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2025年8月22日 (金)

【ショ盆まつり】ストウ・ザ・セッション「Sasakist」の伊藤ショボン太一<後編>

 
【ショ盆まつり】の最終回は「あのスーパー大物歌手」のバックバンドという職場仲間が集まってゴージャスな演奏を繰り広げる「ストウ・ザ・セッション」のレポート<後編>。
こういうのカッコいいね。
皆さん、「ジャズ」というと4、5人のミュージシャンが集まって♪チンチキチンチキ演るのが普通だと思うでしょう?
ああいう小さい編成のジャズのバンドのことを「コンボ」っていうんだけど、アレは元々ジャズ・オーケストラ(ビッグバンド)の腕利きのメンバーが「ソロだけを演奏しよう!」ってんで始まった楽団のスタイルなのね。
今日みたいなセッションはそれを連想しちゃう。

05v
場面は第2部がまさに始まるところ。
「皆さん、お楽しみ頂けておりますでしょうか?
もう最終日感が溢れちゃっています!」
滅法楽しそうにしているのはお客さんだけでなく、メンバーの皆さんも同様。
こういうのが「良いライブ」ね。
第2部は須藤さんが他のセッションで取り上げて感じがヨカッタというラリー・カールトンの「Room 335」でスタート。
460エ?
佐々木さんが弾き出したイントロはスティーリー・ダンの「Peg」から借用したあの「♪チャッチャッチャ~ン」とは似ても似つかず。
コレでホントに「Room 335」になるのかしらん?と心配になるぐらいレイドバックした雰囲気。470あ、なった!
佐々木さんがあのテーマを奏でて「335号室」に入りました!
テーマからそのままソロへ。480v野崎さんが華麗なソロをキメると…490佐々木さんとの息詰まる掛け合いに発展した。505そのバトルを斜め後ろからアオっているのがショボンちゃん。S41a0538今日、ショボンちゃんが使っているNATALはビンテージ・モデルの「ZENITH(ゼニス)」。
「ナニせ音がいい」と、レコーディングに、大会場でのライブにとショボンちゃんの自家薬籠中のキットのひとつになっている。110_2野崎さんのMCもオモシロかったナァ。
「アノ~、ボクらは共通の現場で仕事をしているんですが、ソチラの3人はステージの同じ側にいて、ボクは反対側で職場が分かれているんです。
で、ボクらの側は割と真剣にやっているんですよ~」520「我々だって真剣ですよ!」
会場は大爆笑!
S41a0418野崎さんがおっしゃっているのは、須藤さん、佐々木さん、ショボンちゃんたちが賑やかで、とても楽しそうに仕事に取り組んでいるということ。
滝口順平のモノマネを交えたトークや佐々木さんのラリー・カールトンの話しで盛り上がりに拍車がかかった!
540曲のコーナーへ移りましょう。
先頃発売された佐々木さんのシグネチャー・ペダルをフィーチュアした「Fountain」。
心地よい歪み音でバリバリと弾きまくる!
多彩なフレーズが次から次へと、まさに泉のように湧き出て来る。
全編を通してこの調子だからスゴイ!
550vこの日のレパートリーではもっともロック色の濃いナンバーかな?
それにつられて会場の雰囲気はますますヒートアップ!
560「チョット~、いい風吹いたんじゃないですか?
この曲、このツアーで大分育ったんじゃないですか?
コレでLA行きましょう!」510_2続いては須藤さんが「笑点」のテーマ曲を随所に織り込んで作った「Smile.」。
「Smile」に「.」で「笑点」だ。
ショボンちゃんはブラシに持ち替え。670v_2リズムが7/4拍子のメローな笑点。
…………(ジックリ聴く)…………なるほどなるほど!
700v_2ハハハ、確かに皆さんチョコチョコと巧みにあのメロディをに突っ込んでくる!690v_2さすが腕利きの皆さん、あからさまに規定のメロディを弾くことが全くなく、中村八大もビックリの名アレンジっぷりとパフォーマンスだった!
どうでもいいけど私は子供の頃に見た「笑点」の司会者は立川談志だった。
目黒にある老舗のライブハウス「鹿鳴館」は、一時談志が運営する「目黒名人会」という寄席だったんだよ。
そして私と言えば、長野にいた時に「権堂」という繁華街で談志にバッタリと出くわして彼のオハコの「鼠穴」という人情噺の一節を当の本人の前でマネして見せたことがある。
それを見て談志は「今晩はオモシロい人に会ったね~」とテレビで見る通りの言い回しでとてもよろこんでくれた。
「なんだ?そりゃオマエの自慢話か?」って?
そうです、自慢なんです。
だからもう何回もココに書いています、ハイ。
710_2ココでスキーの話。
佐々木さんが神奈川県のスキーの選手だったということで、「パラレル」だの「シュテム」だのといった懐かしい言葉がゾロゾロ出て来た。
S41a0512話が2本をスキーを揃えてクネクネと滑降する技術「ウェーデルン」に及ぶと須藤さんから「昔はアレは『クリスチャニア』と言ったんだよ」という発言があって私はひとりで大声を出して笑ってしまった!
「クリスチャニア」なんて言葉を最後に耳にしたのは一体いつのことか?という感じだったから。
少なくとも20世紀の後半だ。
「ギルランデ」なんてのもありました。
日本で使われるスキーの用語はドイツ語で、調べてみると「シュテム(Stemm)」とか「ボーゲン(Bogen)」なんて言葉は元々「Stemmbogen」というひとつの単語なのだそうだ。
前者は「押し出す」、後者は「円弧」という意味。
スキー板の先端を閉じて板尻を円を描くようにグイと広げるイメージのようだ。
で、驚いたのは「クリスチャニア」。
コレはノルウェイの首都の「オスロ」の古い呼び方なのだそうだ。
クリスチャニアという技術がこの地で最初に考案されたことからその名が付けられた。
知らなかった!
オランダの「スケベニンゲン」で始まらなくてヨカッタ。
もっともオランダには山がないか…。
S41a0382ということで次の曲はドンズバで佐々木さん作の「Weddln(ウェーデルン)」!
佐々木さんのファンク・ストラミングからやたらとエッジの利いたテーマ・メロディへとつなげる。570v野崎さんのソロが続く。
ココでもゲレンデの雪を溶かすような熱のこもった指さばき&身体さばきを披露してくれた。580v佐々木さんのファンク・ストラミングをバックにショボンちゃんがターミネーターぶりを発揮する!590vスゲ~!壮絶なドラム・ソロ!
しかも、音が最高~!S41a0159 するとソロは意外な方向へ展開していく。
ショボンちゃんが取り出したのは…オニギリ?600v佐々木さんが延々とファンク・ストラミングを続ける中、オニギリを食べ出した。
ハハン、そういえば大分前にドラム・ソロの途中で右手のスティックを箸に持ち替えて焼肉かなんかを食べながらプレイしたことがあったっけ。
きっとココからあの時みたいなアクロバットを見せてくれるんだろう。
さすがターミネーター!610「グ~!」
エ?終わり?
ただオニギリを食べただけ?
ま、ショボンちゃんの場合「米」も担当しているから「ドラム・ソロ」だけじゃなくて「オニギリ・ソロ」でもいいのか?…そんなバカな!
こんなの初めて見た!
630v「チョット!コレは一体ナンの時間なのよ!」とショボンちゃんに詰め寄る佐々木さん。0r4a0205「イヤ、ちょっとお腹が空いちゃったもんで…」
さすがターミネーター、神経も不死身だ。
650v演奏は続く。
右へ左へ滑らかに体重移動をする須藤さんと佐々木さん。
佐々木さんはウェーデルン、須藤さんはクリスチャニアをキメているところ。
純白の雪面に美しいシュプールを描いていくような演奏だった!…ホンマかいな?640MCではスキーの話題が続いた。
山形ご出身の須藤さん、蔵王で開催される「樹氷まつり」の松明滑降のBGMを氷点下12度の中で生演奏した時の話。   
ベース弦は金属製なので指から冷たさがドンドン伝わって寒いのなんのって!
足元は雪を盛って踏み固めたステージだ。
イヤ~、わかります、わかります。
私も長野でハコバンをやっていた時、白馬村に呼ばれて「スキー供養」という神社で開かれる催しでギターを弾いたことがあった。
ガツンと日本酒を飲んで身体を温めてから本番に臨んだが、もうそんなもの全く効果がなく、信じられないぐらい寒かった。
やはりステージは雪を締め固めて作ってあった。
かわいそうだったのは歌の女の子。
鼻水が垂れて来てしまって、すべての歌い出しが鼻をすする「ズズ~」になっていた。
660v20年以上前、その頃の須藤さんが作った軽快なフュージョン・チューン「Super G」で本編の幕を下ろした。710最後の最後まで熱血ピアノを聴かせてくれた野崎さんのソロから…720v須藤さんのソロへ。
本編最後の大暴れ!
730v何しろ足元が明るい!740…ってんでノッシノッシとワザワザ足の裏を見せながら客席に繰り出して来た。
750イスに上がって思う存分弦を叩き…760v_2ズリズリ、ズリズリと…0r4a0249ギャハハ! 
そのままイスを引きずってステージに戻って行った!
770vすると今度は佐々木さんが客席にやって来た!780私の席を通り過ぎて…790vウワ!店の外へ出て行っちゃったぞ!800その間ズッとソロを弾きっぱなし。
やはりソロの内容が濃い!
あ、帰って来た!810フロント陣が暴れ回っている間もショボンちゃんの小気味よいグルーヴが間断なく続く。
オニギリを1コ食べたので元気イッパイ!
820そして、リタルダンドしたりアクセルレイトしたりして…完走!
これにて本編終了。840そしてすぐさまアンコール。
「アンコールありがとうございます!」530vツアーの最後の最後は「The Way Back」でシットリと。850良質の素材を腕にヨリをかけた最高の演奏で料理してくれた4人。
イヤ~、おしゃべりも含めて実に楽しいショウだった!
860v 870v 880v 890v最後は記念撮影。
本業の現場の方も最後までガンバってくださ~い!
900 <おしまい> 

200_3(一部敬称略 2025年7月3日 柏WUUにて撮影)

2025年8月20日 (水)

【ショ盆まつり】ストウ・ザ・セッション「Sasakist」の伊藤ショボン太一<前編>

「ショ盆まつり」の第2弾と第3弾はライブ・レポート。
「あのス―パー大物歌手」のバック・バンドのメンバーがカルテット編成で極上の演奏を聴かせてくれる楽しいセッション。

05v_2
会場は今回初めてお邪魔する柏の「WUU(ウー)」。
ウーム…「WUU」とは一体ナンだろう?
ハハン?さてはオーナーが『ウルトラマン』に出て来る白い毛むくじゃらの怪獣「ウー」がお好きなんでしょう?
だってステージ奥の壁面に映るシルエットがウーみたいにになっているもん。
…なワケないでしょうから店長にその由来を伺ってみた。
頂戴したご見解は2つ。
①WがバストでUUがヒップ
②店名を決める段になってオーナーが「ウ~、どうしようか?」と考え込んでしまった時の「ウー」。
ウ~、どっもいいな。10真四角な店内は広々としていてとてもいい感じ。20白いことを活かして店内の壁面をギャラリーとしてアーティストに開放しているそうだ。
30屋台村のようす。
右の青くて四角いのは須藤さんのオリジナル手ぬぐい。
40こうすれば「幟(のぼり)」としてステージのセットにもなる。
コレはとてもいいアイデア!
唐草模様がステキ。50v定刻になりステージに姿を現した4人の職場仲間。
須藤さんの「始まります」の一声で演奏が始まった。
まずは多くの日本人であれば誰もがピンとくるヤツを10小節ほど。
そして佐々木さん作の「A Man from Olive Island」が続いた。60その「仕事仲間」とは…

須藤滿90v佐々木秀尚70v野崎洋一80vそして、伊藤ショボン太一。100vショボンちゃんが使ったのはNATALの「ZENITH(ゼニス)」。110コンフィギュレーションは10"、12"、16"、22"。
50~60年代のビンテージ・ドラム・キットを再現したゼニスはシングル・タムのキットなので10"のタムタムはよそのメイプルのキットから移植した。120スネア・ドラムはメイプルの14"×5.5"。130ツイン・バスドラム・ペダルも使い慣れたNATAL製だ。140各人のスリリングなソロが飛び出し、ノッケから会場のテンションがグングンと上がっていく。150続けて須藤さんのベースから始まる2曲目は「The Scramble」。160ラテン調のラインを何度も止めてフェイントをかける須藤さん。170vバンド・アンサンブルとなって佐々木さんがテーマをシャープに奏でる。180須藤さんのソロが炸裂し…190v野崎さんのソロが爆発し…
200vディレイを深めにかけた佐々木さんのソロが跳躍し…210ショボンちゃんのソロからテーマへと進み曲はハードなエンディングを迎える。
コリャ、今日は一時も聴き逃すことができそうにない演奏だぞ!
220「ようこそお越しくださいました!
『Sasakist』としてギターの人と私のダブル・リーダーでツアーをやっております。
浜松、厚木、川口と回ってまいりまして今日が最終日でございます。
楽しいステージになることは間違いありませんので皆さんも大船に乗ったつもりでご覧ください!」
須藤さんからご挨拶の後、メンバー紹介が続いた。230v「ドラマーとしてだけでなく、米生産者としても活躍している」と紹介されたショボンちゃん。
「田圃の広さは13町歩です(=東京ドーム2.8個分)」
「軽い大名みたいですね~」と佐々木さん。
240皆さん、おしゃべりも名人級。
どの場面もとても楽しいトークだったんだけど、すべてをココに載せるほどの紙幅もないので、MCについてはポイントだけ記すことにする。250クランチ―なギターが印象的な「Vibes」は佐々木さんの作品。
ミディアム・スローのテンポに乗って美しいメロディが奏でられる。260v須藤さんのロマンティックなソロが心地よい~。270v佐々木さんはスリリングなフレーズをタップリとソロに詰め込んだ!280フォーク・ギターから始まった須藤さんの音楽遍歴について。
須藤さんがかつて長年在籍していたバンドでは積極的に若いミュージシャンを起用していて、50も年齢が離れたサキソフォニストとギタリストがユニゾン・パートを奏でているという。
とてもいいことだと思います。
「音楽は齢を取らない」ということの証左と言えましょうぞ。
そして、佐々木さんからお誘いをもらって2つ返事で引き受けたという現在の職場についての話があった。290「ひとり2役を演じる」という須藤さんのオリジナル曲「Miller Light」。300v「2役」というのはルーパーを使ってのひとり2重奏。
須藤さんのゴキゲンなスラップ・ベースをバックに弾くもう1人の須藤さんはさぞかし気分よかろうぞ!310v野崎さんの激演が続く。320ショボンちゃんのゴキゲンなファンク・ビートに乗って…
330vソロの後半の野崎さんはセシル・テイラーもビックリの野獣っぷり!340vもちろん須藤さんもタップリと必殺のソロをお見舞いした!350vさらに佐々木さんが須藤さんのソロに呼応すべくハードなソロをキメてきた!360_2 1部最後の曲は佐々木さんのチョイス。
「今回の問題作」と紹介した曲名を聞いてエエエエエエエエッ!…と驚いたのは私だけだろうよ。
その理由は巻末に記すことにして…。
起こした譜面の3ページ目が何しろムズカシイらしい。
370v「ヨレない、ブレない、間違えない」ということで仲間内から「ターミネーター」と呼ばれているショボンちゃん。
「この曲…ウッ!と身体が止まりそうになるところがあるんですよ。
そう、譜面の3ページ目はもう大変です!」
そのパートはさしものターミネーターでも難儀らしい。
ハハン、あのパートだな?
コリャ楽しみだわい!
380佐々木さんが取り上げたのは櫻井哲夫さんの「Wonderland in the Sky」。390心地よいリズムに乗って野崎さんがパノラミックなソロを展開する。400vショボンちゃんのプレイにも気合が入る!
ん?この表情は3ページに入っているのか?
イヤ、まだだろう。
410v曲に思い入れが深い佐々木さん。
それだけに思う存分弾きまくる!420vショボンちゃんのソロ!
ドラムスはNATALです。4303ぺージ目はこの複雑なキメのパートのことだな?
まさにスリル満点!
ナンノナンノ、4人の職場仲間は難なくこのパートもこなして…
440須藤さんがベース・ソロをガツンとかました!450佐々木さんは大学の音楽サークルで悪戦苦闘しながらこの曲に取り組んだという。
違う学部でキャンパスが異なるため、参加していた音楽のサークルも私と別だったのだが、実は佐々木さんは私と同窓なのだ。0r4a0128 で、この「Wonderland in the Sky」という曲は、櫻井さんが2001年に発表した『Gentle Hearts』というアルバムに収録されていて、私は櫻井さんがそのアルバムのベース・プレイを解説した教則ビデオを制作したことがあったのだ。
だから「エエエエエ!」と驚いたワケ。
同時に涙が出るほどなつかしかった。
佐々木さんが大学のサークルでこの曲を演奏して楽しんでいた頃、私はそんな仕事をしていたというワケ…齢の差が大きいナァ。
だから当時、櫻井さんからこのアルバムの制作について色々とお話を伺った。
櫻井さんはとにかくデニス・チェンバースにドラムスを叩いてもらいたくて、ダメ元でオファーしたところスンナリOK。
レコーディングでは、どの曲も1回譜面を見ながら演奏するとデニスはその譜面を取り去り、2回目以降はミスすることが全くないどころか、自分の解釈を織り込んで更にスゴイ演奏をしてくれたそうだ。
また、ギター・パートに関しては櫻井さんは単身アメリカに乗り込み、グレッグ・ハウの家を訪ね、そこでレコーディングをした。
グレッグは近くのバス停まで車で櫻井さんを迎えに来てくれた…という話がとても印象に残っている。
もうこの時から24年も経ったのか!Img_4126_2その24年前の2001年、『マーシャル祭り』というイベントの2回目を開催した。
このイベントは櫻井さんと菅沼孝三さんにリズム隊をお願いして、ギタリストがドンドン替わっていき、ロックの古今の名曲を演奏していくという企画だった。
孝三さんはよく「マーシャル10人組み手」なんておっしゃっていた。
私がすべての台本を書き、櫻井さんが弾くベース・パートの採譜まで担当した。
このイベントは前年にもジム・マーシャルを招聘して開催しており、櫻井さんと孝三さんには2回続けてご出演頂いた。
両方のコンサートに出演したギタリストの中には矢堀孝一さんがいらしゃって、当時孝三さんと水野正敏さんと組んでいた「Fragile(フラジャイル)」というトリオの曲を演奏した。
それからしばらくすると、櫻井さんが矢堀さんと孝三さんを迎えて自分のトリオとして活動され始めた。
櫻井さんとFragileのメンバー2人の混成チームゆえ「櫻ジャイル」なんて呼ばれていたっけ。
2回の「マーシャル祭り」がキッカケとなってそのトリオが生まれたのが私はとてもうれしかった。
今は無き六本木のスイート・ベイジルでのライブにお邪魔した時、この「Wonderkand in the Sky」を演奏していたことはココに書くまでもなかろう。
とても懐かしい。
9matsuri_3私の勝手な感動と思い出で第1部が幕を下ろした。
コリャ第2部も楽しみだワイ!
0r4a0212<後編>につづく 

200_3(一部敬称略 2025年7月3日 柏WUUにて撮影)

2025年8月12日 (火)

Merge Fes vol.2 <後編>~ヘアメタル研究会&TAKANAGER CRUE

 
第1回の好評を受けて去る6月23日に開催された2回目の『Merge Fes』のレポートの<後編>。
現在2番手の「ヘアメタル研究会」のステージの真っ最中!05v_2「昔、どこの町にも『学研のおばちゃん』っていたと思うんです。
学研じゃなくて『学習』と『科学』か?
まだあるよね?
オバちゃん、いるよね?」
10今の人は知らないでしょう?
学習研究社(=学研)から出版されていた『学習』と『科学』という学習雑誌。
ウチの方では「科学と学習」という順で呼んでいた。
『科学』の方は付録がとても奇抜で豪華。
それを目当てに時折母にねだって買ってもらった。本体の方は読んだ記憶がない。
『学習』は2009年に休刊、『科学』は2010年に休刊になったものの、2022年に復刊したそうだ。
コレ、一体どういうマーケティングをしていたのか、今となっては甚だ不思議なんだけど、新刊が出ると小学校の校門の横にどこからともなくオバちゃんがやって来て、テキ屋のように『科学』と『学習』を並べて販売するんだよね。
するとクラスの中で「今、科学と学習のオバちゃんが来てるね」なんて話が出るワケ。
まるで児童公園にやって来る「カタ屋」みたいなモノだった。
YOFFYさんは私よりかなり若いのに「科学と学習」の販売手法をご存知ということは、私の時代と変わらずその「オバちゃん制度」が続いていたんですな?
なんてことを思いながらインターネットを見ていたら『科学と学習 ふろく展』なるものが開催されているのを見つけた。
行きたい!見たい!…ダメだ、九州だわ!7_kg スミマセンけど、「科学と学習」でもう少し脱線させてください。
もう大分前の話になるけど、知り合いのツテである「オーディオ装置の聴き比べ体験会」に呼んでもらったことがあった。
「聴き比べ」と言ってもオーディオ機器の聴き比べではなくて、持ち寄ったレコードやCDの音質を聴き比べるという企画。
会場は秋葉原にある4階建ての鉄筋コンクリートのビル。
その最上階にリスニング・ルームがあって、そのオーディオ装置たるや、もちろんアンプは管球式(真空管アンプのことね)で、スピーカーはJBLの「パラゴン」だった。
有志がそのオーディオ装置で聴いてみたいレコードを提出して片っ端から1曲ずつ聴いていくんだけど、これが想像を絶するスゴさで、録音の良いレコードは大ゲサではなく、もう生演奏に近い音なの。
本当に目の前で演奏している感じ。
私は「CD擁護派」なんだけど、残念ながら音質はレコードの方がはるかに良く、CDの音はうるさいばかりで全然オモシロくなかった。
その中で一番印象に残っているのが、The Whoの「My Generation」で、もうジョン・エントウィッスルが目の前であのベース・ソロを弾いているかのようだった。
ここのところ、「レコードの音があったかい」とか何とか言っているけど、アナログ・レコードの音の良さを本当に理解するにはコレぐらいの投資をしないとわからない…と強く思った。
ちなみに調べてみると程度のよいパラゴンの初期型ともなると1千万円近くの値段がついているようだ。
でも、オーディオの世界では大したことがない範囲でしょう。
ところで、そのオーディオ装置の持ち主は「科学と学習」に掲載される品物の写真、すなわちブツ撮りを長年にわたって一手に引き受けていたその世界では有名な写真家の方だった。
普段はその装置で演歌とクラシックをお聴きになっているとお聞きした。
脱線終わり。Pgn 「次はヘアメタル研究会が初めて邦楽にチャレンジいたします!
『関西メタルの元祖』というか。ANI-Katsuさん的にもちょっとビビッとくるんじゃないかなと思ったらコピーしたことがなかったそうです。
聴いてください…『44』ですよ」20v_2上の写真のYOFFYさんの手は「5」になっているけど、「44」とはもちろん「44MAGNUM」のこと。
曲は「I Just Can't Take Anymore」。30_ijctaSHOWさんが叩き出すひたすらドライブするロック・ビート。S41a0371 使用しているドラム・キットはMerge Fesでフィーチュアして頂いているNATALドラムス。
12"、13"、16"、22"のアッシュのキット。
ストレートなロックにもってこいのサウンドだ。Img_4025単純明快、スカッとノリまくるロンクンロールでYOFFYさんが激唱!60さらにTOKIさんがソロを明るく華やかに繰り出した。50v_3続いてはラットのRATTの「Round and Round」。80_rarANI-Katsuさんがズンズンとはじき出すワイルドな低音が気持ちいい!90v_2「♪ラウンドゥランド!」
ひたすら楽しくヘヴィな曲調にYOFFYさんの歌声が完璧にマッチする!100vイキの合ったギター・アンサンブルから…
200_glbn最後のギター・バトルまでサオ・チームが大活躍!110vTOKIさんは「JCM900 4100」と「1960A」を使用。
50v_2TOKIさんの切り込みに答えるSUSSYさん。120vSUSSYさんは「DSL100H」と「1960A」だ。
40v_2「地球が回ったぜ!
いよいよエンディングに近づいてきました!
ヘアメタル研究会のステージもあとわずかでお別れの時間です。
マックだったら『蛍の光』が流れている…ゴメン、わかりづらいこと言ってゴメン!
それでは『コレを演っとけば間違いない』っていうヤツを演ります」130_2それはボン・ジョビ。
前回も書いたけど、ボン・ジョビってのはホントに人気があるんだネェ?
SUSSYさんがトーキング・モジュレーターを操る曲は…
170v_2世界歌謡大将にも私にもおなじみの…♪ドンドン「イッツマイラ~イフ」。
0r4a0301 自家薬籠中の1曲。
まさに身体にしみ込んだボン・ジョビ・エキスを大放出するかのようなテンション。
160vサングラスをハズしたTOKIさん。
この後またかけちゃうんだけど。
180v_2演奏し慣れた曲でビシっと気合の入ったドラミングを見せてくれたSHOWさん。S41a0440 最後もお得意のボン・ジョビ。
「You Give Love a Bad Name」で思いっきり盛り上げて持ち時間を締めくくった5人!210v 220v_2 230v_2 240v S41a0398今日も歌におしゃべりにとても楽しいステージだった!

ヘアメタル研究会の詳しい情報はコチラ⇒オフィシャルサイト260_2ヘアメタル研究会の屋台村。
「PayPay使えます!」って!
もうこういうところまでキャッシュレスが入り込んで来ているんですナァ。
でもコレで驚いていてはいけない。270下は今年の「鳥越神社」の例大祭に出ていた唐揚げの露店。
PayPayが使えるらしいのよ!
テキ屋もPayPayですよ。
便利なのかも知れないけど、風情もナニもあったもんじゃない。
こんなの寅さんが知ったら悲しむぞ。
「それをやっちゃぁおしまいよ」って。
それとビックリしたのはよくこうした露店で見かける「イカの姿焼き」ね。
昔は300円とか450円とか?
ここ数年、イカが不漁でしょう?
それが原因でその姿焼きの値段が1200円にもなっているんだって!
280_2TAKANAGER CRUEの屋台村ではTシャツが人気を集めていた。290ということで、今回も最後にステージに上がったのは「TAKANAGER CRUE(タカナガー・クルー)」。300_2DONNI310v_2TK320v_2YOU330v_2HIMAWARI(以下「ヒマちゃん」)。340v_2ココのレパートリーはすべてモトリー・クルー。
1曲目は「Saints of Los Angels」。350続けてTKさんが弾くシャープなリフから始まる「Wild Side」。360_wsTKさんのMarshall。
「JCM900 4100」と「DSL100H」のハーフスタックが2セット。
キャビは双方「1960A」。370やっぱりアンプを真空管をフルで使って出す音は図太くヌケが良い!
460v_hsアレ?
もしかして、このお店の名前はこの曲から採ったのかしらん?
我々の世代だと「Wild Side」といえばルー・リードになっちゃんだけどね。0r4a0414コーラスでも活躍のYOUさん。
390YOUさんが愛用しているマイクスタンドがスゴイ!
デューク東郷もビックリの「M16 Assult Rifle」仕様。
コレがマイクだけでなく飲み物までホールドしてしまう万能型のマイクスタンドなのだ。
もちろんお店に狼藉者が闖入して来たら銃として使用することもできる(だろうか?)。400_2続けて「Looks That Kill」。410_ltkパワフルでストレートなロック・ビート。
やっぱバスドラムがスゲエ!
430v「♪She moves like a cat」のポーズ。420v_2ギター・ソロもクールにキメた!440_3「Thank you Tokyo.
ジュンビハ デキマシタカ?
サケベ~!
イロンナ ヒトガ イマスネ
サケヲ ノミマス ゲツヨウビカラ
ヤリスギテ オサケニ ニゲマス
ダメデス
タノシンデ イマスカ トウキョウ
ゲツヨウビ スキナヒト?
ダイジョウブ デス
ワタシ モウジキ 60サイデス」
450vギターのキザミからスタートした2曲目はビートルズの「Helter Skelter」。
470v_hsモトリー・クルーってこんな曲も取り上げていたのか…。480_2ワーミー・バーを派手に使ったギター・ソロ。
DONNIさんがアオる、アオる!490お客さんとのコール&レスポンスがあって…「ダイスキデス トーキョー!」S41a0514すかさずヒマちゃん大爆発!
ウオ~!イケイケ~!500v_rh凄まじいまでの疾走感と爽快感!
510v曲は「Red Hot」。
こりゃ「ホット」どころじゃとても収まらない騒ぎだわ!520v一変して「ドンガラガッタ・ビート」。
最近はこういうタイプの三連リズムの曲を耳にすることがないのでとても新鮮に響く。530_smibr「♪Smokin' in the boys room」550YOUさんは自家製のお立ち台に乗ってギンギンに低音を弾き出す。540v「タノシイ ジカンハ アットイウマデスネ
ビール、チアーズ
ミナサン シッテマスカラ ライブハウスハ フウゾクエイギョウデハ アリマセン…インショクテン デス
ミナサン ノ インショクデ ゼイキン ヲ ハラッテイマス
ナノデ ミナサン オサケヲ タクサン ノマナイト ワタシタチハ デンシャチン ガ
アリマセン
カエリノ デンシャチン ガ ナイ
サイゴノ タバコノ 1ポンヲ スイオエルト カエル カネガ タリナク ナッチマウ
イッタイ ナンダ カンダ コンナ クラシ」
580_2
ヒマちゃんがピアノの前に移動するのはTAKANAGAER CRUEのステージの大きなアクセントとなるバラード「Home Sweet Home」。590_hsh今日も情感豊かにジックリと歌い込んだDONNIさん。600TKさんの弾くリフからスタートするのは「Shout at the Devil」。610_sadミディアム・テンポでヘヴィに迫りくる1曲。620v_2「♪Shout, shout」630ドラムスでシャウトしているかのようなヒマちゃんのプレイ!640v_2TAKANAGER CRUEのステージの最後を飾ったのは「Live Wire」。
コレもTKさんのリフからスタート。
650v_lwスッゲエ!
メチャクチャ速いダウン・ストローク。
私も若い頃は出来ていたかも知れないけど、今はとてもじゃないが全くできん!
660今回もモトリー・クルーの音楽を通じてハードなロックの魅力を存分に伝えてくれた4人だった。670v 680v_2 690v_2「皆さん、お酒を飲んでください!
最後まで残ってくれたお客さんに良い出し物があるよ。
今日来たお客さんラッキーだよ!」
とDONNIさんが言い残してTAGANAGER CRUEのステージを終了した。700「良い出し物」とはコレ。
すなわちアンコール。
各チームからシンガーが大集合した良い出し物!710演奏した曲はモトリー・クルーのキラー・チューン「Kickstart my Heart」。720_2全員が楽しそうに演奏し、それを見守る客席も大いに盛り上がった。730こうして『Merge Fes』の第2回目もニギニギしく幕を下ろしたのであった。740<おしまい>
 200(一部敬称略 2025年6月23日 新宿Wild Side Tokyoにて撮影)

2025年8月 8日 (金)

Merge Fes vol.2 <前編>~世界歌謡大将&ヘアメタル研究会

 
今日は甲州街道の最初の宿場「内藤新宿」から。
甲州街道といえば、甲府を題材にした「甲府い」なんて人情噺がありましたナ。
「甲府い~ お詣~り 願ほどき~」というサゲが秀逸だった。
そして、この場所へ来るたびにいつも同じことを思い出すのは年寄の習性か?15イヤなに、思い出すのはロックと過ごした自分の青春時代のこの光景よ…新宿厚生年金会館。
「厚生年金」の意味すら知らない頃、よくホールに通ってステージの熱演に感動したものだった。
社会保障のシステムについては今でもよくわかっていないけれど、昔が懐かしくて仕方ない。
このあたりのことに興味のある方はコチラをご覧あれ。
   ↓    ↓    ↓
【Marshall Blog Archive】厚生年金会館の思い出
10vさて、そのお向かいの「WildSide Tokyo」で開催されたのがMarshallとNATALがフィーチュアされるイベント『Merge Fes』。
2024年11月に第1回目が開かれ、今回で2回目となる。
出演者の陣容も前回と同じだ。20vステージには…40v2台のMarshallと…50vNATALドラムスが並んだ。30まず最初にステージに上がったのは前回と同様に「世界歌謡大将」。50永野啓司60v森藤晶司70v森下正大80v前田卓生90vさ~て、今日は一体ナニが飛び出すか!
ギャハハ!まずは「Livin' on a ff」。
ボン・ジョビの「Livin' on a Prayer」とハウンドドッグの「フォルテシモ」のクロスオーバー。
何とも「♪愛が」のコーラスが力強い!
100森藤さんのピアノから始まる2曲目は「It's my ピンキー」。110v_impこれまたボン・ジョビの「It's my Life」にピンキーとキラーズの「恋の季節」を組み合わせた1曲。120キラーズ役のコーラス陣も大活躍。
ピンキーの方のパートのキーがチョット低いような…でもそれがまた独特の雰囲気を醸し出していた。
130下はウチのレコード棚に入っている唯一のピンキーとキラーズのレコード。
私は以前、今陽子さんのステージの写真を撮らせてもらったことがあるんだけど、声に張りがあって歌がメチャクチャかっこヨカッタ。
背もスラ~っと高くてねェ、とてもステキでした。10_pk「ロックェンロールッ!」
今日1回目の「ロックェンロール!」頂きました!
140ハーブ・アルバートの「Bitter Sweet Samba」が流れる。
「改めまして『世界歌謡大将』でございます。
もうボクらがナニを演ろうとしてるかの説明はしないことにします。
恐らく、若い方なんかはわからないと思うんですよ。
今日はまた若い方いっぱいいらっしゃる。
短い時間に曲をいっぱい聴いて頂こうということで詰め込んでいきます。
さっそく次の曲にいってみましょう。
みなさん、ジャーニーってわかりますか?大丈夫ですか?」
そりゃそうですよね、「恋の季節」なんて1968年、私が小学校へ上がった年のヒット曲ですから!
150ジャーニーを素材にしたのが「抱きしめてWays」。
森藤さんがおなじみのイントロを奏でる。160_dswそのまま森下さんがそこに乗せる歌のメロディは「抱きしめて哀愁」。170vもちろんサビのリズムはオリジナル通り楽しいサンバで!
200永野さんがステージ前に設置されているPAスピーカーの上で華麗なソロをキメる!180v永野さんが使っているMarshallは「DSL100H」と「1960A」。
40vインストゥルメンタルのパートはジャーニー、歌のパートはトシちゃんというわかりやすい(?)構成でみんなノリノリ!190そのまま続けて「♪ヘイ!ヘイ!ヘイ!」とやるのはジャーニーの「Any Way You Want It」。
この曲の邦題は「お気に召すまま」っていうのか…。210_otbすぐに『北斗の拳』の「Tough Boy」へ。
だから曲は「お気に召すままタフボーイ」。
前回も取り上げていた曲だけどジャーニーの邦題に気がつかなくて、今読み返してみるとレポートでは変なテキストをつけてしまっていた。
ゴメンね、大将。
もうね、私、80年代以降のロックはリアルタイムで全く聴いていないんですよ。
その代わり60年代と70年代の後半、パンクが出て来る前ぐらいまではオイラに任せておけよ。220v永野さんが再びシャープなソロをお見舞いした!230v「♪タフ・ボーイ、タフ・ボーイ」とやるところ、私はてっきり「♪カッポイ、カッポイ」と歌っているのかと思って「それは『カッポレ』の間違いでしょう?」と思ったんよ。
それこそ「カッポレ」なんて若い人は知らないでしょうネェ。
「豊年斉梅坊主」という芸人が明治時代に大流行させた俗謡。
240そしたら、「祭文」なんて聞いたことある?
「さいもん」って読むんだけど、元はお祭りの時に神仏に捧げる願文や祝詞のことで、それが後に「門付け芸」になった。
「門付け」というのは、頼んでもいないのに人の家の玄関先へやって来て勝手に持ち芸を披露していくばくかのお金を頂戴するお仕事。
「瞽女(ごぜ)」とか初代の高橋竹山のようなその男性版の「ボサマ」とかがそれに当たる。
で、幕末から明治初期にかけて「デロレン祭文(ざいもん)」というホラ貝を使った門付け芸が流行した。
中学生の時の仲良しのお婆ちゃんが、ダラしのない格好をした孫の姿を見てよく「ナンダお前の格好は?まるで『デロレンざいもん』だな」と言っていた。
私はテッキリそれが『いなかっぺ大将』の「風大左衛門」みたいな人の名前かと思っていた。
「デロレン左衛門」というワケだ。
不思議なモノでこういう本当にどうでもいいことはよく覚えているモノで、オッサンになってから「デロレンざいもん」のことを知ってビックリした。
下は小沢昭一が全国の大道芸を見て回って録音・監修したCDのボックス・セット。
最近はこんなんとか抒情歌とかばっかり聴いているのです。
で、ココに山形で録音した「デロレン祭文」が収録されている。
買って聞いてみると…別段オモシロくもナンともなかった。
どうでもいい話でゴメンね、大将。
イヤ、永野さんが「落語のエキスパート」だということを知って、どこか古典芸能のつながりで響くところがないかな?と思って書いてみた。
Hog 「ありがとうございます。
立てつづけに4曲演奏しましたがお楽しみ頂けておりますでしょうか?
初めて観る方はいらっしゃったりします?
ど、どうっすか?
(客席から歓声が上がる)
なんか大絶賛な感じが伝わってきます!
じゃあ、世界歌謡大将がやっていることが伝わっている…ってことで。
そんなバンドです!」250v「次はベンチャーズを演ろうかと思います。
大丈夫? 若い人、ベンチャーズわかるかな?
みんな若そうだからナァ…あ、そこの白髪のアナタは違います。
若い方、ベンチャーズ大丈夫ですか?
後ろの緑の、その今移動してるお兄さん、ベンチャーズとか知ってる?
え、わかんないか?わかんないよね?
昔チョット流行ったのよ。
女の子の12人組で中国からやって来た。
そういうヤツを演ります。
とにかく帰ってから『ベンチャーズ』ってググってみて。
OK!そんな『女子十二楽坊』…じゃねぇ、ベンチャーズいくよ!」
チョチョチョ!ベンチャーズが売れたのは「チョット」ではないんです。
古いレコード会社の関係者から聞いた話では、当時のレコード会社の洋楽部門で儲けが出ていたのはビートルズでも、もちろんローリング・ストーンズでもなく、唯一ベンチャーズだけだったんですって!
ローリング・ストーンズに至っては、日本では「ロンドンレコード」時代はからっきしダメで、「ワーナー」に移籍した頃あたりからようやく商売になるようになったらしい。
「ロック後進国」の日本を象徴するような話だよね。
260そうして飛び出して来たのはベンチャーズの「Pipeline」…かと思ったらすぐに「♪トロは中トロ、コハダ、アジ」だって!270_plsだから曲は「パイプラインで寿司食いねェ!」。
どうやってやるのかと思っていたら、バッキングはとにかく「パイプライン」なの。
写真を撮るために脚立に乗っていて大爆笑してしまった!280♪あガリあガリガリガリガリ」のパートのクレッシェンドも完璧!
みんな楽しそうに演ってる!
290v正統派ベンチャーズのパートは永野さんがMarshallでバッチリとメロディを奏でてくれた。
しかし、このシブがき隊の「スシ食いねェ!」という曲が出て来た時にはビックリしたけど、今こうして耳にしてみるとなかなかにスゴイ曲だと思うわ。
こんなことよく考えついたものだ。
きっと広沢虎造が聴いてもビックリしていたことだろう。300前田さんのタイトなドラムスと…310_jid森下さんが出すヘヴィな低音で始まるのはクイーンの「地獄へ道づれ(Another One Bites the Dust)」。
コレもヒデエ邦題だな。320vでも歌は「俺ら東京さ行くだ」。
だから「地獄さ行くだ」。
ギャハハ! コレはいい!
それにつけてもこの永野さんの声のカッコよさよ!330v几帳面に、そしてシレっと森藤さんが奏でるバッキングがまたオモシロイ。340vこの曲、「♪東京でベコ飼うだ」って歌っているけど、『野菊の墓』という明治29年の小説があるでしょ?
「民さんはそんなに野菊が好き…道理でどうやら民さんは野菊のような人だ」と主人公の民子に恋心を抱く幼ななじみで2つ年下の斎藤政夫のセリフが有名だ。
コレ、大した描写もない割には民子さんの魅力がモノスゴク伝わってくるんだよね。
作者は「伊藤佐千夫」。
写真を見ると、まるで柔道家のようなコワモテだが、こんなに儚くも美しい若者の純愛を描いて見せた。
小説の舞台が松戸(矢切)と市川であることからわかるように、佐千夫は千葉の出身で、ナント東京でベコを飼っていた。
正岡子規の門人ではあったが、この人の本職は酪農家で、当時錦糸町の駅前で牛を飼っていたのだそうだ。
「錦糸町の駅前」ですよ!信じられん!
ちなみに松戸って「斎藤さん」が多いんだよね。
その理由もこの作品に書いてあるよ。

7_ngk
そんなだから佐千夫の墓は「亀戸天神」の近くの「普門院」というところにある。
普門院は名刹とされているんだけど、下の写真の通り境内がブルーシートや廃棄物だらけでなかなかインパクトが強いお寺。
ナンでこんなことを知っているのかというと、このお寺の真正面に大塚の「ぼんご」で修業をした人が営んでいる「豆蔵」というオニギリ屋がありましてね。
も~、ココのオニギリが最高においしくて時折訪れているからなのです。Fmi続けてはタイトルだけでピンとくる「あんたのヨーロッパ」。
前田さんが英語の語りに続いて自慢のノドで「あんたのバラード」を熱唱!360v_anteu曲が進むと調子がバコンと替わってオリジナル・キーで「哀愁のヨーロッパ」に!
永野さんのギターは哀愁タップリだけど、この曲の「ヨーロッパ」は「ヨーロッパ」ではありませんから。
正しくは「哀愁のエウロパ」。
「エウロパ(Europa)」は月よりわずかに小さい木星の第2衛星のこと。
コレは四人囃子の岡井大二さんから聞いた話だけど、「エウロパ=Europa」と「ヨーロッパ=Europe」の綴りをレコード会社の担当者が混同してしまって付けられた邦題らしい。
370v下は私が中学2年生の時に買ったシングル盤。
コレを聴いて「そうか、ヨーロッパってのはこういう感じなのか…」と思ったもんですよ。
それが木星の衛星だったとは…。008a0002世界歌謡大将はオリジナルにはない「♪ウォ~ウォ~ウォ~」とみんなでコーラスをつけるパートが曲を感動的に演出した。380ところで、しつこいようだけど「ヨーロッパ(Europe)」も「エウロパ(Europa)」もその語源はギリシア神話に出て来る王女「エウローペ―(Europa)」なのね。
エウローペーはギリシア神話における最高神のゼウスに見染められる。
で、海岸で遊んでいるところ美しい牛に変身したゼウスに誘われてその背中に乗り、クレタ島へ連れて行かれちゃう。
完全に「誘拐」である。
下の絵がその場面なんでしょうな。
もしかしたらこの曲を作ったトム・コスターはこの「エウローペー」のことを思い浮かべていたのではないか?
でもエウローペーはゼウスに連れていかれてヒドイ目に遭ったワケでもなさそうなので、こんなに哀愁を漂わせる必要もない気がするし…。
スペイン語で「ヨーロッパ」は「Europa」と綴るし…。
トム・コスタ―が星の「エウロパ」を考慮して作ったという話を聞いたこともあるし…。
もうこの曲は私にとって「哀愁」ではなく「憂愁のヨーロッパ」なのである。
Europa_2歌い終わって当然出て来る大きな大きな「ロックェンロールッ!」。
ココで出さなきゃウソというもの。390v「満足しましたか?
この人の夢は前に出てきて歌うことなんです。
そのうちそういう曲も出来たらいいなと思っています」
「マジっすか?今、言いましたね?
みなさん、聞きましたか?私もしっかり聞きました。
ロックェンロ~ルッ!ロックェンロ~ルッ!大満足です!」
400「思ったより暖かく迎え入れて頂いて本当にありがたく思っておりますです。
実は世界歌謡大将は今年で結成して10年になります。
『10年』って言うと重みがありますけど、だいたい年に2回くらいしか演っていないんです。
回数で言うとそんなに演ってはいないんですが、皆さまのお陰で一応10年続いたので日頃の感謝を込めて、本日ご入場いただいた皆さまに記念のボールペンをお渡ししました!
ちゃんと受け取って頂けましたか?」S41a0107コレがその「祝10周年!世界歌謡大将」と入ったボールペン。
無料プレゼントの粗品感が全くない、ゴージャスなボールペン。
さすが大将!太っ腹だ!440「で、話はココからですよ。
いいボールペンをもらったけど、書き心地はどうなのかしら?って気になりますよね?
そんなあなたに朗報です!
『世界歌謡大将オリジナル』の付箋を今日から販売しま~す!」
ナンと気が利く世界歌謡大将だこと!410付箋はいいアイデアですよ。
私、本をよく読むので付箋は必需品です。
当日は新発売のその付箋の他、世界歌謡大将の屋台村では以前に作ったというハンドタオルも人気を呼んでいた。7_img_4016 「ありがとうございます。あと2曲。
ウチのバンド、このくらいが丁度いいんですよ。
皆さんはソロソロ天下一品ラーメンの汁まで飲み干すとチョット辛いと思うでしょ?
だから汁はチョット残す。
まだイケそうだな…と思って汁を残すぐらいで止めた方がいいんですよ。
ということであと2曲。
激しいナンバーと楽しいナンバーを用意してますのでよろしく~!」S41a0163残り2曲のウチのまず1曲は「Daddy, Brother, Lover, チャンピオン」。
コレはわかりやすい。
ストレートにドライブするイントロから…
450_dbl森下さんの歌で「♪つ~か~みか~けた~」。Xx曲はMr.Bigから離れてナゼか「Highway Star」へ!
下手のPAスピーカーの上であのおなじみのギター・ソロを永野さんが完璧に再現!
490v森藤さんも上手のPAスピーカーに乗った~!
480森藤さんも大エキサイト!500vなるほど思いっきり「激しく」やってくれた!
もちろん会場は大盛り上がり!
510「皆さま、最後は楽しい曲でお別れしましょう!『北の酒場に恋してる』!」460「♪北の酒場通りには~」
ギターを降ろして熱唱する永野さん。
530サビはみんなでジャ~ンプ!520フランキー・ヴァリのパートでは、永野さんがサンバ・ホイッスルを吹いて大暴れ!525v演奏が終わってすかさず場内に流れてきたのは『ロッキー』のエンディング・テーマ。
「ありがとうございました!世界歌謡大将でした。
エイドリアン~!
最後まで楽しんでいってください!」
あ~、今回もオモシロかった!
10周年、おめでとうございます!
540続いては「ヘアメタル研究会」。
Marshall Blogへは3回目のご登場。570今回はオープニングにゴージャスなアニメを導入してハナからファンの皆さんを大いに楽しませた。5801曲目はホワイトスネイクの「Bad Boys」。
590YOFFY600vSUSSY610vTOKI620vSHOW
640vそして今回のベースはMarshall BlogではおなじみのANI-Katsu!630v目の覚めるようなドライビング・チューンでショウがスタート。
イッパツで「会」の熱気が上がった!650「何度目かわからない来日公演。ヘアメタル研究会の皆さんです!
早めにメンバーを紹介するぜ!」
と、早速ステージの上の5人を紹介。
「かつてボクらは地毛で勝負していた頃もありましたが、以降はボクらは『Hair from Amazon』としてココまで歩いて来ました。
それではチャンチャンと曲へいっちゃいます。
ボクらは全米No.1の人のフンドシでしか相撲をとらないスーパー研究会なんで、世界歌謡大将さんみたいに血の滲むような努力とアレンジはしません。
ああ~いうものを見るとただコピーをしてるだけのボクらって一体なんなんだろう?って思ったヤツ…ブチぶち殺すよッ!」660v続いては再びホワイトスネイクの曲で「Here I Go Again」。
まずは同期のキーボーズをバックに情感豊かにYOFFYさんが歌い上げる。S41a0267 そして、ソリッドなバンド演奏に…。
660_higa完璧なTOKIさんのコーラス!
670ソロもバッチリとキマった!0r4a0281前回、この曲を「いい曲!」と言っていたYOFFYさん。
それだけに気合のこもった気持ちのいい歌いっぷりだった。
ホント、いい曲ですな。690v「白蛇の曲を歌わせて頂いたゼ。
この前、家にヤモリがいたんですよ。ビックリして大きな声を上げちゃった。
だからホントに白蛇を見たら卒倒しちゃうな…なんてその時思いました。
ホワイトスネイクを観に行ったことある人ってこの中にいますか?
ホント、カヴァーデイルもツアーから引退するということでね~、『あとは日本は任せた!』っていう風なメールが来たんですけどね」
700v「今日は新しく演る曲が多いのでみんな表情が硬いんですよ。
ナニせボクらはリハーサルをやらない…この場でのサウンドチェックからストーリーが始まるので結構みんなビビッています」S41a0307 「新しい曲が多くて硬い表情を見られたくない。
だから本当はサングラスを付けたいんだけど、見えなくなるのがコワいので付けられないんっス。
ただいまジレンマなの」710v続いてはドッケンの「Into the Fire」。730_itfANI-Katsuさんのヘヴィな低音と…750SHOWさんのリズム隊がクリエイトする問答無用のパワフルなロック・ビート!760そのリズムでノビノビと歌うYOFFYさん。
740vテクニカルなSUSSYさんのソロも見応え&聴き応え満点だった!
680v今回はココまで。
この続きは<後編>を待て!
 
ヘアメタル研究会の詳しい情報はコチラ⇒オフィシャルサイト770<後編>につづく
 

200(一部敬称略 2025年6月23日 新宿Wild Side Tokyoにて撮影)

2025年8月 6日 (水)

Damian Hamada's Creatures~Fantastic Metal Tour<後編>

 
【お詫び】
<前編>で今回のD.H.C.ツアーのタイトル名を『FANTASTIK METAL TOUR』と綴っておりました。
コレは告知資料にある付着し合った「I」と「C」を私が「K」と見誤ったからです。
キンクス好きが祟った全面的な私のミスであり、慙愧に耐えません。
かかる<前編>の箇所をすべて『Fantastic Metal Tour』の表記に訂正したうえ、ここに謹んでお詫び申し上げます。10vさて、「Black Swan」の熱演が終わると『Fantastic Metal Tour』の千秋楽も後半に入り、D.H.C.のコンサート名物、改臟人間たちが腕前を競うソロ演奏のコーナーに突入する。
まずは客席とのコール&レスポンスを交えたKAZAMIさんの華麗極まるドラム・ソロから。10v_2KAZAMIさんがパワフルなロック・ビートを叩き出すとリリスちゃんの出番!20_2トラディショナルなスタイルでリリス・フレーズをガンガン繰り出してくる!30v耳に手を当てて客席からの歓声を独り占め!40_2そして2人のリズム隊の演奏に乗ってカズマくんが思う存分にシュレッディング!
50_2カズマくんもお客さんとコール&レスポンス。
何しろノリの良いお客さんも「Fantastic」なのだ!100流麗なテクニックもさることながら、真空管駆動のアンプが押し出す図太くコシの強いカズマくんのギター・サウンドはやはり大きな魅力だ。60vカズマくん自慢の真空管アンプがコレ。
Marshallの「JMP-1」プリアンプと「9200」パワーアンプ。
それを「1960BV」というスピーカー・キャビネットにつないで使っている。80v続いてはRENOさん。
フィードバック、開放弦、ワーミーバー、タッピングと、多彩なテクニックをテンコ盛りにしてRENOさんだけがなし得るギター空間を創造して見せてくれた。110v_2最後はシエルちゃんのお出ましだ!
「次は会場の皆さんの番でございます。
一緒にお腹の底から声出してイケますか!」
やることはキマってる…シエルちゃんvs.お客さんの声だし合戦だ!120v_2「いくぜッ!
1、2,1、2、渋谷!
コイ!コイ!コイ!コイ!」
スゴイ!
シエルちゃんとお客さんとの死闘はまさに「組んずほぐれつ」のサドン・デス状態!
ホントによく盛り上がるコンサートだ。
しかもキチっと気持ちよく盛り上がるところが大いに好感が持てるところ。
130アコースティック・ギターの音から一転。
飛び切りハードなサウンドが鳴り響くのは「Lady into Devil」。140「♪Lady into devil, Rebirth of evil~」のパートが大変にカッコいい。
今日のシエルちゃんはひと際ハードな歌いっぷりだった。150ソロからツイン・リード・パートへ。
ポジションを入れ替わったりしての熱演をくり広げる。008a0832 シエルちゃんが『Fantastick Metal Tour』を開催する前から執拗に触れていた「予襲と復讐」の成果を見せる時がやってきた。
もちろん客席は予襲も復讐もバッチグーのようす。
しからばイってみましょう!170「天国に棲む悪魔へ」!
250_2前回の『惨月の宴』でも取り上げた陛下がアイドルユニット「悪魔のキッス」に提供した曲。180 他の曲とは少々趣を異にした雰囲気。
でもどこまでもハード!
シエルちゃんが振り絞るようにして出す最後の絶叫がすさまじい。190_2「次はラスト・ソングだ!盛り上がれるか!」とアオるシエルちゃんに応える客席からの歓声が一段と大きくなったのはステージ下手から陛下が登場したから。200_666_2陛下をお迎えしての本編最後の曲は「666」。
ライブでは今回のツアーでの演奏が筆おろしとなった。
客席から湧き上がる雄叫び…「予襲」バッチリではありませんか?210_666ストレートなロック・ビートにトラディショナルなテイストを盛り込んだ1曲。
コリャ、いいわ~。
D.H.C.の新しいキラー・チューンになること間違いなし!
270そんな新しい曲を今回も最高の演奏で聴かせてくれた改臟人間たち!008a0058 230 240v_2 008a0725 260v_2コレにて本編落着!280_2D.H.C.が舞台から姿を消した途端始まったD.H.C.コール。
きっとすぐに要望に応えてくれるでしょう。
その間にレポート<前編>で発表された『Neo Apocalypse Tour』について。
東京公演は2月1日か…まだ手帳に書けないな…。
そんなに先のことでもアッと言う間に来ちゃうんですよ~…クワバラクワバラ。
またとても楽しみですね~。Nat_s さて、すさまじいまでの「D.H.C.コール」の中、ステージに姿を現したのはシエルちゃんとリリスちゃん。
男性陣はお召し替え中だ。
シエルちゃんからツアーの感想を訊かれて…
「アッという間だったね。やっぱり3か所はあっという間過ぎる。
今日新しく発表されましたけど、11月は聖飢魔Ⅱとの『地球魔界化計画 第Ⅱ章』で、その後の来年の1月は『Neo Apocalypse Tour』がありますからまだまだ忙しいよ!
今日配られるそのツアーのフライヤーを見たらわかるんだけど、ファイナルはここの会場だし。
名古屋も先週やってきた『ell. FITZ ALL』というところです。
その時はココをソールドアウトさせたいよ!
もうコイツら『WWWX』じゃチョット狭いな?って思われるぐらいの勢いを今日は見せたいなぁ~と思っていたんですけど、皆さん、どうでしたか?
今日、上ってきた階段にあふれるぐらいの人を呼んで、『コイツラもっとデカいハコでやらせないといけない』と思われるバンドに来年はなりたいです。
そのために今日も全力で弾いたんですが、まだもっと聴きたいって言ってくれるのでまだまだ弾いちゃうよ~!」
290着替えが終わって次にステージに上がったのはKAZAMIさん。
「ありがとうございます。
一部で話題になった有料の男です…好きな言葉は『残高照会』です。
アッという間にファイナルということで…皆さま、楽しんでいますか?
Fantasticなツアーになりましたか?
(客席から大きな歓声が上がる)
この声が夢に出て来たよ!
このD.H.C.のライブは、『ウワァァァァァ』ってすごい地響きがするんですよね。
コレでツアーが終るなんて寂しいと思ったんですけど、今日新しいツアーが発表になりました。
今から楽しみです。
そして11月には長崎もあります。
チョット遠いですが、皆さんの声が聞こえないと陛下が帰っちゃうよ!
長崎と来年のツアーもよろしくお願いします!
ありがとうございました」300続いてカズマくん。
「お前たちのアックスだ!
アックスがこのお立ち台に登るとどうなるか…目線とテンションが高くなるぞ」
ステージの前でしきりに「アックス、アックス、アックス、アックス、アックス、アックス、アックス、アックス、アックス~!」と名前を連呼してくださる女性のファンがいらっしゃる。
ありがたいね~。
「今日はどうもありがとう!
1つ小話をさせてもらうかな。
大阪で初日が終わってホテルに帰って寝るよね。
夢の中でボクだけマジで名古屋公演を終わらせたんですよ。
で、パッと目が覚めたら名古屋の朝で、ボクだけこのツアーで3公演演っていたんですよ!
でもまだまだ演りたいなぁ~。
シーンとしないで…アックスだって滑る時は滑るよ!
本当にどうもありがとう!
しばらくライブが無いのは本当に淋しいけど、その間ボクらは止まってるわけじゃないので。
頑張っていくからね!…まとまらねぇ~なぁ」
その名古屋公演はリリスちゃんが触れた通り「ell. FITS ALL」だった。
チョットこの店名について説明しましょうか?
「ELL」の「平野茂平」さんがフランク・ザッパの大ファンで、昔「なぞなぞ商会」というザッパのコピー・バンドをやっていらした。
で、ザッパの1975年のザッパの作品に『One Size Fits All』というアルバムがあって、そこからお店の名前をつけたんだよ。
私もこのアルバムが超大好きで、この作品こそが旧来型のロックの頂点であり、この後はもう音楽的に新しいモノはナニひとつ出て来ていないと思っているんです。
まさに「無人島に持って行く1枚」。
1981年か1982年、私が大学の時に参加していたバンドが大阪寺田町の「スタジオあひる」というライブハウスでなぞなぞ商会と対バンをしたことがあって、とてもうれしかったのを覚えている。
私はと言えば、もちろんMarshallでギターを弾いたさ(1959と1960AX)。
310最後を締めくくったのはRENOさん。
他のメンバーと同様に今回のツアーへの感想とお客さんへのお礼を丁重に述べ、11月の長崎公演について触れた。
RENOさんはD.H.C.と聖飢魔Ⅱで出ずっぱりだからね!
こうしてD.H.C.の「帰りの会」が終了したところで陛下登場!320v_sns早速アンコールの1曲目に取り掛かった!
ココが人気曲のオンパレードでまた見応えも聴き応えもタップリ!340_2まずは「謝肉祭」。330v_2陛下のソロがバッチリとキマった!410v陛下もMarshall。
今回使用したのは「DSL100」と「1960A」。150v陛下を除く男性陣はお揃いのツアーTシャツに召し替えて、ギター・チームは…
380vとことん最後まで弾き抜く!350vアンコールの2曲目は「嵐が丘」。118a0672KAZAMIさんとリリスちゃんの掛け合いから…
390_2ギター・ソロ・バトルへ!400_2そして『Fantastic Metal Tour』の最後を飾ったのは「Babel」だった!415無事に演奏を終えて愛器をタカダカと上げて歓声を浴びる陛下。420vそしてすぐさま陛下の最後のご講話。
「会場の諸君、およびニコ生を観ている諸君。
『Fantastic Metal Tour』千秋楽への参加、大儀であった。
諸君のお陰で大変すばらしいライブになったぞ!礼を申す。
ということで恒例となった『グーでねぎらうコーナー』に入りたいと思う。
このコーナーもグーからバッチグーに進化し、そしてチョベリグへと進化した。
さらにこのツアーでFantasticへ進化した。
Fantasticでねぎらう…というよりも、お互いに称え合おうではないか!」
430v「まずは熱いエネルギーを放出しまくってライブを盛り上げてくれた会場の諸君自身にFantasticで称えたいと思う。
自分にFantatic。
我々はそなたたちの方に向けて、キミ達は自分にFantasticだ。
せ~の!自分にFantastic!」
450_2「ケッコウケッコウ!
そしてこのライブ・ツアーを陰で支えてくれた頼りになるスタッフ。
そのスタッフにFantasticを捧げようじゃないか!
スタッフがどこにいるかわからないが…それぞれの方向に感謝のベクトルを向けてスタッフにFantasticでいくぞ!」
440_2「ケッコウケッコウ!
そして私が作った難しい曲を汗ダクになりながら演奏してくれた改臟人間にもFantasticを送りたいと思う。
最高のメンバー達に!
せ~の、改臟人間にFantastic!」
460「それでは私もFantasticで称えてもらってもいいか~?」
470「チョット待ったぁ~」
するとシエルちゃんから物言いがついた。
この日は6月21日、そして陛下の御発生日が6月6日ということで万歳六唱でお祝いをすることになった!
バンザ~イ!バンザ~イ!バンザ~イ!…
480_2バンザ~イ!バンザ~イ!バンザ~イ!
シエルちゃんの進言通り一番気持ちのよいところで万歳を浴びた陛下。
そうして客席にピックを6枚投げ込み、改臟人間たちをひとりずつ送り出した。
490「それでは諸君!
またどこかのライブ会場、あるいはイベント会場で会おうではないか!
また会えることを心から楽しみにしとるぞ。
では気を付けて帰り給え。
それでは今宵はこれにてさらばである、である、である、メタル~」500終わっちゃった。
あ~、楽しかった~!
 
Damian Hamada's Creaturesの詳しい情報はコチラ⇒Official Website510 
★★★オマケ★★★ 
<前編>の冒頭で今回の記事の内容を変更したと書いた理由について。
その「理由」とは…コレ。
ココから先はD.H.C.にも、ライブのレポート自体にも関係がないので、お時間のない方はココでMarshall Blogを閉じて頂いても大丈夫です。
ご用とお急ぎでない方はもう少しお付き合いください。
Ngsk私はMCでカズマくんが触れたこの豪華なダブル・ヘッドライナーの情報をライブ当日のプレスピットの中で初めて耳にした。
「な、長崎?11月2日?『地球魔界化計画』の『第II章』?」と聞いて少々腰を抜かしそうになった。
ナゼならば私は10月の下旬に長崎を旅行する計画があるからだ!
ナンでもっと早く言ってくれないのよ~。
実は私は長崎が大好きで、これまでに2度ほど訪れている。
今度の10月が3回目。
旅の目的はいわゆる「聖地巡礼」とブログのための取材。
敬愛する作家の「吉村昭」の作品の多くが長崎を舞台にしていて、そこに登場する場所や関連する箇所を実際に訪れて喜んでいるというワケ。
たとえば、下の「吉川英治文学賞」を受賞した先生の代表作のひとつ『ふぉん・しいほるとの娘』。
幕末期にオランダからやって来た医師「フリッツ・フォン・シーボルト(本当はドイツ人)」とその娘で日本初の女性産婦人科医となった「楠本イネ」の物語。
今も残る長崎市内の地名がたくさん出て来る。
私はこの作品がとても好きで、文庫で合計1,300ページに及ぶこの長編を、上巻4回、下巻3回読んで2度の長崎行きに備えた。
ちなみにおイネさんの娘の「高子」さんは『銀河鉄道999』の「メーテル」のモデルとなった女性のひとりとされているよ。
008a0374ある時、先生が長崎に行く度に訪れていた「長崎県立図書館」の学芸員にそんな「吉村愛」を伝えたところ、「お願いがあります」と先生の直筆原稿を書庫から取り出してきて、「大の吉村先生ファンと見込んでこの直筆原稿の筆跡鑑定をお願いします」と私にその原稿を手渡したのだ。
コレには驚くやら、うれしいやら、恥ずかしいやら。
これまで何度も先生の直筆原稿を拝見していたので、それらとは全く異なる筆跡にその原稿が先生の筆記によるものではないことがすぐに判別できたが、一応写真を撮って東京の「吉村昭文学記念館」の知り合いの学芸員に見せて確認した…なんてことがあった。0r4a0857_2こんな長崎についての話を書き出すととんでもなく長くなってしまうので、記事本編の内容を変更してこうして巻末に長崎の情報を滑り込ませた次第。
で、コレからナニをしようかというと、コレをご覧の皆さまの中には11月2日に長崎を訪問する方がきっとたくさんいらっしゃることでしょう。
そこで記事の<オマケ>として少しだけ「私的長崎ガイド」をお届けしたいの思うのです。
と言ってもガイドブックに必ず出て来る「グラバー園」とか…0r4a0123「出島」とか…0r4a0072 「平和記念公園」などを案内しても仕方ないので、ごく私的な長崎の見どころの一部をお届けしたい。008a0343まず…「シーボルト」が出来たところで「鳴滝」というチョット町から離れたシーボルトの住まい兼「鳴滝塾」の跡。
シーボルとその奥さんの「お滝さん」や娘のおイネさんが実際にココで暮らしていたことを想像して大いに感動した。0r4a0534すぐ隣には「シーボルト記念館」という施設があるんだけど、ココ、展示アイテムを出し惜しみしてやがるんだよ。0r4a0570「医学」つながりで言うと、長崎大学の医学部も大変に興味深い。
言ってみれば黒澤明の『赤ひげ』の「保本登(=加山雄三)」が留学に来ていた所ですからね。
シーボルトやその後任のポンぺ、順天堂の創設者のひとりで土方歳三の主治医だった松本良順他を記念するアイテムがキャンパス内にゴロゴロしている。
江戸時代、医学を志す者はみ~んなココに留学していた。
下の写真ではわからないが、この医学部正門の左側の門柱は原爆の爆風で大きく傾いたままになっていて、その威力の大きさに驚かされる。008a0130今日は偶然にも80年前に広島に原子爆弾が落とされた日。
長崎の原爆関連の遺構もスゴイ。
もちろん「長崎原爆資料館」は見逃せないが、それ以外の原爆関連のポイントにも注目するべき。
コレは爆風で半分吹っ飛んでしまった「山王神社の一本鳥居」。008a0034戦後の大ベストセラーとなった『この子を残して』や『長崎の鐘』を著した「永井隆博士」の終の棲家「如己堂(にょこどう)」。
来日したヘレン・ケラーが何のアポもなく突然ココに現れて永井先生は腰を抜かしたという。
また、『長崎の鐘』が映画化された時には主演を務めた月丘夢路が挨拶に訪れ、先生は月丘さんの美しさに仰天したそうだ。
そりゃそうでしょう、月丘さんなら。
月丘さんは昔、美容整形で患者が希望するルックスの人気ナンバーワンだった。008a0265他にも日本で最初の英語の先生となった「ラナルド・マクドナルド」とその弟子でNHKのドラマにもなった(私は見ていません)有名な江戸時代の通訳「森山栄之助」の記念碑なんてのもある。
この2人は吉村先生の『海の祭礼』という小説になっていて、この碑文は先生の執筆。
0r4a0133町を歩けば、至る所にそうした記念碑や史跡がゴロゴロしていて、ボ~っと歩いていると大変な損をしてしまう。
そうしたポイントに説明を記した案内板が必ずついているのもうれしい。
たとえばコレは明治の新聞人/政治家の「福地櫻痴」の記念碑。
浅草寺には「山縣有朋」が篆額を入れた櫻痴の顕彰碑が立っていたりする有名な人。
櫻痴の墓は谷中の墓地にある。
008a0317「平野富二」は日本の近代印刷事業を興した人。
石川島播磨重工業の創設者で、東京で最初の鉄橋である浅草の「吾妻橋」を架けた人でもある。
この碑はごくごく普通の4階建てマンションの入り口付近に立っていて、私がこの写真を撮っていると、配達に来ていた生協のオバちゃんが「これ、有名な人なんですか?」と尋ねて来た。
現地でもそんなもんです。
富二の墓も谷中で墓地の入り口にどデカイ顕彰碑が立てられている。
008a0061_3コレなんか「銅座」という飲み屋街の街灯の柱にくっつけられているんですよ。
上で触れたシーボルトの娘の「楠本イネ」の住居跡を示している。
「皓臺寺(こうだいじ)」という山にある楠本家の墓はもちろん、私はこの人の足跡を追って愛媛の宇和島まで行っちゃったからね。
なんたってこの人が「ふぉん・しいほるとの娘」ですからね。
お母さんが「丸山遊郭」で一番の美人ということもあったが、ドイツ人とのハーフなもんだからおイネさんはものスゴイ美人だったらしい。
2img_1945「勝海舟」も勉強に来ていた「海軍伝習所」他の跡。
Img_2020コレなんかもスゴイ。
辛亥革命を指導した「孫文」とそのパトロンだった「梅屋庄吉」とその奥さんの像。
庄吉は日活の創設者のひとりで元の「香港上海銀行長崎支店」を改装して作った庄吉の博物館もオモシロイ。
『見果てぬ王道』という伝記があるんだけど、それを読むとまさに波乱万丈の人生を送った人であることがわかる。
2008a0554あの有名な坂本龍馬のポートレイトを撮った「上野彦馬」の住居跡なんてのもあるよ。
アレは彦馬ではなく弟子が撮ったらしいけど。
ホントはもっと紹介したいんだけど、コレぐらいで止めておいて…こんな具合に長崎は街全体が歴史の博物館なのです。
008a0149変わったところでは「病院」の名を冠した万年筆の専門店。
スゴイよ、何本取り揃えているのかは知らないが、店内はすべて万年筆!
実は吉村先生の行きつけの店で先生はこの店でしか商売道具の万年筆を買わなかった。
私も万年筆が好きで1本買って、デヘヘ、一応「お得意さん」になった。
2、3か月前に吉村先生の案件でお店の主人からお手紙を頂戴してうれしかった。
長崎へ行く予定でタマタマ万年筆を買おうとしている人は11月まで待ってゼヒ「マツヤ万年筆病院」をお訪ねください。
皆さんの文字の書き方にピッタリの万年筆をお店の人が選んでくれます。
Img_2354現地の人々もとても親切でやさしいのも長崎の魅力だし、私が子供の頃には都内の大通りを我が物顔で走っていた路面電車が街中を行き交っているのも楽しい。0r4a0234 そしてもうひとつ、長崎のセールス・ポイントはナント言ってもグルメですな。
とにかく魚がおいしい!
それもそのハズ、長崎の漁獲量は日本一なのだとか。
下はその魚市場に隣接している「長崎水産食堂」という朝6時からやっている店の刺身定食。
刺身もさることながら、ついてくるアラ汁が呆れるぐらいにおいしい!
Img_2011「長崎」といえば「ちゃんぽん」と「皿うどん」。
ちなみにグラバー園には「リンガーハット」の店名になっている「ホームリンガー商会」のフレデリック・リンガーの住宅があるよ。
で、私はトンコツものがあまり好きではないので、ちゃんぽんより皿うどんの方がいいかな?
普通、皿うどんといえばチリチリの細い麺がスタンダードに思うけど、長崎には太麺と細麺タイプがあって、味付けがそれぞれ全然違うの。
下は吉村先生に「どうしてこんなにおいしいものが作れるのかわからない」ぐらいのことを言わしめた「福寿」という店の太麺の皿うどん。
おいしかったですよ。Img_1847先生、ゴメンなさい。
でも、やっぱり皿うどんは細麺かも。
このガイドブックやYouTubeなどでに必ず出て来る長崎駅前の「大八」というお店の皿うどんは本当においしかった!Img_2003最後。
この店がガイドブックやYouTubeで扱っているのを見たことがない。
私が知る限りただひとつ出て来るのは吉村先生のエッセイの中だけ。
先生が長崎に来ると毎晩寄るというおでんの店「はくしか」。
もうね、落語の「二階ぞめき」みたいに私の自宅にこの店を開店して欲しい。
ココのダシの味の良さといったら想像を絶するよ。
そのダシの風呂に入りたい!
長崎はおでんが盛んでラーメン屋でもガンガン取り扱っていて、透明なヤツ、黒いヤツと種々食べてみたけどこの店は世界が違う。
そのダシで作った雑炊を食べてみな。
東京へ帰りたくなくなっちゃうぐらいおいしいよ。
当然他のどのメニューもバッチリです。2img_1909…と、かなりポイントを絞ったので、正直思うように書くことができなかったけど、とにかく長崎は魅力的だ。
18世紀のイギリスの文学者のサミュエル・ジョンソンに「ロンドンに飽きた時は人生に飽きた時だ」という有名な言葉があるぐらいで、私もロンドンが世界で一番オモシロイ街だと思っていた。
イヤイヤ、長崎も十分に比肩し得るのではなかろうか?
私なりに考えてみるに、そこには2つの共通点があって、ひとつは「狭い」ということ。
ニューヨークも同じだね。
つまり自分の足や公共の交通機関で行きたいところへ自由に行けるということ。
こんなに狭いエリアにこれほど見どころが詰まっているのは日本では他に京都ぐらいしかないのではなかろうか?
東京なんか広すぎちゃってとても長崎観光のようにはいかないからね。
もうひとつは、住民が街をすごく大切にしているということ。
古いモノを大事にするイギリス人は歴史も大事にしていて、何か歴史的な出来事があった場所には「いつ何が起こったか」を知らせる「プラーク」と呼ばれる銘板を街中に取り付けている。
そしてそれを自分の街の誇りにしている。
長崎の街の至る所にある記念碑や案内板も同じだし、街の人に同じ気概を感じる。
古い町名をなるべく残しているところも素晴らしい。
反対に2つの街で決定的に異なる物は「食べ物」だね。
ロンドンだって何もマズイ物ばかりではなく、チャンとお金を出せばおいしい物を食べることができるが、長崎と比べるワケにはとてもいかないね。
ちゃんぽんと皿うどん以外にも「トルコライス」やら「ミルクセーキ」やら「ハトシ」やら「カステラ」やら「茶碗蒸し」やら名物の食べ物が目白押しだ。
ま、こうした名物には「うまいものなし」というご箴言もあるにはあるが…。
さつま揚げは規格外においしいよ。
それと「若竹丸」というチェーンのすし屋がまたイカしてる。
そのコスパに驚くな!
11月に長崎へいらっしゃる皆さん、どうぞ思う存分楽しんでいらしてください。
あ、最後に…長崎には自転車が走っていません。
私が8日間のウチで自転車を漕いでいる人を見かけたのはたったの2回。
そんなだから自転車屋が1軒しかないらしい。
理由は長崎へ行けばわかります。
0r4a0068<おしまい>
 200_2 (一部敬称略 2025年6月21日 渋谷WWWXにて撮影) 

2025年8月 4日 (月)

Damian Hamada's Creatures~Fantastic Metal Tour<前編>

 
去る6月に開催されたDamian Hamada's Creaturesの『Fantastic Metal Tour』。
全旅程で「3ヶ所3公演」というコンパクトな企画ではあったものの、もちろん中身は豪華絢爛。
たくさんのD.H.C.ファン、信者を大いに楽しませるツアーとなった。
今回と次回のMarshall Blogはその千秋楽の東京公演のもようをお送りする。
実は今次の記事の冒頭には「陛下」という言葉について書こうと思い、公演当日、浜田陛下ご自身に「こんなことを書いてもよろしいですか?」と上奏し、勅許を奉戴したのだが、不敬ながら予定を勝手に変更して、それは次回以降の機会で取り扱わせて頂くことにした。
記事の<後編>の最後でその理由を開陳することにして、代りに「Fantastic」について少し書かせてもらいましょう。
10vさて、話は飲み物の「ファンタ(Fanta)」に変わる。
「ファンタ」…もちろんこの商品名は英語の「fantastic」から来ていると思うでしょう?
思っているでしょッ?
イヤイヤ、違うんですよ。
この「Fanta」は英単語の「Fantastic」からではなく、ドイツ語の「Fantasie(想像力)」の「Fanta」なのだそうだ。
第二次世界大戦が始まってアメリカからコカ・コーラの原液を輸入できなくなってしまったドイツのコカ・コーラの現地法人が、地元でコーラの代替品として作ったオリジナルの炭酸飲料が「Fanta」だったのだそうです。
戦争が終わり大分時間が経った1960年にアメリカの宗家のコカ・コーラが「Fanta」の商標を買い取った。
そして、国内で高いシェアを誇る「7UP」を駆逐すべく、ファンタのレモン味を「スプライト」という商品名に替えて対抗した。
私はアルコール類以外の炭酸飲料は年に1、2回ぐらいしか飲まないけど、こういう歴史話はファンタスティックですねぇ。
そういえば、昔、グレープ味に使われている合成着色料が大きな問題になって、「ゴールデン・グレープ」という琥珀色の商品に差し替えたことがあった。
アレもいつの間にか目にすることがなくなって、また紫色のファンタ・グレープに戻った。
「チクロ」だとか、「PCB」だとか、もはや懐かしい。
我々の食は今とあの頃とどちらの方が安全なのだろうか…。

Fa12

さて、今回の東京公演の会場は渋谷の「WWW」の斜め上の「WWWX」…コレは読むのが大変ですよ。
もはやライブハウスの「寿限無」と言ってよかろう。
ゴージャスな呪い花が華やかにロビーを彩った。20人気の魔界物品(グッズのようなもの)に…30大聖典(アルバムのようなもの)がズラ~リ。40そして「魔界ガチャグッズ」が入っているガチャガチャ。
ひとり6回まで。もっとガチャガチャしたい人は再度列に並んでね。
「魔界ガチャ」略して「マッチャ」?
今、世界的に「抹茶」の人気が凄まじくて、お茶農家が抹茶用の茶葉しか栽培しなくなってきており、我々は早晩普通の煎茶を飲むことができなくなってしまう、あるいは煎茶の値段が激しく高騰してしまう恐れがあるとか…。
過ぎたるは及ばざるが如し…「インバウンド」もいいけれど本当にナントカしてもらいたいもんですな。50開演の15分前、上演中の注意事項がアナウンスされて、しばらくすると雨男と雨女の会話が始まった…
シエルちゃんとアックスだ。
今日の公演にいかに気合が入っているかを2人で語り、いつのもD.H.C.コールが始まった。
アックスが掛け声を発する。
「みんなツアー・ファイナルいけるかい!
1番デカい『D.H.C.コール』を聞かせて欲しいぜい!カモン!」
D.H.C.!D.H.C.!D.H.C.!…60客電が落ちてステージにDamian Hamada's Creaturesの姿が浮かび上がる。
イヤ~、コレはまたスゴイ歓声!70そして、ショウがスタートした!
1曲目は「魔城の翼」。
80ダミアン浜田陛下90vシエル伊舎堂12RENOファウスト100アックスKAZUMA(以下「カズマくん」)110vリリス一ノ瀬008a0725 KAZAMIクロウリー130爽快に疾駆するメタル・チューンとシエルちゃんの猛烈なアオリで客席は一気に沸点に達する。135陛下のソロが炸裂!140v陛下は今日もMarshall。
「DSL100H」と「1960A」を使用した。150vそのまま続けてギター・アンサンブルの哀愁のメロディが曲を導く「Running like a Tiger」。
240v『山月記』の「李徴(りちょう)」よろしく左手を虎に変えて熱唱するシエルちゃん。
190リリスちゃんの絶妙なコーラスがボーカル・パートを分厚くする。
230v陛下とイキの合ったプレイを見せるカズマくん。195さらに、Marshallで鳴らすソロもバッチリとキマった!160v_rltカズマくんのMarshallはいつもの愛用のヤツ。
ラック・アンプにキャビネットは「1960BV」。170vラックの中身は、プリ・アンプが「JMP-1」、パワー・アンプが「9200」。
Marshallはもう両方とも生産をしていない。
カズマくんもこのパワーアンプを手に入れるのに苦労した。
そこで生きてくるのが「いつまでもあると思うな親とMarshall」という格言であ~る。180冒頭2曲、コレだけでこんなに盛り上がってしまって、この先一体どうすんの?という盛り上がりよう。
こういうのを余計なお世話というのであろうが…。
D.H.C.のステージは今日も最高に楽しくなりそうだ!185「会場の諸君、そして今宵ニコ生を観ている諸君…私だ。
存在そのものがFantasticだ!
魔王ダミアン浜田である。
『Fantastic Metal Tour』の千秋楽、盛り上がっておるか東京ッ!
楽しんでおるか東京ッ!」
ものスゴイ歓声!
「イヤイヤ、始まったばっかりなのにもう千秋楽って一体どういうことなの~?…って思っておる者もいるんじゃないのかぁ?
そうだろう、そうだろう…実は私もそう思っている。
まぁ…仕方ない!決まってしまったものはしょうがない」
260v「ところで1曲目からの魔王登場でビビった者もいるんじゃないのか?
まぁ、東京は2回目だからな。
大阪と名古屋ではコレをやってないので今回のツアーでゼヒ披露しておこうと思ってやってみた!
だがしかし、次はいつやるかわからない。やらないかも…」
客席から「エエエエ~!」と悲嘆に暮れる声が上がる、が…。
「こういう反応だったらまたやってもいいかもしれない。
そして、2曲目の「Running like a Tiger」は4年前に初めてD.H.C.がライブを行った時に私が初めて観客の前で演奏した思い出の曲だ。
あの時は、ほとんど無理強いされたような感じだった。
だが、あの時の荒療治が効いて今はこんなにもイキイキとギターを弾いている。
おめでタイガー、ありがタイガー…Runing like a Tiger!」270v「ところで『Fantastic Metal』は、ダミアン曲の4大要素の1つであるけれども、この『Fantastic』の意味は2つある。
1つは『大変すばらしい様』、そしてもう1つは『幻想的、あるいはで空想的である様』である。
今回のツアーではこの2つをハイレベルで両立しようと心がけて来た~!
そして今、それを実現しようとしているところだ」
280そのためには、諸君の熱いエネルギーが必要だ。
熱いエネルギーを大量に放出する覚悟は出来ているのかッ!
『イヤイヤ…もう1曲目と2曲目でエネルギーを全部使い果たしてしまいましたぜダンナ』…っていう人、そういう子はいねぇかぁ?
いねぇな?よろしい!
今回のツアーは『Fantastic』をテーマにやってきたワケだが、悪魔にとって『最もFantasticなこと』とは、神が掟を破り、罪を犯すことではないであろうか…」
290v陛下がステージを離れて「天空の放浪神」。300_thシエルちゃんが強力なアオリを入れて大熱唱!310vステージ前方に歩み出て来たリリスちゃんがブチかます豪快な低音が猛烈なドライブ感を加速させる!320vココでも2人のコーラスが曲をゴージャスに練り上げる。
340美しいアンサンブル、迫力のソロと、ギター・チームの魅力がこの曲でも大爆発した。330v曲は続く。
不気味な低音が流れる中、RENOさんがシャープなリフを奏でる。350_gmミディアム・ファストのヘヴィなリズムにシエルちゃんが不吉なメロディを乗せるリフ・ナンバー「G戦場のマリア」。360カズマくんのソロからギター・アンサンブルへとつながるパートがとてもスリリング。
曲の締めくくりのカットアウトもとても印象的だ。530vまだまだ曲が続く。
今度は「Crimson Earth」だ!380_ce「♪口を開けた大地に毒を流し込んで殺す」
強烈というか「凶烈」というか、スゴイ歌詞が耳に飛び込んで来る。
「♪人間こそ悪魔だ」
もし、我々が江戸時代の暮らしに戻ることができれば、地球はアッという間に健康になる…という話を聞いたことがある。
390コワい内容にドヘヴィな演奏。
全員が一丸となった演奏が最高にカッコいい!
RENOさんのバッチリと曲調に合わせたソロもとても素晴らしかった。400もう1曲「審判の日」を続けてこのセクションを締めくくった。
410_sh要するにこのセクションは最新大聖典『最後の審判』の曲で固めたというワケ。
430魅惑のツイン・リード大爆発!440全身の力を振り絞って審判を下すシエルちゃん。
スゴイ迫力だ!
420アッパレな演奏に送られた盛大な歓声を浴びる改臟人間たち!450ココでトーク。
「盛り上がってるか、東京!
アックスがしゃべるぞ~!…そんなに期待するなぁ!
『Fantastic Metal Tour』の千秋楽へお越しくださいましてありがとうございます。
今日のこの会場の『渋谷WWWX』って意味をご存知ですか?
小耳に挟んだんですが、『X』には無限っていう意味があるじゃないですか。
だから、『WWWX』は『悪い、悪い、悪い、無限』…多分違うと思うんだけど、今日はそういうテイでいこうじゃないかと!
さて、ココにいらっしゃる皆さんはご存じだとは思いますが、来る11月2日、長崎スタジアムシティ HAPPINESS ARENA(ハピネスアリーナ)にて『地球魔界化計画 第Ⅱ章』が決定しました。
Damian Hamada’s Creaturesでドッカンドッカンやっちゃおうと思ので楽しみに待っててください!」
ナニ? な、長崎?
460v「ココでひとつ…Axe KAZUMAから個人的な告知をさせてもらってもいいですか?
SNSなんかでチョコチョコ言っているんですが、ボクはトラックのマニアなんですよ。
トラックとかデコトラが大好きなんです。
もちろん聖飢魔Ⅱの機材車も写真をいっぱい撮っているんです。
それで、皆さんコレご存知ですか?
『カミオン』というトラックの雑誌…知らない?
遅れてるぅ~。
ボクのトラックへの熱い愛がこの雑誌の編集部に伝わりましてAxe KAZUMAの連載コラムが決定しました!」
470v「ありがとう!みんな、夢は叶うぜ!
ナニを書くかと言うと、まずAxe KAZUMAって誰やねん?っていうことを説明をして、物心ついた時から好きだったトラックへの愛をひたすら書かせて頂こうかと。
そして、D.H.C.は11月までライブがないのでその間に大型貨物の免許を取って、長崎へはボクが運転して機材を運ぼうかと…。
とにかく『Axeがコラムを始めたら発行部数下がった』って言われたくないので、皆さん、ゼヒともチェックのほどよろしくお願いします!」
以前もMCで語っていたが、カズマくんのトラックへの愛情は空よりも高く、海よりも深く、何らかの理由でギターを弾くことがなくなったら即座にトラック運転手に転職する…と改臟される前から私に時折言っていたからね。
ところで「カミオン」ってナンだろう?と思って調べてみると、「Camion」はラテン語で「トラック」とか「貨物車」という意味があるのだそうだ。
1984年に創刊したこのトラックの雑誌の名前の出自がまさかラテン語だとは「一番星桃次郎」も「やもめのジョナサン」も気が付くまい。
カズマくんもいつかはオリンピックの開会式でデコトラとの共演を目指すべし!
480コレは脱線。
水天宮前に「来々軒」というマンガに出て来そうな町中華がある。
この店の料理は他の店には決して味わうことができないであろうホンの少し変わったレシピが売り物で、間に長いブランクを経てはいるものの、私はもう30年近く通っている。
先週行った時、規格外に分厚いデコトラが表紙の写真集が店の奥に飾ってあるのが目に入った。
カズマくんの「カミオン」の話がなければ、絶対に気にしないシロモノだし、事実ズッ~ト目に入らないでいた。
そこで手に取ってその写真集を見てみると、目を疑うような豪奢に飾り立てたトラックの数々がゾロゾロと出て来てコレが存外にオモシロイ。
少し変わった写真の構図に撮った人の大きなこだわりを感じる。
マスターにナンでこんなものがココに置いてあるのかと尋ねると、その写真を撮った人もお店の長年の常連さんなのだそうだ。
「秦淳司」さんとおっしゃるフォトグラファー。
何しろ15年にわたって撮り続けたデコトラたちの写真なのだそうだ。
夢中になって写真集のページを繰っていたら、アッと言う間に大好きな「ニラ肉そば」が出来上がった。7_deko シエルちゃんが「D.H.C.は夢をかなえるバンド」という言葉をはさんで来年のツアーの告知をした。
そのツアーのタイトルは『Damian Hamada’s Creatures #NeoApocalypseTour』。
「ネオ・アポカリプス・ツアー…イエーイ!言えた、言えた!
も~、楽屋でみんながあることないこと言うんですよ!
『ネオ・ポカリスエット』とか、違うこと言っちゃったらどうしようかと思ってドキドキだった!
ホントに覚えるのに必死でした」
と、「アポカリプス」という言葉でひと盛り上がり。
そうか…若い人にはムズカシイのか。
1980年、私が高校3年生の時にコッポラの『地獄の黙示録(Apocalypse Now)』が封切られて、我々の世代は「apocalypse」という英単語が比較的おなじみなのではないかしらん?
私も「テアトル東京」へ観にったものの映画はよくわからなかったナ。
「カーツ大佐」ね。
マーロン・ブランド―にロバート・デュヴァルにマーチン・シーンと、まだアメリカにもいい役者たくさんいた時代の作品。
それと、あの映画のおかげでワーグナーの「ワルキューレ」が一気に有名になった。
でも「Apocalypse」ってナンだ?…当時はインターネットなんてない時代だったからその意味を調べようとしても英和辞典ぐらいしか調べる手立てがない。
で、さっそく辞書を参照してみると「黙示」とか「ヨハネの黙示録」と出ていて、宗教色が濃い言葉ということ以外ナンのことやらサッパリわからない。
その次に「この世の終りの日」という訳があって、コレのことかいな?と強引に自分たちを合点させた高校時代がなつかしい。
今となってはこっちの髪の毛がすっかりカーツ大佐である。490v深遠なクワイアのイントロから情熱的なギター・プレイへと続くのは「Tears in the Rainbow」。
540シエルちゃんが雨の日に思い出してよく口ずさむという1曲。
「いつか降る雨がここにいる皆さまの苦しいこと、悲しいことを洗い流してくれますように」という言葉を添えて文字通りシットリと澄んだ歌声を響かせた。520カズマくんがタップリと感情を込めたソロも際立っていた。
370v「今年の11月25日に我々D.H.C.は5周年を迎えることになりました。
もう5周年かぁ~という気持ちと、まだまだ5周年なんだっていう両方の気持ちがすごくあって、11月25日を迎えるにあたって私はどういう気持ちでいればいいんだろう?と悩んだ結果、デビューの時のことを振り返ってみました。
あの頃思い描いていたのはどういう『D.H.C.の5周年』だったんだろう?って。
その後、思ってもみなかったことが起こりました。
思ってもみない方々とライブが出来て、色々な場所でライブが出来て、こんなにたくさんの方に観に来て頂けて…予想していた以上のことができていました。
でも、個人的にもバンドとしても、この曲の歌詞みたいに天高く舞えていないんです。
まだまだどんどん突き抜けていかなければならない雲は本当にいっぱいあるので、だからこそ今年の11月、私は『D.H.C.まだまだ5周年だよ』という気持ちでステージに立っていたいと思います。
これから歌う曲では、いつも応援してくれてありがとう、みんなと一緒にこれからも頑張っていくからね、応援してね!と…いう言葉を私から皆さんに投げかけてきたんですが、このツアーは違う気持ちで歌いたいと思っています。
まだまだ空が見えない雲がたくさんあります。
でも必ず、絶対に…天を見渡せるくらい高いところまで私たちがみんなを連れて行くから離さないでください」540vKAZAMIさんのピアノとシエルちゃんの歌で始まる「Black Swan」。
この2人の演奏が始まった途端に何の曲かがわかる人が多い。
D.H.C.はそうなるようにずっと大切に演奏し、そしてこの曲を歌って来た。
550_bsリリスちゃんのベースがギター・アンサンブルをつなぐパートを経て…560vシエルちゃんがジックリと歌い込む。
MCでは「初めてこの曲を演奏した時、陛下が思っていたようには曲に慣れていなかった…と思っていました。
回を重ねてみんなでこの歌を共有していくことで、今となってはDamian Hamada’s Creaturesの原点、宝物のような曲になった」と語っていた。
本当にその通りD.H.C.のキラー・チューンのひとつだと思う。
580シエルちゃんの「♪高く~!」が歌声を残して前半終了。
 
Damian Hamada's Creaturesの詳しい情報はコチラ⇒Official Website590<後編>につづく
 

200(一部敬称略 2025年6月21日 渋谷WWWXにて撮影) 


 

2025年8月 1日 (金)

ROCK ABLAZE 2025 TOKYO<後編>~FEEL SO BAD

 
熱狂渦巻くFEEL SO BADのステージの中盤。
PONさんがメンバーを紹介して「オン・ドラムス………オレ~!」と叫ぶ。10_2そして注意深くユッタリとしたリズム・パターンを叩き出すと…15Chrisと翔己くんがそのリズムに加わる。60そして、だりあさんがジックリと歌うのは「Heaven」。80v翔己くんと…85v_scatだりあさんのスキャットがユニゾンで奏でるパートを経て…
70_heavChrisの絶妙なクランチ加減のソロが続く。90v_2ChrisはMarshall。
その心地よいクランチ・トーンはペダルではなく「JVM410H」が作っている。100v「どうもありがとうございます!
みんな楽しんでくれていますか?
さっきも話したように本当にFEEL SO BADね…非常にゴキゲンなんですが、1コだけだりあ自身が不安なことがあるんです。
みんなに弱音を吐いてもいいかな?
それはこのヒザ…特に右が非常に悪い。
皆さんは『変形性膝関節症』って知っていますか?」
110v_2「本当だったらもうチョット年齢がイってからなる人が割と多いらしいんですが、私は若い頃にムチャをし過ぎました。
たくさん走って、たくさんジャンプして…とにかくナニかあるとすぐ走ったり飛んだりしちゃう。
ヒザをすんごく酷使していたみたいなんですね。
なので自分の中ではこうなってしまったことがものすごく悔しい。
でも悔しくてもムリはできないし…じゃあ、どうしよう?って考えた時に初心に帰ろうと思ったんです。
歌は心。
心を込めて今まで以上に丁寧に、そして大切に歌おうと思いました。
次の曲も心を込めて歌いたいと思います…なんてバラードが来ると思うかな?」
アラ~、お気の毒に。
とにかくお大事になさってくださいね。
もっとも私なんか運動が大キライで今も昔も全然使っていない割には時々ヒザの調子がおかしくなりますけどね。
写真を撮っていて脚立から降りる時がコワくて、コワくて!118a0709 そうしてだりあさんが心を込めて歌ったのは「グレチャウゾ」!130_grcha全然バラードじゃない!
そんな人をダマすようなことをしたらグレちゃうよ!ってか?
バラードでもドライビン・ナンバーでも、きっといつも心を込めていらっしゃることでしょう。
140v_2Chrisが弾くヘヴィなリフに合わせて…145_2「♪もうグレちゃうぞ やりたいことならイッパイだ!」150_2クルクルと変わっていく曲調。
ホントにこのバンドの曲はスゴイ。
歌詞もメロディもフックのカタマリだ。
160「ワン!」118a0661PONさんのひと声、ひと啼きかな?で始まったのは「時計じかけの暴れん坊」。170_tjabだりあさんの歌声も勇ましいヘヴィ・チューン。180_2PONさんのドラム・ソロつきだぁ~!190_2機械じかけのパワーでスティックを縦横無尽に振り回す!20v「機械じかけの~」というのは「外観はまともでも中身が奇妙なモノ」を表現する比喩表現なんだけど、PONさんのドラム・ソロは外も中もパワーで統一されとる!30_2そのPONさんが愛用してくれているのがNATALドラムス。4024インチのダブル・バスドラムでパワー倍増だ!50「はい、皆さん、身体はあったまっていますか?
もっとあっためようか?」
だりあさんが『スリー、フォー』って言ったら、みんな両手を使って同じ動きをしてくださいね!
いくよ!」…と、お客さんと次の曲の練習をしてすぐ本番!220vPONさんが叩き出すハチ切れんばかりのスネア・ドラムに思わず身体が動き出す!
260v_2PONさんのスネア・ドラムはNATALのアルミシェル。
8インチの極深胴が超ド級のサウンドを送り出す。330「♪有酸素運動、有酸素運動」 
これまた、まさにFSBならではの歌詞だねェ。
「運動」と「寸胴」のゴロ合わせが素晴らしい!
230_2「スリー・フォー!」250翔己くんの低音がウネりまくり…
440v_2Chrisの弾くリフが暴れ回る!
270v「スリー・フォー!」300_2イヤ~、コレは楽しいわ~!290v_2チョット脱線しますよ。
この曲を聴いてどうしても書きたくなった。
2019年に亡くなったイラストレーターの和田誠さんね。
この人は驚異的な記憶力の持ち主で、映画や音楽を中心としたエンターテイメントに関する大エキスパートだった。
その見識を活かして映画を何作か監督し、小泉今日子の主演で1988年に撮った『快盗ルビィ』では主題歌も作っていた。
私、映画自体は観ていないんだけど、その主題歌の歌詞について和田さんがこんなことをおっしゃっていたことを覚えている。
「日本のポピュラーソングの歌詞って海外の曲みたいに韻を踏むことをあまりしないんですよね。そこでボクはこの曲にそれを詰め込んでみたんです」
それは「好きよ金銀サンゴ」と「憧れてたタンゴ」とか、「欲しいのはサファイア」と「それとも素敵なキス・オブ・ファイア」のようにまるで和田さんが描くイラストのようにとてもカワイイ洒落になっていた。
20ところで、日本語は音節の数が極端に少ない言語ゆえ、同音異義語の数が世界でもトップレベルらしい。
例えば同じ発音の「こうしょう」でも「交渉」、「高尚」、「公証」、「考証」、「口承」、「鉱床」、「厚相」、「哄笑」、「工廠」、「公娼」…のように数多くのバリエーションを持っている。
そんな言葉を普段から平気で使い分けている我々はかなり頭が良いワケよ。
日本語を学習する外国人はみんなコレにマイっちゃうんだから。
で、この言語のそうした状態が引き起こす現象のひとつが、ダジャレ、地口、語呂合わせといった「言葉遊びのしやすさ」なんですな。
要するに日本語はシャレを作りやすい。
ところが、こと日本のポピュラー・ソングに関して言うと、この利点が全く活かされていないというのが通説なワケ。
ビートルズの歌詞を聴けば一発でわかるように、海外のポピュラー・ソングは上手な「韻づくり」にかなりの労力を割くからね。
単語の最後の音が共通の言葉を並べて編んだ「逆引辞典(Reverse Loopup Dictionary)」なんてのがあるぐらいだから。
下は私が持っている英語学習用の逆引辞典。
滅多に使うことはないんだけど、例えば「-ter」で終わる単語なんてのを調べると、「Jupiter」、「writer」、「batter」とかズラ~っと並んでいる。
50年位前は、こうした辞書が英語の語彙を増やすために重用されていたらしい。
008a0008歌詞に話を戻すと、韻を踏んでいる演歌なんて皆無だもんね。
ラップがあるじゃないか…って?
アレは少なくとも「音楽」のウチに入らないでしょう。
そこへ持って来て「運動」と「寸胴」、「大好きQueen」と「音楽はウィーン」。
ま、「Queen」は日本語ではないけれど、このFSBの歌詞の精神が素晴らしいと思うワケなのです。
諧謔精神のバランスも絶妙だ。
私だったら「シムラはアイーン」とかやっちゃいそうだもん。
そうした歌詞のアイデアを独特のメロディとハードな演奏に乗っけるんだからタマったもんじゃない。
大ゲサに言うと「日本のロックのひとつの理想形」と言えるのではないか?とさえ思っている。
脱線終わり!

7_dic 「有酸素運動をして、みんな健康でいようね!
客席の皆さん、ハァハァいっておりました。
有酸素運動をするとても良い機会になったハズ。
310v突然イヤー・モニターをハズしたPONさん。
「よし!このウザったいイヤモニをハズ外すぜ、チクショウ!
オレは解き放たれたぞ~!よしまだまだヤルぞ~!
佳境に入って来ましたがまだ演らなきゃいけない曲があるんだ。
FSBといえばコレしかないでしょ。
みんな、かかってこいよ!」
320vみんなで絶叫したタイトルは「TOP OF THE WORLD」!330_towまさにロックの世界の頂点に立っているかのような4人!340v 350v 360v  
450v「♪Top of the world!」
お客さんと大合唱して大盛り上がり。370v_2曲は一旦ブレイクするが再び息を吹き返して…
420「♪モッシュ、モッシュ、ゆっく~り!」
「♪モッシュ、モッシュ、は~や~く!」
400v完全にステージと客席が一体となって本編終了!
あ~楽しかった!
460アンコール。
PONさんが物販のアイテムを紹介して「演らなくてはならない我々のテーマソング」と紹介したのは「F.S.B.」。
500_2まさに「♪ナニもコワいモノなし」のF.S.B.!
490_2最後の最後までオリジナリティあふれる最高のFSBサウンドを聴かせてくれた。
470_2〆はPONさんのごあいさつ。
「どうもありがとう!」
次回も楽しみだ!510<おしまい>
 
200_2(一部敬称略 2025年6月20日 吉祥寺CRESCENDOにて撮影)

2025年7月30日 (水)

ROCK ABLAZE 2025 TOKYO<前編>~MOMO & THE SHOCKERS/FEEL SO BAD

 
先日『バリバリ最強No.1が帰って来た!』と題した記事でFEEL SO BADの復活と29年ぶりのテレビ出演についてレポートした。
そして、早速FEEL SO BADがステージに上がる機会がやって来たのでお邪魔して来た。
『ROCK ABLAZE 2025 TOKYO』と題されたショウは、Marshall BlogでもおなじみのPONさんがドラムスを担当しているMOMO & THE SHOCKERSとのダブル・ヘッドライナー。
双方、パワフルでエキサイティングなステージでつめかけた観客を魅了した。10この日の屋台村のようす。
大きな人気を集めていた「バリバリ最強No.1」Tシャツ。20最初にステージに上がったのはMOMO & THE SHOCKERS。30MOMO HIDEKI40vChris50vToshi60vそして山口PON昌人。70v1曲目は「BUILD IT UP」。118a0019続けて「PARASITE」。
MOMOさんのステージではおなじみの曲たち。
冒頭からMOMOさんのど迫力の歌声が炸裂した!118a0239「ありがとうございます!MOMO & THE SHOKERSです。
約1年ぶりの東京になります。
ボクたちは出身がみんなバラバラで、Chisは沖縄、PONは東京、Toshiは大阪、そしてボクは広島。
ツアーをやる前に集まってリハをして出かけます。
さて、3月にFSBが朝のテレビ番組に出ましたね。
FSBとボクたちはすっごい長い友達っていうか、もうブラザー・バンドみたいなもんなんですよ。
『FSBが復活する』って聞いて『じゃあ一緒に演ろう!』ということなって、FSBの復活ライブの今日、ココ吉祥寺クレッシェンドで一緒に演らせてもらっています。
MOMO & THE SHOCKERSとFSBのメンバーはChrisと山口PON昌人の2人が重なっています。
今日1回やってみて、この後にジャパン・ツアーをしようか…と。
使う機材がほとんど一緒だし、リハも1回で済むし、搬入も1回で済む。
『すごい簡単でいいナァ~』みたいな感じなんですよ。
ま、この人は大変なんですけどね」118a0048_2「この人」とはこの人のこと。
「今日は珍しくフル・セット持って来ました!イエーイ!
この2つのバンドは過酷なんですが感慨深いモノがありましてね。
こうして一緒に出来るのは非常にうれしいです。
皆さん、今日は体力を消耗して頂きますよ!
よろしくお願いします!」118a0213 「フルセット」とはこのこと。
NATALのドラム・キット。
詳しくは後ほど。310「1発クールな曲を」と紹介したのは「LOVE IS DANGEROUS」。
「♪Love is dangerous」のパートが印象に残る熱血チューン。
90vアコースティックギターを手にしたMOMOさん。
MOMOさんはギターだけでなく、アコギ用のアンプを持ち込まれていた。
Marshall製ではなかったが、そんなことどうでもいいの。
完全なロックのフィールドで自前のアコギ用のアンプを使っている人に出くわしたのは超久しぶりでうれしかったのです…と言うか、もしかしたらこの時が初めてだったかも知れないナ。
エレアコってのはPAではなく、ちゃんとしたアンプで鳴らした方が圧倒的に音が良いですからね。
それに音にパンチ力が出て来る。
MOMOさんはこのことをよくご存知なのであろう。
自分で音を作ることもできるし、運搬のことを考えなければ良いことずくめなのだ。
日本はい~っくらそこの辺りのことを説明しても結局ダメだったね。
80そのアコギをビシっとストラミングしながら歌った4曲目は「FREYJA」。100「この後に出て来るFSBは激しいサウンドなので、ボクたちはもう1回バラードいこうかな。
『桜ひとひら』という今は亡きBLIND BIRDの直志くんへのアンサー・ソングなんです。
直志くんのことを知ってる人は知っていると思うけど、さっき楽屋で彼のことがチョット話題に出ました。
そこで、少し直志くんの話をしたいと思います。
彼が亡くなってもう3、4年?…」170「イヤ、もっとなるね。
え~と7年か?早いネェ。
本当はBLIND BIRDとMOMO & THE SHOCKERSでボクがダブル・ヘッダーを務める今日みたいな感じのライブをやろうみたいな話もあったよね?」118a0220私もBLIND BIRDがスキだった。
下は2017年3月26日のさいたま新都心でのライブのようす。
ギターが優也くんからONOCHINに替わって初めてMarshall Blogに出てもらった時のBLIND BIRD。
しかし、コレが最後のMarshall BlogでのBLIND BIRDのライブ・レポートになってしまった。
その後、ONOCHINは犬神サアカス團で、ベースの河野さんはMOONSHINEで今も定期的にMarshall Blogにご登場頂いています。
 
直志さんの追悼記事はコチラ⇒BLIND BIRD 桐嶋直志さん逝く
2302情感豊かに「桜ひとひら」を歌い上げるMOMOさん。
MOMOさんはMCで「この曲は『アンサー・ソング』で、BLIND BIRDにも同名の曲があってそちらは「桜一片」と漢字で表記している」と話してくれた。118a0099PONさんも直志さんへの追憶に浸りながらスティックを操った。118a0288 「気分転換に皆さん、声を出してみようか!」
MOMOさんのギター・ストラミングに合わせて「♪オ~オオオ~」とお客さんとの歌のコール&レスポンス。118a0353_2そのまま「SO BEAUTIFUL」へ。008a0079 MOMOさんのやさしさがにじみ出るホンワカ・チューン。
120ガラリと場面が変わって…
「オン・ドラムス、PON!」118a0121堰を切ったようにPONさんのドラム・ソロが飛び出して来た!
鮮やかなスティックさばきを見せて…
146vドラを2発!150「それじゃお約束で声を出してみよう!オ~イエ~!」
当然盛り上がりに拍車がかかります。
160vPONさんのドラムスにToshiさんをソロを乗せて…140vそしてChrisにソロのバトンを渡した。130v「NO ONE AT ALL」が続いて…008a0084 PONさんのトーク・コーナー。
「楽しんで頂いておりますでしょうかッ?
イエーイ、いいですね~!
ブッちゃけて言いますと、私も見ての通り60歳で還暦を迎えるワケですよ!
もう今や齢なんて関係ないね…死ぬまでメタルを演ると!
そんな心構えで昨日もFSBで5時間ぐらいリハーサルをして、その後MOMO&THE SHOKERSのリハを4時間やりました。
で、今日このままFSBと合わせてブワァ~と20曲以上演るワケですよ。
常に頭ん中でアドレナリンがMAXに達してる状態で、街中で誰かと会ったら『この人ヤバイ!』と思われるかもしれません。
だからそっとしてやってください。
とにかく楽しいことをやっているとナンとなくイケるもんだね!」118a0206そのPONさんの還暦を記念するイベントがキマっていて自ら案内してくれた。
大分先のことだと思っていたけど、もうすぐじゃん!
Pon60そしてMOMO & THE SHOCKERSのステージもクライマックスを迎える。
まずは「MORNING GLORY」。118a0252Chris作のハードなナンバーから…118a0300 MOMO & RGE SHOCKERSのキラー・チューンのひとつ「SUSHI ROLL」へとつなぐ。118a0245そして再びギターを手にしたMOMOさんが…008a0072 「TOO LATE TO FLY」を熱唱して出番を締めくくった。145いつも通りの野性味あふれるパワフルな演奏で客席を大いに沸かせたMOMO & THE SHOCKERSのステージだった!210ただ今転換作業中。
コチラはFEEL SO BAD(以下「FSB」)の屋台村。
CDやDVDがズラリと並んだ。220FSBの音源をコラージュしたオープニングSEが流れる中、大きな歓声に包まれてステージに上がったFSBの4人!
久しぶりだナァ。
230川島だりあ240vChris250vChrisはMarshall。
「JVM410H」と「1960A」。260v足元にはJVMのフットコントローラーをセット。
Chrisは歪みのサウンドをすべてMarshallで作っているのだ。
270だから音の太さとヌケが違う!
これぞ真空管アンプのサウンド…つまり真のロック・ギターのサウンドだ。275翔己280vそして山口PON昌人。290vMOMO & THE SHOCKERSのMCで触れていたように今日のPONさんはNATALのメイプルのフル・セット。3002つのバス・ドラムは24インチ。310タムタムは10"、12"、13"、16"。320愛用のアルミ・シェルのスネアのサイズは14"×8”だ。330最高のテンションでプレイしたオープニングは「大地の宴」。008a0176エキゾチックなリフを中心に曲は展開。
「ペール・ギュント」の「山の魔王の宮殿」を下敷きにした間奏が何ともカッコいい!118a0689PONさんがバシ~ンとドラをキメると…
310もうスッカリFSBの世界だ!
008a0164すかさずPONさんと…350v_otkn翔己くんの鉄壁のリズム隊が超ゴキゲンなロック・グルーヴをブチかます!360すぐにジャケットを脱ぎ捨ててしまっただりあさん。
曲は「オタンコナス」。
345_otkns歌詞もスゴイけど、メロディがまたスゴイ。
でも「あんぽんたん」とか「オタンコナス」とか「すっとこどっこい」とか「おんたんちん」とか「すかたん」とか「ウスラトンカチ」とか「デクノボウ」とか、もうスッカリ耳にしなくなっちゃったネェ。
370vChrisが極上のサウンドで華麗なソロをブッ放す!380v「『ROCK ABLAZE 2025』へようこそ!皆さん、ありがとう!
FEEL SO BADです。
今日は1/2じゃございません。
ちゃんとChrisも翔己もいるよ、イエイ、イエイ!
ところで皆さん、サブスクは聴いてます?
あとYouTubeのチャンネル登録…まだの方はゼヒ登録してくださいね。
『ラビット』を観たという人は手を上げて!
オー!サプライズで出たのにいっぱいいる!
『ラビット』に出てからというもの、サブスクとかYouTubeとかFEEL SO BADはとてもご機嫌です。
というのも、B ZONEの皆さんが本当に夜も寝ずに私たちのために一生懸命やってくれたんです。
B ZONEの方に拍手をお願いします!」400v「ありがとう!
そしてもう1つ…アニメの『地獄先生ぬ~べ~』が新しく始まるんですが、今度は主題歌ではないものの、挿入歌的に私たちの曲を使って頂いています。
皆さん、観てくださいね!
そんなワケでぬ~べ~さんの曲イキましょうか!」
410vもちろん曲は「バリバリ最強No.1」。008a0506だりあさんのトレードマークのポーズ!
コレが見たかった!
008a0320「エエエ!もう演っちゃうの?!」という感じがしなくもないが…440v全然出し惜しみしないところが気持ちいい!
450このバンドは他にもキラー・チューンがたくさんあるからね。460v当然客席はバリバリに盛り上がった!
ああ、あの頃のウチの上の子に見せてあげたい!
420_bbs1続けてPONさんが叩き出すハジけるリズムが心地よい「ハマッテシマッタ」。
490イントロからChrisギターが冴えわたる!470v_hmtsmt容赦なく迫りくるダイナミックなパフォーマンス!
510コレ、ベースがペダルトーンのようにずっと「G」でイッチャうところがスゴイね。
500Chrisと翔己くんのバトルもスリリンングだ。60ハードにそしてソウルフルに激唱するだりあさんの歌声も素晴らしかった。118a0657そして、そして!
エンディングのドラム・フィルはPONさんお得意のコージー・パウエルで!118a0439<後編>につづく
 200_2(一部敬称略 2025年6月20日 吉祥寺CRESCENDOにて撮影)



2025年7月28日 (月)

D_Drive Chiiko~DRUM VIEW

  
D_Drive Seijiのソロ活動のレポートに続いてはChiikoの『DRUM VIEW』というイベントのレポート。
Chiikoちゃんがひとりでドラムスをプレイしてひとりでしゃべるという内容だ。
10s会場ははじめてお邪魔した鶴見のライブハウス。
ドラミングは言うに及ばず、D_Driveのステージでも実証済みの立て板に水のようなトークでも盛り上がり、イベントはとても楽しいひとときとなった。Img_4065 「皆さん、ご来場ありがとうございます!
今日はこの『DRUM VIEW』というイベントを初めてご覧になられる方ばかりだと思いますが、本当はもう1人ドラマーを呼んで2人でやるイベントなんです。
大阪では1年ほど前からやっているんですが、東京ではコレがはじめて。
今日は『関東プレイベント』ということで1人で演らせて頂きます」
20「マイクを一切使わない生の音で演奏するんですが、これぐらいの音量になります。
皆さん、大丈夫ですか?」
と、お客さんの耳を思いやっての試し打ち。
Chiikoちゃんの生音はデカイからね。30v「ドラムスを近くでご覧になる機会はそうないと思いますので、想像以上に音が大きく感じると思うんです。
生音がこれだけデカイということは、オケもそれなりに大きいですのでお耳にご注意くださいね。
あとで私の背後からも見てもらったりしますのでよろしく。
堅苦しい雰囲気ではなくて、『イエ~!』とか声を掛けてくだされば私がラクになります!
それでは始めます!」
イエ~!
40vバッキング・トラックを使っての演奏。
耳馴染みのあるSEからスタート。
D_Driveの『DYNAMOTIVE』収録の「Red Light, Green Light」。50_rlglイントロのド迫力のスネア・ロールから始まって…60vドライブ感テンコ盛りのドラミングをノッケから披露してくれた。70「ま、これぐらいの音量です。
私も自分ひとりで演奏するのは初めてなんですよ。
次はカバーを演ります。
YouTubeでやった曲です」80「ロックっぽくない曲」と紹介したのは椎名林檎の「丸の内サディスティック」。90_ms コレは椎名林檎?
ナンダこれ?…「マーシャルのニオイ」とか歌詞に出てくるのね?
私の場合、「マーシャルのニオイ」といえば「タバコのニオイ」だな。
つまりMarshallのニオイを嗅ぐ機会なんてライブハウスに行った時ぐらいだったから。
楽器屋のMarshallはショウ・ウインドウの中に厳重に保管されていてニオイを嗅ぐことすらできなかった。
1970年代のお話し。
100vD_DriveのレパートリーにはないChiikoちゃんのハネハネのグルーヴもまたよき哉。120vそして、再び『DYNAMOTIVE』から「Wings」。130_wgこちらもファンキー目の曲調だけど…S41a0034_3Chiikoちゃんのロック・ビートが思いっきり炸裂する!150v「ありがとうございます!
しかしコレ…ナニが大変かって、D_DriveのMCだと誰かが振ってくれるからしゃべりやすいんですけど、今日はフリなしで全部ひとりでやらなきゃならない…ホンマ、それが一番大変ですわ!
さて、次に演る2曲はゼヒ後ろから見てください。
なかなかこういう機会はないと思うんですよ。
皆さん、遠慮なく後ろへ来てください!」0r4a0001Chiikoちゃんの後ろにお客さんがズラリ。
この「Chiiko一家」の光景は2022年4月、西川口Heartsで開催で開催された『DRUMS DRIVE』というD_Driveのライブ以来だわ。160_swこの時は丸々ライブ1本、お客さんに背中を向けて演奏した。170今回もゴキゲンな様子のChiiko親分。190v曲はジャーニーの「Separate Ways」。
ナンでやねん?
ココは「網走番外地」かナンカにしないと!
0r4a0194昔、菅沼孝三さんもクリニックの時にこのスタイルを導入されていたが、確かにこういう光景をナマで見ることは珍しいよね。
180特に両足をどういう風に使っているのかは見逃せないポイント。
ウワ!Chiikoちゃん、裸足だわ!220「私、手のフリが大きいので真後ろであまり近づくと危険かも知れませんので注意してくださいね!」
確かに次は危なそうだぞ…というのは、イントロが必殺のフィルだから。200v_gr 曲は「GEKIRIN-逆鱗-」。0r4a0112D_Driveの時、Chiikoちゃんのスネア・ドラムに近づいて写真を撮っていていつも思うど…音、デカイわ~。0r4a0137こうして2曲演奏し、頼りがいのある広いお背中を目にしたお客さんは定位置に戻られた。0r4a0073 「今日もNATALのドラムスを叩いています。
D_Driveを応援してくれている人で知らない人はいないとは思いますが、Marshallのシゲさんに持って来てもらいました!
ありがとうございます!」
イエイエ、どういたしまして!
何と言ってもChiikoさんは大事な大事なNATALのドラマーですから。
「終演後もしばらくの間ココに置いておきますので眺めるなり写真を撮るなりして行ってくださいね」250この日のNATALは「Cafe Racer」。260Chiikoちゃんが「ワーゲン・バス」と呼んでいるフィニッシュのこれまでにも何度か使用してもらっているキット。270チューリップ・ウッドという素材を使用。
コンフィギュレーションは10"、12"、16"、22"。280スネア・ドラムは14"x5.5"のウォルナット。
さっき裸足で踏んでいたツイン・ペダルもNATAL製だ。290「明日はTSPのHINAちゃんと2人でオリジナルのアクセサリーを販売する『ポップ・アップ・ショップ』というイベントを開催しますのでお時間のある方はゼヒお越しください。
今日もそのアクセサリーを少し持って来たんですが、明日はドカドカ持って行きます」300Chiikoちゃんは割れたシンバルや折れたスティックを再利用したアイテムを中心に様々なアクセサリーをプロデュースしている。330例えばコレはシンバルをピックの形に切り出して作ったキーリングとペンダント。340ひとつChiikoちゃんが詳しく解説したのは輪切りにしたChiikoちゃんのシグネチャー・スティックを使ったキーリング。
Chiikoちゃんのアイテムであることを示すために、青いシグネチャーのロゴ・サインが入っているスティックの真ん中の部分だけを使っているのだそうだ。
360それがコレ。S41a0023「入場は無料で時間は3時から23時まで…商品がなくなるのが先か、酔いつぶれるのが先かっ?!
場所は平井のロック・バーです。
アレ…平井ってのは何区になるんですかね?」310v「平井」は「江戸川区」です。
東京の東のハズレなので関西の人にはなじみが全くないことでしょう。
近隣の古い人や落語ファンの間では「月の家円鏡」が終生過ごした場所として知られていることと思う。
円鏡(最後は「圓蔵」という大名跡を継いだ)は「江戸川区立平井小学校」の出身だった。
私の中学の時の同級生が平井小学校のOBで、彼によると毎年必ず運動会に顔を出していたそうだ。
「ヨイショっと!」なんてのも懐かしいネ。370vs_2まだある。
平井は「島村楽器」発祥の地だ。
元は文房具屋だったそうだ。
私が中学生の頃、いわゆるLM楽器店(軽音楽で使用する楽器を小売りする店舗)を平井駅に近い総武線の線路沿いに開店した。
当時、お茶の水を除く新宿以東の総武線沿線には、この平井の島村楽器と「イケベ楽器」の水道橋店、それと「朝日無線(後のラオックス)」ぐらいしかその手のお店がなかった。
その島村さんのお店の大きい方のスタジオにはMarshallの三段積みが置いてあって、私はそこで生まれて初めてMarshallでギターを鳴らした。
そこでは毎年「イーストウエスト」の予選会が開催されていて、高校の時に一度だけ出場して勝ち抜き、次の段階に進んだことがあったっけ。
とにかくあの頃はロックやギターが楽しくて楽しくて仕方なかった。
あと、肉の「ハナマサ」や少年マンガ誌上の広告展開で知られる通信販売の元祖「ポニー」も平井が発祥だ。
380sそれからこんな人はご存知か?
大正期の俳人で「富田木歩(もっぽ)」という。410s_2この人は26歳の時に関東大震災で焼け死んでしまったんだけど、下の評伝を読んでブッたまげた。
詳しくは犬神サアカス團のところで連載している「私の谷中墓地」で取り扱う予定にしているのでココでは詳しくやらないが、世の中にこれほどまでに悲惨な人生を送った人がいたとは知らず、かなり驚いた。390s木歩は向島の人だったが、葬られている「最勝寺」という寺が平井にあるのだ。
平井脱線終わり。
400sそして、演奏の部の最後はD_Driveの「The Last Revenge」を演奏。420_lrこれまたD_Driveの屈指の人気ナンバー。
S41a0112バランスのよい選曲でChiikoドラミングの魅力を十分に見せつけた演奏のコーナーだった。
430続いてはQ&Aのコーナー。
奏法や練習方法、Chiikoちゃんの好きなドラマーについてなど、予め寄せられた質問に答えて話がハズんだ。460そして、ナゼこのイベントを鶴見で開催したか?の問いについて。
「ドラム・キットを2つ使うイベントを企画しているんですが、ココは下にスタジオでドラム・キットがあるんですね。
そしてココのステージはキットを2セット置ける広さなのでイベントの目的にピッタリだったんです。
なかなかドラムスをこんなに近くで見る機会ってないと思うんですよ。
ですので引き続き開催していきたいと思っておりますのでよろしくお願いします!
次回はドラマーさんをお呼びしたいと思います。
今日はこんな感じでおしま~い!」470…とサッパリ終了。
まさにChiikoちゃんっぽさ満載のショウ!
 
さて、過日D_Driveはいよいよ10月にライブを開催することを発表した。
ただし、コレは大阪の話。
東京でも開催されることを期待している。
 
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official websiteD_l 

今回Chiikoちゃんが演奏した「Red, Green Light」、「I Remember the Town」、「Wings」が収録されているD_Driveのアルバムはコチラ。

<だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)>

<Wings>

<Thumbs Up>

<Begin Again>


Marshall Recordsが世界にリリースするセカンドアルバム『DYNAMOTIVE』絶賛発売中!

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9img_9727 200(一部敬称略 2025年7月4日 鶴見GIGS Yokohama Tsurumiにて撮影) 

2025年7月24日 (木)

D_Drive Seiji~GUITAR DRIVE <後編>

 
D_Drive Seijiのソロ・コンサート『Guitar Drive』レポートの<後編>。10「では第2部を始めます。
演奏に入る前にこのMarshallの新しいSTUDIOシリーズの『JCM900』の音を聴いてもらいたいと思います。
コレ、まだ日本では楽器店に出回っていないんですよ。
公の場で音を出すのは今回が2回目です。」60v「元々JCM900というのはボクがいつも使っているJVMみたいな大型のモデルなんですけど、それをサウンドはそのまんまでこんなに小っちゃくしたのがこのSTUDIOシリーズのJCMの900です。
このヘッドのモデル名は『SN20H』といいます。
『N』は『Nine-Hundred』の頭文字、つまり『900』のことです。
ちょっと鳴らしてみますね!」118a0326 「JVM」にささっていたギター・ケーブルをそのまま「SN20H」に挿してプレイし出したSeijiさん。
80コレがSeijiさんが言っている「JCM900」シリーズの100Wアンプ・ヘッド「4100」。Jcm900それを小型化して20Wの出力にしたのが新しいSTUDIOシリーズの「SN20H」。
スピーカー・キャビネットは既発売のSTUDIOシリーズの「SC212」。
70v_2JCM900直伝の歪みサウンドと美しいクリーン・トーンでバリバリ弾いてくれた。
90v「なかなかスゴくないですか、コレ?
出力が20W、10W、それから5Wの3つに切り替えることが出来ます。
真空管なのでライブでも充分な音量を稼げますね。
5Wまで下がるんで自宅でも気持ちいい歪みで弾くことが出来ます…けど、真空管アンプの5Wはかなりデカイ音ですけどね。
クリーンもいかにもMarshallって感じでテレキャスターみたいなシングルコイルのギターで弾いてもカッコいい音が出ると思いますね。
そんなアンプです」50v「さて、第2部では違うチューニングのギターに持ち替えました。
スピーカー・キャビネットもこの真ん中のヤツに替えます。
『1960TV』といいます」
118a0232「コレはスピーカー自体は、グリーンバックというボクがプライベートで使ってるヤツと同じなんですけどキャビネットの形状が違います。
ボクのヤツは普通の『1960』というキャビネットのサイズなんですが、コレはそれよりも2インチ背が高いんですよ。
2インチ…1インチは2.54㎝ぐらいなので、1960より約5㎝背が高い。
たったそれだけこんなに音が変わるんや!っていうのを、今日初めて鳴らして体感しました」
140vコレが「1960TV」。
「TV」は「Tall Vintage」の頭文字。
搭載しているスピーカーの種類とそれを収めているキャビネットの相性は、想像以上に出て来る音と関係が深く、ヨソでは普通の音を出していたスピーカーが入れ物によって大変身!なんてことがタマにあるのね。
Seijiさんが触れたようにこの「1960TV」には「Greenback」というビンテージ・タイプのスピーカーが4ケ搭載されているんだけど、入れ物の高さがたった5cm違うだけで、同じスピーカーが普通の「1960」に載せた時と全然違ってくるからオモシロイ。
そう、こうした音質の比較試験って、実はスピーカーの乗せ換えが一番オモシロイんよ。
ナゼか?
答えはカンタン…スピーカーが音を出しているから。
ただ、載せ替えの作業のメンドクサイことこの上なし!120_2「チョット試しに少し弾いてみましょうか?」と使い慣れた「JVM」のシステムで「1960TV」を何通りかの音色で鳴らしてくれた。
008a0203「立ち上がりがものすごく早い印象を受けますね。
弾いた瞬間にパァン!と来ます。
型番は忘れてしまったんですが以前にもMarshallの古いコンボでこういうモデルがありました。
あの時の衝撃と同じですね。
『エ、ナニこれ?』みたいな、爆発したようにバァ~ン!っていう感じで音が出て来るんです。
人間椅子の和嶋さんは長年このキャビネットを愛用されているんですって。
でもすっごくよくわかります。
第2部ではそんなスピーカー・キャビネットを使った演奏をお聴き頂きます」
なかなかこういう機材の聴き比べの機会なんてないと思うので、好きな方には少しはお楽しみ頂けたのではないでしょうか?
150v_2第2部のオープニングは「I Remember the Town」。
例のラジカセ・ギターのイントロから…170_irtヘヴィに展開するミディアム・ファスト・ナンバー。
ウ~ム、「1960TV」、ニラんだ通りかなりいいね。
感じ方は人それぞれであろうけど、「厚みが増す」というのか、「奥行きが深くなった」というか、私がこの時まで持っていた「1960TV」の音の印象とはまた異なるイメージだった。
もっとゴロンゴロンと凶暴な音になることを良そうしていたのです。
弾き手によって全然違うね。
JVMとの相性もバッチリでものすごくいい音だ。
180v曲の中間部ではお手を拝借!190こんな記事を書いたこともあったけど、ホント、最近は昔のことを思い出すことが多くてね~。
となるとこの曲もまた味わい深くなるというモノ。200v_3続いては「Gradation」。210v_grdD_Drive最大のポップ・チューン。220明るく楽しいメロディで綴られる日暮れ時の水平線の美しい情景。
しかし、D_Driveの音楽らしいハードな芯の部分はいささかもブレていない。230さらに続けて「D_クラシック」の1曲「Mystery Zone」。240_mz前曲とは打って変わった真性ヘヴィ・チューン。260ドッシリとした曲調にSeijiさんのソロが鮮やかに、そしてスリリングに響き渡った。
今まで気にしたことがなかったけど、テレビの『ミステリー・ゾーン(原題:The Twilight Zone)』ね。
私が幼稚園生ぐらいの時に両親がタマに見ていたのを覚えているけど、あのテーマ・ソング。
ジェイ・グレイドンが作曲したマンハッタン・トランスファーのヒット曲「The Twilight Zone」で引用した、あの「♪チャラララ、チャラララ」というメロディはナント!…バーナード・ハーマンの作なんですナァ。
恥ずかしながら知らなかった!
250vバーナード・ハーマンは映画音楽の大作曲家でヒッチコックの全盛期の作品の音楽をズッと担当していたスゴイ人。
ところが、1966年の『引き裂かれたカーテン(Torn Curtain)』で大ゲンカをしてヒッチコックとはそれっきりになっちゃった。
世間一般では評価が低いヒッチコック作品だけど、私はすごく好き。
舞台は冷戦下の東ヨーロッパのどこかの国で、「グロメク」っていう薄気味の悪い現地のヤツが出て来てね。
主人公がそいつと格闘をしてガスオーブンで息の根を止める一連のシーンに一切音楽を使っていないのがものすごく印象的だった。

Torn2 「ありがとうございます!早いもんであと2曲です」
告知のコーナーを経てこの日最後のセクションに取り掛かった。280vまずは「1000000h.p」。290v_hpD_Driveのショウのクライマックスで取り上げられるエキサイティングなナンバー。300バッキング・トラックではあるもののギター、ベース、ドラムスとソロを回して…305v盛り上がった~!310vそして本編を締めくくったのは「Screw Driver」。320_sdD_Drive史にその曲名を深く刻む人気ヘヴィ・ナンバー。330vSeijiさんひとりでこの暴力的なまでにハードな曲を熱気タップリに再現して本編を締めくくった。340vこの日の屋台村のようす。
好評のノブのキーホルダー、とうとう3連のタイプまで登場した!20_2コチラはトート・バッグ。30そしてアンコール。
「皆さん、アンコールありがとうございます!
1人なんでアンコールなんて頂けるワケがないと思っていたのでうれしいです…ってセットリストに曲名が書いてありますがな。
ナニかリクエストはありますか?」
「Breakout」の声が上がったがギターが違うので止む無くお断り。
「アレ、7弦ギターで弾くんですが、物販セットやら衣装やら、荷物が多すぎてで持って来られないんですよ!」
350結局、今日のアンコールは「Cassis Orange」を演奏することになっていた…イヤイヤ、なった。370_coこれも「D_スタンダード」中のスタンダード。380v「I Remember the Town」じゃないけど、こういう昔からの曲を聴くと、D_Driveとの昔のことを色々と思い出すナァ。
とにかくSeijiさんには健康でいてもらって、ますます魅力的な音楽を創作してくれることを期待している。390次回は8月24日、
場所は同じくココstrage。
原田喧太さんとダブルヘッドライナーでショウが開催される。
それも楽しみ!
Seijiさん、キャビネットどうする?400そしてD_Drive。
数日前に10月25日に大阪は十三のGABUでライブを開催することを発表した。
東京でも開催されることを期待している。
 
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official websiteD_lしかし…言っちゃ悪いけど、マァ「長い付き合い」ということで言わせてもらえば、D_Driveのライブがこんなに貴重なものになるとは思わなんだよ。
もう少し開催されるようになるといいね。
せっかくの「Great Music!」なんだから。
とにかくお見逃しなく!Img_4296_2<おしまい>
 
200(一部敬称略 2025年6月15日 新横浜strageにて撮影)

2025年7月22日 (火)

D_Drive Seiji~GUITAR DRIVE <前編>

 
D_Drive Seijiのソロ・ライブ。
かつてドラムスをフィーチュアした『DRUMS DRIVE』という企画があったが、今回は『Guitar Drive』と銘打ったギターが主役のコンサート。
実はコレ、今年の4月6日に予定していた企画の振替公演。
不幸にも健康面でご難が続いていたSeijiさんがほぼ体調を取り戻し、意気揚々と臨んだステージだ。
ダメよ、もうとにかく健康第一ね。
早寝早起き、適度な運動、そして少しでも変なモノを摂らないように留意しましょう。10vさて、今日ははじめに機材の紹介をしちゃおうかな。
コレはSeijiさんが使用したこの日のMarshall。202 アンプ・ヘッドは使い慣れた「JVM410H」。
1台はスペア。
スピーカー・キャビネットは「1960TV」…珍しいでしょう?30vその向かって右側にセットしてあるのは今年1月のNAMMショウで発表したSTUDIOシリーズの新しい仲間「SN20H」と既存の2x12"スピーカー・キャビネット「SC212」。40vさらに、ステージの上には1×12インチ、完全クローズド・バックのスピーカー・キャビネット「1912」が上下に1台ずつ。
こんなん今までなかったでしょ?
なんかこのキャビネットって、すごく見た目がいいな。
というのは、1x12"サイズにエレファント・グレインのカバリング、「1960」と同じハンドル、フレット・クロスの四辺に取り付けられたゴールド・パイピング、そして左下の「1912」のプラーク…Marshallのスピーカー・キャビネットの「箱庭」みたいな感じで実に魅力的だ。
コレで音さえよければ…って、そこが一番優れているときているんだからWho could ask for anything more?
50定刻通りにショウはスタート。
まだ15:30だからね、早いのは大変助かります。60おなじみのリフは「Attraction 4D」。70vD_Driveのレパートリーを代表するキラー・チューンから…118a0140 「Red Light, Green Light」へとつなげた。80_rlgl_2 今日も必殺のテーマ・メロディがスリリングに鳴り響く!118a0060 2曲続けての人気ナンバーでツカミはバッチリ!90「こんにちは!
今日は4月に行う予定にしていた公演の振替です。
私の入院や手術が重なり延期させてもらいました。
ご迷惑をおかけしましてスミマセンでした!
おかげさまで手術も無事に終わって復帰しました。
これからもソロ活動を続けてまたここにお邪魔させてもらいますのでよろしくお願いします」
100v「今日は『アレ?なんかいつもとセット違う!』と思われたのではないでしょうか。
なんかスゴイでしょ?
見たこともないMarshallのスピーカー・キャビネットが並んでいると思ったでしょう?
今弾いた2曲、どのスピーカーが鳴っていたのかわかりました?」
110「じゃあ、このボクの真後ろにあるこの大きな『1960TV』というキャビネットから鳴っていたと思う人?(少し手をあげる)
じゃあ、その横のタテ長の『STUDIOシリーズ』のキャビネットが鳴っていたと思った人?(チラホラ)
なるほど…最後、ステージの上の両側の小っちゃいスピーカーだったと思う人?(1番多く手をあげる)
おお!最後に手を上げた人が多かったですね」
008a0066「正解です!
実は端のちっちゃなスピーカー2つが鳴っていました。
コレは『1912』というスピーカー・キャビネットで『B150』というセレッションのベース用のスピーカーが入っているんですね。
だからこんなに小っちゃいのに低音がものすごくよく出るんですよ」
130「どこにいても音がすごくダイレクトに伝わるので間違えてしまってもムリはないと思います。
Marshallのスピーカーって本当に指向性が強いので、聞く場所ですごい感じが変わるんですね。
スピーカーがこんなに離れて両側にあるというのは、普段なかなかやらないセッティングですからね。
ボクも最初は不思議な感覚でした。
リハの時に客席で位置を変えながら弾いたんですが、『こんなに聞こえ方が変わるのか~』って驚きました。
こんなに小さくても、とにかく充分な迫力が出ています」
120「今日も2部構成で進めますが、この第1部は『1912』を2発鳴らして弾きます。
第2部ではこのボクの真うしろのスピーカー、『1960TV』に切り替えるんですが、その前にSTUDIOシリーズの『SN900』をア・カペラで弾いて皆さんにその新商品の音をお聴き頂きます」118a0101使用機材と今日の段取りを説明したところでココから新旧取り混ぜて3曲をつなげた。
140_lbまずは「Runaway Boy」。
150vいつも書いているが、私が一番最初に耳にしたD_Driveサウンド。
190v続けて「Lost Block」。ドラマティックなハード・ワルツ。
こうして改めて聴いてみると…やっぱりカッコいいナァ。
160_rbD_Driveはスゴイよ。
他に誰がこんな曲を演るってんだよネェ?
170v先週、久しぶりにMarshall Recordsの親分のスティーブとインターネットでミーティングをしたんだけど、最近の活動のことをとても心配していてくれていて、改めてD_Driveの音楽を「Great music!」って言っていたよ。
彼は仕事柄、日本から海外に行っているバンドをいくつも知っているが、D_Driveがそうしたバンドとは全く違った存在であることを百も二百も承知してくれているワケ。
アタシャうれしくて涙が出たわ。
118a0181 このセクションを締めくくったのは『DYNAMOTIVE』から「Thumbs Up」。008a0133コレも極めてD_Driveyな1曲。
この曲を「Marshall GALA2」でお披露目した時の衝撃を忘れない。
アノ時、イントロはディミニッシュ・コードかなんかをイッパツ鳴らしただけのシンプルなモノで、私はそっちの方が好きだった。
アタマのリフがクッキリと提示されるから。
そういえば、最近不思議なことに今頃になってアチコチでやたら「Marshall GALA3はいつやるんですか?」とか「GALA3をやってください!」って言われるんだよね。
アレはどういう風の吹き回しなんだろう?
コレは、やるのは私だけど、キメるのはMarshallなんですよ。008a0185また…コレは以前にも書いたことがあったと思うが…2020年のNAMMの時のこと。
私は「Thumbs Up」をどうしても上に出て来たMarshall Recordsの親分のスティーブに聴いてもらいたくて、ワザワザ他のところにいた彼を呼びに行って、Seijiさんに頼んで演奏してもらった。
私はドヤ顔だったんだけど、最初スティーブのアタマの上にはいくつも「?」マークが浮かび上がっていたな。
こんなサウンド、耳にしたことがなかったのだ。
曲が終わるやいなや大「ブラボー!」状態。
そして『DYNAMOTIVE』に収録されることになったのであった。
118a0127「ありがとうございます。
良い音してません?…コレ!ねぇ~。
実はボクも今日、初めて実物を見たんですよ!」
ね、いいでしょ?
故小川銀次さんも「世界で一番低音が出る1x12"キャビ」と愛用してくれていました。
140「チョット振替公演の話に戻るんですけど…入院しまして。
皆さんは『病院食』って召しあがったことがありますか?
コレがすね、今、『クオリティ高ッ!』になってるんですよ。
まず出て来るモノがアツアツです。
『そんなことあるワケない!』ってシゲさんがメッチャ疑うんですわ~。
ところがホントにアツアツなんですよ。
しかも『ア、確かに熱いな…』なんてもんじゃないんです。
『アッツゥ~!』って触るとヤケドの1歩手前くらいぐらいの熱さ!
メチャクチャ焼きたて~、温めたて~…みたいな。
で、マジで味もいいんですよ~!
ボクは3か所入院しましたが、確かに『マッズ~!』みたいなところもありました。
でも食事のクオリティが高い病院は必ずあります…ヨカッタら紹介します」
220v下の何枚かの写真は実際にSeijiさんから送ってもらった「病院食グルメ・コレクション」。
どうしてもアツアツには見えないんだよな~。
Seijiさんが言うには…
「写真ではウマそうに見えない。でもアレは仕方ないんです。
器や食器がチープなプラスチックだったりするのでヌルくてマズそうに見えちゃうんですよ。
アレが有田焼とか伊万里とか、高級な器によそったら絶対にウマそうに見えるハズです!」503039923_18513919288054803_4116992「そうなればきっと『ココに入院したいわ!』って思いますよ。
それだけボクも勧めたいくらいなんです。
だから時代が変わって、腹が減ったら『どこの病院行く?』みたいな…。
ホスピタル・レストランみたいなチェーン店が出来たりしてもいいんじゃないかなと思うくらいクオリティが高かったんです。
だからと言って皆さん入院してくださいなんて言いませんよ!
でも、もし割と長期で入院せなアカンことがわかっていれば、食事がおいしい病院へ行った方がいいですね。
そうなると本当に食事が楽しみになってきますからね。
朝食と昼食の間は短いからいいんですけど、夕食はチョット時間が空くのでメッチャ楽しみになってくるんですよ!
コレがどうしても言いたかった!」
Seijiさん、もう完全に病気のことを忘れてるな?200v_2でも、この「スキヤキ風」のヤツなんかは本当においしそうだな。
確かにコレが高級な器に入って来たらかなりイケるかも。
ま、アツアツには見えないけど。
実は私も人生で4回ほど入院していて、一番最近は1999年、腰椎の椎間板ヘルニアで1ケ月ほどベッドの上で過ごした。
当時そこは日立が運営している東大病院の子分みたいな施設で、食事がおいしいことで知られていた。
私は内臓疾患ではなかったので食事に何の制限もなく、確かに3食ともとても美味しかった…と言っていられるのもせいぜい2週間。
それ以降は初体験のおいしそうなオカズが出て来てもナゼか受け付けなくなっちゃう。
2週間も食べ続けてしまうと基本的な味付けに猛烈に飽きてしまうのだ。
やっぱり家のご飯ってのは本当に偉大だと思うね。
Untitled2_1コレはどうだっ!ウマいのか?!
さすがにコレは手術前後のメニューだったんでしょう。
でも、Seijiさんが投稿したこういった病院の食事の写真を見るたびに「健康でいなくちゃ!」と気持ちを引き締めることができるのです。
Seijiさん、ありがとう!
そしてくれぐれもお大事に!Untitled食事の後は…チガウチガウ!
でもデザートに梅。
「U-Me」を演奏。230_um「名曲」の呼び声が高い1曲。
ホントに名曲だわ。
聴けば聴くほど味が出て来るのは梅干しの種と同じか?008a0056Seijiさんが「1912」は「U-Me」にピッタリとハマるような気がする…とMCで言っていたがご明察!
ギラギラしない「1912」のコンパクトな鳴りが曲想によくマッチしていたと思う。240第1部を締めくくったのは「TSURUGIー剣ー」。250_trgハードに暴れ回るこの曲もバツグンのギター・サウンドで聴かせてくれた。
また早くD_Driveの演奏で聴きたいね!260vSeijiの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official website270v<後編>につづく
 200(一部敬称略 2025年6月15日 新横浜strageにて撮影)

2025年7月18日 (金)

田川ヒロアキ~MUSIC TRAVELING 2025 <後編>

 
田川ヒロアキの『MUSIC TRAVELING 2025』の後半のレポート。Img_3898まずはヒロアキくんが1人で登場。
「それでは、続きだぁ~!
珍しくアコギを持って来ました…というワケで第2部は弾き語りから始めたいと思います。
先ほどデザート・タワーを出してもらって、後で頂くのを楽しみにしているんでが、皆さんはデザートも含めてお料理をお楽しみ頂けましたか?
ピアシスのお料理は最高ですよね!
さて、ココで皆さんにアンケートをしたいと思います。
挙手だと私には結果がわかりませんので拍手で答えてください。
今日、6月7日がお誕生日だという方はいらっしゃいますか?(シーン)
じゃあ、昨日か、明日か…前後2日も含めて6月がお誕生日もの方は?(パチパチ)
あ~、いらっしゃるんですね。おめでとうございます。
1年に1回誕生日があるというのは、それまで無事に周りの方々と生きてきた表彰状みたいなものかな?なんて私は思っています。
齢を重ねると『誕生日がめでたくない』なんて言ったりしますが、ここまで無事に生きて来ることができた…近年はそんな感じに考えるようになりました」
10「アンケートの2問目です。
今日、初めて田川のライブに来てくださったという方はどれぐらいいらっしゃいますか?(パチパチ)
お~、ありがとうございます!
Nice to meet you!你好!
今日は初めましてですが、2回目以降は常連だと思っていますからね!
最後の質問です。
東京や関東圏にお住まいの方はどのくらいいらっしゃいますか?(パチパチ)
お~、ありがとうございます。
では、関東以外の遠くからお越しの方…あるいは遠くの出身だという方はどのくらいいらっしゃいます?(パチパチ)
結構いらっしゃいますね!遠くからありがとうございます。
さて、私は生まれも育ちも山口県下関市で妻の美瑞穂は宮城なんです。
福岡に取材で来た時に出会いまして、それから縁あって東京に一緒に来ることになり十数年が経ちました。
今でも2人でガンバって夢を追いかけています。
そして気が付いたら今日はココにいた…みたいな感じです」20v_2「つい先日、六本木のBauhausというところで『長州友の会 ライブ懇親会フューチュアリング田川ヒロアキ」というライブがありました。
故郷の山口県の方々が定期的に集まる会合でもう10年ぐらい前から参加しています。
色々な企画があるんですが、気が付いたら『私を応援する会』みたいなのが出来てきて、その関係のライブだったんです。
そこで私からテーマをひとつ提案して『山口県にまつわる、または故郷にまつわるキーワード』を会員の皆さんから募ったんです。
するとモノスゴクたくさんキーワードを頂戴しまして、それらを読んでいて胸が熱くなりました。
そして、そこからひとつ曲を作りました。
故郷は誰にでもあって、たとえ東京で生まれ育ったにしても、子供の頃の思い出とかがあると思うんですね。
そんな思いを曲にしてみたいナァ思って作った新曲を今日は聴いて頂きます」30_2Marshall Blogでもレポートした「長州友の会」の時に初披露した「ふるさとの声」。40_fkホッコリ~…みんなやっぱり故郷がいいのね~。60v山口県の皆さんの間でも大変にウケがヨカッタ1曲。
落ち着いた雰囲気でショウの後半がスタートした。
118a0445MCでは私のことを指してヒロアキくんが言ってくれたような気もするんだけど、私は生まれも育ちも東京で、小学生の時「夏休みには田舎のおバアちゃんの家に行く」というクラスメイトのことが猛烈に羨ましかった。
「一度でいいから『田舎』というところへ行ってみたい!」
私のおバアちゃんは浅草と横浜にいたのでいつでも会えた。
その代わり「東京」に関する思い出はたくさんあるよ。
そして、歳を重ねるごとにそれらがどうしようもなく懐かしく思えるようになってきた。
そんな気持ちから以前こんな文章を書いたことがあった。
東京の映画に関する思い出…ウサギも小鮒も出て来ないけど私の故郷なのです。
古い映画がお好きな方はゼヒどうぞ。
【Shige Blog】
I Remember The Town~私の銀座/日比谷/有楽町<その1>
I Remember The Town~私の銀座/日比谷/有楽町<その2>
I Remember The Town~私の銀座/日比谷/有楽町<その3>120 「ありがとうございます。
少し先になるかも知れませんが、皆さんの元でもこの曲を聴いて頂けるようにしたいと思っております。
それでは、お呼びしたいと思います!」
石黒さん登場。
「あきらく~ん!」
石黒さんご登場。
「見えなくても石黒さんは背が高いナァと思います。
なんかチョット圧があるじゃない?
オーラがあるって言う意味ですよ。
石黒さんが入って来るというだけでパァ~としたオーラを感じるじゃないですか?」80「ついにきましたね。
チョット説明をしますと、今からお送りするのは『たんぽぽと風』というかわいいタイトルの曲です。
コレはこちらのピアシスを経営する『株式会社無洲』の社歌なんです。
12年か13年前、現在相談役になられている当時の無洲の会長が社歌を作って欲しいということで一所懸命取り組んだ曲です。
この曲を毎年ココで演奏するのが定番になっているんですが、3年前か4年前、石黒さんがこの曲のイントロで思いっきり間違えてくれましてね~。
でも石黒さんともなると、間違える練習もしていたような気がするんですよね。
なかなか難しい芸だと思いますね。
みなさんの印象に残るためにガンバってワザと間違えたのではないか…」118a0439 「やっぱり一流となるとね!
ホント、いつも完璧すぎちゃうんだよね~。
タマに間違えてみんなを安心させてあげる。
でも、ぶっちゃけ社歌じゃないですか。
色んな仕事をしていますけど、社歌を弾くことってあんまない…イヤ、まったくないと思うよ。
だからすごく緊張しますよね。
だって無洲さんの社員の方々がご覧になっていますから!
社歌なのに間違いやがって!…なんてネ!」
それは「まシャカ」の出来事でしたね~。
110話とは関係ないけど、コレがこの日の石黒さんの作業現場。
パッチ・ケーブルがウジャウジャつながっていて、コリャ組むのもバラすのも大変だ。
でも完璧に「石黒サウンド」をお客さんにお送りするには仕方がない。
ヒロアキくんがMarshallの真空管アンプで最高のギターのサウンドを聴かせてくれるように、お客様からおアシを頂戴して演奏する以上、完璧で本物の音をお送りしようとされているワケだ。0r4a0069「石黒さんがミスの練習をされている」の話で思い出した。
下は「黒門町の師匠」八代目桂文楽。
五代目古今亭志ん生と人気を二分した「昭和の大名人」。
豪放磊落でナニが起こるかわからないといった風の志ん生師匠に対し、長い話を何度演じても数秒と時間が変わらない緻密な芸のスタイルを誇ったのが文楽師匠。
晩年のその文楽が得意ネタの「大仏餅」を演じた時、登場人物の名前がどうしても口から出て来ず高座で絶句してしまった。
その時文楽は「勉強し直してまいります」と客席に向かって深々と頭を下げて潔く高座を降りた。
どうも文楽はその時が必ず来ることを覚悟していて、「勉強し直してまいります」というセリフを日頃から練習していたというのだ。
そして、黒門町の師匠はその後二度と高座に上がることがなかった。
一流だね~。8 さて…少々緊張した面持ちの石黒さん(?)。
今、この険しい表情からはとても想像できない可愛らしいフレーズを奏でている。130v_2タンポポの種のようにフワフワと柔らかい声で歌いあげるヒロアキくん。50_2光り物を手にして演奏に聴き入る「株式会社無洲」の皆さん。
ナンと言っても「社歌」ですからね。
石黒さん、ご心配なく!無洲の皆さんはとっても優しいから!140_2「たんぽぽと風」を楽しげに演奏して、後半のアタマは2曲のホンワカ・チューンでなごやかにまとめ上げた。110_tk雰囲気がガラリと替わって「ムーディな雰囲気になるといいナァ」と紹介した「Swing Picking~ Evolution」。
ヒロアキくんのファンク・ストラミングでスタートするフュージョニーなインスト・ナンバー。
160_spe軽やかな透さんのドラムスと…170_3ドッシリと落ち着いたてらちんが出す低音が絶妙なコンビネーションを生み出す。
180そしててらちんのソロ。
190v_2リズムがスイング・ビートになって石黒さんのソロが続く。118a0055_2 テーマもソロもほとんどクリーン・トーンで弾き通したヒロアキくん。
実にいい音!
220v今日のヒロアキくんのMarshall。
愛器「JVM210H」とこの日初めて使った1x12インチのスピーカー・キャビネット「1912」が2台。
詳しくは<前編>を参照のこと。
さんざん紹介しておいてナンですが…残念ながらこの1912は現在生産していません。
代りにMarshallでは現在STUDIOシリーズの1×12インチ・キャビ数種と「MX112」というモデルをラインナップしています。160「さまざまな道、道路、線路、空路、仕事、日常、夢…。
その道を歩んだり、走ったり、迷ったり、助けられたり…。
今よりも、もっとよくなるためにと、そして、これからも将来に向かって…。
そして、明日へ…」と、ヴァースのように一編の詩をつけて演奏した「道~Road To Tomorrow」。230イントロのギターから…118a0577歌から、キメまで「田川メロディ」を満載したかのようなナンバー。
250v続けて「Ave Maria」。
アルバムでこの曲のアレンジを担当したのは石黒さんだ。255_amこれまで何回聴いたかナァ。
少なくともカレコレ3回は聴いたか?…ウソウソ!
もう何回聴いたかわからないが、それでも飽きない。
名旋律を名手が最高の音色でいつも聴かせてくれるからだ。
256この「まったりセクション」を締めくくったのは2022年に配信でリリースした「またどこかで」。
これもヒロアキの魅力にあふれた静かな1曲。
260_md1箇所だけギターが歌の代役を務めるパートをお聴き逃しなく!
そうそう、最近またCDが売れ出しているんですってよ。
配信は「モノが存在しない」ということで敬遠する若い人が増えているんだって。
んなこと、はじめっからわかり切ってるでしょうに。
ハイ、この曲もCD化ですね。
私は当然配信よりもLPよりも、CDを支持しております。270v「さぁ~それでは、ここからはテンポアップしていきます。
皆さんと素敵な音楽旅行の思い出を残したいと思います!」280ヒロアキくんがスキャットをキメまくるのは「Driving Jam!」。
300vてらちんのソロ!
ディストーションをきかせて弾きまくったでやんす!310_2続いてジャズっぽいフレーズを交えた石黒さんのゴキゲンなピアノ・ソロ。118a0051 ココぞ!とばかりにヒロアキくんがハードなソロをブチ込んで…
118a0695さらに透さんの爆発的なソロ!330v_2ムチャなキメも楽しい聴きどころ満載のヒロアキくんのキラー・チューンだ。340_2「Driving Jam!」が終わるやいなやヒロアキくんが無伴奏でソロを弾き出した!118a0698すると石黒さんがそれに呼応して激しいソロを繰り出してくる!118a0716_2 ナンダナンダ?旅の途中で仲間割れか?370_2…とも思いたくなるぐらいの激しいソロの応酬。360 本編最後の曲のプレリュードにしてはあまりにも魅力的な展開!390v本編の最後を飾ったのは田川スタンダードの「キミを乗せて」。
Marshall GALAを思いだすナァ。
もうあれから9年も経ってしまったよ!400_kn大盛り上がりの客席に向かって熱唱するヒロアキくん。410v_2ソロのパートになるとジリジリとてらちんににじり寄り…420てらちんの肩に腕を回した。430こうして音楽の旅を終えて無事帰着したのであった。440vさっそくアンコール。
「ありがとうございます。イヤ~、うれしい限りです。
ピアシスで毎年こうして演奏させてもらっていて、今年はタイトルを『田川ヒロアキ MUSIC TRAVELING 2025』としたんですが、いつの間にかバースデイ・ライブみたいになってしまいました。
そう謳っていなくても皆さんがそのように認識してくださってうれしく思っています。
ピアシスは初めてお邪魔してから今年でちょうど15年になるんですね。
そのご縁は、私のセカンド・アルバムの『Ave Maria』のプロデューサーの奥島吉雄さんからご紹介して頂き連れて来てもらったんです。
それから15年もずっと関係が続いていて、もう生涯の縁だナァと思っています。
それ以降、7、8年前かな?
美瑞穂と私のウェディング・パーティもココで開いて頂いて、ピアシスには色々な思い出があるんですね」
70v「また無洲さんのご縁から『がんばっぺ福島』という福島の復興イベントにも10年以上参加させてもらっています。
そこでデーモン閣下と出会うことになって、一緒にツアーをすることにもなった…というのもコチラの会長さんと閣下が同級生なんですね。
やはり人との縁というのは、本当にかけがえのないものだと思います。
そんな関係でピアシスでの1年に1度の私の記念のライブを今年も開かせて頂き、また皆さんにもこうしてお越し頂いてとてもうれしいです!
ありがとうございました」450「先ほど美瑞穂に説明してもらったんですが、『バースデイ・ライブ』と謳っていなくてもこうして店内を誕生日の仕様に装飾して頂いたことも大変うれしいです。
お越し頂いたお客さんやスタッフの皆さんのおかげで今年も無事に開催することができました。
ありがとうございます!」460vアンコールで取り上げたのは『THE ROAD SEEKER』収録の「翔KAKERU」。470_kkrロードスター・パーティ・レースのテーマ曲。
この新しいヒロアキくんのキラー・チューンを思いっきりドライブさせてすべてのプログラムをこなした4人!480v 490v 500v_2  118a0135_2 「Fly high!」
520v「ありがとうございました!」530v_2お疲れさまでした!
来年の旅も楽しみにしています。008a0252 最後はみんなで記念撮影。
ん~、いい写真だ!
 
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano540_2<おしまい> 

200(一部敬称略 2025年6月7日 レストラン ピアシス芝浦にて撮影)

2025年7月16日 (水)

田川ヒロアキ~MUSIC TRAVELING 2025 <前編>

 
去る5日、故郷の下関で大凱旋コンサートを開催して成功を収めた田川ヒロアキ。
それよりひと月前にお邪魔したのが久しぶりのヒロアキくんのバースデイ・ライブ…じゃないんだよ、コレが!
下はそのライブの告知資料。
どこをどう見ても「バースデイ」の「バ」の字もなければ、「誕生日」の「誕」の字もない。
あるのはデカデカとした『MUSIC TRAVELING』という14のアルファベット。
そのアルファベットとは…
「ミロスラフ・ヴィトウス」の「M」
「ウルフ・ワケニウス」の「U」
「サン・ラ」の「S」
「アイク・ケベック」の「I」
「セシル・テイラー」の「C」
もういいか…ああ、全部やりたいナァ。
こういうのは「フォネティック・コード(phonetic alphabet)」といって、NATOあたりが定めたモノが世界標準になっている。
例えば「m」は「MikeのM」、「UniformのU」とか…。
上はもちろん私が作った「ジャズ版フォネティック・コード」なんだけど、我ながらオモシロイと思ったのは、私は「I」に「Ike Quebec」というテナー・サキソフォニストの名前を当てたが、NATOは「Q」にカナダの地名の「Quebec」を当てているのだ。
オモシロイね~…ツマんないか?
とにかく、このショウこのライブの建付けは「バースデイ・ライブ」ではなくて『MUSIC TRAVELING』なのだ!
ああ、また「Go Toトラベル」やってくんないかな…。
ちょうどアレをやっている時にヒロアキくんを取材で萩へ呼んでもらったんだっけ。
あの時も楽しかった!
10v会場はいつものバースデイ・ライブと同じ芝浦のレストラン「ピアシス」。
でも今回はバースデイ・ライブじゃないから。20v…って、会場内は完全に「バースデイ・ライブ」仕様じゃないの~!
30どうなってんだ?
この辺りについては<後編>の最後の方でヒロアキくん自身が説明してくれます。40誕生日の祝い花の数々。
みんなバースデイ・ライブだと思っているんだな?
50
ヒロアキくんの誕生日は、この日の2日後の6月9日、いわゆる「ロックの日」。
何か歴史的にこの日に大きな出来事が起こっていないか調べてみたが…どうもないね。
約2000年前にローマのネロがオクタヴィアと結婚したとか…。
コレはヒロアキくんには不向きだけど、ちょうど160年前に徳川家茂が2回目の長州征伐で江戸を出発したとか…。
イヤ、あった!
1915年(大正4年)の6月9日にレス・ポールが誕生している!
ヒロアキくんにピッタリじゃん?!
それじゃ~、自慢してもよかですか?60下の写真。
左は私が持っているレスポール・スタンダード。
この写真を持って1996年にニューヨークへ行って、「イリジウム」というクラブに出演していたレス・ポール本人に見せた。
ホンのごあいさつ程度だったが言葉を交わし、この写真を見せるとレスは「ああ、キレイなギターだネェ」と言って裏面にサインをしてくれた(私が頼んだんだけど…)。
それが右の上。
もちろんショウをジックリと拝見したが、レス・ポールが出す美しい音色に驚いた。
ヒロアキくんがMarshallのクリーン・トーンで弾く音色と同じぐらいキレイだった。
下はこのレス・ポールの前の所有者のサイン。
この人はかつてボブ・ディランが通ったグリニッジ・ヴィレッジの楽器店「マット・ユマノフ」の店員で、試奏したところ「うまい、うまい」とホメ上げて私にこのギターを買わせてしまった。
でも本当に良いギターで後悔はまったくしていません。
自慢脱線終わり。
12_lp2この日の屋台村のようす。70バラエティに富んだ品ぞろえになりましたナァ。80v定刻となり『MUSIC TRAVELING』がスタートした!90田川ヒロアキ100v石黒彰110v寺沢功一120vそうる透130v1曲目は最新アルバム『THE ROAD SEEKER』のオープナー「Open Road~旅のはじまり」。
そう、音楽の旅の始まりなのだ!
140今日のヒロアキくんの「Marshall号」はいつもとチト違う。
アンプ・ヘッドはいつもの愛器「JVM210H」なのだが、スピーカー・キャビネットを1x12インチの「1912」2台に替えてみた。
このスピーカー・キャビネットは故小川銀次さんが「世界で一番低音が出る1x12"キャビ」と評価していたモデル。
ケースが小ぶりなので、少々コンボっぽいコンパクトな鳴りとなるが、バランスの取れたほどよい低音の出具合がヒロアキくんのギターの音色を尚一層美しく演出した。
ホントはね、2x12"キャビの「1936」も持っていったんだけど、1912を弾いた瞬間、「あ、コレがいいです!」と一瞬でキメてしまったのです。
JVMにはパワー・アンプがひとつしか搭載されていないので、いくらキャビを2台セットしたところでステレオではありません。
しかし、キャビネット間の距離を取ることで、会場内に広くヒロアキくんが奏でるMarshallの生音が届けられた。
150続けて『FACE』収録の「ZERO」。
透さんの景気のよいカウントからスタートする疾走感溢れるリズムに…
670v早くもお客さんたちがノリノリ!170_zrてらちんと…118a0494石黒さんの鉄壁のバッキングに乗って…190vヒロアキくんがノビノビとメロディを歌い上げ、必殺のソロをブチかます!
180vやっぱり旅の出発はこうして賑やかでないとね。
湿っぽい旅立ちはまっぴらゴメンだ!
200「皆さん、こんばんは~!ようこそお越し頂きました。
今年も始まりました『MUSIC TRAVELING』…皆さんのお越しをメンバー、スタッフ一同でお待ちしておりました。
我々との音楽旅行をゼヒとも最後までお楽しみください。
一緒に乗り物に乗ったり、景色を見たり、皆さんそれぞれがご自由に感じて楽しんで頂けたらうれしく思います」210v「では、さっそくこういう乗り物に乗ってみようかなと思います。
透さんのカウントで一斉に行きましょうか。
まず田町から出発しますましょう…電車だぁ~」
「こういう乗り物」って電車か!
ピアシスの最寄りの駅は山手線の田町なのです。
そういえば昔はコレ、「やまてせん」って言っていた。
いつ「やまのてせん」に読み方が変わったのか調べてみてドッキリ!…1971年3月だってよ!
いい加減古いナァ、私も。
118a0207『ようこそ田川ナイトへ』から「Train」。220_tr♪ダダンダダン…230v♪ドドンドドン…240v電車の鉄輪がレールのジョイントを通過する時の音を模したイントロが楽しい。
この曲にはとても印象に残っている演奏がありましてね…2014年3月、高円寺のショウボート。
それと、ヒロアキくんは2010年から2012年まで生産していたMarshall初のデジタル・アンプ「JMD:1」を愛用してくれていて、「Denbigh Road Run Down」というウェブサイト用のデモ・ソングを作ってくれた。
「Denbih Road(デンビー・ロード)」というのはMarshallの本社工場の前の道のことね。
「Train」はその曲と雰囲気が似ていて、いつも思い出してしまうのだ。
ヒロアキくんと2人でJMDのスピーカーを入れ替えたりしたこともあったっけナァ。
思い出はいつも楽しい。250「石黒さんのソロ駅」を過ぎるともう終点。260「ふくしま~、ふくしま~」
エエエ!ずいぶん遠くまで来たな~!
田町から福島まで296kmだぞ!
270『FACE』から「Spacecraft」。
いきなり山手線から宇宙船!
310ギターとキーボーズの掛け合いで進行するサビのメロディがとても印象的だ。300メロディアスにまとめ上げたソロが曲全体の雰囲気にマッチし、最後は短いながらも強烈なカデンツァで締めくくった。
280v_sc「ありがとうございます。
というワケで続けて私の曲を聴いて頂きました。
お持ちの方もいらっしゃると思いますが、コロナ禍の時に作った『FACE』と、昨年は『THE ROAD SEEKER 』というアルバムを続けてリリースしました。
私はCD他、過去に10何枚かの作品を発表していますが、おかげ様でこの2枚が1番売れているアルバムになりました。
本当に皆さまのご協力のおかげでございます。
今演った『Spacecraft』は『アストロサーブ』という会社のテーマ・ソングとして作った曲です。『FACE』も『THE ROAD SEEKER』も結果的にワリとこうしたテーマ曲とかタイアップ曲が多く収録されている感じに仕上がりました」330v「『FACE』の制作がコロナ禍の頃から始まったので、ミュージシャンとスタジオにこもって…とかいうことがなかなか出来ませんでした。
そこで1人でスタジオでドラムを叩いて、ベースを弾いて、歌って、マスタリングも自分でして…もう2度と演らない!というぐらいコレがスゴく大変だったんですが、ウッカリもう1回『THE ROAD SEEKER』でもそれをやってしまって!
結局懲りていないんじゃないか?とか、学習能力がないとか言われています。
ま、ナニかを作ること自体は子供の頃から好きではありました。
待っていてくださる方がいらっしゃると思うとガンバって作れるんですね。
アルバムの制作はそういう感じでしたが、今日はこんなに素敵なメンバーが揃ってサポートしてくれています。
そこでメンバー紹介をしたいと思いますが、今年はチョット趣向を変えて私が担当楽器を言いますので、皆さんでその楽器の担当者の名前を答えてください。
そういうお客さん参加型のメンバー紹介です」
320「恥ずかしい…」
「みんな『てらちん!』って言ってるじゃないの~。
はい。大きい声でね。オン・ベース!…」340お客さんから元気よく「てらち~ん!」の呼び声がかかった。
「皆さん、ありがとうございます!寺沢です…よろしくお願いします」
てらちんはもう100本を数える『ベース1本一人旅』というソロのツアーを展開していて、話題がそのことに。
「田川くんの曲も演奏させてもらっています。
田川くんの悪口を言っています」
と冗談を交えながらのトークを展開。
650「次は透さんですが、『オン・ドラムス』の次に皆さんからどう呼んで頂くのが一番いいのかな?と思ったんですが…『とおる~!』がいいのかな?」
透さんのOKが出て…「オン・ドラムス!」390「とおる~!」
透さんはヒロアキくんのほぼ初めてのソロ・ツアーでドラムスをプレイした長いおつきあい。
10連チャンで全国を回ったこともあった。
「ネ~、10連チャン懐かしいね!」
1月に仕上がったという新しいドラム・キットを紹介。
時折ココに書いているけど、私も透さんとは長くて、初めて見たのは45年ぐらい前の池袋のパルコの屋上だった。
初めて仕事でご一緒させて頂いたのは、私が台本を書いて2001年に今はなき六本木のスウィート・ベイジルで開催したジルジャン・シンバルの記念イベントの時だった。
だからもう24年。
透さんは全国を回られて珍しいMarshallを見つけると今でも「ウッシ~、こんなMarshall見つけたよ~」と写真を送ってくださる。
私の家内は家内で、この日全く止まらないセキに苦しんでいると、透さんがその様子を見るに見かねて「コレ、効くよ~!」といくつもアメを分けてくださった。
何でも「OKストア」で売っているというプロポリスのアメで、実際家内はそのアメに助けられた。
翌日、さっそく浅草のOKストアにそのアメを買いに行っていたわ。
この場をお借りして…透さん、ありがとうございました!
来月は葉山でよろしくお願いします。380v「今日は以上のメンバーで…」220「オイオイ~!」…という定番の展開から「あきら~」と紹介された石黒さん。
「ありがとうございます。
コレ1年に1回なんですよ…誕生日だから当たり前ですね。
帰って来たって感じがありますね。
田川くん、もうすっかり立派になられて…。
こんなにちっちゃい時から…それを思うともう感慨深いですよ」
こんな具合に気心知れた仕事仲間同士で好き勝手なことを言い合う楽しいトーク。
410v「コロナ禍の頃、皆さんも経験があったかと思いますが、その時にナンとかして音楽を作りたいと思って作曲しました。
それが次の曲です。
私は3歳の頃には太陽の光がちょっと目に痛いぐらいの記憶はあったのですが、虹を見た記憶がありません。
虹には7つの色がついていて、言葉から仕組み的にはナンとなくわかるんですが、実際にはどういう風になるのかな~?と思ってマネージャーの美瑞穂に色々と教えてもらい、虹の様子を想像しながら作りました。
赤とかだいだい色とか、青とか…虹の7つの色をドレミの絵具のようにして曲を彩ってみようと思いました」420vココでヒロアキくん最初の歌。
曲は『FACE』から「ニジノート」。430v正式音源は琴や他の和楽器まで取り入れて凝った作りとなっている愛らしい1曲。
歌のメロディのパターンを減らしたことで、反対にその歌のメロディの印象がグっと強くなった。440コロナの真っ最中、東京都が主催した『アートにエールを』というキャンペーンに出品。
ナンカあれもモノスゴク昔のことのように感じるネェ。
私はこの曲が好きで「田川バラード」を代表する1曲だと思っている。450v続けて元スティーブ・ミラー・バンドのボズ・スキャッグスの1曲。
ボズといえばまず「We Are All Alone」だわネェ。460v_waaコレはギターでメロディを歌わせることにかけては大名人のヒロアキくんにもって来いの1曲。
音がまたヨカッタ!
470石黒さんのメロウなエレピのソロを交えながら…
580最後の最後まで名曲のメロディをギターで丁寧に、そして切々と歌い上げた。490ボズ脱線。
1971年のボズのアルバム『Boz Scaggs & Band』に「Here to Stay」という曲が収録されている。
この曲って四人囃子が日本のロック史に残した名曲「Lady Violetta(レディ・ヴィオレッタ)」と丸々全くコード進行なのね。
この曲を収録したアルバム『ゴールデン・ピクニックス』の発表が1976年なので四人囃子の方が後追いになるのだが、ボズは歌モノ、四人囃子はインストゥルメンタルで曲の雰囲気はかなり異なる。
ボ~っと生きていたら恐らくわからないだろう。
ところが、コピーしてみるとコード進行だけではなくてキーも同じなのだ。
コレはどういうことかと言うと、全くの偶然なんだって。
作曲した森園勝敏さんご本人がおっしゃっていたので間違いはあるまい。
ま、コード進行としてはアリがちなパターンではあるんだけどね。
個人的には四人囃子の方がズッと好き。
ボス失脚す…ナンチャッテ。12_4bz 「ありがとうございます。
色々なメニューでお届けしております今年の『Music Traveling』です。
皆さんに景色を思い浮かべて頂くにはどういう風にするのがいいかな?と考えました。
私も旅をするのが好きですし、美瑞穂と2人でギターを持って全国を回ったりする中で、こういうことを仕事にできるというのは幸せなことだナァとタマに思うワケです。
そして各地で待っていてくださる方にがお会いできるのは何よりも大きな楽しみなんです。
そして、東京に戻って来るとこうして大勢の方に集まって頂けて…つくづくうれしく思いました。
ありがとうございます!
ココで終わりかい!? みたいな感じですけれども…」500v「先ほど2枚のアルバムの話をしました。
『FACE』は2022年のリリース、その後に『THE ROAD SEEKER』を作りました。
私は『マツダファンフェスタ』のようなサーキットとかレース場のイベントによく出演しているんですね。
そこで乗り物とかレースをテーマにした曲を集めたCDも作っちゃおうと思って出来たのが『THE ROAD SEEKER』です。
私はこのアルバムのタイトルがすごく気に入っていまして…実は私がずっと長年愛用してるギター・アンプのMarshallの牛澤さんに考えてもらったんです。
皆さんはもうお馴染みかと思いますが、Marshall Blogを執筆している某牛澤さんですね。
『道の探求者』…ね。まさに私そのものだナァと。
私だけではなくて、皆さんもきっとそうだと思いますし、毎日色んな道を模索して明日に向かっている。
この共通点からもすごいくいいタイトルだなと思っています」
ご紹介ありがとうございます。
540うれしいことに、私は時折ミュージシャンの皆さんからバンド名とか曲名とかのご相談を頂戴するのね。
「THE ROAD SEEKER」の命名についてはオモシロがって「短編小説」に認めたけど、美瑞穂さんからご相談の電話を頂戴して、彼女の「ああでもない、こうでもない」という誘導尋問に引っ掛かる感じで「じゃ、ROAD SEEKERってのはどうよ?」とツルっと出て来たように記憶しています。
今でも活躍しているバンドの名前のアイデアを乞われた時は30個近く考えたからネェ。
今回は美瑞穂さんの話の持って行き方がウマかったに違いない。
コレが『THE ROAD SEEKER』。
ジャケットのデザインは『Ave Maria』や『THEME PARK』、『Sky』を手掛けた「梅村デザイン研究所」の作品。
やっぱりいいデザインだね。
ちなみにD_Driveのセカンドアルバム『DYNAMOTIVE』も梅村デザイン研究所の作品で、イタリアの音楽雑誌から「ステキなデザイン」とおホメの言葉を頂戴したんよ。
520cd「では、続いて今度は皆さんと一緒に空の旅をしてみたいと思います。
私の郷里である下関の海上自衛隊には飛行機の勉強をしてパイロットを目指す学生たちの『ホワイト・アローズ』というアクロバット飛行のチームがあります。
3年ぐらい前に作ってそのチームに提供した曲で、これがアメリカ他の番組のエンディング・テーマになったりとかしておりまして、私自身はまだ行ったことがありませんが、最近ではカナダとか、ハノイとか、世界の色んなところに私の曲だけが行っています…後は本人が行くだけだ!みたいな?」
530v曲はアクロバット飛行のチーム名をそのまま冠した「WHITE ARROWS」。550_wa急上昇、急降下、急回転しながら大空を優雅に飛ぶWHITE ARROWSの姿を描く。
今、てらちんが急上昇中!
570vそしてアクロバチックなギター・ソロで急降下!560v大空を飛び行くヒロアキくん!600「それでは前半の最後にもう1つ海外に行った曲を聴いて頂きます。
皆さんに参加して頂くパートがあります。
実は次の曲はカナダ人とか日本人とか多国籍の100人以上のメンバーで構成しているカナダのよさこいチームに提供した曲です。
今、結構流行っているらしいんですが、日本語と英語の歌詞を現地の人たちが作って私がそれに曲をつけました。
曲の途中でみなさんとの掛け合いのパートがあります。
例えば私が『笑え!』とが歌うと皆さんは『スマイル!』と叫ぶ。
その後に、『叫べ!』と歌ったら皆さんは『シャウト!』。
そして『踊れ!』は『デァンス!』…この3つです」
630するとてらちんがひと言…「デァンスでいいんでやんすか?…デァンス、デァンス
ずっと「デァンス」と言っているてらちんにお客さん大爆笑。
360v「はい、というワケでこのバンドが和風の曲を演奏したらどうなるか?
とにかく適当に付いて来てくれれば…そんな感じでお楽しみください!」
640「ところで『デァンス』の発音の話はどうなっちゃったの?」
まだ言ってるてらちん!008a0050 透さんのカウントに続いて三味線で奏でるリフが飛び出した。
曲は「APPARE YOSAKOI VANCOUVER(アッパレよさこいヴァンクーバー)」。118a0523 三味線とてらちんの豪壮な低音でリフが奏でられると…
680vヒロアキくんの力強い歌声が響き渡り…118a0280曲は予想外の展開を見せる。690v「バンクーバーは雨が多い。それではお手を拝借!」
『マイ・フェア・レディ』かと思ったら…
118a0411ココで完全にお祭りムードに!008a0085そして「踊れ!」
660_ayv「デァンス!」
おお~、キマった!008a0088前半を締めくくるにふさわしい盛り上がり!720vMarshall Blogで毎回レポートしている『がんばっぺ福島』の司会でおなじみの無洲の会長、浅野さんに手を引かれてステージを降りたヒロアキくん。
ン?ナニかあるのかな?
730「ありがとうございました~!」750振り向くとこんな仕掛けが!760果物を満載したワゴンでヒロアキくんのバースデイをお祝いしたのだった!
今日はバースデイ・ライブではないんですけど…ま、いっか!770v<後編>につづく
 
200(一部敬称略 2025年6月7日 レストラン ピアシス芝浦にて撮影)

2025年7月14日 (月)

BARAKA~Superior Force Tour Final<後編>

 
今年の1月に『Superior Force』という新しいアルバムを発表したBARAKA。
「superior」という単語は辞書を引くと形容詞で、「優れた」とか「優位な」みたいな意味が並んでる。
要するに「上にある何かしら」を指す言葉なワケで、それもそのハズ「superior」の単語の語源は、ラテン語からそのまま借用していて、元々「上にある」という意味なのだそうだ。
誰でも知っている「super-」という接頭辞がついているからイメージが湧きやすい。
私の経験から言うと、英語圏の人と話す時は「superior」という言葉を「上司」の意味の名詞で使うことが多かった。
確かに上にいますからね、「上司」は。
また「最上の」とか「最高位の」という意味の「supreme」なんて単語はご推察の通り「superior」のかなり近いの親戚。
だからコルトレーンの『A Love Supreme』を『至上の愛』としたのはけだし名訳だと思うのです。
ま、あの不気味でハードな音楽を聴くと、コレのどこが「至上の愛」なんじゃろかな?と思わなくもないが、「私は聖人になりたい」と発言するような人がやっていることですからよくはわかりませんな。
音楽としては確かに「superior」で滅法カッコいいけどね。
12_alsさて、アルバム発売記念ツアー『Superior Force Tour Final』のレポートの<後編>。
 
ショウも後半に突入する。
『Superior Force』収録の「Samsara」。10_2タイトルの「サムサーラ」というのはサンスクリット語で「संसार」と書く…皆目読めない
意味は「輪廻転生」。
平石さんがシンセパッドのタング・ドラムの音色を用いて5/4拍子のフレーズを奏でる。
とにかく延々と奏でる。
今時、普通のバンドであればココは打ち込みを使うことだろう。
それをBARAKAは人力でやってのける。
20v「タング・ドラム」というのは「スリット・ドラム」とも呼ばれる「スティール・ドラム」の一種。
出元もトリニダード・トバゴとかあっちの方だという。
音色もよく似ている。
マレットで叩くスリットが入った部分を舌に見立てて「タング・ドラム」という名前がつけられたのであろう。Std_2依知川さんのベースと平石さんのタング・ドラムが奏でるパターンに時折音を重ねる一生さん。30多少キメのパートは出て来るものの、とにもかくにも約6分の間ずっと5/4拍子の同じパターンが繰り返される。
生まれては死に、死んでは生まれる流転の様子をその繰り返しで表現したのであろうか?
40vそして概ね何も起こらず曲は幕を閉じる。
スゴい。
コレはもはや「現代音楽」のジャンルに繰り入れても良いのではないか?
こんなことを演っているロック・バンドは日本ではBARAKAしかいまい。50_2続いての曲は『Superior Force』にインストゥルメンタルのバージョンを収録した沢田研二さんの1999年のアルバム『いい風よ吹け』のタイトル・チューン。
アルペジオのイントロ。
60_iikfクリーン・トーンを使って丁寧に歌メロをナゾる一生さん。
ク~、いい音だな~。
118a0346もちろん一生さんが使っているギター・アンプはMarshall。100この日は「1987X」と「1960AX」を使用してこの美しいトーンを送り出した。110v_2Bメロ(っていうのかな?)のパートはモジュレーションをかけて依知川さんが奏でる。
70_2途中のマーチ風のスネア・ドラムのプレイがオモシロイ平石さんのドラミング。
80vやわらかめのクランチ・トーンで弾いた一生さんのソロは、音も雰囲気もバッチリと曲の流れに沿った印象的なモノだった。90vBARAKAのコンサートの見どころのひとつ、一生さんのご挨拶。
「ハッ!皆さん、ありがとうございます。
元気?……元気ッ?
ヨッシャ~、じゃあ2階席もいってみるか!?」
コレは一生さん一流のギャグ。私は大いに吹き出してしまった!
「ありがとうございます。
ボク達も28年やっておりますが、人生、ナニが起こるかわからへん…って感じですよ。
思ってもみないことが急に起こったりしますからね。
ピンチがパンチですか?
パンチって『平凡パンチ』…ピンチがある時はチャンスですな。
チャンスがある時はピンチ、みたいな…それはおかしい。
ココはイコールにならないんですよ。
ピンチの時はもう笑うしかないんですよ!」
118a0377…と、一生さんが笑っているのは、この時深刻なピンチを迎えていたから。
もう正式に発表されていたので、ココに書いても差支えがないと思うで書いてしまうが、一生さん、この日の2、3日前に転倒して左手の指を何本が骨折してしまっていたのだ。
開演前に楽屋にご挨拶に伺うと、「チョットこれ見てや!」と患部を見せてくれた。
少し紫色になって腫れあがった左手は、見るからに激痛のカタマリ。
「これじゃトミー・ボーリンみたいにボトルネックで演奏するしかないですな」と私が言うと「おお!その手があったか!」なんて笑っていらしたが、極めて重篤な状態にあるように私には見えた。
ところが、演奏が始まってみると、一生さんの演奏があまりにも自然で完璧だったので、すぐに手のことをスッカリ忘れてしまった。
一生さんは顔にも音にも苦痛の表情を一切出していなかったが、さぞかしシンドかったことと思う。
さすがに直後のライブはキャンセルされていた。
手は皆さんの重要な商売道具ですからね、くれぐれもお大事になさってください。
120「さぁ、身体をほぐしますよ。発声練習いきます!
♪ふふふふふ~…これを『はひふへほ』で。
腹筋に力入れていきますよ~。
♪はひふへほ~ハイ!」
180「素晴らしいね。今日は。
準備運動も出来たところで、笑っていこうか!
ネ、笑わなぁ~アカンよ!
じゃあボクが笑いますんで皆さん、コール&レスポンスでお願いします。
とりあえずみんな口角を上げて!」
130v「ハッハッハッ!
ヒッヒッヒッ!
ヘッヘッへッ!」とお客さんとにぎやかに笑い声を交換し合った。118a0382_2ココで一生さんからメンバーの紹介。
「いつものメンバー紹介じゃオモシロくないんで、ボクが『シン!』ってて言ったらみんなで『シン!』って言うてくれます?
『シン』の発音は『Shing』ですからね…最後『ング』を『グー』言うたらアカンよ」
118a0373「いきまっせ。
せ~の…Shing!」
チャンとお客さんも「ング」で返してくれました。140「Shing」に手を上げて応える依知川さん。160_2平石さんは「ン~マックス」。
コチラもお客さんが器用にこなしてくれて無事平石さんが紹介された。170v「オレ、自分でやるの?」
150_2「ま、ココは普通にいこうか」と依知川さんが普通に「一生!」と紹介してくれて一生さんのトーク・コーナーは終了。118a0731さぁ、曲のコーナーに戻ろう!
この日のハイライトと呼んでいいでしょう。
「Special Medley」と題したBARAKAのキラー・チューンを接続して演奏した。
まずは「Bharmad」。
190_smed10/8拍子って数えるのかな?…変拍子を全く感じさせないリフと一糸乱れぬハードなアンサンブルが気持ち良い!
200v_cr_5_4
時折差し込まれるベースのピックアップ・ソロがまたとてもスリリングだ。280v平石さんのドラム・ソロ。220_2タムタムの連打でスタート。
230_2そしてスネア・ドラムでのプレイを経てドラム・キットとシンバルの全てを鳴らしていく。
最後はバスドラムが猛り狂い、平石さんのパワーが場内に響き渡る。245v4分46秒にわたって平石さんが組み立てたドラムスの物語に大きな喝采が送られた。250そのまま依知川さんのソロのパフォーマンスが続く。
『BARAKA IV』から「It」。260v_2もの音ひとつしない客席に向かってディレイをかけて放つ深みのある低音。270_2ダブル・ストップ・フレーズを繰り返すと…118a0513_2バンド演奏に入る。
メドレーは他に6枚目のアルバム『BARAKA VI』に収録されている組曲「Five Rings」の中の「The Wind Book」や「The Book of the Void」へとつなげていく。340一生さんのソロから続々と変わっていく情景。
激しさが激しさを呼んでいよいよクライマックスに達したかと思うと…360vクリーン・トーンを用いた無伴奏のソロを弾き、レゲエのリズムを導き出す。410vリズムはレゲエでもタイムは7/4拍子。380_rgeこの大メドレー、この先も幾多もの場面を迎え立体的に進行していく。390v_2その長さたるや約35分。
この日のショウの本編の演奏時間はほぼ90分ちょうど。
本編の40%弱がこのメドレーに費やされたことになる。
グスタフ・マーラーもビックリだ。400vその大メドレーは一生さんのしめやかなギターで幕を下ろす。
この時に沸き上がる感動はこの場に居合わせなければわかるまい。
しかし、コレは28年もの長きにわたって3人で育んで来た経験と技術と作品の蓄積の賜物ですナァ。
そうでなきゃこんな演奏はおいそれと出来ません。
370v_2本編最後の曲は当然新作から。
アルバムのリード・チューン「Superior Force II」だ!
2022年の「スーパー・フォーミュラー」のテーマソングに採用され、テレビやレース会場で頻繁に使用された。
ニューアルバムには①2022年バージョン②2025年の新録音③アコースティック・バージョンの3様が収録されている。
420_sf猛然と疾駆するリズム隊!430v依知川さんはソロに足鍵盤にと大忙し!440v印象的なテーマのメロディ。
そして合間に現れる仕掛けの数々。450vストレートにドライブするBARAKAの魅力満載の1曲で本編を終了した。470_228年ですからね。
その間、メンバーが変わっていないというのだからスゴイ。
今の若いバンドなんてヘタをするとデビュー前に解散したりするからね。
いくつもバンドをかけ持ちして、うまくいかないと何の惜しげももなくヤメちゃうんだから。
28年…メンバー間でお互いによっぽど大きな弱みを握り合っているか、一心不乱に自分たちだけのの音楽づくりを目指して続けて来たとしか思えない。
480_2アンコール。
まず2010年の『Inner Resonance』から「Palm Trees of the Maldives」。490_ptmBARAKAのコンサートではおなじみのナンバー。
依知川さんのとても低いところでゴリンゴリンと演るベースが何とも豪壮。500vバラエティに富んだフィルで華やかに曲を彩る平石さん。510_2クリーンからクランチへと音を変化させて展開するギター・ソロ。520_2ステージ前に歩み出て…530行った~!540一生さんの得意技「客席弾き」。
550ノッシノッシと場内をひと通りして…008a0202 「おかえりなさい」
580_ctそのままステージでも大爆発!560アンコールの2曲目は依知川さんの歌で「Come Together」。590BARAKAはビートルズ曲集を以前に発表しているがこの曲は取り上げていない。600vベース・ソロから…610再び歌に戻る。
BARAKAの仕業にしては比較的原型を尊重したアレンジだが、それでも派手にコードを差し替えてあったりしてBARAKA風味は濃厚。620v最後を締めくくったのは「Purple Haze」だった!008a0158Marshallに向かって延々とフィードバックさせた後…
570「みんな元気?!」
最後に一生さんがメンバーを紹介。118a03822メンバー紹介といっても「オン・ベース!」しか言わない。640v「オン・ドラムス!」650v再び依知川さんが一生さんを紹介して曲は幕を下ろし…118a0142『Superior Force Tour Final』のすべてのプログラムを終了した。008a0216_2「ありがとうございました!」
ツアー完走おめでとうございました!
670BARAKAの詳しい情報はコチラ⇒BARAKA Official Web Site

680 200(一部敬称略 2025年5月29日 LINE CUBE SHIBUYAにて撮影)

2025年7月11日 (金)

BARAKA~Superior Force Tour Final<前編>

 
久しぶりの「渋谷公会堂」…じゃない、「CCレモンホール」…じゃない、「LINE CUBE SHIBUYA」。
ナンカ渋谷公会堂の現在の名称を口にするのが恥ずかしい…と感じるのは私だけではないのでは?
この一帯は戦後まで陸軍の練兵場で、渋谷公会堂や区役所の場所には「衛戍(えいじゅ)監獄(陸軍の刑務所)」があって、「ニ・ニ六事件」の15名の首謀者の死刑はそこで執行されたというのだから、どうしたって驚いちゃうよね。
でも、ナンでも知らないよりは知っておいた方がいい。
10今日はBARAKAのコンサート。20今年1月に発表したニュー・アルバム『Superior Force』の発売を記念するツアーの千秋楽だ。30vロビーに飾られた祝い花の数々。40後ろに映っている人はBARAKAのメンバーではない…当たり前か。
50屋台村もにぎやか。
70「Superior Force」Tシャツが人気を集めていた。60会場にスペイシーなSEが流れる中、BARAKAの3人がステージに現れる。801曲目は10枚目のアルバム『Trinity』から「Jupiter」。
とても3人で出しているとは思えないスケールの大きなサウンドがさっそく会場内に充満する。
90高見一生100v依知川真一110v平石正樹120vユッタリとしたリズムの中、一生さんが絶妙なクランチ加減のトーンと独特の音使いでソロを展開していく。130依知川さんはベースを弾きながらペダル・シンセサイザーを操り浮遊感にあふれた背景を演出する。140v依知川さんの足元のようす。
向かって右側の黒っぽいヤツがペダル・シンセサイザー。
150シレっとリズムが7/4拍子に変わり…160一生さんのソロを経て…
230曲は静かに終わる。
スゴイ緊張感。
これから広がっていくBARAKAの音の世界を提示するかのような深遠なアンサンブル。008a0207 2曲目は『Superior Force』収録の「Superior Force I」。190一生さんがクリーン・トーンで奏でる無伴奏のギターで曲はスタート。200_sf1そこへ平石さんのシャープなフィルが切り込んで来る!210v依知川さんが出す低音が平石さんのドラミングと混ざり合ってバンドは猛烈にドライブ!220依知川さんはかつてMarshallが扱っていたEDENを使用。
音がいいナァ。とにかくその美しいクリーンなトーンには何の澱みもない。
4x10インチのキャビネットが2台と2x10インチ1台の組み合わせがこのヌケのよい低音を送り出している。225テーマの提示から展開部を経てギター・ソロへ。
一生さんが超高速でスっ飛んで行く感じだ!
008a0084ステージに並んだこの日の一生さんのMarshall。2401997年、Marshallが創業35周年を記念して生産した白いビンテージ・モデル。
通称「ホワイト・スペシャル」。
ステージに上がっていたのは「1959WSP」と「1960AXWSP」。
この他、50Wの「1987XWSP」と2x12"コンボの「1962WSP(=BLUESBREAKER)」、そしてアッテネーターの「PB100WSP」が同時に発売された。250v今日、一生さんが実際に鳴らしているのはコチラ。
「1987X」と「1960AX」。
一生さんは「ジャンプ」して1987Xを使用している。
260v1987Xは現在も流通しているが、一生さんが所有しているのは昔のタイプ。
Marshallは2000年から2年の間、海外ではビンテージ系のモデルの販売を休止していた。
そして2002年、40周年を迎えた時…Marshallは以前生産していたすべてのビンテージ・モデルにセンド&リターンの回路を搭載して復活させた。
下の写真の通り一生さんが所有している1987Xは2000年以前のセンド&リターンがついていないモデル。
コレ、今探している人が結構いらっしゃる。
「え、センド&リターンが付いていた方が便利チヤウの?」とお思いになるかもしれないが、BARAKAのコンサートに来て一生さんのギターの音を聴けばすぐにその理由がすぐにわかる。
白い1959も同様にセンド&リターンが付いていない。
ちなみに「JCM900 4100」も海外では同じ状況で、1999年に生産を一旦終了させ、40周年に近いタイミングの2003年に「Vintage Reissue」として生産を再開し現在に至っている。118a0007 コチラは一生さんの足元。280一生さんの出すギターの音は「ああ、Marshallってそもそもはこういう音だったんだよな~」と思わせてくれる。
1970年代、私が高校の頃に新宿ロフトや渋谷の屋根裏でよく聴いた音だ。
そのカギはまずクリーンにあり。
絶対にMarshallからしか出て来ない独特のクリーン・トーン。
かつてのウリ・ジョン・ロートも1959でこういう音を出していた。
そして、そのクリーンにオーバー・ドライブを軽くかけてやる。
後は両手をうまく操って音を作る。
最上にして最良のロック・ギターのサウンドの出来上がりだ。
「デジタル」だのナンダのと騒いでいる中、ナンのことはない、一生さんは今でもこの方法で最高のギターの音を聴かせてくれているのだ。290v厳選した音だけで沈着に組み立てていく依知川さんのべース・ソロから…300v曲は再びドライビング・パートへ突入して「最上級の宇宙エネルギー」を発散した。008a0106 「こんばんは、BARAKAです!
今日は平日にもかかわらずこんなにたくさんのお客様にお越し頂きましてありがとうございます。
1月15日にBARAKAとして通算18枚目、オリジナル・アルバムとしての12枚目の『Superior Force』をリリースしました。
次の日からツアーが始まったんですが、今日はいよいよそのツアーファイナルのLINE CUBE SHIBUYAです」320v「今日初めてBARAKAを観に来る方がたくさんいらっしゃるらしいので、メニューを皆さんにお配りしました。
曲目とどんな感じの曲かということを皆さんにわかって頂きたいと思ったのです。
今年、BARAKAは結成28年目を迎えました。
28年間休むことなくずっと曲を作り、ライブ・ツアーを行ってまいりました。
今年もたくさんライブをやって来ましたが、今日を本当に楽しみにしてまいりました。
最新アルバム『Superior Force』からの曲をたくさんお届けしますが、それ以外のアルバムからの曲もお届けしていきますので最後までゆっくりお楽しみください」330依知川さんが触れた「メニュー」とはコレ。
BARAKAからのご挨拶と裏面には当日演奏する曲目の解説を掲載している。12_prog今回初めてMarshall Blogをご覧頂いている方もたくさんいらっしゃるでしょうからご存知のない方のために依知川さんのことについて書かせて頂くと…。
依知川さんは「依知川風人」という雅号を持ち、千葉の八日市場に「書の工房 風人堂」というギャラリーを運営している書道家でもある。290ある時、依知川さんからお手紙を頂戴した。
さすが書道家…そこに書いてあった文字が「井上ひさし」の原稿のようで私にはとてもステキに見えた。
そこで、筆運びのマネをすることは不可能なので、せめてどんなペンをお使いになっているのかを教えてもらい、早速同じパイロットの万年筆を購入して私も使い始めた。
このことは以前にもココに書いていて、「その万年筆を手に入れた前年に長崎に行き、有名な万年筆専門店を訪れたが臨時休業していた」という話を添えた(上下の2枚の写真は『風人堂』で撮影したものではありません)10去年再び長崎に赴き、とうとうその万年筆店にお邪魔してきた。
その名も「マツヤ万年筆病院」…病院なんです。
私が尊敬してやまない作家の吉村昭先生が商売道具である万年筆はココでしか買わなかった…という専門店。
ちなみに先生の原稿用紙は浅草の「満寿屋」製だった。
川端康成、丹羽文雄、井上靖、吉川英治、壷井栄、司馬遼太郎、吉行淳之介、舟橋聖一、井上ひさし、石原慎太郎、大江健三郎、瀬戸内寂聴、林芙美子…エエイ、キリがない!
皆さん、満寿屋の原稿用紙を愛用していた。
夏目漱石は神楽坂の「相馬屋」という業者だったらしい…残念!
300何しろ人生において私が家内の他に本当に夢中になったのは、フランク・ザッパと黒澤明と吉村昭先生だけでしてね。
もちろんほぼ全作品読んだ。
Marshall Blogの脱線のネタの多くは吉村先生の書籍から得た知識を元にしている。
今でも下の文庫本の他に単行本や関係書籍を集めていて、最近では小説の舞台となった場所を訪れるのが年寄りの最大の愉しみになっている。
それほど好きなワケよ。
310vそんなことを「マツヤ万年筆病院」の女将さん(「院長」っていうのかな?)に話すと、も~懇切丁寧に私を扱ってくれて、万年筆や吉村先生のことを教えてくれた。
そして、私に合った万年筆を選んでくださるという。
「じゃココに字をチョット書いてみてください」なんて言われて大いに緊張してしまった。
ところが私、こう見えても「達筆」である…イヤ、達筆らしい。
ウチは父とその母が達筆だった。
そんなことが関係しているとも到底思えないが、私が書いた字を目にした人がよくそう言ってくれる。
まぁ、悪筆とも思わないけど、私自身としては字がウマいだなんて全く思っていないのね。
そこで、その時覚えたてだった四文字熟語の「右顧左眄」他の文字を恐る恐る書いたように記憶しているが、院長先生はその文字をご覧になって「ウワ~!字がお上手ですね~!」とおっしゃる。
ちっともウマくない…要するに商売上手なのだ。
「もうコレは買わないでは帰れないヤツだ!」と覚悟した。
すると院長は私におススメだというパイロットの万年筆を陳列棚から取り出した。
そして、買って帰ってビックリ!
320ナント、院長が私のために見繕ってくれたオススメの万年筆は依知川さんご愛用の万年筆と同じだったのだ!
さすが風人書聖!
2本同じモノではあるが、ペン先の太さが異なるので双方楽しみながら使っている。
私に合っている!しかしも依知川さんとお揃い!
その後、万年筆病院から手紙とともに吉村先生や「三菱重工長崎造船所」に関する資料が送られて来た。
大変な親切にビックリしたのはいいんだけど、返事の手紙の字を上手に書くのにまたひと苦労してしまった!
脱線終わり。
330_2フェイザーを深めにかけた一生さんのギターからスタートする「Maverick」。
この音の揺れのすき間から聞こえて来る「♪ジャリンリンリンリン…」というシングルコイル・ピックアップ特有のサウンドがタマりません。
340_mavフィルとともに入って来る平石さんが打ち出すリズムは5/4拍子。350v_5_4続いて登場するヘヴィなリフは4/4拍子。
そのリフを4回繰り返すと今度はその拍子が7/4になる。360v_4_4また場面が変わりファンキーなリズムで一生さんがソロを奏でる。
ココは4/4拍子。
ワーミー・バーを巧みに使いながら独特のソロを展開していく。
そう、毎回書いているが、一生さんは既成のロック・フレーズにとらわれず「自分の言葉」で語る日本では稀有なギタリストの1人なのだ。
370vドラムスのピックアップ・ソロがまた次に現れる場面をつなぐ。118a0128 コレぞBARAKAサウンド。
次から次へと情景が変わってパノラミックな世界を作り上げる。
こんな音楽を演っているバンドは世界広しと言えどもそう簡単には他にいないでしょう。380ミディアム・テンポのパターンで平石さんがビート・スタートさせるのは「The Infinite Wall」。
390vオクターバーでサウンドを分厚くした依知川さんが弾くラインは4/4と5/4拍子のコンビネーション。
コレが尽きることなく延々と続いて行くまさに「Infinite Wall」なリズム隊のプレイ。
400そのリズムにこれまた一生さんならではソロ・プレイが乗ってくる。118a0142曲は若干の展開のパートを見せるが、とにかく基本は例の「無限の壁」。450さっき依知川さんがMCで紹介したメニューでは「BARAKAの新たなる境地」とこの曲を紹介しているが、「Barakish」とでも言おうか、徹底的にBARAKA色が出ているところがスゴイ。
118a0440徹頭徹尾、依知川さんと平石さんがやることは約7分の間変化なし。
以前、ビリー・コブハムの「Stratus」の延々と繰り返すベース・ラインに「いい加減、早く終われ!」と怒ってしまった若い女性のベーシストがいたが、イヤイヤ、コレはそんなもんじゃない。
こういう演奏ってかえって大変だと思う。
たいていナンカやりたくなっちゃうからね。
このリズム隊の2人の強靭な精神力は並大抵のものではないと見た!
460v「皆さん、今日は平日の早めの時間にもかかわらずたくさん集まって頂きまして本当にありがとうございます。
さっき始まる前に曲順表を見て『あっ、オレがしゃべるのはこの辺か…大分先だな』って思っていたらもうしゃべる時間になってしまいましたよ!
1月にアルバムを出して、その後ずっとツアーを回って今日がファイナルです」
480「昔からBARAKAをご存知の方もたくさんいらっしゃっていると思いますが、初めて知ったという方のために説明しますと、BARAKAはライブが好きでアッチコッチでいつも演奏しているバンドなんですね。
普通ツアーっていうと『何月何日から何日まで、なんとかツアー』って打ち出しますが、友人とかに『BARAKAって今ツアー中?』ってよく訊かれるんですよ。
答えに詰まっちゃうんですね。
ボクらは好きで年中ライブを演っているので『ココからココまでがツアー、ココで休んでまたツアー』とはならないんですね。
ライブの時には、いつもヤル気を感じて演奏しています。
とにかくステージに立って皆さんの前で演奏することがとても好きなバンドですので、そういう感じでまた1年間ガンバっていきます。
これからも応援よろしくお願いします。
『BARAKAって今ツアー中?』って訊かないようにしてくださいね!」
490v「やっぱりツアーの醍醐味は久しぶりの方と再会したりとか、新しい出会いがあったりとかなんですね。
今日初めてBARAKAをご覧になる方、10年、15年応援してくれている方、色んな方がいらしゃると思いますが、今日ココに集い、こうして会えたことをとてもうれしく思っています。
『思ったよりいいナァ』とか『歌がないんだ?』と思われる方もいらっしゃると思います…歌、ないんですよ、ボクら。
『ずいぶんイントロが長いな~』と思っていると曲が終わってしまいますからね。
なので、『初めて観たけど意外といいなぁ~』なんて思ってくださった方はゼヒとも応援に来て頂きたいと思います。
今日は我々も楽しみにしてましたLINE CUBE SHIBUYAを迎えておりますが楽しんで頂いておりますでしょうか?
こういう楽しみにしていたステージは時間の過ぎるのが早いというか、アッという間に終わってしまうものです。
これから後半に入って行きますが、最後まで全力で演奏しますので楽しい時間をご一緒できたらと思います」500続いては「海の星」を意味するラテン語がタイトルの「Stella Maris」。
レスポールに持ち替えた一生さんがクリーン・トーンで静かにソロを弾くところから始まる。510依知川さんが弾くハネるパターンのリズムは5/4拍子。520オート・ワウをかけた一生さんのギターが被さる。530vジョー・パスが時折使うジャズの常套フレーズを組み込みながら、今度は足でワウワウ・ペダルを操作してクランチ・トーンによるソロを作り上げた。118a0306ジャズといえば、『欲望と言う名の電車』の登場人物のように女性の名前を題名に組み入れた「Stella by Starlight(星影のステラ)」という人気のスタンダード曲がある。
なんかこの曲が発するおだやかさに「美」という共通項を見出してしまった。
今日のBARAKAは実に幽玄だ。
 
BARAKAの詳しい情報はコチラ⇒BARAKA Official Web Site

008a0094<後編>につづく
 

200(一部敬称略 2025年5月29日 LINE CUBE SHIBUYAにて撮影)

2025年7月 9日 (水)

THE GOOD-BYE 40周年記念コンサートDVD付属マーブロ写真館<B館>

 
「THE GOOD-BYE40周年記念イヤー」の最後を飾るコンサート・ツアーの東京公演の様子を丸々収録したDVDが発売された。
今日は前回に引き続き、Marshall Blogが勝手に開館したそのDVDに付属する写真館の<B館>をご案内。0r4a0092ショウは中盤。
バンドがステージを離れ、THE GOOD-BYEの3人によるアコースティック・セットが始まった。
野村さんがベース、ヤッチンはアコースティック・ギター、そして今回の衛藤さんはウクレレではなく、ブラシを手にして「エド・シグペン(Ed Thigpen))ばりにスネア・ドラムを操った。
エド・シグペンは長年にわたってオスカー・ピーターソンのバックを務めた名ドラマー。
やっぱり「Ed」と「花のお江戸」でつながっているんだネェ。
そういえば…エドはもう15年前に亡くなってしまったが、それよりズッと前のこと、NAMMショウで誰も気が付かないエドを見かけて「あ、エド・シグペンだ!」とひとりで色めき立っている私にエドも気づき、微笑みながら私に向かってパチリと片目を閉じてくれたことがあった。
それがすごくカッコよくて、うれしかった。
今だったらスマホで一緒に写真を撮ったんだけどナァ。
「男性のウインク」なんて日本人がやったら絶対に気持ち悪いよ。30_2そんな衛藤さんのブラシ・ワークと歌で2019年に30年ぶりに発表した10枚目のアルバム『Special ThanX』から「笑顔がICHIBAN」を披露。20_eiMCをはさんで加賀八郎さん作の「僕らの祈り」。50_bi情感豊かに歌い上げるヤッチン。60_2衛藤さんはハーモニカも披露した。
3人の加賀さんへの想いが込められた感動的な演奏だった。70_2バンドがステージに戻って、添田さんの柔らかなシンセサイザーのサウンドをバックに…90_2のっつがシタールの音でエキゾチックなフレーズを重ねる。80_oot曲は「OUT OF THE TIME」。
ココから「裏グッバイ」。
「グッバイってこんな曲を演るの?」というような曲を取り上げるコーナー。
コレがいいのよ!
100_2ナポレオン・ジャケットを身にまとった3人がまず演奏したのは…110ポップ度をゆるめたロック要素が濃いナンバー。
120_2こういう曲もまたTHE GOOD-BYEの音楽の大きな魅力だ。130_2そのまま次の曲へ。
和佐田さんの重く太いベースが唸るのは…140「白夜のREVOLUTION」。150_brワウワウ・ペダルを踏み、歌詞に出て来る「Purple Haze」をクォートする野村さんのソロ。160さらにヤッチンのギター・ソロも飛び出してくる。180ヤッチンはいつも通りMarshall。
この時はMarshallのフラッグシップ・モデル「JVM210H」と「1960A」をプレイした。190v_2そしてツイン・リード・ギターのパートに突入。
ハードなTHE GOOD-BYE…すごく好き。200_2続けては再びキーボーズ・チームの出番。
例のエキゾチックなアンサンブルから…
210v_awヤッチンのストラミングが加わって「Another World」。
240vこの曲もヤッチンがソロのコンサートで時折取り上げる1曲だ。230バッチリとキマりました!245v_omakeジャケットを脱いで「Mass-Communication」。250_mcTHE POLICEっぽいサウンドにシリアスな歌詞。
「♪Mass-communication people」のコーラスがバツグンにカッコいい。
260衛藤さんのビート・スタートによる次の曲は…290_cm『Special ThanX』から「ちょっと待って」。
エキサイティングな野村さんの歌に…
300_2ヴァイオリンを弾かないsourcesの2人の「♪ちょっと待って」のコーラスが鉄壁の布陣でかぶさってくる!310_2ヤッチンのソロ!を交えて…320「♪帰えらなきゃ!」
野村さんと完璧に同期するフォーメーションはお見事!330再び衛藤さんのビート・スタート。118a0098同じく『Special ThanX』から「アカンBe love」。
実際に何かよっぽど「アカンこと」でもあったかのように、ヤッチンがクレッシェンド気味に歌っていく「♪アカン、アカン、アカン、アカン」のパートには強い気魄が感じられた。
350そんなアカンほど熱のこもった演奏に客席は大興奮!
340_ablコーラスや振り付けでも大活躍のsourcesのヴァイオリンの綾太郎くんと…360v_2隼人くん。
今回はほとんどの曲に2人のヴァイオリンのバッキングが加わり、そのカッコいいアレンジが曲を華麗に彩った。370v添田さんが弾く愛らしいメロディのピアノが導くのは「Real Me」。118a0748ゴキゲンなロック・ビートに乗って野村さんがストレートに歌い込む。380_rmヤッチンのソロ。
芯がシッカリしたとても良い音色だ。
390_2曲の最後はお客さんの掛け声を得て大エキサイト!400_aiaiさぁ、いよいよクライマックス!
ヤッチンのソロのライブでも欠かすことのできない「YES! YES!! YES!!!」が続く。118a1217 「♪Nice!!」420衛藤さんのコーラスも大活躍して…118a0488 「♪Nice!!」440野村さんのソロから…450v_2最後の「♪Nice!!」
3回ともバッチリとタオルが宙を舞った!460「祭り気分でTAKE A CHANCE」はヤッチンが弾くイントロ・リフでスタート。
ムムム、コレもカラっとしていてとてもいいギターの音!118a1153ボーカルズを分け合い、そしてハモる。
野村さんが歌うハモリのパートがまたどの曲もカッコいいんだよね。470_mktcスリリングなバンド・アンサンブルからのっつのシャープなシンセサイザーのソロ。490_2曲がブレイクするとヤッチンがステージの前に歩み出てリフをプレイ。0r4a0091_2すごい歓声!
500一方、下手では野村さんも前に出て来てソロをブチかます!510ステージの両端でギタリスト2人が大きな喝采を浴びた。520アッと言う間に本編最後!
『Special ThanX』から「LOVE」。530_lvココでも2人でボーカルズを分け合った味わい深い演奏を聴かせてくれた。540_lv本編全18曲。
シングルA面、B面、レア曲、最新曲、最高な盛りだくさんなプログラム。
ヤッチンがピックを遠投してメンバー全員がステージを離れた。550そしてアンコール。
全員お揃いのツアーTシャツに着替えてステージに登場し、まずは1989年7月発表のシングル「25ans」を演奏。560_25続いて同じく1989年にリリースしたアルバム『Revolution No.9』収録の「Hong Kong Blues」。
この曲を発表した頃は香港ってまだイギリスの租借地だったんだよね。
キャリアを感じるナァ。570_hkb最後のTHE GOOD-BYEの40周年記念コンサートの東京公演を締めくくったのはこの曲。580_krg「♪You!」…590v「悲しきRadio Girl」だ!600THE GOOD-BYEの40周年おめでとうございました!610完璧な演奏で3人を盛り立てたバンド・メンバーの皆さん。
素晴らしい演奏だった!
620v 630v 640 650感動のエンディング!660「どうもありがとうございました!」670最後に野村さんがベースを片手に加賀八郎さんを紹介した。680大きな大きな歓声を浴びてステージを去って行くTHE GOOD-BYEの3人。690お客さんは手を振りながら3人を送り出し、「THE GOOD-BYEのテーマ」を大合唱した。
ああ、実にいいコンサートだった!
 
THE GOOD-BYEは8月30日の札幌を皮切りに全国7ケ所を回るツアーが予定されている。
それも楽しみ!
700曾我泰久の詳しい情報はコチラ⇒soga21.com710vDVDのお買い求めはコチラ⇒Guts EntertainmentSleeve<おしまい>
 200(一部敬称略 2024年8月18日 昭和女子大学人見記念講堂にて撮影)

2025年7月 7日 (月)

THE GOOD-BYE 40周年記念コンサートDVD付属マーブロ写真館<A館>

  
2023年、THE GOOD-BYEはデビュー40周年を迎え、それを記念するコンサートが開催された。0r4a0035東京公演は9月10日、場所は昭和女子大学人見記念講堂。
その様子はMarhall Blogでレポートした。35そして、年が明けて2024年。
その40周年記念イヤーを締めくくるコンサートが催された。008a0005_2 場所は同じ、昭和女子大学人見記念講堂。
人見に始まり、人見に終わるいかにも「元気」が出そうな企画だったのだが…THE GOOD-BYEファンやヤッチン・ファンの皆さんのうち、1人か2人は気が付いていらっしゃるのではなかろうか?
イヤ、気が付いてチョーダイ!
そう、そのコンサートのレポートがMarshall Blogに載らなかったのである!
コレは大事件でしょう?
エ、そうでもない?
20理由はコレ。
その2024年8月18日の公演が全編収録されていて、この度その模様が2枚組DVDとなって発売されたのだ。
要するにいわゆる「ネタバレ」を避け、このDVDの発表を待ってMarshal Blogにレポートを掲載するという段取りだったのだ。0r4a00027 さて、そのDVDが出来上がってジャケットを見てビックリ仰天有頂天(←コレは古すぎるか?)!
私が撮影した写真がジャケットの表裏合計でナント108+1枚も使われているではないの~!
どうもありがとうございます!15Marshallアンプをご愛用頂いているヤッチンの流れから、THE GOOD-BYEを初めて撮影させて頂いたのは30周年の時のこと。
それからもう10年に渡ってシャッターを切らせて頂いているんです。
上質の音楽をこの上なく楽しく聴かせてくれるTHE GOOD-BYEやヤッチンのコンサートの様子を写真に収める仕事に私が大きな誇りを抱いて臨んでいることは改めて申すまでもないでしょう。10さて今回のDVD、ショウの内容が本当に丸々収録されている。
ココまで充実した内容ともなるとファンの皆さんが羨ましいね。
もちろん競っているワケでは全くないけれど、こうなると動きもしなければ音も出ないMarshall Blogのレポートは到底DVDに太刀打ちできませんな。
そもそもDVDで観られる内容をワザワザ写真と文字で綴ったところでファンの皆さんがよろこんでくれる道理はあるまい。
ということは…DVDで見ることができないモノをMarshall Blogでお見せすればいいんでないの?とハタと閃いた。
で、考えた。
その答えはジャケットに使われていないロング(=ヒキ)とヨコ組みの写真と見た!
メンバーのソロのタテ組の写真は虫メガネ片手にジャケットで楽しんで頂くとして、今回のMarshall BlogのTHE GOOD-BYEの「40周年記念ファイナル・コンサート」のレポートは、記事のタイトルにあるようにDVDに付属している「写真館」というスタイルでお届けします。
 
さあ、開場の時間が近づいて来ましたよ~!30ハイ、満員御礼!40「右、左、右、左」…開宴時間となり、「赤いポルシェ」のインストゥルメンタル・バージョンをBGMに、隊列をなしてステージに姿を現したTHE GOOD-BYEとサポート・ミュージシャンの皆さん。501曲目は「赤いポルシェ~TAKE OFF」。50_ap野村義男60曾我泰久70衛藤浩一8040周年イヤーを締めくくるTHE GOOD-BYE。901曲目からいきなりハイライト!100背中を合わせてギター・アンサンブルを奏でる野村さんとヤッチン。110vそして、奥の方からは衛藤さんの歌声。120チョット照れた感じも初々しく、楽しそうにこのアクションを決めた2人。130MCを経て曲は1983年9月に発表したデビュー・シングル「気まぐれOne Way Boy」。
DVDには楽しいMCも丸々収録されていますからね。
ココからしばらくはTHE GOOD-BYEのシングルA面の特集。
140_kowbヤッチンがキメのフレーズを弾いてエンディングへ。118a0402ヤッチンはいつも通りMarshall。
この時はMarshallのフラッグシップ・モデル「JVM210H」と「1960A」をプレイした。160vギター・アンサンブルのイントロがうれしい「涙のティーンエイジ・ブルース」。
150_ntbこの曲は1983年のシングル…40年前にはこんな3連リズムのロック曲がシングル盤として世に出されていたんだネェ。
まだまだいい時代だった。170vスインギーなベースがゴキゲンな「モダンボーイ狂想曲」。
加賀さんのパートを担当したのは今回も名手・和佐田達彦。
190vTHE GOOD-BYEのバックを固めたのは…
 
添田啓二180vsourcesの3人、野津永恒…200加賀谷綾太郎…210日髙隼人。220「モダンボーイ狂想曲」は1984年3月の3枚目のシングル。
しつこく同じようなことを書いて恐縮ですが、こうしたジャズ・ビートの曲で勝負に臨むことができた時代でもあったんですナァ。
というか、THE GOOD-BYEってホントに色んなことをやっていたんだよね~。230_mbk「モダンボーイ狂騒曲」の4か月後にリリースした「YOU惑-MAY惑」。
歌詞は野村さん、曲はヤッチン。
私は大学4年生でジャズに狂ってロックは全く聴いていない時期だったんだけど、この曲は知ってる。
うまいことやるナァ…とタイトルに感心したことを覚えている。240_nnその4か月後の「にくめないのがニクイのさ」。
コレもリリース当時に聴いた記憶がある。250_nnTHE GOOD-BYEって、歌詞もメロディもシッカリしたフックを曲の中に組み入れるのがとても上手なんだよね。
「フックのある曲ってナンですか?」て問われたら、最近私は「ブックオフへ行ってごらん」と答えるようにしている。
店員さんが「いらっしゃいませ、こんにちは!」と歓迎してくれる店内に流れているBGMは古今のヒット曲なんだけど、何となく人の耳に残りやすいパートを持っている曲ばかりを選んでかけているように思うのね。
イギリスでいえば「Old Grey Whistle Test」を通過した曲とでもいいましょうか?
この曲でいえば、歌の最後のつい口ずさみたくなっちゃう「♪にくめないのがニクイのさ」のパート。
40年前に耳にしたこのパートが今でもスッとでて来るワケ。
コレがフック。260v以上5曲、ヤッチンがシングルA面ナンバーをリリース順に演奏したことを説明。
もちろん客席は大盛り上がり!270v替わって今度はシングルB面曲特集。
まずは「Dance×3」。
「気まぐれOne Way Boy」のB面。
A面の作詞&作曲家が手掛けた曲だが、「Dance×3」は野村さんとヤッチンのコンビで作られた。
B面曲とはいえ、もうデビューシングルの時点で自作曲を世に問うていたんだね。
作者にしてみれば、本当はこっちをA面にしたかっただろうナァ。
280_dddヤッチンのスカ・ビートのスクラミングから「二人だけのクリスマス」。
「涙のティーンエイジ・ブルース」のB面。
も~、本当に律儀というか、さっきリリース順に演奏したA面曲に呼応する形でB曲も演奏しているの。290_2ch中間部のストリングスのパートがステキ!
310次も楽しい「浮気なロンリーガール」。
380「Da Doo Ron Ron」を思い出しちゃう。
つまりコレも3連曲。
今、テレビを見ていても3連のリズムの曲って流れて来ないでしょう?
やっぱりチャンと伝統に根差したバンドって3連の曲を演るんだよね。
300「YOU惑-MAY惑」のB面「Love Again」。340コレも実にいい曲。370_dmmb衛藤さんも絶好調!
実に楽しそうだ!
360vシングルB面特集の最後は「Don't make me blue」。
320_urgこの曲はヤッチンのソロでも時々取り上げられるからよく知っています。
350_la野村さんのソロがハードに炸裂!400v「シングルのA面よりB面の曲やアルバムの方が評判がヨカッタ」と毎回ヤッチンがMCで説明してくれるけど、両方いいわ。
言い換えると、今演奏したどの曲をA面に据えても十分に通用すると思う。
「どっちをA面にするか?」…バンドも制作サイドもリリースの際には毎回悩んだのではないでしょうか?390しばし3人でトーク。
ココもオモシロかったね。008a0240次のセクションはTHE GOOD-BYEのミュージカル『ラ・ボエーム'85 ミュージカル 原宿物語』からの2曲。
1996~2008年までロングランしたブロードウェイのミュージカル『RENT』の下地はプッチーニの「ラ・ボエーム」ですからね。
このミュージカルが始まった頃、ちょうどブロードウェイに行ったんだけど、チケットを手にれるために何日も寝袋で過ごす若い人が劇場の前にたくさんいてビックリした。
THE GOOD-BYEは『RENT』より10年以上前に「ラ・ボエーム」を演っていたんですな。
まずは「ペパーミントパティTelephone」。420_pptオールディーズっぽい曲調がうれしい。430続けて「Two Nights」。440v_tnこれも問答無用でいい曲。
このミュージカル、観てみたかったナァ。
また演ってくれないかナァ?450v綾太郎くんのソロ、カッコよし!118a0248このあたりから衛藤さんコーナー。
「衛藤さんコーナー」といえばヤッチンのファンク・ストラミングから始まるコレ。480vヨイショっと!
おなじみの「花のお江戸は華盛り」!
470衛藤さんが歌にトークに盛り上げに盛り上げてコンサートの前半を終了した。
 
曾我泰久の詳しい情報はコチラ⇒soga21.com
  
DVDのお買い求めはコチラ⇒Guts Entertainment490<B館>につづく
 

200(一部敬称略 2024年8月18日 昭和女子大学人見記念講堂にて撮影)

2025年7月 2日 (水)

マルタ・ガブリエル~METAL QUEEN'S DESCEND TO UTOPIA 2025 JAPAN

 
去る5月17日と18日の2日間にわたって開催されたポーランドのメタル女王「マルタ・ガブリエル」のライブ。
Marshall Blogは18日のショウにお邪魔した。
10v当日まずステージに上がったのは日本のチーム、「エンシェント・ミス(ANCIENT MYTH)」。
「古代神話」のバンド名がふさわしいスケールの大きなシンフォニック・メタルを奏でるチーム。20流麗なプレイと独特なアクションを見せてくれるkayaくんはいつか一緒に仕事がしてみたいギタリスト。30vビックリしちゃったんだけど、ボーカルズのMichalちゃんがモーツァルトの『魔笛』で「夜の女王」が歌うアリア、「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え(以下「夜の女王」)」を歌ったんだよね。
部分的にしろコレをレパートリーに取り入れているロック・バンドに初めて出くわしたわ!
モーツァルトの生涯最後のオペラ作品である『魔的』を作ったのが1791年。
もうその時代にもなると、クラシック音楽は取りあえず考えつくアイデアがすべて出尽くしてしまって、人間の限界に迫る楽器演奏の超絶技巧や高い声がどれだけ出るか?などを競う「音楽のオリンピック」みたいな様相を呈していた。
そんな中、モーツァルトがスコアにブチ込んだのが「夜の女王」というアリアの「ハイF」という超ハイトーンだったという。
それをMichalちゃんが演ってくれたというワケ。40vこの曲は「Coloratura(コロラトゥーラ)」という声を転がすようにして歌う技法が取り入れられていて、「エディタ・グルベローヴァ」というオペラ歌手はこの曲をオハコにして大ブレイクした。
グルベローヴァは「コロラトゥーラの名手」で『The Art of Coloratura』というアルバムをリリースしているんだけどコレがいいのよ~(写真右)。
このアルバムに収録されている「グリエール」というウクライナの作曲家による『コロラトゥーラとオーケストラのための協奏曲』の「アレグロ」って曲がものすごく良くてぶっタマげた。
あのディズニーの人気曲、「星に願いを(When You Wish Upon a Star)」はこの曲を下地にしたのではないか?と私は考えている。
テルミンで演奏しているかのようにも聞こえる「夜の女王」の上を行くハイトーンで歌うグルベローヴァが驚異的にして感動的だ。50そんなMichalちゃんの歌声を擁する純正メタル・サウンドがANCIENT MYTH。55トップ・バッターとして堂々たるパフォーマンスを見せてくれた。008a0006続いての登場は「サイレント・ウインター(SILENT WINTER)」。60コチラはギリシャから。
国旗を手にして熱唱するマイク・リヴァス。
ギリシャのメタルってのは初めて耳にした。
S41a0054でも、ジャズではオモシロいモノがあるんですよ。
たとえば左のディジー・ガレスピーの『Dizzy in Greece』というアルバム。
ま、コレはガレスピーがジャケットの中でギリシャの民族衣装を身にまとっているだけなんだけどね。
でも右のアルト・サックスのフィル・ウッズの1967年の作品はドンズバ。
その名も『Greek Cooking』。
「cook」はジャズのスラングで「アドリブをする」という意味なので、アルバムのタイトルは「ギリシャ料理」と「ギリシャ人との演奏」のダブル・ミーニングになっている。
ギリシャ風のメロディをふんだんに取り入れて「ウード」だの「ブズーキ」だのと一緒に超絶技巧でギンギンにスイングしまくっちゃう。
「ゲテモノ」といえば「ゲテモノ」だけどタマらなくカッコいい。
レコーディングしたのがニューヨークだったのが玉にキズか?
95バルカン地方の音楽ってメロディもリズムもアンサンブルも実に魅力的なんだよね。
大分前になるけど「トゥルクソイ」というそっちの地方の民族音楽のコンサートに行ったことがあったが大変に感動的だった。
また観たい。
75一方かつての「ギリシャのロック」ということになると、やっぱり「エヴァンゲロス・オディセアス・パパサナスィウ」かねぇ?
ひとことで言うと「ヴァンゲリス」。
「プロッグ・ロックの名盤〇〇選」みたいな企画になると大抵出てくるのが彼がやっていた「Aphrodite's Child」というバンドの『666』というLP2枚組。
まだ「666」の意味も知らない頃、好きでよく聴いた。
他方、ギリシャには「ヤニス・クセナキス」という現代音楽の大作曲家がいるね。100とにもかくにもマイク・ヴァリスの歌声がすこぶるカッコいい!120v「It's Greek to me」なんてことが一切ないストレートなメタル・パフォーマンスは爽快そのものだった!
85そしてトリの出番となる。
下はこの日の屋台村のようす。140来日バンドのサイン入りのCDが人気を呼んでいた。150最後にステージに上がったのは…
160Marta Gabriel(マルタ・ガブリエル)170vJien Takahashi(以下「ジエンくん」)180vPaulo Awazu190vKazuhiro Watanabe200vRitti Danger210vマルタは2003年に結成したポーランドのベテラン・バンド「クリスタル・ヴァイパー(CRYSTAL VIPER)」のボーカリスト。
…ってんでポーランドについてもマーブロ的におさらいしておきましょう。220vポーランドの音楽家といったらやっぱり断トツで「フレデリック・ショパン」でしょうナァ。
でもショパンの音楽とは似ても似つかない現代音楽もスゴイ。
「クシシュトフ・ペンデレツキ」とか「ヘンリク・グレツキ」とか…タマ~に聴くとなかなかいいもんです。
とてもいつもは聴いていられないけどね。230ジャズでは「マイケル・ウルバニアク(Michael Ulbaniak)」というとてもいいヴァイオリニストがいる。
「ラリー・コリエル」と共演した右の『A Quiet Day in Spring』というアルバムの1曲目に収録されている「Rue Gregoire Du Tour」は超名曲だ。
「Polish Reggae」なんていうポリ・リズムのウルバニアク作の変わった曲も入っている。240ロック・バンドも少なくないようなんだけど、ほとんど知らん。
その中にあって1960年代から活躍していた「チェズロー・ニーメン(Czesław Niemen)」はすごくいいな。
歌声がとにかく魅力的なのだ。
左の『Niemen Aerolit』という1975年のアルバムは「プロッグ・ロックの名盤」と言って何ら差し支えないでしょう。
それと「SBB」はひと通り聴いた。250音楽から離れて…映画となるとアンジェイ・ワイダとロマン・ポランスキーということになるか?
戦時中、「コルチャック先生」や「コルベ神父」のような博愛の偉人がいたこともつとに有名だが、戦争に関して言えばポーランドにはスゴい話がある。
それは下の機械。
Marshall Blogを欠かさず読んでくれているジエンくんであればこのタイプライターのような機械が何をするためのモノかをご存知であろう。
「CODE」を発売する時にさんざんやった。
コレは「エニグマ暗号機」。
第二次世界大戦中にドイツが開発した難攻不落の最強の暗号「エニグマ」を作り出す装置。
暗号というモノは最終的には解読者側が勝つことになっているんだけど、連合軍はどうしてもこの機械が送り出す暗号を解読することができなかった。0r4a0840それを打ち破ったのがイギリスの「アラン・チューリング」という数学者。
チューリングは「The Bombe(ボンベ)」という機械を作ってエニグマを解読し、その功績が第二次世界大戦の終結を2年早めたと言われている。
そして、そのボンベが現在のコンピュータの基礎になったという。
「今頃?」という感じがしないでもないが、一番新しいイギリスの最高額紙幣である50ポンド札のデザインにはアラン・チューリングが採用されている。
また一説によれば、アップル・コンピュータのロゴのリンゴをカジったのもアラン・チューリングだと言われている(←コレが気になる人はコチラをどうぞ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】vol. 46 ~ ブレッチリー・パーク <その2>)。
 
ところが…50p実はエニグマを一番最初に解読したのはチューリングではなく、下の「マリアン・レイェフスキ(Marian Rejewski)」というポーランドの数学者だった。
モノの本によると、ドイツのポーランド侵攻が第二次世界大戦の発端となったように、ポーランドという国は古来より周辺の国にイジめらられがちたったのだが、「武力よりも知力で国を守る」というような精神があって、このエニグマ解読にあたってもその精神が奏功しだそうだ。
素晴らしく頭の良い人がたくさんいるのだそうですよ、ポーランドには。
Marienさて、マルタのショウは前半をクリスタル・ヴァイパーのレパートリーで固めた。
オープニングは「Still Alive」。260ノッケからストレートに大疾走!
500_mo「こんばんは東京!
とても温かく迎えてくれてどうもありがとう!
2日間にわたって皆さんにヘヴィ・メタルの夜をお届けしています。
そんな夜にふさわしいタイトルの曲を演奏します」280v_m演奏したのは「Bright Lights」。290_blサビのメロディがとても印象的な1曲。300vジエンくんのソロ。310v前回の記事で紹介したようにジエンくんは例のMODE FOURのスピーカー・キャビネットのAB上下を持ち込んだ。320v8Ω使いで400Wの入力として稼働する「MF400A」と「MF400B」。340ヘッドは「JCM900 4100」。350このキャビネットから出る音で自信に満ち溢れたギター・プレイを聴かせてくれた。360v下手ギターのPauloの背後にも…370v「1960A」と「1960B」がそびえたった。
しかし、いつ見ても貫禄のあるAキャビだナァ。380vこちらもアンプ・ヘッドは「JCM900 4100」だ。390「次の曲もクリスタル・ヴァイパーの曲でビデオにもなりました。
ビデオはお気に召して頂いたかしら?」S41a0100 ドラムスと…410_wsgdベースでスタートするヘヴィなミディアム・スロー・ナンバーは「When the Sun Goes Down」。420私のような超オールド・スクールにはこうしたトラディショナルなハードロックっぽいテイストが実にシックリくる。
カッコいいわ~。430「サンキュー!サンキュー!サンキュー!
皆さんがスロー・テンポな曲がスキだったらいいんだけど…。
ナゼなら次はスローな曲なの。
最新のアルバム『The Silver Key』のタイトル曲よ!」440v_m2ジエンくんの弾くリフに…450v_skマルタの歌声が重なる。
460vスローってほどのことでもないヘヴィ・チューン。
イヤ、別にスローでも全然構わないんですが。
この曲も少しエキゾチックがかったサビのメロディが魅力的だ。
480そのサビのメロディをマルタとユニゾンで弾いてそのままソロに突入。
典型的なロック・フレーズの連続が小気味よいぞよ!470v「以上がクリスタル・ヴァイパーのセレクションでした。
ココからはショウのパート2に入るわよ。
セカンド・セットでは私のソロ・アルバム『Metal Queens』からの曲を歌います。
80年代のオールド・スクールの女性が歌うヘヴィ・メタル・バンドのファンはココにいるかしら?
(客席の反応はバッチリ)
もちろんいるわよね~!
それじゃ、もうひとつ訊くわよ…どんなバンドが好きなのか名前を叫んでくれる?」
「$%&=!」、「|*+?!」、「>?+*!」…と客席からたくさんの声が上がったが、私はサッパリわかりませんでした。
私のオールド・スクールは60~70年代なもんで。
「完璧ッ!いいチョイスね!
かえって皆さんから教わっちゃったわ!」490v「アーユーレディ?アーユーレディ、ジャパン?!」と十分にアオっておいて…2702021年にリリースしたマルタが80年代の女性シンガーのメタル・バンドの曲をカバーしたソロ・アルバム『Metal Queens』から「エイシッド(ACID)」の「Maxoverload」。
510vコリャまた泣く子も黙るドライビング・チューンだわ!520v「リー・アーロンのファンはいるかしら?」と客席に問いかけて演奏した続いての曲は「Metal Queen」。
「ハンク・アーロン」か「アーロン・ネヴィル」なら私も知っているんだけどな…。
530v_mqこれまたミディアム・ファストのヘヴィ・チューン。
しかし、いい声だな~。ピッチは完璧だし。
キュ~っと高い声を出した時なんかアン・ウィルソンを思い出してしまう。540各曲でクールにソロをキメていくジエンくん。550v続いては「ゼッド・ヤーゴ(Zed Yago)」の「Rebel Ladies」。
590コレはドイツのバンドかな?
初めてバンド名を耳にした。
あんまり「知らない、知らない」と言っていると「それでもMarshall屋か!?」なんて怒られちゃいそうだけど、知らんものは知らん。
ヘタに知ったかぶりをするよりはるかに潔かろうぞ。
S41a0277でも、曲は知らなくてもマルタの声を聴いているだけで十分に楽しめる。600vひと時も休むことなく激しく動いて、徹底的にシャウトするその姿は感動的だ。
曲席からも「マルタ~!」と応援する声が始終上がっていた。
580_ma「さっき皆さんに好きな80年代の女性シンガーのメタル・バンドは誰か?と訊いた時に上がった名前だと思うんだけど…次はそのバンドの曲よ」S41a0225_2「You are my angel!!」と叫んだこの曲のオリジナルはイギリスの「ロック・ゴッデス(Rock Goddess)」の「My Angel」。0r4a0019 「♪You are my angel」と連呼するマルタのド迫力ボーカルズ!560vそのまま続けて「マルティーズ(Malteze)」の「Count Your Vlessings」。008a0260 次の曲ではちょっとテンポを落としてジエンくんのソロでスタート。
一旦曲を区切って…
610_gw Pauloがリフを弾くと…620v曲は胸のすくようなドライビング・ナンバーと化す。
「ウェンディ・オウィリアムス(Wendy O'Willians)」の「Goin' Wild」。
何ですか?この人はステージでギターをチェーンソーでブッタ斬ったりしちゃった人なんですって?
物騒だナァ。
マルちゃんはそんなことしないでネ。
630ベース・フィーチュアのパートから…
570vギター・ソロを経て曲はクライマックスへ!640「サンキュー・ジャパン!
また質問よ。
今回は私にとって初めての日本だから質問が多いのよ…許してね。
みんな…80年代のメタル・バンドでドロ・ペッシュのウォーロックって知ってる?」
お客さんの多くがご存知のようだった。
コレもドイツのバンドなのね?
660「ウォーロック(Warlock)」の「Mr. Gold」。670_mgいよいよ冴えわたるマルタのシャウト!
「素晴らしい!」としか言いようがないぞ!680vバンドとのコンビネーションもバッチリだ。690次の曲はエージェント・スティールの「Agent of Steel」。
コレはLAのチームか…「日本製鉄」みたいなバンド名ですな。
「次は、もしみんなが日本のメタル・ヘッズなら次の曲を一緒に歌ってもらいたいの。
歌ってくれるわよね?
みんなが『♪Maters of metal』って歌って私が『♪Agent od steel』って答えるのよ」
早速お客さんと練習。
「♪Masters of metal!」
「♪Agents of steel!」
S41a0230「大体いいわ。でもそんな小さい声ではダメ~。
バンドが入ったら聞えなくなっちゃうわよ!
もう1回練習ね!」770v_c_r練習がうまくいって曲に突入!730vコリャまたよりによって破天荒にメタルな曲だな~!
740vハイ、みんなで!
「♪Masters of metal!」008a0263 「♪Agents of steel!」
760vバッチリとキマったんじゃないスか?700vお客さんも大興奮!
「ちょっとラウドにナニか歌ってみましょうか!」
ココでジックリとマルタとコール&レスポンス。
「♪オ~オオ!」だの「♪アァァァァァ!」だの、低音から超高音まで幅広い音域を繰り出してくるマルタにお客さんが負けていない!750続けてジエンくんがア・カペラでギター・ソロを奏で出す。780_slMODE FOURキャビを背中にバリバリとシャープなフレーズを繰り出す。790vソロの最中にナニこっち見てんのサ?
おおッ!コレは!?
急にクリーン・トーンに切り替えてアル・ディ=メオラの「Mediterranean Sundance」を弾き出したではないの!
昨日は歪ませて弾いたのだそうだが、今日は私が来ているので正調派クリーン・トーンで弾いてくれたそうです。
それで私の方を見ていたのね?
ジエンくん、ありがとう!800そのまま…おおッ!?
曲はスコーピオンズの「Tha Sail of Charon」へとつながった。
高校の時、私は最初の1小節しかコピーできなかったが、あのウリが弾くエキゾチックなイントロをジエンくんはいとも簡単に流麗に弾いて見せた。
そういえばこのイントロのギター・ソロが「デューク・エリントン(正確にはファン・ティゾールという人)」作の「Caravan」のテーマに似ていると指摘した人がいたが、フムフム…それも結構言い得て妙だわな。S41a0162「Charon」は「カロン」ではなくて「シャロン」と発音するみたい。
どっちが正しいのかは知らないけど、曲を作ったウリ自身が「シャロン」って言っていた。
ギリシャ神話において、「シャロン」は「アケローン」という三途の川(ステュクス=Styx)の支流を渡る舟を有料で操る醜い老人のことらしい。
言ってみれば「矢切の渡し」の船頭さんみたいなものだ。S41a0122 この曲、『Taken by Force』が出た時に「カロンの渡し守」という邦題でシングルカットされていたけど、曲名の意味としては「シャロンの帆」とか「シャロンの帆船」とかいう意味になるハズだと思うのです。
ちなみに「sail」には「渡し守」という意味はなく、相当する英単語は「ferryman」。
この邦題だと「シャロン」が川の名前みたいに思えてしまってあまりウマくないのでは?と昔から思っていた。S41a0273 今日、初めてバンド演奏で知っている曲が出ました!
うれしいなったらうれしいな!
800_sosその私のよろこびを倍増させてくれたのが、クラウス・マイネもマッツァオのマルタの歌声!
問答無用でカッコよかったわ。
810vそういえばジエンくん、「マルタはがスコーピオンズが好き」だとか言っていたっけな。
私も高校の時に好きで2回目の来日公演を中野サンプラザに観に行った。
「マイケル・シェンカーが来る」って宣伝していたけど来なかった。
UFOの時も来なかった。
おかげで私はとうとうマイケル・シェンカーを観ずして墓に入りそうだ。
820「次はとてもスペシャルなサプライズよ!」S41a0181マルタが曲名をシャウトするやいなやジエンくんがクールなリフを弾き出した。830_ivマルタが「スペシャルなサプライズ」と言ったのは、ジエンくんがやっている「マジャスティス(MAJUSTICE)」のレパートリーを取り上げたから。
曲は「Infinite Visions」。840勇猛果敢に疾駆する今風の真性メタル・チューン。850ジエンくんは水を得た魚のように思う存分ソロを弾きまくった。
イヤ、「Marshallを得たロック・ギタリスト」のように…か?860「どうもありがとう!
今日最後の曲の時間が来てしまいました。悲しいわ。
最後に『グリム・リーパー(Greim Reaper)』の…」
メロディをつけて「♪See~ You~ in Hell~!」と曲を紹介した。
870v本編最後とあってマルタと一緒に暴れまくるバンドの皆さん!870 880v 880 890最後まで激唱の限りを尽くしたマルタ・ガブリエル。
ステージ狭しと動き回り、MCでは笑顔を一時も絶やさず、すごいショウマンシップだった…今はショウウーマンシップって言うのかな?
曲は「シャロン」1曲しかわからなかったけど、見ていて全く飽きることのないショウで、彼女の熱量にはスッカリ感動してしまった!
そして本編が終了。
900vでもね最後の「グリム・リーパー」は知っているの。
ナゼならグリム・リーパーの創設者、「ニック・ボウコット」はかつて長年アメリカのMarshallに勤めていた20年来の私の友だちなのです。
フザけて彼は私のことを「TDMF」、私は彼のことを「ADMF」と呼び合う仲で、彼がMarshallを離れてしまった現在でも時折メッセージのやり取りをしている。
この4文字のアルファベットはザック・ワイルドがサインをする時に自分の名前に添える「SDMF」のパクリ。
下は前回のMODE FOURの記事で出て来たフランクフルトの展示会の時の写真。
「フランクフルト中央駅」の前のパブでイッパイやって上機嫌になっているところ。
Vサインを出しているのがニック。
それにチューしようとしているヨッパライが私。905ニックはMarshallの50周年を記念して上梓された本をマイク・ドイルというMarshall研究家と共著し、私はその日本語版の監修を担当した。
Mbkさて、ジエンくん。
今度はイタリア。
盟友イヴァン・ジャンニーニとの「ヴァイオレット・エターナル(VIOLET ETERNAL)」の公演が近づいている。
「THE冠」とのダブル・ヘッドライナーだ。910v皆さんもご存知のように音楽の世界的な趨勢として、旧来型の激しいロックが絶滅の危機に瀕していると言っても過言ではない状況にあるでしょ?
そんな環境下、海外のミュージシャンと連携を取って独自の活動を続けているジエンくんはエライと思う。
アニメやゲームに関わるバンドや女の子バンドが海外へジャンジャン出かける中、日本国内で海外のミュージシャンと交流を重ね、マッド・サイエンティスト的に自分の理想とする音楽を追い求めているジエンくんに本来の「ロック・ミュージシャン」の姿を見出す。
今回、彼はMODE FOURというスピーカー・キャビネットの伴侶を得たが、肝心のアンプの方はまだ安定していないようなので、Marshallでしっかりした真空管アンプのシステムを構築して、最上のアナログ・ギター・サウンドで音楽づくりに邁進することを願ってやまない。
今のままではモッタイなさすぎる。
008a0268_2アンコールでは「ブラックレース(BLACKLACE)」の「Call of the Wind」を演奏した。920_encショウの最後を飾るにふさわしい鉄壁のドライビング・チューン。
バンドも客席も徹底的に燃え上がった~!925マルタ・ガブリエルの詳しい情報はコチラ⇒CRYSTAL VIPER OFFICIAl WEBSITE
Jien Takahashiの詳しい情報はコチラ⇒VIOLET ETERNAL OFFICIAL WEBSITE

930 

200(一部敬称略 2025年5月18日 新宿HOLIDAYにて撮影 ※取材協力:ルビコン・ミュージック

2025年6月27日 (金)

SHOW-YA~NAONのYAON 2025

 
去る4月29日、例年通り日比谷野外大音楽堂で開催された『NAONのYAON 2025』。
4年ぶりにお邪魔してSHOW-YAのステージを取材させて頂いた。10延期になっていた改修が実施されることになり、いよいよ今年の10月1日から野音が休業に入るそうだ。
ワザワザ言わなくてもわかっているでしょうけど、私も古い人間でしてね…野音は楽屋が木造だった頃から出入りしているんですわ。
それでも「日比谷野音」といえば今の「野音」。
それがなくなってしまうのはやっぱり寂しいね。20下は「第1次漫才ブーム」だった昭和55年(1980年)、ココで「漫才とロックの融合」みたいなイベントがあって、その木造だった楽屋でもらった出演者のサイン色紙3枚。
私は高校3年生だった。
左からゆーとぴあ、ツービート、ザぼんち。
ツービートの色紙はたけしさんが全部書いてくれた後、「ホラ、サインしてやれよ」と色紙をきよしさんに渡し、きよしさんは名前だけ書き入れた。
とても楽しかった野音の思い出のひとつ。Img_3853しかし何と言っても野音の一番の思い出は『NAONのYAON』だ。
下は2013年、5年ぶりに開催された時の写真。
この時から2021年までの8年間、計9回にわたって写真撮影を担当させて頂いた。
そして、それらすべてのショウをMarshall Blogに残すことができたのはとても光栄であり、その記事は日本のロック史の記録として大きな意義を持っていると信じている。
10_4 今回のNAONのYAONティーシャツは恐竜。30赤いバラで飾られた吊り看板。
「Powered by 越乃寒梅」…まだ若い頃、信州にいた時、散歩がてら子供を連れてブラっと上司の家に新年のご挨拶に伺うと「おお、ちょうどいいところに来たな~。『越乃寒梅』があるから上がって飲んでいけや」と言われ、お言葉に甘えて飲み出したら止まらなくなってしまい、2人で2升チョット呑んだことがあった。
私はそう呑める方ではないが、その時はおいしくてね~。
もちろんどうやって家に帰ったのかはサッパリ覚えていない。
この吊り看板を見て真っ先にこのことを思い出してしまった。40アッツアツにあたたまった野音の客席。
後はトリの出番を待つだけ。0r4a0003 そしてSHOW-YAがステージに上がった!
「Fairy~!」45v恵子さんの一声でショウがスタート!50寺田恵子118a0402 五十嵐☆sun-go☆美貴70v中村”captain"美紀80v仙波さとみ90v角田"mittan"美喜100vSHOW-YAのキラー・チューンのひとつ。
やっぱりいつ聴いてもいい曲だ。110_2「♪今は何もI can't see」…Fairyポーズもバッチリとキマって…120sun-goさんがトレード・マークの開放弦を使ったメロディアスなギター・ソロをブッぱなす。130sun-goさんはもちろんMarshall。
客席から見えているsun-goさんのMarshall。
いつも使っている下のスピーカー・キャビネットは「1960ADM」。
メガデスのデイヴ・ムスティン・モデル。
140vヘッドはステージ袖にセットしてある「JVM410H」。
この組み合わせで長年にわたってあの轟音を作り出している。150スピーカー・キャビネットの上に乗っているのはMarshallのアコースティック楽器用アンプ「AS100D」。
sun-goさんは小柳ゆきさんのステージでコレを使用した。160ギター・ソロに続くキーボード・ソロ。118a0063フロントの3人がステージ中央で激しく舞う。170そしてsun-goさんとさとみさんの間を割って恵子さんが進み出る。
4年ぶりに見たけど…相変わらずカッコいいわ~。180「ピンク色の素肌」から「濡れた髪」まで以前と全く同じで涙が出たわ~!
118a0043「サンキュー!どうもありがとう。
こんばんは、SHOW-YAです!
ホントに今日は改修前の最後の野音にこんなにたくさんの人に来て頂き、空も祝福してくれてうれしいです。
ありがとう!」
190v「ということで次の曲は若いボーカルさんと一緒に歌いたいと思います。
NEMOPHILAからmayu、そしてHAGANEから凪希!
SHOW-YAはどちらかと言うとコブシを振ったり、頭を振ったりとか、そういう曲しかないです。
次の曲も頭振ります!
なので怪我しない程度に一緒に頭を振ったりコブシを振り上げて歌ってください。
よろしく~!」200vsun-goさんが弾くヘヴィなリフから…210v2人のシンガーを迎えて演奏したのは「私は嵐」。220_waキラー・チューンの連続に客席は大興奮!230パワフルに歌うmyuちゃん。
300そして、sun-goさんのソロ。
からの~…
260vさとみさんのベース!270vゴリンゴリンと相変わらずの激低音が炸裂した。280ココは通常であれば恵子さんとSun-goさんの「嵐ポーズ」につながるんだけど、今日はゲストと一緒なのでなし。290それに代ってmayuちゃんとも…
240凪希ちゃんとも息の合った演奏を聴かせてくれた。
250「SHOW-YAは今年の8月でデビュー40周年を迎えます。
87年に『100ライブ』というのをやったんですが、40周年を機に再びやろうということで老体にムチ打つ覚悟をしました。
デビューした時、sun-goがSHOW-YAに入った最初のライブが鹿鳴館だったんだと思うんだよね。
そこで当時を思い出しながらライブを演りたいということで8月31日に目黒鹿鳴館で演ります!」
ココでSHOW-YAのその他の予定を紹介。
330v「SHOW-YAは『MUSIC BB JAPAN』というテレビ番組に出演させて頂いております。
毎回いろんなアーティストのカバーを演らせてもらってるんだけど、これから放送される曲をお初でココで演ってしまおうという…。
世の中にまだ出回ってない曲を演ります。
初めてでドキドキするけれど、みんなは絶対に聞いたことがある年代でしょうから一緒に楽しんでいきましょう!」320ナニを演奏するのかと思ったら沢田研二の1981年のヒット曲「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」。008a0202ムム?
The Kinksバージョンの「Milk Cow Blues」のようなイントロのアレンジ。350この曲は流行ったでね~。
恵子さんのMC通り、恐らく客席に知らない人は皆無だったでしょうね。
ちなみにこの曲が流行った時は大学の1年生でした。360vキャプテンがシンセサイザーで乗せて来る伴奏のメロディがスゴイ。
恵子さんの歌はオリジナル通りなんだけど、このキーボーズが出て来ると別の曲になっちゃう。370vsun-goさんはギターを持ち替えて演奏。375v恵子さんのシャウトがとてもよく曲にマッチしていた。390v続けざまに「BATTLE EXPRESS」だぁ!
420v「♪Show me the power!」Www 「♪パワ~!」
520恵子さんとさとみさんの「伝説のバトル」。470スケールの大きなバンド・アンサンブルからmittanのドラムスが大爆発して…430キャプテンと…440vsun-goさんのソロ・バトル!118a02572人ともスリリングなフレーズを戦わせたあと、鉄壁のハーモニーで曲をクライマックスに導いた。460vまさに激演!
客席から大歓声が沸き上がった。480v出番の最後、すなわち『NAONのYAON 2025』本編の最後を飾ったのは…もちろん「限界LOVERS」!490_gl今の野音での最後の演奏に全力を注いだ5人!500v 510v 118a0490 530v 540v「♪Back to the fire!!!」550サオ回しも完璧にキマった~!570「ありがとうございました~!」600「サンキュー!どうもありがとう。
このままアンコールに突入したいと思います。
冷たい風が吹いていますが、最後の最後までみんな帰らず残っていてくれてありがとうございます。
『NAONのYAON』をキレイなバラで飾ることが出来てとてもうれしいです。
そして新しい野音が出来たらまたココに戻って来たいと思いま~す!」
ココで恵子さんが来年の4月29日に20回目の『NAONのYAON』が開催されることを発表した。
野音は営業していないので会場は「横浜BUNTAI」。
「ブンタイ、ブンタイ」っていうからナニかと思ったら「横浜文化体育館」の跡地にできた施設なんですってネェ。
ヨカッタねぇ、来年も開催されて!
雨の心配はないし。
118a0117「さぁ、この景色で演やるのは最後になります。
皆さんの五感でこの景色を感じて最後に一緒に盛り上がっていきましょう!
今日はどうもありがとう!」Zzz最後は恒例の全員参加による『NAONのYAON』のテーマ・ソング「RocK Love」。0r4a0083銀テープが春の日比谷の空に舞い…610満員の客席から大きな歓声がステージに送られた。620_19「ありがとうございました~!」630ステージにひとり残った恵子さんの〆のルーティン。
「みんな…愛してるよ~!」008a0445こうして現在の日比谷野外大音楽堂での最後の『NAONのYAON』の幕が下ろされた。640SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

650 

200(一部敬称略 2025年4月29日 日比谷野外第音楽堂にて撮影)

2025年6月25日 (水)

THE LOVEROCK VIOLENT & ZEP道楽~乙部ーオトチーヒロ還暦ROCK

 
NERVOUS BREAKDOWN、THE LOVEROCK VIOLENT、王様、そしてかつてはCALAVERASでMarshall Blogではおなじみのドラマー、乙部ーオトチーヒロの還暦を祝うイベントのレポート第2弾。
2番手でステージに上がったのはTHE LOVEROCK VIOLENTだった。
10v幻想的なSEがピタリと止んでタイミングよく入って来たのは「臼井OZMA孝文」のベース。30v2小節すると本日の主役「乙部ーオトチーヒロ」のドラムスが加わる。
4小節にしなかったこの短さがタマらなくカッコいい!40vそして「清水賢治」のオルガンに…S41a0350「Atsuo」のギターが加わる。60v一心不乱にアコースティック・ギターをストラミングする「木村直樹」。70vまずはいつも通りインストから。
THE LOVEROCK VIOLENTのステージのルーティンだ。
この演出がいいのよ。
曲は「No.5」…といってもぺレス・プラードとはゼンゼン違いますからね。
80「盛り上がっていくゼ!」90vこのインストゥルメンタル・ナンバーでもうすでに盛り上がってしまう。
2曲目は「Fallen Angel」。100_fa直樹さんのロック・ボーカルズはいつ聴いてもゾクっと来るね。
やっぱりロックはこういう声で、こうやって歌い方で演って欲しいのよ。110ノッケから「オトチ・ビート」爆発!120Atsuoさんのソロ。
もちろんAtusoさんはいつもちゃんとした使い方でMarshallを鳴らしてくれる。130今日は「JCM900 4100」と「1960A」。
フットスイッチをつないでアンプで歪みを作っている。
140vだから猛烈に音が太く、そして音ヌケが良いのだ。
しかしカッコいいよな、Atsuoさん。
ストレートな長髪、Marshallにレス・ポールという組み合わせがそうさせるのか、Atusoさんを見るといつもスコット・ゴーハムを思い出してしまう。
ゴーハムよりAtsauoさんの方がカッコいいけどね。
150v直樹さんの「♪Do what you wanna do」の歌声が何とも耳に残る1曲。160「皆さん、今日はオトチの祝いに駆けつけてくれてどうもありがとう!
オレら、短い間だけど最後まで楽しんでいってください!」
正装の直樹さん。
170v_mc以前からズッと気になっていたのが、このゼムクリップのような直樹さんのスーツのガラね。
アルファベットがプリントされているのかと思っていたらそうでもないのね?
こんなの直樹さんじゃなきゃ着られないよ。とってもよくお似合いだ。
私が着ているところを想像してご覧よ。
この模様が広がって全部「〇」になっちゃって…我ながらオモシロイわ。
180vパワフルなバンド・アンサンブルでスタートする3曲目。
220サングラスをハズした直樹さんが歌うのは「激情」。
165_gj♪ズンズンガンガラ、ズンズンガンガラと猛り狂うオトチ・グルーヴが気持ちいい!190vディレイを少し深めにかけたAtsuoさんのソロが炸裂。210v直樹さんが「♪堕ちていく 堕ちていく」と歌うパートがすごく好き。0r4a0467 清水さんのピアノからスタートするバラードは「異邦人」。230v_ihj手を上げて徹底的に感情を移入して歌い込む直樹さん。240vOZMAさんのスケールの大きいベース・ラインが曲をドラマティックに演出する。260vこうした曲には欠かせない「泣きのギター・ソロ」はAtsuoさんがバッチリとMarshallでキメてくれた。
やっぱりチャンと使った時のMarshallサウンドは無敵だわ。250v思い入れタップリの直樹さんの熱唱が聴く者に大きな感動を与え…S41a0487曲は再び清水さんのピアノで幕を下ろす。270「今日はもう雨止んでますよね?
昨日も降っちゃって…ウチは、ホラ、いるから。
まだいるんですよ、雨男と雨女が。
っつーことは×2とか×3で考えなきゃいけないと思って覚悟して来たんですけど、×1ぐらいで済んでヨカッタ。280「なんの話?」
「マァマァ…嵐を呼ぶ男OZMAです!」290ココで乙部さんの還暦をみんなでお祝いしよう…と、直樹さんとお客さんのコール&レスポンス。
「♪オ~トチ~、おめで~とう」
「♪オ~トチ~、おめで~とう」
310_escバス・ドラムを踏みながらみんなの祝福を一身に受け止める乙部さん。
330「♪オ~トチ~を祝おう」
「♪オ~トチ~を祝おう」
320vそのまま曲は「Escalation」へ!340コレも好きな曲。
実は私は時々「♪エ~スカレーション、エ~スカレーション」と直樹さん気分で口ずさんでいる時があるのだ。
しかし、カッコいい声だナァ~。
370v_esc直樹さんのストラミングのピックアップ・ソロ。350続いて展開していくインストゥルメンタル・パートがことの他カッコいい。360再びそのまま続けて乙部さんのビート・スタートで次の曲が始まる。380_ssgギターを降ろした直樹さんがシャウトしまくるのは「She's so Good」。390リズムから曲想からLOVEROCKテイスト満点の1曲。
メンバー紹介を兼ねて全員のソロがフィーチュアされた。400v「オン・ギター、Atsuo~!」410v「今日の主役!オトチがイクぞ~!」420「嵐を呼ぶ男、オン・ベースOZMA!」430v「オン・キーボード、清水賢治!」440vこのバンドは直樹さんの歌の下、メンバーそれぞれの持ち味がとてもいい具合に発揮されていて、
ショウのつくり方も上手だし、ポップさとロックさが絶妙な匙加減でミックスされている曲もいいし、とても魅力的なバンドだと思うのです。450v去る5月18日、LOVEROCK VIOLENTはニュー・アルバム『COLORS』を発表した。
それに関してアルバムの視聴会の開催やツアーを案内。
続いて…
「乙部さんの赤い帽子…チャーミングじゃないですか?
実はボクが乙部さんのファンの方から預ったんですよ。
わざわざオーダーで作ってもらったらしいですよ。
見ていてわかると思うんですが、彼はLOVEROCKの中ではマスコット的な役割というか、かわいらしいじゃないですか…カッコいいって言った方がいいのかな?
かわいいヤツなんですよ。だからツアーになると必ずイジくられる。
どんだけイジられるかを個人的にすごく楽しみにしているんです」0r4a0530 そのプレゼントの赤い帽子をかぶってご満悦の乙部さん。
ジョン・ボーナムゆずりのボーラー・ハットもいいけれど、この赤い帽子もとてもお似合いですぞ!
12_s41a0633 ココでOZMAさんのMC登場。
恒例の「Atsuoさん殺害計画」で大爆笑が沸き上がった。
「殺意を憶えたことは、2度3度。京都ではひき殺しそうになりました。
みんなで機材を降ろしてる時に、角で隠れて待っていて、終わった頃を見計らって、こんな風(髪を指でサラっとなびかせる仕草)にしながら『降ろしました?』やて。
見てたやろ?殺す!
機材車でそのままひき殺しそうになりました」
「マァマァ、すごく仲良いですから…ね!
そんなLOVEROCKがツアーに出ますのでよろしくお願いします」470続いて直樹さんの弾き語りから始まる『COLORS』に収録された「彼方」。500作者は乙部さん。
イメージだけでモノを言ってはいけませんが、おおよそドラムスの人が作った曲とは思えない心おだやかな1曲。510v清水さんの分厚いキーボードをはじめとしたバックに支えられて…560v直樹さんが切々と歌い上げた。
520LOVEROCK VIOLENTの出番最後の曲は「MISERABLE」。570v前の曲とはガラリと雰囲気を変えたイケイケ・ナンバーに大盛り上がり!580そのまま続けてエンディングのインストゥルメンタル・ナンバー「Rage」へとつなげた。590そして、最後はいつも通り直樹さんのジャ~ンプ!600「ありがとうございました!」
 
THE LOVEROCK VIOLENTの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL WEBSITE

610LOVEROCK VIOLENTの屋台村。
この日は10日だったので『COLORS』はまだ店頭に並んでいない。
20コチラはおとなりの「ZEP道楽」の屋台村のようす。620そしてこの日のトリ、その「ZEP道楽」がステージに上がった。
見ても聴いてもわかるようにレッド・ツェッペリンのサウンドを追求するチーム。
もちろんオープニングは「Rock and Roll」だ!
630ロベルト岩崎650Motoi660vジョンジー中野670vそして本日の主役3回目の登板、乙部ーオトチーヒロ。680v続いて「Celebration Day」。
中学生の時、あのライブ・アルバムが出てすぐに「石丸電気のレコード館」へ買いに行ったっけナァ。
この「Rock and Roll」からこの曲につながる流れにエラく興奮したものだった。690_cdそして「Black Dog」が続いた。700_bdMotoiさんは「JVM210H」と「1960A」を使用。800v驚いたのは新しいペダルがボードに入っていたこと。
コレをプリアンプとして使用していた。810「アリガトウ!
改めて乙ちゃん、還暦おめでとうございます。
コレを叩くためだけに生まれて来た男!
コレを演らせたら世界で1番上手いんじゃないかと。
いつも3時間半ぐらい演っているZEP道楽にしては短いんですが、最後までよろしくお願いします!」830v_mレッド・ツェッペリンについてナニか書きたいとも思うんだけど、乙部さんがサポートしている王様の『レッド・ツェッペリン研究会』のライブ・レポートの時に「私の研究結果発表」としてほとんど全部レッド・ツェッペリンに関するウンチクを吐き出してしまったので今回は書きません。
その記事はコチラ。
 ↓  ↓  ↓
直訳ロッカー 王様『ツェッペリン研究会ライヴ 』<前編>
直訳ロッカー 王様『ツェッペリン研究会ライヴ 』<後編>

ひとつだけ…もうとっくの昔に辞めてしまったんだけど、Marshallにとても仲のいいエンジニアがいた。
ニューカッスルの出身で大のレッド・ツェッペリン・ファン。
彼は何回かツェッペリンを観たそうだが、『Physical Graffitti』を発表した頃、地元ニューカッスルで観た時の演奏は腰を抜かすほどスゴかったそうだ。
とにかく音のデカさに押しつぶされそうになったという。
向こうの電圧は230Vでしょう?
もうMarshallの音が日本とは全く違うんですよ。
そして、やっぱりジョン・ボーナムのプレイが最高だったそうだ。
今、その友人はAC/DCのブライアン・ジョンソンが在籍していたことで知られる「Geordie」というバンドでギターを弾いている。
「Geordie」というのはニューカッスル出身者のアダ名。
リバプールは「Scouser」、バーミンガムは「Brummie」、マンチェスターは「Mancunian」、ロンドンは「Londner」他いろいろ。
以上、ご参考まで。150v Motoiさんがダブルネックに持ち替えて「The Song Remains the Same」。840_srs乙部さんの気魄が生半可じゃないわ!12_s41a0799曲を重ねるごとに入り込んでいく感じ?
そもそも「ZEP道楽」というチーム名は「ZEPドラッグ」のモジリなんですってね。
ウマいな。完全に「アディクテッド」ですな。
アレ?0r4a0881_2 客席の一番前で「KANREKI60オトチ」と書いた派手なウチワを手にした女性は……LOVESTORMのYuko-rinさんではないの!
何でも気合を入れて真剣にZEP道楽を観ていたのでこんな固い表情だったとか。
ウチワは隣に座っているお友達が作ってくれたのだそうだ。
強力な乙部さん応援部隊だ!870v 「どうですか、皆さん?コレが乙ちゃんの本来の姿ですよ!
次は去年の秋に演ったんですが滅多に演りません。
でも、ホントに乙ちゃんじゃなきゃ出来ない。
日本にはレッド・ツェッペリンのコピー・バンドがい~っぱいあるけど、コレを演ってるのは絶対ウチしかいません!」850「ありがとうございます。
長々とやっていて、やっぱり身体の中に入っているのがボンゾ。
せっかくのメモリアルな機会ですから特別なことをしようと…マァ、リズムのソロなんです。
ほとんど針の穴に糸通すようなフレーズばっかし…出来る限り演ってみます。
途中で失敗しても笑ってください。
出来る限りのことは演りますので…」880vキーボーズに転向した中野さんと乙部さんだけで演奏するのは『CODA』に収録されている「Bonzo's Montreux」。
890_bm本家も完全に再演したことがなく、1977年に本人が「Moby Dick」のソロの中でその一部を演奏したことがあるにとどまっているのだそうだ。
それを乙部さんが丸々演奏してしまったというワケ。
930vスイスのモントルーのスタジオで録音したジョン・ボーナムの演奏にジミー・ペイジが後からスティール・ドラム他の音を重ねたりした打楽器曲。
集中力のカタマリのような乙部さん。920「集中力」といえば中野さんもスゴイ!
楽譜のようなモノからほんの一瞬たりとも目を離さずに指と足で鍵盤を操った。
900vジョン・ボーナムになり切っての狂熱のパフォーマンス!
客席から大きな歓声が送られた!
ちなみにジョン・ボーナムが使っていたコンガはNATAL製でした。
12_s41a0851「長いことお付き合い頂いてありがとうございます。
右足がツってしまいました。
大変なことになってしまいました」
♪ドドドドンドドドドとズ~っとバス・ドラムを踏み続けですからね、大変なことです。
 
そういえば、ジョン・ボーナムの訃報が新聞に出た日のことを覚えているナァ。
私は高校3年生で、物理の授業中、「先生!ジョン・ボーナムが死んじゃいましたよ!」と言うと、若い三井先生は「え?レッド・ツェッペリンのか?」と驚いていたのがとても印象に残っている。
940v乙部さんの大熱演の後はシブ~く「Since I've Been Loving You」。950vそして最後はハデに「Achilles Last Stand」で締めくくった。960_als 970v 980v 990「皆さん、ありがとうございました!」
乙部さん、3バンドをめでたく完走!
お疲れさまでした!1000するとケーキを手にしたRiekoさんがステージ袖から登場。1010還暦祝いのケーキだ!
大きなリボンでナントかわいいことよ。1015一気にローソクを吹き消して…
1020乙部さんからお礼とご挨拶。
「ありがとうございます。
遅くまで付き合って頂いて本当にありがとうございました。
『健康で叩いていられる』ということは、ZEP道楽をはじめ、NERVOUS BREAKDOWN、THE LOVEROCK VIOLENTというオレにとって『かけがえのないバンド』ということなんですね。
売れたいですね…アハハハ!これだけガンバっているんだからね。
17歳の時にドラム初めてスティックを握って、これまでいろんな所を旅してきました。
これからも続いていくと思います」1040「もう60ですのであと10年か20年ぐらいしたらおサラバだとも思うんですが、それまでは手を抜かずにガンバります。
音楽のお友達に巡り合えたことに感謝しかないです。
また聴いてくださるお客様のお陰でドラムスを叩くことができるという環境も本当にうれしく思います。
今日はZEP道楽が始まった頃は右足がずっとツっていて、左手がパキって全く動かなくなってしまったのでちょっとゴマかしながら色々やっていたんですが…マァ、年齢なんでしょうがないですね。
コレを機にまたLOVEROCK VIOLENT、NERVOUS BREAKDOWNをよろしくお願いします。
カレコレ20年ぐらいやっているZEP道楽もよろしくお願いします。
長々と遅くまでお付き合い頂きまして本当にありがとうございました。
これからもよろしくお願いします!」
1030vアンコールでもう1曲、あのカウントを乙部さんが再現して「The Ocean」を演奏した。1050「ありがとうございました!」
 
ZEP道楽の詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL X1060最後はみんなで記念撮影。
乙部さん、おめでとうございました!1070<おしまい>
 200(一部敬称略 2025年5月10日 巣鴨獅子王にて撮影)