【姉妹ブログ】
【Marshall Official Web Site】
Marshall Blogに掲載されている写真並びに記事の転載・転用はご遠慮ください。

私の〇〇 Feed

2018年8月22日 (水)

私のフランクフルト <vol.3:2008>

 

2008年、6回目のFrankfurt Musik Messe。

05_2ブースはほぼ前年と同じ。

10_3かつては1959だった巨大MarshallオブジェがJVM410Hに変わった。
当時JVMは新商品だったからね。

80_2レミー、ランディと、シグネチャー・モデルがフィーチュアされた。

660_2photo_from_20080315_021053ランディのモデル、1959RRはかなりセンセーショナルだったナァ。
取説に載っていたランディがルディ・サーゾに送ったハガキの翻訳をしていて楽しかったもん。
大学1年の時、『Blizzard of Ozz』でランディがブレイクして、短期間であったが、こんな天邪鬼の私でも入れ込んで、何曲かコピーした。
こうして思い出してみると、ランディは私にとっての最後のロック・ギター・スターだった。

660_photo_from_20080312_180309_2ケリーやザックのモデルも存在感を十分に誇示していた。

660_photo_from_20080315_021032この年もスゴイにぎわいだった。
コレ、何となくだけど列を作っているのね。
列は英語で「queue(キュー)」という。
イギリス英語ね。
イギリス人は「列」のことを間違いなく「line」とは言わず「queue」と言う。
The Kinksに「Who'll Be the Next in Line?」という曲がある。
レイ・デイヴィスが「失恋の列に次に並ぶのは誰だ?」と歌うナンバー。この「line」はアメリカっぽく演りたかったからだろう。やっぱりココを「キュー」と歌うとしまらない。

40_2広いスタンドをグルリと取り囲むようにして作られるキュー。
以前、初めて日本に来たイギリスに住むフランス人が地下鉄のホームでキチンと列を作って電車を待つ人たちを見てゲラゲラ笑っていたのを思い出す。
「こんなのパリでもロンドンでも見たことない!」って言ってた。
確かにロンドンの地下鉄には電車のドアの位置を示す印などない。そんなことより「Mind the Gap」と肝に銘じて電車とホームの隙間や段差に注意する方が絶対的に先決だ。
50_2ブース内の展示を見ているヤツがいねーじゃねーか!
キューの先にいるのは…

70_2ジム・マーシャル!
前年は体調不良で欠席せざるを得なかったが、2008年には復活を果たした。
関係者はみんな「Mighty Jim」なんて言ってたナァ。

60_2ケリーも。

80_2この年はスラッシュもサイン会を開いた。

90vコレはブースの裏通りのようす。
あ~あ~、ASがコッチ側に押し出されちゃったよ。
何度も書くけど、ASシリーズはヨーロッパにおけるアコースティック・アンプのベスト&ロング・セラーだ。

660_photo_from_20080312_180740この年はポールがデモ・ルームのステージに上がった。

100_2当然、毎回ルームから人があふれるほどの超満員だった。

110Musik MesseはNAMMほどプロ・ミュージシャンによるデモが盛んではない。
なので、ポール級の人が見れるとなるとかなりの大騒ぎになる。
でもね、ヨーロッパならではのミュージシャンのデモも散見されて、私なんかはヤン・アッカーマンとか地元ドイツでのウリの演奏とか…うれしかったナァ。
ジャズはダメ。

120ポールとは来日時のMarshallの手配なんかで以前からやり取りしていたが、この年はパーティや打ち上げなどで一緒になって楽しかった。

130この人はデモを演っていたワケではないが、ある方に紹介して頂いた。
誰だかわかる?
この太い腕!
この方はイタリアのArti E Mestieriのドラマー、フリオ・キリコなのだ!
高校の時大好きだったのでとてもうれしかった。

135こういうヤツね。
昔からのロック・ファンならきっとご存知のハズ。

Tilt 場所は変わって以前紹介したMarshallのスタッフの定宿のPark Hotelの前。

20_3ナンバーは「JCM800」。それに「M」の文字。
そう、コレはジムのベントレー。
ジムの最後の愛車だった。
「愛車」と言っても、まさかジムが運転するワケではない。
昔は以前の回にも登場したジョン・ケントというショーファーがいたのだが、年齢を理由に引退。この頃にはプロの運転手がイギリスから運転して来ていた。
かつてジョンに聞いたところによると、イギリスからは、ドーバー・トンネルを通ってフランス、ベルギーの一部を通ってドイツにはいるのだとか。
スゴイな~。
「地続き感」満点よ。「9時間ぐらいかかる」って言ってたかな?それに「ベルギーというところは本当に美しい」と言っていたのが印象的だった。
車は最高級だし、いくら運転しないとはいっても、ジムのようなご高齢の方にはさぞかしキツいドライブだったことだろう。

30_2ハイ、この年もシッカリ解体まで手伝いました。

140しかし、このイベント終了後の寂寥感ってのは何ともイヤだね。

150_2さっきまで大勢の人でゴッタ返していた会場にあふれていた話し声や楽器の音が「バコン」だの「ガタン」だのブースを解体する音だけになってしまう。

160_2写真は残っていないんだけど、この撤収作業が終わるとホテルのそばにある12時まで開いている「Leon」というイタリア料理店で打ち上げをするのが恒例だった。
この年はポールもその打ち上げに出席していたっけ。

170コレは別の日のザクセンハウゼン。

175「知らない」というので、ハドソン・ミュージックの社長を例のドイツ料理店、アドルフ・ワグナーに連れて行ってあげた。
アメリカ人もビックリの肉のボリューム!
ハドソン・ミュージックはドラム系の教則ビデオのメーカーね。
ロブはDCIの創設者でもある、業界では超有名な人。

180せっかくだから…と、2人で驚いてみた。
コレ、誰が写真を撮っているのかと言うと、ハドソンのヨーロッパのスタッフのロン・フライという人。
この人は子供の頃からロンドンのスタジオのメッセンジャーボーイをしていた人で、ブリティッシュ・ロック界においてメッチャ広い顔を持っているとのことだった。
だからアレよ。
まさに生きる「Old Grey Whistle Test」みたいな人。
最初はとっつきにくかったけど、慣れるとすごく親切な人だった。ケントのグレイヴスエンドというところに住んでいて、「今度カンタベリーに行くことがあったら絶対にウチに寄ってくれよ!」なんて言ってくれたけど、元気にしてるかナァ。
 
The Old Grey Whistle Testについてはコチラをご参照あれ。しかし…我ながらずいぶん書いたもんだナァ。⇒【Music Jacket Gallery】サマー・ジャケット特集 <中編>

190ロブとは2人でヴァイツェン・ビアを飲みに出かけたりして楽しかったナ。
フランクフルトの夜は更ける。
夜はなるべく外出しない。

Fn <つづく>

 

200
(一部敬称略 2008年 Frankfurt Musik Messeにて撮影)

2018年8月 4日 (土)

私のボリビア(行ったことないけど)

 

しかし、暑いね~。
いつものMarshall Blogならしつこいぐらい「アツイ、アツイ」と文句を並べるところだけど、そんな気にもならない。
もはやコワイわ。
「一番暑い時期」と言われている3月に行ったベトナムよりゼンゼン暑い。なんかね、この暑さには「悪意」を感じるね。地球を大事にしないことに対する「お仕置き」とも取れる。
…ということで、今日は涼し気な画像を並べて少しは暑さを忘れて頂こう…という企画。
どういうことかというと、Marshall Blog初の南米の話題。
何しろ南半球は今、冬だからね。
いいな~、冬。11月生まれの私は、生来暑いのが苦手なのだ。
大黒屋光太夫のように零下50度の世界で10年も過ごすなんてのはさすがにゴメン被るが、「暑い」よりは「寒い」方がいい。
今日の舞台はボリビア。
ボリビアって知ってる?
私は小学生の時に初めて「ボリビア」という国の名前を耳にした。
それはポール・ニューマンとロバート・レッドフォード主演の人気映画『明日に向かって撃て!』の予告編の中のことだった。
この映画、こんなマヌケな邦題を付けられてしまって気の毒なんだけど、原題は『Butch Cassidy and the Sundance Kid』という。
コレは「ブッチ・キャシディ」と「サンダンス・キッド」という19世紀末のアメリカの2人組の強盗の逃避行の話。
英語学習者は、後ろの「サンダンス・キッド」にだけ定冠詞の「the」が付いていることに気付くべきだ。
「サンダンス」というのはワイオミングにある地名で、それに「kid」が付いているアダ名なんだね。苗字ではない。「サンダンスのガキんちょ」といったところか?で、他にはいないから「the」が付いてる。
「Butch」もアダ名で「頑丈なヤツ」みたいな意味がある。
こういう名前ってSonny RollinsとかChick CoreaとかDizzy GillespieろかBuster Williamsとか、昔のジャズ・ミュージシャンに結構多いんだよね。
それで、その予告編の中で「銀行強盗をしながら、はるか南米のボリビアまで逃げた」みたいな一節があって、それでこの国の名前を知った。
バート・バカラックの「雨にぬれても(Raindrops Keep Fallin' on my Head)」のヒットもあってとても人気の高い作品だったけど、私はあまり好きではなかった。
父の影響で幼いころから重厚なハリウッド映画ばかりを観て育ったので、この作品や『イージーライダー』のような「アメリカン・ニュー・シネマ」と呼ばれた軽い作風が好みに合わなかったのかも知れない。

10vしかし、今回のこの記事を書くまでその「ボリビア」なる国が南米大陸のどこにあるのかは知らなんだ。
で、調べてみた。
ブラジルとペルーの間って感じか…南米大陸にも海のない国ってあったんだな。パラグアイもそうか…。
事実上の首都はラパス(La Paz)。
国土の広さは日本の3.3倍。世界で27番目に広い国なんだって。
こうして見るとブラジルってデッカイな~。
日本の22.5倍で、ロシアを差っ引いたヨーロッパ大陸より広いんだって。

20v国旗はコレ。
またこの3色か…。

30ここで脱線。
この赤・黄・緑の配色の国旗ってやたら多いよね。
チョット見てみると…
  
サリフ・ケイタの故国、マリ。
公用語はバンバラ語とフランス語のはず。

C__5配色を反対にすると、ギニア。
コリャ、まるで「江戸三座」の定式幕だ。

C__2さらに配色を入れ替えて星をつければカメルーン。

C_マリを45°傾けてやればコンゴ。

C__3応用編はベナン。
アフリカの国旗に多く用いられていることより、この3色を「汎アフリカ色」と呼ぶらしい。
それぞれの色の意味は「赤」は殉教のために流された血、「緑」はアフリカの植生、「黄」はアフリカの富と繁栄なのだそう。
イカン、イカン、アフリカの話をしていたら暑くなって来た。
イヤ、いまや東京の方が暑いかも知れない。

C__4それじゃ、コレでどうだ!
今、冬のボリビアから。
ああ、見ているだけで涼しくなってくるような大雪原! 

50_4写真を送ってくれたのはこの女性。
Marshallの友人を通じて知り合ったブラジルはサンパウロ在住のお友達リリアン。
そして、旦那さまのエドサンドロ。

40_3新婚旅行でボリビアに行ったんだって。
そこへMarshallも連れて行ってくれたとうワケ。
でもね、コレ…残念ながら雪原じゃないの。
ナント、塩!
有名な「ウユニ塩湖」を訪れたのだそうだ。

60_3スゲエな~!
視界を遮るものナニもない。
そして、白と青だけ世界!
この塩の湖の大きさは10,582平方メートル…と聞いてもピンとこんな。
秋田県と同じぐらいの広さだって。
オイオイ、塩分摂り過ぎじゃないの?

70_3標高3,700mっていうから、富士山のてっぺんと同じぐらいの高さだわね。
冬季の富士山の頂上がどんなに過酷なところかは新田次郎の『芙蓉の人』と読んでもらうことにして、やはり高山病が厄介らしい。
リリちゃんも高山病に罹ってしまい、2日ぐらい吐き気に悩まされてしまった…

Fuyo…ようには見えませんナァ。
アルパカかなんかに乗っちゃって!

75_3おまけにMarshallの上でジャ~ンプ!

80_3そして着地。
スゴイ!
リリちゃんの服装も偶然モノトーン。
白と黒と青で統一されている。

90v_2しかし、キレイだな~。
この湖面がまるで鏡のようなんだって。

100_2乾季になると、こうして湖面にクラックが入るのだそうだ。

110_2そして、夕暮れ。
さっきまであんなに青かった空が鮮やかなオレンジ色に変化する。
そして夜には満面の星が現れる…って、さも自分で見たように、スミマセン。

120_2一瞬、奥の山が浅間山のように見えるが、コレはLaguna Hediondaというところ。
「laguna」とは「潟」という意味。要するにエディオンダ湖だ。
ココも塩湖でフラミンゴで有名らしい。
塩湖とは普通の淡水湖とは異なり1ℓ当たりの塩類の総イオン量が3g以上の水を湛えている湖のことを指す。
何かテーブル・クロスがいかにも南米じゃない?フォルクローレ。

130_2場所を移して、ココはボリビアの首都、ラパスの「Carrot Tree」というレストラン。
アタシャ、れっきりバックパッカーのための宿の食堂かと思ったよ。
このラパスという街も標高3,600mを超える地点にあり、世界で最も高所に位置する首都なのだそうだ。
そして、ラパスにはいいレストランがたくさんあるんだって。
でも、インターネットでウユニ塩湖に行った人の紀行文を読むと、屋台なんかで売っている食べ物は食中毒になる危険度がかなり高いとのことで、その人もヤラれてしまったそうだ。
コレはリリちゃんに聞いたんだけど、当然水道の水は飲めない。
私ホラ、こないだのベトナムで水道の水飲めないことの不便さを知ったからさ。
ホントに日本の衛生環境には感謝してるのさ。

140_2コチラは「Cocina popular Boliviana」というレストラン。
リリちゃんは魚のフライをオーダー。
ま、淡水魚なんだろうね…海がない国なんだから。
結構デカい。
とても美味しかったって。

150_2コレは赤葉トウガラシを使ったスタッフド・ピーマンというモノ。

160_2コレなんかはリトル・マーメイドなんかで昔から取り扱っているバゲット・サンド…に見えるけど、間に挟まっているのはリャマの肉だそうだ。
ありゃま~!

170_2コレがリャマ。

180コレは「ちゃま」。
浅草の飲み屋だ。

C_chama_2こっちはミラバケッソ…つまりアルパカ。
リャマの近い親戚かね。
ボリビアではアルパカも召し上がるのだそうだ。

リャマの肉は柔らかく、牛肉のフィレのようなイメージだそうだ。
ウ~ン、爬虫類でもナンでも、未知の肉って大抵「鶏肉みた~い」となるのが普通なのだが、リャマはそうではないらしい。

190リリちゃんが日本にいた時には、家にお邪魔してブラジル料理をごちそうになったりしたものだった。
例えば、ブラジルの家庭の味、フェイジョアーダ。
豆とソーセージの煮込みっていうのかな?
コレを白米とミカンで頂く。ミカンってあの普通の温州ミカンね。

C_fd_2 コレはブラジルのチーズ・パン、ポン・デ・ケイジョ。
要するにチーズ・パン。
とてもおいしかった。 

Pdc下の2枚の写真もリリちゃんが送ってくれた。
この白い建物、ナンだと思う?
コレ、「サンペドロ」という刑務所なんだって。

200_21,500人もの囚人を収監しているんだけど、看守がいなければ、囚人服もないのだそうだ。外出も自由。
刑務所の中には、屋台やレストラン、美容師、さらにはホテルまであって、囚人たちが自主的にひとつの町を作っているというワケ。
で、この刑務所内を自由に見て回れるツアーがあって、ラパスの観光地として有名なんだって。
なんて書くと何やら面白そうだけど、麻薬フリーだったり、窃盗天国だったりで、どうやらトンデモナイところらしい。
入り口の前に行列ができている。
観光客だろうか?

210_2以上、正確には「私のボリビア」ではなくて「リリちゃんのボリビア」でした。
 
さて、せっかくのMarshall Blog初の南米の記事なので、リリちゃんにちなんでブラジルの音楽の話を少々。
何といってもブラジルは音楽の宝庫だからネェ…といいたいところだけど、私は特段ボサノバが好きなワケではないし、浅草のサンバ・カーニバルを楽しみにしているワケでもない。
でも、大好きなブラジルのミュージシャンがひとりいる。
それはアイアート・モレイラでもなく、フローラ・プリムでもなく、イヴァン・リンスでもなく、ましてやミルトン・ナシメントやエウミール・デオダートでもない。
私は、エルメ―ト・パスコアール(Hermeto Pascoal)が大好きなのです。
あ、エグベルト・ギスモンティも相当いいな…。
 
で、以前リリちゃんとブラジルの音楽について話していた時、当然パスコアールの話になるワケで、「エルメ―ト・パスコアール」って知ってる?と訊くと、「あ、はい。知ってますよ」と気軽に答えるでないの!
日本にいると、結構音楽を聴き込んでいる人でなければパスコアールなんて知らないと思い込んでいたので、いくら地元とはいえリリちゃんのような若い女性が知っていたのでビックリ!
「え?ブラジルの人だったらみんな知ってますよ!」と追い打ちをかける。驚いちゃったよ。
私はナンで知ったのかな…と思い返してみると、19歳ぐらいの時に聴いたMiles Davisの『Live Evil』で恐らくその名を知ったのだと思う。
エルメ―トはこのアルバムに「Nem Um Talvez」という曲を提供していて、そこにドラムで参加しているのだ。
この曲、マイルス作となっている次の「Selim('miles'の逆さ綴り)」と同じ曲なので注意。
この曲自体は「In a Silent Way」のできそこないのようで、私にはサッパリ良さがわからないのだが、名前は覚えて気に留めておいた。

Aそれに加えて、仙人のような風貌に惹かれて買ってみたのが下の右の『Slaves Mass』というアルバム。
コレでビビビと来たね。かなり気に入ってよく聴いた。
 
この人、1936年の生まれというから、今年でもう82歳にもなるんだけど、ついこの5月にも来日していた。
元々はバンドネオン奏者なのだが、フルートなんかもすさまじい演奏技術を持っている。
下は数少ない私のコレクション。
もっと聴きたいんだけど、滅多に中古に出ないんだもん!

1973

1976

どんな音楽を演っているのかというと、私はよく「ブラジルのFrank Zappa」と形容している。
とにかく「自由」なんですよ、自由。何しろクリエイティブ。
下の左はモントルー・ジャズ・フェスティバルのライブ盤で、オープニングのMCが強いフランス訛りの英語でこんなことを言っている。
「ブラジルはあらゆる異なる種類の音楽のるつぼです。今から数分後に登場するグループは、信じられないようなセンス、トーン、リズム、ハーモニー、作曲、即興演奏、まさにそれらが溶け合ったモノで、「驚異的」としか言いようのない唯一の音楽を演奏します」
もう、このMCのオッサンが言う通り。
でもこのオッサン、「エルメ―ト」ではなくて「エルメット」って発音してるな…「エルメット」の方が正しそうだ。
今度リリちゃんに会った時に教えてもらおう。

1979

1980 自分のアタマの中にポッと浮かんだアイデアをそのままダイレクトに曲にしている感じ?
あるいは何も考えずに自然発生的に作曲している感じさえする。
ナレーションとユニゾンでピアノを弾いたりするアイデアなんかはZappaの「Dangerous Kitchen」みたいなこともしているんだよね。
創作の姿勢としては何となくPat Merhenyを感じさせる。

1987

1992 それと、楽器の偏重がないっていうのかな?自身の楽器をフィーチュアするようなところが一切なく、本当に「音楽最優先」という精神が伝わってくる。
でも、一緒に演る人は大変だろうナァ。エルメ―トがクチで「♪タリララダッパッダズララズビズビタラリラ…はい、このメロディ演奏して」ってやっている感じ。
こんなメロディ覚えるのは至難の業だ。
すなわち、シュッレッディング・ギター・ミュージックの極北だわね。
いつまでも元気に活躍して欲しい偉大なアーティストのひとりだと思う。

1999

2002 最後にもう1枚。
コレは昨年の11月にリリちゃんとエドが来日した時のようす。
ちょうどお酉さんをやっていたので連れて行った。
「ナニこれ?!」と2人は初めて見る「カメすくい」にビックリ。
リリちゃんは英語がベラベラなので、私がエドにわかるように英語で説明しようとしたら、このカメすくいのオジちゃんが英語を話し出した。
カメすくいのオジちゃん、まさかの英語ペラペラ!
あまりの予想外の展開に、失礼ながら3人で大笑いしてしまった!

C_img_5023 最後に…リリちゃん、どうもありがとう!
また日本に帰って来てね!その時を楽しみに待っています。

 

200_3

(一部敬称略)

2018年7月13日 (金)

私のフランクフルト <vol.2:2007年>

 
2007年。
2003年から毎年通ったFrankfurt Musik Messeもコレで5回目。
その間、パッと見では会場全体に何の変化もなし。
それにしても向こうの人たちの気温に対する感覚ってどうなってるんだろう?見て!…大抵の人はジャケットを着ているけど、半袖のアンちゃんもいるでしょう?
開催は例年通り3月の末だったが、ブルブル震えるような寒さではないものの、さすがに半袖はないと思いますよ。
シベリアあたりから来た人たちなのかな?あ、言っておくけど、「シベリア」は英語では「サイベリア」ですからね。
南の国から来た私は、多分厚手のジャケットを着こんでいたハズ。
ホント向こうの人って面白いよね、人それぞれで。
だからこのMesseでもNAMMでも、あるいはニューヨークでもロンドンでも、行き交う人たちを眺めていても飽きることがない。

10_2前回も触れたが、Frankfurt Musik Messeは、当時世界最大の楽器の展示会だった。
「ロックやジャズ等の軽音楽用楽器の展示会」ということになれば俄然NAMMが強い。
しかし、全体の規模では圧倒的にMesseなのだ。
そのココロは…まず、クラシック用の楽器が展示がスゴイ。
ピアノからヴァイオリンなどの弦楽器、管楽器、クラシック・ギター等々の品揃えがハンパない…じゃない、中途半端ではない。

20_2それにアコーディオンやリコーダー等のヨーロッパでの需要が大きな楽器。
リコーダーなんて日本では小学校の時に「フエ」として接するだけじゃん?
こっちはありとあらゆる大きさのリコーダーがウジャウジャ展示されていて、「まる子ちゃん」じゃあるまいし、そこら中でピーヒャラピーヒャラやってる。
それよりスゴイのがアコーディオン。
コレはいつかも書いたけど、アコーディオンはドイツの国民楽器なのね。
最近は見なくなったけど、飲み屋にいくと大抵壁に貼ってあった、ハイジみたいな恰好をした女の子が大きなジョッキをいくつも手にして微笑んでるポスターね。
ああいうシチュエーションでは必ず、アコーディオンに合わせてみんなで大合唱をするらしい。
そういえば、アコーディオンを使っているかどうかまでは覚えていないが、『シンドラーのリスト』にもそんなシーンがあった。
ドイツ人は合唱が好きなのかもしれない。
同じビール好きでもイギリス人にはこういうイメージが全くないもんね。
下の写真、コレ、つき当りまで全部アコーディオンのブースだよ。
コレだけじゃなくて、こういうのが何列も並んでる。
でもね、どんなに沢山集まっていてもアコーディオンやリコーダーの音ならおとなしくていいよ。
この建物の1階はいつも阿鼻叫喚の騒音地獄だからね。
ナニかというと、ドラムスを中心とした打楽器の展示スペースだ。

30vそれと、NAMMにないMesseの大きな特徴は楽譜の展示だ。
ヨーロッパとアメリカ中からありとあらゆる楽譜屋がやって来る。
もちろんクラシック中心。
楽譜なんてどれも一緒だと思うけど、その品揃えたるや尋常ではない。
ある時、Universal Editionという楽譜屋のブースに入ってみた。
ウィーンの会社なので「ウニヴェルザール・エディティョーン」みたいに読むようだ。
私はコンテンポラリーなクラシック音楽、いわゆる「現代音楽」がすごく好きで、そうした分野の作曲家たちの写真集がないか?とダメ元で訪ねてみたのだ。
こっちはMarshallのTシャツに汚いジーンズ…おおよそクラシックからは程遠く見えるオッサンにも大変ていねいな応対をしてくれた。
「写真集のようなものはありませんネェ…」という答えだったのだが、少し考えて…「ああ!チョット待って!」と控室に姿を消し、下の写真の冊子を手にして戻って来た。
「こんなモノでよろしければ…」とその冊子を渡してくれた。

40_2中を見ると、出てる出てる、バルトーク、ヤナーチェク、コダーイ、レスピーギ、ベリオ、リゲティ、ブーレーズ…。
写真集ではないし、中身はドイツ語でサッパリ読めないけど、どうにも欲しくなった。
「いくらですか?!」とその対応してくれた方に尋ねると、「ハハハ、お金なんて要りませんよ。どうぞご遠慮なくお持ち帰りください」
私も知っている限りの丁寧な英語でお礼を述べて謹んで頂いて日本に持って帰って来た。

50_2このUniversal Editionというのは1901年創業の老舗楽譜屋で、マーラー、シェーンベルク、ヴェ―ベルン、ワイル等々の版権を持っていた。
バルトーク、ヤナーチェク、ベリオ、リゲティも同様で、要するにこの冊子は、この会社が持っている版権に関するただのカタログなのね。
でも、私の宝物のひとつなのだ。
 
この会社のウェブサイトで見つけたカッコいい言葉をふたつ紹介しておきましょう。
まずはグスタフ・マーラー…「もし作曲家が何かを言葉で言い表わさなければならないとしたら、その作曲家が音楽で悩むことなどないでしょう
ん~、言ってみたい。
こちとら口先三寸で勝負だからね。
もうひとつはピエール・ブーレーズ…「始まりも終わりもなく、発見へと導く新しい道にあふれ、永遠に謎の解けない迷宮こそが音楽である
ロックも1975年ぐらいまではこのブーレーズの言葉がピタリと当てはまっていたように思いますな。その後、商売が絡んでロックの迷宮がスッ飛んじゃった。

60_2この年のMarshallのブースは大幅に様変わりをした。
まず、入り口でジムがお客さんを出迎えた。

70_2そして、アーティストを前面に押し出すようにした。

90_2ディスプレイの様式も以前のような平面的なセットではなく、立体的なデザインに変更。
そして、それぞれの商品の島ごとにイメージ・キャラクターの写真が取り付けられた。

110v_2イングヴェイはヴィンテージ・シリーズだったな。

120v_2ケリー・キングのディスプレイも立派だった。

130v_2以前のMarshallのブースのサイン会といえば、ほとんどジム・マーシャル一辺倒だったが、この頃からミュージシャンがカウンターの中に入るようになった。
ケリー・キングのサイン会はいつも長蛇の列だった。
このお客さんを整列させるのがサイン会の時の私の任務。

140実は、ジムがこの前年に心臓疾患で倒れてしまい、Messeに参加することができなかったのだ。
それでミュージシャンたちのサイン会を組み入れたというワケ。
ジムが来れないということもあってブースの入り口にジムの大きなポートレイトが取り付けられたのだ。

150v「早くよくなってね!」

160_2カウンターにはジムへ送るメッセージを記すノートが用意され、たくさんの人がMarshallの創始者への思いを綴った。
私はこのノートで「Get well soon」という表現を覚えた。

2_rimg0219この人なんか、自分が「get well soon」なのに…。

2_rimg0217 珍しくこんな写真。
これが初ケリーだったかな?
この時より以前、日本のテレビ番組にケリーが出演しているのを偶然見た。
番組のインタビューで「立派なタトゥーですね。身体の中でどのタトゥーが一番気に入っていらっしゃるんですか?」と訊かれると、ケリーは「ムゥゥゥ…そうだな…何だな…頭の後の女神だろうな…ムゥゥゥ、でもオレは一度も見たことがねーんだけどな…ムゥゥゥ」と答えていた。
コレが私にはすごくおもしろくて、こんなルックスだけど、案外ケリーってお茶目な人なんだなと思った。
そこで、控室でケリーと2人きりになった時に本人にこの話をしてみた。
「かくかくしかじか…あの話はとても面白かったですよ!」とケリーに伝えると、「ムゥゥゥ…そうか」…以上何も語らず。
お茶目かもしれないが、コワいルックスも手伝ってチョット取っつきにくいかな?
ケリーを良く知る人にこのことを話したところ知ったのは、ケリーってすごくシャイなんだって。
そうは見えないけどな~。
(※「ムゥゥゥ」はあくまでイメージです)

170_2デモ・ルームも一新。

180_2ココでニコ・マクブレインと2人でドラム・キットを組み立てたのは楽しい思い出だ。
こんなんだってヘタすりゃ下北沢の小ぶりなライブハウスぐらいのキャパはあるからね。

190_2ハイ、2007年のMesseも終了。
これから地獄の撤収作業~!
この人たちはイギリスから来てる大工さん。実際、Marshallの連中も「carpenter」って呼んでた。
大工さんったってみんなカッコいいんだよ、英語もベラベラだし。
さすがに毎年顔を合わせていると、大工さんたちともスッカリ仲良くなっちゃってね。みんなどうしてるのかな~。イギリスで大工さんやってるんだろうナァ。

200コレ、今やっているのはツライ撤収作業を始める前のルーティンなの。
日本とは反対で、作業の前にカンパイしちゃうの。
ま、「乾杯」というよりは「景気づけ」だろうね。
いつもはウィスキーを一杯グイっとやるんだけど、この年はケリーが愛飲しているというスウェーデンかどこかのやたらとアルコール度の高い強い酒だった。
妖しい緑色をしたビンの中身はどう考えても毒薬が入っているようにしか見えなかったが、飲んでみると、グェッ!…マズイ。
みんなも「何じゃ、こりゃ?」と顔をしかめつつ紙コップを傾ていた。

210前回紹介した地元の通訳のステファニー。
あれ以降、Marshallの指名により毎年Marshallのブースに就くことになったのだ。
いつもは撤収の時には帰っていなくなってしまうのだが、この年は名残惜しかったのかココまで付き合ってくれた。
この人はいつ会っても本当に快活で、感じがよくて、素敵な人だった。
チョコっとしたドイツ語をずいぶん教わったけど全部忘れちゃった。

220作業終了。
残っているMarshallは予めドイツ・マーケット用にイギリスから持って来たモノだから片付ける必要なし。コレが多いとゴキゲンなのさ!
壁に掛かっているMarshallはヘタに取り扱うと危険なのですべて大工さんが担当する。

230_2この年は帰りの飛行機の時間まで余裕があったのかな?
意を決して昼間に市中を見て歩くことにした。

370_2まずはフランクフルト中央駅。
「中央」といっても街の真ん中にあるワケではないそうだ。
ドイツ語で「Frankfurt Hauprbhanhof」ということは前回書いたが、「Haupt-」というのは「主要な」という意味。
ドイツのは115もの中央駅があるんだって!どれだけ中央なのよ~?

380駅前のサッカーのオブジェ。というか宣伝塔か?
今回のワールドカップのドイツは散々だったね。

385ヨーロッパのターミナル駅ってステキなんだよね~…と言ってもロンドンしか知らないけど。
ドイツ国内で最も乗降客数の多い駅であるだけでなく、ヨーロッパ最大級のターミナル駅なんだって。
1日の乗降客数は35万人。
それがどれぐらいかと思って調べてみると…お!新宿が36万人だって。次いで池袋で27万人。関西で言うと梅田が24万人。
エエ~!新宿や梅田より全然ユッタリしてるぞ~!一体なんなんだよこの違いは!
ちなみに下の写真は朝撮ったもので、ラッシュアワーの直前ぐらいかな?
ココもやっぱり改札がない。

390_2構内には軽食屋の他、色んなお店が並んでいる。
やっぱこうして見るとかなり大きいね。

400_2何回かお世話になった構内のマクドナルド。
この頃はまだ食べてた。
こんな箱に入って出て来る。
今は全くこういうモノを食べなくなった。もう何年食べてないかな~?
止めて最初の頃は時々食べたくなったけど、今はゼンゼンへっちゃら。

410_2ドイツのカップヌードル。
「カップ・ヌードルン」…でもコレはおかしい。ドイツ語で「cup」は「Tasse」のハズ。
麺類だけに英語とドイツ語のチャンポンになってる?
ドイツ人の友達が言っていたけど、ドイツ人でも若い人たちは英語の表記に憧れるんだって。同じアルファベットなのにね~。
そんなことやめなさい。自分の国の言葉を大切にしなさい。

420_2みんなと一緒に夕飯に行ったりするのが面倒な時は自室でディナー。
中央駅の地下にある店で惣菜を買って来る。
ハンバーグ、シュニッツェル、ウィンナー。これをビールで流し込めばディナー完了。
ところがコレがスゴイのだ!
何がスゴイって殺人的にしょっぱいのだ!
イヤイヤ、冗談じゃなくて、舌がシビれてくるぐらいしょっぱい。
私は辛いモノは大スキだけど、しょっぱいのはダメ。ウィンナーはまだいいんだけど、他の2つはとてもじゃないけど半分も食べられなかった。

430_2話を戻して…中央駅を背に駅前のメインストリート、「カイザー通り」を進む。
ドイツ語で「通り」は「Strasse」という。
そう、こんな時に口ずさむのはThe Sensational Alex Harvey Bandの「Action Strasse」ね。
そして「カイザー(Kaiser)」は「皇帝」という意味。「カイザー=カエサル」…ジュリアス・シーザーから来た言葉。

440後を振り返るとこんな感じ。右の奥の方にメッセ・タワーが見える。
やっぱ遠いな。

450ドイツ最大の駅でもこうしたホームレスの姿を見かける。
前回書いたようにジョンの「フランクフルトは危険な街だ」という言葉を思い出す。
駅前で下半身丸出しで歩いているオッサンを見たこともある。そのオッサンの目がコワかった。もう焦点がゼンゼン定まっていなかった。

445駅前で堂々と営業している巨大なポルノ・ショップ。
向こうの人はゼンゼン平気だから。女性もドンドン入って行っちゃう。
その代わりコンビニで自由にエロ本を見たりするなんてことはできない。
いつかドイツ人の友達が私にこう訊いたことがあった。
コレは以前に書いたかな?
「シゲ、日本には満員電車の中で女性の身体を触ったりするヤツがいるんだって?」
「ああ、molesterのこと?」
「痴漢」は英語で一応「molester」という。
「ナンダ、それ?molesterってナニ?」
彼は、会議の時にまた戦争でもおっ始まるのではないか?と思うぐらいの激しい舌戦をアメリカのディストリビューターと繰り広げるほどの英語の使い手なのよ。
「ナニ、ドイツにはmolesterがいないの?」と訊くと、彼はキッパリ「そんなヤツは1人もいない」と答えたよ。
「そういうヤツ」がいないので「molester」という単語を知らなかったのだ。
そして彼はこう付け加えた「日本の男性はそっちの方の欲求のハケ口がないって聞いたよ。だからそんなことをするヤツが出て来るんじゃないの?ドバ―っと開けっ広げにした方がいいんだよ」って。

460なるほど、このポルノ・ショップの大きさと主張は彼が指摘することのひとつの表れかも知らんな。
480店名の「Dr. Muller」ね。
「Muller」というのは超典型的なドイツの名字だとか?アメリカでもドイツ系移民の名前の代表は「Mullerさん」らしい。
私の母方の叔母が嫁いだ先のアメリカ人の家が「Muller」さんなのよ!
フランクフルトでこのことを口に出したことはない。

470お、変なポスター。
ドイツ語で「地下鉄」は「Andergraund」じゃないですからね~。

490vドイツ語で「地下鉄」のことは「U-Bahn(ウーバーン)」という。
「Bahn」は「鉄道」ということ。
「U」は何か?
「Untergrund」…つまり「地下」のこと。
なるほど。
だから同じく潜水艦のことをU-Boot(ウーボート)」というのか…と思うのはチト早い。
潜水艦の方の「U」は「海の下」を意味する「Untersee」の「U」。
元は「氷の下を進む船」ということらしい。
私は潜水艦が浮上したり潜航したりする動きが横から見ると「U」の字に似ているからかと思ってた。
アメリカ人だったら絶対コレが「U-Boat」の語源にしてるよ。

Ugjpちなみに、この本面白いよ。
また吉村昭。
戦争中に日本海軍が潜水艦でドイツまでレーダーを取りに行く話。

Ss さらに進んで中央駅の方を振り返る。
やっぱいいよね、ヨーロッパの街並みって…他にロンドンしか知らないけど。

500_2フランクフルトはヨーロッパ経済の中心地で「欧州中央銀行」の本店があるところ。

510_2しかし、EUもどうなっていくんだろうネェ。
米中間の貿易戦争が始まったけど、ホンモノの戦争が起こりやしないかと気が気じゃない。洋の東西を問わず、政治家や大企業家の頭の中では「経済」と「戦争」は「金」という等号で直結してるからね。

520_2カイザー通りを歩くのは初めてではないけれど、こんなところまで足を延ばしたのは初めて。

530_2こんなんなってるのか。

540_2イヤでも目に入って来るバカでかい建物は「聖バルトロメウス大聖堂」。
英語読みをすると「バーソロミュー」。

560v歴史は7世紀にまでさかのぼるらしい。
神聖ローマ帝国皇帝の戴冠式はココで行われたのだそうだ。
しかし、現在の建物は1950年代に再建されたものなので、ウチよりもよっぽど新しい。

570v「レーマー広場」と呼ばれる旧市街地。

580聖バルトロメウス大聖堂からすぐのところ。

590vこういうギザギザになっている屋根を「切妻屋根」という。
ユダヤ人の音楽は「クレツマー」だ。
この写真の真ん中の他よりチョット背の高い建物が旧市庁舎で「レーマー」といったことからここがレーマー広場と呼ばれるのだそうだ。

600広場に足を踏み入れると「おお~!」となるんだけど、それだけ。
どっかで見た景色だな…と思ったら長野の白馬の土産物屋。
なんだかペナントとか木刀とか熊の彫り物でも売ってそうじゃない?

610特に見るところもなさそうで、これなら名古屋の有松とか千葉の佐原の方がゼンゼン見ごたえがあるな…というのが正直なところ。
ゴメンな、レーマー。

620市内をユッタリと流れるマイン川。

630時折こんな建物に出くわすのは面白いけど、概して見るところがない。
「ゴエテとはオレのことかとゲーテ言い」でおなじみのヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの生家なんてのもある。「♪でもねボクにゃ詞なんてわからない」(←コレ知ってる人、チャンと日本のロックを聴いてる人)

640vコレが町の教会かな?
アラ、向こうに大聖堂のアタマが見えてるね。

550他にも「ゲットー博物館」というのがあって、入ってみたけど、コレはマァ見応えがあったな。
興味のある事物に関する博物館の類は、なるべく観ておくようにしている。

650コレだけ何でも手に入る東京にいて、どうしても自由に手入れることが不可能なのは、海外の芸術とエンターテインメントだと考えるているから。
やっぱり日本語で聴くグリザベラやエポニーヌの歌はどうかと思うから。

660<つづく>
 

※Instagramのフォローもよろしくね!Marshall Blogに未掲載の写真もチラホラ!⇒marshallamps_shige 

200

(一部敬称略 2007年 Frankfurt Musik Messeにて撮影)

2018年7月10日 (火)

スピンオフ四人囃子 #3 <中編>:スピンオフ四人囃子~私の猿田彦様

  
せっかく車で名古屋まで来たんだから…ということで、空き時間を利用して興味のある場所にチョコチョコと足を延ばしてきた。
そのひとつがココ。
三重県は鈴鹿市にある「椿大神社」。
コレ、「つばき だいじんじゃ」じゃないからね。「つばき おおかみやしろ」と、神道だけに思いっきり訓読みをする。
私は信心はしないんだけど、何千年にもわたって民衆から支持されてきた神事にはそれなりの畏敬の念を持っていて、日本人である以上は神道、仏教、ともにある程度の知識と作法だけは身に付けておきたいと思っている。
そう思うようになったのも比較的最近のことで、海外の人とお付き合いすることが多くなってからの話。
海外の人はみんな宗教に熱心で、日曜日には必ず家族で教会に行って…なんてイメージがあるからね。
それなら私も自分の国の宗教ぐらい知っておかないと…ということで少しは勉強する気になった…なんてのはお門違い。
あのね、外人が映画やドラマで、食事の前に手を合わせて「天にまします我らの父よ…」ってお祈りするシーンに今でも時々出くわすでしょ?
私もアメリカ人やイギリス人の家庭にお呼ばれされて食事をごちそうになったり、レストランで一緒に食事をしたりすることがよくあるけど、今までああいうのをやっている人を見たことがないんだよね。
ただ1人の例外は、アイアン・メイデンのニコ・マクブレイン。
ニコとはフランクフルトやロンドンのレストラン、ジム・マーシャルの家などで何回か食事をご一緒させて頂いたが、周りの連中が早速ガバガバ飲み食いしてる中、いつでもどこでも必ず手をキチンと合わせ、うつむいて祈りの言葉を囁き、胸の前で十字架を切ってからフォークとナイフを手にしていた。
この間ほんの数十秒…他の皆さんは全く気にしていなかったけど、私はそれを見ていてすごくいい気分になったね。
あ、それとナッシュビルの偉大なるフィンガーピッカー、ドイル・ダイクスもやっていたかも知れない。
話が飛んだな。
昨日の記事を書くのに半日以上かかっちゃって、今日の前置きは簡単にしようと思っていたのだが…。
 
とにかく、神社仏閣などにも興味が出てきたというワケ。

10_2門柱に「伊勢一之宮」ってあるでしょう。
コレ、スゴイんだよ。
まず…伊勢神宮っていうのは全国8万社あるといわれている神社の中て一番尊いとされているのね。
かつてMarshall Blogでもお邪魔した。
そもそも「神宮」と「神社」ってのはアホほど格が違うもので、しかも「神宮」というのは元々お伊勢さま専用の言葉だったらしい。(「今は諏訪大社とかもあるけど「大社」というのは出雲を指す言葉だったらしいッス)
で、「一之宮」というのはナニか?
律令国家時代(10世紀ごろ)、日本は国内が「国」という行政区画に分かれていて、その国の親分を「国司」といった。
そして、それぞれの国は『延喜式(えんぎしき)』という法制書によって「大、上、中、下」と等級が定められていて、伊勢神宮のある「伊勢国」は大和、河内、武蔵等と並び、13しかない「大国」の一角を占めていた。
だからそこの国司っつったらメッチャ偉いワケ。
で、その国司が変わった時に、地元の神社に赴いて神様にご挨拶をして回る。その参拝して回る神社の順番が厳格にキマっていたんだね。
もちろん、重要なところから訪れるのは言うまでもない。
その順番で一番最初に訪れる神社のことを「一之宮」という。
つまり、ココはかなり位の高い神社なんです。

20_2そして、この椿大神社は猿田彦大神を祀っている神社で、全国に2,000あると言われている「猿田彦神社」の総本社とされている。
伊勢市にも「猿田彦神社」があるが、「どっちが総本社か」ということに関しては意見が分れるところらしい。

30v猿田彦大神は「導きの神様」といって、大変重要な神様の一柱。
鼻がやたらと大きく、七咫(あた)あったという。「咫」というのは手のひらを広げた時の中指の先から親指の先までの長さだというから尋常な大きさの鼻ではない。
手塚治虫の『火の鳥』に出て来る猿田博士は猿田彦大神をモデルとしていることはよく知られている。
手前はムーピーの「タマミ」。
この『火の鳥<未来篇>』は衝撃的だったね。
話の最初の方で大国のコンピューター同士がケンカして核戦争が起こるでしょ。
コレ、まんざら空想ではなくなって来てるよね、最近。「ITと核」。
ホントにコンピューターもいい加減にした方がいいと思うよ。
コンピューターに話しかけて選曲の依頼なんかをしているCMを見かけるけど。大変ゾッとする。
自分の聴きたい音楽ぐらい自分で探して自分でかけろよ。
人間がドンドン、しかもものスゴイ早さでバカになってるとしか思えない。
大ゲサだけど、あのCMを見るたびに『火の鳥<未来篇>』を思い出す。

Sh 中に入ってみる。
神社に入る時はお辞儀をして、参道の左側を静かに歩く。

40vいいね~、この雰囲気。
こんな私ですらスガスガしい気分になる。

50本殿。
『火の鳥<鳳凰編>』の我王という主人公も猿田彦大神がモデル。
猿田彦大神は「道の神様」とも言われ、中世には「道祖神」とされた。
我王は道端の石に仏像を彫りながら日本国中を旅して歩くでしょう。それが道祖神になったんだろうね。
手塚治虫はそこまで考えてキャラクター設定をしているワケですな。
『火の鳥<鳳凰編>』には、その我王の支持者として吉備真備(きびのまきび)が登場する。
この神社にはその吉備真備が奉納したとされる獅子頭があって、獅子舞発祥の地とされているのだそうだ。
こういうつながりを考えたり想像したりするのは歴史を勉強する醍醐味。この上なく面白い。

60_2二礼二拍一礼…実は今我々が行っている神社の作法は明治時代にできたもので、古式ゆかしいモノではない。
本来は鈴も賽銭箱もなかった。
だからこうした由緒正しい神社にはそうしたものが設置していない。あ、賽銭箱はあるな。
驚いちゃったのは、この神社、ロケーションはお世辞にも良いとは言えないんだけど、三重県では伊勢神宮、二見興玉神社に次い3番目に参拝客が多いのだとか。
その数たるや年間150万人弱!ウッドストック3回分だぜ!

70_3屋根は銅板だ。
コレが何十年かすると、緑青が生えて見事な緑に変色し、貫禄と風合いを蓄える。

80_2結婚式をやっていた。
こういう祝儀に出くわすのは縁起がいいんだよ。

90_2続いてそのお隣…

100_2コチラは椿岸神社。

105v天之鈿女命(アメノウズメミコト)を祀っている神社。
アメノウズメは皆さんもよくご存知も通り、天照大神が天岩戸に隠れてしまった時に、外で裸になって舞い、八百万の神様に「ヤンヤ、ヤンヤ」と言わせ、「外はヤケに楽しそう…」と見事天照大神を天岩戸からおびき出した大功労者。
日本で最初のダンサーともストリッパーとも言われている芸能の神様。
その時に伴奏をしたのが「弦」という楽器。恐らくギターみたいなヤツでしょう。
世が世ならMarshallでその「弦」とやらを鳴らしていたところだろう。

110_2で、アメノウズメというのは猿田彦大神の奥様なんだね。
天宇受賣命を祀っている神社はたくさんあって、ココもそのうちのひとつ…ということになる。
120本殿の傍らにある「扇塚」。

130_2儀式や舞などに用いる扇は、古来神様を招き、奉るものとして芸道を志す者の心の寄りどころとされ。芸を磨いていく過程には欠かせないアイテムだった。
芸の道に終わりはなく、その扇に感謝と慰霊の気持ちを込めてこの塚が作られたのだそうだ。
芸の道を志す者は常に新たな気持ちで芸の修行や恵子に励み、感謝の気持ちを込めて古くなった扇子をココに納めるというワケ。

140_2しからば、ウチは塚ではないけど、エンタテインメントの世界が活発にになって、またロックが以前のようなクリエイティビティを取り戻し、ギター・ヒーローが生まれ、Marshallがよく売れますように…と…。
見たか、ブレッチリー!こっちはもはや神だのみだぞ!

2_2img_6949 境内にはカワイイ滝も。
「かなえ滝」といって、椿大神社にある滝から流れを引いているのだそうだ。
つまり夫婦でお揃いの滝なんだって。
今日の「私の〇〇」は以上。

150_3さて、帰ってきたぞ今池へ!

700_2 ∞Z、The BECK'sの気合いの入ったパフォーマンスに続いてステージに現れた4人。
いよいよ「スピンオフ四人囃子 #3」のスタートだ!

160_2岡井大二

170v坂下秀実

180v山崎洋

190vそして、根本要。
コレまで「スピンオフ四人囃子」は稲葉政裕、小野瀬雅生とフロントを迎えて来て、根本さんが3人目なので今回は「#3」となる。

200v大二さんのドラムでスタートする1曲目。
「♪ドゴストタン、ドコストタン」と大二さんがNATALで叩きだすヘヴィなワルツのリズム。
350「円盤」だ~!
Seしかし、何だろうね、この世界は。
いつも言ってるけど、音楽ってのは、シンガーの甲高い声でも、ギターの速弾きでもなく、バスドラムを踏むスピードでもなく、最終的には「曲」のクォリティに尽きるね~。
曲があってのテクニック。
いくら楽器がウマくても曲が良くなければ音楽としての価値はないでしょう。音楽は「万国ビックリショウ」でもなければ「ウップン晴らし」でもないんだから。
そういえば最近は「ヘタウマ」という言葉を耳にしなくなったね。
お金を取って人に聴かせる以上は「ウマく」なきゃダメ…だと私は思ってる。
「ヘタウマ」ってのは「ウマい」ということだからね。

330_ufこのイントロのギターのメロディだって日本のロック史に残しておかなければならないモノだぜ。

340v根本さんと一緒に歌っちゃった人が多いんじゃないかな?
ハイ、私はシャッターを切りながらシッカリと歌わせて頂きました。
周囲の人、ゴメンナサイ。
でも、こんなコンサートは1年に何回もないんよ。今年はこの後、外道があった。

360vステージ上手でもの静かに鍵盤をたたく坂下さん。
出している音は重要で味わい深いモノだ。

370v根本さんからご挨拶。
「皆さん、よくいらっしゃいました。普段はスターダスト☆レビューというバンドをやっている者ですけど…大先輩の大二さんと坂下さんに誘われました。普段は『ガンバって演奏する』だなんて絶対に言いませんが、今日は『ガンバって演りたい』と思います」

1_0r4a2829続いてはこのアルバム…『一触即発』から。

Sokuhatsu 日本で一番有名なシンバル・レガート…「おまつり」だ。
海外には1小節にも満たないドラムスの音で曲名を当てられるナンバーがあるでしょ。
ビートルズの「She Loves You」や「Birthday」、Steely Danの「I Got News」とか…。ヘタすると「Hey Nineteen」なんてスネア一発でわかるもんね。
「おまつり」の大二さんのドラムスはまさにソレ。
日本にはそういう曲がほとんどないんだよね。
PANTA & HALの「ナイフ」なんかはそれに当てはまるな。
210vそしてこれまた日本のロック史に残るギターのメロディ。

230_2眼前に広がるこの四人囃子の音楽!
ドバ~っと知的に、上品に四人囃子の世界になった。
ロックを聴いてて「日本人に生まれてヨカッタな~」と思うことができる数少ない機会だ。

220「♪何もすることがなくて 何もすることがなくて…」
どうしても一緒に歌っちゃうナァ。
バラ色のシャツも着ていなければ、本当はやらなきゃいけない仕事が山積みなんだけど…。
根本さんはチャンと赤いカーディガンを身につけていらっしゃる。

240v坂下さんのエレピの音がまた素晴らしい。コレじゃないとダメ。

250_2中間のハードなパートもバッチリ!キマった。

260_2そして根本さんの歌。
声質がバッチリですな。安心して、イヤ、ウットリして聴いていられる。
ところで、つい先日脳に小さな血栓が見つかり緊急入院が報じられ、ファンをヒヤっとさせた根本さん。
このコンサートからさほど時間が経っていない時期での出来事だったので私もメチャクチャ驚いた。
だって、あの打ち上げの時の元気で楽しそうな根本さんの姿と声が瞼と耳にこびりついていたんだもん!
でも、心配はご無用。
スターダスト☆レビューとして、6月27日には4年ぶりとなる39枚目のアルバム「還暦少年」をリリースし、7日に沖縄宜野湾からスタートした開催した野外ライブツアー『楽園音楽祭2018(全11公
演)』で本格復帰を果たされた。
また10月からは、そのニュー・アルバム「還暦少年」の全国ツアーが開催される…というバリバリのスケジュール。
とにかくお身体だけはご自愛頂きたいものです。

270v_2大二さんはNATAL。

280_2愛用のバーチ。フィニッシュはグロス・バーガンディ。

290_2スネアは曲に合わせて使分けていらして、今日は3曲目からNATALになった。

300山崎さんは稲葉さんとMarshall GALAに登場してくれた、このプロジェクトには欠かせないベーシスト。

310_2EDEN WTP-600とD410XSTを使って頂いた。

320v根本さんの四人囃子の思い出。
「高校生の時に初めて四人囃子を観ました。ミュージシャンにはとても評判がヨカッタけど、一般人には知られていなかったんですね。
そこで、コピーして熊谷で演奏していたんです。
みんな知らなかったので、ボクらのオリジナル曲だと思って聴いていてくれたと思います」
ズルだ~!
でもどれだけロックがまだ一般大衆に浸透していなかったを証明する話だ。
「四人囃子の曲は複雑です。覚えるのに苦労します。でもスターダストではそんなことはありません。必ずや演奏に不備が出るということで、助っ人を呼んでいます。
私の素晴らしき相棒を紹介します。私がガンバるのは、ココまでです」

2_s41a3699「西山毅!」

375v根本さんから「1978年の『包』のA面の1曲目」という曲の紹介。
「A面」という言葉で会場から笑い声が漏れていたが、「A面&B面」は大切です。
今となっては「面」どころか、CDやらジャケットまでなくなろうとしているんだから恐ろしい。
新しいモノが「すべて良い」とは限らないんですよ~!
Bao 『包』のA面の1曲目は「眠たそうな朝には」。
そう、スピヨンのいいところは森さん期とミツルさん期の曲の両方が楽しめることなの。

380_na西山さん、お久しぶり~!
西山さんは2001年に開催された『マーシャル祭り2』にご出演して頂いたり、楽器屋さんやスタジオ主催のMarshallのセミナーなんかでよくご一緒させて頂いたんです。

390v今日の西山さん、ASTORIA CLASSIC他をお弾き頂いております。

400_2足元の様子。
右端のヤツなつかしいね。私、コレのスイッチ・ボックスを持ってますわ。

410これまた根本さんの声が曲にピッタリなんですよ。

420この曲って歌のパートが14小節でできているんだよね。
「歌」としてはシンプルなんだけど、恐ろしくドラマ性が強い。
コーラスとコーラスをつなぐ器楽のパートがバラエティに富んでいるからだろう。
まるでミュージカルを観ているみたいに舞台と物語が変わって行く。
あ、コレも大二さんの冒頭の「♪ドコドン」というドラム・フィルで曲がわかるわ。

430ギターのかけ合いパート…

1_0r4a2779今回の楽しみのひとつ…西山さんの完コピ具合。
西山さんは覚えていらっしゃらないだろうけど、ずいぶん前にどこかの楽屋で「哀しみの恋人たち」の弾き方を教えてくださったことがありましてね。
もうスゴイからね、几帳面で、正確で。
でも、コレぐらいじゃなきゃプロは務まらんよ。
そして、今日は四人囃子の音楽のギターのパートをどれだけホンモノと同じに、あるいはそれ以上に弾いてくれるか!…シカと楽しんでおります。

440vそれとベース・ラインがヤケクソにカッコいいんだよね。

2_s41a3242 「私は一部間違えてしまいました。西山君はどうでしたか?完璧でしたね~!」
イエイエ、根本さんもバッチリ!
「60を過ぎた頃からかなり得意分野でも物忘れが出て来ましてね…お客さんに指を差されないようにしようと思っています」
そう、得意の分野でも固有名詞が出て来ないことがあるんですよね~。昔はこんなこと絶対になかったのに~!

1_0r4a2724更に次の曲を根本さんが紹介する。
「次の曲はまたアルバム『包』からです。お気に入りのアルバムってことではないですか?
あ、今日のセットリストは岡井大二さんがキメてくれました。ボクはそのセットリスト通りに紹介しているだけです。」

Bao_2 実はね、このアルバムってライナーノーツに「Marshall」がクレジットされてるんだよ。
ヘヘヘ、一番上だぜ。
そして、このアルバムの2曲目の「君はeasy」の作者は大二さん、
大二さんのポップ感覚が窺えてすごく興味深いな。

2_2img_6951 さて、印象的な坂下さんのキーボーズから始まるのは「機械じかけのラム」。
私も大スキな曲で、Marshall GALAの時にリクエストさせてもらいました。

460v_lmこの曲も大二さんのシンバル・レガートがカッコよくてね~。

470vホントにコレなんか日本のロックにごくごく稀にしか誕生しない破天荒にカッコよい曲だと思うんだけど。
歌詞もいいよね。
1978年時点でコンピューターをテーマにしてる。
Pantaさんも1977年当時、「HALのテーマ」でコンピューターを題材にしてるんだよね。
やっぱりミュージシャンはこの頃から時代を先取りしてそうしたテクノロジーが気になっていたんだろうな。

490_2ホントだ。
西山さんが説明してくれたんだけど、この曲のイントロ。
AのペダルトーンでG69とBb69かな?
基本はこの2つのコードの繰り返しになってるんだ。
コード自体の音程が上がって行くのかとばかり思っていたけど、ドンドン音が積み重なっていくだけだったのね。

480_2「Machine Work 'RAM'」なんてタイトルもいいよね。
「時計じかけ」は「オレンジ」。「機械じかけ」は「ラム」。もちろん「Random Access memory」の「RAM」に引っ掛けている。イヤ、反対か?
果物の「rum」を引っ掛けてるんだね…お酒もあるだけに?(←「ラム酒を引っ掛ける」というシャレになっています)
今日の前半に手塚治虫が出て来たのでもうひとつ、「機械仕掛けのりんご」という社会派のマンガがあった。アレも面白かった。

500ココで『Printed Jelly』から1曲。

Jellyミツルさんのプレをイ完コピされている西山さんのギターがまず耳を惹きつける「昼下がりの熱い日」。510v_hsコレもいい曲だよね~。
坂下さんの作品。
560_2根本さんの歌が最高に映える。

520v「♪時計を遅く進ませて」とか「♪雨の音 遠くで緑に聞こえたら」なんて面白い表現だ。
でも昔から「♪空の中から落っこちて」の「落っこちて」という言葉のリズムがモノスゴク耳に残るのです。

530この曲の聴きどころのひとつは最後に出て来るミツルさんのギター・ソロ。
スタジオ・バージョンもかなり凄まじいんだけど、この『From the Vaults』に収録されている1977年のFM東京でのプレイが輪をかけて凄まじいと来てる。

2_img_6957 そして、西山さんのソロ!
新宿のリハーサルでお会いした時「あのソロは完コピでやるんですか?」と尋ねた。
「イヤ~、やろうかとも思ったんだけど…」なんておっしゃっていたけど、結果はモロに西山さん。
新東名を突っ走るスーパーカーのようなシャープなソロでゴキゲン極まりなし!

540vこうしたミディアム・テンポの曲でもバツグンのロック・グルーヴを聴かせてくれる大二さん。
やっぱり最高のドラムスだ。
大二さんがNATALを叩いていらっしゃることを誇りに思う。イヤ、自慢かな?

570_2四人囃子の詳しい情報はコチラ⇒①Official Web Site ②facebook

580<後編>につづく

 

200_2

(一部敬称略 2018年5月12日 名古屋Bottom Line他にて撮影)

2018年7月 9日 (月)

スピンオフ四人囃子 #3 <前編>:The BECK's と∞Z~私の有松

 
今日は新記録出しちゃいます。
 
チョットいくらなんでもこんな入り方はどうかと思ったんだけど、「もうココに載せるしかない!」と思って、出だしはまさかの成田空港。

10到着ゲートのところにいつも必ずいる『YOUは何しに日本へ』のスタッフの方々。
大変なんだってね~。アレ、取材がOKになる人を捕まえることができる確率の低さと言ったら中途半端ではないとか…。100人単位に1人いるかいないか以下らしい。
ナニを基準に声をかけているのかは知らないけれど、この日も彼らをしばらく見ていたけど、適当なターゲットすら見当たらないらしく、ゲートから出て来る客の姿をボーっと見ているだけの感じだった。
そんだったら私に訊いて欲しいね…「Youは何しに成田空港へ?」って。

20「あ、私はイギリスへ帰る社長夫妻のお見送りに来たんです」ってのが質問の答え。
かつてウチの社長はVirgin Atlanticを使っていたんだけど、日本航路から撤退してしまったのでイギリスの航空会社のチョイスはもうBritish Airwaysしかない。
このBritish Airwaysの日本からの出発時間が朝の9時なもんだから、いつも6時にホテルへ迎えに行って成田へ送り届けている。
2時間前のチェックインを目指すとなると、時間の余裕が皆無となる。
コレがいつも心配なのよ。
もし京葉道路で何かがあって、大渋滞なんてことがあったら、飛行機に間に合わなくなっちゃうからね。
かといって、安全を見てあんまり早く迎えにいくワケにもいかないし…。
車だと結構あるよね~、成田空港って。
おかげさまでこの日も何事もなく無事に社長夫妻をお見送りして、「さぁ、行こう」と駐車場への渡り廊下があるターミナルビルの2階に上がってコレがあることに気が付いた。
「Anime Tourisum」という展示。

30ナニかと思ったら、要するに私が『イギリス-ロック名所めぐり』でやっていることと全く同じ。
アニメに出て来るスポットを実際に訪れてみよう!という観光案内。

60どこが何のアニメに出て来るのかはサッパリわからないけど、この「アニメ名所探索の旅」のスタートはココ、成田空港。
ナンカやることがウマいね。

65v「札所ポイント0」だから。
まずはココで記念のスタンプを押すワケよ。

50vそれがコレ。
「名所」じゃなくて「アニメ聖地」だった。
完全にお遍路さん状態。

55それぞれの聖地へのルートが示してある。
コレは空港や千葉近辺の案内。

70コレは神田明神だって。

80コレは横須賀。
面白いのは起点が全部秋葉原になってんのよ!
つまり「秋葉原からどう行くか」…ということが記してある。
スゲエな、秋葉原。聖地どころの話じゃない。『私の秋葉原』とは似ても似つかない。

90聖地の写真もそれぞれ飾ってある。
コレ、つい自分の知ってるエリアを探しちゃうね。

110神田明神の写真。
一体何というアニメに出て来るんだろう。皆目見当がつなないな…。全部「セーラー・ムーン」に見える。
ちなみにウチの両親は神田明神で結婚式を挙げた。

100パンフレットも立派。
日本語、英語、中国語で用意されている。
よくテレビのCMなんかで「英語が話せれば〇億人とコミュニケートできる」なんてやってるでしょ?
母国語として世界で最も離されている言語って「何語」だか知ってる?
中国語なんだよね。
次いで英語、スペイン語、ヒンドゥー語と続く。
中国語は国連でも公式の原語に定められているし、コレからは中国語ですよ。
私は英語をマスターしたら中国語をやろうかな…イヤ、もう私の人生内では間に合わないな。

56当然フィギュアの展示もある。

120v『ラブライブ!』は知ってますよ。

130主役の声優さんのライブではショボンちゃんがNATALを叩いてるからね。

120_2 『文豪ストレイドッグス』も知ってる。
GRANRODEOだもん。

140それとガチャガチャが完備している。
コレもいいアイデアだよね。
普通はコインは母国にに帰っても両替することができないので、日本から離れる前にアニメ・ファンの観光客は硬貨を全部コレにつぎ込んじゃうらしい。
我々にしてみれば、コインをかき集めて飲むヒースロー空港のエールみたいなもんよ。
まぁ、ホントにアニメの力ってのはスゴイよ。
 
…とイントロはここまで。
この話題をどこで出していいのか考えていたんだけど、今日の記事に載せるのが一番いいと決断した。
この後にどうつながるかというと、社長夫妻に別れを告げて、その足で成田空港から今日の記事の舞台となる名古屋へ向かったのだ! 40行くぞ名古屋~!…と張り切って京葉道路から新東名をブッ飛ばしたのはいいんだけど、エラく遠い。
決して走り慣れていたりするワケではなないが、「遠い」感が中途半端でなはい。
考えてみたら「成田⇒東京」間の80kmが加算されてたのね。調べてみると「東京~彦根」間か…。井伊さんのとこだな。

2_drive 名古屋に向かっている途中、Concerto Moonがell.SIZEに出演する情報をキャッチ。
ELLの平野さんともずいぶんご無沙汰していたので、ノンちゃんに会うためにまずは大須へ向かった。
ま、大須に向かったのにはもうひとつ理由があったんだけどね。
その理由は今シリーズの<後編>で解明する。

150ノンちゃんと1枚。
ホントはライブを観て行きたかったんだけど先約があったので断念。
前の会社を辞める時にELLにお邪魔して以来だから、平野さんにも6年ぶりぐらいにお会いしてご挨拶させて頂いた。

160実は、大須へ行く前にもう1ヶ所立ち寄ったところがあった。
「有松」というところ。
ココは名古屋市の南東になるのかな?
1560年、戦国時代の転機ともなった、織田信長と今川義元が一戦交えた桶狭間のすぐ近くというロケーション。
なんでそんなころへ行ったのかというと…。

170コレ。
古い町並み。

180ココは「有松しぼり」で有名なところね。

185スゴイんだわ~。
重要文化財級の古民家がゴロゴロしてる。
しかも、訪れた時間がチョット遅かったせいか観光客はゼロ。

190コレは有松絞りの開祖といわれている竹田家の住宅。

210何でも14代将軍、家茂がココの「裁松庵」と呼ばれる茶室を訪ねたとか。
江戸末期の1862年(私が生まれるたった100年前!)、「公武合体」ムーブメントの中で和宮親子内親王が家茂に降嫁し、翌1963年、家茂は3,000人を率いて229年ぶりに上洛した。つまり徳川将軍が229年ぶりに京都へ行ったっていうことね。
その時にココに寄ったのだろう。
ナニせ、この前の道は東海道だからして。

230チョット脱線。
一方、その前年に将軍家へ嫁いだ和宮様は京都から江戸へ引っ越す際、中山道を進んだ。
中山道は大井川のような大きな川を渡る危険個所が少なく、かつ外敵に狙われにくいというのがその理由だった。
下の写真の山道を30,000人で行列したという。(コレは人間椅子さんの回でやりましたね)

430v_2こんな山道を30,000人がいっぺんに歩いてごらんなさいよ。行列は50kmに及んだという。
和宮様は有栖川宮熾仁親王との結婚が決まっていたんだけど、岩倉具視らの「公武合体(朝廷と幕府が仲良しになること)」派の動きで身を挺して幕府に嫁いだ。
でも家茂と和宮様はすごく仲がヨカッタらしいね。

2_0r4a7713 しかし、竹田さんち、できゃー!
この塀見てよ!
ズッと向こうまで竹さんの家だよ。

240岡さんの家。
江戸末期の有松絞り問屋の典型的なつくりらしい。
かなり当時のまま残されている。

260小塚さんの家。
コレも典型的な有松絞り問屋の形式なのだそうだ。
卯建(うだつ)が付いているところがカッコいい。

280ん~、どの家も素晴らしい。

250郵便受けだってシャレてるよ。

270vこの松の木もスゴイ。

290傍らに「東海道五十三次二代目松」という碑が立っている。
何でもこの松は、東海道が開かれた当時からここに生えていた樹齢300年の松…からエキスを採取して育てた松なのだそうだ。
要するにクローン。

300v松のすぐそばに立てられている梅屋鶴壽という人の歌碑。
「あり松の 柳しぼりの 見世にこそ しばしと人の たちとまりけれ」
「あり松」の「松」はこの松に引っ掛けてあって、柳と対になってるんだね。
行き交う人がお店に飾ってある有松絞りの美しさに目を奪われて立ち止まってしまう。有松はそんなステキなところさ…ぐらいの意味かしら?
この梅屋鶴壽という歌人は神田佐久間町の出身なんだそう。
神田佐久間町は今の秋葉原のイケベ楽器さんがあるあたりね。

310イヤ、とにかく見ごたえがありますよ。
ガラガラだし。

320お、銅板。

330東京に残る銅板建築は関東大震災の火事に凝りて、防火を目的に木材を薄い銅板で覆っているんだけど、この銅板建築って、地方ではまず見かけないんだよ。
ナゼって家屋が密集している東京とは火事のコワさの度合いが全く違うから。
多分ココも同様で、飾りで戸袋に銅板を貼り付けただけなのではなかろうか。
今は緑青が生えて緑色だけど、取り付けた当初はゴージャスな赤銅色をしていて相当目立ったに違いない。

340見て、この雨樋(あまどい)。
古い家屋って、こういうディテールがいいんですよ。

350v瓦のデザインなんかも実に味わい深い。

360コレはなんだろね?
1_0r4a2088コレが今歩いて来た旧東海道ね。

370上の写真の左側の茶色いトタンの家屋がコレ。
昔は薬屋さんだった。

371今は有松絞りのショウルームみたいになっている。
チョット覗いてみた。

372藍だね。
以前、チョット書いたけど、藍に携わる仕事は極めて過酷で、「藍百姓」といって年貢にあえぐ一般の農家ですら「セーフ!藍じゃなくてヨカッタ」と思わせたらしい。
チョットその仕事の内容を見てみると…。
2月上旬に苗床を作って種をまく。それから何回も何回も間引きをし、施肥をする。虫よけのためにタバコの茎の汁で苗を撫でて歩くという単調極まりない仕事を繰り返す。
苗がある程度育ったら、本畑へ苗を移植しなければならない。その前の本畑を整備する作業がツライらしい。
本畑に移植した後、3回根踏みをし、畑に水を引いたり、何度も施肥を繰り返さなければならない。
そして害虫駆除に当たっては、ホウキを使って葉の1枚1枚を撫で払う必要があり、コレが気が遠くなるほど根気の要る作業だった。
また搗(つ)いたタバコの葉の粉を撒いて害獣駆除をする方法もあったが、タバコの粉は鼻や喉をひどく痛めるので、これも相当ツライ仕事だったのだそうだ。
刈り取った藍はその日のうちに茎や葉をナタで同じ長さで細かく刻み、翌朝からはその細かい藍を打ちほぐさなければならず、この間しばらくは不眠不休で作業をしなければならない。
要するにヤケクソに手がかかる商品だったということ。
デューク・エリントンはこのことを知っていたのであろうか?とても「Mood Indigo」なんて言ってる場合じゃないのだ。
…とそんな話をこのギャラリーの女性店長に話すと、さすが、よくご存じだった。
それどころか、その方は邦楽とロックを合体させた音楽をクリエイトしている集団との関わりがあって、私がMarshallの人間であることを告げるといよいよ話に花が咲いてしまった!

373ギャラリーの内部はまだ薬屋の造作を保存していて、コレがまたエラくカッコよかった。

374昔の薬屋ってこうだったよね。

375今度は駅前の道をはさんで反対側に旧東海道を進んでみる。
1_0r4a2110コチラ側も負けてはいない。

390この家はかなり立派ですよ。

400なんとならば、卯建が付いているから。

410vよく「ウダツの上がらない男」とか言うでしょ?
この屋根に垂直に設置されている小さな壁のことを「卯建(うだつ)」といって、ある程度の財力がある家にしかコレが付いていなかった。
だから、甲斐性のない輩のことを「卯建が上がらない」と表現した。
コレ、何のために付いているかというと、延焼を防ぐための火除けだったのね。一種の防火設備。
この屋根がカッコいいよね。

420v服部さんの家。
「服部」さんというぐらいだから元々服の職人だったんだろうけど、ココでは屋号を「井桁屋」といい、やはり絞り問屋だった。
見事な蔵だネェ。
470壁の下の方が海鼠壁になっているのも防火対策のひとつ。
蔵に関する落語に「鼠穴」という人情噺があるんだけど、チャンスがあれば是非聴いてくだされ。
「夢は土蔵の疲れなり」なんてね。スゴクいい噺です。

440鬼瓦も立派!

430v「井桁屋」だけあって、瓦には「#」のような井桁の紋がついている。
この服部さんの家は有松を代表する建築物とされているのだそうだ。

480反対側も大変立派な建物ばかりでどこもかしこも見ごたえ十分!

450

460

490ここにも銅板。
やっぱり戸袋だけだ。

520この道が東海道であったことを示す碑。
でも有松は宿場ではなかった。
有松は東海道39番目の宿場、池鯉鮒(ちりゅうじゅく)と40番目の鳴海宿の間にあった「間宿(あいのしゅく)」と呼ばれる集落で、宿場と異なり間宿には宿泊することが許されず、旅人が休憩をしていくエリアだった。

530v 有松絞会館の裏手にあるかなり立派な碑。

500c有松絞りの開祖といわれている竹田庄九郎の碑ですって。

510v マンホールのフタも絞り風だよ。

550コレは「きょうか」という駄菓子屋さん。

560ウインドウには何やら懐かし気なモノが並んでいる。

570ウインドウにあった張り紙。
「ばっちゃんは、しばらくお休みをさせてもらっていましたが、体が悪くなってしまい、お店を続けていくことができなくなってしまいました。
今までしんせつにしてくれたみんなに会えなくなってしまいさみしいですが、駄菓子きょうかを閉店することにしました」
チョット~、ヤメてよ~。ホロっと来ちゃうじゃんか!
駄菓子屋って必ずバアさんなんだよね。
私は小さい頃、実家の近所の「金子」と呼ばれる駄菓子屋によく通った。
別に看板が出ているワケではなくて、普通の家の一角で営業していたので、表札を見た誰かが「カネコ」と呼びだしたんだろうね。
金子のバアさんも江戸時代に生まれているんじゃないか?と思うぐらいシワクチャだったナァ。
当時、まだ1円とか2円の商品がゴロゴロしていて、アンズの甘露煮が3つ刺さっていた串が最初の頃は1本2円だった。
私はコレが大スキで、2円ずつ払って食べていたら、そういうことにはダイナミックな母が「そんなチビチビ買って食べるのはみっともないからヤメなさい。箱ごと買っといで!」と数百円渡してくれた。
早速カネコへ箱入りのアンズを買いに行くと、そんなことをする子は他に全くいないので、バアさん、「いいのかい?」なんて目をシロクロさせてブッたまげていた。
50年も前の話…こういうことはよく覚えているんだよな~。
もうカネコはとっくの昔になくなっちゃったけど、あのバアさん、今生きていれば130歳ぐらいかな?まだ顔も店の様子もハッキリ覚えてるわ。

590vソロソロ有松の町に別れを告げようかと思っていたところ…

600良さげなパン屋を発見。
パンもさることながら、家の中が見てみたくて買いに入ってみた。

610おお~。

620v雰囲気満点!

625v多分ここはお屋敷の下働きをする人たちの居住スペースだったんだろうね。
かまど…こっちでは「へっつい」かな?…があったり…

630井戸があったりいい感じ。
「へっつい幽霊」はメチャクチャ面白い噺だよね。

640店の奥にある窯。

650「どうぞ、どうぞ」と中を見せてくれた。

660v屋根にはこの窯に直結した煙突が飛び出していた。

670vあ~、堪能した!
最高に面白い町でありまつた!380以上で『私の有松』は終了。
ココから本題だでね。
やって来たのは今池のライブハウス、THE BOTTOM LINE。
久しぶり~。
2015年の1月以来。
ココはいいよね~。
とても好きなハコ。

700_22階に上がる階段の壁に飾ってある、ここで演奏したジャズ・ミュージシャンの写真がまずうれしい。
そして2階の楽屋…面白い話を聞いちゃったんだ~。
ソロモン・バークって知ってる?
「The King of Rock & Soul」の異名を取る、ミック・ジャガーやヴァン・モリソンに大きな影響を与えたR&Bの超大御所黒人歌手。
2010年に日比谷野音で開催された『ジャパン・ブルース&ソウル・カーニバル』に出演するために初来日した。
この時、私はシーナ&ロケッツの取材でお邪魔していたのだが、いつもMarshall Blogに書いているように、私はジャズ以外の黒人音楽をほとんど聴かないので「キング・ソロモン」と名前を知っているものの、シーナ&ロケッツの出番が終わったところで失礼しようと思っていた。
ところが、鮎川誠さんが「絶対に観ておいた方がいい」と博多弁で猛烈に勧めてくださり、最後まで残ることにした。
スゴかったね。
コレが人間の声かッ?というぐらいの圧倒的な歌唱力と説得力、そして最高のショウマンシップ…最後まで鳥肌が止まらなかった。
それで、キングは野音の後、大阪と名古屋を回った。
名古屋公演の会場はココ、THE BOTTOM LINE。
キングは一時期は体重が180kgを越したこともある巨漢で、晩年のチャールズ・ミンガスのようにもう自分の足では歩行することが難しく、車椅子を使っていた。
そんな巨漢だからして、当然使用する車椅子も規格外にデカい。
そこで、プロモーターのスタッフは車椅子のサイズの情報を得て、キングが不自由を被らないように行く先々のエレベーターや出入り口の寸法を前もって測ったっていうんだよね。
すごいナァ、プロは!
大きな車椅子といえども、意外にどこでも通過できることがわかったのだが、ただ1カ所だけどうしても通り抜けることができないポイントがあった。
それが下の写真。
ボトムラインの楽屋の入り口。
ドアの部分自体は通過できるのだが、内側の作り付けのテーブル(写真左)とソファの間隔が狭く、ナニをどうやっても車椅子が通過できないことがわかった。
作り付けのテーブルを壊して取り除いてしまえば通行に関する問題はすべて解消するのだが、まさかソレ1回だけのためにそうするワケにもいかず…。
で、どうしたか…。
「The King of Rock & Soul」は出番の時以外、ズット楽屋の外にいたんだそうだ。
知らない人はビックリしただろうナァ。バカでかい黒人が車椅子に座ってエレベーターホールにいるんだから。
キング・ソロモンは2010年、オランダのスキポール空港に向かう飛行機の中で亡くなってしまった。
結果、ソロモン・バークはロイ・ブキャナンやローウェル・ジョージ、リック・ダンコと並んで私の「観ておいてヨカッタ!」リストの上位に入っている。
鮎川さんにはホントに感謝している。

710さて今回、新東名をブッ飛ばしてはるばる名古屋にやって来た用向きは昨年1月にリリースしたアンソロジー『錯』も大好評だった四人囃子。
名古屋在住のある人の熱意でココTHE BOTTOM LINEで四人囃子がよみがえったのだ。
タイトルにある最近よく聞く「スピンオフ」というのは「副産物」という意味。
「番外編」みたいな意味で解釈されることが多いみたいね。
会社がある部門を独立させて子会社にすることなんかを英語で「spin off」という。
もちろん「spin」というぐらいだから、グルグル回って、その遠心力に耐え切れなくなってブチッと本体から切り離されちゃうイメージが語源だそうだ。

Sk定刻になりステージに登場したのがその「ある人」、野田欣志。
「こんばんは!スピンオフ四人囃子のライブにおいで頂きありがとうございます。
2014年、4年前に四人囃子はデビュー40周年を迎え、東京と大阪で記念ライブをする計画がありました。その時、ゼヒ名古屋でも演ってください!とお願いしたんですが、佐久間さんが亡くなって、結局そのプラン全体がなくなってしまい、そのまま現在に至っています」

720「しかし、今回そのライブが実現することになりました。サポート・フロントで根本要さんが参加され、西山毅さんも来てくれました。
リハを拝見したんですが震えるぐらいスゴかった!
その震える思いは最後にとっておきましょう!」
野田さんの四人囃子への情熱で実現したコンサート。
会場は超満員!ご盛会おめでとうございます。
まず、最初にステージに上がったのは…

730東北出身の3人によるトリオ、∞Z(ゼロゼロゼット)。
福島で2016年に開催したワンマン・コンサートでは1,700人を動員したという人気チーム。
1976年、四人囃子が出演した郡山で開催された伝説のロック・フェスティバル、『ワンステップ・フェスティバル』にちなんで福島から招聘したのだそうだ。
17歳の時にそのフェスに参加した野田さんの計らいだ。

740ボーカルズ/ギターのERIKA。

750vベースのKenji Sato。

760vドラムスはShingo Katagiri。

770v「フュージョン・ポップ・パワー・トリオ・バンド」というスタイルを標榜するこのバンド、確かにそんなサウンド。
え~、このタイプの音楽を3人で演っちゃうの?って感じ。
「こんなタイプの音楽」っていうのは、いわゆる「シティ・ポップス」っていうのかな?
普通だったらキーボーズがいるのが当たり前という雰囲気の音楽とでも言おうか?
それを緩急自在にギター・トリオで演っちゃう。

790ERIKAちゃんの個性的な声。

800高度な技術を駆使した厚みのある演奏。

810そう、アンサンブルが強力なんだよね。
とても3人演奏している感じがしない。

820MCでも大いに笑いをゲットして、この記念すべきコンサートの幕を華々しく切って落としたのであった!
ちなみにドイツ人は「0 0 Z」を「ぬるぬるツェット」と発音するハズ。

∞Zの詳しい情報はコチラ⇒The Official Website ゼロゼトゼット

830続いてステージに上がったのはThe BECK's。
名前の通り、ジェフ・ベックの音楽を追求するバンドだ。

840ギターというか、ジェフ・ベック担当は冒頭にご挨拶をされたこのコンサ―トの主催者、野田欣志。

850v今日は1959と1960BX。
そう、ジェフはBキャビしか使わないからね。
野田さんはClass5なんかも愛用してくださっている。
おお~っと!それと、いつもMarshall Blogを応援してくださってるのだ。

860v足元のようす。

870ドラムスは古山哲。

920v使用するNATALは大二さんのバーチのキット。

1_0r4a2523 サイド・ギターの宮脇貴博。

880v宮脇さんはDSL20Hと1960A。
ハイ、宮脇さん座布団1枚。
Marshall BlogにDSL20Hを持ち込んだのは宮脇さんが初めてです。

890vベースはサポート参加の河童。
あ、チガウ!

2_2kappa ベースは藤田亜沙子。
ニックネームが「Kappa」さん。

900vEDEN WTP-600とD410XSTを使用。

910vそして、ゲストで参加したのは松川純一郎。

930vオープニングはおなじみ「Superstition」。

940ノッケから野田さんのジェフ節炸裂!

960v「ジェフ・ベックはインストゥルメンタル曲が多いが、そればっかり演っちゃうとお客さんが引いてしまう…」ということで今回はすべて歌モノのジェフ・ベックでセットリストを構成したという。
そこで松川さんのボーカルズが大活躍!
2曲目は「Drifftin'」。

950vココでいかに私がジェフ・ベックに疎いかが自分の中で露見するのだ。
この曲のレコーディングではウィル・リーと共演してるのね?
作曲はジミ・ヘンドリックス。

990続いては、ジミつながりでおなじみ「Little Wing」。

970v「Little Wing」はジェフのライブの重要なをレパートリーだ。
そんなジェフの愛奏曲を歌うように弾きまくる野田さん。
以前、広規さんのkoki Tetragonがツアーを終えて、そのレポートを兼ねたライブをやったんだけど、MCで窪田晴男さんが「名古屋にジェフ・ベックそっくりな人がいて驚いた」なんておっしゃっていた。
それが野田さん。

980ココで野田さんが四人囃子の思い出について語る。
「ボクが高校生の時にレコード・デビューを果たし、四人囃子が今はなき勤労会館にやって来ました。東京の大学に行っていた友達のお兄さんが『観た方がいい!』と勧めてくれて観に行きました」
インターネットなんてない時代だからね、年上の人からの情報はとても貴重だったんでしょう。
当時は神様のような存在だったそうしたミュージシャンたちは当時20歳ぐらいで、野田さんは17歳。もっと年上だと思っていたという。
わかります。ソレ、すごくよくわかる。

1050そして、郡山で『ワンステップ・フェスティバル』が開催されることを知り、当時のロックを演っている人たちが全部出てるな…と思って観に行ったという。
コレもわかる。
当時、ロックはまだマニアックな音楽でバンドの数もそう多くなかったからね。大人の趣味のひとつだった。
パンク/ニューウェイブの後、80年代に入ってロックがビジネスになり出すと様子がガラっと変わってしまった。
若い人はこのワンステップ・フェスティバルに出演したバンドの音楽を聴き比べてみるといい。今、いい感じで音源がリリースされてるでしょ?
若い人たちはそれを聴いて、どのバンドも替えのきかないオリジナリティのカタマリであることを知るだろう。
海外のロックに追いつけとばかりに、人がやらないことを考えて独自性を競った時代のロックだ。
今の若いバンドさんを見てると、「人と同じこと」をやるのに必死になっているとしか思えない。そして、武道館が上がりの「バンド双六」をやってる。
野田さんの思い出話は続く…。
フェスティバルの初日のトリがジュリー。
2日目が四人囃子だったそうだ。
宿泊ってどうなってたんだろう?テント?
ロックのコンサート・イベントとしては「日本のウッドストック」みたいなものだからネェ、うらやましいね。私は生まれて来るのが5年遅かった。
そして、ナント同じ時間、同じ場所にこの後に登場する根本要さんもいらっしゃったというのだ。
「このことが自慢です。今日、このイベントを開催することができて本当にうれしくて…。
リハーサルを見ていてうれしくて泣いてしまいました。皆さんも泣きますよ!」
感動のMC!

1060vドラムからスタートしたのは「Rough Boy」。

1150vコレはZZ Topの曲なのか!
自慢じゃないけどゼンゼンわからないな。
でも、ビリー・ギボンズにはロンドンで1回会ったことがあるんだけど、私なんかにも気軽に声をかけて来てくれるすごく感じのいいおジイさんだったよ。ダスティもとても気さくな方だった。

1000もちろん野田さんと松川さんのギター・バトルもバッチリ。
ベックとSRVの共演か?それともジェフとビリーの共演か?
いずれにしてもゴージャスな組み合わせではあるまいか!

1070野田さん、楽しそう!

1100イヤ、2人ともギターを弾く楽しみを存分に味わってる!
2_s41a3204その2人を安定した低音で支える亜沙子さん。
コレを機にfacebookで友達になって頂き、やりとりをしてビックリ。
ジャズを大変よく聴いていらして、今般発売になったジョン・コルトレーンの未発表音源はCDもLPもゲットされたという。

1010_2それだけではなくて、彼女はKYOW-YAというSHOW-YAのコピー・バンドをされていて、10月20日にはell.FITS ALLで『NAONのNAGOYA』という一大イベントを今年も開催する。
おもしろいな~。
「尾張名古屋は芸どころ」っていってね。とてもお盛んでよろしいな。
 
NAONのNAGOYA 2018の詳しい情報はコチラ⇒facebook

1020vキタキタ~!定番の「Going Down」!
イケイケ、宮脇く~ん!Marshallがついてるぞ!

1040ココはもう皆さんに弾きまくっていただかないと!

1080いつかも書いたけど、ジャムセッション最強の曲のひとつだからね。

1090The BECKSのステージを締めくくったのは「Purple Rain」。
1110vこの曲はKoki Tetragonでも取り上げている松川さんの自家薬籠中の曲。
それだけに実にシットリと滑らかな演奏が展開した。

1120v

1130v

2_s41a3217

1045v思い入れタップリの舞台で充実の6曲を演奏した野田さん。
そして、この後はスピンオフ四人囃子。
1160v_2今日は最高の1日ですね~!…ニンマリ。

2_s41a2983 The BECK'sの詳しい情報はコチラ⇒The BECK's - JEFF BECK BOOTLEG NAGOYA - 

 
さて、冒頭でチョット触れた「新記録」ね。
何のことかおわかりになりましたか?
「いつになく長い記事だな…」とお思いになられた方、ほぼ正解。
本日掲載した写真の数は131枚。
80枚台は過去に何回もあるんだけど、100超えは今回が初めてのことだったのです。
最後までご高覧ありがとうございました!…イヤイヤ、このシリーズまだこれからですから!
 
四人囃子の詳しい情報はコチラ⇒①Official Web Site ②facebook

1170<中編>につづく

 

200_2

(一部敬称略 2018年5月12日 名古屋Bottom Line他にて撮影)