田川ヒロアキ~MUSIC TRAVELING 2025 <後編>
田川ヒロアキの『MUSIC TRAVELING 2025』の後半のレポート。まずはヒロアキくんが1人で登場。
「それでは、続きだぁ~!
珍しくアコギを持って来ました…というワケで第2部は弾き語りから始めたいと思います。
先ほどデザート・タワーを出してもらって、後で頂くのを楽しみにしているんでが、皆さんはデザートも含めてお料理をお楽しみ頂けましたか?
ピアシスのお料理は最高ですよね!
さて、ココで皆さんにアンケートをしたいと思います。
挙手だと私には結果がわかりませんので拍手で答えてください。
今日、6月7日がお誕生日だという方はいらっしゃいますか?(シーン)
じゃあ、昨日か、明日か…前後2日も含めて6月がお誕生日もの方は?(パチパチ)
あ~、いらっしゃるんですね。おめでとうございます。
1年に1回誕生日があるというのは、それまで無事に周りの方々と生きてきた表彰状みたいなものかな?なんて私は思っています。
齢を重ねると『誕生日がめでたくない』なんて言ったりしますが、ここまで無事に生きて来ることができた…近年はそんな感じに考えるようになりました」「アンケートの2問目です。
今日、初めて田川のライブに来てくださったという方はどれぐらいいらっしゃいますか?(パチパチ)
お~、ありがとうございます!
Nice to meet you!你好!
今日は初めましてですが、2回目以降は常連だと思っていますからね!
最後の質問です。
東京や関東圏にお住まいの方はどのくらいいらっしゃいますか?(パチパチ)
お~、ありがとうございます。
では、関東以外の遠くからお越しの方…あるいは遠くの出身だという方はどのくらいいらっしゃいます?(パチパチ)
結構いらっしゃいますね!遠くからありがとうございます。
さて、私は生まれも育ちも山口県下関市で妻の美瑞穂は宮城なんです。
福岡に取材で来た時に出会いまして、それから縁あって東京に一緒に来ることになり十数年が経ちました。
今でも2人でガンバって夢を追いかけています。
そして気が付いたら今日はココにいた…みたいな感じです」「つい先日、六本木のBauhausというところで『長州友の会 ライブ懇親会フューチュアリング田川ヒロアキ」というライブがありました。
故郷の山口県の方々が定期的に集まる会合でもう10年ぐらい前から参加しています。
色々な企画があるんですが、気が付いたら『私を応援する会』みたいなのが出来てきて、その関係のライブだったんです。
そこで私からテーマをひとつ提案して『山口県にまつわる、または故郷にまつわるキーワード』を会員の皆さんから募ったんです。
するとモノスゴクたくさんキーワードを頂戴しまして、それらを読んでいて胸が熱くなりました。
そして、そこからひとつ曲を作りました。
故郷は誰にでもあって、たとえ東京で生まれ育ったにしても、子供の頃の思い出とかがあると思うんですね。
そんな思いを曲にしてみたいナァ思って作った新曲を今日は聴いて頂きます」Marshall Blogでもレポートした「長州友の会」の時に初披露した「ふるさとの声」。
ホッコリ~…みんなやっぱり故郷がいいのね~。
山口県の皆さんの間でも大変にウケがヨカッタ1曲。
落ち着いた雰囲気でショウの後半がスタートした。MCでは私のことを指してヒロアキくんが言ってくれたような気もするんだけど、私は生まれも育ちも東京で、小学生の時「夏休みには田舎のおバアちゃんの家に行く」というクラスメイトのことが猛烈に羨ましかった。
「一度でいいから『田舎』というところへ行ってみたい!」
私のおバアちゃんは浅草と横浜にいたのでいつでも会えた。
その代わり「東京」に関する思い出はたくさんあるよ。
そして、歳を重ねるごとにそれらがどうしようもなく懐かしく思えるようになってきた。
そんな気持ちから以前こんな文章を書いたことがあった。
東京の映画に関する思い出…ウサギも小鮒も出て来ないけど私の故郷なのです。
古い映画がお好きな方はゼヒどうぞ。
【Shige Blog】
①I Remember The Town~私の銀座/日比谷/有楽町<その1>
②I Remember The Town~私の銀座/日比谷/有楽町<その2>
③I Remember The Town~私の銀座/日比谷/有楽町<その3> 「ありがとうございます。
少し先になるかも知れませんが、皆さんの元でもこの曲を聴いて頂けるようにしたいと思っております。
それでは、お呼びしたいと思います!」
石黒さん登場。
「あきらく~ん!」
石黒さんご登場。
「見えなくても石黒さんは背が高いナァと思います。
なんかチョット圧があるじゃない?
オーラがあるって言う意味ですよ。
石黒さんが入って来るというだけでパァ~としたオーラを感じるじゃないですか?」「ついにきましたね。
チョット説明をしますと、今からお送りするのは『たんぽぽと風』というかわいいタイトルの曲です。
コレはこちらのピアシスを経営する『株式会社無洲』の社歌なんです。
12年か13年前、現在相談役になられている当時の無洲の会長が社歌を作って欲しいということで一所懸命取り組んだ曲です。
この曲を毎年ココで演奏するのが定番になっているんですが、3年前か4年前、石黒さんがこの曲のイントロで思いっきり間違えてくれましてね~。
でも石黒さんともなると、間違える練習もしていたような気がするんですよね。
なかなか難しい芸だと思いますね。
みなさんの印象に残るためにガンバってワザと間違えたのではないか…」 「やっぱり一流となるとね!
ホント、いつも完璧すぎちゃうんだよね~。
タマに間違えてみんなを安心させてあげる。
でも、ぶっちゃけ社歌じゃないですか。
色んな仕事をしていますけど、社歌を弾くことってあんまない…イヤ、まったくないと思うよ。
だからすごく緊張しますよね。
だって無洲さんの社員の方々がご覧になっていますから!
社歌なのに間違いやがって!…なんてネ!」
それは「まシャカ」の出来事でしたね~。話とは関係ないけど、コレがこの日の石黒さんの作業現場。
パッチ・ケーブルがウジャウジャつながっていて、コリャ組むのもバラすのも大変だ。
でも完璧に「石黒サウンド」をお客さんにお送りするには仕方がない。
ヒロアキくんがMarshallの真空管アンプで最高のギターのサウンドを聴かせてくれるように、お客様からおアシを頂戴して演奏する以上、完璧で本物の音をお送りしようとされているワケだ。「石黒さんがミスの練習をされている」の話で思い出した。
下は「黒門町の師匠」八代目桂文楽。
五代目古今亭志ん生と人気を二分した「昭和の大名人」。
豪放磊落でナニが起こるかわからないといった風の志ん生師匠に対し、長い話を何度演じても数秒と時間が変わらない緻密な芸のスタイルを誇ったのが文楽師匠。
晩年のその文楽が得意ネタの「大仏餅」を演じた時、登場人物の名前がどうしても口から出て来ず高座で絶句してしまった。
その時文楽は「勉強し直してまいります」と客席に向かって深々と頭を下げて潔く高座を降りた。
どうも文楽はその時が必ず来ることを覚悟していて、「勉強し直してまいります」というセリフを日頃から練習していたというのだ。
そして、黒門町の師匠はその後二度と高座に上がることがなかった。
一流だね~。 さて…少々緊張した面持ちの石黒さん(?)。
今、この険しい表情からはとても想像できない可愛らしいフレーズを奏でている。タンポポの種のようにフワフワと柔らかい声で歌いあげるヒロアキくん。
光り物を手にして演奏に聴き入る「株式会社無洲」の皆さん。
ナンと言っても「社歌」ですからね。
石黒さん、ご心配なく!無洲の皆さんはとっても優しいから!「たんぽぽと風」を楽しげに演奏して、後半のアタマは2曲のホンワカ・チューンでなごやかにまとめ上げた。
雰囲気がガラリと替わって「ムーディな雰囲気になるといいナァ」と紹介した「Swing Picking~ Evolution」。
ヒロアキくんのファンク・ストラミングでスタートするフュージョニーなインスト・ナンバー。軽やかな透さんのドラムスと…
ドッシリと落ち着いたてらちんが出す低音が絶妙なコンビネーションを生み出す。
そしててらちんのソロ。
リズムがスイング・ビートになって石黒さんのソロが続く。
テーマもソロもほとんどクリーン・トーンで弾き通したヒロアキくん。
実にいい音!今日のヒロアキくんのMarshall。
愛器「JVM210H」とこの日初めて使った1x12インチのスピーカー・キャビネット「1912」が2台。
詳しくは<前編>を参照のこと。
さんざん紹介しておいてナンですが…残念ながらこの1912は現在生産していません。
代りにMarshallでは現在STUDIOシリーズの1×12インチ・キャビ数種と「MX112」というモデルをラインナップしています。「さまざまな道、道路、線路、空路、仕事、日常、夢…。
その道を歩んだり、走ったり、迷ったり、助けられたり…。
今よりも、もっとよくなるためにと、そして、これからも将来に向かって…。
そして、明日へ…」と、ヴァースのように一編の詩をつけて演奏した「道~Road To Tomorrow」。イントロのギターから…
歌から、キメまで「田川メロディ」を満載したかのようなナンバー。
続けて「Ave Maria」。
アルバムでこの曲のアレンジを担当したのは石黒さんだ。これまで何回聴いたかナァ。
少なくともカレコレ3回は聴いたか?…ウソウソ!
もう何回聴いたかわからないが、それでも飽きない。
名旋律を名手が最高の音色でいつも聴かせてくれるからだ。この「まったりセクション」を締めくくったのは2022年に配信でリリースした「またどこかで」。
これもヒロアキの魅力にあふれた静かな1曲。1箇所だけギターが歌の代役を務めるパートをお聴き逃しなく!
そうそう、最近またCDが売れ出しているんですってよ。
配信は「モノが存在しない」ということで敬遠する若い人が増えているんだって。
んなこと、はじめっからわかり切ってるでしょうに。
ハイ、この曲もCD化ですね。
私は当然配信よりもLPよりも、CDを支持しております。「さぁ~それでは、ここからはテンポアップしていきます。
皆さんと素敵な音楽旅行の思い出を残したいと思います!」ヒロアキくんがスキャットをキメまくるのは「Driving Jam!」。
てらちんのソロ!
ディストーションをきかせて弾きまくったでやんす!続いてジャズっぽいフレーズを交えた石黒さんのゴキゲンなピアノ・ソロ。
ココぞ!とばかりにヒロアキくんがハードなソロをブチ込んで…
さらに透さんの爆発的なソロ!
ムチャなキメも楽しい聴きどころ満載のヒロアキくんのキラー・チューンだ。
「Driving Jam!」が終わるやいなやヒロアキくんが無伴奏でソロを弾き出した!
すると石黒さんがそれに呼応して激しいソロを繰り出してくる!
ナンダナンダ?旅の途中で仲間割れか?
…とも思いたくなるぐらいの激しいソロの応酬。
本編最後の曲のプレリュードにしてはあまりにも魅力的な展開!
本編の最後を飾ったのは田川スタンダードの「キミを乗せて」。
Marshall GALAを思いだすナァ。
もうあれから9年も経ってしまったよ!大盛り上がりの客席に向かって熱唱するヒロアキくん。
ソロのパートになるとジリジリとてらちんににじり寄り…
てらちんの肩に腕を回した。
こうして音楽の旅を終えて無事帰着したのであった。
さっそくアンコール。
「ありがとうございます。イヤ~、うれしい限りです。
ピアシスで毎年こうして演奏させてもらっていて、今年はタイトルを『田川ヒロアキ MUSIC TRAVELING 2025』としたんですが、いつの間にかバースデイ・ライブみたいになってしまいました。
そう謳っていなくても皆さんがそのように認識してくださってうれしく思っています。
ピアシスは初めてお邪魔してから今年でちょうど15年になるんですね。
そのご縁は、私のセカンド・アルバムの『Ave Maria』のプロデューサーの奥島吉雄さんからご紹介して頂き連れて来てもらったんです。
それから15年もずっと関係が続いていて、もう生涯の縁だナァと思っています。
それ以降、7、8年前かな?
美瑞穂と私のウェディング・パーティもココで開いて頂いて、ピアシスには色々な思い出があるんですね」「また無洲さんのご縁から『がんばっぺ福島』という福島の復興イベントにも10年以上参加させてもらっています。
そこでデーモン閣下と出会うことになって、一緒にツアーをすることにもなった…というのもコチラの会長さんと閣下が同級生なんですね。
やはり人との縁というのは、本当にかけがえのないものだと思います。
そんな関係でピアシスでの1年に1度の私の記念のライブを今年も開かせて頂き、また皆さんにもこうしてお越し頂いてとてもうれしいです!
ありがとうございました」「先ほど美瑞穂に説明してもらったんですが、『バースデイ・ライブ』と謳っていなくてもこうして店内を誕生日の仕様に装飾して頂いたことも大変うれしいです。
お越し頂いたお客さんやスタッフの皆さんのおかげで今年も無事に開催することができました。
ありがとうございます!」アンコールで取り上げたのは『THE ROAD SEEKER』収録の「翔KAKERU」。
ロードスター・パーティ・レースのテーマ曲。
この新しいヒロアキくんのキラー・チューンを思いっきりドライブさせてすべてのプログラムをこなした4人!
「Fly high!」
「ありがとうございました!」
お疲れさまでした!
来年の旅も楽しみにしています。 最後はみんなで記念撮影。
ん~、いい写真だ!
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano<おしまい>
(一部敬称略 2025年6月7日 レストラン ピアシス芝浦にて撮影)