コレは「Supa-Wah(スパワウ)」という商品名のワウワウ・ペダル(Marshall Museum Japan所蔵)。 ジムが温泉好きだったという話は聞いたことがないが、「Supa」という名称。 「Super」ということなんでしょう。
鋼鉄感に富んでいてとても頑強なイメージ。底面には宣伝料をもらったのかどうかは知らないが、適合する電池のメーカーと型番が記してある。 そして、「MADE IN ENGLAND」の表示。コチラは「Supa Fuzz」ってぐらいだからファズなんだろうナァ(Marshall Museum Japan所蔵)。ご覧の通りイギリスの某エフェクター・ブランドと同じデザインになっているが、この製品に関しては協業していたらしい。こんなファズもあった(Marshall Museum Japan所蔵)。 CMIというのは「Cleartone Music Instruments」の略で、話が長くなるので簡単に言うと、Parkアンプの販売をしていた会社。 詳しいことをお知りになりたい方は下に出て来る『アンプ大名鑑[Marshallh編](スペースシャワーブックス刊)』のP397をどうぞ。
その後、恐らくはアンプの生産に忙しくてエフェクターを開発しているヒマがなかったのだろう、1988年になってやっとこの「The Guv'nor」の商品ラインが登場する。 下はオリジナルのイギリス製The Guv'nor(Marshall Museum Japan所蔵)。
去る5月6日、予てよりレポートしていたMarshallの60周年を記念するイベントのひとつ『Marshall HOOTIE』が大盛況のうちに終了した。 今年で10年目を迎えたMarshallの生まれ故郷である「Hanwell(ハンウェル)」のフェスティバル、『HANWELL HOOTIE』の中での開催だった。イギリスで大人気のFrank Carter and the Rattlesnakesをヘッドライナーに迎えたラインナップ。 「hootie」というのは「パーティ」みたいな意味だそうだ。
開演前のステージのようす。 ステージのそでにはMarshallのロゴや60周年のロゴがあしらわれて「60th Anniversary」雰囲気を盛り上げる。 会場はハンウェルの「Viaduct Meadow(ヴィアダクト・メドウ)」というところ。 「viaduct」というのは「陸橋」のこと。 下の写真の左の真ん中あたりに見える国鉄の陸橋がそれ。 一方、「meadow」というのは「牧草地」という意味。 キレイなところだわな~。 イギリスにはロンドンから数十分行ったロケーションにこんなところがいくらでもあるんだよね。 ビートルズの『With the Beatles』の中にポールが歌う「Till There was You」という曲がある。 あの歌詞の中の「sweet fragrant meadows(甘くてよい香りの草地)」の「meadow」がコレ。 ヤケクソにいい曲だよね~。 ちなみにあの曲はビートルズのオリジナル曲ではありませんからね…残念! CRASHFACE(クラッシュフェイス)
「破壊した顔」? おお!柳亭痴楽かと思ったゼ! さて、CRASHFACEのステージ…天気が良くてヨカッタね~! CRASHSHFACEは2020年に活動をスタートさせたチャーリー・ヒントンとオットー・バルフォアのデュオ・チーム。パンク、ハードコア、そしてロック/メタルをミックスしたサウンドをクリエイトしている。 音源を聴いてみると、芯の部分にどうしようもないぐらいダークな部分を感じる。 しかし、かなりバラエティに富んだ曲調がオモシロイ。 影響を受けたのはNINE INCH NAILSとBRING ME THE HORIZON。 デヴィッド・ボウイとDEFTONES、とりわけMY CHEMICAL ROMANCEからの影響が大きく、「彼らはオレが最初で最後に夢中になったアーティストだ」とチャーリーは語っている。 パフォーマンスはもちろん大ウケ!
中心人物のジムとハンのツイン・ボーカルが特徴。 ジムのパンキッシュな歌声とハンののびやかな歌声のコントラストが素晴らしい。 「I Just Wanna Know What Happens When I'm Dead」なんて曲はとてもいいな。 なるほど「私が死んだ時になに起こるか知りたいだけ」か…「悲しい歌をハッピーなメロディで歌う」を実践している感じ? このバンドはいいな。 写真を見ての通り、このバンドも盛り上がりに盛り上がったようだ。
LYONESSはGallowsとThe Ghost Riders in the Skyというバンドが母体となって結成されたチーム。シンガーはギリアン・マクスェル。ギターはステファン・カーター。 ギリアンとステファンが中心となって音楽を作っている。 「カッコいいリフと極上のグルーヴが自慢」ということになっているようだが、なかなか凝った音作りをしていて、私なんかにはパンクパンクしていないところがとてもいいな。 ところどころハッとさせられるようなクラシックなロックのテイストが散りばめられているサウンドづくりもこのバンドの魅力だ。 もちろんステージのドラム・キットはNATALね!
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(写真提供:Marshall Amplification plc Thank you very much, Philippa-san!)
そうか、トニー・カーティスの相手役はジャネット・リーだったのか…。 しかし、ジャネット・リーってのはキレイな人だ。 それをヒッチコックは『サイコ(Psycho)』で前半にしか使わなかった。 全くスゴイ。 後半はヴェラ・マイルスが引き継ぐんだけど、この2人…後年に両方とも『刑事コロンボ』に出演してるのは何かの偶然か?(コロンボはシンガーの赤尾和重さんと大学時代の友人のススメで今頃DVDで観ています。オリジナル・シリーズの23枚全部買っちまった!おススメありがとうございました) そうそう、他に書くところがないのでココに書いちゃおう。 コロンボの口グセに「son of a gun!」っていうのがあるのね。 「おお!コレはカーペンターズで有名になったハンク・ウィリアムスの「Jambalaya」に出て来るヤツやんけ!」と思ってさっそく調べた。 コレは「しまった!」とか「何てこった!」みたいな意味。 イギリスだったらいつもの「Blimey!(ブライミー)」か? 語源がスゴイ。 軍艦に同乗していた女性が子供を産んじゃった。 父親が誰かはわからない。 でも、その女性と密会する時には大砲の下のハズだったから、生まれて来た子は「son of a gun」。 それが転じて「しまった!」って一体ナンのこっちゃい! 観ていると、コロンボはナニかスゴく良いモノに出くわした時に「サナバガン!」と言っています。
アレ? この『サイコ』のポスターの手描きの文字… キューブリックの『博士の異常な愛情(Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb)』のタイトルを手掛けたパブロ・フェッロの仕事じゃないの? オリジナルの『サイコ』のタイトルのデザインは有名なソール・バス(京王百貨店や紀文やコーセー化粧品のトレードマークをデザインした人)が担当したが、フェッロは1998年の『サイコ』のリメイクのオープニング・タイトルでバス未亡人のチェックの下、モノクロのオリジナル・デザインを黒と緑を使って再現した。 この緑を使うアイデアは『北北西に進路を取れ(North by Northwest)』のオープニング・タイトルから来ている…と私は観た。 みんなヒッチが大好きなんだよね。
M:曲を作る時、楽器にインスパイアされることってありますか? Y:あります。 M:その点でこのMarshallはいかがですか?ハードな曲ができちゃう? Y:クランチがすごく気持ちいいですからね。 ギターのボリュームを落とした時の音の粒立ちの良さがまたいいんですね。 シゲさん、さっきおっしゃっていましたけど、あのセブンス・コードが出ちゃんですよ! 2人:(爆笑!)※ココでのセブンス・コードはビートルズの「She's a Woman」や「Back in the U.S.S.R.」などで聴ける典型的なコード・フォームのこと。 M:「明星」の付録の歌本に載っている押さえ方ですよね! Y:ボクはコレでセブンス・コードを覚えたんです! SC20H+SC112
元のインタビューには、ジムの幼少の頃の話やアンプ製作に至るまでの話、真空管の話、今は亡き私の友達やかつての運転手の名前まで出てきて聞いていてグッと来てしまった。 そして、話がMarshallアンプ誕生のクダリになると何度も名前が出て来るのが、Pete Townshend、Big Jim Sullivan…そしてRitchie Blackmoreの3人の名前。 Big GeorgeがDeep Purpleの名前を出すと、「ああ、リッチーは私のドラムの教え子の学校のバンドでギターを弾いてたよ」ぐらいの扱いでオモシロい。
3:25 ショウほど素敵な商売はない ジムが「There was no」まで言ったところでGeorgeがそれを遮ってしまうが、ジムは「There was no business like show bisuness」と言おうとしたのではなかろうか? 元の時制は現在だけど、もちろんコレは「ショウほど素敵な商売はない」のこと。 ジムが亡くなる前年に家を訪ねた時、車イスに座って私にはわからない古~いモノクロのハリウッド映画をひとりでおとなしく観ていたのがとても印象的だった。
記念すべき本企画の最初の「犠牲者」…じゃない、記念すべき「第1回目のデモンストレーター」に任命させて頂いたのはFury of Fearの西村守。 守くんは日頃からイングヴェイ・スタイルのヘヴィメタルの復興と伝承に並々ならぬ熱意を注いでいる若きシュレッダーだ。 コピーではなく、あくまでFury of Fearのオリジナル曲で臨んでいるところが何ともうれしくも頼もしい。 そんな守くんがこのデモンストレーションのために短い曲を4つ書き下ろしてくれて、その中からSTUDIO各モデルのイメージに合った曲でデモ演奏をしてくれた。 まもちゃん、ありがとう!
The Kinksの1971年のアルバム『Muswell Hillbillies』に「Have a Cuppa Tea(ハヴァカパティ―)」という曲が収録されている。 コレは「Have a cup of tea」のことだけど、イギリス人の決まり文句みたいなモノで、「ハヴァカパティ⤴」と語尾を上げれば「紅茶飲みますか?」という意味になる。 実際、上の紅茶も「シゲ、ハヴァカパティ⤴」と私に訊いて、ジェイという若いスタッフが入れてくれた。 コレがネイティブ同士だと「カッパ⤴」だけで済ませるのだそうだ。
約45年前、私がギターを始めた中学生の頃、このギターとアンプをつなぐ線のことを「コード」って呼んでいたと思う。場合によっては「線」かな? ある時楽器屋のお兄さんがそれを「シールド」と呼んでいることに気づいた。 「シールド?コードじゃないのか?シールドねぇ…なんかプロっぽくてカッコいいナァ」と思った。 「コード」を「シールド」って呼ぶだけでギターがウマくなる気すらした。 だってあの当時、楽器屋の店員さんは「神」だったからね。 まさに「シールド」という言葉は神のお告げだった。 楽器や英語の知識がつくにしたがって、「シールドってのも変な言葉だな?」と思うこともあったが、それから何十年もの間、そのギターとアンプをつなぐ線のことを「シールド」と呼んでいた。 そして、初めてMarshallの工場に行った時、「シールド」というのは極東の島国の方言であることを確信した。 確かに内部の導線が金属や組みひもで被覆(シールド)してあるのでコレ自体を「シールド・ケーブル」と呼ぶのは決して間違いではないんだけど、「ギター用のコード」としてこれを「シールド」とだけ呼ぶのは日本だけなのではないか? だから海外の現場で「シールド貸してください」とクラブの人に頼むと「Haaaa? What do you mean by 'shield'?(シールドってどういう意味?)」と言われるのではないだろうか? 「Shield cable」と言えば、相手が気のきいた店員さんなら対応してくれるかも知れない。 やったことがないのでわからないけど…今度Marshallに行ったらやってみよう。 では海外では日本で言うところの「シールド」を何と呼ぶか…。 イギリスでは「Guitars leads(ギターズ・リーズ)」と言う。 「ギターズ・リーズ」…この言葉も最初は口にするのが恥ずかしかった。 同様に電源用のコードのことは「Mains leads(メインズ・リーズ)」という。 こっちはナゼかそう恥ずかしくなかったので、「リーズ」の世界にはコチラから入ることにしたし、実際に仕事でこの言葉をよく使った。 一方、実はいまだに「Guitar leads」って言うのが恥ずかしくて、私は「Guitar cable」って言うようにしている。 コレは海外どこでも全く問題なく通じます。 そんなこんなで、今では「シールド」という言葉は「ツーマン、スリーマン」ぐらい恥ずかしい言葉になっちゃった。 だから若い女の子のギタリストが「私のシールド」なんてチョット専門家ぶって口にしているのを耳にすると不憫でネェ。 ね、私のお友達のギタリストさん…私はゼッタイに「シールド」って言葉を使わないでしょ? 地下鉄工事のシールド・マシンを指す時はは別よ。 ご参考までにイギリスの人たちは「ギター・ピック」のことを「Plectrum(プレクトラム)」と言います。 コレはイギリスの方言なので「Pick」でもOK。
ココで疑問が湧いてくるのが、じゃ一体「コード」ってなんだ?ということ。 その答えは、このMarshallの工場のレセプションのトイレが示してくれた。 ココのトイレってナゼか電気のスイッチが壁に埋め込まれておらず、よく日本家屋で見かける電灯についているヒモを引っ張って電気をつけたり消したりするようになっている。 そして、正確な表現ではないが、そのトイレの壁に貼ってある紙に「Pull down the code to light」ぐらいのことが書いていある…写真を撮っておけばヨカッタ。 「おお!こんなところにCodeが!」 ああいう「カッチン」ってやるヒモのことを「Code(コード)」って言うんですよ。 タメになるな~。
入っていた曲のリストはほんの数曲。 「Rock around the Clock」やバディ・ホリーが数曲。 バディ・ホリーってのはそれこそ「Legend」としてイギリスでの地位が高いね。 日本とはゼンゼン認識が違う。 かの有名なハマースミス・オデオンが、バディ・ホリーの生涯最後(1959年、23歳の時に飛行機事故で死亡)のイギリス公演をそこで演ったことを自分で称えているぐらいだから。 詳しくはコチラ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】vol.33~ハマースミスが好きだった <後編>