギターを持ち替えてココはシットリと…。
中間部のプロッグ・ロック的な展開がタマらんな。
0r4a0147 AyasaさんのヴァイオリンとYukiちゃんのファンク・ストラミングがとてもよいコンビネーションをクリエイトしていた「残された果実」。330_nkココであかねちゃんがステージから降りてインストゥルメンタルの「YELLOW CARD」を演奏。
各メンバーのソロがフィーチュアされて…
340_ycYukiちゃんもお立ち台に上がり…350思う存分弾ききった~!360vあかねちゃんがステージに戻って「鈍色のラビリンス」。370_nlまたまたYukiちゃんがコーラスで活躍!380vところで「鈍色(にびいろ)」ってどんな色だと思う?
「鈍色」とは下のような濃い灰色を指します。
日本人というのは英語圏の人たちに比べると2.5倍もの言葉を使って生活していると云われているけど、その語彙数は減るばかりでしょうな。
みんな本を読まないから。
その中でも特に減っている言葉は「色の名前」なんですよ。
ナゼか…それは女性が着物を着なくなったから。
日本人の感性ってとても敏感で、反物の色を表現するために驚くほどたくさんの色の名前を作ったんだね。
まったくモッタイないことです。
でも、モノが消滅すなると名前がなくなってしまうのは宿命でございましてな。
「十能」とか「焙烙」とか「羅宇」なんて言葉は知らないでしょう?
モノ自体を見かけなくなっちゃったから。390v_color_2ヴァイオリンが奏でるリフが魅力的な「花美」。
この曲の「♪スタンダップ、スタンダップ」のパートは前回聴いてとても印象に残った。S41a0284Yukiちゃんが行った~!
センターのお立ち台で颯爽とソロをブチかました!400_hbそして「Chasing the Moon」が本編を締めくくった。410v_cmこの場面でもYukiちゃんは7弦ギターとともにセンターのお立ち台に上がって大きな歓声を浴びた。420そして、客席の「EOE!EOE!」のコールに包まれてメンバー再登場。430アンコールの1曲目はBS-TBSのドラマ『御社の乱れ正します!』の主題歌「Judgement Syndrome」を演奏した。
ビデオもリリースしたばかり。
440vそして各メンバーからひと言。
「ありがとうございます!
今日2回目ですね…まだ2回しかライブを演っていないんですよね。
でもお客さんのこの一体感…もう何回か演っている感じですね。
これからツアーも演ることになりましたし、我々の進化を楽しんで頂きたいと思います。
今日も本当にありがとうございました!」450vメンバー全員の挨拶が終わったところで、この日最後の曲。460_ev「Evolve-Extended Version-」をスゴイ熱量でブッ放してEAST of EDENの2回目のステージを終了させた。
何しろスゴイ盛り上がりだったわ~!
470vEAST of EDENの詳しい情報はコチラ⇒⇒EAST of EDEN Official Website500_2 

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<だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)>

<Wings>

<Thmbs Up>

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200 (一部敬称略 2024年3月19日 Zepp Hanedaにて撮影)

2024年4月22日 (月)

BLINDMAN~LIVE2024ーOUTBURST OF EMOTIONーvol.2

 
昨年9月、『EXPANSION』から3年ぶりの新作となるミニ・アルバム『OUTBURST』をリリースしたBLINDMAN。  
残念ながら他の用事と重なってしまい前回のレコ発にお邪魔できなかったので、今回の単独公演は絶対に見逃すまいと意気込んで目黒鹿鳴館に向かった。
ところで「outburst」とは「out=外へ」と「burst=突然噴出する」を組み合わせた英単語で、どうにも抑えきれない感情をドッカ~ンと発露するような時に用いられる英単語。
そう、まさにメンバー5人のハードロックの感情がoutburstしたショウだった!
 
会場
は超満員。
おなじみの5人がステージに上がると熱狂的な歓声が沸き上がった。20Ray

S41a0203 中村達也40v松井博樹50v戸田達也60v實成峻70v1曲目は『EXPANSION』から「Love Drifter」。75続けて「Running Wild」。
いつかも『お熱いのがお好き(Some Like it Hot)』という映画のマリリン・モンローを引き合いに出して「run wild」の意味を説明したが、コレは「自由気ままにふるまう」とか「暴走する」とかいう意味。
場内は「♪Runnin' wild!」の大合唱。
80_rw達也さんのスリリングなソロ!
「やっぱりこういう音楽はMarshallじゃないとダメ!」…と説得してくれているようだ。90これまでJCM800 2203を使っていた達也さんだが、今回はJCM2000 DSL100を使用。100v2曲続けてのOutburstでお客さんは完全にrun wild。
中学から高校にかけてこの手のロックと緊密に過ごした私にとっては「カッコいい」とか「気持ちイイ」とかを通り越して最早「ありがたい」わ。110「2024年、BLINDMANの東京ライブ…皆さん、お久しぶりです!
前回は11月でしたのでそんなに間が空いてはいません。
あの時はオーソドックスな代表曲を中心に演りましたが、今日はマニアックな曲や普段は演らない曲…我々もホントに何年ぶりに演ったんだろう?みたいなレアな曲を交えてお届けしたいと思います。
最後までタップリ楽しんでってくださいね!」120vココで最新作『OUTBURST』から1曲。130cdシンプルなテーマ・リフが猛烈な疾走感を演出する「Destiny」。S41a0235 「Blindmanish」とでも言おうか、端正にそしてコンパクトにBLINDMANのエキスを詰め込んだイメージの1曲。150続けて「…in the Dark 」。160_itd初出の同名のミニ・アルバム『…in the Dark』、ベスト・アルバム、そしてリレコーディング・アルバム『Evergreen』と何度も取り上げられて来たミディアム・ファスト・テンポの重要ナンバー。
170そして同じく何度も取り上げられている「Castle in the Sand」が続く。180_cus5年ぶりぐらいに演奏したというレア曲。
でも聴いていてゼンゼンそんな感じがしない。190いつも演奏している曲の中に混ざっていても何の違和感もないのだ。
まさにBLINDMANの音楽性がブレずに来た証拠であろう。200v「すごい久しぶりな感じの曲でした。
今日はそんな感じのレアな曲をたくさん用意していますので楽しみにしていてください。
ところで巷では『推し活』っていうのが流行ってるんですかね。
皆さんは『BLINDMAN推し』ですね?
『推し活』は世界を平和にするらしいですからね。
そんな皆さんのご貢献で我々も張り合いが出ております。
本当にどうもありがとうございます!」210達也さんが弾く三連のリフ。220v_miwl『OUTBURST』からの2曲目は「A Man in Wonderland」。230cdこういう三連の曲が出て来るとうれしくなるね。
もう若い人たちのロックではこういうリズムが絶滅した感がある…というのは私だけでなく、多くの「ロック良識派」の意見。240ひと際耳を惹くRayさんが熱唱するサビから転調して達也さんのギター・ソロへ。
絶妙のコンビネーション!250松井さんのオルガンが鳴り響いて『Blazing Crisis』から「-land」つながりで「The Wasteland」。260v_wlコレも普段出て来ない曲?
ミディアム・スローのヘヴィ・ナンバー。
やはりサビの展開が素晴らしい。
完全に海外のハードロックだ。270ややエキゾチックなフレーズでソロを組み立てる達也さん。
珍しいパターン。280v果てしなくドライブしまくるのは「Survive」。
『Reach for the Sky』からの1曲。295峻くんのドラムスが大爆発!290v_svこの「♪ゾンゾゾンゾゾン  ゾンゾゾンゾゾン」というのは「BLINDMANビート」と呼ぶべき独特のノリ…と、私は前から思っている。300v疾駆するリズム隊に呼応する達也さんのソロ。
たまらなく絶好調だ!310「どうも…外は風強い?
花粉多い?…オレも花粉症スゲエんだ。
こんなに集まてくれて本当にありがとう!
こうやってお客さんがいっぱいいるのってヤッパリいいよね。
BLINDMANの今後の予定は決まっていないんですけど…曲でも作ろうかな~。
私ごとになりますけど、去年の12月に『THE MAN』という企画で演奏する機会があったんですよ。
それでスタジオ入った時にANTHEMの柴田さんから『中村くんは曲作りとかまだガンガン出来る?』と尋ねられて『全然出来ません!』って答えました。
そしたら柴田さんが『そうだよね。ちなみにそういう時って周りのメンバーはどんな感じ?…"出来ないって言っているけど本当は出来てるんでしょ~?"とか言わない?』って。
『そう、それです!』ってなったのね」
イヤイヤ~、本当は出来てるんでしょ~、カッコいいヤツが!
330v「とにかく大変でフルアルバムとなると大分遠くなる感じなので、あくまでもチョット曲作りに入ろうかという予定だね。
本当に色々とスゲエんだよ。
心も体も膝関節も大変なんです。
マァ頑張りますが、もちろんライブも何個かボチボチ入れていこうとは思っていますので今年もよろしくお願いします」S41a0488 「それでは中村達也の新曲制作に期待を寄せましょう!
みんなでプレッシャーかけましょうね。
こんな感じでレアな曲ガンガン続きますが、みなさん、大丈夫ですか?
ついて来れますか!」320vこの辺りでショウは中盤。
『To the Light』から「A Pain in the neck」。350_pinこれまた切れ味鋭いドライビング・ナンバー。
サビのバッキングのパターンが大層カッコよろしいナァ
360v松井さんと…
370v達也さんの掛け合いのソロから2人のアンサンブルへ!
380v簡単に客席を大興奮させちゃうイキのいいナンバーなんけど「A pain in the neck」って「メンドくさい」っていう意味の成句なんだよね。
イヤイヤ「It isn't a pain in the neck」!390同じく『To the Light』から。
「No Quarter」を想起させる松井さんのキーボーズでスタートする「Angels Cry」。410vココまでとはガラリと雰囲気を替えたシットリ・ナンバー。
400_acRayさんの思い入れタップリの熱唱を味わうシーン。420vそのRayさんがステージを降りて始まったのは凄まじい迫力のブギ。430_ib峻くん作曲の「Ignorant Boogie」。
「ignorant」というのは「無視する」という意味の動詞「ignore」の形容詞なんだけど、この単語って「ingorant」とか名詞の「ignorance」になると「無知の」とか「無知」という意味に変わっちゃうんだよね。
コレを知らないでMarshallの前の社長とメールをしていて赤っ恥をかいたことがあった。
恥をかけば一発で覚えるね。
440v峻くん、エライ!
既に上に書いたけど、こうした三連のグルーヴのロックをこうやって何とか保存して頂きたいのだ。ん?…コレってまさか朝ドラの影響?
450
キレッキレのリズムにキレッキレのギター・ソロ!
やっぱりブギというリズムは魅力的だ。460そのまま峻くんのドラム・ソロへ。470v音を選ぶソロ。
迫真のパフォーマンスに大きな喝采が寄せられた!480Rayさんが戻って『Reach for the Sky』からタイトル・チューン。490_rfsコレもたまらない正調ハードロック+BLINDMANビート・ナンバー。
500あまりの迫力に目黒エリアが停電してしまいそうだ!510v白熱のギター・ソロもテンコ盛り!Rrr Rayさんが「Ignorant Boogie」の作曲者である峻くんにマイクを渡す。
「みなさん、お元気でしたか?
さっきインストを演ったんですけど何と、ボクの曲でございます。
BLINDMANで中村さんが作った曲以外の曲を演ったことが今まであったのだろうか?…みたいな。
『チョット楽しい感じのインストをなんか作るか!』みたいなに中村さんがおっしゃったんですが、『ド素人の書いた曲なんですがあるにはあるんですよ』って言ったら『演ってみよう!』ということになったんです。
各自のソロも交えてカッコよく仕上げて頂きました」
カバー以外で達也さんの曲以外を演奏したのは今回が初めてのことだそうです。
520「さて、11月にお越し頂いた方もいらっしゃると思うんですが、今日はコンセプトをガラッと変えてのセトリになっております。
『Wasteland』なんてボクが8年前に加入した時の1発目のライブで演った曲なんです。
8年振りなんですよ!ビックリ仰天な感じです。
コノ後も『ハァ~』ってなる感じの曲がありますからね。
新作の話も出ましたし、ライブも全く決まっていないワケではありませんので、我々の予定に関しては各種SNSをチェックして頂きたいと思います」530v峻くんコーナーが終わった辺りから後半に突入する。
まずは『Expansion』からこれまた強力にBLINDMANビートが際立つ「Promise of Love」。
このサビのメロディは最近のステージには欠かせなかったモノだ。
540_pol2度登場するギター・ソロがそのサビとセットになっているかのようにロマンティックに鳴り響いた。550v松井さんのピアノから「The Tears of God」。550v_tog『Blazing Crisis』にオープナー。
ホント、バラエティに富んだ選曲だ!
それができるのはバンドに歴史があるから。
BLINDMANを来年は結成30周年?
560『OUTBURST』から2曲。
130cdまずはこのミニ・アルバムの新曲「Diamond Dust」。
達也さんが弾くクリーン・トーンのアルペジオ。
とかく「歪み、歪み」と世間では騒ぎがちだが、Marshallはクリーン・トーンも得意なのだ。570_dd存分に声を振り絞ってのRayさんの絶唱。
ドラマチック極まりない!S41a0779 もう1曲は『OUTBURST』に収録している再録音曲のウチのひとつ「The Bed of Nails」。580_bon前の曲とは打って変わっての爆走っぷり!590v客席と一体になっての手拍子。
タイトルは日本語で言い表せば「ツライ状態」を意味する「針のムシロ」だけど、この「針のムシロ」は楽しいねぇ!
600「長丁場、ホントどうもありがとうございます。
次に会えるのはいつかな?
まだチョット東京のライブが決まってないのかな?
次回もまたまたお誘い合わせの上ゼヒ遊びに来て頂きたいと思います。
じゃあ、その前にガッツリ盛り上がっていきましょう!
最後の力振り絞っていきますよ!
まずは懐かしいところからいってみましょうか。
一緒に歌いましょう!」
610v楽しい時間は過ぎるのが早いものでもう本編最後のセクション。
まずはおなじみ「Why Did You Come Back?」 。630 「♪Why did you come back」…620_wdcb「♪Why did you come back」
Rayさんの「一緒に歌いましょう!」という誘いに応じて大合唱640『Reach for the Sky』から「Now or Never」。
このキーボーズが利いたイントロ!650v私はこの曲が大好きなのです。
「♪Eavryday, everynight」…Rayさんの歌い回し方が最高に気持ちいい。
660vそして、毎回書いているけど一度しか出てこない大サビ!
何度聴いても素晴らしい。680本編の締めくくりは『To the Light』のオープナー「Rising Sun」。680v見よ、このRayさんの汗!
完全に草津状態だ。
激演ぶりが容易に窺えようというモノ。S41a0794 本編最後の達也さんのソロ…690v松井さんも!S41a0727 イヤ~、本当に火がつきそうな大熱演で本編を締めくくった!
700アンコール。
まずは達也さんからひと言。
「なかなかの長丁場なのにみんな元気だね!
BLINDMANのライブ…ホント、楽しみつつ出来る限りやっていこうと思ってます。
お越しになれる時は是非とも会場に足を運んでください。
よろしくお願いします!」
710v「今日は結構暑くて花粉も飛んでる中みんなスゴいね!
ステージ上もすごく盛り上がって楽しい感じです。
どうもありがとう!」
720v「皆さん、本当にありがとうございます!
もうチョット楽しもうか。
いいですか!
コレも懐かしい曲です…いってみよう!」730vアンコールは2曲。
まずは『Turning Back』から「Without a Word」。S41a0904そして、もう1曲は『OUTBURST』で再録音された「Living a Lie」。
最高のドライビング・チューンに客席は大興奮!
740_encアンコールを入れて全21曲。
一時たりとも気の緩むことのない演奏で観客をノックアウトした5人。750v 000s41a0429  770v 780v 790vああ、いつまでもこういうロックが生き残って欲しい…Marshallとともに。
もう私はこのことしか考えられんよ!800BLINDMANの詳しい情報はコチラ⇒BLINDMAN Official Site

810 

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本場のブリティッシュ・ハードロックを存分にお楽しみあれ!

<Desolation>

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200(一部敬称略 2024年3月17日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2024年4月15日 (月)

LOVEROCK NIGHT <後編>~THE LOVEROCK VIOLENT

 
『LOVEROCK NIGHT』の後半はイベント・タイトルそのままにTHE LOVEROCK VIOLENTがステージに上がった。
10vミュージカルや映画の「Overture(序曲)」よろしくTHE LOVEROCK VIOLENTはインストルメンタル曲でスタートする。
コレがまずカッコいい。
いかにも「最上のステージを見せてやるゼ!」という気合が発散しているようだ。
今回は「No.5」。25木村直樹30Atsuo40v清水賢治50v臼井"OZMA"孝文60v乙部-オトチ-ヒロ70vそのまま「激情」へ。80v_gj「♪落ちていく、落ちていく」のパートがとても耳に残る。
ドラマチックで適度にハードな曲調が実に心地よいのだ。
90ギター・ソロ。
AtsuoさんはMarshall。100v「JCM900 4100」と「1960A」。
Atsuoさんは「CH.B」、すなわちハイ・ゲインのチャンネルを主に使用している。110v「サンキュー、どうもありがとう!
LOVEROCK VIOLENTです。
今年初めてのライブ、皆さん最後まで楽しんでくださ~い!」120_m気持ちよくハードにドライブする「Escalation」が続く。
直樹さんの声や歌い方によるところも大きいのであろうが、この曲も「♪Escalation, escalation」のパートがすごく印象に残るんだよね。
130_esc中間部で出て来る直樹さんのストラミングのピックアップ・ブレイクは実にいいアイデアだ。
アコスティック・ギター導入の効果大。
000s41a0263直樹さんの「ギター・ソロいくぞ~!」の掛け声でAtsuoさん爆発!150そしてエンディングの「♪Escalation」のリフレインのパートのOZMAさんのベース・ラインのガンコ感が凛々しい!
130さらに「♪タンタンタン」と入れるアクセントも秀逸だ。160_acc矢継ぎ早に直樹さんのシャウトが冴える「Fallen Angel」。160v_fa「♪Do what you want, do it」
このバンドはコーラスもリッチ。170清水さんのキラキラ・サウンドのキーボーズも効果的。180vゴキゲンなドライビング・リズムに乗って繰り広げられるギター・ソロ。
LOVEROCK感満点!190vココで雰囲気がガラリと替わる。
もの悲しい清水さんのピアノが流れ…
200v_ih思い入れタップリに直樹さんが歌う。
曲は「一輪の花」。210vいい曲だ。
そしても直樹さんの声と歌い方が曲にどうしようもなくマッチしているのだ。
「いい曲」というのはそういう時に生まれるモノよ。220清水さんのフルートの音色…というのか、ビートルズが「Strawberry Fields Forever」でメロトロンを使ってやっていたアレ…のパートをはさんで…230vAtsuoさんのソロ。
曲は時間が経つにつれて際限なくドラマ性を帯びる。240v途中でサングラスをハズし、ますます音楽の中に入り込んだ直樹さん。
こうしたバラードもこのチームの大きな魅力なのだ。250「どうもありがとう!
なかなかライブをやらないLOVEROCK VIOLENTなので話のネタはあんまりないんですが、ココはMCの箇所なのでチョットしゃべります。
ずいぶん前のことなんだけど、下北でライブが終わった後、珍しく“あちゅお”が『チョット腹減ったんでナニか食ってから飲みに行きませんか?』って言うのでハコのすぐ近くのラーメン屋さんに2人で入ったんです。
ボクも彼とは結構付き合いが長いつもりだったんですけど、彼が『メンマ好き』っていうことをその時初めて知ったんです。
自分もメンマのコリッコリッとした食感が大好きなんです。
それで『極太メンマ』っていうモノをあるところで見つけまして、『すごいの見つけた!』とラインでAtsuoに伝えて無事にさっき渡しました」
260v「皆さん、メンマでお酒って飲めます?
イケますか?…別にいいんですけど」
270v長髪に細身、長身で色白、そしてギターを提げた姿が自然で背後には必ずMarshall。
「カッコいいロック・ギタリスト」の定義はコレにつきる。
それともうひとつ…それは「寡黙」であること。
今回、私は初めてAtsuoさんがステージの上でしゃべる場面に接したが、その話題がまさか「メンマ」とは!
そう、カッコいいギタリストには「意外性」も欠かせないね。
最終的にはMarshallが似合わなきゃダメだ。
Atsuoさんはバッチリだ。0000r4a0475「若い時はよく友達とラーメン屋さんのメンマで飲んだ記憶がけっこうあるのよ。
それでさっき『よし!MCはメンマでいこう!』って決めました。
さて、ライブの方なんですが、9月にSUPERBLOODとやることが決まっています。
あとボクがアコースティックで『マンスリー・ライブ』っていうのをやってるんですが、9月で100回目を迎えることになりました。
毎月やって100回目ですから8、9年ぐらいですね…スゴイですよね。
その100回目に仲間を集めてナニか一緒に演りたいな、とみんなに話したら『オ~、ええんちゃう、えんちゃう?』ってなりました」280「それ『ええんちゃう』ってボクですやん!
チョットいいですか?直樹さん。
100回もやってるんでしょ?でもボク、2回ぐらいしか出たことない…ナンやったら1回しか出てへん。
まさか100回もコッソリやっていたなんて…。
今また『LOVEROCK VIOLENT脱退』の危機が訪れましたね。
あ、ココでしゃべるつもりは全然なかったんですよ…って言うたら嘘に聞こえますけど。
井上Atsuoまでがしゃべり出したんで…学校で割と席順が前の方やったやろ?
ボク『臼井』やからキミの後やで」
ココで学生の時の五十音順の出席番号の話になった。
となるとどうしても話したくなるのが私が中学2年の時のクラス。
その時ひとクラスに59人いたんだけど、私の出席番号が「ウ」の一番最初でも18番だったの。
浅岡、麻生、阿部、有賀とか、「ア」と「イ」だけで私の前に17人もいたんだぜ。
あれはフザけてクラス割りをしたのかな?
で、「折笠」がア行の最後で出席番号が25番。
つまり2年C組の42%が「ア行」だった。
この時より以前、そしてその後ともに大学を卒業するまで出席番号が2ケタになったことはただの一度もなかった。
520vOZMAさんの話はつづく。
「私がやっているバンドはどれも音楽自体はシリアスで笑う瞬間なんてないんです。
だからもうこのMCだけが息抜きと言いますか、私の生き甲斐になっています。
演奏では厳しい木村直樹のバンマスの視線をかわすことが出来ませんので、ココだけが私のオアシスと言われております。
ライブが少ないんですが、LOVEROCK VIOLENTよろしくお願いいたします。
ボクのバンドは東京で演らないですよ。
もう東京捨てました…京都も捨てましたけど。
ボクのお客さんが来ぃひんところは片っ端から捨てていくんです…と言うことで、東京で私を見たいという方はご近所ご親戚お誘いの上ゼヒLOVEROCK VIOLENTのライブにお越しくださいませ」290ひとつ言っておきますが…。
ライブ・レポートのこうしたMCの部分はライブの時にトークを録音しておいて、後に家内が文字にしてくれたものを私がアレンジしている。
家内は実際のおしゃべりに一切手を入れることなく忠実に文字起こしをして私にパスしてくれるのだが、その文字列を見ると、その時ナニをしゃべっていたのかが不可解でそのまま使えることはほぼない。
日本語というのは語順で文章の意味を作る英語やフランス語と異なり、話し方によっては主語や述語が文頭にあろうが文尾に付け加えようが意味が通じてしまう大変便利な言語なのだが、コレは「しゃべり言葉」の話。
それを文章にするとたちまち読解するのが難しくなるのだ。
私はそのしゃべったままのオリジナルの文字列を何度も読んだり、その時のことを思い出したりして元の内容や雰囲気を壊すことなく文章を整え、さらに「敬語」の使い方をあらかた訂正し、「ラ抜き」言葉や文字にすると目障りな「音便変化」を訂正したりしているワケ。
コレね~、こんな風に書くといかにも大変そうだけど、読書好きの輩にとってはとてもオモシロい作業なんです。
「なくて七癖」とはよく言ったもので、ライブでおしゃべりを聞いていると全くわからないんだけど、マァ皆さん、ものすごい口グセをお持ちていらっしゃる。
「メッチャ」や「スゴイ」を連発する人、すべての文尾が「…ですけど」となってしまう人、気にし出したら枚挙にいとまがない。
ひとつ言えるよくない傾向は、やはり若い人は全く敬語ができませんな。
それと「させて頂く」の多用…最近「させて頂く症候群」という言葉があるらしいが、コレはちっとも丁寧に聴こえない。
最近、ある若いギタリストが新しいギターを買って、そのことをSNSに投稿した際「新しいギターを入手させて頂きました」と書いていたのにはビックリした。
自分で買ったのであれば「入手した」で良いし、誰かから貰ったのなら「頂戴しました」で十分なハズだ。
そんな中にあって、OZMAさんのMCね。
ニヘラニヘラとしゃべって「MCが生き甲斐の人」なんておっしゃっているが、OZMAさんのトークを文字お越しした時、その完成度はかなり高い。
私も人前で話す機会があるのでよくわかるのだが、起承転結がハッキリしていて、その筋立てに沿って話を進めて行くのでしゃべる内容がクリアで言葉選びが適切なのだ。
OZMAさんはかなり多くの映画をご覧になっていて、我々が一緒になると必ず話題がそちらの方面に向かってしまうのだが、やはりその映画鑑賞の経験からストーリー立てて話をする訓練ができているのかも知れない。
ベースだけでなくトークにも注目のOZMAさんなのである。
「OZMAトーク論」終わり。000s41a0507「コレ…結構ね、ナンちゅうか、我々もこういうクダけたMCをするようになりましたが、この後曲につなげるのが大変な時があるんですよ。
それを敢えてやってみようと…」310直樹さんがチャレンジで敢えてつなげて演奏したのは自身が大好きだという「I Surrender」。320_is竹を割ったかのようなストレートなドライビング・チューン。
ちなみに貿易用語で「Surrender」っていうのがあるんですよ。
「surrender」というのは「降参」という意味なので初めてこの言葉を輸入業務の書類で見つけた時にはギョっとしたものだった。
コレは輸出者がその貨物に対する所有権を放棄して、正式な船荷証券(B/L)抜きで貨物の受け渡しをするシステム…確かそんなのだった。0r4a0437ステージ中央でソロを放つAtsuoさん。
前柵に片足を乗せてクールにキメているが、頭の中は楽屋で待っている直樹さんからのプレゼントの「極太メンマ」だろう…んなことたぁないか。
370「♪I surrender~」
360vギュ~~~、でも「I surrender」…コレでもOZMAさんは降参しなかった!
さすがのロック魂!
S41a0377 キタキタキタ~!
乙部さんの強烈なビートでスタートする「She's so good」。380v_ssgこの曲も直樹さんのボーカルズの魅力炸裂!
いい声だナァ。
400「♪オイオイオイオイ」の掛け声も楽しく…
390_2「ギター!」410コッテコテのロック・ギター・ソロから…420v「オン・ドラムス、オトチ~!」430「オン・ベース、OZMA~!」440v「オン・キーボーズ、清水賢治!」450v「♪ラ~ラ~ラ~、ラ~ラ~ラ~」
LOVEROCK VIOLENT全員をフィーチュアしたキラー・チューン!460_lala心臓音のSEに清水さんの荘厳なオルガンの音とギターが被さって「鼓動」。S41a0421まだまだ出て来るイキのいいスピード・チューン。
客席が燃え上がる!
480v「オーライ、ギター!」490Atsuoさんのシャープなソロ!500vコレは否が応でも盛り上がるわ~!
470_kd「コレ…MCでしょうか?
今の熱量はもう本編終わり…っていう雰囲気でしたよね。
もう帰りそうになりました、私。
皆さんはお気づきかどうかわかりませんが、実は井上Astuo、木村直樹、私、カッコが一緒だと思うんです。
奇しくもジャケットのブランドがみんな同じ!
もうエンドースしようかと思ってますよ。
下のパンツも黒でね、ブリーフも黒だと思います。
その上手!そういうことでよろこばない!」
540v「ホントにどうしようもないですね。
Astuoファンはね…よろこんでないか?
それに引き換え、この下手の閑散としたこと…そんなこと無い。そんなこと無い。
にぎやかですねぇ~。
下手にいる人は自動的にボクのファンと認定されますからね。
もしボクの前から移動したら呪いながらその人のことズ~っと見ていますからね。
自動的に下手に集まらざるを得ないシステムになってるのがLOVEROCK VIOLENTです。
残り数曲ありますんで笑い倒してくださいね」
300v「残り2曲です。
去年、6月と11月に『No.5』のツアーをやったんですが、2回目の福岡の時、野郎ばっかりでガラが悪くなってしまったんですが、その次の日の広島では逆に「キャー!オズマさん!」って両極端でしたよね?」
550「ナンなの、それは?ボクに媚びを売っているみたいな…。
その秋の『No.5』のツアーの時もボクは脱退の危機を迎えていましてね。
最後の京都公演に於いては『井上Astuo殺害事件』を企てました。
アレは本気でしたね。
脱退することは心に固く誓っていたんですが、その前に『井上Astuoを殺す』って思ったんです。
ま、それを聞いてAstuoくんもよろこんでいたんですけどね。
と言うのは、機材の搬入をしてたんですよ。
搬入が終わってクタクタになってボクが車を移動しようとしていたところに満を持して井上Astuoが手で髪をなびかせて出て来たんです。
ボクはもう『もうええやろう!』と思ってそのままハンドルを左に切ってひき殺そうとしたワケです。
でも、なんとかね殺人未遂で終わりました、ハイ」560vそんな「殺伐としたMCに雰囲気がよく似合う曲」と紹介されたのは「異邦人」。
清水さんのシットリ・ピアノから。570v_ihjフレットボードの隅々までを使う音域の広いOZMAさんのベースが曲のスケールを広げる。590v再びアコギを手にした直樹さんの熱唱!
ホント、この手のバラードが素晴らしい。
私はオコチャマでいつまでたってもブッ速いにぎやかな曲の方が好みなんだけど、直樹さんのバラードはズッと聴いていたい気持ちになるね。
600v本編の最後は「目眩」。
乙部さんの勇猛なドラミングにテンションが上がる!
610v_mmiメンバーが一丸となって…630v 640 650v直樹さんの激唱を猛サポートした!580v「OK、ギター!」
最前列のAtuoさんファンの皆さん、大よろこび!
OZMAさんの殺人計画が実行されていたらこのシーンはなかった!
0r4a0614本編のエンディング…直樹さん、ジャ~ンプ!
残念!背中になってしまった!680アンコールではまず清水さんとOZMAさんがステージに現れた。
「アンコールありがとうございます。
LOVEROCK VIOLENTはホントにスケジュールが決まりません。
次のワンマンライブはいつか?…決まっているんですが先過ぎやね。
先過ぎて皆さんがLOVEROCK VIOLENTのことをを忘れてしまうのではないか?と私は心配なんですけど、皆さんは大丈夫でしょうか?
秋口になります」
690v「ツアーをやるのかな?やるとしても2本ぐらいですかね?
ま、全員、富士と名古屋に集合してくださいね。
今年のLOVEROCK VIOLENTはそれより西には行きません。
私たちは西日本のことを絶対に顧みません…かといって東北を顧みるのかと言うと東へも行かない。
こぢじんまりと近場、近場で済ますということですね」
メンバーが誰もクチを挟まなかったけどコレで大丈夫なんスか?700vさて、OZMAさんと清水さん以外はTシャツに着替えて登場したアンコールの1曲は「面影」。720_ok最後の最後までLOVEROCK VIOLENT感濃厚極まりないナンバーで大いに観客を楽しませてくれた5人。730v 
740v 750v 760v 770v最後はまたインストルメンタルの「Rage」で〆る!
『風と共に去りぬ』で言えば「Exit Music」というヤツ。
 
最近、OZMAさんと『風と共に去りぬ』の話をしていて、2人でこの世には「Exit Music」というモノがあることを発見してしまったのです。
780「今年初めてのライブにこんなに集まってくれてどうもありがとうございました!
また機会を作ってライブをするので今年もよろしくお願いします!」790vこのステージの構成が実にいいのだ!
0000r4a0670 直樹さん、ジャ~ンプ!
お~っと、また背中!
ナンダよ~!本編の最後で下手側を向いて飛んだのでワザワザこっちへ移動して来たというのに!
今度は事前に打ち合わせをしておくことにしよう。800「ありがとうございました!」
今日もとってもカッコよかった!
 
THE LOVEROCK VIOLENTの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL WEBSITE
810<おしまい>

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9img_9727 

200 (一部敬称略 2023年3月15日 渋谷GUILTYにて撮影)

2024年4月12日 (金)

LOVEROCK NIGHT<前編>~電氣ベンベン

  
『LOVEROCK NIGHT』と題するライブに出演した「電氣ベンベン」。
以前からそのバンド名を存じ上げてはいたが、今回Marshall Blogに初めてご登場願った。10v_2「電氣ベンベン」か…いい名前だな。
「犬神サアカス團」はMarshall Blogの常連だが、その「團」のような「気」の旧字体がまずいい。
「當(=当)」とか「體(=体)」とか「畫(=画)」とか「學(=学)」とか、書く際には画数が増えてチト面倒だがルックスがカッコいい。
当然、今から見ればこうした難しい文字が明治&大正の時代には平気で新聞にも使われていたワケだが、読者には何の不自由もなかった。
ナゼならすべての漢字にルビが振ってあったからだ。
よく「江戸時代、日本人の識字率は世界一だった」という記述を目にするが、それは海外の国々の社会構造が日本と異なっていたためで、本当に日本人の識字率を世界一にしたのはもっと後のこと。
すなわちこの新聞のルビの功績が大きかったということだ。
このルビは太平洋戦争中まで継続されたが、ただでさえ小さい漢字の活字にそれよりいくつも級数の低いひらがなの活字を組み合わせるのに大変な時間と手間がかかる。
そこで「国語審議会」なるものが「コレさ~、漢字を簡単にしちゃえばルビなんて要らなくね?」ということを思いつき、漢字のルックスを簡素化し、新聞はといえば例えば「拉致」を「ら致」、あるいは「拿捕」を「だ補」などと読みにくい感じをひらがなを用いて表記するようになったそうだ。Asちなみに「新聞」というモノは、嘉永4年、乗っていた船が紀伊半島沖で難破し2ヶ月にわたり太平洋を漂流した挙句アメリカの商船に発見されて渡米し、日本人で初めてアメリカの市民権を取得した浜田彦蔵(ジョセフ・ヒコまたはアメリカ彦蔵)が日本に持ち帰ったモノとされている。
このことは吉村昭先生の『アメリカ彦蔵(新潮文庫刊)』で楽しく知ることができる。Ah そして数年前、現代語に訳され昭和39年に上梓された浜田彦蔵の手記を高田馬場のブックオフで見つけて小躍りしながら即買いした。
だって税抜きで各100円だったんだもん!
Img_0426で、ココは荒川区にある「吉村昭文学記念館」にある先生の書斎を忠実に再現したコーナー。
書架に見える本は先生の蔵書の実物。000190その書架に『アメリカ彦蔵自伝』の2冊を見つけた時はうれしかったね。
あんなに夢中になっていたフランク・ザッパにももう触手が動かなくなった今、吉村先生にだけは素直にミーハーになれる私なのです。
ヘソ曲がりでアマノジャクでワガママな私はこれまで「本当に熱心な誰かファン」になったことがなかった。
真理ちゃんに百恵ちゃんにも興味なし。
でも、ザッパと吉村先生だけは別。390 さて、「電氣ベンベン」の下の句の「ベンベン」。
私が住むこの古い寺町には昔から年寄りが多く、かつては三味線や大正琴の音色が絶えなかった。
明治37年(1904年)生まれの祖母もかなりヘタクソながら三味線を嗜み、どこから現れるのか、「高橋さん」というヨボヨボ極まりない「おっしょさん」が週に1度家に来ていたことを思い出す。
何年経っても2人で「♪こんぴらふねふね~」と演っていた。
その祖母は私がギターに夢中になっていることを知っていて、自分のことをミュージシャン仲間だとでも思っていたのであろうか、私が中古のMarshallを買うと「どんなモノか?」と部屋に様子を見に来たことがあった。
その頃まだロックに夢中だった私はアルバムが出たばかりで、コピーしたてのオジー・オズボーンの「Crazy Train」を祖母に弾いて見せた。
「コリャ、相当ウルサイもんだね」と言っていた。
Marshallだからね。
42年も前の話。

ところで話は反れるが、数日前にテレビで報じていたニュースに小さなショックを受けた。
それはこのことである。
先頃、千葉にお住いの明治44年生まれの薗部さんというおジイちゃんがなくなり、厚木在住で大正2年生まれの涌井さんという方が「国内の男性の最高齢」のポジションをゲットした。
ちなみに大正2年というのは徳川慶喜が亡くなった年だそうだ。
このニュースは、「日本から明治生まれの男性が絶滅した」ということを意味しているのね。
オイオイ、私が子供頃には自分のジイちゃん&バアちゃんをはじめ、明治生まれの人なんて当たり前だったんよ。
大正生まれの人なんて「ものすごい年寄り」なんてイメージが全くなかったからね。
い~か~に自分が古い人間かということを思い知ったのだ。
大正は15年までで、13年生まれの人が今年100歳だからね。
高峰秀子、京マチ子、乙羽信子が大正13年生まれだというのだからこれまたビックリ。
ご存命であればデコちゃんも乙羽ちゃんも、シリーズで唯一寅さんより年配のマドンナを演じた国際女優の京さんも100歳だった。
だから「大正生まれ」の方がこの世からいなくなるのも時間の問題だ。
次は「昭和ひとケタ」の番。
そして早晩私たち昭和30年代生まれにもおハチが回って来るだろう。
 
閑話休題。
その祖母はギターを抱えて家を出る私を見つけるたびに必ずこう訊いた。
「なんだ、今日もベンベンか?」
明治の人にはエレキ・ギターの音が「♪ベンベン」と聞こえるらしい。
しからば、バアさんの三味線はどうか?
日本では一般的に三味線の音色を文字であらわす時は「♪チントンシャン」とする。
ウッソだろ~。
絶対にアレは「♪チントンシャン」とは聞こえん。
しかしながらこの擬音語とか擬態語というのは実に素晴らしい日本語の特長だと思う。
シンシンと雪が降る」か?
雪はシンシンと降るわねェ。
ヒタヒタと迫る刺客の足音」?
ヒタヒタと聞こえてしまったら気づかれてしまうだろうと思わなくもないがヒタヒタやっていれば心配無用。
「巨人がノッシノッシと歩く」
一体「ノッシノッシ」とはナンだ?でも巨人はノッシノッシ歩くわナァ。
ヨボヨボのおジイさん」
おジイさんは本当にヨボヨボしているのが普通だ。
五代目古今亭志ん生は近所の習い事の先生を指して「横町のデコボコ」とやるクスグリを使ったが、こんなにオモシロイ表現が英語にできるか?ってんだ。
「英語20,000、日本語50,000」という記述をどこかで読んだことがある。
コレは日常生活で使われる語彙の数を示していて、以前このことを知り合いのイギリス人に話したらイヤな顔をしていた。
我々は知らず知らずの内に英語圏の連中より2.5倍もの言葉を使って生活しているらしいのだ。
しかし、その50,000語の中にはこうした擬声語や擬態語も数多く含まれているのではないかと思うのね。
でも今の若い人たちはダメだよ、本を読まないから…当て推量だけどせいぜい10,000語ぐらいしか使わないんじゃないの?WWW
人間の知性を高める唯一の方法は「読書」だから。
コレは私の持論なんだけど、「読書家で東大に行かない(あるいは行けない)人はいるが、東大生で本を読まない人はいない」…どうだろ?
私も子供の頃にもっと読んでおけばヨカッタ。
ところで、エレキ・ギターの音色を表現した「テケテケ」なんてのは擬音語の白眉だと思う…と言いたいところだが、コレは擬音ではないということをつい最近知った。
コレは1964年のアストロノウツの「Movin'」というインスト・ナンバーに日本語歌詞をつけて焼き直した「太陽の彼方」という曲に出て来る「♪乗ってけ、乗ってけ、乗ってけサーフィン」の「テケ」なのだそうだ。
しからば「ベンベン」とは何の擬音か…コレは三味線の音色を表現する言葉らしい。
話が一周したところで本題。

さて、電氣ベンベンのステージ。 
1曲目は「邯鄲(かんたん)の夢」。
シンプルなギター・リフからスタートするソリッドなヘヴィ・チューン。20_kyデンジャーデンコ30v_2飯島丈治40v諸星和明50v_4サマンサ60v飯島さんが使用したアンプは…70Marshall。
「JCM900 4100」と「1960A」だ。80v「邯鄲の夢」というのは、昔々、中国の趙という国の都「邯鄲」で盧生(ろせい)という貧乏書生が仙人から枕を借りてうたた寝をした。
寝ている間、50年あまりもの間超リッチになる夢を見たが、目を覚ましてみると炊きかけた粟もまだ煮えておらず、自分は相変わらずの貧乏書生だった…という話し。
転じて人の世の栄枯盛衰は儚いモノだ…という意味。
私も若い頃、酒を飲んで意識を失いトイレでブッ倒れたったことがあった。
倒れた時の物音にビックリして駆けつけたた家の人に揺り起こされた時、「あ~、ずいぶん寝たな~」と思ったら1分も経っていなかったという「逆浦島現象」を体験したことがあった。
私の場合、意識を失っている間に「栄」も「盛」もなかったけどな。
90シアトリカルなアクションで観客の耳目を一身に集めるデンコさん。
デンコさんは飯島さんが弾くギターのフレーズに「白昼夢のような白く乾いたイメージ」を抱き、夢にまつわる寓話を歌詞にしたそうだ。100v_el続いては「elegy」。
「Elegy」というと私の場合、頭に浮かぶ曲が3つあって、まずは「湯の町エレジー」。
次にJ.J.Johnsonという大トロンボニストが作った有名なバラード。
でもチャンピオンは誰が何と言おうと穐吉敏子の「Elegy」。
エレジーというのは「哀歌」とか「悲歌」とか訳される音楽の種類で元々は死者に捧げる曲を指した。
「挽歌」なんてのも「elegy」の訳語だそう。
チャールズ・ブロンソンの『狼の挽歌(原題は'Violent City')』なんてのは夢中になって観たよね。
語源はギリシア語の「elegeia(エレゲイア=嘆き)」だそうだ。110高い壁に閉ざされた街、そこに流れる川、古い夢…という暗い景色をデンコさんが歌う。120まさに濃い灰色のダークなワルツ。
飯島さんのギター・ソロが重くのしかかってくる!S41a0021_2村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」という小説の舞台をイメージしているとのことだがそれはココだけのヒ・ミ・ツ。
私も村上春樹を読むことは絶対にないので好都合である。
イヤイヤ、それよりこのデンコさんの声!
ノドを極限まで絞り切ったようにして歌う姿を凝視してしまうのは決して私だけではないであろう。0r4a0028_2エンディングのリフレイン、Bm|A|G|Bmと繰り返しておいて歌が抜けた後、そのままエンディングに向かうのかと思うとさにあらず。
Bm|A|B♭m|Bm|C|G|G♭|Bmと変化し、B♭m→Bmの半音進行がとても魅力的に響く。
ハイ、半音に弱い私なのです。
0r4a0015デンコさんが光と風について歌うのは「風待ち」。
電氣ベンベンのレパートリーにあってこうした明るい曲調は珍しいのだそうだ。
そうでしょうネェ、この日初めて観た私にもそれがわかります。
140_kz諸星さんのベースと…
150vサマンサさんのドラムスが生み出す「ゆらぎ」のグルーヴがとても気持ちよい。S41a0120光がさし、風が吹き、デンコさんが指さす先には彼女が子供の頃から慈しんだ動物たちの魂が存在している…というメルヘン・テイストの1曲。160v曲が終わってデンコさんが取り出したのは「ひさご」…瓢箪のことね。
小道具にも気を遣っている。
水を口に含んでブハ~っとやって見せた。170_2サマンサさんがシンバルを打擲して…200v_ctベースが絡み…210v_2ソリッドなギター・リフが被さって曲が動き出す。
コレもヘヴィなワルツ。220v曲は「clocktower」。
タイトルはスーパー・ファミコンのコワい系のゲームから。
ホントだ…同名のゲームがあった。
何でも殺人鬼が徘徊する館から脱出するゲームだとか…。
230vホントだ、コワいわ。
デンコさんは夜の森の朽ちた時計塔とそこに眠る謎を断片的に描いている。
236射るような視線をファンに注ぐデンコさん。
コワいといえばコワい。
しかし、ファンにはこの視線がタマらないのだ。190_2ところで…。
この曲なんかもすごくいい例なんだけど、私はこういうタイプの音楽が「日本のロック」のひとつの理想形として後世に受け継がれていって欲しいと思うんですよ。
それは「日本のハード・ロック」ということね。
ブリティッシュ・ロック然としたギター・リフとソロ、ヘヴィなリズム、そして「日本」を感じさせる知性的な内容の歌詞で構成するロック。
冒頭で少し触れたけど犬神サアカス團なんかはまさそれ。
人間椅子なんかもそう。
個人的な嗜好が強い意見だということは百も承知、二百も合点。
電氣ベンベンにはロックがもっともクリエイティブだった70年代の残り香を嗅ぐことができるのだ。0r4a0083 「デンコちゃーん!」
曲が終わるやいなや客席から盛んに呼び声が上がる。
「本日はお招き頂きましてありがとうございます。
来て頂いた皆さま、ありがとうございます。
配信をご覧の皆さまもありがとうございます。
スタッフの皆さまもありがとうございます。
GUILTYの皆さまありがとうございます。
最後まで楽しんでいらしてください」250v_2ヤケにサッパリしたMCの後は「Hello World」。
サマンサさんのハリのあるロック・ビート。260_hlギロリ目力。270トレモロを利かせたアルペジオから一転してオドロオドロしいリフ。
そう、だからこういう曲のことをさっき言ったワケ。280v「Hello World」というのは、コンピュータ言語が数ある中で、どの言語を使おうが最初に画面に表示する例文のことだそう。
BASICだろうが、JAVAだろうが、「それではまず最初に『Hello world』と画面に表示させてみましょう」とやるらしい。
私はコンピュータはあまり好きではないので全くこのことを知らなかったが、コンピュータに関するロックの名曲なら知っている。
あ~、テクノ・ポップなんかじゃありませんよ。
そんなのよりズッと前の曲。
例えばPANTAさんの「HALのテーマ」、例えば四人囃子の「機械じかけのラム」…歌詞といい、曲といい極上の逸品だ。
「外の世界と接触する内なるモノ」というイメージのこの曲もとてもいい感じだ。
290_2ギター・ソロもタップリ!
やっぱりこういうロックのギターはMarshallだよナァ。
0r4a0142 「海の底から届いた手紙」という歌詞の一節は、海底ケーブルの通信速度の速さや圧損の少なさを称えているのだそうです。
エエッ?海底ケーブルの性能について歌った曲なんて初めて聴いた!320ところで…。
ナマイキながらこのMarshall Blog、原則的にコピー・バンドと正式な音源を出していないバンドさんは取り扱わないことにさせて頂いているんだけど極マレには例外もあるのね。
その例外のひとつが今日のこのチーム。
これだけ個性豊かなロックをやっているにもかかわらず、実は正式な音源を発表していない。
ウェブサイトも運営していない。
すなわちモッタイない…ということで「Marshall Blogの例外のひとつ」になって頂いた。
で、その音源を制作していない理由を尋ねたところ、メンバー各々の思いはあれどデンコさんとしては、「音楽=ライブ」というのが一番の理由。
音楽には生演奏の場でしか伝わらないことがあるので、目の前に1人しかいなくても、1,000人いたとしても、その時、その場所にいる人に届けば良い…と考えているのだそうだ。
330v_2また音源を制作するための時間を設けるとライブの機会を削らざるを得ないということが不本意でもあるそうだ。
さらにバンマスの飯島さんとしては、既存の曲が今のままで完成しているとは思っていないということもあるそうだ。
でも、どこかで妥協して音を残しておかないと、このままではモッタイない!
音楽家の使命は、そりゃ人前で演奏して感動を与えることも大事だけど、音楽を創って何らかの形で残しておくことことが本業だと思うのです。
下は真宗大谷派の坂東報恩寺の外壁に掲げられているおさとし。
Img_0147飯島さんのギターが導く次の曲は「蒼ざめた馬」。
340_auロシアの「B.ロープシン」というペンネームで革命家たちの内面を描いた小説を書いたボリス・サヴィンコフという作家の代表作のタイトルが「蒼ざめた馬」。
デンコさんは小さい頃に読み聞かされたロシア語の古い絵本に載っていた絵の景色をイメージしている。350_2大学の時、ゼミで「カラマーゾフの兄弟を読む」という夏休みの宿題があったけどテコでも読まなかった。
ギターに忙しかったから。
仕方なしに子供向けの「カラマーゾフの兄弟」を買って、その解説だけを読んで強引に感想文を書いて宿題を提出した。
結局、最終的にはこのゼミの単位を取ることはできなかった。
でも歳を取ったらユックリとトルストイだのプーシキンだののロシア文学を味わいたい…なんてことを思っているウチに歳を取ってしまった。
コリャ、生涯ラスコーリニコフすら読まんな。
ということで代わりと言ってはなんですが、先日『終着駅』というトルストイの映画を観てみた。
『サウンド・オブ・ミュージック』でトラップ大佐を演じたクリストファー・プラマ―がレフ・トルストイを演じるというのでチョット「?」だったけど、コレがなかなかにいいのよ。
特に妻のソフィ役のヘレン・ミレンがヨカッタな。
期待せずに観たせいもあって思わぬ掘り出し物に巡り合った気分になった。
Tt さて、電氣ベンベンのロシア…こんなイメージの挿絵が載っている絵本があるのか?
コレでは同じロシアでも香月泰男の「シベリア・シリーズ」ではないのか!
となると、コレこそが正調電氣ベンベン・ナンバーということで納得できる。360v出番の最後に近づくにつれてますます演奏に熱気がこもる!300デンコさん、どうしたのッ!?
380v「蒼ざめた馬」のエンディングからディレイ・トリックを使ったギターが残り…390vそのまま最後の曲へ。
カッコいい展開!
曲のタイトルは「泡沫」と書いて「うたかた」と読ませる。400_hmバンドを去っていったかつての仲間への思いをアップ・テンポのマイナー・チューンに込めてデンコさんが歌う。
その時の悲しみの感情が込められているのでパフォーマンスもドラマチックだ!410vそして、3人がデンコさんの絶唱をドラマチックに演出した。420v

430v_2曲はギター・ソロで締めくくられ…440vそのひと幕がコレ…飯島さんににじり寄るデンコさん!
0r4a0190 こうして全7曲で電氣ベンベン独自の世界を構築して見せてくれた。460v当日はデンコさんお手製のフィナンシェが来場者に振る舞われた。
ごちそうさまでした!15v<つづく>
 
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オルタナティブなパンクロッカー、パーティ・スターター、混沌の使者…そんな呼び名がピッタリのDegenerates。
揺れ動くブリティッシュ・ロック・シーンの中にあって、このチームをもっとも印象的なバンドのひとつにしているのは、アンセミック・ロックの暴動と侵略がもたらすカッコよさ、そして存在感と魅力に満ちたライブ・パフォーマンスだ。

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200 (一部敬称略 2024年3月15日 渋谷GUILTYにて撮影)

2024年4月 8日 (月)

Girls Guitar Three vol.7<後編>~Rie a.k.a. Suzaku&セッションの巻

 
Mayto.ちゃんとSallyちゃんの出番が終わってただ今転換中。
その場をつなぐのは李奈ちゃん。
「配信をご覧の皆さま、ありがとうございます。
爆音すぎて配信状況は一体どうなっているんだろ?
さて、今日はギター・アンプがMarshallをご用意しています」
10vコレですね。
李奈ちゃん、ご紹介どうもありがとう!20はるかちゃんも…
「私が使ってるNATALドラムス。
コレもご用意して頂きました。
すごく良い音でしょ?
わかります?
すごく良い音なのでタップリと楽しんでいってください!」
30vコレですね、NATALドラムス。
「ナタル」でも「ナダル」でもない…「ナタール」。
はるかちゃんご紹介どうもありがとう!
40そして第3番目のギター刺客にしてこのイベントを主宰するRie a.k.a. Suzakuが登場。
改めて今日のバンド・メンバーを紹介した。
「バックの皆さん、過酷な体験を毎回申し訳ございません!
お疲れでしょうがよろしくお願いします」Img_2460 Rieちゃんのヘアスタイルにはいつも刮目してしまうが、とりわけ今回のはスゴイ。
コレ、照明が髪の毛に当たってシマシマになっているワケはありませんからね。
青地に紫の線が入ってるの。
家内曰く、まるでツタンカーメン…神々しい~!
そういえば高校の時、世界史の先生がかなりのご高齢でこの「ツタンカーメン」を「ツインタンクアンメン」と発音していた。
その授業を受けていた生徒全員が何のことやらわからず、「チャーシューワンタンメン」の類のどこかのラーメン屋のメニューだと思い込んだ。
ちなみにツタンカーメンを発掘した考古学者の母国のイギリスではこの「Tutankhamun」を「トゥートゥアンカーン」と「ム」にストレスを置いて発音する。
それにしてもうらやましいナァ…染めるところがあって。50v_3場面はツタンカーメンのエジプトではなくてインド。
1曲目は「世界」をテーマに据えたアルバム『World Journey』から「Rudra」というインディアン・ナンバーRie風。60なるほどエキゾチックにしてオリエンタルな雰囲気。70v_rdr中間部で李奈ちゃんのソロ。
超低音でのゴリンゴリンが気持ちいい。75v「Rudra」とはインド神話に登場する「暴風神」のこと。
和式に言えば「風神」さまか…。
ソロではRieちゃんのギター暴風が吹き荒れた。80「ありがとうございます。
私、『MUSES』という世界初の女性のフュージョン・バンドを作りました。
去年の10月にアルバムを出しました。
次はそのアルバムから1曲お送りします。
いつもたいてい『Wangan Street』という曲を演るんですが、今日はせっかくだから『このメンバーでだったらどうなるかな?』っていう感じで演奏します」90v曲は「Jet Streem」。
「日本航空がアナタにお贈りする音楽の定期便…ジェット・ストリーム。こんばんは城達也です」…なんてFM東京の番組があったネェ。
約50年前…私が中学1、2年生の頃、この番組の最初の部分だけよく耳にした。
懐かしくなってチョット調べてみたら…この番組まだやってるのね!?
今のパーソナリティは福山雅治だって。
100_jsなるほど、なるほど、クールなキメからスタートするモロにフュージョニーな1曲。
Rieちゃんがテーマを提示し終わると曲はガラリと表情を変える。120v曲を切り放すかのように各メンバーのソロをタップリとフィーチュアしたのだ。
まずははるかちゃんから。140vおお!コレは!
ロック色の濃いハードなソロ。
150ツイン・ペダルを踏む足の動きも軽やかかつパワフルに、色とりどりのプレイを見せてくれた。155vキマった~!
カッコよかった~!160続いて李奈ちゃん。
170千両ベース役者の登場といった風情でスラップがバカチコと唸るまくる!
堂々たるパフォーマンス。
180vさらにKahoちゃん。
190ココはオルガンでグバ~っとひと暴れ!200v最後はRieちゃんが締めくくる。
ワーミー・バーを激しく上下させて…210v徹底的にハードに弾きまくった!
13分を超える大熱演。
やっぱりライブはこうでないとね~。
まさにRieちゃんのステージのハイライトとなった。
220KahoちゃんのピアノをバックにRieちゃんがシットリとギターを奏でるのは『World Journey』のフランス編「Paris Dusk」。230_pd自分で「気分はすっかりゲイリー・ムーア」って言っていたけどまさに。
メジャーになるサビの展開がすごく魅力的な曲だ。
「パリの黄昏」か…いいね、行ったことないけど。
私は「Waterloo Sunset」でもう大満足なもんスから。240「ありがとうございます。
早いもので次が最後となります。
その後には濃厚なセッションが待ってますから!
我々は前座みたいなモンですよ。
さて、フランス編から今度は『World Journey』の南極編にいきます。
曲は涼しいんですけどココは暑いですね。南極じゃなくて南国。
ところで、南極の曲を書けって言われたら皆さんどうします?
行ったこともないじゃん?…そんなとこ。
だから『南極なんて氷とペンギンしか思い浮かばない!』って社長に言ったの…なんてやっているウチに作った1曲です。
果たしてコレを聞いて皆さんに南極を思い浮かべて頂けるかどうか…?
心だけでも涼しくいきます!」250v曲は「Ice World」。
私もロック、ジャズ、クラシック、民族音楽と長いこと音楽を聴いてきたけど「南極をテーマにした曲」ってのは記憶にないナァ。
「North pole(北極)」という言葉は、アーロ・ガスリーの「Coming into Los Angels」という曲に出て来るけど。
あるいは、エスキモーの民謡ってのも聴いたことがある。
でも「南極」は知らないナァ。
Rieちゃん、もしかしたらコレ世界初なんじゃないの?
探せば出て来るか…?260_iwどこまでも果てしなく続く純白の大地。
反対に太陽が全く沈まない「白夜」、反対に太陽が全く上がらない「極夜」、
遠くにかすむペンギンの群れ!
う~ん、南極のイメージが浮かんで来たぞ!
Img_2534というのは、昭和35年に筑摩書房から上梓された『世界ノンフィクション全集50巻』の第1巻に「世界最悪の旅(The Worst Journey in the World)」という南極探検に関する1作が収録されていて去年読んだのね。
RIeちゃんは「World Journey」だけど、こっちは「Worst Journey」。
「南極探検」というと誰しもノルウェイの「ロアール・アムンゼン」の名前が真っ先に思い浮かぼうが、この「世界最悪の旅」はアムンゼンの後塵を拝すこと1ケ月にして南極点に到達し、隊員のほぼ全員が死亡したというイギリスの探検家の南極での体験を綴った手記。
彼の地の凄まじい自然の脅威が描かれていて、一番印象に残ったのはその気温。
極寒の折にはマイナス70度近くまで気温が下がり、そんな時についウッカリ手袋をせずに金属部分に触ろうものなら手が完全に付着してしまい、お湯をかけて氷を溶かすか、金属に付着している部分の皮膚を剥ぐよりその場を脱する方法がないとか。
そんなだからマイナス20度ともなると、とても暖かく感じるのだそうだ。
私はかつて仕事で金沢港にあるマイナス25度の魚の保冷庫に入ったことがあったが、せいぜい10分が限界だった。
それ以上時間が経つと両足の腿に変調をきたして動けなくなってしまうのだ。
さらにマグロの急速冷凍庫というのにも入ってみたがコチラはマイナス50度。
20秒もガマンできなかった。
ちなみに南極の最低気温の記録はマイナス89度らしい。
なんてことを書くといかにもこの本がオモシロい感じがするけど、何しろ約100年前の著作を明治生まれの人が翻訳しているので文章があまりにも昔風で読みほどくのに大変な労苦を味わった。
それでも歯を食いしばって何とか読破した「私の世界最悪の読書」のウチのひとつ。
この叢書、あと49冊ウチに残っているんだけど、果たして読み抜くことができるのか?
それを考えると私の気持ちは「マイナス89度」である。
Img_0400そんな過酷な南極の環境をよそにこの曲はRie節がテンコ盛りの楽しい南極旅行だった。270v「ありがとうございました…もう呼んじゃいますか?
たぶんセッションの時間が一番長くなると思うんですよ」
…と、ソロの出番を終えたMayto.ちゃんとSallyちゃんをステージに呼び込んだ。
「このメンツで一体ナニを演ろうか?ってすっごい悩んで最後まで曲が決まらなかったんです」280で、考えに考えた結果選んだのは、以前GG3で一度演ったことがあるという「Black Magic」。
と聞いてまさかジャズのスタンダードの「That's Old Black Magic」か?それともフリートウッド・マックの「Black Magic Woman」か?と個人的に色めき立ったが、それはオールド・リスナーの浅はかさ…レブ・ビーチのソロ・アルバムからの1曲目だそうです。
ゴキゲンなハード・ドライビン・ナンバー!
290
GG3名物のセッション・コーナー。
テーマの後はまずはMayto.ちゃんのソロ。
300v使用しているのはMarshallの50Wの2x12"コンボ「JVM205C」。310続いてSallyちゃん。320vSallyちゃんのMarshallは「JVM210H」と「1936」の組み合わせ。330vそしてセッション・リーダーのRieちゃんのソロが続き三人三様のプレイを大いに楽しむことができた。
コレがGG3の魅力。
しかし、皆さん弾くよね~!
340そんなギター陣3人に1人で立ち向かったのがKahoちゃん。
350メタル系の音楽が初めてとは全く思えないハマりっぷり!Img_2690「Led Boots」、「Stratus」とジェフ・ベックがらみの曲を取り上げて来たこのGG3のセッション・コーナー。
今回もジェフ・ベック。
マックス・ミドルトン作の「Freeway Jam」だ。
はるかちゃんのシャッフル・リズムに乗って…
400李奈ちゃんのベース・ソロからスタート。
410オリジナルは1975年の『Blow by Blow(=「一打一打念入りにレポートする」というボクシング中継の用語)』に収録されている曲だが、1977年、私が中学3年生の時にリリースされたヤン・ハマーとのライブ盤でこの曲を耳にした時はジェフ・ベックがカッコ良すぎて座りションベンしたね(失礼!)。
ライブのバージョンはテーマ・メロディをチョットいじって5度の音を入れていたのもまたカッコよかった。
GG3はオリジナルのバージョンでテーマを弾いた。
360_fwjこの曲でもMayto.ちゃんからSallyちゃん…380そしてRieちゃんへとソロを回して思う存分弾き狂って頂きました。390Kahoちゃんのオルガン・ソロを経て、最後はみんなでテーマをバッチリとキメて大盛り上がり!420今回も楽しかった~。
毎回出演者を決めるのに苦労しているというRieちゃん。
大変でしょうが次回も楽しみにしています!430v最後はみんなで恒例の記念撮影で締めくくった。
440 

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200 (一部敬称略 2024年3月5日 汐留BLUE MOODにて撮影)

2024年4月 5日 (金)

Girls Guitar Three vol.7<前編>~Mayto.&Sallyの巻


Rie a.k.a. Suzakuが主宰する女性ギタリスト&プレイヤーが集うイベント『Girls Guitar Three』が久しぶりに開催された。
今回で7回目。
Marshall Blogでレポートする度に書いているが、このイベントは大変にアット・ホームな雰囲気であることに加え進行がすごくスムーズで観ていて実に楽しい。
もちろん一番の魅力はこの場に集ったミュージシャンの熱気あふれる演奏であることは書くまでもない。
今回も充実のステージが展開した。10vステージの上にはMarshall。20_2そしてNATAL(ナタール)。
「ナタル」でも「ナダル」でもありません…「ナタール」です。30_23人のギタリストと組手を交える今回のホスト・バンドの皆さんは…
  
Kaho40v星野李奈50v_2森はるか60v最初にステージに上がったのは…70_2Mayto.80vMayto.ちゃんはJVMの50Wの2x12"コンボ「JVM205C」を使用。90_21曲目はおなじみの「Beat It」。0r4a0028あのソロの風味もタップリにバリバリと弾き切ってくれた!0r4a0076「はじめまして…ギタリストのMayto.です。
『GG3 vol.7』にお越しくださいましてありがとうございます。
お食事とお飲み物を楽しんでいらっしゃいますか?
私は昨年の5月までHAGANEいうバンドにいたんですが、そこを離れて昨年12月に新しくMana Diagramというメタル・バンドを始めました。
『ギタリストがメイン』というライブで弾くのは今回が初めてなので今日はドキドキしながら参りました。
1曲目からノッテくださってとってもうれしく思っています!」120v続いてはそのMana DiagramのレパートリーからMVにもなっている「Glitter Wind」。
暴走機関車よろしくはるかちゃんのメタル・ビートが猛烈な勢いで突き進む!140vgwそのビートに乗ってmayto.ちゃんがあらゆるテクニックを駆使して弾きまくるのだ。150vドッシリとした低音でヘヴィなグルーヴをクリエイトする李奈ちゃん。180転調を繰り返しながら曲は緊張感あふれる展開で一気に駆け抜けた。170そのまま続けてコレもMana Diagramのナンバーで「SHOCKS」。190_shこれまたグイグイと押しまくるドライビング・チューン。
ソフトなMCのイメージとは全く異なる「ハード&ヘヴィ」の権化。
Mayto.ちゃん、ニコニコしているけどそのプレイはどこまでもパワフルだ!
200vシンセにピアノにKahoちゃんのキーボーズも大活躍!Uuuこの曲もやたらと仕掛けが組み込まれていて聴きごたえ満点!
210Mayto.ちゃんはハードながらも緩急自在にメロディアスなプレイを聴かせてくれた。220v_2「皆さん、ありがとうございます。
普段ボーカルズのUYUが歌っているメロディをギターで弾いたらどうなるんだろう?って思いながら今回初めてMana Diagramの曲をギター・インストにしてみました。
ギターだからこそ出せるニュアンスとか音を届けたいという思いでアレンジしました。
今演奏した2曲は歌ありのバージョンをサブスクでも聴くことができますので、気になった方は是非聴いてみてください」
230v「今日は雰囲気がすごくあたたかくて素敵なイベントだな~と思っています。
お声をかけて頂いたRieさんに感謝しながら演奏しています。
この後にご登場されるSallyさんは、私が高校生の時からずっと仲良くしてくださっているんです。
今日は初めての共演です。
そんなご縁もありながら、Rieさんは憧れの女性ギタリストですし今日このイベントに出演できたことは本当に光栄だと思っています」240…と挨拶をして出番の最後の曲に取り掛かった。
曲は「Free Wing」。
250_fw昨年ソロ・ギタリストとしてやっていくことを決心した時に自分を勇気づけるために作ったという曲。
260vそういう時は景気よく派手な曲調になりがちだと思うがココはシットリとまとめて、ジックリと聴かせて出番を締めくくった。Img_2108 Mayto.の詳しい情報はコチラ⇒Mayto. Official website270転換の間、李奈ちゃんがMCマイクを握って次の刺客が登場するまでの間、ステージ上のホステス・バンドのメンバー紹介をした。280はるかちゃんが力強く叩くハイハットのカウントで飛びだしてきたのは…285v_pijキタキタキタキタキタキタキタ~!
これまた紛うことなき正統派メタル・サウンド!0r4a0307_2 2番目に登場したのはSally。300v_pijSallyちゃん、この日初対面の私に向かって魔法のようにうれしいことを言ってくれたんですよ。
「私、歪みは全部アンプで作っていますから!」
だから、そんなSallyちゃんは当然Marshall。310今回は「JVM210H」と2x12"スピーカー・キャビネットの「1936」を組み合わせて使用した。
「ピュアな真空管アンプ・サウンド」とはこのこった!
320v李奈ちゃんもバトル・モードで迎え撃った!
曲はオリジナルの「Plot in Jealousy」。330弾くわ、弾くわ、そのギター・パワーたるや尋常ではない。350v続いてもオリジナル曲で「MISSION」。
Kahoちゃんはメタル経験がないと言っていたけど大丈夫だったのかな?360_msというのも、この曲も徹頭徹尾暴れまくる凄まじいまでのメタル・チューンなのだ。380やっぱり真空管アンプだネェ。
いいように音が抜けてくる。
せっかくこれだけ弾くんだからMarshallで弾かなきゃモッタイない。
Sallyちゃんはそのことをよ~くわかっていらっしゃる。400v「皆さん、こんにちは、Sallyと申します!よろしくお願いします!
しゃべりながらチューニングをしようと思っていたんですが、このスタンドの高さだとチューニング出来ないということがわかりました。
今日は平日にもかかわらずたくさんご来場頂きまして、配信の皆さまもご覧頂き誠にありがとうございます!
李奈さん、私、チューニングをしますんでその間マイクを持っていてもらっていいですか?
李奈さんとも、なんだかんだ月1くらいで会ってたんですよね」
410v_2マイクを握った李奈ちゃん。
「そうなんです…sallyちゃんとは以前レーベルが一緒だったんです。
月に1回それで顔合わせていんですが、Sallyちゃんがこんな風に弾いてる姿を見るのは今日が初めてなんです。スゴイですね、ホント!
リハーサルの時、あまりの爆音でなんにも聞こえないんですよ!
コレ今ナニをやってるんだろう?、ナニが起きてるんだろう?と思いながら、はしゃいでるSallyちゃんはカワイイな…みたいな。
Sallyちゃんはズ~っと、一生ギター弾いてるイメージですね。どんな時でも」430v「確かにそうですね。
まず、流れて来る同期の爆音で人を殺せそう?
あんまり弾きすぎもよくないんですけど…。
最近ははるかさんとも毎月のようにご一緒させてもらってます。
キーボードのKahoさんは今日お初です。
よろしくお願いします!」420「そしてRieさん、『GG3』お招き頂きまして本当にありがとうございます。
Rieさんとは前に『Metal Matsuri』というロンドンで開催されたイベントでご一緒させて頂いたのが最初でした。
そこから数年経って、また同じステージを踏めることを光栄に思います。
Mayto.さんともお互いに高校生ぐらいの時から地味に交流があるんですが、イベントでご一緒することは全然なかったので今日は2人ではしゃいでいました。
そして最後にはみんなでセッションも出来るということでそれも楽しみにしております!」440v『Metal Matsuri』で思い出した。
アレはロンドンのイズリントンの「O2アカデミー」で開催したんだったよね?
で、そのロンドン。
南西の郊外に「Surrey」という行政区画がある。
日本語では「サリー」とか「サーリー」って表記しているんだけど、ココにはヘンリー8世が住んでいた「Hampton Court Palace(ハンプトン・コート宮殿)」という城があることで知られているのね。
でもSallyちゃん的には「ヘンリー8世」よりも、ココはエリック・クラプトンとジェフ・ベックの地元と言った方がシックリくるでしょう。
「Sally」と「Surrey」…スゴいギターつながりだと思わない?0000img_1101ココで1曲カバーを取り上げた。
はるかちゃんの一風変わったドラミング・パターンからスタートしたのはテレビ番組の主題歌の「情熱大陸」。450vコレがナント、ラテンというか、サルサというか完全に想定外のアレンジだったのだ!460ブッとい音色でテーマ・メロディを歌い上げるSallyちゃん。470vKahoちゃんのピアノ・ソロ。
ん~、大変に素敵なフレーズが出た!480vそしてハード極まりないSallyちゃんのソロ。
ピッキングが実に勇ましい!490曲が終わるとSallyちゃんはまたチューニングに取り掛かる。
というのは、音程が狂っているのではなくて、曲によってチューニングが変わるのね。
それを1本のギターで演奏するので忙しいことこの上ない。
「まさかの『情熱大陸』ということでナニかまつわるエピソードでもあればよかったんですけど…ただ好きな曲ということだけで選びました」Img_2281 チューニングも完了し、楽器や物販やスケジュールについてキビキビと語った。
そして出番最後の曲にを演奏した。
このサクサク進行する感じがこの「GG3」のいいところ。500v曲は「Astray」。
コレもそれこそ人を殺しそうな激烈メタル・チューン。
510_ast李奈ちゃんも矢堀さんと演ったり、こうしてドメタルを演ったり、ホントにプレイの幅が広いワァ~。
全く感心しちゃう。520vSallyちゃんはツユほどのスキ間も見せず力強いメタル・トーンで弾き通す!540vやっぱりこういうプレイはMarshallをフルに使って弾くに限りますナァ。
530全4曲。
煙が出るようなギター・プレイで観客を圧倒した!340vSallyの詳しい情報はコチラ⇒X560<つづく>
 

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200 (一部敬称略 2024年3月5日 汐留BLUE MOODにて撮影)

2024年4月 2日 (火)

曾我泰久『50th Anniversary Special Live』Thank You Dear Friend<後編>

 
さぁ、ヤッチンの芸能生活50周年を記念するコンサートのレポートの最終回。
ショウの内容は時代的にいよいよ「現在のヤッチン」に突入。
そしてクライマックスの到来だ!
まずはsourcesの3人がおごそかにあのメロディを奏でる。

野津永恒10v加賀谷綾太郎20v日高隼人30vこのメロディを耳にすれば次にナニが来るのかファンの皆さんはもう百も承知、二百も合点。
だから総立ちだ。40ジャケットを脱いだヤッチン。
曲は「Carry on」。
まさに今のヤッチンを代表する愛奏曲だ。
50v_2転調してのエキゾチックなメロディのサビ。
キーは「A」から「E」へとダイナミックに完全5度転調するがその流れは全くの自然。
「神様チャンスを」…じゃない、一番売れた「She Loves You」を抜きビートルズ関連で最大のセールスを記録したポールの「Mull of Kyntire」なんかもそうなんだよね。
アレはバグパイプの間奏を挟んでタテ型に「G」→「D」→「A」と5度ずつガンガン転調しちゃうんだけど、ヘタをすると転調したことに気がつかないかも知れない。
この「Carry on」もそう。
もはやヤッチンもポールの域なのね。
「サー・ヤッチン」だ!60おお~っと!待ってました!
ココでヤッチンのア・カペラのギター・ソロ。70_2毎回ゴメンね、でもコレが私のお仕事なの…ってんで紹介するとヤッチンのギターの音を出しているアンプはMarshallの人気モデル「STUDIOシリーズ」。
その中の「CLASSIC」というラインの「SC20H」と「SC212」。80vヤッチンの足元はこうなっている。
大変シンプル。90_2そして長年愛用しているギター。
これらの機材で気持ちよ~くソロを弾いてから…100v「約束の場所で」のイントロをつなげた。110v_yb今日ものっつのシンセが発するシタールのサウンドが効果的だ。
ヤッチンとヒロアキくんのコーラス・アンサンブルも完璧!120_2全曲で書いているけど、この曲もサビの展開もとても魅力的だ。
あんまり何回も書いてきたせいかフト面白いことに気がついた。
それは日本人と欧米人の曲の構成に対する感覚の違い。
日本のポピュラー・ソングは古来よりサビで劇的に盛り上がるような曲の展開を好むが、ポピュラー歌曲の傑作の数々を生んだコール・ポーターやアーヴィング・バーリンらに代表される「ティンパンアレイ」の音楽は、例外はもちろんたくさんあれど「Verse (バース)」、つまり日本でいうところの「Aメロ」に気合を入れて作られていることを発見した。
例えば「All of You」、「True Love」、「Somebody Loves Me」、「April in Paris」…ま、挙げ出したらそれこそキリがないが、こうしたミュージカルやジャズのスタンダード曲として100年近くの間歌い継がれてきた曲は、歌い出しあるいは頭の数小節のウチに必殺のメロディを持って来ている。
ヤッチンがいつかオープニングSEに使っていたリチャード・ロジャースの「Bali Ha'i」なんてのもとても良い例だ。
ガーシュインの「Swanee」のようにサビのメロディがベラボーに魅力的な例外曲もたくさんあるけれど、反対にサビのメロディがどうしても思い出せないなんて曲も実際少なくない。
そしてその「必殺のメロディ」のほとんどが半音階を実にうまく使っていることがわかる。
「半音階」こそ人の心を揺さぶるカギなのだ。
上に挙げたような曲は100年近く前に作られたモノなので現代のリスナーの感覚と異なるのかも知れないが、演歌のようにグバ~っとサビで盛り上げる日本の曲との大きな違いを見て取るのであ~る。
今回、ヤッチンのおかげでコレを発見した。130v_2エキゾチックなフレーズを交えたギター・ソロ…田川ヒロアキ。
いい音だ~。
140v_2ヒロアキくんのMarshallは「JVM210H」と「1960BV」。150v歪みのサウンドは全てMarshallで作っているヒロアキくんの足元もシンプル。160_2ココでグッとアクセルを踏み込んで…0r4a0396「Please believe me」
ああ~、何たるホーム感!いつものヤッチン!170v_pbm「田川くん!」
ヒロアキくんの歌のパート。180「♪時計を回すのさ~」
210キメを和佐田さんとバッチリ合わせて…190ギター・チームのアンサンブル。200最後はヒロアキくんのギター・ソロでビシっと締めくくった!220v_2矢継ぎ早にファンキーさんと…230_ngs和佐田さんの強烈なグルーヴ!240v_2それにヤッチンのストラミングが被さって…250v「流されて」だ!260_2しかし、この曲の和佐田さんのベースはいつ聴いても強靭極まりない。280v_2そんなリズム隊に乗ったヒロアキくんのソロも鉄壁。
短いサイズにタッピングやハーモニクスを詰め込んで暴れまくった。290vファンキーさんのバスドラムでつないで…300v_yyy「みんな楽しんで頂けましたでしょうか?
ありがとう!
それではお手元にタオル、タオルがない方はハンカチ、ハンカチがない方はティッシュ…投げて人に当たっても怪我をさせない物をお手元に用意して!
最後にもうちょっと盛り上がっていきたいと思います。
いくよ~!」
S41a0832さっき「サー・ヤッチン」なんて書いたけど、ココは「プリンス・オブ・ウェールズ劇場」のジョンになってもらって…
「それではお金のある人はお札を…硬貨はダメ、お金のない人はハンカチかティッシュ…投げて人に当たっても怪我をさせない物をお手元に用意して!」
…とやってもらいたいんだど、やるワケないな。
スイマセン、品位のないことを書いて。
しかし、やっぱりジョン・レノンってスゴイな。
王室の人たちの前でコレを言ったんだから。
Pwt_2 さぁ~、本編の締めくくりだ!
もちろん曲は「YES! YES!! YES!!!」。320ココでもヤッチンと…330vヒロアキくんが歌のパートを割り振って…340v_2「ナイス!」360_22番も…370「ナイス!!」380本編最後の歌のパートから…390v「ナイス!!!」400_2今日もたくさんのタオルが宙に浮かんで華々しく本編を終了した!410そしてアンコール。
まずはTシャツに着替えたヤッチンが1人でステージに上がる。
「皆さま本当に最高な1日を作ってくださいましてありがとうございました。
いつも言っておりますが、たくさんの先輩方、お友達、ホントに良い人たちに恵まれて今の自分があるということをつくづく実感しています。
今日もお忙しい中たくさんの方が集まってくださって50周年のお祝いをしてくださいました。
ホントに最高にうれしいです!」420v「なんか自分の中では『50年』っていうことに実感がわかないんですが、この節目を迎えてここで終わるワケではなく、ここから更に上のステージに行きたいと思っておりますのでこれからも力を貸してやってください。
よろしくお願い致します」
と挨拶をしてメンバーをステージに呼び込んだ。
440v_2「本当に最高の時間をありがとうございました。
感謝の言葉って『ありがとう』以上に何かないのかな?…って思います。
今日は『ありがとう』の1万倍ぐらいの気持ちです。
ココはひとつの通過点なんですが、この50周年を機にもっとみんなと色んな景色を見てみたいなと思いますのでグッと皆様のギアを上げて曾我泰久の布教活動をよろしくお願いします。
それではせっかくアンコールを頂いたのでもうチョットだけお付き合いください」
430_2本編で熱気が最高潮に達した客席に向かって深々と感謝の言葉を述べ、「本当に感謝の気持ちを込めて歌う」という言葉を添えてミュージカル俳優の石井和孝さんと共作した「Melodies for you」を熱唱した。460v_2のっつのピアノから始まり、やがてバンドが加わりヤッチンの声と絡み合い最上のハーモニーとなる。450_mfyジ~ックリと歌い込んで50周年を記念するこの場に感動の嵐を呼び込んだ。470vその感動を断ち切るようにファンキーさんのバスドラムが切り込んで来た!
これからもう1回盛り上がるのだ~!
560曲は「Stand Alone」。
480_saメンバー全員イベントTシャツに着替えてヤッチンの50周年を記念するイベントの最後を飾った!
490v_2 500v 510v_2 520v 530v 540v 550v「どうもありがとうございました!」590メンバーが去ってひとりステージに残ったヤッチン。
415「ありがとうございました。
イヤ~本当、あの時から50年後にこんなことがあるなんて思いもよりませんでした。
郷ひろみさんと歌っていたあの鼻たれ小僧がね~」
600「こうなったら行けるところまで行きたいと思います。
皆さんも元気でついて来てくださいよ!
これからもどうぞよろしくお願い致します」610「どうもありがとう!」620ヤッチンの初のMarshall Blog3本立て、いかがでしたでしょうか?
イヤ~、書いたわ~。
もう書くことがありませんからね。
次回のショウは全曲新しい曲にしてもらわなきゃ。
ますますの創作活動に期待しております。
芸能生活50周年おめでとうございます。630v曾我泰久の詳しい情報はコチラ⇒soga21.com
640<おしまい>
 

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<だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)>

<Wings>

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200 (一部敬称略 2024年月3月3日 日本橋三井ホールにて撮影)

2024年3月31日 (日)

曾我泰久『50th Anniversary Special Live』Thank You Dear Friend<中編>

 
「ベンのテーマ」、そして「気になる女の子」を歌い終わったヤッチン。
「ひょっとしたら皆さまの中にはこの頃からボクのことをご存知の方もいらっしゃるかも知れませんね。
この時代より少し後のTHE GOOD-BYEで出会ったという方が非常に多いと思います。
そこで、もしかしたら皆さまの知らなかった時代…すなわち50年前のボクのオハコを聴いて頂きました」
10「そして、春休み中に郷ひろみさんのコンサートで色んなところを周りました。
ちょうど郷ひろみさんが『花とみつばち』を出した時でした。
ジャニーズ・ジュニアの子たちが本当に楽しそうにその曲で踊ってるのを見て『ボクもああいう風に踊りたいな~』と思ったんですが、ボクの出番は『ベンのテーマ』1曲だけだったんです。
でも小学校5年生でしょ?ジ~っとおとなしくしているワケないじゃない?
なのでジュニアの人たちに踊りを教えてもらって最初のウチはステージのソデで踊ってたの。
やがてソデで踊っているだけではツマらなくなってしまって、ステージ用の衣装の箱から一番派手なヤツを選んでそれを着て踊っていたんです。
それでソデから段々ステージの方に出て行っちゃったの。
もう最後はセンター!
そしたらジャニーさんがそれを見て思いっきりよろこんでくれましてね。
『ユーたちもヤッチンを見習いなよ!』ってすごくホメてくれたんです。
今でもそれを思い出します」S41a0142 「そんなことがあって春休みのツアーが終わるとその年の4月の7日から始まった『レッツゴーヤング』というNHKの番組にレギュラー出演することになったんです。
当時は鈴木ヒロミツさんとフォーリーブスが司会をやっていました。
コレってスゴくない?
3月3日にオーディションに合格して、その翌月の7日にはNHKの生放送番組に出てるんだよ。
『リトルリーブス』というフォーリーブスの弟分のグループを組んで出演したんです。
リトルリーブスの写真がコレです」
30「みんな埴輪みたいな顔してる。
コレが『リトルリーブス』というボクが初めて組んだグループ。
その中の1人は3月3日以前に赤羽台団地で鼻をタラして遊んでいたんだよ!
それがたったひと月の間にガラッと変わっっちゃった。
なかなか経験できないことを凝縮した時間の中でさせて頂いたと思います。
で、このリトルリーブスを経て次の年、1975年に2人組の『リトルギャング』としてデビューするんですね…レコードデビュー。
なので来年の7月25日は、ワタクシ…レコードデビュー50周年でございます!
安心してください!
まだ周年が続きますからね」
40v「コレがリトルギャングの写真。
相方の松原秀樹は今や日本を代表するベーシストになっております。
この話も散々してきたので皆さんには耳にタコだと思うんですが、松原秀樹くんとは楽器の取り合いをしましてね…」
70「次はファンの方々から頂いたキャンペーンの時のスナップ写真。
当時もキャンペーンとかがいっぱいあったんですね
その時の写真がコレ…中学1年生だよ。
ネェ~、見えないでしょ?
後ろに写っているのは秀樹さんなんですけど、真剣にサイン書いていてボクだけカメラ目線。
コレがリトルギャングのデビューにつながっていくんですね」
90「それでは…折角ですので、ここで『アイ・ラブ・ユー』は……歌いません。
聴いたところで、皆さんフーンって感じだと思うよ。
感動なんてございませんよ~!
でも、もしかしたら来年の50周年の時には歌うかもしれないけど」50vギターを降ろしたヤッチン。100ココで歌ったのはリトルギャングの1975年シングル盤「アイ・ラブ・ユー」のB面の「幼なともだち」。
YouTubeでオリジナル・バージョンを聴かせてもらいましたが…ま~、ヤッチンの声のカワイイこと!
キーは「C」。
そして今回は「E」。
大分下がった…って当たり前か。
まさかオリジナル・キーというワケにはいかないわね。110vこの曲もヴァイオリンのアレンジが実に美しい。
ストリング・セクションのアレンジはどなたが担当されているのだろう?
120加えて軽いクランチ・トーンでヒロアキくんがナゾる歌メロ。
これまた美しいときてる。
130vクリーンもクランチも得意なのがMarshall JVM。
ワイルドに歪むサウンドばかりがMarshallではないのだ!140vいい曲だな~…作曲は馬飼野康二さん。
わかりやすくて、親しみやすくて…。
ヤッチンの「キッズ・バージョン」もとてもいいけど、それとは全く異なる大人のバラードに仕上がった「還暦過ぎバージョン」も素晴らしい!
ヤッチンもレコードを出した時にはこの曲を49年後に歌うなんて想像していなかったかも知れないねェ。
  
ところで、「歌謡曲」というのは日本人が作った素晴らしい日本固有の音楽文化だったと思うのだが、今となってスッカリ抹殺されてしまったのはかえすがえすも残念なことだ。
「アイ・ラブ・ユー」がリリースされた1975年のレコード大賞受賞曲は布施明の「シクラメンのかほり」だった。
私は歌謡曲にノメリ込んだことは生涯にただの一度もないが、例えば1975年のヒット曲をチェックしてみると驚いたことに上位の曲はほとんど歌うことができる。
昔はこうしておジイちゃんから幼稚園生、私のような極端なアマノジャクまでが歌える歌がたくさんあったんです。
それが今ではどうですか?
「去年アクセス数が多かった」と云われる曲をツラっと調べてみると……知っている曲は見事に1曲もなかった!
150「どうもありがとう。
当たり前ですけれど、当時歌っていた時から時間を重ねて来て、色んなことがあって、良いことも悪いこともたくさんあって、今60を過ぎてこの歌を歌うとホントに沁みるところがいっぱいあり、改めていい曲だな~と思いました」
ヤッパリね。
160「さて、リトルギャングが終わりますと今度は『ギャングス』というグループになります。
このグループで楽器を手にするワケですね。
事務所に長谷部徹くん、大野祥孝くんという楽器が出来る2人がいて、その2人とバンドを組めということでなかば無理やり楽器を始めることになったんです。
本当にあの時、楽器を勧められていなかったら今こうやってギターを持ってなかったと思うんですね。
そうやって考えると本当に色んな出会いがあり、色んなことがあって今が成り立っているということを強く感じます。
当時はちょうど事務所が一番低迷している時期で、ボクらがやっていたのは当時放映していた『飛びだせパンポロリン』といういう番組の体操のお兄さんみたいな仕事でした。
他は『歌うヤンヤンスタジオ』でバック・ダンサーをやっていました。
先日友達から大場久美子さんの後ろで踊っている人を指して『コレ、もしかしてヤッチン?』と訊かれました。
明らかにボクだった!」
私には10歳離れた妹がいて、彼女はいつも「パンポロリン」を観ていたので、もしかすると私はその時すでにテレビの中のヤッチンに会っていたのか!?
「♪ゲンコツ山のタヌキさん」。
先月ウチも孫が生まれましてね、見ていると赤ちゃんって本当に「オッパイ飲んでねんねする」んだよね~。
ハイハイ、大場久美子さんのビデオ観ましたよ~。
私もすぐにヤッチンってわかりました。
170v「そうしたことをやりながらドンドン楽器を練習していって「ANKH」というバンドになるんですね。
そしてボクが20歳の時にいよいよANKHからTHE GOOD-BYEになっていきます。
実はそのANKHの頃から作曲を始めていたんですが、初めて作った歌かもしれない…イヤ記憶がマダラでさ…初めて作ったのが何なのか実はハッキリとはわからないんですが、多分初めて作って作品になったのはANKHのデビューシングルのB面の『至近距離』という曲でした」
190vヤッチンから聞いた話では、ANKHで「ニューイヤーロックフェス」に出演し、今はなき浅草国際劇場の舞台を踏んだそうだ。スゴイ。
ここで1曲。
ギターを持ち替えて次に演奏したのはANKHの時代に作り、THE GOOD-BYEで花咲いたという「ふたりだけのX’mas」。
リズムはスカ。
200_fxm綾太郎くんと…210v隼人くんが奏でる「サンタが町にやってくる」のオブリガードや…220vのっつも加わった中間部のクラシカルなアンサンブルが楽しい。
240v音源を聴いてみると、この曲はTHE GOOD-BYEの頃からこのリズムで演っていたんだね。
ヤッチンのレパートリーにあってはレアなリズム・パターンだけどメロディはまさに曾我節!230続けてTHE GOOD-BYEの初期の作品「イマジネーションブルー」。
この曲は今でも時折取り上げているよね。
タイトルからするとまた沖縄旅行を想像しちゃいそうだけど曲はさにあらず。
のっつが弾くForeignorのミック・ジョーンズのようなピアノが効いたシリアスなナンバー。
でも決して「氷のように冷たい」などということはない。
250v_ibヤッチンとヒロアキくんのツイン・リード・パート。260さらにヤッチンのソロ。
もちろんヤッチンもMarshall。270vSTUDIO CLASSICシリーズから「SC20H」と「SC212」。
ギャングスの時に楽器を押し付けられていなければこのMarshallもこのステージの上にはなかったかも知れないね。
ということは私もヤッチンの写真を撮っていなかったワケで…。
280vすると今年のヤッチン・カレンダーの図柄も別のモノになっていたワケで…。
こういうことを考えるとホントに不思議だね。
0r4a0043「どうもありがとう。
『ふたりだけのX'mas』は原型をANKHの時に作っていて、1度ライブで披露したことがあるような気がするんですが全く記録に残っていません。
その後、THE GOOD-BYEの時に作り直して2枚目のシングルのB面に収録しました(A面は『涙のティーンエイジ・ブルース』)。
一方、『イマジネーションブルー」は、ボクが11歳の頃から芸能界にいたからかも知れないんですけれど、ボクは大人への不信感っていうのがすごく強ったんですね。
なんか『ソガちゃん、ソガちゃん!』とかね。
もう昔のテレビ局の人ってC調な人が多かったの…いい加減ってことね。
だからナンカ大人ってイヤだナァ…っていうのをすごく強烈に感じたことがあってそんな大人への不信感を『イマジネーションブルー』で吐き出したというワケです」
300v「さぁ、ココでTHE GOOD-BYEのコーナーにいこうかと思うんですけれどまだヤメておきます。
だって長くなっちゃうんだもん!
THE GOOD-BYEは今年もしかしたらライブあるかも知れません。
その時にタップリ聴いてね!
ということでココからは色んな方とコラボして作った曲をお届けします」
290「ボクは独学で色んな曲を作って参りました。
そんな中、ソロ活動に入ってしばらくして自分が好きなことだけをやっていて果たして良いのだろうか?…ということにブチ当たったんですね。
というのは他の皆さまは世の中の人にアピールする曲をいっぱい作っているワケですよ。
自分はそういう曲からチョット外れてきて…というかそういう曲が作りたくないと思っていたんです。
そう思いながらもやっぱりそういう風にやらなくてはいけないのかな?ってなった時に自問自答したんです…そもそもボクは一体ナニが好きなんだろう?
そう考えた時にパッと出て来た答えがやっぱりビートルズだったんですね。
そしたらビートルズのパロディみたいな曲がいっぱい出来たの。
そうして曲を作っていくウチにそれらをミュージカルに仕立てられないか?と思いついたんです。
当時はミュージカルを多く演っていたものですから」
310「それでそれまで何度も共演させて頂いた中村龍史(りょうじ)先生というミュージカルの演出家にボクがやってみたいと思っていたことを相談したんです。
すると中村さんは『オ~、それはオモシロいね!』とおっしゃって、それをとにかく形にすべくボクが企画と音楽を提案したんです。
そして龍史さんが演出してくださり、奥様の留美子さんが脚本を書いてくださいました。
それで『アイ・ラブ・ジョーカーズ』という作品ができ上がりました。
コレはボクのこの50年の芸能生活の中でも特に大きな部分を占めていまして、自分が頭で描くことを形にできたことで大きな自信につながったんですね。
そこでココで『ジョーカーズ』の曲を歌ってみたいと思います」300ファンキー末吉さんのドラムスからスタートしたのは…320_ko「She Loves…」
チガウチガウ!「神様チャンスを」だ!
330和佐田達彦さんのこういうクラシカルなプレイ、なんかとても新鮮だナァ。325vなるほど、コレはビートル・マニアのヤッチンならではだわ!
ヤッチンは首をフリフリ。
楽しい~!340vピアノによるのっつのソロ。
コ、コレは…うまいことやったナァ。350私はこういうコンセプトが好きでしてね。
こうした試みは後世に音楽の遺産を伝承するための最適な手段のひとつだと思っている。360ところでビートルズのパロディとなると古今東西枚挙にいとまがないだろう。
その中にあって世界的によく知られているのがイギリスのThe Rutles。
「Always Look on the Bright Side of Life」という海外では超有名な曲で知られるモンティ・パイソンのエリック・アイドルとボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンドのニール・イネスが結成したチーム。
一聴して元ネタがわかる曲もあるけど、ピアノのヴォイシングだけを移植して丸っきり別の曲に仕立てていてもどこか似ている曲もあったりして実にオモシロイ。
またニール・イネスの声がジョンにソックリなのよ。
何しろジョージのインドものまで網羅してるからね。
パロディのハズなのになぜかオリジナリティが濃厚でコレはコレで良質なビートルズ派のポップスとして十分楽しめちゃう。
でも私にとって最も興味深いのはピーター・オリ―・ハルソールというギタリストが参加していることなのね…どこで弾いているのかサッパリわからないんだけど。
この人はもう故人なんだけど、アラン・ホールズワースの向こうを張ることができる本当にスゴいギタリストだった。
ギッチョと白いSGで弾くジャズよりのプレイがトレード・マークでね。
私は高校1年生の頃からオリーが好きで、一時期彼が参加しているアルバムを探しては買い漁っていた時期があった。
ケヴィン・エアーズのバックを長年務め、来日して九段会館のステージ立ったこともあったが愚かなことに私は見逃してしまったのです。 
そしたら1992年に43歳の若さで逝ってしまった。
Rt私も映画から音楽に入り込んだキッカケはビートルズだったので、ビートルズは今でも好きだし時折聴いています。
最近よ~くわかったのが、ビートルズの音楽を100%楽しむには英語力が必要だということ。
ビートルズの曲ってメロディやアレンジが究極的に素晴らしいことは言うまでもないんだけど、英語の歌詞を覚えて一緒に歌えてこそその魅力が本当にわかるのだと思うんですよ。
だから総じて映画が苦手でビートルズの言葉を直接受け止めることができない日本人は彼らの音楽を60%ぐらいしか楽しんでいないと言えるでしょう。
そこへ行くと英語のネイティブさんたちにはあの歌詞の意味を楽しむことができることは言うまでもなく、彼らが考えた言葉の連なりをあのメロディに乗せて歌うと口がスゴク気持ちいいんですよ、口が。
それとやっぱりイギリスの文化を知っているから楽しさは倍増する。
最近発見したのが「Lady Madonna」の「♪See how they run」という歌詞。
コレ、「Three Blind Mice(3匹の盲目のネズミ)」というイギリスの「Nursery Rhyme(ナーザリー・ライム)」、すなわち童謡の一節なんだよね。
イギリスの人はこういうことを知っているので聴いていて余計にオモシロイというワケ。
…ってなことでMarshall Blogでも何度かビートルズについて書いているので興味のある方は是非どうぞ。
 
【イギリス-ロック名所めぐり】vol.31~『Let It Be』を観たよ
【イギリス-ロック名所めぐり】vol.35~The Beatles was here! <前編>
【イギリス-ロック名所めぐり】vol.36~The Beatles was here! <後編>
【イギリス-ロック名所めぐり】vol.66~リバプールに来た!

000img_7886 「どうもありがとう。ジョーカーズの『神様チャンスを』でした。
今の曲の作詞は中村龍史さん、作曲が曾我泰久でございまして、こうしてホントに色んな方とコラボレーションをさせて頂きました。
次はボクとの接点がなかなか見当たらないのではないかと思うんですが元聖飢魔Ⅱのエースさん。
エースさんと一緒に曲を作ったんですね。
ボクが先にサビを作ってエースさんがそこに歌詞を付けてくれて、Aメロ、Bメロをそれぞれで作ったんです。
なかなかねこういう風に分担することはないんですね。
そういう珍しいたスタイルで作った『Every single day』です」370vこれまでにも度々ライブで披露して来た1曲。
やっぱり何と言っても耳を惹くのは印象的なサビのメロディなんだけど、そこへ持って行くプロセスが大変スムーズで美しい。
そのパートをどちらが担当したのかは存じ上げないが、まさかこの曲が藤子不二雄状態であるなんてしらされなければ永遠にわからないであろう。
何よりも曲にヤッチン・ムードが横溢しているところもこの曲の魅力のひとつだ。
380v_esdヤッチンの泣きのギター・ソロも出て来てサービス満点の1曲。
ギター・アンプはMarshallでございます。390「自分の中にはなかったタイプの曲で、自分1人だったらこの曲は出来ていなかったのではなかろうかと思います。
エースさんとも『またライブ演りましょう』とか、『一緒に曲を作りましょう』とお互いに言ってはいるんですがなかなかスケジュールが合わないんです。
『来年こそは絶対にね!』と去年言っていたので今年はどこかで実現したらいいなと思っています。
楽しみにしていてください」
400v「続きましてのコラボレーションは、ボクの憧れの人でもあるんですが、J-POP界の巨匠、『Mr.メロディ』の異名を取る杉真理さんと共作させて頂いた曲があります。
杉さんってとても当たりが優しいんですね。
曲を作っていると割にズバッと『これカッコ悪いんじゃない?』とか『ダサいんじゃない?』って厳しく指摘される方も中にはいらっしゃるんですね。
でも杉さんは全く違って『曾我くん、コレはこういう風にしたらどうかな?』って言ってパターンを5つぐらいすぐに出してくれたりするんですよ。
引き出しがすごく多い。
必ずなんかハッとするような、『ポップスのマジック』っていうんですが、それを持ち込んでくださるんです。
また一緒に曲作りをしたいとずっと思っておりまして、ラブ・コールを送ろうかと思っております」400キタキタ~!
私も好きな「僕の月面計画」。410_bgkこの曲もサビがすごくいいんだよね。
杉さんが「Mr.メロディ」ならヤッチンを「Mr. サビ」と呼びたくなってしまうよ。
ヤッチンはヴァースの最後の「♪アダムとイヴ…」のパートからサビの「♪グッバイ僕の月面計画」までノン・ブレスでスラーで歌っちゃう。
コレが気持ちいい。
つなぎ目が滑らかになって余計にサビのメロディが際立つんだな。
420ヒロアキくんとのツイン・リード・パートと…430ちょっとノスタルジックなのっつのピアノ・ソロもバッチリ!440vで、この曲にも出て来る「アポロ」ね。
あのチョコレートが発売されたのは我々が小学校の低学年の頃だったか?
アポロ11号が月に行った時。
あの形もさることながら半分イチゴになっているのがうれしかったでしょ?
そんなことも思い出させてくれる楽しいナンバー。
ところで、杉さんのこの曲に持ち込んだ「ポップスのマジック」はどの部分だったのであろうか?
知りたいナァ。
ヤッチンのことだからまたいつかMCで話してくれることだろう。
450「どうもありがとう。
杉真理さんと共作した『僕の月面計画』を聴いて頂きました。
色んな方と共作することが出来てホントにうれしい限りでございます。
この先も色んな人の力をお借りして新しい曾我泰久をみんなにご紹介できたらいいなと思っております。
他にもミュージカルを通じて生まれた縁もすごく多いんですが、今日は『ミュージカル界の父親』と呼んでいる尾藤イサオさんもお越し頂いております。
コロナ禍の間はお会い出来なかったんですが、『ミュージカル界の母親』の木の実ナナさんとお会いしました。
ナナさんとは毎日メールでやりとりしているんです。
いまだにボクのこと『ティム』って呼ぶの。
まるで母親のように『今日は寒いから気を付けて』とか『地震大丈夫だった?』そういうメールを送ってくださるんです。
そうして本当に様々な縁に触れることが出来たからこそ今こうやって楽しく歌が歌えているということを痛感致します。
それでは、次はそんな色んな場面を思い浮かべながらコノ曲を歌ってみたいと思います」
460vその前に…またしても「我々世代ばなし」になりますが、尾藤さんといえば『あしたのジョー』だよね~。
「♪サンド~」の声にシビれた。
私は尾藤さんのあの声がすごく好きで、1978年、高校1年生の時に尾藤さんが『悲しき願い』の再録音のシングル盤を出した時にすぐ買った。
尾藤さんって子供の頃はプロのジャグラーだったんだよね。
実はウチの子たちの中学校の先輩なの。Img_0244 さて、中盤のハイライト。
感動のコーナー。
476バラードの「ALBUM」をタイトル通りヤッチンの芸能生活の歴史を物語るスライドを投影しながら歌ったのだ。480次々と投影されるヤッチンにとってとても懐かしいスライド。490vギター・ソロもはさんで…
540感動的に歌い上げるヤッチン。510vチビッ子だった写真は曲が進行するに連れてやがて今のヤッチンに。
私が撮影した写真もご採用頂いた。
520ヤッチン史の一部に加わることができて光栄でございます。530そして「Dear Firend」。555_dfこの曲も普段のライブで取り上げられる1曲。
しかし、『Thank You Dear Friend』と銘打った芸能活動の50周年を記念するこの場での歌唱はひときわ心を込めたことであろう。560vそしてこの後にはエキサイティングな展開が待っていた!

曾我泰久の詳しい情報はコチラ⇒soga21.com570<最終回につづく>
 

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200 (一部敬称略 2024年3月3日 日本橋三井ホールにて撮影)



2024年3月28日 (木)

曾我泰久『50th Anniversary Special Live』Thank You Dear Friend<前編>


去る3月3日、曾我泰久の「芸能生活50周年」を記念するコンサートが開催された。10v会場はヤッチンの「ホーム」とも呼ぶべき、過去に何度も年明けのバースデイ・コンサートを開催したおなじみの日本橋三井ホール。
20この記念すべき機会に寄せられた夥しい数の祝い花。30開場前には記念グッズを求めるファンの方の長い行列ができていた。40入り口に展示されたヤッチンの「50年の歩み」ポスター。
一番左の「今のヤッチン」は私が撮った1枚。
ご採用ありがとうございます!
しかし…「50年」ってアータ、簡単に言いますけどスゴイですよ。
半世紀(half century)が1回、10年(decade)が5回、干支が4回と1/6回って来ちゃうんだから。
チョットやソットの時の流れではござんせん。
その50年の間、生き馬の目を抜くようなエンターテインメント界で休むことなく活動を続けて来たてぇんだからそのヤッチンの努力と意欲は並大抵のモノではなかったハズ。
よって今回のコンサートはヤッチンの50年の充実した活動を振り返る極めて特別なプログラムとなった。
そこでMarshall Blogではコンサートを内容を仔細に記録すべく、3本立てでレポートをお送りすることとした。
ヤッチン初のMarshall Blog3本立て!
50さて、レポートを始める前に1回目の脱線をしておきましょう。
 
Marshall Blogで時折触れているように私はヤッチンと同じ学年なのね。
私は11月20日の生まれなので翌1月7日生まれのヤッチンとは48日しか生年月日が違わない。
育った場所は近くはないにしても、東京にあってはかなり庶民的なエリアでコレも同じ。
そこで50年前のことを覗いてみよう!という趣向。
下はまさに50年前の1974年、すなわち昭和49年に「移動教室」で日光へ行った時の写真。
ヤッチンも日光へ行ってココで記念写真を撮ったんじゃないかな?…それとも早くも仕事で行けなかったかな?
私は最後列の右から2番目にいるわ。
ずいぶん先生に叱られたけど楽しかった。
しかしこの写真、いくら陽明門が写っているとはいえヒドいロケーションだな。
Sd ココから先のことはこの記事をご覧の多くのヤッチン・ファンの方々の記憶に残っているかも知れない。
では…この当時の国鉄の初乗り運賃っていくらだったか覚えていますか?
30円だった。
今は150円だから5倍になった。
あの頃は切符が厚紙で出来ていて、まだ自動改札なんか想像すらしたことのなかった時代。
駅員さんが切符バサミをカンカラカンカラ鳴らしていたのが懐かしい。
国鉄の運賃も高くはなったけど、まだ日本はカワイイものでしてね。
今、ロンドンの地下鉄の初乗り運賃は6.70ポンドだっていうからナント約1,300円!
東京から有楽町まで乗っても、上野から御徒町まで乗っても、新宿から大久保まで乗っても1,300円!
私が20年チョット前に初めてロンドンに行った時は2.70ポンドだったから20年チョットで2.5倍。
ロンドンの地下鉄は世界で一番古く、そして一番高い。
んんん?日本は50年で5倍、ロンドンの地下鉄は20年で2.5倍…ということは運賃の上昇率としては大して差がないんだな~。
ちなみに当時の東京の地下鉄の初乗り運賃は60円だった。
国鉄の倍もしていたんだね。
Ss 銭湯はどうか?
今、東京の銭湯は520円だって?
50年前は75円だった。
約7倍。
もっとも銭湯は「値段」云々よりも「存続」云々の問題の方がはるかに深刻だからナァ。
下は秋葉原のど真ん中にある「燕湯」…まだやっているのかな?
私が住むエリアはとても古い町ゆえ10年ぐらい前までは銭湯が7、8軒あったが、今ではたった1軒を残すのみとなってしまった。
そういう意味で最近すごく心配なのは町の豆腐屋さん。
そんなエリアだからおかげさまでウチの周囲には古くからやっている豆腐屋がまだいくつか営業していて助かっているが、後継者不足を理由にそれらが消滅してしまう日もそう遠くないであろう。
何時間煮込んでも「鬆(す)」が入らないようなスーパーで売っている豆腐なんてコワくて喰えたもんじゃない。
50年チョット前ぐらいは鍋を持って豆腐屋へお使いに行かされたものだった。
ヤッチンもやらされたんじゃないかしらん?
私はその豆腐屋のオジさんの顔を覚えているわ。
328さんまやいわしが高級魚になったりして、食べ物の様相もずいぶん変化を遂げた。
そして、食べ物に関してこの50年で一番大きく変わったのはラーメンの地位ではなかろうか?
昔、ラーメンは「貧しい家庭の常食」というイメージだった。
「お父さんの給料日がまだ先だから今日もラーメンよ」…ウチは父が職人だったのでこうしたことは一切なかったが、1950年代の映画を見ると貧乏を表現する小道具として頻繁にラーメンが登場する。
それが今は何だ?…ミシュランだぁ?
私はそうした昔のことを知っているので、今でも800円以上のラーメンを食べることにはどうしようもないほどの抵抗感を抱く。
何しろ50年よりチョット前…近所の「つばめ軒」という(今でいう)町中華のラーメンの値段が80円だったことを覚えているのからね。
チャーハンはもうチョット高くて100円ぐらいだったかな?
…とか言ってますけどラーメンは大好きです。
でも最近は年のせいかどこで食べてもしょっぱくてネェ。
コレが実にツラくてお店でラーメンを食べる時には必ず「薄味でお願いします」と注文している。
すると時折フザけて「ハイ、コチラのお客さん高血圧!」なんて言われるわ。
ほっとけ!
10_rm オモシロイなぁ…でもコレで最後ね。
コンサートの値段。
今はスゴイね…外タレのコンサートは2万、3万が当たり前だもんね。
ビリー・ジョエルが100,000円、ロッド・スチュアートが35,000円だって?
「イヤ~、あの内容なら安い」なんて言いたくなる気持ちはわからないでもないけど、それは「意地」というモノでしょう。
高すぎるよ。
50年前ドンズバでなくて恐縮だけど、下はその48年前の1976年末から1977年の春にかけて武道館で観たコンサートのプログラム。
私は中学2年生でココから私の「ロック人生」が始まった。
レインボウもエアロスミスもS席でチケット代は3,000円だった。
キッスだけは高くて4,500円だったかな?
このようにコンサート・チケットが高額になってしまった理由として「CDが売れないから」と喧伝されているけれど、それはそうなるわな。
でも、私はそれだけではないと思っている。
もうひとつの大きな理由のひとつは「過度な一極集中」ではなかろうか?
アノ手コノ手でマスコミが作ったスターにあまりにも多くの民衆が群がりすぎているのでは?
簡単に言えば「みつ豆と林長二郎」…すなわち音楽の受け取り手の姿勢があまりにもミーハーに過ぎるということ(「林長二郎」というのは後の「長谷川一夫」ね)。
ごく少数のバンドが音楽マーケットを寡占しているのもコンサート・チケットを高額にしている原因なのではなかろうか?
その状態ではチケット購入の競争は激しくなるものの音楽の質に関する競争が起こらない。
コレは大きな悲劇ですよ。
まだ何とかライブハウスにはいいバンドが残っているので、そうしたグラスルーツの音楽シーンにも光を当てて「アレもあるけどコレもある」という状態にしておかないと音楽が腐りきってしまう。
では、その反対にこの50年で徹底的に安くなったものがあります。
それはナニかご存知か?
答えは「音楽」。
アラ不思議…「安くなった」どころか50年の間にほとんどタダ同然になっちゃった!
色んなことがあったけど、「50年」はやっぱり長いね。
最後にヤッチンがデビューした昭和49年のレコード大賞受賞曲は「襟裳岬」だったそうです。
寅さんのマドンナは、お盆が吉永小百合、暮れが十朱久雄のお嬢さん、十朱幸代だった。
0r4a9122 さて、さてさて!
『50th Anniversary Special Live~Thank You Dear Friend』と銘打ったヤッチンの芸能生活50周年を記念するコンサート。
ステージ奥のスクリーンにコンサートのロゴが映える。60そして客電が落ち、メンバーがステージに現れる中、そのスクリーンに次々とイメージ・スライドが映し出される。70お客さんは一人残らず「Ready!」。80始まった~!
♪ジャカジャ~ン!
まずは盛大なかき回し。
90「みなさま、ようこそいらっしゃいました!」100「本日、めでたく芸能生活50周年を迎えることが出来ました。
今日は最後まで思いっきり楽しんでいってね~!」110vそしてドラムス!
この記念すべきコンサートのために久しぶりに「あのメンバー」が集結した。

ファンキー末吉120v和佐田達彦130v田川ヒロアキ140vsourcesから野津永恒。150v1曲目は「UP BEAT」。160さっそく総立ちの観客を前にいつものポーズを交えて歌うヤッチン。170のっつのエキサイティングなソロ。S41a0718 その間、ヤッチンは上手でヒロアキくんに接近。190そしてヒロアキくんのソロ。
このシャープなサウンドはもちろん…210vマーシャル!
ヘッド「JVM210H」とスピーカー・キャビネット「1960BV」。
ヤッチンの記念すべきショウに大輪の花を添えるにふさわしいサウンドだ!
いつもコレだけど。220v続けざまに「21st Century」。
230vもちろんヤッチンもMarshall。
1月のバースデイ・ライブで使用してスッカリ味をしめてしまった…あ、失敬…スッカリ気に入ってしまった世界中で大人気のSTUDIO CLASSICシリーズから「SC20H」と2x12"キャビネットの「SC212」。205v22世紀までスッ飛んで行きそうなドライビング・チューン!0r4a00642曲目にして客席炎上。
あたかも神田明神のクライマックスの熱狂がそのまま継続しているかのような盛り上がりようだ。0r4a0077 ファンキーさんのドラム・イントロをバックに右手を高々と上げるヤッチン。
立てた指が示す先は「月」。240v_adとなると、曲は「アポロでドライヴ」。250人気曲の連続にお客さんは大喜び。260vこの曲のサビはホントに好き。
私が一番よろこんでいるかも!
とにかく、アポロだけにロケット・スタート大成功!
270「改めましてこんにちは。
ようこそいらっしゃいました!
皆さま、熱い熱い声援を本当にありがとうございます。
今日3月3日…私が芸能界に入ってちょうど50年。
『50年』だって!…ネェ~。
今日は感謝の気持ちを込めて1曲1曲を大切に大切に歌っていこうと思っております。
最後まで楽しんでいってください」
280ココでメンバー紹介と恒例のひと言コーナー。
まずはこの日のために4年ぶりに中国からお帰りになったファンキーさん。
「ホントに今日のライブはかなり前からブッキングされていましてね、コレに合わせて帰って来たというのは本当なんですよ。
他にもブッキングが色々とありましてね、何を考えたのか昨日機材を車から降ろしちゃったんですよ!
で、今日はスティックも持たずに来てしまい娘に取りに帰ってもらったんです。
私は今日、ナニをしにココへ来たのか…お祝いしに来たんでしょうか?っていう感じですね。
今日は余計にドラムスを叩きたいと思いますのでよろしくお願いします!」
300v「曾我さん、おめでとうございます。
去年ボクらも10周年を迎えました。
豪華なメンバーに囲まれての今日の演奏を本当に楽しみにしていました。
今回も曾我さんに鍛えて頂いたコーラスもガンバります!」

そのsourcesの10周年を記念するコンサートのレポートはコチラ
  ↓   ↓   ↓
sources~10th Anniversary LIVE<前編>
sources~10th Anniversary LIVE<後編>

310v「日高です。よろしくお願いします。おめでとうございます!」
ヤッチン曰く「考えてるようで考えてない…でもハートはすごく熱い男。それが日高隼人」
320v「綾太郎です、よろしくお願いします。
曾我さん、50周年本当におめでとうございます。
今日も全力でバックアップさせて頂きますので気持ちよく歌って頂けたらと思います。
よろしくお願いします!」
330v「ヤッチン、50周年おめでとうございます!
50周年ってスゴイと思います…半世紀ですよね。
私も生まれていたかどうかも知らないぐらいの時期ですね。
今日は久しぶりにこのメンバーというのがまたいいと思いますし、次はまた同じこのメンバーで50年後びゼヒ演りましょう!」
340「タテ線の服を着ると細く見えると聞いたので、色のことなんて全く気にせず家にあるタテ縞の服を持って来たんですけどチョットこの場にふさわしくない感じもするんですが…。
本番前に自分の姿を見たらあまり変わらなかったですねネェ…ヤセて見えへんやん!
マァ、ベースで大分隠れてるから大丈夫かなと。
それはそうと、50周年おめでとうございます。
人間、年齢は重なっていきますのからね、やっぱり老いとの闘いでございます。
私の立ち位置から見るとボーカルズの方はいつも後ろ姿なんですね。
ヤッチンは後ろ姿も全然老けていなくてカッコいいんですよ。
コレは良い見本が目の前にいるな…と思って私もチョット姿勢を良くして歩いてたんですけど、先日駅でPASMOを落としたんですよ。
そしたら床がツルンツルンで拾えなかったんですね。
そのかがんだ時の姿!…絶対に不細工やわ~って思ったんですわ!」
わかります!
チョットした段差を下りる時なんかにハッと自分で気づくんだよね。
「アレ?今、ものすごくおジイさんみたいな動きだったナ」って。
ナニをするにも「よっこらしょ!」と言ってしまうとかね。
無理して若ぶって怪我をするよりよっぽどいい…と考えましょう。
350v「今日はこの最高のメンバーでお送りしますのでどうか大いに楽しんでいらしてください!
今日は50周年ということで過去を振り返っての曲もお届けしようと思っております。
さて、50年の間にはやっぱり色んな節目、節目がありました。
そうした中でやっぱりソロ活動を始めた時というのはとても大きな節目でした。
そこでソロ活動始めた時には既に歌っていた曲を2曲お届けします」360まずは…作った時には航空会社の沖縄便のコマーシャルになったらいいなと思ったという「Just summer for you」。
そういえば昔、沖縄旅行のTVコマーシャルってしょっちゅうやっていたもんね。
沖縄が日本に戻ったのはヤッチンがデビューする2年前のこと。
我々が小学校4年生の時。
それまで沖縄は「日本」ではなく「アメリカ」で現地の通貨がドルだということを聞いて驚いた記憶がある。
我々は沖縄の歴史についてもっと知っておく必要があると常々思っているんだけど、詳しいことは他日を期すことにする。
370_jsfyこの曲から加わったsourcesのヴァイオリン・チーム。
 
加賀谷綾太郎380v日高隼人390v美しいヴァイオリンのアンサンブルに包まれてヤッチンが歌うこの曲…「沖縄」というより「カリフォルニア」?
ナゼなら歌い出しのメロディを耳にすると「Darlin'」を連想しちゃうから。
さわやかでヤッチンの声がベストマッチするとてもいい曲だ。400v「ギター、田川ヒロアキ!」とヤッチンがコール。
モジュレーションを効かせたメローなソロ。
でも内容はソロの間に2回も転調する厄介なシロモノ。
410vもう1曲はファンキーさんが叩き出す軽快なリズムが楽しい「Steppin' Out」。440vソロになってこれから何かが起きるんだ!というワクワクした気持ちを曲に詰め込んだという。
まさにそんなイメージの曲。
だからタイトルも「step out」なのね?
ヤッチンはこの曲でソロ活動の第一歩を踏み出したのだ。
S41a0132 デモテープを作っている時、カウベルがなかったので鍋の蓋で代用して夜中に録音したそうだ。
それゆえこの曲の仮タイトルは「午前3時の鍋」だったとか。
あら、そんなタイトルもオツなものですよ!
450v今回いつになくバッキング・コーラスの活躍が目立った。
ヒロアキくんはこれまでにも随所でヤッチンの歌にハーモニーを付けてきたけど…460v_choやっぱりコレはヤッチンに鍛えられて「コーラスの愉しみ」を覚えたというのっつの効果なのかしら?
ずいぶん歌っていたね。
コーラスってオモシロイもんね。470v「さて、ここからは私が芸能界に入った頃のお話をしたいと思います。
今からちょうど50年前の3月の3日…当時『プラチナゴールデンショー』というなんとも輝かしい名前の日本テレビのテレビ番組がありました(タイトルは「プラチナ万年筆」が一社提供していたことから。そんな時代があったのね)。
その番組のレギュラーがフォーリーブス、郷ひろみさん、そして当時のジャニーズ・ジュニアの方々でした。
その番組の中でジュニアのオーディションをやったことがあったんですね…もうこのことは何万回もしゃべって来たのでココにいらっしゃる皆様はもうご存知だと思います。
郷ひろみさんの大ファンだった2つ年上のボクの姉が、弟の履歴書をそのオーディションに送ればもしかしたら郷ひろみさんに会える機会があるんじゃないか?と思ったみたいなんですね。
でも姉もボクもまさかオーディションに合格するなんて思っていませんでした。
当時は今みたいに証明写真のボックスがなかったので、履歴書の写真なんてそう簡単に撮れる物ではなく町の写真館に行く必要があったんです。
なのでその写真を撮るためにおバアちゃんにお小遣いをお願いしたんですね」
290v「ボクは『ジャニーズ・ジュニア』がどういうものなのかも知らなくて『好きな体操が出来るところ』と聞いて体操クラブみたいなものかと思っていたの。
で、コレが50年前にオーデイションに応募した時の写真です。
これで合格したんだよ!」
510「この写真、もう光で飛んじゃって目と鼻の穴しかわからないじゃない?
コレでよく最初の書類選考を通過したナァと…。
しかもまだ芸能界に入ったワケでもないのに勝手に自分でサインなんか考えちゃって!」520v「見たこともないワケのわからないサイン。
多分ボクが書いたんだと思うけど全然覚えてないの」
イヤイヤ、確かに我々が小学生の頃、サインを考えるのが流行りましたよ。
しかし、スゴいサインだな。
コレは二度と同じ風に書けないでしょう…それじゃサインの意味がない!
子供のやることってのは全くカワイイもんだ。
530「そうしたらナントこのオーディションの予選会の結果を知らせる通知ハガキが届いたんです。
書類審査を通過したので、この通知状を持参のうえ3月3日の日曜日に初台の日本テレビの分室にお集り下さいっていう内容。
『3月3日の日曜日』…今日と一緒じゃん!
13時、今日は外で東京マラソンをやっていましたね」
540「その分室のリハーサル・ルームに何百人っていう方々が来ていて、フォーリーブス、郷ひろみさん、ジャニーズ・ジュニアが審査をしているところに10人ぐらいずつ送られていくわけですね。
ボクはその中の75番だった。
コレ見て!もうこんなにビリビリになってる。
50年経つとこんなになるんだね…オレ61だけど。
(客席から笑い声)…滋さんがウケてくれた」
失敬!
イヤ、いつも自分が言っているようなことをヤッチンが言ったので思わず吹き出してしまったのです。
550v「ココには歌を歌える人は譜面を持参のこと…と書いてあるんです。
当時、ボクはフィンガー5のアキラくんが大好きでした。
特に歌手になりたいとか、芸能人になりたいとかっていう考えは全くなかったんですが、アキラくんみたいに歌えたらいいな~と思って、フィンガー5のファースト・アルバムを聴きまくってレコードと一緒に歌っていたんです。
それがキッカケでオーディションの時に『この中で歌える人?』って言われた時にボクは『ハイ!』と手を上げました。
『キミは何を歌えるんですか?』と訊かれて『"ベンのテーマ"が歌えます』って言ったんですね。
そしたら『こんなチビがあのマイケル・ジャクソンの曲を歌うのか?』と周囲の人に驚かれて『じゃあ、歌ってみてください』と言われた、
それでア・カペラで『♪ベン~』って歌ったの。
歌詞が日本語だったので皆さんズッコケちゃったんですが、最後まで歌い切ったらホントにその場がすごく盛り上がったんですね。
このオーディションの受験資格は12歳からで、その時ボクは11歳だったから年齢的にはNGだったんですがジャニーさんが『ボクが彼の面倒をみますから』ということで合格したんです」
【ヤッチンへの業務連絡:この日、話そうと思って忘れてしまったんだけど、私の同級生でスゴいヤツがいるんですよ。ジャニーズ事務所がらみの話。アタシャ腰を抜かして驚いた。今度ご一緒した時にお話しましょう。ヤッチンもきっと驚くよ】
490v「歌える人は譜面(メロディー譜)を持参…」とハガキに書いてある。
ヤッチンの話によれば伴奏してくれるわけでもなし、メロディを記しただけの譜面なんて一体ナニに必要だったのであろう?
知りたいナァ。
しかし、このハガキをよく50年もの間保存しておきましたね~。
ね~、何でもかんでも安易に捨ててしまうのは決して良いことではないんですよ。
私はアンチ断捨離派なのです。
560「ボクの初舞台の時の写真。
3月3日に『ベンのテーマ』を歌ってオーディションに受かって、その2週間後ぐらいに春休みの郷ひろみさんのツアーに一緒に連れて行ってもらいました。
郷ひろみさんと『ベンのテーマ』をデュエットするシーンをショウの中に作ってもらったんですね。
それがボクの初舞台でした」
570「その初日が山口県の防府で、確か飛行機で行ったと思うんですが当時はまだボクは小学校5年生でしょ?
しかも、とても5年生にも見えないぐらい幼かったんですよ。
だからみんなが本当に可愛がってくれて、飛行機乗る時に『ヤッチン、パスポート持ってきた?』とか『ヤッチンね、飛行機乗る時は靴を脱ぐんだよ』って言われて本当に靴を脱いだらみんなに笑われました」
そのチョット前ぐらいまでは飛行機の中は土足厳禁だったからね。580vということでその思い出の「ベンのテーマ」を。
 
のっつのピアノに導かれて…590_bn50年前のオーディションの時のことを思い出しているのであろうか、ヤッチンが思い入れたっぷりにその魅力的なメロディを綴る。600vヴァイオリンの伴奏に…610のっつとヒロアキくんのコーラスが何とも美しい!S41a0453 曲のバックグラウンドもあいまって実に聴きごたえのあるシーンだった。620v芸能生活48周年の時ほか、ヤッチンはこの「ベンのテーマ」を何度か取り上げて来た。
その度にこの曲に関する似たようなことを書いてきて恐縮だが今回も書く。
50周年だから。
 
ヤッチンが働き始めた頃、同じ学年の私はナニをやっていたのかというと、一応中学受験の準備。
おぼっちゃんだったから。
それとモデルガンに夢中だったかな?
そして映画。
映画狂いの父の影響で、その父が薦めるテレビの洋画劇場で放映される作品を全て観た。
だから私は小学校5、6年生の頃にはかなりの量の監督、俳優、作曲家に関する知識を持っていた。
だって淀川長治のラジオ番組を楽しみにしていたんだから。
映画に関しては同じ年頃の子には絶対に誰にも負けなかった…というより、クラスの男の子たちは百恵ちゃんや淳子ちゃん、女の子はそれこそひろみくんや秀樹さんに夢中でロバート・アルドリッチだのウィリアム・ワイラーなんて知っている子は1人もいなかった。
ヤッチンはこの曲をフィンガー5のレコードで知ったと自分の経験を話してくれたが、私は『ウイラード』の続編である映画の『ベン』を観て知った。
この曲は元々はダニー・オズモンドのために書かれた曲で、作曲したのがジョージ・ガーシュインやアル・ジョルソンと仕事をしていたというウォルター・シャーフという人…。
そして作詞が007の主題歌やアンドリュー・ロイド・ウェッバーに詞を提供したドン・ブラックという人…。
こうしたことはヤッチンがこの曲を取り上げていたことで最近知った。
Benで今回、このドン・ブラックという人のキャリアの中にアンドリュー・ロイド・ウェッバーのミュージカル『サンセット大通り(Sunset Boulevard)』が挙がっているのを発見して大いに恥ずかしくなってしまった。
というのは、1996年にブロードウェイの「ミンスコフ劇場」まで観に行ったほど私はこのミュージカルが大好きだったのだ。
今でも好きで時々CDを引っ張り出しては聴いている。
にもかかわらずこの「ドン・ブラック」という名前が頭の外にあったのだ。
それで今回ヤッチンのおかげで「ドンブラ」に対する認識を新たにした…というワケ。
下は私のコレクション。
劇場ではプログラムを販売していなかったので代わりに買ったソングブックとロンドンとブロードウェイのオリジナル・キャストによるCDが2枚。
それと何と言ってもこの作品を観たという証である「PLAYBILL」…コレが一番の宝物。
ブロードウェイの初演では主役のノーマ・デズモンドをナント、グレン・クローズが演じた。
もちろん私はそれを観ることはできなかったが、私がミンスコフで観た時はエレイン・ペイジがノーマを演じた。
エレイン・ペイジはウエスト・エンドの『キャッツ』でグリザベラを演じ、最初に「Memory」をヒットさせたウエスト・エンドの大物。
だからブロードウェイでもスゴい喝采を浴びていた。
『キャッツ』、『エビータ』、『オペラ座の怪人』等々、メガ・ヒット作をたくさん生み出したウェッバーのキャリアにあってこの『サンセット大通り』は失敗作の部類に入るのかも知れない。
私は元々ビリー・ワイルダーが作った映画がトコトン好きでこのミュージカルに興味を持ったんだけど、ジャズ色の濃いこのミュージカルが本当に好き。
リード・チューンの「As If We Never Said Goodbye」なんて聴いてごらん。
いい曲すぎて涙が出ちゃうよ。Img_0243もうひとつネズミの「ベン」にちなんで…。
緒形拳と夏目雅子の主演で映画にもなった吉村昭先生の『魚影の群れ(新潮文庫刊)』という短編集に収録されている「海の鼠」という話。
1950年に愛媛の日振島という離島で異常発生したネズミと住民の戦いを描いた作品。
昔、『ガンバの冒険』というTVアニメがあったでしょう?
この作品を読めば主人のガンバがなぜあれほどまでに「ノロイ」というイタチを怖がっていたかの理由がわかるよ。
ネズミ好きの人にはタマらない一作。
反対にネズミがキライな人は絶対に読まないようにしましょう。
脱線終わり。Unヤッチンのやさしい歌声と郷ひろみさんの歌声がどう絡み合っていたんだろう…聴いてみたかったな。
あの声で「ベンで~す」ってやったのかな?
ちなみにYouTubeをチェックしたけど見つかりませんでした。630_knokもうひとつヤッチンがフィンガー5のレコードに合わせて歌っていたという「気になる女の子」。
最近もTVコマーシャルに使われていたね。640フィンガー5がこの曲を焼き直したのが1973年。
私は当時はゼンゼン知らなかった。
その後何となくはこの曲を知るようになったけど、それを確実にしてくれたのはいつかライブにお邪魔したThe Paisleys(ザ・ペイズリーズ)なんだよね。
元はアメリカのメッセンジャーズ(Messangers)というチームの1971年のヒット曲なんだけど、そんなだから私にはコレがヤッチンが作った曲に聞えて仕方ない。
また雰囲気がすごくマッチしているからね。
650v今日もこの曲を軽快に楽しくキメて見せてくれたヤッチンなのであった!
しかし、フィンガー5ってのは衝撃的だったよね。
クラスの子たちはみんな「♪恋のテレフォン・ナンバー」って歌っていたもんね。
その前の「個人授業」が1973年。
幼かった我々には考えが及ばなかったけど、前掲したようにその前年の1972年に沖縄が日本に返還され、沖縄出身のフィンガー5は世情の象徴みたいな存在でもあったんだろうね。
そしてフィンガー5は本土に進出する沖縄のミュージシャンたちの嚆矢となったことは間違いない。
何しろいまだにそこらじゅうで「♪ヘ~イヘイヘイヘ~イヘイ」ってやっているんだからスゴイ。
0r4a0083 <つづく>
 

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200 (一部敬称略 2024年3月3日 日本橋三井ホールにて撮影)



2024年3月22日 (金)

Ayasa x D_Drive 振替公演

 
「D_Driveウソつかない」…2023年9月23日に開催する予定だったAyasaさんとのダブル・ヘッドライナー。
Ayasaさんが体調を崩し、企画は公演はD_Drive単独公演となったが、公演中にYukiちゃんが舞台の上からその幻の企画を必ず実現するという宣言を発した。
今日は実現となった当該の振替公演のレポート。
会場はオリジナルの企画通り新横浜のNew Side Beach。
しかし、相変わらず見事な告知板だナァ。
10会場のロビーに飾られた祝い花。20vこんなのあるんだネェ。
出演者それぞれに宛てられている。30屋台村ではこの公演のためのスペシャルグッズが人気を呼んでいた。40定刻となり満員のお客さんの前にまず姿を現したのは…50Ayasa60ギター、ベース、そしてドラムスを従えてのパフォーマンス。
オープニングは「華讃歌」。
0r4a0037_2「音戯の舞」、「千本の矢」と魅惑の音色で次々と人気曲を奏でていく。
やっぱりヴァイオリンはアコースティックだよね~。
70v1976年、私が中学2年生の時にRoxy Musicのライブ盤が発表されてね、1曲目の「Out of the Blue」のエディ・ジョブソンが弾くエレクトリック・ヴァイオリンのカッコよさにブッたまげたものだったけど、イヤイヤイヤイヤ、ナント言ってもアコースティックですよ。Vvココ数年は「20世紀で一番カッコいいヴァイオリン協奏曲」との呼び声が高いアラム・ハチャトゥリアンの「ヴァイオリン協奏曲」。
私が愛聴しているのはズービン・メータ指揮のイスラエル・フィル盤。
ソリストはイツァーク・パールマン。
コレはホントにカッコいい。
数年前にギタリストの田川ヒロアキさんが出演した大きなイベントの楽屋で古澤巌さんとご一緒させて頂いたことがあった。
古澤さんはソロ・アルバムを制作している最中で、「いいネタがなくて困っているんですよ」とおっしゃった。
私などを相手にナゼそんなお話をされたのかは記憶にないが、私はココぞ!とばかりにこの曲を提案してみた。
すると古澤さんは「おお!アレはカッコいいですよね!そうか!ハチャトゥリアンがあった!」と私の提案を喜ばれお礼の言葉を頂戴した。
この時の提案が実現したかどうかは知らない。Vc で、私はといえば、冒頭だけでもいいからギターでこの曲を弾いてみたいと思っていた。
もちろん耳でコピーする時間などないので「楽譜があればいいのにな…」と思ったら…あった。
楽器フェアの時にバーゲン品のコーナーで「全音楽譜出版社」のゾッキ本を発見したので。
で、撮頼してみた。
ダメ…ゼンゼン弾けず。
せっかくお金を出して買った楽譜を無駄にするのも忍びないので、試しにウチに出入りしている速弾き自慢の若いギタリストに楽譜を渡して「コレも練習だ。譜面をさらってギターで弾いて聴かせてくれ!」という指令を出した。
「わかりました!」と彼は自信満々に楽譜を持ち帰った。
しばらくこのことを忘れていて、何か月か経ってからその若手ギタリストにその後どうなったかを尋ねてみた。
「イヤ~、やってみたんですけど、難しいくてゼンゼンできないんですよ。タッピングしようがスウィープしようが歯が立たないです。ゴメンなさい!」
ま、そんなもんでしょう。10_score Ayasaさんはオリジナルの公演が幻になってしまったことに対するお詫びをキチンと述べてから次から次へとAyasaナンバーを繰り出した。
「Invitation from a fairy」、「phoenix」…。
S41a0043MCを挟んでドドドっと5曲連続で最後まで弾き切った!
まずは「告白の夜」、「鏡花水月」…「籠鳥恋雲」、「ナデソコロデオ」。
どこか「和」を感じさせる曲調がユニークだ。
0r4a0033そして日本語の曲名ね。
いつの頃からかこの国にポピュラー音楽は「英語の歌詞でもないのに曲名だけが英語…しかもアルファベット表記」という珍なる状態に陥ってしまっているのでこうした日本語の曲名は大歓迎だ。
我々は「日本語」という世界一美しい言語を自然に身に着け、世界最高峰の文学を言語を読むことができ、これまた溝口、小津、黒澤といった世界レベルの巨匠が作った1950年代の映画をそのまま楽しめ、さらに歌舞伎や落語といった世界がうらやむエンターテインメントもオリジナルの言葉で味わうことができる大変な特権を持っているのだ。0r4a0055そしてAyasaさんの出番を締めくくったのは「亡霊たちの舞踏会」。0r4a0038_2怒涛のごとく押し寄せるAyasaナンバーに客席の熱気は最高潮に達した。
全10曲、たエキサイティングながら気品に溢れたステージに仕上がった。80現在転換中…。

ちょうどよい機会なので、舞台を転換している間に最近観たヴァイオリンにまつわる映画を2本ご紹介しましょう。
まずは1998年のカナダ映画『レッドバイオリン(The Red Violin)』。
17世紀にクレモナで作られたヴァイオリンの名器が時代を超えてさまざまなヴァイオリン奏者の手に渡って巻き起こされる数々の悲劇。
フラッシュ・バックの組み方が大変にトリッキーで、はじめはかなり「ナンじゃコリャ?」となるが、観ているウチに組み込まれたエピソードが少しずつ絡み合っていき、最後の方には「なるほど!」と観ている者をうならせる。
この作品の脚本を担当した人はかなり腕が良いのでは?Rvもうイッチョ。
2013年のドイツ映画『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト(Teufelsgeiger。「Teufels」は「悪魔の」、「Geiger」は「ヴァイオリニスト」という意味のドイツ語。英題はThe Devil's Violinist)』。
コレはチョット創作に過ぎるんじゃないの~?
すさまじいまでの演奏テクニックを持っていたホンモノのパガニーニは病弱で、身体はやせ細り顔色も悪く、まるで死人のようなルックスだった。
自分の演奏テクニックを盗まれることを極端に嫌い、楽譜も暗号で記していたとか。
そしてその亡霊のようなルックスや奇怪な振る舞いゆえミステリアスな噂が立つことも珍しくなく、あるコンサートでは演奏中に弦が切れ、また1本、また1本と残っていた弦が順に切れていき、とうとうすべての弦が切れてしまってもヴァイオリンから音が出続けたという。
ウソだろう~。
などというエピソードとは全く関係なく、この映画の中のニコロ・パガニーニはヘソ下三寸に人格を持たず、70年代の破滅型ロック・スターのように描かれていて私はガッカリ。Pnnさて、ところ変わってココはロンドンの「マリルボン(Marylebone)」というエリア。
この前の道をD_Driveのメンバーと歩いたのがもうはるか昔のことのようだ。190ココにあるのが「王立音楽アカデミー(Royal Academy of Music)」。
ロックで言えばエルトン・ジョンやリック・ウェイクマンの母校。
アンネ・ゾフィ・ムター他、もちろんクラシックのスゴイ演奏家をたくさん輩出している。
この学校には「ヨーク・ゲイト・コレクション」という楽器の博物館が付属していて、ベートーヴェンが使ったピアノなんてのが展示されている。
また、ココはヴァイオリンのコレクションが自慢で、ストラティヴァリウス、アマティ、グァルネリなんてのがゴロゴロ並んでいる。
もちろん入場無料。00200vそこに200年前のパガニーニのロンドン公演の告知ポスターなんてのが飾ってあって、隣はこのパガニーニのポートレイトが掲げられている。
ヴァイオリンを奏でているニコロ・パガニーニ。
よく見ると…410vドワッ!
弦が3本切れている!
安心してくだい、弾いてますから!
ミステリアスな伝説は確かに存在したのだ。
420さて、舞台の転換もスッカリ終わったところで…D_Drive!115Seiji120vSeijiさんのMarshall。
JVM410Hと1960B。130vYuki140vYukiちゃんもJVM410Hと1960A。
Yukiちゃんのトレード・マークのBlue Roseはこの時まだ休暇中。150vToshi160vToshiくんも愛用のEDEN。170vChiiko180vChiikoちゃんはもちろんNATAL。190立錐の余地もない客席に向かってまずブッ話したのは「だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)」。
Ayasaさんの日本語タイトルのレパートリーに対抗して邦題で言うたった!
もう一度言いますが私は「日本語タイトル擁護派」です。
英語のタイトルは英語を自在に操れるようになった時に作った英語の歌につけてあげなさい…が基本の理念。
200_16今日もSeijiさんが弾くスリリングなテーマ・メロディが観客に突き刺さる!0r4a0162 続いて「M16」。0r4a0290 「ギター銃撃戦」もいつになく熾烈だ!210Yukiちゃんのファンク・ストラミングが間髪入れずに続く。
「Wings」だ。
D_Driveは英語のタイトルでもいいんですよ~、歌詞がありませんからね。
でも…歌詞はないけど歌はある!
けだし名言。
220_wg今日もド迫力のド低音が暴れまくるToshiくんのベース!230「皆さん、こんばんは。D_Driveです!
『Ayasa×D_Drive』にご来場頂きましてありがとうございます。
9月にワンマンになってしまった公演の振替でございます。
本日やっと全員集合できました。
去年の2月くらいにAyasaさんとイタリアンを食べながら、『タバスコすごいかけるな~』と思いながらこの公演の打ち合わせをしたんですよ。
それは2月のことでしたのでちょうど1年前。
それが今日こうして実現してメチャメチャうれしいです!
最後までよろしくお願いします」
240v「で、このまま次の曲に入りたいところなんですが、ちょっとワーミー・バーの調子が…。
直しますのでチョットとお時間を頂戴します」
S41a0396しゃべりながらワーミー・バーをキコキコやっていると思ったら調子が悪かったのね?
本当はYukiちゃんはこの「ギター用可動式音程変動装置」のことを単に「アーム」と言いましたが、「トレモロ・アーム」の海外での一般的な呼称は「Whammy bar(ワーミー・バー)」と言います。
D_Driveはイギリスのレコード・レーベルと契約しているので、また海外に行ってアームの調子が悪くなった時に困らないように勝手ながら世界標準の呼称に修正しました。
日本は「シールド」という言葉に代表されるように世界に通用しない音楽や楽器の方言がたくさんありますからね。
大きなお世話でしょうがMarshall Blogはそうした偏りを都度是正する努力をしています、ハイ。
そういえば数日前、とあるイベントにNATALを持って行った時、私が「コレがNATALのドラム・キットです」とイベントのスタッフの女性に説明をすると大層驚いて「日本人で『ドラム・キット』という言葉を使う人に初めて会お会いしましたよ!」と喜んでいた。
訊くと彼女はロンドンで同様の仕事をしていたのだそうだ…やっぱりね。
そんなところだと思った。
260vYukiちゃんはSeijiさんがヘッドの裏にいつも取り付けてあるレンチを拝借してその場で修理。0000s41a0304 「コレはなかなかレアですよ。本番中にギターのメンテナンスするYukiちゃん。
皆さんはコレを一番にSNSに書くんでしょうね…いいと思いますよ」
250vその時のようす。
Yukiちゃん、楽屋に引っ込むでもなく、お客さんの眼前でワーミー・バーの修理したのだ。
これはまさにギターのマグロ解体ショウなのか?!…チガウって!
でも昔、「アコギのネック着脱ショウ」ってよくやったわ。
お客さんの見ている前でアコギのネックを外してまた取り付けるの。
270そして難なく修理完了。
「イケました!調節が難しいんですよ…硬すぎたり、柔らかすぎたり。
ところで、ココでバイオリンやってる方はどれくらいいらっしゃいますか?
……おひとり?」S41a0292「スゴイな。
ヴァイオリンってカッコいいですよね…あの音色はズルいですよね。
ちょっとギターではムリですからねぇ。
全く知識がなくて何の楽器を訊かれていたら絶対『ヴァイオリン!』って答えていたと思う」
280v「確かに…チェロとか。私も演りたかったナァ」0000s41a0398 たとえヴァイオリンやチェロのような擦弦楽器を嗜んでいたにしてもこの2人にはMarshallを使ってロックを演って頂きます。
というのは、ヴァイオリニストを擁するロックといえば、何と言ってもイタリアン・プロッグ・ロック。
その最高峰で世界的な大成功を収めたたのがかつてマウロ・パガーニという名ヴァイオリニストが在籍していたPFM(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ=「素晴らしいパン屋のマルコーニ」という意味)でしょうネェ。
他にもイタリアには規格外ほどに素晴らしいバンドが山ほどいますからね。
アレア、バンコ・デル・ムッツォ・ソッコルソ、フォルムラ・トレ、アクア・フラジーレ、クエラ・ヴェッキア・ロカンダ、イ・プー、アルティエ・メスティエリ、ニュー・トロルス、イル・ヴォ―ロ、チェル・ベッロ、ラ・エッテ・ミエーレ、レ・オルメ、オザンナ、そしてマクソフォーネ。
どれも一時期夢中になって聴いた。
ちなみに私が古今東西で一番好きなロック・バンドはもしかしたら最初に挙げたアレアかも知れない。
そもそもイタリア語ってロックにすごくマッチする言葉なんだよね。
イタリア語で演るロックは大変にロマンティックにサウンドするんだ。
さて、そのPFM。
大分前に来日した時、Marshallのレンタルの依頼を受けたことがあった。
リクエストはJCM2000 DSL100のフル・スタック…つまり三段積み。
もちろん大好きなバンドなので喜んで貸し出し、職権乱用でチッタの公演にお邪魔させていただいた。
てっきりそのMarshallはフランコ・ムシーダというギタリストが使うものかと思っていたらトンデモナイ!
名前は忘れちゃったけど、ヴァイオリニストがそのDSLの三段積みを使ったのよ!
やっぱりさすがMarshall。
ギターだろうとヴァイオリンだろうと音ヌケの鋭さは格別で実にカッコいいトーンだった。
だからSeijiさんもYukiちゃんもヴァイオリニストに転身した時にはMarshallを使ってもらいます。
もちろんAyasaさんも大歓迎!
下の写真は興味のない人から見ればゴミ同然の私のイタリアン・ロックCDコレクション。
まったく大したことはない。Ipg そういえばYukiちゃんがワーミー・バーを直している姿を見て思い出した。
昔ね、ロイ・ブキャナンっていうテレキャスターしか弾かないアホほどスゴいギタリストがいたのね。
今はどうか知らないけど、昔はロック・ギターを弾く人はもれなくジェフ・ベックの「哀しみの恋人たち('Cause We ENded as Lovers)」をコピーしたのね。
「耳コピ」なんてキテレツな言葉が存在しなかった時代。
コピーは耳でするにキマってら…鼻じゃできんだろう。
あの曲はスティーヴィー・ワンダーが作ったんだけど、ジェフはロイ・ブキャナンに影響をうけてこの曲をレコーディングした。
そして、ジェフはジャケットに「Dedicated To Roy Buchanan and Thanks To Stevie Wonder」とクレジットしてロイに敬意を表した。
ま、そんなギタリストがロイ・ブキャナン。Bbb 私が高校生の時、そのロイが来日した。
もちろんチケットをすぐに買って後楽園ホールに観に行った。
スゴイ演奏だった。
で、演奏中にギターの弦が切れてしまってね。
今ならギターテクが出て来てサササと替えのギターと取り換えるんだけど、ロイには替えのギターなんてない。
1953年製のテレキャスター1本だ。
して、その時ロイはどうしたか?
少しも慌てず、しゃがんで歌い続けながらお客さんの前で悠然と新しい弦を張って見せたのですよ。
そのカッコよさと言ったらなかったね。
下はその時のコンサートのプログラム。
観逃さないでホント~によかったヨカッタと思うコンサートのひとつであり、私の音楽人生の中の宝物のひとつ。
Rbところで、いつもMarshall Blogをご覧頂いているD_DriveRの皆さん。
今日の記事はチョットおかしいと思いませんか?
いつも余計なことを書いているマーブロだけど、今日は特にそれがしつこい。
ここいらで種明かしをしておきましょう。
実はこの日、照明がサービス満点で思うように写真を撮ることができなかったのよ。
スモーク、逆光、LED、ストロボ、光量不足、そして居場所なし…と写真撮影が嫌うすべての要素が猛威を振るっていたので、その撮れ髙は私の基準では全滅に近かった。
もちろん写真撮影のためにライブをやっているワケではないことは百も二百も承知しているし、キツい現場にはこれまで数えきれないほど何度も遭遇して来たけど、この日は格別だった。
冬眠前のD_Driveの最後のステージだったので、本当はガッツリ写真を撮って具にショウの内容をレポートしようと思ったんだけど断念。
かわりに脱線で記事を膨らませた次第でございます。
この先、そんな感じで読み進めてください。
 
Yukiちゃんのトレモロ修理ショウに続いては、そのYukiちゃん作の「Begin Again」。
今年15周年を迎えたD_Driveが10周年の時に発表した1曲。290_baハードにそしてシャープなChiikoちゃんのスティックさばきが際立つ。300Yukiちゃんがヴァイオリンで弾く「Begin Again」を聞いてみたいね。
S41a0449 Toshiくんがベースをブイブイいわせている傍ら、SeijiさんとYukiちゃんの親指が上がった!310_tuそうなると続いての曲はもちろん「Thumbs Up」。320さらにSeijiさんのセンチメンタルでノスタルジックなメロディから「U_Me」。
もう梅の季節ですナァ。
つい先日もこんなことを言っていたような気がするが、アレは去年のことか…。
330_umToshiくんの極太低音が奏でる梅エキスがタマらん!
340v「ありがとうございます。
今の季節にぴったりな梅の曲「U_Me」をお送りしました。
さて、今年私たちはおかげ様で15周年を迎えることができました。
2009年の1月に活動を始めてガンバってきました。
こうして15年という長い歴史の中でたくさんの人との出会いを経験させて頂きました」
350「今まで年間で約80本やっていたんですよ。
なので延べ1,000回近くライブをやってきたことになるんですよ」
390「すでに発表している新しいバンドの方針通り、半年ぐらいの間ライブが空いてしまいます。
次は15周年記念ライブになります。
9月7日が大阪の十三『GABU』。
そして11月16日がココ『New Side Beach』で開催しますので皆さまのお越しをお待ちしております」380v残すはあと2曲。
まずはSeijiさんの人力シーケンサーから…400v_lr「The Lasr Revenge」。
今日も華麗なギター・ソリがキマった!400D_Driveの出番を締めくくったのは「Cassis Orange」。410_coもっとも古いレパートリーのひとつで区切りをつけたことは感動的であった。
この4人揃った姿は半年の間お別れ。
410v 420v 430v 440v「ありがとう!」
しばしの別れを惜しむファンから大きな歓声が浴びせられた。444さて、YukiちゃんがMCで触れていた通り、D_Driveはこの公演を境にライブ活動を大幅に縮小することになった。
残念&寂しい限りではある。
すると当然Marshall Blogへの登場もしばらくなくなるというワケ。
ということで、アンコールの登場を待つ間に「マー索くん」を使ってD_Driveの過去のMarshall Blogへの登場頻度を調べてみた。
年ごとの登場回数を表したのが下の棒グラフ。
D_Driveとマーブロの歴史は長く、当然昔のMarshall Blogにも頻繁にご登場頂いていた。
そして今のMarshall Blogが始ったのが2012年のこと。
その年の登場回数が2回と少ないのはMarshall Blogがスタートしたのが10月だったから。
やっぱりロンドンや上海に行った2019年が一番多いね。
次いでライブの回数が多かった2022年。
数えると今回の記事を入れて延べ157回。
今のMarshall Blogの掲載記事の数は2,293本に上るので、Marshall Blog全記事の6.8%がD_Driveに関する話題ということになる。
そりゃMarshallのレコード・レーベルと契約をしたんだから盛んに出るのも道理だわね。
そして、これらのD_Driveの記録はMarshall Blogが続く間、半永久的にいつでも接することができる。
誰も言ってくれないから自分で言うけど、D_Driveの記事に限らず、我ながら「いい仕事」していると思うわ。
Marshall Blogがなかったらほとんどナニの記録も残らないんだから。

Data
アンコール。
「アンコールありがとうございます。
もう1曲演っちゃってもいいですか?
ココからはもちろんお呼びしなければイケないよネェ。
Ayasaさん、カモン!」
445Ayasaさんがイベント・タオルを持って登場!450いよいよ5人が揃って演奏したのは、Xperiaつながりで「Voices」!460全員イベントTシャツに着替えてお客さんと共に5人揃っての演奏を楽しんだ。470v 480v 490 500v「皆さん、ありがとうございました!
Ayasa×D_Driveでした。
ありがとう!」510 

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日本が世界に誇るインストゥルメンタル・バンド、D_Drive。

<だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)>

<Wings>

<Thmbs Up>

<Begin Again>

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200 (一部敬称略 2024年2月25日 新横浜New Side Beachにて撮影)

2024年3月19日 (火)

SUPERBLOOD in CAT冬FES 2024

 
さて、4年越しに開催された待望のイベント『CAT冬FES2024』。10v転換の間は緞帳が下ろされ、ギッチギチで立錐の余地がまったくない客席スペースにはDJのチョイスによるロックが大音響であふれかえる。
曲に合わせて歌う人、腕を振り上げる人、身体を揺らす人…スゴイ熱気だ。
こんな様子を目の当たりにしていると70~80年代の従来型のロックが絶滅の危機にさらされているようにはとても見えないんだけどネェ。
何とか若い人たちに引き継がせることができないものか…。
20NAKED MACHINEの次の次にステージに上がったのはSUPERBLOOD。
いよいよトリの登場だ!
ライトが当たらないので下の写真では判別しづらいが、ノッケからステージ前の両端にあるスピーカーの上にメンバーが乗ってお客さんをアオっている。
このテンション、ハンパではないぞよ!30RYUSUKE KAWAMOTO
40vOKAHIRO50vRYO60vMAD大内
70vSUPERBLOODがMarshall Blogにご登場頂くのは2017年の5月以来だから…7年ぶり!
マジかよ?そんな経ったのか!
カメラを持ってお邪魔しようとは思っているんだけど、いつも先約があったりしてなかなか都合がつかなかったんよ、ゴメンね。801曲目は「RESISTANCE」。
OKAHIROちゃんのリフからスタートするゴキゲンなドライビング・チューン。85vもちろんギター・ソロもタップリ!
OKAHIROちゃんが弾いているモデルは「Bich」っていうんだっけ?
B.C. Richのギターはボタンが何やらイッパイついていて中学生の時に欲しいナァと思ったものだ。
OKAHIROちゃんはこういうギターがすごくよく似合うね。Img_1464 そのままマッドさんのドラムスがつないで「guilty guilty」へと続く。
マッドさん、久しぶりだ~。
全然変わっていなくてうれしくなるわ。
90_ggそしてこちらも全く変わっていないのがこの「OKAHIROCK」っぷり!Img_1494 さっきからOKAHIROちゃんが聞かせてくれている極太なギター・サウンドを出しているのはもちろんMarshall。
彼の愛器はJCM800シリーズが始まる前の「2203」。
すなわち2203の初代モデルだ。
110以前にも書いたけど久しぶりだからまた書いてやれ。
「2203」は「100Wのマスター・ボリュームつきのギター用のアンプッド」がその定義。120今では2203といえば下のようなボディの両端までフロント・パネルが広がっているタイプがおなじみだけど、コレはJCM800シリーズがスタートした1981年からのこと。
当時のMarshallファンはこのルックスに度肝を抜かれたというが、私はその頃大学生でギターにまだ夢中だったけど全く記憶にないナァ。10_2203 オリジナルの2203は1975年から製造が開始され、OKAHIROちゃんの2203は1976年製。
当時は下の写真のようにスピーカーのアウトプットが4つ搭載されていた。
「♪大きい音はいい音だ」とばかりに、まだ「ロックが本当にロックだった時代」に作られたアンプ・ヘッド。
いい時代だよ。
それが今じゃナンダ?
チマチマチマチマ、蚊の鳴くようなギターの音を出しやがって!
あ、イカン…つい本音が出てしまった。
今ではMarshallも小さい真空管のモデルを作っているのを忘れていた!
でも敢えて言おう。
いくらPAのテクノロジーが発達したところで、ステージの中の音が小さいと迫力に欠けて「ロック」という音楽の魅力が半減してしまうんよ。
AC/DCがステージの上の何十台ものMarshallを実際に鳴らしているのはそういう理由だ。
最早そういうことを知っている人自体が少なくなっちゃったんだよね。130こっちもだんだん乗ってきたぞ。
ってんで、参考までに1976年にリリースされたアルバムを少し並べてみようか?
OKAHIROちゃんのMarshallが製造された年に発売されたアルバム。
*Presence / Led Zeppelin
*Rocks / Aerosmith
*Trick of the Tail / Genesis
*Zoot Allures / Frank Zappa
*The Royal Scam / Steely Dan
*Sad Wings of Destiny / Judas Priest
*Destroyer / Kiss
*Fly Like an Eagle / Steve Miller Band
*A Day at the Races / Queen
*Jailbreak / Thin Lizzy
*Hotel California / The Eagles
まだまだイッパイあるけど、どうだい?…ロックだろう?ワイルドだろう?
私は中学2年生で、ロックに狂い出した年だったんだけど、こんな時代があったなんて…今となっては目眩がしてきますな。
ちなみにMick Ronsonはこの年、ボブ・ディランの『Hard Rain』のレコーディングに参加している。
 
話題を戻して…
一方のRyuさんもMarshall。140RyuさんのMarshallは「オレンジ色のニクイヤツ(←今となってはもう誰も知らないか?)」
1998年に限定発売した「Orange Crush」シリーズのJCM2000 DSL100と1960A。
今は「デザイン・ストア」という自分の好みの外観のMarshallを自由にオーダーできるシステムがあるが、25年前のこの当時はそんなことは「夢のまた夢」で、Marshallが時折「赤」だの「紫」だののカラー・モデルを生産する企画を不定期に立てて限定で販売していた。
この「Orange Crush」の前年には35周年を記念してビンテージ系モデルの真っ白バージョンを発表している。150v久しぶりのSUPERBLOODはそんなMarshallサウンドに満ち溢れたステージだったというワケ。Img_1465 シアワセ、シアワセ。
ちなみにRYOさんもとてもいいMarshallのベース・アンプを持ってるんだゼ。Img_1474「オ~、イエ~!
Cathouseの30周年おめでとうございます。
30年の中には乗り越えなきゃならない壁もあったかと思いますが、TAKEさんとUckyさんがその壁を乗り越えてくれたおかげで今があります。
ありがとうございます!
コレからまた10年、20年、30年、40年、50年、100年、一緒に荒波を乗り越えていきましょう!」170v_mRYUさんのご挨拶に続いては昨年リリースした5曲入りCD『I SEE THE LIGHT』から「Ride the Tide」。175cdコレもOKAHIROちゃんが弾く図太いギター・リフからスタート。180v_rttシンプルに徹するRYOさんの8分のベース・ラインと…190ひたすらロックにグルーブするMADさんのコンビネーションが気持ちいいことこの上なし!200v「♪ウォウォウォ~」
ロックはコレよし。210vそしてカッコいいギターソロが来れば更に言うことなし…で、キタ~!
コレがSUPERBLOOD!
まさに潮に乗ってるわ!
220v続いての曲ではゲストが登場!230_ssfNAKED MACHINEからKANちゃん。
スペシャル・ゲストの達人!240曲は「SUPER SOUL FEVER」。
ダンサブルな1曲。
KANちゃんに持って来いではあるまいか!
100OKAHIROちゃんがココでも華やかなギター・ソロをキメておいて…260「♪スパソーフィバ!」
水を得た魚のように賑やかなパフォーマンスを披露するKANちゃん。
RYUさんとのコンビネーションも完璧~!270そのまま続けて2017年のアルバム『Raise Your Hands』からタイトル曲。
OKAHIROちゃんと…280_ryhRYOさんがオクターブ・ユニゾンで弾くブリティッシュ・ロック・スタイルのリフに…290vRYUさんのラップ調のボーカルズが重なる新旧折衷のナンバー。Img_1532 何かもう色んな要素が入っちゃってオモシロイわ!
「ジャンル、国境、民族、血統を越え、世界に発信することを願って命名」したという惹句にウソ偽りはないな、コレは。0r4a0185OKAHIROちゃんのソロになると…310vMADさんが倍テンに!
イケイケ~!Img_1872 そして、バキュ~ン!
ヤ、ヤラれた~!
イヤね、こんなことを書いたらSUPERBLOODのメンバーや熱心なファンの皆様に「ナンだ!上から目線でナマイキな!」と怒られそうだけど、私も50年にわたってロックに接して来た経験があるのでチョイと言わせてもらいますよ。
それは、冒頭にある通り7年ぶりに接したSUPERBLOODのスケールがあまりにも大きくなっていてビックリしたということ。
演奏技術とかそういうことを言っているのではありません。
本当に「ゴキゲンなバンド」になっているということよ!
自分たちの音楽を自信を持ってノビノビと演奏している姿が実に頼もしい。
同時に素晴らしく思ったのはメンバー・チェンジがないこと。
メンバー4人が同じ方向を目指して、互いに切磋琢磨し合いながら音楽をクリエイトしようする気概が感じられる。
要するに「ロックが本当にロックだった時代」、すなわち70年代のロックバンドの心意気を感じたのサ。320v「おおうち~!」の掛け声がかかる中、MADさんからひと言。
「オイオイ!苗字で呼ぶんじゃない、苗字で!
Cathouseの30周年をともに祝いたいと思う!」
(客席から)「おおうち~!」
「だから苗字で呼ぶんじゃない!
人の話しを聞け!
バンコク帰りの我々ですがどうかよろしく。
ガンバってるんでみんなオレたちを助けてくれ~!」Img_1870ということで、2014年の記念すべき初CD『Rescue Me』からタイトル曲。350vココからSUPERBLOODが始まった。360v2014年の富士スピードウェイは楽しかったね~、かなり寒かったけど…。
その時の様子はコチラ。
  ↓  ↓  ↓
2014 FIA世界選手権 第6戦 富士6時間耐久レース<前編>~SUPERBLOOD登場

370v「SUPERBLOOD、ギタリスト、OKAHIRO!」とRYUさんが叫ぶと…330v_m ジャケットを脱ぎ捨てて気合を再注入したOKAHIROちゃんがア・カペラでソロを披露。380vこのフレーズ、この音色、そしてこのアクション…ロックだナァ。
満員客席から上がる大歓声を浴びて思い切り弾きまくった!
440v出番の最後、すなわちイベントの本編の最後を締めくくったのは『I SEE THE LIGHT』のリード・チューン「RUNAWAY TRAIN 14」。
4人が激烈に燃え上がった!Img_1567   410v  000img_1908  
420v全7曲、コンパクトながらSUPERBLOODの魅力に満ち溢れたステージだった!
あ~、楽しかった。
Cathouse、30周年おめでとうございます!
450SUPER BLOODの詳しい情報はコチラ⇒SUPERBLOOD OFFICIAL WEBSITE

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200 (一部敬称略 2024年2月24日 新宿WILD SIDE TOKYOにて撮影)

2024年3月15日 (金)

NAKED MACINE in CAT冬FES 2024

 
前回に引き続いてのMarshall Blog初登場ネタ。
でも今回はイベント…DJ TAKE & Uckyによる『Cathouse』。
寡聞にして存じ上げなかったが、このイベント・シリーズ、ナント30周年を迎えたそうだ。
スゴイ。本当にスゴイと思う。
こうしたイベントものって始めるより続ける方がはるかに困難を伴うからね。
30周年、おめでとうございます!
今次開催されたのは『CAT冬FES 2024』。
10v出演は5バンド…いわゆる「ゴーマン」。
転換時にはステージに緞帳が下ろされてDJがイカしたロックをブッ放し続ける。
私でも聞き覚えのある曲が多くてうれしいね。0000r4a0160 そして緞帳が上がって登場したのは…20NAKED MACHINE!
オープニングは「MONOCHROME HEART」。30コレが昨年10月にリリースした3曲入りCD『MONOCHROME HEART』。
そのタイトル・チューンをいきなりお見舞いしたのだ。40cdKAN40v里村源多朗50v岡本啓祐60v本間大嗣70v源ちゃんが奏でる火花が飛び散るかのような攻撃的なリフ。
こりゃタマらんぜよ!Img_0711 こういうのはやっぱりMarshallが出すサウンドじゃないとサマにならない。
今日の源ちゃんは「JCM900 4100」と「1960A」。90v鉄壁のリズム隊が早くも大爆走!120ギターと同じラインで弾く啓祐さんのベースが曲を徹底的にヘヴィに演出する。130vKANちゃんの歌声が激烈なそのバンド・サウンドに乗って…140vギター・ソロ!
チラリと顔を出すディミッシュ・フレーズが効果的だ。Img_1175続いてはNAKED MACHINEのキラー・チューンのひとつ「The Vanity of the World」。150_vowこれまた痛快に突っ走るドライビング・ナンバー。
意表をつく転調が相変わらずカッコいい!
160v源ちゃんの肩に手を乗せて気合を送り込むKANちゃん(←ホンマか?)170本間さんはコチラ。
ツーバスが暴れまくる!

Img_1237 そしてギター・ソロ。
ハード・ロック・ギターの理想型がココにある。
180v「ありがとうございます…みんな、久しぶりだね!
なんと2月の末で今年初めてのライブです。
ようこそお越しくださいました。
そして以前に開催できなかったこの『CAT冬FES』。
2年越しで……エ、4年!? そんなに経ったの?
ハイ、4年越しで実現しました!」
200_2「そして、ナント!
『CAT HOUSE』の30周年おめでとうございます!
本当に今日はもう最初から、楽しくて、楽しくて。
NAKED MACHINE、心を込めて久しぶりのライブを歌わせて頂きたいと思います。
よろしくお願いします!」
スゴイな!
4年も保留されていたなんて…私だったら諦めちゃうよ。
190vギターのボリュームを下げて出すクリーン・トーンの源ちゃんのアルペジオに…220_tmKANちゃんの歌声が乗って始まるのは「Trust Me」。230vひとたび源ちゃんがギターのボリュームを上げると…MarshallサウンドによるいかにもNAKED MACHINEらしいハードなリフが炸裂!240vそのハードなリフに呼応する…Img_0762 リズム隊の疾走感がこれまた実に気持ちいいのよ!Img_1243 もちろんこの曲でもガッツリとギター・ソロ。
選び抜かれた音を完璧な配列でつなげた極上のメロディが詰め込まれている。Img_1175_2 しかし、この曲ってサビがすごくいいんだよね。
NAKED MACHINEの特徴である転調も盛り込まれている。Img_0845 突然ですが…ココで丸ノ内線「新宿三丁目」から地下鉄に乗ってロンドンのディストリクト線かサークル線の「タワー・ヒル駅」まで移動するよ。
駅の改札を出るとこんな眺め…いきなり中世の世界。
コレは「ロンドン塔(Tower of London)」。
かつては国王の城だったが色々な用途で使われ始め、しまいには監獄や処刑場として機能した。
「アレ、いいの?…オマエ、そんじゃいっぺんロンドン塔行ってみる?」というのは「死刑!」と同じ意味だった時代があったらしい。280有名なヘンリー八世の2番目のお妃であったアン・ブーリンは施設内にある下の写真のモニュメントの場所で首を落とされた。
 
この辺りのことはMarshall Blogでジックリ取り扱っているので興味のある方はコチラをご覧あれ。
   ↓     ↓     ↓
【イギリス-ロック名所めぐり】vol.63~ヘンリー八世と六人の妻 <その3:アン・ブーリン>
330このロンドン塔の塀の外はこんな感じ。
テムズ川にかかるタワー・ブリッジがすぐ隣。
310そのテムズ川からロンドン塔に船で入ることができる水門がある。
290
冠木(かぶき)に付けられたプラークにあるのは「Traitor's Gate(トレイターズ・ゲイト=裏切り者の門)」。
テムズ川を下ってやってきた罪人のロンドン塔への入り口。
ココを通り抜けた者は二度と外へ出ることはなかった。
300アン・ブーリンもこの門をくぐってロンドン塔に運び込まれたという。320vそこで本日の4曲目は『MONOCHROME HEART』収録の「Traitor's Gate」。
CDでは水が滴る音と「ギィィィィ」と門扉が開く音から始まるんだゼ。
まるで実物を見て来たかのような演出がうれしい。
40cdライブでは源ちゃんが弾くリフから。
おお~、「Traitor's Gate」のイメージにピッタリじゃ!340tg3/4と4/4拍子が交錯するハードな1曲。
0r4a0097「♪アナタだけのために首を捧げた」
コレはアン・ブーリンのストーリーというワケではないけど、いいね、いいね~。
「♪キレイに落としてね」。
アンの首がキレイに落ちたかどうかは上で紹介した「名所めぐり」をご覧ください。
Img_0853ちなみに「裏切者」を表す代表的な英単語にはこの「traitor」とそれよりよく知られる「betrayer(ビトレイヤー)」というのがあるんだけど、「betrayer」は「個人的な裏切り者」を指す。
一方の「traitor」は「国を裏切る」みたいな大きな裏切者を指す。
例えば「シーボルト事件」の高橋作左衛門景保とか「ゾルゲ事件」の尾崎秀実(おざきほつみ)が「traitor」だ。
一方、源ちゃんのギター・ソロは…裏切らないナァ。
期待通りの弾きっぷり!
360v最後の「Traitor's gate」の連呼がうれしいね!
ホントに素晴らしい!
ナゼ私がこの曲にこんなに興奮しているのかというと、それは源ちゃんとKANちゃんがMarshall CODEのデモ・ビデオの撮影に来てくれた時のこと。
撮影後の打ち上げの席で私がこのロンドンの「Traitor's Gate」の話をした。
すると2人が「『Traitor's Gate』っていいね~。曲を作ろうかな~」ということになった。
そしたら本当に作って最新作に収録してくれちゃったのよ!
ん~、やっぱりNAKED MACHINEは裏切らない!
チョットこの曲に関連して…「絞首台」のことを英語で「ギャロウズ(gallows)」というんだけど、ナゼか複数形なの。
どう?次は「Gallows」なんて曲。
370その時撮影したビデオはコチラ。
まだご覧になられていない方は是非どうぞ!
続いては「Fire Fire」。380_ffコレは前回見た時にも演奏したまだ音源化されていない曲。390vコレもタイトル通りやたらと熱気あふれるナンバーなのだ。
アッチッチよ。
次のCDには収録されるのかしらん?400「歌える人がいる、エヘヘヘ…歌いたくなっちゃうか?
一緒に歌おうね!
さぁ、私たちはあと2曲で終わりです。
NAKED MACHINEはまた3月にみなさんの前に現れると思いますのでまた遊びに来てくださいネ!」
…と、直近の予定を案内。400v残りの2曲のうちのまず1曲目は源ちゃんのギターから「Glory Days」。410_gdあと2曲と聞いて客席がさらにヒートアップ!420その熱気を最後まで正面から受けて立つKANちゃん。
気合の入りようが見て取れる。430最近オリジナル・ピックを製作して物販で販売しているというKANちゃん。
源ちゃんとのギター・バトルが楽しみだ!450そしてNAKED MACHINEの出番を締めくくったのは…0r4a0066いつも通りの「Fight to Survive」だ!470v「♪Fight!」500v「♪Survive!」510v「♪Alive!」
毎回同じでスミマセン。
でもこうするのが好きなのです。520vピック・アップからスタートする源ちゃんのソロ。
いい音だ。
Marshallの音だ。
真空管アンプの音だ。
客席の一番後ろにいる私の耳にシッカリと飛び込んで来る。
「ああいうの」だととてもこうはいかない。480 ステージ下手のようす。
こちらも燃えています!
490そしてステージ後部では本間さんが大スパーク!440 「どうもありがとう!どうもありがとう!」Img_13847曲、粒よりのNAKEDナンバーを揃えて臨んだステージ。
最高にカッコよかった!535NAKED MACHINEの詳しい情報はコチラ⇒NAKED MACHINE OFFICIAL WEBSITE

0r4a0142 <つづく>
 

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筋金入りのブリティッシュ・ハード・ロックをお楽しみアレ! 
 
<I Get High>

<Strut>

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9img_9727 200 (一部敬称略 2024年3月24日 新宿WILD SIDE TOKYOにて撮影)

2024年3月13日 (水)

Risky Melody~メジャー・デビュー記念/10th Anniversary Tourライブ「Love is ...」FIRST DAY』

 
今日はMarshall Blog初登場のRisky Melody(リスキー・メロディ)。10vメジャー・デビュー・シングルのリリースとバンドの10周年を記念するツアーの初日ということで豪華な祝い花が会場のロビーに並んだ。20ステージ奥にメンバーひとりずつのポートレイトがディスプレイされた後、凄まじい歓声を浴びながら5人がステージに姿を現した。
レーザーがギンギンに飛び交う1曲目は「REBOOT」。
100_rbtALICE40vAsumi50vAsumiちゃんはMarshall。
この日は「DSL100H」と「1960A」を使用した。60vAYA70vHaRU80vayae90v大興奮の客席に向かってパワフルな歌声を浴びせかけるALICEちゃん。110vAsumiちゃんもお立ち台に上がってソロ!120「ノッてますか~?ひとつになって行きましょう!」
そんな…ワザワザ確認しなくても客席のようすを見ればノッているかどうかは一発でわかる!
30「♪ウォウオウオウ~」
2曲目はRisky Melodyのライブの定番曲「ALL AS ONE」。
130_mc「みんなで歌うぞ!」
150vメンバーの歌に合わせてもちろん客席は大合唱。
160vとにもかくにも盛り上がりが尋常ではないぞ、コリャ!0r4a0065「皆さんこんばんは…Risky Melodyです!
本日はメジャー・デビュー記念ライブにお越し頂きましてありがとうございます!」
大事な記念ライブということで、ALICEちゃんのご挨拶につづいて各メンバーからもひとことずつお礼の言葉が述べられた。
170v_mc続いてはとびっきりダンサブルなナンバー「OUT THE JOKER」。180_otjもはや熱気のカタマリと化した客席を前にALICEちゃんも大熱唱。190vそして、それに応えるお客さん。
この燃え上がりの連鎖は抑えようがない!195 AYAちゃんの印象的なキーボードのフレーズからスタートするのは「CRAZY LOVE」。
ウッワ~、このフレーズ耳に残るわ~!
200_cl鬼気迫るドライビング・チューン!220Asumiちゃんはスイープを駆使したトリッキーなソロをブチ込んだ。230vALICEちゃんがジャケットを脱ぎ捨ててさらに気合を入れる!240_jh曲は「銃口に花束を」。
『傷だらけの天使』のタイトルみたいだね…と言ってもダレもわからないか。
250ココでもAsumiちゃんのギターをフィーチュア。250vしかし、このチームはキーボーズのアレンジが実に巧みですな。
聴いていてすごくオモシロイ。
Img_0485 「ありがとうございます!
今まで全部自分たちで詞を書いて来たんですが何か足りないナァ…という感じがして、このままメジャー・デビューしていいのだろうか?という葛藤があったんです。
そこで、新たな挑戦としてメジャー・デビューの曲の大事な詞をどなたかに託す…ということもアリなのではないか?と未来への大きな決断をしたんです。
その時、私の心の中で密かに作詞をお願いしたいという方がありました。
今回はその『私の中のスター』の相川七瀬さんに詞を書いて頂いたんです!
こんなことがあっていいのか…と思って半年間過ごしていましたよ~」260v「七瀬さんが飼っていらっしゃったネコの名前が『リスキー』ちゃんというので、もしかしたらそういうところで縁を感じて頂けたのかなと思いますね~」Img_0554そして「一生に一度の」とメジャー・デビュー・シングル「いたいいたいあい」を紹介。
お客さんはこの曲を人前で演奏するRisky Melodyの目撃者となった。280vややヘヴィなミディアム・テンポでやっておいて…0r4a0082 そして「♪いたいいたいあいは」のパートで大爆発!
270転調を加えつつストレートに突き進むサマは気分爽快!0r4a0147告知のコーナーを経て、さらにショウのボルテージは上がっていく。300_akまずはAsumiちゃんが弾くリフから「アイのカタチ」。
ALICEちゃん、再びジャケットを身にまとった。
私も仕事がら無数のライブ・ステージを観てきたが、音楽のジャンルを問わず一度抜いたジャケットをまた身に着けるケースは珍しい。
310vコレはもう問答無用にブッとばすヤツ!
意表をついた転調が耳を惹く。330v曲の後半ではAsumiちゃんのギターがガツンとフィーチュアされた!
アンプはMarshallです。
320vさらに曲はAYAちゃんのピアノ・ソロから2人のアンサンブルへと続く。
Img_0485次は「いたいいたいあい」のカップリング曲で「記憶の岸辺」。
曲調がシットリ・ムードに変わるとALICEちゃんの歌声がガラリと替わるのはお見事。340_kkMCをはさんで「My Story」。
Asumiちゃんがアコースティック・ギター、ayaeちゃんがパーカッションに持ち替え。370_msこの布陣でもう1曲「閃光よりも眩しいヒカリ」を感情豊かに歌い上げた。380v_smh下北沢で「VOICE FACTORY」というライブハウスを運営するRisky Melodyがコロナのピンチの時に作ったという曲が続く。0000r4a0033 曲はその名も「To Survive」。
430Asumiちゃんはギターを持ち替え。410v「この曲が私たちを強くしてくれた」という曲の説明が納得できる勇猛なハード・チューン。360v「そんな私たちのホーム…今もピンチなんですが、実は未来に向けて現在改装中です!
Risky Melodyが変わっていってもそこだけは変わらずに『みんなとの思い出の場所』として守っていきたいと思っています。
そんな大切な場所に対する気持ちを歌った曲です」
590…というMCに続いて「Place of Destiny」。
「運命の場所」か…ALICEちゃんのMCを聞いた後にはココは「運命の在処(ありか)」なんてしておきたいね。
0r4a0098ツーフィンガーで小気味よいグルーヴを醸し出すHaRUちゃん。
Img_0398 「ライブも終盤!いこうか~!」Img_0572 クライマックスに向けて更にパワーアップしたのは「Reflection」。450_rf「♪Now or never」のコーラスと交錯するALICEちゃんの激唱!460「さぁ、タオルを持っている人は一緒に回していきましょう!」470_ed今度はタオルでステージと客席が一体となった「ENDLESS DREAM」。
皆さん、とても楽しそうでした。
00img_0670 バンドの10年間を振り返るMCの後は「PHOENIX」。
まぁ~、コレがまたスゴかった。
480掛け声とともに会場全体がジャ~ンプ!500「10周年、ココからがスタートでございます!
これまでいいことや苦しいことが色々とありましたが、みんなの想いや愛情でRisky Melodyは存在できています。
だけどその愛情が信じられなくて人を傷つけてしまったこともありました。
10周年を迎えることができればその時は『愛』をテーマに活動したいとズット思って来たんです。
そして、みんながいたからココまで続けることができました…ありがとうございます。
これからはその恩返しができるバンドになりたいと思います!」510vそして、この1年の活動のテーマである「いたいいたいあい」のカップリング曲「Love is...」を5人が一丸となって演奏して本編の幕を降ろした。520v 210v_2 530 540 560vこうして狂熱の中、『Love is...』の本編が終了。570本編が終わった瞬間に凄まじい「アンコール!」の叫び声が会場を満たす。580アンコールの1曲目は「UNITE」。
そして、2曲目にもう一度演奏した「いたいいたいあい」では作詞者の相川七瀬さんが登場して会場を沸かせに沸かせた。0r4a0171 そして、この記念すべきライブの最後を締めくくったのは「Risky Melody」。
最期の最後まで全力疾走した激情のステージ!
メジャー・デビューおめでとうございます。
ツアーいってらっしゃい~!610v  620v 630v 350v 640vRisky Melodyの詳しい情報はコチラ⇒Risky Melody Official Site

650 

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<Birdsong>

<Today We're Warriors>

<Monsters>

<Heart is on Fire>


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200 (一部敬称略 2024年2月22日 赤羽ReNY alphaにて撮影)



2024年3月 8日 (金)

A DOUBLE BOOKING <後編>~J-street R&R Band

 
この日最初に登場したsimoの関雅樹が「地元のおじさんのバンド特集」と説明したイベント『A Double Booking』。
「地元」とは「所沢」。
後半はその所沢の大ベテラン・チーム、J-street R&R Bandが登場した。
今、ショウの方は休憩中なので、その間脱線させて頂きますよ。
10vMarshall Blogで何度も触れて来たんだけど、私は父の影響で10歳にならないうちから映画に夢中だった。
いつの間にかスッカリ消え失せてしまったけど、毎晩のように放送されていたテレビの洋画劇場に父が推薦する映画が登場する時には間違いなく欠かさず観ていた。
父の推薦する映画にはハズレが全くなかった。
ビデオもない時代、目を皿のようにしてブラウン管に向き合った。
今考えてみると当時は実にノンビリしていた時代で、『大脱走』とか『荒野の七人』とか長尺の映画は前後編に分けて放送されるのが普通だった。
「後編」を待つ間の1週間が長くてネェ。
そんな作品のひとつがヴィクター・フレミング監督の『風と共に去りぬ』だった。
最近の若い人たちってサブスクの映画なんかを倍速で観たりしていると聞いた。
「信じられない!」と言いたくなるが、それも無理からぬことと思ったりもしているのね。
要するに観る速度を倍にしなければ鑑賞に耐えない映画だっていうことでしょ?
そんなこと…『風と共に去りぬ』や『七人の侍』に対して絶対にでませんよ。
さて、下は他人から見ればゴミ同然の私の映画チラシのコレクションから(←犬神サアカス團「たからもの」より)。
美しい「スカーレット・オハラ」を演じたヴィヴィアン・リーは実はイギリス人。
南北戦争を背景にディープ・サウスを舞台にしたこの映画のヒロインを演じたのはアメリカ人ではなかった。
この映画が公開された時、アメリカのボーイズたちは「イギリスにはこんなに美しい人がいるのか!?」と腰を抜かして驚いたらしい。
私は女性的で心やさしいメラニーを演じた東京生まれのオリヴィア・デ・ハヴィラントの方が好みだったりもするな…目がとても大きくてよ。
さて、この作品でアカデミー主演女優賞を獲得したヴィヴィアン・リーは、この12年後にエリア・カザン監督の『欲望という名の電車』で「ブランチ・デュボア」を演じて再びオスカーを獲得した。
こっちもモノスゴク良くてネェ。好きで好きで一体何度観たことか…
ロンドンの「ヴィクトリア&アルバート博物館(通称『V&A』)」に行くと『欲望という名の電車』で獲得したオスカー像と撮影時に使用したブランチのカツラが展示されている。
興味のある人はコチラをご覧あれ。
  ↓  ↓  ↓
【イギリス-ロック名所めぐり】vol.41 ~ V&A『Theatre & Performance』の最新展示

15ところでナゼ突然『風と共に去りぬ』なのかと言うと…J-street R&R BandがオープニングのSEにこの映画の主題曲である「タラのテーマ」を採用していたから。
マックス・スタイナーが作ったこのメロディの美しいこと!
映画の中で感動的に使われるのは、第1部の最後で空腹に耐えかねたスカーレットが土にまみれた痩せ細ったラディッシュを口にして「今後は盗みをしようと、人を殺そうと、私は自分と家族を飢えさせはしない!」と宣言をするシーン。
もうひとつは、強くなり過ぎちゃったスカーレットが両親も娘も兄弟も、そして最愛であったハズの夫レッド・バトラーも失い、ひとり残されてしまったスカーレットが口にするラストシーン。
「Tara...home.  I'll go home.  And I'll think of some way to get him back.  After all tomorrow is another day!(タラ…私の家。タラへ帰ろう。そして彼を取り戻す方法を考えよう。とにかく明日という日は今日と違う日なのだから!)」
ココに「タラのテーマ」がドーン!と被さって来る。
イケね、コレを書いているだけ涙が出て来てしまったわい。
しかし、「ララ」だけじゃなく、「タラのテーマ」とか「エデンの東」とかニュー・シネマが跋扈する前のハリウッド映画には殺人的に良い曲がゴロゴロしていた。
さて、ステージの方。
「タラのテーマ」が流れる中、「Tokorozawa...home.  We'll back home.  And we'll thing of some way to get back the good old rock'n' roll.  Today is a big and special day!」とは言わなかったが…20「Are you ready!?」と景気のよい声が上がった。
いよいよJ-street R&R Band(以下「Jスト」)の登場!
1曲目は「Crazy driver」。
30吉角英麿40v伊賀武氏
50v荒井謙次70v伊東昌喜
320v平岡利之100v小原智雄140v吉角さんと伊賀さんのツイン・ボーカルズ!
これぞ聞き違いなど起こりようががない「日本のロック」!
ウ~ム、Jストの音楽を聴くのはこの時が初めてのことだったんだけど、このサビには猛烈な親近感を覚えるな。
きっとコレが私の中の「日本のロック」の原風景のひとつなのであろう。
180ああ、Marshallを通じてレス・ポールとストラトキャスターが奏でるこのツイン・リード…涙が出て来るわ。
S41a0591伊賀さんのアーシーなリフからスタートする2曲目は「Department girl」。S41a0581 ゴキゲンな軽いクランチ・トーンを送り出しているのはMarshall STUDIOシリーズから「ST20H」と「ST212」。
STシリーズはMarshallの第一号機である「JTM45」の三代目モデルを小出力カしたすぐれもの。60vメンバー紹介をする後ろにドラムスが加わる。190v_dg小原さんが叩いているのはNATALの新商品「ZENITH(ゼニス)」。
50~60年代のビンテージ・テイストを忠実に再現したキットだ。
150ドスの利いた声でコッテリと歌い上げる吉角さん。210そして伊賀さんのソロ。
70年代にタイム・スリップしたようだ。
こういうギターは不滅だね。
イングヴェイ以降はずっとピロピロづくしだったからナァ。
230「改めまして所沢最強コミックバンド『J-street R&R Band』です!
よろしくお願いします。今日は存分に楽しんでいってください!
前回もコレをかぶったんですが、お客さんからは『アレどうなの?』なんて反応でした。
でも意外にもメンバーから「いいよ!」て言われたので今日もこの姿で現れました」
寡聞にして「J」がナニを意味しているのかは存じ上げないが、今でこそ「『J』ナントカ」というのは珍しくないけど1981年の結成当時にはかなり珍しかったのではなかろうか。240v雰囲気を替えて3曲目は「Raindrops」。250_rd吉角さんの声がユッタリ・ムードの中でより一層存在感を際立たせる。
「♪キミの町まであと少し」…いいナァ。日本のロックだナァ。
この町は所沢であろうか、それとも飯能であろうか?
260v伊賀さんと…270平岡さんのコーラスがサウンドを分厚く演出する。
誰かさんが平岡さんを「コワい」と言っていたが、イヤイヤ、このとてもやさしい歌声はそんなことを微塵も感じさせない。280v続いては「Milk」という新しい曲。
曲を新たに作り続けているというのも立派!
290_mk小原さんと平岡さんがヘヴィ級のグルーヴを繰り出すミディアム・テンポのナンバー。300v「あいみょんみたいな優しい曲」と紹介していたけど、「あいみょん」ってこんな曲を演ってんの?
ところで平岡さんが使っている今日のMarshall。310実はヘッドはJCM800時代の1959…つまりギター・アンプ。
じゃあスピーカー・キャビネットも?
ギター用の4x12"キャビ「1960B」と思いきやさにあらず。
コレは「IBS(Integrated Bass System)」というベース・アンプのシリーズのひとつで、2×10"+1×15"のスピーカーが搭載されておりバイアンプができるようになっている。
120vその証拠にリア・パネルには2つのインプットを搭載している。
こんなん初めて見たわ。
130伊東さんがエレピのサウンドでファンキーなソロをキメる!220そして荒井さんがハードなソロで曲を締めくくった。330荒井さんもSTUDIOシリーズ。
永遠の名機「JCM800 2203」を小出力化した「SC20H」と「SC212」だ。80v「ありがとうございます。どこが『あいみょん』なんだよ!」
ヤッパリそうだったのね?350v「次に演る曲は1984年にヤマハの『EAST WEST』というバンド・コンテストで決勝大会までいった時の曲です。
ボクは所沢の地区大会に出て、そこで優勝して決勝大会まで駆け上がったんですが、実はその所沢大会の時の審査員が森園勝敏さんだったんです。
森園さんがボクらの曲を選んでくれて、終わった後に『いい曲だね!』って言ってくれたのをみんなですごくよろこびました。
今日は本当に森園さんとご一緒出来てとてもうれしいです」
森さんからそんなことを言われたら照れるね。
懐かしいね、EAST WEST。
私も高校の時に…つまり1978~1979年にかけて何度か予選会に出たけど、その時の審査委員は妹尾隆一郎さん、山岸潤史さん、鳴瀬喜博さんの皆さんだった。
「ギターの人(私)がワウワウを踏む時にリズムが乱れる」とナルチョさんに指摘され、大分前にこのことをご本人にお話したら「エラそうなことを言ってスミマセン!」と大爆笑されていらっしゃった。
そして、Jストのスタッフの方に頂いた情報によると、1984年の決勝大会ではsimoの岡井大二さんが審査員のひとりをお務めされている。
ところでこの『EAST WEST』という名称ね、イベントの関係者が当時津田沼かどこかにあった英会話教室の名前だったそうだ。0r4a0465 1984年度のEAST WESTのライブ・アルバムにも収録されているその曲は「Fortuity」。
「fortuity」とは「偶発的な出来事」という意味。
0r4a0371 おっとな~!のサウンド。
こういう曲を演るバンドがコンテストに出ていたんだからスゴイ時代だった。
森さんがおっしゃったようになるほど良い曲だ。
「♪Take a chance」を2度繰り返すところがすごく魅力的だな。
370v伊賀さんのソロが華麗に曲を彩る。410vディミッシュ・フレーズにハッとさせられる伊東さんのオルガン・ソロ。
聴きどころ満載の1曲だ!420「お礼だけ言わせてください。
ブルース・アレイ・ジャパンのスタッフの皆さん、諸々ありがとうございます!」430vお客さんから伊東さんへお誕生日のプレゼントが渡されるひと幕も。
「みんな、今日はボクのために集まってくれてありがとう!」
440その伊東さんのピアノをバックに…450v切々と吉角さんが歌い上げるバラードは「あの空の下」。460vコンパクトながら効果的なツイン・リードのアンサンブル。
こうしたサウンドがこの世から消えてしまったのは一体いつからなんだろう?
BAD SCENEとかなつかしくて仕方ないわ。
480「それでは、そろそろラストです。
皆さん、飲んでます?
たくさん飲んでくださいね。食べ物もどんどん頼んでください。
そうすれば私たち、またブルース・アレイさんから呼んで頂けますのでね。
よろしくお願いします!」0000r4a0395 「Rollingh down the J street」はノッケから気持ちのよいツイン・リード・ギター。500_rdtsめんたんぴんとか、センチとか、歌詞も含めてやっぱりこういうサウンドが「日本のロック」の雛形のひとつだよな~…この日、なんかモノスゴクそれを感じてしまった。
530荒井さんが絶妙なオブリガードを入れ込んで来て…520vエキサイティングなソロを披露!545v今の曲でガツンと盛り上がっておいて本編の最後を飾ったのは「Draggin' on the highway」。510最後の最後まで「J-street R&R Bandサウンド」をブチかましてくれた6人。
若い人にも聴いてもらいたいナァ…コレが「日本のロックだよ」って。560v 570v  580 590 
770v 
610vお客さんから花束贈呈。
そういえばステージと同じぐらい、あるいはそれ以上にエキサイトしていたテーブルがあったナァ。
それでいいのだ!615アンコールではsimoの関雅樹と森園勝敏が合流。
「ありがとうございます!Jスト”最高でしたね!
せっかくですのでちょっとインフォメーションさせてください」
関ちゃんが着ているのは伊賀さんとやっている「TZ's(ティーザーズ)」のロゴTシャツ。
「TZ's」とは「トコロザワーズ」だって。620そして関ちゃんが手にしているのはこのチラシ。
TZ'sのライブ告知。FlJ-street R&R Bandに森さんと関ちゃんが加わってのアンコールの1曲目はJストのレパートリーから「そんなon the Road」。630イメージ・チェンジしてきた吉角さん。
曲はサビ付きのシャッフル・ブルース。640vコレぞジャム・セッションの醍醐味、ギター合戦だよ~!
伊賀さんがボトル・ネックで攻めて来れば…0r4a0503 後輩もボトルネックで応酬。S41a0745 後輩の師匠はホンの少しの音数でスゴイ世界を創りあげ…670v荒井さんがハードに締めくくった!680v「森園さん、その節は審査員をして頂きありがとうございました。おかげさまで優勝することができました。
関雅樹と森園勝敏でした。ありがとうございました!
かなり盛り上がってますけど、次に演る曲は唯一のカバーです。
44年前にこのバンドを結成してしばらくして演っていた曲です」710再び伊東さんのピアノをバックに…
750吉角さんがおなじみの歌メロを被せたのはレイナード・スキナードの「Free Bird」。740vこの曲でも伊賀さんがゲイリー・ロッシントンのパートでボトルネックの妙技を見せる。
ところでこの伊賀さんが弾いているギター…見たことないでしょ?0r4a0511 コレは関ちゃんのスタッフであり、私の友人のギター・ビルダーが作っている「七画の音工店」のオリジナル。
薄めのマホガニーのボディから出ているとは思えないシッカリした太い音が出ていた。730そして、お待ちかねの後半のギターのパート。
まずは荒井さんがアレン・コリンズが弾いた通りにプレイ。790リズム隊がココで大爆発!600v 
780vそして伊賀さんがボトルネックをハズしてギター・バトルに加わった!S41a0854 好きなだけ弾いてください!
かつてはこういう音楽がもてはやされていた時代があったんだ…いい時代だった。800当然のごとく盛り上がりに盛り上がって『A Double Booking』の幕を降ろした。
割れんばかりの拍手と歓声が6人に浴びせられた。
 
J-street R&R bandの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site810*オマケ*
どうでもいいことなんだけど、私は「死ぬまでに持っているCD5,000枚を全部聴く」という荒行に取り組んでいる。
アルファベット順に1枚1枚聴き進めていて、大分前にジャズを終えて、今ロックの「G」が終わって現在は「H」と格闘しているところ。
正直私はフランク・ザッパ以外のアメリカン・ロックを自ら進んで聴くことはほとんどなく、「G」の時に超久しぶりにグレイトフル・デッドを泣く泣く聴いた。
これぞ「荒行」!
そしてレコードの頃はに3枚組で販売していた『Europe '72』というライブ盤を聴いて驚いた。
アルバムの最後に「(Walk Me Our in the)Morning Dew」というボニー・ドブソンというカナダのシンガーソングライターの曲が収録されている。
コレはジェフ・ベックがBBA時代に「Morning Dew」として取り上げていた曲なので古いロック・ファンの方ならきっとご存知の曲であろう。
それでこのデッドのバージョン、オリジナルとは似ても似つかないアレンジなんだけど、コレが「Free Bird」の前半にソックリなのだ。
放っておくと本当にアレン・コリンズがギターを持って乱入して来そうなぐらい。
デッドのライブ盤のリリースが1972年11月、「Free Bird」が収録されているレイナードのファーストアルバムのレコーディングが1973年の3~5月…フフフ、アレン・コリンズかロニー・ヴァン・ザントはかなり高い確率で『Europe '72』を聴いていると思う。
ああ、昔のロックはたのしい!

<おしまい>

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Thin Lizzyがお好きなご貴兄に…GRAND SLAM。
 
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200 (一部敬称略 2024年2月18日 目黒ブルース・アレイ・ジャパンにて撮影)

2024年3月 6日 (水)

A DOUBLE BOOKING <前編>~simo with 森園勝敏

 
『A Double Booking』と題したライブ。
ドキっとするよね~、ダブル・ブッキング。
本当に気を付けなければいけないし、滅多にないことだけど、チョットした確認を怠ってでやってしまった時のあの罪悪感!
以前、今日登場するsimoの関雅樹さんに大変なご迷惑をおかけしたことがあったんですわ。
改めてこの場をお借りしてお詫びさせて頂きます。
今日は大丈夫。
タイトルはそのダブル・ブッキングとは関係のない「ヘッドライナーが2つブッキングされているよ」ぐらいの意味であろう。
要するに「ダブル・ヘッドライナー・ショウ」ということ。
決して「ツーマン」ではありません。
「ツーマン」、「スリーマン」という世にもキテレツな表現は本当にヤメましょう。
今回のキャストはsimoと所沢出身のJ-Street R&R Band。
下のチラシにあるようにMarshallでサポートさせて頂いた。
10v会場は久しぶりの目黒ブルース・アレイ・ジャパン。
ステージはこんな感じ。
Marshallがズラリ!いい~ながめ!
20上手はSTUDIOシリーズ・ゾーン。30下手にもSTUDIO。
ベース・アンプもMarshall。40そしてステージ中央にはNATALの新商品「ZENITH(ゼニス)」。
今回はこのような形でサポートに臨んだ。
50最初にステージに上がったのはsimo。
冒頭ア・カペラでループを使用したギターが鳴り出した。60ギターは関雅樹。
曲はU2の「With or Without You」。70vそしてバンド・アンサンブルとなる。80石井為人90v宮野和也100v宮野さんのアンプもMarshall。
このスピーカー・キャビネットは珍しい。
詳しくは<後編>で。
110v岡井大二000s41a0155 このZENITHはすでにビデオの撮影で使用していたが、ライブ・ステージではこの時が本邦初公開だった。
つまり大二さんの手足によって初めて人前で音を出したというワケ。0r4a0268もちろん関ちゃんもMarshall。150STUDIOシリーズのヘッド、SV20Hと2x12"の1922を組み合わせ、それに1987のコンボ2187を併用してステレオで鳴らした。
2187の上のORIGIN20Hはスペア。
160続いての曲は「Pinky」。170_pk昨年リリースしたsimo初のCD『ROCK EXTRA』のリード・チューン。0r4a03212_2自ら「自信作」と呼ぶだけあって思い入れタップリのギターがとても心地よい。180為人さんのピアノ・ソロ。
曲のコンセプトを十分に咀嚼して奏でるメロディがコレまた心地よい。190もうひとつ心地よいのが大二さんのブラシさばきね。
サクサクと曲のイメージを確固たるものにしていく。
00320 「ありがとうございます。simoです。
今夜の出演はJ-street R&R Band、そして我々simoの2バンドです。
日曜日のお忙しい中、皆さんようこそお越し頂きました。
最初に断っておきますが、ボクらインストゥルメンタル・ロックバンドということで歌がないんですよ。歌のない音楽となるとどうしても構えて聴いちゃうことがある…そんな必要はありませんからね。
ヤンヤの歓声、黄色い声援、『大ちゃーん』とかそういうのがうれしいですネェ」
205v「なぜ今夜なの?この2組なの?ということを説明しておきます。
J-street R&R Band…いわゆる『J-st(ジェイスト)』ですね。
私の地元の所沢で結成して44周年。
スゴイですよね…名前を変えずに44年も演り続けているバンドです。
で、メンバーの方がボクよりひと回りチョットくらい先輩なのかな?
遡ること30数年前、当時18歳だった関少年は新所沢にあった今はなき『ペギー・デイ』というライブハウスでアルバイトをしていました。
その時にJ-stの今日メンバーの方々が出ていて当時から本当にカッコよかったんです。
でも気軽には話しかけることができない…コワかったですよ~。
ベースの平岡さんなんてメッチャ怖かったですからね。
月日は流れまして、ココ数年我々simoは所沢に頻繁に呼んでもらっておりまして…所沢市のイベントとか所沢まつりとか。
ということで、わかりやすく言うと今日は『地元のおじさんのバンド特集』なワケです。
地元の先輩がコノおしゃれな街、目黒で演奏するということでボクも自慢のメンバーを連れてお邪魔したというワケです。
今日は次に出るJ-stに向けてどんどんボルテージを上げていきたいと思います。
みんな最後まで盛り上がっていくぜ~‼」
2103曲目は「Koto」。
240_ktsimoのステージではきっと演奏されるバンドの愛奏曲のひとつ。
関ちゃんはレス・ポールに持ち替え。
260vココでも為人さんの素晴らしいソロ。
このパートだけでもう1曲になっている感じ。250vそして作曲者である宮野さんのソロ。270為人さん同様、序破急に則った端正なソロを聴かせてくれた。280v_2つづいてコレも「Pinky」と並んで関ちゃんが「自信作」と思っているのではないかと私が勝手にニラんでいる「De・Mo・Ne」。
そういえばこの日、リハーサルで新しい曲を演奏していたな。
それがとてもカッコよくて、発表するのを楽しみに待っているところ。
ドンドン作ってください。
音楽家は「音楽を創る」ことが一番のお仕事ですから。290_dmn為人さんはオルガンを演奏。
本物のレスリー・スピーカーから出て来る音の素晴らしいこと!
やっぱり何ごとも「ホンモノ」には構いませんナ。300迎え撃つは関ちゃんが奏でる真空管ギター・アンプのサウンド。
コレもホンモノ。
極上のトーンが織りなす大人のギター・ソロ。
やっぱりいいもんです。310vそして、大二さんが叩き出すZENITH(ゼニス)のふくよかなトーン。
ZENITHはNATAL(ナタール)が自信を持って送りするヴィンテージ・テイストのキット。
大二さん、ニンマリ。
プレイにも気合が入る!
130v「ありがとうございました。
良い感じであったまってきましたね…みんなノッテルかい!イエイ‼
コチラのお店は目黒の老舗ジャズ・クラブです。
出演するバンドは音楽的にはジャズだけということではなく、フュージョンなんかも盛んに演奏されています」S41a0181 「ボクの後ろをご覧ください。ロックといえばMarshallですよ!」
330「このブルース・アレイ・ジャパンにこれだけMarshallを持ち込んだのはボクが最初じゃないですか?
ギター・アンプは当然Marshall。
ベース・アンプもMarshall」0r4a0028 「そして大二さんが使ってるNATALドラムス…コレもMarshall傘下のブランドです」
350大二さんが再びニンマリしながら指をさしてくれたZENITH。
終演後、初めて叩いたご感想を伺うと…「もうバッチリ!」
そう言われると照れるね。
ナゼそんなにバッチリなのか…私にはわかる。
360音が良くて「バッチリ」なのは誰でもわかる。
大二さんの「バッチリ」はそれだけではないのだ。
下は1972年頃、四人囃子が始まる時に大二さんが入手したイギリスのPremier製のドラムス。
「円盤」も「ネッシー」もコレで録音した。
このPremierのキット、雰囲気が今回のZENITHに似てやしまいか?210だから大二さんのニンマリ度が高いのだ…と私は思った。
つまりZENITHはそれだけ忠実にビンテージ・テイストを再現できているとうこと。
現役の方にお気に召して頂いているのだから間違いない。
ちなみにMarshallの創設者、ジム・マーシャルは元プロのドラマーでPremierの最初のエンドーサーだったんですよ。340「今日はまるでMarshallの展示会のような勢いでお送りしております。
simoは、普段からMarshallさんにバックアップをして頂いておりまして、チラシにあるように今日もバッチリとサポートして頂いております。
今日のライブの模様は『Marshall Blog』というオフィシャルのブログでレポートされます。
Mashallのブログといっても代理店ではありませんからね。
イギリス本国のMarshallの方が今日もお見えになっています。
もう目黒でロックするぜ!ってことでして、これだけMarshallを並べたのは気合が入りました!」340v「『気合が入る』といえば、先輩であるJ-stのリハが先週あったんです。
陣中見舞いにお邪魔したんですが、6時間立ちっぱなしのリハーサル!
ホント気合が入ってますよ。
ということでボクらも気合入れておりますのでお客さんがより楽しんで頂けるように…そして、ワタシも大好きな先輩方に楽しんで頂こうと素敵なゲストをお招きしました。
日本が世界に誇るスーパーギタリスト…ワタシの師匠、森園勝敏!」
370vココからステージの様子がガラリと替わって「ブルースの世界」へと突入する。
まずはエディ・ボイドの「3rd Degree」。380_3d森園勝敏390v森さんもMarshall。
以前のsimoでのライブでスッカリお気に召して頂いたSTUDIOシリーズから1959の20Wバージョン「SV20H」と1×12"キャビネットの「SV112」を併用。
ヘッドは関ちゃんが使っているモノと同じ。
さすが師弟コンビ!…と言いたいところだが森さん曰く「弟子を取った覚えはネェ!」。0r4a0010森さんと大二さん…やっぱり四人で囃そうが、二人で羽織ろうが、ナニを演ってもシックリ来ていいナァ。
半世紀以上にも及ぶ親交はダテじゃない。S41a0201さっきまでのプレイとは打って変ってドスの効いた黒いピアノでニラミを利かす為人さん。570またギターを持ち替えた関ちゃん。
彼らしいアグレッシブなブルース・フィーリングがとても味わい深い。420v2曲目は「Crazy Mama」。
みんな大好きJ.J.ケイル。
「J.J.」と来れば…残念ながら私は「J.J.ジョンソン」。
もしくは「植草甚一」。
430_cm関ちゃんのボトルネックが大活躍!450いつか「この曲は何も起こらなさすぎてかえって難しい」と森さんがおっしゃっていた。
でも森さんが歌っていると十分に何かが起こっている感じ。
魂の歌だ。460v今年に入って初めてsimoと演奏する森さん。
昨年は3度ほど一緒にステージに上がったそうだ。
福生では弟子でもないのに関ちゃんにピザをごちそうしたとか…そんな話からの~。
470ケーキ登場!
480この日はちょうど森さんのお誕生日だったのだ!
そう、森さんも「THE FEB」ですもんね。
古希…おめでとうございます!500花束も贈呈された。
「みんな、ノッテルかい!」510v「70歳でコレですもん…スゴイですよね。
まだまだ元気で演ってほしいですね。
ということで森園勝敏、そして岡井大二がステージ上にいるということはやっぱり四人囃子の曲を聴きたいですよね?
こうしてお2人が揃って四人囃子の曲が聴けるってなかなか貴重なレアな場面だと思います。
今日のお客様ラッキーですね!」520v為人さんのエレピからスタート。
もうこの時点で「おおお!」じゃない?
410『一触即発』から「空と雲」!530_ska「♪長く細い坂の途中に お前の黄色いウチがあったよ」
いいナァ。
「ウチ」なんていうのは東京の人が使う言葉なんだよ。
江戸っ子は「イエ」なんて言わない。540vもう50年もの間何度も何度も一緒に演奏して来た曲。
大二さん、今日は何を考えて演奏に臨んでいるんだろう。550v四人囃子の曲で一番この曲が好きだとMCで言っていた関ちゃん。
演奏にも一層力がこもった。580vこの曲は作曲者として中村真一さんがクレジットされるようだが、森さんが歌のメロディを付けたそうだ。
「この19歳でレコーディングしたんですから、なんてマセていたんでしょう」と関ちゃんが言うと…。
「そう言われると照れるね」←さっきからゴメンなさい、コレ、大二さんがらみのいわゆる「楽屋落ち」なの。375v_jmsimoのステージの最後の曲。
森さんが手拍子で3・2クラーベを打ち出す。
620締めくくりに演奏したのは「Big Legged Woman」。
森さんが快調にシャウトするこの曲、今回この記事を書くに当たって初めて知ったんだけど、この「Big Legged Woman」はフレディ・キング。
一方「Big Leg Woman」となるとマディ・ウォーターズになるのね?
もうひとつ…「Big Leg Emma」はフランク・ザッパ。
「big leg woman」というのは「魅力的だけど性悪な女」というような意味。0r4a0222 アウトしそうになったけどほぼ枠内に収めたスリリングな関ちゃんのソロ。
思いっきりやっちゃえばヨカッタのに!
間違えていると思われるのを避けるため、ココは安全策を採ったそうです。S41a0372「I told you once, I told you tiwce」
「♪On the bayou 」
森さんのブルースの造詣の深さを思い知る1曲。
640為人さんはオルガンで豪快にグラインダー・スウイング!630v宮野さんは森さんがリードする3・2クラーベのリズムでソロを披露した。650そして大二さんのソロ。
ZENITH、我ながらいい音だナァ~。0r4a0280 …と言ったところで大二さんの音になっちゃってるんだけどね。
それ自体がいい音なんだから仕方ない。660v歌にギターにまさに「ブルース・アンバサダー」として大活躍の森さんなのであった。
670最後はもう一度関ちゃんがメンバーを紹介してステージを締めくくった。680simoの詳しい情報はコチラ⇒the Seki's Web690<後編>につづく
 

☆☆☆Marshall Music Store Japanからのお知らせ☆☆☆

バディ・ガイに認められた実力派ギタリスト/シンガー、ローレンス・ジョーンズ。
 
<Anywhere With Me>

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200 (一部敬称略 2024年2月18日 目黒ブルース・アレイ・ジャパンにて撮影)



2024年2月29日 (木)

LINX / LOVESTORM

 
今日は超久しぶりの横浜日ノ出町はTHE CLUB SENSATIONから。10私の記憶が正しければ、最後にお邪魔したのは山本征史さん率いるSTANDが出演した時であるハズなのだが、最近は「記憶が正しくない」こともそう珍しくなくなってきた。
そこで、それがいつのことであったのか「マー策くん」で調べてみた。
ところが見当たらない!
細大漏らさず編んだつもりではあったが、「やっちまったナァ~」とガッカリしていた時にフト気が付いた。
アレはもしかしたら2012年末に終了した「旧Marshall Blog」の時のことではなかったか?
半信半疑で手元にある旧Marshall Blogのデータをヒックリ返してみたところ……あった、あった!
それによると前回お邪魔したのは2011年8月のことだった。
何と13年ぶり!
コレは間違いなく「超久しぶり」でしょう。
おまけにこの日、別の現場で何度かご一緒させて頂いた方とやはり10年以上ぶりにお会いすることもできてとても楽しい1日になった。
20この日最初にステージに上がったのはLOVESTORM。
LOVESTORMはLzzy Hale率いるHALESTORMのコピーバンド。
30下は2020年のNAMMの時に開催された『SHE ROCKS AWARD』に出演したLzzy。
当時私はこの人を知らなかったんだけど、このイベントに出演したD_DriveのYukiちゃんから「すごくカッコいいですよ!」と聞かされて観たところその歌声にブッタマげたワ。
ウワ!右下にニックが写り込んでら。今気がついた!
ニックは昔のMarshallの仲間。40終演後はD_Driveのメンバーと記念撮影。
こちら側にはスマホを手にした人がたくさんいたのでLzzyの視線を自分に向けさせるために大型の一眼レフカメラを手にしていた私は彼女に向かってこう叫んだ。
「Lzzy!  Please look at the most expensive camera!」
それでLzzyが大笑いしているところ。
もちろんLzzyはMarshallを使ってくれていて、翌日Marshallのブースで舞台あいさつをした。
超満員の大盛況だった。
楽しかったナァ。
コロナ直前の夢のような話。50さてLOVESTORM。
メンバーは…60Yuko-rin
友達リクエストを頂戴してfacebookの中では以前から存じ上げていたが、この日初めてお近づきにさせて頂いた。70vRyo.A80vJunichi.M90vMitsu100v「It's Not You」…120「Apocalyptic」と続く。0r4a0039 Yuko-rinはギターに…140歌にと完全にLzzyが乗り移っての大熱演!
130vMCを挟み込んで「Bad Romance」他3曲を演奏すると…150「寒い、寒い」と言いながらも上着を脱ぎ捨てた!
熱くなっちゃったのね?

Img_9876 そりゃそうだ、絶叫に次ぐ絶叫、熱唱に次ぐ熱唱だもん!
「Back fron the Dead」からさらに3曲を演奏して出番を終えた。160v「とにもかくにもHALESTORMが大好き!」という感じが十分に伝わってきた!
コレだけ好きなモノがあるなんて全く羨ましい。
何よりも好きな人の歌をうれしそうに、たのしそうに歌っている姿が感動的だった。
 
LOVESTORMの詳しい情報はコチラ⇒facebook170続いての出番はLINX。
オープニングは「Start It Over」。
0r4a0197 Miwa Saita190v沢木優200vAki210vZin220vZinくんはMarshall。
外部のプリアンプなど使わずアンプ・ヘッドのインプット・ジャックにケーブルをつないで普通にJCM900 4100を使った。
Zinくんはその方が音が断然良いことを知っているからだ。
スピーカー・キャビネットは1960A。230vそのまま続けてZinくんの弾くギター・リフから「Introduction~Top Dog」。240_td「寒い、寒い」と言ってMiwaさん、ナンノナンノ、ひとたび歌い出したら「熱い、熱い」。250v縦横自在なAkiさんのベースは独特の音色も含めてLINXの特長のひとつだ。260そして沢木さんのドラムスと完璧なリズム・アンサンブルを形成する…コレがLINXのリズム隊。270vタイトルの「top dog」というのは「支配者」や「人生の勝者」を意味するスラング。
その反対は「underdog」。
そういえばベースの巨人、チャールズ・ミンガスに『負け犬の下で(晶文社刊)』という自伝があったが、その原題は『Beneath the Underdog』だった。
私は大学生の頃ミンガスの大ファンだったので期待して読んだがあんまりオモシロくなかったナ。
チョット脱線。
この本からではなく、アメリカのジャズ雑誌のインタビューでミンガスがすごく印象的なことを言っていたのを覚えている。
チャールズ・ミンガスはジェフ・ベックが取り上げてロック・ファンにも知られるようになった「Goodbye Pork Pie Hat」を作曲した人ね。
当該のインタビューはハードロック盛んなりし1972、73年頃。
それはこうだ。
「今ロックがやっていることはすでにオレが20年前(1950年代)にやり尽くしている」
カッコいい!
私はギター・リフが活躍するブリティッシュ・スタイルのロックのことを指しているのだと思った。
ナゼなら確かにミンガスは「Haitian Fight Song」、「Wednesday Night Prayer Meeting」、「Boogie Stop Shuffle」等々、ウッド・ベースがリフを弾いて聴かせるカッコいい曲をたくさん作っていたから。
それから50年、ロックにはギター・リフもギター・ソロも要らないってよ!
助けてくれよ、チャールズ・ミンガス!
Bud「ありがとうございま~す!あったまりました。
LINXと申します。
今日はよろしくお願いしま~す!
なんかもう、ホットフラッシュのせいで冷えて手がしびれちゃって…冷え性がスゴいんですよ(※ホットフラッシュ:のぼせやほてり等の更年期障害の代表的な症状。自律神経の調整がうまくいかず血管の収縮や拡張のコントロールができなくなってしまうため急に顔が熱くなったり、汗が止まらなくなったりする)
LINXは久しぶりのバーでのライブなのでワクワクしています。
メンバーとの距離が近いですからね…LINXはそんなに仲良くないから!
バーで演る時ぐらはチョット我慢して仲良くしてもいいんじゃねぇの?と思うんです。
皆さん、ドンドン飲んで食べて楽しく過ごしましょう。
よろしくお願いします!」
仕事柄たくさんのこれだけバンドに接していると、ごくまれにメンバーの仲が悪いチームに出くわすこともあるけど、LINXはすごく仲良しって感じがしますよ~。
280MCの後はポップ度少々高めの「Only If I Could」。
290_oic感情豊かに歌い込むMiwaさん。300vMiwaさんの熱唱にピタリとハモるZinくん。
Zinくんはギターだけでなく全編を通じてコーラスでも大活躍なのだ。
310vAkiさんのソロ。
この手の曲にベースのソロを挟むなんてかなりユニークじゃん?320替わって沢木さんのドラムスがモノ言うイントロ。330_iwまずAkiさんが弾くリフに…340vZinくんが重なって…Img_0014 景気よく「I Wanna」!
350仕掛け満載のゴージャスなLINXのキラー・チューン。
Zinくんのソロも激しくキマった~!360「前の席の方、大丈夫ですか?
そこそこワタシ出っ歯なんでツバが飛びやすいんですよ!
動いて頂いて構いませんからね、ギャハハハハ!」
そんな…ワザワザ言わなくてもいいのに!
ところで、このMCの文字起こしではほぼ省略させて頂きましたが、Miwaさんのトークは半分近くが笑い声だからね。
「ヒャハハ!」、「アハハ!」、「ギャハハ!」とすさまじく朗らかな人だ。
私もそんな人になりたかった。
380「我々LINXはそんなにライブハウスに出ているワケではないんですけど、『もう1回ぐらいだったら観てやってもいいぞ!』という方がいらっしゃいましたらゼヒ6月8日のワンマンにお越し頂きたいと思います。
高円寺のショーボートです!」390vZinくんが弾くシンプルなリフが冴えるのはまだタイトルが付けられていない新しい曲が続く。400v_ns実にLINXっぽいパワフルな1曲だ。420印象的なサビのメロディをZinくんと仲良く肩を合わせて歌うMiwaさん。430間髪入れず「One Last Chance」。440_olcコレもリズム隊のドライブ感が気持ちイイな~。450vところでこのリズム隊のお2人…460v3月3日から始まるアンソニー・ラップ主演のミュージカル『WITHOUT YOU』に参加することになった…って、もうすぐじゃん!
このアンソニー・ラップというのはブロードウェイ・ミュージカル『RENT』の主役マーク・コーエンを演じた人。
プッチーニの『ラ・ボエーム』を翻案した『RENT』はオフ・ブロードウェイで初演され、ブロードウェイに昇格し歴代11位のロングランを記録した大ヒット・ミュージカル。
私が1996年にニューヨークに行った時、ちょうどブロードウェイでの公演が始まった時ぐらいで当然チケットの入手は不可能。
劇場の前にはボックス・オフィスのチケットを泊りがけで求める夥しい数の若者の寝袋が転がっていたっけ。
そんな大人気のミュージカルをこなした人の日本公演に楽団員として参加するなんてゴイス!
ガンバってくだされ!

Wy 
そんなリズム隊と向こうを張るZinくんのソロはこの曲でも当然エキサイティング!470「ありがとうございます。
LOVESTORMさん、今日が初めてだったんですけどあったか~くしてくれて本当にありがとうございました!
そして、そもそも仲の悪いウチのベースのAkiくんは今日バースデイ・ボーイですよね?
ナニかひとつ抱負をどうぞ!」
495「せっかくの誕生日に罰ゲームはヤメてください!
抱負~?
じゃあオレ発信の新曲を作りますか?」
490v「ということで、今日はバーということなんですが、ホントにホットフラッシュのせいで変なテンションになってきちゃった!
で、次はたまにはカバーを演ろうと思います」
550v演奏したのは「Runaway Boy」。510v誰の曲かサッパリわからなくて、後日Zinくんに教えてもらった。
ブルーノ・マーズの曲だそうで…。520全く人の曲には聞こえんな。
Akiさんのベースがゴリンゴリン唸って…完全にLINXの曲に聞えたわ!Img_0272 ワウ・ペダルを踏んでのギター・ソロ。
Marshallとセミアコのコンビネーションってすごくいいんだよね。
芯がシッカリした実にいい音だ。
530「人の曲なのに盛り上がっちゃって…ありがとうございます。
今日は久しぶりにバーで演奏できてヨカッタです。
遠くからお見えになってくださった方、初めてお越し頂いた方、皆さんありがとうございました。
LOVESTORMさん、ありがとうございました。
これからもLINXをよろしくお願いします」540「曲の間にZinくんの方ににじり寄って行くのやめてください!」560「ギャハハはハハハハハ~!
ヤダ~!ダメですよ、ホントに!
あと2曲だからみんな我慢してくれ!アハハハハ!」
ほがらか~!
570最後の2曲。
まずはZinくんのファンク・ストラミングでスタート。
昨年シングルでデジタル・リリースした「Time is Slippin' Away」だ。580_tisaMiwaさんの気合の入った歌から…
590ギター・ソロの前のアンサンブルに移るところがすこぶるカッコいい!580vそして本編を締めくくったのは「Once Again」。600_oa最後を飾るにふさわしいゴキゲンなドライビング・チューン!610演奏の熱気は最後まで上り調子で…
630ココで頂点を越えた!620本編全9曲。
アレ?寒かったのなんてスッカリ忘れちゃったね!640そしてアンコール。
「♪どうしよう!ナニ演ろう?!」と歌って困るMiwaさん。
バンド内会議を経て…「新曲をもう1回演ります!
盛り上がるヤツね…タイトルは『新曲』!」
650本当にナニを演るのかを決めていなかった様子。
でもお客さんは新しい曲を2回聴けてラッキーだったんじゃない?660_enc最後の最後まで一丸となってLINXミュージックを練り上げた4人。
6月の単独公演が楽しみだ。
670v 680v 690v 700vLINXの詳しい情報はコチラ⇒LINX Official Website710 

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200 (一部敬称略 2024年2月12日 横浜THE CLUB SENSATIONにて撮影)

2024年2月27日 (火)

犬神サアカス團単独興行『あそびをせんとや』<後編>~私の谷中墓地(その2)

 
犬神サアカス團の30周年イヤー最初のライブ『あそびをせんとや』の後半行ってみよう!05「どうもありがとうございます。
ONOCHINさんにも引き続きサポートをやってもらうんですが、『オレのコレを見てくれ!』というようなことはありますか?」
10「毎回言っているんですが、30周年は競馬を当てて皆さんにご馳走します!
ちなみに今日は3回戦あったんですけど…1回も当たりませんでした。
すみません…」
全くブレずにズッとコレを言い続けているONOCHIN…律儀な人だ。
Marshall Blogとしては、大穴を当てたあかつきに大盤振る舞いをするONOCHINをレポートすることをとても楽しみにしている。
20v「でも、まだ2月ですから。12月まで大分ありますから!
さぁ、次の曲はどうしようかな?
セットリストは決まっているけど、どうしようかだな。
みんな立つかな?…まだ立たないかな?
もしみんなが立ったら私もお立ち台に乗ろうかと思って演ります。
みんなが座っていたらお立ち台には上がらないから。
よろしく!」30v_2「♪ドンツクドンドンツクドンドン ドンツクドンドンツクドンドン」
まずは明兄さん。
70犬神の「Hush」か「Strange Kind of Woman」か…イヤ「太陽が待っている」だ!0000r4a0063 もちろんこの曲のハイライトは明兄さんのドンドコ・ビートに乗って…凶子姉さんとONOCHINが掛け合いをするシーン。
今日もバッチリ掛け合った!
90凶子姉さんの声に負けない美しいクランチ・トーンを出しているのはMarshall。
JCM800 2203と1960A。100v次の曲も明兄さんが叩く「♪ドンチキドンチキドンチキドンチキ」から。
明兄さんが叩いているドラムキットは…100v_2060NATAL(ナタール)。
名前だけでも覚えて帰ってください!
80そして、ここのところおなじみの展開で「太陽は待っている」に犬神の「東京2060」を持って来た。
120_2明兄さんの軽やかなグルーブに重い低音を刻み付ける敦くん。
いかにもベースらしいベースだ。60v_2「♪地球上に墓石が立ち並ぶ2060年」
ノビノビと声を張り上げる凶子姉さん。
後でゾロリと墓石を並べますからね。130v_2そして「♪ドコチキドコチキドコチキドコチキ」。
「明ドラムス始まり」の三部作の最後は「栄光の日々」。Img_9351 手を大きく振りながら凶子さんがいよいよお立ち台に上がった!
つまりお客さんが立ちあがったのだ。140_ehbゴキゲンなリズム隊のグルーブに乗ってONOCHINがシャープなギター・ソロをキメる。150vこの曲は歌詞とメロディの譜割りのコンビネーションが実にいいね。
こういう曲は歌うと口が気持ちよくなるハズ。
ビートルズの曲の本当のも魅力と同じだ。170「今年は記念の年だから色々考えてるんですよね?
明兄さん、考えてるんだろうな~」
「もちろんですよ!」
180_2「そうだね。4年間リリースがなかったんで今年はナニか出せたらいいなと思ってる。
フル・アルバムとかではないけど…今は何ていうんだろう?EP?
昔『ミニ・アルバム』って呼んでたヤツ。
4月からレコーディングスタジオ押さえちゃったから!」
ヨッシャ~!
200v_2「割と早い時期にやっちゃわないと…出来る時にね。
今年前半には色々やっていこうと思っていますので、皆さんには是非見守って頂きたい思います。
さぁ、声を出していく?
やっぱり生きてると鬱憤ってたまるよね。
その鬱憤を一緒に歌うことで発散しよう!
やっぱロックって若者の発散の場だからね!」190v四たび明さんのドラムスがリードして…210v_arrrr「みんな!鬱憤はたまってるか~!」220_upn「ロックンロール!」225「暗黒礼賛ロンクンロール」!
赤い幟に挟まれて「ロックンロール!」と叫ぶ凶子姉さん。
230この幟にある「女殺火箸地獄」は大正時代に発生した日本で最初のSM殺人「小口末吉事件」をモチーフにして制作されたロック・オペラのタイトル。
このことを明兄さんにお聞きして興味を抱き、その事件の現場である龍泉寺まで行って色々と調べた。
このことは「座・犬神サアカス團~私のディープ浅草 <その1>」に詳述した。
ところで、最近大好きな井上ひさしの「言葉」をテーマにした昔のエッセイ集を読んでいて自分の浅学を大いに恥ずべき記述に出くわした。
私はこの「女殺火箸地獄」というのは当該の事件のキーワードをただ単にくっつけただけのモノかと思っていたのだが、近松門左衛門に「女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)」という人形浄瑠璃があるんですってね。
全く知らなかった(恥)!
話の内容は末吉とは似ても似つかない日本伝統の殺人事件。
父が養子で遠慮がちであるのをいいことに、ある油屋のバカ息子が放蕩をし尽くした挙句に勘当される。
それでも我が子カワイやと近所の馴染みの人妻にたのんで母親が密かに金を渡し続けるが、バカ息子は放蕩を止めず、ついに金欲しさにその近所の人妻を殺して金を奪ってしまう。
その後、知らん顔してその人妻の法事に出るバカ息子。
するとその最中に屋根裏のネズミが暴れてそこに隠してあった血染めの借金の証文を落としてしまう…そしてハイ、御用。
近松門左衛門はこの話を実話を元に作ったのだそうだ。Og 盛り上がり必定の定番ナンバー。
今日も盛り上がった!240v_2ドーン!と飛び出すONOCHINのソロ。
「待ってました!」感満載!250vギター・ソロ中のステージ下手のようすも見逃せない。260凶子姉さんと敦くんのフォーメーションだ。270アレ?
コレも明さんスタートだ…「ロックンロールを唄いきれ」。
今まで全く気にしたことがなかったけど、こうしてみると犬神サアカス團ってドラムス始まりの曲が多いんだナァ。
お…先に言っちゃうけど「死ぬまでROCK!」もドラムスからだもんね。
NATALにそんな大事な役割を担わせて頂いて光栄です。
実際、この曲のビデオにはNATALがガツンと出て来てとてもうれしかった。
280v_rrukストレートにドライブするナンバーでロックに想いを馳せつつ熱唱する凶子姉さん。290vONOCHINのギターも思いっきり歌いきった!300_2「すべてのボーイズ&ガールズに捧げます…命みぢかし恋せよ人類!」0r4a0358 「♪ウォ~オゥオゥ~」330v「♪ウォ~オゥ」340v「♪オゥ」
350vいつもは本編の最後に演ることが多いけど、今日はその前に持って来た。
犬神サアカス團のキラー・チューン中のキラー・チューン。
もちろん客席は大盛り上がりだ。310「どうもありがとうございます。
なんと、次のライブが決まっています!
4月28日、ココ三軒茶屋Heaven's Doorで単独公演をします!
コレのタイトルはナンですか?」0r4a0040 「聞いて驚かないでくれよ…タイトルは『化け物屋敷』!
まるで『ひばり書房』…わかるかい、みんな?」
370v「グーグル検索っていうのをやればわかるよ。
こうゆうの(自分たちのこと)が出てくる。
今日、本番直前に楽屋から会場に降りて来たじゃん?
そしたら、『あ、化け物だぁ!』ってサラリーマンに言われたの。
私なんか三軒茶屋では知れ渡ってるから次が楽しみだね。
もう今さら化け物って言われても特に何も思わない。
『はい、そうですよ~』って、『今日ワンマンライブ観ていきませんか~?』って言う気持ちだよね」
380v_2「きっと2パターンあるんだよ。
ひとつは見て見ぬフリ。
もうひとつは『オバケだ~』とか『バケモノだ~』とか言って一応その出で立ちに合わせた反応をしてくれる。
最初は全然それの意味がわからなくて『え、メイクなのに。なぁ~に?』みたいに思っていたんだけど、アレは気を使ってくれていたんだね。
ナニがしか言わないと悪いって言うのあるじゃん?
それがやっとわかった…30年かかっちゃった!ハハハ~!」390v_2「ひばり書房」といえば、小学生の時、やっぱり日野日出志にはビックリしたよね。
で、当時読んだマンガで誰が描いて、何の雑誌に載っていたのか思い出したくてもサッパリ思い出せない印象に残ったマンガが2つある。
明兄さんご存知ないかな?000jk 両方とも万博の頃だったから1970年、昭和45年のマンガになろうか?
私は小学校2年生だった。
ひとつは、ある男の子がお母さんから留守番を頼まれて、家で大人しくひとりで過ごしていると突然手も足もポロっと取れちゃうの。
困ったことにノドが乾いてお腹が空いてくるんだけどお母さんが帰って来ない。
仕方ないのでトイレまで這って行って便器に溜まった水を飲む…当時は和式だったからコレが簡単にできたんだな。
そして、空腹に耐えかねて部屋に出て来たムシをパクリと食べてしまう話…「なんじゃそりゃ」でしょ?
でもすごいショックだった。
もうひとつはそれこそ万博の話で、夜になって会場に誰もいなくなると兵隊がどこからか現れて大規模な戦闘が繰り広げられる。
その兵器がキテレツで、尻の形をした戦車が屁の砲弾を放ったりするワケ(「実」は出ない。それが出たらホントの「実弾」ってか?)。
で、主人公ひとりが第三者的にその戦闘を目撃してしまうんだけど、それは夢だったのね。
ところがその夢から覚めた場所が下の写真のソビエト館のテッペンだった。
救出された少年は一生懸命に昨晩見た戦闘の話を周囲の人にするんだけど誰も信じてくれない。
一体あの戦いはナンだったんだろう?…みたいな話。
もう54年前に読んだ時の記憶ですからね。
でも大体合っていると思う。
明兄さん、ご存知ないですか?
万博楽しかったナァ。
000000sovet 本編最後の曲は「運命のカルマ」。
440ONOCHINのアルペジオに合わせた凶子姉さんの歌に始まり、様々な表情を見せるパノラミックな曲は本編を締めくくるのに持って来いだ。430中間部の「15/8拍子」というのか「7/8+8/8拍子」というのか、トリッキーな3人のアンサンブルが今日も冴える!
毎回書いているけど、最高にカッコいいパートなのだから仕方ない。400v_uc

410 420vそして明兄さん〆のルーティン!
今日も無事に本編を終了した。435vアンコールの前に…
さっき明兄さんがMCで告知していた次のライブがコレ。
アララ?…「聴いて驚くな」と発表したタイトルは確か「化け物屋敷」だったハズでは?
フフフ、早くも化けて見せたというワケか?
さすがバケモノ。
これぞケダモノの所業じゃわい!000flまずは恒例の凶子姉さんによるアンコール前の即興の歌から…
 
♪う~うううぅ~
アンコールありがとう
え~い
暑苦しくない歌手に憧れてます
最近、藤井風(ふじいかぜ)が好きです
拳を突き上げるような力強い歌手ではなく
今にも消え入りそうなそんな歌手に憧れています
でもなかなかステージに立ってしまうと
できない
でも、節目のこの年は
そんな新しいスタイルに挑戦してもいいかもしれない~
あ~
 
完璧!
470v
「アンコールどうもありがとう!
小さい声のアーティストさんっているじゃん?
すっごい憧れてるだよね~。
昔だとカヒミカリイさんとか藤井風さんとか。
『♪死ぬのがいいわ~。死ぬのがいいわ~』
さて、最後はどうしましょうか?明兄さん」
0r4a0173「そうだね…死ぬのがいいくらいな感じだね」と答えた明兄さんのドラムスから。490v_sr本当に死ぬまでロックをやっていそうな4人。
今日も内容の濃いステージで大いにお客さんを楽しませた。
530 510v 520v「死ぬまでROCK!」0r4a0161「ありがとうございました~!」
犬神30周年イヤーの第1弾は無事終了。
これからの「あそび」の1年が楽しみだ。

犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト540(一部敬称略 2024年2月11日 三軒茶屋HEAVEN'S DOORにて撮影)

 
☆☆☆私の谷中墓地(その2)☆☆☆

 
前回紹介した谷中墓地のメイン・ストリート「さくら通り」を天王寺方面に向かって進む。
この通りの両側には大小さまざまな石碑が立ち並んでいる。
110その石碑をひとつひとつ簡便に解説したガイドマップが用意されている。
浅学の私なぞ川上音二郎、高橋お伝、雲井龍雄ぐらいしか知らなかったわ。
でもそんなのカンケーねぇ!…と知らないことを調べるところにこのシリーズの醍醐味があるワケよ。
そして、知らないことを知るこの喜び!
「知の巨人」の立花隆先生は「『知る』ということは人間が持つ欲望のひとつ」とおっしゃっているからね。
「痴の巨人」のままじゃ人生オモシロくない。
ということでこの解説に目を通すと…ウ~ン、コレを見ている限りではやっぱり「知る喜び」は小さいわ。 
0__3
もちろん石碑だけではなくて、メインの墓所内の案内図も用意されている。
何しろ広大な上に墓所内に足を踏み入れると通路の配置がトリッキーですぐに迷子になってしまうような所だからね。
だから見学をする時にはこの地図は不可欠。
裏面には75人ほどの著名人とその簡単なプロフィール、表面の地図内にあるロケーションの番号を記した一覧表が掲載されている。
「著名人」といってもパッとその人物が浮かんでくる人は1/3にも満たないかな?
くどいようだけど、だからオモシロイ。
また、この地図や一覧表に載っていない著名人、有名人も多く、自らの足でそれらを見つけるのも楽しい。

Photo

もうひとつ…谷中霊園では日本古来の竹垣の紹介に力を注いでいて、「どこにこういうスタイルの竹垣がある」というマップも用意してある。
私はコレはカバーしていない。
もちろんこれらのマップは無料。
入り口の管理事務所で手に入れることができる。0__4 前回紹介した「高橋お伝の墓」のお隣は「独逸國學士利淂耳君碑」。
「独逸國學士」まではわかる。
「利淂耳」とは何ぞや?…コレは「リッテル(Ritter)」の当て字。
この碑は明治6年に東京開成学校(後の東大)の鉱山学の教師に赴任したドイツの化学者、ゲオルク・ヘルマン・リッターのこと。
明治3年に金沢藩の招きで来日したいわゆる「お雇い外国人」のひとり。
前回出て来たベルツ先生なんかもそうだけど、この「お雇い外国人」ってのは目ん玉が飛び出すほどの高いギャラを取っていたんだよ。
「西洋に追い付け!」とばかりに明治政府がなりふり構わず日本の近代化を急いだんだね。
リッテル先生は明治7年に天然痘で死没し、横浜の外人墓地に埋葬された。10vそのお隣。
コップを伏せたような妙な形の碑。20コレは「オッペケペー節」で有名な「川上音二郎」の碑。
「オッペケペー節」というのは明治20年代に一世を風靡した流行歌で、日本の伝統文化を切り捨てて西洋文化に傾倒するミーハー連中を揶揄した。
日本で最初に吹き込まれた歌入りの音楽らしい。
130年以上前の音楽ながら作りは今でいうラップ。
だからいつも言っているようにラップなんてのは新しくもオモシロくも何ともない。
何なら昔ウチの母なんかは時々「♪オッペケペッポーぺッポッポー」ってやってたかんね。
だから私は川上音二郎は知らなかったけど、「オッペケペー」という音だけは子供の頃から知っていた。
色々なキャリアを持つ音二郎は結局のところ「演劇人」ということになるのかな?
下の写真は音二郎と奥さんの「貞奴」。
キレイな人でしょ?
貞奴は日舞を得意とし、伊藤博文や西園寺公望がヒイキにしていたという名実ともに日本一の芸者だったそうだ。
明治32年から35年(1899~1902年)には貞奴を舞台に立たせ音二郎はアメリカやヨーロッパを巡業したというのだからスゴイ。
音二郎には「ツル」という姪がいて自分の子供のように可愛がり子役としてその海外公演にも同道させた。
30vハイ、また話は飛んでタイとビルマの国境を流れるクワイ川…といえば1957年、デヴィッド・リーン監督の『戦場にかける橋(The Bridge on the River Kwai)』だわね。J10225623161 チョット孫脱線をすると、アレック・ギネスと早川雪舟の後ろに見えているイギリス軍が意地と根性と自尊心で造り上げたクワイ川にかかる立派な木造の橋…Rqb2 デヴィッド・リーンは絶対に下の橋をモデルにしたんだと思うんですよ。
エジンバラの北西にある世界遺産「フォース橋(Forth Bridge)」。0_fbで、日本軍の斎藤大佐を演じたのが早川雪舟。
ハリウッドの超大スターで、ビバリーヒルズの豪邸で夜な夜な酒池肉林の宴を催していたという。
何しろ水たまりがあると、金髪の美女が毛皮のコートを脱いでその水たまりの上に置き、雪舟に「この上をどうぞ」と道を開けた…というぐらいのスターだった。Ssh…ってんで、以前『聖林の王 早川雪舟(社会思想社刊)』という本を読んでみた。
オモシロかった。
そこにこんな記述があった。
ココから音二郎に戻りますよ。
ツルを連れて行った海外公演は経済的に苦しく、アメリカからヨーロッパに移動する際、足手まといになってしまうツルをアメリカに残した。
ツルは青木瓢斎という日本人画家の養女となり「青木鶴子」と名乗った。
瓢斎は10年ほどでなくなってしまったが、鶴子は不断の努力で女優となり、当時盛んになり出した映画の世界で活躍するようになり雪舟と出会う。
鶴子は自分を育ててくれた大物プロデューサーに雪舟を紹介すると彼は瞬く間にスターになってしまった。
そして、青木鶴子と早川雪舟は結婚。
だから早川雪舟は川上音二郎の姪のダンナさんに当たるワケ。
ね~、オモシロイね。
Img_0228ちなみに「ビルマにおける日本とイギリスの戦い」ということになると悪名高き牟田口廉也の「インパール作戦」なんて大悲劇がつとに有名だけど、会田雄次という人が書いたビルマにあったイギリス軍の捕虜収容所での体験を綴った『アーロン収容所(中公文庫刊)』という本がある。
コレが破天荒のオモシロさ!
私は読んでいて何度も何度も吹き出してしまった。Sa_2 更にところは替わって赤穂浪士でその名をつとに知られる高輪の泉岳寺。60ココの境内にある「首洗い井戸」。
義士たちが本懐を遂げて持ち帰った吉良上野介の首級をこの井戸で洗って主君の墓前に供えたとされる井戸。70その門柱にはホラ…「川上音二郎建之」とある。
荒れ果てた四十七士の墓を見るにみかねた音二郎が寄付をしたことによりその名が石柱に刻まれた。
私はどうも『赤穂浪士』が苦手で、かつては毎年年末になるとテレビで放映される長時間ドラマをニガニガしく思っていた。
だから泉岳寺にこうしたモノがあることは全く知らなかったのだが、「折角近くに来たのだから」と寄った泉岳寺で偶然撮った写真がこうして今谷中で結びついた。80ところで、谷中の音二郎の碑は元々はこういう形をしていた。
ところが太平洋戦争時の金属供出で上の部分をソックリ失ってしまったんだね。
やっぱりどう見たってこっちの方がいいわね。50v今はコレ。
やっぱり寂しい。
音二郎の墓は谷中ではなく生まれ故郷の博多駅の近くの寺にあるそうだが、ナンでこの像が谷中に立てられたのかはわからない。
40vコレは前回出て来た米沢藩士・雲井龍雄の碑。90v「龍尾雲井君之墓表」とあるが、ナンで苗字と名前がヒックリ返っているんだろう。
それと、さっき出て来たリッテル先生もそうなんだけどこうした碑って「君」づけにしているのをよく見かけるんだよね。
ナンカ上から目線じゃない?
前回南千住の回向院にある「雲井龍雄遺墳」には骨が入っていない…ということを書いた。
してみるとコレが雲井龍雄の墓なのだろうか?
そこで、調べてみると龍雄の故郷の米沢にも墓があった。
どういうことかというと、龍雄は処刑後に解剖されて回向院に一旦葬られ、後に衆議院議員になる同郷の米沢の山下千代雄という人がその回向院の墓から頭蓋骨を掘り出してココ谷中の天王寺に改葬したのだそうだ。
一方、龍雄の親族が遺髪を米沢に持ち帰り常安寺という寺に墓を建てた。
…ということは骨が入っていないと聞いた回向院の「遺墳」には龍雄の頭から下が埋まっているということなのであろうか?100さくら通りから左に折れて「甲」の奇数号エリアに入る。
目標は「天津乙女」。
コレは探すのに少々手間取った。
上で紹介したマップのおかげで簡単にすぐそばまで行くことはできるのだが、墓に固有の住所が付いているワケでもなく、イザその場に行ってみると案外迷子になってしまうことがあるのだ。
200この「天津」さんの時がそれだった。
「あまつ、あまつ…」と頭の中でやっていたものだから、そんな墓碑銘の墓に出くわすワケがない。 
「天津乙女」は宝塚の大スターでもちろんそれはステージ・ネーム。
本名を「鳥居」といった。
「とりい、とりい…」
頭を切り替えてキョロキョロ辺りを見回すと…あった!120v下が天津乙女さん。
日本舞踊の名手として大正時代に月組のトップスターとして絶大な人気を誇り、後に後進の育成に努め1958年に紫綬褒章を受章した。
私は宝塚のファンだったり、宝塚に興味を持っているワケではないのです。
ところが、轟由起子、月岡夢路、淡島千景、八千草薫、新珠三千代、有馬稲子等々、1950年代の日本映画で活躍した宝塚出身の女優さんは本当に魅力的で大好きなの。140vそのウチのもうひとりが「百万ドルのエクボ」で人気を博した乙羽信子。
私は乙羽ちゃんのファンで新藤兼人の映画を片っ端から観て下の『どろんこ半生記(日本図書センター刊)』自伝も読んだ(新藤さんの本もかなり読んだ)。
この自伝は乙羽ちゃんがしゃべったことを文字にしたいわゆる「口述筆記本」。
その文字お越しと編集を担当したのが朝日新聞社会部の記者でテレビ朝日の朝のワイドショウの司会を務めた江森陽弘。
乙羽ちゃんはこの本の中で憧れの大スターだった天津さんのことで数節の紙幅を割いている。
それで私も「天津乙女」の名前を知ったのです。
乙羽ちゃんによると、天津さんは「鬼」だったそうだ。
天津さんの前座で乙羽ちゃんが2~3分の簡単な踊りを舞うことになった時、夜な夜な合宿所の乙羽ちゃんたちの部屋に現れて何時間もの特訓を受けさせられた。
そうかと思うと「芸を盗まれるから」と言って後輩を指導することをイヤがったそうだ。
おまけに麻雀をして負けると、猛烈にキゲンが悪くなるというまるで子供のような人だった。135b「鏡獅子(←この名前は覚えておいてね)」の天津さんの代役を乙羽ちゃんが頼まれた時、この獅子頭を振り回すのが大変でうまくいかず、天津さんの厳しい監督の元、身の細る思いをして苦しんだそうだ。
しかし「具合が悪いから代役を頼む」というものの、自分ですべての公演をこなし乙羽ちゃんの出番はなかったとか…。Kjs ところで私はさっきから乙羽信子のことを「乙羽ちゃん」と書いているけど、本当の呼び名な「お加治(おかじ)」といった。
コレは彼女の本名が「加治信子」だからで、新藤さんが殿山泰司の半生を描いた『三文役者』という映画の中で、殿山泰司に扮した竹中直人が生前に撮っておいた乙羽ちゃんに向かって「オカジ~、オカジ~」呼びかけるのはコレのせい。
私が「乙羽ちゃん」と呼んでいるのは高峰秀子がそう呼んでいるから。
デコちゃんに倣っているのです。3my 宝塚の生徒は相手が先輩でも後輩でも必ず本名を呼び合うのだそうだ。
「芸名」という言葉もない…というのは、彼女たちがしていることは「芸」じゃないからなんだって。
例えば越路吹雪はよく「コーちゃん」と呼ばれていたけど、それは本名が「河野さん」だったから。
月丘夢路は「ツメ」…本名が「旭爪(ひのつめ)さん」だから。コレはかなりの珍名さんですな。
轟夕起子は「トルコ」…「西山都留子(つるこ)」が本名で「都留子」を「トルコ」と読んだんだね。
淡島千景は「慶子」から「おけいちゃん。
新珠三千代は「恭子さん」から「恭ちゃん」。
八千草薫は本名そのままに「瞳ちゃん」。
このように仲間同士で愛称で呼び合っていたので、その愛称が誰を指すのかがわからないと第三者には話がチンプンカンプンになってしまう。
そこで芸能関係の新聞記者たちは「芸名・本名・愛称」を記した一覧表を用意した上で取材に当たったそうだ。
で、天津さんの愛称は「エイコ」さん。
墓誌の左から3番目の「鳥居榮子」さんというのがそれ。10_ama 最期に…「天津乙女」という名前のバラがあるのをご存知?
下の黄色いバラがそれ。
1960年に寺西菊雄さんという方が作り出し、世界的に評価されたのだそうだ。
お名前が「菊」なのにね。150さて、花が供えられていた天津さんの墓とは異なるこの草ボウボウのお墓はどなた?160明治19年12月に建てられているのでかなり古い墓石だ。
明治19年というのは1886年だから138年前!170v墓碑銘は「中村家之墓」となっているが、コレは三代目「中村仲蔵」の墓。

190v文化6年(1809年)の生まれ。
アダ名が「鰐口」。
ルックスには恵まれなかったが、当たり役を持ち、名脇役として江戸歌舞伎にはなくてはならない存在だった。
下の絵は八代目市川團十郎と中村仲蔵。
もちろん馬子の方が仲蔵。
なるほどオリジナリティに富んだご面相だ。
私は歌舞伎のことは本当にわからないのでこれ以上は書けん。
3nn…にも関わらず「中村仲蔵」の名前を知っていたのは落語から。
仲蔵の話は落語や講談の演目になっていて、八代目林家正蔵はそれをオハコとしていた噺家のひとりだった。
三平のセガレの昔の「こぶ平」の「林家正蔵」とは違いますからね。
「林家正蔵」という名跡を海老名家に返還し、後に「彦六」となった「正蔵」。
「稲荷町の師匠」と呼ばれた正蔵は銀座線稲荷町駅の裏の長屋に住んでいた。
下の写真がそれなんだけど、今は元の長屋の半分のサイズになっちゃった。
私が大学生の頃には駐車場になっている部分も長屋になっていた。
師匠はかつてココにお住まいで後に「矢来町の師匠」となる古今亭志ん朝や「木久蔵ラーメン」の林家木久蔵が稽古に通ったという。
しかし、木久ちゃんの「彦六伝」はいつ聴いても、何度観ても最高にオモシロイ。
この長屋もタップリ出てくる。12img_4938若かりし頃の彦六師匠。
コレは上の長屋の中だろうか?
火鉢がいいね。
昔はどこの家にもあったけど、最近は全く見かけなくなった。
Hhh同じエリアにある福地櫻痴(ふくちおうち)の墓。
半藤一利さんの本だったかナァ…福地櫻痴のことがツラツラと書かれていて、「ヘンな名前だナァ」と思って覚えた。
210本名は「福地源一郎」。
長崎の出身。
スゲエ多彩なキャリアで、幕末の幕臣から維新後は明治政府勤めを経て「東京日日新聞」の社長を就任した。
東京日日新聞は今の毎日新聞ね。
傍ら渋沢栄一らと現在の東京商工会議所の前身の「東京商法会議所」を設立し、また政治家としても活躍した。
新しい演劇の開発にも熱心に取り組み、千葉勝五郎という実業家と「歌舞伎座」を作った。
そして櫻痴は歌舞伎座の座付きの作家として数々の芝居の脚本を書いたのだ。
そのうちのひとつが上に出て来た「鏡獅子」なのよ。
この人の生涯で私の目に留まったのは…ナントこの人、「森山栄之助」から英語を習っていたというんだよね。220v森山栄之助も長崎の出身。
家がオランダ通詞(通訳)の家系だった(昔の通訳は世襲職だった)。
栄之助は、子供の頃から日本に興味を持ち、漂流船を装ってアメリカから来た「日本で最初の外国人英会話教師」といわれるラナルド・マクドナルドから英語を学び、1850年にロシアのプチャーチンの来日時には川路聖謨(としあきら)の通訳を務めた人(聖謨の墓もここから遠くない池之端の寺にある)。
その4年後にはペリーの通訳も担当した。
吉村先生の『海の祭礼』はこの森山栄之助の話。
この本、メチャクチャおもしろいよ。Us「長崎くんち」で有名な諏訪神社の近くには栄之助とマクドナルドの顕彰碑が設置されている。0r4a0141碑文は吉村先生。
ああ、また長崎行きたいナァ。
0r4a0152 次も長崎がらみ。
江戸後期から明治初期の日本は長崎抜きには語ることができませんからネェ。
今度は「江崎禮二」という写真家の墓。230禮二は明治6年(1884年)、当時日本最大の繁華街だった浅草の奥山に写真館を開いて大きな成功を収めた。
「奥山」というのは観音様の裏のエリアね。
私が幼い頃はまだ見世物小屋が並んでいたナ。
自分が幼稚園の頃だっろうか、父が馬券を買いに行っている間「ココで待ってナ」と中へ入れられたことがあった。
「タコ女」だとか「猫むすめ」だとかチープな芸人(?)が入れ代わり立ち代わり登場した。
すごくよく覚えているのは、ビーチクに金色の色紙を貼った小太りのオバさんが、小型のポリバケツと5円玉を長いヒモでつないで、その5円玉を目の窪みにハメてアタマを動かしてバケツを振り回すという芸。
バケツの中には水が入っているワケではなくて、紙吹雪のようなモノが入っていたような記憶があるが、乳房を揺さぶりながら必死に頭を振り回すオバさんのサマがあまりにも強烈だった。
「赤い金魚、黒い金魚」ってやっていた「人間ポンプ」なんてなつかしいネェ。
ちなみに、新宿は「ジュク」、池袋は「ブクロ」、上野は「ノガミ」というアチラの方面の方々の符丁があるが、浅草は何ていうか知ってる?
浅草は「エンコ」という。
コレは「浅草公園」から来ているんだよ。
「こうえん」だから「エンコ」。
Ezで、禮二は浅草寺と仲見世の悶着を解決するなどして地元で大いに活躍した。
驚いたのは「浅草十二階」…つまり「凌雲閣」を発案したのはこの江崎禮二だったということ。
禮二は明治23年(1890年)に設立された「凌雲閣株式会社」の初代社長に就任した。
下のタワーが「凌雲閣」ね。
日本で初めてエレベーターが設置された当時モダンな建築物だったが、大正12年の関東大震災で8階からポッキリいってしまった。
その時最上階の展望台には12、13人の客がいたが全員命を落としたそうだ。
その後、凌雲閣は陸軍赤羽工兵隊の手によって爆破解体された。
手前は「瓢箪池」。290その瓢箪池があった場所には現在日本中央競馬会の場外馬券売り場のビルが立っている。Jra2_2その前、この場所には、温泉あり、ゲームセンターあり、お化け屋敷ありの「新世界」という娯楽施設があった。
今でいう「アミューズメント・ビル」ですな。
新世界は場外馬券売り場も兼ねていて、父はココに馬券を買いに来ていた。
そして父が馬券を買っている間、私はさっきの奥山の見世物小屋かこの新世界で待たされるのが常だった。
コレは父なりの安全対策だったのであろうが、今考えてみるとそんなところに子供をひとり置いて行くより馬券売り場に連れて行った方がよっぽど安全だったと思うのだが…。
幼い子は「花やしき」、お兄さんは「新世界」というイメージがあって、実は私は新世界が大好きだった。
Ssk さて、少し前に「江戸後期から明治初期の日本は長崎抜きには語ることができない」と書いたが、江崎禮二は岐阜の人で長崎とは直接関係があるワケではない。
禮二の師匠は有名な下岡蓮杖と上野彦馬。
この上野彦馬こそ長崎が生んだ大写真家なのだ。
下は長崎の「歴史文化博物館」の裏にある上野彦馬の胸像。280v坂本龍馬といえば下の写真だわね。
上野彦馬が撮った写真…と、されていたが現在では弟子がシャッターを切ったということが通説になっているらしい。残念!000sr コレが長崎歴史文化博物館。250ココに上野彦馬が使っていたカメラが展示されている。
コレ1台しか残っていないんだって!260彦馬がこのカメラで撮影した写真の1枚がコレ…トーマス・グラバー。
さすが師匠、やっぱり弟子が撮った龍馬の写真とは出来が違う。
当時は露光時間が15秒ぐらい必要だったので撮られる方はさぞかし忍耐を要したことであろう。
270 コレが禮二の墓石。
尾崎放哉よろしく墓の横にまわってみると…。300v_2「崇徳院興譽禮仁居士」と9文字の戒名が刻まれているので戒名料は高めか?
イヤ、それよりなんで「崇徳院」?!
「瀬をはやみ 岩にせかるる滝川の 割れても末に遭はむとぞ思ふ」の崇徳院か?
「亡霊になった天皇」の崇徳院か?
カッコいいナ。310v_2日本舞踊、華道、茶道はサッパリわからないな。
でも「花柳流」の名前ぐらいは知っている。
コレを機に日本舞踊のことを調べてみると、日本には200以上の流派があるんだってね。
そのウチの5大流派が…
・花柳流
・藤間流
・若柳流
・西川流
・坂東流
で、2万人もの門弟を抱える花柳流が断トツ。
嘉永2年の創立というから黒船がやって来る4年前だ。
西川芳次郎という人が創立した。
この西川さんが「西川流」を破門になった後、吉原の芸者(女郎ではありませんよ)に踊りを教えていたことから「花柳芳次郎」と名乗った。
そして七代目市川團十郎が自らの俳号である「壽海老人」から一字を譲り「壽輔」となった。
コレが「花柳壽輔(はなやぎじゅすけ)」の碑。
花柳壽輔の名跡は世襲制で現在は五代目まで来ている。
 
ところで、「花柳界(かりゅうかい)」という言葉があるでしょ?
性病のことを「花柳病」なんて言ったりもするけど、芸者屋や遊女屋が集まっているエリアを「花柳」とか「花街」という。
吉原という花柳に関わりがあったから西川さんは「はなやぎさん」としたんだけど、ナゼそういうエリアを「花柳」とか「花街」と呼ぶか?
興味のある人はコチラをどうぞ。
  ↓  ↓  ↓
THE ELECT HORROR PICTURE SHOWの犬神サアカス團~私のディープ浅草<その5>

320vココは浅草の観音様の裏の猿若町。
この通りは江戸の昔、日本で一番賑やかだった。
ナゼなら、この通りに「市村座」、「中村座」、「守田座」からなる「江戸三座」があったから。
何しろその当時の最大のエンターテインメントはお芝居、すなわち歌舞伎だったから。Img_0107コレは「市村座」の跡に立つ碑。
花柳壽輔はこの江戸三座の演目のすべての振り付けをする超売れっ子コレオグラファーだった。
ちなみにこの通りは藤沢周平の「猿若月あかり」という短編に出て来るよ。Img_0116 そして壽輔の碑の傍らにあるのが花柳家の墓。
意外にこぢんまりしている。330v<次回の犬神サアカス團のライブ・レポートにつづく>
 

200

2024年2月22日 (木)

犬神サアカス團単独興行『あそびをせんとや』<前編>~私の谷中墓地(その1)


昨年末の『犬神明生誕祭2023』に続く今年初めての犬神サアカス團の単独公演のタイトルは『あそびをせんとや』。
そう、私が育った「庶民的」と言えば聞こえが良いプアなエリアの学校には、家に風呂のない子や風呂なし共同トイレのアパートに暮らす子が少なからずいて、夕方外で遊び終わる頃になるとそうした家の子たちが「じゃ、夕ご飯食べたら銭湯でね!」と言いながら家に帰っていくのが羨ましかった。
生まれた時から家に風呂があった私はその仲間に入ることができなかった。
連中は野球かなんかをしてさんざん外で遊んだ後、銭湯に集まってまた楽しく遊ぶワケだ。
これが「遊びを銭湯や!」ということ…チガウか?
ま、このタイトルの文句の意味は考案者である明兄さんにMCの中で説明してもらうこととして…今年は犬神サアカス團の30周年イヤー。
その第1弾のライブがこの『あそびをせんとや』となる。10v犬神サアカス團の30周年。
めでたいネェ~。
犬神サアカス團がMarshall Blogに初めて登場したのは2013年11月25日のこと。
下の写真はその時の様子…『BAKA EXPO』のレポートだった。
今のMarshall Blogが始まったのは今から12年前の2012年10月のこと。
よって犬神さんは最初期からご協力頂いていると言ってもいいでしょう。502 そこで、Marshall Blogとしては犬神さんへの日頃の感謝の意味と30年という長きにわたる「ロックバカ活動」に畏敬の念を込めて、明兄さんのご賛同を得て連載記事を掲載させて頂くことにした。
巻末に乞うご期待。
Ic30それでは早速『あそびをせんとや』スタート!
  
場内にストラヴィンスキーの「火の鳥」が流れる中ステージに姿を現した犬神サアカス團の4人。
記念すべき30周年イヤー最初の曲は「地獄の子守唄」。
20犬神凶子30v犬神明40v犬神サアカス團の30年目もドラムスはNATAL(ナタール)!
お願いだから「ナタル」って言わないでね。50ONOCHIN60vもちろん30周年もONOCHINはMarshall。
ちゃんとアンプのインプットにケーブルをつないでいい音を出して頂きます。70v犬神敦80vそのまま続けて「鬼畜」。90_anONOCHINのワウ・ペダルを効かせたソロが曲調にとてもシックリくる。100チョット最近なかった展開で今回の

スタートした今回のライヴ。110「こんばんは、犬神サアカス團です。
明けましておめでとうございます。
なんと犬神サアカス團は今年で結成30年!
今日は30周年記念ライブの1回目です…なので元気よくいきたいと思います!」
110vそして、ルーティンの口上。
「今宵お目にかけますは犬神一座の大サアカス」
「♪ジャン!」
130v「どうかひとつ最後まで盛り上がっていくぜ~!」1203曲目は定番の「花嫁」。
140前回は「追い腹」や「心中」で脱線したんだっけね。
人を愛する喜びを知りました そう、それだけが生きがいなんです
凶子さんの科白を交えた迫真のパーフォーマンス。Img_9234_3 この美しくも物悲しいサビのメロディ。
やっぱり名曲だわ!120_hy続けて「あだうち」。
150_aduナゼかわからないんだけど、最近この曲のサビがやたらとアタマの中で鳴っているんだよね~。
それだけ耳に残る歌詞とメロディということにキマってる。
160宿敵を袈裟懸けに斬ってしまうかのような華麗なギター・ソロ。170v続く敦くんのベースのパートは相変わらずのトリハダもの。
いいね、この曲はどうにもカッコいい。180ONOCHINの弾くソリッドなリフは「桜散る中」。
やっぱりこういうギターはMarshallで弾かないと曲に意味が出て来ない。190v_scnコレは久しぶり。
「♪イェイイェイイェ」がすこぶる気持ちイイぞ!200伝統のブリティッシュ・ハードロック然としたドライビング・チューン。
犬神サアカス團の得意とするところだ。200vあのね、こういうギター・リフでスタートして、ストレートに突っ走って、適度にメロディアスで、ギター・ソロがあって…というスタイルのロックは今世界規模で絶滅の危機に瀕しているんだよ。
こうしたスタイルの音楽にシビれて育ったジイさまたちがいなくなった時が最期だ。
我々はひとつの「音楽」が消えて無くなる瞬間に立ち会っていると言っても決して言い過ぎではなかろう。
まぁ、あと5年ってところだろうナ…10年はとても無理だろう。
だからその手のロックを絶滅の危機から救うと思ってみんなで犬神サアカス團を応援しなきゃいかんゾ。210v「どうもありがとうございます。
今日のテーマは『あそびをせんとや』です。
どんな意味を込めてこのタイトルを付けたのか訊いて聞いてみたいと思います…明兄さん?」Img_9501 「犬神明です。
『あそびをせんとや』ネェ。
元々はそういう歌があったワケですよ」
220「平安の中期から鎌倉時代にかけて『今様(いまよう)』という宮廷で流行した歌謡がありましてね、その中で後白河天皇が『遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん、遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ』という歌を詠んだワケですよ。
コレは子供が遊んでいて、その無邪気な姿を見ると本来人間は遊ぶために生まれて来たんじゃないか?と思った…という意味」
240v「そうしてみると色んな苦悩があったり、悲しいことや、辛いこともあるけど、本当はオレたちは遊ぶために生まれて来たんだよね?遊んでてもいいんだよね?…ってこと。
だから遊んでいてもいいんだよね?って言うと語弊がありますが、30周年だから遊ばせてもらおうかなと思い、今日のライブのタイトルとして『あそびをせんとや』としたワケです。
遊びをするために生まれてきたんだから、ちゃんと今年から遊ぼうよ!
そんなおおらかな気持ちで今年は1年間ガンバっていきたいと思いますのでよろしくお願いします!」
230v「ということで、今日は明兄さんが一生懸命考えてくれたセットリストを演っています。
みんな、立ったり座ったり、立ったり座ったり、自由に見て頂けたらな~と思います」

0r4a0173 ガラリと雰囲気を替えて2012年のアルバム『恐山』から「紅雀」。260_bsONOCHINのアルペジオをバックに悲しい歌を切々と歌い上げる。
「楽町」だなんて若い人にはわからないでしょう?
この曲って舞台設定が終戦直後だったのか。
今からちょうど50年前、敗戦から29年、当時の私は熱狂的な映画少年だったので毎週のようにラクチョウに映画を観に行っていたわ。
その後、ロックに夢中になってのハンター狂い…有楽町は私の「青春の街」なのだ。Img_9651 悲しい悲しいギター・ソロ。
持ち替えたギターの音色がまたバッチリと曲調にマッチした。280vってんでコレは明さんのご参考に…その頃の私の有楽町の思い出を綴った3編。
  ↓    ↓    ↓
【Shige Blog】I Remember The Town~私の銀座/日比谷/有楽町<その1>

その明兄さんが敦くんと徹底的に重苦しいグルーヴをクリエイトする。290_hk「♪焼け跡街に立つ紅雀 片言英語で春を売る」なんて文句が出て来るけど、こんな映画いいよ~。
日本映画史にその名を刻む名匠成瀬巳喜男監督の1955年の作品『浮雲』。
原作は林芙美子。
主演のデコちゃん、高峰秀子が気の毒でネェ。
そして、その相手の森雅之の悪いこと!
この人って『或る女』で有名な有島武郎の長男なんだよね。
犬神っぽい話しとしては、この有島武郎って軽井沢の別荘で不倫相手と心中したんだけど、遺体が発見されるまで1ケ月かかったためその有様は「暗黒礼賛ロックンロール」状態だったそうだ。10_ug 次に持って来たのは久しぶりの「一つ目小僧」。
310v歌詞と曲と編曲がビシっと決まるとこうなる…の見本。
凶子さんの歌声で演ずるところがまた効果バツグン。
7年もの長きにわたる凶作により東北地方では50万人が餓死したという「天明の飢饉」に関する本を読んでごらん。スゴイよ。300この曲で「山に捨てたオババが唸る」と凶子さんが歌っている。
「ひとつ…山に入ったら口をきいてはいけない」
「ひとつ…山に入ったら振り向いてはいけない」
…とお母さんを山に捨てに行く息子に村の長老たちが「姨捨」のルールを説明するシーンが1958年の木下恵介監督の『楢山節考』に出て来る。
今村昌平が1983年にリメイクした同作は主演のおりんを演じた坂本スミ子が前歯を4本抜いたことで話題になったが、絹代さんはその25年前にそのおりんの役を演じるためにやはり前歯を4本抜いた。
確か、その前年に役作りのために上下合わせて10本の歯を抜いた三國連太郎に四ツ谷だか新橋だかの歯科医院を紹介してもらった…とか。
また、トトロのカンタのお婆ちゃんの声を演った北林谷栄さん。
「メイぢゃ~ん!」てやるでしょ?
北林さんもとてもいい役者で、40歳代の時に『キクとイサム』という映画で70歳のお婆さんの役を演じるために歯を抜いたそうだ。
役者は歯を抜いてもまた生えてくるんだろうか?と思っちゃうわね。
抜くのはいいけど、一体その後何年もどうしていたんだろう?
今でも「役作りのために減量した」なんて話を耳にするけど、今は歯を抜くまで役作りをするような価値のある映画はなかろう。
なんならCGもあるし。
この1958年版の『楢山節考』は進取の気性に富む木下さんが歌舞伎のスタイルを取り入れて全編スタジオで撮影した作品だった
私は子供の頃に一度観たが、その作風がすごくキライで全く受け付けなかった。
ところが、耳順(60歳)を過ぎて観てみるとコレが実にいい!
私自身が絹代さんのファンになっていることもあるが、イヤだった歌舞伎仕立てが実にカッコいいのだ。
ちなみに原作を書いた深沢七郎はギタリストですからね。
井上ひさしがいうところの「ストリップ劇場界の東大大学院」だった「日劇ミュージックホール」でギターを弾いていたというのだから生半可な腕前ではなかろう。
井上さんが進行係を務めていた浅草の「フランス座」は東大なのだそうだ。Nbk 「どうもありがとうございます。
今年も引き続きベースは敦くんにサポートしてもらいます。
敦くんは『今年はオレのココを見てくれ!』というのがありますか?」320「皆さん、明けましておめでとうございます。
今年は辰年ということで…ボクは丑年なんですね。
辰と丑はどういう関係にあるのか?って言うと、マァ~あまり関係ないですね。
やっぱり辰ってカッコいいじゃないですか?
ボクも本当は辰年に生まれたら良かったと思うんですけど、あいにく干支は選べませんからね」
335v「ボクが生きてるってことをみんなが認識することで、ボクが初めて生きている証明になります。
人がひとりで生きていくっていうのはあり得ないんですね。
誰かに認めてもらって初めて生きてるって感じ!」
330コレも久しぶり「空の色は何色ですか」。340_sin凶子さんの歌声が映えるロッカ・バラード。
他に同類のレパートリーはあったかな?…ナゼかすごく犬神っぽさを感じる。350続いてONOCHINのギターが奏でるメロディがまごうことなき犬神サウンドを演出する「赤猫」。
360v_an考えてみると犬神サアカス團には「赤」関係のタイトルの曲が多いね。
やっぱり方向性としては「血」につながってるのかな?Img_9677 こうして新旧のレパートリーを巧みに組み合わせて30周年イヤー最初のステージの前半を終了した。380v今日は明兄さん考案のセットリストで進行しております。390v<後編>につづく

犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト0r4a0102(一部敬称略 2024年2月11日 三軒茶屋HEAVEN'S DOORにて撮影)

☆☆☆私の谷中墓地(その1)☆☆☆

さて、ココからが冒頭で触れた犬神サアカス團の30周年を記念する特別連載のコーナー。
ナニをやるかと言うと…「墓」。
「墓」といっても「歴史雑学の勉強」です。
それがナンで犬神さんの記事なのか…だって他にくっつけるところないでしょう。
かつてはステージに卒塔婆を立てていたぐらいなんだから。
歴史に興味があれば、そこに登場する人に会ってみたいというのが人情というモノ。
ところがそんなことができるワケがない。
その点、「墓」というのはそうした人物たちに接することができる唯一の場所なんですよ。
そこで東京都が管理している「谷中霊園」に眠っている偉人・著名人の墓の紹介をライブ・レポートの巻末に連載して犬神サアカス團の30周年イヤーに花を添えよう…というワケ。
Ic30ところで、世の中にはそこら中の有名人のお墓を巡り歩くことを趣味にしている「墓マイラー」と呼ばれる人がいるんですってね?
この連載はそういうのとは違います。
墓は歴史に関する知識の宝庫ですからね。
谷中霊園に葬られている著名人にお願いしてご当人の周辺を探ってこの国の文化に関する知見を多方面にわたって広めてみようとしているのです。
飽きたり、メンドくさくなったり、ネタが尽きた時にはシレっとヤメちゃうかもしれませんのでその辺りもよろしく。0r4a0113さて、その谷中墓地。
正式な名称は「東京都谷中霊園」という。
東京都には規模が最も大きい「多摩霊園」の他、八柱、小平等いくつも公営の墓地があるが「三大」ということになると「青山」、「雑司ヶ谷」そして「谷中」ということになるらしい。
この3大霊園はどれも1874年、明治7年の9月の開園。
青山霊園は美濃郡上藩(みのぐじょうはん、4.8万石)の藩主であった青山家の下屋敷跡に造られた。
今の「青山」という地名はこの「青山家」から名付けられている。
やっぱり天下の青山墓地だけあってスゴイ人が葬られているね。
特に政治家の名前が目を惹く。
一方、雑司ヶ谷霊園は徳川吉光の鷹狩り用の鷹を飼育する「御鷹部屋」があった場所が元で、要するに昔はただのノッパラだったのだろう。
コチラは夏目漱石、小泉八雲、永井荷風の墓などがあって文人墨客御用達のイメージがあるな。
中浜万次郎、すなわち「ジョン万次郎」の墓もあるそうだ。
私にとってこの「雑司ヶ谷」という地名は今村昌平の『復讐するは我にあり』なんだよね。
緒形拳が「どちらにお住まいなんですか?」と加藤嘉扮する弁護士に尋ねると「雑司ヶ谷です」と答え、「あの辺はいいですね~」とやり取りする。
そしてその雑司ヶ谷のアパートを訪ねた緒形拳が加藤嘉を扼殺してタンスにその死体を隠す。
そんなシーンがあった。
私は高校生の時、そうして「雑司ヶ谷」という地名を覚えた。
しかし!
「霊園の王者」といえば(そんなんあるのか?)何と言っても「谷中」だろう。
谷中の墓地は明治政府が「江戸三大富くじ」で知られる名刹「天王寺(当時は感応寺)」の墓所を没収して造られ、園内に芝の増上寺と並ぶ徳川家の菩提寺である寛永寺の墓所を擁しているからだ。
つまり元々お寺や墓所だったワケ。
ココにはもちろん政治家や文人墨客も多く眠っているが、園内を見て歩いた印象としては軍人あるいは元華族の墓が多いように思える。
東京ドームの2.2倍の面積に大小約7,000基の墓が並んでいる。
それだけ立派な人の墓が立ち並んでいるだけに一般の人はココに墓を建てることができないかというと今は全くそうではなくて、抽選に当たって料金さえ支払えば政治家や文人墨客でなくても、はたまた東京に所縁のない地方出身の人でも墓を建てることができる。
立派な墓石を目にすれば、昔はココに墓を建てることが大変であっろうことが容易に窺い知れるが、今では「ウチの墓は谷中ですから」と言ったところで特段ブランド力が強いなどということは言えないだろう。
抽選の倍率は約8倍とか言ってたかな?
園内には勧誘の幟をよく目にする。
ところで、そもそもナンで私が谷中墓地に目をつけたのかというと…ココは季節を問わず散歩に最適な場所なんですよ。
もちろん昼の日中しか来れないけどね。
  
下は谷中霊園の入り口のひとつ。
メインストリートとなる通りは突き当りにある天王寺への参道だ。10_2墓地と言えば花屋がつきもの。
入り口の脇には数件の花屋が並んでいる。
たとえばコチラ。
50_3石の表札が雰囲気を醸し出している「ふじむらや」さん。
60v_3その向かいには当然のごとく石材店も営業している。0r4a0005 池波正太郎の『鬼平犯科帳』に出て来る「谷中・いろは茶屋」はこの辺りが舞台なのだそうだ。
天王寺の門前町としてにぎやかだったらしい。
10_oh 池波正太郎の生家は浅草の待乳山聖天のすぐ近くにあった。

Mtch待乳山聖天の横にはそのことを示す碑が立てられている。
池波さんは1923年の生まれだからジム・マーシャルと同じ歳だった。
大正12年、9月に関東大震災が発生した年だ。Si 池波さんの「谷中」といえば、「谷中・首ふり坂」というのも短い話ながらとてもヨカッタ。
この話の舞台も谷中霊園のすぐ近くだ。Yks 霊園の入り口付近にある花屋でひと際目を惹くのがこの「花重(はなじゅう)」。
創業は今から154年前の明治3年(1870年)だというからかなりの老舗。20_2昭和40年に三代目が渡米し、帰国後日本で「フラワーデザイン」なるものを広めたそうだ。
ある時、店の前を通りかかるとカフェが併設されていて驚いた。
周囲には飲食店が極端に少ないため、墓参客の休憩場所を当て込んだのだ。30 関澤石材店や花重の並び。
向かって左が「三原屋」、右が「おもだかや」。
ともにかなり年季の入った日本家屋ははじめ宿坊のようなモノかと思ったが、休憩所として営業しているのだそうだ。
墓参してくれたお客さんをおもてなしするところ。
一般人の生活の中に墓参りの習慣が根付いていた頃はきっと繁盛していたのであろう。40_2さて、いよいよ谷中霊園の中に入る。
ところでさっきから「谷中霊園」と「谷中墓地」という固有名詞を混同して使っているが、たとえ「谷中霊園」が正式な名称でも地元民としては「谷中墓地」の方がどうもシックリくるんだよね。
だから意味は同じ。
冒頭にも出て来た下の写真の通りは「さくら通り」と呼ばれている。
その名の通り道の両脇の木々はすべて桜だ。
春になると桜のトンネルができてそれはそれは美しい光景が眼前に広がる。
すぐ近くに「上野恩賜公園」という日本を代表する桜の名所があるがコチラは墓地。
さすがに満開の桜の下でドンチャン騒ぎをするバチ当たりもいないので、規模は上野に遠く及ばないが「桜を見る」ということであればとても適切な場所と言えよう。
写真は初夏のようす。75コレは冬のようす。
突き当りの坂を下るとJRの日暮里駅だ。
ココって「正門」みたいなモノが存在しなくて、色んなところから入ることができる。
恐らくあまりにも広いので四方八方から入園できるようにして来園者の利便性を高めているのだろう。
80_2入り口の左にある「花岡真節」という将軍家奥医師の碑。
日本の医学史で「はなおか」といえば世界で初めて全身麻酔を成功させた「華岡青洲」の名がまず出てくるのが普通であろう。
ところがドッコイ、コチラの花岡先生も将軍の侍医として14代家茂と15第慶喜を担当したエライお医者さん。
「長野出身」で「花岡」姓なのでテッキリ諏訪の人かと思ったらさにあらず。
諏訪は「花岡」さんと「岩波」さんと「高島」さんが多いのよ。
現に「岩波書店」の創始者である岩波茂雄も諏訪の出身だ。100v_2この花岡先生、調べてみるとスゴイよ。
Marshall Blogに何回かご登場頂いている松本良順というコレまたベラボーにエライお医者さんと一緒に長崎へ赴き、ポンぺやシーボルト(2回目の来日時)の薫陶を受けた。
そして長崎医学校、伊東玄朴らと西洋医学所、さらに東京医学校を設立した。
要するに今の東京大学医学部の前身ね。
そして、東京大学が設立されると初代の医学部長に就任し、医学部付属病院すなわち東大病院の初代病院長となった。
東大医学部ではドイツ人医師ベルツ先生の同僚だったそうだ。
東大医学部の歴史とベルツ先生については是非こちらをご覧頂きたい。
明兄さんは必見だ。
  ↓  ↓  ↓
【Shige Blog】草津よいとこ…その後マイッタ!<その1>~「ベルツ」ってナ二?

コレが花岡先生。
かなりイメージに食い違いがあるな。
私は吉村昭先生が著した松本良順や高松凌雲(この人のお墓も谷中墓地にある)、高木兼寛等に関する本を読んでいるんだけど、「花岡真節」という名前が出て来た記憶が全くないし、インターネットで得られる情報も極めて少ない。
でも、この板碑の巨大さはこの人の業績に見合ったサイズなのかも知れない。
10_shinsetsu この墓地には碑とは別に花岡先生の墓があったが、面倒を見る者が続かない…ということで数年前に墓じまいをして共同の永代供養墓に引っ越してしまったそうだ。
こんなにエライ人でもそうせざるを得なかったことに驚きを禁じ得ないね。
 
碑と同じ敷地内に立っているのが下の写真の右端の「青年松倉乾二之碑」。
この松倉さんについて調べたんだけど、どうしても情報を得ることができなかった。
チョットだけ近づくことができたのは、「日印貿易之犠牲者松倉乾二」という大正8年に上梓された本があって、その著者が花岡敏夫さん。
この方は東京大学の法学教授で花岡真節の養子なのだそうだ。
「日本とインドの貿易の犠牲者」?…ウ~ム、一体どういうことなんだろうか?実に気になるタイトルだ。
さくら通りをはさんでその花岡先生の向かい辺りにあるのが「高橋お伝」の墓…と言っても墓ではなく碑。
「おでん」といってもセブンイレブンはありませんよ。
「明治の毒婦」と異名を取った「高橋でん」のこと。
この石碑はお伝の三回忌の折に仮名垣魯文らが立てたモノ。110_2「明治の毒婦」なんて言っても、今の世の中にあってはゼンゼン大したことはない…というより同じ「毒」でもどちらかといえば気の毒の「毒」の人だったようだ。
不治の病に罹った最初の夫を看病するために自ら身体を売るまでしたが、その甲斐なく死別。
傷心のお伝がその後恋に落ちた相手が博打好きのろくでなし。
家は借金まみれになり、知人に借金を頼む。
お伝が美しいもんだから夫ソイツは夫婦を装ってお伝と一夜を共にする。
ところが翌朝ソイツが「金は貸さん」と言ったものだからお伝は逆上。
持っていたカミソリでノドをかっ切ったという次第。
下がそのお伝の残された写真とされているんだけど、この時代にこの器量となると相当な美人だったハズ。
お伝は市谷監獄に収監され、斬首された。
そのお伝の首を切り落としたのが八代目山田浅右衛門吉豊の弟、山田吉亮(よしふさ)だった。
処刑の時、お伝が暴れたため吉亮は職務を完遂するのに大変な苦労を強いられたという。130v_p さて、ココから大きく歴史脱線。
下は南千住の延命寺の境内にある「首切り地蔵」。
江戸の昔、この辺りには品川の鈴ヶ森と並ぶ「小塚原(こづかっぱら)」という刑場があって、明治初年に廃止されるまでに20万人が処刑されたという。
「20万人」ってどんだけ~?
だから、昔のタクシーは夜間にこの辺りには行ってくれなかったそうだ。140_2一方、こっちが「鈴ヶ森刑場」の跡。
鈴ヶ森に興味がある人はコチラをどうぞ。
明兄さんは必見だ。
  ↓   ↓   ↓
THE OMATSURIES 秋の大感謝祭 <後編>~私の品川富士と鈴ヶ森
145その延命寺の隣にある「三つ葉葵」のご紋を付けた寺が「回向院」。
「回向院」というのは両国にもあるけれど、そちらは1657年の「明暦の大火(=)振袖火事」の犠牲者を慰霊するための寺で、コチラの回向院は小塚原の受刑者たちを弔うための施設。
一昨年「赤猫」を解説する時にも出て来た。
1501771年、小塚原の受刑者を用いて行われた腑分け(解剖)がココで実施され、杉田玄白や前野良沢らがそれに立ち会った。
当時は人体の解剖が禁止されていたため玄白たちは直接死体に触れることができず、幕府役人に依頼して体内をまさぐってもらったそうだ。
「チョットそこ、肝臓引っ張り出してみれくれる?」なんてやったのであろう。160_3この回向院には小塚原で処刑された幕末の志士の墓がズラリと並んでいる。
例えばコレは「安政の大獄」で死罪となった福井藩士・橋本佐内の墓。屋根付き。170_2コレは「鴨崖(おうがい)」という号の人の墓。
実は頼幹三郎の墓。
井伊大老の失脚を企てたとして佐内同様「安政の大獄」で死刑。
180v_2そしてコレは吉田松陰の墓。240v_3墓碑は「松陰二十一回猛士墓」となっている。
コレは松陰の号で…あ、「松陰」なんて呼び捨てにしたら萩の人に怒られちゃうナ。
「吉田」の「吉」を分解すると「十一」と「口」、「田」を分解すると「十」と「口」。
11+1で21、「口」を2つ重ねて「回」…それで「二十一回」なワケ。250v_2吉田松陰は小塚原で処刑されたのではなく、小伝馬町の牢屋敷の処刑場で首を落とされた。
下は現在中央区立の「十思公園」になっている小伝馬町牢屋敷の跡地。
Img_6158この公園には「松陰先生終焉之地」という碑が立てられている。
松陰はココで斬首された後、小塚原に移送されて埋葬され、その後高杉晋作や伊藤博文がその遺体を掘り返し、長州藩主毛利家の別邸があった今の松陰神社の場所に亡骸を移した。Img_6169 さらにそれから萩に移送された。
下は萩にある吉田松陰の墓。
だから回向院には吉田松陰の遺骨は埋まっていない。260v関鉄之助と…190v_2斎藤監物は「桜田門外の変」の中心人物。
この2人の墓碑に「遺墳」ってあるでしょ?
この言葉は辞書に出ていない。
それで、ある機会に荒川区の図書館の書士に「遺墳」には骨が入っているのかどうかを尋ねてみた。
すると答えは「ノー」だった。
つまり一時的に遺体を埋葬することはあったかも知れないが、「墓とは異なるモノ」だそうだ。
一方、上に出て来た橋本佐内はココに埋葬されていて、だから屋根が付いている…という記述をどこかで読んだことがある。
昔は偉人の墓を複数作ってアチコチで墓参りができるようにする習慣があったらしい。
織田信長なんかは全国で15ヶ所以上あるらしいよ。
今風に言うなら「墓のカバー」か「墓のトリビュート」か?
200v_3スッカリ谷中ではなくなってしまったが、もう少しお付き合い願いたい。
コレは雲井龍雄の遺墳。
この人は米沢藩士でありながら新政府にその才を買われて重用された。
しかし新しい体制に反抗してやはり小伝馬町で斬首され小塚原で獄門とされた。
墓は谷中にある。210v_2コレは藤沢周平が著した雲井の伝記『雲奔る』。
読破するのに結構苦労した。220bさて、ココで脱線の本題。
そうして数えきれない罪人や政治犯が小塚原や小伝馬町の牢屋敷で斬首されたが、その業務を一手に引き受けていたのが山田浅右衛門(=朝右衛門)という人。
「人」というか「ブランド」?
1657年生まれの初代山田浅右衛門の山田貞武から1839年生まれの吉豊まで八代にわたって世襲された処刑人の屋号が「首切り朝」で知られる「山田浅右衛門」。
橋本佐内、吉田松陰、頼幹三郎の首は七代目の山田浅右衛門吉利が斬り落とした。
元々山田浅右衛門は、刑死者の遺体を使って将軍様の刀の切れ味を試す「御様御用(おためしごよう)」という仕事を仰せつかっていたが、どうせ斬るなら…と生きている罪人の首をも斬り落とすことになった。
この職務は独占状態だったので、上に出て来た人たちはいずれかの代の浅右衛門の手によって斬首されているハズ。
そして浅右衛門はその独占状態を利して大儲けをした。
それは薬。
浅右衛門は処刑後の罪人の遺体を自由にする権利を持っていて、その体内から肝臓などの内臓を取り出し、「山田丸」とか「人丹」とか称して万病に効くという薬を作って販売していたのだ。
そして下の写真。
山田浅右衛門は正式には八代目までとなっているが、その八代目吉豊の弟の「吉亮(よしふさ)」こそが最後の「山田浅右衛門」だった。
下の写真がその山田浅右衛門吉亮。
高橋お伝の首を切り落としたのはこの人だった。
川崎高津の経師屋を営んでいた知り合いに金の無心に来ては居候をしていった。
身なりはキチンとしていて必ず袴を着けていたが、虱だらけだったらしい。
居候をしている間、頼まれ仕事は何でも快く引き受け、とても温厚な様子であったが、その家の人が吉亮の袴の裾を踏んづけた時には「打ち首にするぞ!」と烈火のごとく怒り狂ったという。
そして、死期が近い人のことを正確に見極める能力を持っていたそうだ。
見た目、なかなかカッコよくね?
時代劇映画の撮影時のスナップ写真みたいだ。
明治13年に政府が死刑の方法を絞首刑に変更したことにより山田浅右衛門の使命は終了した。
270v_2さて、回向院。
まだスゴイ人のお墓がある。280コレは鼠小僧の墓。290v_2ひと際目立つこのデザインは「腕の喜三郎」。
江戸時代の侠客。
ある時、町でケンカに巻き込まれ、散々相手を痛めつけたものの、自分も腕を落とさんばかりの大ケガをおってしまった。
それでも平気で家に帰ったのはいいが、その腕が見苦しいからと言って、子分に銘じてノコギリで切り落とさせたというかなりダイナミックなキャラをお持ちの方。310v_2スゴイんだかバカなんだかサッパリわからないが、喜三郎の話は講談や歌舞伎に脚色された。320vそして「高橋お伝」の墓。
男を惑わす稀代の「毒婦」としてお伝は遺体から性器を切り取られ、ホルマリン漬けにして保管されたという。
この時、解剖の執刀をしたのが「日本演劇の父」とされる小山内薫のお父さんだった。
小山内薫は和田誠のお父さんの和田精、浅利慶太(この人のお墓も谷中)のお父さんの浅利鶴雄他の演劇人とともに「築地小劇場」を創設した人。
そして、いつしかそのお伝の身体の一部は731部隊の隊員、二木秀雄の手に渡ったという。
二木は敗戦後浅草の松屋デパートである展覧会を企画し、そのお伝の身体の一部を公開して大きな人気を集めたそうだ。
趣味悪いナァ。
300vある時、お伝の墓には花が供されていた。
一体誰が供えたのであろうか?

120v<つづく>
 

200


 

2024年2月 7日 (水)

D_Drive 居酒屋でぃ~どらいぶ in 本八幡<後編>

 
ショウは中盤に差しかかり、宴たけなわにして『居酒屋でぃ~どらいぶ』の名物コーナーに突入する。
「ではでは、さっそく~さっそく~、セッションのコーナーに参りたいと思います!」10Yukiちゃんの紹介で最初にステージに上がったのは…20ドラムスでご参加の高橋カールさん!
40曲は「M16」。
30カールさんが叩いているのはNATALドラムス!45Yukiちゃん曰く「Chiikoちゃんっぽい服」を身に着けたカールさん、Chiikoちゃんのレッスンを受講したこともあるとか…道理で!
55v_2なるほど、なるほど、本家譲りのダイナミックなドラミングで完璧な「M16」を聴かせてくれた!
50_2続いてのご参加はSeijiさんのギター・パート。
このコーナーで最も人気の高いポジションだ。
「あ、オレ?フフン、オレYukiちゃんと一緒にギター弾いたことあるよ」と自慢できるからね。
…ということもあろうが、D_Driveは作曲者がメインのメロディを弾くことがほとんどなので、Seijiさんの曲がお好みであればSeijiさんのパートを演りたくなるというのはごく自然のことなのであろう。
60…ということで曲はSeijiさん作の「Attraction 4D」。
70v小原さんもMarshall。
ビンテージ仕様のJVM410Hと1960Bのハーフ・スタック。75v「演奏する速さもお好みで…」とSeijiさんがMCで触れていた通り、ユッタリめのテンポでスタートして…80_2後半でテンポ・アップ!Img_8797 本家の演奏にはないトリッキーなアレンジ!
しかし、そのあたりの様子を当意即妙に受け取ってビシっと合わせたD_Drive勢はサスガ!000img_9018  0000r4a0225  
Img_8703 演奏が終わってホッとした表情の小原さん。
バッチリでしたよ~!90続いては…
「イントロのパートだけ」というリクエストでステージに上がった片山タケシさん。
110片山さんは電気関係のエンジニアをされており、Seijiさんが使っているエフェクターを製作した人。
お住まいが近く、私も片山さんとはプライベートでお付き合いさせて頂いている。100v_2片山さんが選んだのは「U-Me」。
『DYNAMOTIVE』からのチョイス!うれしいね~!130片山さんもビンテージ仕様のJVM410Hと1960Bのハーフ・スタックを使用。145v実は片山さんとお会いするたびに「『U-Me』っていい曲ですよネェ~」という話しをしていたのです。
だからこの日、片山さんが「U-Me」を弾いてくれるということを耳にした時は「ヨッシャ~」と思った。
「全部は弾けないのでイントロだけですよ!」とおっしゃっていた。
じゃが…
120_2
エンディングまで完璧に弾き切っちゃったよ!Img_8834 Toshiくんも両手を上げてその完走を称えた。
客席からもヤンヤヤンヤの大喝采だったのです。150_2続いては税所(さいしょ)さん。
確定申告のシーズンですな。
「税所」さんという苗字はひと目見て想像できる通り、平安、鎌倉時代の税務事務官から転じた苗字だそうだ。
服部さんとか刑部さんのような「職業ルーツ・シリーズ」のお名前ですな。
日本人の苗字って一般的に10万種類あると云われているんだけど、佐藤さんや鈴木さんのようなスタンダードな苗字が占める割合ってたったの2%なんだって。
言い換えると98,000種類が珍名さんの類らしい。
私の苗字もかなり珍しい部類だけど、まさに日本は「珍名王国」なんですよ。
テレビのニュースを見ているとたいてい1日に1回は「ナンだコリャ!」という珍しい苗字に出くわすもんね。
私、珍名さんが大好きで、お店でもレストランでも係の方が付けている名札に目をやって「コレは!」という苗字に出くわすと必ず出身地をお尋ねするようにしている。
今まで印象に残っている珍名さんは…
瘧師さん:「ぎゃくし」さん。富山の方で意味はマラリヤのお医者さんのことだそう。富山の新湊は珍名さんのメッカだからね。「酢」さんとか「背中」さんとか。
上段さん:「じょうだん」さんかと思ったら「うえんだんさん」。コレには結構驚いた。九州の方。九州も珍名さんの宝庫なのです。「税所」さんも九州に多いそうだ。
百目鬼さん:コレはしらなかったら読めんだろう?オリジナルは茨城らしい。「どうめき」さんと読む。
まぁ、コレをやり出すとキリがないのでこれ以上はやらないが、いつか「マーブロ」ではなくて名前をテーマにした「メーブロ」をやりたいと思っている…んなことはないか。
そこへいくとベトナムなんて国民の7~8割が「グエン」さんだからオモシロくもナンともない。
コンビ二とかで「グエン」さんという名札を付けている人を見かけたら「ベトナムの方ですか?」って尋ねてごらん?
またはベトナム料理のウエイトレスさんに「アナタ、グエンさんでしょう?」って訊いてごらん。
私はいつもコレをやっているんだけど、両方ともオモシロイほど当たるよ。
イヤ、これまでハズれたことが一度もない!
しかし、それほどみんな同じ苗字だったら苗字の意味がないと思うんだけどな。
脱線終わり。
160_2税所さんのチョイスは「Attraction 4D」。170v_2常連さんだけあって「立て板に水」のパフォーマンス!180税所さんが使用したギター・アンプもSeijiさん仕様のJVM410Hと1960Bのハーフ・スタックだった。
今日はこのギター・アンプが大活躍だ!200v「スゴ~い!コレで3曲くらい演ってくださったんですかね?
「M16」も演ってくれたことありますよね?
あと、ロシアン?カシス?…え、スクリューも?
じゃ居酒屋で弾いて頂くのは今回で5曲目ということですか?
ありがとうございます!」210_25回目!?
どれどれ…「マー索くん」で調べてみると、税所さんがMarshall Blogにご登場頂くのは今回で3回目。
Yukiちゃんの記憶通り、2018年10月12日に「Cassis Orange」を弾いてくださった。165vそして、2019年2月22日には「Russian Roulette」を。
コチラもYukiちゃんの記憶通り。
次回に備えて税所さんには『DYNAMOTIVE』からの曲を仕込んでおいて頂きましょう。
「だるまさんは転ばない」かなんか…楽しみにしております。
270v2 セッション・コーナーの最後はナント大阪から駆けつけて頂いた三辻亮平さん。
Yukiちゃんがギターを降ろした。
「やっと現れたんですよ!!!ワタシのパートを弾いてくださる方が!」
230おお!珍しい!
「やっと現れた」って、もしかしてコレが初めてなのか?
確かに私が知っている限りでは今までないパターンだわ。
「それでは私は客席の方でユックリと拝見させて頂きます!」
うれしそうにステージを下りるYukiちゃん。240_2曲はYukiちゃん作の「Begin Again」。
本日2曲目の『DYNAMOTIVE』からのチョイス!260三辻さんはスタンダードなJVM410Hと1960Aのハーフ・スタック。270v_2三辻さんはSeijiさんのレッスンを受けていたことがあって、その当時Seijiさんのパートを弾いたことはあっても、Yukiちゃんのパートには触れていなかったという。
280客席で「高みの見物」とキメ込んだYukiちゃん。
ステージを見つめる目がとても楽しそうだ。290それもそのハズ、Yukiちゃんのリード・パートを完璧にプレイしたのだから!300v_2「うぉ~、ありがとうございます!
もうホンマにワタシのフレーズでしたわ!」
自分のパートをニュアンスまで正確に弾いてもらって感激するYukiちゃん。310「イヤ~、ヨカッタですね~。
自分の機材から出て来る音を外で聞くっていうのもいいものですね。
今の皆さんの演奏を見てやっぱりオレも弾きたい!って思ってる人もいらっしゃるんじゃないですか?
いない…じゃあ、私たちがいっちゃいますよ」
320vするとToshiくんがベースを一旦おろしてひと言…
「Yukiちゃんの気持ちがよくわかった!ずっと弾いていると大変やもんネェ。
さっきココに来てステージを観ていた時、すっごい嬉しそうだったもん!」
というのは、実はベースのパートで参加する予定の方がいらしたのだが、ご都合が悪くなってしまったらしくとうとうお見えにならなかったのだ。
結果、Toshiくんはこのコーナーでの休みはなし。
330「参加されている方を一生懸命応援してくださっているお客さんの姿も良かったですよ!」
オイオイSeijiさん、それってまさにアレじゃん!「がんばれ!」っていうヤツ…懐かしいね!
「今日は全部が終わった後、まだ飲んでてもらって大丈夫なんですが、ボクらも混じります。
よかったらテーブルに入れてやってください」540vセッション・コーナー、楽しかったね~。
こんなことができるのもD_Driveの音楽ならではの話。
こういうのは昔々のヴェンチャーズ時代以来じゃないの?
だから私は昔から「目指せ21世紀のザ・ヴェンチャーズ!」って言っていたんですよ。
チョット脱線。
あのネ、言っておきますけど、最初の頃ヴェンチャーズってのは日本ではビートルズよりはるかに人気が高かったんですよ。
言い換えると当時の日本人はビートルズの音楽を理解することができなかったということ。
いつものアレで「どうも海外ですごい人気らしい」…という情報がマスコミを通じて伝播して日本でも人気に火がついた。
一方、ヴェンチャーズは日本人自身が「カッコいい!」と思って自らで盛り上げた音楽だった。
「テケテケ」なんて実にうまい表現だよね。
いかにも擬音語が得意な日本人らしい。
ところがコレは擬音ではないっていうんだよね。
1964年にアメリカのアストロノウツ(The Astronauts)というテケテケ・バンドの「太陽の彼方(Movin')」というインストのヒット曲に日本では「♪乗ってけ 乗ってけ 乗ってけサーフィン」という歌詞を付けて焼き直しのヒット曲に仕上げた。
日本人得意の「コバンザメ商法」ね。
で、「テケテケ」ってのは「乗ってけ」の「テケ」なんだって。
私はピッキングしながらギターの6弦をグリッサンドした時の擬音だとズッ~っと思っていた。
この「太陽の彼方」がヒットしたのは私が2歳の時(東京オリンピックが開催された年)なんだけど、幼稚園の時ぐらいはまだまだギンギンにハヤっていた記憶がある。
話を戻すと、日本人はヴェンチャーズを歓迎することができたんだから、D_Driveの音楽を歓迎できないワケがないのよ…ね?

さてその楽しいセッション・コーナーの後は再びD_Driveによる演奏のコーナー。
まずは、Yukiちゃんのファンク・ストラミングから…ノってけノってけ「Wings」だ!350_wiYukiちゃんのギターに軽快なドラムスが被さって…360Toshiくんのベースがダイナミックに切り込んで来る。Img_9045 そして、Seijiさんのギターを得て曲はヘヴィに展開する。
カッコいい~!
390続けて…♪ブインブインとベースが唸るイントロは…。
380v親指立ててノッてけノッてけ「Thumbs Up」。
400_2私はこの曲が好きで以前から書こう書こうと思っていたんだけど、この曲の2回目のリフの後の「2つめのテーマ」って言えばいいのかな?…このメロディがよく出たナと聴く度に感心するんだよね。
410v今日もバツグンのアンサンブルでホールトーンだの、ディミニッシュだの、ミクソ・リディアンだの、うれしい音階が飛び交っておりますがこんな曲は世界で他に2つとないと思うんだけどナァ。
でも多分クラシック音楽には何がしか似たようなコンセプトの曲があるんだろうな。
いつか探してみよう。Img_8850 いくらクラシックに似たような曲があったとしてもまさか演奏中に親指は立てないだろうよ。
D_Driveの勝ちである。420_2Chiikoちゃんから物販の案内。
今年も制作した「副DVD」がイチオシ!
460v「ありがとうございます。
この前もお知らせしたんですが、D_Driveはこの1月で15周年を迎えます。
15年…ホントによくやってきたと思います。
たくさんのバンドと一緒に演らせてもらって来ましたが、既になくなってしまったバンドも結構います。
そんな中コロナ禍もありつつ、こうして続けることができたのは皆さんひとりひとりがこうしてライブに来てくれたりとか、音源を聞いてくれたりとか、グッズをお求め頂いて応援してくださった積み重ねのおかげです。
本当にありがとうございます。
私たち以外にもガンバっているバンドもいらして、それに負けないようにガンバっていこうと思っておりますので今年もよろしくお願いします!」
530v「それで…『15周年ライブ』が決定しております。
9月7日が大阪十三のGABU。
11月16日は新横浜のNew Side Beachです。
今年はライブの本数が減ってしまいますのでゼヒ全国各地からこの2つの公演に集まって頂きたいと願っています。
それと来月にはヴァイオリニストのAYASAさんと『AYASA×D_Drive』の振替公演を開催しますのでそちらでもお待ちしております!」 470vということで最後のセクションは7弦ギターで2曲。
Yukiちゃんのギターからスタートしてヘヴィに〆るぞ!
480ということで「Be Yourself」。480_bysリバーブを最大限にかけたドラムスから…490Seijiさんのリフで「Breakout」。500後半の格闘系アンサンブルを経て…510重々しく本編終了!
今日もアッという間だったわ~。520アンコール。
「今日は本当にありがとうございました。
久しぶりの『居酒屋でぃ~どらいぶ』はお楽しみ頂けましたでしょうか?」
Img_9129「このイベントはまだ終わりじゃありませんよ!
ライブが終わったらワイワイガヤガヤと居酒屋がの始まりますからね!
今日もシャンパンありますよ~。」450v 「ナンカさっき今日のライブのことを『飲み会』って言うてはった方いらっしゃいますよね?
『飲み会』じゃないですよ!
ビックリしましたけど、超オモロイな~と思いましたわ~!
でもこの後はホントの『飲み会』ですからね~!」
555v「飲み会」ね。
ま、日本でもコンサート会場やライブハウスでビールのようなアルコール飲料を扱ってはいるけれど、海外ではコンサートが飲み会になるよう本格的にお酒を飲ませるコーナーがありますからね。
ブロードウェイやウエスト・エンドのミュージカルを演っている劇場なんかもそう。
各界のロビーにアホほど立派なバーが付いている。
例えば…下はイングランド北部のニューカッスル一番の大劇場「Newcastle City Hall」。
ココは内部の壁面がレンガでできていて、レッド・ツェッペリンが出演した時はバカでかい音が壁面に反響してそれはそれはスゴいことになったらしい。
エマーソン・レイク&パーマーの『展覧会の絵』、ウィッシュボーン・アッシュの『Live Date』、ロキシー・ミュージックの『Viva! Roxy Music』、モーターヘッドの『No Sleep 'till Hammersmith』等のライブ・アルバムの名盤を録音した名ホール。
下がその正面玄関。

556そのすぐ横にはバー専門の入り口がある。
ココでコンサートを観ることができるワケではなくて、コンサートが開かれている時にバーが開いてそこで呑めるようになっているだけの話。
日本に比べてエンターテインメントとアルコールの距離が断然近いことを思い知るわね。
とにかく「呑んで音楽を楽しんじゃおう」という文化ね。557vさて、アンコール。
Seijiさんの人口シーケンスから…590_lr「The Last Revenge」!
奇しくも今回の<前編>の冒頭で触れた『居酒屋甲子園』で演奏した1曲。
600今日は「居酒屋」で始まって「居酒屋」で終わった。
「『(演奏が)うまかった』より『楽しかった』!」のD_Driveでした。
うまいのは当然ですから。610 620v 630v次回の関東エリアでのライブは新横浜ということで。
それは「飲み会」ではありませんからね~!
 
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Website640

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<だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)>

<Wings>

<Thmbs Up>

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200 (一部敬称略 2024年1月28日 本八幡ROUTR FOURTEENにて撮影)

2024年2月 5日 (月)

D_Drive 居酒屋でぃ~どらいぶ in 本八幡<前編>

 
今日は久しぶりに本八幡のRoute FourteenからD_Driveの人気企画『居酒屋でぃ~どらいぶ』のレポート。
Route Fourteenはお店の方々がすこぶるご親切で大変に居心地がいいものだから「ホーム感」が極めて強い。
まるで実家に帰って来たような雰囲気が久しぶりにお邪魔したという感覚を鈍らせるが、「マー索くん」で調べてみると2023年2月28日以来、11ケ月ぶりだった…エエエ!約1年もご無沙汰だったのか!
父のお墓があるので市川までは時々来ているんだけどね。10vしからば『居酒屋でぃ~どらいぶ』となるとどうだ?
これも「マー索くん」を使って調べてみた。
前回Marshall Blogでレポートしたのは2019年11月20日のステージだった。
当然コロナの前。
下はその時のもよう。
4年2ヶ月前…こうして見るとほとんど変わらないけど、コロナのせいで日本のロックを取り巻く環境は大きく変わってしまった。11「居酒屋」といえば、もうひとつ。
この「居酒屋」もなつかしい。
6年チョット前、SeijiさんとYukiちゃんはこの時パシフィコ横浜で5,000人の観客を前に「The Last Revenge」を披露した。12全国の居酒屋さんが参加した『居酒屋甲子園』という大イベント。
接客クォリティの向上に対する意識やノウハウを競うコンペティション。
参加チームのひとつが「『おいしかった』より『楽しかった』を!」というスローガンを控室で盛んに唱えて練習していたのがとても印象的だった。
ま、「おいしく」なきゃ「楽しく」ないんだろうけどね。13おいしくて楽しい『居酒屋でぃ~どらいぶ』の余興のステージのようす。20vステージ上手から…
SeijiさんのMarshall。
30vChiikoちゃんのNATALドラムス。
50ひとつ飛ばして…ToshiくんのEDEN。40v今ひとつ飛ばしたYukiちゃんの今日のMarshallはコレ。
前日のステージで愛用のBlue Rosesにトラブルが発生したため急遽JVM410の既製品のハーフスタックを用意した。60v今日の1曲目は「GEKIRINー逆鱗ー」。
ドロップDコーナーからのスタートだ。70Seiji80Yuki90vToshi100vChiiko

Img_8702 満席の居酒屋エリアのお客さんの目の前でノッケからエキサイティングなパフォーマンスを披露。1202曲目はガラっと替わってSeijiさんのギターのストラミングから「Gradation」。130_grポップな展開の中にキリリとしまったハードさんが宿るD_Driveならではの1曲。140vスムースなステージ運びで久しぶりの『居酒屋でぃ~どらいぶ』が始まった!150「皆さんこんにちは、D₋Driveです!よろしくお願いします!
本八幡ルート14、久しぶりの『居酒屋でぃ~どらいぶ』でございます。
お食事はもちろん、後ほど『セッション・コーナー』がありますので色々とお楽しみ頂きたいと思います。
皆さん飲んでますネェ、いいですネェ。
今日は最初に1時間くらい私たちが演奏して、その後にセッション・コーナーがあって、また私たちが演奏する…という流れになっております」
160「セッションの皆さんの出番の順番は私たちの方で決めさせて頂きました。
もう発表しておいた方がいいですか?
心の準備もりあますからね」
Yukiちゃんが早くもそのセッション・コーナーで登壇される6名の皆さんを紹介した。
170v「パート別とか、いろいろ曲が重ならないようにとか。そういうのを考えて構成しました。
テンポを落として欲しいとか、途中までしか出来ないとか全部アリにしています」Img_8643_2 「では、まだまだ我々の演奏を続けますので、セッションにご参加される皆さんは緊張しつつ待っていてください。
でもネ、ご覧の通りD₋DriveRさんが集結したアットホームな空間ですので思う存分に楽しんで演奏して頂ければと思います。
本日も最後までよろしくお願いします!」0r4a0121『DYNAMOTIVE』から2曲。
まずはSeijiさんが弾くあのラジカセでギターを弾いたサウンドから「古き良き街(I Remember the Town) 」。180v_it中間部ではみんなで手拍子。
今日はさっきの「Gradation」と手拍子曲が並びましたな。
190ま、「居酒屋」と来りゃ手拍子のひとつも揉みたくなるわな。200Seijiさんじゃないけど、本当に最近は昔のことが懐かしくなっちゃってネェ。
「そういえばああだったとか」、「アソコはこんな風になっていた」とか…。
コレも歳を取った証拠なんでしょうけど、二度と戻って来ないその時の雰囲気や光景を思い出すことは実に楽しいし寂しいナ。205ChiikoちゃんのカラのドラムスにSeijiさんが弾くカセット・リフが乗っかって来るところが何ともカッコよろしい。210『DYNAMOTIVE』からのもう1曲は「Get Away」。220問答無用で突っ走ることを曲作りのテーマに据えたYukiちゃん作のドライビング・ナンバーだ。0r4a0087 で、思いっきり突っ走った!230vYukiちゃんの華麗なプレイの見せどころ!
こうした演奏もチャンとしたMarshallの真空管アンプを使っているからこその話し。
最近、フロア・タイプやデジタルのプリアンプとライブハウスにあるMarshallのパワー・アンプだけを使って高校の文化祭の時のような音で弾いているギタリストを見かけるけどモッタイないね~。
特にどうしても音の線が細くなってしまう女性ギタリストこそ真空管で駆動させるアンプ内のプリアンプを使って太い音で弾くべきだと思うけどネェ。
その音違いはYukiちゃんのギターを聴けば一発でわかる。
Yukiちゃんは他の現場でもJVMをフルに使ってくれているけど、「やっぱり音が太い!」とおホメの言葉を頂戴しているようだ。
当然のことでしょう。
Marshallだってバカじゃない…60年も真空管のアンプを作っているんだから!
そのプリアンプを使わないなんて宝の持ち腐れですよ。
重いのはゴメン。そりゃ軽い方が取り回しが楽だわナァ。
デジタルだのAIが出て来て「音が良い」より「目方が軽い」アンプが「いいアンプ」になっちゃった。
真空管アンプが重いのは「Transformer」という鉄のカタマリが2個はいっているからで、コレがないと本当にいい音が出ないのよ。
「音」を採るか、「楽」を採るか…2つつなげりゃ「音楽」になるけど、両方同時に手を入れることはできないのだ。240このセクションを締めくくったのは「Mystery Zone」。340_rb『DYNAMOTIVE』からこうした初期のレパートリーに戻ると…250v_mz15年もの長い歴史を感じるネェ。260vそして、こうして曲が新鮮なままに残っているところがスゴイ。270vひとつには「歌詞」がないおかげだろう。
でも「歌」があるから曲がいつまでも輝き続けているのだ。
280v「さてさて、早いもので残すところあと3曲でセッション・タイムになります」
ココでYukiちゃんが前日のダブル・ヘッドライナー・ライブで発生したアンプのトラブルを説明して代品を用意した私に謝辞を送ってくれた。
イエイエどういしたしまして、それが私のお仕事ですから!
310v「ナンや、ココ最近のライブの中で今日は一番ガヤガヤしてますね!
ガヤ最高~!」Img_8670 「今日はもう新年会みたいなノリでいいと思います、ホントに!
関西では『新年会ライブ』っていうのをやったんです。
関東ではやっていないので今日がその『新年会ライブ』のようなモノだとボクは思ってます。
ホントに楽しんでください!さらけ出してください!」320v_2 「ほんなこんなで、前半の残りの曲をもう演っちゃっていいのかな?
チョット進行が早かったかな?
1時間の予定だったんですけど、まだ30分しか経っていないことに気がついたんですよ!
曲を増やせばいいって話かな?」300v前半の残り3曲。
まずは「Runaway Boy」。
340_rb_2『DYNAMOTIVE』には収録されているものの、コレも極々初期のレパートリー。
Chiikoちゃんと…350vToshiくんが生み出すゴキゲンなロック・グルーヴはバツグンの気持ちよさ!360vそして『DYNAMOTIVE』収録のキラー・チューンのひとつ「だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)」を続けた。370_rlglスリリングな曲の展開に客席の熱気がますますアップしていく。380連続3曲の最後は「Drive in the Starry Night」だった。390_disnこの後は楽しいセッション・コーナー。
久しぶりだでね~。
その前にガッチリと気合の入ったパフォーマンスを見せてくれた4人であった。400 410 420 430vもちろん「スターリー・フォーメーション」もバッチリ!
これにて前半終了。
レポートの<後編>はセッション・コーナーからだよ!
出演された皆さんは記事拡散の準備をお願いします!
 
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Website440<後編>につづく
 

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200 (一部敬称略 2024年1月28日 本八幡Route Fourteenにて撮影)