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2022年1月28日 (金)

日下部"BURNY"正則とキムタクとMarshall~BURNEY MEETS STUDIO RANGE

 
最近は「Kōki」さんが大変なご活躍で、テレビから「コーキさん、コーキさん」と聞こえてくるたびにドキっとして、わかっちゃいるけど、ついついそちらの方を見てしまう。
もちろんそのテレビの中のその「コーキさん」がバリバリとカッコいいベースを弾いている…などということはまずあり得ない。
 
今日はその「コーキさん」のお父様、木村拓哉さんの話題から。
キムタクが1月19日に『Next Destination』という新しいアルバムを発表した。
こんな感じ⇒Next Destination公式ページ

そして、このアルバムのレコーディングに我らが日下部"BURNY"正則が参加したのだ!
友人がこのようなビッグな現場に関わるということの喜びもさることながら、BURNYが奏でる「筋金入りのホンモノのロック・ギター」のサウンドがそうした機会を通して多くの一般の人々の耳に届けられることも同様にうれしい。
6BURNYといえば、Marshall。
当然レコーディングにもMarshallが持ち込まれた。
しかも、STUDIOシリーズ。
※下の写真は当該のレコーディング時に撮られたものではありません。
1もうBURNYにはスッカリSTUDIOを気に入って頂きましてね~。3特注の白のSV20Hと以前から愛用していた同じく白い出で立ちの1936を組み合わせて愛用して頂いている。8レスポールとMarshall…コレが私にとってのデフォルトのBURNY。
もうあの音が聞こえてくるようでしょ?7このレコーディング以外にも話題の現場から引っ張りダコのBURNY。
長年にわたって音楽生活を共にしてきたMarshallをお供に益々ご活躍されることを願って止まない。
ガンバれ、BURNY!9さて、おかげさまでSTUDIOシリーズは相変わらずの人気です。
残念ながらMarshallもご多分に漏れずコロナ騒ぎで大幅に製造や出荷が遅れていて、輸入発売元によれば、一部のお客様にご迷惑をおかけしている状況にあるようですが、STUDIOシリーズは逃げも隠れもしません。
「コロナ憎んでMarshall憎まず」…かかる状況をご理解の上、ご容赦頂きますよう何卒よろしくお願い申し上げます。1250ところで、BURNYは最近になってSTUDIOシリーズを導入したワケではない。
彼は「小ぶりの1959」のようなモデルを予てから切望していたが、Marshallではそうしたモデルを持っていなかったので他社の小型のバルブ・アンプを使用していた。
そこへMarshallがSTUDIOシリーズを発表したものだから、比較的早いうちにお試し頂くことになった。
その時のようすが以下のレポート。
既に掲載したことがある記事なのでご覧になられた方も多くいらっしゃると思うが、諸般の事情でしばらくの間公開を控えていた。
それをココに再掲する。

【BURNY PLAYS STUDIO RANGE~日下部正則STUDIOシリーズを弾く】

STUDIOシリーズを日下部"BURNY"正則(以下、バーニー)に試してもらった。
 
いいわ~。いいんだわ~。
普通であれば単に「STUDIOシリーズがいいんだわ~」となるんだろうけど、私の場合はそうはいかない。
「いいんだわ~、バーニーのギターとSTUDIOシリーズのコンビネーションが!」となる。
この日、「ロック・ギターはこう弾け!」と言わんばかりのプレイを最上のサウンドで満喫するゴキゲンな午後になった。
「アレレ?そんなこと言ってるけど、キャビは1936じゃん?」って言うんでしょ?
20そうなの。
このキャビはバーニー愛用の1936。
スピーカーはCelestionのCreambackが搭載されている。
いいんだよね~、Creamback。
音に厚みがあって、暖かくて、でも甘すぎない。
バーニーは1987Xの傍ら、このキャビネットを21Wのブティック・アンプと共に使用している。
で、「Marshall」から20Wのフル・バルブ・モデルが出たと知って、「それじゃ実戦さながらに」と、この試奏に際してはいつも現場で使っている自前のキャビネットを持参してくれたのだ。
つまり、ステージでの即戦力機材としての試奏。
「キミ!こんなアンプ、一体どこで!」…そんな「ビズリーチ」みたいなモデルが「STUDIOシリーズ」なのだ!
30vまずはSTUDIO CLASSICのヘッドSC20Hから。
ナントならば、バーニーはかつてJCM800 2210を愛用していたからだ。

180 ん~、いいナァ~。
さすが勝手知ったるところ、チョチョチョとセッティングしてアッという間に素晴らしいロックギター・サウンドを作って見せてくれた。
バーニーの音なんだけど、JCM800の音…でもJCM800の音なんだけどバーニーの音なのよ。
それが優れたギタリストといいアンプのステキな関係。

Oa_0r4a0027続いてはSTUDIO VINTAGE、SV20H。
バーニーの本命はコチラ。420 そのポイントはマスター・ボリューム。
え?1959ベースのSV20Hにはマスター・ボリュームなんかついてないじゃないか!って?
そう、付いていないからバーニーは興味を持ってくれたの。
マスター・ボリュームとセンド&リターンはない方が間違いなく音が良いからね。
ジェフ・ベックはここのところ1959SLPか1987Xでしょ?
どうも理由はそれらしい。50vストラトキャスターでトライ。
リンク接続は一切使わず。
ごく小音量でSV20Hを試すと、HIGHがカリンカリン、LOWはモッサモッサでどうにもならない。
そこでリンクの出番となるワケだけど、そうするとLOUDNESS1とLOUDNESS2のミックス具合がなかなかに難しい。
チョット触っただけでサウンドが激変してしまうのだ。
私が大学の時に使っていた70年代中盤製のJMP1959を思い出す。
ところが、このSV20Hときたらアータ、「リンク」なんてとんでもないよ!
ガッとボリュームを上げるとHIGHもLOWも単体で信じられないぐらい素晴らしいサウンドが出て来る!
そういうことなんだよね~。
バーニーご持参の1936との相性もバッチリ。
つまり実戦で何ら問題なしということがわかった!

60さて、お次はシリーズ全モデルをお試し頂くよ。
まずはSTUDIO CLASSICから。70今度はさっき試したSC20Hを2×12"キャビネットのSC212で弾く。

321 コレがまたいい。
バーニー持参の1936とのマッチングも素晴らしかったが、バランスの取れたサウンドのこのキャビネットも文句のつけようがない。

80ヘッドはそのままに今度は1×12"のSC112を試す。

280 ドワッ!なんだのこの低音!
1912なんかもそうだったけど、Marshallの1×12"の低音のリッチ加減はタマらんね。
それでいて音像が実にシャープだ。100v1912はクローズド・バックだったけど、STUDIOシリーズの1×12"はハーフオープン。

310 そして、最後に1x12"コンボのSC20C。
「あ~!」と最初はコンボ感丸出しのサウンドにビックリ。
ところが不思議なことにすぐに耳が慣れちゃうんだな。
スタックとのサウンドの差はすぐに気にならなくなり、コンボのコンボたるサウンドを愉しむ。120それぞれのモデルでスタンバイ・スイッチの上を押して出力5WのLOW状態にして試してもみたが、実戦で使うような音の大きさだと「あんま変わんないね!」って感じ。
音がまろやかになる…程度かな?
そもそも大きい音を出したくてボリュームを上げているワケだから、そこで出力の設定を下げるのはナンセンスなのだ。
やはり、このスイッチは家のような大きな音の出せない場所で、極端に音を小さくしたい時の方が有効だ。240 次はお待ちかねのSTUDIO VINTAGEシリーズ。
情けないことに最近はスッカリ物覚えが悪くなって、いくら頭に叩き込んだつもりでも、どっちがVINTAGEでどっちがCLASSICかわからなくなっちゃう。
私なんかはオリジナルJCM800が現役で活躍していた時代の人間だから、JCM800タイプのモデルをCLASSICと呼ぶのがシックリと来ないんだよね。
自分の方がよっぽどクラシックなんだよ。130CLASSICシリーズの時と同様に20WヘッドのSV20Hを2x12"キャビネットのSV212につないでみる。

530 ボリュームを上げる。
ハイ、言うことなし。
この音の厚み!そしてやっぱりバランスがいい。
そして何たる芳醇なサウンド!
デジタル・アンプには絶対にマネできまい!
爆音でもちっともうるさくない。
やっぱりこうなるとスゴイのはバーニーのプレイ!
出てくる、出てくる、ロックのカタマリのようなフレーズ。
バーニーは決して口に出して言わないけど、「ロック・ギターはこうやって弾くんだよ!」と指が言ってた。150次に1×12"キャビネットのSV112で弾く。

500 当然、印象はSV112の時と同じ。
1×12"とは思えないリッチな低音が炸裂!160今回のSTUDIOシリーズに搭載されているスピーカー、Celestion G12 V-TypeはVINTAGEもCLASSICも共通だ。380 最後はコンボのSV20C。

340 当然だけど、コレも印象はCLASSICの時と同じ。
コンボ・サウンド愛好派の方にはバッチリのモデルだ。
今回、飽くまでも「実戦でイケるかどうか?」の見極めのための試奏で、バーニーは普段ステージで使っているペダル・ボードを持参してくれたんだけど、結局最初から最後までアンプ直でやっちゃった。
ひとつにはそれほど生音が素晴らしいということと、コレだけ生音がよければギターとアンプの間に何をつないでも心配なし…ということ。
結果、「大合格」~!
やっぱりロックやMarshallの酸いも甘いも知っているギタリストに良い評価をもらうのはうれしいね。
この仕事冥利に尽きるってもんだ。
そして、STUDIOシリーズのサウンドにも酔ったが、バーニーが弾く我々世代のロックのリフやソロ・フレーズも十分に楽しませて頂いた。
しかし、ビートルズも知らない今の若いギタリストさんたちって、こういう時にナニを弾いて試しているのかしらん?

170思う存分STUDIOシリーズを愉しんだ後は、事務所でお楽しみの打ち上げコーナー。
バーニーとイッパイやったのはずいぶん久しぶりのことで、前回は何年も前の渋谷でのことだった。
その時は、故藤岡幹大氏も一緒だったっけ。
そんな話も交えつつ、昔の日本のロック業界や名古屋のロック・シーンの話、さらに70年代のロックの話で大いに盛り上がった。
音楽に詳しい人とのおしゃべりは本当に楽しい。
ん?こうしてバーニーがジムに会うのは2000年のMarshall祭り以来じゃない?
あれから19年も経ったんだ…。
 
バーニーの詳しい情報はコチラ⇒日下部 ”BURNY” 正則(guitar)The Official Website
180vSTUDIOシリーズの詳しい情報はコチラ⇒Marshall Blog 

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 200

2021年11月16日 (火)

Marshall雑学教室

 
チョット前に「Marshallの歴代モデルは英語圏の人たちにどのように呼ばれているか?」ということをやった。
オモシロかったので今回も似たようなことをしたいと思う。
今回は「雑学編」。
Marshallのアンプやグッズに関すること、そしてそれにカラんだイギリスに関するどうでもいいことを記しておきたいと思う。
 
まずはMarshallアンプに関することから。
「積み」について。
日本ではアンプ・ヘッド+キャビネット+キャビネットという形を「三段積み」って呼んでいるけど、Marshallの人たちは「Full stack(フル・スタック)」と呼ぶ。
驚いたことに最近は「ホンモノの三段積みを見たことがない」なんて若いロック・ギタリストさんたちがいるんよ!
ロックを演っているつもりだったら、そんなことは断じて許されないわナァ。

160_2我々が「二段積み」と呼んでいるアンプ・ヘッドとスピーカー・キャビネット1台ずつの組み合わせが「Half stack(ハーフ・スタック)」。
キャビネットは上の2つのスピーカーがチョット上を向いているのが「Aタイプ」。
対してまっすぐになっているのが「Bタイプ」。
「A」は「Angled(アングルド)」の「A」の略…角度が付いているからね。
一方、前面がまっすぐになっている方は、フル・スタックにした時に下に配置するのが普通なので、「Base(基礎)」の「B」ね。
正直、この「Angled、Base」は後からコジつけたような気がしてならないんだよな~。
170_2
「シゲ、いいかい?アンプに『stack』という言葉を使ったのは世界でワシが初めてなんじゃよ、フォッ、フォッ、フォッ、フォッ!」…生前のジムはニコニコしながら何度か私にそう言っていたっけ。

73jcm
他方、アンプとスピーカーが一緒になっているタイプのモデルを「コンボ」とか「ビルトイン」と呼んでいるけど、Marshallの場合は「Combo(コンボ)」と言うことの方が圧倒的に多いかな?
「Combo」は「Comination(コンビネーション)」の略かと思っていたら、「combo」という単語もあるんだね。
ジャズの小編成のバンドを「コンボ」っていうんだけど、まさにそれ。
他に「(人や物を)一組にしたもの」という意味があるので、まさにコンボ・アンプという言葉の使い方は正しいと言える。
ただしコレはアメリカ英語のようだ。180_2次、Marshallアンプの各部の名称をおさらいするよ。
 
まず、ロゴは「Logo」ね。
こういうビンテージ・タイプに使われるロゴは「Coffin logo(コフィン・ロゴ)」という。
250「coffin」とは「棺桶」のこと。
私の父は「棺箱(ガンバコ)」って呼んでたっけな。
棺桶のフタにくっ付ける故人の名前を記した小さなプラーク(プレート)に使われていたフォントだから「コフィン・ロゴ」というんだけど…7coffin 「ホンマかいな?」と思って今頃になってインターネットで調べてみると、プラークには驚くほど沢山の種類のフォントが使われていて、我々が「コフィン・ロゴ」と呼んでいるフォントに近いモノすら見つけることができなかった。
でもきっとどこかの棺桶で使われているのだろう。
ちなみにMarshallが爆発的に売れ出してキャビネットの製造が間に合わなくなった時、ホンモノの棺桶屋がスピーカー・キャビネットのケースの製造を下請けていたという。
このタイプは「Block logo(ブロック・ロゴ)」と呼ばれることもある。7img_0001 おなじみのタイプは「Block」に対して「Script logo(スクリプト・ロゴ)」ね。
「script」は「筆記体」のこと。
このロゴの下にある白いヤツがあるでしょう?
コレは「Piping(パイピング)」という。
1960の内側にグルリと貼ってある白いヤツもそう。
240一方、ビンテージ・タイプのモデルには細い金色のヤツが埋め込まれている。
これは「Beading(ビーディング)」という。
ビーズの「beading」ね。
ビーズ玉のビーズね。235それから、周りを覆っている皮のことは「Covering(カバリング)」と呼んでいる。
Marshallのカバリングを指して「トーレックス」とかいう言葉を使う人に出くわすと「ああ、この人あんまりMarshallのことが好きではないんだな…」って悲しくなっちゃうよ。
下は「Design Store(デザイン・ストア)」で使っているカバリングの見本帳。
236vスピーカー・キャビネットや一部のヘッドに貼られているアミアミのことはMarshallでは「Fret cloth(フレット・クロス)」と呼んでいる。
237Marshallのアミアミは「サランネット」ではありません…「フレット・クロス」ですから。
Marshallのフレット・クロスを指して「サランネット」とかいう言葉を使う人に出くわすと「ああ、この人あんまりMarshallのことが好きではないんだな…」って寂しくなっちゃうよ。
220工場にはフレット・クロスをこんな風にして保管している。236コレは同じく「Design Store(デザイン・ストア)」で使っているフレット・クロスの見本帳。
238キャビネットや、時折コンボに付いている金色の名札は「Plaque(プラーク)」。
日本語で言うと「銘板」って言うのかな?
時々「バッジ」って言っている人もMarshallにいるな。260「Plaque」というのは、元々は金属や焼き物で作った飾り板のこと。
ロンドンの街をあるいていると建物の壁で頻繁に見かける青いヤツ、アレがまさにプラーク。7img_0545Marshall Blogにも何度も登場させているが、私はもうコレが大好きでロンドンの街を歩く時の大きな楽しみにしている。
220w持ち手はそのまま「Handle(ハンドル)」で大丈夫。270
ココからはMarshallで扱っている「Merch」に移るよ。
「merch」は「merchandise」の略で、いわゆる「グッズ」のこと。7shirt  
Marshallは今ケーブル類も扱っている。
さ、また書きますよ。
ギターとアンプをつなぐ線を指して「シールド」と呼んでいるのはヘンテコリンな英語が当たり前のこの国だけです。
私が知る限り、海外では一切通用しない。
「ツーマン」といっしょ。
私も中学生ぐらいの頃(1970年代の話しね)は楽器屋のお兄さんたちがギターの線のことを「シールド、シールド」と呼んでいるのを知って「プロっぽくてカッコいい!」と思い、すぐにマネし出したもんです。
「通」っぽいと言うか…そう呼ぶとナンカ少しギターがうまくなったような気がしたりもしてね。
でも「シールド」というのが日本の方言であることを知った今では恥ずかしい。
イギリスの連中はこういう線のことを「Lead(リード)」と言う。
280だからギターとアンプをつなぐ線は「Guitar lead(ギター・リード)」と言う。
でも、確認したところコレは完全にイギリスの英語なので、上の写真のラベルの書いてあるように世界の標準語としては「Guitar cable」という言葉を使うことをススメられた。
私も徹底してそう呼ぶようにしていて、Marshallに行った時だけはカッコつけて「Can I have a guitar lead?」とか言っている。
290一方、コレはアンプ・ヘッドとスピーカー・キャビネットをつなぐ2芯の線。
アレ?日本では「スピーカー・ケーブル」って言っているか?
ケーブル?…なんだ、やればできるんじゃん?
だったら「シールド」なんて言葉は止めて「スピーカー・ケーブル」と呼べばいい。
外人と話す時の苦労がひとつ減るというものだ。
ところが!
Marshallは商品としてコレを「Head to Cab Lead」と呼んでいる。
「Speaker cable」と言っても何ら問題なく通じるが、ココは「Lead」を使うのがイギリス式らしい。

745884_cbls90025_speaker_cable_2 もうひとつ…アンプとコンセント(←コレも和製英語。イギリスでは「ソケット」)をつなぐ線のことをイギリスでは「Mains lead(メインズ・リード)」と言う。
ココも「Lead」。
「mains」というのは「電力」の意味かと思っていたら、正しくは「コンセントを使う」という意味らしい。「元栓」という意味があるようだ。
結局、線の構造によって呼び分けていることがコレで窺える。
日本では「電源コード」か?…も~、ややこしいな~。
私は「電源ケーブル」と呼ぶようにしているけど、世界標準として「Power cable(パワー・ケーブル)」でOK。
下の「BF」タイプと呼ばれる3ピンのプラグ…憧れちゃうね。

753412_cblm00006_uk_mains_lead_2 イギリスの商業電力は220~240Vと高電圧で危険性が高いため、コンセントにOn/Offのスイッチが必ず付いている。
このアース付きの3ピンのプラグをコンセントにズブっと差し込む時の気持ちよさ…「頼りになる~」という感じがタマらない。
高電圧なので電熱器のお湯なんかアッという間に沸いちゃうからね。
慣れないもんだから、タマにこのOn/Offスイッチを入れ忘れていくら経ってもお湯が沸かないなんてこともあるけど。
とにかく、本当にMarshallが好きな人にはイギリスでギターを弾かせてあげたいよな~。
ゼンゼン違うから。7outlet イギリスではこういうヒモのことを「コード」というようだ。

Cord  
次はピック…コレには驚いた。
ずいぶん昔にMarshallの会議に出席した時のこと…アクセサリーかなんかの議題だったのかな?
「Plectrum(プレクトラム)」の話しになった。
なんだ?プレクトラムって?
「スペクトルマン」なら知ってるけど。
私はその「プレクトラム」なるモノがナンのことかわからなかったのだが、ヨーロッパの国々から来ている人たちはみんな何食わぬ顔をしているワケ。
仕方ないので、スウェーデンから来ていた隣のエリックに尋ねてみた。
エリックはすぐに教えてくれた…「ピックのことだよ」。
じゃ、「ピック」って言えよ~!
コレ、実はそのまま「プレクトラム=ピック」ということではなくて、「プレクトラム」というのは楽器を弾く時なんかに使う「爪」のことを指す。
だからピックと役割は同じ。
だから琴の爪なんかも英語では「Plectrum」っていうハズ(未確認)。Plectrum イギリスの連中も「プレクトラム」のことを指してごく普通に「ピック」と言っています。
昔は「Marshallのピック」と言えばこんな当たり前の感じだった。7pick 今はこんなカラフルなプレクトラムを取り扱っている。7201675_pack_of_6_plectrums若い人向けかしらん?
300コレは「Plectrum Bracelet(プレクトラム・ブレスレット)」というモノ。350ピック入れのアクセサリー。360s若い人たちにはピンと来るんでしょうな。370s 
次、こういうの日本では「ネック・ストラップ」と呼ばれることが多いようだし、「neck strap」という英語表現もあるようだが、イギリスでは「Lanyard(ランヤード)」と呼ばれている(アメリカは知らん)。
「ラ」に強勢を置くのが正しい発音。

320 
パーカーじゃないヤツ…イヤ、パーカーなんだけど、こういうのを「パーカー」と呼ぶのは日本式。
海外で「パーカー」と言えば、万年筆かジャズの巨人が先にくるだろう。
「parka」というフード付きの上着を指す言葉があって、「パーカー」はそこから来ているらしい。
イギリスでこうしたフードの付いた上着を「パーカー」と呼ぶ人はまずいない。
絶対に「Hoodie(フーディ)」だ。330s昔、トニー・カーティスの主演で『魔術の恋(Houdini、1953年)』というハンガリー出身の奇術師ハリー・フーディニの半生を描いた映画があった。
この映画は50年ぐらい前、小学生の頃に一度観ただけなので、トニー・カーティスがバート・ランカスターと共演した『空中ぶらんこ(Trapeze、1956年)』とところどころゴッチャになっている。
でも、ラストシーンは覚えている。
フーディニは手錠をかけられたまま、逆さ吊りにされた水槽から脱出する奇術を披露しようとするのだが、盲腸を患っていて実力が出せず、水槽の中で失神してしまう。
それを見た客の1人が「斧で水槽を割れ!」と叫んでフーディニは一命をとりとめる。
このシーンでもがき苦しむフーディニの姿が子供だった私にすごく印象的で、今でも「フーディ」って聞くとこの映画のことを思い出すんよ。

73houdini そうか、トニー・カーティスの相手役はジャネット・リーだったのか…。
しかし、ジャネット・リーってのはキレイな人だ。
それをヒッチコックは『サイコ(Psycho)』で前半にしか使わなかった。
全くスゴイ。
後半はヴェラ・マイルスが引き継ぐんだけど、この2人…後年に両方とも『刑事コロンボ』に出演してるのは何かの偶然か?(コロンボはシンガーの赤尾和重さんと大学時代の友人のススメで今頃DVDで観ています。オリジナル・シリーズの23枚全部買っちまった!おススメありがとうございました)
そうそう、他に書くところがないのでココに書いちゃおう。
コロンボの口グセに「son of a gun!」っていうのがあるのね。
「おお!コレはカーペンターズで有名になったハンク・ウィリアムスの「Jambalaya」に出て来るヤツやんけ!」と思ってさっそく調べた。
コレは「しまった!」とか「何てこった!」みたいな意味。
イギリスだったらいつもの「Blimey!(ブライミー)」か?
語源がスゴイ。
軍艦に同乗していた女性が子供を産んじゃった。
父親が誰かはわからない。
でも、その女性と密会する時には大砲の下のハズだったから、生まれて来た子は「son of a gun」。
それが転じて「しまった!」って一体ナンのこっちゃい!
観ていると、コロンボはナニかスゴく良いモノに出くわした時に「サナバガン!」と言っています。
 
アレ?
この『サイコ』のポスターの手描きの文字…
7psycho キューブリックの『博士の異常な愛情(Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb)』のタイトルを手掛けたパブロ・フェッロの仕事じゃないの?
オリジナルの『サイコ』のタイトルのデザインは有名なソール・バス(京王百貨店や紀文やコーセー化粧品のトレードマークをデザインした人)が担当したが、フェッロは1998年の『サイコ』のリメイクのオープニング・タイトルでバス未亡人のチェックの下、モノクロのオリジナル・デザインを黒と緑を使って再現した。
この緑を使うアイデアは『北北西に進路を取れ(North by Northwest)』のオープニング・タイトルから来ている…と私は観た。
みんなヒッチが大好きなんだよね。

Ppdr ハイ、休み時間終わり。
 
さて、このフーディニ…じゃない、フーディ。
「Hood(フード)」が付いているから「Hoodie」っていうんだけど、コレ、イギリス人にとっては雨具でもあるのね。
「弁当を忘れても傘を忘れるな」は金沢か?
イギリスも全く同じ。
多雨と言われるマンチェスターやリバプールはホントに雨ばっかりだった。
かつては傘がイギリス紳士の持ち物の代名詞みたいなモノだったけど、今は街を歩いていて雨が降っても傘をさす人はほとんどいない。
私なんか雨に濡れて風邪でもひいたら一大事なので、持っていればすぐにさしちゃうけどね。340sそんな時に活躍するのがこのフード。
ロンドンなんかで雨が降り出すと、行き交う人が一斉にフードを被る。
まさにフーディは傘に代わるロンドンっ子の立派な「雨具」なのだ。
でも、限界はある。
以前、6月の上旬にロンドンにいた時、も~雨ばっかりでね~。
フーディを着てびしょ濡れになって歩いている黒人を見かけたんだけど、もう被ったフードのヘリから水がジャンジャン滴り落ちてるワケ。
完全にドシャ降りなんだもん。
「アナタ、それフーディを脱いだ方が濡れないんじゃないの?」と声をかえたくなるぐらいのズブ濡れ。
それでも傘をささないんだよな~…皆さん、フーディが大好きなの。
私はもちろんシッカリ傘をさした。7167865_hoodie_sizes_1_3  
マジかよ!
こんなん始めちゃた!
見ての通りセーター。
このデザイン!
誰がどう見てもイケてない。
ナゼならワザとそういう風に作ってあるモノだから。
日本でも最近は浸透して来ているのかしら?…「Ugly Christmas Sweater(アグリー・クリスマス・セーター)」というイベント。
 
欧米の人は子供の時、クリスマス・ツリーやトナカイの絵柄をゴテゴテと配した、人前ではとても着れないようなデザインのセーターをクリスマスにおバアちゃんからプレゼントされる…という経験があるのだそうだ。
恥ずかしいので着るのを避けていると、きっとお母さんが「せっかくおバアちゃんが編んでくれたんだから着なさい!」かなんか言うのだろう。
このセーターが幼い頃のクリスマスのイヤな思いでのひとつになるんだって。
それをオモシロがって、クリスマスのシーズンになると「みんなで趣味の悪いセーターを着ましょう!」…とやるのがこのイベントの内容。
下はまだおとなしい方。380sコレがどこから始まったのかというと、1980年代、BBCの子供向けの特番「Gordon the Gopher(ゴードン・ザ・ゴーファー)」の中でアンディ・ウィリアムスがそういうセーターを着ていたことに端を発したらしい。
それがアメリカに飛び火して「アグリー・クリスマス・セーター」というイベントになった。
まぁ、デパートのセーターが売り上げがドカンとアップするというから、日本のヴァレンタイン・デーのチョコレートみたいなモノでしょう。
下が「ゴードン・ザ・ゴーファー」。
現在はこの番組は放映していないそうだ。
390「gopher」というのは「ホリネズミ」という北アメリカと中央アメリカに生息するこういうヤツ。7gopher さて、そのイギリスが発端の「アグリー・クリスマス・セーター」、肝心のイギリスではセーターのことを「セーター」とは言わない。
「ジャンパー」と言う。
「セーター」でも通じるけどね。
385sだからMarshallではこのアイテムを「Marshall Christman Jumper(マーシャル・クリスマス・ジャンパー)」と呼んでいる。
我々が頭に浮かべるジャンパーとは全然違いますな。
754028_forest_malereverse_2イギリスではNGO団体「Save the Children(セーブ・ザ・チルドレン)」の活動の一環として、「クリスマス・ジャンパー・デイ(Christmas Jumper Day)」に設定された12月のどこかの金曜日にアグリー・クリスマス・ジャンパー(セーター)を着て、子供のために最低1ポンド寄付するというチャリティ活動を展開している。
今年は10日が「クリスマス・ジャンパー・デイ」に当たるそうだ。
アメリカでも同様のチャリティ活動が行われている。

Stcs Marshallはジムの意志を継いでチャリティ活動に熱心だからね…ホラ、この通り。72christmas_jumper 
ハイ、今コレ何をやっているのかと言うと、Marshallで扱っている最新のグッズの紹介ですからね。
日本では扱っていないモノもあるけど、「本国ではこんなことやってんのか~」的にご覧あれ。
 
で、次は水筒。
「Drinks Bottle(ドリンクス・ボトル)」という商品名。420_3容量は500mlで、フィニッシュは2通り。430エンボスされたスクリプト・ロゴがドテッ腹に入っている。440飲み口はこんな感じ。450 
「水分の容器シリーズ」、続いては「Hip Flask(ヒップ・フラスク)」。
海外の映画なんかで時折見かける携帯用の酒の容器。
「flask」というのは昔理科の実験で使った「フラスコ」のこと。
日本でコレを肌身離さず持って歩いてチビチビやる人を見たことはないが、日本では「スキットル」と呼ばれているらしい。
そんな人、海外でも見たことないけどね。
イヤ、ゴルフ場に持って来ていた日本のどっかの会社のおエライさんがいたわ。
チョット種類の仕事に携わっている人に聞いたんだけど、やっぱりコレ、日本ではほとんど売れないらしい。
生粋の「西洋文化」というワケ。
7409662_hipflask_1_2 本革が貼られた側面には「EST.1962 LONDON」のデボス加工がしてある。Hflg 本体が湾曲しているのはズボンの後ろポケットに入れた時に尻の曲線にフィットさせるため。
尻がペッチャンコの東洋人とは異なり、西洋人は尻が出ているからね。
コレは結構重要なポイントなのかも知れない…というか、こんなもん持って歩くぐらいならトットと家へ帰ってユックリ飲めばいいじゃないか!と思うんですけど。460コレは構造上中を洗うことができないのが普通なんだって。
そこで、ワインのような残留物が混入している発酵酒を入れるのには不適切で、専らウイスキーのようなアルコール度数の高い蒸留酒を入れるのだそうだ。
すると、いつも同じ銘柄の酒を入れるということになるんだろう…そこで思い出した!470ビリー・ワイルダー作品『失われた週末(The Lost Weekend)』ね。
1945年のアカデミー作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞を獲得したアルコール依存症をテーマに据えた名作中の名作。
凄まじい演技でアル中の主人公をドンを演じるのはレイ・ミランド。
も~、酒が飲みたくて、飲みたくてどうしようない。72lw 映画の中でドンはバーに行っても、酒屋に行っても必ず「Rye(ライ)」というスコッチ・ウイスキーを注文する。
本当の酒飲みというのは、いつも同じ種類しか飲まないのかも知れない。
だから、ヒップ・フラスクに入れるウイスキーの銘柄は常に同じ。
すなわち、中を洗う必要がない…ということだ。
ま、ドンはフラスクなんて使わず、ウイスキーをラッパ飲みしちゃうんだけどね。
五代目古今亭志ん生は「菊正宗」が好みだったとされているけど、実はナンでもヨカッタらしい。
 
この映画、アルコール中毒になっているドンが恐ろしい幻覚を見るシーンが一種にハイライトになっているんだけど、何かの本で読んだが、日本人(東洋人)はホンモノのアルコール依存症になる前に肝臓がブッ壊れて死んでしまうという。
そこへ行くと白人は内臓がやたらと頑丈な上、アルコールを分解する酵素が黄色人種より多いんだか、強力なんだかで、無限に飲めちゃうらしい。
だからアルコール中毒の度合いがスゴイんだって。
「ロンドンには公園がたくさんある」ということを折に触れてMarshall Blogに書いているけど、この公園はアルコールと関係が深いということを最近知った。
また、テニスだのラグビーだの、イギリス発祥のスポーツってたくさんあるでしょ?
コレもアルコールが関係しているのだそうだ。
この辺りのことはまた別の機会に…。
7lw2 折角だからヒッチコックで揃えておくと、レイ・ミランドは1954年の『ダイヤルMを廻せ!(Dial 'M' for Murder:ダイヤル'ひ'は人殺しの’ひ’)』で主演を務めている。
お相手はグレース・ケリー。
アレもハラハラドキドキでオモシロかったね~。
若い人はDVDを借りて来て古い映画をドンドン観るといい。
その代わり、本当に昔の映画に夢中になったら最後、今の映画もテレビドラマに戻れなくなること必定だ。
Dmfmそれと!
レイ・ミランドは『刑事コロンボ』に2回出ているんよ。
今日は実に話がよくつながります。

Columbo  
コレはステッカー。
昔は販促グッズでステッカーをよく作ったけど、コレもずいぶん雰囲気が変わったな~。7225925_stickers昔はロゴばっかりだったんよ~。7435099_stickers_2コレはワッペン。
アップリケっていうのかな?
Marshallでは「Patches(パッチズ)」と呼んでいる。

7293281_patchesオリジナルのJTM45をデザインに起用しているセンスがスゴイな。

7496702_badges_2_3コレは缶バッジ。

7404162_badges「缶バッジ」のことは「Tin badge」というようだ。7356343_badges22バンダナも取り扱っている。71053587_bandanna3pack2_v2色は2通り。490 
以上、Marshallのグッズを紹介しつつ好き勝手なことを書かせて頂いた。
Marshallでは今日触れたアイテム以外にアパレルやバッグ、ソックス、財布なども扱っている。
日本には入って来ていないアイテムもあるが、興味のある方はMarshallの本国のウェブサイトをご覧ください⇒THE MARSHALL SHOP

7shop 

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 200

2021年11月11日 (木)

Marshall読み方教室

 
「♪マーシャル・ブログはいいブログ…」
 
今、柳亭痴楽なんて知っている人は少ないだろうな。
私もリアルタイムではないけれど、父がオモシロがっていたので学生の頃に時折カセット・テープの音源を聴いた。
「柳亭痴楽」という名跡は五代目まで続いたが今は空位になっている。
今ココで話題にしようとしているのは四代目のこと。
自らを「破壊された顔の所有者」と称して珍顔をウリにしていたが、今みるとゼンゼン普通にしか見えない。
珍顔も今では相当進化しているからね。
この人は「綴り方狂室」という芸で大変な人気を集めた。
「♪柳亭痴楽はいい男 ああ、いい男 鶴田浩二や錦之助 アレよりグンといい男」とリズミカルな七五調で淀みなく口上を披露する。
実は私はコレのどこがオモシロいのかがわからない。
何しろ人気のあった芸人さんだったので、当然母も痴楽の全盛期のことを覚えている。
そこで、どこがオモシロかったのを尋ねたところ、「あれだけ次から次へとテンポよく言葉が出て来るところがオモシロいじゃない?」だそうで…お笑いにワビやサビが存在していた時代があったことを感じ取れる洞察ではあるまいか。
そんな調子で、「♪上野を後に池袋 走る電車は内回り 私は近頃外回り…」と、小林旭の「恋の山手線」の元ネタを演じたのがこの四代目柳亭痴楽。
7chirakuMarshall Blogではこの「綴り方狂室」というタイトルに目をつけてみた。
でも、こっちは「綴り方」ではなく「読み方」。
今日は「Marshall読み方教室」というのをやってみたいと思う。
このクダリをやりたいだけでワザワザ痴楽師匠にご登場頂いた次第。
相変わらず前置きが長くてどーもスイマセン!…お、そういえば根岸の三平師匠(=海老名家)の家の最寄り駅は山手線の「鶯谷」だ。
五代目古今亭志ん生と十代目金原亭馬生の家はその隣の「日暮里」にあった。
「ネコの町」で有名な谷中商店街のすぐそば。
昔、この辺りには噺家が多く住んでいて、「上野」から歩いて10分ぐらいの稲荷町には八代目林家正蔵(後の彦六)がいた。
上野の隣の「御徒町」には八代目桂文楽の家とそのすぐ近くに五代目古今亭今輔の家があった。
ゼ~ンブ見て来た。
この辺りのことはいつかShige Blogで一本編みたいと思っております。 7img_5132 ところで、「Marshallの読み方教室」って一体ナンだ?」と思うでしょう?
英語の話し。
Marshallの型番の「数字」を英語でどう読むか…ということをやってみたいと思う。
以前からチョコチョコとやっていたけど、今日はその総集編。
実は「有名な楽器のモデル名をどう読むのが一般的か?」という知人のfacebookへの投稿にヒントを得た。
 
…というのも、「〇〇って英語でナンて言うんだろう」と思うことが結構あったりするでしょ?
その証拠に「〇〇を英語で言えますか?」の類の本がナントたくさん上梓されていることよ!
サッとインターネットをさらってみてだけでこんなに出てる。
私もかつては2、3冊は買ったけどね…。
こういうのは読んだ時には「なるほど、なるほど」となるんだけど、実際に使う機会がない限りスッカリ忘れてしまって案外身につかないもんです。
でも、やらないよりやっておいた方がはるかに良い。
10v_470_2私の場合、Marshallの本社の近くにあるコーナー・ショップに行った時、「固形石鹸」が英語で言えなくて困ったことがあった。
もちろん「soap」はわかっているんだけど、「固形」の部分をどう言えばいいんだろう?…店員さんを目の前にして考えてしまった。
「固形」だから「solid」か?と思い、「Do you have a solid soap?」とやってみたけど通じない。
結局「Soap, soap」と言いながら両手で四角を作って見せたらすぐに通じて置いてある場所を教えてくれたんだけど、「旅の恥はかき捨て」で、連中が英語で何と呼んでいるのか確認しておいた。
答えは「soap bar」だった。
なるほどね~…この単語はまずもって一生忘れることはない…という具合。
こうして赤ちゃんが言葉を身に付けていくように、必要なことから自然に覚えていくのが理想的なんでしょうな。
Sb_2ちなみに「コーナー・ショップ」というのはイギリスに行けばどこにでもあるコンビニの元祖みたいな小さなスーパー。
雑誌から、食べ物から、酒類、雑貨、店によっては生鮮食品まで少しずつ何でも取り揃えてある。
下の写真の赤い看板に「OFF LICENSE」と書いてあるけど、コレは「酒類は扱っているけど、ココで飲ませることはできません」という意味。72cs3_2コーナー・ショップの店員はナゼかほとんどが中近東系の人たちだ。
時間によっては店内でメッカに向かって礼拝をしていたりする。
見た目はナンだけど、コワイことはゼンゼンない。
複数のアイテムを買うと必ず「Bag?」と訊いてくる。
もちろん「袋に入れますか?」ということなんだけど、日本もコレにすればヨカッタんだよ。
みんなで協力してレジ袋なしが基本。
必要な時だけ申し出ればいい。
いちいち「袋は有料ですがお入り用ですか?」と訊くのも、訊かれるのも、はたまた「要りません」と答えるのも実に面倒な話だ。7cs2_2
「数字」と言えば、以前大きな桁数の数字を読む時に日本語と英語のどちらが速いかという競争をオーストラリアの人としたことがあった。
その時は私の日本語が勝った。
やっぱり英語で大きな数字を読むのは難儀なことだと思ったが、英語には3ケタごとに付される「,」があるので、システマチックかつ視覚的に大きな数字を一発で読むことができるんだよね。
「,」の付く位置には「thousand(千)」、「million(百万)」、「billion(十億)」、「trillion(一兆)」、「quadrilliom(千兆)」、「quintrilliom(百京)」…と名前が決まっているので、そのすぐ左隣りの数字を10の位で、またすぐ右隣りの数字は100の位で読むだけでいいのでとても簡単だ。
「,」が付けられる位置が「千」の次に「百万」に飛んでいるのを不思議がっている日本人を時折見かけるけど、「,」は英語で数字を読むためのツールですから。
英語の人たち向けに便利にできているんです。
コレがドイツなんかに行くと「,」と「.」が反対なので見ていてすごく気持ちが悪い。30v_2さて、Marshallのモデルナンバーといえば「1959」みたいな4ケタの数字でしょ?
コレには当然「,」はつけない。
付けてしまうと「1,959」となり「ワン・サウンザンド・ナイン・ハンドレッド・フィフティナイン」と位取りして読まれてしまうかも知れない。(註:以降、最後の数字の前につける「and」はすべて省略します)
コレでは長くてどうにもならない。
「キミ、アンプ何使ってんの?」
「Marshallのワン・サウンザンド・ナイン・ハンドレッド・フィフティナインだよ」
「やっぱりワン・サウンザンド・ナイン・ハンドレッド・フィフティナインか!音いいもんね」
「そうワン・サウンザンド・ナイン・ハンドレッド・フィフティナインが一番好き!」…なんて長すぎるわ。
コレに「エスエルピー」なんて付けたらもう「寿限無」みたいなことになってしまう。
しからば付いていない場合はどう読むか?…コレを詳しく見ていくのが今日の内容。
いかにもやっつけ企画みたいだけど、イエイエ、私は完全にマジですよ。

歴史順にいきましょう。 
まずはMarshallの第1号機である「JTM45」。
数字は2ケタ。
日本では「ジェイティーエム よんじゅうご」だけど、英語では「JTM forty five」と位取りして読みます。
2ケタの場合は「four-five」と平読みしないのが普通。50次におなじみの「1959」。
日本では「いちきゅうごうきゅう」と平読みして、略して「ごうきゅう」なんて呼んだりするけど、数字4ケタの場合は、2ケタずつに区切って位取りをして読むのがスタンダード。
つまり「Nineteen-fifty nine(ナインティーン・フィフティナイン)」となる。70_2当然「1987」も同様。
「Nineteen-eighty seven(ナインティーン・エイティセブン)」ね。80_2コンボでも読み方は同じ。
「Nineteen-sixty two(ナインティーン・シクスティトゥー)」ね。
イヤ、コレは「Bluesbreaker」って呼ぶ方が多いかな?
90
キャビネットも「Nineteen-Sixty(ナインティーン・シクスティ)」と同じ読み方でいけます。100次に行く前に…。
この4ケタの数字がどうやって決められているかはご存知ですかな?
ナンジャラホイ?と思う方はコチラをクリック!
      ↓    ↓    ↓ 
【イギリス-ロック名所めぐり】vol.54~変わりゆくロンドン <その4>デンマーク・ストリート(前編)

 
JCM800(はっぴゃく)に入るよ。
JCM800は「JCM eight-hundred(ジェイシーエム・エイト・ハンドレッド)」と位取りをして読む。
「100W、1チャンネル、2インプット、マスターボリューム付き」のモデルが「2203」。
コレも4ケタだから2つに分けて「Twenty two-zero(または'o')-three」かなんかでいいのかしらん?
答えはブー!
このモデルは平読みにして「Two-two-o-three(トゥー・トゥー・オー・スリー)」と呼ばれている。110_3それでは、同じJCM800の仲間の「2555」はどうか。
「2203」と同じように「Two-five-five-five」と行きたいところだけど…ブー!
コレは「Twenty five-fifty five(トゥエンティファイブ・フィフティファイブ)」と読む。
でも、誰もそうは呼ばないね。
みんな「ジュビリー」って呼んでいる。115しからば、「100W、2チャンネル、2インプット、マスターボリューム付き」と定義される「2210」はどうかというと…「Twenty two-ten(トゥエンティトゥー・テン)」だそうです。
で、コレの50Wバージョンの「2205」になるとたちまち「Two-two-o-five(トゥー・トゥー・オー・ファイブ)」に戻ってしまう。
中に「0」が入ってくる影響か?22102_2それではJCM900(きゅうひゃく)。
代表機種の「4100」行ってみよう!
「Four thausand-one hundred」?…ブー。
「Four-one-zero-zero」?…ブー。
「Fourtyone-double o」?…ブー。
コレは通常「Forty one-hundred(フォーティワン・ハンドレッド)」と呼ばれているのよ。
「100」が41個ということ。120_2じゃJCM900の2x12"コンボの「4102」は?
コレは「Forty one-o-two(フォーティワン・オー・トゥー)」となる。

7jc4102 だんだんイライラして来たでしょう?
こんなの一体誰がキメてるんだよ!とか思うでしょう?
イイエ、コレは誰もキメていないのよ。
強いて言うなら、英語圏の人たちの「口のまわりの筋肉」+「彼らの習慣」としかいいようがない。
つまり、相手に容易に通じる範囲内で一番口にしやすい読み方をしているだけの話し。
今回、この記事を書くにあたって、怪しいヤツはすべてMarshallのスタッフに確認したが、これらの読み方は決してルールではなくて、イギリス人の習慣とMarshall社内の伝統が組み合わさった数字の読み方だと思って欲しい…とのことだった。
だから「2203」を「Twentytwo-o-three」と呼んでも一向に構わないし、通じないこともない。
でも、郷に入ったら郷に従いたくなるもんね。
私もMarshallの連中と話す時、最初のウチはチョット苦労した。
モデル名を言う前に1回「1960」という数字を思い浮かべて、「コレは2つずつ区切って読むんだったナ」と認識してから「Nineteen-sixty」と口にする。
そんなことをしていた…すぐに慣れたけどね。

1_2 数字型番シリーズの最後はLEAD12(じゅうに)。
「5005」はどう読むか?
日本語だったら「五千、飛んで飛んで五」ぐらいになろうか?
調べたんだけど英語ではこの「飛んで」という表現がないようだ。
だから「o」と読む。
もちろん「zero」でもいいんだろうけど、向こうの人はコレを「ズイーロウ」と発音するのでリズムが狂っちゃうのかもしれない。
数値として読むときは単に「Five thousand and five」になるけど、モデル・ナンバーの場合は「Fifty-o-five(フィフティ・オー・ファイブ)」になるそうだ。

750052jpg2_2 次に数字4ケタの型番以降のモデルを見てみよう。
まずはJCM2000(にせん) DSL100(ひゃく)。
「JCM2000」はそのまま「JCM Two thousand(JCM トゥーサウザンド)」と読む。
で、「DSL100」は「DSL One hundred(DSL ワンハンドレッド)」、「DSL50」は「DSL Fifty(DSL フィフティ)」。
簡単、簡単!7dsl しからばJVMは?
「JVM410H」は「JVM Four-ten-H(JVM フォー・テン・エイチ)」と読む。
ま、イギリスでは場所によっては「H」を「エイチ」ではなく「ヘイチ」と発音してるわ。140_2「SV20H」も同様に「SV Twenty-H(SV トゥエンティ・エイチ)」ね。
こういう数字がワッテージを表すような場合には、位取りをして読む傾向がある。
「じゃあJTM45は何でFour-fiveなの?」と思う方もいらっしゃるかも知れない。
ブー!
この「45」はワッテージではありません。
「JTM45」の出力は30Wなの。
「45」は幻の出力なのだ。150では、ココで一発ムズカシイやつ。
Marshallは1990年代の終わりごろまで「Dynamic Bass System」というベース・アンプのシリーズを生産していた。
その中に200W、4×10"のコンボがあったのね。
モデル名は「72410」。
さて、5ケタはどう読む?
「Seven-twenty four-ten」?
それとも「Seventy two-four hundred-ten」?
 
答えは「Seventy two-four-ten(セブンティトゥー・フォー・テン)」。774410_2 
同じく1x15"バージョンの「72115」は「Seventy two-one-fifteen(セブンティトゥー・ワン・フィフティーン)」と読む。
理由は、このシリーズは「7」が統一のモデル・ナンバーになっていて、400Wのモデルは「4」、200Wのモデルは「2」がそれに続いた。
だからヘッドには「7400」とか「7200」という型番が付された。
一方、コンボにはスピーカーのコンフィギュレーションをくっつけたというワケ。
このシリーズすごくヨカッタのにナァ。

772115_2

ついでに真空管もやっておこう。
こっちは至って簡単。
そのまま読むだけでヒッカケ問題はなし。
 
EL34は「EL Thirty four(EL サーティフォー)」。190ECC83は「ECC Eighty three(イーシーシー・エイティスリー)」。
Marshallでは「12AX7」とは呼ばない。
ヨーロッパの会社だから。
200_3「6550」は「Sixty five-fifty(シクスティファイヴ・フィフティ)」。
 
最後に…真空管は「Tube(チューブ)」ではなくて必ず「Valve(バルブ)」と呼んでいる。

210<姉妹編>につづく 

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2021年7月13日 (火)

【Marshall Records】 ピーター・キャップスティックのインタビュー

 
ある日のこと、Marshllの本家のウェブサイトを開いてビックリ。
私のMarshall Recordsの仕事のパートナーであるピーターのインタビューがドッカリと掲載されているではないの~!
オモシロそうだったので全文訳してみた。Marshall_records_logo_square_black
Marshall(以下、斜体)Marshall Recordsのレーベル・マネージャー、ピーター・キャップスティック(Peter Capstick)に話を聞くことができました。
(もう始まってます)
どのようにして今の業務に就くことになったのか、そして彼の音楽への愛情が今の仕事にどう生かされているのかについて訊いてみました。

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
 
Marshall(以下、斜体)現在取り組んでいる仕事の内容を説明してください。典型的な業務としては何をされていますか?
 
ピーター・キャップスティック:「軸」とでも言えばよいのでしょうか?
レーベルに関するすべてのことに携わっています。
毎日、色んな関係者と連絡を取っていますね…契約アーティストたちやディストリビューター、プロモーション・チーム、ラジオ関係者、広告関係者、音楽出版社、そして海外のネットワークの皆さんです。
レコーディング関係のお手伝いもしています。
 
もうひとつ私の重要な業務は、将来を見据え、アーティストの皆さんが前進するために必要なことを計画することです。
それには様々なケースがあって、すぐに私が動く必要がない仕事もありますし、デモ音源を評価したりする場合もあります。
そのような時には、一歩退き、曲を注意深く聴いて、どのようにその曲を次の段階に送り込むための大きな絵を描くんです。
もちろんストリーミングの状況や実際の商品の販売、またSNSの動きをチェックする時間も設けています。

Sp1 
自分の仕事の中で、どういう部分が一番好きですか?
 
チームのみんなと関わり合うことをとても楽しんでいます。
アーティスト、マネージメント、ディストリビューター、マーケティング、プロモーション、その周辺の人々全員です!
我々には「最終的にスゴイものを作る」という定められたルールがあるんです。
そういうことを考えるのが好きなんですね…たとえば「海賊船」を想像してみてください。
我々、乗組員全員がオールを持っていますよね。そして私たちは息を合わせてオールを操る必要があります。
最終的にみんながで目指している同じ目標に向かって突き進むためにコミュニケーションは欠かせません。
だから「人々こそ私の仕事のお気に入り」ということになります。
 
 
今のキャリアでナニか特筆すべきことはありますか?
 
このインタビューの時点では、THERAPY?(セラピー?)の2枚のアルバムが連続してチャートに入ったことです。コレはとても自慢に思っています!
 
<THERAPY?のアルバム>

Index

A1gpaayd0l_ac_sl1500_  

それだけではなくて、Press to MECO(プレス・トゥ・ミコ)とRews(リュウズ)が立て続けにブリクストンのO2アカデミーのステージに立ったのもうれしかった。
自分たちのバンドがそのようなステージに立つことを目の当たりにするのはこれまででも最高の気分になりました。
Simg_7221(ブリクストンにあるO2アカデミー。さほど雰囲気が良いとは言い難いこの街はデヴィッド・ボウイの出身地だ。
詳しくはコチラ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】vol.50 ~<オールド・ロック・ファンに捧ぐ>トライデント・スタジオとC.ベヒシュタインとデヴィッド・ボウイ )

<Press to MECOとREWSのアルバム>

81ovq02fvl_ac_sl1200_

Images (Therapy?のアルバム同様Marshall Music Store Japanからお求め頂けます。詳しくは巻末をご覧ください) 
  
 
どのようにして現在の仕事に就いたんですか?
 
学校の都合で家を離れるまで、10代の頃はずっとバンドをやっていました。
その時は完全にバンドの活動を止めてしまったんですが、家に戻って以前とは別のバンドに入ったんです。
その時、自分はバンドのスタッフの方が向いていることに気づいたんですね。
ステージで演奏するよりもバンドの管理とか、運営とか、バンドの傍らの仕事の方が自分にはシックリいくのではないかと考えたのです。
 
そういう意味ではそれが現実になった。
私が所属していたバンドでそうしたスタッフ業務にトライしてみたんです。
例えば、曲をオンラインで流してみたり、CDを何枚か制作して売ってみたり、そのためのSNSのページを作ったり、時にはプレスにCDを持って行ったりしました。
他のメンバーはブッキングみたいなことに集中していましたが、私の興味はもっぱらそういう方面の仕事でした。
  
自分のバンドのためにそんなことをしているウチに、何人かの友達のバンドの手伝いをするようになったんです。
彼らの音楽をオンラインで流したり、手作りのミュージック・テープを作って友達に売ったり、地元のレコード屋にそれを置いてもらったりしました。
一切儲けにはなりませんでしたが、失ったモノもありませんでした。
 
振り返ってみると、バンドにいたことや、自分はそのような仕事が好きであったことを発見したこと等すべてが今の仕事につながったんですね。
 
  
自分の業務においては何に挑戦していますか?またそれにどうやってそれに打ち勝ちますか?
 
毎日が挑戦ですよ…取り扱い品目が「芸術」ですからね。
芸術はとても主観的なモノです。
アーティストの熱意や情熱にチャンネルを合わせることが挑戦であり、そのアーティストの意向を音楽産業の仕組みの中で具現化できるようにすることも挑戦なんです。
  
それがうまくいったらラジオ・プロモーターやディストリビューターにその音楽を自分と同じぐらい好きになってもらって、その音楽の背後にナニがあるかに興味を持ってもらう。
そこから生まれた熱意をその作品に注入してもらう。
いかに自分自身がその音楽を作ったアーティストと同じぐらい熱狂するかなんですよね。
そして、その音楽が持つ情熱とメッセージを音楽業界の関係者に運ぶ最良の媒体になることができるかどうかなんです。

Sp2 
何がアナタを音楽業界で働きたいと思わせたのでしょう?
 

既に述べたように、バンドをズットやりながら育ってきました。
それがとても楽しかった。
音楽のようなモノは他にありません。音楽は最高です。
たくさんの人が関わっているヴァラエティです。
コレは偏った見方かも知れません。でも恐らく音楽は「芸術としての在り方」の主流だと思います。
音楽を聴きたくない、なんていう人に会ったことがありませんからね。
 
そうした思いがこの業界で働くキッカケになりました。自分が今この業界にいて、その中で働いているワケですが、そのことが「興奮と挑戦とその報いがゴッチャになっているモノ」であるということ学んでいます。
 
 
アナタのような仕事をする上で必要不可欠なスキルは何だと思いますか?

人と話せるということでしょうね。
このことは仕事の成功や失敗に深く関わってきます。
他にも計画力、時間の管理能力、デザインのセンス…等々。
でも、コミュニケーションの能力は明暗を分けます。
「人と話せる」ということだけでなく、「会話をする」ということですね。
締め切りを効果的に使い、会話の効率を考慮する必要があります。
 
 
それらのスキルは自然に身についたモノだと思いますか?あるいは仕事のなかで発展させたモノだと思いますか?
 
自分で言うのもナンですが…自分はなかなか良い話し手だと思うんです。
仕事を通じて進歩したとも思いますが、一般的にそういうスキルは習うようなモノではありませんでしょう。
 
 
音楽業界で働きたいと思っている人たちにアドバイスをするとすれば?
 

すべてのことに注意を払うことです。自分の周りの情報をできる限り何でも吸収する。
それは間違いなく自分にとって有益なことですから。
私は自分が良い話し手であると思っている限り、良い聞き手であろうとも思います。
誰かと座って話をしようとする時、私は何もしゃべらず、何かが起きて、相手が話すことを受け容れるよう努めます。
何かを習得する時に最も大切なことは聞くことによって経験を積むことです。
コレが自分を成長させる唯一の手段です。
今まで私が関わって来た業界には、相手との関係やどんな情報を相手が持っているかをよく考える前に、成果を急いでしまう人たちがたくさんいました。
 
 
バンドやアーティストのどういった点がアナタを惹きつけますか?
 

音楽第一です。
もちろんステキな音楽でなければなりませんが、他にもそのアーティストを成功に導くためのたくさんの重要な要素があります。
私が個人的に見ているのは…
★魅力的な音楽:当然ですよね。他の人に聴かせたくなるいような要素がなければ私の出る幕はありません。
★情熱:申し上げた通り、情熱と熱意ことが曲を売るのです。曲というモノはそれがすべてです。
★やる気:すべてのアーティストは一生懸命に働くか、一生懸命働く意欲がある…のどちらかである必要があるでしょう。彼らの創造への旅のどこにいるのかにもよりますが。
★柔軟性
ひとたび曲が作られて録音されると、アーティストは他の人たちにオープンであらなければなりません。作品について別の選択が与えられ、改変をススメられ、アレコレと指示を受けることになりますから。

Sp3_2 
あなたの仕事を一言でまとめるとなると?
 
楽しみ。
 
 
どうして?
 
ただ単に自分がやっていることが楽しいからです。
ズット楽しい人たちと仕事をしているし。
仕事は大変ですが、取り組んでいる間、その戦いを楽しむことのはとても良いことです。
母がよく言っていました…「もし笑わないなら泣くことになるよ」って。その通りだと思います。
大変な仕事はそれを楽しんじゃうことが一番なんですね。
 
 
アーティストがMarshall Recordsと契約します…そうした場合、次には何が起こるのでしょうか?
 

先方のキャリアによって色々ですね。
我々のアーティスト・リストを充実させるために契約をするのであれば、先方がどういうポジションにあるかを見定め、マーケットでどんな存在であるかを分析します…コレは今までと同様なんですが…そして、アーティストの目標と成し遂げたいことを設定します。
まずはそれをスタート時点の課題に据えます。
何をしたいのか、どう成りたいのか、どういう風に見られたいのか、どういうジャンルに区分けされたいのか、ということを決めるのも重要です。
そしてひとたびそれらを設定すると、必要な関係者とコンタクトし、それらの目標を達成するために共同作業を展開していくのです。
 
そんなことからアーティストの熟成期間は状況によって大きく異なります。
先方はすでにいくつか曲を作っているかも知れませんし、ビデオを制作する必要があるかも知れませんし、配給の計画を立てなければならないかも知れません。
あるいはイチから初めてスタジオに押し込んでそ、こから何かを作りだすケースもあるかも知れません。色々です。
どんなバンドと仕事をしようとも我々は腰を据えて考えます…我々はどこにいるのか?我々はどこに行きたいのか?そこへはどうやって行くのか?
 
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
 
以上。
ピーターはウチのセガレたちよりいくつか若いんだけどシッカリしとる。
冒頭でピーターを「仕事のパートナー」だなんて書いたけど、ピーターは私をレコード屋さんの店主にしてくれた本人でしてね。
彼のプッシュがなければ『Marshall Music Store Japan』は実現しなかった。SもちろんD_Driveの世界デビューに当たっても並々ならぬサポートをしてもらい、現在でも微に入り細に穿ち面倒をみてもらっている。
彼とは2019年の『Marshall LIVE』の時に1回しか会ったことがないんだけど、ネット電話を通じて隔週でミーティングをしているので生で接する機会が多く、仕事の話のついでに英語についてチョコチョコっと教えてもらうなんてことも少なくない。
ブルースが好きなのかな?
仕事柄もあってか、若い割に昔の音楽もよ~く知っている。
ま、私には到底かなわないけど…古い音楽だけね。
S0r4a0510紅茶もそうなの。
ウチはこの「Sainbury's(セインズベリーズ)」というスーパーの紅茶、すなわち庶民が飲む一番普通のお茶が大好きで、商品を発送してもらう時にピーターに頼んでこの一番デカい240個入りというヤツをついでに送ってもらっている。
味はイギリスで飲む紅茶と違いますよ…向こうは硬水だから。
で、最近「Contrex(コントレックス)」とかいう硬水があるのを知って、「コスコ(COSTCOのことね。海外で「コストコ」と言うとかなりの高い確率で笑われますのでご注意のほどを!)」で買って来てこの紅茶を飲んでみた。
思わず口から出るのはThe Kinksもビックリの「Cuppa tea?」!
イギリスで飲むあの紅茶の味にかなり近いのだ。
ミルクを入れると更に近くなるよ。Ssbtピーターは私のMarshall Blogもキチンと認識してくれていて、日本で手に入らなかった下の本を送ってもらうようにお願いすると快く対応してくれた。
ロンドンにかつてあったライブハウスの図鑑。
コレがベラボーにオモシロくて、Marshall Blohの『イギリス-ロック名所めぐり』にメチャクチャ役に立つ1冊なのだ。S0r4a0039Marshallの本社があるミルトン・キーンズとオックスフォードの中間ぐらいにあるピーターの住む小さな町のようす。
イギリスは郊外の小さな町がどこもかしこもメチャクチャ魅力的だ。

Sch彼は私がMarshall Blogの中に『名所めぐり』を連載していることを知っていて、昔々この町のライブハウスにKing Crimsonがやって来たことを話してくれた。
も~ね、ブリティッシュ・ロックで育った私としては、そういう話を聞くとタマらんのよね。
恐らくグレッグ・レイクがいた頃のクリムゾンの話でしょう。Sab2コレがピーターの家…かと思ったら違った。
郊外にある「Waddesdon(ワデスドン)」というマナー・ハウス…貴族の家ね。
こういうイギリスの風景を目にするたびに日本に生まれて来てしまったという不公平感を抱かざるを得ない。
東京はどこかの野蛮人がすべて焼き尽くしてしまったからね。
あと、背広を着て海外でのパーティに出席する時ね。
あの時の劣等感だけはどうにもならん。Smh いつもニコニコしているピーターだけど、仕事のことになるとすごくシビアでしてね…「音楽」を「ビジネス」として扱う感覚とか姿勢にはものスゴいプロ意識を感じる。
特に今はITを使ったプロモーションが盛んでしょ?
ITを駆使した仕事の仕方が生半可じゃない。
私がいる環境がそうさせるのかも知れないが、この辺りの話をしていると、日本って手が付けられないぐらい遅れているのではないか?と心配になって来るんだよね。
でもね、とにかくもう言葉がわからんのよ。
英語自体はわかってもIT関連の用語がサッパリ理解できなくていつもピーターに迷惑をかけてしまうのですわ。S0r4a0479そんな若いピーターから教わることのひとつに「西洋人の寛容さ」というのがある。
仕事ですからチョットした話しの行き違いで意見が合わなくなることが出て来るでしょ?
そういう時、彼らってまず「No prolem!」とか「No worries!」ってやるんだよね。
決してガミガミ相手を押し込んだりするようなことをしない。
こっちもそう言われると、いっぺんに気がラクになって同じ方向を向こうという気になるでしょ?
連中は必ずまず一歩退いて相手の話を聞いて、それから自分の意見を論理的にバシっと言う。
そういう人との接し方を子供の時から学ぶんだね。
そうでない人ももちろんいるけどね。
勉強になります。
Marshallのレコーディング・スタジオも完成して、Marshallの新しい展望が開けて来た。
これからもピーターにはたくさんお世話になりそうだ。
アイツ、日本に来たことがないって言うからな~、来たらウマいもんをたくさん喰わせてやろう。
その前に…早くまたイギリスへ行きたいナァ~。
 
ということでMarshall Recordsをよろしくお願いします!
しかし、ピーターはデカいな。Simg_9063Marshall Records商品のお求めはコチラ
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2021年4月13日 (火)

【訃報】John Kentさんのこと

 
「John Kent(ジョン・ケント)」なんていかにもミュージシャンらしい名前だけどさにあらず。
私のイギリスのお友達だ。
イエイエ、「お友達」などと申しては大変失敬に当たるぐらい年上のお方…イヤ、お方だった。
そのジョンが「先週お亡くなりになった」とワザワザMarshallの社長が私に知らせて来てくださった。
そうか…ジョンもか…。
と言っても、ジム・マーシャルとそう年が変わらなかったハズなので、80歳台も後半の大往生だったに違いない。
今日は全くの私事になってしまうが、ジョン・ケントの思い出を記して哀悼の意を表したいと思う。
そこで早速ジョンの写真を探したのだが見事に1枚もなかった。
そこで取り出したるのがジムの伝記本『Fathers of Loud』。
この本にジョンが写っていることをMarshall の社長のジョンが(ややこしい!)思い出させてくれた。Fol_2下の写真がそれ。
ジムの生家や最初の楽器店等、Marshallの誕生に関わるロンドンのランドマークを2003年にジムと一緒に回った時に撮られたモノ。
「Number 1 AMP」号をバックに微笑む2人。
ジョンはジムの運転手であると同時に大の親友だった。
業務上、常に車の中でジムと一緒だったので、「社内で会社の内情に一番詳しいのではないか?」という冗談があったぐらいの関係だった。
後ろの席の会話がイヤでも聞こえて来ちゃうからね。122kentジョンはジムの運転手を務めていない時は来客の送り迎えもしていて、何度もジョンにヒースローと工場の間を運転してもらった。
見るからに「イギリスのおジイさん」という感じで、一番最初にお会いした時はチョット恐い感じがしたが、実は全然そんなことはなく、車の中ではいつもニコニコしながらヘタな私の英語に応対してくれた。
そうして、何度もお会いしているウチに私もジョンと仲良くなり、日本から持って行って食べなかったカップ麺を差し上げたりするようになった。
次に会った時には「あのヌードルおいしかったよ!家族みんなで分けて食べたんだ」なんて言ってくれた。
 
ある時、車にMGのミニ・スタックが積まれていて、そのことを尋ねると「イヤ、今日孫の誕生日なんだよ。だからMarshallをプレゼントしてやるんだ!」とうれしそうに答えてくれたこともあった。

Mg15ms 今では舞台が中国に移り、スッカリ規模が縮小してしまったようだが、かつては世界一の楽器展示会だった「MUSIK MESSE(ムジーク・メッセ)」が毎年ドイツのフランクフルトで開催されていた。
MarshallとFenderはロック楽器のカテゴリーでは最大の展示ブースを設営していて、ジムはそこでサイン会を催すために毎年参加していた。
ジムは車でやって来た。
イギリスから英仏海峡トンネル(Channel Tunnel)でドーバー海峡をくぐり。フランスに入り、ベルギーを経てフランクフルトに向かう、4か国を跨ぐドライブだ。
順調にいって9時間ぐらいかかるって言ってたかな?
この運転を担当していたのがジョンだった。
ジョンが私に仲良くしてくれたのは、毎年フランクフルトで1週間毎日顔を合わせていたこともあったろう。
そのフランクフルトに最初に行った時のこと。
展示会は朝の10時からが5時まで開いていて、販促品の準備やブース内の観客の整理などで結構忙しく、閉会した後、夜はみんなで会食するのが普通だったので、会場の外の様子をうかがうことができなかった。
私にとっては生まれて初めてのドイツで、どうしても街の様子が見たくなり、ある時会食を辞退してひとりで地下鉄に乗って街に出かけた。
次の日の朝、ブースでMarshallの連中にこのことを話した。
その中にジョンがいた。
すると、その話を聞いたジョンが急に怒り出してしまった。
最初はフザけているのかと思ったら、トンデモナイ!
かなり真剣に怒っているのだ。
「シゲッ、そんなことしちゃ絶対にイカン!フルンクフルトという街は世界で最も多様な人種が集まった危険極まりない場所なんだ。
Marshallのボーイズ(←確かにこう言った)も街へ行く時には何人かのグループで行くのがルールになっているんだよ。
それを夕方にひとりでノコノコ出かけていくなんて冗談じゃない!
二度としてはイケないよ!」
ビックリした。
12img_0499ま、「知らぬが仏」ということか?
期待して行ってみると暗くて何やらツマらない街だった。
サッサとホテルに帰ったためコワイ目には全く遭わなかったけど、ジョンの話を聞いて後でゾっとしたよね。
私が経験した大都会といえば、ニューヨーク、ロンドン、上海、東京ぐらいのモノだけど、確かにフランクフルトが一番コワイ感じはするな。
そもそも街の雰囲気が何となく冷たいんだよね。
でも思い出は楽しいことばかり。
1週間丸々Marshallの連中と過ごすので、Marshallという会社のことはもちろん、音楽のこと、イギリスのこと、英語に関すること…フランクフルトではずいぶん色んなことを教わった。
私、メチャクチャ一生懸命やるからすごく可愛がってもらったのよ。
とても懐かしいし、あの頃がもう二度と戻って来ないのかと思うととても寂しく感じてしまう。
12img_0494 ヒースローからMarshallの本社に行く時、M1という高速道路(もちろん無料)に乗って行くのが一番早いんだけど、時間によっては渋滞地獄でニッチもサッチもいかなくなってしまうので、地元のドライバーたちは信号がほとんどない下のような田舎道をグングン進むことを選択する。
この途中の景色が美しいのなんのって!12img_5658 こんな小さな村を通って行くのも実に楽しい。
そこである時、ハンドルを握るジョンに「イギリスの田舎は本当に美しいですよね」と言うと「イヤイヤ、シゲ、こんな景色で驚いていてはイカンぞよ。
ベルギーなんてココとは比べ物にならないぐらいキレイだぞ!」
私なんかにはコレで十分なんだけど、生まれた時からこんな美しい景色に囲まれて生活している人が「キレイ」っていうんだからベルギーも行ってみたいと思ったよ。12img_2771ジョンと撮った写真が一枚もない。
Marshallに来ればいつでも会えるから…とさして撮る必要を感じなかったのかも知れない。
それがある時、ジョンがジムより先にリタイヤするという話が伝わって来た。
それでも、またいつか会えるだろうと思っていた。
一枚でもいいから一緒に写真を撮っておけばヨカッタ。
もうジムもジョンもいなくなっちゃった。
 
今のMarshallの本社に勤めている若い人はジョンはおろかジムとも会ったことがないからね。
こういうことはチョットしたことなんだけど、私は「ジム・マーシャルと仕事をした最後の日本人」としてこうしたMarshallの歴史を書き残しておきたいと思うのである。
 
さようならジョン・ケント…色々とお世話になりました。Jk
 

200




2021年2月22日 (月)

スタジオ・ジョニー~Jonny Plays Studio <STUDIO CLASSIC編>

 
Johnny Yoshi HiroによりSTUDIOシリーズのデモンストレーション。
前回<STUDIO VINTAGE編>をお送りしてかずいぶん時間が経ってしまったけど…10<STUDIO CLASSIC編>が完成しました~!

20今回もSTUDIO CLASSICシリーズのヘッド、SC20Hと…

302×12"や1×12" の組み合わせ。501×12"コンボのSC20Cをデモして頂いた。

40_2 JohnnyくんらしいトラディショナルなプレイはSCシリーズの魅力をバッチリ引き出してくれた。

60もちろん得意のボトルネックも披露!

70コンボのテリーの組み合わせもいいもんだ~。80それではどうぞ~!

『スタジオ・ジョニー<VINTAGE編>』も併せてどうぞ!

 
「Marshall Japan」チャンネルの登録をお願いします!⇒YouTube

90 

200
(一部敬称略 Marshige Studioにて撮影)

2021年1月 7日 (木)

曾我泰久 Plays STUDIOシリーズ

   
使いやすい、持ち運びはすい、カッコいい、カワイイ、そして何よりも音が最高!…と、好評のSTUDIOシリーズ。
今回は曾我泰久さんにご試奏をお願いした。10大きなステージでは必ずMarshallを使用して頂いているヤッチン。
最近のソロのステージではギター・ソロのパートのほとんどを田川ヒロアキさんに任せ、シンガーとしての役割に集中しているが、ナンのナンの、The GOOD-BYE時代からバリバリをギターを弾きこなして来た大ベテラン・ギタリストなのだ。
実際、私が若い頃、THE GOOD-BYEがテレビに出ていて、ヤッチンがギターを弾いているのを目にすると「ウマい人だナァ」なんて思ったりしたモノよ。
S0r4a0076ヤッチンはかなり前からこのSTUDIOシリーズに興味を持って頂いていて、いつでもご試奏頂きたかったのだが、忙しい人だからなかなか実現できないでいた。

12ss

それが、コロナのせいもあってお時間ができたので、先日の神田明神ホールのコンサートの時にスンナリと話がまとまった。
我が事務所の近くのスタジオにお越し頂き、半日ドップリとMarshall風呂を浴びて頂いた…というワケ。
楽しみにしていたSTUDIOシリーズ…さて、どんな展開になったのかな~?
STUDIO CLASSICとSTUDIO VINTAGE、それぞれ3種類、合計6通りの組み合わせでトライして頂いた。
20では、まず…
SC20H+SC212
から…30vMarshall シゲ(以下「M」):いかがですか?ずいぶんタップリと弾かれましたね?
曾我泰久(以下「Y」):そうですね…小さいワリにとにかく音がデカくて驚きました。
M:20Wなんですけどね…さすが真空管アンプです。
Y:それと、音がキュッとまとまっているのがすごく印象的でした。
このギターってすごくハイ(高音域)がでるんですけど…
M:ね~!(実際に弾かせて頂いたところ、私もいい加減色んなギターを弾いたけど、高域のリッチさにはビックリよ!)
Y:でしょ?でも出て来る音がすごくバランスよくまとまっていて、初めてこのギターの素音を聴いた感じがする…。
2人:(爆笑!)

40Y:今まで色んな所でこのギターを弾いてきたんですが、エフェクターを必ず通していたんですよ。
M:わかります。
Y:今回、このSTUDIOシリーズ本来の音が知りたかったので直でつないでみたんですが、やっぱり音の「まとまり感」がスゴいのと…あと、攻撃性がスゴい!
M:攻撃性?
Y:「弦の響き」みたいなモノをすごく感じますし、ボクが思っている「ロックの音」っていうのかな?…今、自分が演っている音楽にすごくマッチするように思いました。
M:歪みの感じはいかがですか?狙った通りの感じ?
Y:そうですね。ヘンに歪みすぎたりしないし、ベチャっとせずに音を押し出してくれる。

50vM:曲を作る時、楽器にインスパイアされることってありますか?
Y:あります。
M:その点でこのMarshallはいかがですか?ハードな曲ができちゃう?
Y:クランチがすごく気持ちいいですからね。
ギターのボリュームを落とした時の音の粒立ちの良さがまたいいんですね。
シゲさん、さっきおっしゃっていましたけど、あのセブンス・コードが出ちゃんですよ!
2人:(爆笑!)※ココでのセブンス・コードはビートルズの「She's a Woman」や「Back in the U.S.S.R.」などで聴ける典型的なコード・フォームのこと。
M:「明星」の付録の歌本に載っている押さえ方ですよね!
Y:ボクはコレでセブンス・コードを覚えたんです!60 
SC20H+SC112

70vM:さて、ヘッドはさっきと同じですが、キャビネットが2x12"に変わりました。
Y:こうもサウンドが変わるモノなんですね~。
M:最終的に音を出しているのはスピーカー・キャビネットですからね。
Y:やっぱり、小さいのに音が大きいという印象です。2x12"よりギュッとしたイメージ。
M:芯があるみたいな?
Y:そう。コレで十分ですよね。「STUDIOシリーズ」というだけあって、レコーディングでは当然、ステージでも完璧に使えますよね。
M:皆さんそういうご感想です。
Y:やっぱり。音の印象としては、キャビネットが小さくても全く物足りないことはない。
それでキャビネットの個性がすごく出ていると思います。
2x12"よりこの1x12"の方が音の粒立ちハッキリするような感じがボクにはあります。
M:THE GOOD-BYEの時に野村さんの小型アンプに対抗するにはもってこいじゃないですか?
Y:ハハハ!見た目はね!

80 
SC20C

90vY:いいですね。すごくいい。
こんなに小さいのにMarshall独特のガッガッという押し出し感が出ている。
昔、レコーディングでこのガッガッが欲しくてMarshallを用意してもらったことがあったんです。
ボクの中のMarshallのイメージは、この背中を押してくるようなガッガッなんです。
それで、こんなに小さいのにそれがバッチリ出ているところはホントにスゴいと思います。
M:チャンク(chunk)の時ですよね?
Y:チャンク?
M:右手の平でミュートして低音弦を8分で弾くことを英語圏では「チャンク」っていうんですよ。Marshallの本を翻訳していてコレがわからなくて苦労しました。
Y:ヘェ~。
100M:スタックとコンボの選択のこだわりってナニかありますか?
Y:見た目はスタックですね…やっぱりカッコいいですからね。
M:Marshallのお家芸でございますから!
Y:正直…コンボがこんなにいい音を出すなんて知らなかったですよ!ちょっとビックリです。
M:ひとつの箱の中にアンプとスピーカーが一緒になっているのと、スタックのように別々になっているのとでは音がゼンゼン違うと言われています。
Y:なるほど…それと、さっきシゲさんがやってくれたように、コンボ・アンプを壁に近づけたり、反したりするだけでまた聞こえ方がゼンゼン変わって来るのにも驚きました。
深いですよね~。110 
SV20H+SV212

120vM:ココからはSTUDIO VINTAGEです。
Y:アノ~、ボク、本当にゼンゼン詳しくなくて…。
M:イエイエ、皆さんがお詳しいと私の商売がやりにくくなっちゃいますからね。
Y:ハハハ。
この形は馴染みがあるんです。昔、フォーリーブスのバックのギタリストの方がこういうのを使っていらっしゃったんです。
(※1959のこと…こういうヤツ ↓ ↓ ↓)

1959  
M:その時代は1959ぐらいしかなかったんですよ。
Y:郷ひろみさんの時もMarshallでしたね。
ウン…ジャニーズはもうみんなMarshallでしたよ!
M:我々世代はみんな、「Marshall」といえば「1959」ですから。
いかがです?
Y:CLASSICシリーズより、より弦の音が聞こえるような感じがします。
M:弦の音が1本1本ハッキリ聞こえるようなイメージですよね。
Y:そうそう!ちゃんと歪んでいるのにそう聞こえるんですよ。塊になっていなくてすごくキレイな音。
M:そして、音が大きくてもうるさくない…ま、ウルサイ方もいらっしゃいますが。
Y:そう、気持ちいい!
さっき教えて頂いた、インプットの場所によって音が変わる設計もスゴイですよね。
M:それは「音質」というよりも、ギターの出力を考慮してのことだったんですけどね。
Y:この時代にスゴいアイデアだと思います。
あと、見た目がメチャクチャかっこいいですよね。
200 M:最近気が付いたんですが、この黒と金と白…このデザインって、ジム・マーシャルはロンドンのパブの看板からヒントを得たんじゃないかと思うんですよ。
ロンドンには黒字に金の文字を入れた看板を掲げているパブがたくさんあるんです。
Y:あ~、なるほど!
あ、シゲさん、イギリス人って本当に傘をささないんですか?
M:滅多なことではさしません。雨が降ると結構風が出ることも多く、「ささない」というより「させない」ことも少なくないんです。みんなビチョビチョになっていますけどヘッチャラです。
あのパーカーってあるでしょ?
Y:あの洋服の?
M;アレ、イギリスでは「フーディ」っていうんです。フードが付いているから「フーディ」。
イギリスではフードは飾りではなくて、傘の代わりなんです。
雨が降って来ると傘をささずに、みんな一斉にアレをかぶり出します。130v 
SV20H+SV112

150vM:こちらでも1x12"のキャビネットをお試しいただきました。
Y:も~、ね。いいですね!ホントに…いい!
「キタ!」って感じがします。
M:このコンビネーションは確かにすごく人気があるんです。
Y:音の立ち上がりがスゴいですよね。反応が早い。
M:弾き手にとってとても重要なポイントですよね。
Y:あと、ギターのボリュームを絞っていってクリーンに近くなった時の音がまたメチャクチャいいじゃないですか!
ギターのボリュームを調整するだけで音の表情がガラっと変わります。
ボリュームを下げても音がちっともペタペタしなくてすごくキレイなんです。
M:いいアンプの証拠です。そして真空管アンプならでは特性です。
Y:それと、ピッキングの強弱を驚くほど正確に表現してくれるます。
すごく上品に作られていると感じました。
M:値段の安いアンプではこうはいかない。やっぱり「ただ銭は取らない」ということです。160v 
SV20C

170vM:VINTAGEのコンボです。
Y:コレもいいナァ~。
M:コンボらしいコンボ。コンボ派にはタマらないモデルだと思います。
Y:コンボらしいコンボ?
M:はい、スタックに比べてやっぱりガタイが小さい分鳴りがコンパクトなんですね。音の大小ではなくて。
ですからこの後、またスタックに戻ると鳴り方がゼンゼン違うことがすごくよくおわかりになると思います。

180vY:コレもやっぱり弦の1本1本が聞こえるようだし、カタマリになった時のパンチ力はすさまじいですよね。
M:場所は取らないし、軽いし、見た目はいいし。
Y:ビックリです。こんなに小さいモノがあんなに大きな音を出しているようには全く思えません。
大したモノです。
M:ありがとうございます!
Y:イエイエ、こちらこそ念願がかないました!

190v実は…サササとそれぞれ音を出してイッチョ上がり!みたいになるのかな?なんて思っていたりしたんだけどトンデモナイ!
1台1台とにかく丁寧に、そしてジックリと時間をかけてお試し頂いて、結局時間イッパイになってしまった。
ヤッチンも好きね~。
…と言うぐらい魅力的なMarshallなのです。210その後はMarshallの事務所で音楽談義。
マイナーなロックから、ジャズ、クラシック、ミュージカルまで、私が好き勝手に選んだ音楽をガマンして聴いてもらいながら、色々なおしゃべりをさせて頂いた。
ショウビジネス界でのキャリアが半世紀ににもなろうかという方のお話だからね、いつも事務所へ来るミュージシャンとはまたゼンゼン違う話題ばかりでも~最高にオモシロかった!
お疲れさまでした。0r4a1486さて、今日は1月7日。
ヤッチンの誕生日なのだ。
 
お誕生日おめでとうございます!
 
…ということで、毎年恒例のバースデイ・ライブが今週末に開催される!
ウチのライブ仕事始め。
緊急事態宣言がまた出されるけど、開演時間も早いし、規定をバッチリ遵守しての開催なので安全で楽しいコンサートになることでしょう!
 
曾我泰久の詳しい情報はコチラ⇒soga21.com

Mh
 

200_2
(一部敬称略 2020年11月 都内某スタジオにて撮影)

2020年11月 4日 (水)

史上最大のMarshallの壁 & ジム・マーシャル・インタビュー

 
イヤ~、あるもんだね~。
初めて見た時は「こんなもんが残っていたのか!」と相当ビックリした。
何の話と言うと…コレ。80ジム・マーシャルの伝記本『Father of Loud』の表紙にもなっている巨大な1960Bの壁。60私の事務所のシンボルにもなっている。

70v_2この1960Bの壁は、1992年、Marshallの創業30周年を記念して「ハマースミス・オデオン」の舞台に作られた。
今は「イヴェンティム・アポロ」というカッコ悪い名前になっているハマースミス・オデオンね。
まだCGなんてない時代の撮影だからして、ダミーとはいえ、175個の1960Bを本当に積み上げて撮影した。
ビデオではその設営から解体、撤収までが記録されている。

75まずは一度そのビデオをご覧あれ。
ビデオにはその壁とは全く関係のないジム・マーシャルのインタビューの音声が重ねられてる。
無関係な動画と字幕をいっぺんに見ることはかなり難しいと思われるため、まずは壁が作られていく様をココでご覧頂きたい。
ジムが実にうれしそうにしている姿をお見逃しなく!
本音を言うと、もっともっと長尺で見てみたかった。
ね~、ホントに積んじゃった。
さて、今度はビデオ映像に重ねられているジムのインタビュー。
上にも書いた通り、インタビューの内容はハマースミス・オデオンの映像とは全く無関係だ。25インタビューは2004年、『BBC THREE COUNTIES RADIO』というBBCのローカル・ネットワークでオンエアされた。10このローカル局は、Marshallの本拠地であるミルトン・キーンズは当然のこと、ニューポート・パグネル(Aston Martinの工場があるところ)、ルートン(空港があるところ)、レッチワース(Enigma暗号を解読したThe Bombeのパーツを作っていたところ。ロックフェスでおなじみのネブワースの近く)、ヒッチン(レッチワースのとなり)、ダンスタブル(Gary Cooperの生誕地)等々、イングランド中部をカバーしている。
実は、上に挙げた地名は全部自分が行ったことがあるところを選っているのですわ。
ちゃんと言うと、Bedfordshire(ベドフォードシャー)、Hertfordshire(ハートフォードシャー)、そしてMarshallの本社があるBuckinghamshire(バッキンガムシャー)の3郡にネットワークするラジオ局だから「Three Counties」なワケ。
イギリスには「州(state)」とか「県(prefecture)」とか「郡(county)」という行政区画がない。
代わりにあるのが「シャー(-shire)」という行政区画。20
イギリスの「三大大聖堂」の一角、「ヨーク大聖堂(York Minster)」があるヨークね。
「大聖堂」のクセにここだけは「Minster」っていうんだよな。
生前のジムも言っていたけど、この町は問答無用で美しい(ヨーク訪問記はコチラ⇒Shige Blog)。
ココがあるのは「ヨーク」の「シャー」だから「ヨークシャー」。

Simg_6145 「ヨークシャー」というブタの種類があるでしょ?
あれは「Yorkshire(ヨークシャー)」が原産だから「ヨークシャー」という。
浅草でよくブタちゃんを散歩させている人がいたけど最近見かけないな…食べちゃったのかな?Pig_2 犬の「ヨークシャー・テリア」も出身は当然ヨークシャーだ。

Dogスタフォードシャー・ブルテリア」は「Staffordshire」の出身。
コレ、ずいぶんコワい顔をした犬なのね。SbHertfordshireというのは『My Fair Lady』のRoyal Ascot(ロイヤル・アスコット)のシーンでイライザが「Hertford, Hereford and Hampshire hurricanes hardly ever happen」とやる、あのハートフォードね。
ちなみにこの映画の衣装を担当してオスカーをゲットしたのはイギリスの有名なフォトグラファー、「Sir. Cecil Beaton, CBE(セシル・ビートン)」。
ロンドンでビートンの写真展を観に行ったことがあるんだけど、メッチャ素晴らしかった。
 
イカン、イカン、「シャー」ぐらいでこんなに脱線してたらシャーないな。
Hhhインタビュアーは同局の「Big George(ビッグ・ジョージ)」ことGeorge Webley(ジョージ・ウェブリー)。
インタビューの中では大変元気にふるまっているが、2011年に53歳で亡くなってしまったそうだ。30久しぶりに聞くジムの声。
よろこんでインタビューに字幕を入れて皆さんに楽しんで頂こうと勇んで英語の聞き取りに取り掛かった。
 
死んだわ~。
イヤ、マジで大変だったわ。
 
ジムの英語が聞き取りにくいのは先刻承知だったんだけど、このBig Georgeの英語がまたツラかった。
苦労の末、2人の会話を一言一句、すべて文字に書き起こした。
予備知識が豊富なので、話している内容は正確にわかるんだけど、どうしても聞き取れない、あるいはわからない箇所がいくつもあった。
私はこういうのは徹底的にやらないと気が済まない性質なので、またまたイギリスのマーケティング・チームのフィリッパ女史に助け舟を出してもらった。
下の写真のように聞き取れない箇所はアンダーラインにして、そこを埋めてもらい、かつ誤謬を正してもらったのだ。
フィリッパは私の原稿を見て、「スゴイ!よくここまでやったわね!大したものね!」とすごくホメてくれた。
恐らく彼女は私が「ホメられると伸びるタイプ」ということを知っているのだろう…イヤイヤ、人間は全員そうだよね?
「怒られて伸びる」ヤツなんてほとんどいないって!
でもフィリッパの賛辞はまんざらウソでもなく、2人のつぶやく(mumble)ようにしてブッ速くしゃべる英語には彼女にも聞き取るのが難しい箇所があったし、知らないことも含まれていてGoogleの助けを借りたそうだ。
しかし…イギリス英語ってはいいね。
そうして、聞き取ることができたのはいいんだけど、それを日本語字幕に当てはめるのにまたエラく苦労した。
英語の達人が字幕を見たら「オイオイ」という箇所もあるかも知れないけど、ま、ジムと一緒に仕事をした人間として彼の気持ちを意訳した…ということで許してくだされ。
コレで言い訳も完了。
50で、このインタビューには少々唐突に感じる箇所がいくつかある。
それもそのハズ、元は38分半にもわたる長尺な内容で、それを切りに切って6分弱に縮めたモノなのだ。
その元のインタビューは、2004年に行われ、後に下の写真のようなCDにして関係者に配布された。
いつこのCDを頂いたのかはチョット覚えていないんだけど、大事に保管してあったのを思い出し、全編聞いてみた。
おかげさまで2人の英語に慣れていたせいか、比較的にラクに聞き通すことができた。
コレをアソコまで編集した人…エラい!
 
元のインタビューには、ジムの幼少の頃の話やアンプ製作に至るまでの話、真空管の話、今は亡き私の友達やかつての運転手の名前まで出てきて聞いていてグッと来てしまった。
そして、話がMarshallアンプ誕生のクダリになると何度も名前が出て来るのが、Pete Townshend、Big Jim Sullivan…そしてRitchie Blackmoreの3人の名前。
Big GeorgeがDeep Purpleの名前を出すと、「ああ、リッチーは私のドラムの教え子の学校のバンドでギターを弾いてたよ」ぐらいの扱いでオモシロい。
 
コレは他の機会にも書いているけど、ナゼ、若者がわざわざロンドンの外れにあるジムの楽器店に足を伸ばしたか…。
このインタビューでジムは「みんなロンドンの楽器店がstupid(バカ)だからと言ってうちに来たんだ」と言っている。
「stupid」というのは同じ「バカ」でも「fool」や「idiot」と違い、相手を怒らすような「バカ」を指すらしい。
その心は「ロンドンの楽器屋はクラシックやジャズのお客さんを大切にしてロックンロールを認めようとしない」というワケ。
 
ところが、先日『名所めぐり』で「Denmark Street」をやったでしょ?
調べてみて、この時代のCharing CrossやDenmark Streetの楽器店がロックをバカにしていたような雰囲気は一切感じられなかった。
どういうことかと言うと、多分ですよ…コレはものすごい短期間に「ロック」という音楽が爆発的に普及したということを示しているのではなかろうか?
だから、ジムにはそうとう先見の明があったのと、やっぱりMarshallというブランドにとってジミ・ヘンドリックスの存在は計り知れないほど大きかったのではなかろうか。
ああ、イギリスはたまらなくオモシロい!
内容的にはどれもこれも知っている話だけど、こうしてあらためてジムの声と口調で話を聞くと大変感慨深い。
ますますMarshallが好きになる。
 
Denmark Streetの記事はコチラ⇒【Marshall Blog】変わりゆくロンドン

40はい、もう1回ビデオを見て頂きましょう。
今度はジムの声を聞きながら字幕を読んで頂きたいんだけど、インタビューをもっと楽しむために若干の解説を付け加えさせて頂いた。
興味のある人はどうぞ。
 
0:29 The Darknessのポスター
当時ジムはこのポスターのことをよく言っていた。
恐らく、当時の総理大臣であったトニー・ブレアが、お気に入りのバンドとして「The Darkness」を挙げていたため、ジムはこのバンドに親近感を持っていたのではあるまいか?
ジムはブレア首相のことを「トニー」と呼んでいたからね。
それとは別に、ジムがよく使っていたイタリアン・レストランのシェフの名前がトニーだった。
どこかの会食の席で「トニー、トニー」というのでてっきりそのシェフのことを言っているのかと思っていたら、イギリスの総理大臣のことだった…なんてことがあった。
ジムが言っているポスターのことはよく覚えている。
何せフランクフルトで何千枚もクルクル巻いて輪ゴムで止めたからね。
皆さんにお見せしようとインターネットで探したんだけど出てこなかった。
私もThe Darknessが好きで、サマーソニックで来日した時に写真を撮らせてもらった時はうれしかった。

Simg_0360

Simg_0064 ちなみにMarshall RecordsのRewsは去年、The Darknessのツアーの前座で一緒に全英を回ったが、最後までできたのかな?Rews 

0:53 ジミ・ヘンドリックスのこと
ジミが初めてMarshallを弾いたというソーホーの「Ronnie Scott's」。
コレは去年のようす。Simg_9757 コレはもうずいぶん前の写真だけど、店の中はこんな感じ。
ジミは人生の最後に演奏した場所もココだった。
詳しいことはそのウチにやる『ジミ・ヘンドリックス特集』で!
Simg_0042 ここではジムはジミのことを「tall and lanky(長身で痩せこけた)」と形容しているが、ジミはものすごく礼儀正しかった…と生前のジムは私に教えてくれたことがあった。
下の写真はジミが訪れたハンウェルのジムの2号店があった場所。
この時の写真があればヨカッタのにね~。
でもそれはムリ。
まだジミがブレイクする前の話だからね。
インタビューで言っている通り、「しめしめ、スタックが売れたぞ!」ぐらいにしか思わなかったんだろうな。
コレ、ミッチじゃなくて、チャス・チャンドラーがお店に連れて行っていいれば話はまた違ったかも知れないね。
The Animalsはすでにその時世界的なバンドだったから。Simg_8094 
2:46 王立空軍バンド
字幕はこうしておいたが、ジムは「Squadronaires(スクワッドロネアーズ)」と言っている。
コレはフィリッパも初めて耳にした言葉で、グーグルで調べてくれた。
第二次世界大戦中から戦後まで続いた空軍のオーケストラで、正式な名称は「The Royal Air Force Dance Orchestra」。
なるほど、サキソフォンのパートにCliff Townshend(クリフ・タウンゼンド)、すなわちThe Whoのピートのお父さんの名前がクレジットされている。
 
2:48 英語
「キリコンスタークマッド」と聞こえる。
コレがまったくわからなかった。バンドの名前か?
闇に葬っちゃおうかと思ったんだけど、後でもう1回出てきたもんだから、フィリッパに教えてもらった。
ジムが言っているのは「The kid had gone stark raving mad」。
「stark raving mad」で「常道を逸する」という意味なのだそうだ。
80~90年代によく使われた表現だそうで、今ではほとんど耳にしないのだとか…だからわからなかったのか~(ウソ)。
 
2:59 リッケンバッカー
上で紹介した「Denmark Street」の記事を読んでいらっしゃる方には、ジムとリッケンバッカーの関係がおわかりだと思います…ね~。
 
3:25 ショウほど素敵な商売はない
ジムが「There was no」まで言ったところでGeorgeがそれを遮ってしまうが、ジムは「There was no business like show bisuness」と言おうとしたのではなかろうか?
元の時制は現在だけど、もちろんコレは「ショウほど素敵な商売はない」のこと。
ジムが亡くなる前年に家を訪ねた時、車イスに座って私にはわからない古~いモノクロのハリウッド映画をひとりでおとなしく観ていたのがとても印象的だった。

Tnb2

Agyg  
4:13 1日10時間働く
かつてはMarshallの本社に行くと、執務室で熱心に帳簿に目を通しているジムの姿をみかけたものだ。
NAMMやフランクフルト、また楽器フェアでも積極的にサイン会に臨んでいたジム。
サイン会にはジムなりの流儀があって、フランクフルトの時なんかは、なんとなく周囲の人が「触らぬ神にたたりなし」みたいな雰囲気だったな。
それだけ真剣に、また熱心に取り組んでいた。
日本では、人間は生まれてから死ぬまで3万回自分の名前を書くと言われているが、ジムは一体何回サインしたかね~。

5:12 ウォーター・ラッツ
「ウォーター・ラッツ」というのは、正式名称を「Grand Order of Water Rats」といって、イギリスのショウ・ビジネスの関係者で構成する慈善団体。
1889年にロンドンで設立された。
ある時、私はジムがいつも同じペンダントを首から下げていることに気づき、そのペンダントについて尋ねた。
するとジムは「ん?コレかい?コレはね、ウォーター・ラッツの会員が身に着けるものなんだよ」とすごくうれしそうに説明してくれた。
下の写真で襟に付けている金色のバッジがウォーター・ラッツの会員の証。
そうしたウォーター・ラッツのトレードマークが写り込んでいる写真が世に出ると、いくらかの寄付をしなければならない…とかなんとか、そんなような説明をしてくれた。
ナゼか私に「ボブ・ホープは会長だったんだよ」と教えてくれたんだけど、私がボブ・ホープを知っていると思ったのかな?
もちろん「Road to(=珍道中)シリーズ」は好きですけどね。
なるほど、コレの会員がスゴイんだわ。
チョット書くと故人では…チャップリン、ピーター・ローレ、ピーター・セラーズ、ダニー・ケイ、ローレル&ハーディ、ハワード・キール、バート・ウィードン…等々。
バートはジムのお友達のギタリストで、私は奥さんともどもフランクフルトで何度もご一緒させて頂いた。
今のミュージシャンのメンバーとしては、リック・ウェイクマン、ブライアン・メイ、ロイ・ウッドなどの名前が挙げられる。
ジムが亡くなった時、Marshallを使わないブライアン・メイから弔辞が来ていたのはウォーター・ラッツの関係だった。
「シゲ、月曜にリック・ウェイクマンが工場に来るけど会っていくか?」なんてこともあった。
1日前に日本に帰らなくてはならなかったので断念!Sjmwr 
5:25 アクスブリッジ
ココでGeorgeは「Battle of Britain Club in Uxbridge」と言っているんだけど、コレはわからなかった。
「Battle of Britain」は有名な第二次世界大戦中のドイツ空軍との戦い。
「Uxbridge」はMarshallアンプ発祥の地。
フィリッパによると、恐らく「Battle of Britain」に関係した人達が集まるクラブがUxbridgeにあるのではないか…とのこと。
確かにそういう向きはあるようなのだが、どうしてGeorgeがこのことをジムに言うのか、その関係がわからなかった。Simg_0463 ま、ココまでやるもんだから、もう時間がかかっちゃって、かかっちゃって…。
面倒な仕事だったけど、ジムの声を聞いていたら懐かしくなっちゃって、思い出を交えながら解説を加えさせて頂いた次第。
ということで、今度は字幕を読みながらジムのインタビューをお楽しみください。

Marshallってホントにいいもんですね…サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。

65_2(協力:Philippa Neath  Thank you very much for your great support, Philippa!! I couldn't make it without your help!)

 

200

2020年2月 7日 (金)

Marshallで中国語を学ぼう!

  
全くどうでもいいことなんだけど、こういうことがオモシロくて仕方ない。
イヤね、上海のMusic CHINAでD_Driveがデモ演奏をしたブースを運営している中国のMarshallのディストリビューターである「algam」の総合カタログを見ていたんだけど、「なるほど~」と思わされる漢字の表記がたくさんありましてね。
読み方はゼンゼンわからないけど字面を追っていると大変に興味深い。
ということで、今日はalgamのカタログのMarshallのページを教材にして「中国語つづり方教室」を開講してみたいと思う。
 
♪ギタリストたちが言うことにゃ、言うことにゃ
Marshallアンプはいいアンプ
てなことを言われてみたい、言わせたい
…Marshallつづり方狂室
  
こんなの知ってる人いる?
まずいないだろうね。
「笑う門にはハッピーカムカム」…なんてね。
私もリアルタイムでは柳亭痴楽を見たことがないもんな。
 
さて、分厚い総合カタログのMarshallのページ。
CODEがまずフィーチュアされている。

10その扉のキャッチコピー「淋漓尽致演奏」。
ウ~ム、「淋漓尽致」か…。
なじみのない字は「漓」ってヤツだけだな。
調べてみると「リ」と呼んで「薄い」とか「したたる」とかいう意味らしい。
すると「淋しくしたたって」、「尽くして地に至る」…一体ナンノこっちゃ?
こういうのを考えるのがオモシロイいんだけどサッパリわからんな…「リィンリィーヂィンヂィ」ぐらいの発音。
コレ、「徹底して余すところなくさらけ出す」ことらしい。
Marshallを使えばそういう演奏ができる…ということよ!

20ココで謳っているCODEの特長は3つ。
 
1.  外部链接
イヤ~、苦労したゼ、この「链(リエン)」という字を探すのは!
コレ、「鎖」という意味。
つくりの方だけで「連」という意味なので、「外部機器」すなわち「手机(携帯電話)」とつないで操作することができます…ということ。
2. 软件操作
ハイ、「軟件」ってなんでしょう?
「软」は「軟」の簡体字。
そして、「軟」は「ソフト」でしょ?
そう!すなわち「軟件」で「ソフトウェア」ということ。
専用ソフトの「GATEWAY」で操作してチョーダイね~、とか言ってる。
3. 创建音色
「创建」は「創建」。「作成する」という意味。
「色々な音色を作ることができますよ」ということね。

30「吉他音箱」のコーナーにいってみよう!
「吉他」はギターだね。
中国語は我々の言葉みたいにひらがなやカタカナがないものだから、音もすべて漢字で表す。
「的士」なんてのもいい例だよね。
コレは「タクシー」のこと。でも発音は「ティーシー」ってするみたい。
「吉他」は「チーー」と「タ」にアクセントを置いて発音する。
残念でしたね、「六弦」じゃなくて。
「音箱」は「インシャン」と読んで、「アンプ」というより「スピーカー」を意味するようだ。
しかし、「音箱」なんていいね。
戦時中の外来語禁止を思い浮かべなくもないが、ロマンチックじゃない?
その下にあるのは「晶体管吉他音箱系列」。
MGシリーズのページなので「チンフィクァン」みたいに発音する「晶体管」が「トランジスタ」を意味することがわかる。
「系列」は「シリーズ」だよね。
日本人なら一発で想像がつく。「シィリィ」みたいな発音。

40JVMのページ。
JVMはフル・ヴァルブのモデル。
だからJVMシリーズは「电子管吉他音箱系列」だ。
「电」は「電」の簡体字ということを既に知っているから「真空管」のことを中国では「电子管」と呼ぶことがわかる。
発音は「ディエンツークァン」みたいな。
コレ、今から発音を覚えるのは無理だね。
なまじ字面で意味と我々流の音がわかっているもんだから、根こそぎ異なる本家の発音を叩き込むのは最早不可能だろう。
アメリカ英語の発音よりはるかにムズカシイ。
でもイギリス英語の発音は本当にムズカシイ。

50「吉他箱体」…もうコレは簡単。
スピーカー・キャビネットってすぐにわかる。
「1960系列」か…残念だナァ。
ここは「壱玖陸零系列」ぐらいしてもらいたい。
だいたいMarshallだって「麻亜謝琉」とかやってもらいたかったんだよナァ。

60アコースティック楽器用のモデルのASのページ。
「原声吉他音箱」と来たもんだ。
「原声」というのは「原音」という意味らしいのだが、それに「吉他」がくっつくと「アコースティック・ギター」になる。「イェンシェンジィタ」みたいな発音。

70ミニ・アンプのMS-2のページ。
「微型音箱」だって。
「微型」なんてのも実にいい表現ではなかろうか?

0r4a0002_2 その下にあるのは「效果器&踏板」。
もうコレは一発でわかるよね。
エフェクターとペダル。
コレが実にオモシロイ。
カタログに出ているエフェクターの種類は次の6種類。
下の写真のオレンジ色のところをひとつひとつ見ていくと…
0r4a0004

まずは、「圧縮(ー)」。
これは簡単だね。すぐにコンプレッサーということがわかる。
Marshallで言うと「ED-1」、すなわち「Edward the Compressor」。
今頃ナンですが…コレってどうして「エドワード」なのか知ってる?
Marshall Blogに書くのは多分初めてだと思うんだけど、コレってシャレなの。
11世紀のイングランドにエドワードという王がいて、この人、「聖人」だった。
いつかどこかに書いたことがあったけど、「聖人(Saint)」ってのはキリスト教の社会においてはベラボーに地位が高い聖職なのね。
そう簡単に「聖人」になることは難しく、死後何百年経ってからようやく聖人になれたなんて人もいるぐらい。
敬虔なキリスト教信者だったジョン・コルトレーンは自分の死を前にして「私は聖人になりたい」と言った…なんて話をナニかの本で読んだことがある…ような気がする。
で、このエドワード王、呼び名を「懺悔王」と言った。
「懺悔王」というのは聖人への称号のひとつらしんだけど、英語では「Confessor」という。
『私は告白する(I Confess)』なんてドンズバなタイトルのヒッチコックの映画にある通り「confess」というのは「告白する」という意味。
今風に言えば「コクる」ですな。
そして、この懺悔王エドワードを英語で言うと「Edward the Confessor」となるワケ。
そう、「Confessor」と「Compressor」を引っかけた、ただのダジャレ。
お後がよろし…くないようなのでサッサと中国語に戻りましょうか?

Ed1 

次は「 失真(シューチュン)」。
コレ、な~んだ?…「真」を「失う」って。
つまり物事がイビツになること。「イビツ」を漢字で書くと「歪」。
そう!つまり「歪み系」のエフェクターなの。
ココではGuv'norIIとJackhammerがそれに当たるらしい。

Gv2

Jh1  

オモシロかったのはコレ…「过載(ーツァイ)」。
「过載」というのは「過負荷」のことなんだって。
過負荷?
「変身」?それはフランツ・カフカだ。
何だろう「過負荷」って…少し考えた。
残りのエフェクターは空間系とBluesbreakerIIだけだ…。
そうか!過負荷、つまり「オーバードライブ」だ!
オモシロいな~。

Bb2

次の「延迟(ェンー)」もわかりやすい。
我々日本人なら「延迟」という字面を見て「尺」が「延びる」ことが容易に類推できる。
…ということは…ディレイしかない。
Marshallのデジタル・ディレイ、「Echohead」のことね。

Eh1

一方、「混响(ンシャン)」は全くわからなかった。
「响」という漢字は見たことがないので、ヒントは「混」しかない。
「ナニかを混ぜる」にしても一体なんだろう?
ピッチシフター?
イヤイヤ、Marshallはピッチシフターをやっていない。
降参して調べてみると、「混响」というのは「残響」、すなわちリバーブのことなの。
Marshallでは「Reflector」という。

Rf1

最後は「模块(モーイ)」。
もう皆目見当がつかん!(←ここシャレになってます)
「模块」というのは「modulation」という意味。
トレモロのVibratremとコーラス系のRegeneratorが「模块」だ。

Vt1

Rg1

( )の中は私のバカ耳でとらえた発音のカタカナ表記。
ちゃんと中国語を学んでいらっしゃる皆さんから「ゼンゼンなっとらん!」と叱られそうだが、とにかく「私にはこう聞こえる」程度に受け止めておいて頂きたい。
上がったり下がったり…アクセントがメッチャクチャ複雑だし、日本語にない音がたくさんあるので、何とも聞き取りにくく、たとえ正確に聞き取れたとしても、それを仮名で書き表すことが非常に困難だ。
 
もうひとつ、「踏板」というのもいい表現だ。
読んで字のごとく、コレは「ペダル」という意味。
要するにココではフットスイッチのことを指している。

100Lifestyle商品もチャンと載っている。
「耳机」はヘッドホン、もしくはイヤホンのことを指す。
「入耳式」は読みの通りで、耳の中に入れて使う「インイヤー」タイプ。
チョットわからないのは、後に出て来るヘッドホンも「入耳式耳机」にカテゴライズされていること。
一方、このイヤホン・タイプのモデルには「耳道式耳机」という説明が付いている。
「耳道式」!
コレもいい表現だな~。どういうことかが一目瞭然で理解できる。
英語の「bellybutton」とか「armpit」とか「eyelid」みたいな感じだね。

110一方ヘッドホン。
「头戴式耳机」という言葉があるようだが、ココには「耳挂式耳机」という説明が付いている。
「挂」というのは「掛」ということね。要するに「耳掛け式」。
しかし、この「机」という字の活躍がスゴイね。
「手机」がいい例でしょう。
「手机」というのは携帯電話のこと。
しからば「机」とはどういう意味か…。
調べてみると「機械」ということなのだそうだ。
「手机(ショウジー)」…言い得て妙だな。

11_0r4a0043一方、Bluetoothスピーカーの方はいとも簡単。
「音箱」だもん。
発音は「シャン」。

120ドラムス関連はどうか。
NATALのページを見てみる。
「原声套鼓」と来たもんだ。
「原声」はASのところで出て来たね。「アコースティック」ということ。
ドラムのことは中国語で「鼓」だけど、コレに「覆いかぶさる」という意味の「套」がつくと「ドラムキット」という意味になるようだ。

130スネア・ドラムは「军鼓(チンクー…に聞こえる)」という。
この「军」というのは「軍隊」という意味。

140最後はEDEN。
ベースは中国語でどう言うか…。
「低音吉他」で来るかと思ったらさにあらず。
カタログのEDENのページを見るとまず「贝斯箱头」とある。
この「贝斯」。
「斯」ってのは「瓦斯(ガス)」の「ス」だ。
するとこの「ス」は、まさか「ベース」の「ス」かァ?
「贝」は「貝」の簡体字。だんだん慣れて来たゾ。
これで「べー」って読むのか?
どうもそうらしい。
「贝斯」は「ベース」。まさかの表音表記だった!
ま、「吉他」と同じか。
一方、「箱头」は「アンプヘッド」のこと。
「头」は「頭」という意味なんだって。150もうひとつ気になったのはコレ。
他のブランドのページにも盛んに出て来る「配件」。
コレは「付属品」という意味。「イチン」と読む感じ。
アクセサリーというところか。

160オモシロ半分で書き始めたこの記事…書き上げるのにかなり時間がかかっちゃった。
何しろ簡体字の元を突き止めるのが大変で!
もう二度とやらんぞ。
 
しかし、思い返して見るに私が大学に入ったのはカレコレ40年前のこと。
私の学んだ(ウソ、ほとんど学んでいない)学部では、第二外国語にドイツ語、フランス語、ロシア語のコースがあって、私の記憶が正しければ、中国語のコースが新設されてそれほど時間が経っていなかったように思う。
我々の時代はドイツ語の人気が最も高かった。
コレはドイツ語が同じゲルマン語系の英語と似ているから勉強がラクで単位が取りやすい…という理由からだった。
私もそれを聞いて迷わずドイツ語コースを選択した。
もっともコレはちゃんと勉強する人の話で、勉強する気がない上にそもそも英語すらロクにできなかった私のような人間には「英語に似てる」もヘッタクレもなかったんだけどね。
反対に中国語を選択する友人は少なかったように思う。
しかし、簡体字を覚えれば、今日の記事じゃないけれど結構意味を類推できる中国語は学習にとても有利だったように思う。
それでも当時は人気のある科目のようには見えなかった。
アレから40年。
それがどうだ!
今となっては良くも悪しくも中国は世界の主役国のひとつとなって、今や日本の経済は中国人の爆買い頼みとなってしまったではないか!
おまけに自分も上海まで行くようになって…。
こんなことならやっぱり中国語を専攻しておけばヨカッタと少しだけ臍を噛む思いをしているのである。
 

200

2019年8月 6日 (火)

Fury of Fear 西村守のSTUDIOシリーズ・デモンストレーション <STUDIO VINTAGE編>

  
前回に引き続いてFury of Fear 西村守によるSTUDIOシリーズのデモンストレーション。

0r4a0107今回は1965年に誕生し世界中で数えきれない名演、名盤を作りだしてきた100Wヘッド、1959をパワー・リダクトしたSTUDIO VINTAGEシリーズ。
ホラ、守くんの愛器が「早くSTUDIOで弾いてくれ~!」って言ってるよ…知らんけど。

0r4a0077 

<SV20H+SV212>
今回もSCの時と同じ手順で進めるよ。
まずは20WのヘッドSV20Cと…

420_22x12"スピーカー・キャビネットのSV212

530では、守くん、張り切ってどうぞ!

Marshall(以下:「M」)今度は1959ベースのSTUDIO VINTAGE。どうだった?まもちゃんは普段は1959だもんね。
通常の1959に比べてどうですか?
西村守(以下:「N」、文中は「まもちゃん」):はい。1959を弾くのってある意味「恐ろしい部分」があったりするんですけど、その時の緊張感が受け継がれていますね。
M:ハハハ!そんな物騒な!凶器じゃないんだから。
STUDIO CLASSICと比べるとどう?
N:やっぱりビンテージ感が強いし、音のレスポンスが速さが1959っぽいと思います。
それとハイの出方も1959っぽいし、EQがSCほど効かないのも1959っぽい!っていうか、EQなんかイジらなくてももう1959っぽいいい音がしてるんです!
M:やっぱり気に入ったか…。
N:ハイ!もうギターをつないで音を出した瞬間にその緊張感とビンテージ感が出るんですよ。
M:アレ?コレEQってほとんど全部ゼロじゃん?
N:ストラトでノーマルHIGH(INPUTの向かって左上)につなぐとハイがどうしてもキツすぎるので、1959の時もTREBLEとPRESENCEはゼロにしています。

0r4a0079 でも、コレ、全然違和感のない音ですよね。
M:まったく問題ない。
今はバッキングの音量に合わせて弾いてもらうためにアンプのボリュームを下げてブースターをつないで弾いてもらいました。
その前に、アンプ直で思いっきりボリュームを上げて試してもらったワケですたが、アレはいかがでした?
N:イヤ~、もう「コレがMarshall!」っていう音でしたよね。音の張りや圧力、適度な自然の歪み…そのままではシュレッド向きではありませんが、「極上のクランチ」とはあのことですよね。
アレが1959のいいところで、やっぱり音量を上げてこそ…ではないでしょうか?
音量を上げて得られる自然なゲインこそが最高のサウンドです。
繰り返しになりますが、レスポンスの速さが尋常ではない!

0r4a0057M:ルックスはどう?あんまり気にしない?
N:カッコいいですよ~!ボクは1959のルックスがMarshallの中で一番好きなんです。
M:キャビネットはスピーカーがさっきのSC212と同じなんですが、ヘッドが変わったことによってどんな変化があったと思う?
N:レスポンスが速くなったように感じました。言い換えるとヘッドの違いが忠実に出たという感じかな?
 
<スタンバイ・スイッチをLOWに変える>
SV20Hでもパワー・リダクションの様子を見てみよう!

470_2ではお願いします。
途中でスタンバイ・スイッチをLOWにするよ!

M:こっちのパワー・リダクションの様子はどう?
N:ボクはLOWの方が弾きやすいです。
M:あ、そう。
N:コレってパワーを切り替えてもゲインが下がらないんですよね。
M:収録音の波形の入力の幅をを見ていると3/5ぐらいになってるんよ。
「弾きやすい」ってどういう風に弾きやすくなるんですか?
N:音は小さくなってもゲインはそのままで…うまく言えないんですけど、ちょっとコンプがかった感じがして弾きやすい。
音の張りが抑えられるというか、トゲの部分がチョット引っ込むというか…とにかく弾きやすくなります。
でも、やっぱりあの直でつないで音量を上げたサウンドが一番ですね。
もしボクがシュレッドをやっていなかったら間違いなくあの音を使います。
M:コリャ、マズイことしちゃったかな?
 
<SV20H+SV112>
今度はキャビネットを換える。
ヘッドはそのままSV20Hで…

420_3スピーカー・キャビネットは1x12"のSV112というコンビネーション。

500_2Take it away, Mamoru!

N:ボクはコレが一番好きですね。
M:あ、そうなの?
N:はい。1959の良さがすごく出ていると思うんです。
キャビが1x12”になったせいかどうかはわからないんですが、音のレンジがチョットせまくなって、中域に張りがでてくる感じが「まさに!」って感じです。
で、ストラトキャスターとの相性がバッチリ。
M:アンプの出力とキャビネットの入力の関係があって、1959を何かのスピーカー1発入りのキャビネットで弾くことって普通ないもんね。

0r4a0064N:そうですよね。スピーカー1発キャビネットで1959系のモノを弾くのって初めてです。
M:そうだよね~。2発キャビはあるけどね。
N:それなのに1959っぽいサウンドが出ているのがすごく不思議な感じがします。
ボクはGreenbackを乗せた1936(2x12”キャビネット)も持っているんですけど、それに近い感じはします。
M:なるほど。
N:それとストラトキャスターとの相性ですよね。2x12”より暴れないし、ハイのヌケもいい意味で落ち着いているのでもうベスト・マッチだと思います。
M:スッカリお気に入りですな?
N:はい!もうこのまま家に置いておきたいです!
 

<SV20C>
それでは今回のトリ!
1x10"コンボのSV20C

340_2さっきのSCではコンボはシュレッダーには不向きという意見もあったけど、1959系の20Wコンボではどうかな?

N:ウワ~!コ~レはホントに1959を小さくしてコンボにした感じがしますね。
ボクの人生で一番いいコンボだと思います。
M:コレがホントの「まもちゃん号泣」?…ナンチャッテ。
N:イエほんと!張りがあって、サイズが小さくなったからか、音に粘りがあるんです。
もう「極上のコンボ」ですよ!
ミドルもあって、やっぱりストラトキャスターとの相性がすごくいいです。
音量も大きいですね!
M:SCの時の「スタックとコンボの差」と比べてコチラはどうですか?スタックとコンボの共通項が多いような…。
N:そうなんです!SCのコンボみたいに筐体全体がギンギンに鳴っている感じがしません。
なんか余裕を感じさせます。「スタック感」があるって言ったら変かな?
M:だったらスタックを使った方がいいんじゃないの?
N:(爆笑)でも、スタックに引けを取らないと思いますよ。

0r4a0086M:でも反対にスタックではこのサウンドは出せない。
N:粘り気ですよね。だから、本当にスタックとコンボのいいトコ取りしていると思います。
とにかくメチャクチャいいです!
M:アレ?チョット待って!それじゃ今日はコレが優勝?
N:ハイ、優勝です!さっきのSV20HSV112の組み合わせが絶対一番だと思っていたんですけど…コンボは粘りがあるから。
M:「粘り勝ち」かよ!
N:(爆笑)ボク、コンボは好きじゃなかったんですけど…今、すごく好きになりました。
M:持ち運びもラクだもんね…時代は変わるもんね。
でも、こうして形は変わってもロック・ギターのサウンドを作った1959や2203のサウンドが時代を超えて受け継がれているというのはとても良いことだし、Marshallにしかできないことだと思うんだよね。
N:Marshallならではですよね!
M:やっぱりコピーと違って、何事もオリジナルっていうのは計り知れないパワーを持っているもんだよね。
N:まったく。

0r4a0100_3 
<最後に(事務連絡)>

記事内で「1959系」とか「2203系」という表現を使っているけど、「系」とわざわざ付けているのは、STUDIO CLASSICやSTUDIO VINTAGEは1959でもなければ2203でもないから。
それでは、ナニが1959を1959たらしめているのかというと…
◎100ワット
◎マスター・ボリュームなし
◎4インプット
この3つの仕様が揃っていないモデルは見た目が似ていても「1959」と呼ぶことはできないし、反対にこれらの条件を満たしていれば赤かろうが、白かろうが、形が三角だろうが、丸だろうが「1959」を名乗る権利を持っている。
コレがMarshallが定めた「1959」というモデルの定義。

121959同様に2203の仕様は…
◎100ワット
◎マスター・ボリュームあり
◎2インプット
ということになる。
 
このあたりのことに興味がある人はコチラをどうぞ⇒フィル・ウェルズ・インタビュー~その3

122203守くん、どうもありがとうございました!
来る8月10日、Fury of Fearは『VILLAGE WEST! VOYAGE EAST!』というイベントに出演する。
コレは札幌か。
いいな~、涼しくて…と言いたいところだけど、最近の北海道の夏はヘタすりゃ東京より暑いもんね。
気をつけて行って来てね!
優也くんによろしく!
会ったらSTUDIOシリーズのことを話してあげて!彼も絶対好きなハズだから。
 
西村守の詳しい情報はコチラ⇒Fury of Fear official webite

12190810 <編集後記>
イヤ~、思い立ってやってみたのはいいけど、この2本の記事を作るのは並大抵のことじゃなかったですわ!
収録した音源のチェックはまもちゃんに納得のいくように任せたけど、他は全部ひとりでやっているので普段の記事の何倍もの時間がかかるのです。
でもオモシロかった。
評判が悪くなければまたやってみたいと思っています。
  

200 
(一部敬称略 2019年7月都内某スタジオにて撮影)

2019年8月 5日 (月)

Fury of Fear 西村守のSTUDIOシリーズ・デモンストレーション <STUDIO CLASSIC編>

 
ハイ、今日は時代遅れの新企画。
Marshall Blogも全面的に動画を導入してみました~!ジャコジョ~ン(←A)!
 
まぁ~、最近はなんでもかんでも動画じゃない?
何しろCDを作るよりMVを作る方が先決だっていうんだからね~。
「シゲさん、CDなんかアトアト!後でいいんスよ!まずは動画を作らないと!」…ジャラ~ン(←E7b9)
大分前、ウチに来る若いミュージシャンからそんな話を聞いた時は仰天したけど、今は平気。
今時の若い人たちはテレビも見ないし、雑誌や本も読まない、免許も要らない、選挙も行かない…YouTubeさえあればいいっていうんでしょ?
そりじゃいきなりCD作ったって誰も注目なんかしてくれないわな。
どうせビデオでも作ってYouTubeで宣伝しなきゃならないなら、最初からMVを作った方が手っ取り早いもんね。
でも、そんな状態で音楽を聴いてもらったところでどうすんの?…って感じもするけどね。
「音楽」と「動画」は違うモノだもん。コレもアニメの影響なんだろうね。音楽がオマケになっちゃってる。
でも先日、Marshall GALA2の紙芝居動画を作ったでしょ?
なるほど、ああいう動画の使い方はとっても便利だということはわかった。
 
でも今日はアレとは違う使い方。
何かMarshall Blogと動画を自然にからませるやり方はないもんかと考えていて、思いついた。
それは「動くカタログ」、ジャンジャーン(←G7b5⇒CM7)。
商品の魅力をアッピールする際に説明やインタビューだけより効果的なのはわかりきっているので、デモンストレーション動画を文章の間に入れてみた。
商品のデモ動画ってそう長い時間は見ていられないでしょう?
私なんかすぐに飽きちゃうもんね。絶対にみんなも飛ばし飛ばし見ているハズ。
そこでシンプルで短いデモンストレーション動画をいくつも作って、文章と合わせて読むと絵本を見ているような…そんな感覚になるような記事を目指してみた。
それだけのことなんだけど、「動画の間に文章を入れた」つもりではないことをわかってチョーダイ。
  
記念すべき本企画の最初の「犠牲者」…じゃない、記念すべき「第1回目のデモンストレーター」に任命させて頂いたのはFury of Fearの西村守。
守くんは日頃からイングヴェイ・スタイルのヘヴィメタルの復興と伝承に並々ならぬ熱意を注いでいる若きシュレッダーだ。
コピーではなく、あくまでFury of Fearのオリジナル曲で臨んでいるところが何ともうれしくも頼もしい。
そんな守くんがこのデモンストレーションのために短い曲を4つ書き下ろしてくれて、その中からSTUDIO各モデルのイメージに合った曲でデモ演奏をしてくれた。
まもちゃん、ありがとう!

0r4a0107さて、STUDIOシリーズ。
いつも書いているけどありがたいことに世界中で大ヒットしているようだ。
5月の終わりにMarshallの工場に行って来たけど、もうSTUDIOシリーズばっかりガンガン作っていた。
やっぱりみんなホンモノの真空管が作り出すギター・サウンドがいいのね?
そうにキマってる。
「似ている」とか「ソックリ」というのは「違う」と言明しているのと同じだからね。550vがSTUDIOファミリー。
1959、2203、Silver Jubilee2555をそれぞれ20W(5W)にパワー・リダクトしたSTUDIO VINTAGE、STUDIO CLASSIC、そしてSTUDIO JUBILEE。
守くんにはこの中から2203系のCLASSICと1959系のVINTAGEのヘッド、キャビネット、コンボをそれぞれデモンストレートしてもらった。
 
※STUDIOシリーズの概念を表現する時に、今まで「ダウンサイジング」という言葉を使っていたけどヤメた。Marshallがそんな言葉を使っていないから。Marshallは「Power reduction」としているので、Marshall Blogはコレからこの表現を使うことにします。(「reduction」は「削減」とか「縮小」とかいう意味ね)
へへへ、うるさいでしょう?細かいでしょう?でもMarshigeとしては、こういうことが大事だと思っているのですわ。

50_3今日はSTUDIO CLASSIC編。
 
<SC20H+SC212>
まずは20WヘッドのSC20Hと…

1802x12"スピーカー・キャビネットのSC212

321では守くん、お願いします!


Marshall(以下:「M」)どうだった?
西村守(以下:「N」、文中は「まもちゃん」):ハイ、感触的には…弾いた瞬間に「あ、コレはいいアンプだ!」と思いました。もうホントにいい!
M:まぁ、まもちゃんみたいなタイプだったらまずはそう来ると思ったよ!
N:(笑)「JCM800感」云々というより、とにかく弾きやすいアンプだと思います。
M:「2203のパワー・リダクト」という触れ込みになっていますが、ホンモノの2203に比べてどう思う?
N:シッカリと歪むんですけど、2203みたいなザラつき感がないと感じました。
ですから、コレはJCM800に似ているとか、似ていないとか、そんなことは全く関係なしに「このモデル」としてシッカリ使える「いいアンプ」です。

0r4a0021 M:EQはどんな感触?
N:EQの効きも2203に比べるとすごく敏感ですね。
そういう意味ではまるっきり『新しいモデル』として捉えても差し支えない。
M:なるほど。スピーカー・キャビネットはどうですか?まもちゃんはつも4x12”の1960を使ってるよね?
今弾いてもらったモデルは12インチのスピーカーがタテに2発入ってる。
N:ん~、1960と比べても何ら遜色ないと思います。ナンのストレスもなく弾けました。
M:スピーカーの種類も1960とは違うんだけど…。
N:ココでこうして弾いている分には何の違和感もなかったです。音圧も十分にあるし、「1960が大きすぎる」なんていう人にはピッタリなんじゃないでしょうか。
M:今の曲については?
N:ん~、特にないんですが、速いテンポの曲よりも、しっかりリズムがある曲にしたいと思ったんです。
 
<スタンバイ・スイッチをLOWにする>
STUDIOシリーズのスタンバイ・スイッチはパワー・リダクション・スイッチを兼ねていて、HIGHで20W、LOWにすると5Wの出力になる…だいたいよ。音の大きさがこのスイッチでカッキリ1/4になるなんてことは期待しちゃイヤ。
それを守くんが見せてくれるから。

240_2はい、守くん、途中でスタンバイ・スイッチをLOWに変えてくださいね。

…とまぁ。こういう感じ。
ご覧になった方は「そんなに小さくなりませんな…」と思うかもしれない。
そう、ビックリするほどは小さくなりはしないが、この差が宅録の時なんかに大変有効なのだそうだ。守くんの感想は次回の<STUDIO VINTAGE編>
 
<SC20H+SC112>
今度はヘッドはSC20Hのままで…

180_2スピーカー・キャビネットを1x12"のSC112と組み合わせる。

280_2守くん、お願いします!


M:今度はヘッドはそのままでキャビネットが1x12”になりました。
N:音圧的な違いはありますが、ヘッドのキャラクターが出るような感じがしましたね。
ヘッドのいい部分が目立つっていうのかな…音圧にゴマかされずにヘッドの特長がストレートに出ている感じ。
M:好みとしてはどう?
N:ボクはこの1x12”の方がいいですね。
M:オープンバック(SV112)とクローズドバック(SV212)の違いで気になるところはあった?
N:オープンとクローズの違いから来るものなのかどうかはわかりませんが、このSV112の方が音に空気がたくさん含まれているイメージがあるんです。
音の膨らみ方っていうのかな?
M:三宅さんの「ミルフィーユ」みたいなことを言うね~。

0r4a0005 N:ハハハ!ホントですか?
M:さては読んだな~?
N:え、読んでないですよ!
M:コラァァァ!Marshall Blogは毎日読みなさい!
N:あ、読んでます!
M:ウソつけ~!(2人とも爆笑)で、「空気」がなんだって?
N:あの、2x12”の方はバリ~ンって音が速いんです。
反対に1x12“は速くはないんですが空気を含んでいる感じがして、その分音が丸い。
M:どっちが好き?
N:ボクは1x12”が好きかな?
M:『速い』というのはレスポンスのこと?
N:そうです。2x12”の方がレスポンスは速いと思います。かといって1x12”が遅いとかいうことはゼンゼンないんですよ!十分に速いです。
M:まもちゃんは尊敬するギタリストの影響が強いせいか必ずストラトキャスターだよね。
N:ハイ。
M::そして、まもちゃんだけでなく、もう世界中の人がMarshallとストラトキャスターを組み合わせて弾いているじゃない?
もちろん人それぞれ好みがあるのはわかっているけど、今「Marshallとストラトキャスター」のコンビネーションということを考えた時、この2つのキャビネットのどちらが魅力的だと思う?
N:はい。もう大好きな組み合わせです。
ボクが思うには、ストラトキャスターは基本的にサウンドがトレブリーなので、空気を含んでいる丸いサウンドのキャビネットの方がいいと思いますのでSC112ですね。
ミッドがシッカリしているハムバッキングのギターなんかですと、レスポンスの速さもあってSC212の方が向いていると思います。
それと、「ストラトキャスター」ということで言うと、2203との相性はそんなにいいとはボクは思っていないんです。両方ともジャリジャリしますので。
そこへ行くとこのSC20Hはそのジャリジャリ感が薄いので、ストラトキャスターとの相性がものすごくいいと思います。
ですから、ボク、このSV20H…すごく好きです。
 
<SC20C>
最後に1x10"コンボのSC20Cを弾いてもらった。

70下に降ろして…と。
Mamoru, you're on!

M:今度はコンボです。
N:ん~、ボクはチョット難しかったです~。
M:フーム、『難しい』…それでどこをどう処理しましたか?
N:GAINが強い感じがしたんですね。
M:曲によるところも大きかったんじゃない?
N:そうですね。あとEQの効き方がヘッドと違うように感じました。
なので、ヘッドではMIDDLEを6~7にしていたのを4に下げました。
3だったTREBLEはゼロ。BASSはヘッドと同じで3です。
M:ずいぶん控えめなのね?
N:はい。でも、もうアンプ全体が鳴っている感じで…。割と音が暴れるので弾くのが難しかったです。
でも、音量的には調節しやすいので、そういう意味では使いやすいかも知れません。

0r4a0020M:ま、今日いきなり曲に合わせて弾いてもらったからね~。三宅さんなんかはコンボになるとBASSをイジるっておっしゃってた。
N:ボクはMIDDLEですね。MIDDLEの効き方がすごく違うのでビックリしました。
M:やっぱり同じアンプ、同じギターのモデルでもスタイルが違うと音の作り方がゼンゼン違うからおもしろいね。
N:今の曲も結構弾きまくり系でしたので、弾きやすくするために少しGAINを上げたんですね。そういう調整はすごくしやすいです。
M:まもちゃんみたいなシュレッダー・タイプのギタリストでコンボ・アンプを使っている人っている?
N:ボクは見たことがないナァ。
M:え、ゼロ?全くいないかな?
N:はい、全く見たことがないですよ!(2人とも大爆笑)
M:じゃ、シュレッダーのまもちゃんが今コンボを弾いてみて「だからコンボはな~」みたいに敬遠したくなる部分ってある?
N:ホントにこの箱全体がものすごく鳴りますでしょ?すると音が濁るんです。
M:濁る?
N:「濁る」という表現ではないかもしれませんが、スタックの方が音がクリアなんです。それとさっきみたいにスタックはレスポンスが速いのでシュレッドに向いているんです。
M:私もコンボ・アンプでシュレッドしている人は思い浮かばないけど…じゃ、シュレッダーの皆さんが「いつもスタックを使っているけど、コンボを使ってみるとすごくいいな…」なんてことはあり得ないワケね?
N:ん~、実際にステージでやってみたらまた違うのかな?
M:やってみる?
 
西村守の詳しい情報はコチラ⇒Fury of Fear official webite

0r4a0040<STUDIO VINTAGE編>につづく
 

200
(一部敬称略 2019年7月都内某スタジオにて撮影)

2019年7月18日 (木)

Marshall工場見学 2019 <後編>

 

27nb
 イヤ~、コレには驚いたよ。
話には聞いていたけど、事務所の中がスッカリ変わってしまった。
下の写真はレセプションからあのアン王女のスタックの前を右に曲がって階段を上り、事務所に入ってすぐのところ。
4年前まではこのガラスの部屋はなくて、経理のセクションが陣取っていた。
その昔はデリバリーの女性が忙しそうに電話の対応をしていた。そういえば電話があまりにも多いのと、両手を自由にして端末機を操作するためにヘッドセットを装着していたナァ。
今はこのガラスの部屋の中で、そのデリバリーとか、輸出だとか、購買だとか、営業関係の事務仕事をしている。

280あ~あ~、ココも。
建屋の中ほどにできた会議室。
この辺りにはかつてナニがあったかな~…もう忘れちゃった。
Marshall Liveの前日、ひと通りやることを済ませたD_Driveとココで昼食を摂った。
「昼食」と言っても、私のリクエストで近くのGREGGSへ買い出しに行っただけなのだが…。

290ドワ~!
パスティ屋さんのGREGGS、改装中でお休み~!とガッカリしたのは1日目の話。
この数日後、すぐに営業を再開してD_Driveのみんなと買い物をして会議室に戻って昼食にした。
GREGGSが近くにできたのはうれしかったな。
この後、Marshall BlogかShige Blogのどこかの回に出て来るけど、コレで「PRET A MANGER(プレタマンジェ)」が出来れば言うことなし。

300以前にも紹介したことがあったけど、GREGGSはイギリス全土に2,000に及ぶ店舗を展開するパスティのチェーン店。
1939年にニューキャッスルで開業しているというからかなりの老舗。
スキなんですよ。
安くておいしい。
パスティだけでなくて甘いモノもイケる。
そして、一番うれしいのは商品が「温かい」ということ。
「食べ物がマズイ」と日本人はよくイギリスのことを嗤うけど、そんなことはゼンゼンない。
値段を安くするために化学調味料を山ほど突っ込んで強引にウマ味を引き出す日本の食べ物よりはるかに美味しいし、安全だ。
ファストフード店までオーガニックを推進している。
「マズイ」というよりも「質素すぎる」って言うのかな?
質素はいいんだけど、私なんかにしてみると、「チョット温めてくれればグッとおいしくなるのに…」と思わせるモノは確かに多い。
温かくてもポーリッジのように、感覚的に受け付けにくい「味」というのもあるけど、ま、それはお国が違えば当然のこと。
それとスープ系のものがなさすぎるのが難点か。
あ、そうだ!
このGREGGSの袋に「break fast to go」って書いてあるけど、英会話の本なんかで、お店で食べるのは「Here」、持ち帰りは「To go」って書いてあるでしょう?
日本のファストフード店で、そこで食べて行くのを「Eat in」、持ち帰りを「Take out」と言うのは誤りとされているでしょ?
イギリスでは何て言うか…お店で食べて行く時「Eat in」と言います。でも残念ながら「Take out」とは言わない。
「Take away」と言うんだな。
「Here」とか「To go」というのは完全にアメリカ英語。
だから言わないようにしているんだけど、アメリカで生活したことなんかないクセに、つい「Here!」とか言ってしまうんですよ。
しかも店員が「Eat in or take away?」とワザワザイギリス式に尋ねているのに「To go」とか答えてしまう。
ゴメン、イギリス!次回までには完璧にしておきます。

310この日は「Stake Bake」という、ビーフシチューをパイ生地みたいなヤツに包んで焼いたヤツを食べた。
牛肉の風味が濃くてとてもおいしいです。
コレで£1.50だから220円ぐらい。
オーガニックのせいなのかな?イギリスのコーヒーってどこで飲んでも少し風味が薄い感じがするんだよね。
日本で言う「アメリカン」的な意味合いではなくて、何となく深みに欠けるっていうのかな?
スターバックスですらそうなんだよな。

320ところで、上で「パイ生地みたいなヤツ」と書いたけど、これは「パスティ(Pasty)」であってパイではないのね。
下がその原型。
イギリスの一番下の左端に位置するコーンウォール地方を発祥としていて、「コーニッシュ・パイ」とか「コーニッシュ・パスティ」と呼ばれているけど、パイではない。
自家製のパン屋に行くと「ペストリー」という菓子パンを見かけるでしょう?
ペストリーというのはあの生地自体のことで、丸いペストリーに具を乗せて半分に折ってオーブンで焼いたモノがパスティ。
元々は炭鉱夫の食べ物だったんだって。

330…と教えてくれたのは経理のボスのアンドリュー。
ハジッコには具が入っておらず、分厚い生地だけになってるでしょう?
坑道の中で手を洗うことができない炭鉱夫たちがこのハジッコの耳の部分を持って口に運んでいた。
そして、ハジッコの部分は具は入っていないし、汚れているしで、捨ててしまう。
そういうデザインなんだって。
アンドリューは私がイギリスの文化や習慣に強い興味を持っていることを知っていて、ある日「今日のお昼…」と言って見せてくれたのがコレ。
Ginstersというブランドの市販のコーニッシュ・パスティ。
340中身は牛肉、タマネギ、薄切りのジャガイモ、ルタバガと呼ばれるカブのような根野菜が入っている。
日本でも手に入るかと思ってインターネットで調べてみたけど、見つからないかった。
ところで、確認はしていないんだけど、多分この日のアンドリューのランチはこのパスティに飲み物だけだろう。
ダイエットしているワケでも節約しているワケでもない。
向こうの人の普段の食事ってそんなものなのだ。
ね、質素でしょ?
日本みたいに、たぬきそばにミニカツ丼、半チャンラーメン、パスタにサラダにデザート…なんてトンでもない。
朝はシリアル、昼はスーパーのサンドイッチにWalkersのポテチ、夜は冷凍食品をチンして食べて終わり…というが普通。
はじめから皿にセットされている冷凍食品であれば食器を洗う必要もない。
 
そういえば、ミルトン・キーンズからマンチェスターへ行く電車の中で、通路を挟んで座っていたキレイな身なりをしたOL風の女性は、電車が動き出すとバッグからタッパーウェアを取り出して、フタをパコっと開け、携帯電話を見ながらその日のランチを摂り始めた。
見るともなしにタッパーの中から取り出したモノを横目で確認すると、それはカチンカチンにしか見えない、昨日あるいはそれ以前に一度オーブンで温めただけであろう冷凍食品のピザだった。
それを2、3切れ口に運んで終わり。
日本のOLさんやサラリーマンはこんなことしないし、もっと美味しいモノをおいしく食べようとするのが普通でしょう?
もちろんロンドンのような街中にお勤めの人はレストランや少しは気のきいたファストフード店に入ってマシなモノを食べたりはするんだろうけど。
生野菜に接する機会が圧倒的に少なく、「コレで栄養のバランスがとれるのだろうか?」と心配したくなるほど普段の食事はシンプルだ。
でもね、現地の人は多分我々日本人より美味しいモノを食べていると信じ切っていると思うよ。

345廊下には色んなモノが飾ってある。

360

370

380そこら中の壁に薄型テレビがかかっていて、Marshallのプロモーション動画が始終流れている。
コレはなんの効果があるのだろう?
少なくとも従業員の誰かが見ているようには思えない。

400マーケティング・チームのエリア。

350スゲエ広くて若いスタッフがゾロリと揃っている。
このチームが一番大きく変わった。
時代についていこうとする会社はどこでも同じであろうが、インターネットの普及が仕事のやり方と陣容を大きく変えてしまったのだ。

410突き当りのミーティング・ルーム。
今回の私の執務室。
この部屋の向こうに台所と食堂、男子トイレがある。
写真の壁が強烈でしょ?

420この写真の壁も事務所のイメージを大きく変えることにひと役買っている。

430

440カスタマー・サービスのエリア。
460ココは全く変わっていなかった。
相変わらず日本では滅多にお目にかかることのできないレアなモデルが修理の順番を待っていた。

450従業員用の駐車場も変わりなし。
この右にあるシアターは大きな変化があったけどヒミツ。

470工場の中の製造部門もさしたる変化はなかったけど、中に入れなくなっちゃった。

480以前はほぼ自由に見学できたんだけどね。
特に木工の工程は全く立ち入り禁止。
法律が変わってどうもそういうことに相成ったらしい。

490ココはシャシを作る工程。
このあたりも変わらない。

500工員用の休憩コーナー。
チョット前まではNATALの倉庫だった。

510その前はハンドワイアードの基板を作る工程が入っていて、30人近くの若者がハンダごてを手に一生懸命作業に勤しんでいたが、もはやその形跡は皆無だ。
そのチームの親分がキャシーという女性で「シゲ、シゲ」とココを訪れるたびに親しく接してくれたけど、彼女どうしてるかナァ。
私もいい加減古いもんだから、以前からいる工員さんとは大抵顔見知りなの。

520インスタント・コーヒーの自動販売機は以前からあったけどコレは初めて見た。
ずいぶんグレードアップしたナァ。

530仕上げの工程もそのまま。

540STUDIOシリーズが世界的にヒットしているので、流れて来る商品はSVとかSCばっかり!

550vR&Dのセクションもガラリと変わってしまった。

560以前は小さなオフィスがゴテゴテ並んでいたんだけど、それをドカッとワンフロアにしていい感じ。

570仲良しのジョナサンのオフィス。
今流行りのデジタル・アンプについて色々と話をしたけどオモシロかった。
内容は企業秘密。

580今回、工場を案内してくれたアーティスト担当のジョール(Joel)。
一番最初に書いたように、これまで数え切れないほど工場見学をしてきて勝手知ったるところだったけど、今回は彼に案内してもらわなかったらナニがナンだかわからなかったな。
最後にオフィスで見せてもらったジョールの宝物のひとつ。
ジョールは私が新しいロック・バンドを知らないことを知っていてジェフ・ベックで話題を作ってくれたに違いない。

590v2016年3月に発売されたジェフ・ベックのオフィシャル・ブック『BECK01』。

615ジェフのサインとシリアル・ナンバーが入ったバージョンは350冊限定。
早めのオーダーした人は巻末のスペシャル・サンクスに名前が入ったそうだ。
£595だって…今なら87,000円ぐらいか。
もちろんジョールは買ったワケではない。
ジェフ・サイドからのプレゼント。

610それはそれは見事な写真集だった。

620チッ、私だって日本に来ると毎回Marshallで面倒みてるんだけど送ってこなかったナァ。
ま、そんなに欲しいワケではないけど。

630もうチョット…。
下の写真の手前のオジちゃんはデザイン・ストア担当の仲良しのスティーブ。
スティーブは私とほぼ同じ年齢なので、やっぱりブリティッシュ・ハードロックの薫陶を強く受けている。
でもパンク・ロックなんかも好きなようで、ロックに対する柔軟性は私より格段上だ。
で、2人で古いロックや昔のロンドンのロック・シーンの話をしていたら、何となくローリング・ストーンズの話になった。
お気づきのマーブロ読者もいらっしゃると思うが、こんなイギリス好きの私なのに、誌面でまったくローリング・ストーンズを取り上げないでしょう?
私は子供の頃からローリング・ストーンズがすごく苦手なんです。
さすがに長いこと生きているので曲は沢山知っているけど、どうしても受け付けない。
今まで万単位でレコードやCDを買ってきたが、家にあるストーンズのアイテムはベストと『Exile on the Main Street』と『Beggers Banquet』と『Love You Live』だけかな?
そんなことをスティーヴに伝えた。
ストーンズとえば、イギリスの国民的バンドだ。
もちろんお詫びの言葉も添えた。
するとスティーブは大慌てで、「イヤイヤイヤイヤイヤ…シゲ、そんな…オレに謝られても…。実はオレもダメなんだよ、ローリング・ストーンズは!」と私に向かって言ったのだ!
いるんですよ~、イギリス人でもそういう人が…。
あのスティーブの慌てぶりがすごくオモシロかった!
 
ある日のお昼休みの風景。 
スティーブがWalkersのポテチのチーズ&オニオン味を食べているところ。
ね、Walkersのポテチはイギリスの国民食だから。
もちろん「アミノ酸(調味料等)」は入っていない。日本と違って法律で国は使用を禁止しているから。
Walkersに食べ慣れておいて日本のポテチを食べてごらん。
スゴイよ、おいしくて。
土台、あんなにおいしいワケがないんですよ。
もちろん舌には妙な味が残るけどね。(←コレはしばらくの間、「アミノ酸(調味料等)」を断っていないとわからない)
Walkersのポテチ(クリスプス)は〇〇ビーとか△△屋のモノに比べてシンプルな味なんだけど、ジャガイモの風味が格段に異なる。
いかにも「ジャガイモで作ったお菓子」というおいしさ。元のアメリカのLay'sより絶対おいしい。
もちろん食後は舌に変な味が残ることはない。
660スティーブが貸してくれたティー・カップ…というかボウルというか…とにかくデカい。
こうして紅茶を飲むでしょう?
おいしいんだわ。
日本で飲む紅茶より明らかに風味がいい。

670ハイ、飲んだ後はコレ。
凄まじいまでの茶渋!
コレが全部身体の中に入る。
日本で飲む紅茶ってこうはならないでしょ?
イギリスで買って来た紅茶を実際に日本で飲むとコレほど茶渋が出ることはない。
コレは水の違いらしい。
ご存知の通り、イギリスの水はカルシウムやマグネシウムの含有量が多い「硬水」と呼ばれているモノだから日本とは水が質が違う。
この茶渋を英語で何と言うか事務所の女性に尋ねてみた。
「tea dirt」とでも言うのかと思っていたら、特にそういう意味の英単語はないらしく、強いて言うならば「tea stainかな?」だって。
あ~、「stain」ね~!
こういう感覚は現地に住んで日常的に英語に接する環境にいないとなかなか身につかないね。
ちなみに紅茶は「Balck tea」と言う。

680The Kinksの1971年のアルバム『Muswell Hillbillies』に「Have a Cuppa Tea(ハヴァカパティ―)」という曲が収録されている。
コレは「Have a cup of tea」のことだけど、イギリス人の決まり文句みたいなモノで、「ハヴァカパティ⤴」と語尾を上げれば「紅茶飲みますか?」という意味になる。
実際、上の紅茶も「シゲ、ハヴァカパティ⤴」と私に訊いて、ジェイという若いスタッフが入れてくれた。
コレがネイティブ同士だと「カッパ⤴」だけで済ませるのだそうだ。 

Mh今回も色々と学ばせて頂きました!
ありがとう、工場!

710ホテルへの帰り道で見つけた看板。
イプスイッチで8月に開催されるエド・シーランのコンサートの告知。
前座のひとつがThe Darknessだって…そっちが観たい!
だってエド・シーランの曲はひとつも知らんもん!ハイ、コレが言いたかっただけです。
イプスイッチはCelestionの本社がある所ね。
工場見学終了。

720

さて、11月9日の『Marshall GALA 2』。
まだお席がございます。
近いうちにソールドアウトとなることが予想されますチケットはお早めにお求めください。

Marshall GALA 2の詳しい情報はコチラ⇒Marshall GALA 2の詳細を発表します! <マーガラ情報 vol.1>
27nb_3 

200_3 

(2019年5月28日~6日17日 Marshallにて撮影)

2019年7月17日 (水)

Marshall工場見学 2019 <前編>

  

27nb 

まだまだ続くイギリス・ネタ。
ナンのナンの!D_Drive関連のレポートが終わったところで、コレからが本番よ。
何せ好奇心丸出しで3週間もカメラを担いで方々ほっつき歩いたワケだから!
これからShige Blogと合わせてThe Kinksだの、10ccだの、産業革命だの、スタンリー・キューブリックだの、ウィンストン・チャーチルだの、またジミヘンだの、トックリやっていきますのでお好きな方はお楽しみに!
お好きでない方には…ゴメンね。
 
まずはおヒザ元、我がMarshall本社の最新工場見学から…。
しかし、これまでに一体何回工場見学したかナァ~。
9回目までは数えていたんだけど、それももう大分昔のことで、もうサッパリわからない。
はじめてココに来てから17年が経つんだけど、この光景はガンとして変わらん。
ま、この写真はチョット珍しいけどね。
ナニが珍しいかと言うと、車が全く停まっていないでしょ?
とある日曜日の午前中に撮影したモノ。
天気悪いな~、でもこの数分前は青空だったんだよ。

102012年に「50周年」のエンブレムが付いたりしたものの、この正面の光景も変わらない。

20すぐ上の写真と下の写真ではかなりの時間差がある。
下はMarshall Liveの告知ポスターが貼ってあるでしょ?
もはや相当なつかしい!

25vMarhsall本社の出で立ちは変わらずとも、周囲の状況はずいぶん変わった。
あんなに何にもなかったのに、いつの間にか工場の向かいの奥にはIKEAができ、それももうスッカリおなじみの光景になってしまった。

12ikmk そして今回4年ぶりに行ってビックリ。
ハス向かいに「ALDI(アルディ)」が出来ていた!
ALDIと言っても日本の方々には馴染みが薄いかも知れない。
それと「Lidl(リドル)」。
ALDIもLidlもドイツ資本のディスカウント・スーパー。
以前、社長が騒いでいたのでよく覚えているが、この2つのスーパーマーケット・チェーンがイギリスに上陸して来たおかげで、TESCO、Sainsbury's、ASDAといった在来のイギリスのスーパーマーケット・チェーンがズタズタになってしまったという。
イギリスのスーパーマーケットにしてみればドイツから来たアリゲーター・ガーみたいなモノだ。
あるいはカミツキガメか?
…ということで、様子を見に行ってみた。
確かに値段は安いが、この店舗に限って言えば品数はそう多くなく、どちらかというとまとめ買いをさせて値段を下げる商法と見た。
結構な賑わいで、お客さんは皆、信じられない位大量のアイテムをショッピング・カートに入れていた。
私はやっぱりSainsbury's とかTESCOとかのイギリス在来種の方がいいナァ。

715コレもおなじみのエントランス。
D_Drive特別出演。

40このJVM、昔はJCM900のフル・スタックだったんだよ。
ん?ヘッドとAキャビが少しズレてるじゃん。

45vヘッドの横に飾ってある額縁にはアン王女が来社した時の写真が入っている。
その時のようすはコチラ⇒【英王室アルバム】Her Royal Highnessがお見えになりました!

46vこの棚の中身はMarshallのアクセサリー類を展示しているんだけど、いつの間にかBluetoothスピーカーやヘッドホン等のLifestyle商品ばかりになっちゃった。
そうだ!思い出した!
ものスゴイどうでもいいことをひとつ。
この棚の裏にトイレがあるんだけど、そこでひとつ英語の勉強をさせて頂いた…トイレだけにね。

50誰がやるんだか、最近またfacebookで「コレを何と呼びますか?~ミュージシャンなら知っておきたいモノの名前」みたいなクイズを見かけるようになった。
その中ですごく気になるのが下の写真のアイテム。
正解はチェックしていないんだけど、クイズは三択方式。
答えの候補の中に「シールド」というのがあって、他の2つの候補はお呼びもつかないモノだったのでそのまま「シールド」が正解なのだろう。
で、この名称に関する問題…もうマーブロで何回も取り扱っていて恐縮なんだけど、この後のトイレで学んだ英語を紹介するためにもう一回やらせて頂く。
 
約45年前、私がギターを始めた中学生の頃、このギターとアンプをつなぐ線のことを「コード」って呼んでいたと思う。場合によっては「線」かな?
ある時楽器屋のお兄さんがそれを「シールド」と呼んでいることに気づいた。
「シールド?コードじゃないのか?シールドねぇ…なんかプロっぽくてカッコいいナァ」と思った。
「コード」を「シールド」って呼ぶだけでギターがウマくなる気すらした。
だってあの当時、楽器屋の店員さんは「神」だったからね。
まさに「シールド」という言葉は神のお告げだった。
楽器や英語の知識がつくにしたがって、「シールドってのも変な言葉だな?」と思うこともあったが、それから何十年もの間、そのギターとアンプをつなぐ線のことを「シールド」と呼んでいた。
そして、初めてMarshallの工場に行った時、「シールド」というのは極東の島国の方言であることを確信した。
確かに内部の導線が金属や組みひもで被覆(シールド)してあるのでコレ自体を「シールド・ケーブル」と呼ぶのは決して間違いではないんだけど、「ギター用のコード」としてこれを「シールド」とだけ呼ぶのは日本だけなのではないか?
だから海外の現場で「シールド貸してください」とクラブの人に頼むと「Haaaa? What do you mean by 'shield'?(シールドってどういう意味?)」と言われるのではないだろうか?
「Shield cable」と言えば、相手が気のきいた店員さんなら対応してくれるかも知れない。
やったことがないのでわからないけど…今度Marshallに行ったらやってみよう。
では海外では日本で言うところの「シールド」を何と呼ぶか…。
イギリスでは「Guitars leads(ギターズ・リーズ)」と言う。
「ギターズ・リーズ」…この言葉も最初は口にするのが恥ずかしかった。
同様に電源用のコードのことは「Mains leads(メインズ・リーズ)」という。
こっちはナゼかそう恥ずかしくなかったので、「リーズ」の世界にはコチラから入ることにしたし、実際に仕事でこの言葉をよく使った。
一方、実はいまだに「Guitar leads」って言うのが恥ずかしくて、私は「Guitar cable」って言うようにしている。
コレは海外どこでも全く問題なく通じます。
そんなこんなで、今では「シールド」という言葉は「ツーマン、スリーマン」ぐらい恥ずかしい言葉になっちゃった。
だから若い女の子のギタリストが「私のシールド」なんてチョット専門家ぶって口にしているのを耳にすると不憫でネェ。
ね、私のお友達のギタリストさん…私はゼッタイに「シールド」って言葉を使わないでしょ?
地下鉄工事のシールド・マシンを指す時はは別よ。
ご参考までにイギリスの人たちは「ギター・ピック」のことを「Plectrum(プレクトラム)」と言います。
コレはイギリスの方言なので「Pick」でもOK。

Glココで疑問が湧いてくるのが、じゃ一体「コード」ってなんだ?ということ。
その答えは、このMarshallの工場のレセプションのトイレが示してくれた。
ココのトイレってナゼか電気のスイッチが壁に埋め込まれておらず、よく日本家屋で見かける電灯についているヒモを引っ張って電気をつけたり消したりするようになっている。
そして、正確な表現ではないが、そのトイレの壁に貼ってある紙に「Pull down the code to light」ぐらいのことが書いていある…写真を撮っておけばヨカッタ。
「おお!こんなところにCodeが!」
ああいう「カッチン」ってやるヒモのことを「Code(コード)」って言うんですよ。
タメになるな~。
 
現地で生活することなく、こうやってひとつひとつ英語を学んでいるワケだから、コリャ一生かかってもマスターできんわな。
だから留学ってのは効率がいいワケだ。
私もクラウドファンディングで留学させてもらおうかな?

Codeハイ、次。
CODEやEDEN…

60NATALの展示も相変わらず。
アイテムはさすがに替わっているけどね。

70ロンドン名物の電話ボックスも据え付けられた。

75Marshall仕様の黒。

80vJVMの洋服ハンガー。

90vそして目下の自慢はコレ!

100Marshall仕様のジュークボックス。
昔は人が集まるところではどこでもよく見かけたよね。

105ロッカー・スイッチにゴールド・トップ&ブラック・ボディのノブ。

110スピーカー部分にはECフレットが使われている。
よ~やるわ。
130ちょっとダブついてはいるけど、ちゃんとレヴァントのカバリングが貼ってある。

120vしかし、この中にドーナツ盤を入れて実際に回して音楽を再生するんだからスゴイ。
あまりにも前時代的だけど、最高にカッコいい。
今の若い人はジュークボックスなんて知ってるのかな?
音楽がタダでなかった佳き時代の産物だ。
音楽をかけるのに「2曲100円」とか、だなんて想像すらできないんじゃないかね?
イヤ、音楽ってのはそもそもそういうモノなんですよ。
音楽を作って生計を立てている人がいるんだから。タダじゃマズイ。

140入っていた曲のリストはほんの数曲。
「Rock around the Clock」やバディ・ホリーが数曲。
バディ・ホリーってのはそれこそ「Legend」としてイギリスでの地位が高いね。
日本とはゼンゼン認識が違う。
かの有名なハマースミス・オデオンが、バディ・ホリーの生涯最後(1959年、23歳の時に飛行機事故で死亡)のイギリス公演をそこで演ったことを自分で称えているぐらいだから。
詳しくはコチラ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】vol.33~ハマースミスが好きだった <後編>

145vベトナム工場の写真。
私も写っているんだけど、この時帽子をかぶっていないので拡大は厳禁!ハゲハゲだから!

150こんなのやっていたのか…2017年10月19日。
「Theatre」と呼んでいる工場内のホールで開催した『Joseph and Amazing Technicolor Dreamcoat』というミュージカル。
「£5」って…800円ぐらいだよ。
というのは、1966年に設立された障害を持つ児童を援助する「Maclntyre Charity」という団体によるのチャリティ・コンサートだったから。160v演目はティム・ライスとアンドリュー・ロイド・ウェバーが学生時代に作ったミュージカルで、2人の作品が1968年に初めて公に上演された記念すべき作品。
下は今回サウス・ケンジントンの駅で見かけたポスター。
今でもこうして上演されている。

165v私もウェバーが好きなので、ロンドン・パラディアム・キャストのCDを持っているんだけど、ん~、ちょっとソリが合わないんだな。
何回聴いても入り込めん。
『ヨセフと不思議なテクニカラー・ドリームコート』として2016年に来日公演があったようだ。

170ココは社長室の応接間。

180v目に付くのはMarshallビールと…

190Marshall仕様のアコーディオン。
ビラっと蛇腹を広げるとジョンの顔が出て来そうだな。

200レセプション2階のミュージアム。

210去年、日本は『スパイナル・タップ』ブームだったからね…一部では。

210v先日、こんな動画に出くわした。

昨年の3月に亡くなったMarshallの創設時メンバーのひとり、ケン・ブランが所有していたJTM45。
息子さんのマシューにより、2014年に当ミュージアムに寄贈された。

220ウワ~!
コレは!
チョットここには書けん。
私にとっては、いい思い出とイヤな思い出がべったり背中合わせにくっついた幻系モデル。

240コレは最近仲間入りしたスコット・ゴーハムが愛用していた1959。
Thin Lizzyの黄金時代を作ったMarshallだ。

2501962BluesbreakerのSERIES I。

2601965年以前の製品。
コレは前からあったかな?
ミュージアムは4年前と大きな変化はなかった。

270<後編>につづく。
次回はあまりの様変わりに私もビックリした「事務所棟」へご案内します。
 
さて、11月9日の『Marshall GALA 2』。
まだお席がございます。
近いうちにソールドアウトとなることが予想されますチケットはお早めにお求めください。

Marshall GALA 2の詳しい情報はコチラ⇒Marshall GALA 2の詳細を発表します! <マーガラ情報 vol.1>
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200_3 

(2019年5月28日~6日17日 Marshallにて撮影)

2019年6月26日 (水)

三宅庸介 MEETS STUDIOシリーズ <後編>


前回に引き続いての三宅庸介によるSTUDIOシリーズの試奏レポート。
今日はMarshallの代名詞とでも言うべき伝統のモデル、1959をダウンサイズしたSTUDIO VINTAGEのシリーズ。
イヤ~、おもしろかったね~。

Group_sv 

<SV20HとSV212>
まずはSTUDIO CLASSICの時と同じく、ヘッドと2x12"キャビネットのコンビネーションから。

0r4a0104三宅庸介(以下「Y」):あ~~、シゲさん…コレはもうダメです、ダメ
Marshall (以下「M」):ハハハ、ナニナニ…「ダメ」って一体ナンですか?いつも冷静な三宅さんにしては珍しく興奮されていますね!どうですコッチは?
Y:「どうです」って訊かれても、ひと言で…「ダメです」。

(SVによって破壊されてしまった三宅さん恍惚の図 ↓ ↓ ↓ )

0r4a0335(そして、弾きまくり! ↓ ↓ ↓ )

0r4a0336 M:そう来ると思っていましたよ!
Y:ボクにこういうのを弾かせたら絶対にダメです!
欲しい!ホントに欲しい!
(長い間)
で、ナニを言えばいいんですか?
M:へ?インタビューですから…コレについてナニか語って頂かないと…。
Y:………。
M:言うことなし?
(ショックのあまり三宅さんがナニもしゃべろうといないので私からアノ手コノ手で水を向けた)
ところで、折角ご持参頂いたのにさっきからペダル類を全くお使いになる素振りさえお見せになりませんね。
Y:ハイ。例えいつも使っているようなオーバードライブのようなモノをつないだとしても、ナンノ違和感もなくマッチするのはわかりきっていますから。ワザワザつなぐ必要なんてありません。

0r4a0343 M:三宅さんは以前1959もお使いだったワケで…で、このSTUDIO VINTAGEは1959のダウンサイズ版を標榜していますでしょ?
音が似ているとかそういうことではなしに、Marshallのアイコニックなモデルのひとつである1959の魂を受け継いでいるところはどういう点だとお思いになりますか?
Y:手元を下げた時のゲインの上がり下がりだったり、それでトーンが変わって来るサマがそのままだったり…。
今、HIGHの1にインプットしてLOUDNESS1をフルにしています。
リンクはしていませんが、干渉するのでワザとLOUDNESS2もフルにしました。
そうすると少しだけ低域が膨らむ感じになるんです。

0r4a0381 M:1959の場合、使っていない方のチャンネルのボリュームは第2のEQになるとか言われていましたからね。
Y:で、こういうことをホンモノの1959でやったら普通手に負えませんよね?
特に新しい1959なんかですと、パーツも新しいので、元気がありますからピュアに100Wの音が出て来るワケです。
そんな状態で色々なことをコントロールしようとなると、ステージでもレコーディング・スタジオでも…ムリですよね。
人の多いところではまずそんなことできません。
M:ホント…現場によっては大音量に気をつけなければマズイですよね。
Y:でも、コレだとそういうことができてしまうワケです。
ま、音量をこうして上げると、アンプと近距離で弾いているので、弾いていない時には当然ノイズが出て来ますが、ゼンゼン問題にならない。
ホントにコントロールしやすいし、トーンがすごくいい雰囲気で効いてくるんです。
M:「いい雰囲気」?
Y:はい。その辺も割とうまいこと当時のまま…というか…昔のMarshallって、「コレ、ホントにトーンが効いているのか?」なんてことがよくあって、結局EQを全部フルにするのが一番よかったりして。
このSCもそんな感じで、さっきのSCとは違って「トーンで音を作ってください」とかいうほどではない。
イヤ、もちろんEQをイジれば音は変わってきますよ。でも、どこをどうやってもいい音がしています。

0r4a0348 M:なるほど…(しめしめ、大分落ち着いてき来て、だんだん語り出して来たぞ)。
Y:コレはちょっと…ボクのイメージなんですが、音が周波数ごとにミルフィーユみたいになっていて、隙間を感じるんですよね。

Mf M:わかんね~わ!
Y:(笑)層になっているその間に空気感があるというか…そこに色んなモノ、例えば倍音だとかが詰まっている感じなんです。
M:じゃSCの方は?広島風お好み焼きみたいな?コッテコテ?
Y:SCの方はもっと密度が濃いんです。ギッチリ詰まっている感じ。

5_ M:そういう風に言われるとわかるような…わかんないような…。
やっぱりわかりませんな。
Y:SVの方は弾いていても、ピッキングした時にホントにチョット親指に力を入れるだけでミルフィーユの層の中に違う倍音が入ったりとか…そういうことをものすごく認識しながら弾けるから、も~~~メッチャたまらないです!
M:フィードバックする時もいかにも1959ですよね?
Y:そう!音が裏返ってキレイに何度、何度と音程が変わっていく。その裏返る時の感じがもう完全に1959なんです。
M:もともと1959のようなアンプがあったからフィードバックなんて方法が出て来たワケですもんね。
Y:そうなんです。JCM800のフィードバックとはまた違うんです。
M:よくわかります。
Y:も~~~!コレはアカンですよ!(←コレばっかり)

0r4a0377_2 M:スタンバイ・スイッチをLOWにするとどうですか?
(スタンバイ・スイッチをLOWにして弾く)

0r4a0124 Y:あんまり変わらないですね。
M:音の張りが変わって来る。
Y:ウン、そうですね。LOWにした時の方が弾きやすいですよ。
(弾き続ける)
あ~~~!コレはアカンですよ!(←あ!また!)


<SV20HとSV112>
今度はヘッドはそのままに1x12"キャビネットのSV112につないで弾いて頂いた。

0r4a0077 Y:SCの時ほどの違いはない感じで、2x12”から移っても違和感が全くないですね。
アンプのコントロールをイジる必要なない。

0r4a0368 でも、アンプの前で弾いている分には2x12”の方が気持ちいいですね。
でもさっきのSCと同じでレコーディングの時は1x12”の方がマイキングはしやすそうですね。

<SV20C>
そして、最後にコンボのSV20C。

0r4a0001Y:当たり前ですけど、コレはスタックとの違いが出ますね。
さっきSCの時にアンプの形式よりもスピーカーの数の違いを意識すると言いましたが、こっちはキャビネットにスピーカーだけが入っているモノとアンプのシャシとスピーカーが一緒に入っているモノとの違いを割りとハッキリ意識させられます。
このSVのコンボは明らかに「コンボ感」が出ています。
M:確かに…。
Y:そういえば、1959のコンボって馴染みがありませんよね。
M:2159。2159って日本には入って来なかったのか、ホントに少数しか輸入されなかったのか…。確かMarshallの本社のミュージアムで見たことがあったと思いますが、日本では見たことはありません。。
Y:1987のコンボはありましたよね?
M:はい、2187ね。大分前に私がMarshallに提案して日本限定50台で作ってもらいました。
「19-」アタマがヘッド、「21-」アタマがコンボの型番だったんです。

0r4a0397 Y:なるほど。で、最初は何となく聴き馴染みのないサウンドという感じがしました。
でも、弾いているうちにキャビネットの一番共振するポイントに合わせてベースを下げたり、プレゼンスやトレブルを上げて調節することで違和感はなくなりましたね。
そもそも、「いい音」って大抵そうなんですけど、弾いているウチに自分の方が慣れないとダメなことが多いんですよね。
M:自分を慣らす?
Y:誰でもこういうことはあると思うんですけど、パッとギターをプラグインして音を出してみて、気に入らないとか、抵抗があったりする…こういうのは「気に入らない」というより、そのアンプを鳴らせていないということだと思うんです。
だから自分の方が変わるべき…ということがあるのではないでしょうか?
M:なるほどね~。そういうギタリストばかりだとラクだな。でも、昔はそういう感じでしたよね。
Y:で、SV20Cはコンボ独特のスクエアに低域が全部出きってしまっているイメージがあります。
スタックだと低域の角がチョット丸かったりするんですね。ボクはそっちの方がコントロールしやすい感じがします。
コンボの音ってチョット「台形」っぽくて…。

5__2 M:今度は算数ですか!
Y:(笑)コンボはローが「面」で鳴っている感じなんです。
それとまずはやっぱり床に置いて鳴らすべきですよね。
鳴らしていないキャビの上なんかに置くとダメです。それも共振して鳴ってしまう。音を出しているのならともかく、鳴っていないのはマズイ。
M:大地にシッカリ足を付けておけ!ということですな?
Y:人と一緒ですよ!
M:ゴメンなさい!

0r4a0395 Y:コレもやっぱりレコーディングの時は、実際に鳴っている音をマイクで拾った音との共通点を探しやすいと思いますよ。
M:やっぱり。
三宅さんはASTORIAの時、最後までスタンダードな黒いMarshall伝統のデザインにこだわった方のウチのお1人ですが、このシリーズのルックスについてはいかがですか?
ま、おっしゃりたいことはないと思いますが…?
Y:ないですよ。
M:出て来る音や細かいデザインは別にして、Marshallってサイズそのものがすごくいいと思いませんか?
何と言うか、それぞれ大きすぎることもなく、小さすぎることもなく…。
Y:すべてが絶妙ですよね。
M:偶然ですけどね。
Y:マジックには偶然が必要ですからね。
M:でも偶然が起きるでろうことをそれまで積み重ねているんですって。
Y:必然なんですね。
そうそう!ひとつ「オオ!」と思ったのは、SV212のハンドルはメタルなんですね?
M:そうそう。さすが!

0r4a0157 Y:しかし、シゲさん…コレはダメですよ!(←最後もコレ!)

0r4a0440こうして新商品が発表されるたびに三宅さんに試奏して頂くようになってからどれぐらい経つかナァ?
Vintage Modernの時ぐらいからか?
Marshall弾きとして、長い間に色々なご経験を積んで来られた方だけあって、良い点についても、劣る点についても、都度色々と適切なご意見を聞かせてくれるのがとても面白いし、勉強になる。
従来型のMarshallに与する伝統支持派で、どちらかといえば辛口なわけ。
しかし、今回はいつもと様子が違ったね。
こんなにトロけてしまった三宅さんを見たのは初めてのことだった。ASTORIAの時も結構トロけさせたつもりだったけど、アレは三宅さんに対してはルックスがマイナスした。
今回は、何と言うか…何度挑戦しても絶対に勝てない相手との対局で「負けました」と言わせたような…。
実際には将棋を指す趣味が私にはないので、この例えはふさわしくないかもしれないが、タイトルをもぎ取った時の棋士の気持ちはこんな感じなのではなかろうか?
ま、別に三宅さんと「Marshall勝負」をしているワケではないんだけどね。
やっぱり自分の音で自分だけの音楽を作っているようなアーティストから「欲しい!」なんて言われればそりゃうれしいもんです。
また、文中で太字でフォントを大きくした演出で三宅さんの興奮具合が少しでも伝わるといいんだけどナ。
とにかくこういう時は、この仕事をしていて本当にヨカッタ!と思える瞬間のひとつなのだ。
実は、今日のSTUDIO VINTAGEはゼ~ッタイに三宅さんがハマるという自信があったの。
だからワザとさきにJCM800系のSTUDIO CLASSICを先に試してもらった…というチョットした作戦があったのです。
さて、今回の2編をお読み頂いてSTUDIOシリーズにご興味を持った方は是非楽器店に足を運んでお試しになってみてください。
もし、ミルフィーユや広島風お好み焼きのお味がお気に召さない場合のご意見は三宅さんにお願いします!

50 

200 
(一部敬称略 2019年4月都内某スタジオにて撮影)

2019年6月25日 (火)

三宅庸介 MEETS STUDIOシリーズ <前編>


今年の1月のNAMMショウで発表したSTUDIOシリーズ。
おかげさまで世界的大ヒットになったようです。

50…というのも、先週のアタマまでMarshallの工場に行っていたんだけど、工場のラインで流れているのはSTUDIOシリーズばっか!

0r4a0044_2コレは最終工程のベルトコンベア。
真ん中は違うけど、向かって左のキャビネットと右側から流れ出て来るのは全部STUDIOシリーズ。

0r4a0046_2出て来る、出て来る…うれしいなったら、うれしいな!
ナニがそんなにうれしいのかというと、世の中まだそんなに捨てたもんじゃないと思ってサ。
時代が時代ゆえ、デジタル・テクノロジーを駆使したターミネーターのような「機械」も仕方ないけど、チャンと真空管を使ってギターの音を美しく増幅させる「楽器」としてのアンプがまだまだ愛でられていることがうれしいのです。

0r4a0045_2ということで、Marshall BlogはまだまだSTUDIOシリーズの魅力を皆さんにお伝えしようと思っているのです。
そこで今日はMarshall Blogでは相当おなじみ、Strange, Beautiful and Loudの三宅庸介にSTUDIOシリーズからまずはSTUDIO CLASSIC各種をお試し頂いたレポートをお届けする。
今日の<前編>はCLASSIC、次回の<後編>はVINTAGEで構成するよ。
しかし…この動画全盛の時代に写真と文章だけで商品の魅力をお伝えしようなんて、いい度胸してるでしょ?
ダメよ、人間少しぐらい字を読まないとバカになっちゃうぞ!…といいつつ、ビデオも●●●●してますのでよろしく。
とにかく今日と次回のところは、Marshallとストラトキャスターを食んで生きているようなギタリストの含蓄に富んだコメントを楽しんで頂きたい。

Group_sc_2ではまずコレから…
 
<SC20HとSC212>

0r4a0249_2Marshall(以下「M」):三宅さん、いかがでしたか?
三宅(以下:「Y」):ビックリしました。メッチャいいですね~…ホンマに。
新品って何でもそうですけど、「こなれていない」っていうのがありますよね。ギター・アンプで言えばスピーカーのコーン紙が硬いとか…。
コレはそういうことを感じさせませんね。
同じJCM800でも80年代後半の「ハイ・ゲイン戦争」時代のJCM800ではなくて、Marshall本来のクリアな部分が残っているJCM800という感じ。
ものすごく状態の良いJCM800を「今やっと弾けた!」というイメージです。

0r4a0218_2 M:現在手に入る材料でオリジナルのJCM800を作ってしまったみたいな…?
Y:そうです、そうです。ラインナップを見てもう少しモダンな感じだと思っていたんですけど、違いましたね…コレはうれしいですよ!
JCM800ってこういう音だったですもんね。

0r4a0270_2M:よくわかります。ボリュームを下げた時のクリーンの美しさがまたすごくいい。
Y:4とか7とかフルとか、自分でアンプを試す時のプリアンプのゲインの設定があるんですが、6~8の間にサウンドが激変するゾーンがあるんですね。
その辺りの境目で気に入ったサウンドを見つけるのがいいと思いました。
0r4a0240_2M:ギターのボリュームとの兼ね合いは?
Y:手元のボリュームを下げただけでホントに…多分ヨダレが出ていたと思うんですけど…。
M:いえ、でも三宅さん、弾いてて思わずバッと立ち上がっちゃいましたもんね!
マスター・ボリュームの設定も色々とお試しになられていましたが、やっぱりフルだと粗すぎますね。
Y:はい。音量が変わるだけでなく、そうなると音質が変わってしまいますからね。ボクは4ぐらいがすごくいいと思いました。
M:4でも音量的には十分ですよね?
Y:ゼンゼン大丈夫ですね。バンドの中で使っても、dBという観点からすれば全く問題ない鳴り方をしていると思います。
ゲイン感とか、身が詰まったコンプがかった強い歪が欲しい…ということであればマスターを6ぐらいにするといいかも知れません。
M:なるほど…。

0r4a0210Y:今日ボクはコントロールをすべて「0」にしてから始めました。いいアンプって、アンプにインプットして、音が決まるまでの時間って早いんですよ。
さっきからズッとシゲさんは見てくれていましたけど、今日は音を決める時間がメッチャ短かったでしょ?
M:現場で音を作る時、三宅さんはいつもそんなに時間をかけていない印象がありますけど、確かに今日は早かった。
Y:大体のところをキメてしまうと、後はチョコチョコ触ってもそんなに印象は変わらない。
M:それでも何かEQでの音作りに関して何かありませんか?
Y:いつもの自分のデフォルトのカーブのままですイケましたね。ベースが4で、ミドルが7、トレブルが2.5~3の間。
M:プレゼンスが2ぐらい?
Y:ボクにしては珍しくプレゼンスを上げています。ちょっと上げてやった方が、手元を下げた時の「ベル感」みたいなモノがチャンと残るし、ピッキングの音の一番早いところが先に出て来る感じがするんですね。
もう少し上げても大丈夫だと思います。
0r4a0262_2M:パワー・スイッチをLOWにした時はいかがでした?
Y:「LOW」という言葉があんまり好きじゃないんです…ボクは要らないかな?でもそんなに変化なかったですよね?

0r4a0258_2M:ガクンと音が小さくなるのではなく、サウンドが小ぢんまりする感じでしたね。
Y:そう。家でレコーディングする時にマイクを立てた場合にどうか…っていう感じですよね。
M:三宅さんがコレを宅録で使うとなるとどういう手法を採ります?
Y:ボクは近代的な手法のレコーディングをほとんどやらないし、否定派でいたいんですね。例えやったにしても結果があまり好きでないんですね。
だからアンプの設定を「LOW」にして、最良の音質のまま家で出せる限界の音量にセットして、あとはマイクの音量を調節して、実際に聴こえている音と同じ音で録音できるように注意深く設定する…ということになりますね。
M:完全に従来方式ですね?
Y:そうです。
ま、家で録音する時には2x12”である必要はありませんけどね。
M:そうそう、SC212はいかがでした?Aキャビネットをタテに半分にした格好ですよね。

0r4a0253_3Y:ボクの場合はアングルが付いているとかストレートであるとかよりも、ズッとスタックを使って来たので、そういう意味では何の違和感は何もなかったです。
やっぱりひとつの筐体にシャシとスピーカーと入れたモノとセパレートしているモノとではゼンゼン違いますからね。
その点、ひとつのスタックとしてとても気持ちよく弾けました。
 

<SC20HとSC112>
ヘッドのSC20HはそのままにキャビネットをSC112につないで弾いて頂いた。

0r4a0217_2Y:ボクはキャビネットの大きさ云々より、搭載されているスピーカーの数の方が弾いていて大きな違いを感じるんですね。
レコーディングの時も、一番いいポイント、すなわち聴いている音と同じ音がマイクで拾えるところを狙うということが重要で、その場合スピーカーが1発の方がやりやすいんですね。
だから制作の面から考えるとスピーカー1発の方が向いているかも知れませんね。
2発の方はそれぞれのスピーカーのコーンの動きが完全に一致しないハズなので、チョットしたそのズレが弾いて気持ちのいい部分であったりするワケです。
それが2発入りとか4発入りとかの特長だと思うんです。

0r4a0281_2M:いつか1936の内部スピーカー・ケーブルの長さを変えているという話を思い出します。
Y:そうです。あの効果ですね。
1発の場合は当然そういうことがないのでストレートに鳴っている感覚が強いですよね。
それで、コンボと違ってスピーカーだけが筐体に入っているワケですから、ボクなんかはレコーディングの時などとても音作りがしやすいと思います。
ちゃんとローも出てますし、SC112のトーンのバランスは最高だと思いました。
 

<SC20C

最初、撮影時のルックスを考慮してコンボをSC112に上に乗せていたが、三宅さんはホンノ少し弾いて「コレではダメです」と言って、SC20Cを床に降ろした。
0r4a0179_2M:今度はコンボ…。
Y:思ったより違和感がないですね。セッティングは少しベースを下げて、ハコの振動を抑えるといいんじゃないかな…。
スタックと違って、割と床の材質とかの影響を受けやすいので、ボクがコンボを使う場合はジュータンを用意してアンプの下に敷きます。
そうするとスタジオでもライブ会場でも同じ状態で使うことができる感じがします。
でも…こうして弾いてみると、ナンカあんまりさっきのスタックと変わらない感じがしますよ。

0r4a0294_2M:ウン…何かね~。おかしいな、もっとコンボ感があったつもりだったんですけど…。三宅さんが弾くとそうでもないな…というか、三宅さんの音になっちゃった。
Y:このシリーズが発表になって、海外のデモの動画を色々とチェックしたんですが、それを見る限り、ワッテージも小さいし、コンボが一番トーンのバランスがいいな…と思っていたんですけど…

0r4a0301_3M:けど…ナニ?
Y:…けど、スタックを先に弾かせて頂いて、もう最高だったし、コンボもそのままの流れですね。
さっき言いましたように、ボクの場合はスタックかコンボか…というより、「スピーカーの数」なんですね。SC212のようにスピーカーが2台入っているものはお互いに持ちつ持たれつ、「夫婦」のように鳴っているワケです。
その点、キャビネットにしてもコンボにしてもスピーカーが1台の場合は全部ひとつでこなさなければいけない。

0r4a0313_2M:スピーカーの単身赴任ですね?
Y:(笑)そう。だから負担が大きい。その分鳴り方がハデになると思うので、出過ぎないようにトーンを抑えてやる必要があると思うんです。少しだけベースを下げたりとか…。
ゲイン感とかボリューム感は同じセッティングならばあまり変わらない。聴いている耳の位置や距離の違いぐらいですね。
M:それとインプットの「LOW」の話を…。

0r4a0321_2Y:LOWにつなぐと、すごくクリーンな感じですよね。
ボクは普段「LOW」のインプットにケーブルをさすことはまずないんですが…コレ、いいですね。
たとえば…レコーディングの時にHIGHのインプットで完璧に音を作っておいて、クリーンっぽいサウンドが必要な時に、そのままLOWにインプットしてやるなんていう使い方もいいかも知れない。
いわゆるトランジスタのライン的なクリーンではなくて、真空管を通して作った、まさに「Marshallのクリーン」ですよ。
近代的なアンプの「クリーン・チャンネルです」というのとは全く違うクリーン・サウンド。
M:コレにスタンバイ・スイッチの方をLOWにするとどうなります。
Y:(弾く)…あんまり。やっぱり変わりませんね。
でもすごく太くていいですよ。ゲインを下げるとエレアコまでイケるんじゃないですか?
何だかLOWインプットに新しい可能性を見出した感じですよ!

0r4a0328_2本当に気持ちよさそうに弾く三宅さんなのであった!

<後編>につづく

200 
(一部敬称略 2019年4月都内某スタジオにて撮影)

2019年4月19日 (金)

Marshallの造形美を愉しむ~STUDIOレンジ写真集

 

おかげさまでサウンドもルックスも大好評のSTUDIOシリーズ。
今日はですね、事務所で写真を撮ってみたので、そのSTUDIOシリーズからVINTAGEとCLASSICを取り上げてMarshallの造形美をジックリ味わってみようかという企画。
要するにSTUDIOシリーズ写真集。
「写真集」なんて初めてじゃない?
イヤ、毎回ヘタな文章を組み合わせた写真集みたいなものか?
今日は「写真集」なので、機能がどうだとか、音がどうとか…ということは書かないつもり。
あ、ひとつ…今日のタイトルのこと。
我々は何かの一連のカタマリをよく「シリーズ」って呼ぶでしょ?もちろん間違えではないんだけど、英語圏の人って同じ意味ではこの言葉をあんまり使わない気がするんだよね。
見ていると、我々が言う「シリーズ」のことを英語圏の人は「range(レンジ)」って呼んでる。
「連なり(series)」より「幅(range)」ということなのかしらん?
今日はこの言葉で統一してみるね。

10まずはVINTAGEレンジから。
1×12"コンボのSV20C。

20スモール・ゴールド・ロゴと美しいソルト&ペッパー・フレットを味わう。

30ゴールドのパイピングとビーディング、レヴァント・カバリングはビンテージの証。

40このプレキシ・グラス仕様のコントロール・パネルのツラ構えがまたいい。

50SVシリーズは4インプットということもあって1959の20Wバージョンという風に理解している人も多いようだけど、それは違う。
何回も書いている通り、1959というモデルは「100W、4インプット、マスターボリュームなし」…というのが厳然たる定義。
出力が20Wとなった途端、それは1959ではなくなる。
だから「1959タイプ」っていうことね。

60下から見上げたリア・パネル。

80次はSVレンジの1×12"エクステンション・キャビネットのSV112。
まず、フルフェイスのソルト&ペッパー・フレットが目を惹くよね~。
Marshallのフルフェイス・キャビネットって間違いなくカッコいい。

90エクステンション・キャビネットの天端はハンドルのみののっぺらぼう。
でもこの2本のゴールド・ビーディングがデザインを引き締めているね。

0r4a0061リアの様子。

100スピーカーはレンジ共通のCelestion製12"、70W…Celestion V。

110SV20CをSV112の上に乗せてみるとこういう感じになる。
この場合、アンプもキャビネットもインピーダンスが16Ωなので、2x16Ωというスピーカー・アウトプットに結線してやれば上下両方とも鳴らすことができる。
120v次に2×12"キャビネットのSV212。

130vリアの様子。

140vインプット・ジャックはもちろんビンテージ・タイプ。

150タテ長キャビ、いいよね。

160v_2 SV212にはメタル・ハンドルが採用されている。

170vキャビネットをひっくり返すとホラ…。

180別売りのキャスターを取り付けることができるようになっているのだ。

190SV20CをSV212に乗せる。
この場合、インピーダンス・マッチングが取れないので3つのスピーカーを全部同時に鳴らすことは不可能。
SV20CでSV212を鳴らすということになる。

245v続いてヘッドのSV20H。

200_2パッと見ると大きさからして2061Xみたいじゃんね。

225ところがドッコイ、同じ20Wでもこっちは4インプット。「1959タイプ」だから。
LOUDNESSという表示もうれしいね。

220ピン・スイッチとスクエア・パイロットランプもうれしい。

219ゴールド・メッシュをあしらったリア全体の様子は1959ゆずりだが、パネルは黒でその使い勝手も近代風。
1959が誕生した1965年には「センド&リターン」も「DI OUT」もなかったからね。230SV20HをSV212の上に乗っけてみる。

240v同じくSV112の上に乗せるとこういう雰囲気。

250v…と、ココまで来るとやってみたくなるのは三段積み。
SV20HとSV112とSV212を積み上げるとこうなった。
でも、これもインピーダンス・マッチングが取れないのでどちらかのキャビネット1台しか鳴らすことはできないのであしからず。

260v続いてCLASSIC。
同じようにコンボから。
コチラは1x12"のSC20C。

2701981年に発表されたJCM800レンジには2204のコンボ・バージョンの4010や2205の4210等の1×12"コンボがラインナップされていたが、やっぱり雰囲気はゼンゼン違うね。

280JCM800だからロッカー・スイッチ。
今のパーツは表面が曲線になっているけど、昔はカクッとしていた。

290この忠実に再現されたフォントがいいんだよね。

300リアのようす。
昨日はSVレンジと同じ。

310SCの1x12"エクステンション・キャビネットはSC112。

330コチラはエレファント・グレインのカバリング。

340リアの様子。

350インプット・ジャックは円錐形のタイプ。

360スピーカーはSVと同じCelestion製12"、70W…Celestion V。

370またSC20CとSC112を組み合わせてみると、こんな感じ。

380vSCの2x12"スピーカー・キャビネットはSC212。

390_2リアはこんな感じ。

400_2こちらのハンドルは1960と同じプラスティック製だ。
もちろんSV212同様に別売りのキャスターを取り付けることができる。

410vまたSC20CをSC212の上に乗せてみる。
何か上下で「他人同士」っていう感じがしないでもないな。
この場合もSCの時と同じく、インピーダンス・マッチングが取れないので3つのスピーカーを全部同時に鳴らすことは不可能。
SC20CでSC212を鳴らす、ということになる。

D_0r4a3100ヘッドはSC20H。
2203タイプ。
同じように言っておくと、2203の定義は「100W、2インプット、マスター・ボリューム付き」ね。
だからこれは「2203タイプ」ということになる。

4202203に見慣れていると、チョット窮屈な感じがしないでもないけど、この雰囲気はやっぱりステキ。

425パイピングを太い白にしたのも大正解だった。

4301981年にJCM800レンジが発表された時、この両側にまで延びたフロント・パネルのデザインは大きな反響を呼んだらしい。
大学生だった1981年当時、私は70年代製のJMPの1959と1960AXを持っていたけど、世間がそうなっていたことは知らなかったな。
私には「100Wか50W」、「三段積みか二段積」の別しかなかった。
それは今ではこんなことをしているんだから人生どうなるかわからない。

440リアの様子。

450SVと同じね。

460SV20HをSV212に乗せる。

470vSV112に乗せるとこう。
どうなの?
私の印象というか、好みというか、ヘッドと1x12"の組み合わせはSCの方がスキッとしていて、2x12"の場合はSVの方がビシっとキマっているような感じがするな。
きっとフレット・クロスの色の影響なんでしょう。
それと112キャビネットの縁の厚みだ!

D_0r4a3093こっちも三段にしてみると、こんな感じ。
この場合もSV同様、インピーダンス・マッチングが取れないのでどちらかのキャビネット1台しか鳴らすことはできないのであしからず。

0r4a0288いかがでしたでしょうか、黒と白と金のMarshallの世界。
やっぱり最高にカッコいいね。
いまだにストラトキャスターやレスポールが揺るぎないギターの王者の地位を確保している一方、ボタンひとつでどんなことでもできて、メンテもラクラク、そしてどんな音も出してしまうデジタル機材の登場でギター・アンプの世界はずいぶん様子が変わってしまった。
音の良し悪しについては、百歩譲って好みと用途で意見が分かれるところだと思うけど、機材のルックスのカッコよさが忘れられようとしているのではないか?大きな危惧があるんだよね。
今ではホンモノのMarshall三段積みを見たことがない若いミュージシャンがいるんだから。
でもね、デジタル・アンプに音のモノマネはできたとしても、そしてどんなに便利で手軽であろうとも、Marshallのようなルックスのカッコよさだけはマネできないでしょう。
え?外側だけ貸してくれって?ダメよ、ダメダメ!
どうしてこの黒と白と金で出来た箱がこれほどまでにカッコいいのか…。
コレは音楽を作り出した箱なのだ。
だからカッコいいのだ。
目覚めよ真のギタリストたち!
STUDIOレンジ好評発売中。
それにしても、Marshallをキチっと撮影するのは実にムズカシイ。

500

200_3

2019年2月 2日 (土)

レコードだ!CDだ!やっぱりモノだよ、モノ!


今日のタイトルにある「モノ」はステレオとかモノラルとかの「モノ」ではなくて、「物」ということね。
昨秋に導入したSpotifyが「便利」だの、「ラク」だの言ってきたけど、その感想に変わりはない。
でも、やっぱりダメだね。
最初はヨカッタんだけど、私のような古い人間には「音楽」を聴いているような感じが段々しなくなってきて、ナント言うか…ウ~ン、一種の「事務機器」に接しているみたいな感じ?
「アレを聴いてみようか?」とか、「コレはどうなんだろう?」と未知の音源に興味を持ってアクセスしていたのは初めのウチだけで、今現在、音楽的な活用法といえば何のことはない、昔から愛聴しているレコードやCDを引っ張り出すのが面倒だからSpotifyを使って聴いている…みたいな?
イヤ、「引っ張り出す」より「片づけなくていい」の方がありがたいかな。
未経験のアルバムを聴いた時にしても、チョット聴いて波長が合わないと「あ、ダメだコリャ…」ともう1分も経たないうちに打ち切っちゃう。
昔はサ、大枚2,500円も払って買ったレコードでコレは絶対にできなかったよね。
ウチのレコード棚には1回しか聴いたことのないアイテムが山ほどあるけど、1分聴いて止めた…なんてのはさすがに1枚もない。
中学生の頃は、不幸にして好みではなさそうなレコードにブチ当たった時でも好きになるまで意地で聴いたもんだったし。
とにかくタダ同然の音楽って頭に入って来てくれないんだよね。
何かインターネットで調べごとをする時に似ている。
ウェブサイトで何か調べるのはものすごく便利なんだけど、すぐ忘れちゃう。
反対に本を読んで、付箋を貼って得た知識の方がはるかに頭に残る。
ま、この年なので1回でナニかを覚えることが若い頃に比べで難しくなってしまったけど、本からの知識の方がどこか有機的で価値のあるように感じる…そりゃ本を買っているからね。
やっぱり音楽と同じだ。
でもコレも年寄りの古い感覚なんだろうね。
では、若い人はどうか…。
実際に尋ねてみた。
CD等の音楽商品を買ったり集めたりすることに魅力を感じない世代の子だ。
「ストリーミングやってるでしょ?」
「はい、音楽はストリーミングで聴いています」
「フフフン、オジさんも最近そうしているんだよ。でもさ、もし自分の聴きたいヤツがストリーミングで見つからなかったどうするの?お金を出してCDを買うの?」
「いいえ、CDは買いません。もしストリーミングで聴けなかったら、もう聴きません」
「え…」
このことである。
素人&年寄り考えで、タダ聴けちゃうそういうシステムにどうして手塩にかけた自分の大切な音楽をタダ同然で公開しちゃうのか不思議に思っていたけど、こういうことなのね。
そういう媒体に顔を出しておかないと、一生誰の耳にも止まらない可能性が高いんですよ。
とどのつまりはほぼ音楽でお金で取れない…ということじゃんね。
「オッサン、今頃ナニ言ってんだ?」と呆れられそうだけど、コレも実際にSpotifyを導入しなかったら最後まで理解できないことだったよ。
だって音楽ってそういうもんじゃないもん。
でもひとつ…Spotifyのカタを持つワケではないけど、こんな仕事をしていると「チョコっと聴いて調べたい音源」が必要な時なんかには途轍もなく便利だね。
コレには助かっています。
あ、更にもうひとつ。
数か月前に知り合った若いバンドさん。
ビデオの撮影でMarshallやEDENを使ってもらったんだけど、彼らビデオを作ってもCDを作らないのよ。
「それで大丈夫なの?ミュージシャンなのにCDなくていいの?」と訊くと、こういう答えが返ってきた。
「あ、いいんス。あの、いきなりCDを作っても1枚も売れないんッスよ。それよりビデオを作ってまずYouTubeにアップするんスよ。
それに引っ掛かってきて、ライブの動員が増えてくればCDを作るかも知れないス」
…だそうです。
世の中、そういうことになっています。
皮肉なもんでしてね、ロックが一般的になればなるほど、ロックで喰うのが難しくなる…という。
 
もうだいぶ前のことだけど、アメリカ人と話をしていて、「Physical Products」という言葉を初めて耳にした時はかなりショックだった。
寝ても覚めてもレコードだった青春時代を過ごした私には、その言葉が「悪魔の呪文」もしくは「この世の終わり」みたいに聞こえたもんだよ。
「やがてレコードやCDがこの世からなくなってしまうのか?」…けどマァ、なるようにしかならないね。
芸術よりも経済活動が優先だから…。
で、なるようにしてなったのが、レコードのリバイバルだっていうんだからこれまたフシギ極まりない。
さらに自分でもフシギに思っているのは、私がコレをあんまり快く思わないんだな。
だってそうでしょ?
1984年、CDが一般化し出した時、みんなどう言ったよ。
「最高の音質」って泣いて喜んで、座りションベンしたでしょうが…失敬。
「あ、そのアルバム持ってるよ。レコードじゃなくて、エヘン!CDで持ってるよ」なんてことを言ってたヤツがたくさんいたハズだ。
そんなヤツをうらやましく思うことなどなく、もちろん私は「レコードの貞操」を守っていたよ。
CDを凍らせるともっと音が良くなるなんて話もあった。
ところが、以前に何度か書いたように当時は転勤族でね、度重なる引っ越しの労苦に耐えかねて3,000枚以上のレコードを売ってCDに買い替えてしまったんだね。
音質に関してはどっちでもヨカッタ。
それから25年ぐらいは経ったか?
今度はレコード・ブームだってよ。ざけんなよ!…となるワケ。
もうね、Spotifyも経験したことだし…何でもいいわ。
とにかく死ぬまでに少しでも多くのいい音楽を聴きたいわ。
 
ハイ、結論!
とにかく、「音楽はモノで持っとけ」ということ。 
例の仏壇屋のキャチコピーこですよ。
「形は心をすすめ、心は形をもとめる」
ついでに言うと「性格は顔に出る。生活は身体に出る」…コレは関係ないか。とあるお寺の掲示板に書いてあった。
今日の話題はその「モノ」。
Marshall RECORDSのモノがしばらく前に届きましてね。
ようやくイジくる時間ができたので紹介させて頂く。

10まずは、BAD TOUCH。
現在Marshall RECORDSと契約しているアーティストはレコードとCDの両方をリリースしている。
収録曲数はレコードもCDも同じ。
あ、あの日本人が「ヴァイナル」っていう呼ぶのはイヤだな~。「レコード」って呼んで欲しいな~。
20コレがレコード・ジャケット。
いいね、デザインが!
コレをデザインしたのはこのバンドのギタリスト、Daniel 'Seeks' Seekings。ヤケに「求める」人だな~。

30裏はこんな感じ。

40そ~ら、「Marshall RECORDS」のロゴ。
70ダスト・ジャケットも付いてる。

60レコードのレーベルはこう。
ああ、いいニオイ。
輸入盤のニオイだよ。
こうして久しぶりに新しいレコードを手にしてみると…やっぱりレコードはいいな~。
考えて見ると、最後にレコードで新譜を買ったのはいつのことだろう?
Frank Zappaであることは間違いない。
そもそもレコードもCDもZappa以外は新品なんてまず買わなかったからね。

80こっちはCD。
デジパック仕様…悪いけど、小さくて頼りない感じがするナァ。
でも中身はいいよ~。
私がいつも言っている、古き良き伝統のハードロックを踏襲しつつ、今の世代のエキスが詰め込まれている感じ。
どうして日本の若いバンドってこういうのが出て来ないんだろう…それはロックのルーツが違うからなんだね。
イギリスの連中はブルース、もしくはブルース/ロック。
我々の国のロックのルーツはグループ・サウンズなんだよ。要するに歌謡曲だ。

90続いてはマーレコでは古株のコーンウェル出身、KING CREATUREの『VOLUME ONE』。
レコードはコレ。
ああ、コレもいいニオイ。
かつてウチの居間はディスクユニオンと同じニオイがするのが自慢だったんだよ。
だから便通がいいのなんのって!

100ク~「SIDE A」!タマらんね。
その下にMarshall RECORDSロゴ。

110コチラはCD。
コレもデジパック仕様。
KING CREATUREはシュレッド・ギターもふんだんに盛り込まれたマーレコの中では最もメタル寄りのバンド。
私あたりでも何の抵抗もなく聴ける。
先日のNAMMで演奏して来たようだ。

120コレはロンドンやベルファストをベースに活動を展開しているギター女子とドラム女子のデュオ・チーム、REWSの『PYRO』。
コレはCD。
REWSもNAMMで演奏して大きな反響を呼んだようだ。今度はニューヨークへお呼ばれだとか…。
いかにも「海外の女子ロック」という感じ。
不思議なんだよナァ。
イギリスは日本ほどガール・バンドが盛んではないんだけど、「英語で歌っている」とかいうことではなしに、女子でもチャンとこうして「イギリス風女子ロック・サウンド」になる。
やっぱり聴いている音楽が日本人と違うということなんだろうね。
そんな典型的な「海外の女子ロック」なんだけど、チョイとヒネった曲作りがとても魅力的だ。

140こっちがLP。
キャ~!カラー・レコード!
うれしいなったら、うれしいなッと!
1曲目のタイトルが「Let it Roll」っていうんだよ。
もちろん我々世代のアレとは違いますのであしからず。

130 REIGNING DAYSもマーレコでは古株だ。
ヘヴィだよ。
典型的な今の人のハード・ロックとでもいいましょうかね。
でも3曲目の「Chemical」という静かめの曲なんかおもしろいな。
短調の曲が多く日本の若いバンドなんかとはやっぱりゼンゼン雰囲気が違うね…Rockだ。

150今の西洋のロックと日本のロックの一番大きな音楽的な違いって、メロディのワザとらしさの違いだと思うんだよね。
こういうところにルーツの違いが出るね。
私なんかには、日本の若いバンドさんは無理してメロディを作り込んでいるように聞こえるんだよね。
そういうのは「歌謡曲」がやっていたことで、少なくとも「ロック」のやることではない。
でもね、奇妙なことにこの傾向が一番顕著に表れているのは、メロディのキャッチーさよりもパワーで押し切るはずのヘヴィメタル・バンドさんたちなんだよね。
あのサビ…一体誰があんな風にしちゃったの?
正直マーレコの中で一番印象が薄い感じだったんだけど、このバンド、一度見てみたいナァ。

1601989年に結成した北アイルランドのオルタネイティブ・ロックバンドのTherapy?のモノ。
アルバムは『CLEAVE』。
何となくHipgnosisを連想させるジャケット?
このアルバムがリリースされて初めて聴いた時、私にとってはちょっとパンキッシュで苦手な印象があったんだけど、聴き直してみると…いいね。

165「cleave」というのは「突き進む」とか「切り裂く」とかいう意味…まさにそんな感じ。
このバンドはドラムスがカッコいいな。

166最後のモノはコレ。
コレもまずジャケットがすこぶるよい。
Press to MECOの『Here's to the Fatigue』。
「fatigue」か…「出る単」に出てくるよね。「疲労」という意味。
このジャケットの絵はバンドのお友達かなんかが描いたらしいんだけど、Zappaの『Grand Wazoo』あたりのCal Schenkelの影響を受けているんじゃないかしら…なんて思ってしまう。
『Chunga's Revenge』の内ジャケにもイメージが似ている感じがする。

180若バンドなので「若い音」がするのは当然なんだけど、このチームはひと味違うな…と、大分前に初めて聴いた時に思った。
日本の若いバンドには絶対に出せないサウンド。
ハードだのヘヴィだの、とかいうことではなくて、メッチャ若い割には音楽が熟しているという感じがする。
そのカギはコーラスの多用と高度な演奏技術。
やっぱりそれなりの音楽を聴いていないとこうはならないワケで…Marshall RECORDSのプロデューサーに訊いてみたら大当たり。
3人ともFrank Zappaの大ファンなのだそうだ。
やっぱりね…「コーラスと高度な演奏技術」はZappaの影響を受けているに違いない。
それにCal Schenkelだって符合する。
でも音楽は『Freak Out』でもなければ『One Size Fits All』でも『Shiel Yerbouti』でも『Jazz from Hell』でもない。
Press to MECOの音楽なのだ。
コチラはCD。

190ガーンと見開くとThe Carpentersの『Now & Then』みたいになってるよ。
コレ、レコードでやればヨカッタのに!

200以上が現在のところのMarshall RECORDSのモノたち。
よろしくね!

今、音楽商材の和洋の売れ行きの比率はもう、9:1なんだって。
まぁ仕方ないよ、時代だから。
聞いた話によると、今の若い人にとっての「ロック」って「恋」の人なんだって?
松山千春じゃないよ!
まぁ仕方ないよ、時代に合わせて言葉の意味が変わることもある。
でも、このまんまの「ありがとロック」や「草食ロック」でいいのかね?
「仕方ない」じゃ済まされないんじゃないの~?
このまま放っておくと、日本のロックってこの後どうなって行くんだろう?
私が生きている間に顕著な変化が見られるかしら?チョット覗いてみたい気もするナ。
今日紹介したバンドは自分のところのバンドとあって正直ヒイキ目な聴き方をしちゃうんだけど、どのチームも、やっぱり「ロックのルーツ感」というものをシッカリ感じるんだよね。
ナント言ってもビートルズの国だからネェ。
そして、コレらのバンドには日本の「草食ロック」にはない、そしてロックには不可欠な強烈な「肉食」を感じるワケです。
そういえば、どなただったか忘れちゃったけど、Marshall Blogで以前から唱えていた、若い人のロックを指す「草食ロック」という言葉をごく自然に使っていた人がいらしてビックリしたよ。
私だけじゃなくて、やっぱり70年代あたりのロックを経験しているとそういう表現がごく自然に浮かぶんですな?
Marshall RECORDSのように我々も少しでいいから「肉食ロック」を取り戻して次の世代に「ロックはかくあるべき」を伝承したいものです。
え、「肉食ロックってどういうの?」かって?
Marshallをガツンとならす音楽のことよ。

10_2 

200

2019年1月 7日 (月)

明けましておめでとうございます

Marshall Blogの読者の皆様におかれましては幸多き新春をお迎えになられましたこととお慶び申し上げます。

Marshall、NATAL、EDEN、並びにMarshall Blogを本年も相変わらずご支援を賜り度くよろしくお願い申し上げます。

Marshall_logo_square

M_natal_square

M_eden_square

9marshallblognega_3 さて、昨年も何度書いたかわからないけど、やっぱり時の経つのが早すぎますな。
チョット前にMarshall Blogが1,000回目の更新を迎え、常日頃からご登場頂いているアーティストの皆様からの祝辞を交えて記念記事を掲載したばかりだと思っていたんだけどね~。
そうなんです。
今日のこの投稿が1,500本目の記事なのです。
早い~!
実はこの2019年最初の記事がちょうど1,500回目になるように、年末に記事の投稿頻度をチョット調節したんだけどね。
相も変わらず同じようなことを書いて、脱線しまくりのMarshall Blogですが、これからもお引き立てのほど何卒よろしくお願い申し上げます。
 
新年のご挨拶はおわり…。
今日はこの後、エッセイ風に文章だけでお送りします。
ロクなことが書いてありません。
時間の無駄になるので絶対に読まない方がいいでしょう。
 
ココで2018年を、自分の周辺のことでチョット振り返ってみたいと思うのです。
こんなこと旧年中にやるべきことなんだけど、年末はあの紙芝居動画の制作に夢中になってしまって書けなかったのです。
 
ナニからやろうかな?
まず触れるべきは…Spotifyでしょうな?
Marshall Blogで数え切れないほど何度もガミガミ書いて反対して来た音楽配信の類。
Spotifyってのを9月の末にとうとう始めてしまったよ。
「『ダウンロード』と『ストリーミング』は違うゼよ、オッサン」と言われるかも知れないけど、んなことはどうでもよい。
40年以上にわたってレコードやらCDやらに少ない財産と時間をつぎ込んで来たオッサンにとっては「目クソ」と「鼻クソ」ほどの違いもない。
Spotifyを導入したのは、Marshall RECORDSでの仕事でやがて必要になるであろうということがひとつ。
そして、もうひとつは田川ヒロアキ。
彼が出演する9月のチャリティ・イベントにお邪魔した時に「イヤ~、もう時代はストリーミングですよ!」と諭すように口にした彼の言葉が私の背中を強く押した。
日頃はこっちがダマしているので、タマにはヒロアキくんにダマされたと思ってSpotifyに加入してみた。
それでも最初は「チッ、ナンだいこんなの…結局は若者がハヤリの曲を追いかけるだけのツールじゃないの。モノによってはオレのコレクションの方がよっぽどマッシブじゃねーか」などとケチをつけてもみたが、Bluetoothのレシーバーという装置が存在することを知り、早速買って来てステレオに接続して試した瞬間にプカプカと「黒船」がやって来たよ。
ま、それでナニをやっているかというと、CD棚から聴きたいアルバムを探して引っ張り出すのが面倒なので、代わりにSpotifyで聴いている程度のことだったりもするんだけどね。
でもひとつ、私の生活に大きな変化をもたらしたことがあった。
それは「CDを買わなくなったこと」だ。
「CDが欲しくなくなった」と言い換えても差し支えない。
私はジャズのアルバムを中心に、長年にわたって月に20~40枚の中古CDを買う生活を続けて来た。
ところが、行きつけのお店が月1回のバーゲンを止めてしまい、去年の前半からCDをほとんど買わなくなっていたこともあったのだが、Spotifyが完全にそれにトドメを刺したのだ。
もう音楽のジャンルを問わず、楽しみとして聴くCDを欲することがなくなってしまった。
例えばこういうことだ…。
昨日の晩、テレビでラヴェルの「ピアノ協奏曲」を放送していた。
イヤ、コレがまたちょっとジャズがかっていてエラくカッコいい。
以前だったら翌日は中古レコード屋に足を運んでいるところ。
しかし今は違う。
マルタ・アルゲリッチの録音がSpotifyにあったので、それを聴きながらこの原稿を書いているとこと。
CDは要らない。ジャケットもなくても何の不自由もない。
元々そういうモノだもんね、コレは。
だって、Spotifyがあればいつでも聴けるじゃん。もうウォークマンもほとんど使わなくなったし。
私は事務所で仕事をしている間にしか自発的に音楽を聴かないので、ステレオからある程度の音質で聴ければもうコレで十分。
『ホワイト・アルバム』もSpotifyで聴いたよ。
レニーの『Candide』なんかはこの3か月で100回近くは聴いた。
それでもCDは欲しくならなかった。
その結果、2018年に買ったCDの数は、ダントツで「五代目古今亭志ん生」が一番だったわ。
志ん生の音源はSpotifyで検索しても出て来ないから。
私ですらこうだもん…そりゃCDなんか売れなくなるにキマってるわ。
それとね、Spotifyのおかげで「音の調べごと」がすごくラクになった。
Marshall Blogの記事を書いていると、色々と音源を確認しなければならないケースが多いのね。
そういう時に圧倒的に便利なの。
欲を言えば、アルバムの情報が付随していないので、こうなりゃWikipediaにリンクしちゃえばどうかね?どうせタダ同然同士なんだから。
『隠し砦の三悪人』の田所兵衛(たどころひょうえ)ではないが、「裏切りゴメン!」と攘夷はもう諦めるが、それでもミュージシャンの本来の仕事は「音楽を作って、CD(あるいは音の出る何がしかの物体)を発売する」ことだと信ずる佐幕派ではいるつもり。
しかし、我々だって生まれた時からこういうのがあったら「音楽ってタダで聴けるもの」って思うにキマってるわな。
クワバラ、クワバラ。
 
次…「レコード大賞」。
今回は「怖いもの見たさ」でトライしようとしたんだけど、撮影の仕事と重なって結局観ることができなかった。 
大賞が「シンクロニシティ」…おお~Policeか!ま、私は頭脳警察はバッチリだけど、Policeは全く知りませんが。
え?違う?
もうチョット受賞結果を見てみましょう。
最優秀新人賞は「辰巳ゆうと」。どちらさま?…演歌の方だそうです。
優秀作品賞として、「アンビバレント」、「いごっそ魂」、「Wake Me Up」、「サザンカ」、「勝負の花道」、「Teacher Teacher」、「Be Myself」、「Bedtime Story」、「U.S.A.」…。
やっぱり予想通りだったね~!
ウソコケ!
「U.S.A.」を除いてはどの曲も1小節もわからんわ。
「Bedtime Story」なんてHerbie Hancockかと思うわ。
元より私は世の中の流行からかなり距離を置いた人生を送って来ているので、ほとんどコレについて言う資格はないんだけれど、かつてはこんな私でもレコード大賞受賞曲ぐらいは口ずさめるのが普通だったわ。
今、あまりにも普遍性の高い曲、つまり「流行歌」がなさすぎるでしょう?
私が言う「流行歌」というのは、「幼稚園生からオッサンオバサンまでが歌える曲」のことね。
私が子供の頃はそういう曲がいくらでもあった。
だいたい「♪森(とんかつ)、泉(にんにく)、囲(んにゃく)まれ(天丼)」なんて、二次使用作品まで流行したからね。
それじゃいつから世の中の歌がわからなくなったのか?
ウィキペディアで大賞受賞曲をさかのぼってみる。
私が生まれる前、1959年の第1回目の水原弘の「黒い花びら」から始まって、「こんにちは赤ちゃん」から「天使の誘惑」から「また逢う日まで」。
「勝手にしやがれ」から「北の宿から」を経て「ルビーの指環」、「長良川艶歌」、「パラダイス銀河」、「おどるポンポコリン」、「愛は勝つ」、「キミがいるだけで」…今1992年ね。
完璧に歌えないまでも、ココまでは全曲わかった。
次の「無言坂」ってのは知らないな…演歌か?
そして、1994年からアルファベットのタイトルの曲が出始める。
「innocent world」…この辺りから全くわからない。
「Overnight Sensation」…お!「Camarillo Brillo」に「Montana」か?まさかね…。
「Don't Wanna Cry」、「CAN YOU CELBRATE?」、「wanna Be A Dreammaker」、「Winter ,again」、「TSYNAMI(コレは知ってる)」、「Dearest」、「Voyage」、「No way to say」…ココまでで2003年。
ココはどこだ?!公用語は英語か?
イヤチガウ!
先進国で英語力最貧国のウチのひとつがやっていることとは到底思えない。
まぁいい。
ハイ、じゃそこのオジサン、「wanna Be A Dreammaker」歌ってみようか~?
真理ちゃん自転車がなつかしい。
  
次、そのウィキペディア。
Marshall Blogを書く時に多くの場面でお世話になっているのがウィキペディア。
でも日本の事柄を調べる時以外は、まず日本語のウィキペディアをチェックしない。
つまり、海外のことを調べる時にはすべて英語版に当たっている。
だって情報の量が雲泥の差なんだもん。
アレどうして全部翻訳しないんだろう?
まぁ、「作り」の情報も多いといわれているWikipediaだけど、音楽に関することなんかは、ロマンがあっていいんじゃないの?…と私は思っている。
そしてもうひとつ、いつも思っていることがある。
それはね、中国語版のウィキペディアなの。
少しマイナーな海外の事柄や人物に関する記事には日本語版がないことが多いでしょ。
だから結果的に英語版を読まざるを得ないんだけど、そんな記事でもたいてい用意されているのが中国語版なんですよ。
どんなマイナーな記事でもかなり高い確率で「中文」っていう表記が出てる。
端的な見方ではあるけど、「一事が万事」…つまり、中国語を話す人たちに供給されている情報の量は何事も日本人へのそれより圧倒的に多いのではないか?ということ。
こういう所にも国の力の勢いの差を感じて怖くなっちゃうんだよね。
 
次、ガールパワー。
ウチの社長が「日本はゴーバンズが盛んだろ?」って言うので一体何のことかと思ったら「Girl Bands」のことだった。
Marshallの連中も日本のガール・バンドの隆盛には驚きを隠せないようでしてね。
他の国の連中に訊いてみると、コレはどうも日本特有の現象のようだ。
そしたら今、エレキ・ギターを中心としたロック楽器のお客さんというのは9割が女の子だっていうじゃんね。
amazon等の通販の普及により、コワくて行かれなかった楽器屋さんに行かずしてギターをゲットできるようになったことが大きな理由のひとつらしい。
顧客の年齢層が圧倒的に高校生で、学校の軽音楽部のおかげらしい。
Marshallも楽器メーカー…ビジネス的にはとても喜ばしいことなんだけど、「エレキ禁止令」が出た時代を知っている、70年代のロックで育った私なんかにはとても複雑な心境だ。
彼女たちは高校を卒業して、つまり、軽音楽部から離れるともうギターなんかほったらかしになっちゃうらしい。
そんなの当たり前じゃん。
ナゼかというと、「音楽」が先に来ていないからなんだよ。
若いバンドが簡単に解散しちゃうのも同じ。
昔は音楽が好きで、ロックがカッコよくて、どうしようもなくてギターを手にしたもんですよ。
「音楽」はファッションじゃない。
ギターは洋服ではなくて、人を感動させる美しい音楽だったり、時には人に涙を流させる音楽を奏でて楽しむための「道具」だから。
とにかくジャンルを問わず若い人たちに色々な音楽を聴かせてあげるべきだと思うんだけどな~。
Spotifyのようなツールが出て来た割には、聴かれている音楽の幅が昔と比べて極端に狭くなっているように見えるのがとても不思議だ。
 
次、それにちなんでQueen。
どういう風の吹き回しか、「ボヘラ」ブームがスゴイね。
若い人たちも盛んに映画を観に行っているようで、このブームを機に「ロックの先祖返り」を期待している音楽関係者もいるようだけど、残念ながら無理でしょう。
若い人が「感動しました。それにQueenの音楽があんなに素晴らしいものだって知りませんでした」なんて感想を漏らしているテレビのワイドショウのインタビューを見かけるけど、それで終わりでしょう。
あの後に「あの時代の音楽…70年代って言うんですか?その時代のロックをもっともっと聴いてみたいと思います」という発言を期待したいところだけど、そんな若い子は私がテレビを見た限りではひとりもいなかった。
そりゃそうですよ。時代が違うんだもん。
Deep PurpleやLed Zeppelinに夢中になっていた若者とポケモンだのニコニコだのスマホに夢中になっている若者は食べ物も違えば言葉も違う。
もっと言うと気候も違う…コレ、外国人と同じだから。
相容れ合うワケがない。
「イヤ、今の若い人は知らないだけでPuepleやZeppelinを聴かせてあげると必ず『カッコいい!』って言うんだよ」という話を時折耳にするけど、その場ではそう言うし、実際にカッコいいとも思うんだろうけど、家に帰れば全く忘れちゃう。
自分の時代に流布している音楽がいいにキマってる。
私だってプレスリーよりDeep Purpleの方がヨカッタもん。
で、そうしたトラディショナルなロックの将来を考えた時に、ひとつ思い当たった。
若い人たちが60年代や70年代のロックに興味を示さず、この先聴き手(演り手ではない)が全くいなくなってしまったら、その時代のロックはかつての「琵琶語り」や「ドドンパ」のように絶滅するのではないかと考えていたが、そうはならないね。
クラシックやジャズのように、トラディショナルなロックは「古典芸能」として子々孫々細々と生き永らえていくのではないだろうか…ということだ。
そして、そういう歴的な遺産から良質なエキスをうまいこと抽出して時代時代の感性とミックスして、自分たちだけの音楽を作る若いバンドがだけが最後は生き残っていくのではなかろうか…イヤ、それを期待している。
今はまだその前の段階であり、次のジャンプに備えてしゃがんでいるところだと思いたい。
あまりしゃがみ続けて、足がシビれてジャンプできないような気もするが…。

ハイ、ひとりごとは以上で終わり。
あ~、書いた書いた。気が済んだ。
ココまでご高覧頂きまして誠にありがとうございます。
1,501回目からは、以前の通り写真と脱線を交えた内容でお送りします。
まだ詳細は発表できませんが、今年は秋に2回目のMarshall GALAを予定しています。
ゼヒご期待ください。
 
それでは今年もよろしくお願い申し上げます。
 

200 
(一部敬称略)

2018年12月28日 (金)

Marshallの2018年

 
世の中は今日が仕事納めなのかな?
私はまだ明日と明後日、六本木でかなり気合いを入れて臨むお仕事が入っておりましてな、気力満々、張り切っているのでござる。
ところで2018年もアッという間だったけど色んなことがありましたな~。 
さて、Marshall…創業から56年目の年が終わろうしている…って、私も同じ歴史があるんだった。
今年のMarshallはまず「MARSHALL.COM」の元年となって、ウェブサイトのドメイン名も変わり、今までバラバラだったNATALやEDENが「MARSHALL.COM」の名の元に統一された。
豊臣秀吉の心境が今わかったような気がする。 
そして、NAMMで発表したORIGINシリーズがリリースされて、夏ごろになって上陸して来た日本でもおかげさまで大好評だった。
それにビールがありましたな。まだ正式には日本に入って来ていないんだけど…早く飲ませろ!
ORIGINの他にもDSLやMGのリニューアルがあり、Marshallが「LIFESTYLE」と呼んでいるBluetoothスピーカー等もますます好調だった。
そして、本国イギリスではいよいよNATALの認知度も高まり、EDENもTerra Novaシリーズが順調でとても賑やかさが増している。
そんな56年目を振り返ってMarshallがこの1年を振り返り、『Best of 2018』と題したクロニクル・ビデオを制作したのでゼヒご覧くだされ。

今ご覧になって頂いたBGMはMarshall RECORDSアーティストのPress to MECO。
いつかMarshall Blogでも紹介した若いトリオね。LPとCDが届いたので聴いてみたんだけどすごくいい。
さすが若いのに「Frank Zappaが好き!」というだけのことがあるサウンドだ。
今、日本で好きなミュージシャンを訊かれ、Frank Zappaの名前を口にする若いミュージシャンって果たしているのだろうか?やっぱり「ロックの国」の「Rock」だ。
このジャケットもすごくいいよね。

90r4a0691なんでもバンドの友人が制作したとのこと。
イカしたコラージュ具合は、何となくFrank Zappaのジャケット・デザインを担当していたCal Schenkelの作風を思わせる。

90r4a0694そして左上のMarshall RECORDSのロゴ。
そうだ!
Press to MECOだけでなく、REWSやBad Touch、King Creatureらが活動し出してMarshall RECORDSが本格的に軌道に乗り出したのも2018年のMarshallの大きな成果だわ。
いつか日本のバンドもMarshall RECORDSから作品を発表することを期待している。
でも人と同じことをやっていたらいつまで経ってもムリだよ。
連中はそういうところはすごくキビしいから。

90r4a0697そしてMarshallはこんな言葉で2018年を締めくくっている。
 
We've had a busy year in 2018, but we're only just getting started... Stay tuned for more Marshall in 2019.
 
来月のNAMMでは新商品を発表するであろうし、6月1日にはMarshallの地元のMarshall ARENAで『Marshall LIVE』が開催されるし、日本でも来年はMarshall GALAを開催することが決まった。
また2019年もMarshallの2019年は色々とにぎやかになりそうだ。
とにかく早くビール送ってこい!

92com_logo

 

2018年7月13日 (金)

私のフランクフルト <vol.2:2007年>

 
2007年。
2003年から毎年通ったFrankfurt Musik Messeもコレで5回目。
その間、パッと見では会場全体に何の変化もなし。
それにしても向こうの人たちの気温に対する感覚ってどうなってるんだろう?見て!…大抵の人はジャケットを着ているけど、半袖のアンちゃんもいるでしょう?
開催は例年通り3月の末だったが、ブルブル震えるような寒さではないものの、さすがに半袖はないと思いますよ。
シベリアあたりから来た人たちなのかな?あ、言っておくけど、「シベリア」は英語では「サイベリア」ですからね。
南の国から来た私は、多分厚手のジャケットを着こんでいたハズ。
ホント向こうの人って面白いよね、人それぞれで。
だからこのMesseでもNAMMでも、あるいはニューヨークでもロンドンでも、行き交う人たちを眺めていても飽きることがない。

10_2前回も触れたが、Frankfurt Musik Messeは、当時世界最大の楽器の展示会だった。
「ロックやジャズ等の軽音楽用楽器の展示会」ということになれば俄然NAMMが強い。
しかし、全体の規模では圧倒的にMesseなのだ。
そのココロは…まず、クラシック用の楽器が展示がスゴイ。
ピアノからヴァイオリンなどの弦楽器、管楽器、クラシック・ギター等々の品揃えがハンパない…じゃない、中途半端ではない。

20_2それにアコーディオンやリコーダー等のヨーロッパでの需要が大きな楽器。
リコーダーなんて日本では小学校の時に「フエ」として接するだけじゃん?
こっちはありとあらゆる大きさのリコーダーがウジャウジャ展示されていて、「まる子ちゃん」じゃあるまいし、そこら中でピーヒャラピーヒャラやってる。
それよりスゴイのがアコーディオン。
コレはいつかも書いたけど、アコーディオンはドイツの国民楽器なのね。
最近は見なくなったけど、飲み屋にいくと大抵壁に貼ってあった、ハイジみたいな恰好をした女の子が大きなジョッキをいくつも手にして微笑んでるポスターね。
ああいうシチュエーションでは必ず、アコーディオンに合わせてみんなで大合唱をするらしい。
そういえば、アコーディオンを使っているかどうかまでは覚えていないが、『シンドラーのリスト』にもそんなシーンがあった。
ドイツ人は合唱が好きなのかもしれない。
同じビール好きでもイギリス人にはこういうイメージが全くないもんね。
下の写真、コレ、つき当りまで全部アコーディオンのブースだよ。
コレだけじゃなくて、こういうのが何列も並んでる。
でもね、どんなに沢山集まっていてもアコーディオンやリコーダーの音ならおとなしくていいよ。
この建物の1階はいつも阿鼻叫喚の騒音地獄だからね。
ナニかというと、ドラムスを中心とした打楽器の展示スペースだ。

30vそれと、NAMMにないMesseの大きな特徴は楽譜の展示だ。
ヨーロッパとアメリカ中からありとあらゆる楽譜屋がやって来る。
もちろんクラシック中心。
楽譜なんてどれも一緒だと思うけど、その品揃えたるや尋常ではない。
ある時、Universal Editionという楽譜屋のブースに入ってみた。
ウィーンの会社なので「ウニヴェルザール・エディティョーン」みたいに読むようだ。
私はコンテンポラリーなクラシック音楽、いわゆる「現代音楽」がすごく好きで、そうした分野の作曲家たちの写真集がないか?とダメ元で訪ねてみたのだ。
こっちはMarshallのTシャツに汚いジーンズ…おおよそクラシックからは程遠く見えるオッサンにも大変ていねいな応対をしてくれた。
「写真集のようなものはありませんネェ…」という答えだったのだが、少し考えて…「ああ!チョット待って!」と控室に姿を消し、下の写真の冊子を手にして戻って来た。
「こんなモノでよろしければ…」とその冊子を渡してくれた。

40_2中を見ると、出てる出てる、バルトーク、ヤナーチェク、コダーイ、レスピーギ、ベリオ、リゲティ、ブーレーズ…。
写真集ではないし、中身はドイツ語でサッパリ読めないけど、どうにも欲しくなった。
「いくらですか?!」とその対応してくれた方に尋ねると、「ハハハ、お金なんて要りませんよ。どうぞご遠慮なくお持ち帰りください」
私も知っている限りの丁寧な英語でお礼を述べて謹んで頂いて日本に持って帰って来た。

50_2このUniversal Editionというのは1901年創業の老舗楽譜屋で、マーラー、シェーンベルク、ヴェ―ベルン、ワイル等々の版権を持っていた。
バルトーク、ヤナーチェク、ベリオ、リゲティも同様で、要するにこの冊子は、この会社が持っている版権に関するただのカタログなのね。
でも、私の宝物のひとつなのだ。
 
この会社のウェブサイトで見つけたカッコいい言葉をふたつ紹介しておきましょう。
まずはグスタフ・マーラー…「もし作曲家が何かを言葉で言い表わさなければならないとしたら、その作曲家が音楽で悩むことなどないでしょう
ん~、言ってみたい。
こちとら口先三寸で勝負だからね。
もうひとつはピエール・ブーレーズ…「始まりも終わりもなく、発見へと導く新しい道にあふれ、永遠に謎の解けない迷宮こそが音楽である
ロックも1975年ぐらいまではこのブーレーズの言葉がピタリと当てはまっていたように思いますな。その後、商売が絡んでロックの迷宮がスッ飛んじゃった。

60_2この年のMarshallのブースは大幅に様変わりをした。
まず、入り口でジムがお客さんを出迎えた。

70_2そして、アーティストを前面に押し出すようにした。

90_2ディスプレイの様式も以前のような平面的なセットではなく、立体的なデザインに変更。
そして、それぞれの商品の島ごとにイメージ・キャラクターの写真が取り付けられた。

110v_2イングヴェイはヴィンテージ・シリーズだったな。

120v_2ケリー・キングのディスプレイも立派だった。

130v_2以前のMarshallのブースのサイン会といえば、ほとんどジム・マーシャル一辺倒だったが、この頃からミュージシャンがカウンターの中に入るようになった。
ケリー・キングのサイン会はいつも長蛇の列だった。
このお客さんを整列させるのがサイン会の時の私の任務。

140実は、ジムがこの前年に心臓疾患で倒れてしまい、Messeに参加することができなかったのだ。
それでミュージシャンたちのサイン会を組み入れたというワケ。
ジムが来れないということもあってブースの入り口にジムの大きなポートレイトが取り付けられたのだ。

150v「早くよくなってね!」

160_2カウンターにはジムへ送るメッセージを記すノートが用意され、たくさんの人がMarshallの創始者への思いを綴った。
私はこのノートで「Get well soon」という表現を覚えた。

2_rimg0219この人なんか、自分が「get well soon」なのに…。

2_rimg0217 珍しくこんな写真。
これが初ケリーだったかな?
この時より以前、日本のテレビ番組にケリーが出演しているのを偶然見た。
番組のインタビューで「立派なタトゥーですね。身体の中でどのタトゥーが一番気に入っていらっしゃるんですか?」と訊かれると、ケリーは「ムゥゥゥ…そうだな…何だな…頭の後の女神だろうな…ムゥゥゥ、でもオレは一度も見たことがねーんだけどな…ムゥゥゥ」と答えていた。
コレが私にはすごくおもしろくて、こんなルックスだけど、案外ケリーってお茶目な人なんだなと思った。
そこで、控室でケリーと2人きりになった時に本人にこの話をしてみた。
「かくかくしかじか…あの話はとても面白かったですよ!」とケリーに伝えると、「ムゥゥゥ…そうか」…以上何も語らず。
お茶目かもしれないが、コワいルックスも手伝ってチョット取っつきにくいかな?
ケリーを良く知る人にこのことを話したところ知ったのは、ケリーってすごくシャイなんだって。
そうは見えないけどな~。
(※「ムゥゥゥ」はあくまでイメージです)

170_2デモ・ルームも一新。

180_2ココでニコ・マクブレインと2人でドラム・キットを組み立てたのは楽しい思い出だ。
こんなんだってヘタすりゃ下北沢の小ぶりなライブハウスぐらいのキャパはあるからね。

190_2ハイ、2007年のMesseも終了。
これから地獄の撤収作業~!
この人たちはイギリスから来てる大工さん。実際、Marshallの連中も「carpenter」って呼んでた。
大工さんったってみんなカッコいいんだよ、英語もベラベラだし。
さすがに毎年顔を合わせていると、大工さんたちともスッカリ仲良くなっちゃってね。みんなどうしてるのかな~。イギリスで大工さんやってるんだろうナァ。

200コレ、今やっているのはツライ撤収作業を始める前のルーティンなの。
日本とは反対で、作業の前にカンパイしちゃうの。
ま、「乾杯」というよりは「景気づけ」だろうね。
いつもはウィスキーを一杯グイっとやるんだけど、この年はケリーが愛飲しているというスウェーデンかどこかのやたらとアルコール度の高い強い酒だった。
妖しい緑色をしたビンの中身はどう考えても毒薬が入っているようにしか見えなかったが、飲んでみると、グェッ!…マズイ。
みんなも「何じゃ、こりゃ?」と顔をしかめつつ紙コップを傾ていた。

210前回紹介した地元の通訳のステファニー。
あれ以降、Marshallの指名により毎年Marshallのブースに就くことになったのだ。
いつもは撤収の時には帰っていなくなってしまうのだが、この年は名残惜しかったのかココまで付き合ってくれた。
この人はいつ会っても本当に快活で、感じがよくて、素敵な人だった。
チョコっとしたドイツ語をずいぶん教わったけど全部忘れちゃった。

220作業終了。
残っているMarshallは予めドイツ・マーケット用にイギリスから持って来たモノだから片付ける必要なし。コレが多いとゴキゲンなのさ!
壁に掛かっているMarshallはヘタに取り扱うと危険なのですべて大工さんが担当する。

230_2この年は帰りの飛行機の時間まで余裕があったのかな?
意を決して昼間に市中を見て歩くことにした。

370_2まずはフランクフルト中央駅。
「中央」といっても街の真ん中にあるワケではないそうだ。
ドイツ語で「Frankfurt Hauprbhanhof」ということは前回書いたが、「Haupt-」というのは「主要な」という意味。
ドイツのは115もの中央駅があるんだって!どれだけ中央なのよ~?

380駅前のサッカーのオブジェ。というか宣伝塔か?
今回のワールドカップのドイツは散々だったね。

385ヨーロッパのターミナル駅ってステキなんだよね~…と言ってもロンドンしか知らないけど。
ドイツ国内で最も乗降客数の多い駅であるだけでなく、ヨーロッパ最大級のターミナル駅なんだって。
1日の乗降客数は35万人。
それがどれぐらいかと思って調べてみると…お!新宿が36万人だって。次いで池袋で27万人。関西で言うと梅田が24万人。
エエ~!新宿や梅田より全然ユッタリしてるぞ~!一体なんなんだよこの違いは!
ちなみに下の写真は朝撮ったもので、ラッシュアワーの直前ぐらいかな?
ココもやっぱり改札がない。

390_2構内には軽食屋の他、色んなお店が並んでいる。
やっぱこうして見るとかなり大きいね。

400_2何回かお世話になった構内のマクドナルド。
この頃はまだ食べてた。
こんな箱に入って出て来る。
今は全くこういうモノを食べなくなった。もう何年食べてないかな~?
止めて最初の頃は時々食べたくなったけど、今はゼンゼンへっちゃら。

410_2ドイツのカップヌードル。
「カップ・ヌードルン」…でもコレはおかしい。ドイツ語で「cup」は「Tasse」のハズ。
麺類だけに英語とドイツ語のチャンポンになってる?
ドイツ人の友達が言っていたけど、ドイツ人でも若い人たちは英語の表記に憧れるんだって。同じアルファベットなのにね~。
そんなことやめなさい。自分の国の言葉を大切にしなさい。

420_2みんなと一緒に夕飯に行ったりするのが面倒な時は自室でディナー。
中央駅の地下にある店で惣菜を買って来る。
ハンバーグ、シュニッツェル、ウィンナー。これをビールで流し込めばディナー完了。
ところがコレがスゴイのだ!
何がスゴイって殺人的にしょっぱいのだ!
イヤイヤ、冗談じゃなくて、舌がシビれてくるぐらいしょっぱい。
私は辛いモノは大スキだけど、しょっぱいのはダメ。ウィンナーはまだいいんだけど、他の2つはとてもじゃないけど半分も食べられなかった。

430_2話を戻して…中央駅を背に駅前のメインストリート、「カイザー通り」を進む。
ドイツ語で「通り」は「Strasse」という。
そう、こんな時に口ずさむのはThe Sensational Alex Harvey Bandの「Action Strasse」ね。
そして「カイザー(Kaiser)」は「皇帝」という意味。「カイザー=カエサル」…ジュリアス・シーザーから来た言葉。

440後を振り返るとこんな感じ。右の奥の方にメッセ・タワーが見える。
やっぱ遠いな。

450ドイツ最大の駅でもこうしたホームレスの姿を見かける。
前回書いたようにジョンの「フランクフルトは危険な街だ」という言葉を思い出す。
駅前で下半身丸出しで歩いているオッサンを見たこともある。そのオッサンの目がコワかった。もう焦点がゼンゼン定まっていなかった。

445駅前で堂々と営業している巨大なポルノ・ショップ。
向こうの人はゼンゼン平気だから。女性もドンドン入って行っちゃう。
その代わりコンビニで自由にエロ本を見たりするなんてことはできない。
いつかドイツ人の友達が私にこう訊いたことがあった。
コレは以前に書いたかな?
「シゲ、日本には満員電車の中で女性の身体を触ったりするヤツがいるんだって?」
「ああ、molesterのこと?」
「痴漢」は英語で一応「molester」という。
「ナンダ、それ?molesterってナニ?」
彼は、会議の時にまた戦争でもおっ始まるのではないか?と思うぐらいの激しい舌戦をアメリカのディストリビューターと繰り広げるほどの英語の使い手なのよ。
「ナニ、ドイツにはmolesterがいないの?」と訊くと、彼はキッパリ「そんなヤツは1人もいない」と答えたよ。
「そういうヤツ」がいないので「molester」という単語を知らなかったのだ。
そして彼はこう付け加えた「日本の男性はそっちの方の欲求のハケ口がないって聞いたよ。だからそんなことをするヤツが出て来るんじゃないの?ドバ―っと開けっ広げにした方がいいんだよ」って。

460なるほど、このポルノ・ショップの大きさと主張は彼が指摘することのひとつの表れかも知らんな。
480店名の「Dr. Muller」ね。
「Muller」というのは超典型的なドイツの名字だとか?アメリカでもドイツ系移民の名前の代表は「Mullerさん」らしい。
私の母方の叔母が嫁いだ先のアメリカ人の家が「Muller」さんなのよ!
フランクフルトでこのことを口に出したことはない。

470お、変なポスター。
ドイツ語で「地下鉄」は「Andergraund」じゃないですからね~。

490vドイツ語で「地下鉄」のことは「U-Bahn(ウーバーン)」という。
「Bahn」は「鉄道」ということ。
「U」は何か?
「Untergrund」…つまり「地下」のこと。
なるほど。
だから同じく潜水艦のことをU-Boot(ウーボート)」というのか…と思うのはチト早い。
潜水艦の方の「U」は「海の下」を意味する「Untersee」の「U」。
元は「氷の下を進む船」ということらしい。
私は潜水艦が浮上したり潜航したりする動きが横から見ると「U」の字に似ているからかと思ってた。
アメリカ人だったら絶対コレが「U-Boat」の語源にしてるよ。

Ugjpちなみに、この本面白いよ。
また吉村昭。
戦争中に日本海軍が潜水艦でドイツまでレーダーを取りに行く話。

Ss さらに進んで中央駅の方を振り返る。
やっぱいいよね、ヨーロッパの街並みって…他にロンドンしか知らないけど。

500_2フランクフルトはヨーロッパ経済の中心地で「欧州中央銀行」の本店があるところ。

510_2しかし、EUもどうなっていくんだろうネェ。
米中間の貿易戦争が始まったけど、ホンモノの戦争が起こりやしないかと気が気じゃない。洋の東西を問わず、政治家や大企業家の頭の中では「経済」と「戦争」は「金」という等号で直結してるからね。

520_2カイザー通りを歩くのは初めてではないけれど、こんなところまで足を延ばしたのは初めて。

530_2こんなんなってるのか。

540_2イヤでも目に入って来るバカでかい建物は「聖バルトロメウス大聖堂」。
英語読みをすると「バーソロミュー」。

560v歴史は7世紀にまでさかのぼるらしい。
神聖ローマ帝国皇帝の戴冠式はココで行われたのだそうだ。
しかし、現在の建物は1950年代に再建されたものなので、ウチよりもよっぽど新しい。

570v「レーマー広場」と呼ばれる旧市街地。

580聖バルトロメウス大聖堂からすぐのところ。

590vこういうギザギザになっている屋根を「切妻屋根」という。
ユダヤ人の音楽は「クレツマー」だ。
この写真の真ん中の他よりチョット背の高い建物が旧市庁舎で「レーマー」といったことからここがレーマー広場と呼ばれるのだそうだ。

600広場に足を踏み入れると「おお~!」となるんだけど、それだけ。
どっかで見た景色だな…と思ったら長野の白馬の土産物屋。
なんだかペナントとか木刀とか熊の彫り物でも売ってそうじゃない?

610特に見るところもなさそうで、これなら名古屋の有松とか千葉の佐原の方がゼンゼン見ごたえがあるな…というのが正直なところ。
ゴメンな、レーマー。

620市内をユッタリと流れるマイン川。

630時折こんな建物に出くわすのは面白いけど、概して見るところがない。
「ゴエテとはオレのことかとゲーテ言い」でおなじみのヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの生家なんてのもある。「♪でもねボクにゃ詞なんてわからない」(←コレ知ってる人、チャンと日本のロックを聴いてる人)

640vコレが町の教会かな?
アラ、向こうに大聖堂のアタマが見えてるね。

550他にも「ゲットー博物館」というのがあって、入ってみたけど、コレはマァ見応えがあったな。
興味のある事物に関する博物館の類は、なるべく観ておくようにしている。

650コレだけ何でも手に入る東京にいて、どうしても自由に手入れることが不可能なのは、海外の芸術とエンターテインメントだと考えるているから。
やっぱり日本語で聴くグリザベラやエポニーヌの歌はどうかと思うから。

660<つづく>
 

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200

(一部敬称略 2007年 Frankfurt Musik Messeにて撮影)