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2016年8月 5日 (金)

"Cafe de Player vol.1"~Inaba Plays Les Paul with ASTORIA編

さて、休憩をはさんで「Cafe de Player vol.1」の後半はレスポール様のお出まし!
昨日紹介した高崎さんのギターコレクション本と同時に「Player別冊」として上梓されたのが『The GIBSON Les Paul Stadard 1958-1960』というレスポールの写真集だ。

20vプレイヤー・コーポレーションの田中社長が編んだ、ロックの歴史を刻んだ名器の写真集。
しかも、「スタンダード、1958~1960年製」と的を絞った凝りようだ。

30v高崎本同様、「超」がいくつもつく労作だけあって、思い入れタップリに内容を解説する田中さん。ん~、確かにレスポールってのはいいもんだ。
高級感があって、いかにも「貴婦人」というイメージが漂うもんね。
そして、このフィニッシュの風合い。
Philp CatherineのカスタムもFrank Zappaのデラックスもいいけど、レスポールといえば、やはりスタンダードにトドメを刺すだろうナァ。
Tal Farlowに「Gibson Boy」なんて曲もあるけど、いつの時代も憧れだ。
ワタシャ、ニューヨークで生前のレス・ポールに会って、自分のレス・ポールの写真を見せて、本人と握手したのが自慢なのだ!レスは生涯来日しなかったからね。

35素晴らしい写真の数々はPlayer誌で長年活躍されている大谷十夢治さん。
同誌の売りでもあるセンターフォールドの写真でおなじみだ。
ゲストで登場。
高崎さんのギターの写真も大谷さんの手によるものだ。

40田中さんに撮影の心がけを問われると…「偉そうに写るように撮る」とのご返答。
わかるな~。自分なりにすごくよくわかる。
私はライブの写真を撮る時、ミュージシャンに畏敬の念を込めて撮っているつもり。だから老若男女を問わずミュージシャンには偉そうに写って欲しいといつも思っている。
ま、タマには撮るけど、最近やたらと見かけるお客さんが暴れている様子の写真なんかどうでもよくて、ミュージシャンが音楽をクリエイトするその作業の崇高さをひたすら写したいと思っているのだ。

50vそして、御大の登場!
田中さんが手にしているのは、1959年製のレスポール。
さすが田中さん、シレっと何でもなくお手にされているが、時価3,000万円は下らないと言われている世界の逸品だ。イヤ、もっと値が張るのかな?
この59年のレスポールというと、いつも思い出すことがある。
20年近く前にLAのギター・センターに行った時のことだ。
高級ギターのコーナーの壁に立派なアクリル・ケースに入った59年製のレスポールが展示されていた。
値段を記した小さなプレートに目をやると、「Formerly owned by Mick Ralphs」みたいな表示がしてあった。
そのギターの以前の持ち主はBad Company、あるいはMott the Hoopleのミック・ラルフスで、表示されていた値段は70,000ドルだったように記憶している。
当時の為替レートで1,000万円程度だった。
傍らにいた店員に訊いてみた。
「Did Mick sell this guitar to make ends meet?」
答えは「Oh, yes!」だった。
チョット寂しかった。
「make ends meet」の意味は自分で調べてみてください。
ビートルズの「Lady Madonna」にも「♪Wonders how you manege to make ends meet」という歌詞が出てきますな。

60vそして、デモンストレーターの稲葉政裕が登場!
3月のMarshall GALAで大熱演がまだ記憶に新しい。
稲葉さんは今回のレスポール本に付属しているDVDでデモンストレーションを担当されている。
その関係で激務の合間を縫ってこのパーティに駆けつけて頂いたというワケ。

70向かって左が58年製、右が59年製。
それをMarshall ASTORIA CUSTOMとDUALで鳴らして頂こうというヨダレものの企画だ。
ASTORIAは2015年製。
名手に名器…いい音がするにキマってんじゃんね~!
実は、こういう企画があるということを耳にして「是非ASTORIAで!」と北村さんに強引にお願いしてご採用していただいたのだ。
だ~って折角の58&59年のレスポールだもん。最高の音で聴きたいじゃん!

80さて、ここでASTORIAつながりで脱線。
実は稲葉さんはこの日がASTORIAデビューというワケではないのだ。

90v稲葉さんは、来る8月7日の甲斐バンドの日比谷野音での『THE BIG GIG AGAIN 2016』にASTORIA CLASSICを携えて出演されるのだ~!

95vこのあたりの写真はそのリハーサルの初日のようす。

100つまり、稲葉さんが初めてASTORIAをお試しになられた時のことだ。
お試しの結果はどうだったかって?

110vこんな感じ!
メッチャいい音!
この時は暫定のペダルだったので、本番の野音の時にはさらにグレードアップしたトーンを味あわせてくれるだろう。
楽しみ!

120vそして、パーティに戻って…。
今日、稲葉さんに弾いて頂くASTORIAはCUSTOMとCLASSIC。双方、直つなぎ。
レスポールとASTORIAの間にあるのはギター・ケーブルだけだ。

130まずは58年の方をDUALで。

140vクリーンとクランチの双方の音をチェックするためにDUALを用いた。

150稲葉さん、ゴキゲン!
175
59年の方も最高!
サラっとSteely Danの「Kid Charlemagne」のLarry Carltonのソロが出ちゃうところなんかホレボレしちゃう。
余談だけど、このソロ、Larryは完全にアドリブで弾いたっていうんでしょ?私は信じない。
Charlie Parkerじゃあるまいし、こんなソロをぶっつけで弾けるなんて「人間」ではないでしょう?…と、この曲を聴くたびにいつも思っています。

180
田中さんからの「違いはいかがですか?」の問いかけに…。

170_2 「あ、わかりません。両方良すぎちゃって、正直よくわかりません!」と稲葉さん。
音質がどうとか、弾き心地がどうとか…ま、普通はそういうことを答えるのが定石なんだけど、ゴチャゴチャ言わない。
稲葉さんは指で意見をおっしゃったのですな。
でも、MCがメッチャおもしろいのよ、稲葉さんは。
この日も爆笑の連続。
何でも高校の時にはもうGibsonレスポールとMarshallを使っていらしたという。

この後、ありがたくもお時間を頂戴して私もASTORIAの説明をさせて頂いた。

190v

後半はバッキング・トラックに合わせてのデモンストレーション。
DVDに収録されている稲葉さんのオリジナル曲や…

160vJeff Bechの「'Cause We 've Ended as Lovers」、The Allman Brothers Bandの「Jessica」他を演奏。
Dickie Bettsの話も面白かったな~。
あ、FilmoreでDuaneとRichardが使っているのもレスポールにMarshallのコンビネーションです。1959。
ジャケット写真を撮影したのはJim Marshall。このことはコチラに記しておいた。

200アンプはホットなクランチが魅力の赤いCUSTOM。

210稲葉さんじゃないけど、もう「わからん」!
「筆舌し難い」という表現があるけど、まさにソレ。
この音の素晴らしさは文章なんかで書き表せないよ!
また、誰にも文章なんかで表現して欲しくない。
ただ聴いて感動してもらいたい!…そんな音よ。

230vギターとアンプとそれをつなぐケーブルが1本。
それを操る音楽家。
一体、他に何を望もうか…Who could ask for anything more!ってヤツ(「I Got Rhythm」より)。
1958~1959年から約60年。
ギターは基本的にそれほど大きな変化を遂げていないが、アンプはテクノロジーの進化に翻弄されて、その姿をずいぶん変えてきた。
最近ではボタンひとつでいろんなメーカーの音が出るという便利そうなアンプが喧伝されているけど、それもよかろう。
そういう時代だ。テクノロジーの恩恵は大いに受けるべきだ。
しかし、我々はこのホンモノだけが生み出すことができる素晴らしい音を子孫に伝えていく義務があるのではなかろうか?
真空管を変えるのは面倒だし、金がかかるし、トラブルもないワケではない。
トランスという鉄のカタマリが入ったアンプ・ヘッドを運んで歩くのは労苦以外の何物でもない。
しかし、人類からこの音を奪い去っては絶対にいけない。

このビロードのようなレスポールのサウンドに包まれて、アンプ屋としてそんなことを考えてしまった。
そんな機会を与えてくれたPlayerさんと稲葉さんにこの場をお借りして心から御礼申し上げる次第である。
レスポールもASTORIAも大スキ!

235誰しもが感動した素晴らしい演奏に割れんばかりの拍手が送られた!

稲葉政裕の詳しい情報はコチラ⇒ina-p's blog

240_2『The GIBSON Les Paul Stadard 1958-1960』の詳しい情報はコチラ⇒Player ON-LINE

250vb『愛蔵版 高崎晃Guitar Collection』の詳しい情報はコチラ⇒Player ON-LINE

260vb(一部敬称略 2016年8月1日 一部を除き秋葉原CLUB GOODMANにて撮影)