【Marshall Blog Archive】RE-BIRTH WITH MUSIC! ~ いわき街なかコンサート2011 <後編>
前回の記事で『いわき街なかコンサート』のレポートを見ることができない旨のことを書いた。
ところが!…あったのですよ。
2018年4月23日付けの記事で既に復活させていたのです。
トホホ、面目ない…失礼しました。
しかし、コレも乗りかかった船…このまま引き下がるワケにもいくまい。
しからばダマって前の投稿の記事を削除して同じ記事をもう1回シレっと載せちゃおうかと思ったけど、その記事のことを記憶している読者もいらっしゃるかも知れないのでココは正直に白状することにした。
すなわち、同じ記事をまた掲載するのも能がないので一部の内容を変更して正式に【Marshall Blog Archive】の1本として再掲することします。
…というようなことを6年前に復活させた時の記事の前書きに書いていやがる…バカが。
何たる進歩のなさ!
ま、これまでひとりで3,400本以上書いて来ているのでこの程度ならまだマシな方なのかも知らん…ということでこの「福島シリーズ」最後までお付き合いのほどよろしくお願いします。
と、言い訳しつつ2011年10月16日へ!
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
バックドロップに浮かぶマーシャル・スクリプト・ロゴ。
ココは「いわき芸術交流館アリオス中劇場」。
東日本大震災で甚大な被害を被ったいわき市が街を挙げて開催した音楽イベント『いわき街なかコンサート』の総本山的会場だ。そしてこの会場のトリでステージに上がったのはこの一大イベントを盛り上げようと伊藤広規の呼びかけによって集まった5人。KAZ南沢 森園勝敏 中村哲 青山純
そして座長、伊藤広規。同じ年の5月、やはり広規さんの呼びかけでチャリティ・ライブを開催したことがあった。
下はその時のもよう。
この時のギターは松下誠さんだった。今回は森さんがギターで参加してその前回のライブ同様、レイド・バックした大人のアメリカン・ロック・サウンドを堪能させてくれた。 そして、ここアリオスでもマーシャルが大活躍。
MarshallのロゴTシャツを身にまとった広規さんのベース・アンプはもちろんMarshall。
広規さんが使っているのはMarshallの(今のところ)最後のフル・バルブ・ベースアンプ「VBA400」と同シリーズの8x10"スピーカー・キャビネット「VBC810」。
8x10"キャビネットは見れば容易に想像がつくだろうが、ヘッドのVBA400も本当に重かった。
その代わり音の良さは天下一品だった。
暖かくて、深くて、上品で、そしてもちろん音ヌケが良くて、見た目もバッチリ…。
最近こうした機材がスッカリ簡単にそして軽量化してしまったが、やっぱり音はネェ。
KAZさんもMarshall。Vintage Modernシリーズの50W、2x12"コンボ「2266C」。
このシリーズも大好きだった。
現在はAC/DCのブライアン・ジョンソンが在籍していたことで知られるニューカッスルの名門バンド「Geordie」でギターを弾いている私の親友のスティーヴ・ドーソンの設計。
スティーヴはかつてアニマルズのギタリストとして来日したこともあった。
KT66を4本搭載した100Wモデルが「2466」、2本搭載した50Wモデルが「2266」。
「JTM45のようなビンテージMarshallを今の使い勝手でよみがえらせる」ことを目的に設計されただけに1チャンネル仕様ながら音も操作性もバツグンにヨカッタ。
こういう本当に良い音を出すアンプでギターを弾く時代が戻って来てくれることを切に望む。
森さんももちろんMarshall。
でも、この時使ったMarshallについてはゴメンね…ヒ・ミ・ツ。私は「ロック」といえば根っからのブリティッシュ派で「アメリカン・ロック」ということになると、自主的にはフランク・ザッパやトッド・ラングレン、そしてその他のごく限られた範囲しか聴かないのね。
もちろんキライではないですよ。
アメリカ抜きにしてロックは成り立ちませんから。 でも、こうした百戦錬磨の名手が心をこめて目の前で演奏してくれるとなるとそうも言っていられなくなる。 もう聴いていてウットリしちゃう。 今回のオープニングはスティーヴ・ミラー・バンドの『Children of the Future』収録の「Baby's Calling Me Home」。普通こんな曲演らないでしょ~。
ところが、このバンドにはピッタリなのだ。 コレは森さんのリクエストだったのかしらん?
いつか「ボズやベン・シドランがいた頃のスティーヴ・ミラー・バンドが好き」っておっしゃっていたからナァ。
スティーヴ・ミラー・バンドもとうとう来日しなかったナ。
昔から「The Joker」とか「Rock Love」とか「Fly Like an Eagle」とか「Jet Air Liner」とかそこそこのヒット曲があったのにネェ。
更に80年代に入ってからは軽いポップソングでヒットを飛ばしていたのにガンとして来なかったのには何か特別な理由があったのであろうか?
コレもいつか森さんからお聞きしたように記憶しているが、ヴァン・モリソンが日本に来ない理由にはビックリしたものだった。
あと「来ない」と言えば何と言ってもグレイトフル・デッドか?
調べてみると、ベット・ミドラーもニール・ダイアモンドもアレサも来なかったとか…。
ちょっとベン・シドランで脱線。
ベン・シドランってね~、歌声がチトつらいんだよね~。
でも自分のことを「Dr. jazz」とか呼んでるぐらいあってオモシロいジャズ・ビートの曲を作っている。
それは「Piano Players」っていう曲で歌詞の内容が古今のジャズ・ピアニストの名前をひたすら連呼するというモノ。
こんな感じ…
「♪George Shearing/Freddie Redd/Sonny Clark/Bud Powell/Walter Bishop Jr./Walter Davis/Walter Norris/Wynton Kelly/Art Tatum/Phenious Newborn Jr./Thelonious Monk/Jerry Roll Morton/Horace Silver/Horace Parlan/Barry Harris/Red Garland/Herbie Nichols/Harold Mabern/Tommy Flanagan/Duke Ellington/Jay McShann/Count Basie/Fats Waller/Eroll Garner/Kenny Drew/Bobby Timmons/Duke Pearson/Duke Jordan/Hank Jones/Bill Evans/Elmo Hope/Al Haig/Ceder Walton/Roland Hanna/Dodo Marmarosa…」
熱心にジャズを聴いている人なら知らない名前はきっとないでしょう。
私もコレぐらいは簡単に言える。
でもWalter Norrisという人だけ知らなかった。悔しい! 2曲目がジョン・ハイアットの「Have a Little Faith in Me」。
この曲はジョー・コッカーやチャカ・カーン、変わったところではビル・フリゼルがカバーをしている。
青山さんのドッシリと重い、貫禄のドラミングがこれらのレパートリーにガッチリとマッチするね。
実に気持ちいい。 そして広規さんとのコンビネーション!
やっぱり日本を代表するリズム・セクションであることは疑いようのない事実だった。ステージではレイド・バックとした曲が続くが決してダラダラすることはない。
曲はユッタリでも演奏はどこかピリっとしているのだ。
これそ名手の妙技。
とにかく聴かせちゃう。 ラスカルズの「Groovin'」。
これもピッタリだナァ。
KAZさんの歌声が何しろ心地よい。
しかも、コチラは本家よりもスローに演奏しちゃう極上のグルーヴ。
それでも甘くなりすぎることがまったくない。「♪Groovin'~」
何やら100%かけ流しの「音楽の温泉」につかっているようで、会場の雰囲気もリラックス~。
全身の関節ひとつひとつがバラバラになっていくようだ~。 ココで森さんコーナー。
「Lady Violetta(レディ・ヴィオレッタ)」だ!
最上のメンバーで最高の名曲と対峙する…シアワセ~! 別に「英米対抗歌合戦」というワケではないんだけど、さすが森さん、ココで1曲イギリス勢のナンバーを。
デイヴ・メイスンの「Feelin' Alright」だ。
7thコード2個で作り上げるこのソウルフルな世界!
森さんが演るとなおさら深いナ。 歌だけでなくスルメのように噛んで噛んで味わいたくなるKAZさんのギター・ソロ。 森さんのソロ。
音数の多さだけがギター・ソロではないことをこの2人が教えてくれる。 それにしても難攻不落!
再びリズム・セクションのことね。「アウン」どころでなない完璧な呼吸で音楽の下地を練り上げる!
こんなバッキングで歌を歌ったりギター・ソロを演ったりしたら気持ちいいだろうナァ。
歌もギターも間違いなく実力よりはるかにうまく聞こえるよ。そんな2人が2012年にリリースしたアルバム『A*I』のライナーノーツと写真を私が担当させて頂いたのことはこの上ない僥倖であった。 泣きのサックスだけでなく鍵盤ハーモニカでも大活躍の中村さん。
中村さんはキーボード・プレイヤーでもあるからね。
しかし、この鍵盤ハーモニカってのも素朴な音色でいいよね~。 私には大学時代一緒のジャズ・オーケストラで一緒だったジャズ・サキソフォニストのベテランの親友がいるんだけど、いつかその彼に「中村さんのソロってスゴいメロディが出て来るんだよね」と私が言うと「ああ、あの人は天才だから」と言っていた。
この時も「スゴいメロディ」を連発していた。
ここでゲストが登場!
地元いわきで活躍中のシンガー、菅波ひろみさん。 雰囲気がガラリと変わって大ソウル大会! ステイプル・シンガーズの「Respect Yourself」他を激唱。 ものスゴい声量!そして迫力!
さっき「アレサが来日しない」と書いたばかりだが、いわきにいたわ!
まさに「レディいわきソウル」。 アンコールはみんなでザ・バンドの名曲中の名曲「The Weight」。 観客も皆さん実に楽しそうだが、演奏しているバンドのメンバーも完全にリラックスした雰囲気で最高に楽しそう!
でも、持ち時間の方は大丈夫なのかしらん?「Marshall」といえばいつもは「爆音+ハデな照明のステージ」というイメージ。
もちろんそれもいいけれど、こうしたノ~ンビリした音楽にも実にいいモノだ。 アップテンポの曲は一切なし。
早くてもミディアム。
マーシャルが爆音の環境だけで活躍する楽器ではないことがよ~く示されたと思うし、この素敵な音楽が生み出される瞬間をサポートすることができて大変光栄に思う。 そして、この市をあげての素晴らしい音楽イベントがますます発展するよう願って止まない。 結局、1曲減らしても持ち時間を大幅にオーバーするほどの大熱演となった!
電車間に合うかな…これから東京まで帰らなきゃならないんだから!(アリオスのスタッフの方の気転により無事電車に間に合いました。ありがとうございました!)
それにしても会場の音響、最高だった!そしてこの時の演奏が『Relaxin' at IWAKI ALIOS』というライブ・アルバムになった。
CDのジャケットは今回の『THE FEB』をはじめ一連の広規さんの作品のデザインを手がける「やましたみか」さん。
このアルバムでも写真と私が書いたライナーノーツをご採用頂いた。
「好きなだけ書いていい」とお許しが出て取り組んだ9,000字ほどの拙文である。
この時のステージを思い出しながら健筆を揮った時はとても楽しかった。
さらに!
このアルバムのプロモーションでロンドンに行った(?)!
オックスフォード・ストリートのHMVの前で…。 ウエストミンスターで…
ロンドン・アイをバックに…。
この時はスゴイ風でポスターを広げるのにひと苦労だった。タワー・ブリッジでも…。
楽しかったナァ。
ただでさえ物価が高い上に昨今の円高が重なってしまってイギリスなんてもう行かれないナァ。 上のタワー・ブリッジを渡ってテムズ川南岸にある「バトラーズ・ウォーフ(Butler's Wharf)」でシェ―をキメる広規さん。
この頃はロンドンでイヤミが流行っていたからナァ…ウソこけ!コレが2022年4月に発表した広規さんのソロ・アルバム『S'Wonderful』になった?この『ファニー・フェイス』や『アメリカ交響楽』や『巴里のアメリカ人』などの映画でもおなじみのガーシュインの名曲は実はジム・マーシャルの愛唱歌だった。
パーティなどで興が乗ってくると頼まれもしないのにこの「S'Wonderful」と同じくガーシュインの「Somebody Loves Me」を必ずセットで歌っていた。
今にして思うとジムってジョージ・ガーシュインが好きだったのかな?そして現在、広規さんは自ら率いるKOKI TETRAGONで「シングル・レコードを4作連続でリリースする」という荒行の真っ最中で、その第1弾「よろしくたのむぜ/続・funny trip」を発表したばかり。そのPRビデオも公開された。
そして第2弾が待機中。相変わらず広規さんの周りはにぎやかだ!
伊藤広規の詳しい情報はコチラ⇒ITO KOKI official web site
☆☆☆Marshall Music Store Japanからのお知らせ☆☆☆
バディ・ガイに認められた実力派ギタリスト/シンガー、ローレンス・ジョーンズ。
現在ヨーロッパで大活躍中!
<Anywhere With Me>
コチラはMarshallのアーティスト紹介ビデオ<Artist Spotlight>。
アルバム『ディスティネーション・アンノウン』好評発売中!
お求めはコチラ⇒Marshall Music Store Japan
レコードもあり〼。
お求めはコチラ⇒Marshall Music Store Japan
Marshall Music Store Japanでお買い上げのお客様にはMarshall特製スクエア・ロゴ・ステッカーを3枚プレゼント!