DEALS at Crawduddy Club Liveshow vol.1
先日GOKIさんと連絡を取り合っている中で、私はDEALSのことを「日本の最後のロックンロール・バンド」という風に形容した。
するとGOKIさんは「なんかスゴいキャッチコピーですね。でもうれしいです!」と返信してくれて、「オレたち70年代のロックが大好きなんです!」と付け加えていらっしゃった。
今度はそれを目にした私の方がうれしくなってしまった。
その通り!GOKIさんは正しい。
もちろん自分が「ロック」だと思えばどんなモノでも「ロック」で構わないんだけど、あらゆる個性が花開いた「70年代後半までのロック」こそがやっぱり「ロック」という音楽の本質をついていると思うからだ。
私がその時代のロックをナマで体験することができたことは本当にシアワセだと思っている。
そうした時代のロックを模倣することは表面上は難しくはなかろうが、どうしても様子が違ってしまうのが常で、現実的に80年代のヘビメタを再現しようとしている若いバンドなんかもいるけれど、どうしてもムリを感じてしまう。
機材が違うから?イヤイヤ全くそんなんじゃない。
それは「空気感」だと思うんだよね。
言い換えると「雰囲気」ってことになるのかな?
やっぱりその時代の空気を吸った人が演らないと、どうしてもシックリ来ないような気がする。
その点、DELASはその時代の空気を吸った人たちが、コピーではなく自分たちの音楽で「70年代のロックの空気」を吐き出しているように感じるのだ。
だから絶対「ッホイ!ッホイ!」なんてやらないし、タオルを振り回すこともない。
もちろんギターには真空管アンプが欠かせない。
日本でそんな空気を持ち合わせているバンドが出来ることは恐らくもうないであろう。
だから「最後の日本のロックンロール・バンド」と呼ばせてもらったのだ。Marshall Blogには昨年末以来のご登場となるDEALS。
雨宮敬義(以下「TAKAさん」)
吉永GOKI訓春
横山壮五
shu-ya
1曲目はDEALSが誇るゴキゲン・ナンバー「Are You Ready」。
アブ、アブ!
右手だけにガイコツのガラの手袋をハメてマイクスタンドを振り回すTAKAさん。
ゴキゲンなナンバーなのはいいけど、このスペースではチト無理があるのでは…。GOKIさんが新しく手に入れたSGモデルでソロをブチかます!
もちろんGOKIさんはMarshall。
70年代だから当然だ!
コンサート会場では真空管アンプで鳴らすギターの音が当たり前だった夢のような時代。
「JVM410H」と後ろの「1960BX」をプレイ。
(下段のJVMはハメ込み画像です)次の「Dance with the Devil」ではイントロからshu-yaさんのドラムスが容赦なくバンドをプッシュする!
shu-yaさんがプレイしているのはNATALのバーチ。
12"、13"、16"、22"のコンフィギュレーションだ。
よ~鳴るわ~。GOKIさんのボトルネックが暴れまくる!
コレも70年代の空気だゼ。
そろそろボトルネック・ギターも絶滅しそうだもんね。まずは金のため、それからショウのため…早くもTAKAさんがサングラスもマフラーも手袋もかなぐり捨てて大シャウト!
「♪Dance with the devil」のコーラスが楽しいな。
このチームはメンバー全員でこなすコーラスも大きな魅力なのだ。TAKAさんのギター・ソロ。
もちろんTAKAさんもMarshall。
「JVM210H」と「1936」の組み合わせ。
(画像はハメ込みではありません)TAKAさんに続いてGOKIさんのボトルネックのソロが続いた。
2曲続けてノリノリのナンバーで固めて来た!と思ったら…
もう1曲!
「Candy Color Maker」が続いた。 しかしTAKAさんの歌はいいナァ。
つくづく「ロックを歌うために生まれて来た人」だと思うわ。ポジション入れ替え。
横山さんがリズムをウネらせて…
GOKIさんのソロが飛び出して来る!
〆はTAKAさんのジャ~ンプ!
「あけましておめでとうございます!
新春シャンソンショウ…アハハハ!言えた。
今年初めてのDEALSのライブ。
また『DEALSイヤー』が始まるからよろしく頼むぜ!
今年はホント、ナンて言うんですか?…特にいろんな企画はないんですけど。
イヤ、あります、あります!
「気づいてちょうだい、コレ(マイクスタンドのこと)。
コレを持って走り回るんだよ。ウフフフ…一昨日買ったの」
仕事を休んで買い込んで調整を加えたとか。
そんな買ったばっかりじゃ振り回したくもなりますわね。MCに続いては最新のCDに収録されている「Wasted」。
前回のライブ・レポートではエアロスミスの「Sight for Sore Eyes(1977年の『Draw the Line』収録)」を引き合いに出したが、やっぱりそういう雰囲気をこの曲に感じる。
ナゼか?…「70年代の空気」で通底しているからなのだ。
続けて「Rescue Me」。
横山さんと…shu-yaさんのコンビネーションがクリエイトするゴキゲンなグルーブ。
それに乗ってTAKAさんがシャウト!
問答無用でカッコいいわ~。
「ちょっとコレ(またスタンドマイクのこと)…慣れるまで待ってよ。
いっぱい回せるようにするからサ。
こういうことをやらないとサ…自分も楽しくやりたいじゃんね。
ところで去年の9月に『雨宮敬義』っていう名前でバラ売りさせて頂きまして、演歌の歌謡祭に出て次に演る曲を歌いました。
コレが3月の23日にBSフジで放映されますからね。
日曜日なんですけど早起きしてくださいよ…朝の4時半。
オレの実家は魚河岸だから3時ぐらいに起きちゃったりするんだよね。
マァ、実家を継いでいないから関係ないけど…。」ココでGOKIさんからCDの紹介。
「今日はサード・アルバムだけ販売しています。
さっき続けて演った2曲はコレに入ってます。
お買い上げ頂けますとオジさんたちが非常に喜びます」「それからこのデールズ・ピックは…ディールズだ…もうすぐ『さーせん』って書くつもり。
で、今日のステッカーの合言葉はやっぱ『さーせん』ね。
CDをお買い上げ頂くときに『さーせん』と言えばDEALSステッカーがもれなくついてきます」コレがそのデールズ、イヤDEALSのピック。
終演後、ステージに落ちていたのを1枚失敬してきた(TAKAさん、ゴメンちゃい)。
コレが見た目のイメージより分厚くて、モノスゴク頑丈でいい感じなの。
私は若い頃からマンドリン・タイプの小さいピックを好んで使ってきたんだけど、音質の好みは別にして、歳を取るとこういう大きなサイズのピックの方が弾く時にラクなことがわかった。
どういうことかと言うと、恐ろしいことにピックを指で挟む力も衰えてくるようなのだ。この日販売していたDEALSの3枚目のCD『THE SIGNS OF DEALS』。
GOKIさんが紹介したように直前に演奏した「Wasted」と「Rescue Me」他2曲が収録されている。shu-yaさんがマレットを手にするのは人気バラードの「傷と裏切り恋焦がれ」。
TAKAさんがその演歌の歌謡祭で歌ったという自作曲。
ギター2人の泣きのソロ。
やっぱりこういうドラマチックなギターは真空管アンプが出す図太く美しいで弾くべきなのだ。
情感豊かに激唱するTAKAさん。
こんな歌声を聴くとTAKAさんが歌う本格的な演歌も聴いてみたくなるな。「今月の末にオレたちはレコーディング入るんだけど…もうネェ、こう言っちゃなんだけど天才だからサ。
ワッハハハハハ!」
ココでDEALSのライブのMCではおなじみの「自画自賛」の話…「ジガジさん」ね。
TAKAさんが自らおっしゃるには、ご自身は小学校5年生の時からゼンゼン変わってなくて今でもヒザ小僧にケガをするようです。「以前オレらさ、『イヤ~暗中模索だよな』なんて話をしていたら1人で笑いだして『もさく、もさく、あんちゅうもさくさん!』だって!
この人、こんなにおもしろいんですよ。
薬でヤラれちゃってるから!」「今はもう減薬。
処方薬も少なくなってきて、よくなってきたでしょう?
鍼灸を毎日のようにやってるの。
ハマると何でも毎日やっちゃうんだから。
病院で『明日も来ていいんですか?』って訊く人はオレだけよ!」ピックで弾く鮮やかな横山さんのベースが響き渡る「Flashback」。
DEALSのハードな面がフィーチュアされるドライビング・チューン。
レス・ポールに持ち替えたGOKIさんのギターが唸れば…
TAKAさんも唸りまくる!
新しいCDのオープナーに選ばれたこの曲はライブでも最高の魅力を発揮する。「Everyday Hard Working Man!」とタイトルを叫ぶTAKAさん。
CD未収録の1曲。シンプルな曲調に印象的なリフレイン。
「♪Everyday hard working man」とみんなで歌って楽しむ曲。
「覚えやすいだろ!?」
そう、コレがDEALSの魅力。
とにかくわかりやすい。
それこそがロックの魅力なんだと思うわ。TAKAさんはお客さんに歌ってもらうために客席へ出張(暗くて写真は撮れないの)。
そのTAKAさんをステージでバックアップする横山さんと…shu-yaさん。
楽しいね~!最後を締めくくったのは「Please」。
コレまた言わずと知れた楽しいノリノリ・ナンバー。
今度はGOKIさんが客席エリアまで出て来てタップリとギター・ソロを披露。
最初から最後まで盛り上がりに盛り上がった本編だった!まずshu-yaさんが「最高です!」とMarshallとNATALの紹介をしてくれた。
うれしいな~。 「ホントにもう…ロック・ミュージシャンはね、Marshallじゃないとダメですよ。
冗談抜きでね。
ボクはMarshall一筋なの。ない時は仕方ないけど。
このドラムスもいいんだよ…ナタールって言うの?ナタール。
あ、テレビ観てくださいね!」
そして、ライブの告知をしてアンコール曲に取り掛かった。 アンコールに選んだ曲はまさに最後に演る曲「さよなら」。
「♪会いにいくよ」のフレーズをお客さんの耳に残して全曲演奏し終えた。
今日も思いっきり「ロック」だったDEALS!
次回のCraw Daddy Clubは5月31日。DEALSの詳しい情報はコチラ⇒Official X