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2021年11月 5日 (金)

ミュージック・ジャケット・ギャラリー ~ コミック・ジャケット・コレクション <vol.4>

 
今回、急に思い出したように『ミュージック・ジャケット・ギャラリー』の記事を復活させたのには理由がありましてね…。
ひとつはコロナのせいでライブの取材が出来ず、『ライブ・レポート』を頻繁に書くことができないこと。
Marshall Blogは約70%がライブ関連の記事で構成されていたからね…コロナのバカ!
次に、レコードがブームだっていうでしょ?
私は「どっちでもいい派」で、レコードが売れようが、CDが売れようがメディアの形なんかはどうでもよくて、とにかくよい音楽の出現や発見に重きを置いている。
でも、折角レコードを手にする人が増えているのであれば、特に若い人なんかにジャケットのオモシロさを伝えて、音楽を一層楽しむ一助になれれば良いと考えたこと。
そして、もうひとつの理由は下の本を手に入れたこと。
コレを眺めていて、私もレコード・ジャケットについて再び乱筆を揮い(ふるい)たくなってしまったのだ。
『20世紀レコード・ジャケット傑作集(毎日新聞社刊)』という1冊。
70r4a0187買ってしばらくして気が付いたんだけど、「ゾッキ本」だったわ。
それにしちゃチョイと高かったナ…。
「ゾッキ本」というのは、いわゆる「新古本」とか「見切り本」のこと。
売れ残った本に下のような赤いスタンプや印をつけて安く再流通させた本。
要するにレコードでいえば「カットアウト盤」ですな。
「ゾッキ」というのは上州の方言で「~だけ」とか「~のみ」とかいう意味らしい。
さっそく桐生出身の友人に確かめてみたのだが、ご存知なかった。
こういう方言の話題には付き物の「おジイちゃんやおバアちゃんが言ってたけど、今は言わない」状態みたいだ。
それにしても「本だけ」という意味になると、どう考えても「新古本」にはたどり着かない。
そこで、もう少し調べてみると「ゾッキ」は江戸時代からある言葉で「総生」と書くらしいということがわかった。
コレは商人たちの符牒で「まとめて」という意味なのだそうだ。
それならバッチリだ。
売れ残った本をまとめて安く仕入れて、安く売る。
「新古本屋」というのをタマに見かけるが、ゾッキ本を専門に扱う本屋のことを「ゾッキ屋」というそうだ。
…と、一旦書いたが、後にその桐生の友人がご両親に「ぞっき」の意味を確認して連絡してくれた。
するとご両親の定義は「同じものが揃っていること」とおっしゃるではないか!
それってゾッキ本ではないか!
売れ残った同じ種類のものを安く売り買いするのがゾッキ本の商売なんだから。
ご協力ありがとうございました!
すると、上州の人がこの商売に古くから携わっていたことが推測できる…というワケ。
Zokki_2いきなり脱線で恐縮だが、日本と伯仲する「文学大国」であるイギリスにもゾッキ屋があって、ロンドンの繁華街、ソーホー周辺には1階が新古本、地下がエロ関係なんて店がゴロゴロしている。
この緑の看板の店なんかは映画や音楽関係のゾッキ本が所狭しと展示されていて、丁寧にチェックすると実に楽しい。70r4a0078 この「Book Warehouse」というチェーン店のゾッキ屋はありがたい。
定宿があったハマースミスや大英博物館の隣に店舗があって行くたびに訪ねるのを楽しみにしていたが、両方閉店してしまったのが残念だ。
まだホルボーンやノッティング・ヒルや、後で出て来るカムデンにあるようなので今度行ってみよう。
72zokこういう店へ行ってもシェイクスピアやモームを買うワケではない。
洋書なんか買っても本棚の肥しにもならないからね。
買って来るのはひたすら下のような辞書的なモノ。
「慣用表現辞典」やら「ことわざ辞典」やら…。
「Punctuation」というのは「句読法」というヤツらしんだけど、「"」だとか、「;」だとか、英文を書く時の表記のルールのこと。
こういう本が定価の半額以下で買える。70r4a0243さて、「ゾッキ」はこれぐらいにして…と。
手に入れた本とは、池田満寿夫と佐藤洋子の監修&選ということになっているレコード・ジャケットの寸評集。
どこだか忘れちゃったけど、レコーディング・スタジオの待合室にこの本が置いてあって、ナンの気なしに手に取って少し読んでみたらコレが滅法オモシロイ!
「コレは買ってユックリ読むべき」と決断して、その場で本を閉じた。
その時から大分時間が経ってしまったけど、どうしてもブックオフに出てこないのでアマゾンで買った。70r4a0190池田満寿夫というと、我々世代ではもうジュディ・オングのアレに尽きるんだけど、「池田満寿夫なくしては日本の版画会は成り立たない」とかいう話を池田さんの存命中に聞いたことがある。
スゴイらしいんだよ、版画の世界って。
で、池田さんは長野出身で長野高校のOBなんだよね。
私が社会に出て初めて務めた会社の富山の支店長も長野の出身で、長野高校では池田さんと同級生だった。
支店長曰く、池田さんはモロに「画学生然」とした風貌で、とにかく絵ばっかり描いていたそうだ。(写真は同書序文より) 

Mi  
内容は、生前の池田さんがお気に入りで選んだレコード・ジャケットへの寸評をコアにして、池田さんの没後にその寸評を読んだ佐藤さんが感想を述べて、それを対談形式にまとめている。
この手の本って、ロックならロック、ブルーノートならブルーノート、のように一点に特化した内容のモノが多いんだけど、この本はロックとジャズはもちろん、クラシックのレコード・ジャケットまでを網羅しているところが実にうれしい。
70r4a0196正直、池田さんが登場するのは最初の方だけなのが残念なんだけど、芸術家がどういう視点でデザインを見ているのかが伝わって来てとても興味深い。
やっぱり日本芸術界の重鎮でしょ、Santanaの『Lotus』なんかを指して「コレは横尾でしょう?」なんて横尾忠則を呼び捨てにしちゃうワケ。
「こうやっていても横尾ってわかるのがすごいよね」と、横尾さんのオリジナリティを賞賛している。
やっぱり芸術家ってのは「独創性」が命なんですな。
また、クラシックのアルバムでは「陽子、陽子」のオンパレードなのが微笑ましい。

70r4a0192マイルスの『Agharta』も横尾さんか。
さっきのSantanaの『Lotus』ね、サンタナがマイルスに完成品を見せた時の話。
マイルスは夢中になってそのジャケットを開いたりたたんだり…その口からはヨダレが垂れていたとか…。
もう夢中になって入り込んじゃったそうですよ。
 
直立猿人からディスレーリ首相までなんと幅の広いことヨ。
1979年の秋吉敏子の『Sumi-e』まで載っているのにはビックリ!
コレ、この時代の敏子さんの作品で一番聴かないアルバムなんだよな~。70r4a0199あとは高橋敏郎というレコード・コレクターと佐藤さんの対談。
そして半分以上は高橋さんが選んだジャンルを超えての名作ジャケットの紹介という構成。
やっぱりうれしいのはクラシック音楽関連のカッコいいジャケットをたくさん紹介してくれていること。
クラシックというとドイツ・グラモフォンの黄色い看板がかかったジャケットばかり想像してしまうが、クラシックもカッコいいジャケットがたくさんあるのよ!
やっぱりレコード・ジャケットはオモシロイ!

70r4a0203 
さて、内容がオリジナル記事の倍になってしまった『コミック・ジャケット特集』も大詰め!
いよいよ最後の展示棚に入ります。
そして、後半は同時に展示されていた立体ジャケット・アイテムの紹介になります。Img_0251§5-a
まずは上段。

Img_0253 
ものすごく好きなバンドなのにある作品以降まったく聴かないってことあるでしょ?
チョクチョク登場する10ccなんかがいい例なんだけど、Sparksもそう。
『Kimono My House』から『Big Beat』までしか聴かない。
このバンドの魅力って毒々しいポップさにあると私は思っていて、キレイだから飛び着いてみたけど、トゲだらけになっちゃった…みたいな。
『Big Beat』あたりまではそれを感じさせてくれでいたけど、その後がチト…。
トゲが全部抜けちゃってさるすべりみたいになっちゃった。
するとあの甲高い歌声もツライばかりになってくる。
ところがこのバンドの作品ってジャケット・デザインがいつもいいんだよね。
むか~しから思っていた。
物語性のあるデザインにはどこかHipgnosisっぽさを感じない?
コレ、兄貴のロン・メイルのセンスなんでしょうね。
以前にも書いたけど、ロンはグラフィック・デザイナーで、トッドの『Runt. The Ballad of Todd Rundgren』の中身のデザインを手がけているんだよね。
それぐらいだからジャケットのデザインには気を遣っているのかもしれない。
SparksのレーベルがIslandだったので恥ずかしながら長い間私はこのチームはイギリスの出身だと思い込んでいた。
アメリカ出身と聞いて結構驚いたっけ。
もう結構前の話になるけど、用事があって渋谷のO-EASTに行った時、ホールで外人がリハーサルをしていた。
当日、誰が出演するのか知らなかったんだけど、リハーサルをしているのがSparksだと知ってビックリ仰天したことがあった。
リハーサルもショウも観ることはできなかったが、何でもすごくいいライブだったということを後に耳にした。
 
で、下は1984年の13枚目のアルバム『Pulling Rabbits Out of a Hat』。
前作の『In Outer Space』は最も成功したアルバムだったが、今作ではその勢いを継続することが出来ずに失敗に終わったとか…。
聴いてみると、もうシンセやドラムスのサウンドが猛烈な80年代臭で、私にはチョット無理なんだけど、世間一般てきには歌詞が暗くて受け入れられなかったらしい。
ちなみにタイトルの「Pull rabbits out of a hat」は「帽子からウサギを引っ張り出す」ということで「予期せぬことをしでかす」という慣用表現。
ジャケットはいいな…でも、待てよ。
このジャケットってどっかで見たような気がするな…。

Img_0416思い出した!
左は今回の「コミック・ジャケット特集」の2回目に登場したフランク・ザッパの『Them or Us』の裏ジャケ。
Sparksの方は1984年6月のリリース。
ザッパの『Them or Us』は10月のリリース。
コレはナニがあったんだろう?
そもそもこのポーズは一体ナンなのか?

7img_0417もうチョットだけザッパに方に入り込むとこんなのがある。
1984年のツアーのアメリカ公演の様子を収録した1991年のドイツの海賊盤『Al You Need is Glove』。
尾籠なアイテムをお店してスミマセン。
でもコレ、内容がすごくよくて昔よく聴いた。7gl 
1979年のゲイリー・ブルッカ―のソロ・アルバム『No More Fear of Flying』。
飛行機がタービュランス状態なのにゲイリーだけがひとり平然とニヤリ…。
タイトルも『No More Fear of Flying』。

いつかどこかに書いたけど、機内のカップヌードルね。
昔はANAの国際線は夜食で小さいカップヌードルを出していた。
ある時、ちょうどみんなお湯を入れて麺がふやけるのを待っているぐらいの時に機体が大きなエアポケットに入っちゃった。
何が起こるかというと…コレが実におもしろい!
みんなお湯をこぼすまいと右手でカップを持ち、左手でフタを押える。
すると、飛行機の高度がグワ~っと下がるたびに全員の両手が上に伸びてしまうのだ。
ひとり残らず全員だ。
そういう自分の両手も上がっちゃうんだけど、後ろから見てると壮観ですぞ!
悲鳴と一緒にいっせいにニョキっと手が伸びて機内の全員でバンザイをしているようになる。
メチャクチャおもしろい!
今はもうカップヌードルは出ない。
何でだろう?…アレがオモシロすぎちゃったのかな?
 
ちなみにその時からそれから数年してProcol Harumが来日。
今は無き新宿厚生年金会館大ホールで四人囃子とジョイント・コンサートを開催した。
一升ビンを片手にギターのジェフ・ホワイトホーンのいる楽屋を訪ねた。
ところが彼は見当たらない。
そこで、そばにいる白髪のオジさんに「ジェフはいますか?」と尋ねると、そのオジさんは典型的なイギリス英語で「今チョット出てるんじゃないかな…?」と教えてくれた。
お礼を伝えて楽屋の外でしばらく待っているとガヤガヤとした声が聞こえ、ジェフが仲間といっしょに外から戻って来た。
さっそくイッパイ行っちゃってた。
で、再会を祝して一升ビンを渡すと「サキ、サキ!」と大喜び。
多分開演前に全部飲んじゃったんじゃないかな?
で、ショウがスタート。
驚いたネェ~、だってさっき楽屋で会った白髪のオジさんがピアノを弾いて歌い出すんだもん。
そう、彼はProcol harumのフロントマン、ゲイリー・ブルッカ―だったのである!
残念ながらProcol Harumって『Salty Dog』と『Grand Hotel』ぐらいしか知らんもんで…。
かの有名なゲイリー・ブルッカ―のご尊顔を存じ上げなかったのです。
恥ずかし~!
 
さて、このアルバム。
コレがまたいいんですよ。
それぞれの曲がゲイリーの声によくマッチしていてアッという間に全曲聴いてしまった!
しかも録音は「Strowberry Studios Sounth」…10ccがストックポートに作った「Strawberry Studio」の支店。
このスタジオについて興味がある方はコチラをどうぞ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】vol.44 ~ 10ccに会いに行く <後編>~ストロベリー・スタジオ物語
 
ジャケットはヒプノシス。
どうにも出来がいいアルバムだと思ったらジョージ・マーチンがプロデュースしていたわ。

Img_0418 

§5-b
最後!
この辺りともなると大分手抜きが目立って来るヨ~。
それじゃイカン。
有終の美を飾りましょう。

Img_0255
1979年のMadnessのファーストアルバム『One Step Beyond...』。
私は全くの門外漢だけど、「スカ」という音楽も市民権を得て久しいネェ。
「♪ホンダ~、ホンダ~」って   アレは「シティ」という車だったか。
1981年だったっていうから知らない若い人も多くなってるか?
どんなもんかと「恐いモノ聴きたさ」で聴いてみると、そんなにスチャスチャしてないのね?
ムカデ歩きの写真をポコっと配した何の飾り気のないジャケットがなかなかいい感じ。

Img_0422このバンド、カムデンの出身なんだね。
「カムデン(Camden)」はロンドンの32ある「ロンドン特別区(London boroughs)」ひとつ。

70r4a0013カムデン・タウンというエリアには洋服やアクセサリー等、若い人向けのお店がイヤになるぐらい並んでいる。
Img_1685最初に行った時はアメ横ソックリだと思ったけどね、こっちの方が全然大きい。
私にとってのこのエリアの大きな問題は、欲しいモノがナニひとつないということ。
中古レコード屋の一軒でもあればいいんだけどね。70r4a0015靴の「Dr. Martens」はカムデンが発祥。
ココで小さな靴屋を開いたのが始まりだったそうだ。
会社が大きくなりすぎちゃって本社はもうカムデンからヨソへ移ったけど、デザインのセクションが残っている。
こんなDr. Martensの「撮影スポット」なんかもあったりする。
ちょうどMarshallとのクロス・プロモーションをやっていた時かな?70r4a0139 毎年6月には「Camden Rocks Festival」というカムデン・タウン一帯のライブハウスの行き来が自由になるロンドン最大規模のロック・フェスティバルが開催される。
昨年と今年はコロナで開催されなかったが、2019年のフェスではD_Driveが「The Devonshire Arms(デヴォンシャー・アームズ)」という店で演奏した7img_8968カムデン・タウンからチョット北に行くと、左側に出て来るのが鉄道の扇形庫を改造したキャパ3,300名の有名なコンサートホール「Roundhouse」。
日本で言えば京都の梅小路だ。Img_1627_2そのすぐそばにあるのが地下鉄ノーザン線の「チョーク・ファーム(Chalk Farm)駅」。Img_1603そして、コレがMadnessのセカンドアルバム『Absolutely』。Absjpg_2ね、ココで撮影したワケ。
カムデン出身のバンドだけのことはある。
コレ、ロンドンだからサマになるけど、東京で亀戸駅あたりでジャケット写真を撮るって言ってもね~。Img_1605
Riff Raffはパンク/パブ・ロックバンドだそうで…ちょっとゴメンね、この手のヤツはマジで苦手なの。でも!である。
このジャケットはよろしいな。
なにせHipgnosisの作品なのだ!
『Vinyl Futures』か…LPレコードを食べてる。1981年のリリース。
イギリス人はLPレコードのことを「ヴァイナル」って言うでしょ?
それを食べちゃってるところを見ると、Vinylには未来はないぞ!ってことかね?…なんて言ってたのは10年前のこと。
最近ではレコードがCDの生産量を追い越し、アメリカでは製造が追いつかないんだってね~。
冒頭に書いたようにアタシャもうどっちてもいいわ。
SpotifyとYouTubeがあればナニをするんでも、ナニひとつ不自由しない。
こんな私に誰がした…?
Img_0423_2しかし、ヒプノシスの本って知らない間にゴマンと出てるんだよね~。
この『For the Love of Vinyl』なんて『Vinyl Futures』が表紙になっちゃってる。
昔、よく電球を食べるオジさんとかがよくテレビに出ていたけど、ああいうのスッカリ見なくなったね。

Hpb2_2  
最後のアイテム!
コレはRhinoのコンピレーションで、『The World's Worst Records!(世界最悪のレコードたち)』というタイトルが付けられている。
いいんかいな、こんなの。
ゴソッとシングル盤が捨てられているのはいいけど、ゴミに出している人が防菌服まで着てる!
そこまでヒドイレコードっていったい…。

Img_0426それだけじゃなくて、ナントこのLP、裏面には汚物入れまで付属しているのである!
「警告:このLPを聴くと気分を悪くする恐れがあります。体質の弱い方はこちらの袋をお使いください」…と袋に書いてある!
ヒドすぎない?
ココまで言われるとどんなもんか聴きたくなってくるから不思議だ。
ちなみに収録されてしまっているバンドは;The Novas, Edith Massey, Jimmy Cross, Heathen Dan, The Temple City, Kazoo Orchestra, Gloria Balsam, The Legendary, Stardust Cowboy, The Seven Stooges, Barnes & Barnes, Ogden Edsl, Johnny Meeskite, The Breakers…全部知らんわ。
他にThe TurtlesとWild Man Fischerというザッパ関連の人の音源が入ってる。
このふたつは知ってる。
で、聴いてみた。
そんなに悪くないよ。
モノによってはThe Shaggsが「1年間練習して来ました!」みたいのもあるけど、巷間にあふれているどこを切っても同じ「ひと山いくら」のロックよりはオリジナリティに飛んでいてはるかにオモシロい。
私にはこの汚物入れは全く不要だった。

Img_0429 

さて、締めくくりは立体&特殊ジャケットの展示のご紹介。Img_0440  
● PINK FLOYD / WISH YOU WERE HERE [COLUMBIA 1975]
2011年秋に全作品の音源をデジタル・リマスターし、ストーム・トーガソン(ヒプノシス)の手によってアートワークも一新させて話題となったピンク・フロイドの9作目。
ジャケットを包み込んだ濃紺のビニールが当時かなり話題になったが、炎に包まれた男をモチーフにしたフロント・カヴァーもかなり衝撃的なデザインだ。
Img_0269 
● CURVED AIR / AIR CONDITIONING, SECOND ALBUM (WARNER BROS.1970, 1971)
このバンドをはじめて聴いた時は驚いたナァ…「こんなんあるんだ?!」って。
曲もヴァイオリンもカッコいいのにソーニャ・クリスティーナの声がやさしすぎてズルっと来たのも覚えている。
そんなソーニャが後年のライブではノドが痛くなるのでは?と心配になるほどの迫力ある声でこれまた驚いた。
とにかく曲がいいんだよね、このバンド。
Curved Airのデビュー作は透明なビニールに収められた両面ピクチャー・ディスクを再現している。
コレは私も買った。
2作目の『Phantasmagoria』は特殊なヌキ型でのポスター・ジャケットを再現しており、彼等の華麗な音楽性を見事に表現したアートワークになってる。
パステル調の見た目のやさしさも心地よい。

Img_0271 
● PATTO / HOLD YOUR FIRE [VERTIGO 1971]
Patto大好き!オリーが大好きだからね。
だからBoxerも好き。
日本のロック・ファンもツェッペリンやパープルだじゃなくてこういうのをもっと聴くようになればいいのにね…って40年近く前に解散したバンドだっちゅーの。
パトゥの2作目となる『Hold Your Fire』。

Img_0273ロジャー・ディーンのイラスト・デザインによるフロント・カヴァーには2箇所に切り込み線が入っており、これを切り取って開けるとその下の絵柄との組み合わせで様々なキャラクターが出現してくるという凝った仕掛けになっている。Img_0272 
● THE WHO / LIVE AT LEEDS - DELUXE EDITION] [POLYDOR 1970]
英国が誇る最強のビート・バンドの最強のライヴ盤。
The Whoが一番いい頃ころだよね。
曲も演奏も楽器の音色もアートも、すべてが素晴らしい。
2012年にイギリスに行った時、このアルバムの現場を訪れようとリーズ大学に行こうと思ったんだけど、現地の人から「リーズは開発が進んでしまって昔と街のようすが変わってしまいオモシロクないよ」と言われて行くのを諦めた。

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このアルバムだったっけか?
何かのライブでMCがピートに「どこから来たの?」尋ねると「ロンドン」と答える。
今度は「ロンドン?どこ?(London, where?)」と訊くと「イギリスさ」とピートが答える。
いかにもピートらしい受け答えだわ。
Img_0275オリジナル盤に同梱された当時の契約書やレコーディング・シートのレプリカなど、多くの付属物を忠実に復刻している。
特にこの日本企画盤では、各国でリリースされたレアなデザインのデフ・ジャケットも同梱されていることも注目すべき点のひとつだ。
Img_0277 
● DR. Z / THREE PARTS TO MY SOUL [VERTIGO 1971]
イギリス出身のキーボーズをメインとした3人組のプログレッシブ・ロック・バンド。
「魂(ハート)」を題材にしたコンセプト・アルバムで、彼等が出した唯一のアルバム。
通称「観音開き」と呼ばれる変形ジャケットだが、ハート型の切り抜きの難易度は高い。
オリジナル盤は内容の素晴らしさと反比例して売れず、今やメガ・レア・アイテムとなっている。「DR.Z」か…どっかで聞いた名前だ。

Img_0279
● BOB MARLEY & THE WAILERS / CATCH A FIRE [ ISLAND 1975]
3作目。
アルバム・タイトルに因んで、ライターを模したギミックものになった。
ライターのヌキ型はこのためだけに使用するもので、紙ジャケの制作費はこのヌキ型による製版代がかさむ。
これこそがギミック・ジャケットの最大の醍醐味にもなっているのだ。

Img_0285 

● BMG ITALIAN ROCK PAPER SLEEVE COLLECTION
雑誌『ストレンジ・デイズ』は各社で数多くの紙ジャケットを監修しているが、その中でも極めてギミック度の高いものがこのシリーズだ。
金属製のメダルが添付されたもの、トイレの便器を模したもの、グラスがくり抜かれたもの、特殊変形のブックレット・ジャケット、複雑に切り抜かれたものなど、驚愕すべきものばかりだ。

Img_0286Banco Del Mutuo Soccorso(バンコ・デル・ムッツオ・ソッコルソ)の『Io sono nato libero』ももともとはこんなに凝ったつくりになっていた。Img_0289私が持っているのはただのデジパックのオモシロクも何ともないヤツ。
ナンカ恥ずかしいナ…。

Banco  

● LED ZEPPELIN / PHYSICAL GRAFFITI, IN THROUGH THE OUT DOOR [SWAN SONG 1975, 1979]
ツェッペリンといえば、3作目の回転ジャケットが有名だが、この6作目もインナー・スリーヴと連動させて絵柄が変化するギミック・ジャケットだ。
9作目はヒプノシスのデザインによる6つの異なるアングルから撮った6種類の異なるジャケットが発売されて、当時かなり話題を集めたがマニア泣かせの企画だ。
しかも以前書いたように『In Through the Out Door』は内容が内容だけに6種類全部集まるのは地獄とされる。

Img_0290 

● TUDOR LODGE / TUDOR LODGE ( VERTIGO 1971)
メロウ・キャンドル、スパイロジャイラと並ぶ3大ブリティッシュ・プログレッシヴ・フォークのひとつであるチューダー・ロッジのデビュー作は、変形カットされた6面見開きのポスター・ジャケット。

Img_0292この仕様もさることながら、独自の波目模様のテクスチャー紙そのものも非常に特殊なもので、これも見事に再現されている。

Img_0294 

● JETHRO TULL / STAND UP, THICK AS A BRICK (CHRYSALIS 1969, 1972)
ブリティッシュ・ロックの至宝、Jethro Tullの作品にもいいジャケットが揃っている。
5作目の『Thick as a Brick』は、タブロイド新聞を模したもの。
記事は勿論のこと、パズルや広告までもが全てこのアルバムのために作られた架空のもの。
何という凝りよう!
こういうところがいかにもタルらしくてまた好きになる。
私もLPとCDともに所有しているが、写真はライブ・トラックが追加されたCD。
LPジャケットと同じ新聞が折りたたまれて挿入されている。
このA面B面合わせて1曲のこのアルバム、本当に大好きで相当聴いた。
『Thick as a Brick』は「マヌケ」とか「トンマ」みたいな意味で、実際に英語圏の人がこの言葉を口にしているのを聴いたことは1回しかない。
そういえば、最近、facebookでこのアルバムの歌詞が本当にジェラルド・ボストックという少年が書いたと思い込んでいる素直な人の投稿を目にした。
コレはイアン・アンダーソンのシャレですよ~!Img_0295『Stand Up』はそのままにジャケットを左右に開くメンバー4人が起き上がるというポップアップ・ジャケットの代表格。
要するに飛び出す絵本。
昔、国内盤はこうなっていなくて、どうしてもこの仕様のモノが欲しくて輸入盤を買った記憶がある。
それは40年以上経った今でもチャンとウチのレコード棚に収まっています。Img_0296 

● FAUST / FAUST [POLYDOR 1971]
サウンド・コラージュやカット・アップなどの技法を駆使したドイツの音響派を代表するファウストのデビュー作は、ジャケット自体が紙ではなくクリア・ビニールで作られた極めて特殊なギミック・ジャケット。
この初回限定生産のアナログでは、ディスクそのものも透明なクリア・ヴィニールとなっていた。
こういうの受け付けないんだよね~。
何がおもしろいんだかわからない。
ドイツ系のロックって苦手なんだよね。
タンジェリン・ドリーム、クラフトワーク、グルグル、カン、アモン・デュール、ノイ、アシュ・ラ・テンぺル…みんなノーコメント。
でもね、このファウストのファースト・アルバムのCDだけは持ってんのよね。
ジャケット欲しさに買っちゃったの。
といってもフルで投資するのはイヤだったのでサービス券たくさん使った。

Img_0298 

● THE BUNCH / ROCK ON [ISLAND 1972]
Fairport Convention人脈の錚々たるメンバーが集まって制作されたR&R / C&Wのカヴァー・セッション・アルバム。
ジャケットがレコード・プレイヤーになったものは『Halfbreed』で知られているが、その双璧となるのが本作で、オリジナル盤ではミニ・サイズのシングルがジャケットの切り込みに挟まっているという逸品。
ようやるわ~!こういうのは非常に楽しいね~。
それにしても紙ジャケの一番いいところって、プラケースより薄い分場所を取らないことだったりして…。

Img_0300_2
ハイ、今回はコレでおしまい。
書いた~。
何点か削ったアイテムもあったけど。10年前に書いた時の倍ぐらいのボリュームになったかな?
冒頭に書いた通り、現在ではジャケットを鑑賞するだけでなく、内容まで容易にチェックできるようになったので書いていてとても楽しかったし、たくさんの新しい発見をさせて頂いた。
こういう機会でもないとたくさんの未知の音楽に出会うことなんてことがないからね。
 
さて、このミュージック・ジャケット・ギャラリー、現在はコロナの関係で休業しているが、間もなく再開を予定しているということなので、レコード・ジャケットにご興味のある方はウェブサイトで情報を探りつつお足を運んで頂きたい。

詳しい情報はコチラ⇒【金羊社】 MJG ミュージックジャケットギャラリー 常設展

7img_0241
さて、最後に…。
このレコード・ジャケットを提供しているのは日本屈指のコレクター、植村和紀さん。
何度かMarshall Blogにも直接ご登場頂いてきた。

植村さんのコレクションの情報はコチラ⇒The Amazing Uemura Collection~Music Jacket Galleryの源

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その植村さんが西荻窪で経営されているカフェがその名もズバリの『MUSIC JACKET GALLERY』。
時折ココでしか聴けないライブも開催している最高の音楽空間。
やさしい植村さんが笑顔で迎えてくれます。
音楽好きの方はゼヒお立ち寄りください!
 
MUSIC JACKET GALLEYの詳しい情報はコチラ⇒公式Twitter

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2021年10月27日 (水)

ミュージック・ジャケット・ギャラリー ~ コミック・ジャケット・コレクション <vol.3>


§3
「コミック・ジャケット特集」、今回はいつもより書きたくなることがベラボーに多くて自分でも驚いておりますが…それでは3番目のセクションへ移りましょう。
ようやくココで真ん中。
でも大丈夫、後半はだんだんシンドくなって取り上げるアイテム数が減少するのが普通だから。

Img_0243

『Sgt. Peppers~』同様、いったい『Abbey Road』はどれくらい作品でパロディのネタになっているのだろう。
ビートルズへのリスペクトを感じさせるモノからその反対まで…。

例えば、コレはBooker T and MG'sの『McLemore Avenue』。
アルバムのタイトルになっているこの「マクレモア通り」はBooker Tの地元のメンフィスにある通りの名前。
コリャ低予算だわ。
それでもホンモノよろしく、チャンと脚立に乗って上から撮影しているじゃん。7btmgコレなんか人すら出てこない。
マンドリンがジョン、バンジョーがリンゴ、ウッドベースがポール、ギターがジョージという役回り。
『Pickin' on the Beatles』というThe Pickin' on Pickersなるナッシュビルのブルーグラス・チームが展開しているシリーズ物のウチのひとつ。
コレ、BGMにはいいですよ。
このシリーズ、いい度胸していて普通のブルーグラスはもちろん、Led ZeppelinからLynard Skynyrdまで何でもありなの。
「ブルーグラス」と言っても、どれもほとんどニータカしていなくて、ブルーグラスの楽器を使ってホンモノに近いアレンジで演奏することを標榜している感じ。
「Black Dog」なんてなかなかのモンですよ。
コレはコレでゼンゼンあり。

Ppコレは昔よく聴いた。
ジョージ・ベンソンの1970年の『The Other Side of Abbey Road』。
コレでもアビィ・ロードのつもり。
撮影したのはマンハッタンの東53丁目だそうだ。
「西52丁目」と来ればセロニアス・モンクが「52nd Street Theme」という曲を残したぐらい、1950年代辺りまでは「ジャズ・ストリート」としてにぎわったが、それは意識していないでしょうね。
その52丁目、20年近く前に行ってみたけど、「ジャズ」の「ジ」の字も残っていなかった。

7gbar コレ知ってる?
The King's Singersの『The Beatles Connection』。
メッチャ気に入ってCDを買ってしまった。
The King's Singersというのは1968年にケンブリッジ大学の学生を中心に結成した声楽グループ。
日本で言えば慶応のダークダックスとか早稲田のボニー・ジャックスみたいなもんですな。
といっても、ただのコーラスではなくて、完全ア・カペラで、楽器の音も声で出しちゃうヤツ。
しかし、ソ連の鍬や太陽やカエルが『アビィ・ロード』とどう関係しているのかがわからんな。
Ksbc このレッチリのEPはどっちだろう?
レッチリなりのリスペクトか?
1988年の『Abbey Road E.P.』という5曲入りEP盤。
上の3枚とは違ってチャンとアビィ・ロードで撮影している。
ところが…ココはかなり交通量が多いところ。
光の加減から察するに、早朝やって来て車の中で服を脱いで、ソックスを局部に装着してサササと撮っちゃったんだろうな。
本物はイアン・マクミランというカメラマンが脚立に乗って横断歩道を往復する4人を往き返りそれぞれ3枚ずつ計6枚撮影し、歩調が合っていた5枚目の写真を選んだ。
そもそもロンドンの街中でこんな格好をしていたら捕まっちゃうのではないだろうか?
だから「それ急げ!」と、脚立などに乗らず急いで普通に地面から撮ったのだろう。
レッチリ、どうしてるんだろうね?Img_0370この横断歩道には信号はない。
コレは日本と同じ地面にシマシマの模様が描かれた「ゼブラ・クロッシング」と呼ばれる横断歩道で、渡り始めている人がいる場合は車は必ず止まらなければならない。
日中は観光客がひっきりなしに渡っているので、ココを通過する車のドライバーはさぞかしイライラするだろうな、といつも見ていて思う。
70r4a0025シマウマとは別に「ペリカン・クロッシング」という横断歩道もある。
「ペリカン」といってもペリカンの絵が描いてあるワケではなくて、「PEdestrial LIght COntroled」
の略称で歩道の両側に点々の模様が施してある。
すなわち「歩行者用信号制御装置付き横断歩道」のことで、簡単に言えば「押しボタン式」ということ。
ロンドンの街中は圧倒的にこちらのタイプが多い。
でもね、場所や状況にもよるけど向こうの人って、通りを渡ろうとしている人を見かけると自主的に止まってくれる車が日本に比べるとゼンゼン多いと思う。22 レッチリのジャケット写真の左奥に見えているのはこの建物。
70r4a00672年前に行って驚いたんだけど、アビィ・ロードの土産物店になっていた。
昔はこんなのなかったのよ。
お店のようすはコチラをどうぞ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】vol.36~The Beatles was here! <後編>
70r4a0070 
ベット・ミドラー、1976年の『Songs for the New Depression』。
シナトラで有名な「Stranger in the Night」で幕を開ける3枚目のアルバムはボブ・ディランやルーサー・ヴァンドロスとの共演を含む豪華盤。
参加ミュージシャンはブレッカー兄弟をはじめとしたガッド、スピノザといったスタジオ常連さんからミルト・ヒントン、トッド、リック・デリンジャー、さらにトッドが連れて行ったのか、ジョン・ウィルコックスまで参加している。
でも、ですね…私は何かベット・ミドラーってダメなんだよな。
ジャケットがカッコいいこともあって初期のアルバムは何枚かは持っているんだけど、まず聴くことはない。
なんか、みんなで寄ってたかってイジりまくって豪華に作り上げるところが「総花的」というか、却って中途半端でチープな感じに聴こえちゃうんだよね~。
ファンの方ゴメンなさい。
私にはベットが「ジャズ歌手」というアタマがあるからかも知れない。
「女優で歌手」という観点でライザ・ミネリみたいに捉えればいいんだろうけど…でもライザはバッチリと「ジャズ」感を醸し出しているもんね。
でも上に書いた通り、この次のアルバムぐらいまでのジャケットはすごくステキ。
このアルバム、「新しき不況への歌たち」なんてタイトルになってる。
ホームレスっぽい格好をしたベットが壁に貼られた「BETTE MIDLER」にヒゲのイタズラ描きをしたところ。
どういうことか考えた。
「C.TRUCKING」と縦書きで書いてある。
コレ自体の意味はわからないけど、「Trucking」というのは「物々交換」という意味がある。
勝手な想像なんだけど、不況でモノがないからそうした「闇市」のような「交換所」ができてい
る…。
壁でベットが扮しているのは政治家…。
ホームレスのベットはその悪政が引き起こす不況にハラを立てて政治家の写真にヒゲのイタズラ描きをした…。
そのヒゲは「レーニン」のヒゲ!
…ということなのかしらん?
コレを考えて調べるだけで1時間…時間がかかるのよ、このシリーズは。

Bette 今回コレを書くのに久しぶりにアルバムを聴いてみた。
SHOW-YAの寺田恵子さんはベットが歌った「Rose」をいうバラードを時々歌うんだけど、かなりベットのことを研究していると観た。
曲によって歌い方がビックリするほどソックリなんだよね。
私も10年以上目の前で恵子さんの生歌を聴いてきたけど、コレは大きな発見だった。
「寺田恵子」ほどの大歌手ゆえ、完全にベットのスタイルを自家薬籠中のモノにして自分のスタイルに消化しいらっしゃるんだけどね。

7s41a0226 
Henry Grossはアメリカのシンガーソングライターで、Sha Na Naの活動で名が知られている。
何せギターのオリジナル・メンバーなのだ。
この人は1951年の生まれ。Sha Na Naのデビューが69年なので18歳の時に参加したことになる。
ま、昔はそんなもんか。
久しぶりに『ウッドストック』のSha Na Naを観てみよう。
 (間)
セミアコを持って暴れている眼鏡の人がヘンリー・グロスなのか…。
次に出て来るジミ・ヘンドリックスのMarshallがステージの後ろにそびえている方にどうしても目が行ってしまうな。
 
1976年、友人のThe Beach Boysのカール・ウィルソンが飼っていた「シャノン」という愛犬が死んだ時に作った曲「Shannon」がヒットしているらしい。
このヒットのおかげでヘンリー・グロスは「ワン・ヒット・ワンダー・アーティスト」の仲間入りを果たした。
「One-hit wonder」というのは「一発屋」のことね。
でも、コピーやカバーよりはるかに一発屋の方が素晴らしい。
The Knackは「My Sharona」で、舟木一夫は「高校三年生」で、永遠にその名前を残すことになったでしょ?
コピーじゃ何も残らない。
それだけ「創る」というのは偉大なことなのだ。
 
そして下はそんなOne-hit Wonderアーティストが1981年に発表した『What's in a Name』というアルバム。
1曲目の「That Someone」という曲…中間部でドラムスが突然グワ~っと前に出て来るんよ。
カッコいいんよ。
誰が叩いているのかと思ったらテリー・ボジオでやがんの。
1981年というとMissing Personsをやってた頃か。
サウンドとしては人畜無害のポップ・チューンが並んでいるけど、テリーの他にもドラムスはエド・グリーンだの、ジェフ・ポーカロだのがプレイしていて、他にもヒュー・マクラッケンやらポリーニヨ・ダ・コスタやらの名前がクレジットされている。
ま、「当時のスタジオ・ミュージシャンが参加している」とくくってしまえばそれまでか。
1曲だけピーター・ウルフがキーボーズを担当しているのが気になるけど…。
それと「Better Now We're Friends」という曲ではチャカ・カーンとデュエットしている…ということが当時話題になったのか私は知らない。
 
ジャケットはシンプルな人文字。
すごく良く出来ていると思わない?

Img_0371よっぽどお気に召したのか、裏ジャケットもほぼ同じ。

Img_0372 

Brainstorm?…ゼンゼン知らんな。
1972年のデビュー作『Smile a While』。
コレが「1970年代にもっとも才気を表したドイツのプログレッシブ・ロック・グループ」だっていうんだけど…。
このジャケットでか?
例えて言うなら「Soft MachineやCaravan系のサウンドのバカテク・ジャズロック」なんだって!
このジャケットでか?
お!Spotifyにこのアルバムがあるではないの!
さっそく聴いてみる。
……………オイ、チョット待てよ!
メチャクチャかっこいいではありませんか!
このジャケットでか?
 
1968年、バーデンバーデンで結成され、当初は「Fashion Pink」というバンド名だったらしい。
コレはコレでまた趣味が悪いバンド名だな。
それでデビューするに際し「Brainstorm」に改名したそうな。
ジャズをベースにした高い音楽性と豊かな演奏能力でドイツ国内で人気を博し、テレビやラジオにも頻出してそれなりに名前が通っていたらしい。
知らんわ。
 
どんな調子か…
1曲目は4ビートのワルツでザッパの「King Kong」を思わせる。
2曲目も4ビートで5/4、6/4、7/4拍子をつなげた曲だったりする。
結局、コレもSoft Machineというよりザッパっぽいな、イヤ、Soft Machineっぽいフレーズも出て来て実に面白い。
3曲目は早いテンポのボサノバ。
ボーカルズが決してウマくはないんだけど、これまたヘンにロバート・ワイアットを連想させるのよ。
4曲目は5/4拍子のフォービート。
このサックスの人、テナーもフルートもこなしているけど、ソプラノが一番いい。音も太いし。
5曲目は「Snakeskin Tango」…タンゴだって。
1小節だけ典型的なタンゴのフレーズが出て来る以外は全くタンゴではない、6/4拍子のストレートなエイトビート・ナンバー。いよいよザッパっぽいナ。
またまた7/4拍子でおっぱじまるのが15分の大曲、アルバムのタイトル・チューン「Smile a While」。
…と、インスト主体の濃い~ジャズ・ロックが詰め込まれている。
このバンドはこの後、2枚目の『Second Smile』、『Last Smile』というライブ・アルバムをリリースして1975年に解散した。
微笑んでお別れしたのかは定かではない。
お隣の国だとフランスだとMagmaやZAOや後期のGongみたいなのがいてそれなりに「フランスのジャズ・ロック」というイメージがあるんだけど、私なんか「ドイツ」というとFaustとかTangerine Dreamとかみたいなチームの印象が強く、こういうバンドがドイツにいたというのが結構オドロキ。
 
これならCDを買ってもいいな…と思ったけどヤメた。
高ェんだもん。
ジャケットもコレだし。
 
ちなみに今でも「Brainstorm」というバンドがドイツにいるようだけど、そちらはヘビメタだそうで…お間違いなきよう。

Img_0373 
まだCDを毎月30~40枚ぐらい買っていた頃のパット・トラヴァースの話。
ないんですよ…。
下の『Heat in the Street』と『Live! Go for What You Know』はやたらとよく見かけるんだけど、『Pat travers』、『Makin' Magic』、『Putting It Straight』の3枚を見かけないのよ。
と言っても私は決して熱心なトラヴァース・ファンではなくて、ライブ・アルバムまで聴いて卒業してるんだけどね。
でもポール・ギルバートなんかはものスゴい「パット好き」だよね。
実際に「Snortin' Whisky」とかライブで演ってるし。
以前、単身で来日した時に開演前に楽屋で話をしていて、パット・トラヴァースの話題になった。
「パット・トラヴァースだったら”Gettin' Betta”が好き」と言ったら間髪入れず弾いてくれて、「僕とヌーノがいっしょに演っているのがYouTubeに上がってるよ!」とニコニコしながら教えてくれた。
 
そんなポールも崇拝するパットなんだけど、地元のカナダの人と話をして驚いた。
こんな感じ…
「Steppenwolf、Guess Who、BTO、Triumph、ジョニ・ミッチェル、ニール・ヤング、ザ・バンドの4/5…カナダもすごいミュージシャンをたくさん出してますもんね」
「Rushとかね」
「あ、パット・トラヴァースもそうだ!」
「ん?それって誰だっけ?」
「え?知ってるでしょ?あの『Makin' Magic』とか…」
「おお!ブンブンのことか”!ブンブンね」
パット・トラヴァースがカナダでは「ブンブン」で片づけられているのを知ってちょっとショックだった。
マギー・ミネンコと同じレベルだったのか!7bun2 さて、この『Heat in the Street』もよくある表裏ストーリーもの。
あんまり暑いんでパーキング・メーターで日光浴。
それを見つけたオマワリさんが「オイオイ、そんなところで日光浴なんかしたら車が停められないじゃないか。
ったくボンボンベッドまで出しちゃって…一体君たちはナニを考えているんだね!?」 
すると…

Img_0374「イエ~!マァ、いいじゃないの!オマワリさんもいっしょに楽しんじゃおうよ~!」
「デへへ、それもそうだな、バンドのみなさん!こんなに暑いんじゃ仕事もやってらんないもんね!これがロケンロールってヤツかい?」みたいな…。
婦警さんが親切にサンオイルまで塗ってくれている。
 
カナダの気候…こんなこともあった。
もう1人のカナダの友人曰く「シゲ、カナダは寒いだろ?だから春の訪れが待ち遠しいんだ。
だから春が来て、暖かくなり始めて気温が5℃になると家の窓はすべて開け放つんだ」
「エエエエ~!5℃で!?」
それを聞いてビックリした。
何年かしてその彼とこの話をしたところ…「デヘヘ…シゲ、ゴメン。アレはウソだよ。さすがに5℃は我々だって寒いわ!」だって。
それでもMarshallの会議で私が厚手のセーターを着ている時、彼らは半袖短パンです。

Img_0375

このアルバムを好きな人ってどれぐらいいるんだろう?
私はそのウチのひとり。
その中でこのジャケットが好きでない人はどれぐらいいるんだろう?
私はそのウチのひとり。
なんだってこんなジャケットにしちゃったんだろう?
酔拳か?
あまりにも変でしょう?
コレ、ジャケットから想像することは困難極まりないけどエライカッコいいんだぜ!
…と、10年前に書いた。
今はもうメッキリこの手の音楽を聴かなくなってしまった。
 
スコット・ヘンダーソンはスゴイよ。
このジャケットのおじいさんよりよっぽど仙人なの…完全な「ギター仙人」。
大分前の話だが、雑誌の付録DVDにスコットが登場したことがあった。
私は幸運にもその収録の機会に居合わせることができた。
彼は「1959を使っている」と言っていたけど、その時は私が持って行っていたJCM2000 TSL100を弾いてくれた。
スコットはクリニックで使うのであろうオリジナルのバッキング・トラックを持参していた。
ミディアムテンポの「A」のブルースだった。
撮影の準備が整い、いよいよ演奏がスタート。
チョワ~!カッコよすぎる!
ナニ、このフレーズ!ナニこのソロ!
すっかり聴き入ってしまい、「ああ~さすがだな、やっぱり1テイクでキメルんだな、スーパー・ギタリストは。トホホ、もうちょっと聴きたかったナ」…なんて思いながら5コーラスほど進んだ辺りであろうか、ギターの音がピタリと止んだ。
「エ、どしたの?」とステージのスコットを見ると欧米人がよくやる肩をすぼめる仕草をしている。
一体ナニがお気に召さなくて彼が演奏をストップしたかサッパリわからなかったが、「しめしめ、またスゴイ演奏が聴けるゾ!」と喜んだ。
気を取り直してテイク2。
またしても出て来る、出て来る、すごいフレーズ!
ク~、たまらん!
さっきよりいいフレーズが出てる!
よく「ファースト・テイクが一番」とか言うけど、やり直すとよくなる人もいるんだな…。
ところが…今度は3コーラスぐらい進んだところでまたピタリとギターを弾くのを止めてしまった。ん~、また何か気に入らなかったんだな。
やっぱ違うわ、完全主義者は。
さあ、もう1回!
テイク3が始まる。
すさまじいプレイ!手に汗握る奇抜なフレーズの連続!
今度こそキマッタな…と最終コーラスに差し掛かったところでまたピタリ。
「ウソ!ウソでしょ?今のOKしないでどうすんのよ!」と思いつつ取り直し。
テイク4もダメ、テイク5はしくじった…、テイク6も気に入らない、テイク7もちょっとマズイのか…。
オイオイ、こりゃ一体どうなっっちゃうのよ!
果たしてどれぐらいの時間が経ったのだろうか…仙人のやることはワカラン。
OKが出たのは録りも録ったり、何と31テイク目だった。
スタッフげんなり。
一応スコットの名誉のために書き記しておくが、その31回に及んだ「A」のブルースのアドリブ・ソロは、すべてのテイクが独創性に満ち溢れたもので、どれがOKテイクに選ばれても誰からも文句が出ようのない素晴らしいものだった。
次から次へと繰り出される驚異のフレーズは、両刃のカミソリを力いっぱい握りしめたかのような鋭さで、滅多にお目にかかれないプレイに接することが出来て幸せだった。

Img_0376 

またまた出ましたおバカジャケット。
ドニ―・アイリス(Donnie Iris)という人。
一瞬バディ・ホリーかと思った。
知らないナァ…で、調べてみると70年代にThe JaggerzとWild Cherryというバンドで活躍したアメリカのミュージシャン。
The Jaggerz時代には「The Rapper」という曲でBillboardの第2位を獲得している。
ソロになってからは80年代に5枚のソロ・アルバムを発表していて、この『Back on the Streets』は1980年にリリースした最初のソロ・アルバムだ。
この人、日本では有名なのかしらん?
私はまったく知りません。
音を聴いてみると70年代の要素を少々残した80年代のポップなアメリカン・ハードロックという感じ?Img_0378  
それでは4番目のセクションに移動しま~す。
こっから先は結構早いから。

Img_0244§4-a
まずは上段の展示のご紹介。Img_0247 
今回ブロウアップされたニール・メリーウェザーの1975年の作品『Kryptonite』。
この人もカナダのシンガー、ベーシスト、ソングライターで、スティーブ・ミラー、デイヴ・メイスン、ウィルソン・ピケットらとの共演経験があるそうだ。
ジャケットのデザインもNeil自身で、イラストはアメリカのドン・リコという人。
スーパーマンの故郷である「惑星クリプトン」が爆発して砕け散った時の残骸がこのアルバムのタイトルの『クリプトナイト』。
だからスーパーマンの格好をしているワケね。
このクリプトナイトの前では、スーパーマンは力を吸い取られてしまうのだそうだ…知らんがな。Img_0379ジャケットはこんなだけど、中身はバッチリよ。
ツボを得たややポップなハードロックとでもいいましょうか。
メリウェザーの歌声がいいの。
メロトロンが笑っちゃうぐらい活躍していて、「オイオイ、そんなに無茶すんな!」と声をかけたくなるぐらいの速弾きギターが詰め込まれている。
ギターはマイケル・ウィリスという人。
調べたけどどんな人かわからなかった。
コレ、5曲目の「The Groove」なんていい曲だよ~。
ルックスもいい感じではありませんか!
7img_0380アルバム1枚さかのぼって…コチラは『Kryptonite』の前年の1974年に発表された『Space Rangers』。
これもジャケットのデザインはニール自身。
イラストはジョン・ウルフという人。
上のアルバムと連作になっているんだな。Img_0383コチラもなかなかいいのよ。
こっちもメロトロンがすごい!
こんなに使ったら壊れちゃうぞ!
若い頃に聴いていたらかなりノメリ込んでいたかも…。
ドノヴァンの「Sunshine Superman」を取り上げている。
メリーウェザーは今年の3月に76歳で亡くなったそうだ。

7img_0382ドノヴァンの「Sunshine Superman」って1966年の全米No.1の大ヒット曲なんだけど、ナンでそんなにウケだんだろう?
ごく普通の24小節のブルースだもんね。
もちろんレコーディングにジミー・ペイジとジョン・ポール・ジョーンズが参加していることは関係ない。
ナンカこう、時代の雰囲気にマッチしていたんだろうね?…そうなのかな?
ジョン・キャメロンとスパイク・ハートリーという2人のイギリスのジャズミュージシャンが編曲を担当したそうな。
そしたら、ジャズで「Sunshine Superman」といったらコレ。
盲目のアルト・サックス奏者の1970年の『Consciousness!』というアルバム。
ジャック・ディジョネットが叩く7/4拍子に乗って演奏が展開する。
ピアノはチック・コリア。
パット・マルティーノのギター・ソロが聴きたくて大学の時に数寄屋橋のハンターで探し出して買ったもんです。
カッコいいです。E2k 
ニュージーランドのバンドってこのSplit Enzしか知らない。
1973年に結成し、母国でシングルを出すなどして活動していたが1974年にお隣のオーストラリアに拠点を移した。
ニュージーランドって国土が日本の3/4の広さで、人口は1/26…たったの500万人しかいない。
コレじゃ商売にならんわね。
オーストラリアでFlo & Eddie、ルー・リード、Roxy Musicの前座をやったりしてキャリアを積み、1975年にこのファースト・アルバム『Mental Notes』をリリースした。
そんな関係でセカンド・アルバムの『Second Thoughts』はフィル・マンザネラがプロデュースしている。
 
このバンドが出て来た時は「ナンダ、変な格好をした連中だな」とチョット気にはなったけど、レコードを買ったことはなかった。
つまり、このバンドの音楽をジックリ聴いたことがなかった。

Img_0384大分後になって買ったのが同じアルバムのオーストラリア盤CD。
私はこういう色んな要素を見境なくジャンジャン放り込んで作った音楽が好きなんです。
Roxy MusicとSparksと10ccが温泉に浸かってスッカリ湯疲れしてしまったような感じ?
ジャケットもいいし。
何やら「ゾンビご一行様」の社内旅行みたいだけど、中身はとてもビューティフルだ。
そのフィル・マンザネラがプロデュースしたセカンド・アルバムは聴いたことがないんだけど、最も売れたという1980年の『True Colours』と、1984年の『See ya 'Round』というアルバムも買って聴いてみた。
残念ながらそれは私が好きな『Mental Notes』のSprit Enzではなかった。
それでSprit Enzとはスプリットしてエンド。Sez 

1975年の『Midnight Band : The First Minute of a New Day』というギル・スコット・ヘロンとブライアン・ジャクソンの双頭アルバム。
…と言っても、こうした黒人音楽を聴かない私はお二方とも存知上げなかった。
そして4年前、ギル・スコット・ヘロンを知った。
それはこの人の「Lady Day and John Coltrane」という曲から。
「Lady Day」というのはビリー・ホリデイのニックネーム。
「ビリー・ホリデイとジョン・コルトレーンを聴けば落ち込んだ気分も吹っ飛ぶぜ」みたいな曲。
ジャズを聴いている人であれば「ウッソだろ~!」と思うのが当たり前だろう。
一種のギャグなのだろうか?
「明るいビリー・ホリデイと楽しいジョン・コルトレーン」…それとも外人得意の撞着なのか?
1971年の音源を聴くと、レディ・デイともトレーンとも全く関係のないようなゴキゲンなエイトビート・ナンバー。
何しろリズム隊が素晴らしい、と思ってクレジットをチェックすると、ドラムスはバーナード・パーディ。
なるほど。
してベースは?と、ベーシストの名前を見てビックリ!
ロン・カーターなのよ!
エレキ・ベースなのよ!
ちょっと、アータ、3年前にエレキ・ベースを弾くのがイヤで『Filles de Kilimanjaro(キリマンジャロの娘)』を最後にマイルス・デイヴィスのコンボや辞めたんじゃなかったのッ?
スイマセン、この項他には書くことなし。
 
ジャケットはゴリラの「エマニエル夫人」?

Img_0386ひとつだけ書いておきたいのは、どうしてこの「Lady Day and John Coltrane」という曲を知ったのかについて…。
それは4年前、日本を代表するベーシスト、伊藤広規さんのバンド、KOKI TETRAGONのライブ・アルバム『 The Classy Rock GIG at Yokohama STORMY MONDAY』を通じてのことだった。
光栄にも写真とライナーノーツの執筆を担当させて頂いたのはいいが、「ギル・スコット・ヘロン」なんて初めて聞く名前だったので、勉強させて頂いた…というワケ。Kotet 
また知らないのが出て来たよ。
ロジャー"ディーク"・レナード(Roger "Deke" Leonard)はManのメンバーだったり、なかったり。
要するに出たり入ったり。
Icebergという自分のバンドで 活動したり、しなかったり。
Manというのは古い南ウェールズ出身のバンドで、1968年にデビューしている。
どんな音楽を演っていた(いる、現在も活動中)かというと、ウエスト・コースト・サイケ、プログレッシブ・ロック、ブルース、カントリー・ロックの混合だっていうんだよね。
ゴチャゴチャすぎるでしょう。
私も何枚か持っているけど、確かに「どういうバンド?」と訊かれて即座に形容するのはムズカシイかもしれない…というよりかなり印象が薄い。
日本での知名度はどうなんだろう?
名前は知っていても音は聴いたことないという人が多いような気がするな。
そんなだからこのアルバムも聴いたことない。
ジャケットの写真はランボーよろしく武装したディークがパラシュートでで着地したところ。
それだけで「神風」らしい。
このオッサン、「神風特別攻撃隊」のことを知らないな?

参加ミュージシャンのクレジットを見てピント来る人はいないが、3曲目の「Sharpened Clows」という曲でゴキゲンなフィドルが大フィーチュアされるバイロン・バーラインというフィドラーは「ブルーグラスにロックの要素を持ち込んだ」ことで知られる人。
珍しい…歴史の浅いロックの場合、普通コレの反対なんだけどね。
「ロックにブルーグラスの要素を取り込んだ」っていうようなのはよくある話。
そっちの方も盛んで、The Rolling Stonesの「Country Honk」や「Honky Tonk Women」のヴァイオリンはこの人が弾いている。
他にもボブ・ディラン、エルトン・ジョン、ロッド・スチュワート、The Band 、The Byrds、The Flying Burrito Brothes 等々との音源も残している。
要するに売れっ子だったのね?
残念ながら今年の7月に亡くなってしまった。

Img_0387イギリスの人気の観光地のひとつ、コッツウォルズ地方にある「チッピング・ノートン・レコーディング・スタジオ」。
Bay City Rollersのアルバムの何枚かはココで録音された。
他にも、Status QuoやらXTCやらDuran Duranやらスティーヴィー・ウインウッドやらもこのスタジオを使っている。
このディーク・レナードのアルバムの一部もココで収録された。
メッチャいいところです。
7img_0616ココは日本の「コッツウォルズ」。
7img_8272そう南千住の「コツ通り」ね。
この「コツ」は「骨」のコツね。
江戸の三大刑場のひとつだった小塚原のちかくで、ココからほど近い吉原のあたりまでは人を焼くニオイがヒドかったらしい。
今は違いますよ、江戸時代の話ですからね。
7img_8268裏ジャケは日章旗を思わせる夕日(あるいは朝日)と空飛ぶ爆撃機。
少なくともゼロ戦(ある時期のゼロ戦の正式名称は三菱A6M5 海軍零式艦上戦闘機52型)ではない。
やっぱり「神風特別攻撃隊」のことを詳しくは知らないのであろう。
しかし、この「神風(Kamikaze)」という単語は英単語の仲間入りをしていて、それゆえこの言葉をほぼ一般的な語彙のひとつとして知っている…ということは十分にあり得る。
Img_0388…というのは、アメリカには「Spelling Bee(スペリング・ビー)」という子供向けの英単語の「綴り当て」のクイズ大会があって、私は何かの機会にこのコンテストの決勝戦の問題に「Kamikaze」が出されていたことを知ったのね。
簡単じゃんね、と思ったのと同時に「神風」というのは正式な英単語になっていることを再確認した。
だから、このディーク・レナードはイギリスのウェールズの出身だけど、「Kamikaze」という単語を知っている可能性が高いと読んだのだ。
少々コレで脱線させて頂く。
この「Spelling Bee」の「Bee(蜂)」というのは「寄り合い」という意味があるそうだが、コレってもしかしてハロルド・アーレンの有名な曲「Sleeping Bee」のシャレなのかと思っているんだけどチガウカ?
この大会はモノスゴイ人気らしくて、全米大会はテレビで生中継されるのだそうだ。
実際のようすを観たことがないので、いい機会と思い何年か分の決勝戦を収録したYouTubeの動画を覗いてみた。
コレが実にオモシロイ!
予てから知っていた通り、司会者が読む英単語の綴りを正確に答えられるかを競うだけの大変単純なクイズ。
回答する子供は10~15歳ぐらいなのかな?
不思議とインド系の子の出場者が多い。
子供たちは司会者が読み上げる「音声」の他にその単語に関して、①定義②別の読み方③起源(フランス語とかラテン語とか)④品詞といった情報を得ることができる。
コレがですね、設問の難度にモノスゴイ偏りがあるとしか思えなくて、複雑な問題に当たってしまった子がすごく気の毒なのよ。
例えば「bewusstseinslage(ビューストスタインズラーガ)」なんてドイツ語に起源を持つ単語を見たことある?
少なくとも『試験に出る英単語』では見かけない。
これは「意識態」という意味らしんだけど、日本語でもわからんわ。
多分、この言葉を知らなかったと見えて、14歳のインド系の女の子は惜しくも「ダブルs」の「s」をひとつ落としてしまい敗退していた。
他にも「haecceitas」とか、「erysipelas」とか、「aiquillette」とか、「pendeloque」とか…こんなの本当に英語なのかよ?!
そうかと思うと、「koinonia」なんて設問はこの「kamikaze」のように簡単でしょ?
でもね、動画を観ていてひとつだけ私にも答えられる問題が出て来てうれしかったの。
それは「bougainvillea」…あの花の「ブーゲンビリア」ね。
どこかで英語表記を目にして「スゲエ綴りだな…」とすごく印象に残っていたのです。
「Spelling Bee」は今では日本でも開催されているそうです。

Nsb 
ジャケットに戻って…。
裏ジャケにはこんなことが書いてある。
「インビザブル サウンド プロセス」が何たるかは知らないが、このアルバムは「クリケット愛好者」でなくても存分に楽しむことができます。
そもそも日本にクリケットを愛好しているどれぐらいいるんだろう?…と思って調べてみると、競技人口は3,000人だそうです。
コレがアータ、イギリスへ行ってごらんなさい。
笑っちゃうぐらいの熱狂ぶりだから!
とにかくこのアルバム、すごく味わい深いメロディが豊富に詰め込まれた大人のロック・アルバムです。
ジャケットはヘンだけど、中身は素晴らしい!
7img_0390
マンドリンのデヴィッド・グリスマンの『Mondo mando』という1981年の作品。
スゴいイラストだな。
ウェイン・アンダーソンという人の仕事。
Img_0391 私はこの人の音楽を聴くことはないが、初めて仕事でサンフランシスコに行った時、金門橋を渡ったミル・バレーという高級住宅街にあったレストランにデヴィッド・グリスマンが来ていた。
それぐらいしかグリスマンについて書くことはないが、裏ジャケのイラストもスゴイということだけは書いておこう。Back  

お尻。
こうした身体の一部分をアップしたデザインはHipgnosisが得意とするところだが、このサンフランシスコのSweathogの1971年のデビューアルバム『Sweathog』はHipgnosisとは関係ない。
ビル・インホフという人の作品。
このバンド、サザンロックあるいはスワンプロック調のサウンドを身上としていた。
「Hallelujah」というヒット・シングルも生まれ、Black Sabbath、EL&P、The J. Geils Band、Edgar Winter's White Trash、Grand Funk Railroadらの前座を務めたこともあったが、ヤッパリどんなに大物の前座を務めたところで当たらないバンドは当たらないのね。

Img_0392 
§4-b
4番目の棚の下段に移りましょう。

Img_0248

Iron Maidenの1986年のマキシ・シングル『Strangers in a Strange Land』。
ジャケットのイラストはメイデン・ファンにはおなじみであろうデレク・リッグス。
コレ、真ん中のヤツ。
Eddie the Headっての?
大分前の話。
Iron Maidenのマネージャーとは比較的長い付き合いで、同じプロダクションの他のバンドが来日した際にMarshallでサポートしたりしていた関係で仲が良く、年末になるとイギリスから私宛にEddieからクリスマスカードが送られてきていた。
ところが、私はIron Maidenとは世代がちょっとズレていて、まったく通っていないんですよ。
だからこのEddieのことも名前すら存じ上げていなかった。
で、何年かしてロンドンのあるパーティでそのマネージャーと一緒になった時、ヨセばいいのにクリスマス・カードのお礼を言ったのよ。
律儀に毎年送ってくれるもんだから。
「いつも”ガイコツ”のカードありがとう」って。
そしたらそのマネージャーは怪訝そうな顔をして「”ガイコツ”って…もしかして”Eddie”のこと言っているのかい?」と訊いてくるではないか。
「ヤベッ!なんか怒ってるゾ!あのガイコツってEddieっていうのか!」とすぐにピンときて「そうさ!Eddieだよ、Eddie! 『♪Eddie are you kidding me?(←ザッパの歌)』のEddie!Eddieによろしく言っておいてよ!」と、100年前からEddieを知っているようなフリをしてその場を切り抜けた。
顔から火が出てこっちがEddieみたいになるとこだった。
彼、まさかMarshall Blogを読んでないだろうな。
それにしても向こうの人達ってこの手のイラストが好きなのね!

Img_0395 

Godley & Creme、1981年の『Ismism』。
Marshall Blogで何回も書いている通り、私は10ccが大好きでマンチェスターの近くの10ccの地元まで訪れたぐらい。
その10ccのレパートリーの中でもとりわけゴドレー&クレーム組の作品がお気に入りだった。
だから中学の時にLP3枚組の『Consequences』が出た時、どんなに友達が止めようと大枚はたいて買った。
当時、中学生の子が清水の舞台から飛び降りるつもりで買って聴いた時はそれなりの文句はあったろう。
でも今ではとても好きな作品でLPとCDのセットを2組、ナゼか計3種類がウチのレコード棚に収まっている。
その後もゴドレー&クレームの作品を聴かないではなかったが、『Consequence』からずいぶん遠くまで来ちゃったナァという感じだった。
人はコレを「進歩」とか「進化」と呼ぶんだろうけど、私の場合はこの2人にロックンロールをベースにした物語性に富んだチョットひねった伝統的なサウンドのロックを作っていって欲しかった。
で、このアルバム、1曲目に入っている「Snack Attack」を「ラップを先取りしている」曲とか言うそうだが、いらんよ、ラップなんてモノは。
でも、「Kojack」で始まる「-ck」の食べ物の名前の脚韻の嵐なんかはオモシロイと言えばオモシロイ。
テリー・サバラスもよろこんでいるだろう…まさかコレは「テリーヌ」と「サバラン」の隠喩?
2曲目の「Under Your Thumb」とか「Wedding Bells」なんてのは古式ゆかしいゴドレー&クレーム臭が漂っていていいね。
しかし、ジャケがな~。
私は持っていないんだけど、コレは開けてタイポグラフィにしてるのか?
ん~、チョットさびしいな~。

Isnしからばコレだ!
コチラは同じアルバムのアメリカ仕様。
ナンでやね~ん!
いかにも超B級映画のサントラ盤みたいだ。
「Snack Attack」という曲名だけでコレにしたのか?
申し訳ないんですが、『Ismism』よりコッチのジャケットの方がいいんですけど…。
Img_0398「ハンバーガー」とくれば、実際に『ハンバーガー大戦争(原題:Good Burger)』なんて映画があってウチの子が小さい時にオモシロがって観てたな。Gb アメリカ人って『悪魔の毒々ナントカ』とか『親指ナントカ』とか超おバカ映画が好きだよね。
頭が6個ある鮫の映画とか…。
残念ながらこの手の映画を楽しむ趣味は持ち合わせていないが、このジャケットを見て、『デス・レース2000年』という映画があったのを思い出してしまった。
昔、東京12チャンネルのお昼の映画劇場でよくやってた。
確かレース中に人をハネて得点を稼ぐ未来のカー・レースの話で、お色気もタップリでオモシロかったな。
1975年のアメリカ映画でまだ無名のシルベスター・スタローンが出ちゃってて。
まさかスタローンも翌年に『Rocky』で大ブレイクしてオスカーまで取っちゃうなんてこの映画の制作中には想像したことすらなかっただろうね。
題名からすると話の設定は2000年だったんだろう…もう21年も過ぎてしまった!
Dr2000 驚いたことにインターネットを観ていて他にも「ハンバーガー映画」を発見した。
『デス・バーガー』!
どういう話なんだろう?Dbg出ました「毒々」モノ!
『悪魔の毒々バーガー』と来たもんだ!
ギャハハ!「添加物100%」だって!
きっと私みたいなオッチョコチョイな担当者が悪乗りして付けたんだろうな。
映画には一切興味はないけど、こうなると原題が気になるな。
調べてみると…なんだ?
ただの「The Mad」っていうらしい。Add 
 
Blodwyn Pigはミック・エイブラハムズが1968年にイアン・アンダーソンとケンカをしてJethro Tullを辞め、サックスのジャック・ランカスター組んだバンド。
Jethro Tullの方向性として進歩派のイアンに対してミックは『This Was』で聴かれるようなブルース、ジャズ路線を飽くまでも貫くべきと対立したのが原因らしい。
いわゆる「音楽性の違い」というヤツ。
オリジナルメンバーでのBlodwyn Pigは2枚のアルバムを残し、イギリスではアルバムチャートのベストテンに食い込み、アメリカにおいてもチャートインを果たすという快挙を成し遂げたが残念ながら3年足らずで一旦は解散してしまった。
この『Ahead Rings Out』は1969年のデビュー・アルバム。
私の場合、Jethro TullのOBのバンドといわれてすぐに思い浮かぶのはベースのグレン・コーニックがFleetwood MacのOB、ボブ・ウェルチとNuzzのOB、トム・ムーニーと組んだParisだ。
このバンド、すごく好きでイケるとおもったんだけど残念ながらやっぱり2枚のアルバムを発表して解散してしまった。
一時期中古CD屋でその姿を見なくなって結構苦労して探した。
「パリス、P-a-r-i-s、巴里酢と…あった!」
案外簡単に見つかったと思ったら「ナンダ!パリス・ヒルトンじゃねーか!」何てことが3回ぐらいあった。
このアルバム、ナンの文句もリクエストもない…ひたすら素晴らしい。
こういうカッコいいロックはどこへ行った?Img_04007曲目の「The Change Song」の前に短いナレーションが入っているんだけど…私にとっての「イギリス英語発音」とはまさにコレ!
ドンズバすぎる!
Marshallの人にこの英語を聞いてもらったところ、ロンドンの東の方のアクセントなのだそうだ。
イギリスに行くとこういう英語と格闘しなければならない。
コレはイギリス英語のひとつのバリエーションであるに過ぎませんからね。
アメリカ英語の方が格段にラクです。
だから英語を勉強する時はイギリス英語を学ぶことを推奨しているのです。
 
表のブタもコミカルだが、この裏ジャケが断然おしゃれ!
そういえば、以前豚を連れて散歩するオジサンを時々浅草で見かけたけど、最近全くみなくなったナァ。
………、ん~、そういうことなのかナァ。Img_0401 
ヨーマ・コウコネン、1974年がリリースした初ソロ・アルバム『Quah』。
Jefferson系は中学生の時に「ロックの入門盤」ということで『Surrealistic Pillow』を買って聴いたのが最初。
その最初が悪かったのか、ほとんど聴かないで一生を終えそうだ。
それでも、Starshipになって加入したクレイグ・チャキーソというギタリストがカッコよくて高校の時にホンの少し聴いたけど、全体的には違う世界のバンド。
自分はつくづくブリッティッシュ派なんだナァ~、と思う。
と言いつつ…安かったのでジャケット欲しさに『Long John Silver』を買ったりしたけどね。
内容はやっぱりシックリ来なかったわ。
 
このジャケット、ロックを聴き始めた頃に音楽雑誌によく広告が出ていたのを覚えている。
「こんな変なジャケットのレコードって中身はどうなっているんだろう?」と訝しんだ記憶がある。
実にいいイラストだ。
ヨーマの奥様の作品だそうで。
 
で、45年の時空を超えて聴いてみた。
こんなアコースティック・アルバムもタマにはいいもんだ。
「ヨーマ・コウコネン」というとHot Tunaでジャック・キャサディとギーギーやっているイメージしかなかったんだけど、この人、フィンガーピッキング上手なんだネェ!
正直驚いた。

Img_0394というのは、昔教則ビデオの仕事をしていた時に、ボブ・ディランより前に「Blowin' the Wind」を吹き込んだことで知られるハッピー・トラウムが主宰する「Homespun」というレーベルから、ヨーマっは次から次へとアコギの教則ビデオをリリースしていたのです。
イヤ、ビデオを見た時にはあんまりそういう印象が無かったもんで…今回、アルバムを聴いて感心した次第。
ヨーマさま、ゴメンなさい。

41hse2t4y4l_ac_ 

ケヴィン・コイン(Kevin Coyne)はイギリスはダービー出身のシンガー、コンポーザー、フィルム・メーカー、作詞家、作家、詩人だった。
「だった」というのは2004年に没しているからだ。
残念ながら知らなかったんだけど、イギリスではかなり人気があった人。
ブルースに影響された曲づくりに強烈な歌声、それに精神に異常をきたしているかのような歌詞が魅力だったらしい。
スティングやジョン・ライドンもこの人のファンだったことを明らかにしている。
また、BBCの人気ディスク・ジョッキー、アンディ・カーショウはケヴィンのことを「ドンドンよくなる国宝」と称し、「偉大なるブリティッシュ・ブルースの声」とまで評している。
 
ナンカ、今回のシリーズは自分ばっかり楽しんじゃって恐縮なんだけど…このアルバム盤もメチャクチャいいんですよ。
1977年の作品『In Living Black and White』。
ロンドンとヨークとエジンバラで録音した2枚組ライブ・アルバム。
キーボーズを弾いているのはズート・マニー。
となると、ギターはアンディ・サマーズ…The Policeのね。
 
ジャケットもオモシロイ。
ステージの上で後ろ手に何かを隠し持っているケヴィン。
Img_0403これは裏ジャケット。
その後ろに隠し持っているモノはナンダ?

Img_0404近寄って見ると…光っている。

Img_0405ウワ!カミソリ!
 
ご心配なく。
内容は安全です。
ケヴィンの魅力的な声でブルースやレゲエ、R&B調の曲を聴かせる他、ディランの「Knockin' on the Heaven's Door」やミュージカル『ショウボート』の「Ol' Man River」なんかも取り上げている。
アンディ・サマーズは何曲かでボトルネックを披露しているんだけど、コレが実にイケる!
Zoot Money's Big Roll BandやSoft Machineに在籍した大ギタリストに向かって失礼千万だけど…やっぱりこの人ギター上手だね。
The Policeみたいな80年代のバンドで名声を馳せたので私なんかにはどうしても軽い印象が付きまとってしまう。
そして、コレを機に他のケヴィンのアルバムを何枚か聴いてみたけど…すごくヨカッタ!Img_0406

1979年、ローウェル・ジョージの死後まもなく完成したLittle Featの7枚目のスタジオ録音アルバム『Down on the Farm』。
このアルバム、いいね~。
イラストはフィートのアルバムではおなじみのネオン・パーク。
マニキュアを塗っているのに手袋をしているのはコレいかに?

Img_0407ホラ…。
1940~1950年代に活躍したアメリカのギル・エルブグレンというイラストレーターの「The Finishing Touch」という作品。
ネオン・パークはコレをモチーフにプールサイドのアヒルを描いた。
もしかしたら、アヒルが塗っているのはマニキュアではなくて口紅か…。Fk 一方、Little Feat全盛期の作品『Sailin' Shoes』。
コレは発見したのがうれしくて、Marshall Blogで以前にも何回か紹介した話。
いいの、いいの、以前の記事を読んでいない人が多いにキマっているので、オモシロイことは何度でも書くことにしてるの。
何度も読んで頂いている方にはゴメンなさい。チョット待っててね。

Sslt_2 ところはロンドンに飛んで…マリルボーンにあるかつて「EMI House」と呼ばれたのEMIレーベルの本社社屋。

Emi赤盤&青盤のジャケットの写真はこのビルのエントランスで撮影したことはよく知られている。

Red 
その真隣りにあるのが「ウォレス・コレクション」という美術館。

Wc2コレ、ホントにうれしかったの。
何の予備知識もなく絵を見て歩いていてフト目についたのがコレ。
ジャン・オノレ・フラゴナールというフランスの画家が1767年に描いた「ぶらんこ(The Swing)」という作品。

Sw1_2「アレ?コレどっかで見たことあるぞ!」とビビビと来たのが…

Sw2『Sailin' Shoes』だったというワケ。
ネオン・パークは上のアヒルといい、こういう手法を得意としているのね?
もう1回見てみましょう…ね?

Sslt そういえばザッパの『Weasels Ripped my Flesh』も確か電気ヒゲ剃り器の広告かなんかのデザインが元になっているんじゃなかったっけ?7wrmf 私は「生きているローウェル・ジョージを観た」のが自慢のひとつなんだけど、ローウェル亡きあとのFeatもすごくヨカッタという話を耳にしたことがある。
コレもコミック・ジャケットなので紹介させて頂きたいのだが、1990年のセントルイスでの演奏を収録した『Rock'n Roll Doctors』というライブ・アルバム。
下北沢のレンタルビデオ屋のワゴンセールで100円で買った。
音がよいのでオフィシャル盤かと思っていたんだけど、イタリア制作の海賊盤だった。
コレ、音だけじゃなくて、演奏が信じられないぐらい良いのです。
それが100円…うれしいね。
Rrd 
Flo & Eddie、1981年の『Rock Steady』。
この2人は言わずと知れたザッパのところにいたハワード・ケイランとマーク・ボルマンね。
下のアルバムではジャケットのラスタ・カラーのタイトルでわかるようにとことんレゲエを演ってる。
何しろ「Happy Together」までレゲエなのよ!
 
コレも裏ジャケで落とすタイプ。
南国でくつろいでいるのかと思いきや…

Img_0410なんだ、スタジオだったんかいな?というオチ。

7img_0411 
サリー・オールドフィールドはマイク・オールドフィールドのお姉さん。
ふたりでThe Sallyangieなんてフォーク・デュオもやっていた。
1979年の『Easy』。
彼女の2枚目のソロアルバム。
この人もいい加減スゴイちりめんビブラートだな。
シレっと流しておいても一向に気にならないタイプの音楽。
彼女は弟の『Tubular Bells』や『Hergest Ridge』、『Ommadawn』にも参加していて、スティーブ・ハケットの『Voyage of the Acolyte』なんかにもその名を連ねている。
これも裏ジャケットで落とすストーリー仕立て。Img_0412
なんで『Easy』で人が落っこっちゃうのかサッパリわからないけど、最後は誰もいなくなっちゃうというお話し。
まさか、Genesisの『…And Then There Were Three…(そして3人が残った)』のパロディじゃないだろうな?
1年後のリリースだし、こっちもはじめは3人だし…。
『…And There Were None…(そして誰もいなくなった/Agatha Christie)』ってこと?

Img_0413 

アル・クーパーは言わずと知れたBlood, Sweat & Tearsの創設者で、マイク・ブルームフィールドやスティーブン・スティルスとの『Super Session』でよくその名を知られている。
ボブ・ディランも「Like a Rolling Stone」のオルガンもアルの仕事だ。
何かヨソヨソしいでしょ?
私、この辺は通っていないんですよ…また言うけど、ブリティッシュ小僧だったもんで。
コレは『Championship Wrestling』という1982年のアルバム。
Img_0414コレはなかなかスゴイ。
内容も格闘技になっていて、A面が第1試合、B 面が第2試という設定で、下の裏ジャケの写真の左側の人達と右側の人達とのタッグ・マッチになっている。
このデザインは昔のアメリカのボクシングの告知ポスターを模している。
左のチームのメンバーには、ミッキー・トーマス(Elvin Bishopのところにシンガー。「Fooled Around and Fell in Love」って曲好きだった。「愛に狂って」っていう邦題だったかな?)、Tower of Power、ブルース・ゲイリー(The Knackのドラマー。知らんがな)、スティーブ・フォアマン(名パーカッショニスト)、ニール・スチューベンハウス(超売れっ子ベーシスト)、エド・グリーン(Steely Danの『Aja』にも参加しているジャズ・ドラマー)など…。
対する右側チームにはヴァレリー・カーター(有名女性シンガーソングライター)、エリオット・ランドール(Steely Danのギタリスト)、ヴィンス・コライユータ(ヴィニー・カリウタね)等の名前が挙がっている。
そしてフィーチャリングがジェフ・バクスター。
レフェリーはプロデューサーの"Wild" Bill Szymczykとなっている。
「Szymczyk」…完全にポーランドじゃん。とても読めない。
調べてみると「シムジク」という表記にしているみたいだな。
え?有名なプロデューサーだぁ?
B.B.King、The James Gang、The Eagles、The J. Geils Band、ジェイ・ファーガソン等を手がけた敏腕プロデューサーですか?…どのバンドも聴かないナァ、だから知らなかったのね。Img_0415でもプロデューサーは知らなくても、私はジェイ・ファーガソンを知っているのです。
ナンとならば、高校の時、故リック・ダンコの前座で中野サンプラザでホンモノを観たことがあるのだ!
その時初めて聴いたんだけど、スゴくよくて「コレ、リック・ダンコがヤバイんじゃないの?」なんて転換の時に友達と話していた。
ところだ、リック・ダンコのステージが終わった時には100%ファーガソンを観たことを忘れていた。
それぐらいリック・ダンコのステージは素晴らしかった。
下はその時のコンサート・プログラム。70r4a0235 ね。
1978年のことでした。70r4a0238 <最終回につづく>
 

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2021年10月16日 (土)

ミュージック・ジャケット・ギャラリー ~ コミック・ジャケット・コレクション <vol.2>

 
この国においては絶滅寸前の状態にある洋楽のロックの魅力を「ジャケット」という側面からお伝えする正義のシリーズ。
その『コミック・ジャケット』特集の第2回目。
展示の2番目のセクションに移動します。Img_0236§2-a
ココはザッパものが入っていていい感じだぞ。

Img_0238
コレはそれこそモロにザッパが喜びそうなB級怪獣映画風イラスト!…と思ったらこの『Amazing Kathy Dalton』はザッパのDiscReetレーベルからのリリース。
プロモーションのためだったのだろう、実際このキャシー・ダルトンは1973年にニューヨークとボストンで2度ほどザッパのオープニング・アクトも務めた。
この人はロサンゼルスのGas Companyという「東京ガス株式会社」みたいな名前のフォーク・グループの出身。
知らんナァ。
このアルバムには「Cannibal Forest(食人の森)」なんて物騒なタイトルの曲も収録されていて、ジャケットの雰囲気にピッタリの内容が期待されるが、音源を聴いてみると、ところどころバフィ・セイント・マリーの歌い方を思わせるマジメでソフトな曲が並ぶ。
一体どこが「Amazing」なのかがサッパリわからない。
このアルバム、オリジナル盤はかなりレアで、状態が良いとかなり高い値段が付くらしい。

Img_0338裏面に記載されているクレジット。
完全に映画風の作りになっていて、通常「Musicians」とするところを「Co-starring(共演)」とシャレこんでいる。
この共演者達がタダモノではない。
「Lowell George、Paul Barrere、Bill Payne、Sam Clayton、Kenny Gradney、Richard Hayward」…要するにLittle Feat。
そうか、コレが「アメイジング」ということか!
ザッパがローウェルに「チョット、ウチの子の伴奏してやってくんない?」って頼んだのかね?
Little FeatだけなくAlso Starringとして「Van Dyke Parks」の名前も見えるし、Guest StarsのクレジットではThe Beach Boysの「Carl Wilson」の名前も確認できる。
まさにアメイジング!ってか?
ところが、演奏を聴くに、コレのどこがLittle Featなの?って感じなのよ。
残念ながら「Dixie Chicken」でもなければ「Time Loves a Hero」でもない、無味無臭のただの演奏がウマいバンドがバックを務めている…という感じ。
まさかLittle Featが演奏しているのにLittle Featらしくないのが「Amazing」ってワケでもあるまい?

Img_0339 「ケッ、エラそうに!オマエにLittle Featのナニがわかるんだ?」って?
オウ!1978年に中野サンプラザでホンモノを観たからよ。
まぁ、コレは行っておいて良かったコンサートのひとつだったわ。

70r4a0205 この『Amazing Kathy Dalton』というアルバムは、オープニングの「Lomg Gone Charlie, Hit & Run」という曲を「Boogie Bands & Night Stands」という曲に差し替え、タイトルもその1曲に差し替えて翌年にリリースし直された。
だから元の方は1年の短命だったということになる。
これがレア度を高めているのだろう。
しかし、ナンだってそんなことをしたんだろうね?
それも「アメイジング」だ!

7kd 
他の回の展示ではセカンド・アルバムの『Little Red Record』が出展されていたMatching Mole。
今回はそのファースト・アルバム。
『そっくりモグラ』という邦題だった。
モグラが相対しているからか…。
この「Matching Mole」というバンド名は、ご存知の方も多いだろうけど、ワイアットが在籍していたSoft Machineのフランス語訳「Machine Molle(マシーネ・モレ)」を英語っぽく読んで付けられているんだよね。
 
2匹のモグラが向かい合っている姿が実に愛らしい。
イラストはアラン・クラックネル(Alan Cracknell)という人。
内容も美しいことこの上ない。
息詰まるような「美」を湛えた「Sea Song」なんかにしてもそうだが、ロバート・ワイアットには他の人が決して到達することのできない美的音感覚が備わっていると思う。
ドラミングも素晴らしいが、そういうタイプの音楽こそ彼の持ち味であり、静謐な中に途轍もないパワーを感じてしまう。
これが音楽のすごさというヤツであろう。(でも、退屈な作品は退屈よ)
静かな曲だけではなくこのアルバムの「Part of the Dance」のようなブッ壊れる寸前のようなインスト・ナンバーも実に魅力的だ。
怪我をする前のワイアットのドラミングは実に緻密でテクニカルだった。
もうひとつ、このMatching Moleの魅力はその諧謔精神だ。
グループ名からしてイカしてるもんね。
1曲目の「O Caroline」はThe Beach Boysの「Caloline No」のパロディ?
メッチャいい曲だよね。
「Signed Curtain」の歌詞なんかこんな具合…。
「♪これがイチバ~ン/これがイチバ~ン/これがサビ~、ここが多分大サビってヤツ/そして次のパートへ~… / これがニバ~ン/これがニバ~ン/これがサビ~、ここが多分大サビってヤツ~/そして他のキーへ転調~…」
こんな調子なのである。
こうしたいいバンドが短命に終わったのは残念至極である。
『Little Red Record』のジャケットもシリアスさとユーモアを交えた傑作だった。

Img_0340 
ここでザッパ。
あ~、ホッとするわ~。
家に帰って来た感じ?
契約をめぐってモメにモメた結果、ワーナー・ブラザーズが勝手にリリースしてしまった3部作の一角が『Orchestral Favorites』。
イラストはゲイリー・パンタ―(Gary Panter)。
ゲイリーはザッパのアートディレクターであったカル・シェンケル(Cal Schenkel)の影響を受けていることを明らかにしている。

Img_0341モメた3作のウチの残りの2作、『Studio Tan』と『Sleep Dirt』もパンターの作品だ。

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Sdtこのレッチリのデビュー・アルバムもパンターの作品。

Chcp  
次…。
このユニークなイラストはドナルド・ローラー・ウィルソン(Donald Roller Wilson)によるもの。
チンパンジーや犬や猫にアンティークな衣装をまとまわせて描く作風がトレードマーク。
この『Them or Us』の犬は全然まともな部類に入るだろう。
他の作品を見ると…結構ヤバイ感じ。
この人の作品はニューヨークやシカゴ、サンフランシスコ等の美術館にも展示されており、アーカンソー大学で教鞭をとったこともあるそうだ。
ま、誰もやらないことをやっているのだけは確かだ。
ザッパの作品では他に『Boules Conducts Zappa : The Perfect Stranger』、『Francesco Zappa』なども手掛けている。
どれも犬系でおとなし目のタッチだ。
大好きなザッパの作品なんだけど、どうもこのアルバムは苦手であんまり聴かなかったナ。
ナンカおもしろくないんだよね。
タイトル・ロゴがチョットヒプノシスっぽいような気もするが、このアルバムのグラフィック・デザインはガブリエラ・ラウムバーガー(って読むのが近いのかな?Gabrielle Raumberger)というアメリカのデザイナーの仕事。Img_0342この人はAerosmithの『Pump』のデザインも手掛けている。Pp  
もうひとつ展示されていたザッパのアルバムは『The Man From Utopia』。
「Chop a line now!」と始まる1曲目の「Cocaine Decision」は名曲だけど、コレもあまり聴かない作品だナァ。
ザッパの小品集ってとこかしらん?
「The Dangerous Kitchen」や「The Jazz Discharge Party Hats」あたりのしゃべるギターはスティーヴ・ヴァイのファンにはタマラナイんじゃないの?
国内盤を買いそびれてしまって、大阪に住んでいた時に神戸の中古レコード屋でゲットした。
あの頃…35年ぐらい前かな?…ちょっとしたザッパ・ブームみたいになっていて、国内盤なんかは東京で結構高い値段が付いていた。
その点、関西ではそれほどでもなくて、京都や神戸でいくらか安く買い込むことができた。
以前、マーブロでZappaの『Filmore』のオリジナル盤をヨボヨボのお婆さんが店番をしている京都の民家のような中古レコード屋さんで1,000円でゲットしたことを書いたが、その記事をご覧になった三宅庸介さんが連絡してきてくれた。
ナントその店をご存じだったのである。ビックリしたね。
 
ジャケットのマッチョなザッパはイタリアのコミック「RanXerox」のパロディ。
見ての通りザッパがスゴイ形相で蚊を叩き落としている。
海外にもハエたたきがあるんだネェ。
ちなみに「ハエ叩き」を英語で「Flapper」というそうです。
イギリスでは「Swatter」…でもイギリスには蚊はいないそうです。
あ、セミもいないのかな?
以前リバプールの人に「夏になると木にくっついてギャー!って騒ぐ虫はナンていう名前だっけ?」と尋ねられたことがあった。
「Cicada(シケイダ)」といいます。
 
これは1982年、このアルバムがリリースされる前の年のミラノの近くで開かれた野外コンサートでの出来事をイラストにしている。
演奏中にものスゴイ数の蚊がステージに紛れこんできて演奏しづらかった…の図。
つまり実話。
『You Can't Do That on Stage Anymore vol.1』に収録されている「Zomby Woof」がこの時の同じ場所での2日後の演奏。
蚊のことはどうでも、この『Zomby Woof』の演奏はすさまじいのひとことに尽きる!

Img_0343 
さて、ココは今回のハイライト…かな?
もうこのパートが書きたくてウズウズしていたのです。
 
まずはビートたけしから。
下は昭和55年(1980年)に日比谷野音の楽屋でツービートにサインしてもらった色紙。
同時に『わっ毒ガスだ!』という本にもサインをしてもらったんだけど、アレはどっか行っちゃったナァ。
この頃からオールナイトニッポンで活躍している頃のたけしが好きだった。
オモシロかったもんね~。
その頃の好きなネタの中にこういう小噺があった。
下品なヤツね。
 
ある罪人が死んで、地獄に落ちてエンマ大王から有罪の判決を受ける。
そして、鬼から「自分の好きな地獄を選べ」と言われる。
いくつかの選択肢があって…
まずは針の山…コレはいかにも痛そうなのでパス。
火炎地獄…コレは熱くてツラそうなのでパス。
血の池地獄…コレも気持ち悪いのでパス。
更にもうひとつの地獄を見ると、ウ〇コの池から罪人が顔を出してコーヒーを飲んでいる。
すると罪人は「コレが一番ラクそうだ」ということでこの「ウ〇コ池地獄」を選ぶ。
服を脱いでウ〇コの池に身を沈め、顔だけ出してコーヒーを飲んでいると、鬼がやって来てこう言った。
「ハイ、休憩終わり!みんな頭のテッペンまで潜って~!」
 
こんなような噺。
いいですか~、コレ覚えておいてくださいよ~。
70r4a0210話はMJGに戻って…
次は「イギリスのChicago」とも称されるブラス・ロックの雄、IF。
「ジャズ・ロック」という切り口でも取り上げられることも多いバンド。
それもそのハズ、初代ギタリストだったTerry Smithはギンギンのビ・バッパーだった。
ビッグ・バンドと共演した『Fall Out』ではとてつもなく骨太なギターを聴かせてくれたし、『Terry Smith with the Tony Lee Trio』も渋めのスタンダードをプレイした好盤で、双方今でも時々聴いている私の愛聴盤なのだ。
でも、彼が参加していた頃のIFの最初の2枚はどうにも退屈で私は苦手。

Terry1

Terry2 
で、下の『Tea Break Over - Back on Your 'Eads』は1975年発表のIFの8枚目にして最後のアルバム。
前述のギタリスト、Terry Smithはもう参加していない。
この前年に発表したのアルバム『Not Just another Bunch of Pretty Faces』からジェフ・ホワイトホーン(Geoff Whitehorn)に交代しているからだ。

さて、このアルバムのタイトルにある「'Eads」というのは「Heads」、つまり「頭」のこと。
で、ジャケットはIFのメンバーが風呂みたいなモノに使ってお茶を飲んでるところ。
ネズミがいて、鼻を洗濯ばさみでつまんでいるのが気になるでしょ?
 
ココでもうひとつアメリカのジョークを披露させて頂く。
よくある「Good news and bad news」というパターン。
 
ある男が死んで3つのドアがある部屋で悪魔に会った。
悪魔が言うには…
「今日は良いニュースと悪いニュースがあるぞ。
まず、悪いニュースは、この後オマエは未来永劫この3つのドアの中のひとつで過ごさねばならないこと。
一度決めたらもうそこから出ることはできない…いいか?

良いニュースは、ドアを決める前にオマエはそのドアの中を見ることができる…ということじゃ。
早速男は第一のドアを開けてみた。
すると部屋の中は人でイッパイで、みんなコンクリートの床の上に頭を接して逆立ちしていた。

コレはメッチャ頭がシンドそうだ…と男は考えた。
次に2番目のドアを開けて中を覗くと、やはり中は逆さになった人でイッパイになっていたが、床が木で出来ていた。
コレはさっきよりは大分マシだな。
でも最後のドアを見てみないとイカン…と男は考えた。

そして、男は最後のドアを開けてみた。
すると今度も中は人でイッパイだったが、今度はみんな排泄物の水槽の中に腰まで浸かり、コーヒーをすすっていた。
「コレだ!3つのウチだったらコレがいい!」
男はそう言って水槽の中に歩いて行き、悪魔がドアを閉めている時に飲み物を注文した。
何分かするとまたドアが開いて悪魔が顔を出してこう言った。
「ハイ、休憩終わり!逆さになって~!」

この最後の悪魔のセリフ、つまり落語で言う「サゲ」が『Coffee break' over, back on your heads!』という一種の決まり文句になっているのだそうだ。
『大山詣り』の「お怪我なくてよかった」とか、『火焔太鼓』の「半鐘はおよしよ、オジャンになるから」みたいなもんね。
もう一度このアルバムのデザインをチェックすると…『Tea Break Over - Back on Your 'Eads』という吹き出しのセリフの主は悪魔だったというワケ。
そして、IFはイギリスのバンドだから「Coffee break」ではなくて「Tea break」になっているのね。
だからイラストもコーヒー・カップではなくてティー・カップが描かれている。
「'Eads」と「H」を落としているのもイギリス流。
例えばコックニーの人たちは「h」を発音しない。
反対に「h」を「ヘイチ」なんて発音する人もいるな。
ネズミが洗濯ばさみで鼻をツマんでいる理由もコレでわかったでしょ?
コレは風呂ではありませんでした。Img_0344ジャケットをヒックリ返して見ると…悪魔の言いつけ通り、みんな逆さになってる。
休憩が終わったから。
欧米の人がコレを見ると「ジャンジャン!」というワケね。
私はこういう話がタマらなく大好きなのです。

7bifこのアルバムのジャケットのデザインを担当したのはThe Rolling Stonesのベロマークを考案したジョン・パスケ。

7rsjp
それにしてもショックだったのはたけしの小噺がパクリだったこと。
まぁ、日本のお笑いネタは古来、欧米からの移植が多かったからね。
ヒゲダンスのグルーチョ・マルクスのようにクレイジーとかドリフがやっていたことの多くが欧米の喜劇の借用だ。
マルクス兄弟の他にも。お手本はビング・クロスビーとボブ・ホープの「珍道中シリーズ」とかディーン・マーチンとジェリー・ルイスの「底抜けシリーズ」とかいいモノが沢山あった。

Hd

Gm

もうコレは何回もMarshall Blogに書いていることは自分でもよくわかっているんだけど、マルクス兄弟が出てきたら書いとかないと…というのは、Queenの『オペラ座の夜』と『華麗なるレース』のタイトルはマルクス兄弟の『A Night at the Opera』と『A Day at the Races』から拝借しているということね。
マルクス兄弟の映画なんて観てみるといいですよ。
メチャクチャ面白いから。
Q1

Q2

そういえば、拝借したのはお笑いのネタだけでなく、昔は音楽も欧米のネタを盛んに取り入れていた。
先日フト気が付いたのは「スーダラ節」。
イントロにバーンスタインのミュージカル『Wonderful Town』の中の「Pass the Football」という曲のメロディがそのまま使われているではないの!
それに「One Hundred Easy Ways」という曲の「♪A sure sure sure way to lose a man」という箇所の「sure, sure, sure (シューア、シューア、シューア)」と歌う所はいかにも「スーダラ節」の「♪スースースーダラダッタ」を思わせる。
「スーダラ節」を作った青島幸男と萩原哲晶はバーンスタインを聴いて勉強したことは間違いないだろう。
何しろこのミュージカルは日本未公開だったのだから余計に都合が良かったハズだ。
でもね、こうして昔は「すごく良いモノ」をマネしていたからまだ「良いモノ」を作ることができた。
今は映画も音楽ももう完全に迷走状態だ。
出がらしから美味しいお茶を淹れることは絶対に不可能なのよ。
  
バーンスタインといえば金科玉条に『ウエストサイド物語』だけど、この『Wonderful Town』やオペレッタの『Candide』なんかか本当に名曲揃いで皆さんにもゼヒ聴いてもらいた…くない。
ひとり占めにしておきたい!…という気持ちの方が強いナ。
こんなに素晴らしい音楽は人から教わって楽しむもんじゃありませんよ。
時間と金をタップリかけて自分で探すがよい!

7

7wft  
調べてみると1987年の発売だったというから、もう34年も前のことになるのか…。
『スーパーショウ』というビデオが出て、レンタルビデオ店へ借りに行ったことがあった。
当時は昔のLed Zeppelinの姿が収録されていることで話題になっていたようであったが、私は動くローランド・カークが見たかったのだ。
バート・バカラックの「I Say a Littler Prayer」にショパンの「英雄ポロネーズ」を混ぜたような演奏でヤケクソにカッコよかったが、他の内容は全くと言っていいほど覚えてない。
このコンサートが収録されたのが1969年3月25&26日で、『Supershow The Last Great Sixties Musical Event』というタイトル通り、60年代の最後を飾る豪華イベントだった。
何しろ出演者が。CREAMの解散から4ヶ月後のエリック・クラプトン(だから1959のフル・スタックがズラリ!)やジャック・ブルース、デビュー2ヶ月後のLED ZEPPELIN、ジョン・ハイズマンのColosseum、スティーヴン・スティルス、バディ・マイルス、バディ・ガイ、ナゼかMJQまで出演している。

7ssv ステージの模様はロンドンにあった工場跡に少数の観客を迎えてTV番組用にで撮影された。
そして、その映像は『SUPERSHOW』として映画化され、同じ年の11月にロンドンはウォータールー橋の北詰にある「ライセウム劇場(Lyceum Theatre)」で公開されたという。
下がそのライセウム劇場。
Led Zeppelinはココでコンサートを開いたこともあるのよ。

7img_7661それよりもライセウム劇場はボブ・マーリーの『Live!』が収録されたことでよく知られている…ハズ。
私がレゲエを聴くことはまずあり得ないが、ロンドンへ行くと当時のレゲエのムーブメントがいかにスゴかったかを窺い知ることができる…といつも思う。

Bobそして、本題。
Juicy Lucyの1971年の『Get a Whiff a This』。
コミック・ジャケットの王道を往くようなデザイン。
タイトルは「コレ、クッサ~!」みたいな意味なのかしらん?
Juicy Lucyは解散したアメリカのThe Misunderstoodというバンドのグレン・ロス・キャンベルという人やBluesbreakersのサックス、クリス・マーサーらが中心になって結成されたバンド。
「グレン・キャンベル」といってもあのOvationからシグネチャー・モデルを出していた歌手のグレン・キャンベルではありませんよ。
こっちの「グレン・キャンベル」はスティール・ギター弾き。
結成は1969年。
つまり、上の「Supershow」に出演して意気投合した連中で組んだバンドなのだ。
コレが言いたくて『Supershow』のビデオを担ぎ出したのです。
Juicy Lucyは、デビュー・アルバムに収録したボ・ディドリーの「Who Do Ya Love」が全英チャートの20位となり大きな注目を浴びた。
そして、ポール・ウィリアムスとミッキー・ムーディが参加し、セカンドアルバム『Lie Back and Enjoy it』をリリース。
そのアルバムでザッパの「Willie the Pimp」を演ってる。
そして、更なるメンバー・チェンジを経て発表したのがこの3枚目。
1曲目の「Mr. Skin」ってのはSpiritのランディ・カルフォルニアの曲。
また、オールマンの「Midnight Rider」なんかも取り上げている。

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「I'm Old Fashioned」じゃない方の「ポール・ウィリアムス」というと、我々の世代だと「Tempestやアラン・ホールズワースのバンドのシンガー」ということになるのが普通でしょう。
この人、ズート・マネーのベース/ボーカルズだったのよ。
ズート・マネーというのはブリティッシュ・ロックの歴史を勉強すると必ず出て来るシンガー/キーボード・プレイヤーで、ジミ・ヘンドリックスがロンドンに到着した日、チャス・チャンドラーに連れられて最初行った場所がズート・マネーの家だったっていうんだよね。
この辺りのことはココに書いておいたので興味がある方はどうぞ!➡【イギリス-ロック名所めぐり】vol. 58 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.1>

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このバンドでのこの人の歌はスゴクいいね。
で、ご参考…。
ポール・ウィリアムスはこのアルバムがリリースされたのと同じ1971年にエインズリー・ダンバーのソロ・アルバム『Blue Whale』でザッパの「Willie the Pimp」を歌っている。
そして前述した通り、Juicy Lucyはその前年にリリースした『Lie Back and Enjoy It』でこの曲を取り上げている。
だからポール・ウィリアムスは違うバンドで2回「Willie the Pimp」をレコーディングしているというワケ。
歌い方は両方ともオリジナルのキャプテン・ビーフハートのマネっこ。
エインズリー・ダンバーはザッパのところのドラマーだし、一体誰が選曲したんだろう?

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グレン・キャンベルのスライド・ギターが効いていて、やっぱりスゴくいいバンドだな。
裏ジャケはこんな感じ。
吹き出しの中はクレジット。
表のイラストとどういうつながりになっているんだろう?

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ちなみに…「ジューシー・ルーシー」というのは、チーズが中に入ったハンバーグを挟んだハンバーガーのことだそうです。
最近はこういうモノを食べたいとあんまり思わなくなって来たナァ。

Jlb_2フランク・マリノはカナダ人。
カナダのギター・ヒーローといえば、まずはこのフランク・マリノとパット・トラヴァースか?
Mahogany Rushではなく、1981年のFrank Marinoソロ名義のアルバム『The Power of Rock and Roll』。
映画『バック・トゥ・ザ・フーチュア』の冒頭のシーンのようなイラストはボブ・グロスマンという人の作品。
この人の作品は、TIMEやNewsweek、Esquireといったメジャーな出版物の表紙を500回以上飾っている。
まさにアメリカを代表するイラストレーターのひとりがグロスマン。

アルバムに収録されている音楽はというと…。
1981年…この手のロック、すなわち前時代的なハード・ロックの最後の時代か。
この頃まではこういう音楽を「ロック」と呼んでいた。
タイトルの通り「パワー」みなぎるロック。
まさにジャケットのイラスト通りの音楽がこのアルバムに詰め込まれている。
お国柄なのか、私の先入観なのか、このアルバムを聴いた瞬間に何となくBTOを連想してしまった。
ロックという音楽は、この後急速に一般大衆の間に入り込んだと同時にオリジナリティとパワーを失って現在に至っている…と思っているのは60と70年代の洋楽で育ったガンコな年寄りだけか?
  
先日三宅庸介さんと話していてビックリしたんだけど、このフランク・マリノって1954年の生まれで、あのライブ盤を出した時ってまだ24歳だったっていうんだよね。
勉強しないでギターばっかり弾いていたんだろうナァ…あ、私もだわ。
それでこの違い!
Img_0346フランク・マリノは高校の時に後楽園ホールに観に行った。
ギターの調子が悪いとか言って、開演が40分ぐらい遅れたんだよね。
上演中、私が投げた紙テープが彼の肩に当たっちゃって「ギロッ」ってにらまれたことは以前にもどこかに書いた。
コワかった。
そうえば紙テープって全く見かけなくなったな。
今はコンサートでの使用が禁止されているのかな?
我々世代にはとにかくMahogany Rushのライブ盤が人気で、ジミヘン・フォロワーということよりも、「スッゲェ~速弾き!」ということに耳を奪われたものだった。
「Purple Haze」を演っている…と言うこと以外には特段ジミヘンの影響がどうの…なんてことはわからなかったわ。
『California Jam』ってテレビで放映したんだっけ?
それでフランク・マリノを観た記憶は一切ないんだけど、「ギター・ソロの中でアームダウンをした時にコンサート会場の上空を飛んでいるセスナ機が会場に向かって落ちて来る演出は実にスリリングだった」なんてライブ・レポートだったかライブ盤のライナー・ノーツだっかを読んで興奮したものだった。70r4a0206 
案外ありそうでないのがこの手の浮世絵調のデザイン。
ELPのベスト盤。
このデザインが気に入ってジャケ買いした。
収録されているのは、どれも昔よく聴いた曲なのでレコード盤には針を降ろしたことが一度もない。
ジャケットのデザインを制作したのは右下に「リチヤド・エバンズ」と署名がある通り、イギリスのRichard Evansという人。
何となく「やっつけ仕事」のような感じがしないでもないが、実は結構凝っている。
開け放した窓から海と富士山が見えていて、手前には三味線。
女性はどこかの宿場の「飯盛り女」なのかしら?…でも、コレは品川宿ではなさそうだな。
立ってファースト・アルバムを持っている真ん中の女性、左手で袖をピラリと持ち上げているでしょう?
持ち上げた袂には「鳳凰」が描かれていて、それを男性に見せながら「アチキの袖と同じでありんす」と言っているところ。
ウソ、「アチキ」とか「ありんす」という廓言葉は地方出身者の遊女の訛りを隠すための吉原の工夫であって、宿場の飯盛り女がこうした言葉を使うことはなかった。
残念なのは、この女性…土足なんだよ。
下駄を履いたままなの。
コレはね、まさにイギリス人の感覚なんだよね。
実際に靴のままこの事務所に入って来てしまったイギリス人の女性がいたんですわ。
それと、障子の枠がおかしなことになっているのがオモシロい。Img_0347リチヤド・エバンズの署名の下にある落款。
ね、「ELP」になってるんだよ。
ココは「エバンス」じゃなきゃおかしい。
でも、こういう細かい仕掛けは楽しいね。7re コレは私が高校生の時に南青山の洋書屋まで行って買ったヒプノシスの図録。
あまりに繰り返し見たのでもうボッロボロになってる。
他にもヒプノシスの本がいくつか出ているけど、コレが一番好き。
上梓されたのが、Pink Floydが『Animals』をリリースする前ぐらいの時期で、ヒプノシスがまだクリエイティブな仕事をしていた頃だったから。
いや、まだロックがクリエイティブな時代に上梓されたから…と言った方が適当か?7war この本のヒプノシスのスタッフ紹介のページに目をやると…リチヤド・エバンズが出てるでないの~!
そう、この人、ストーム・ソーガソンやオウブリー・パウエルと一緒に仕事をしていたのです。7re2va そうして手掛けた多数のレコード・ジャケットだけでなく、この人、その前はナイツブリッジ(ハロッズがあるところ)に「Daisy Roots Shoes」という靴屋を開き、オリジナル・デザインのブーツを販売していた。
そのブーツはエルトン・ジョン、ジョージ・ハリソン、ロキシー・ミュージック、ロリー・ギャラガーなどに愛用されたのだそうだ。

Reb 裏ジャケも気に入ってる。
このベスト盤、「Tarkus」からの選曲がないんだよね。
裏ジャケットは世界の人々がELPのアルバムを手渡しでリレーするというコンセプト。
バックは渡し手にまつわる風景があしらわれている。
そのひとつひとつのシーンで収録曲を提示していくという趣向。
1曲目は「Hoedown」で、表からの続きで、緑の着物を来たオジサンが色黒の人に『Trilogy』を手渡す。
すると2曲目の「Lucky Man」の舞台は南国で、その色黒の人がファースト・アルバムをネイティブ・アメリカンに手渡す…というアイデアね。
ハイ、ココでエヴァンスがひとつ仕掛けをしていると思われるのが最後のところ。
砂漠で『Brain Salad Suegery』を手渡されているのはスーツを来た紳士。
つまりイギリス人のこと。何しろ「背広」の語源を持つ国だから。
このシーンの曲は「Jerusarem」…ポイントはココです。
そして、最後の収録曲の「Peter Gunn」ではテムズ川の向こうに見えるウエストミンスター、タワーブリッジ、セントポール寺院をバックに最初の日本人に「In Concert」が渡される。
コレで世界一周(一部、宇宙)。
ナゼ、イギリス紳士が出て来た場面の曲が「Jerusalem」なのか…?

Img_0348ご存知の通り、「Jerusalem」はELPのオリジナル曲ではない。
18世紀イギリスの詩人、ウィリアム・ブレイクの詩に、サー・チャールズ・ヒューバート・パリーという人が曲を付けたのが1916年。
第一次世界大戦中にイギリス国民の愛国心を高揚させようとこの曲を浸透させたためにイギリス人なら誰もが歌える「第二の国歌」と言われるようになった。
それぐらいイギリス人に密接した曲なのだ。
「オマエが第二の国家だぁ~?」
そこで物言いを付けたのがエルガーの「威風堂々」の中の「Land of Hope and Glory」。
何かというとやたらとこの曲を演奏し、歌いたがるのもイギリス人。
我こそは「第二の国家じゃい!」と「Jerusalem」の独断に待ったをかけた。
アメリカの「第二の国歌」はホーギー・カーマイケルの「Stardust」と相場がキマっているが、イギリスの場合は厄介なのよ…。
果たしてこのイギリスの「第二の国歌」論争の結末はいかに!?(ホントはそんな論争はありませんからね。私がオモシロがって勝手に騒いでいるだけです)
で、実際に数人のイギリス人に訊いてみた。
私としては「エルガーの勝ち」と読んでいたのだが、結論としては「Jerusalem」の方が優勢だった!ハッキリしてるのは…もう若い人は両方とも歌わないってよ。
 
結果…毎年夏に開催されるイギリスのクラシック音楽の大イベント「Proms」や年末のニュー・イヤー・コンサートなんかでは「Jerusalem」、「Land of Hope and Glory」そしてイギリス国歌の「God Save the Queen」の3曲を演奏いて公平を期しているとか。
下は「Proms」開催中のロイヤル・アルバート・ホール。

7img_0595_2 この項の最後に…。
このベスト・アルバムの最後にも収録されている「Peter Gunn」についてひとつ。
ELPのバージョンって、ヘンリー・マンシーニのオリジナル・リフと音がひとつ違うんだよね。
コレが昔から気になっていた。
オリジナルの方は管楽器が入るからか、キーが「F」。
一方、ELPバージョンのキーが「E」なのでこっちに合わせて言うと、フレーズの最後の音が「G」なのね。
でも、オリジナルは「Ab」なの。
これだけでずいぶんリフの雰囲気が変わってELPの方はロックっぽく聞える。
どちらをカッコいいと思うかはアナタ次第です。
 
2010年、私はEmerson, Lake & Palmerをロンドンで観ましてね。
このチームはもうカール・パーマーしか残っていないので、とても貴重な経験をしたと思ている。
Marshallのスタッフとして会場に入ったので、楽屋エリアへの出入りが自由だった。
楽屋のキャビンから目と鼻の先にあるステージまで、仲が悪そうに3人別々のカートに乗って出て行った様子が忘れられない。7img_0114さてさて、今度はロジャー・チャップマンが出て来た。
Streetwalkersの1975年のセカンド・アルバム『Downtown Flyers』。
ロジャー・チャップマンといえばFamily。
Familyといえば、「ジョン・ウェットンが在籍していたバンド」ということと、あの変形ジャケットの『Bandstand』ぐらいしか知っていることはなかった…ということは、ロジャー・チャップマンを聴いたことがなかった。
ロジャー・チャップマンに興味を持ったのもFamilyでも何でもなくて、かつてMarshallのデモンストレイターを務めていたギタリストのジェフ・ホワイトホーンがキッカケだった。
だからゼンゼン最近の話…といっても20年以上は経ってるか…。
そこでジェフが参加しているチャップマンのアルバムを何枚かディスクユニオンで見つけてまとめて買ってみた。
左上の1979年のファースト・ソロ・アルバム『Chappo(「Chappo」はこの人のニックネーム)』を除いて、ジェフはギターどころか、プロデュースや作曲でもクレジットされている。
で、聴いてみて驚いた!
も~、バフィ・セイント・マリーもビックリの「ちりめんビブラート」。
でも、声質は実にカッコいい。
例えていうならアレックス・ハーヴェイと中島みゆきを混合したような感じか?
まさに「混ぜるな危険!」な個性的な歌声はまさにひとつの「楽器」のよう。
チャップマン…Lone StarやUFOのギタリストや、イギリス大使館に勤めていた友達の苗字も「チャップマン」だったが、この名前はアメリカ人に言わせると、ものすごくイギリスっぽい名前なのだそうだ…とアメリカ人の友人が言っていた。
同様に「ミューラー」は猛烈なドイツ臭がするらしい。
 
今、久しぶりにコレらのアルバムを聴いてみたけど、ひどくカッコいいな。
でも、どれもジャケットがあまりに気の毒だ。
ちなみに「ちりめんビブラート」に相当する英語表現があるかどうかイギリス人に尋ねてみたが、特にないようだった。70r4a0222コレは脱線。
今、バフィ・セイント・マリーなんてエラそうに名前を出したが、知っているのはジョニ・ミッチェルの「The Circle Game」のカバーだけ。
この曲が使われた映画『いちご白書(The Strawberry Statement)』が日本で公開された時、私はまだ小学校2年生だったし、その後も結局この作品を観ることはなかったが、一生忘れない曲のひとつなにです。
恐らく後年、映画に夢中になってからラジオの映画音楽特集かなんかで聴いて覚えたんだろうけど、歌詞も歌っている人の顔もわからないのに、ナンカこう、子供の心にグサっと刺さったのね。
その理由のひとつは間違いなくバフィの「ちりめんビブラート」。
それまで聴いたことのない歌声で「こんな声で歌ってもいいのか?」と驚いてしまったのだ。
大分後になってジョニの『Ladies of the Canyon』の美しい歌声のオリジナルを聴いてもちっともグッと来なかった。
下は私が持っている『いちご白書』のサントラ盤。
2枚組なんだけど、A面を除いた他の面は10分チョットぐらいずつしか収録されていない。
ほとんどがクロスビー・スティルス&ナッシュとニール・ヤング。
「ウッドストック」の翌年ということもあるけど、この頃のCSN&Yの人気ってのはスゴかったんだな~、と思わせる盤。
私は全くその辺りを通らないもんですから、ただただ関心するのみ。
それより私は根っからの大英帝国派…ロジャー・チャップマンよ!

70r4a0228ロジャーは1973年にFamilyが解散した後、同バンドのギタリスト、チャーリー・ホイットニーと「Chapman=Whitney」というチームを結成し、翌年ヴァーティゴから『Streetwalkers』というアルバムを発表。
このアルバム名がそのままバンド名になって発表したのが1975年の下の『Downtown Flyers』。
このバンドのドラムスって誰だか知ってる?
Iron Maidenのニコ・マクブレインなんだよ。
ジェフ・ベック一家からはボブ・テンチがギターで、そしてマックス・ミドルトンも参加しているときてる。
内容はどうかって?
コレが大変よろしいんですよ。
「ロックって大人が聴く音楽」だったことを思い出させてくれるような硬派なロック。
私はこのアルバムは持っていないんだけど、『Red Card』と『Vicious But Fair』というアルバムを持っていて、始めて聴いた時は「おお!」と声を上げてしまったものです。
ホネのあるピュアなブリティッシュ・ロックがお好きな方にはおススメのバンド。
 
このアルバムはまたジャケットがすこぶるいいね!
マイケル・ファレルという人の仕事。72swdfま、「女性のおみ足」のジャケットとくれば、まず思い浮かべるのがソニー・クラークの『Cool Struttin'』でしょう。
ジャズ・アルバムの名ジャケットを代表する1枚だからね。Csとか、ジャズにはこういうのもあるよ。
デイブ・ブルーベックのコールポーター作品集。
キレイなおみ足だこと!

DbpcpStreetwalkersのアルバムはゲイトフォールドになっていて、見開いて縦にするとこうなる。
コ、コレは…『Cool Struttin'』も敵わない!?
Img_0351 
The Pretty Thingsの1974年の『Silk Torpedo』。
このバンドも昔からあるけど、「プリティ・シングス大好き!」なんて人にはいまだかつてお目に罹ったことがないな…。
中心人物のフィル・メイが昨年亡くなられて活動を停止した…っていうんだけど、「今までやってたのかッ?」と驚きが隠すことができない。
私も名盤の誉れ高い『S.F. Sorrow』やその次の『Parachute』は持っているけど、どうもピンと来ない。
最後までイギリスで人気あったのかな?…なきゃ続かなかったわナァ。
この『Silk Torpedo』は、Led Zeppelinのスワン・ソング・レーベルから『Bad Company』に続いて2番目にリリースされたバンドの第7作。
『Silk Torpedo(絹の魚雷)』なんて実にいいタイトルだ。
そういう曲を作ったのかと思うと、ドンズバのタイトル・ナンバーは入っておらず、「Singapole Silk Torpedo」という曲が収録されている。
「シンガポールの絹の魚雷」…ナンだろう?と思って調べてみたけど、特別な意味があるようではなかった。
歌詞を見ると、「オレは荒くれ航海士、胸のSea Dogの刺青はダテじゃない」みたいな歌い出し。
「Sea dog」というのはアザラシのことだけど、「老練の船乗り」という意味があるようだ。
そして、その船乗りが出会ってビビビと来たのが「シンガポールの絹の魚雷」。
「♪She's my Singapole silk torpedo」と歌うこの曲はなかなかにカッコいい。
 
何とも素晴らしいジャケット・デザイン!
ヒプノシスですから。7pt2_2ガバっと見開くとこういうことになる。
甲板で手を振っているのが例の航海士か?
そして魚雷に横乗りしているのが「シンガポールの絹の魚雷」というワケね。
まるで『博士の異常な愛情』のコング機長みたいだ。
7pt2_1ヒプノシスは次のアルバム『Savage Eye』のジャケット・デザインも手掛けている。
これらのスワン・ソングからリリースされたThe Pretty Thingsの2作は、ヒプノシスの代表作に数えられるモノと言ってもいいのではないか?
だってどこにでも出てくるんだもん。
ま、このヒプノシスの2枚は私もジャケ買いしたわ…聴かないのわかっていて。
Septところで、「Silk」とくれば連想するのが「Stockings」よ。
コレもコミカルなジャケットなので、ついてに紹介させて頂くのは…1957年のミュージカル映画『絹の靴下(Silk Stockings)』。
アステアのダンスとシド・チャリシの美しさとコール・ポーターの音楽を楽しむ映画。
ピーター・ローレやジュールス・マンシンの脇役陣も実によろしい。
映画の音楽監督はアンドレ・プレヴィンが務めている。
 
この作品からはジャズでは絶対に欠かすことのできない「All of You」というメガトン級の名曲が生まれている。
こういう半音の動きを上手に使った曲ってのが今の日本の音楽界から消えたね。
巷間の音楽に耳を傾けるとピアノの白鍵だけで作ったような曲ばかりだ。
だからちっとも面白くない。
コール・ポーターのこの甘美極まりないメロディをあのアステアの声で歌われた日にはロシアの美女(シド・チャリシの役どころ)もイチコロだわな。
「All of You」の他にも、ステレオ音響効果の素晴らしさを歌った「Stereophonic Sound」やストッキングがいかにロマンスに重要かを歌った「Satin and Silk」など、楽しい曲がイッパイ!

The Pretty Thingsのフィル・メイはこの映画を観て「Singapole Silk Tornado」を思いついたんじゃないだろうな…。Sst

さて、こうなると「torpedo」の語源が知りたくなりましてネェ。
というのは「-pede」というのはラテン語の接尾辞で「足」を意味するでしょ?
例えば「100(centi)」と「足(-pede)」を合わせて「centipede」でムカデじゃない?
綴りがチョット違うけど、もしや何か魚雷の語源が「足」に関係してやしないかと想像したワケ。
そしたら、やはり綴りが違えばハイそれまでよ…というワケで「足」にはゼンゼン関係なかった。
元々「シビレエイ」のことを「torpedo」っていうんだって。
きっと形がコイツに似ていたんだろうね。Torp

リバプール出身のバンド、Nasty Popの1975年のファースト・アルバム。
イイねェ、妖しげなイラスト。
コレはどういうストーリーなんだろう?
カワイコちゃんが腰かけているベッドで横になっているのは5体の宇宙人?
バンドのメンバーということなのかな?
そして、この女の子はコールガール?…ナニしろ「nasty」だから。
ベッドの下にはワニが口を開けていて、枕もとのラジオが鳴り響く。
その横には『Deaf's Cool(deafは耳が不自由な人のこと)』というレコード盤と5つあるヘッドホンのウチひとつだけが無造作にサイドボードの上に置かれている。
イスの上には焼きトマトにウインナに目玉焼きのイングリッシュ・ブレックファスト。
床にはネックの折れたギターとケースに入ったビール、それに回転式拳銃が落ちている。
奥の壁には『Sgt. Pepper's~』の内ジャケットのビートルズを連想させるような絵がかかっている。
ハハ~ン、これはビートルズの『Revolver』を暗喩しているのか…。
こういうグチャグチャっとしたジャケット・デザインはいいね。
 
イギリスの関連ウェブサイトでこのバンドを説明しているページを見ると、Stackridge、Pilot、Steely Dan、10cc等の名前が引き合いに出されている。
アルバムを聴いてみると…コレがいいのよ!
どういう風にいいのか?と訊かれれば、引き合いに出されているバンドの要素が入り混じった感じ…と言っておけば間違いないだろう。
コレはアナログで欲しいな。Img_0350ジャケット・デザインを担当したのはリチャード・エックフォード(Richard Eckford)。
この人はHumble Pieの『Smokin'』のジャケット・デザインをデザインしている。Hpsハイ、展示棚が下に移って§2-b。
悪いね、長くなっちゃって…書いている方は最高に楽しいわい。

Img_0240_2まずはGreatful Dead。
相当昔の話…中学3年ぐらいかな?
フィルム・コンサートで「One More Saturday Night」を観た。
「オワッ!カッコいい!」と思って、すぐにその曲が収録されている『Europe '72』を買った。
LP3枚組ですぜ。
当時は(今でも)大変な出費でしたよ。
そういえばコレもマンガのジャケットだったナ。
こういうヤツ。Dead 結果!
聴いたのは「One More Saturday Night」だけだった…3枚組なのに!
当時Spotify音楽配信があればあんな散財もしないで済んだのによ…。
他の曲はサッパリ受け付けなかった。
なんか「ダラ~っとしてるナァ」というのだけはわかった。
 
しばらくしてあのドクロのデザインに惹かれて『Steal Your Face』を買った。
だって問答無用でカッコいいじゃん?
あんなデザインだからサ、もしかしたらカッコいいハード・ロックでもやってないかな?って思ったワケ。Syf 結果!
ほとんど聴かなかったね。
やっぱいダラ~っとしてて。
それがデッドの味であり、楽しみだったんだろうけど、中学生だった当時はそんなことまったくわからなかった。
 
またしばらくして…今度は『Live/Dead』の「Dark Star」のギター・ソロがスゴイ!って言うじゃない?
買って聴いてみた。Livedead 結果!
どこをどう楽しめばいいのかがわからない。
ギター・ソロがスゴイって言うけど、ヘタするとジェリー・ガルシアよりフィル・レッシュのベースの方に耳が行っちゃったりして…。
バラカンさんがあれほど絶賛されているのがサッパリ理解できない。
もっともバラカンさんの本を読むと好みが真っ向から対立するのでそれもムリはないか…。
  
デッドのライブは長いことで有名だよね。
かつてボブ・ウィアとフィル・レッシュの楽器の面倒をみていた仲のよいアメリカ人の友達がライブに誘われるのはかなりの恐怖だとか言っていた。
誘われたら行かないワケにはいかないでしょ?
開演前に楽屋に顔を出して「来たよ~!がんばってね~!」と挨拶して、会場を離れまずは映画館へ…。
念のために別の映画館でもう1本観て時間を潰しておく。
その頃にはメッキリとハラも減ってくるので、レストランへ食事に行く。
ま、ワインの2~3本も空けて、「そろそろ戻るか…コンサートが終わっちゃうとヤバイからな」…とかつぶやきながらライブ会場へ戻ってズルッ!
「ドワ~!まだライブの中盤やんけ~!」
…というのはさすがに大ゲサに決まっているが、本当にこんなノリだったらしい。
私にはムリです。
 
でもね、ウチのCD棚に目をやると、ファースト・アルバムの『The greatful Dead』から、『Anthem of the Sun』、『Aoxomoxoa』、『Workingman's Dead』、『American Beauty』、『Skull and Roses』、『Europe '72』、『Blues for Allah』、『Steal Your Face』、『Terrapin Station』までと、少し飛んで『In the Dark』…と、結構持ってんのよ、デッド。
どうなってんだろうね?
買った時に1回しか聴いてないんだよ。
考えてみるにデッドもジャケットのほとんどがイラストだ。
しかも、それぞれどれも趣味がいい。
で、今回のMJGで展示されていたのは1977年の『Terrapin Station』。
デッドのライブも含めた1977年の14枚目のアルバムで、アメリカではゴールド・ディスクを獲得している。
 
ジャケットはコミカルに踊るカメが描かれており、今回のMJGのテーマにピッタリだ。
中身はというと、レゲエで始まるA面はまぁ、こんなものでしょ。
ところが!
B面を占める16分22秒のタイトル・チューン…ナンだコレはッ!?
もうヤケクソにカッコいい!
オーケストラや合唱隊の使い方が規格外に効果的で素晴らしい。
7/4の変拍子もバッチリで、これなら十分「プログレッシブ・ロック・バンド」として通用するぞ!…という感じでしょうか。
Img_0364
ところで「カメ」というとまず思い浮かべる英単語は何か?
「タートル(turtle)」?
「トータス(tortoise)」?
「テラピン(terrapin)」?
  
「タートル」はカメを指すときのオールマイティな呼び方。
「トータス」は陸に住むカメ。
そして「テラピン」はアメリカの沼に住む水陸両棲のカメを指すそうです。
下の左はテラピンちゃん。
右は今問題になっているワニガメ…ブッサイクだナァ。
カメだって第一印象が大切だな。
しかも、テラピンは食用なんだって。
「ゲゲ!」って思ったけど、考えてみれば日本人だってスッポン食べるもんね。Wg_2

Wg_1

一方、こちらはデッドの総帥ジェリー・ガルシア、1982年の4枚目のソロ・アルバム『Run for the Roses』。
「薔薇に向かって走れ」…なんてカッコいい!
内容は、私みたいなデッドの門外漢が聴くと、「一体本体と何が違うんだろう?」と思ってしまうが、「ガルシアが歌う」というところが喜びなのか?
「I Saw Her Standing There」や「Knockin' on Heaven's Door」をレゲエで演ったりもしている。
要するにジェリー・ガルシアがGrateful Deadから離れて自由に好きなことをやったアルバム…ということか。
そもそも、それがソロ・アルバムを制作する目的だもんね。

ジャケットがいい…競馬ならぬ競竜?
ティラノザウルスがトラ模様になっちゃってる。
イラストはスペインのデザイナー、ヴィクター・モスコソ。
モスコーソって言うのかな?
サイケデリック時代にソラリゼーションを効果的に使ったポスターをたくさん作ったことで知られているらしい。Img_0352レコード・ジャケットではSteve Miller Bandの『Children of the Future』やハービー・ハンコックの『Head Hunters』などを手掛けた。

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7hhhh

さて、このアルバム。
「Run For The Roses」というのは「ケンタッキー・ダービー」のことを指すそうだ。
アメリカの競馬のクラシック三冠(Triple Crown of Thoroughbred Racing)の一角で歴史も人気も高いレースだそう。
優勝した馬には真っ赤なバラのレイが掛けられることから「The Run For The Roses」とアダ名されることになった。
私は全く賭け事をしないので実際の競馬については何の知識も持ち合わせていないが、競馬もイギリスが発祥であることぐらいは知っている。
何しろ「ダービー(Derby)」というのはイングランド中部の地名なんだからして…でも、13世紀に競馬が初めて登場したのはダービーではなくてチェスターだったのです。
日本では「競馬=ダービー」という感じで使われているこの言葉はヘンリー7世(あのヘンリー八世のお父さん)が1485年に創設した「伯爵」号。
競馬は英語ではそのまま「Horse race」という。
で、そのダービー伯の第12代目とバンベリー準伯爵という人が発案して1780年に始まったのが「ダービーステークス(Derby Stakes)」という馬のレース。
ダービーさんは当時のジョッキークラブの会長だったバンベリーさんの名前を付ける提案をしたが、地方競馬にすぎないレースに自分の名前を付けられるのをバンベリーさんがイヤがった。
そんじゃ「Heads or tailes?」ということでコイントスで決めようということになり、「ダービー」の名が冠されることになった。
この場合、ダービーさんは勝ちなのか負けなのかわからんな。
重要なことをコイントスで決めるなんてジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのドラムスみたいですな…このことはココに詳しく書いておいた➡【イギリス-ロック名所めぐり】vol. 61 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.4>
それで、このダービー・ステークスはロンドンのエプソム競馬場(Epsom Downs Racecourse)というところで開催されるというのだから、地名のダービーはほとんど関係ないんよ。
下がそのエプソム競馬場。
周囲の景色がキレイだね~。
大井競馬場とは大分違うな。
でもアソコの近くには「鈴ヶ森刑場跡」っていう史跡があって…あ、危ない、危ない。
コレをやると話が終わらなくなっちゃうのでまた今度。7epsomさて、サッカーやら、テニスやら、ゴルフやら、ラグビーやら、イギリスは数々のスポーツ競技の発祥の地とされているけど、コレはイギリス人が古来スポーツ好きだからというワケではなく、ご存知の通り、イギリスは「世界一ズル賢い国」でその悪知恵を駆使して世界を征服したためにコレらのスポーツが各地で普及しただけの話。
レガッタとか、ポロとか、野球の祖先のクリケットもイギリスだ。
でもコレだけじゃなくて、スヌーカー(ビリヤードの兄貴みたいなヤツ)とか、ダーツとかのインドア競技もとても盛んで、その季節になると選手権をテレビで延々と放送してる。
そして競馬。
競馬はスポーツじゃないか?…でも、『マイ・フェア・レディ』に出て来ることで知られる「ロイヤル・アスコット」なんかはテニスのウィンブルドン、ボートのヘンリー・ロイヤル・レガッタ、ゴルフの全英オープンに肩を並べる夏の人気スポーツ・イベントの一角なのだ。
開催は6月の末。
エリザベス女王が出席して自ら優勝関係者を表彰するこのレースに、毎回女王はウィンザー城から馬車でお見えになるという。
何てラブリーなんでしょう!
下は6月の上旬ぐらいに地下鉄のコンコースやエレベーターの壁に張り出される「ロイヤル・アスコット」の告知ポスター。
「Like Nowhere Else」…他の場所とは違う。
まるでThe Kinksの「I'm not like anybody else」じゃあ~りませんか!

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スイマセン…ついドップリと脱線してしまった。
ジェリー・ガルシアが完全にどっかに行っちゃった。
こんなのイギリスの興味のない人には退屈極まりないでしょうナァ。
ゴメンね。
 
さ、軌道を元に戻してもうひとつ「カメ」行ってみましょう!
1974年リリースのThe Turtlesのベスト・アルバム『Happy Together Again』。
これは可愛いジャケットですな。
表ジャケはアツアツのカメのカップル…。Img_0356裏面はこの通り。Img_0357拡大するとこう。
説明は不要ね?
何とも細かい描写が愛くるしい!
タイトルも『Happy Together Again』だからね。
この2匹も久しぶりに会ったのだろうか?
イラストを描いたのはカール・ラムゼイという南サンディエゴの画家。Kame_2「画家」としたのは、この人のポートフォリオを見るとかなりシリアスな油彩ばかりで、プロフィールには「レコード・ジャケットのデザインの仕事もした」ぐらいしか書いていないから。
「Honey Hush」がうれしいFoghatの『Energized』や高校の頃に聴いたWest, Brice & Laingの『Live'n'Kickin'』のジャケットをデザインしているようだ。

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「Happy Together」ね…私は中学の時、Zappaの『Filmore East - June, 1971』で聴いたのが初めてだったけど、いい曲だと思ったね。
このザッパ・バージョンもいいけど、オリジナルの方もいいね。
ギターのボイシングがタマんない。
作詞と作曲はThe Magiciansというバンドのメンバーだったゲイリー・ボナーとアラン・ゴードンという人たち。
知らんわ~。
2人はデモを作って数々のレコード会社に持ち込んで聴いてもらったが、ゼンゼンダメ。
そして、流れ流れてこの曲はThe Turtlesのところにやって来たという。
その時にはそのデモ音源を収録したアセテート盤がほとんど擦り切れていたという…ホンマかいな?
でも実際にいい曲だもんね。
その証拠に1967年1月にシングルとして発表されてその年の3月末からビルボードのチャートで3週連続1位を記録した。
イギリスでは8位、カナダでも1位をマークしたそうです。
ヨカッタね~、マジシャンズ。
そんなだから「Happy Together」だけを集めたコンピレーション盤ってのもあるんよ。
ザッパとタートルズのオリジナルと「ポップ・バージョン」としてシチズン・ジェーンとかいう人と、タートルズのライブ・バージョンの4パターンが収録されている。
買った時にしか聴いていないんだけど、今、またウチのCD棚から引っ張り出して聴いてみた。
聴き慣れているせいか、ザッパのバージョンが一番ヨカッタ。

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モメにモメたオリンピック/パラリンピックが終わった。
長い間応援して来た「田川ヒロアキ」がパラリンピックの開会式に出演し、一気にスターダムにのし上がってくれてうれしい限り。
さて、1980年に動物のオリンピックをテーマにした『Animalympics』とかいうアニメーションがあったそうだ。Anm
その音楽を10ccのグレアム・グールドマンが担当してリリースされたのがこのサウンドトラック盤。
10ccに会いに行く』なんて記事まで書いたぐらい私は10ccが好きなんだけど、コレはまったく知らなかった。
「好き」といっても『Deceptive Bends』までだから知らなくても無理はない。
「なんだよ~、天下の10ccのメンバーが、ナニが悲しくて動物のオリンピックの仕事なんかしてるんだよ~」…と思ってガッカリした気持ちで聴くと、コレが抜群にいいのよ!
バンドは、リック・フェンやポール・バージェス等、ほぼエリック・スチュアートを除く10ccの残党。
歌は当然グラハムだから「ほとんど10cc」の印象。
やっぱり「Bus Stop」だの、「No Milk Today」だの、特級のソングライターが作る音楽だからして曲のクォリティが高い!
このままの内容で「10cc」名義にしちゃったらどうですか?
私は10cc時代だったらゴドレー&クレーム派なんだけど、このアルバムを聴いてグレアムも味方をしてあげたくなった。
グレアムは5ccになった時にエリックに付いたけど、そもそもはゴドレー&クレーム組に入るべきだった人なのよ。
ナゼそう思うかを述べてこの項を終ると…

Img_0355それは…
ゴドレー&クレームが作ったジェットコースターに乗っているように景色がコロコロと変わっていく名曲「The Dean and I」(ファーストアルバム収録)をエリック・スチュアートは「hate」という言葉を使って否定した。
ところが、グレアムは「10ccの要素が詰め込まれた名曲」と評しているのだ。
実際、彼ひとりがオリジナルメンバーの10ccで来日した時にもこの曲を取り上げていた。
その時、私はチョット不思議に思ったんだけど、すでに紹介した『10ccに会いに行く』を書くために彼のインタビューを聞いてその理由を知った。
「I'm not in Love」だけが10ccじゃゼンゼンありませんのよ!

10cc 
ココでナゼかDon Cherryの『Brown Rice』。
1975年、イタリアでのリリース。
Donはフリージャズ界の大物トランペッター。
10年前に比べてフリー・ジャズもずいぶん聴くようになったけど、ドン・チェリーはほとんど聴かないナァ。
でもこのアルバムは持っていて、タマに聴くと1曲目のタイトル・チューンがザッパの「Deathless Horsie」に似てるな~と思うのです。
このパッチワークのジャケットはドンの奥さんの手によるもの。
イタリア・プレスだとこのジャケットなのかな?

Img_0360というのはこのアルバム、こういうジャケットが普通みたいなんだよね。
私が持っているのもコッチ。
上の奥さんのパッチワークのデザインの方が断然魅力的だ。Cdbr
Buddy Miles Expressの『Booger Bear』。
「Booger」って鼻クソのことでしょ?
ザッパにも「Booger Man」って曲あるもんね。
私はこの手の音楽を聴くことがないので何の知識もないんだけど、The Tubesの、イヤ、ディメオラのところのミンゴ・ルイスが参加しているのね。
「You Really Got Me」を演っている。
でも、コレ、別の曲名を付けてオリジナル曲にした方がいいんじゃないの?…っていうぐらいのフェイク。
コレ自体をカッコいいか悪いかで言ったらカッコいいよ。
でも「You Really Got Me」として聴いたら、オイオイ、いい加減にしてくれたまえ!という感じかな?、私には。
Img_0361ジャケットはユーモラス。
コレも上に出て来たカール・ラムゼイの作品。
裏面を見ると着ぐるみの背中が裂けちゃってる!
着ぐるみの中はバディ・マイルスで「太りすぎ注意!」ってことかしらん?
Img_0362 

スティーブ・ハケット、1978年のソロ第2作『Please Don't Touch』。
マザーグースの挿絵に出来そうな薄気味悪いイラストはキム・プアというブラジル出身の女性イラストレーターの作品。
2、3の例外はあれど、ハケットはソロ・アルバム第1作の『Voyage of the Acolyte』からジャケットはずっとキム・プアのイラストをジャケット・デザインに依頼しているようだ。
10年前に書いた記事を読んだところ、「超久しぶりにレコード棚から引っ張り出して聴いてみたら実によい」とあった。
それからこのアルバムのことはスッカリ忘れていた。
それで、先日ギタリストの三宅庸介さんと話をしていて、ヒョンなことから話題がこのアルバムになった。
そこで超久しぶりにレコード棚から引っ張り出して聴いてみたら実によい!…って、何回も!
このアルバムに対して失礼だろ!
でも、ホントにいいのよ。
曲のクォリティも高いし、参加メンバーがスゴイ。
何せザッパ一家からベースのトム・ファウラーにドラムスのチェスター・トンプソン。
ナゼかリッチー・ヘイヴンス。
そしてKansasのスティーブ・ウォルシュ。
豪華といえば豪華。
メチャクチャといえばメチャクチャ。
スティーブの狙いは「黒人音楽と白人音楽、イギリスの音楽とアメリカの音楽を混ぜた音楽を作りたかった」のだそうだ。
ん~、混ざってるかどうかはわからないけど、ジャケット・デザインも含めてとにかく良質でゴージャスなポップ・アルバムに仕上がっていると思う。
この人、とてもおとなしそうなイメージで、実際に会って話をしても(私は2回ほどお会いしたことがあるのだ)、もう紳士ムードに満ち溢れている。
ところが、その印象とは裏腹にチャレンジ精神が旺盛で結構実験好きなのではなかろうか?
Van Halenよりゼンゼン前にあの手のタッピングをやっていたしね。
それと、ブルース・ハーモニカがヤケクソに上手いんだよ。
今、またこのアルバムを聴きながらこの文章を書いているんだけど、やっぱりいいわ。
Img_0367 
コレは特にジャケットがコミックなわけでも、デザインがおもしろいワケでもない。
この「NATIONAL LAMPOON」というのは1970年から1998年まで刊行されていたユーモア雑誌のこと…つまり、ホンモノのコミック。
ジャケットのデザインはその雑誌が並んでいるところ。
出版元はマサチューセッツにある有名なハーバード大学の在学生たちだった。
「lampoon」というのは「風刺」という意味。
写真のアルバム『Goodbye Pop 1952 - 1976』は雑誌から派生したパロディ曲集のアルバム。
コレがですね、なかなかバカにできない内容で、コ・プロデューサーがポール・シェイファー。
この人はデヴィッド・レターマンの「Late Show」の音楽監督で、番組の中でキーボードを弾いているあのスキンヘッドの人。
ドラムスにはラス・カンケルのクレジットがあるし、1曲目のサックス・ソロがカッコいいと思ったらマイケル・ブレッカーでやがんの!
でも一番驚いたのは、クリストファー・ゲストが複数の曲でベースを弾いている!
この人誰だか知ってる?Img_0369そう!
『Spinal Tap』のナイジェル・タフネルね。900_2  
West, Bruce & Laing!
なつかしいナァ。
今、この3人のフルネームを言える若い人がいるだろうか?
さて、この3人のフルネームはLeslie West、Jack Bruce、Corky Laingだね。
前と後ろの2人が元Mountain、真ん中が元Creamというスーパートリオだ。
スーパー・グループの宿命なのか、このトリオも1972~1974年と短命だった。
高校の頃『Live 'n' Kickin'』というライブ・アルバムをよく聴いたっけ。
このアルバムは1973年、2枚目の『Whatever Turn You On』。
「何があなたを魅せようとも」みたいな意味かな?
3人のメンバーが夢中になっているモノが描かれている。
レスリー・ウエストはハンバーガー、つまり食べ物。ジャック・ブルースは音楽と楽器、そしてコーキー・レイングはシモ。
ちなみのこのトリオ、2009年に「Bruce」のところをジャックの息子のマルコムが埋めてWest, Bruce Jr. and Raingとして再結成している。
このジャケットのイラストはジョー・ペタグノ。
Img_0368ペタグノは数えきれないぐらいのロックのレコード・ジャケットのアートワークに携わっている。
1972年にアメリカを離れて、イギリスに渡りヒプノシスと仕事をした。
下のNazarethの『Rampant』はペタグノのイラストを使ってヒプノシスがデザインを施している。
このアルバム、かつて『競獅子(きおいじし)』とかいう歌舞伎の演目みたいな邦題が付いていた。
「Rampant Red Lion」というスコットランドの家系の紋章から来ているらしい。
Nazarethはスコットランドのバンドだからね。
また、Captain Beyondの『Sufficirently Breathless』もそう。
ジャケットのクレジットを確認すると、上に出て来たカール・ラムゼイとの共同作業のようだ。
どちらがナニを担当しているのかまではわからない。

Nazaretu

Cb

The Kinksの『Soap Opera』やSweetの『Give us a Wink』。
Sweetは『Strung Up』もペタグノの作品。

Kinks

Sweet 
なついかしな、Heavy Metal Kids。
このアルバムいいんだゼ~。
このバンド、今でも活動しているらしい。
Black Oak Arkansasの『High on the Hog』もペタグノのイラスト。
このアルバムもゴキゲン。
ジム・ダンディはすこぶるカッコよろし。

Hmk

Bla  
そして、この人の最も有名な…というか、重要な仕事はMotorheadのビジュアルだろう。Mh さて、『Whatever Turn You On』の裏ジャケ。
ジャック・ブルースもコーキー・レイングもグビグビと酒をあおっているのに、レスリー・ウエストはまだ食っている…というオチが付いている。
レスリーもジャックももうこの世にいない。
7wb2l<つづく>

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2021年10月 2日 (土)

ミュージック・ジャケット・ギャラリー ~ コミック・ジャケット・コレクション <vol.1>

 

正直もうネタがなくてね。
数日前に緊急事態宣言が解除になったものの、ココのところ行けるライブもメッキリ減ってしまっていたでしょ?
Marshall Blogって70%がライブのレポートだったので、そりゃネタも尽きるワケよ。
でもナントカ更新せねば…ということで、今ではもう見ることの出来なくなった昔のMarshall Blogの記事から出来のいいのを見繕って「アーカイブ記事」を公開しようとしているんだけど、コレはコレでまた大変なの。
10年以上も前に作った記事でしょ?
まず、写真も文章も気に入らなくてね…。
とてもじゃないけどそのまま右から左へ出すことができない。
そんな中で比較的やりやすいのがレコード・ジャケットの魅力を紹介する『ミュージック・ジャケット・ギャラリー(以下、「MJG」)』。
最近はレコード・ジャケットや昔のロックの存在感がますます小さくなってきている感じもしてるしね。
記事を復活させるにはちょうどいい機会だと思って…。
 
で、今回は今から10年前の2011年12月5日 に掲載した記事を再掲することにした。
「再掲」といっても70%ぐらい書き換えてしまったのでほぼ原型を留めていない。
写真や文章が気に喰わないだけでなく、書いてある内容が時流に合わなかったのです。
「TTP問題」がどうのとか言っていたりしてね…今、チョット中国が騒いでいるけど「TTP問題」なんて誰も覚えていないでしょう?
新しい自民党の総裁が選出されたけど、だいたい今日の記事のオリジナルが掲載された10年前の12月の時の総理大臣って誰だったか覚えてる?
そう、野田さんよ。
え、野田さん自体も覚えていない?…というぐらい時の流れが早いね。
でもどんなに時代が変わっても昔のロックとレコード・ジャケットの魅力は変わらない。
でもひとつ…この音楽のメディア関連で10年のウチに大きく変わったことがある。
今回それが記事の内容の書き換え作業を強くプッシュしたのね。
それはナニかと言うと、SpotifyとYouTube。
10年前に記事を書いた時にはそれらがまだ無いか普及していなかったので、聴いたことがないレコードはジャケットの紹介をするにとどまっていたんだけど、今ではどちらかを検索すれば記事に登場するレコードのほぼすべての音源を聴くことができるようになった。
だから、10年間にはジャケットの紹介しかできなかったアルバムも、今回は音源を探し当て、片っ端から聴いて感じるところがあれば簡単な感想を付け加えることにした。
こういう作業をする時のSpotifyやらYouTubeは限りなく便利である。
反面、レコードは本来そこに収められている音楽を聴くためのモノであって、「その音楽を聴けさえすれば満足」ということであれば、レコードをコレクションする必要が全く無くなってしまったことを実感する。
実に恐ろしいことだ。
このシリーズを始める時に「利便性が風情を殺す」なんて書いたものだったが、10年チョット経って我々レコードやCDで育った世代の人類が直面した現実はそんなナマ易しいものではなかったネ。
あと何十年かして、生まれた時からSpotifyやYouTubeがある世代の人たちだけになった時、レコードやCDはこの世から姿を消しているのだろうか…なんてことは以前から取り沙汰されてきたけど、少し真剣に考えてみてしまったよ。
 
さて、「MJG」と来れば大田区は鵜の木にある音楽パッケージ印刷の老舗、「株式会社 金羊社」さんの4階のギャラリー。
Img_0221懐かしいな~。
ココへは三月に1回、展示アイテムが入れ替わるたびにお邪魔させて頂いていた。
展示品は日本屈指のレコード蒐集家、植村和紀さんのプライベート・コレクションだ。
Img_0440今回のテーマはイラストものを中心としたコミカルなジャケット。

「笑い」はいつの時代にも必要かつ不可欠なもの。
「笑い」には癒しの効果があり、人間関係を円滑にさせるばかりでなく、肉体的な面からも本来人間が持っている免疫力や自然治癒力をアップさせるっていうからね。
今の日本はとても笑える状況にはないが、こうした社会状況を少しでも変えていくためには、「笑い」が持って来いなのだ。
今回登場する数々のコミカルなジャケットを見ることによって、是非とも「笑い」の勢いを感じ取って心身ともにパワーを蓄えてもらえればうれしいね。Img_0430_2 ところで、『雨に唄えば』って映画観たことあるでしょう?
若い人たちは知らないか…。
名曲がテンコ盛りのミュージカル。

Sgir

 
あの中に「Make 'em Laugh(笑わせちゃおう)」という曲が挿入されている。
ドナルド・オコーナーの超絶ダンスが見もののハッピー・チューンで「Make 'em laugh. Make 'em laugh. Don't you know everyone wants to laugh?(笑わせちゃえ、笑わせちゃえ、みんな笑いたがっているのを知らないのかい?)」と歌う。
そう!みんな笑いたくてしょうがないのだ。
ちなみにこの映画のヒロインを演じているデビー・レイノルズって誰のお母さんか知ってる?
答えは「レーア姫」を演じたキャリー・フィッシャー。
『スター・ウォーズ』のね。
『ブルース・ブラザーズ』ではジョン・ベルーシを追っかけまわしてマシンガンをぶっ放す謎の女性ね。

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7cf 

似てる?
お母さんの方がカワイかったかな?
「カワイかった」…と過去形で言わなければならないのは、2人ともお亡くなりになっているから。
2016年12年27日、ロンドンからLAに向かう飛行の中で娘のキャリーが心臓発作で息を引き取った。
すると翌日の28日、あろうことかそのショックでお母さんのデビーが脳梗塞で亡くなってしまったのだ。
コレにはホント驚いたよ。
この記事の初出は2011年12月なので、その時には2人ともご存命だった。
  
さて、話題は変わって「笑い」といえば…。
欧米人に言われてもっともうれしいお世辞は何か?
以前は「How many years were you in the States?(アメリカにどれぐらい住んでいたの?)」だった。
つまり「あなたは英語が滅法うまい」というホメ言葉だ。
ココでチョット自慢ね。
一昨年Marshallに行った時に、本社の近くの定宿の少々長逗留をしたんだけど、最後の日に「今までありがとう。今日帰ります」とレセプションで応対してくれた東南アジア系の女性に言ったら「どちらにお帰りなんですか?」と訊いてきた。
「今晩の飛行機で東京に帰ります」と私が答えると、「エエエッ?東京にお住まいなんですか?お話になる英語を聞いていたら私はてっきりロンドンにお住まいなのかと思いましたよ!」って言うワケよ。
やっぱりロンドナーに見えるんだな~…コレはさすがにうれしかったけど、今にして思うと「日本人向け接客マニュアル<おだてれば調子に乗るバカなヤツ編>」の通りだったのかも?
実際、大した英語は話していませんからね。

Dt 向こうの人って外国人が話す英語のお世辞を言う時、「Your English is very nice!(英語がお上手ですね~!)」って言っておいて、「Your English is much better than my Japanese(アナタの英語は私の日本語よりゼンゼンお上手だ)」ってよく言うんだよね。
そう付け足されたらこっちの英語をほとんど評価していないと思っていいでしょう。
コレ、社交辞令とは言え失礼だと思うんですよ。
だってこっちは中学から大学まで一応10年間も勉強していることになっているし、少なくともそうして外国人と接する機会がある仕事をしていれば、真剣に英語を勉強しているのが普通じゃない?
それにひきかえ、向こうはナンだ?
日本語なんてマジで勉強したことないでしょ?
そんなアナタのヘッポコ日本語といっしょにされちゃこっちは困るワケよ。
でも、日本人で英語が話せる人って人口の2%ぐらいなんだってね。
6年、あるいは10年も学校で学習しているのに…全くの無駄ということですからね。
いくら英語を使う環境が他国と違うとはいえ、こんな惨状は日本ぐらいのもんじゃないかしら?
  
で、英語のお世辞については考え方を変えた。
「You have sense of humor」…これが英語を話す欧米人からの最高のお世辞とした。
「ユーモアのセンスがおありですのね、愉快なお方!」みたいな。
欧米人は人を笑わせる能力を持っている人をとても尊敬する。
もちろん下品なネタはダメですよ。
英語で冗談を言うのは実にムズカシイ。
まず英語が通じなければ絶対にウケない…コレ当たり前。
そして、冗談というのは話すスピードが命なのだ。
ダラダラ、「ア~ア~」だの「ユーノー」だの言っていると相手は笑ってくれないどころか話しを聞いてももらえなくなる。
多少無理をしてでも自分なりの最高速度で一気に英語をしゃべりきるのがコツ。
それと何と言っても文化。
映画でも、音楽でも、文学でも、歴史でも、食べ物でも、テレビのネタでも、とにかく彼らが日常に接している事物を広く知らないと冗談を言うチャンスは訪れない。
実際に相手の文化的なバックグラウンドを絡めて放つ冗談が一番ラクなんだよね。
私の場合は映画と音楽だ。
政治や宗教や人種をネタにするのはあまりにも危険なので、とにかくコレに徹している。
向こうの人たちは我々が想像するよりもはるかにそういったエンターテインメントが生活の中に入り込んでいるし、よく知っているから何を言っても受け止めてくれる。
すると、共通の話題も増えるし、冗談を言う機会も増えるというワケだ。
先日、Marshallの若い女性に「刑事コロンボ」が話す英語をマネしてメールをしたら完全にシカトされたけどよ。Shika_2 そして、冗談がウケれば自動的に英語力も認められているということになる。
意味が通じてるんだから当然だ。
だから、「You have sense of humor」は最高のお世辞であり褒め言葉だと思うワケです。
エ、お前そんなこと言ってるけど実際にそう言われたことあるのかよ?って?へへへ、ご想像にお任せします。
ま、何度か言われていなけりゃこんなこと書かんわね。
 
そうそう、コレで思い出した。
昔ヒースローの待合室にいた時、東京に向かう見知らぬイギリスのオジさんに声をかけられて、お互い同じ便だったので搭乗時間まで世間話をしたことがあった。
何でも海底掘削工事のエンジニアとか言っていた。
で、話題がイギリスの天気になって、私が「You have all seasons in one day」と形容したら、その人「おお~!素晴らしい!アナタは詩人だ!」とか言いながら握手を求めて来て、ものすごく感激されて驚いたことがあった。
コレはユーモアではありませんけどね…ポエムです。
下は昔のヒースロー空港の待合室。545 なかなか本題に入らなくてゴメンナサイ、前からどうしても書きたかったことがあるんです。
「コミック」という今回のテーマを利用して書かせてもらっちゃおう。
 
私の世代は残念ながらロックの黄金時代、つまりレッド・ツェッペリンやディープ・パープルの時代にはちょっとばかり間に合わなかった。
中2の時に『ホテル・カリフォルニア』がリリースされた世代。

Hc クラスの普通の子が聴く音楽といえば歌謡曲が当たり前で、その頃からロックに夢中になっていたのは私の他にはほとんどいなかった。
だから、もう6~7年早く生まれていればJethro Tullも、Pink Floydも、Humble Pieも、Freeも、BBAも、ELPも、YESも余裕で観ることができたですよ…でもできなかった。
ところが、我々の世代は思いっきりアニメとかヒーローの黄金期に当たってるのね。
鉄腕アトム、鉄人28号、エイトマン(←主題歌の歌詞って前田武彦が書いてたって知ってた?)あたりからはじまって、ひょっこりひょうたん島、ケロヨン(木馬座)。
ケロヨンなんてモノスゴイ人気だったんだよ~。
母がよくサンケイホールに観に連れて行ってくれた。
ちなみに同じ歳の家内は、私との別れ際にはいまだに「バハハ~イ」と言うことが多い。

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テレビアニメに至っては枚挙にいとまがない。
ジャングル大帝、リボンの騎士、メルモちゃん、マッハGo Go Go!、妖怪人間べム(何故か舞台がヨーロッパ)、サイボーグ009、スーパージェッター、タイガーマスク、巨人の星、アッコちゃん、サリーちゃん、おそ松くん、もーれつア太郎、ハリスの旋風、あしたのジョー、いなかっぺ大将、みなしごハッチ、ハクション大魔王、オバケのQ太郎、ウメ星デンカ、花のピュンピュン丸(これ好きだった)、狼少年ケン、アタックNo.1、鬼太郎、河童の三平、ライオン丸(顔がライオンだもんね。ミノタウロスもビックリだぜ)、デビルマン、マジンガーZ!あ~ダメだ、キリがない!
 
怪獣系ではウルトラマンやウルトラセブンはもちろん、マグマ大使(ネーミングのセンスすごし)、ジャイアントロボ、ミラーマン等のテレビ番組に加えて、ゴジラ人気に便乗して各映画会社がジャンジャン怪獣映画を制作していた。
大映の「ガメラ」や「大魔神」は今でも人の口に上ることが多いが、松竹の「ギララ」、日活の「ガッパ」とかはほとんど耳にしないよね。
「マタンゴ」は古いか…「ゴケミドロ」なんてのもあったな。

Grr

Gappa 

今考えると、クリエイティビティに満ち溢れていた本当にスゴイ時代だったと思う。
「ど根性ガエル」なんてスゴイぜ。
一体、誰がカエルがシャツに貼ッ付いちゃうなんてことを考えるよ?
 
音楽で例えれば、手塚治虫はデューク・エリントンぐらいスゴイし、赤塚不二夫なんてジミ・ヘンドリックスかオーネット・コールマンぐらい偉大だよ。
私はレッド・ツェッペリンもディープ・パープルも観ることはできなかったが、星飛雄馬や伊達直人や鮎原こずえ達を時を同じくして十二分に楽むことができた。

Dk

この頃のアニメはエロも過度な暴力もなくて実に愛らしかった。
そして、我々の世代がもうひとつラッキーだったのは、これらのアニメの主題曲もリアルタイムで経験したことだ。
上に挙げたほとんどの作品の主題歌は今でもほとんどソラで歌えるもんね。
それぞれが際立っていい曲だった。
妖怪人間べムはビッグバンド・ジャズだったり、アッコちゃんの最後の歌「スキスキ」はブルースだったり、演歌調もありゃ、準クラシックもあった。
鉄腕アトムのイントロはホールトーン・スケールがガッツリ使われていたり、いろんなタイプの音楽を知らず知らずの内に体験していたことなる。
ま、ウチの家内なんかは「魔女っこメグちゃん」を平気で「ケロっこデメタン」のメロディで歌っていたりもするが…。
今みたいな一石二鳥のヒット狙いのタイアップ曲なんかではなくて、クラシックを下地にキチンと音楽を勉強した作曲家が曲を作り、腕利きのミュージシャンがそれを奏でるのだからそりゃいいモノができるにキマている。
だから世代を超えて長持ちしてるんでしょうね?
作曲に関して言えば、富田勲や山本直純だもんね。
映画も音楽もアニメも、テイストが変化するのはまったく構わないと思うけど、一体ナニが美しいのか、ナニがスゴイのか、ナ二が面白いのか…の適切な基準だけは無くさないでいて欲しいことを願う。
 
展示のテーマを象徴するブローアップ・ジャケット。
今回選ばれた2枚のウチの1枚はジャニスの『Cheap Thrills』。
Img_0258もうひとつは昔の山止たつひこのマンガにでてきそうなキャラをあしらえたカナダのニール・メリーウェザー(Neil Merryweather)という人の『Kryptonite』。Img_0261 ではいつものように、気になった作品を展示棚ひとつずつ見ていきましょう!

Img_0229まずは最初のセクション…§1-a。Img_0232 数々のフォロワーを生んだ名ジャケット・デザインを手がけたのは、アンダー・グラウンド・コミックスの創始者といわれているロバート・クラム(Robert Crumb)。
それほど熱心に聴いたアルバムではないが、印象に残っているアルバムのひとつ。
残念ながらそれはジャケットのおかげではない。
その理由は値段…といってもおわかかりになる方はほとんどいらっしゃらないでしょう。

Ct_2 中学の時の話し。
当時もLPレコードの値段は全て2,300円から2,500円だった。
現在のCDとそう変わらないけど、コレは45年ぐらい前の話ですからね。
当然新品のLPを1枚買うのには、清水の舞台から真っ逆さまに飛び降りるような決心が要ったワケです。
そこへ出て来たんですよ。
CBS/SONYの名盤と言われていたレコードが1,500円均一で!
いわゆる「廉価盤」ってヤツね。
こんなの今では何ら珍しいことではないどころか、音楽なんてもうタダ同然になっちゃったけど、子供の頃の1,000円の差っつったら大変なモンですからね。
ま、今でも大変なんだけど…。
「1,500円でレコードが買える!」と狂喜乱舞したのです。
しかし、いくら安いと感動してみたところでこっちはビートルズを卒業してまだそう間もない頃でしょう。
アル・クーパーだの、ジョニー・ウインターだの、Blood, Sweat & Tearsだの、Chaseだのといわれてもネェ…まだこっちはオコチャマで、海のモノとも山のモノともつかないアイテムばかり。
どれを買っていいのかサッパリわからないワケ。
で、ひと際目を引いたのがこの『Cheap Thrills』だった。
こんなモロに漫画のジャケット見たことなかったからね。
でも結局、その時に私はこのLPを買わなかった。
仲のいい友達が買ったので借りて聴いた。
「ナンて変な声の女の人だろう!」だと思ったけど「Piece of My Heart」が気に入った。
当時、よく「Summertime」の絶唱が賞賛されていたように記憶しているけど、年月を経る間にエラ・フィッツジェラルドやカーメン・マクレエのジャズ版や、オリジナルのオペラの『Porgy & Bess』を聴いてしまうと、ジャニス・バージョンはかなりツライ。
今となってはガーシュインの最高傑作のひとつを改悪しているようにしか聞こえないんだよね。
ジャニスのフェイクっぷりもツラいけど、原因の1/3ぐらいはあのギター・ソロによるものかも知れない。
70r4a0088 その後、九段会館で開催された『Monterey Pop Festival』のフィルム・コンサートに行き、床を踏み鳴らしながら「Ball and Chain」を激唱する動くJanisを見た。
オイルをかけてストラトキャスターに火をつけるジミ・ヘンドリックスにも感動したが、ジャニスも負けていなかった。
下はその時に買ったプログラム。
同時上映は『Wattstax』だったんだけど、ゴメン、途中で出て来ちゃった。

70r4a0098_2これは植村さん所有のRobert Crumbの作品集。
Img_0263ページを繰ってみると…ホラ、『Cheap Thrills』が出てる。

Img_0264他に有名な作品はこの『Fritz the Cat』や『Mr. Natural』などがあり、どちらもやや年配の方なら「ああ、コレね」と思うだろう。
他にはエッチなマンガが盛りだくさん。

Img_0266 上に書いたように、このジャケット・デザインは数々のフォロワーを生み出していて、コレはその中のひとつ。
犬神サアカス團の2007年のシングル「たからもの」。952  
次…これはユカイ!
『liverpool 1963 - 1964 volume two』というコンピレーション・アルバム。
収録されているのは、Beryl Marsden、The Big Three、The Dennisons、The Mojos等…って全然知らんわい!
ちょっと気になるのはThe Pete Best Fourとかいうグループ。
もちろん、ピート・ベストとはRingoの前のThe Beatlesのドラマー。
この人今でも演奏しているみたい。
ジャケットはもちろん『With the Beatles』のパロディ。
元も方は、アストラッド・キルヒャーというドイツ人の女流写真家が使った一般的に「ハーフ・シャドウ」と呼ばれる手法をビートルズのメンバー達が大変気に入り、ロバート・フリーマンというイギリス人カメラマンに依頼して同じタッチで撮った写真を『With the Beatles』のジャケットに使った。
アストラッドはこれまた元ビートルズのメンバー、スチュアート・サトクリフ(ポールの前のベーシスト)と婚約したが、彼の死によって別れ別れとなってしまった。このあたりは有名な話で映画にもなったんじゃなかったっけ?
フリーマンは他にも『For Sale』、『Help!』、『Rubber Soul』なんかのジャケ写を撮った人ね。

Img_0302 裏面にはモップの写真が…。
このモップが実際に使われたのかしらん?

Img_0303 「Bummie(ブラミ―)」が集まって結成されたバンドがThe Move。
「ブラミ―」というのはバーミンガム出身者のこと。
ニューカッスル出身者が「ジョーディー」、マンチェスター出身者が「マンキュリアン」、リヴァプール出身者が「スコーサ―」というのと同じ。
バーミンガム訛りの英語はキツイぞ~。
Marshallの本社があるミルトン・キーンズはバーミンガムにほど近いこともあって、何人かのブラミ―がいる。
最近は少し慣れたけど…ココだけの話…最初の内はナニを言っているのかがわからず本当に困った。
マンキュリアンの英語も結構ツラい。
経験から言って、まだジョーディー弁の方がラクなような気がする。
 
さてこのThe Move、以前にも書いたことがあったが、どこに境目があるのかはわからないものの、イギリスでは「ロック」と「ポップ」の境界線が明確でThe Moveはどちらかというと「ポップ・バンド」の範疇に入れられているようだ。
確かにファースト・アルバムなんかを聴くと、ポップポップしていることは否定できない。
でもコレが実にいいんだな。
ま、どのジャンルに突っ込まれようとロイ・ウッドとジェフ・リンという才人を抱えたこのチームの音が悪かろうハズはない。
特にRoy Wood(後出)はいいナァ。
同じポップ・チューンを演るにしても、スルリと無難にいいメロディを聴かせるというのではなく、「アレ?そっちに行っちゃうの?」みたいな意外性を持ち合わせているところがタマらん。
初期には全英No.1となったシングル「Blackberry Way」や、同じく2位まで上昇した「Night of Fear」や「Flowers in the Rain」などのヒット曲があって、The Moveは日本でもっと名前が通ってもいいバンドだと思う。
このアルバム『Shazam(シャザム)』は1970年発表の2枚目のスタジオ・アルバム。
スーパーマンのような格好をしたメンバーのイラストがユーモラスだ。
Img_0306The Moveは1枚目も4枚目もイラストのジャケット。
メンバーの写真を表に出すことがなかった。
恥ずかしがり屋だったのかしらん?

Move

7mc 

唯一、3枚目の『Looking on』だけが写真を使ったデザインだった。
この写真がまた妙で、頭のテッペンがツルツルにハゲたおっさんを並べて俯瞰で撮ったもの。
パッと見ただけでは何かわからないようなシャレのきいた写真を使っていた。
イカンね、ハゲはオモチャじゃないぞ!
コレね。
このジャケットも十分コミック的だ。
Loところで、「Shazam」というのはナニか?
最近ではそういうアプリもあるようだが、「ジャーン!」という擬音なのだそう。
手品師が最後にワザを使って見ている人を驚かす時に「シャザム!」と言うらしい。
ドッキリカメラだったら「♪テッテレ~!」だ。
 
ココでの「Shazam」は違う。
私はこういうマンガ関係のことは全く門外漢なのでもし間違っていたらゴメンよ。
「シャザム」というのは、1930年代のアメリカのヒーロー・コミック『Captain Marvel』に登場する魔法使いのことだとか…。
このシャザムが「Shazam!」と呪文を唱えると、稲妻が轟き、主人公のビリー少年が6人分のパワーを持ったヒーローに変身する。
ここから転じて『キャプテン・マーベル』自体のことを『シャザム』と呼ぶようになった…とか?
だからMOVEのメンバーもスーパーマンみたいな格好をしているというワケね。
でもこれはスーパーマンではなくてキャプテン・マーベルなんですな…知らんがな。

「キャプテン・マーベル」でよく知ってるのはコレ。
Stan Getzの『Captain Marvel』…「Return to Forever」の前身ですな。
カッコいいことこの上なし。

Cm もうひとつついでにMOVEネタ。
写真はロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(Victoria & Albert Museum、通称「V&A」)に飾ってあったThe MoveのMarquee出演時の告知ポスター。
何ともカッコいいデザインではあ~りませんか!
でも「JULY 11 MARQUEE」としか書いていない…何年のライブだったんだろう?

7img_2251 ということで、早速ウチにある『LONDON LIVE』という本でMarqueeの出演者記録を調べてみると…あった、あった!
1967年の7月11日のことだった。Tb この日のThe Moveの対バンはWinston's FumbsというThe Small Faceのキーボーズ、ジミー・ウィンストンのバンド。
スゴイよ…その前日の出演者はTen Years Afterにロジャー・チャップマンのFamily。
翌日はアル・スチュアート(後出)だもん。
いいよナ~、人生不公平だよナ~。
もっとも1967年じゃまだ私は5歳だったけど。70r4a0144アーチー・シェップの『The Magic of Ju-Ju』にも「Shazam」という飛び切りカッコいいバッピッシュな曲が収録されている。
この『The Magic of Ju-Ju』も今回の展示に出てきてもおかしくない充分コミカルなデザインで好き。花柄の骸骨なんて実にステキな意匠だ。
内容も素晴らしい。シェップは素晴らしい。

JujuThe Move関連のネタが続くよ。
ロイとジェフが在籍していたNightridersが発展して生まれたIdle Race。
結成は1967年と古い。
これはファースト・アルバム『The Birthday Party』。
英米でジャケット・デザインが異なるが、これはイギリス盤。
誰かはほとんどわからないが、この宴席に座っている紳士たちはイギリスの有名人らしい。
で、ところどころにバンドのメンバー紛れこんでいるところが楽しいけど、このアイデアって考えてみれば完全に『Sgt. Peppers~』じゃんね?
それもそのハズ、ジェフは大のビートルズ・ファンで、何かのインタビューで目にしたんだけど家ではビートルズとバルトークしか聴かないとか。
いいチョイスだ…バルトークはカッコいいですよ~。
このアルバムはゲイトフォールド・ジャケット(見開き)になっているんだけど、その仕様のジャケットってビートルズの『Sgt. Peppers~』とストーンズの『Their Stanic Majesties』以来なんだって。
そこまでマネしたかった!
Img_0311元の表1はこういうデザイン。
Bpコレを開くと、上のモノクロ写真とこの下の写真が見開きになっていた。
7abこんな感じ。
知っている人いる?
よく見ると、かなり強引なコーラージュもあって、ステンド・グラスにも顔写真が埋め込まれている。
一番左にリンゴが座っていて、他のビートルズの3人は奥の方に立っているよ。

7inside そういえば…これはホントの話しなんだけど、昔、英語版ビデオの日本語対訳書の校正の仕事をしていた時、音楽をまったく知らない翻訳家の過去のダイナミックな所業を発見して興奮したことがあった。それは…『Sgt. peppers Lonly Hearts Club Band』を何の疑いもなく堂々と『胡椒軍曹の寂しい心楽団』と訳していたのだ!
ま、間違いではないんだけどね~。
それじゃまるで王様だよ。
Sgt 一方、こちらはRoy Woodの『Mustard』。
大名盤。
ボブ・ディラン、ジョニ・ミッチェル、マイルス・デイヴィス、デヴィッド・アレン(後出)等、自分で描いた絵画なりイラストなりを自分の作品のジャケットに使うミュージシャンは決して少なくないが、この『Mustard』のイラストもロイ自身が描いたもの。
実にいい味を出しているでしょ?
このアルバ三だけ帯が付いてい文字もカラシになっているのを見せるためか。

しっかしこの絵のセンスはなんだろね?
あんなに美しい曲を書く人なのに。
もちろん大好きなジャケットなんだけど、諸星大二郎のマンガみたいだ。
マルチ・プレイヤーで知られるロイだけど、実際にこの人バグパイプを演奏しているんだよね。

Img_0319ココで楽器クイズ。
「電気の助けを借りずにこの世で一番デカイ音を出す楽器ってな~んだ?」
「ピアノ?」…いいえ。
「ドラムス?」…いいえ。
答えは「バグパイプ」と言われているそうです。
大分前に東京藝大の学祭(「芸祭」ってヤツね)の音校(音楽学部)で実際の演奏を見せてもらったことがあったんだけど、たった1人で吹いているのに信じられないぐらいの爆音だった!
音量もさることながら、クリーンでエラク抜ける音と音域なんだよね。
みなさんも一度ご体験あれ!
だからコレを目前で見たときはビックリした。7img_65232012年にエジンバラ城に行った時の写真。
も~、「ビャ~!」っとスゲエ音なんよ。7img_6525 キューブリックの『バリー・リンドン』に戦闘直前の軍隊行進でバグパイプの楽隊が演奏するでしょ?
戦場にバグパイプを持ち込まれたのは15世紀前半のことらしいんだけど、やっぱり勇猛な音のデカさで相手をビビらせる役目をバグパイプは負っていたらしい。
こんなんでビビるか?…と、今なら思うけど、当時は人間が作ったモノでそんなに大きな音を出す仕掛けが他になかったんだろうね、きっと。 
Bl 『バリー・リンドン』は中学生の時に映画館へ観に行った初めてのキューブリック作品。
子供の頃は長いばかりで退屈極まりなかったけど、今観るとすこぶるオモシロい。
そして、今気になっているのはリンドンの面倒をみるギャンブラー、「シュバリエ・ド・バリバリ」という名前だ。
ヘンでしょ、「バリバリ」って。チキンじゃあるました。
 
スタンリー・キューブリックがお好きな方はコチラをどうぞ⇒【Shige Blog】イギリス紀行2019 その12 ~ スタンリー・キューブリック展 <vol.1> か~ら~の~11連作!

Sb 裏ジャケはこんな感じ。
ヘンな絵。Img_0321 
日本人で映画の『ロッキー・ホラー・ショウ(原題は『Rocky Horror Picture Show』)』を観たことのある人ってどれくらいいるんだろう?
舞台は?
私は残念ながら舞台は観たことがないのだが、映画はスキだった。
海外でもいまだに人気は衰えていないようで、コレはもう10年前の写真だけどドイツのフランクフルトでもこうしてリバイバル公演が打たれていた。
こんな具合だからして、欧米の中年の方でこのミュージカルの挿入歌「Time Warp」を歌えない人は恐らくいまい。
7img_0496 浅草に住む年配者が「浅草の歌」を、横浜市民が「横浜市歌」を、極めて多くの長野県人が「信濃の国」をソラで歌えるように彼らは「Time Warp」を歌って踊れるのだ。
群馬でいえば「上毛かるた」だ。
欧米の人はたいていProm(学校を卒業する時に開催されるダンス・パーティね。映画『キャリー』とか『バック・トゥ・ザ・フューチャー』なんかに出てくるヤツ)でこの曲を踊るらしい。
アメリカで映画化されたのでオリジナルがブロードウェイだと思っている人がいるかもしれないが、これはロンドン・ミュージカルですからね。
実際にウチの社長の結婚10周年を記念するパーティの時も、DJが「Time Party」をかけると全員一糸乱れず踊り狂っていたわ。
このロック・ミュージカルは、1973年から80年までスローン・スクエアの「Royal Court Theatre」で上演された。
下のアルバムはそのオリジナル・キャスト・バージョン。
このバージョンは後の映画『Rocky Horror Picture Show』よりもロックっぽいアレンジになっている。
ジャケットは何だか日本のマンガみたいだね。
ゴチョゴチョしててステキ。
このロック・ミュージカルも濃いファンが実に多くて、色んな音源を詰め込んだボックス・セットが発売されていた。
私はこの中のリード・チューンである「Time Warp」をはじめて聴いたのは、渋谷の屋根裏のなぞなぞ商会のライブだった。
フランクフルター博士のようなボディ・スーツを身にまとったボーカルズの遠藤豆千代さんが「Sweet Transvestite」を日本語で歌い、「Time Warp」を演奏した。
その歌詞が強烈で「♪I remember doing the Time Warp / Drinking those moments when」のところを「♪すい臓、腎臓、そして子宮、肛門へ(腎臓じゃなくて心臓だったかもしれません)」と歌ったのだ。
なぞなぞ商会はフランク・ザッパと『Rocky Horror Show』の日本語バージョン(王様のような直訳ではないオリジナル日本語詞)を演奏するバンドで、ザッパの「Carolina Hardcore Ecstacy」なんてそれはそれは素晴らしい詞がついていた。
で、大阪の寺田町にある(あった?)「スタジオあひる」というライブハウスで対バンさせてもらったことがあった。
「Peaches en Regalia」とか演ってたのを覚えている。
どこかに録音したテープがまだ残っているかも知れない。
そのライブハウスの上の階にはサウナ風呂があって、出演者は無料か割引で入浴できたので、ひとっ風呂浴びさせて頂いたのもいい思い出だ。Img_0309コレは『The Rocky Horror Show』のソングブック。
1995年にニューヨークにへ行った時にブロードウェイのミュージカル・グッズ専門店で買った。
ま、別段珍しいモノではない。
海外へ行くとこういうスコア類が豊富でうれしくなっちゃうよね…買ったって読みゃしないんだけどサ。70r4a0105しかし、この『The Rocky Horror Show』ってのはナンだってこんなにビジュアルの統一感がないんだろうね?
下はロンドン・キャスとの他に私が持っている「Original Roxy Cast」というバージョンと映画のサントラ盤。
上のロンドン・キャスト盤といいソング・ブックといい、どれもみんな同じ曲が収録されているのに、見た目はそれぞれまるでアカの他人だ。0r4a0103 
Bonzo Dod Doo-Dah Bandは時折この『MJG』に時折登場しているような気がするが、それだけ間口が広いということか?
昔、他の特集で紹介したヴィヴィアン・スタンシャルとマイク・オールドフィールドの件には正直驚いたし、知っておいてヨカッタ。
コレについてはまた『メッセージ・ジャケット』特集という別の回を復活させるつもりなので、その時に改めて紹介しましょう。
で、こちらはその肝心のBonzo。
2枚目のスタジオ・アルバムで、ココからバンド名を短縮し、単に「The Bonzo Dog Band」と名乗るようになった。
『The Doughnut in Granny's Greenhouse』と同じ内容だがアメリカではイギリスでヒットした「I'm the Urban Spaceman」を加えて、このように『Urban Spaceman』として発売された。
Monty Pythonの一派だけあってトボけたテイストがたまらない。

Img_0312 何でもこのジャケット・デザインは下にあるThe Incredible String Bandの『The Hangman's Beautiful Daughter』のパロディなんだって。
なるほどね~。
「Beautiful Daughter」と聞いて思い出すのは前出のThe Moveでしょう?
『Shazam』の2曲目が「Beautiful Daughter」だ…いい曲なんよ~。 7isb Bonzoのアルバムは全部持っているけど、好きなフリをしているだけかも…ワタシ。
どうもよくわからない。何が面白いのかがわからない。
時折出てくるダイアログ、つまり英語の会話があまりにも「イギリス英語」なのをせいぜい楽しんでいるぐらいか?
タイトルの「Keynsham(ケインシャム)」というのはイギリス南西部のブリストルの近く町の名前。
海賊ラジオの放送局のひとつがあった場所。
この辺りの話は長くなるので今回はパス。
Img_0314_2Bonzo Dog Band、5枚目にして最後のオリジナルアルバム『Let's Make Up and Be Friendly』。
私にとってこのアルバムのキーワードは「外道」。
外道のファースト・アルバムに収録されているオープニングSE、あの笑い袋みたいなヤツね。
秀人さんは外道のショウのオープニングでは今でも必ずコレを流しているが、アレはこのアルバムの最後に収録されている「Slush」という曲。
ジャケット・デザインが可愛くてよろしいな。イギリス盤はバックが黒だった。
この犬が「ボンゾ」。

Img_0313うれしいな~、Gongが出て来たよ。
Gongは日本では「フランスのプログレッシブ・ロック・バンド」ということになっている。
ま、間違いはないんだけど。
コレは1973年発表のGongの代表作『Flying Teapot』。
サブタイトル(赤い吹きだし)に「Radio Gnome Invisible Part1」とあるのは、いわゆる「Radio Gnome Invisible三部作」の第1作だから。
この後、『Angel's Egg』、『You』と来て三部作が完結した。
「gnome」は地中の宝を守るとされる「地の精」。
「g」は黙字で、「ノーム」と読む。
ジャケットのイラストはGongのグル、デヴィッド・アレンによるもの。
誰でも描けそうに見えるけど、そうは簡単にいくまい。

Img_0317私が始めてGongのLPを買ったのは1977年か78年。
『Gong Live Etc』が発売された時だった。
今にして思うと数少ないジャケ買いのひとつだった。
タイトル・ロゴに切り抜かれた透かし彫りのようなデザインに惹かれてどうしても欲しくなった。
当時はプログレにハマり出した頃で、Gongもプログレだっていうことも手伝って買ってみた。
最初は何だかよくわからなかったな…。
サイケのようなジャズ・ロックのような…。
デヴィッド・アレンのヘンテコリンな歌が出てくるかと思えば、何やら凄まじいドラミングの超絶演奏も出てくる。
今でもそれがGongの魅力で、このライブ・アルバムはやたらと評価が低いようだけど私は大好き。

Gle デヴィッド・アレンがバンドを離れてドラマーのPierre Moerlenが主導権を握るとバンドは急速にジャズ・ロック・サウンドに傾倒していき、『Gazeuse!』、『Expresso II』、『Downwind』、『This is the Key』等を発表した。
これがまたいわゆる「フュージョン」ではないんだよね。
「プログレッシブ・ロック」で片づけるのもどうかと思うし…。
で、前者2枚にはアラン・ホールズワースが参加していて、かつ、マリンバだのヴィブラフォンのアンサンブルがこの上なくカッコよくて一時期聴き狂った。
『Pierre Moerlen's : Live』もヨカッタ。
そのPierre Moerlenも2005年に亡くなってしまった。
調べてみると、このMoerlen、リチャード・ブランソン(Virginグループの親分)に直々に頼まれて『Tublar Bells』のプレミア公演でパーカッションを演奏したんだって…ロバート・ワイアットの代役だったそうだ。
知らなかった~。
でも今Gongの音楽を聴くとなると、この辺りの後期のアルバムではなくて『Camembert Electrique』とか『Radio Gnome Invisible三部作』などのデヴィッド・アレン在籍時の作品の方がいいんだよね。
やっぱりGongってデヴィッド・アレンでできていたんですね。
 
それにしても困るのが「Moerlen」の読み方。
いまだにわからない。
昔はモエルランだった。
他にもムーラン、モーラン、モアレン…まさに「ゲオテとはオレのことかとゲーテ言い」っていうヤツ。
それで、フランス人の友達に訊いてみたのですわ。
確か「モエXアン」みたいな感じで「X」のところはあのフランス語特有のタンを切るみたいな発音で、そこにストレスが置いてあったような気がする。
また確認しておきます。
ということで今回は無難にアルファベット表記にさせて頂きました。

G1_1

G2

G3

G4

ドワ~!このジャケットは問答無用でカッコいいんじゃん! 
1969年から75年まで活動していたテキサス出身のバンド、Bloodrockの1971年発表の4枚目のアルバム『Bloodrock U.S.A.』。
他の作品のジャケットはどうしようなく垢抜けないっていうのに!
これは有名なイラストレーターの作品なのかしら?
デザインからすると何やら過激な音楽を演っていそうだが、聴いてみるとさにあらず。
毒にも薬にもならないようなハードロックちょっと手前の普通のロックといったところか…。

Img_0318 60年代パンクのコンピレーションだそうです。
タイトル通り野生的で荒削りな音楽が詰め込まれているらしい。
こういうマンガって、いっかにも海外風味だよね~。
これを見てすぐに思い出したのは「スーパー・スリー」っていうアメリカのアニメ。
マイクとフリーとコイルが出てくるヤツね。
「♪スーパースリーは~、チョ~ホーブ~イ~ン~、世界のためならエンヤコラどっこいしょ」とかいう主題歌でした。
海外のアニメなのに「エンヤコラどっこいしょ」だった。
昔の人はやることなすこと本当にクリエイティブだった。

Img_0322 §1-bに移ります。

Img_0234 Climax Blues Band、古くはThe Climax Chicago Blues Band。
Hipgnosisの回でも触れたけど、いいバンドなんだよね~。
ギターのピーター・ヘイコックがすこぶるよろしい。ウマい。
コレは彼らの1972年の5作目の『Rich Man』。
このロボットのようなオッサンが「Rich Man」なのだろうね。
デザインはHipgnosis。
髪型がいかにもHipgnosisのデザインっぽい。
前作『Tightly Knit』がHipgnosisだったので今作もそうしたのであろう。
幾何学的、金属的なタッチと原色を排した色合いがすごく親しみやすい。
音の方もいいんよ。
このアルバムも、なかなかにツボを押さえた曲作りとヘイコックの土臭いギターがいい味を出している。
でも日本では全く見向きもされないバンドだったよね?

Img_0323KISSこそコミックを具現化したかのようなロック・アーティストと言えるだろう。
ゴメンネ、KISSって1回もレコードを買ったことないし、一度たりとも興味を持ったことがないんです。
初来日公演は行ったけどね、ヘヘヘ…すごくヨカッタ。
ちょうど『Destroyer(地獄の軍団)』が出てきた頃、私はプログレにハマっててね。
King CrimsonとかYesとかいわゆるプログレのビッグ・ネームを追っかけまわしてた。
他にトッド・ラングレンとかフランク・ザッパのLPをはじめて買ったのもほぼ同じ頃。
掃除の時間にホーキでギターのマネをして「Detroit Rock City」を歌ってたクラスメイトもいたけど、私はKISSは新鮮味を感じなかったというか…まったく刺激されなかった。
今聴くと全然問題なんだけどね。
「Shout it, shout it, shout it loud」っていうのあるじゃない?
「♪シャ~リ、シャ~リ、シャリラッラ~」って米屋さんのテーマソングかと思ってたぐらい。(ウソです)。
ほらね、こうしてマンガにしても何ひとつ違和感がない。それがKISS!

Img_0324 コレさ、あまりにもジャケットがお門違いなんじゃないの?
アラバマ出身のWet Willieというグループの1973年のライブ・アルバム『Drippin' Wet』。
このアルバムは聴いたことはないが、他のライブ盤を聴くと「明るい良い子のサザン・ロック」といった風情でよろしいな。
何せレーベルがサザン・ロックの名門Capricornですからね。
アラバマ出身なんだからアラバマのレコード会社から作品をリリースするのはちっとも不思議ではないんだけど…このジャケットは変すぎるでしょう。
サザン感まるでなし!
もっと変なのが、1974年ごろ短期間とはいえ、バッキング・シンガーとしてイギリスのバンド、Vinegar Joeのエルキー・ブルックスが在籍していたってんだよね~。
ちなみにわが友、ジェフ・ホワイトホーンはよくエルキーと仕事をしていた。
それでこの女性の名前を知ったのです。
Vinegar Joeはメチャクチャかっこいいよ。

Img_0325 アル・スチュアートの『Year of the Cat』。
私は特段ネコが好きというワケではないが、コレ完全なジャケ買いをした。
デザインはヒプノシス。
ネコ・マニアの女性がネコの格好をして仮装パーティーに出かけるところなんだって。
鏡台の前にゴチャゴチャ置いてあるモノがすべてネコに絡んでいてすごく可愛いの。
アル・スチュアートといえば凡そ私が好んで聴くような音楽ではない。
実際にコレを買った時はひと針降ろしてすぐ上げたわ。
でも今聴くとホッコリしていて実にいいね。
ピーター・ホワイトとティム・レンウィックという人たちがギターを弾いているんだけど、実にうまい。
日本のギターキッズは速弾きをしないと「ウマい」とは思わないようだが、こういうギターを弾く人こそウマいと思うね。
ま、私も若い頃は速弾き好きだったけど…イングヴェイのフォロワーが出て来た以降は全くオモシロいと思わなくなっちゃった。7ascat アルはこのヒプノシスの意匠を2004年のベストアルバムに再利用した。
どうもネコの仮装をしていたお姉さんは怪盗になったようだ。
高飛びに備えてパスポートが用意してある。Asgh 次もHipgnosisの作品。
Genesisの看板スター、ピーター・ガブリエルが抜けちゃってハラホロヒレハラ、テンヤワンヤの大騒ぎ!
残った4人で「一体どうすんべか!」と踏ん張ったらアラ不思議、トンデモナイ名盤ができちゃった!…と、火事場のバカ力で作り上げたのが『A Trick of the Tail』。
おまけにフィル・コリンズが素晴らしいボーカリストだったという副産物まで飛び出した。
このマザーグースかなんかに出てきそうなイラストが魅力的で、それぞれが収録曲のキャラクターになっている。
おおよそHipgnosisらしくないタッチだよね。
でも中も外も本当に素晴らしい作品だと思う。
「Dance on a Volcano」、「Squonk」、「Los Endos」等、この後のGenesisの重要なレパートリーが収録されていて、通して聴くとコンセプト・アルバムを標榜しているワケでもないのにものすごいストーリー性を感じるでしょ?
1回通して聴いてまた振り出しに戻る…みたいな作りによるものか。
2010年のJapan Progressive Rock Festivalに出演したスティーヴ・ハケットはこのアルバムの中から「Los Endos」を演奏していたっけ。
きっとこの時のメンバーとっても思い出深い作品なのだろう。
ちなみにハケットはエディ・ヴァン・ヘイレンより先に同じ方向性のライトハンドをやってるかんね。
この作品のたったひとつの難点は、内ジャケに掲載された歌詞がカリグラフィで記載されていてちょっとやそっとじゃ読めん!
キレイなんだけどね、コレじゃ読めない。

Img_0328ちなみに私が大好きなイギリスの音楽雑誌、「Classic Rock」の姉妹誌、「Prog Rock(夢のような雑誌でしょ?)」。

70r4a0116 同誌が選ぶプログレッシブ・ロック・アルバム・ベスト30で第1位に選ばれたのは『Selling England by the Pound (邦題:「月影の騎士」)』だった。
このことはもう何回もMarshall Blogに書いた。
『Trespass』、『Nursery Cryme』、『Foxtrot』、『Selling England by the Pound』、『The Lamb Lies Down on Broadway』、そしてこの『A Trick of the Tail』…こうして考えてみるとGenesisは名作の山を築いた偉大なバンドだったよね。
『Invisible Touch』もいいけどサ…やっぱね~。
1977年の来日時、新宿厚生年金会館行っておいて本当にヨカッタ。
ところで、そのベスト30。
第1位は『Selling England by the Pound』で、その他のGenesisの作品としては『Boradway』が第12位に選出されていた。
しからば、他のグループはどうか?
Pink Floydが2位の『Wish You Were Here(ナント『狂気』より上!)』と6位の『Dark Side of the Moon(ナント『炎』より下!)』でGenesisと同じく2作品がチャートイン。
Yesも4位の『Close to the Edge(危機)』と22位の『Fragile(こわれもの)』の2作品。
ELPは5位の『Brain Salad Surgery』のみ。
King Crimsonは3位の『宮殿』と24位の『Red』のやはり2作。
イギリスの雑誌らしいのはFamilyとかNektar、Caravan、Van Der Graaf Generatorあたりが入っていることかな?
しかしサ、プログレのムーブメントってよく見てみると一般のリスナーにとってはGenesisやELPやYesやCrimsonらのビッグネームのみがシーンを席巻した恐ろしく狭小な世界だったんだね。
でも、この分野をイタリアやオランダ、北欧、果ては東ヨーロッパの辺境にまで広げるとそれはもうタマらなくおもしろいことになる。
南米あたりにも面白そうな連中がいるようだし、アメリカにはKansasなんかがいたりするけど、やっぱりプログレはクラシックの要素を感じさせないとことにはピンと来ない。
だから断然ヨーロッパなのだ。
あ、Spock's Beardは例外的にイイな。

70r4a0112 同じ号にHipgnosisのストーム・ソーガソンのインタビューが掲載されていた。
「The Man who gave prog a face」だって。
この雑誌は2007年ぐらいに出版されたモノなので、まだソーガソンがご存命だった。70r4a0110 なんじゃコリャ?「三輪車」だって。
いったいどういうコンセプトでこういうバンド名にしてLP作ってこんなジャケット・デザインにしちゃったんだろうね?
大切な自分たちの作品なのに…故意にカッコよさを追求していないような…。
さぞかし売れなかったんだろうな~。
しっかりとカットアウト盤だ。
今回の「コミカル」という観点でつっつけば充分エントリーの資格はあるのだが…。
どんなもんかと聴いてみると、ルックス通りの甘々ポップ。
「バブルガム・ポップ」っていうのかな?
コレがなかなかいいのよ!
結果的にはジャケットもコレでヨカッタ。
しかし、考えてみるとサウンドがおとなしいか、ヤカマシイかの違いだけで「青春パンク」とか呼ばれている類のロックはやっていることがコレと同じだな。

Img_0333Alvin and the Chipmunksはアメリカのアニメのバンド。
大変な人気で、数々のヒット曲を生み出しただけでなく、映画も制作された。
何しろ1959年から2011年の間に50枚にも上るアルバムを発表しているというのだからスゴイ。
コレって「じゃじゃ丸とピッコロとポロリ」が50枚もアルバム出しちゃうみたいなもんでしょ?
「のび太とスネ夫とジャイアン」でもいいんだけど、剛田は音痴だからナァ。
これは1982年のアルバム、『The Chipmunks Go Hollywood』。
ジャケットのイラストに見られるように、「Eye of the Tiger」、「Tomorrow」「E.T. and Me」の他、「9 to 5」、「Fame」、「Arthur's Theme」などが収録された映画主題歌集。

Img_0334ヘビメタほどではないにしてもグラム・ロックもマンガになりやすい素材のうちのひとつに違いない。見てこの美しいマーク・ボラン!
ボランの曲の権利を日本の会社が持っているために自由にコンパイルしたベスト盤。
それにしてもマーク・ボランというか、T-Rexの人気って根強いよね。
「21 Century Boy」と「Metal Guru」と「Get It on」だけだけど。
あとは「Solid Gold Easy Action」ぐらいか?
「グラム・ロック」といえば、そのギランギランのルックスばかりが取り沙汰されるけれど、さすが70年代の前半に栄えた文化だけあって、なんといっても曲がいいよね。
だからT-Rexの曲もこうして生き残ることができているに違いない。
実際『The Slider』とか『Electric Warrior』なんて名盤の誉れだけあっていいもんね~。
ちなみにマーク・ボランの相棒のミッキー・フィンが使っていたパーカッションはNATAL製です。

Img_0336 <つづく>

 

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2016年7月15日 (金)

【Music Jacket Gallery】ライブ盤ジャケット特集<後編>

いつも通り<後編>では立体陳列の紹介をする。
今回は立体アイテムもライブ作品が集められた。
以前特集した『サウンドトラック盤』の時とアイテムが大分重複していることに書き終わってから気が付いた。
人には「読め、読め!」と勧めておいて、自分は書きっぱなしで読み返していないことがバレてもうた。
でも、内容はブレていないので、省きもしなければ、故意に手直しもしなかったことを予め申し上げておく。

1_img_0017

●WINTERLAND 1973 : THE COMPLETE RECORDINGS / GRATEFUL DEAD (RHINO 2008)
元祖ジャム・バンドとして名を馳せたGreateful Deadの1973年11月9日から11日までのウインターランドでの全公演を完全収録した9枚組CDボックス。

480v3枚のCDを収納した各3セットの紙ジャケCDを並べると大きなポスターになる特殊パッケージ。
ポストカード仕様のコンサート・ポスターとピンバッジも同梱されている。
好きな人にはタマらんだろうね。
9枚組か…アメリカン・ロックの総本山的なDeadの音楽は私には荒行の類に他ならない。
ところがこれでも私、ファースト・アルバムから『Terrapin Station』までは全部持ってるのよ。
資料として持っているので、自ら進んで聴くことはまずないが…。
「Skull and Roses」をはじめとして、Grateful Deadはどれもビジュアルがいいよね。
ちなみに「荒行」という言葉の使い方は私のオリジナルではなくて、下町のひとりヒプノシス、梅村デザイナーの請売り。
ある時、音楽好きの会合でのこと、熱心なDeadファンの方が、何十枚のDeadの音源を買って聴いている…という話をされていた。
それを耳にした梅村さんがこうおっしゃった。
「ウワ!それは『荒行』ですね~!」
もうこの「荒行」という表現がおかしくて、おかしくて…忘れられないのだ。

490_2

●LIVE AT LEEDS (SUPER DELUXE COLLECTOR’S EDITION) / THE WHO (UNIVERSAL 2010)

The Whoの名演を代表する『Live at Leeds』の6枚組(1LP+1SINGLE+4CD)ボックス。
ここ数年の趨勢であるアナログ盤も2枚同梱され、当時付属品として付けられていた契約書、プレス・キット、チケットなどのメモラビリアもLPサイズで見事に再現されている。

500vコレは欲しかったナァ。
石丸電気の閉店セールで少し安くなっていたので買おうと思ったけどガマンした。
何年か前にイングランドの北部に旅をすることがあって、「ニューキャッスル、ヨーク、それとリーズに行きたい」と案内してくれたイギリス人の親友に頼んだんだけど、「リーズは街が新しくなってしまっておもしろくも何ともないから行く必要はない」と言われて諦めた。
もちろんリーズに行きたいと思った理由は、このアルバムの音源を収録したリーズ大学を訪れてみたかったのだ。

510

●AT BUDOKAN!(LEGACY EDITION) / CHEAP TRICK  (SONY BMG 2008)
日本のみならず全世界的なライヴの名盤となったCheap Trickの『At Budokan』
の30周年を記念して発売された4枚組(1DVD+3CD)ボックス。
バンドをシンボライズする市松模様をあしらった3方背ボックスは日本独自のジャケットで、4面4つ折りのトレー・パッケージが機能性を高めている。
あれから30年も経ったのか…。
女性ファンの嬌声がものスゴかった。
Cheap Trickって出て来た時はすごくいいバンドだったのに…。何であんなんなっちゃったんだろう?
「成功」ってのも良し悪しだよナァ。

530

●THE LAST WALTZ (COMPLETE EDITION) / The Band and Others(RHINO 2002)
1978年マーティン・スコセッシ監督によってドキュメントされたThe Bandの解散コンサートのオリジナル・サウンドトラックの発売時の音源に、未発表音源24曲を追加した全54曲の4枚組CDボックス。
LP、CD、DVDとメディアが変わっても、特徴的なロゴが不変なので、統一されたアートワークが保持されている。
このコンサートのことはミュージック・ライフでリアルタイムで知った。
映画も観に行ったナァ。
出演者はなじみのないミュージシャンばっかりだった。
ストラップの不具合でClaptonがギターを落としそうになったシーンとJoni Mitchell、それとVan Morrisonがすごく印象に残った。Mac Rebennackもよかった。
Neal Diamondも『かもめのジョナサン』の挿入歌を歌っていたので知っていた。
今はジョナサンの下で私は働いている。

540

●TEXAS INTERNATIONAL POP FESTIVAL 1969 (OH BOY 1991)
歴史的野外フェスとなったウッドストックから2週間後の1969年8月30日から9月1日の3日間、テキサスのモーター・スピードウェイで開催された伝説のフェスを記録した3枚組CDボックス。
当時のプログラムを復元したブックレットの出演者リストを見るにつけ、その素晴らしさに感動を覚える。
その出演者とは?
有名どころだけ列挙すると…
★8月30日(土)
Canned Heat
Chicago Transit Authority (後のChicago)
Janis Joplin
B.B. King
Herbie Mann
Sam & Dave
★8月31日(日)
Chicago Transit Authority
Delaney & Bonnie & Friends
The Incredible String Band
B.B. King
Led Zeppelin
Herbie Mann
Sam & Dave
Santana
★9月1日(月)
Johnny Winter
Delaney & Bonnie & Friends
B.B. King
Nazz (Tood Rundgrenがいたバンドね)
Sly and the Family Stone
Spirit (みなさんの敵。私はゼンゼン平気)
Ten Years After
などなど…スゴイね。
(このあたり前回も書いてます)

550

●WOODSTOCK 40TH ANNIVERSARY COLLECTION (RHINO 2009)
1994年の25周年記念の4枚組CDボックスに、更に38曲の未発表音源を含む全77曲を集大成したのが、40周年記念のこの6枚組CDボックス。
特筆すべきは、ブックレットにはじめて3日間の公式な各アーティストのセットリストが載せられた点だ。
パッケージもライノならではの魅力に溢れた特殊仕様になっている。
コレは植村さんが制作に携わったヤツかな?
しかし、ウッドストックってスゴイよね。
小出し、小出しに50年近く経ってもまだ商売やってるんだもん。生半可な商魂じゃないぜ、コレ。
ま、好きで私も色々買わされたけど…。
私のウッドストック体験はコチラ ↓  ↓  ↓
【Shige Blog】我が青春のウッドストック <前編>
【Shige Blog】我が青春のウッドストック <後編>

560

●STAGES / JIMI HENDRIX (REPRISE 1991)
Jimi Hendrixデビュー直後の67年のストックホルムから、亡くなる直前の70年のアトランタでの壮絶なライヴを収めた4枚組CDボックス。
パッケージ自体は普通の箱だが、Jimiの顔をテクスチャーにしたり、赤ラメの箔押しなどシンプルながらクオリティの高いアートワークがうれしい。

570

●THE MONTEREY INTERNATIONAL POP FESTIVAL JUNE16-17-18,1967 (RHINO 1988)
大規模な野外コンサートの先駆けとなったモンタレー・ポップ・フェスティヴァルの全貌を収録した4枚組CDボックス。
布貼りの特製仕様も凝ったものだが、圧巻なのが96ページに及ぶオールカラーの特製ブックレットだ。
これには未発表のコンサート写真が豊富に収められ、資料性も高くなっている。

580

●LIVE : ISLE OF WIGHT‘70 / JIMI HENDRIX (POLYDOR 1991)
Marshallと並ぶJimi Hendrixのシンボルがストラトキャスター。

590
Jimiの名演のひとつである70年のワイト島のライブを収録したCDをブックレットと共にストラト形の木製ボックスに収めたモノ。
600
全世界で1,000セットの限定生産だ。
595
シリアル・ナンバーも付いている。
よ~やるわ~!
植村さんによれば、こういうキテレツな形のボックスが一番収納に困るとのこと。

610

●LIVE PHISH / PHISH (ELEKTRA 2001)
米国ジャム・バンドの最高峰を極めているPHISHのライヴ・シリーズのCD全20セット収納したバッグ型のギミック・パッケージ。
2001年の第1回の発売と同時にこのコレクション・バッグも発売された。
大半が3枚組なので聴き終わるまでに70時間ほどかかってしまうというものスゴいヴォリュームです。
人によっては「荒行」となるか?

620vこの「ジャム・バンド」という分野も私がロックから遠ざかっている間に台頭してきやに記憶している。
私もこのシリーズは何枚か持っている。
『White Album』や『Quadrophenia』を全曲演っているヤツ。
最初のうちはおもしろがって聴いていたが、そんなコピーに一体何の価値があるのか?と疑問に思い、一切聴かなくなってしまった。
もちろん、何らかの意味があってそんなことをしていたのだろうが、コピーを聴く時間があればホンモノを聴くわい。こちとらの人生、あんまり時間が残されていないでな。
でも、このバンドはキライではなくて、中心の人、なんつったけ?ソロ・アルバムも買って聴いてみた。

630

●ON THE ROAD / STRING CHEESE INCIDENT  (SCI FIDELITY 2009)
米国ジャム・バンドとして、Phishと並んで名高いString Cheese Incidentの各地でのライブを収めた10枚組CDボックス。
「ON THE ROAD」というライブ・シリーズは2002年から現在も続くもので、発売されたCDは数知れず、ここ数年はダウンロードでの配信ライブも積極的に行っている。
ノート・ファイルを模したパッケージは彼等の軽妙な音楽性を象徴しているようだ。520

●FILLMORE THE LAST DAYS (WARNER BROS. 1972)
Bill Grahamが1965年11月6日に開いたサンフランシスコのフィルモア・オーディトリアム。
その幕を閉じた1971年7月4日までの最後の6日間の夜を記録したのがこの3枚組LPボックス。

640LPボックスの初回特典にはビル・グラハムのインタヴュー(約17分)が付けられていた。

650vコレ、聴いたことないんだよね~。
先日も中古で見つけたんだけど、私の購買許可価格の基準よりホンのチョット高かったので見送った。ま、ご縁があればきっとウチにやってくるでしょう。

660Music Jacket Gallery展示の詳しい情報はコチラ⇒金羊社MJG常設展

※本展示は2014年9月に終了しています。現在の展示内容は上記の金羊社ウェブサイトでご確認ください。
(協力:立体展示品解説文原本執筆・植村和紀氏)

2016年7月14日 (木)

【Music Jacket Gallery】ライブ盤ジャケット特集<中編>

正直、自分でも驚いているんだけど、<前編>で取り上げたグループはThe Allman Brothers Bandを除いて全部イギリスものだった!
決して選ったワケではないのです。
これなら書ける…と選んだアイテムがたまたまイギリス勢ばっかりだっただけの話。
そもそもこの記事は子供の頃の経験のネタが多く、やっぱりアタシャ、ブリティッシュ・ロックで育ったんだナァと思ってしまった。
反対に今回はアメリカものが中心となった。

1_img_0043
★Fillmore East -June 1971 / Frank Zappa and The Mothers
生意気にもこんなジャケットに関する記事を書かせて頂いているが、私は「ジャケ買い」ってヤツをしない。
ましてやCDになってからはゼロだ。ま、そういう人は沢山いらっしゃるでしょう。
でも、LP時代もほとんどしたことがない。ほんの数点だ。
反対にジャケットが醜悪だからそのレコードを買わない…ということもない。
その数少ないジャケ買いしたレコードのうちの一枚がコレ。
「なんだコレ!鉛筆書きじゃん!」と、中学3年生の時に石丸電気で初めて手にした時はホントに驚いた。店員の目を盗んでMOTHERSの部分を人差し指でこすってみたぐらいだ。
考えてみると、この音源ってその時のたった6年前に収録されたコンサートだったんだよね。今からだと45年前。
時間というのは遠慮なく過ぎていくもんだナァ。
デザインはZappaお抱えのアート・ディレクター、Cal Schenkel。
このジャケットについてはJohn Lennonの『Some Time in New York City』のところに詳しく書いておいたので、是非コチラをご覧頂きたい⇒【Music Jacket Gallery】サマー・ジャケット特集<前編>

そしてこのレコードは初めてジャケ買いしたアイテムであると同時に、初めて買ったFrank Zappaのアイテムとなった。

190_3
それからチビリチビリとZappa関連のアイテムを買い集めた。
重篤なZappa病罹患者の方々に比べれば私のコレクションなど屁でもないだろう。
この写真には、レコードと海賊盤の類、それと読みもしないZappaに関する洋書並びに和書の山は写っていない。
写真のサインは、Dweezil ZappaがZappa Plays Zappaで2008年に初来日した時にもらったもの。
この写真を見てDweezilが「Wow!  Great collection!」と言ってはくれたのは、例えお世辞であったにせよとてもうれしかった。本人の息子さんだでね~。

5_fzcさて、ハードロックやらRoxy MusicやらTodd Rundgrenやらに気炎を上げていた14、15の少年にこのZappaの音楽がどう聴こえたか?何しろなんの予備知識もなしにジャケットの奇抜さだけで2,300円も出したのだからして。
最初は何てセリフが多いレコードなんだ!と思ったが、それがすごくヨカッタのだ。
映画音楽からロックの世界に入ったせいか、このシアトリカルな展開がすごくおもしろかったし、それまでに聴いたことのないメロディがテンコ盛りだったからだ。
今ではLPとCDを2枚ずつ持っているが、CDはマァ、どうってことない。
でも、LPはなかなかに思い入れがあるぞ。
国内盤は上に書いたように「初めてのZappa」というところがポイントだ。
ふたつめのポイントは「京都」。
私は24~25歳の頃、以前の仕事の関係で大阪に住んでいたことがあって、よく京都へ出かけた。
1976年にZappaが来日した際、京都大学の西部講堂でコンサートを開いたせいかどうかは知らないが、当時京都の中古レコード屋さんはZappaのアイテムを比較的豊富に取り揃えていた。
話は反れるが、下はその西部講堂での演奏を収めた海賊カセット。

6_img_2275_2どこで買ったのかは忘れてしまったが、当時は来日時の音源がコレしか出回ってなかったので喜々として聴いていたものだ。
ドラムは皆さん大スキのTerry Bozzio。

6_img_2278_2その京都。
実は以前のミュージック・ジャケット・ギャラリーでも『Fillmore East』を取り上げたことがあって、ココからその記事にリンクすれば事は済むのだが、絶対に皆さんリンク先には飛んでくれないので、加筆して採録してしまおう。

緊急特集!Hipgnosis Collection~Hard Rock Worksより (2014年4月6日掲載)>
私は決して各国盤を集めたりはしないし、オリジナル盤至上主義でもまったくない。そんな財力も根気もなく、とにかく「生きてるうちいろんなものを聴きたいと願ってる」派なのだ。
でも、国内盤の他にこの『Fillmore』のUSオリジナル盤を持っているのには理由がある。
今から20年以上前に京都の河原町付近の路地を歩いていて見つけたのが、どう軽く見積もっても戦前よりはるか昔に建てられたと思しき民家。いいですか、想像してくださいよ~、今にも朽ち果てそうなボッロボロの家を。
もちろん街の中心とはいえ、古都京都にあっては古い家などまったく珍しくも何ともない。驚いたのはその古い民家が中古レコード屋だったのだ。
ここで入らなきゃ「音楽バカ」の名がすたる。当然入ル。
ガラスの引き戸をガラガラと開けると、予想通りというか、期待通りというべきか、ヨッボヨボでシワッシワのお婆さんが出てきた。
あの頃はLPからCDへの移行が猛烈なスピードで進んでいたが、店内にはCDなんて1枚も見当たらない。
ここから先は、この古い闘技場でお婆さんとの一騎打ちとなる。
「コリャ、何か買わないととても帰れそうにないゾ…」と覚悟を決めて小さなエサ箱を探る。
もうどんなものが入っていたかは覚えていないが、ロクなもんはなかったハズ。
そして出て来たのがこの『Filmore East』!
これこそ、「はきだめに鶴」、「地獄に仏」!
映画でよく見る刑務所の看守のようにジーっと私を見つめるお婆さん。
その姿を横目で見ながらレーベルを確認するとBIZARREのブルー…¥1,500。
「かなり汚いけど、コレ買って勘弁してもらおう…」
イヤ、別に何も買わなくても一向に構わないハズなんだけど、その息詰まった雰囲気に負けてしまったのだ。
決心して盤をお婆さんに手渡し、袋に入れてもらった。
ナ、ナ、ナントその袋は新聞紙をノリで貼り合わせて作った自家製の袋だった!新聞紙だよ!
餅米かなんか煮て作ったノリで貼り合わせたんだろうね。
最後まで期待を裏切らなかったナァ~、あのお店。
あの袋、取っておけばヨカッタ。
もうひとつ驚いたのは、この記事を読んだ三宅庸介さんから連絡があって、「このお店知ってますよ!」ということだった。アレ有名な店だったのかな?

1_img_2050

★Roxt and Elsewhere / Frank Zappa and the Mothers
続いてもZappa。
コレも一体何回聴いたかナァ~。全100枚にも上るFrank Zappaのオリジナル・アルバムの中でもトップ10にたやすく喰い込む愛聴盤。
ジャケットはZappa一家のCal Schenkel。
上で書いたように、大阪に住んでいた時、勤め先の梅田のビルのとなりにできた中古レコード屋でコレのUSプロモ盤とかいう代物を見つけた。
なんでもレーベルが白いんだって。10,000円。当時はまだ消費税なんてなかった。
でも買わなかった。
なので、このアルバムのLPに関しては、今でも国内盤しか持っていない。
各面の収録時間が短めなので、盤をひっくり返す手間を考えると、2 in 1のCDの方が取り扱いは断然ラクなのだが、LPの方が圧倒的に趣があった。
なぜかというと、すべての面の冒頭に「Preamble」というZappaのMCが収録されていて、それをまず聞いて(当時は何をしゃべっているかサッパリわからなかった)、襟を正して、その超絶パーフォーマンスを拝聴する…という手順がヨカッタ。
「preamble」とは「前置き」とか「前口上」とかいう意味だ。
大学に入ってジャズを聴き出した頃、初めてThelonious Monkの「Straight No Chaser」を聴いた時、個人的には「アレ?コレ、Be Bop Tangoじゃん」と思った。
この曲の中でGeorge Dukeが弾く純粋なビバップ・フレーズが大スキだった。
そういえば「ex-」という表現を覚えたのもこの曲だったな。「Don's ex-wife!」というところ。


どの面、どの曲、どの瞬間も聴き逃せない圧倒的な演奏で、Phil Collinsはこのアルバムの「Don't You Ever Wash That Thing?」を耳にしてChester ThompsonにGenesisのツアーへ参加してもらう依頼を思いついたという。(ChesterもMarshall Blog出てます!⇒コチラ
そして、Phil CollinsはGenesisのライブにおいて、「Afterglow」という曲でこのアルバムの「More Trouble Everyday」のドラム・フィルをそのまんまChester Thompsonに叩かせている。そのもようはGenesisのライブ・アルバム、『Seconds Out』で聴くことができる。 

最近、このRoxyの映像がDVDになったでしょ?
30年近く前に京都の中古レコード屋で「Roxy」のVHSを見かけたことがあったんだよね。死ぬほど見たかったけど、確か8,000円ぐらいの値が付いていてとても手が出せなかった。
他にも『Dub Room Special』が黒いプラスチックのケースに入って陳列棚に並んでいた。そちらもかなり高額だったように記憶している。
今回、もちろんDVDも買って観たけど、正直何となくシックリ来なかったな~。
ナンカ見てはいけないものを見てしまったような感覚というか、好きな小説が映画化されたのはよいが、原作の方が全然ヨカッタ時のようなショックというか…。
このあまりにも素晴らしい音源は、そのまま音源だけにしておきたかったような気がした。
ゼイタクってもんか?

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★Caught in the Act / Grand Funk Railroad
まだ続くZappaの話題。
でもアイテムはGrand Funk Railroad。どうZappaと関わっているか?
1981年の『Good Singin', Good Playin'』をZappaがプロデュースしているということ?
イヤ、違う。まだタネは明かさない。
ああ、Grand Funk。
私の人生でこのバンドに夢中になったことは全くなかったナァ。もちろんいいバンドだとは思う。
でも、私がロックに期待する「毒気」みたいなモノをこのバンドから感じることができないんだナァ。
そういう意味ではKISSも同じだった。
「ああカッコいいな、楽しいな!」で終わってしまうロックが苦手なのです。
何というか…頭を使って音楽を聴きたいというのかナァ…なんて言ったらカドが立つか?
もちろん誰でも楽しめることができ、明るく屈託のない部分がロックの魅力であることは十二分に理解できるが、私はもっと絶望的な方がおもしろく聴けるというだけの話し。
カリフォルニアのカラっとした強い陽光の下でギター片手に歌を歌うよりも、家にこもって本を読みながら現代音楽やプログレッシブ・ロックを聴いている方がシックリくる。
だからロックはどうしてもブリティッシュに偏ってしまうのね。
こんなことを書いてばかりいてはイカンな…敵を作るばっかりだ!
で、この1975年のツアーを収録したこのライブ・アルバム。
持ってはいるけど、そんなだから何も語れない!
でもジャケットの写真はいいな~。私がいつも撮ろうとしているライブ写真のイメージ。
シャッターを切ったのはLynn Goldsmithというアメリカの女流フォトグラファー。
これでこのアルバムとZappaとの関わりを説明できる。

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実はこのGoldamithさん、Frank Zappaの宇宙規模の大名盤『Sheik Yerbouti』のZappaのポートレイトを撮った人なのだ。
チョット写真のイメージが『You Are What You Is』に似ているが、アチラはJohn Livzeyという人の作品。
ああ、こういうことを知るのはうれしいナァ。

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★What Do You Want From Live / The Tubes

The Tubesの来日公演に行かなかったのは大きな後悔のひとつだ。
前座はまだブレイクする前のイエロー・マジック・オーケストラだったしね。
The Tubesっていいバンドだよね~。こういうシアトリカルなバンドは好きだ。
デヘヘ、「いいバンド」なんて知った風なことを書いてはみたけど、私はThe Tubesというバンドに詳しいワケでは全然ないのだ。
なるべく「知ったかぶり」をしないようにしているMarshall Blogなので正直に言うが、ほとんど通っていない。
そこで、少しこのライブ・アルバムについて今回気がついたことを書いてみる。
タイトルは『What Do You Want from Live』。
当然「Live」はダブル・ミーニングになっている。「生」と「命」ね。
「あなたは命から何を望みますか?」…意訳すれば「生きるって何だ~ッ?」みたいな?
収録は1977年の11月。ロンドンはハマースミス・オデオン…今はハマースミス・アポロという名前になっている。地下鉄ハマースミス駅から歩いて3分ぐらいのところだ。
ライブのミキサーを担当しているのはナ、ナントMax Normanではないか!
そう、LOUDNESSの『Thunder in the East』のプロデューサー。
こんな仕事をしていたんだね~。
大胆なタイポグラフィのジャケットがすごくいい。
誰の仕事かな?と思ってジャケットの「Album art」という項に目をやると、何人かの名前が並んでいて、その筆頭にMichael Cottenというクレジットがある。。
もう少し上のバンド・メンバーのクレジットを見ると、そこにはSynthesizer担当で同じくMichael Cottenという名前が確認できる。
コレ、同じ人。
このMichael Cottenという人、プロダクション・デザインのプロで、ステージ・デザイン、アニメーション、電子音楽、グラフィック・アート等々の分野において世界のトップ・パフォーマーや大企業をクライアントに抱えている才人なんだって。
イベントの仕事としては、スーパー・ボールからオリンピックにまで関わっているというからスゴい。
クライアントもディズニー、ポルシェ、マクドナルド、三菱、マツダ等の名前が挙がっている。
とてもThe Tubesあたりでみょうちくりんな格好をしてシンセなんて弾いてる場合ではない。
他にもたくさんのアーティストと仕事をしていて、ザッと名前を上げると、Bette Midler、Michael Jackson、Britney Spears、Robert Plant、The Beach Boys、Bonnie Raitt、Blondie、Gloria Estefan、Phil Collins、Katie Perry他…だもん。
Michael Jacksonの『This Is It』のプロダクションを手掛けたのもこの人。

さて、久しぶりに引っ張り出してきて聴いてみた。
オイオイオイオイ!チョット待てって!
B面の一曲目、どっか他でも聴いたことがあるな。コレ何だっけな~!
そうだ、コリャ、Di Meolaだ。『Electric Rendezvous』の一曲目の「God-Bird-Change」って曲にソックリだ!
…と思って盤を調べてみたら、ナント同じ曲でやがんの!作曲はDi Meolaのところのパーカッショニスト、Mingo Lewis。
このライブ・アルバムにも参加している。
The Tubesがこの曲を演奏しているのは1977年の『Now』というアルバム。方やDi Meolaは1982年だからDi Meolaがカバーしたことになる。
どうなってんだ、コリャ!Di MeolaがTubesファンだってか?そんな馬鹿な!
なんて驚いていると、このMingo LewisってのはThe Tubesのメンバーだったのね!
今回の最大の発見にして、知らなくて恥!
まさか、サウンフランシスコの乱痴気バンドとフュージョン・ギターの大スターがつながっているなんて思わなかった。
ちなみにイギリスの地下鉄は「Underground」というけれど、そう呼ぶ人はまずいない。
長くて面倒なんだろう。もちろん日本人のように省略して「アングラ」なんて呼ぶヤツもいない。
たいてい「Tube」か「Metro」だ。
でも、絶対に「Subway」とは呼ばない。

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★Waiting for Columbus / Little Feat
普段からアメリカン・ロックは聴かないと言っておりますが~、好きなものは聴いてるのよ。
私が言っているのはEaglesだのDoobieだの、いっかにも「アメリカでんがな」みたいなメジャーなバンドが苦手ということなのね。
もっと言おうか?The Marshall Tucker Band好きだよ。意外でしょ?アレ、名前はMarshallでもToy Coldwellって「M/B」なんだよね。
Steve Millerなんかもかなり好き。
ま、それでも好きなバンドの数たるやブリティッシュのバンドには及びもつかないな…。
でも、Little Featは好きだった。
このライブ盤はよく聴いたな~。
コレはかつて書いた記憶があるけど、昔、東京12チャンネル(現テレビ東京)の日曜日の昼間の放映で『ロックおもしロック』という番組があった。
今にして思うと、ロックがまだマイナーな存在で、「ロックのおもしろさたるや何ぞや?」という啓蒙的な意味合いを込めてこのタイトルを付けたのかもしれないね。
当然、この場合の「ロック」というのは洋楽を指す。100%洋楽だ。
番組の人気コーナーに素人のバンド対決があって、BAD SCENEがプロの様相丸出しで出場し、「あんたらどっかで演ってるだろう!アマチュアじゃないんだろう?」なんて怒られて一回目で敗れ去ったのはとても印象的だった。
当たり前だよ。BAND SCENEだもん。
あの頃のバンドは、格好から演奏から、プロとアマの差が歴然としていた。
ある日、その回とは別に、Charさん(CharさんとナルチョさんはBAD SCENEのオリジナル・メンバー)がゲストで出演し、近田春夫さんとこんなやり取りをした。
「Charは最近どんなの聴いてんの?」
「オレ?Little Featとかかな?」
「オー、いいよねLittle Feat!…(お客さんに向かって)っていったって、みんな知らないでしょう?」
「知らないよね~」
ロックってそんな存在だったんだよ。
自慢じゃないが、私は中学三年か高校一年の時分であったが、Little Featはその頃すでに好きだった。
そのキッカケになったのがこの二枚組の『Waiting for Columbus』だった。
ジャケットはお定まりのNeon Park。
このバンドは『Sailin' Shoes』以降のジャケットをNeo Parkに任せたことでかなり得していると思うんだよね。
アルバムの格と印象が何段階も上がったのではなかろうか?もちろん内容がいいのが前提だけど。
以前、その『Sialin' Shoes』について書いたことがある。
自分でもすごく気に入っている文章だ。
見逃した方がいらっしゃればコチラを是非ご覧頂きたい。
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【イギリス-ロック名所めぐり】vol.18~ロンドンぶらり途中下車の旅 2015 <後編>

このアルバムの絵は「A Tomato and Hammock」というタイトルらしい。当たり前か。
こんなドアメリカのバンドゆえ、てっきりすべてアメリカで録音したのかと思いきやさにあらず。
音源は全部で1977年の七つの公演から収録されていて、最初の四つはロンドン。フィンズベリー・パークのレインボー・シアターだ。残りの三つはワシントンD.C.だ。
ジングル風の「Join the Band」から、MCとお客さんが「F-E-A-T」と叫び「Fat Man in the Bathtub」に移るシーンに興奮しないロック・ファンはいないだろう。
この部分はワシントンD.C.の録音。MCは地元のラジオ・パーソナリティ、Don "Cerphe" Colwellという人。

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そんなだから1978年7月の来日公演ももちろん行った。下はその時のプログラム。
ひとりだった。さっき書いたように、学校でLittle Featなんて聴いているヤツなんかいなかったからね。
中野サンプラザの二階席の一番前だった。
すごくヨカッタんだけど、コンサートの一番最初に演るものとばかり思っていた「Fat Man in the Bathtub」が四曲目ぐらいに出てきてビックリした。別にガックリはしなかった。
全編を通じてBill Payneが大きくフィーチュアされていたような気がするな。
ショウの最後にはメンバーがひとりずつ姿を消していき、知らない間にベースのKenny Gradneyだけがステージに残ってしまい、それに気づいたKennyが「アラ、お呼びでない?」みたいな演出だった…ように記憶している。
Lowell Georgeかっこヨカッタな。

6_img_2286_2恒例のコンサート・プログラムのチェック。
どれどれ、この頃は…スージー・クアトロが来たのか。
「ファッショナヴル・レディ・ロッカーに大変身」か…。このあたりからロックの大衆化が進みポップでつまらなくなっちゃったんだろうね。
The Babysはカッコいい。
といってもベスト盤を持っているぐらいで夢中になったことはないが、いかにもロンドン出身らしい端正なハード・ロック・サウンドを聴かせてくれる。
渋谷公会堂とサンプラザで三日間。最終日にはマチネーもかけているので全四回の公演をこなした。ヘタすりゃ小一万は動員したワケだ。人気あったんだな。
Ian Gillan Bandは武道館に観に行った…待てよ、「再び」なんて書いてあるな。
え~!Ian Gillan Bandって二回来日していたのか!この時は武道館で演っていないので、私が観たのはコレじゃなくて初来日の時だ。

Img_2287_2オマケで…。
下は1990年のセントルイス公演を収録した『Rock'n Roll Doctors』と題した発掘音源的ライブ盤。
海賊盤の一種なのかな?
下北沢のレンタルビデオ屋の処分コーナーで300円(税抜き)で見つけたんだけど、コレが信じられないぐらい素晴らしい内容。音質も良好。
Little Featってのはホントにいいバンドだと思う。

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★Back to the Bars / Todd Rundgren
ご多聞に漏れずビートルズからロックに興味を持った私が次に好きになったバンドのうちのひとつがUtopiaあるいはTodd Rundgrenだった。
ラジオで聴いた1976年の『Ra』収録の「Magoc Dragon Theater」でハマった。
そして、来日。
コレがその時の宣伝用のステッカー。いつどこでもらったのかは覚えていない。
残念ながら行かなかった。まだ中学2年の頃だったからね。

6_img_0244_2 そして、1979年4月、Toddがまたやって来た。『Oops! Wrong Planet』のレコ発ツアーだった。
よろこび勇んで中野サンプラザに繰り出した。
このコンサートは本当に感動した。一般的な評価も高かったが、私の人生の中でもトップ3に入る素晴らしいショウだった。Toddもまだ若かったしね。
この後、Toddはいろんな形で来日をしたが、後にも先にもコレしか行かなかった。

6_img_0235_2さて、Toddのライブ・アルバム、『Back to Bars』。
コレが滅法苦手である。
『Something/Anything?』。『A Wizard, a True Star』、『Todd』、『Initiation』、『Faithful』というToddの黄金期を飾る代表作から選ばれたヒット・パレードという内容。
そして、Rick Derringer、Spencer Davis、Daryl Hall、John Oates、Stevie Nicksといった豪華なゲスト陣…にもかかわらずナゼかおもしろくない。
天丼、カツ丼、すき焼き、天ぷら、しゃぶしゃぶ、バーベキュー…次々に出される人気メニューに耳がもたれてしまうからか?
イヤイヤ、ベスト盤のような内容で楽しめるライブ盤は他にいくらでもあるので、このニ枚組の選曲に不足はないだろう。
今回この記事を書くに当たり聴き直してみるに…「雑」さをすごく感じた。
多かれ少なかれライブ盤となると、スタジオのテイクに比べて荒くなるのが普通で、それがまた魅力となるのだが、このアルバムに関していうと、ただ「雑に演ってる」って感じがする。
ソロ名義でのライブ・アルバム、『Another Live』の方が断然いい。あの中の「The Wheel」という曲が大スキだった。
ただこのアルバム、ジャケットはよろしいな。
Hipgnosisだからかな?
Marshall Blogでは「下町のひとりヒプノシス」でおなじみのデザイナー、梅村昇史さんが、このアルバムのデザインをモチーフに近所の鍼灸院の新聞の折り込みチラシを制作されていたが、とても可愛かった!

260_3それでもこのニ枚組は、アメリカで最も売れたライブ・アルバムのうちのひとつとされるPeter Framptonの『Frampton Comes Alive!』を目指したんだって。
でも見事失敗に終わった。
なるほど私のLPもカットアウト盤だったわ。
…ということは、リリースされて時間が経ってから入手したんだな。
カット盤なんてなつかしいね。
ところでToddってプロデュース業やサウンド・クリエイターとして語られることが圧倒的に多いけど、あの音といいフレージングといい、ギターの方もなかなかのオリジナリティを持っているように思うのだがいかがだろう?

6_img_0240★Two for the Show / Kansas

「♪Carry on my wayward son~」…何の予備知識もなく『Leftoverture』を買って聴いたんだよね。
何でコレを買ったのかはサッパリ覚えていないんだけど、どうせ買うならCBSソニーの盤がいいな…なんて気持ちは当時あったと思う。
恐らくメンバーにヴァイオリニストがいたから興味を持ったのだろう。40年近く前の話なもんで…。
今となってはレコード会社の友人も多いのであまり滅多なことは言えないが、音質とかではなく、ジャケットの紙の厚みだとか、解説書の丁寧さとか、歌詞の翻訳の有無とか…各社間で装丁のグレードに大きな差があって、CBSソニーの製品が一番ゴージャスだと思っていた。子供の頃の話しよ。
内容はどうあれ、みんな一枚2,500円もするんだから少しでも豪華な方がうれしいにキマってる。
ただ、CBSソニーは邦題がね~。子供ながらに「おかしい」と思っていた。
当時の私のイメージでは、CBSソニーが一番豪華で、次いで東芝EMIかな?
ワーナーがちょうど真ん中ぐらい?Atlanticを抱えていたせいか、どうしても買う枚数が多くなってしまうワーナーが平均点であったのはありがたかった。
日本フォノグラムとかポリドールとかキングはあまりうれしくなかったな。
さて、そうして買った『Leftoverture』、腰を抜かしたね。
「Carry on~」のカッコよさに!
確か、お母さんにまで聴かせたような気がするな。もちろん母はロックなんかに興味を持っていなかったけど、とても理解力のいい人なので「ステキね~」ぐらいのコメントを言ってくれたのだと思う。
ところが、他の曲は全く覚えていないんだよね。聴いたかどうかも怪しい。今でも一曲もわからない。
続く『Point of Know Return』もタイトル曲だけ夢中になった。「Dust in the Wind」が名曲としてほめそやされていたが、私はそうは思わなかった。
そして、このライブ・アルバム。
やっぱり出てすぐに買ってしまうんだな~。
「Song for America」から「Point of Know Return」のクダリには興奮したものだ!
でも、やっぱりあんまり針が進まなかった。
結局、私のKansasは「Carry on my Wayward Son」と「Point of Know Return」と「Song for America」のたった三曲で成り立っているのであった。
でもさ、このアルバムのジャケットってすごくいいと思わない?
タイトルは『Two for the Show』と、「Hounddog」からの引用なんだろうけど、意味は何だ?
ジャケットを見直してすぐに気が付いたのが、この掃除のオバサンたちが手にしているモノ。
Kansasのロゴが表紙に載っていてあたかもツアー・プログラムのように見えるが、手前の座席に二冊捨て置かれているでしょ?
海外でも結して安くは売っていない、せっかく買ったコンサート・プログラムをお客さんが捨てていくワケがないでしょう。
すなわちオバサン二人が見ているのは「Playbill」というヤツ。アメリカの言葉だ。
Playbillというのは、そのミュージカルの出演者や制作に関する情報が簡単に記載されている簡易プログラム。
ブロードウェイのミュージカルに行くと、座席の上に予め一冊ずつ置いてある。
ナ~ニ、そんなにPlaybillをありがたがる必要はない。内容の70%ぐらいは広告だ。
ウチにも『Cats』とかいっぱいあたんだけどどっか奥の方へしまっちゃったナァ。
ちなみにロンドンのウエスト・エンドのミュージカル劇場ではコレをやっていない。だからロンドンではPlaybillという言葉も耳にしないのが普通。
さて、この項を〆ますよ。
実はこのジャケットには元ネタがある。
Norman Rockwellというアメリカの画家の作品だ。

270_3それがコレ。
1946年の「Saturday Evening Post」の表紙に使われていた絵だ。
こっちのオバサンが手にしている冊子の表紙をよく見ると…ね、「THE PLAYBILL」って描いてある。
私の見立ては正しかった。

Charwomen
★Live at Fillmore West / Aretha Flanklin
珍しくソウル畑から2作。
Arethaは好き…。
本国に比べると日本では人気が今ひとつなんだってね~。
ま、ソウルのことは何ひとつ知らないに等しいので、無理して紙幅を割くようなことはしないが、ひとつだけ。
このジャケット、Jim Marshallの写真だ。

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★Live / Donny Hathaway

もうひとつは「永遠の名盤」の誉れ高いDonny Hathawayの『Live』。
聴くたびに思うんだけど、コレ、「You've Got a Friend」とか、お客さんの歌声がデカすぎない?
ノリノリなのはわかるんだけどね。
「Jealous Guy」ってのは名曲だな~。
ジャケットの写真は黒人のフォトグラファー、Jim Cumminsという人。
Jimi HendrixやJanis Joplin、ウッドストック等、あの時代のロック・ジャイアンツの写真を数多く撮影している。
なぜかYusef Lateefなんかも撮ってる。仲良しだったのかな?

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★U.F.O. Landed Japan / UFO

さて、ここからは「ライブ・イン・ジャパン」が続く。
まずはUFOの野音でのライブ『U.F.O. Landed Japan』。
コレ、おもしろい話しがあって、どっかに書いた覚えがあるんだけど、それがどこだかわからないのよ!「MUGEN」がどうのという話。

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★Live and Kickin' / Suzi Quatro

Suzi Quatroも人気あったよね~。「The Wild One」なんて今聴いても問答無用でカッコいい。
日本のロック界もメタルを中心に女性の進出が目覚ましいけど、Suziみたいなストレートなロックのカタマリみたいなミュージシャンはほぼいなくなった。
昔、FMレコパルかなんかで「スージー・クアトロ物語」みたいなマンガが掲載されていた。
すごく印象に残っている箇所があって、誰かがSuziに「何でベースがいいの?」と尋ねると、「ギターは〇〇(どこか忘れた!)に響くけど、ベースは子宮に響くのよ!」とSuziが答える。
そうなんですかね?
またしても…私はSuziのファンではなかったが、彼女が結婚する時のことは覚えていて、多分「ぎんざNOW!」かなんかだと思うんだけど、「Suziがレン・タッキーというバンドのギタリストと結婚するそうです」と誰かがいうと、その相方が「え、洗濯機と!?」反応する場面がすごくおもしろかったのだ。
これは1977年に日本とオーストラリアでリリースされたライブ・アルバム。
1974、1975、1976、1977、1978年とベンチャーズ・ペースで来日していた。やっぱりスゴイ人気だよ。音源は1977年のものか?
昔クアトロ、今クラプトンか…。

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★100%ライヴ・レスリー・マッコーエン / Leslie McKeown
この人の名前、「McKeown」って綴るのか…。今知った。本当に「マッコーエン」なんて読むのかな?
「マッケオウン」が近いんじゃない?
今度Marshallでスコティッシュの人に会ったら確認してみよう。イヤ、スコットランドは独立でBay City Rollersどころじゃないか?
中学の時、この人が趣味のハンティングで誤って人を撃ち殺してしまったのだが、金にモノを言わせて事件をモミ消した…なんてウワサがまことしやかに立っていた。学校の連中はみんな知っていた。
そんな事件なんかはどうでもよくて、それよりも、そんなスコットランドのバンドのシンガーがやらかしたとされる悪事のウワサが、ロック・ファンでもない連中にまで行き渡っていたことに今更ながら驚くわ。
ロックが近くなったのか、それとも、遠くなったのか?わからんねェ。
いずれにしても「J-POP」というカタストロフィで大打撃を受けてしまい、ロック・ファンからはロックが遠ざかってしまったことは確かだろう。

340_3★Libe in Japan / Wishbone Ash

かつて「世界一美しい音を出すロック・バンド」と言われていたWishbone Ash。
ここでの音源は1978年の11月10日の中野サンプラザと11月15日の新宿厚生年金で収録されている。
2010年まで日本以外で発売されたことがなかった。
写真は誰が撮ったんだろう?ジャケットにクレジットがないのだ。

350_3その中野サンプラザの前から7列目に私はいた。
高校二年だったかな?
友達とWishbone Ashのコピー・バンドをやって楽しんでいたので、すごくうれしかったな。
レコードには入っていない「King Will Come」等、『Argus』の曲も演奏してくれたのでよろこびはひとしおだった。
その後、Andy PowellのWishbone Ashをチッタで観て、Ted TurnerのWishbone Ashをロンドンで観た。
さらに、Laurie Wisefieldがギターを弾いていたロンドンの『We Will Rock You』を鑑賞した。
ま、コレだけ観ればいいんじゃないの?
今のロック界を見回してみると、Wishbone Ashみたいなバンドこそ希求されるべきなのではないかと常日頃思っている。
Wishbone Ashのようにギターという楽器の美しい面をフィーチュアした音楽がソロソロ聴きたいんじゃない?
シュレッド命の現在ギター・キッズもこのギター・アンサンブルの美しさとカッコよさに耳クソが踊るのではなかろうか?
ちなみに、イギリスではWishbone Ashは、歌詞がわからない方がシアワセ…とされているようだ。

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★Live in Japan / Roy Buchanan

Roy Buchananはモッタイないことをしたもんだ。
自殺なんかしないで今も活躍していたらどんなギターを弾いていただろうか?答えは簡単。
きっと昔と同じだったに違いない。
一時『レス・ポールとの遭遇』とかいうアルバムも出していたけど、結局Esquireに戻ってピキピキと弾きまくっていたことだろう。ちなみのこのレス・ポール盤、サイド・ギターでRay Gomezが参加しているんだよね。
で、この『Live in Japan』、私はCDでしか持っていないのだが、それがヒドイ作りで、フォト・クレジットはおろか、レコーディング・データも記載されていない。
老眼鏡をかけて隅から隅までチェックしたが見当たらなかった。
で、調べてみると、録音は1977年6月14と15日の郵便貯金ホールだったらしい。
Royはこの時、6月7日の後楽園ホールを皮切りに10日間かけて大阪、新潟、名古屋、大阪を回った。全部で9公演。
Royは一度しか来日していないので、日本でRoy Buchananを見た人は一万人程度になろうか。(チッ、案外多いな)

360_3その内の一人が高校生だった私。
会場は後楽園ホールだった。
途中で弦が切れてしまったが、ギターを取り替えるでもなく、ギターテクが出て来るでもなく、観客が見ている前で、まるで家や楽屋でやるように、ユ~ックリ、ノ~ンビリと新しい弦を張っていた。
ビールを飲みながら演奏していたっけ。
「メシア」とかやっぱりスゴくてさ、ホントに観に行っておいてヨカッタと思う。

Rb 上のプログラムから出てきたチラシ。
手書きだよ!
時間がなかったのかな?
レコード会社の宣伝の担当者の名前まで出ちゃって。五人も?!

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★Night After Night / U.K.

U.K.、1979年来日時のライブ盤。
中野サンプラザと日本青年館での収録。私は日本青年館の方を観に行った。
当時、キーボード・トリオになったU.K.は「第二のELPになるんだってよ!」なんて学校のロック好きの間(少数派)で話題になっていた。
あれほどプログレ好きな私だったが、実はU.K.のファースト・アルバムってあまり好きではなかったんだよね。「Alaska」ぐらい?
でもEddieはRoxyの頃から好きだったし、さかのぼってCurved Airまで聴いていた。
John Wettonはヒーローだった。
なので基本的にはよろこんで青年館に観に行ったのだが、そんなことはすべて忘れて帰ってきちゃった。
Terry Bozzioがスゴ過ぎたのだ。
何しろドラム・ソロには度肝を抜かれたな~。そりゃそうだよね、Terry Bozzioだもん。
でも、あの頃はFrank Zappaファン以外の人の口には上らない名前だったハズだ。
私は滅多にドラム・ソロに喜ぶことがないが、このHelpless young drummerにしてmad wih desireのTerry Ted BozzioとSonny Rollinsのカルテットで見たJack DeJonetteのドラム・ソロは一生忘れまい。
Eddie Jobsonによれば、このアルバムは東京のポリドールからのリクエストで制作され、日本だけの販売という約束になっていたが、アメリカのポリドールも興味を持っていたらしい。
以前にも書いたかもしれないが、実はこのコンサートの時、毎朝総武線で一緒になるカワイコちゃんが数列後ろに座ってたんだよね。
もう、それが気になって、気になって。
あ、コンサートはシッカリ観ましたよ。
その娘に声をかけるいいチャンスだったんだけど、結局ビビってできなんだ。今なら全然平気なんだけど。
青春の美しき思いでですな。

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★At Budokan / Bob Dylan
コレは行かなかった。高一の時だったかな?
「Bob Dylanが来る」っていうので学校のロック好きの間でも大騒ぎになっていた。
元より私はDylanが苦手だったし、何より、入場料が破格だったんじゃなかったかな~?
思い入れなし。

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★Live / Beck, Bogert and Appice

知らない間にJeff Beckも毎年来るようになっちゃったね。
基本的マーシャル的にはありがたいんだけど、他のアンプを使われるとそれが簡単に裏目に出るので恐ろしくてしょうがない。
2000年ぐらいから一回を除いて、毎回Marshallの面倒をみさせてもらっているのはMarshall冥利に尽きる。
これまでずいぶんいろんなフォーマットで来日しているJeffだけど、皆さんが一番見たかったのはこのBBAの公演なのではなかろうか?
1973年の来日公演。
初めて聴いた時、トーキング・モジュレーターには驚いたな~。「そうやってやってるんだ?」という謎はロッキンf」あたりの音楽雑誌で解明されたが、当時、この装置を使いすぎると口からギターの音の振動が脳みそを揺さぶり、挙句の果てにはアタマがパーになってしまう…と言われていた。
あの、知り合いの方でトーキング・モジュレーターの使い過ぎでアタマがおかしくなった人はいますか?
元々音楽的にアタマがおかしくて(ホメ言葉です)、トーキング・モジュレーターを使っている人なら知っているけど…。
今となっては、化学薬品だらけの食べ物のように、普段の生活の中でトーキング・モジュレーターよりよっぽど身体に悪いモノが氾濫しているせいか、誰も言わなくなったね。
スタジオ・アルバムを踏襲したデザインはとてもいいね。

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★The Eyeball Show / The Residents

The Residentsってのはサッパリわからん!
何枚買って聴いてもようわからん!
でも、この目玉のキャラクターをフィーチュアしたジャケットはいいものが多いよね。
他に何も書けません。
わかんねーんだもん。
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★Priest in the East / Judas Priest

1979年の来日公演を収録したJudas Priest初のライブ・アルバム。
コレはよく売れたらしい。
アレ、私が持っていたのとデザインが違うな…。
タイトルも違うわ。
私はコレを輸入盤で買ったのだが、漢字っぽいフォントで「LIVE IN JAPAN」って入っていた。
タイトルは調べてみると「Unleashed in the East」となっていたようだ。
写真はFin Costelloという人。これはライブ写真ではないね。
このFin Costelloという人もMick JaggerやらClaptonやらBilly GibbonsやらRobbie RobertsonやらRolly Gallagher等々、渋めの人たちのいい写真を残している。

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★Rockin' Every Night / Gary Moore

1983年、厚生年金会館での音源を収録したアルバム。
私のGary MooreはSkid RowとかColosseum IIなので、この辺りはもう全然門外漢なの。
ブルース時代は結構好きなんだけど、日本では圧倒的にメタル時代に人気が集まっているよね。
Garyは長いこと日本から遠ざかっていた。
なんでもカキかなんかが当たったことがトラウマになっているといわれていたようだが、真相はその食中毒になってしまった時に、周囲の日本人がとても冷たい仕打ちをしたのがショックで日本がキライになてしまった…という話を聞いたことがある。
本当かどうかは知らないよ。
でも、Garyファンで、通訳の友人が雑誌の電話インタビューをした時、雑談で「日本に来てくださいね!」と言ったところ「すぐにでも行きたいよ!」なんてことは言わず、「ん~、もし私を観たいなら、キミがロンドンに来た方が早いと思うよ」と言われたらしい。
マジでイヤなんだな…と思っていたらブルース・バンドで来日。
翌年はハード・ロックでまた来るなどという話もあったようだが急にスペインで客死してしまった。
私はラッキーにもその直前にロンドンでハード・ロックのセットを観ることができた。
来日時、彼が持参した1959SLPの修理をしたのはいい思い出だ。(正確にはタクシーで運搬しただけ。修理はこの道40年のベテランにやってもらった)
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★Mr.335 Live in Japan / Larry Carlton

この人もスゴイ人気だった。
あのフュージョン・ブームってのは何だったんだろうね。私は乗りませんでしたよ。
何しろやっつけ仕事のひどいジャケットばかりの「Live in Japan」モノの中にあって、このアルバムは普通だな。

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★Live in Japan / The Runaways

♪チチチチチチチチ、チェリ~ボ~ム!
なつかしいな~。
女の子だけのロック・バンドだぜ。スゲエだろ~!という時代があった。
ギターのLita FordはRitcihe Blackmoreの彼女で、ギターを教わってるという話が出まわってたな。
男性誌のGOROで篠山紀信が激写しちゃったりなんかして。
ドラムの娘が一番人気があったのかな?
そんな具合に日本では大騒ぎになっていたけど、アメリカでは大したことなかったようだ。
この音源は1977年の来日公演の時のもので、日本とカナダ、オーストラリア、ニュージーランドでのみの発売で、アメリカやイギリスでリリースされることはなかった。
オイ、チョット待てよ~。
この来日時、ボーカルのCherie Currieって18歳だって!フケてんな~!
そうか、18でこんなことやっていたのか…大したもんだよ。
昔の人はホントに偉かった。
でも、Joan Jettってのはこの後大ブレイクするもんね。わからないもんです。
このアルバム、ちょっと聴いてみたいような気もするな。
その後、連続してThe Shaggsを聴いてみるってのはどう?

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★Tokyo Quo / Status Quo

Quoは観たかったな~。
もう日本来ないだろうな~。
それならいつかロンドンで観てみたいな~。
しかし、つまらんジャケットだ。

450_3★Agharta / Miles Davis

最後もライブ・イン・ジャパン。
『Agharta』は以前にも取り上げた
1975年2月1日の大阪フェスティバル・ホールでの収録。昼の部は『Agharta』、夜の部は『Pangaea』として音源が発表された。
以前にも記した通り、Milesの指揮のもと、音楽の鬼神たちが凄まじい演奏が繰り広げているワケだが、その中でも際立っているのがPete Coseyのギター・ソロだろう。
スキかキライかは別にして、フレージングといい、トーンといい、ものすごいオリジナリティだ。誰にも通じない自分の言葉でしゃべりまくっている。
強いて言えば、Jimi HendrixがSonny Sharrockのマネをしているというところか?(この逆は不可能)
ギターはGuildのS-100とかいう、シェイプがSGによく似たモデル。
この人、通常とは違う場所に弦を張ったり、曲に合わせて36通りの異なったチューニングを用いていたらしい。
かなりの変態だ。演奏もそれなりに「変態」になっているので安心して欲しい。
ところが、過去にはChessレーベルのスタジオ・ミュージシャンとしてMuddy WatersややHowkin' Wolfの作品に参加していたらしい。
Maurice Whiteと組んで、Earth, Wind & Fireの前身のバンドに在籍していたこともあるという。リーダー・アルバムはないとのこと。

ジャケットは横尾忠則。
「Agharta(アガルタ)」というのは幻の地下都市の名前で、横尾さんはこのコンサートの前年には、「シャンバラ」というチベットの伝説上の王国と「アガルタ」をテーマにした作品に取り組んでいた。
Santanaのライブ盤『Lotus』のジャケットもこれらがテーマになっている。
1970年代初頭、横尾さんの評価は日本でも高まっていたが、もっと活動がしやすいアメリカに活動の拠点を移した。
その後、日本に戻ってくるとMilesから電話がかかってきたという。横尾さんの作品を目にしたMilesがそれを気に入り、『Agharta』のジャケットのためのデザインを依頼したという。
横尾さんは『Agharta』の生音源をMilesからもらい、瞑想を重ね、レイモンドW. バーナードという人の『The Hollow World(空洞地球―史上最大の地埋学的発見)』という本の内容をアイデアに反映させた。
この本は「地球の中心に巨大な洞窟があり、そこに都市が存在する」と説いていて、横尾さんは「アトランティスのように海の底にアガルタはあるかもしれない。あるいはエルドラドみたいにジャングルの中に隠されているかもしれない」と信じていた。
そうした思想のもと、他の要素も加えてデザインされたのが『Aghrta』のジャケットだった。
HipgnosisのStorm ThorgersonとAubrey Powellによれば、アガルタとアトランティスの融合を示すために、横尾さんはクラゲやサンゴ、色鮮やかな魚を表4に描いたとしている。
なるほど、ジャケットをズ~と見てるとアガルタに行ってみたくなるな…すごいパワーだ。
ちなみに、時期が符合するかどうかはわからないが、まさに上の流れに合致する話を聞いたことがある。
Santanaが「コレが私の次の作品です」といって『Lotus』のジャケットをMilesに見せた。
Milesは羨望のまなざしを浮かべながら、あの22面体のジャケットをつぶさに調べた。
フト、SantanaがMilesの口元を見ると、ヨダレが垂れていたという。

470_2コチラは姉妹作の『Pangaea』。
『Agharta』に比べると、ずいぶん簡単なデザインだな~。でも、私は内容はコッチの方が好き。

Mp <後編>につづく

Music Jacket Gallery展示の詳しい情報はコチラ⇒金羊社MJG常設展

※本展示は2014年9月に終了しています。現在の展示内容は上記の金羊社ウェブサイトでご確認ください。



2016年5月30日 (月)

【Music Jacket Gallery】ライブ盤ジャケット特集<前編>

久しぶりに登場のMusic Jacket Gallery常設展のレポート。
今回のテーマは『LIVE LP COLLECTION』。
掲載が遅れに遅れてしまったが、開催は2014年の7~9月。場所はいつもの金羊社の本社4階ギャラリーだ。

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しつこく書く。
「ライブ」か「ライヴ」か…それが問題なのだ。Marshall Blogでは「ブ」で貫いている。
いつもご覧頂いている読者はお気づきのことと思うが、Marshall Blogの文章は、時々表記がユレてるでしょう。
同じ言葉でも、ある時はカタカナ、ある時はひらがな。あるいは、ある時は算用数字、ある時は漢数字といった具合だ。
コレ、ワザとやっています。
出版社なんかの校正業務にかかれば絶対に許されないことだと思うが、私にしてみれば、読んでいる人が一発で読み切れるような文章を書いているつもりなのだ。
どういうことか…文章を書いていてどうしてもひらがなが続いてしまう時があったりするでしょ?コレは大変読みにくい。
そういう時はまず読点を入れることを考える。
でも、読点を入れると却って文章がギクシャクしてしまうこともあるので、カタカナを入れて読みやすくしたりしているワケ。
それでもダメなら文脈を変えたり、文章を分けたりしている。
漢字とひらがなを使い分けることもある。何でもかんでも漢字にしてしまうことには反対だ。「Black Page」になってしまうから。
驚いたでしょ~?そんなに考えているのに出来はこの程度だからね!
数字も同様。
「一人」か「1人」か「ひとり」か…いつも悩んでいるんだけど、コレについてはなるべく記事内での統一を図っている。
いつもそんなことを考えているので、外来語の表記が気になる。
「ヴィデオ」か「ビデオ」…「ビデオ」に軍配を上げる。
「キング・クリムゾン」か「キング・クリムズン」…「キング・クリムゾン」。
「ロキシー・ミュージック」か「ロクシー・ミュージック」…「ロキシー」だ。
「マイルズ・デイヴィス」か「マイルス・デイビス」か…「マイルス・デイヴィス」か…たまには折衷案もよかろう。
「ブルーズ」は絶対「ブルース」。
こうした英語の発音に強引に近づけようとする表記がどうも恥ずかしいし、もしそうするのであればすべてそういう表記に徹するべきだと思うのですよ。
その場合「th」はどうするの?アメリカ発音にするなら「r」の舌を巻く発音はどう書くの?片手落ちになりませんか?…なんて意地悪のひとつも言いたくなるのは私だけだろうか?私だけなんだろうな。

10_4そして、今回のMJGは、珍しく新旧の「ライヴ盤」、イヤ、「ライブ盤」が結集した。
ナゼ珍しいかというと、いつもは「夏」とか「乗り物」とかのテーマに沿って、ジャケットの見た目で展示アイテムが集められるが、今回は盤の収録内容がテーマだからだ。

20_3「スタジオ盤」か「ライブ盤」か…スタジオ盤を好む人も大勢いらっしゃることと思うが、私は断然「ライブ盤」派だ。
今回もワガママ放題にアイテムを選定し、好き勝手に書いて、無責任に思いっきり脱線させて頂いた。
では、本コレクションのオーナー、植村和紀さんに敬意を表し、氏の大好きなJethro Tullから行ってみよ~!

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★Bursting Out / Jethro Tull
私も大好きなJethroTull。
このアルバムは期待しつつ、高校の時にリリースされてすぐに買った。だけど正直言ってあまり聴かなかったナァ。
なんか波長が合わないんだよね。
期待していたにもかかわらず、どうも相性が悪いライブ盤ってのがもうひとつあって、それはToddの『Back to the Bars』ね。
アレなんかジャケットはHipgnosisだし、ゲストは豪華だし…だけど今ひとつ燃えてこない。
この『Bursting Out』も同じ。
猛烈なTullファンにして、Ian Andersonとホッケをつついたという植村さん(本コレクションのオーナー)には恐縮なんだけど…なんか熱いものを感じない。
ただ、Barrimore Barlowのドラムはスゴイと思ったっけ。

40_4この記事を書くのに久しぶりにこのアルバムを引っ張り出してみたら、こんなのが出て来た。
1977年のイギリス国内ツアーのプログラム。
もちろん観たわけではない。小川町にあったシンコー・ミュージックさんが経営していた「ロック座」というロック・アイテム・グッズ屋で買った。
『Songs From the Wood』のレコ発ツアーということになるのかな?
で、このプログラムの公演の時のヨーロッパ・ツアーが上のライブ・アルバムの音源になっているのかと思ったがさにあらず。
上の音源は『Songs From the Wood(1977年)』の次作、『Heavy Horses(1978年)』のレコ発ヨーロッパ・ツアーだった。
内ジャケットには録音場所を「Somewhere else in Europe」と表記してあって、どこで録られたかはわからないようになっている。Tullのシャレなのかな?スイスのベルンでの録音らしい。

C_img_0305 コレ書いていてフト気が付いたんだけど、Thin Lizzyの『Live and Dangerous』…Ian AndersonとPhil Lynottのポーズが似てるじゃんね?
ま、コレもライブ盤ということで脱線させてもらうけど、Thin Lizzyって1977~78年の頃は日本ではほとんど人気がなかったように記憶している。
『Jailbreak』の後なのにね。もちろん我々の頃は「フィル・リノット」って呼んでいた。
だから、facebookなんかを見ていて「Thin Lizzy命」みたいな人を結構見かけるんだけど、チョット不思議な感じがするんだよね。
いつから人気が出たんろう?…って。やっぱり『Black Rose』でスター・ギタリスト、Gary Mooreが再加入したところからかしらん?
私の周囲にはバンドの名前は知っていても、好んで聴いているヤツなんてひとりもいなかった。
それをいいことに、美術の授業で「空想のLPジャケット」みたいなお題があって、私は『Nghtlife』とBad Companyの『Straight Shooter』をパクってゴッチャにしたヤツを提出した。
私はその頃Thin Lizzyが大好きだったのね。
その後、みんなが聴くようになって一般的になって興味がなくなっちゃった。はい、ずっとワガママしてます。

Ld

★801 Live / 801
ロクシー・ミュージック、イヤ、Roxy Musicも大好きだった。
『Viva! Roxy Music』がリリースされたのは私が中学2年の時で、ラジオで「Out of the Blue」を聴いた瞬間にハマった。イヤ、もしかしたら「Do the Strand」だったかも?あるいはその両方だったのかも知れない。
それで、まずは『Viva!』を買って、すぐさま『Siren』までの既発のアルバムを揃えた。海賊盤も買った。EnoやEddie Jobsonの名前を知ったのもこの頃だ。
Enoはまだ「エノ」と表記されていた。「レゲエ」も「レガエ」って書かれた時代。
当時、メンバーの来歴等を探りようにも今みたいに自由に情報など手に入らないので、付属の今野雄二のライナーノーツをむさぼり読んで、ミュージックライフ誌のバック・ナンバーを買い込んで来ては知識を蓄えた。
ま、コレはRoxy Musicだけじゃなくて、好きなバンドに関してはすべて同じことをやったな。
コレをご覧の皆さんもおそらく多かれ少なかれ同じことを経験していると思う。
今にして思うと、ずいぶんノンビリしていたと思うよね。
今ならWikipediaで調べて、amazonでCD買って、iTunesに取り込んで…ってとこか?あ、もはやCDなんか買わないのか…。
私の場合は前述のようにして情報を集めて、学校の帰りか、休みの日に秋葉原の石丸電気の3号館の2階へ行ってレコードを買って、10%相当のサービス券をもらう。
それを2回繰り返すとシングル盤1枚と交換できる勘定になる。そういう時は4階へ上がってLPを買うほど興味のないバンドのシングル盤を買って研究する。
ポスター等のオマケも楽しみだった。
それから1~2年もすると、ハンターやディスク・ユニオンの存在を知って、新品のレコードは100%中古レコードに取って代った。
数寄屋橋とソニービルの地下のハンターに入り浸り、黄色いビルだったか青いビルだったか、後楽園のバーゲンに参加したりするワケ。
昔、美濃部都知事の時に都営ギャンブルが廃止になり、後楽園の競輪場がプールとして後利用された。
私は父に連れられてこの競輪場にも何度か行ったことがある。
赤鉛筆を耳に挟み、折りたたんだ白い新聞を片手に唾を飛ばしながら「まくれ、まくれ!」と狂ったように怒鳴るオジちゃんたち。もう片方の手で金網をいいように揺さぶっている。そんな光景を目にして「コエ~とこだな~」と子供ながらに驚いた記憶がある。
プールになってからも友達と誘い合って何回か遊びに行ったけど、入場料がバカ高いうえにイモ洗いもいいとこでね。アレ、人の汗のなかで泳いでいるようなもんだぜ。
で、アソコ、冬になると脱衣場のスペースを利用してオーディオ用品のバーゲンとかやっていたんだよね。
何であんなところを借りていたんだろう?
とにかく目玉はカートリッジだった。
シュアとかオルトフォンとか、売れ残りの商品を7割引きとか8割引きとかで売り払っちゃう。そうなると針だけ交換するより安いので、我々貧乏学生はそういう機会を狙ってカートリッジごとレコード針を取り替えちゃうワケね。
こんな話し、生まれたときからCDがある世代の人には「謎」の類いだろうね。でも、風情があってとてもいい時代だったと思う。

話は戻って…そうして少しずつ手に入れたRoxy Musicの情報にこのライブ盤が引っかかってきた。
Phil ManzaneraとEnoが参加しているグループということで、すぐにゲット。
当時、他のメンバーがどういう人たちだかは知らなかったが、ドラムはスゴイ人だと思った…Simon Phillpsだ。
ついでに加えておくと、胡椒みたいな名前のベースはBill MacCormick。元Matching Mole。
Francis MonkmanはCurved Airのオリジナル・メンバー。
Lloyd Watsonは、メロディ・メーカー誌のコンテストで優勝し、『The Old Grey Whitsle Test』にも出演した人で、David BowieやKing CrimsonやRoxy Musicの前座をやったことがあるそうだ。Enoのソロ・アルバム、『Here Come The Warm Jets』に参加したことが縁で801にも加入した

ところで、「801」ってなんぞや?
801を英語表記すると「Eight Naught One」。コレの頭文字は「E-N-O」となる。
ホントかね?
「Naught」はイギリス英語で「zero」を表す。
コレを自分に当てはめてみると…SHIGEは「7100110008」かな?
「Seven-Hundred-One-Ground-Eight」ということで…これじゃバンド名にならんな。
さて、このジャケット…不思議だと思いませんかね?
なんでベース?
Manzaneraのプロジェクトでもあるんだからギターのヘッドにすればいいのに…。
Firebirdのヘッドがイヤだったのかな?

50_3上に記したRoxy Musicの海賊盤とはコレ。
懐かしいでしょ~。
昔のブートレッグってこうなってた。
右のピンクのはENO時代のライブ+未発表音源集。
左はEddie Jobsonが加入してからの1975年のニューヨークでのライブ録音。『Siren』のレコ発ツアーのひと幕だろう。
選曲が良い上に、当時にしては音もすこぶる良好だったのでよく聴いた。「Re-Make, Re-Model」がメッチャかっこいい!
ナンカ、こういう装丁を見ても昔はノンビリしててヨカッタね。

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★June 1, 1974 / Kevin Ayers, John Cale, Eno, Nico and others
何気に何回かMarshall Blogに登場している一枚。
Ayers, Cale, Nico, Eno、四人の中心人物の頭文字を取って「The ACNE album」と呼ばれることもあるらしい…が、そう呼ばれているのを私は聞いたことがない。
それよりもイギリスでのコンサートだし、イギリスのレコード会社からのリリースなんだからタイトルもイギリス式に『1 June 1974』にするべきだと思うんだけどいかがなものか?

では、まずはジャケット。
色がいいね~。
写真に目をやると…Kevin AyersがニコニコしているワリにはJohn CaleがKevinをギリッとニラんでいるように見えるでしょう?
何でもこのコンサートの前の晩、Kevin AyersとJohn Caleの奥さんがベッドに入っているところをJohn本人が見つけちゃったんだって!…ホントかどうかは知らんよ。
この写真を撮影したのは有名なMick Rockというフォトグラファー。
名前からして「筋金入り」って感じでしょ?「Mick」に「Rock」だもん。
この人はDavid Bowieの『Pinups』、Johnny Winterの『Captured Live!』、Queenの『Sheer Heart Attack』、Lou Reedの『Transformer』、Strapsのファーストのジャケ写を撮った人。すごいポートフォリオだよね。
ここでキレイに短く脱線。
Strapsって、2枚目だったかな?「意外にも第二のDeep Purpleは彼らだった!」みたいなキャッチコピーが付けられていて、それに惹かれて出てすぐに買った。『Secret Damage』とかいうヤツ。
ま、それなりに楽しんだけど、すぐに飽きたな。ゼンゼンDeep Purpleじゃなかったことは確かだった。

60_3以前にも一度書いたことがあって恐縮だが、ココでこそ書かねばなるまい。
それはNicoのこと。
アルバムではThe Doorsの「The End」を破壊的な解釈でユニークに演奏しているが、白塗りのルックスも十分に破壊的だ。
彼女はドイツ出身のモデルで、コレの12年前はこんな仕事をしていた。
Bill Evansの『Moon Beams』。
知らなかったんだけど、Nicoってアラン・ドロンの子供を産んでるんだってね。
そして、Kevinの終の棲家があったスペインのイビサ島に遊びに行った時、自転車に乗って麻薬を買いに出た時に転倒(どんな所なんだよ!⇒ヒッピーの天国だそうです)。頭を強打してそのまま客死したらしい。
元Velvet Undergroundだけあって一生をヘロインに捧げたとか…。
ところで、Riversideもいいジャケットの作品が多いね。ジャズでいいジャケットが揃っているのは何もBlue Noteだけじゃない。
このNicoの写真を撮ったのはPeter Sahulaという人。

Nico私は正真正銘、ソウル・ミュージックの門外漢だが、コレは知っている。
Otis Reddingの『Oris Blue』。
この写真もPeter Sehulaの撮影だ。

Obさて、『June 1, 1974』。
録音されたのは国鉄、地下鉄ピカデリー線、あるいはヴィクトリア線が乗り入れるフィンズベリー・パーク駅から徒歩1分のところにあった有名なレインボー・シアター。
表題の4人の他にもRobert Wyatt、Mike Oldfield、Rabit等が出演した。
いいナァ、見たかったナァ。
でも、このアルバムが大好きかというとさほど愛聴したワケではない。
結果として一番の収穫はナントいってもPeter Ollie Halsallを知ったことだろう。「Ollie」は「Oliver」の愛称。
Kevin Ayersの片腕だったOllieが弾くB面一曲目「May I?」のソロ。
コレにやられた。
それからOllieが参加したKevin Ayersのアルバムを何枚も買ったが、キツイんだナァ~、Kevinの音楽は…。
それでも『Whatevershebringswesing』と『The Confessions of Dr. Dream and Other Stories』は結構好きかな?
その他、Tempestはもちろん、The Rattlesまで揃えた。
Pattoは最高だよね。でもOllieのソロ・アルバムはおもしろくなかった。
苦労したのはBoxerのセカンド。
こんな話、忘れていたんだけど、Wilkinsonブリッジの創設者トレバー・ウィルキンソンの家にお呼ばれして遊びに行った時にOllieの話になった。
「Ollieが好きならコレを持って行きなヨ」とトレバーが彼の友人のOllieファンが作ったコンピレーションCDを譲ってくれた。
それにBoxerのセカンドに収録されているThe Beatlesの「Hey Bulldog」が入っていて、このMike PattoとOllieのギターが殺人的にカッコいい!
それでどうしてもアルバムを聴きたくなってしまった。『Bloodletting』というんだけど、中古で探し続けてCDが出て来るまで5~6年はかかったかナァ?
残念なことにOllieはMarshallじゃないんだよね。

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ゲットするのに苦労したのは『June 1,1974』も同様だった。
1978年ぐらいだったかな?
上に書いたようにRoxy Musicに夢中になって、関連したアルバムを片っ端から聴きたかったのだが、当時国内盤がことごとく廃盤になっていて入手不可能だった。
新宿あたりの輸入盤屋に行けば手に入ったのかもしれないが、中学3年の時だからそんな知恵もない。
でも、聴きたくて、聴きたくて…。
当時はまだ土曜日は学校があって、日曜日になると数寄屋橋とソニービルの地下のハンターに行って、有楽町のローディ・プラザで無料でレコードを聴いて帰ってくるというのがスタンダードな過ごし方だった。
滅多に入ることはなかったのだが、ローディ・プラザの奥に小さくて細長い輸入レコード屋さんがあった。確か「モーニング・サン」というお店だった。(コレも以前書いたことあるけど)
で、その日はたまたまそのレコード屋さんにフラリと入ったんだと思う。
店員さんが「何かお探しで?」と声をかけてきたので、「実は…」とこのアルバムのことを伝えると、「わかりました。じゃ、イギリスから取り寄せましょう」と言ってくれたのはいいのだが、当然値段が心配だし!
何万円もするのではないか?とビビりにビビった。まだ、子供だったからね。イヤ、値段に関していえば今も変わらない。相変わらず貧乏だ!
「イエ、そんなにしないですよ。2,000円ぐらいかな?」というので、ホッとしつつ注文した。
して、数か月して入荷したのが下の写真のLP。
アレからもう40年経ったんだナァ。
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★Caravan & The New Symphonia / Caravan
日本に同名のグループがいるようだけど、全然関係ない。
コチラはカンタベリーの一角、プログレッシブ・ロックの名門バンドのCaravanだ。
Geoff Richardsonというヴィオラ奏者がいる珍しいバンドとして知られている(か?)。
ココは『In the Land of Grey and Pink』と『Waterloo Lily』という名ジャケットの作品を抱えている。中身ももちろん極上だ。
1975年の『Cunning Stunts』はHipgnosisのデザインだ。
続く、『Blind Dog at St. Dunstans』も個人的にはとても好きなジャケット。その理由はココに書いてある。
ところで、この「Cunning Stunts」というタイトル。コレ、意味わかりますか?
私はある時、何のヒントもなしに突然コレの意味に気付いた。
要するにエッチな意味。
でも、権威と気品あふれるMarshall Blogでは(どこがだ?!)とても取り扱えない内容なので、ヒントを2つ。
①「Spoonerism」という文字の組み換え法を使っている。
②それがわかると次のジョークの意味がわかる。
  Q : What is the difference between a magician and a stripper?
  A : One has a Cunning Stunt.....
わからないけど意味を知りたいという方は、ライブ会場で私に会った時にでも尋ねてください。
でも男性の方に限ります。
ちなみにジャケットはコレ。ジャケットとタイトルの関連性はわからないナァ。何でビスポークのテイラーなんだろう?
参考にインターネットで「cunning stunts」と入れると、ナニこれ?Metallicaも同じタイトルのDVDを出してるの?何だってそんなことするんだろうか?絶対にやめて欲しい。

Cs さて、Caravanのライブ盤。
魚類図鑑のようなジャケットだ。
デザインは「Three Men Went to Mow」とかいう団体(?)。
調べたけど何者かはわからなかった。
You Tubeに同名のコントがいくつかアップされていたが無関係だ。しかし、思わず少し見てしまった。
そのコントのひとつを紹介すると、こんな具合…。
3人の男が本の倉庫で働いていて、「Yellow Book」という売れ残りの本を頭に載せたり、積木のように重ねてもて遊んでいる。暇なのだ。
そろそろ家に帰る時間じゃない?とひとりが言うと、仲間が「There is no place like home」なんて反応する。
すると、そのうちのひとりが床にその本を並べる。それを見た仲間が「Yellow book patio?」とか「Yellow book path way?」と言い当てようとするが、答えは違う。
私はココでオチがわかっちゃったんだけど、もちろんその黄色い本を並べていたのは「Yellow Brick Road」なワケ。「book」と「brick」のシャレね。
すると若い女の子が倉庫を訪ねて来て、4人一緒に帰ろうということになる。もちろんその時の男たちの格好はライオンとカカシとブリキ男だ。女の子はドロシー。
コレ、『オズの魔法使い』のワンシーン。
ドロシーが西だか東だかの魔女に「靴の踵を3回合わせてこう唱えなさい」…と教わる呪文が「There is no place like home(お家が一番!)」なのだ。
そしてその家に続く道が「Yellow Brick Road(黄色いレンガ路)」なのね。
…とマァ、こんなモンティ・パイソンの出損ないみたいなコントが『Three Men Went to Mow』で見れる。
もう典型的なイギリス英語だったので、当然イギリスの物だと思い、Marshallの友人に「コレはモンティ・パイソンのようなテレビ・シリーズか?」と確認した。
すると「聞いたことはあるが、テレビで見たことはない」…とのこと。インターネットで公開されているコメディ・シリーズのようだった。
この表現自体は『Man went to mow』という子供の数え歌だ。

しまった…ずいぶん脱線しちゃったナァ…。
脱線した割にはこのジャケットをデザインした関係者のことがゼンゼンわからないんだから申し訳ない。

この1973年に収録されたCaravanのライブ盤は、タイトルから汲み取れるようにオーケストラとの共演盤だ。
Deep Purpleをはじめとして、昔からロックとオーケストラの融合ってが盛んに行われたていたのね。
言っておきますけど、コレはジャズのマネっこですからね。
何か「オーケストラとの共演」なんていうと大仰で荘厳なサウンドが期待されるけど、このアルバムに耳にできるオケは小編成で、Caravanの音楽性がそうさせるのか、コンパクトにまとまった感じで実によろしい。
気を付けなくてはいけないのは、LPとCDではゼンゼン内容が違うのね。
ココはオケ抜きの演奏や、未発表音源を収録したCDを聴くべきでしょうな~。
記事を書くにあたって、これまた久しぶりに聴いて改めて思ったんだけど、Robert Wyattしかり、このPye Hastingsしかり、HathieldのRichard Sinclairしかり…このソフトなボーカルはカンタベリー派の特徴のひとつだったのかな?
Kevin Ayersにしても、声のキーは低いけどダラ~っとしてるもんね。

80_3裏ジャケを見ると、Pye Mobile Recording Unitという録音機材が使われたことがわかる。
「Pye」っていうからPye Hastingsの持ち物かと思ったらPye Recordsのモノだった。当たり前か。
この手の機材というとRolllig Stones Mobile Studioというヤツがやたらよく知られているが、このPyeのヤツもかなりスゴイ実績を誇っている。
ザっとその実績を記しておくと…
Live at Kelvin Hall/The Kinks (1967)
Ummagumma/Pink Floyd (1969)
Jimi Hendrix at the Albert hall (1969)
Live At Leeds/The Who (1970)
Five Bridges/The Nice (1970)
Hands Of Jack The Ripper/Lord Sutch And Heavy Friends (1972)
Live/Uriah Heep (1973)
Genesis Live/Genesis (1973)
At The Rainbow/Focus (1973)
Loud 'N' Proud/Nazareth (1973)
…などなど。
昔から聴いている多くの名盤、愛聴盤の多くがこの機材で録音されていたことがわかる。
そして収録現場はコヴェント・ガーデンのシアター・ロイヤル・ドゥルーリー・レーン。
キャパは2,200。
私は『My Fair Lady』を観るために一度だけこの劇場に入ったことがあるが、もっとデカいような感じがするな。
開業は1663年…といってもオリジナルの話しで、写真にある今の建物は1812年に建造された…ってこのビル、建ててから200年も経ってるのかよ!

19img_7674

この劇場をドーンとタイトルにしたアルバムがある。
今日はここまでのところ、カンタベリー派が活躍しているし、同じライブ盤なので紹介しちゃおう。
それはRobert Wyattの『Theatre Royal Drury Lane 8th September 1974』。
未発表発掘音源でリリースは2005年。
このアルバムのタイトルってもしかしたら上の『June 1,1974』の向こうを張ってるのかな?こちらの日付の表記がイギリス式。

Cover_32591623112010_2「イギリス式」で思い出した。
このRobert Wyattのアルバムのタイトルにある「theatre」はイギリス式のつづり。ま、歴史を考えればこっちがオリジナルでしょう。
ご存知の通り、アメリカは「r」と「e」を順番を入れ替えて「theater」としている。
では、下の写真をご覧あれ。
東京は三宅坂、最高裁の並びにある国立劇場。
写真が小さく見にくくて恐縮だが、左下の国立劇場の掲示板の表示には「NATIONAL THEATRE OF JAPAN」とある。
かたや信号機の標識は「National Theater」とある。
いわゆるチャンポンである、
一体全体、どういうルールがあるのかは知らんが、こんなことを国がやっているようじゃ日本国民の英語力アップは到底期待できまい。
東京の人はご存知であろうが、実はこの前の通りを、写真の右に行くとイギリス大使館がある。
明治維新の時、イギリス政府が討幕派の味方をした論功行賞として、その用地のイギリスへの貸与が永久に保証されているという。
そこの職員がコレを見たらどう思うんだろうね。絶対に大使館内で話題になったことがあるハズだ。
恐らく道路標識の英単語のつづりはアメリカ式に統一する…ぐらいのキマリがあるのかもね。で、国立劇場はそのキマリができる前からあった…みたいな。

5_img_0533_3

★Friday the 13th / Chis Speding
三大ロック・ギタリストというと「Clapton、Beck、Page」。でもねイギリスでは「Chris Spedding」が食い込むんだよ…誰それ?ってな話が昔はあったんよ。
イヤイヤ、実際に現地にはそんな話はありゃせんよ。
ただ、ブリティッシュ・ジャズ・ロックの名門バンドに属していたり、60年代後半から70年代のロックの名盤のレコーディングに参加したりで、「名ギタリスト」と呼んで差支えがないことは間違いないだろう。
Sex Pistolsのファーストでギターを弾いているのもこの人だ、というウワサもあったが真実ではないらしい。
私は高校の時にBryan Ferryのバンドで来日した時、サンプラザでChris Speddingを観た。
「観た!」というだけで満足。ブリティッシュ・ロック好きの義務を果たしたみたいな…。
ソロ活動はパッとしなかった…というのが私の認識ですね。
「Guitar Jumboree」に呪われた半生という感じがする。当時はいいアイデアだったんだろうけど、今聞くとトホホ感は到底免れない。
歌でも損をしている人だと思う。
Robert Gordonのサポートなんかでは実にキレのいいギターを弾いているんだけどな~。
コレは1981年のニューヨークでのライブアルバム。
『Friday the 13th』なんていうから気をきかしてThelonious Monkの同名曲を演っているのかと思いきや、また「Guitar Jumboree」だ。
ゴメンなさい、勝手なことを書いて…タマにはMike Westbrookの『Love Songs』でも引っ張り出してきて聴いてみるか…。

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★Face to Face: A Live Recording / Steve Harley & Cockney Rebel
Steve Harleyなんて名前を口にするのは一体何年ぶりのことだろう?
ヴァイオリンの入ったロックに夢中になった時期があった。中学から高校にかけての頃かな?
それで、Cockney Rebelにも興味を持ち、ファースト・アルバムの『The Human Menagerie』が欲しかったのだが、これまた当時国内盤が手に入らない状態だった。(ちなみに「menagerie」というのは「動物園」という意味)
代わりに買ったのかどうかは覚えていないが、ナゼか『Timeless Flight』というアルバムだけ持っていた。
しかし、内容はまったく覚えていないナァ。全然聴かなかったんだろうね。
この項を書くのでSteve Harleyのディスコグラフィをチェックしていて、そんなアルバムがあったことも、持っていたこともタマタマ思い出した次第。
聴きたかった『The Human Menagerie』も『The Pshychomodo(「さかしま」っていう邦題が当時気になった)』も手に入れたのはかなり後になってからのこと、イエイエ、正直言って今から数年前のことだった。
やっぱりダメだな~…受け付けないわ。
まだ『The Human Menagerie』はいいんだけど、『The Psycomodo』になると曲の魅力の薄さがSteve Harleyの歌のひどさに拍車をかけてしまってあまりにもシンドイ。
『BBC』のライブ音源なんかを聴いてもツライ。
さて、このLP2枚組の『Face to Face』。
以前にも登場したことがあるが、映画のワンシーンを切り取ったようなHipgnosisのジャケットがいいじゃないか!

70_3でも、せっかくだから「コックニー」について……と言っても特に面白い話しがあるワケではない。
「コックニー」とは、「St. Mary-Le-Bow」というロンドンの東の中心、ザ・シティ地区方面にある古い教会の鐘の音が聞こえる範囲内で生まれた「真のロンドンっ子」…と定義されたのが1600年のことだという。
日本で言えば神田か日本橋で生まれて育って、一度もヨソへ住んだことがないような連中のようなものか?
どのあたりかというと…。
タマタマ写真があることを思い出したので紹介しておく。
真ん中の巨大なドーム状の建物は有名なセント・ポール大聖堂。池袋じゃないよ。
ディズニー映画『メリー・ポピンズ』で、必殺の名曲「Feed the Birds」のシーンで出て来るところだ。
完成は1710年。チャールズ皇太子とダイアナ妃はここで結婚式をあげた。
この建物、高さが111mあるそうなのだが、このドームの一番上まで上がれるようになっている。

1_rimg0221で、何年か前にそのテッペンまで上ってみた。
エレベーターなどついていない。おまけに上の方は狭いらせん階段になっていて、狭くてもう大変。
階段を上がり切った頃には両膝がガックガク、腿はパンパンになっちゃった。
残念ながらこの日は天気が悪かったが、それでも息を飲むような絶景だった。
西方面にはロンドン・アイやウエストミンスター橋を眼下に見下ろし…

1_rimg0233

正面(テムズ南岸)にはテート・モダンと、向かって左はシェイクスピアのグローヴ座。
手前は西暦2000年を記念して架けられたミレニアム・ブリッジ。

1_rimg0232

東方面にははるかにシティの高層ビル群を望む。

1_rimg0230すこしズーム。
赤線で囲ってあるのがその「セント・メリー・ル・ボウ教会」。
この鐘楼から聞こえる鐘の音が聞こえる範囲内で生まれた人がコックニーなのだそう。
その範囲たるや結構広いよ。

1_ch同時にそのロンドンっ子が使う労働者階級の特殊な英語も「コックニー」と呼ばれる。
『マイ・フェア・レディ』のイライザやベッカムが使う英語ね。
「あたぼうよ!」とか「てやんでい!」なんて言う人、露骨に「は」と「し」が入れ替わっちゃう人、「でーじょーぶ」とか変な音便変化させてしゃべる人…そういった「江戸っ子弁」とか言われる表現を使う人はもう東京にもいない。
ロンドンではコックニー訛りはドップリではないにしても、今でも普通に使われている英語だ。
さて、幸運にもその東京弁をしゃべる人に出くわして会話を交わしたとしても、相手の言っている意味がわからないということはまずないだろう。
では、コックニー英語はどうか?
もちろん私の能力が及ばないこともあるが、皆目見当がつかない。
金をせびられていることすら理解できなかった。
イライザ・ドゥ―リトルで例を挙げれば、彼女は…
「The rain in spain stays mainly in the plain」を「ザ・ライン・イン・スパイン・スタイズ・マインリー・イン・ザ・プライン」と読むし、「In Hertford, Hereford, and Hampshire, hurricanes hardly ever happen」を「イン・アーフォード、エレフォード・アンド・アンプシャー・アリケーンズ・アードリー・エヴァ・アプン」と発音する。
「a」が「ai」になり、最初の「h」や途中の「t」をスッ飛ばして読むのだ。
こんなんでしゃべられてもわかるワケがない。
でも、実際にはこういう方式で英語を発音する人はコックニーに限らない。
Marshallのあるミルトン・キーンズの訛りもかなり似ていて、慣れるまでは実に聞き取るのに苦労する。

話はさらに反れるが、1975年に一部をハマースミス・オデオンで録音したEric Claptonのライブ盤『E.C. was Here』に収録されている「Rumblin on my Mind」の後半にジャンジャン転調していくパートがある。
転調先のキーを「エフ・シャープ」とか発表(?)するのだが、コレは当然Claptonが言っているのだろう。
ところが「A」のところで「ア~イ」と発音するんだよね。
Claptonはサーリーというロンドンの中心から電車で30分ぐらいのところの出身なので、どう考えてもSt. Mary-Le-Bowの鐘の音は聞こえないハズだ。
要するにコックニーっぽい英語はクイーンズ・イングリッシュと並ぶイギリス英語の代表というこのなのかも。
クイーンズ・イングリッシュ…身につけたいナァ。
それともうひとつ。
コックニーには「コックニー・ライミング・スラング」というヤツがある。
コレはおもしろい。
要するに「おやじギャグ」のようなくだらない語呂合わせ。
「目」の「eye」を言い表すのにワザワザ「mint's pie」と言ったり、「電話」の「phone」を「dog and bone」と言ったり…メンドクセェ!
彼らの符牒だ。
だけど結構好きで、イギリスに行くと時折教わってくるのだが、実際には一切必要ないもんだからすぐに忘れる。
このコックニー・ライミング・スラングを使って日常の会話をしている人ってのにも会ったことがない。

1_ecwhコックニーで大分脱線しましたナァ。
チョット休憩でセント・ポール大聖堂の内のようすをどうぞ。
もう10年以上前に撮った写真だけど。

1_rimg0226

★Live at Carnegie Hall / Renaissance
RenaissanceはHipgnosisが手掛けた『Prologue』や『A Song for All Seasons』をはじめとして、『Novella』や『Scheherazade and Other Stories』等々、比較的いいジャケットが揃っているバンドだ。
何枚も持っているけどほとんど聴く機会がないナァ。
このライブ・アルバムのジャケットに関しては可も不可もないと言ったところですかネェ?
何年か前に野音で観た時、あまりにも暑くて、クーラーの効いた四人囃子の楽屋に入り込ませて頂いて大二さんたちとテレビ・モニタ経由で鑑賞させて頂いた。
Aniie、暑かっただろうナァ、あの時。
ちなみにAniieのソロ・アルバム『Aniie in Wonderland』は当時の夫君、Roy Woodがプロデュースしていることもあって大好き。ジャケットもとてもいいし。
このふたりはまだ一緒なのですか?
野音の時、Aniieに直接訊けばよかった…んなバカな!

90_3

★A Live Recorded / Camel
Camelが来日したネェ。
私はCamelも苦手というか、昔から聴かなかったナァ。何となく聴くチャンスがなかった。
「叙情派」とかいう枕詞のせいで、多分聴かずギライみたいになっちゃってるところがありますな。
このアルバムも持っているけど、トンと記憶がありません。
1978年のリリースだけど、4年も前のMarqueeの音源が収録されている。
1974年10月の録音とされているようだが、Marqueeの資料を調べてみると、この年のCamelは1、2、3、5、6、8月しかMarqueeに出演していない。おかしいね。
こんなにデカデカとLP盤のイラストをジャケットに入れちゃって!CDなんてモノが出てくるなんてこの時は想像だにしなかったんだろね。CDが世の中に出だすのはこのアルバムの発表後、4年経ってからのことだ。
ちなみにラクダは後ろ足を触られるのを極端に嫌うので要注意。
もし触ってしまうと「後ろ足を触られるのは(ラ)ヤダー!」って怒られるよ。

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★Coast to Coast:Overture and Beginners/ Rod Stewart/Faces
Rod Stewartってあまり得意じゃないもんだからFacesもほとんど聴かなかったナ。
『Long Player』の「Maybe I'm Amazed」は好きだった。
その程度なんだけど、ナンダカンダで全アルバム持っていて、このライブ盤もほとんどなじみがない。
そこで、久しぶりに聴いてみる…いいね~。ひたすら楽しいわ~。
コレ、Ron Woodのギターの音はどうなってんだ?

健康上の理由でもう退職してしまったが、かつてJackieという女性重役がMarshallにいて、私はとても可愛がってもらった。
当時、歳は50チョットぐらいだったろうか、会食の席で隣になったことがあって、ロックの話題になった。
よくある「誰が好きなの?」みたいなヤツだ。
Jackieは「アタシはもうロッドに目がないの!大スキ。Faceも何回も観に行ったわよ!」
彼女がJeff Beck GroupやThe Steampacketまで観たかどうかは訊かなかったが、うらやましいと思った。
そして、日本とは生活の中のロックの存在がまったく違うことを思い知った。

さて、この項でもうひとつ。
元ミュージック・ライフ編集長の東郷かおる子さんの著書『わが青春のロック黄金狂時代(角川SCC新書刊)』にRod Stewartのことが書いてある。
東郷さんは帰国子女でもなんでもなく、勉強して自力で英語を身につけたそうだ。
40年以上の前の話だからして、今みたいに「駅前留学」もできなければ、インターネットで外人と会話するなどという勉強方などアイデアすらなかった時代だ。さぞかし実戦のための英語の勉強は大変だったと思う。
その英語で接する相手は雲の上のスーパースターたち。
しかも仕事。すごい度胸だと思うが、たいていは何とかなったらしい。
ところがRodの英語だけはまったく歯が立たなかったという。何を話しているのか皆目見当がつかなかったそうだ。
私もそういう経験が何度もあるが、ホントにイヤなもんだ。
そういう時はもうどうしようもない。訊き返すか、わかったフリをして次に話題に持ち込むか、突然ブッ倒れて死んだフリをするかだ。
よく「聞けるんだけどしゃべれないんだよね~」なんていう人がいるが、ある程度の段階まではしゃべるより聞く方がはるかにムズカシイ。聞けないからしゃべれないということもあるんですよ~!

110_3

★Live! in the Air Age / Be Bop Deluxe
タイトルは、前年にリリースした『Sunburst Finish』に収録されている曲、「Life in the air age」をもじっている。邦題は『ライヴの美学』…ハァ?
Bill Nelsonの奥さんって日本人なんだってね。知らなかった。
私はBe Bop Deluxeを知らなかったが、後に記す理由で中学3年ぐらいの時、このアルバムが出てすぐに買った。
ナゼかはわからないが、「Be Bop Deluxe」なんてすごくカッコいいバンド名だと思った。
言っておきますけど、「ビー・バップなんとか」っていうマンガが出るより全然前の話よ。
おかげで今でもジャズの種類としてはビ・バップが一番好き。
「Be Bop」というのは黒人のスラングで「刃物を使ったケンカ」を意味すると記憶している。

ジャケットはドイツのフリッツ・ラング監督の『メトロポリス』の引用。
SF映画に必要な要素が全てちりばめられた「SF映画の原点にして頂点」だなんて言うといかにも何度も見ているように聞こえるかもしれないが、見たことない。
1926年の制作というから和暦では大正15年。Jim Marshallが3歳の時。だからまだMarshallアンプはない。
12月に大正天皇が崩御し、新しく昭和の時代を迎えようとした時分の映画だ。
今はSFものには小説も映画もほとんど興味ないナァ。『火の鳥』ぐらいかナァ。
『スター・ウォーズ』ってどれも一回も観たことないの。
映画に関していえば、昔はクリエイティブでいいSF映画がたくさんあった。
そもそもあらゆるテクノロジーが発達しきってしまった現在、優れた「サイエンスなフィクション」を考えるのは至難のワザだよね。

120_3さて、中学生の時にこのアルバムを買った理由…それは、このEPが付いていたから。
ま、変則2枚組ライブ・アルバムということになるんだけど、LPにEPが付いているなんて初めてで、内容なんかどうでもよくて、とにかく欲しくなっちゃったのだ。
ナンダカンダでBe Bop Deluxeは5枚のスタジオ・アルバムのすべてやBBC Radio1のライブ・アルバムを買って聴いたけど、結構好き。
でもジャズのビ・バップを聴いている時間の方がはるかに長い。
ところで、Bill Nelsonのギターってチョット歪ませすぎなんだよな~。

Bbd_ep_2

★Alive & Well:Recorded in Paris / Soft Machine
Soft MachineとChicagoとLed Zeppelinの共通点ってな~んだ?
そう、全部ではないが、アルバムのタイトルを序数としたこと。
Soft MacineとWeather Reportと の共通点ってな~んだ?
創始者のひとりKevin Ayers(今回はよく出て来る)がギターを弾くが、基本的にギターレスのバンドだということ。
『Black Market』や『Heavy Weather』でWeather Reportの名前がロック・ファンの間にも浸透し出した頃、純粋なロック少年だった私なんぞは「バンドにギターがいないって、どうすんの!?」なんて驚いたが、大きなお世話ですよね。
そして、Machineの「ギター鎖国」をガツンと開国させたのがAllan Holdsworthだった。
とりわけHoldsworth人気の高いこの国では、Soft Machineといえば『Bundles』に尽きると思っている人が多いのではなかろうか?
ま、確かにカッコいいよね。
Holdsworth研究家の和田アキラさんとご一緒させて頂いた時、お持ちになられたP-Projectのギターが気になって、分不相応にも「チョット、触ってもいいですか?」とお願いしたことがあった。
アキラさんって気難しいそうに見えるけど、とてもオープンな人で、「あ、いいよ!」とすぐにOKを出してくれた。
オッソロシク弦高が低かった。
で、何を弾いたかというと、プリズムはよく知らないので『Bundles』の一曲目の「Hazard Profile Part One」のリフを弾いた。
即座にアキラさんは「アッレ~、知ってるね~!」と驚いてくださってこっちはいい気分。
では、二曲目と、Temepstの「Foyers of Fun」のリフをつなげてギターをお返しした。
アキラさんに愛器をお返しすると、すかさず同じくTempestの「Gorgon」を弾いてくれた。
こんなことがうれしいもんです。いい思い出ですわ。
で!
そのAllan Holdsworthの後任でSoft Machineの加入したのがJohn Etheridge。
このアルバム、それが目当てで買ったよね~。
でも、このアルバムは正直あまり聴かなかったな。
ジャケットのデザインはPeter Shepherdという人。
前作の『Softs』やKevinの『Yes We Have No Mañanas, So Get Your Mañanas Today』、David Coverdaleの『North Winds』、『Sheena Easton』などを手掛けている。
コレはSoft Machine初のライブ音源だが、最近はもうどれだけあるのかわからないぐらい未発表ライブ音源が出ちゃってるね。
このバンドも結構商売になるんだね。
あ、私は好きですから。当然スタジオ盤全部とこのライブ盤は持ってます。

130_3またしてもこの記事を書くために、レコード棚から自分のヤツを引っ張り出して来た。
久しぶりに聴いた。
John Etheridgeは別の記事にも書いているぐらいなので好きなギタリストのウチのひとりなんだけど、このアルバムはどうもいただけなかった…昔は。
今聴くと、コレめっちゃカッコいいね~!
で、今回聴いてフト思った。
昔、あまり気にいらなかったのは録音のせいではなかろうか…と。
要するにギターの音がクリアじゃないんだよね。
低音域での速弾きなんかグッチャグッチャに聞こえる。
それでギターに夢中だった時分の私にはイマイチだったのかもしれない。
でもさ、完全にスタジオで録音されたという最後のディスコ調の曲はヒドイな。
なんだってこんなもん入れちゃったんだろう。しかも海外ではシングル・カットされたらしい。
もうひとつ…ライナーを読み返してみた。
書き手は1977年の伊藤政則さん。
スンゲエ色々な情報が書き込まれているんだけど、インターネットなんかなかった時代、これだけの情報を集めるのは至難のワザだったのではなかろうか?
ヘンに聞いた風なことは一切書かれておらず、情報の提供に徹している。
昔はライターさんもスゴかったのね。
考えてみれば、インターネット普及後の評論家とかライターの仕事っていうのも大変だと思う。チョットやそっとのことは一般消費者も情報を持っているからね。

1_img_0089_2 ところで、普段から思っていることがあるんだけど、ジャズ・ロックの旗手と言われるSoft Machineが出てきたので書かせて頂く。
『ジャズ・ロックのおかげです』なんてディスク・ガイドも読んだ。好きだから。
みなさん、「ジャズ・ロック」って「ジャズ」だと思いますか?「ロック」だと思いますか?
「おんな男」が「男」であり、「おとこ女」が「女」であるように、「ジャズ・ロック」は「ロック」かね?
え、そんなことはどうでもいい?たしかに。
定義らしきものは色々あるんだろうけど、私の感じではジャズの人が演るジャズ・ロックはジャズだよ…すなわち「ロック・ジャズ」で、その反対が「ジャズ・ロック」なんだな。
これはジャズを聴くようになるとそう感じるようになると思う。
それは「ジャズとロックの言葉が違う」ということの表れろう。
言葉がジャズ、すなわちメロディがジャズだと、いくらリズムが8ビートでも「ジャズ」だ。
例えばLee Morganの「The Sidewinder」やHerbie Hancockの「Catntalope Island」はロックには聞こえないでしょ?
反対にSoft Machineの音楽はジャズには聞こえないんだよね。
こちらの方の逆説的証明としてはPeter Ollie Halsallがおもしろい。
今回はホント、このあたりがよく出て来るな。
Kevin AyersやPattoみたいな音楽をやっていてもソロになるとジャズに聴こえる。全部ではないにしてもOllieがジャズの言葉を使ってギターを弾いているからだ。
だから、チョット演奏のパートが長いとよく「ジャズっぽい」と表現してあるのを見かけるが、断じてそれは違う…というのが私の屁理屈。アレはいかにもジャズを聴いていない勉強不足のライターさんの仕業だと思っている。
The Enidって知ってる?
一応プログレッシブ・ロックの範疇に入るイギリスのバンドなんだけど、コレはクラシックの言葉をロック楽器で話すということをやっている。
するとそうなるか?
私の耳にはかなり「クラシック音楽」に聞こえる。おもしろいもんですな…。
あ、何が言いたかったのかというと一般に「ジャズ・ロック」と言われている音楽は「ロック」であって「ジャズ」ではないということ。
下の本の表紙のオジちゃんはSteve Marcus。『Tomorrow Never Knows』とか『Count's Rock Band』といった当時の感覚で実験精神が旺盛なジャズ・ロックのアルバムを残している(私に言わせればロック・ジャズ)。
でも、この人は後に『Smile』というアルバムで聴かせるようなストレートアヘッド・ジャズの方が全然カッコいい。
私はニューヨークのボトムラインでこの人がBuddy Rich Big Bandで2番テナーを吹くのを見たが、ドラムがDave Wecklということもあって、あまりのカッコよさに小便チビリそうになったわ。
精神性や実際の内容を考慮するに最も優れたジャズ・ロックのアルバムって私にとってはZappaの『Hot Rats』かナァ。

Jr

★Encore / Argent
Argentは好きだ。
前の会社に勤めていた時にドラムのBob Henritとイッパイやったことがある。
Bobは後期The Kinksにも在籍したArgentのオリジナル・メンバーで、あるイギリスの楽器メーカーに勤務していた時に営業で来日したのだ。
この時はさほどAegentに興味がなかったため、この宴席にそう感動したワケでもなかった。すなわちArgentが好きになったのはかなり最近になってからのことなのだ。
でも、このライブ・アルバムは14歳の時(1976年)から知ってる。
友人の兄がコレを持っていて、家に遊びに行った時に目にして、ナゼかすごく印象に残っていたのだ。1976年というとこのアルバムのリリースから2年。当時はまだ新しかったんだな…。
少しでも詳しく書いてしまうと素性がバレてしまいそうなので控えるが、その友人はある「新しい家庭経営のスタイル」を提案する運動をしていて、チョット前までよくテレビや駅のポスターで見かけたものだが、その提案が私が思うに、「くだらない」というか、「ウチでは当たり前以前のこと」に思えて、その友人の主張にまったく与しなかった。
そんなだから、このアルバムのジャケットを見るといつもこの友人のことを思い出す。
さて、このライブ盤、どこで録音したの?
私が持っている輸入CDは廉価盤のせいか、Argentに関する簡単な解説しか書いてなくて、肝心のレコーディング・データがスッポリ抜けていてわからない。
もちろんインターネットでひと通り調べてみたけどわからない。
でもジャケットはなかなかによろしいな。
Yesのサード・アルバムなんかもそうだけど、こうしてフィルムをモチーフにしたデザインは少なくない。
しかし、これも時間が経つとカメラのフィルムのことなんか忘れてしまって、こうしたデザインも絶滅してしまうのではないかしら?
恐らく今の若い子はフィルムなんて見たことすらないだろう。


さて、Argetntの音楽の特徴…「大ゲサ」ということに尽きるだろう。そこがいいところなの。
どういうことかというと、ホンのチョットのネタを広げて広げて強引に大作にしちゃう。
例えて言うなら、昔なら私の卒論。今ならMarshall Blog。
私はJ.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を卒論で取り上げたのだが、原稿用紙半分で済む内容をアノ手コノ手で肉付けをして、何十ページにも膨らませたのだ。
就職もキマっていたので、必死だったよ。そして、その卒論は見事「可」を獲得!マジでうれしかったわ。
ただ、教授との面接の時、「キミの論文には内容が何もない!」と指摘された。当たり前じゃんね。どうでもいいことを並べたふくらし粉のような論文なんだから!
ま、私の幼稚な作文にArgentの曲を例えたらあまりにも失礼だけどね。
その極北はFrank Zappaだろうナァ。
何十ページもの論文を原稿用紙の半分に収めちゃう。しかも、とてもわかりやすい言葉と表現でね。
そのArgentのウリ(いつの間にか「ウリ」になってる)は、このライブアルバムの一曲目でも爆発している。「The Coming of Kohoutek」という10分を超す大作。
元々この曲は1974年のアルバム『Nexus』に収録されていて、そっちのバージョンは3分チョットだ。
「Kohoutek(コホーテク)」とは1973年にチェコの天文学者によって発見され、自身の名が付された彗星の名前。当時は大きな話題だったのだろう。それで曲のテーマにしたに違いない。
作曲はRod ArgentとChris WhiteのThe Zombiesコンビ。
ところが、コレは以前にも書いたことがあるリストの「死の舞踏」という曲の引用。その元はベルリオーズ。
ところが調べてみると、さらにその元があった。
9~10世紀にかけて作られたという「グレゴリオ聖歌」がそれだ。
スゴイなぁ、Argent!スケールが違う!(どこがじゃ!)
Rod ArgentはThe Zombies時代にも「She's Not There」やら「Time of Season」やら大ヒット曲を世に問うた才人だ。
歌はメッチャうまいし、キーボードの腕も達者で、Rick Wakemanが抜けた後、Yesに誘われたという話も残っている。
そして、ギターのRuss Ballad。
メタル・ファンには「信州備後」という曲でおなじみかもしれない。KISSの「God Gave Rock 'n' Roll to you」もこの人の作品。
そんな2人のヒット・メイカーを抱えていたのがArgentだった。

140_3そのArgnetを2010年にロンドンで観た。
High Voltageというオジさん、オバさんのためのロック・フェスだ。
その時の演奏がCDになっている。
High Voltageは昔のMarshall Blogで詳しくレポートしたが、もう見ることができないので、書き下ろしで再録したいと思う。
よってArgentはココで終わり。

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★Love You Live  / The Rolling Stones
しょっちゅう触れているけど、The Rolling Stonesは苦手でしてね。
これまで万単位のLPやCDを買ったけど、その内、Stonesものは4枚か5枚程度しかない。
この『Love You Live』はその内の1枚…といっても買ったのは数年前の話だ。
ただ、このアルバムは、1977年の発売当時にStones好きの友人から借りて少々聴いていた時期があった。
「Stonesもなかなかいいもんだ」というのがこのアルバムの古くからの印象。
ジャケットがウォーホルというのも当時話題になった。
ところが、ウォーホルのデザインが気にいらなかったMick Jaggerが後から鉛筆で線を描き加えたのだという。
この鉛筆の線こそウォーホルっぽいと思うのだがいかがだろう?
内容については、私には語る資格がない。

160_3

★The Allman Btothers Band at Fillmore East
Jim Marshallの写真。
フィルモアではなくオールマンズの地元、ジョージア州メイコンで撮ったという話はつとに有名だ。
左上の「THE ALLMAN BROTHERS BAND AT FILLMORE EAST」という文字は後から入れたものではなく、Jim Marshall自身がステンシルを作ってケースにプリントしたそうだ。
ちなみにこのアルバムにはフィルモアで撮影された写真は1枚も使われていない。
内ジャケのステージ写真はWhisky A Go GoとFillmore Westで撮られたものだ…とJim Marshallが証言している。
それにしもこのアルバムの人気の不滅度には驚くべきものがある。一種の教典であり憲章であり…。
私は中学生の時に数寄屋橋のハンターで中古盤を買って、通り一辺しか聴いていないが、皆さんの熱中度には頭が下がる思いだ。
そんな私でも後年、Duane AllmanとDicky Bettsの双方がここでMarshallを使っていると聞いた時は大層うれしかったな。
ちなみに我々の世代は「デュアン」だ。「デュエイン」とは誰のことだ?

170_3先日、あるライブハウスで同業者、すなわちカメラマンの方からお声をかけて頂いた。
いつもMarshall Blogで私の写真をご覧になって頂いているとのことで、ありがたい限りだ。
それで、以前の記事内でこのJim Marshallの写真集を紹介したところ、その方がご興味を持って頂き、入手されたとのこと。
少しでもMarshall Blogが皆さんの役に立つのはとてもうれしいことだ。

1_img_0251で、この本に『Fillmore』の写真が出ていたことを思い出して引っ張り出してきた。
この本のおもしろいところのひとつは、最終的に採用になった写真の前後を見ることができる点にある。
グループ・ショットというのは本当に撮影が難しい。
というのは、たいてい誰かが変な顔になっていたり、目をつぶっていたりで、全員が最高の表情をしているところを捉えるのは至難の技なのだ。
私も時々頼まれるが、そういう時はやはり何枚も撮らないととても心配だ。
Jimもこのグループのカットを何枚も撮っている。
初めのうちはみんなしかめっ面だ。ただでさえイカつい連中だからして、かなり雰囲気が怖い。
そこで、Jimはスマイル作戦に出て最終版をゲットする。
この撮影の時、「あまりにもみんなしかめっ面だったのでドラッグを渡してニコニコさせた」とかいう都市伝説を聞いたことがあるが、コレは疑わしい。
このポジを見る限り、そんなことをしている時間は絶対になかったハズ。さもないと事前事後でポーズが大幅に変わってしまうから。
Jimは6人に向かってこう言ったそうだ。
「コカ・コーラのCMみたいに笑ってくれ!」
この「コカ・コーラ」が「コーク」になり、いつの間にかドラッグを意味する「コーク」になってしまったのだろう…と勝手に想像している。
この本のタイトルは「PROOF(証拠)」だからして私の想像はあながち間違ってはいないのではないか?
Dicky Bettsが横を向いちゃってるけど、1枚を除いて他の写真では全部チャンと前を向いている。

1_img_0247<前編>で紹介したかったアイテムがまだ残っていたんだけど、あんまり余計なことを書いているウチにやたら長くなってしまったので、ココで一旦打ち切り。
<中編>に続く。

Music Jacket Gallery展示の詳しい情報はコチラ⇒金羊社MJG常設展

※本展示は2014年9月に終了しています。現在の展示内容は上記の金羊社ウェブサイトでご確認ください。

2016年5月14日 (土)

Music Jacket Gallery 2016

中学、高校と、新宿は通学路で毎日通っていたが、正直、どうもなじめなくてね。
本当に用がある時しか行かない。今でもそう。
ま、「用」といえば中古レコードかライブハウスと相場がキマってる。
「ちょっとブラっと新宿でも行ってみるか~」なんてことは人生で一度もない。
考えてみりゃ他のエリアも同じだわ。
有楽町も映画館とハンターしか行かなかったもんな~。
今までの人生で中古レコード屋に滞在した時間って延べどれぐらいになるんだろう?…といっても私なんか、ただ長いことやってるというだけで、全然大したことないだろうナ。
ここ数年、月に一回だけCDの買い出しに行くようにしているんだけど、ジャズ、クラシック、ロック、民族音楽、映画音楽、たま~にブルースのエサ箱を漁って、一回にちょうど二時間。
年に12回赴くので、計24時間。
今でも年に丸一日分、中古レコード屋にいることになる。
これ以外は全く中古レコードを見に行くことがなくなった。
話を新宿に戻すと、それだけ思い入れもないだけに、街の変化にも興味がほとんどない。
でも、驚いた。
駅南口の髙島屋がオープンしてから20年経ったっていうんだよね~。
マジで4、5年かと思ってた。
おめでとうございます!

10そして今年もやって来たMusic Jacket Galleryの季節。

20今年も新宿髙島屋入口の特設会場での開催だ。

30そしたらアータ、MJGも10周年なんだそうだ。
行き馬の目を抜くような、移ろいの早い音楽再生装置の変遷に左右されつつの10周年は値千金であろう。
50
チョット前まではホントに「ジャケット」というモノがこの世から消滅しちゃうんじゃないかとマジで心配していたが、また最近音楽ソフトのトレンドに変化が出てきたようだ。このことは後で触れる。

60今回のMJGは5月13日、すなわち昨日からの開催だ。
先立つこと一日、関係者の方々に交じっていち早く展示を拝見させて頂いた。

40

会場入口付近にはひと際目を引く可愛らしい人形が…。

70髙島屋のマスコット・キャラクターのローズちゃん。
私より3つ年上なのに若々しい!
1959年(昭和34年)、のクリスマス商戦のキャラクターとして誕生したのが「ハッピーちゃん」というのがローズちゃんの前身。
その後、社長がバラがお好きということで名前を「ローズちゃん」に変えたのだそうだ。
90v
昔、「ロンパー・ルーム」という子供番組があって、髙島屋がスポンサーをしていたらしい。
その関係で、出演していたうつみ宮土里はローズちゃんの人形を抱きながらエンディング・テーマを歌っていたそうだ。
覚えていないナァ。
「鏡よ、鏡…」ってやってたのは覚えている。自分の名前が呼ばれず悔しい思いをしていたからだ。
この番組、アメリカがオリジナルなんですってネェ。
展示のローズちゃんは大変に貴重なものだそう。
目をつぶっているのかと思うとさにあらず。
ホンの少し、うっすらと瞼を開けて、ブルーの瞳をのぞかせているのだ。

100

そして、写真にあるように「バラ」が登場するレコード・ジャケットが集められ、展示された。

80…となると登場するのは当然、植村和紀さん。
今回も「薔薇ジャケ」以外のテーマ別LPジャケット展示も、ほとんどが植村コレクションから供出された。

100_30v

コレが「薔薇ジャケ」。
Paulの『Red Rose Speed Way』とKeith Jarrettの『Death and the Flower』はすぐに思い浮かぶよね。
『Layla』が髪にさしているのはバラだったのか。

100_10vさすが、植村さん。
アレ?何でこれがバラに関係しているの?なんてアイテムもしっかり網羅している。
例えばEnoの『Here Cones the Warm Jets』。
この花瓶にささっている枯れている花がバラだ。
こうして展示されているレコードは植村さん自身がテーマに沿ってセレクトしている。
今や植村さんのコレクションはLPとCDと合わせて60,000枚に及ぶ。
重複しているアイテムもあろうから「60,000種類」ということではないにしろ、スゴイ記憶力と洞察力だ。
右上のマントルピースの上のEnoの写真はすごく印象に残っているのだが、このバラ、ココで教えてもらうまでまったく気が付かなかった。

10020メイン・イベントの「ミュージック・ジャケット大賞」の展示。

110Hipgnosisかルネ・マグリットに出てきそうなイメージ・キャラクター。
130
歴代の受賞作と2016年の受賞作が展示されている。

115こちらは歴代の受賞作品。

140今回のノミネート作品がズラ~っと展示され…

150受賞作が紹介されている。

160その他の展示も例年通り盛りだくさんだ。

165イヤ~、ホントにね~、もういい加減にしたら?…と言いたくなるのは上でもチョット触れた音楽再生装置の入れ替わりだよね。
今度はまたレコードだってサ。
私は元々レコード派…というかレコードで育った世代なのでレコードの再興には何の抵抗もない。
かつては転勤族で、4,000枚のレコードをしまったり出したりしなければならない引越しの時の労苦に耐えられず、2,000枚以上売ってCDに買い換えた。
だから今でもジャズとロックで、合わせて2,000枚チョットぐらい残っているかな?
さて、そのレコードの復活、今度という今度は本当に世界レベルのブームらしい。
「CDが売れない」と喧伝し出してから久しいが、何しろ若い人たちはもはや音楽配信も避けるらしい。携帯のメモリー容量と料金の問題だ。
「音楽なんか聴かなくてもゼンゼン平気」という子も多いらしい。
しからば、音楽に興味のある子はどうやって音楽を手に入れているのかというと…ストリーミングというヤツとアナログ・レコードが主流になっているのだそうですよ。
「ホンマかいな?」とにわかには信じがたいが、海外でもそういう傾向があるらしく、ココは信じざるを得ない局面のようだ。
170…となると、レコード・プレーヤーが必要になってくる…ということで、オーディオ関連製品メーカーの鼻息も荒いようだ。
レコード・プレーヤーったってかつてFMレコパルやFMファンやスウィング・ジャーナルの後ろの方で紹介されていた20kgも30kgもあるような堅牢かつ重厚なものではない。
大抵はデジタル・インターフェイスが内蔵されていて、PCにひっつないで、最終的にはヘッドホンやらイヤホンで聴く…という状況なんだって。
私が中学生ぐらいの頃は、世の中結構「オーディオ」という趣味が盛んでね。
やれカートリッジがなんだ、アンプはなんだ…なんて情景をごく普通に目にして育った世代なものだから、今の状況に接するとナンカ変な感じがする。
お小遣いを貯めに貯めて、かつ親に援助をお願いしてひとつひとつ私が買い揃えたオーディオ機器は、ヤマハのダイレクト・ドライブのプレーヤー、サンスイのプリメイン・アンプ、ダイアトーンのスピーカーだった。
決して高級なモデルはないが、プレーヤーとスピーカーは40年経った今でも活躍している。
昔のモノは実にしっかり作ってある。
ナンダ、今の製品は!特に今のパソコン!1年と持たん!
10万で買ったパソコンが2、3年経って壊れて、その修理代が12万円だってよ!この国産メーカーのパソコンは二度と買わん!(どこのブランドか知りたい人は別途…ね)
…なんてことはどうでもよくて、意外とはいえ、とにかくフィジカル・プロダクツ存続の可能性が出て来たのはよろこばしいことだ。

180ということで、高音質CDとアナログ・レコードの聴き比べコーナーも設置された。
私は決して忘れませんよ…80年代の中ごろ、「高音質」ということでCDが神様のように崇め奉られていたあの光景を!
あの時もアチコチでCDとアナログ・レコードの聴き比べってのをやっていた。
で、みんな「うわー、CDってスゴイな~!」って涙を流して喜んだでしょうが!
冷やせば音がよくなるとか言ってCDを冷蔵庫に入れてみたり!(私は絶対やらなかった)
それがまたレコードだもんね。
過去を忘れることができる人間の能力ってまったく素晴らしいわ!
210
「LP対CD」の私なりの結論は、超高級オーディオで大音量で聴ける方は絶対アナログ・レコード。そうした装置で聴くCDの音は冗談としか思えない。LPに限る。
そうでない方は断然CD。
もうCDに慣れきってしまって、その便利さをみんなスッカリ忘れとる!
私なんか、最近クラシックをよく聴くようになって、益々CDの利便性を感じてるもんね。
「ノイズも味だ」なんてのは単なる懐古趣味。
盛大にスクラッチ・ノイズが出るストラヴィンスキーなんか聴けんでしょ?
それと重量。
ウチは古い木造なのでレコードの重みに耐えられないという憐れな事情もあったりする。
でも、ジャケットも魅力も依然捨てがたい…。
結論としては、どっちを支持していいのかわからなくなってしまった!
配信以外なら何でもいいや!

190vそのレコード・ブーム(?)を象徴するかのように、こんな本も上梓されている。
私の「レコ屋」はハンターとディスク・ユニオンだけなので内容は未知の世界だった。日本のレコード小売ビジネスを見つめ、歴史を俯瞰した大著。
植村さんやベテランのレコード会社の方とイッパイやった時に「我々の時代には『レコ屋』という言葉はなかった」なんて話題で盛り上がったりもしたが、コレが驚いたことに、我々より下の世代の方々も間には「レコ屋」という単語が存在していた。
ある音響機器メーカーの年下のスタッフの方が、ごくごく自然に「レコ屋」という言葉を口にしていて驚いたのだ。
そういえば、何年か前のMJGではハンターとのコラボグッズを展示していたっけ。

200さて、展示の両サイドをガッチリと固めているのは…
330
楽しい特殊パッケージの世界。
入れ物にこんな工夫を凝らしている商品って他にないでしょ?
人類の英知の結晶が音盤のパッケージなのだ。

220そして、Marshall Blogでもおなじみの面々!
うれしいね!

230vまずはLOUDNESS!

240正々堂々と相手の土俵に上がり、相手のルールで全米を席巻した『Thunder in the East』の発売35周年を記念した豪華ボックス・セット。

この発売にを記念したコンサートのもようはMarshall Blogでもレポートした⇒LOUDNESS WORLD TOUR 2015 "THE SUN WILL RISE AGAIN"~30th Anniversary THUNDER IN THE EAST~ in JAPAN

250やっぱり楽しいね、特殊ジャケット!

260コレは2015年にリリースされているアイテムだ。
こんなにあるのね?!

270
290

300

橘高さんに浩二さんも!

310

コレ、聴きたいな~。ハマースミス・オデオンのQueen。
なんたってフレディの家には遊びに行ってるから(ウソこけ!)⇒【イギリス - ロック名所めぐり vol.11】 Earl's Court(アールズ・コート)の見どころ

280

340

350あ~、コレ欲しかったんだよね~。
完全限定版、29+α枚組の『バルトーク大全集』。
高くてとても手が出なかったので、値段が1/3以下のDECCAの32枚組でガマンした。

360さぁて、ココから先は植村さんのコーナー(?)。
テーマ別ジャケット展示だ。
まずは車をフィーチュアした「車ジャケ」、通称「カージャケ」
実はちょうど今、Marshall Blogが時折レポートしている金羊社のMusic Jacket Galleryの通常展示でも「カージャケ」を特集している。
もうすぐ取材に行ってくるが、そちらの展示とは一切ダブっていないそうだ。

370ココで感心したのはWes MontgomeryのA&M盤、『Road Song』。
まただよ。
アレ?車なんか写ってたっけ?みたいな…。
植村さんとはジャケットの見方が違うんだな~…と思った。

390通常展示の方に100枚以上持って行っているのにこのボリューム。
多いんだね~、車関連のジャケット。
いかに音楽と車の関係が深いかがわかる。

400こちらも『カージャケ』なるジャケット本が上梓されるとのこと。

410そして、猫ジャケ。
コレは大分前から浸透しているでしょ。
本も出ているもんね。

420今年は『ネコの吸い方』という本を出版した坂本美雨さんが22日に来訪し、『坂本美雨に訊く、猫と音楽のおはなし』という講演をするそうだ。
坂本さんは坂本龍一さんと矢野顕子さんのご令嬢だ。

430ネコのジャケットも多いよね~。

450

アレ?Gato Barbieriも?
ホントだ。黒猫が写ってる。
さんざん中古で見かけたジャケットだけど、猫が写っているなんてまったく目に入らなかった。
アルゼンチンの名サキソフォニスト。先月亡くなってしまった。

445他にもJimmy Smith、Bud Powell、Lou Donaldson、Shelly Mann、Bunny Beriganとジャズのレコードが多いことに気付く。
昔、「ジャズメン」のことを「キャッツ」と呼んだことからであろう。
クレイジー・キャッツもそうだもんね。

440

ネコ関連のシングル盤の展示も。

470「黒猫のタンゴ」は流行ったよね~。
私は子供心に、「この子は歌がヘタだな~」と思った。
そして、ニャロメ。
私のご同輩のほとんどの男性がニャロメを描けるのではなかろうか?
だいたい「ニャロメ」なんて名前がいいよね。「ケムンパス」とか。

480以上が今年のMJGの展示。

さて、MJGの10周年を祝して私もやってみた!
赤っぽいジャケットを集めてみたよ。
何だかわかる?
ご名答!
そう、「紅ジャケ(べにジャケ)」。
左下はFrank Zappaの『Chunga's Revenge』。「Transilvania Boogie」というヤケクソにカッコいいインスト曲で始まるが、最近、同名異曲があるのを知って驚いた。
それはハンガリーのギタリスト、Gabor Szaboの『Macho』に収録されている。
ま、Zappaには及びもつかんわな。Zappaの方が先。
もちろん「Transilvania」とはルーマニアの地名。ドラキュラの故郷だ。
名古屋のFrank Zappaのカバー・バンド、なぞなぞ商会はコレを模して「Vampire Boogie」という曲を演っていた。

1_img_0924もうイッチョ。
「銀ジャケ」。
銀色のジャケットの作品がなくて、こっちは苦しんだ。
左はSilver。右は日本のSilver Stars。
真ん中はイギリスのChicagoと呼ばれたIf。ここのTerry Smithというギタリストはメッチャいい。
この人の後任でIfに加入したのが、かつてMarshallのデモンストレーターを長年努めていたGeoff Whitehornだ。

1_img_0926シャケとくるなら、コレなんか『ザ・サーモン!』だぜ。
ジャズ・オルガンの大巨匠、Jimmy Smithの作品。
「Flamingo」のKenny Burrellのギターがいいんだ~。
「猫ジャケ」のところに写っている、その名もズバリの『The Cat』はこの人の作品。
タネ明かしをすると、この「サーモン」は「鮭」ではありません。「鮭」は「Salmon」ね。
「Sermon」とは教会の説教のこと。
お後がよろしいようで…。

Sermon 「Music Jacket Gallery 2016」は5月22日まで。入場無料。
週末に新宿にお越しの際にはゼヒお寄りください。

Music Jacket Gallery 2016の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

490※Marshall Blog、5月16日(月)の更新はありません。

(一部敬称略)

2015年10月23日 (金)

【Music Jacket Gallery】サウンドトラック盤ジャケット特集<後編>

さて、サウンドトラック盤特集の<後編>、立体展示にはもサウンドトラック関連のCDボックスや、契約や権利関係の問題からいまだにCD化されていない貴重な音源を収めたLPが集められた。
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Woodstock 25th Anniversary Collection  (ATLANTIC 1994)
1969年8月に開催されたウッドストック・ミュージック・アート&フェアはロック史に残る歴史的イヴェント…なんて今さら書かなくてもイヤっていうほどMarshall Blogに登場してるか…。
25周年を記念して1970年発売のオリジナル・サウンドトラックの音源(3枚組LPと2枚組LP)に加えて多数の未発表音源を含む全50曲で構成した4枚組CDボックス。
コレは持っていないけど、ウッドストック関連のアイテムには結構お金を使ったナァ。
詳しくはコチラ ↓
【Shige Blog】我が青春のウッドストック<前編>
【Shige Blog】我が青春のウッドストック<後編>
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Woodstock 40th Anniversary Collection   (RHINO 2009)
前掲の1994年の25周年記念の4枚組CDボックスに更に38曲の未発表音源を含む全77曲で発売されたのが40周年記念6枚組CDボックス。
特筆すべきはブックレットに初めて3日間の公式な各アーティストのセット・リストが完全な形で載せられたことだ。パッケージもライノならではの魅力に溢れる特殊仕様になっている。
最近ウッドストックのギャラの一覧なんてのが出回っていたね。
昔から「ジミヘンのギャラが一番高くて、Quillが一番安かった」…という話しは出回っていたんだけど、なんかこうして何もかもさらけ出されちゃうとかえっておもしろくないな…。
ロマンが失われる感じがする。
それにしてもこのウッドストックの出し惜しみ作戦はもういい加減にやめたらどうなんだろうかね?
ここまで来ると出し惜しみしているというワケでもないんだろうけど…。
権利問題が深く関わったり、出演者の意向なんてのも根強く残っているのはよくわかる。
こうなりゃ演奏していようがいまいが、3日間の音源と映像、72+α時間分ありったけ全部ひっつなげて販売したらどうかね?
キャッチコピーは「あなたも40万人のうちのひとりだ!」かなんかいってサ…ま、コレ実は映画のための惹句なんだけどね。
そんなんが出たら安ければ買ってもいいな…。
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Fillmore the Lat Days  (WARNER BROS. 1972)
民生さんの曲で「フィルモア最初の日」という曲があるけど、若い人たちは「フィルモア」って何だか知ってるのかな?
Bill Grahamが1965年12月10日に開いたサンフランシスコのFillmore Auditorium。
元は「San Francisco Mime Troupe」という政治色の濃い劇団一座の公演で、これをGrahamがプロデュースしてJefferson AirplaneやThe Warlocks(後のGreatful Dead)らを出演させたことが発端となり、1968年に「Fillmore West」になった。
今、ロンドンのMarqueeについて研究していて、その出演者に思いを馳せる度にため息が出てしまうのだが、こっちもいい加減スゴイ。
ザッと見ても、Grateful Dead, the Jefferson Airplane, Santana, Quicksilver Messenger Service, Big Brother and the Holding Company, Moby Grape, The Butterfield Blues Band, Jimi Hendrix, Otis Redding, Cream, Howlin’ Wolf, Captain Beefheart, Muddy Waters, The Who…オイオイいい加減にしろよ、的な…。
ま、それでも私なんかはMarqueeの方に惹かれるけど。
そして、その幕を閉じた1971年7月4日までの6日間に及ぶ最後の夜を記録したのが、この3枚組LPボックス。
ブックレットにはフィルモアに出演したアーティスト達の全公演リスト“フィルモアの軌跡”が載せられている。
LPボックスの初回特典にはビル・グラハムのインタヴュー(約17分)が付けられていた。コレ、確かCDには収録されているように記憶している。
このビル、ウッドストックの計画に参画しなかったことを後に大変後悔したとか(怒り狂ったらしい。映画にはチラチラっと出てるけどね)…。
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Texas International Pop Festival 1969  (OH BOY 1991)
歴史的野外フェスとなったウッドストックから2週間後の1969年8月30日から9月1日の3日間、テキサスのモーター・スピードウェイで開催された伝説のフェスを記録した3枚組CDボックス。契約の関係から大半の大物アーティストの音源は収められていないが、当時のプログラムを復元したブックレットの出演者リストを見るだけでも、その素晴らしさが伝わってくる。
その出演者とは:Canned Heat、Chicago Transit Authority(後のChicago)、James Cotton Blues Band、Janis Joplin、B.B. King、Herbie Mann(ジャズのフルート奏者)、Rotary Connection、Sam & Dave、Delaney & Bonnie & Friends、The Incredible String Band、Led Zeppelin (The Led Zeppelinと定冠詞をつけて紹介されていたらしい)、 Santana、Johnny Winter、Nazz(Todd Rundgrenが在籍していたグループ)、Sly and the Family Stone、Spirit、Sweetwater、Ten Years After、Tony Joe Whiteといった面々。
コリャ豪華だわ。
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The Last Waltz  (Complete Edition)  (RHINO 2002)
1978年マーティン・スコセッシ監督によってドキュメントされたthe Band解散コンサートのオリジナル・サントラ発売時の音源に、更に未発表音源24曲を追加した全54曲の4枚組CDボックス。Robbie Robertson本人によるデジタル・リミキシング&リマスタリングが施された音源の蘇生はアーカイヴ保存という点からも素晴らしい取り組みといえる。
コレも映画館に観にいったナァ。
今、好きなのはJoni MitchellとVan MorrisonとDr. Johnのところかな?後、Claptonがギター落っこどしてしまいそうになるところ?
Rick Dankoのコンサートも行ったし、The Bandがすごくいいと思っていた時期があったんだけど、「アメリカの象徴」とされていたこのバンドの5人のウチ、4人がカナダ人と知ってかなり興ざめした。
あの頃はアメリカが一番だったから…。色々と勉強した結果、今はもうウンザリ。アメリカ人ひとりひとりはみんないいヤツらなのに…国としてはネェ。
日本の将来を憂うならば、日本が一番最初にすることは、犬神サアカス團でも聴いて「アメリカ中毒」を治すことだ。
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Martin Scorsese Presents The Blues  ( HIP-O RECORDS 2003)
筋金入りの音楽通で知られるマーティン・スコセッシ監督によるアメリカPBSテレビのドキュメント・シリーズ、『ザ・ブルース』のサントラ音源をメインに、1920年から2003年までの新録を含むブルースの歴史的音源を集大成させた全116曲収録の5枚組CDボックス。
このシリーズでは、この他に7人の映画監督による7作のサントラを始め、各アーティストの編集盤12作、ダイジェスト盤1作に及ぶ全25作のブルースのCDが一挙に発売された。
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That's Entertainment!   (TURNER ENTERTAINMENT 1995)
ミュージカル映画の至宝、MGMの人気シリーズ『ザッツ・エンターテイメント!』をメインに、82作のミュージカル映画のヒット曲、アウトテイクなど貴重な音源を129曲も網羅した6枚組CDボックス。
コレは欲しいナァ。
特製ブックレットには当時のポスターや、映画作品と収録音源のインデックスが載せられており、ミュージカル音楽のアンソロジーとして貴重なボックスといえそうだ。
映画『ザッツ・エンターテイメント!』は13歳の時にひとりで丸の内ピカデリーに観に行った。まだ、「エンターテイメント」という言葉の意味も知らなかった。
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The Rocky Horror Picture Show 15th Anniversary Collection (ODE 1990)
当時隆盛を極めていたグラム・ロックを背景に1974年に大ヒットした『ロッキー・ホラー・ショー』の15周年記念4枚組CDボックス。
本作はオリジナル・キャスト盤とオリジナル・サウンドトラック盤の2枚、世界各国でのオリジナル・キャストによるカヴァー集、そして当時の映画の予告編やアウトテイクなどのレア音源集の2枚を加えた4枚組で、普遍的なカルト的な人気を示すもの。
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Mar Y Sol: The First International Puerto Rico Pop Festival  (ATLANTIC 1972)
「Mar Y Sol」についてはコチラをご参照頂きたい。そのフェスティヴァルを記録した2枚組LP。出演者のラインナップは豪華なもので当時『太陽と灼熱の祭典』という邦題で国内盤も発売されたが、別項に書いた通り、強奪、殺人などの数々のトラブルや契約関係の問題から映像の正式な商品化は未だになされていない。モッタイナイ。
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The Concert For Bangla Desh   (APPLE RECORDS 1972)
1971年8月1日ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われたバングラデシュ難民救済のためのチャリティ・コンサートを記録した3枚組LPボックス。
出演陣の豪華さから映画もレコードもビッグ・セールを記録したが、収益金の一部が着服されたり、参加アーティストの契約問題もあってCD化が遅れた。
そして、1991年にようやく実現され、更に2005年にはBob Dylanのボーナス曲を加えて新たにデジタル・リマスタリングされた。
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The Monterey International Pop Festival, June 16-17-18, 1967  (RHINO 1997)
Shige Blogに書いたようにコレもフィルム・コンサートへ出かけて観たナァ。
大規模な野外ロック・コンサートの先駆けとなったモンタレー・ポップ・フェスティヴァルの全貌を収録した4枚組CDボックス。
布貼りの特製仕様も凝ったものだが、何といっても圧巻なのが、96ページに及ぶオールカラーの特製ブックレットだ。ここには今まで未発表だったコンサート写真が豊富に収められ、ドキュメント資料としても貴重なもの。残念ながら私は見たことがないのだが、Jim Marshallの写真が多数掲載されているのだろう。
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50 Years Of Film : Original Motion Picture Soundtrack
Recordings Of The Great Scenes And Stars From The Warner Bros. Classics, 1923 To 1973  (WARNER BROS. 1973)
50年間にわたるワーナー・ブラザーズ映画の主題曲全81曲を年代順に集大成した3枚組LPボックス。
60ページの特製ブックレットには約220点にも及ぶアーティスト写真や当時のポスターなどの貴重な画像がふんだんに盛り込まれている。
やはりこうしたアーカイヴ的な資料はLPサイズがベストですな。コレも欲しい。
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Music Jacket Gallery展示の詳しい情報はコチラ⇒金羊社MJG常設展

※本展示は2013年12月に終了しています。現在の展示内容は上記の金羊社ウェブサイトでご確認ください。
(協力:立体展示品解説文原本執筆・植村和紀氏)

2015年10月22日 (木)

【Music Jacket Gallery】サウンドトラック盤ジャケット特集<中編>

「More」といえばEARTHSHAKER。
このPink Floydが音楽を担当した、1969年の西ドイツ、フランス、ルクセンブルグの合作映画『More』について話しをする人に私はいまだかつて巡り合ったことがない。
もちろん私も映画を観たことがない。
ステファンというドイツの若者を主人公に据えた麻薬をテーマにした映画らしい。
Roger Watersの伝によれば、当時この作品を監督したバーベット・シュローダーは「音楽を映画の裏方にしたくない。車の中でラジオをつけると流れて来るようなもの…反対にテレビでその音楽が流れれば映画に正確に結びつくようにしたい。」と希望していたらしい。
…ということでCDを引っ張り出して来て聴いてみる…。
ん~、こういう映画なのか…とななりませんな~。
個人的には四人囃子の森さんや大二さんがよく演奏していた「Cymbaline」のイメージがあまりにも強烈で他の曲はあまり耳に入ってこないのが正直なところ。

もうひとつ正直に言うと、「モア」って『世界残酷物語』のテーマとゴッチャになっていたのよ、昔。Pink Floydあまり得意じゃないもんで…。
イヤ、久しぶりに「残酷ナントカ」っての思い出しけど、アレ何だったんだろうね?
ずいぶんいっぱいあったよ、ヤコペッティっていうんだっけ?恥ずかしながら中学の時にひとつだけ日比谷映画に観に行った記憶があるな。
重要作を上映する日比谷映画にかかっていたぐらいだからかなりのヒット・シリーズだったんだね。
ジャケットはしっかりHipgnosis。
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Pink Floydの7枚目のスタジオ盤はまたしてもバーベット・シュローダー映画のサントラ盤、『Obscured by Clouds』。
『雲の影』ってヤツだね。
映画の元のタイトルは『La Vallee』とう。
ところが、Floydはこのアルバムをサウンドトラックとして制作したのものの、録音終了後に映画会社とケンカ状態となり、映画のタイトルである『La Villee』ではなく『Obscured by Clouds』というタイトルで音源を発売するようにプッシュした。
一方、映画の方はそのまま『La Vallee』として公開された。
この映画も「Pink Floydが音楽を担当している」ということでスッカリ有名になってしまったようだ。映画の邦題は『ラ・ヴァレ』といい、内容は有閑マダムが自分探しの旅でニューギニアへ赴く…的な話しらしい。
キャストにはMiquette Giraudy(ミケット・ジラウディ)という女性が名を連ねているが、この人はGongのシンガー&キーボード・プレイヤーで、Steve Hillageの奥さんなのだそうだ。

もちろんジャケットはHipgnosisなのだが、コレ、木に腰かけている男の人の写真なんだって。そう見える?

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『フレンズ』か…。
世代というか、タイミングというか、この映画も「観た」っていう人に出会ったことないな。
日本公開が1971年11月っていうから私が9歳の時のことだ。
小学校2、3年…。知らないのも無理はないハズなのにナゼかリアルタイムの記憶にあるナァ。こんな子供が主人公の恋愛映画なんか私の映画の師匠である父が観てて推薦するワケないし…。
数年後にリバイバル公開でもして、それで知ったのかナァ。
とにかく、「エルトン・ジョン」という名前を知ったのはこの映画に絡んでのことだったような気がする。
私もレジは大好き。
レジとは彼の本名、Reginald Kenneth Dwightのディミニュティブ(=愛称)。年配のイギリスの連中は親しみを込めて彼を「レジ」と呼ぶ。
『Rock of Westies』までのアルバムは一枚を除いて全部持っていて、今でもよく聴いている。
その後のアルバムもホンノ少しだけ持っているが、聴く気がまったく起こらない。
『Lion King』あたりでも新しいファンを増やし、相変わらずトップ・ミュージシャンの地位を揺るぎないものにしているのであろうが、最近の作品は70年代前半に比べたら私にはあまりににもチョット、チョットチョットなのね。率直に言って全くおもしろくない。
偏ってはいるものの、ファンだから敢えて言わせてもらうが、才能を使い果たしてしまった…では説明がつかないぐらいの落差だ。
「Your Song」ばっかりやたら有名だけど、「Skyline Pegion」や「Border Song」だとか、「Burn Down the Mission」だとか…とても人間の仕業とは思えないほどいい曲が初期には目白押しだ。
それなのに、どうしてああなっちゃうんだろうネェ?
もしビートルズが解散しないで今も活動していたらどうなっていただろうか?

で、初期のアルバムで持っていない一枚というのはこの映画『フレンズ』のサントラ盤のこと。
リリースのポジションとしては、ライブ盤の『17-11-70』を除いて『Tumbleweed Connection』と『Madman Across the Water』の間。
この作品はずっと封印されていたのね。
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それが20年ぶりにこの世に出て来たのが1992年リリースのコレ。
『rare masters』というレア音源集。
レジの相棒のBernie Taupinは詞を書くに当たって送られてきた脚本を読むことはなく、ザッと目を通しただけだった。
そして、監督の息子のJohn Gilbertという音楽の担当者から映画の内容を聞いて、そのまま全曲書き上げたという。Bernieはまったく映画を見ずして作詞したのだ。
それをPaul Buckmasterが絶妙なアレンジを施して形に整えた。
録音はロンドンのトライデント・スタジオ
録音は前作の『Tumbleweed Connection』とほぼ同時期で、前作用に大切に書き溜めてあった曲が『Friends』からのシングルのB面に強引に使われてしまった他、録音の問題や映画との内容の齟齬に関する問題が発生し、レジは内容が気に入らず、結果、サントラ盤が20年もの間封印されてしまったのだそうだ。
映画は『アルフィー』や007の『二度死ぬ』、『私を愛したスパイ』、『ムーンレイカー』などを撮った名匠ルイス・ギルバートの演出でヒットした。
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しかし、ホントに初期のElton Johnの作曲の才たるや尋常ではござらんな。
『Goddbye Yellow Brick Road』の制作過程をたどるこのドキュメンタリーは面白かった。
このアルバムはホント、二枚組17曲、まったく捨て曲がない。
「Funeral for a Friend」、「Grey Seal」、「Saturday Noght's Alright for Fighting」のようなアップテンポの曲やタイトル・チューンの「Goddbye Yellow Brick Road」、「Bennie and the Jets」のミディアム・テンポの曲もいい。
でも、このアルバムの本当にスゴイところはバラードが素晴らしいことだ。
「Candle in the Wind」は言うに及ばず、「Sweet Painted Lady」、「Harmony」等、歌詞を覚えて一緒に歌いたくなるような名バラードが目白押しなのだ。
このDVDの中でレジが「Candle in the Light」について語るシーンはグッとくる。
で、これらの名曲はすべて5~10分で作られたらしい。
夜レジが寝ているうちにBernieが詞を書いて、それをピアノの上に置いておく。
すると、翌朝レジがピアノを弾きながらそれを読んで、「フムフム、♪Goodbye Norma Jean~ってか!」とやる。それでイッチョ上がりだったというのだ。
信じるか信じないかはあなた次第だけど、ま、天才のやることってのはそんなもんでしょ。
また、Davey Johnstone、Dee Murray、Nigel Olssonという鉄壁のバンド・メンバーにGus Dudgeonのプロデュース。
奇跡が起こる瞬間というのはちゃんとしたお膳立てがあるものなのだ。

N_img_0018エエイ、レジついでに…。
Elton Johnもうすぐ来ますな~。何でもチケットが18,000円だとか…。
レジが初めて日本に来たのは44年前の1971年で、その時はチケット代は2,500円!
Dee MurrayとNigel Olssonとのトリオ編成で、東京の会場は渋谷公会堂と新宿厚生年金会館だった。もう両方ともなくなっちゃった!

でもね…安心してください。レジのコンサートのチケットはイギリスでも高いですよ。
観に行ったことがあるのだ、イギリスで!

N_img_0025場所はとあるイングランドの地方都市。
下の写真はその様子。
見ての通りお客さんはジーさん、バーさんばっかり!コレ、どう見てもレジの全盛期だった70年代初頭でもオッサン、オバサンだったでしょうに。

Ad_img_0763_2会場となったのはクリケット場。住宅地の真ん中にある。
5月の終わりぐらいだったんだけど、寒かった。
でも、ビール会社が後援をしていてみんなそのビールを飲みながら楽しんでる。
その雰囲気が実にユッタリしていて、すごくいい感じなんだよね~。
「音楽」だけでなく、のーんびり「時間」と「雰囲気」も楽しんでいる感じ。

Ad_img_0762_2また、メンバーがDavey JohnstoneにNigel Olssonという昔の仲間(ベースのDee Murrayは1992年に物故)。加えて、日本でも携帯かなんかのCMで話題になったチェロのイケメンのデュオが加わっていた。
曲もジーさん&バーさんを意識してかのナミダナミダの完全懐メロ特集。コレでいいのだ。
なんつったって一曲目が「Funeral for a Friend」から「Love Lies Bleeding」だもん、レジを知っている人なら誰だって興奮するわね。
「Crocodile Rock」から「Rocket Man」から代表曲を片っ端から演っちゃう。
で、みんな一緒に歌うんだよ。
イヤなもんだよ、「♪ベ、ベ、ベ、ベニアンダジェッ~ツ」とか「♪ビーチ、ビーチ」とかしか一緒に歌えないんだから、こっちは。
ステージの内容としては、MCもほとんどなければ、レジもそうニコニコしているワケでもなく、「ハイハイ、演ればいんでしょ…」的にただずーっとヒット曲を並べた感じは否めなかったな。それでも、イギリスで観る…ということも手伝って十分感動した。
Davey JohnstoneがJoe Perryみたいに全曲でギターを取り換えるのが印象的だった。しかも全部違うギター。うまい人だよねこの人も。声も独特だし。

Ad_img_0749_2このバカが…真っ赤な顔しやがって…。
一緒に行ったヤツが気前よくジャンジャンとビールを買って来るもんだからトイレが近くなっちゃってマイッタ!
トイレから帰って来て自分の席に戻ろうとした時にちょうど一曲終わったところで大歓声が沸き起こった。
それで、コレはですね、その歓声を私が浴びたようにおどけて見せたワケ。「皆さん、ありがとう!」って。酔っぱらっちゃってるから。
そしたら、バカウケよ!イギリス人から大量の爆笑ゲットしました!

何やら完全にジャケットからハズれて自慢話しみたいにになっちゃってますな…。
ハイ、Elton John終わり!次ッ!

Ad_img_0755_2昔、今みたいに娯楽がたくさんなかった時代、映画は大きな楽しみのひとつだった…なんて書くとものすごい年寄りのように思われちゃうかもしれないけど、私が中学の頃まではまだみんな映画館へ頻繁に足を運んでいた。
すなわちビデオが出てくる前までの話しだ。
それより20年ぐらい前にテレビが現れた時に映画はもっと大きなダメージを受けたワケだが、ビデオの出現によってその打撃は決定的なものになり、映画館は次々と姿を消した。
さらにはインターネット。もうVHSが絶滅したなんて考えられないよね。「ベータマックス」なんて言葉を知っている若い人は一人とていまい。

昔はどんな町にも映画館があった。そこらの商店街の中にもあって、ごく普通に営業していたものだ。「豪華三本立て!」なんていってね。連続して三本も観ようものなら、尻はタマッタものではなかった。
それだけ映画が生活の中に浸透していただけに、映画に使われた音楽も歌謡曲のように普通に親しまれていた。
「太陽がいっぱい」、「ララのテーマ」、「タラのテーマ」、「野生のエルザ」、「ブーベの恋人」、「シェルブールの雨傘」、「ムーン・リバー」…若い人はまったく知らないだろうナァ。私は口ずさめる。
私の両親世代、そうだナァ、昭和10年代生まれの人はみなさんご存知だと思う。映画が大きな娯楽だった世代の方々だからだ。
あれらの名曲はどこへ行ってしまったのだろう…。
別の言い方をすると、その方々はいい音楽をたくさん聴いた世代の方でもある。
そして、ステレオがある家にはきっとこの手の「魅惑のスクリーン・ミュージック」の類のレコードがあったハズだ。
ああ、「昭和」はいいナァ。
こういう音楽もやがては忘れ去られ、消滅していく運命にあるのだろうナァ。
考えてみると、映画音楽っていうのはクラシックやジャズと違って、それ単体で成立しにくいものだから存続が難しいよね。
音楽のジャンルは問わないけど、誰かが題材として取り上げるか、せいぜい「映画音楽の夕べ」のようなコンサートで聴くかしか触れる機会がないもんね。
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チョット脱線。
下は最近買った007の30周年を記念した2枚組のテーマ・ソング集。007シリーズも名曲の宝庫だ。
それにまずジャケがいい。
007映画でおなじみの銃身から見たジェイムス・ボンドのシルエット。ちゃんと血もしたたり落ちている。
子供の頃、この渦巻きはなんじゃろな?と思っていた。
コレはみなさんご存知の「施条(しじょう)」というヤツ。発射される弾丸にヒネリを加えることによって弾道の安定性を図る銃身の内側に刻まれたらせん状の溝だ。英語では「ライフリング」という。
弾丸に回転を加えるために必ず銃身の内径は弾丸の外形より小さくできていて、そのため発射された弾丸にはこの施条の痕が刻まれる。「施条痕」というヤツね。
よくこの「施条痕」を調べると使用した銃がわかる…てなことを映画やドラマで見るでしょう?
アレ、どうしてわかるのかすごく不思議に思っていだったんだけど、今回調べていてビックリした。
もちろん、弾丸が銃身を通過する時に施条が何らかの番号や模様をつけたりするなんてことはできない。
弾丸の速さは44マグナムで時速1,296km、ライフルでは時速3,000kmを優に超す。そんなものに番号を打つことは不可能だ。
しからば、模様をつけるとなると施条の形をひとつひとつ変えることになり、そんなことをしたらコスト倒れしてしまう。
それでどうなっているかというと、施条を刻む工作機械の刃がどうしても刃こぼれをしてしまうため、完璧に同じ条件で施条を刻むことができない。
このことが結果的に形状が微妙に異なる施条を銃身内部に刻むことになり、弾丸についた施条を調べれば、指紋のように銃をアイデンティファイできるのだそうだ。
現在は工法が異なるそうだが、それでもこの施条痕によって銃の個別判定ができるらしい。
あ~、こういうことを知るのは楽しいな~。

で、007。
子供の頃は夢中になって観たものだけど、今となってはさすがに荒唐無稽でチョット…ね。
でも最初の方の作品は音楽が実によかった。
だいたいこの「ジェイムス・ボンドのテーマ」があまりに素晴らしい。
Shirley Bassey、Tom Jones、Nancy Sinatra…『死ぬのは奴らだ』でPaulにやらせたところなんかいいセンスだよね。今にして思うとこのロジャー・ムーア演ずる二代目ボンド(ジョージ・レイゼンビーは除く)の第一作目で、「ジェイムス・ボンド=ショーン・コネリー」のイメージを少しでも払拭するためにPaulを起用して話題をづくりに務めたのではないだろうか?


かつてMarshallのデモンストレーターをしていた現Procol Harumのギタリスト、Geoff Whitehornがかつて、「シゲ、世界で一番カッコいいコード知ってるかい?」と私に尋ねてきたことがあった。
「イヤ、知らない。教えて!」と答えて彼が弾いて見せてくれたのは、「Baug/E」とでも言おうか、6弦のEの開放にBaugを乗っけたボイシング。
すなわち「ジェイムス・ボンドのテーマ」のあの締めのコードだった。
このテーマを作曲したのはMonty Normanというイギリスの作曲家で、監督のイアン・フレミングがそれを気に入らず、後に007映画の音楽を多数手がけたJohn Barryに再アレンジを依頼したところ今の形になった。
結果、作者はJohn Barryということになって、お定まりの裁判沙汰になったとサ。こんな話ばっかり。

Cd_img_5405_2 ま~、映画音楽のレコードの教科書のようなジャケットですな~。
MGMでまとめたミュージカル曲集。MGMミュージカルといえばやっぱり『雨に唄えば』ということか?
このすぐ下に『ザ・ブルース・ブラザーズ』を持ってきた。この種明かしは後で…。

このレコード、収録曲を見るとなかなかにホネのある内容になっている。
考えてみるとこういうの誰が買っていたんだろうな…。ま、映画マニアってことになるんだろうけど、上に出ていたような「珠玉の~」みたいな映画音楽の特集盤の購入者とは違うような気がする。

とにかくですね、当該の映画を観ていようが、いまいが、私の感覚なんかではこの辺りの音楽を聴くことを強くお勧めしますね。
人生が豊かになります。
私は月に一回だけ中古レコード屋に繰り出して音楽の買い出しをするのを唯一無二の楽しみにしているのね。
買うモノは一切キマっていない。
何を見るかというと、まずジャズのコーナー(「エサ箱」という表現は好きじゃない。さんざん漁ってきたから…)から始まって、お店のディスプレイに沿って、たま~にブルース系をチラっと見て映画音楽⇒民族音楽⇒クラシック⇒日本のロック⇒海外のロック⇒プログレッシブ・ロックと回る。ヘヴィ・メタル系のロックは必要なアイテムがある時にだけピンポイントで探す。
一番時間をかけて丹念にチェックするのはジャズなんだけど、だいたい全部で二時間チョット。
よって一年のうち丸一日強はCDを探している計算になる。
以前に比べれば断然短くなった。
希少盤だ、レア盤なんてのはよっぽどのことが無い限り買わない。高いから。
何年も探し続けて、もしこの場を逃したら一生お目にかかれないな…というヤツにはそれなりにお金を払うが、後は立ち喰いの天玉そばより安く味わえるような、誰も買い手がつかないようなマイナー盤を買い漁っている。
「花より団子」の権化みたいなものだ。だってもう定番、有名盤の類はもういいでしょ。卒業。
それよりも無名でも何でもいいから、一枚でも一曲でも多くのいい音楽を聴いて死んでいきたいと思っているのだ。
今私の目の前にはまだほとんど手付かずの大きな山脈があって、今ヘンなルートで登頂を試みようとしているのがクラシック音楽。
それと少しでも標高の高いところに行きたいと願っているのがミュージカルなのだ。
だから、どんな話か皆目見当がつかない知らないミュージカル作品のサウンドトラックでも適正な価格(二束三文ということ)で見つかれば即買いするようにしている。
結構前の話しになるが、イタリア映画のサウンドトラックをゴソっと買ったことがあった。イタリア映画なんて『黄金の七人』以外まず見ないんだけどね。
買い込んだ理由のひとつは、その『黄金の七人』のArmando Trovajoliの作品がたくさん含まれていたいたこと。
この人は元々ジャズ・ピアニストなんだけど、ジャズ・ピアノのYngwieよろしく、愉快痛快、モノスゴイ早弾きを得意としている人で、映画音楽作家としてだけでなく、ピアニストとしても好きだったから。
もうひとつはジャケットというか、雰囲気がメチャクチャおしゃれだったのね。
内容はと言えば、決して喜ばしいものではなかったです。
でも、新しい音楽が聴けたのでOKとした。
こんな具合でミュージカル作品も集めようとしているんだけど、元々聴いている人が少ないのか、なかなか出て来ないね。
この時代、1920~1950年代のアメリカ人が作った音楽は本当に素晴らしいと思うね。実際はユダヤ人ということになるんだろうけど、ポピュラー音楽の美しさや楽しさがすべて詰まってる。
ティン・パン・アレイ・ミュージックというヤツね。
デス・メタルでも何でもいいから好きなロックを聴く傍ら、こうしたアメリカが本当に文化的な「力」を持っていた頃の音楽も聴くといい。
もう一回いうけど、人生が豊かになります。
ああ、この項誰も読まないだろうな…。
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おもしろかったネェ、『ザ・ブルース・ブラザーズ』。
みなさんが好きなのはどのシーン?
私はRay Charlesんトコかな?Arethaのところも滅法カッコよかった。
この映画がどうしてこんなにもカッコよく、そして楽しく作られたのかを考えてみるに、要するに50年代のミュージカル映画の文法に忠実に沿ったからではないだろうか?
スリル、お笑い、オフザケ、そして極上の音楽。出て来る音楽はR&Bでジャズではないが、映画のリズムとしては昔のミュージカル映画にソックリだと思うんだよね。

ところで、この2枚を並べた理由は…知ってる人は知ってるでしょう。
上の『雨に唄えば』のヒロインはデビー・レイノルズ。
下の『ザ・ブルース・ブラザーズ』の紅一点、バズーカ砲でジョン・ベルーシをつけ狙う謎の女を演じたのは『スター・ウォーズ』の「レーア姫」を演ったキャリー・フィッシャー。
この二人は母娘なのね。
そんだけ。
キャリー・フィッシャーのお父さん、すなわちデビー・レイノルズのダンナはエディ・フィッシャーという大歌手だった。
このオッサン、デビー・レイノルズの後、エリザベス・テイラーやコニー・スティーブンスと結婚してるんだゼ。

ジャケットについて何にも書かないけど、ま、いいでしょ。見ての通りだから。
ベルーシについてひと言…「Samurai Be-Bop Musician」には死ぬほど笑った!あの頃はZappaもまだ元気だったんだよ。
そうそう、ここコレで終わろうと思ったんだけど、ひとつ思い出した。
『Staturday Night Live』で「Samurai Delicatessen」とかいうコントがあったでしょ。ベルーシ扮する侍の格好をした総菜屋の店員がやたらとチーズバーガーを出したがるヤツ。
あの中で、サラリーマンが朝食に何か注文しようとすると、ベルーシがチーズバーガーを勧める。
するとそのサラリーマンは「イヤ、朝からチーズバーガーは食えんよ…」と断る。
コレね、若い頃、初めて見た時結構ビックリしたの。
アメリカ人って朝から晩までハンバーガー食べてもゼンゼン平気な人種かと思っていた。それが、朝はハンバーガーを食べないだなんて信じられない!というワケ。
その後、たくさんのアメリカ人の友達ができて、何人かに「朝からチーズバーガーを食えるか?」と訊いてみたが、全員「食えない」と言っていた。
それどころか、連中は何とはなしにハンバーガーをバカにしているような感じすらあるな。「貧乏人の食い物」的な扱いだ。
一度、ニューヨークで、現地の白人のアメリカ人の友人から「シゲ、朝は何を食べた?」と訊かれ、たまたま「M」の字のハンバーガーを食べたのでそのことを告げると、かなりのいきおいで「What?  #$%& is the most humble food on the planet!(ナニ?#$%&は地球上で最も卑しい食べ物なんだぞ!)」といわれたことがあって驚いた。そこまで言うか?みたいな。
私の友人だからもちろん金持ちではない。
私の経験からすると、中流気取りのアメリカ人ってすごくエリート意識があるように見えるね。その典型がこの「ファスト・フードは食わない」宣言。
それと、「好きな音楽は?」と訊くと「クラシック」って答えるヤツ。ウソこけ!レディ・ガガで喜んでるクセに!
ま、そういう自分も大して変わらんか?

そこへ行くとイギリス人は「バーガー、バーガー」って喜ぶよ。
ひとつイギリスでヤラれたのがメニューに「Beefburger」というのがあって、こっちとしては勝手ながら「薄切りの牛肉と玉ねぎをニンニクと醤油で炒めてパンに挟んであるヤツ」と想像してた。ま、そんなもん出て来るわけが全くないんだけど、和食に飢えるともう脳ミソが暴走しちゃうワケ。
で、出て来た。
必要以上に熱した厚手の白い皿の上に乗っていたものはただのハンバーガーだった。
ガッカリしたな~。イギリスで「バーガー」の名の付くものはみんな「ただのハンバーガー」ということを覚えた。
話はアメリカに戻って…20年近く前にニューヨークに行った時、セントラルパークで昼食を摂っていたらホームレスっぽい黒人に話しかけられた。
別に危険な雰囲気はまったくなく、お互いの食べ物の話になった。その人言ってたな「オイラぁ、バーガーが大スキだァ。ハンバーガーがあれば他に何もいらねェ。毎日3回ハンバーガー食っても飽きネェ」…ゾっとするわ。
その人、ハンバーガーも買えなかったのかなァ。その割にはしきりハトにエサを与えていたっけ。そのエサ代でバーガー買えばいいのに。
St_img_0129
私は観てないけど、この映画ハヤったよね~。
「1978年10月 来日 オリビアが運んできた秋…」。オリビア・ニュートン・ジョンの故国では春だわね~。
記録をひも解いてみると、この78年の来日では、新潟、金沢、京都、盛岡、和歌山、大阪、岡山、福岡、名古屋、横浜と回り、東京はナント武道館2デイズだった。
どーよ、この人気ぶり!
スゴかったんだから。
アタシャ、ゼンゼン興味なくて、1978年に行ったコンサートといえば…
ELO、Foreignor、Cheap Trick、Ted Nugent(以上、すべて武道館)、Rick Danko、Van Halen、Little Feat、Wishbone Ash、Genesis、Frank Mario & Mahogany Rushってとこか…。
見逃して悔しいのはScorpionsの初来日とWeather Reportだな。

Olivia Newton Johnはチョット違うけど、昔はいつも外人アイドル歌手ってのがいたよね。アグネス・チャンなんてのはその草分けになるのかな?
私の世代では、マギー・ミネンコとかルネ・シマールとか、インド人チャダとかいうのもいた。
ハーフ・タレントなんてのも一時は盛んだった。キャロライン洋子とかシェリーとか、ヒデとロザンナなんて足して2で割ればハーフだし。ゴールデン・ハーフなんて名前からしてスゴかった。
今は完全にボーダーレスになっちゃって、日本人が外人に漢字を教わって笑ってるぐらいだかね。

190_2

映画『ロッキー・ホラー・ショウ』はよく観た、ビデオで。残念ながら映画館で観たこともなければ、舞台を観たこともない。
コレに近づいた理由は私の場合、「なぞなぞ商会」だったんだよね。高校生の時、なぞ商が「Time Warp」と「Sweet Transvestite」を日本語で演っているのを見てそれで興味を持った。
「Science Fiction, Double Feature」から始まっていい曲が目白押しなんだけど、途中からチョット苦しくなってくるのが私の正直なところ。
ジャネットが歌う「Toucha-Toucha-Touch Me」で持ち直すが、何となく尻すぼみ感を強く感じる。
以前ROLLYさんと話しをした時にこんなことをおっしゃっていた。「あの映画は質感が『キャバレー』にソックリなんですよね」…ROLLYさんはフランクフルター博士も舞台で演じているし、Orquesta Libreというグループとの活動では『キャバレー』の曲もレパートリーに取り入れているほどなのできっとそういうことに違いない。
それにしても海外でのこのミュージカルの時空を超えた浸透度たるや信じがたいものがある。
40~50代の人が「Time Warp」に合わせて腰に手を当てたり、左へジャンプしたりするならわかる。
その世代の人たちの多くは高校の卒業記念のダンス・パーティでこれを踊るからだ。いわゆる「プロム」というヤツ。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のアレね。
我々で言えば町内の盆踊りで覚えた「東京音頭」か「ソーラン節」といったところか…。
ところが…だ。
今、日本に来ている20歳そこそこのアメリカの女の子に尋ねたところ、今はプロムで踊ることはなくても「Time Warp」を知っていて、踊ることができるのだそうだ。
それと、今年の5月にイギリスへ行った時に出席したパーティのディスコタイムでも老若男女を問わず皆さん「Time Warp」に合わせて踊り狂っていた。

この作品、映画のおかげでアメリカ製だと思っている人も多いようだが、ロンドン・ミュージカルだ。
初演は193年。スローン・スクエアにあるロイヤル・コート・シアターだった。
この下のアルバムはそのオリジナル・キャストの音源。いいジャケットだ。
今、ここでは右下の「UK RECORDS」というロゴに注目しておいてね。

St_img_0057世界中で焼直して上演された人気作品だけあっていろいろなバージョンの音源がリリースされている。
下は上の他に私が持っている音源。
左が映画のサウンドトラック盤。1975年。
右は1974年のOriginal Roxy Castバージョン。

Cd_img_5409_2こんなスコアも持ってる。Roxy CastのCDと一緒にブロードウェイで買った。中野のブロードウェイじゃないよ、ニューヨークのブロードウェイ。

Cd_img_3725 当然DVDも…2枚持ってる。
それにしてもこの作品は何だってこんなにイメージに統一性がないんだろう。
どこかのつけ麺屋さんみたいだ。名前は同じだけど店のつくりがてんでバラバラ…みたいな。
最後にひとつ…舞台でも映画でも主役を務めたTim Curry。天下のフランクフルター博士と『ホームアローン2』で出くわしてビックリ。

Cd_img_3732 おそらく人生のうちでもっとも数多く聴いたアルバムの上位に喰い込む作品の一角。10ccのサード・アルバム、タイトルもズバリ『Original Soundtrack』。…といっても何かの映画のための音楽ではない。
これと次作の『How Dare You!』はほんとに大好きでよく聴いた。
ヘタするとFrank Zappaを除くと私は初期の10ccが一番好きなのかもしれない。とにかくこうした頭を使ってこねくり回して作り込んだ音楽が好きなのだ。


前作『Sheet Music』からジャケットのデザインを担当したHipgnosis。イラストはHumphrey Oceanというイギリス人。
この人、Kilburn and the High Roseというパブ・ロックのバンドでベースを弾いていたことがあって、1973年のThe Whoのクリスマス・ツアーの前座を務めたことがあるそうだ。
また、ロンドンのナショナル・ポートレイト・ギャラリーに飾ってあるSir. Paul McCartneyの肖像画のうちのひとつはこの人の作品。世界に冠たる国立の肖像画美術館だからね、かなりすごいことだ。
ジャケットのアイデアはHipgnosisのAubley Powell。彼は作品のタイトルを聞いて、まず映画制作の関係の絵面にすることにした。マァ、誰でも思いつく。
そこで、このジャケットにある「スタインベック」と呼ばれる16mmフィルムの編集機をフィーチュアすることにし、実機を写真に撮った。
それをOceanに見せて、「可能な限り写真通りに鉛筆でイラスト化して欲しい」と頼んだ。
ちなみに35mmフィルムの編集機はMoviola(ムビオラ)という。黒澤明の関係の本に何回も出てくるので聞き覚えがあり、思い出して調べてみた。ほとんどの黒澤作品で記録を担当した野上照代によれば、黒澤さんは撮るたびにムビオラを除き込んで、丹念に画像をチェックするのが常だったという。
ところで、このジャケットの馬に乗っているカウボーイは誰だ?
これは誰のアイデアかは知らないが、1959年の『胸に輝く星』というヘンリー・フォンダ主演の映画のヒトコマで、描かれているのはアンソニー・パーキンス。
そう、ノーマン・ベイツがカウボーイ役を演っていたこともあったのだ。
アンソニー・パーキンスもハンサムで長身のいい役者だったが『サイコ』のノーマン役があまりにも強烈で、そのイメージが強すぎて他の役が出来なくなっちゃった。
パーキンスには気の毒だが、ヒッチコックさすがのキャスティングといわざるを得ない。

この作品を発表する前、10ccは名付け親でもあるJonathan KingのUK Recordsと契約をしていたが、別のレコード会社に移りたがっていた。
このJonathan Kingは10ccだけでなく、Genesisを発見してそのバンド名を与えたり、Bay City Rollersの最初のヒット曲「Keep on Dancing」をプロデュースしている。
また、それこそ興行二日目にオリジナルの「Rocky Horror Show」を見てビビビと来たのか、後援を申し出て20%の興行権をゲットしたそうだ。よって、上のロンドン・キャストのアルバムのプロデューサーはJonathan Kingとなっている。
だから前項で「ロゴに注目」と言ったのね。
マァ、とにかく目先のきく人であることは間違いない。
ところが、当時の10ccはこのKingと手を切りたがっていた。しかし、先立つものがない。
そこで中心メンバーであるEric Stewartがフォノグラム社が10ccを欲しがっていたことを思い出し、「I'm not in Love」を聞かせたところ、「金に糸目はつけない!」と100万ドルをもってして10ccとの契約をUK Recordsから奪取したのだそうだ。めでたしめでたし。
参考までに…このアルバムのレコーディング・エンジニアはEric Stewartが担当している。

ま、確かに「I'm not in Love」はいい曲だ。
でも、私は大した思い入れがない。
10ccを初めて聞いたのは中学3年生の時で、彼らのライブアルバム『Live and Let Live』が出た時だった。それで一曲目の「The Second Sitting for the Last Supper」にブっ飛んだ。
「世の中にこんなにもカッコいい曲があるのか!」
それですぐに全アルバムを揃えた…といっても『Deceptive Bends』までの6枚っきりだったが…。
どちらかというと『How Dare You!』の方がよく聴いたかもしれないが、いずれにしても『Original Soundtrack』と『How Dare You!』は10ccの東西の横綱だ。
その後、5ccになって『Bloody Tourist』が出て期待して臨んだが、全然おもしろくなかった。
さっきのElton Johnじゃないけど、どうしてこうも急にパタッと魅力がなくなるかな~。
このアルバム、名曲が目白押しで、大作の「Une Nuit A Paris」、楽しい「Life is a Minestrone」、大好きな「The Second Sitting for the Last Supper」、映画のタイトルが出てきてうれしいカンツォーネ仕立ての「The Film of my Love」等々、今でもひっぱり出してきては聴いている。「Blackmail(ゆすり、脅迫)」という英単語を覚えたのもこのアルバムだ。
こうしてみると、やっぱりLol Creme&Kevin Godley組の方が好きなんだな。
初めてロンドンに行った時、ホテルの部屋に入るなりつけたテレビから流れてきた曲が「Life is a Minestrone」だったことはもう何回も書いた。
一生聴き続けるアルバム。

St_img_0078ナショナル・ポートレイト・ギャラリーに飾ってあるHumphrey Oceanが描いたPaul McCartneyの肖像画とはこれ。
こないだ行った時に撮って来た。
ここの美術館にはもう一枚、若き日のPaulをデフォルメして描いた肖像画がある。

Cd_img_1707このアルバムについてはコチラをご覧くだされ。

St_img_0083「Big Sur Festival」というのは1964~1971年にカリフォルニアのBig Surというところで開催されたフォーク色の濃いフェスティバル。
1969年にはウッドストックの一月後に開催されたが、そう大きな話題として取り上げられることもなかったらしい。
これは1971年の最終回のもようを収めたライブ・アルバムで、Joen BaezやBlood Sweat & Tearsといったウッドストックでの成功組が出演して話題になったようだ。
どうでもいいけどきれいなところだネェ。混んでてイヤだけど…。

St_img_00801965年、カリフォルニアのワッツ市というところで大規模な黒人の暴動事件が起きた。その7年後にワッツ市の人々を称賛するためにStax Recordが企画したコンサートが「Wattstax」。
そのもようが映画となり日本では1973年に公開された。
ジャズ以外の黒人音楽にまったく疎い私ですら知っているような豪華な出演者陣だが、知ったかぶりは避けることにする。
Wattstaxコンサートは「黒いウッドストック」と呼ばれたらしく、そのせいかどうかはわからないが、よく『ウッドストック』と二本立てでやってたっけ。『ワッツタックス』か『バングラデシュ』。
中学の時に九段会館でこの映画を見ているハズなのだが、きれいさっぱり記憶がない。
そのころからコレ系の音楽がダメだったのね、ワタシ。

St_img_0084映画『トミー』は好きだった。
中学一年の時に日比谷のスカラ座に観に行った。
「刷り込み」っていうのか、The Whoの『Tommy』より、私にとっては映画のサウンドトラックの方が『トミー』なんだな。

St_img_0107映画を観に行ってお小遣いをはたいてミュージック・カセットを買った。

M_img_2275LPに比べて憐れな装丁だ。
レコードプレイヤーを持ってなかったのでカセットを買うより仕方なかったのだ。
『Tommy』のことはアチコチで書いているのでもう書かない。最近の記事のリンクだけ貼っておくことにしよう⇒コチラ
ちょっと付け加えておくと、このサントラの演奏にはNicky Hopkins、Ron Wood、Kenny Jonesらが参加している。
映画のピンボール対決のシーンではPete Townshendが出ているが、「The Pinball Wizard」の演奏はElton John Bandによるものだそうだ。
また、すべての曲でPeteがギターとシンセサイザーをオーバーダブしているらしい。

M_img_2281どうしてみんなコレやりたがるかネェ?
オーケストラ・バージョン。
ジャケットはとてもいいね。パチンコの玉?いえいえ、ピンボールの玉でしょ。
デザインと写真はTom Wikesというアメリカのデザイナー。
先ごろコロンビア・レコードの諸作のジャケット・デザインを数多く担当したJohn Bergという人が亡くなったが、このTom Wikesという人もいい加減すごい。
何をやった人か並べようものならすぐに紙幅が足りなくなっちゃう。でもちょっとやってみると…
The Rollings Stones : Flowers, Beggars Banquet
Captain Beefheart : Safe as Milk
Roger Nichols & The Small Circle of Friends
Van Dyke Parls : Song Cycle
Janis Joplin : Pearl
Dr. John : Gumbo
George Harrison : Darl Horse, All Things Must Pass
ええい、やっぱ面倒くせぇ!
とにかくあまりにも有名なアルバムが多くてキリがありゃせん!
そういう人がデザインしたジャケットなのだ。

こういうオーケストラものって物珍しさで買って聴いてはみるんだけど、二回は聴かない。それが私のやり方。

St_img_0102もうイッチョThe Whoでコレ。
原作はご存知『Quadrophenia(四重人格)』。
皆さん、この映画どう?好き?
60年代のロンドンの雰囲気が伝わる部分はうれしいが、映画としてはな~。
正確には覚えていないが、「ソイツをどこで手に入れた?」、「ブリクストンさ」とドラッグのやり取りするシーンが冒頭にある。
何年か前に行ったけど、やっぱりブリクストンってガラ悪いんだね~。その時のようすはコチラでレポートしているので是非。イヤ、別に危険な目には遭っていませんから。
ブリクストンはDavid Bowieの地元だ。

St_img_0108裏ジャケを見るとブライトンの海。
ブライトンはこの映画の第二の舞台だからね。

St_img_0111何年か前に行ってみた。

J_img_0898きれいなところでね~。
このずらりと並んだ建物のうちのひとつがSting扮するベルボーイが働いていたホテルなハズ。
ちなみに、最後に主人公のジミーがオートバイごと突っ込む白い崖の場所はブライトンよりもう少し東へ行ったセブン・シスターズというところだ。

J_img_0899ご多分にもれずSteely Danは大好き。
だから「FM」という曲も好き。
でも、この映画って何だったのかしらん?コレも「この映画を観た」って人に会ったことがない。
…と思ったら日本では未公開のままらしい。道理で…。
しかし、すごい顔ぶれだよね。このサントラは全米ヒットチャートで5位まで上がったらしい。
帯を見ると「ロードショー誌」が推薦しているようだけど、公開もしない映画なのに無責任じゃない?
この「FM」という曲の中に「Kick off your hi-heel sneakers」というクダリがあるが、「hi-heel sneakers」というのはTommy Tuckerというブルースの人の1963年の曲の名前。作曲はRobert Higginbothamという人。イコール。Tommy Tucker。
私がこの曲を知ったのはBlue MitchellというジャズトランぺッターのBlue Note盤。この人のコンボには若き日のChick Coreaがが在籍していたことはよく知られている。

St_img_0114コレはおもしろかったな~。ラルフ・マッチョがすごくよかった。
でもそれよりカッコよかったのがSteve Vaiだよね、Jack Butler。
ギター勝負のところはVai自身が弾いているのはおなじみだけど、クラシック・ギターは誰が弾いているか知ってる?
William Kanengiserという人。
私も「胸を張って知ってます!」というほどじゃ全くないんだけど、以前従事していた仕事でこの人の教則ビデオを扱っていたので名前は知ってる。
「あなたもクラシック・ギターが弾ける!」みたいな内容だったように記憶している。

St_img_0120「♪パララバイラバンバセネセシータウナポカデグラシア、ウナポカデグラシアパミパティーナヤリバヤリバ~」
まだできる。
コレ、もしかしたら私が全部歌える唯一の外国語の歌かもしれない。
長野のパブでハコバンをやっている時に覚えた。この曲の歌だけはナゼか私が担当していたのだ。
曲は「La Bamba」。おかげでカラオケでやるといつもよくウケた。
この映画は「La Bamba(元はトラディショナル)」や「Come on, Let's Go」や「Donna(私にとっては10ccなんだけど…)」のヒット曲で知られるRichie Valensの伝記映画。
テレビで見たのか、安いビデオで見たのか覚えていないが、コレが結構よくできていておもしろかった。
この手の映画ではJerry Lee Lewisの半世紀『グレート・ボールズ・オブ・ファイア』ってのもなかなかにヨカッタことを付け加えておこう

St_img_0131映画でRichieを演じるのはルー・ダイアモンド・フィリップス。そりゃカッコいいワイ。
でもね、実際のRichie Valensはハラペーニョ大盛のドンタコス風だ。
この人、不幸にも1959年に飛行機事故で18歳で亡くなってるんだよね。
となるとこの写真は最も年長で撮られたとしても18歳…マジか。

Cd_img_5412<前編>にも記した通り、サントラ盤は映画のワンシーンを使用したジャケット・デザインが多いのであまり書くことがなく、特に最後の方は内容が薄くなってしまった感があるがご容赦頂きたい。
もうちょっと書けたらモア・ベターだったんだけど…。でも、イヤぁ、映画ってホントにいいもんですね。それでは<後編>でPCの前のあなたとお会いしましょう。
それでは皆さん、さよなら、さよならん、さよなら。
そういえば、映画評論家っていう人たちもめっきりテレビに出なくまりましたナァ。
評論すべき映画がないんだろうナァ。

Music Jacket Gallery展示の詳しい情報はコチラ⇒金羊社MJG常設展

<つづく>

※本展示は2013年12月に終了しています。現在の展示内容は上記の金羊社ウェブサイトでご確認ください。
※ジャケット写真はすべて展示品を撮影したものです。また、斜めのアイテムは植村コレクションではなく、私の私物を勝手に付け加えたものです。

2015年8月 6日 (木)

【Music Jacket Gallery】 70'sバイブレーション YOKOHAMA

♪来たぜ横浜、レールに乗って、コリャ暑くてタマらんらん…

10

こんな私でも齢を重ねて来ると人間がこなれて来ましてナ…。
「アツイ、アツイ」と文句ばかり言っていないで、一年のうち今しかない折角のこの季節を今年はジ~ックリ味わって楽しもうじゃないか…と。

結果、アツイ、アツイ、アツイ、アツイ、アツイ、アシイ、マツイ、アツイ、アツイ、アツイ、マシイ、アツイ、アツイ、アシイ、アシイ、アツイ、アツイ、アツイ、マツイ、アツイ、アシイ、アツイ、アツイ、アツイ…ヘヘヘ、コピペして24回言ってやった。暑いから。
ハイ、ここでクイズです。
24回の内、何回ずつ「マ」と「シ」が入っていたでしょうか?…というのが問題。え、もっと「マシ」なクイズを出せって?ムリムリ、暑いんだもん。

もうネ、暑すぎなんですよ。
昔はこんなに暑くなかったよ。
イヤ、暑いにしても、もっと愛がある暑さだった。最近は「暑い」じゃなくて「熱い」もんね。
「昔」っていっても、そうだナァ、例えば1970年代。
気候は今ほど暑くなくてもロックはアツイ時代だったゼ!

20Things Ain't What They Used To Be…昔はヨカッタね…。
そんな昔を呼び戻してくれる展示会に行って来た。
場所は見りゃわかる横浜の赤レンガ倉庫。

308月1日からの開催だが、関係者として、Music Jacket Galleryでおなじみの植村さんに一日早く内覧会に招待して頂いた。

50
『70'sバイブレーション YOKOHAMA』というのがその展示会だ。
そもそもタイトルがいい。
今なら「ヴァイブレーション」って表記しちゃうもんね。70年代にはそんなことしなかった。日本人には「v」も「b」もおんなじだ。

40なんか植村さんの本とイメージがソックリだな…。

10 そう、この展示会はまさに40年前への時間旅行。
ああ、我が青春時代がココに!

601階にはポスターが飾ってあって早くも70年代の雰囲気がただよう。

80メイン会場は1号館の2階。

70
まずは「ヨコハマ・ブルース」というコーナー。70年代の横浜を振り返る。

90私の母は生まれも育ちも横浜で、幼いころからよく訪れていた。そのため横浜にはすごく親近感がある。
そして運命か、はたまた偶然か、生まれも育ちも横浜の人と結婚した。結婚式もこの会場のすぐそばだった。
里帰り出産をしたため、ウチの上の子も横浜生まれだ。
ごく短かい間だったが本牧に住んだこともあった。

まだ伊勢佐木町の商店街に車が通っていた頃の光景を覚えている…。
そう、黒澤明の『天国と地獄』で誘拐犯の山崎努が被害者の三船敏郎にタバコの火を借りるところを目にした刑事の仲代達也が、車の中で「アイツは正真正銘の畜生だ!」と激怒するシーンだ。
コレはもっと小さい時だったから60年代だと思うのだが、横浜のどこかに縁日のようなものが立って、そこに見世物小屋があった。子供ながらにすごく驚いた。
当時、街角には少なくない数の傷痍軍人が立っていた。遠い記憶だ。
だからココに飾ってあった昔の写真をとても興味深く拝見させて頂いた。

100大瀧詠一さんのメモリアル・コーナー。

110多くのスペースを費やしていたのは70年代の歳時記。

130LPジャケットや、コンサートや映画のポスターを使って70年代を俯瞰する。

1401970年というと私は小学校2年生。
当然、映画にも音楽にもまだ興味がなかったナァ。
その時代にはっぴいえんどは「ゆでめん」を出していたんだネェ。
『原子心母』もこの年か…。

1501973年、この頃はまだ映画に夢中だった。
『スティング』のポスターが飾ってあるが、この作品は1973年に制作されて、翌74年に日本に入って来た。
『Band on the Run』は『氷の世界』や『ひこうき雲』や『HOSONO HOUSE』と同じ年なんだね~。160アレ?と思ったのは『燃えよドラゴン』。コレは間違いなく『スティング』より先に日本で公開されているハズ。
ナゼなら、『スティング』は1974年、中学に入ってひとりで新宿ミラノ座に観に行ったし、『燃えよドラゴン』は先日も記した通り小学校の時に父に連れられて観たのを覚えているからだ。
ま、どうでもいいことなんだけど…。
『一触即発』は1974年、続く『ゴールデン・ピクニックス』は1976年、大二さんや森さんが21~23歳の時の作品だ。今ではまったく考えられない。昔の人は本当に偉大だ。

165コンサートのポスター群がスゴイ。
『箱根アフロディーテ』や『ワンステップフェスティバル』等のイベント系のポスターでその内容をうかがい知るのが最高に楽しい。
そして、このZappa!
1976年、内田裕也さんの招聘によりZappaの生涯に一度だけ実現した来日公演。東京は浅草の国際劇場が会場に選ばれ、記者会見は吉原で行われた。青年館は追加公演で、このポスターに出ていない。
一昨日記した銀次さんが見たというリハーサルはこの時のもの。
『JAPANESE GIRL』はビックリした。仲の良い友達が出てすぐに買って聴かせてくれた。「なんて妙な声と音楽だろう」と思った。
『Hotel California』もよく覚えているな。友達から買ってすぐに売った。当時はハードロックに夢中で何とも物足りなかったのだ。それからというのも一度もウチのレコード棚に収まったことはない。
そうか、『Rumors』もこの年か…。今でもしょっちゅう聴いてる。
私的な意見だが、洋楽はこの辺りがピークだったと思う。プログレッシブ・ロックやハード・ロックが飽きられてきて、パンク/ニューウェイブに注目が集まり出したところでロックは進化を終了した。後は順列組合せと電子化、あるいはコンピュータ化で現在に至っている。
「ロックのピーク」、「ロックの黄金時代」は70年代に所属しているのだ。
もちろん60年代後半からここに至るまでのMarshallの途方もなく大きな役割は、今更説明する必要もあるまい。

170こうして1980年までのアイテムが順序立ててキチンと展示されている。

171展示場にはショウケースも設置されていてコンサートの半券などが展示されている。

180コレぞ我が青春。半分ぐらい持ってた…けど、引っ越しの混乱で父が捨ててしまった。
植村さんには遠く及ばないにせよ、映画から音楽にスイッチしてからというもの、お小遣いの類は100%レコードとホントコンサートに費やした。洋服なんかまったく興味がなかった。自分の小遣いでは靴下一足、パンツ一枚も買ったことがない。
それができたのは、70年代があったからに他ならない。それだけ夢中になれるロックがあったのだ。

190皆さんもひとつひとつに思い出があるんだろうナァ…。

195コレも見ごたえ十分だった!

205桑本正士、野上眞宏、迫水正一、井出情児、そして鋤田正義、各氏の写真展示だ。

210どれもこれも「日本のロック」の色香を存分に漂わせている。

230これが30年以上前に撮られた写真か?と疑いたくもなるような生々しさ。

240コンサートの写真も随分変わった。
最近のステージ写真といえば、お客さんを写した写真ばかり…。
または、観客と一緒に収まったミュージシャンの写真ばかりを見かける。その手の写真はこの時代ではマレにしか見ることができない。
恐らく観客を撮っているヒマなどなかったのだろう。ミュージシャンのパワーとクリエイティビティが今と格段に違うのだ。
私の写真を「古い」と言った人がいたが、全然構わないどころかうれしい。
私はこの時代のミュージシャンを撮りまくっていた人たちの写真を目指しているのだ。いつでも鋤田さんのように撮りたい。コレは私流に言わせてもらえば、アーティストへの限りないリスペクトなのだ。
今流行っている撮り方のステージ写真が、このような30年後の鑑賞に堪えられるかどうか…。今の音楽や映画と同じだ。

250ステージ写真だけでなく、アーティスト写真やオフステージの写真も多数展示されている。
いつか書こうと思っていたんだけど、Marshall Blogで使っている写真は転用防止に極端にデータを軽くしてある。だからクォリティがメチャクチャ低いのね。色もタッチもかなり劣化しちゃう。
「ああ、皆さんに軽くする前の元の写真をお見せしたい!」…と常々思っているんよ。
誰かこういう展示会を企画してくれないかな…。タイトルは『写真による、ある音楽バカの奮闘記』だ。

260ココはYMO関連のコーナー。
ちょうど松武秀樹さんがいらしていて仲良しの植村さんにご紹介して頂いた。うれしかった!

265実際にYMOが使用していた楽器や衣装が展示されている。

270好きな人にはタマらんでしょ~?

280やっぱり偉業を成し遂げた人が使う道具というのは威風堂々としてるね。

2901979年にTubesが来日した。
4つほど年上の友人が話していた。「チューブスってのはスゴイらしいよ。今度来日するじゃん?行こうかな…。前座がイエロー・マジック・オーケストラだっていうし…」コレがナゼか印象に残っている。
まだ大ブレイクする前、時折名前が聞かれるようになった頃で、そのすぐ後にYMOが世界的な人気を博そうだなんて、あの時のハードロック仲間の誰が想像したことだろう。

300
で、時代は大幅に下って、数年前Paul Gilbertがニューアルバムのプロモーションで単独来日した時、楽屋で「コレ知ってる?」なんてTubesの曲を弾きながら私に尋ねて来た。Paulと一緒になるとMarshallの話しよりロックの話しになってしまうのだ。
残念ながらTubesを通っていない私は「知らない」と答え、「じゃPaul、コレ知ってる?Tubesが日本に来た時、イエロー・マジック・オーケストラが前座をやったんだよ」と彼に伝えた。
すると彼は「エ?!シゲさん、それ観たの?」とすかさず問い返してきた。
実際にコンサートに行かなかった私は正直に「行かなかった」と答えるとPaulは少し笑って…「失敗したね」と言った。
後悔が倍増した。
320
上下の写真はYMOグッズ。テンコ盛り!

310ワールド・ツアーの写真も飾ってある。香津美さん、若い!
イーストヴィレッジのBottomlineで機材を積み下ろしている写真なんかもあって面白いことこの上なし!

33070年代だけでなく、60年代グッズの展示も用意されている。

340しかし、この時代のロックはスゴいよなぁ。

350他にもこの時代のロックに関するさまざまなグッズが飾ってある。

360ひとつひとつジックリ見ると実におもしろい。

370ミュー・ミュージック・マガジン(現ミュージック・マガジン)の表紙。

380コレは70年代のライブハウスの様子。そうだよナァ、新宿ロフト…こうなってた!忘れちゃうもんだね。もっと写真を撮っておけばよかった。
以前記事に書いたが、先日ロフト跡に行ってみたがどこにあったかハッキリとはわからなかった!

390そして、会場内には青山にあったレコード店、「パイドパイパーハウス」が復活して出店している。
コレもファンにはうれしいところだろう。

400「あ、買えるんだ~!」とうれしそうにCDを選んでいるお客さんが何人もいた。エコバッグ等のオリジナル・グッズも販売してるよ。

410こちらは一階の展示。

425植村コレクションだ。
70年代とくりゃ当然音楽の主役はLPだからね。

430先日の新宿の『ミュージック・ジャケット・ギャラリー』でも展示されたデカ帯!

450
今回は植村さんの著書に合わせて帯つきのLPが集められた。

460私は時折Marshall Blogに書いている通り、80年代に入ってからは時代のロックを自主的にはまったく聴かなくなってしまった。
言い換えればパンク/ニューウェイブ・ムーブメントの後のロック。
または大衆受けを狙った聴きやすいロック。
『ベストヒットUSA』に登場するロックといえばわかりやすいか?
70年代のロックで育った自分にとってはこれらのロックに何の刺激も受けなかったし、おもしろく感じなかった。80年代は私にとっては暗黒時代だった。
今でもいくつかの例外を除いては自分から新しいロックを聴くことはなくて、仕事上聴いて勉強しておかなければならないモノだけを聴いている。
それでもいつも何か面白いものはないか?と探してはいるけどね。
それは決して「新しいモノ」でなくてもいい。70年代のロックに対抗できそうなものであれば何でもいい。
私はこれまでひとりで約1,600を超える記事を新旧のMarshall Blogで書いてきた。
その中で生意気にも「私的ワガママロック論」を近所のガンコジジイのボヤキよろしく日常的に展開しているのだが、そのネタの礎になっているのは1965~1978年ぐらいまでのロックなのね。
もちろんその後に出て来た音楽に全く触れないということはない。特にギター史においては80年代の技術的進化を無視することは不可能だ。
でも基本的には1976~1982年ぐらい、年齢でいえば14~20歳ぐらいの間に夢中になって蓄えたロックの知識だけで勝負している。
ペロリペロリと自分の身体の薄皮を向くように知識や経験を開陳しているのだ。
いつも読んで頂いている方々にはその私の偏狭さをよくご理解頂いていることだと思う。
でも、私はそれでいいと思ってるのね。
ナゼならロックは、70年代半ばまで隆盛を極め、すべてやり尽くしてしまった音楽だと認識することに一切の疑義を感じ得ないからだ。すなわち、70年代のロックを聴いていないのはロックを聴かず、ロックを楽しんだことにはならないのだ。

いとしの「70年代」…ずいぶんと遠くに行ってしまった。

490コレで70年代への時間旅行はおしまい。

500さ、また現実の世界へ戻ろう…。

510『70'sバイブレーション YOKOHAMA』の会期は2015年8月1日から9月13日まで。
ココに紹介した展示物以外にコンサート等たくさんの催し物が用意されている。
同世代の方、あるいはそれ以上の方々、またロックの黄金時代に興味のある若い人…横浜へ行って時間旅行を楽しんできてください。

詳しい情報はコチラ⇒70'sバイブレーション YOKOHAMA公式ウェブサイト

520それにしても暑い…。早く帰ってシャワー浴びよう!

530Marshall BlogのMusic Jacket Galleryはコチラ

(一部敬称略 2015年7月30日 横浜赤レンガ倉庫1号館にて撮影)

2015年7月30日 (木)

MUSIC JACKET GALLERY 2015

最近facebookを通じて、「日本の音楽ビジネスのガラパゴス化」という現象に関する一文を目にした。
日本の音楽業界は「特有の側面を多く持っているがために、外人アーティストの参入や日本企業の海外での成功を妨げている」というのが命題になっていて、その原因を論じていらっしゃる。
書き手はこの業界に長い外人の方。
先方は覚えていらっしゃらないと思うが、実は私はこの方に数回お会いし存じ上げている。と~ても温厚で素敵な紳士だ。
音楽を見て来た環境が大きく異なることが想像されるため、熱心に反駁を加えるのは控えるが(この業界は世界規模でやたらと狭いし)、ひとつ、いや、ふたつ気になったことがあったので記しておきたいと思う。
私は学理的に音楽を分析するのは好きな方だが、ロックあたりで「文化」がどうだの「時代」がどうだとゴチャゴチャしかつめらしい言葉を使って大上段に構えた論議が好きではない。
第一、そんな文章はつまらん。
あ、この方の文章について言っているのではありませんよ。この方の文章の内容はストレートで読みやすい。
…なのでジーサンの言いたいことを上っ面だけ書かせてね。

さて、ひとつは「外人アーティストの参入」を妨げていると診る件について。
コレは日本にロックが普及してしまい、ロックのやり方を覚えてしまったため、ワザワザ言葉のわからない外国の音楽を聴かなくてもよくなったってことでしょうネェ。
それと、元来我々は西洋音楽についてはカテゴリーを問わず、すべて欧米がやることを手本にしてきたワケだけど、ロックに関していえば、パンク/ニューウェーブのムーブメントが収まったあたりから特に手本にすることがなくなっちゃたんじゃないかしら。
もう全部自分でできるもん!ということ。
簡単に言えば、洋楽がつまらなくなったということよ。
いつも書いているように私はゴリンゴリンの洋楽派だ。でも、つまらんものはつまらん。
それに日本人も生活様式や食べ物の欧米化で、ある種白人に近づき、それほど向こうの文化に憧れる必要がなくなったということもあるかもしれない。

でもね、コレは話が反れちゃうけど、キチンとした場所、すなわち紳士がタキシードを着、淑女がイブニング・ドレスをまとうような機会に接した時のあの猛烈な劣等感はマジでツライよ。
みんな色は白く、大きく美しい瞳、長いまつ毛、形のいい鼻梁とさわやかに上がった口角。
手足が長く、背筋がシャキとしていて、腰の位置が高く、男性の場合は肩の線や胸板の張り具合など問答無用でカッコイイ。
そして、自信タップリに腹の奥底から声を出して、歌うように話す自然な英語。
マンツーマンなら何でもない。
何十人にも囲まれて何時間も一緒に過ごしてごらんなさい。酒も入るし、つい自分もそうなっていると錯覚しちゃうんだな。そして、トイレの鏡で己が姿を目にした時の落胆ぶりったらない。
これは『国家の品格(新潮新書刊)』を著した数学者(新田次郎と藤原ていの次男)の藤原正彦氏ですら同書内で触れていた。
マァ、そんな時には「ナ~ニ、連中には着物は着れまい。よしんば着れても似合うまい…」と思うしかない。しかし、考えてみると自分も着物は着れないし、似合いもしないのだ!

話しは戻って…
それともうひとつは、「日本はいまだにCDが主流」ということ。スペシャル・バージョンでひと儲けしたい人やオマケが欲しいファンには好ましかろうが、新人やカルトなアーティストがお店にCDを置いてもらうのに四苦八苦しているという状況が指摘されている。
このあたりは「大きなお世話」でしょう。
コレについは国民性が強くからんでいるんじゃないかしら?
モノに対する感覚っていうのかな?
日本人は肉親が亡くなればお墓を建てて、家には仏壇を据えて、それらを丁寧に愛でることによって故人を偲ぶでしょ。結局モノが好きなワケ。
でも西洋の人は、死んだおじいちゃんが大切にしていた懐中時計一個がありさえすればいいの。一番大切にするのは思い出なのね。
もちろん連中だってお墓は建てるし、今でも火葬を避けたがる傾向が強い。
向こうの人は写真をとても大切にして、やたら飾るでしょ?あれは思い出を飾ってるワケ。モノより思い出の方が大切なんだ。
でも日本人は絶対に「モノ」。だからいつまでたってもCDという実在する「モノ」がスキなの。
「心はかたちを求め、かたちは心をすすめる」
これは稲荷町の仏壇屋のコピーだけど、仏教の何かの経典が出自になっていると聞いた。(その仏壇屋に尋ねた)
仏教で言ってるぐらいなんだから…それぐらいモノを愛でる国民なんですよ。
だから、みんなでCDという「音楽のモノ文化」を守ろう!

今日の本題…CDという親亀がコケれば、いとも簡単にコケてしまうのがジャケットだ。
そのジャケット文化を保護・普及する努力を続けているのが『MUSIC JACKET GALLERY』。
Marshall Blogではもうスッカリおなじみですな?
その特別展が今年も五月に東京で開催された。(開催期間は5月15日~24日)
私は、折悪くイギリス行きと重なってしまい今年はお邪魔することができなかった。
そこで、出展者のおひとりでもある日本屈指のLP/CDコレクター、植村和紀さんに写真を借り受けここにレポートさせて頂くことにした。

05

今年も会場は新宿の高島屋一階のオープンスペース。

10_2内容は今年も開催された「ミュージック・ジャケット大賞」の受賞作の紹介。候補作が50点展示され大賞をはじめとした受賞作品がを発表された。

30_2日本のジャケットデザイナーたちによる作品の数々を、その時代性と芸術性を軸に紹介するコーナー。

40v_2洋楽レコード国内盤のジャケットやオビの展示。
原題から大きくかけ離れた独自の邦題、味わい深い手書き文字によるタイトルデザイン等、洋楽レコード日本盤だけの「オビ付き」ジャケットを展示してその魅力をアッピール。
Roy Woodの『Mustard』が入ってるね。植村さんらしい。

50v_2そう、これらはすべて植村さんのコレクション
言い方を換えれば植村さんの本の現物展示だ。
この本についてはコチラ⇒【Music Jacket Gallery】 植村さんの本!

20v

ドワ~。こんなデカオビも!スゴイな…ナントカダイオウイカを釣り上げたみたいだ!

70v_2さらに、豪華・特殊パッケージをド~ンと展示。2014年に発売された豪華な特殊仕様のパッケージ(初回限定盤、リミテッド・エディション、立体パッケージ、BOX アーカイブ等)が集められた。

80v_2また、今回はジャケット・デザイナーによるトーク・ショーなどが企画され、ピーター・バラカンさんも檀上に上がった。
バラカンさん、『Hot Rats』を手にしてナニを語っていらっしゃるのかな?
氏の著書『わが青春のサウンドトラック(株式会社ミュージックマガジン刊)』や『ジャズ・ロックのおかげです(中山康樹、市川正二共著:径書房刊)』で『Hot Rats』を大推薦されているぐらいだからさぞかし熱意のこもったお話しが聞けたことだろう。
バラカンさんは1970年11月にロンドンでFrank Zappaをご覧になっているという…何ともうらやましい!

90_2他にも、普段見ることのできないCD とアナログレコードの製造過程をプレス工場潜入ムービーと途中生成物を展示してわかりやすく解説したり、音楽Blu-ray Discの映像作品を上映したりと例年通り盛りだくさんの内容でたくさんのお客さんの耳目を集め、ジャケットの楽しさや重要性をアッピールした。
考えてみりゃ、今度Marshall Blogも紹介してもらおうかな…。

昨年のレポートはコチラ⇒MUSIC JACKET GALLERY 2014

さて、盛りだくさんといえば、またまた植村さんがらみで興味深いイベントがもうすぐ開催される。
『70's バイブレーション!YOKOHAMA』と題した展示会。
キャッチ・コピーはこうだ…真夏の横浜・赤レンガ倉庫に70年代ニッポンの音楽とポップカルチャーが蘇る…。
ああ、麗しの70年代。
我がセイシュン時代。音楽の関しては「甘い」の一辺倒、恋愛に関しては「酸い」一筋!
開催は8月1日からだが、7月31日の内覧会&レセプションにご招待頂いたので、しっかり取材をして来たいと思っている。
Marshall Blogの宣伝にもなるかな?

70's バイブレーションYOKOHAMA!の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

100_2
Marshall Blogのミュージック・ジャケット・ギャラリーもよろしく!⇒コチラ

(一部敬称略 2015年5月16日 新宿高島屋特設会場にて撮影 ※写真提供:植村和紀氏)

2015年7月14日 (火)

【Music Jacket Gallery】サウンドトラック盤ジャケット特集<前編>

今回のミュージック・ジャケット・ギャラリーは「サウンドトラック盤」特集。
別項にも記した通り、私は父の影響を強く受け、元来映画が大好きで、映画あるいは映画音楽から音楽の世界に入った。

10_3それにしても、映画の世界も変わり果ててしまったナァ。
アニメばっかりになっちゃった。
昔はアニメは子供のものだった。そこへ1969年、手塚治虫が「大人のアニメ―ション」とか銘打って『千夜一夜物語』を制作した。ものの見事ズッコケて虫プロが傾いちゃったんじゃなかったけ?
手塚治虫はマンガはスゴイけど映像に関してはそれほどでもなかった…なんてことも言われているようだけど、失敗の原因のひとつは「大人はマンガを見なかった」からだったのではなかろうか?
今では大人も夢中になってアニメを見てる。
それと、何から何までディズニーになっちゃった。
興行収益の上位といえば、ここのところもう何年もアニメとディズニーなんじゃないの?(最近の邦画は対象外)
これはひとえにハリウッド映画の凋落が原因だと思っている。
アニメじゃなければCGの人形劇か、過去の名画のリメイクばっかりだ。
俳優も小ぶりになった。
ジェイムス・スチュアートやケーリー・グラントやハンフリー・ボガートのような本当にカッコよくて存在感のあるいい男優が見当たらなくなった。みんな軽い。
女優陣も美人の基準がスッカリひん曲がってしまって、グレース・ケリーやエリザベス・テイラーやデボラ・カー型の真性美人女優がいなくなっちゃった。
さらに、ピーター・ローレやアーネスト・ボーグナイン、マイケルJ.ポラード、あるいはジョン・カザールみたいな優れた性格俳優も見なくなった。
これは、作る映画の質が低くなったからなのではないか?いい作品がないから役者が育たない。必要ともされない。
では、いい映画とは何か?
それは「いい脚本」から作られる映画ということだ。
コレはヒッチコックや黒澤明も言っている。
ヒッチコックはストーリーを明解にするために短編小説しか素材に用いなかったし、『七人の侍』の脚本を書いた黒澤・橋本・小国のコンビネーションは世界の映画人がうらやんだという。
音楽でいえばメロディだ。
いいメロディがなくなってしまった今の音楽界と状況がよく似ている。

そんなだからとにかく映画を観なくなった。
子供の頃はアカデミー賞の結果を楽しみにしていたものだが、全く興味が失せてしまった。バカバカしくて…。もうだいぶ前になるけど、昔アカデミー賞の授賞式の会場に使われていたLAの「シュライン・オーディトリアム」に入った時は大興奮しちゃったぐらいなんだから。
まず最初の脱線。
この会場ではStan Getzのライブ・アルバムなんかが録音されているが、Genesisが『GENESIS ARCHIVE 1967-75』というボックスセットに、1975年1月24日にここで全曲演奏した『Lamb Lies Down on Broadway』の音源を残している。


しっかし、音楽でも映画でも、文句ばっかり言ってるナァ…。でも私は映画も音楽も心から愛しているのだ!
でも、いくら新しくても「いいものはいい」と言いますから。最近では五月にロンドンへ行く飛行機の中で観た若年性アルツハイマーの恐ろしさをテーマにした『アリスのままで(Still Alice)』というのがヨカッタ。
主演のジュリアン・ムーアやアレック・ボールドウィンの演技が素晴らしかったし、映画自体テーマにふさわしくコンパクトに、そしてとても丁寧に作ってあっ好感が持てた。

20_2そんな映画好きなものだから、MJGが「サウンドトラック特集」を企画していると聞いて「コリャ、記事を書くとなったら紙幅がいくらあっても足りないぞ…」と思ったりもしたが、植村さんには恐縮だが、そうはならなかった。
…というのも、映画の作品自体にはそれぞれ色々と思うところがあるのだが、「サウンドトラック盤のジャケット」ということになると、特段語るべきことが見つからなかったのだ。
なぜなら、コレは当然のことなのだが、サントラ盤のジャケットはその映画の有名なシーンのスチール写真やロゴやタイトル等々、映画のイメージを一発で想起させる意匠をそのまま使うのが普通だからだ。
要するにサントラ盤のジャケットのためのオリジナルのアイデアというものがほとんど見当たらない。
コレは仕方ない…というより他にやりようがない。
それでも好きな映画を中心にゴチャゴチャやってみた。
尚、展示は2013年10~12月のもので、現在の展示アイテムではないことを予めご了承ください。

では…

『E.T.』のサントラ盤とくれば、この指先を合わせるシーンか、例の満月をバックに自転車が空を飛ぶシーンということになるわな~。
コレは丸の内ピカデリーへ今の家内(今も昔もひとりだけです)と観に行った。ものすごく混んでいて、前から2列目ぐらいの席だった。
この頃のスピルバーグはヨカッタね。『激突(コレ、原題は「Duel」という。つまり「決闘」ね。そっちの方が良かったのでは?)』を見よ!デニス・ウィーバーよかったナァ。
『ジョーズ』、『未知との遭遇』、『レイダース』、そして『E.T.』。この辺りがピークかと思いきや、『シンドラー』でまたかましてくれた。
でも、私にとってのスピルバーグはここまでだったかな。
『戦火の馬』とかいうのを飛行機で観たけどツラかった。

帯に「ロードショー」誌のロゴが見える。私は「スクリーン」派だった。今にして思うと、よくもこんな洋画の専門誌がしのぎを削る時代があったもんだ。
ロードショー誌は2009年に廃刊になったそうだ。

40_3コレも家内と映画館で観たな。どこの映画館だったか覚えていない。
まさにこのジャケットなんかはコレ以外やりようがないでしょう。
この映画はおもしろかった。
「♪ゴッ~トバッタ~ズ」という主題歌もはやった。
この曲ではまったくその片鱗を見せないが、Ray Parker Jr.はカッティングの達人で、Herbie Hancockの『V.S.O.P.』ではすさまじいプレイを聞かせてくれる。

50_2このオムニバス映画はタイトルがアニメーションで、それがすごくヨカッタ。
でも映画自体はどうってことなかったことしか覚えていない。

60_2『ウエスト・サイド物語』は中学1年の時に日比谷のスカラ座にひとりで観に行ったことをよく覚えている。
あの頃はそういうオリジナル映画かと思っていた。
つまり、ミュージカル映画のほとんどがブロードウェイやウエスト・エンドの舞台がオリジナルであることを知らなかったのである。子供だったから。
『West Side Story』は1957年のブロードウェイで初演された。
そして、映画は1961年の公開。
妖しい口笛のメロディ。黄、赤、青と刻々と変わる画面に不規則に描かれた縦の線。
そこへいきなり入ってくるオーケストラの爆音!
その縦線が遠ざかって行くのと同時に現れるタイトル。そしてその縦線がマンハッタンの摩天楼だったことがわかる。
なんて、いかにも正確に覚えているように書いているけど、一部DVDで再確認した。
でもはじめて観た時は感動したナァ。全身にトリハダが立った。
このジャケットも映画のロゴを使わざるを得ないでしょう。


美術はソール・バス。いかにものデザイン!素晴らしすぎる。
ソール・バスの映画でのいい仕事を挙げたらきりがないが、特にヒッチコックの『北北西に進路をとれ』、『めまい』、『サイコ』がカッコいい。ヒッチコックとの仕事はこの三本だけだったそうだ。
もっとあってもよさそうなのに…。加えてこのあたりのバーナード・ハーマンの音楽も最高!
他にも私の大好きな『攻撃』、また『黄金の腕』をはじめとしたオットー・プレミンジャーの諸作、『シャイニング』のポスターとかね…挙げ出したらキリがない。
スピルバーグの『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』もそう。コレなんかスピルバーグがソール・バスにタイトルを作ってもらいたいがために制作したんじゃないかとさえ思っちゃう。
180_2
ちなみにこの京王百貨店の包装紙はソール・バスの仕事であることはよく知られている。ミノルタや紀文のロゴもソール・バスの手によるものだ。

Keioさて、『ウエスト・サイド物語に』もどって…。
当然上のサントラ盤のLPは持っているんだけど、チェックしてみたらCDは持っていなかった。
代わりにこんなのいかが?
コレは大阪の難波のレコード屋さんでヘロヘロになりながら売られていたシングル盤。100円か200円だった。
オリジナル・ブロードウェイ・キャストのレコーディングで「America」と「I Feel Pretty」のダブルA
面。
もう一枚同じデザインで「Tonight」のシングルがあったんだけどどっか行っちゃった…。

J_s41a7792下は私が持っている『ウエスト・サイド』色々。
上段左から…
●穐吉敏子=Charlie Mariano
●Dave LiebmanとGil Goldstein
●オリジナル・スコアを使ったナッシュヴィル交響楽団の全曲集
下段へ移って…
●Richie Cole
●定番のOscar Peterson Trio

別に意識してるワケではないんだけど、何となくこうして集まってしまう。
…というのはやっぱり素材がズバ抜けていいからなんだろうね。
私はこのレニーの代表作は、人類が作り出すことのできる「いい音楽」の限界のひとつだと思っている。これ以上いい曲を作るのは不可能なのではないか?
ミュージカルという括りで言えば、一般的ながら『サウンド・オブ・ミュージック』も『マイ・フェア・レディ』も『メリー・ポピンズ』もはたまた『ロッキー・ホラー・ショウ』もそれぞれ鉄壁の名曲で固められているけど、レニーにはかなわない。
その完璧さゆえか、下の各再演盤のほとんどが原曲をなぞっているだけに等しい内容になっているのが面白い。
かのDave Liebmanですらかなりオリジナル・メロディを忠実に奏でていて、いつものLiebman節があまり出て来ない。もっともそういうコンセプトで制作をしているんだろうけど…。
そこへいくとOscar Petersonの作品はかなり大胆なアレンジで挑戦していて、そこが定番たる所以なのかもしれない。
Richie ColeのヤツはVic Jurisのギターがぶっ飛んでいてカッコいい。
Toddも「Something's Coming」を演ってたね。

J_s41a7789ヒッチコック大好き。
登場人物はきれいに着飾った正統派美男美女ばかりだし、短編小説しか題材にしない脚本はよく書けているし、音楽は濃密だし、撮影は奇想天外だし…すべてヒッチコックの演出のなせるワザ。
映画本来の魅力が全部詰まってる。
この人もイギリス人。
アールズ・コートの住居跡にはブループラークがかかっているらしいが、五月に行った時チェックするの忘れた!
左下はヒッチコックの名言『It's only a movie』をタイトルにした伝記本。
1945年の『白い恐怖(Spellbound)』の撮影の時、当時大プロデューサーだったデヴィッド・O. セルズニックが送り込んだテクニカル・アドヴァイザーが気に入らなかったヒッチコック(ヒッチコックは撮影技術の大家)は、あるシーンを訂正しようとするそのアドヴァイザーに向かってこう言った;
「マァ、キミ、こんなのたかが映画じゃないか(my dear, it's only a movie)」
カッコいい~!彼ほどの巨匠がそう言ったのである。Mick Jaggerからさかのぼること約30年前のことだ。
で、この伝記は「ヒッチコックが好き」と言ったのを覚えていてくれたHal Leonardの社長が日本に来る時にお土産でプレゼントしてくれた自社取扱い商品。
プレゼントもさることながら、自分が言ったことを覚えていてくれたのがうれしい。あと、彼は私がFrank Zappa&ジャズ・マニアということも知っている。
お嬢ちゃんがShige Blog出ているので、パパに敬意を表して紹介しておこう⇒コチラ

J_s41a7823 ああ、また出てしまった。
この映画は一体何回観たことか…。
ジャケットのスチール写真はジョー・バック(ジョン・ヴォイト)とラッツォ(ダスティン・ホフマン)が自分たちが住処にしていた廃屋が解体されるのを茫然と眺めているシーン。
ジョーが寒そう。外套を買う金がないのだ。
この映画についてはもう何度かMarshall Blogに登場していて、もうここで書くことがないので、過去の記事を紹介しておく。
我ながらお気に入りの記事だ。Nilsonのところだけでも拾い読みして頂ければ幸いである。

Music Jacket Gallery~日本独自ジャケットLPコレクション<前編>  

前回、『乗り物ジャケット』の時にこの作品については『サウンドトラック盤』特集の時に触れる…と書いたのでもうチョット触れる。
それは、お定まりのNilsonの「Everybody's Talkin'(邦題:「うわさの男」)」のこと。まただ。でも書きたい。
この歌は、「自分の好きな服装にマッチする太陽が輝く気候のところに行くんだ。小石のように大洋をひとっ飛びするんだ!」というようなことを歌っている。
で、この曲は映画の最初と最後でガツンとフィーチュアされるんだけど、最初は田舎から飛び出して、ニューヨークで有閑マダムを相手にするハスラーを目指すカウボーイ姿のジョー・バックのために使われる。
そしてエンディングでは、健康のために陽光を求めてフロリダに向かうバスの中のアロハ・シャツ姿のラッツォのために流れる。
スゴイなぁ、ジョン・シュレシンジャー。この人、イギリス人だったのね?
コレ、英語の歌詞がリアル・タイムで理解できれば涙倍増でしょうな。私は違いますが…。
帰国子女のような英語の達人を除いて、残念ながら大抵の人は欧米の文化を本当に楽しんでいるとは言い難い。私も含めてですが…。でも努力はしてます。
そう考えるとドメスティックなエンタテインメントに人気が集中するのもムリはない気がしてきた。

70_2「ニック、ニック、ニック!」
この単車がカッコいいといって、小学校の時にクラスで流行った。
でも私はこの映画はあまり好きじゃなかったな。
だって面白くないんだもん。
それと、重厚なハリウッド映画をそれまでにもタップリ観ていたので、アメリカン・ニュー・シネマってのはどうもチープでタイプではなかった。
先の『真夜中のカウボーイ』や『俺たちに明日はない』もアメリカン・ニュー・シネマのひとつに数えられるけど、つ出来はすっかり別物だ。
だから、私はこの映画を小学校の時以来観ていない。
でも印象に残っているのはジャック・ニコルソンがウィスキー(バーボンかな?)をラッパ飲みして、たたんだ肘をバタつかせてこう叫ぶところ…ニック、ニック、ニック!

ところでコレは完全に映画『イージー・ライダー』のサントラ盤の体をしているが、The Byrdsの『Ballad of Easy Rider』というアルバム。

80_2オリジナルのジャケットはこんな感じ。我々世代にはDoobie Brothersでおなじみの「Jesus is Just Alright」がこのアルバムからシングル・カットされている。この曲のオリジナルはゴスペル方面。

Balladridercover『イージー・ライダー』の正式なサントラ盤はこっち。
サウンドトラック盤というのはフィルムの音の入った部分を音源として独立させたものを指すため、そのことを鵜呑みにすれば、映画の内容とサントラ盤の内容が合致するハズなのだが、現実はゼンゼンそうはいっていない。
一番わかりやすい例は『ウッドストック』のサントラ盤であろうか。
あのLP三枚組はフェスティバルのライブ盤という扱いであればアレはアレで立派に成立する作品だと思うが、盤には「Music from the original soundtruck and more」と謳ってある。
いくら「more」と記してあってもゼンゼン内容が違うでないの。
その点この『イージー・ライダー』のサントラ盤は、映画の内容を可能な限り代弁すべく、進行に沿って曲が収められているそうだ。
これらの曲は、この映画の編集を担当したドン・キャンバーンという人がオートバイのフィルムを何時間も見て、そこからインスピレーションを得、自分のレコード・コレクションの中から選曲した。そして、その使用料たるや百万ドル(当時のレートで3億6千万円)にも上り、映画の製作費より高かったとか…ホンマかいな。
しかし、それだけこの映画における音楽の重要性が高く、また、ベトナム戦争が背景にあった1969年当時のロックに力があったことを示しているということだ。
Bob Dylanもこの映画の制作に協力も求められたが乗り気ではなく、イヤイヤ「It's Alright, Ma」という曲を提供し、The ByrdsのRoger McGuinnに演奏させた。
それだけでは満足できぬと制作サイドは曲を書き下ろすようにDylanに依頼する。
Dylanは「Ballad of Easy Rider」の一番だけをサラッと書いて制作サイドに告げた。
「マッギンに渡してくれ。そうすれば彼はどういうことかわかるハズだ」
ヤル気ね~!
Roger MuGuinnは曲を完成させて演奏した。
また、映画の中ではThe Bandの「The Weight」も使用されているが、サントラ盤への収録許可が下りなかったため、Smithというバンドが演奏したバージョンに差し替えられている。
Jimiは邦題で笑いが取れる曲のひとつ、『Axis: Bols as Love』から「If Six was Nine」が選ばれた。その邦題とは「もしも、もしも」。
カメか?このネタは三宅さんとジミの話しをしていると時折話題に上がる。
ま、何と言ってもこの映画の音楽で一番得をしたのはSteppenwolfじゃないかね~?「いつものラーメン」はさぞかし美味だったことだろう。
でもね、出て来る度に毎回かいているけど、このカナダのバンドは海外ではモノスゴイ人気だったんだってよ。

90_2今の時代、「いちご白書をもう一度」は知っていても、『いちご白書』を知らない人は結構いるのでは?この映画、原題を『The Strawberry Statement』という。
…なんてエラそうに言う私もこの映画は観ていない。
やっぱりCSNの曲が使われている。この時代のCSN強し!
観たこともないのにこの映画を取り上げたのは主題歌になっている「Circle Game」が好きだったから。
小学生の時、ラジオで聴いてBuffy Saint-Marieの激ちりめんビブラートに驚いた。
「ウワ!歌ヘッタ~!」って。
歌詞は「♪ロンドンロンドンロンドンサーコーゲー(←こう聞こえた)」しかわからなかったけれど、曲がものすごくよくて、メロディをすぐに覚えてしまった。
後に『Ladies of the Canyon』でJoni Mitchellのオリジナルを聴いたが、どうも違う。イヤ、全然違う。
三つ子の魂百まで…いまだにJoniが演奏するこの曲を聴くと「間違えて歌っている…」ように聴こえるのだ。

しかし、昔はこういう学生運動の映画なんてのがあったんだね。忘れていたよ。
音楽もしかり。
演る方も聴く方も、今こそ若者に頭脳警察のパワーを知って欲しい。

100_2「ア~イム・スパルタカス!」…キューブリックも好きだァ。
『スパルタカス』も『現金~』も『ロリータ』も『博士~』も『オレンジ』も『バリー・ロンドン』も『シャイニング』も『アイズ・ワイド~』も大好き。
『バリー~』からはリアルタイムで映画館へ観に行った。
何しろ『シャイニング』の舞台となったコロラドのホテルまで行ったけんね(ついででだけど)。
この『2001年宇宙の旅』ももちろん大好き。さっぱりワケがわからないんだけど、いつもジックリ観てしまう。
トム少佐は出て来ないけど、David Bowieの「Space Oddity」はココから。タイトルからしてもいかにも…。
それに、この映画の準主役、HAL-9000というコンピュータがあるでしょ?殺人コンピュータ。
あの「HAL」という名前はIBMの先を行くということで、I・B・Mの一文字ずつ前のアルファベットを採ったと言われているけど、違うんだって。
このHALはHercuristically programed ALgorithmic computerの略で「発見的学習能力をプログラムされたアルゴリズム・コンピュータ」という意味なのだそうだ。
IBMはキューブリックがコンピュータに殺人させたことがお気に召さず、このHALの語源のくだりも快く思わなかった。そんなもんだから、映画の中に映っていた会社のロゴを全部取り外すよう要求し、社員にもこの映画を観ないようにしたそうだ。大人げないナ…。
一方、PAN AMはこの映画に協力的で、キューブリックの要請に応じてロゴの使用を快諾した。あのスチュワーデス(キャビン・アテンダントっていうのか…?)の制服にPAN ANのロゴが付いているのはこのせい。
ところが、皮肉なことにパンアメリカン航空社はこの映画の舞台の10年前の1991年に破産してしまった。
昔、あのPAN AMのロゴの入ったバッグを持っている人をよく見かけたよね。「海外旅行行って来ました~!!!!」のサインだったんね、アレは。

キューブリック作品はいつも音楽がすごいでしょ?映像的なパワーを持っている。
『2001年』では何と言っても印象深いのは「ツァラトゥストラ」と「美しき青きドナウ」でしょう。リヒャルトとヨハンのシュトラウス・コンビ。
ワケはわからなくても「ツァラトゥストラ」の「♪ドンガンドンガン」で猿が一発で進化してしまいそうな猛烈なパワーを感じさせる。
宇宙船の「ドナウ」もしかり。
このサントラ盤、『第2集』とある。サントラ盤で連作?
確かにこの映画のサントラ盤はいくつかバリエーションがあったようだ。それで、劇中で使われているクラシック曲をフル・レングスで収録してあるバージョンはとても一枚には収まり切らず、こうして分割されたようだ。
他にもリゲティやハチャトゥリアン(あの「剣の舞ね」)といったクラシック曲がこの映画には使われたワケだが、実はこの映画のために書き下ろしたオリジナル・スコアがあったそうだ。
作者はアレックス・ノースという映画音楽作曲家。
キューブリックは、アタリで使っていたそれらのクラシック曲をそのまま本チャンに使ってしまったのだ。
ノースがこのことを知ったのはプレミアの時だったというのだから残酷な話しじゃあ~りませんか。
しかも、これには後日譚があって、「キューブリックは音楽の使い方に失敗して作品を台無しにしてしまった。もし、キューブリックがノースの作品を使っていたら『2001年』はもっとスゴイ作品になっていた」という人が現れた。
これが通りいっぺんの映画評論家かなんかだったら何の騒ぎにもならないが、この発言の主が、「超」がいくつも付く一流の映画音楽作曲家ジェリー・ゴールドスミスだったのである!
私はキューブリックに付いて行きます。

さて、このジャケットにある宇宙ステーション。機内で乗組員がジョギングするシーンがあるでしょ?あのセットだけで、当時の金額で2億7千万円(1$=360円換算)もかけたんだって。
1969年にアポロが月に行った時、あの月面着陸の映像は、実はキューブリックがどこかのスタジオで撮影したというまことしやかな噂が立った。そして、アームストロング船長が地球に帰って来て受けた最初のインタビューでその質問が出たという。
何しろこの話しをネタにしたような『カプリコン1』という映画もあった。アレのテリー・サバラスは最高だった。ジブリの『紅の豚』という作品の主人公のキャラクターは完全にアレが元ネタでしょ?だって声(森山純一郎)が同じだもんね。
で、アポロ11号のアームストロング船長は「フェイクより実際に月に行く方が簡単だ」と答えた。もし、キューブリックに任せておいたら本当に月に行くより費用がかかっていたかも知れないからね!
そういえば「月の石」見に行ったナァ。万博じゃないよ、上野の科学博物館。ウチは万博へは日帰りで行った。アメリカ館の長い行列に並んでいる時間なんかなかった。
ちなみに、万博が出て来る山田洋二の『家族』というロード・ムービーはおススメですぞ!

ところで、この映画はある種オムニバスのように内容をいくつかに割っていて、最後は「木星と無限のかなた(JUPITER AND BEYOND THE INFINITE)」という章で終わる。
何やら宇宙の大パノラマを主人公が暴走し、光の中に突入する(このシーンの撮影が一番大変だったらしい)と、そこには年老いた自分とモノリス、そして胎児がいた…みたいなサッパリワケがわからないシーンだ。ま、クライマックスといえばクライマックス。

一方、Pink Floydに『Meddle』っていうアルバムがある。あのブッチャーのテーマが入っている『おせっかい』ね。
このアルバムのB面は23分半にも及ぶ大作「Echoes」が占めている。
昔、四人囃子はこの曲を完璧に演奏できるバンドとして有名だったのだが、この「Echoes」という曲、実は『2001年』のその最後の章、「木星と無限のかなた」と完全にシンクロしてるっていうのよ。
言い換えれば映画の中で起こっていることを音にしたというのね。確かに歌詞にもそんなくだりがある。
「ホンマかいな?」と思って、早速DVDとCDを引っ張り出して来て、DVDに合わせてヘッドホンで「Echoes」を聴いてみた。しかも2回!
こんなことしてるからMJGの記事を書くのに膨大な時間を要してしまうのです。でもコレが楽しい!
できればひとりでも多くの人に読んでもらいたいのです。

さて、やり方は簡単。DVDの音を消して、チャプター機能を使って「木星と無限のかなた」まで飛ぶ。そして、そのタイトルが現れた瞬間に「Echoes」に合わせておいたCDのPLAYボタンを押すだけ。
画面は宇宙、音は例の「ピッ、ピッ」…。
コレが異常にピッタリくる。数か所画面に合わせてサウンドが変わるところもあるような気もしてくる。Nick Masonのドラムがいつもよりインテリジェントに聴こえる。
そして、そのまま見て、聴いていくと…ナント!映画と曲がまったく同時に終了するのよ!
コレ知ってた?有名な話しなのかしらん?今度、大二さんに会った時に訊いてみよう。
マ~ジで驚いたわ!
やるナァ、Floyd、『死刑台のエレベーター』よりスゴイわ。

関係ないけどよくテレビの右下の丸い小さな枠で別の映像を流すでしょう?芸能人水泳大会みたいなヤツ。最近、テレビでアレを指して「ワイプ、ワイプ」って呼んでるけど、正しくは「アイリス」っていうんじゃないの?映画用語。

110_2「ジャケット」といっても上着のことでもレコードのことでもない。
『フルメタル・ジャケット』とは「被覆鋼弾」という弾丸の種類の名前で、鉛でできた弾芯を真鍮で覆ったモノを指す。このジャケットに見られるヤツがそう。
このタイプの弾丸は貫通性に優れていて、軍用ライフルにはこの弾丸が使われる。一発で仕留めるためだ。
ナニを?
「人を」…だ。
だからヘルメットに書いてある…「BORN TO KiLL」って。
その横にはピースマーク。一種の撞着だろう。またはイヤミ。これは反戦映画だから。
ところで、日本人は鉄砲の弾丸を「タマ」と一口に呼ぶが、英語では「弾丸」と「薬きょう(cartridge)」とに分けて呼ぶ。
すっ飛んで行くヤツが「弾丸」だ。英語では「bullet」。
スティーヴ・マックィーンとジャクリーン・ビセットの『ブリット』がコレ。サンフランシスコの街の傾斜を利用したカーチェイスが壮絶で、サンフランシスコに行った時、現地の人にチョットだけロケ地を案内してもらってうれしかった。
そういえばこの映画も父に教わった作品のひとつ。
で、この「bullet」という言葉は「ブリット」でも「バレット」でも、恐らくネイティブには通じないだろう。
「ビューレット」と発音すればOK。
だから新幹線のことは「弾丸超特急」として、英語では「Bullet Train」と呼ばれている。
かつて、日本テレビの朝の番組に外タレが出演して、「日本で何がしたいですか?」の問いに「新幹線に乗りたい」と答えたところ、通訳が「ブルー・トレイン乗りたいそうです」と誤訳していた。
この時は「勝った!」と思った。
「Bullet Train」を「Blue Train」と聞き間違えたのだ。

さて、音楽を担当したAbigail Meadとは、キューブリックの末娘Vivianのペンネーム。
そのオリジナル曲の他にキューブリックは時代観を出そうとして、1962~1968年までのBillboardのTop100に入った曲を何百曲も聴いて選び、映画に挿入した。
The Rolling Stonesの「Paint it Black」やThe Dixie Cupsの「Chapel of Love」(60年代に活躍した黒人女性のコーラストリオ。Dr. Johnの名盤の誉れ高い『Gumbo』の一曲目の「Iko Iko」はニューオーリンズの伝承歌で、Mac Rebennac=Dr.Johnより先にkixie Cupsが歌って有名になった)の他に日本ではお世辞にも「良く知られた」なんて言えないマイナーな曲たちだ。
キューブリック曰く「あの映画には1968年以降の曲は一曲もないハズだ。」
舞台となったのが1968年のベトナムだったからだ。でも、確か、この映画の後半の狙撃兵のシーンはロンドンで撮影したと聞いた記憶がある。
キューブリックはイギリスが好きでブルックリン生まれながらイギリスで息を引き取っている。

このサントラ盤のジャケットも宣材物がそのまま転用された格好だ。
このヘルメットのイラストが際立つようにワザと真っ白の背景を選択したそうだ。

まだキューブリックいい?音楽がらみ。
やっぱりどれもセンスがいい。『オレンジ』のベートーベンとか「Singing in the Rain」、『博士』の「また会いましょう(We'll Meet Again)」とかね。
この人の音楽の使い方の特徴は、黒澤明が『生きる』で思いっきりやったように、「対位法」っていうのかな?…悲惨な場面に明るい音楽をかぶせるのが得意なんだよね。
それとクラシック。
ドンズバの『バリー・リンドン』はもちろんグッド。『シャイニング』ではシュトックハウゼンやペンデレツキやリゲティの現代音楽をウマく使った。
そして案外好きなのが遺作となった『アイズ・ワイド・シャット』。
ここでもハンガリーの作曲家リゲティの作品が使われている。「ムジカ・リチェルカータ」というピアノ曲がそれで、たった2つの音が行ったり来たりするだけで恐ろしく不気味な雰囲気を醸し出す。
イヤ、そういう風になるようにキューブリックがうまく使ったんだろうけど。
そして、ヤラれたのはショスタコーヴィチ。
月並みでお恥ずかしいのですが…「ジャズ組曲 第2番ワルツ2」ってヤツ?ジンタだよね、ジンタ。この場末の飲み屋のBGMでかかってるような曲をうまく使うんだよな~。
アタシャこれを知って、すぐにショスタコーヴィチの27枚組のCDボックスを買ったわ。交響曲、協奏曲、弦カル、ソナタ、どれもいいわ!
教えてくれてありがとう、スタン!

120_2戦争つながりで『地獄の黙示録』。
コレもサッパリわからなかったな。話しはわかるんだけど、だからナンダ?的な。
映像はスゴイ。さすがのコッポラ。
音楽は「The End」と「ワルキューレ」に尽きる。音楽自体の出来も素晴らしいんだけど、その使い方がやっぱり芸術的にスゴイよね。

ところで、ベトナム戦争をテーマにした映画の音楽ってナゼか当時のロックが頻繁に使われるよね。オリジナル・スコアがフィーチュアされることはまずない。
これはどうしたことだろう。
ひとつは「時代感」を出すためだろう。
そして、もうひとつはベトナム戦争の主役は「若者」だったということなのだろう。その若者の文化の象徴であるロックを画像にシンクロさせて現実感を出したんだと思う。一種の「対位法」だ。

こういう映画はもちろん「反戦」をアッピールして作っているワケなんだけど、「戦争狂い」のアメリカが作っているのはいかがなものか?…色々なことを知って来るとそんなことを考えてしまう…特に最近のアメリカを見てると。
フランク・キャプラの『素晴らしきかな人生!』や『スミス都へ行く』のように「アメリカは素晴らしい!」、「自由って素晴らしい!」、「正義って素晴らしい!」とアメリカン・ヒューマニズムをアッピールした映画が1930~1940年代にはたくさんあった。勧善懲悪の時代劇みたいなものだ。
恥ずかしながら私もキャプラは大好き。『或る夜の出来事』なんてタマらんよ。
つい「ああ、自分もアメリカ人に生まれたかった」と思ってしまう。
ところが、そういう「素晴らしい(はずの)アメリカ」の裏では、黒人やマイノリティに対し、壮絶な人種差別をしていていたワケでしょう。
他にもある。
例えば『12人の怒れる男』や『アラバマ物語』。
黒人擁護の、すなわち白人は立派である…みたいな映画をジャンジャン作った。今となってはイビツな「ノブレス・オブリッジ」に映る。

『アラバマ物語』をご覧になった方はいらっしゃいますか?
本題に入る前にひとつ…この『アラバマ物語』、いよいよ邦題がメチャクチャで、Lynyrd Skynyrdの伝記みたいだもんね。舞台は南部だけど、サザン・ロックは一切出て来ない。
原題はピューリッツァー賞を受賞した原作「To Kill a Mockingbird(モノマネ鳥を殺すこと)」と同じ。
この映画の主人公は、グレゴリー・ペック扮するアティカス・フィンチという弁護士で、人種差別の嵐が吹きすさぶ南部にあって立場が圧倒的に弱い黒人を弁護する役柄なんだけど、2003年、アメリカでこういうアンケートがあった。
「あなたが考えるアメリカン・ヒーローは誰ですか?」
リンカーン?
クラーク・ケント?
ビル・ゲイツ?
R2D2?
答えはナント、つまりアメリカン・ヒーローの人気ナンバー・ワンはアティカス・フィンチだった。
ホンマかいな?「作り」じゃないの?
コレ、すなわちこうした「アメリカ=いい国」のプロパガンダ映画がいまだに世代を超えて支持されていることを示しているのではなかろうか?…なんていう風に見えて来ちゃう。
おもしろいので、次点以降を記しておくと…
*インディアナ・ジョーンズ
*ジェイムズ・ボンド(イギリス人なんですけど…。ショーン・コネリーはスコティッシュ)
*リック・ブレイン(ハンフリー・ボガート扮する『カサブランカ』の主人公。「サム。その曲は弾くなと言ったろう!」の人ね。あれってヒーローなのかな?)
*ウィル・ケイン(『真昼の決闘』のゲーリー・クーパー。クーパーもイギリス人。ダンスタブルというMarshallから車で30分ぐらいの街の出身)
*クラリス・スターリング(『羊たちの沈黙』のジョディ・フォスター。彼女は私と同じ年で生年月日が一日違いだ)…とマァ、おなじみの名前が続く。
おもしろいのは、他国の人でも平気で選んじゃう。オスカー・シンドラーなんてのも13位に入ってる。
反対に悪役版もあって、一位は「レクター博士」だって。
以下…
*ノーマン・ベイツ(『サイコ』のアンソニー・パーキンス。「ベイツ・モーテル」ね)
…以上二人、精神異常者。
続いて…
*ダース・ベイダー
*西の魔女(誰だ。こんなの選んでんの?『オズの魔法使い』だよ、コリャ)
*ラッチト看護婦(『カッコーの巣の上で』のルイーズ・フレッチャー。日本だったら絶対に出て来ない)
*ポッターさん(『素晴らしき哉人生!』のクソじじい。でも、このライオネル・バリモア演じる意地悪ジイさんが本当に意地悪そうでいいんだな~)
…とマァ、こんな感じ。
どちらかというと悪役の方がおもしろい。ヒーローよりもはるかに役の振り幅が大きいからね。悪役に魅力がない映画はおもしろくない。
私が役者だったら断然悪役をやりたいな。
おかげさまで「悪人面」ではないので、見た目はいい人だけど、本当はエライ悪くてなにを考えているのかわからない…みたいな。誰だ?それなら地でイケるなんて言ってるのは?!

私だったら誰を選ぶかな…。今の気分だと、ヒーローはまたしても『攻撃』のジャック・パランス扮するコスタ大尉(「大尉」はアメリカ英語で「lieutenant」。コレ発音がメッチャムズカシイ。アメリカ式に発音すると「リューナン」みたいな。これに「Colnel」がついて「Lieutenant Colnel」になると「中佐」。私の同じ年のアメリカ人のイトコ、Danielはアメリカ空軍にかつて従軍していて、数年前に退役した。最終の階級はこの「Lieytenant Colnel」だったと電話で話していた。このことを普通のアメリカ人に話すとかなり驚く。私の年で、つまり当時40代後半で「中佐」になるのはかなりのエリートで、しかも25年勤め上げているとなると、退役後は信じられないぐらいの厚遇が待っているそうである。うらやましいな~。でも転勤ばかりで本当に大変だったと言っていた。頭もかなり薄いらしい。コレは母方のジーさんに似ちゃってるんだ~)
エー、どこまで行ったっけ?(Whre am I?)
あ、悪役だ。
悪役も『攻撃』から選ばせて頂く。ただし、それは臆病で部下を見殺しにしたエディ・アルバート扮するクーニー大尉ではなく、その上司のバートレット中佐。自分の利益しか考えないから。
『攻撃』はDVDにもなっているようなので、男女を問わず会社勤めの皆さんはゼヒ一度ご覧あれ。

イヤ~、今日は脱線が激しいな。思っていた通りだ。
ハイ、今日の〆。
最近の日本の世情と絡めるに、もうアメリカはウンザリだ。
犬神サアカス團じゃないけれど、いい加減「アメリカ病」を治療した方がいい。
今でも12月24日になるとアメリカでは『素晴らしき哉人生!』がテレビで放映されるとか…。かく言う私も何回観ても泣きますよ。この後また観ても多分泣くわ…。
良きにつけ、悪しきにつけ、それだけ映画というのは力を持っているのだ。
そして、いつの世も変わらないのはマーブロの脱線話しだ。
今日はチョット締まりが悪うございました。

130_2<中編>につづく

Music Jacket Gallery展示の詳しい情報はコチラ⇒金羊社MJG常設展

※本展示は2013年12月に終了しています。現在の展示内容は上記の金羊社ウェブサイトでご確認ください。


2015年4月24日 (金)

【Music Jacket Gallery】乗り物ジャケット特集<後編>

今回の特殊ジャケットは、「金属」転じて「乗り物」ということで、元の方…すなわちメタルで作られたCDパッケージが集められた。
メタルには重量感、安定感といった独特の質感がある。
こうした特質をふまえて作られたものがメタル・パッケージになるワケ。
今回の展示では、メタル・パッケージを象徴するPIL の『Metal Box』(1979年)のLP/CD/BOXなどの各アイテム、ヘヴィ・メタルの代表格であるIron Maidenデビュー20周年の6枚組CDボックス『Eddie's Archive』(2002年)、特製のトランクスとパンティが同梱されたサザンの『Suika』(1989年)など、様々な仕様のメタル・パッケージの楽しさと魅力を堪能して頂きたい。

380_2 Keith Richards / Talk is Ceap  (VIRGIN 1988)
Keith Richardsの初ソロ・アルバムの初回限定生産パッケージ。
彼のキャラクター・イメージである、つや消しブラックのドクロの缶に現在はほとんど発売されなくなった8cmCDが3枚収納されている。
アルバム・クレジットなどが入った丸型のブックレットも凝った仕様だ。
ちなみに世界で最初の8cmCDはFrank Zappaの「Peached en Regalia」ではなかったか?アダプターつきで販売していた。

390_3サザン・オール・スターズ / Suika (VICTOR ENTERTAINMENT 1989)
デビュー当初は「夏」のイメージが強かったサザンオールスターズ。
彼等の代表作品61曲を集大成した4枚組CDボックス。
夏の風物詩であるスイカをあしらったアートワークは秀逸で、アウトドア対応で持ち運びもできるのがポイント。ビニールで作った特製のトランクスとパンティが当時話題にもなった。

400Yoko Ono / Onobox Ultracase  (RYKODISK 1992)
前衛音楽家オノ・ヨーコの音楽を集大成した6枚組CD。
全世界で350セット限定生産のジュラルミン製ボックス。
ガラス製の「宇宙への鍵」、箱の裏地の楽譜のデザイン処理、CDを並べると自分の顔になるなど、随所にアーティスト気質がみなぎっている。
世界が破壊されても、この箱だけは未来永劫に残したいという強硬な意志もパッケージに込められている。

410The Rolling Stones / Steel Wheels  (VIRGIN 1989)
最古参R&Rバンド、The Rolling Stonesの初回限定生産パッケージ。
タイトルの「鉄の車輪」にちなんで、鉄製のパッケージを発売した。
3D(立体)や8角形の変形ものや、アンディ・ウォーホル作のジッパー・ジャケなどLP時代にも特殊ジャケは多くあったが、CDでは初のメタル・パッケージとなった。

420MR.BIG / Live at Budokan (ATLANTIC 1997)
再結成されて話題を集めたMR.BIGが1996年に来日した際の武道館公演を編集したライヴ盤。日本盤のみ初回限定で発売されたのが、この特製「武道缶」仕様というメタル・パッケージだ。
メタル缶の場合は丸型が多いが、この缶は八角形という特殊なもの。
アルミ製なので錆びにくく、保管には最適です。

430Iron Maiden / Eddie's Archive  (EMI 2002)
デビュー20周年を記念して発売された6枚組CDボックス。
Iron Maidenというネーミングとヘヴィ・メタルというジャンルをそのまま鉄製のパッケージに投影させている。
彫金仕立てのEddieもおどろおどろしいが、取っ手がついたグラスとファミリー・ツリーを描いた巻物などのオマケも一興だ。

440The Small Faces / Ogden's Nut Gone Flake (CASTLE COMMUNICATIONS 1989)
Small Facesの代表作、『Ogden's Nut Gone Flake』(1968)は、彼等初のコンセプト・アルバムであるだけでなく、いくつかの円形ジャケを組み合わせた特殊なギミック仕様。
このメタル缶は発売20周年を記念して作られたもので、ジャケのデザインによるコースターも同梱されている。

450Lou Reed / Magic and Loss  (SIRE 1992)
今は亡きニューヨークの至高なる詩人、Lou Reedの21作目のアルバム。
アンディ・ウォーホル作のバナナ・ジャケで有名なVelvet Underground出身。
この初回限定生産パッケージは鉄製のフロント・カヴァーに直接絵柄を印刷したもの。
1975年の問題作『Metal Machine Music』を思わず想起させる重厚なメタル・パッケージだ。

460布袋寅泰 / Guitarhythm (TOSHIBA EMI 1988)
今や日本のみならず、世界をも視野に入れた活動をしている布袋寅泰のライフワークともいえるGuitarhythmシリーズ。
このメタル・パッケージはプロモーション・オンリーの非売品だ。
中にはシリーズ第一弾のCDが収められている。ギター・ケースを象徴するかのような堅固なパッケージになっているのだ。

470Public Image Limited / Metal Box  (VIRGIN 1979)
PILの初回生産限定LPは、12インチ・シングルが3枚に分かれて鉄製の缶に収められている。CDはアルミ製の缶に1枚のみ収められている。
CD-BOXは、英国のみで発売された4枚組CDで、『Plastic Box』というメタルに対抗してつけられたシャレたネーミング。
実際これは金属にみせかけたプラスチック製で作られている。

480A Tribute to Metallica / Die Kurrups  ( CLEOPATRA 1993)
ドイツのインダストリアル・メタル・バンド、Die KurrupsのMetallicaのカバー集。
Metallicaも「Metalli-Can」という缶仕立ての限定パッケージを出しているが、こちらもほぼ同時期に出した缶パッケージだ。
中には、ヘヴィ・メタル系のお約束アイテムであるピンバッジ、キャップ、Tシャツなどがオマケとして同梱されている。

490Metalogy / Judas Priest  (COLUMBIA 2004)
Judasu Priestの未発表音源なども集大成した4枚組CDボックス。
革のブーツに革ジャン、太い腰ベルト、鋲仕立てのリスト・バンド、メタル・ファッションを象徴するこの鋲を四方に施したパッケージはまさにメタル特有の質感だ!
残念ながらこれは金属ではなくプラスチックに銀メッキを施したもの。
タイトルにある「-logy」という接尾語は「~学」を示す。したがってコレは「金属学」になりそうだが、「金属学」の正しい英語は「Metallography」だ。

N_img_9972Music Jacket Gallery展示の詳しい情報はコチラ⇒金羊社MJG常設展

※本展示は2013年9月に終了しています。現在の展示内容は上記の金羊社ウェブサイトでご確認ください。
(協力:立体展示品解説文原本執筆・植村和紀氏)

2015年4月23日 (木)

【Music Jacket Gallery】 乗り物ジャケット特集<中編>

一昨日、テレビのニュースでやってたけど、本気でLP人気が復活しているんだって?
こんなの過去20年ぐらいの間に何回喧伝されたかわからないので、あまり信用できないというのが正直なところ。
あるいは、仮に今人気が少し戻って来たとしても長くは続かないだろうな…というのが二番目の感想。
「ヤベ!あんなにLP売らなきゃヨカッタな!」というちょっとした後悔の念が三番目の感触。
それよりも何よりも、流行りもの好きの連中にLPを聴くためのハードを買わせるための「政府&マスコミ」のデマ(←これはドイツ語のDemagogieが語源)のような気させする。
だって、そうでしょ?
今までもSP、LP、MD、LD、DVDの類、オープン・リール、カセット等々、めまぐるしくハードは変遷してきた。時代のアダ花として「Lカセット」なんてのもあった。
こんなことをしていると、レコード会社は何種類ものフォーマットで同じものを作らなければならず、結局売れるソフトしか出さなくなってしまう。すなわち音楽文化の衰退だ。
まだCD化されていないLPってどれくらいあるんだろう?
これほどCDが定着し、はや配信に駆逐されようとしている昨今でも未CD化の音源は仰天するほど多いのではなかろうか?

何かの本で読んだんだけど、これは監督官庁の違いが大きく関わっており、ハードを担当する官庁がソフトのそれより上席だからという話しだ。
もちろんテクノロジーの進歩ということもあるが、ハードを作っている企業の方が大きいことが多いし、政府へのパイプが太いので話が通りやすい。
ま、世の中だいたいそういうもんだ。

番組中、LPを買っているお客さんへのインタビューで、「配信では音楽を聴いている感じがしない」と答えている若い人がいた。いいぞ、いいぞ!
そう、音楽をアルバムで聴かず、音楽配信で1曲ずつしか聴かないような傾向さえ抑え込むことさえできれば、音楽の媒体はLPでもCDでももうどっちでもいいと思っている。
いくらLPの方が音がいいったって、真価を発揮するのはかなり高級なオーディオ機器を持っているのが前提。
「LPの方が音があったかい」とか「特別なスープ」みたいなことをよく言ってるけど、ちょっとしたシステムを使って小音量で聴いているウチはLPとCD違いなんて変りゃしないって。
ただし!本当にすごいオーディオでLPを聴いたら、へへへ、アータ、CDの音なんてチャンチャラおかしくて聴けやしない。オモチャだよ。
コレは私の実体験で言ってます。
だから一般の人は無理をしないでCDの利便性を大いに享受すべきだと思うんだよね。
とにかくLPでもCDでもいいから色んないい音楽を聴いてもらいたいわ。
特に若い人たちにはドンドン時代をさかのぼっていい音楽を探す冒険をしてもらいたい。

ところで…ジャケットだけはナニをどう転んでもCDはLPにかなわない。
今日も植村コレクションと共にその魅力をお伝えする。

今回紹介するアイテムも2013年7月~9月に金羊社のギャラリーに展示されたもので、現在開催中の内容とはまったく異なることにご留意されたい。

「乗り物ジャケット」特集の<中編>のはじまり、はじまり~!

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かつてClimax Chicago Blues Bandと名乗っていたこのグループは1969年結成の古株だ。「Chicago」がバンド名に入っているのでアメリカのバンドみたいだけどさにあらず。イギリスは中西部、スタッフォードの出身だ。
デビューから3年後にバンド名から「Chicago」をハズして現在に至っている…ってまだやってのかよ!
このバンド、20枚にも及ぶアルバムをリリースしているが、私の認識がまちがっていなければ、ついぞ日本では人気の出なかったハズである。
私もHipgnosisのデザインで有名な『Tightly Knit(ハゲのオッサンが靴下を口に入れているヤツね)』とか『FM/Live』ぐらいしか持っていないが、テレキャスター丸出しのPete Haycockのギターがなかなかに味わい深くてよろしいな。
このバンド、歌ものはどうってことないのだが、インスト曲になるど猛然とカッコよくなる。聴きどころはどうしてもソコになるだろうナァ。

切手をモチーフにしたジャケットといえば、まずThelonious Monkの『Unique』が頭に浮かぶ。あとJohnny Griffinにも一枚あった。広い意味では『Free Live!』もそうかな?
この切手の中にはマンハッタンをバックにした飛行機が描かれている。「8」というのは当然8枚目のアルバムということ。
コレ、乗り物ジャケット?
「Stamp Album」というのはもちろん「切手帳」のこと。何かのシャレになっているのだろうか?
「切手」といえば、昔は趣味の筆頭に上がったけど、今でも集めている人いるのかしらん?「切手趣味週間」とかなつかしいね。
いいジャケットだ。

220

また来たね、ポール。
Wingsの『Wings Over America』。この頃のPaulはヨカッタねぇ。向かうところ敵なしの絶好調感丸出しって感じだ。
テレビでもやってたもんね。
1976年の『Wings Over the World』というツアーの一部を収録したライブ盤。
このツアー、アメリカとカナダで31公演をこなし、60万人を動員した。だから一か所平均2万人という計算。
今はEXILEでも100万人以上動員する時代なので、アメリカ全土を回って60万人とは情けないように見えるが、40年近くも前の話しである。すさまじい人気ぶりだ。
今回の来日では22万人を動員するらしい。ざっと40億円ぐらい?ま、全部入って来るワケじゃないけどスゴイ。コレに物販のロイヤルティが加算されるってとこ?
「Hey Jude」1曲だけで、孫子の代まで遊んで暮らせるほどの富を得たとかいうよね?お金は邪魔にならないっていうけど、そんなにあるとチョットは邪魔なんじゃないの?

さて、このアルバム、LPで三枚組。国内盤には銀色のギンギンの帯が巻いてあった
このアルバム、最初は二枚組でリリースする計画だったが、『Wings from the Wings』という三枚組の海賊盤の売れ行きがやたら良いということを知って計画を変更した。
Paulは録音した全公演のテープを聴き、28曲のベストテイクを5つずつ選び、6週間かけて絞り込みミックスを実施したそうだ。
一部ではオバーダビングを余儀なくされた曲もあったらしい。なぜなら、観客の歌声が音痴すぎてそのまま収録できなかったのだ。

ジャケットはHipgnosis。
インナー・スリーヴとレコード・レーベルはすごくカッコいい。さすがHipgnosis。
内ジャケのイラストはJeff Cumminsという人の作品。この人はRainbowの『Straight Between the Eyes』やThe Moody Bluesの『Caught Live』やTed Nugentの『Weekend Warriors』なんかも手掛けている。
でも、コレって三枚組なのになんで普通のゲイトフォールドなんだろうね?
『Yessongs』みたいに豪華にするとか、『All Things Must Pass』みたいにボックスに入れればよかったのに…。
1974年のTodd Rundgrenの『Todd』は二枚組にも関わらずシングル・ジャケットなんだけど、あれは世界的な紙不足が原因だったとか。
この三枚組のリリースは1976年。紙不足は解消されていたと思うんだけど…。

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Mike Oldfieldの『Five Miles Out』、1982年の作品。
何と言ってもMike Oldfieldとくればひとりで2,400回だかダビングして作った『Tubular Bells』。
このアルバムはそれとは正反対にレギュラー・グループの体でレコーディングに臨んでいる。メンバーを見るとナゼか10ccのRick Fennが参加している他、Carl Palmerもゲストでパーカッションを担当している。

ジャケットのデザインはMike Oldfield自身。
この飛行機はロッキード社の「モデル10エレクトラ」という機種で、機体の装飾は、リンドバーグに続いて大西洋単独横断飛行を成功させた女性パイロット、アメリア・イヤハート(Amelia Earhart)が、1937年に赤道上世界一周に挑んだ時のもの。すなわち操縦しているのはアメリアということになる。
「Amelia」という名前に聞きおぼえがある人もいらっしゃるのでは?特にJoni Mitchellファン。
彼女の「Amrelia」という曲はこのAmelia Earhartのことを歌ったもの。MethenyやらJacoやらが登場することでやたら人気を得たJoniの映像作品、『Shadows and Light』には確かアメリアの映像が収録されていたような…。
アメリアはその1937年の飛行中、南太平洋で忽然と姿を消した。

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私もね、小学生の時に『エクソシスト』で『Tubular Bells』のメロディを初めて耳にして、中学生になってからアルバムを聴いた途端ハマってしまいましてネェ。
ナンダカンダで関連商品をこれだけ持ってる。
で、この内容を他の作品にも期待して買っちゃうんだよね~。『Hergest Ridge』、『Ommadawn』、『Incantations』、『Platinum』、『QE2』、本作、『Crisis』、『Discovery』…ココで止めた。
やっぱり『Tubular Bells』だけなんだよね~、聴けるの。
で、本作も同様。
A面全部を費やしている「Taurus II」なんてかなりの力作で決して悪いワケじゃないんだけど、とにかく何も残らない。また、そこがいいのかもしれないんだけど…。
そこいくとやっぱり『Tubular Bells』の衝撃はスゴかった。当時は一日何回も聴いちゃったもんね。
Bm_img_0123
このジャケット、内側が可愛いの。
「Taurus II」録音時のトラックシートが使用されている。こんなにたくさんの楽器が使われているのね?

1_img_9938Facesの1974年のライブ・アルバム。
日本では『フェイセズ・ライブ』ぐらいのタイトルになっていたけど、原題は『Coast to Coast:Overture and Beginners』と長い。
1973年にアナハイム・コンベンション・センター(今、NAMMをやっているところ)とハリウッドのパラディアムで収録された。
コレ、どう見ても「Faces」のアルバムに思えるが、Faceのレパートリーは3曲。一方、初登場となる曲も含めたRodのソロ・レパートリーは6曲と、Rodソロ優勢。
当時、Rodは「ソロ」名義でコンサートをしていなかったので、「Rod Stewart/Faces」と連名のクレジットとなった。
アメリカでは、LPはRodのソロ・アルバムをリリースしていたマーキュリーから、カセットと8トラ(!)はFacesのアルバムを取り扱っていたワーナーから発売された。
そうした複雑な事情があったためか、このアルバムは日本でだけしか販売されない時期があったそうだ。

大分前にMarshallの連中と会食をした時、比較的年配の女性たちとテーブルが一緒になった。
こんなことは滅多にないんだけど、昔のロックの話題になって、ある女性は「私はRodにメロメロだったの。Faceも何回も観たわ」とか「私は何と言ってもRegi。昔の曲なら全部歌えるわ!」…日本だったら「秀樹大好き!」とか「ひろみに夢中!」とかいう話しである。
こういうところに「ロックの国」と「そうでない国」の大きな差を感じるんですよ。

一方、私はどうもRod Stewartにのめり込めない。『Gasoline Alley』なんかは結構よかったりもするけど…。ナンカ素直にロック感を汲み取れない。
『Ooh La La』とか『Long Player』なんかはごくタマに聴くこともあるんだけど、同様にFacesも夢中になったことは一度もないのよ。
コレが、来日公演でのPaul Gilbertもそうだったけど、NAMMのアトラクションで出ているバンドなんかも「Stay With Me」を演ったりするんだよね。向こうの連中にはこの曲、スタンダードなの。それで例の「ギッタ~」って言うところをうれしそうに演るんだな。

あ、それとこのアルバムは山内テツがFacesに参加して初めての音源となった。
そして、この音源が録音された翌年の2月、Facesは来日を果たす。
Faceはメンバー全員大酒のみで、滞在中ローディと共に日本酒を毎晩飲み狂ったらしい。
山内さんも同様で、ステージ前にウイスキーのボトルを半分、ステージ中に残りの半分。終演後、またボトルを1本空けたという。これぐらい飲めないと外人とは付き合えないってことかもね。あ~、ミュージシャンにならなくてヨカッタ!
Rodはスコティッシュの家系だけに頷ける話だ。
スコティッシュといえば、かつてミュージックライフ誌の編集長だった東郷かおる子さんの著書『わが青春のロック黄金狂時代(角川SSC新書刊)』に書いてあったが、東郷さんも体当たりで英語を覚えたクチらしいが、Rodの英語は全く歯が立たなかったらしい。ナニを言っているのが全く聞き取れず冷や汗が出たという話し。ああ、よくわかるナァ、その気持ち!

最後にひとつ。
ジャケットのことを調べようと久しぶりにCDを棚から引っ張り出して来て中をチェックしたが、まったくヒドイ!
元から記されていないのかも知れないが、ジャケット・デザインのクレジットはおろか、レコーディング・データも載っていない。歌詞と日本語解説だけ。
そもそもこのLPはゲイトフォールドでしょ?内ジャケの写真はどこへ行ったの?
やっぱりこういうところに音楽文化の民度の低さを感じるナァ。

1_img_9910スキスキ、Sparks!
出世作の『Kimono My House』がIslandからのリリースだったので、てっきりイギリスのバンドかと思っていた。RonとRusselのMael兄弟はアメリカ人だ。
それと、解説書等に「Mael」を「メイル」って表記してるけど、コレ本当に「メイル」って発音するのかな?
Sparksというとやっぱり『Kimono My House』ということになるんだろうけど、その前にもHalf Nelson名義の同名アルバム(Grace kellyのジャケット)とSparks名義の『A Woofer in Tweeter's Clothing』というアルバムをBearsvilleからリリースしている。
買って聴いたけどおもしろくない。
やっぱり『Kimono』からが断然いい。でも、それもそう長くは続かなかった。せいぜい『Big Beat』までかな~、私の場合。
でも、その初期の4枚はどれを聴いてもSparksでしか聴けない独特な曲作りで実によろしい。
有名な『Kimono』の1曲目、「This Town Ain't Big Enough for Both of Us」なんて「歌謡一部形式」だもんね。インストのパートは色々やっているけど、歌の部分はズッと同じメロディを繰り返しているだけ。サビなんてない。スゴイ発想だと思う。
あんなに魅力的なコーラスのメロディだもん。普通だったらサビを付けて展開させたくなっちゃうと思う。
弟のRusselの声で好き嫌いが分かれるかもしれないが、Sparksの場合はRusselの声がシックリくる。「Amateur Hour」なんか誰かカバーすればいいのに!今ならすごくウケるんじゃない?それとも誰か演ってるのかな?

それと、ジャケットが比較的いいんだよね。
1981年の『Whomp That Sucker』なんかすごくいい。まるで力石徹が矢吹丈をダブル・クロスカウンターで倒した時のようだ。内容は知らないけど。
それと1984年の『Pulling Rabbits Out of a Hat』のジャケットは一体どうしたことだろう?
コレ、完全にFrank Zappaの『Them or Us』の裏ジャケじゃんね。(同じ年のリリースでSparksの方が4か月早い)
この『Indiscreet』のジャケット写真を撮ったのはRichard Creamerという人。KISSのライブ写真や数多くのロック・ミュージシャンのアー写を撮っている。
他のジャケット写真としてはREO Speed Wagonの音叉を加えた魚のヤツ(ゴメンちゃい。REOって私かすりもしてないの)とか、Toddの2枚組ライブ・アルバム『Back to the Bars』なんかに関わっている。
チョットー待った~、チョットー待った~!と言う人もいるかもしれない。そう、「Toddの『Back to the Bars』のジャケットのデザインはHipgnosisじゃんかよ~!」っていうんでしょ?
ご明解。
でもね、内ジャケットのライブ写真はこのCreamerが撮っているんよ。あんまり出来はよくないと思うけど…。

この「♪ほっすぴたりてぃ」で楽しく始まる1975年の『Indiscreet』は『Half Nelson』から数えて5枚目のアルバム。プロデュースはTony Visconti。前作の『Propaganda』や『Kimono』ほどは当たらなかった。

ここでマーブロ流豆知識…Ron Maleやヒットラーのようなヒゲを日本では「チョビひげ」と言うが、英語ではどう表現するか…。
答えは「toothbrush moustache」、すなわち「歯ブラシひげ」だ。
Ronはプロのグラフィック・デザイナーでToddの『Runt:The Ballad of Todd Rundgren』の内ジャケなんかを手掛けている。

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「ロック名盤XX選」とか「ロック入門△△」の類の企画となるとかなりの確率で選出されるこのアルバム。
ClaptonやらWinwoodやらの当時のロック界の重鎮が集結したというとことが肝なんだろうけど、そんなにいいかナァ?
少なくとも入門者が聴いたところで何ら面白くはないのではなかろうか?
正直、私も実際かなり後になって聴いた。
職業柄、KellyさんのBlind Faithの方がなじみがあるぐらい。

それでもチョットした思い出があって…Geoff WhitehornがまだMarshallのデモンストレーターをしていた頃、FUZZY CONTROLをフィーチュアしたMarshallのイベントを開催したことがあった。
場所は今は無き渋谷のBOXXで、今は無き隣のAXにCharさんが偶然出演していた。
Paul Rogersの関係でCharさんと仲の良かったGeoffは、自分のリハーサルが終わると「オイ、シゲ、Charに会いに行こうぜ!」と言い出し、ふたりしてAXの楽屋を訪ねた。
「お~!」なんつってひとしきり盛り上がった後、Charさんは新しく導入したStratocasterを取り出しGeoffに渡した。
チョコチョコっと弾いた後、よせばいいのにGeoffは私にそのギターをパスしてきた。
私はそのままCharさんにギターを返そうとしたら、
「何だよ、お前も弾いてみろよ。ギターやってんだろ?」とCharさん。
その前にもCharさんとは何回かご一緒させて頂いていたが、目の前でギターを弾いたことなんて当然ありゃしない。
エライ恥ずかしかったが、仕方ないので教わったばかりのGeoffの曲をチラっと弾いてCharさんにギターを戻した。
するとCharさんはいきなりギターを弾きながらGeoffと私の前で歌い始めた。
その曲はこのアルバムに収録されている「Presence of the Lord」だった。
Charさんは歌の部分だけでなく、後半のインストの部分も弾き、キチッと丸々1曲仕上げて見せてくれた。
そういう態度がやはり一流であると感心した。そして、この時代の人たちはやはりこのアルバムをマスターしていることを思い知った。
そういえば何年か前に来日したJoe Bonamassaも「Had to Cry Today」を演奏していた。アレ、私よりだいぶ若いんだけどね。

さて、このジャケットが物議をかもしたことは有名だ。
トップレスの若い女性が男性のシンボルを想起させる飛行機のようなものを持っている…という図なのだから当り前だ。
今なら何でもないかもしれないけどね。このアルバムが出たのは1969年のことだ。
したがってアメリカではメンバーが写っている写真に差し替えられた。
このジャケットのアイデアと制作はEric Claptonの友人のBob Seidemannというカメラマンによるもの。
思想は「人類の創造性」だの「テクノロジーの進化」だのもっと崇高なものであった。
このSeidemann、他にもいい仕事を残しており、Jackson Browneの『Late for the Sky』、Neil Youngの『On the Beach』、Randy Newmanの『Little Criminals』、Heartの『Little Queen』、Herbie Hancockの『Mr. hands』、Larry Carltonの『Sleepwalk』等々のジャケット写真はこの人によるものだ。
他にもGreatful DeadやJanisのアー写も多数残している。

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これまた名盤の誉れ高いYesの『Fragile』。
邦題の『こわれもの』は実にウマいことやった。今だったら躊躇なく『フラジャイル』とやられただろう。
私はいつも言っているように「原題至上主義」だけど、こうしていいと思うものはちゃんと素直に「いい」と言います。
「Roundabout」や「Heart of the Sunrise」や「Mood for a Day」に人気が集まるのだろうが、私は断然「South Side of the Sky」。
このアルバム、1971年前の発表なんだよね。44年前!やっぱりコレと今の巷のロックとを比較すれば猛烈に今のロックが幼稚化しているとしか思えないだろう。
このアルバムとか次の『Close to the Edge』を経て、Frank Zappaが1975年にリリースする『One Size Fits All』までが、普遍的娯楽性を伴ったロックにおける、人間の英知と団体器楽演奏技術の頂点で、もう人類がこのあたりのレベルを凌駕することは永久にできないと思っている。

ひとつ言っておきたいのは…『海洋地形学(Tales from Topographic Oceans)』のことだ。『Fragile』→『Close to the Edge』→『Yessongs』と盛り上がりに盛り上がっちゃって、しかも、後ろに『Relayer』が控えちゃってるもんだから、まず人の口には上らない。
熱狂的なファンは知らんけど、Yes好きを自称する一般人の口からですら「『海洋地形学』がスキ」というのを聞いたことがない。
大抵「持ってるけどほとんど聴かない(←要するに聴いていない)」とか、「聴いたことがある」程度のものだ。
このアルバムの不幸は1曲目にある。
退屈なのだ。
でもLPでいうところのC&D面はヤケクソ性も感じられるほどの熱演で聴きどころ満載なのだ。2枚組なんかにしなければよかったのにね。

…と今、上に挙げたYesのアルバムのジャケットデザインは有名なRoger Dean。
「こわれもの」だから、メンバーはジャケットのイメージとして「磁器」を登場させるアイデアを出したらしいが、Roger Deanは星をふたつ登場させ、裏ジャケには破壊された星を描いた。
そして、破壊された星の光景が『Yessongs』のジャケットなんだと…要するに連作になっているのだ。
「こわれもの」とは「地球」のことなのね?
星に生えている木は「盆栽」をイメージして描いたらしい。

そういえば日本でもどこかにラウンドアバウトを作ったってニュースを大分前に見たけど、アレどうなったかね?
ちなみにMarshallの工場があるミルトン・キーンズはラウンドアバウトだらけだ。

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LPの時にはほぼA4大のブックレットが付いていた。
もちろんこちらもRoger Deanのイラスト。

N_img_5979頁をめくると、各メンバーのスナップ写真が掲載されていて、この写真もRoger Deanが撮ったものだそうだ。
ただし、Bill Brufordだけはステージの写真が使われており、コレは例外。
下の向かって右のページはRick Wakeman。
ゴチャゴチャ書いてあるのはすべてSpecial Thanks。
モーツァルトの名前まで入ってる。あとDavid Bowieの名前も…初期のBowieの曲のピアノはRickが弾いているからね。
待てよ…と思いJim Marshallの名前を探したが見当たらなかった。
ナゼ探したかって?
Rickは若い頃Jimの店でアルバイトしてたんよ。
その後もWater Ratsの会員同士で中がヨカッタ。
50周年記念コンサートの時には息子のAdam Wakemanがキーボードを担当した。

N_img_5984これは知らないバンド…と思って調べたら1972年結成のイギリスのプロト・パンク・バンドということだった。道理で知らないワケだ。
でも、このジャケット素晴らしい…Hipgnosisだもんね、当然。
1978年の『Crash Landing』というアルバム。
スペシャル・サンクスでPete Townshendの名前がクレジットされているらしい。
気になって音を聴いてみたら、アララ、かなりいい感じじゃないの!全然パンクじゃない。
今度見つけたら買ってみようっと!

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以上で「飛行機」系は終了。
後は鉄道やら船やら。

Brian Augerがわからない。どう楽しんでいいのかがわからない。
名盤の誉れ高いTrinityの『Streetnoise』ですらどうも…。
聴かないのをわかっていても何となくチビチビと買ってしまう。「Freedom Jazz Dance」とか「Maiden Voyage」とか、ジャズの有名曲をチラリチラリ取り入れているところがニクイ。

その両方が1974年にWhisky a Go Goで収録されたOblivion Expressのライブ盤『Live Oblivion』。
コレはスゴイ。ナニがスゴイってSteve Ferroneのドラム。そこを聴く。
でもギターはかなりトホホだよ。
この人も、優秀なギタリストでもそばにいればもっと人気が出たかも知れない。でも、イヤだったんだろうな、キーボード・メインのバンドとして…。
でも「忘却急行」なんていい名前だな。
そう、最近物忘れが多くて…ほっとけ!

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コレはかなり昔から知っているジャケット。なぜならHipgnosisの本、『Walk Away Rene』に出ていたからだ。
オランダのGreen Earingというグループの1976年の『To the Hilt』というアルバム。
「hilt」というのは「柄(つか・え)」という意味で、「to the hilt」で「徹底的に」とか「全面的に」という表現になる。
どう見ても助かりそうにないこのヒゲのおじちゃんは古いタイプの探偵らしい。
他にも、同じ写真を使ってサメのいる水槽に入れられたり、中誤記人に電ノコで頭をまっぷたつにされそうになったり、ビルから真っ逆さまに落っこちる写真と組みになっている。
いくつもの危機に遭遇し、何とかその苦境から脱出するのだが、またすぐに次の危機に直面してしまうのだ。
そうしてドップリと(to the hilt)危険に晒されながらも彼は危機と闘い、次のバトルへと立ち向かう…ということを表しているんだそうだ。

今回初めて音を聴いてみたが、ごく普通のハードロックで悪くはなさそうだ。

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説明不要ですな。
この黒いヤツもナニを表しているかは皆さんご存知でしょうからスキップ。
じゃ、コレのどこが乗り物かというと…家族の後ろに見えるボートやらヨットがそれにあたるっていうワケ。
これは合成写真で、後ろに見えるのは、アールズ・コート・エキシビジョン・センターで毎年開催されていたボートの展示会に設けられた人口の水溜りの写真だ。
アールズ・コートといえばLed Zeppelinのホームみたいな巨大なホール。Hipgnosisはそれを意識してこの写真を使ったのかしらん?

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1976年に発売されたFocusの未発表音源集『Ship of Memories』。
Focusは好き。
このアルバムの音源は1973年にコッツウォルズのスタジオで録音されたもの。
前半は硬派で後半は軟派って感じでバラエティに富んだレパートリーが楽しめて、未発表音源集とはいえ私は好き。『Humburger Concerto』よりゼンゼンいい。
しかし、ライナー・ノーツを読むと、バンド・メンバーは相次ぐツアーでスッカリ疲弊しきり、関係が悪化…レコーディングは相当大変だったようだ。
収録の「Focus V」なんて曲はJan Akkermanが寝ている間に作って、あとでダビングしたらしい。
で、常識的に考えるに、FocusファンというのはイコールJan Akkermanファンということになるだろう。
ま、Bert Ruiterが死ぬほど好きでFocusを聴いているファンはゼロではないかもしれないが、少ないことは間違いない。

私もJanファンで、ことあるごとにMarshall Blogでも言及してきた。会って写真も一緒に撮ってもらった。
そんなだからソロ・アルバムもずいぶん買った。結構出ているのはうれしいんだけど、玉石混淆もいいところで、7:3、イヤ、ヘタをすると8:2で「石」の方が多いのだ。
『10,000 Clowns On A Rainy Day』なんて1997年のライブアルバムなんて演奏はすごくいいのにせっかくのJanギターのトーンがあまりにもトホホだったりしちゃうんだよね。あれデジタル・アンプなのかナァ。
その点、このアルバムは比較的Janのギターが聴けるアルバムだと思う。
メインはレス・ポールなんだろうな。「Glider」という曲で明らかにストラトの持ち替えるところなんか実にカッコいい!
でもこの曲、「Mother Focus」と同じじゃん?
CDになって追加収録されたアメリカでのシングル・バージョンの「Hocus Pocus」も聴きもの。この曲、『Moving Waves』の本チャン・バージョンはリピートが多くて時折ウンザリしてしまうんだけど、このバージョンはコンパクトでスゴクいい。ギター・ソロもこっちの方がカッコいい。

ジャケットのデザインはオランダのCreamというところが担当している。
コレは戦艦大和(武蔵)とゼロ戦?

ちなみに「Jan Akkerman」は、英米人の前では「ジャーナッカマン」と発音してください。

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今度は飛行船。
ジャケットはJimmy Pageのチョイス。これはツェッペリン号ではなくてヒンデンブルグ号ですからね。
裏ジャケットの写真を撮影したのは元YardbirdsのChris Dreja。
何でもZeppelinのアルバムで、裏ジャケットも含めて4人が揃って撮影された写真が使われているのはコレだけだとか…。
Chrisは新バンドの結成に際し、Jimmy Pageからベーシストとしての参加を持ちかけられたが、「写真家になりたい」としてその誘いを断った。
モッタイね~。
でもそのおかげで我々はJPJのベースと音楽性を享受できることになったのだ。

Zeppelinは詳しい人がやたら多いのであんまり余計なことは書かないようにするべ。

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植村さんの『Led Zeppelin I』はゲイトフォールド仕様になっていた。

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今度は空飛ぶ円盤。
またしてもHipgnosis。問答無用の名ジャケットでしょ。
コレはよく聴いたナァ。
素晴らしい内容とカッコいいジャケット…パンク/ニューウェイブ前のロック黄金時代の産物だ。

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魚雷は乗り物ではありませ~ん!
The Pretty Thingsの『Silk Torpedo』。1974年の作品。
Pretty Thingsも比較的Hipgnosis度高し。
この次の『Savage Eye』も有名だ。
残念なのは、ジャケットはいいんだけど内容が…。
1963年結成の名門ブリティッシュ・ロックバンドで、『S.F.Sorrow』なんてのが名盤扱いされているけど、日本ではどうもウケている感触がない。
かく言う私も何枚か持っているけどiPodの在籍期間の短さは先のBrian Augerと一二を争う。
しっかし、このジャケット、メチャクチャいいナァ。

St最後はナント、ブランコ!
ひと目見てNeon ParkとわかるイラストをまとっているのはLittle Featの1972年のセカンド・アルバム、『Sailin' Shoes』。
日ごろからアメリカン・ロックは聴かん、と言っているがLittle Featは好き。

このジャケット、楽しそうにブランコに乗っているのはケーキ。ロココ期のフランスの画家、ジャン・オノレ・フラゴナールの「The Swing」という油絵が元になっている。
この作品、ナント、ロンドンの「ウォレス・コレクション」という博物館に収蔵されているらしいので今度渡英するチャンスがあったら観てこよう。
ちなみにこのウォレス・コレクションの隣の建物はかつてEMIの本社だった。The Beatlesのファースト、『Please Please Me』=『赤盤』並びに『青盤』はそこで撮影された。
右奥にいるのはMick Jaggarなんだって。
コレさ、ブランコ乗っているのは切ったケーキじゃなくて、切った後の残りの方なんだよね。こういう感覚が面白い。

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1978年の来日時には中野サンプラザに観に行った。二階席の一番前だった。

このコンサート・プラグラムの表紙を見ればわかるように『Waiting for Columbus』のレコ発ツアーというタイミングでものすごくヨカッタなぁ。
やっぱりLowell Georgeの存在感がハンパじゃなかった。
「Fat Man in the Bathtub」がオープニング曲ではなくて途中で演奏したのには驚いたのを覚えている。

N_img_0001Little FeatはLowell Georgeが没した後もPaul Barrereががんばってすごくいい感じだと聴いていたが、追いかけることはなかった。
しかし、ホンノ数か月前、下北沢でレンタル流れ品のLittle Featを280円(税別)で買った。
『Rock'n Roll Doctors』とかいう1990年のセントルイスのコンサートを収録したライブ盤で、コレがすさまじくよくて、なるほどLowell無き後も頑張っているというのを実感したのであった。
下の写真はコンサート・プラグラムの表4。

N_img_0003 …ということで2回にわたって「乗り物ジャケット」をお送りしましたがいかがでしたでしょうか?
イヤ~、ジャケットってホントにいいもんですネェ。

Music Jacket Gallery展示の詳しい情報はコチラ⇒金羊社MJG常設展

※記事内のジャケット写真は、展示アイテム以外のものは斜めに、もしくはサイズを小さくして掲載しています。
※本展示は2013年9月に終了しています。現在の展示内容は上記の金羊社ウェブサイトでご確認ください。

<後編>につづく

2015年4月16日 (木)

【Music Jacket Gallery】乗り物ジャケット特集<前編>

ミュージック・ジャケット・ギャラリーの今回のテーマは、前回の『動物』に続いて『乗り物』。
「続いて」というのは、乗り物が登場するレコード・ジャケットは動物同様、相当な数に上るからだ。

10_2しかも、動物の時もそうだったけど、ジャケットに登場する乗り物の種類も実にバラエティに富んでいる。
レコード・ジャケットに使われやすい題材のひとつといえよう。

20題材で圧倒的な多数派は飛行機と車になろうか…。

今回紹介するアイテムも2013年7月~9月に金羊社のギャラリーに展示されたもので、現在開催中の内容とはまったく異なることにご留意されたい。
では…!

30下のジャケットを見て思い出したのはジョージ・ルーカスの『アメリカン・グラフィティ』。ご覧になった方は多いだろう。
あの映画の時代設定は1962年の夏。
中学1年生の時に何かと2本立てで観たのだが、もう1本が何だったかどうしても思い出せないな…。
とにかく、リチャード・ドレイファスのホロ苦い恋愛体験をはじめとした、登場人物それぞれのエピソードと全編に流れる古き良きオールディーズの超名曲が絶妙にマッチしていて、子供心にとても感動した。
子供の時にこんな映画を観ればアメリカに憧れるにキマってる。
今ではサッパリだけど…。
サントラ盤も買った。当時はステレオを持っていなかったので、ミュージック・テープだった。映画を思い出しては繰り返し繰り返し聴いたおかげで、私は比較的早いうちからオールディーズの名曲を知っていた。
驚くのはこの映画がアメリカで公開されたのが1973年(日本は1974年)。
遠い昔の「なつかしきよきアメリカ」を描いた映画というイメージがあったが、アータ、コレって、公開のたった11年前の話しじゃないの!
1973年はPink Floydの『The Dark Side of the Moon』やらELPの『Brain Salad Surgery』、Yesの『Yessongs』らのプログレッシブ・ロックの定番やQueenや10ccがデビューした年。いわゆるロックの黄金時代の真っただ中。
いきおいブリティッシュ・ロックが栄華を極めていた時代で、『アメリカン・グラフィティ』の舞台からたった10年の間にどれだけロックが変化したか知るこ とができる。
フト考えるに…映画の舞台の1962年といえば、Marshallが最初のギター・アンプ、JTM45を発表した年だ。
アメリカでは「♪シェ~リ~」とやっている頃に、大西洋の向こうのロンドンではJimとPeteが着々とロックのハード化を推進していたのだ。

今の若い人は「Wolfman Jack」なんて名前聞いたこともないだろうな…。そういう人たちはどんどんオールディーズの曲なんかを聴くといいと思うんだけどね。
どれほど昔の曲のクォリティが高かったかと、現在のテレビで聴かれるような巷間の音楽がどれだけ薄味かを存分に知ることができるに違いない。

ちなみに、この「グラフィティ」という言葉は「graffito」の複数形で「落書き」という意味だ。
かつて、この映画をテレビで放映した時、解説の淀川長治さんが「グラフィーティ」と「フィ」にアクセントを置いて発音していた。これが面白くて、翌日学校での友達との会話の話題になったが、実はコレが正解。
「graffitti」は「fi」にアクセントがつく。
だから最近また話題になっているLed Zeppelinの「Physical Graffitti」も「フィズィカォ・グラフィーティ」と発音しないとネイティブには伝わりにくいかもしれない。

ウオッ!話しが幾重にも脱線してしまった!
ナニが言いたかったのかといえば、女の子にもてるための2大神器が「ロックンロールと車」。「ロックといえば車」…これは永遠のステレオタイプだ。
…と思われたが、現在はこんなことを唱える者はいないと考えてよいだろう。
何せ、最近では車を欲しがらないどころか、運転免許も取得しない若者が多いっていうもんね。
ま、かくいう私も「いい車が欲しい!」と思ったことは今までの人生の中でほとんどないんだけどね。
普通に走って機能がちゃんと果たせればそれで十分。要するにMarshallやNATALやEDENが運べればそれでOKなんよ。
私の場合、同じ金をかけるなら車よりも、超高級オーディオだな。
だからこんなジャケットを見ても、ナ~ンとも感じない。

1983年のStray Catsのサード・アルバム。Brian Setzer、ほっせ~な~!
タイトルの「Rant n' Rave」というのは「わめき散らす」という意味。同じ「R&R」で「Rock 'n' Roll」をもじっているのかな?
Brianなら話しはわかるけど、Lee RockerとSlim Jim Phantomの2人も教則ビデオを出していたの知ってる?
Lee Rockerのロカビリー・ベースのヤツはすごく人気があったんだよ。
このアルバム、サックスのMel Collinsが参加している。
ナンでやねん?!
50
わからないのよ。
Ry Cooderの楽しみ方が…。
アルバム結構持ってるんだよね。でも、どうもシックリ来ない。『Paradise and Lunch』と『Chicken Skin Music』をホ~ンのタマに聴くぐらいか…。
ブルースを自らすすんで聴かないのと同じように、つくづくダメなんだろうなナァ、ジャズ以外のアメリカン・ルーツ・ミュージック。
「お子ちゃまなのよ」と笑わば笑え。
Ryの名作のひとつに数えられるとされる1972年の本作、『Into the Purple Valley』も持ってるけど、聴かないナァ。
記憶にあるのはWoody Guthrieの「Vigilante Man」が入っていることぐらい?でも、この曲にしてもNazarethバージョンの方が圧倒的に印象深いもんナァ。
そういえばこの人、Beefheartのところにいたんだよね。
ずいぶん前にあるコンサート・プロモーターの方から聞いた話し。
Ryって来日してコンサート会場でグッズの即売をすると、他のアーティストに比べてケタ違いにCDが売れるらしい。もちろんツアーのサイズにもよるが、(当時)3,000枚ぐらいは軽かったとか…。
きっとコンサートの内容が素晴らしいんだろうね。
その昔、Rick Dankoの来日公演の時、前座で登場したJay Fergusonってのがすごくよくて、そのパフォーマンスに感動した、一緒に行った友人も同感で、会場でレコードを買った。
ところが!後でそのレコードを借りて聴いたけど、おもしろくも何ともなかったことを思い出す。
もちろんRy Cooderの場合はそんなことはなかろうが、私はチト…。

このジャケットは車といい、格好といいタイポグラフィといい、何かのクラシック映画のワン・シーンのパロディなんだろうね。とてもいい感じ。
『Rocky Horror Picture Show』にもこういうシーンが出て来るけどまさか…。

70上の『Into the Purple Valley』のプロデューサーのひとり、Van Dyke Parks。
みんな好きだよね、Van Dyke…またダメなの私。冗談抜きに時々俳優のDick Van Dykeと名前がこんがらがっちゃうぐらいなんだもん。
歴史的名盤の誉れ高い『Song Cycle』でさえも良さがよくわからん。どうにも途中で飽きちゃう。
それなのにナンダってココに取り上げてるんだ?の理由は後でわかる。でも大した理由じゃない。

コレは1972年のカリプソをテーマにしたセカンドアルバム。
カリプソはトリニダード・トバゴの音楽だ。このカリブ海に浮かぶ島国の首都はポート・オブ・スペインというが、ナント、イギリス連邦加盟国なのだそうだ。
そして、音楽好きには「20世紀最後にして最大のアコースティック楽器の発明」とされるスティール・ドラムの発祥の地としても認識しているところだろう。
カリプソという音楽は、ユーモアを交えて世情を揶揄する諧謔性に富んだ音楽だ。曲だけ聴いていると、やたら楽しい雰囲気だが歌詞の内容は極めて社会性に富んでいる。
このアルバムの収録曲はすべてカバーで、ほとんどがPD。
Van Dykeはカリプソ・ジャイアンツたちに敬意を表し、このアルバムに作曲者名をクレジットして印税をMighty Sparrowらに支払い救済しようとしたという。PDだと印税は発生しないんハズなんだけど…。

さて、この項、ここからが長い。今回のハイライト。映画方面に大脱線だ。
あんまり長くて一体何のジャケットについて話しているのかわからなくなるので、ここで一回当該のジャケットの写真を挙げておこう。
コレね。
160
さて、このアルバムの1曲目に「Jack Palance」という曲が入っている。作者のMighty Sparrowのオリジナル音源だ。
ジャック・パランスというのはアメリカの俳優のこと。ご存知であろうか?
では、有名な『シェーン』は知ってるでしょ?
あの中でアラン・ラッド扮するシェーンの敵の黒づくめの男、あの役を演じたのがジャック・パランス。
アーネスト・ボーグナインの向うを張るスゲエ顔をした性格俳優だ。
この歌は一種のコミック・ソングのようなもので、「週末に親友とナイト・クラブで呑んでいたら、若いアメリカ人と一緒にいる親戚のおばさんに出くわした。そのおばさん、もはや「おばあちゃん」で、顔はジャック・パランスのよう…」
ってジャック・パランスに失礼じゃないの!
カリプソとはそういう音楽らしい。

ここで、『シェーン』に話が飛ぶ。
ジャック・パランスとの決闘にも勝利してハッピー、ハッピー。
ラスト・シーンはあの金髪の少年が荒野を行くシェーンに向かって「Shane!  Come back!」と叫ぶ。アメリカ映画史上最も有名なラスト・シーンのひとつだ。
私もラスト・シーンだと思い込んでいた。
ところがこの後、この映画はヒッチコックもビックリのドンデン返しが待っていて、一気にサッド・ストーリーになるのである…ということが、サミュエル・L・ジャクソンとケビン・スペーシーが主演した『交渉人』にしきりに出てくる。
シェーンは生きているのか?それとも死んでいるのか?…みたいな。
すなわちシェーンは決闘には勝ったように見えたが、実はパランスの弾に当たって死んでしまった。しかし、少年を心配させまいとして、シェーンの亡霊が元気なフリをしている、というのだ。すなわち「帰ってきて!」と少年が叫んでいる相手は幽霊…。

コレが気になって、気になって、実際に観たよ、『シェーン』を!
するとですね、エンドロールと重なっていたかどうかは忘れたが、本当に最後の最後…決闘に勝ってピンピンしているハズのシェーンは…歩く馬の上でグッタリしている。ヤヤヤ?様子がおかしいぞ。
そしてその馬がたどり着いたところは…墓場だった。やっぱり死んでた。
あ~なんて賢い馬なんでしょう!…という話しではない。メッチャ後味悪いんだぜ、この映画。

「ジャック・パランス」に話しを戻す。実はココが一番書きたかったところ。
ジャック・パランスは『シェーン』の3年後、1956年に『攻撃(Attack!)』という異色戦争映画に出演する。
監督はロバート・アルドリッチ。『七人の侍』を30回だか50回だか観て勉強したというアクション映画の巨匠だ。
軍の醜い内幕を暴いたこの映画にはスポンサーがつかず、アルドリッチは自費でこの映画を制作した。
とにかくこの映画だけはひとりでも多くの人に観てもらいたい。特にサラリーマンかな?
リー・マービンの役どころである私欲にかられた軍の上役が、承知しておきながら無能で臆病な幼なじみ、エディ・アルバート扮するクーニーを指揮官に据える。それが悲劇を引き起こしてしまう。
この中で、ジャック・パランス扮するコスタは上官であるクーニーから無茶な作戦を強いられ、自分の部隊が全滅しそうになってしまう。助けると約束したクーニーが臆病風に吹かれてコスタの部隊を援護しなかったのだ。
命からがらクーニーの元に戻ったコスタは上官であるクーニーに言う、「今度裏切ったら必ずおまえを殺す」。上官に言うんだからスゴイ。
不幸にも再度同様の局面に出くわし、コスタはクーニーの救援を頼りに最前線に出向くが、クーニーはまたしても裏切り、コスタの部隊が壊滅状態に陥ってしまう。
しかし、コスタはドイツ軍の戦車に片腕を踏みつぶされても、クーニーを殺すために戻ってくる。
この時の形相がスゴイ。
おそらく全映画史上もっともすさまじい人間の形相であろう。
後は見てのお楽しみ。
私は父に薦められて小学生の時に初めてこの映画を観たが、大変なショックを受けた。
それから大人になってこの映画の見方が変わった。舞台である軍隊が、会社のように見えるのだ。会社なんて中身はクーニーだらけだから。
以上がジャック・パランスの話し。

最近はいい大人もくだらないマンガ映画なんか観てよろこんでいるようだが、昔だったら考えられない。映画もロックも、作り手も受けてもあまりにも幼稚になってしまった。
今こそこういう社会的に強いメッセージを含んだ映画を観て欲しい。娯楽性も満点だから。
要するにひたすら面白い映画なのだ。

ハイ、Van Dyke Parksの『Discover America』の話しをしています。
で、ジャケット。
バスの行き先が「トリニダード」と「ハリウッド」になってる。このバスに足がはえて「七国山病院」へ行けばいいのにナァ…メイ、大丈夫かな…?
「お前も観てるじゃねーか!」って?「トトロ」はウチの下の子が具合が悪くなった時に必ずビデオを観ていたので知ってる。他のジブリは1本もみたことない。
「火垂るの墓」を見ようとしたけどサクマのドロップのところで頭が痛くなっちゃって最後まで観たことない。かわいそうすぎちゃって…。野坂昭如の原作は読んだ。
ア、あと「顔なし」はテレビで観たわ。

スリーヴのクレジットを見ると、デザインは「Design Maru」とある。
コレ、日本の人かね?「Maru」なんて。調べたけどわからなかった。「丸」なんて軍事雑誌があったけどまだあるのかな?

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このDesign Maruという会社だか人だかが手掛けているジャケットにThe Carpentersの『Now & Then』がある。
コレ、名盤だよね。ジャケットもいい。
ちょうど「乗り物」だから紹介しちゃおう。
Carprnter兄妹が実家から赤い車で出かけるところらしい。両親にギャラの分け前でも持ってきたのかな?すごい額だぞ。

1_img_0281_2このジャケット、鏡開きになっていてドバっと広げるとこんなに大きくなる。30cm×3という大判。テレキャスと比べるとそのデカさが目立つ。

このテリー、すっかりページ押さえになっちゃって…というのはウソで結構弾いている。
16年ぐらい前、マンハッタンはグリニッジ・ビレッジにあるMatt Umanovという楽器店で格安で買った時は、まるで鉄板を弾いているようでゼンゼン鳴らなかったが、今は見違えるようにふくよかに鳴ってくれる。弾いていて実に気持ちがいい。
とにかく深みのあるアクションがタマらないのよ。
弾き込めば楽器がよくなる…なんてことはギターを弾き始めの頃は信じなかったけど、コレはホント。確かによくなる。
この現象は科学的に証明されていて、弾き込まれていないギターの木材の組織だか繊維はランダムの方向を向いているらしいんだけど、弾き込むと、その組織が同じ方を向くようになり、振動しやすくなるんだそうだ。キチンと並んだ組織を見たワケじゃないけど、すごく納得できる感じがする。

1_img_0283_2Blue Oyster Clut、1975年の2枚組ライブ・アルバム『On Your Feet or on Your Knees』。
バンドのマークでもある変形カギ十字の旗をつけたリムジンが、いかにも幽霊でも出てきそうな洋館の前に停まっている。
名前からして、すごくオカルティックな感じのするバンドだが、サウンドはナントもいえないB級ハードロックの雰囲気。下手をすると演歌っぽい空気が漂っていてなかなかに庶民的なバンドだった。
「オカルティック」ということであれば、ロンドンのFinsbury Park駅で地下鉄に飛び込んで自殺したGraham Bondの方が数段上だ。

「りんじニューズをもうじあげまず」という下手な日本語をはさんだ「Godzilla」という曲がすごく話題になり、来日も果たした。
当然、新宿厚生年金会館大ホールに観に行った。1979年のことだ。
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コレがその時のコンサート・プログラム。
メンバーのプロフィールに「胃潰瘍を持っている」とか「変わり者」とか、おおよそ音楽と関係ないことが書いてあっておかしい。
ステージの機材についてはまったく記憶にないが、写真によってはMarshallが並んでいるのが見える。
コンサートそのものはものすごくおもしろかった。
「Godzilla」もヨカッタけど、当時まだあまりお目にかかることのなかったレーザーを駆使したり、ストロボをうまく使ったりで、最高に楽しめた。

G_img_0006リード・ギターのDonald Roeserという人は気の利いたフレーズを連発するなかなかいいギタリストだよ。
で、このバンドの売りはクライマックスになると、キーボーディストもドラマーも全員ギターを持ち出して、5人でギター・ソロを弾いちゃう。何もこんなことする必要はないんだけど、実際に見るとやっぱり面白かったね。

Blue Oyster Cultというのは「Cully Stout Beer」のアナグラム(綴り変え)という話しだが、ホントかな?
「Stout Beer」というのギネスのような濃いビールのこと。「cully」というのは「だまされやすい人」とか「ヤツ」とか「男」という意味を表す単語だ。コレじゃ意味が通じないジャン?
スタウトは好きだナァ。
パブでコキコキとハンド・ポンプで時間をかけてパイント・グラスに注いでもらう間がタマらん。初めはあまりのぬるさにビックリしたが、今ではコレがいい。
イギリスに行くとラガー・ビールは飲まない。エールとスタウトだけ。コレを飲んじゃうとバドワイザーなんてとても、とても…。

MotorheadやMotly Crue等、「O」にウムラウト(ドイツ語で使う点々ね)をつけているバンドを見かけるが、Blue Oyster Cultが開祖らしい。これはベースのAllen Lanierのアイデアだったとか。
ウムラウトに変形カギ十字のロゴがこのバンドのCIだったということか?

G_img_0004Screaming Lord Sutch、1970年のアルバム、『Lord Sutch and Heavy Friends』。
このアルバムと2枚目の『Hands of Jack the Ripper』は我々世代には結構おなじみのアルバムではあるまいか?
…というのも1枚目にはJimmy Page、John Bonham、Jeff Beck、さらに2枚目にはRitchie Blackmore、Keith Moon、両方にNoel Redding等のビッグ・ネームが参加していて、あの時代の必聴アルバム選に大抵顔を出していたからだ。
ともすると、Lord SutchというのはRitchie Blackmoreの師匠だなんて話しまであって、一体どんだけギターがウマいんだ?なんて思ったりしたものである。
Lord Sutchはロックンロール・シンガーで、ギタリストでもなければ、「Lord(伯爵)」という称号が付いていてもまったく貴族なんかではない。
残念ながらここに挙がっているアルバムは聴いたことがないが、2枚目はRitchieのギターがカッコよかったりする。基本的にはちょっとへヴィなロックンロールといったところ。
ステージでは奇天烈な恰好をして、小芝居をし、お客さんと絡み合ったりするスタイルだった。
それでもビートルズが出現するまでは、イギリスで最も稼ぎのよいロック・ミュージシャンだったらしいよ。
よせばいいのに国政選挙に立候補したりして、政治活動も活発に展開したがまったく芳しい結果は得られなかった。

もうだいぶ前のことになるが、Jim Marshallの家にお邪魔した時のこと。当時Jimの家の壁にはところどころ額に収めた新旧の写真が飾ってあった。
ブッたまげたのは、その中にLord Sutchの写真が混ざっていたことだった。
その写真はトラックの荷台のような台車にMarshallアンプが積んであって、Lord Sutchが一緒に写っているというもの。
どういうことかと周囲の人に尋ねると、「ScreamingはJimと仲がよかった」という話だった。
そして、昨年末に上梓された、私が監修を務めた『アンプ大名鑑[Marshall編](スペースシャワー・ネットワーク刊)』 に当時のローカル紙のスクラップが掲載され、そのあたりの事情が明らかになった。
Jimが1963年に2番目の楽器店を開店させた時、当時かなりのスターだったLord Sutchがオープニング・セレモニーを担当したのだ。
そのローカル紙の記事を読むと、ここでも大分ハチャメチャだったことがわかる。

でも、どうもわからないのは、Jimが2番目の店を始めたのが1963年、この頃はもうLord Sutchはスターだった。ところが、このデビュー・アルバムの発表は1970年…エラく間が空いてる。
なんだってこんなにデビュー・アルバムが後になったんだろうね?
Lord Sutchは1990年に自ら命を絶った。

さて、このロールス・ロイスのジャケット…「Lord」という名前からして、日本ではホンモノの大金持ちと勘違いされていたこともあったらしい。

60
それにしてもイギリス人ってユニオン・ジャックが好きだよナァ。

G_img_7639ほぼシンメトリックなデザインが使いやすいのか、色んなものにやたらと利用される。星条旗より使われているんじゃない?
ウェールズを除く3つの国旗を組み合わせた意匠とはいえ、結果「+」と「×」を組み合わせただけのデザインなのにね~。

G_img_7351やはりかつては世界を征服した一等国の国旗としてのステイタスを感じさせるのかね?何しろみんなユニオン・ジャックが大好きだ。

G_img_7645Thin Lizzyのファースト・アルバム。1971年のリリース。
今でこそ当たり前のThin Lizzyだけど、私の感覚では日本での人気はかなり後になってから出たような気がする。それにGary Mooreの人気が拍車をかけた。
私はだいたい『Bad Reputation』ぐらいからリアルタイムで聴いていたが、学校でThin Linzzyを聴いているヤツなんて他にひとりもいなかったナァ。
『Live and Dangerous』は出てすぐ買った。
その後で「Gary MooreがThin Lizzyに入った」ってんでよろこんだ記憶があるような気もする。
ま、結局『Black Rose』までしか聴かなかったんだけどね。
「ギャリー・ムーア」とか「フィル・リノット」って呼んでた時代の話し。

それにしてもDecca時代のThin Lizzyなんて聴いている人なんているのかしら?
そうか…このジャケット、車だったんだねぇ。意識したことなかった。さすが植村さん。
このアルバム、ホッコリしててなかなかよろしいな。
ギターがEric Bellひとりなのでツイン・リードもできないし、売れようとする気がおおよそしないユッタリ感がかえって気持ちいい。

今、Thin Lizzyを聴いて感心するのはBrian Downeyのドラミングだ。
この人、ウマいねぇ~。
NATALドラマーですよ!

90Peter Gabrielの1977年のファースト・ソロ・アルバム。
発売された当時、特にGenesisが好きだったワケではないんだけど、ナゼかコレは出てすぐに買ったナァ。
今は「ゲイブリエル」なんて表記しているけど、私の中では死ぬまで「ガブリエル」だ。それはこのアルバムがあったから。すごく気に入ってホントによく聴いた。
あんまり好きで西新宿のブートレッグ屋でコンサートのもようを収めた海賊盤を買った。あまりの音の悪さに絶句した。
後年、中古レコード屋へ下取りに出したところ、買った時の何倍もの値段で引き取ってくれて再度絶句した。
全曲好きだったけど、Robert Fripが泣きのブルース・ギターを聴かせる「Waiting for the Big One」という曲にはシビれた。
…ってんで、セカンド・アルバムが出た時、よろこんですぐに買いに走ったが、全然おもしろくなかった。その後、「So」というのは買って聴いたけどあのゲイト・リバーブが苦手で2回は聴いていない。

ジャケットはHipgnosis。3枚目までHipgnosisなのかな?
このジャケットに写っている青い車はHipgnosisのStorm Thorgersonの持ち物。ホースで水を撒いたところをモノクロで撮影し、後で車に青い色を入れたそうだ。

100Delany & Bonnieか…。
こういうのは全く聴いてこなかったナァ。
いつからアメリカン・ロックに興味がなくなっちゃったんだろう。Marshall Tucker Bandなんか集めていた時期もあったんだけどね。
それでも中高生時代、夢中になってロックを聴いていた頃に観た外タレって圧倒的にアメリカンが多いんだよね。それはもちろんアメリカのグループを選って観に行ったワケではなくて、アメリカから来るグループがただ多かっただけのことだろう。
これが1970年代前半だったら情勢は全く違っていたハズだ。
今ではFrank Zappa、Todd、Steve Millerだの以外で胸を張って好きだと言えるアメリカン・ロックのミュージシャンはいないって感じ。ジャズは別ね。さすがにジャズはアメリカ抜きには語れない。
そこに引き換え…

110好きだ~、Brand X!
1977年発表のライブ・アルバム『Liestock』。
やっぱブリティッシュだわ~。
ジャケットはHipgnosis。さすがの出来じゃない?アメリカにいるか?Hipgnosisが!アメリカ人にはわからねーだろーなー、このセンス!
Brand Xもほとんどのアルバム・ジャケットはHipgnosisが制作している。

このアルバムはロンドンの名だたるハコで録音されている。Ronnie Scott's、Hammersmith Odeon、Marquee…そしてミックスはかのTrident Studioで行われた。
タイトルの「livestock」…「live」アルバム用の「stock」ということなのだろうが、この「livestock」という単語の本当の意味は「家畜」だ。
だからこのジャケットのバックは牧草地になっている。
イギリスは大都会のロンドンから20分も電車に乗ればこういう光景が広がって牛や馬や羊がノンビリと草を食んでいるのを見ることができる。
だから本来であれば、このジャケットに写っているべきは家畜のハズなのだが、「どこでも車ドア」から出てきたのはなまめかしい女性のおみ足。
そういうシャレになっていると見た!

120このアルバムは、おそらく「人生でよく聴いたロックアルバム」の上位30傑に入るのではなかろうか?
もう~、問答無用で全部好き!すべての曲はもちろんジャケット、うちジャケット、インナー・スリーヴ(レコード袋)…等々。
こうしたアート・ワークはHipgnosis。代表作のひとつと言えるのではないか?
このアルバム、邦題は『びっくり電話』となっていた。こっちがビックリするわ、そうんな邦題!
原題の『How Dare You!』というのは「よくもそんなことができるなぁ!」という文句あるいは怒りの一言。おかげさまで私はまだ実際に言われたことも口にしたこともはない。
だからジャケットに出てくる人たちもみんなそういう表情をしている。
裏ジャケにも斜めに二分した画面に電話をかけたり受けたりしている男女の写真が載っていて、表ジャケットの男女やそこに写っている写真や背景の人物たちと謎っぽく絡み合っている。
色々想像してストーリーを読みほどこうとしたけどわからない。
ただ、雰囲気がナゼかUFOの『Force It』に似ている感じがするのは私だけであろうか?

ホント、全曲好きだけど、一番は最後の「Don't Hang Up」かな?
大好きな10ccだったけどLol CremeとKevin Godleyが抜けて5ccになってキビしくなった。
私は『Decptive Bends』からリアルタイムで聴いたけど、次のスタジオ・アルバム『Bloody Tourist』でズルリと来てすっかり興味を失ってしまった。暗黒の80年代の到来だ。
初めの5枚とライブ・アルバムは今でも聴いてる。

ところで、コレ乗り物ジャケット?

130以前、『日本独自LPジャケット』特集の時にChris Speddingのベスト盤を取り上げた。
決して横着するワケではないのだが、加筆してここに採録させて頂きたい。

Chris Speddingはかなり昔から名前を知っていた。
何かで読んだように記憶しているが、「日本で3大ギタリストといえば、クラプトン、ベック、ペイジだけど、本国イギリスに行くとクリス・スペディングが入る」…これが非常に印象的だった。
もちろんこんな「三大」なんてイギリスにはありゃせん。元より「三大」を好むのは日本人だけのようだ。
ChrisはJack Bruce、Ian Carr、Mike Gibbsとの共演を果たしたブリティッシュ・ジャズ・ロックの重鎮ギタリストだった。それで随分と気になって、いろんなアルバムを通じて彼のプレイに耳を傾けたが、納得がいったことは一度もなかったな。
他にもJohn Cale、Bryan Ferry、Elton John、Eno等とのレコーディングをした…こうして見ると、下手をすればこの人はイギリスでもっとも広範囲な活動を展開したギタリストかもしれない。

1977年、Bryan Ferryが単独で来日した時、中野サンプラザでクリス・スペディングを見た。トレードマークのフライングVを下げていたがそれ以外には特に目立つ点はなかった。この時、Andy McKay、Paul Thompson、Phil ManzaneraというRoxy勢に加えて、ベースがJohn Wettonだった。『Manifesto』で復活する前で、Roxyが休んでいただけにファンだった私にはメチャクチャうれしいコンサートだった。Roxyが復活して来日。その武道館のコンサートも観たが、あまりパッとしなかったな…。

その後、BSかなんかでRobert Gordonのバックを務めるChrisを観た。彼のフィーチュア・コーナーもあって、Chrisが有名ギタリストのモノマネを演っている「Guitar Jamboree」なんかを演奏していた。
その「Guitar Jamboree」が収録されているのがこの1976年のソロ・アルバム『Chris Spedding』。
この曲の中で取り上げているギタリストは、Albert King、Chuck Berry、Jimi Hendrix、ナゼかJack Bruce、Pete Townshend、Keith Richrds、George Harrison、Eric Clapton、Jimmy Page、Jeff Beck、Paul Kossoff、Leslie West、Dave Gilmour。
初めのうちは12小節にわたってモノマネをしているんだけど、Pete Townshendあたりからドンドン短くなって、しまいには2小節毎になってしまう。
有名なリフを弾くだけの完全に「演歌チャンチャカチャン」状態。こんなんじゃ売れんわナァ。

さて、肝心のギターの腕は…というと、Robert GordonのバックのようなロカビリーとかR&Rっぽいスタイルになると俄然すごくなる。。あまりにも正確でカッチリとしており、彼が60年代よりテクニック派のミュージシャンたちに重用されていたという長年の謎がいっぺんに解けた気がしたのだった。こういうギターはなかなか弾けないもんだ。

それにしてもアメリカっぽいジャケットだな…このジャケットを見たら、まさかこの人が「イギリス三大ギタリスト」の一角だなんて思う人はいまい…だから違うってば!

150今の若い人たちは「アル・カポネ」なんて名前を耳にしたことなんてないんじゃないかな?
『Live Dancing at Al Capone's Ballroom(アル・カポネのスーパー・グラフィティ)』というコンピレーション・アルバム。
子供の頃、「夢のバンド」みたいなことを考えなかった?ボーカルはロバート・プラント、ギターはジミ・ヘンドリックス、ベースはポール・マッカートニー、ドラムはピエール・モエルラン(←コレはウソ)…みたいに好きなミュージシャンをかき集めてバンドを組ませたらどうなるか…ということを想像する。
要するにゴジラ(東宝)とガメラ(大映)とガッパ(日活)とギララ(松竹)が戦ったらどうなるか?ということ。
ま、こんなこと考えてもただの時間の無駄なんだけどね。
して、このアルバムのコンセプトはそれと同じようなもので、イタリアン・マフィアの大物アル・アカポネが金と権力にまかせて集めた人気ミュージシャンによる豪華なコンサートというワケ。
Louis Armstrong、Mills Brothers、Andrew Sisters、Bill Haley & His Comets、Glenn Miller、Ella Fitagerald、Count Basie、Buddy Holly、Debbie Raynolds他、R&Rやオールディーズ、スウイング等のスターの音源が収録されている(ようだ…というのもゼンゼン知らなかったんだよね、このアルバム)。
そうか…コレも乗り物ジャケットか…。
アル・カポネの左頬にはしっかりとキズが刻まれている。そう、スカーフェイス。
この人、梅毒で死んだらしんだけど、世界で初めてペニシリンを投与された人だったんだって。
ちなみにネイティブ・スピーカーに「アル・カポネ」と言っても通じない。
「エァル・キャポーン」と発音するのが正しい。外人の前でこの名前を口にするチャンスはなかなか来ないけど。
40_2
さて、以上で車は終わり。
ここから飛行機ジャケット。
訊かれないんで今まで言わなかったけど、実は飛行機好きです。
国際線で長い間せまいところにジッとしているのはそりゃ辛いけど、乗ること自体は今でも少しワクワクしちゃう。
初めて乗ったのは13歳の時かナァ?だから約40年前か。北海道へ行かせてもらった。
あの頃は飛行機の中でもタバコが吸えて、席も自由席だった。
…「自由席」というのはもちろんウソだけど、28年前に新婚旅行先のアメリカへ行ったUA便は、一応席だけは分煙の格好を採っていたけど、まだ機内でタバコを吸うことができた。
今考えてみると、あんな狭いところでよくスパスパやってたよな。
私たちの席がちょうど喫煙と禁煙の境目で、禁煙感は皆無。当時私は吸っていなかったので四六時中迷惑そうな顔をしていたら、反対に禁煙席をあてがわれて苦しんでいるサラリーマンが席の交換を申し出てくれたんだったっけ。
その後、しばらくして吸うようになったが、また止めた。今はもう「全ライブハウス禁煙案」に大賛成。

はい。飛行機ジャケットの一発目はよりによってJeffersonが来たよ。
だ~か~ら~、Jeffersonは苦手なんですってば!
と言っても、どのジャケットをココで取り上げるのかは私の自由なんだけどね。コレ、名盤とされているんでしょ?1967年の『After Bathing at BAXTER'S』。
だから採り上げた…。
棚から引っ張り出して来て3回聴いた…。
感想…なし。
以上。

タイトルの「Baxter」というのはバンド用語でLSD(いわゆるacid)を意味する。「After Bathing at Baxter's」で「アシッドでブっ飛んだ後」ということになるんだそうだ。
ま、そんなこったろうと思ったわ。
ジャケットのイラストはRon Cobbという人の作品。
何やらロバート・アルドリッチ(奇しくも今日2回目の登場!)の名作『飛べ!フェニックス(The Flight of the Phoenix)』を連想させる。
このRon Cobbという人は、アメリカのマンガ家にして作家。レコード・ジャケットに関しては他に有名な作品が見当たらないが、映画の世界ではモノスゴイ仕事をした人。
『スター・ウォーズ』、『エイリアン』、『コナン・ザ・グレート』等の人気作品で登場アイテムのデザインに携わっているのだ。

170

Nilssonの『Aerial Vallet』。
Nilssonはすごく後になって好きになった。でも古くから名前になじみがあった。
私は友人から教えてもらい、中学2年生の時から数寄屋橋のハンターに通っていたが、「ナ行」のコーナーで最も回数多く出くわしたのが『Son of Schmilsson』だったからだ。
歌声はそれ以前から知っていた。
小学校の時に観た『真夜中のカウボーイ』の「Everybody's Talkin'(うわさの男←この訳はウマい!)」のことだ。
この曲はこのアルバムに収録されている。

『真夜中のカウボーイ』はジョン・シュレシンジャーの巧みな演出、ダスティン・ホフマンとジョン・ヴォイトの迫真の演技でアカデミー作品賞(現在まで年齢指定映画でアカデミー作品賞を獲得したのはこの作品だけ)他を獲得し、「Everybody's Talkin'」はヒットした。
今でも時折CMで使われたりしてご存知の方も多いだろう。よく聴くとギターのアルペジオがメチャクチャかっこいい。永遠に歌い継がれる名曲だ。
しかし!「Everybody's Talkin'」はNilssonの曲ではなく、Fred Neilのペンによるもの。
Nilssonもこの映画のために曲を提供したが採用されず、歌だけ歌うことになり大層悔しがったそうだ。
でもね、映画の主題歌としては、この曲で絶対よかったんだよ。
歌詞を把握してこの映画を観たら、ナゼこの曲が選ばれたかがよくわかるハズ。そして、泣ける!ものすごくウマく使われているのだ。
また後に『サウンドトラック・ジャケット特集』に『真夜中のカウボーイ』が出て来るので、その時にまた触れることにする…いつになるかわからないけど。

ジャケットのイラストは  
調べたけどわからなかった。

180

また出たBlue Oyster Cult!今度は飛行機だ。
ジャケットのイラストはRon Lesserという人の作品。映画関連のアートが中心のぺインターのようだ。
私が持っているCDはグループ名が緑色だ。

1974年、3枚目のアルバム『Secret Treaties』。
いいんだよナァ。どことなく昭和歌謡の香りがする。
1曲目は敏いとうとハッピー&ブルーだし、2曲目はマッチだし…。他の曲もどこか古臭くてすごく愛らしい。最後の「Astronomy」は名曲だ。
古いんだけど今聴いても新鮮…なんてことは全くなくて、古いものは古い。でも古いからいいものもある。
それがBlue Oyster Cult。

190「世界で最も美しい音を出すロック・バンド」とされたWhishbone Ash。
確かにナントカコアみたいな、やたら音がデカくて、低音ばっかりで、ボーカルがガナリ立てているメロディレスのロックに比べたら月とスッポンだ。
アレ、誰がロックをあんな風にしちゃったのよ?

私は高校1年生の時、Wishbone Ashのコピー・バンドを友達とやっていて、このアルバムはよく聴いた。
Ashはファーストから『There's the Rub』ぐらいまではホントによかった。
このバンドもアメリカからは絶対に出て来ないタイプのバンドであろう、いかにもイギリスらしいバンドだ。
以前にも書いたが、あまりに美しく崇高なサウンドゆえ、歌詞が追い付かず、当時歌を聴いてゲラゲラ笑ってしまう若者もイギリスにはいたらしい。
その点、我々はラッキーだ。
Wishbone Ashも観に行ったナァ。
近年、Ted Turner派とAndy Powell派に分かれてしまったが、私は偶然両方観た。3通りのWishbone Ashを観たことになる。

1973年の二枚組ライブ・アルバム『Live Dates』。
「Warrior」、「Throw Down the Sword」はニューキャッスルのシティ・ホールで録音されているんだね。知らなかった…というより意識したことがなかった。

これまただいぶ前のことになるが、「ステレオ・サウンド」誌の姉妹誌、「Beat Sound」という雑誌の企画で、大谷令文さんを迎えて名ライブ・アルバムでJBLスピーカーを聴き比べるという企画があった。
令文さんのお供で付いて行った。以前これもマーブロでレポートしたことがあったんだけどね…。
何しろスピーカーが変わるだけでバンドが変わっちゃったんじゃないか?と思うぐらいの差がそれぞれあってものすごく面白かった。
その時、このアルバムもリファレンスに使われたんだけど、ビックリしたのが音質の良さ。「アッラ~、コレこんなに音よかったけ?」みたいな。
内容もさることながら、録音もピカ一のライブ・アルバムなのだ。

Hipgnosisジャケットのチャンピオンといえば何と言ってもPink Floydだが、Wishbone Ashも『Argus』を頂点にかなりHipgnosis度高し。反対にHipgnosisから離れた80年代になるとまったく魅力を失ってしまった。
「世界で最も美しい音を出すロック・バンド」もロックのポップ化、あるいはパンク/ニューウェイヴの犠牲者だった。

2001980年のWishbone Ash、『Live Dates 2』。
ジャケットを『Live Dates』に似せてあるが、録音は1980年の『Just Testing』のレコ発ツアーから。
チョットみるとLAのShirine Auditriumかなんかで録ったのかと思ったらさにあらず。ハマースミス・オデオン他、イギリス国内ツアーの音源だった。
私は聴いたことがない。

210

<中編>につづく

(一部敬称略)

※Music Jacket Galleryの詳しい情報はコチラ⇒金羊社MJG常設展
※当展示は2013年7月~9月のもので現在の展示中のものとは異なります。

2015年2月18日 (水)

【Music Jacket Gallery】 植村さんの本!

売れに売れているそうだ…この『洋楽日本盤のレコード・デザイン(グラフィック社刊)』という本。
副題は『シングルと帯にみる日本独自の世界』とある。
レコード・ジャケットに関する本はゴマンとあるが、日本で制作したレコード類のオリジナル企画に視点を合わせたところが新鮮だったのであろう。
しかも、この本、LPやドーナツ盤に愛着を感じる世代もさることながら、30~40歳台のCD世代、あるいは、それ以降の世代の人たちに大ウケしているそうだ。
2月6日に販売され、早くも重刷が決定しそうだ!

10ナゼこの本をMarshall Blogで取り上げているかというと、著者が『Music Jacket Gallery』でおなじみの植村和紀さんなのだ。
ご出版おめでとうございます!

20v_2植村さんといえば何度もMarshall Blogにご登場いただいている日本屈指のLP、CDコレクターだ。
その植村さんが著した本ということで前々から楽しみにしていたというワケ。

植村さんのCDコレクションはコチラをご覧あれ!⇒The Amazing Uemura Collection

30v_2ご出版に際し、植村さんに少しお話しをうかがってきた。
そのお話しを散りばめながら、さっそくこの本を紹介しよう。

まずは表1。
レコード帯に関する本だけあって、チャンと帯がかかっている。東芝風の帯だ。
コレ、むかし「タスキ」って呼んでいる人もいたけど私は絶対「オビ」。
帯がかかっているといっても、これはもちろん印刷。少し端から離れていて下が見えているところがいかにもソレらしい。
この帯ってパンパンに張ってあるのとユルユルのヤツがあったよね。

40こちらは表4。

50_2ちょっと写真ではわかり辛いが、帯の白いところが透けて下地が見えている。
また帯の貼りしろが折り返したところで少しズレている!…といった凝りようがうれしい。
ま、LPが主流していた頃はバーコードもなんてものはなかったけどね。消費税もなかった。少子化問題も取り沙汰されない、戦争の心配もない、将来に希望を見出すことができたいい時代だった。帯はそんな時代の象徴のひとつなのだ、

60_2この本の内容は主に以下の3つのパートに分けられている。
①激レアな洋楽国内シングル盤のジャケットのコレクション。コレはすべてが植村コレクションにあらず。
②洋楽国内盤LPの帯のコレクション。コレは100%植村コレクション。
③最後は日本で独自に制作された洋楽LPのコレクション。これもすべて植村さんのコレクションから。

まずはシングル盤のコレクション。
岩渕さんというこれまた日本有数のコレクターが保有している約3,000枚のシングル盤の中からジャケット・デザインの優れているもの、邦題がおもしろいものを300枚に絞って掲載した。大変な作業だ。

下は60年代の大変貴重なシングル盤。マァ、出てるわ出てるわ、ゼンゼン知らないヤツら。
当時は圧倒的に邦楽優位で、レコード会社社内でも洋楽チームの地位は肩身の狭い思いをしていたらしい。
今はもっとそうか?邦楽:洋楽の比率は8:2を破り、とうとう洋楽の売り上げは20%を切ったらしい。

「Please Mr. Postman」で有名なMarveletsの「海には魚が多すぎる(Too Many Fish in the Sea)」なんて知ってる?誰が買ったんだろうね?漁師か?イヤイヤ漁師はサブちゃんを聴くよ。
この当時は漁獲量も多かったんだろうね~。今ではイワシが高級魚。マグロも獲れなくなってきてこれから先、一体どうすんの?
「Johnny Angel」やら「Pineapple Princess」あたりのオールディーズの名曲はさすがに知ってる。しかもスキだ。

71そんな洋楽の地位が低い環境下、なんだってこんなシングル盤をリリースしていたんだろう?
答えは「何もわからず右から左へ」…ということだったらしい。
そりゃそうだ。聴いたこともない音楽が次から次へと送り込まれてくるんだから、何でも出してみなけりゃわからない。
今なら「フフン…○○風だな?」なんていう聴き方もできるけど、当時は元となる「○○」がなかったんだからスゴイ。いわばすべてがオリジナルだったのだ。

そして販売に一役買ったのがジャケットのデザインだ。
ラジオで偶然耳にして気に入った曲をレコード屋に買いに行く。その曲は洒落たジャケットにくるまっていて、ああうれし…とこうなる。
そこでこれらのシングル盤のジャケット・デザインに心血を注いた人たちがいたワケだ。

例えば、下のThe Beach Boysスタンダードの1曲、「Fun, fun, fun」。この「ファン・ファン・ファン」というクルクルっとした文字。持てる才能を絞ってコレを編み出す。
当時は今みたいにコンピュータのフォントでチョコチョコ…なんてことはできなかったので、こうした文字をひとつひとつ人力でクリエイトしていったというのだ。いわゆる「手書き文字」。
音源と写真が海外から送られてきて、それらを組み合わせ、そこにオリジナルの手作り文字を入れて魅力的な商品に作り上げる…なんておもしろそうな仕事なんだろう。…と思うがコレが大変な仕事だったのだそうだ。

で、この本の巻頭には竹家鐵平さんというその仕事の第一人者の方へのインタビューが収められている。
コレがまたベラボウにおもしろい。
聴けば、竹家さんという方はとてもシャイで控えめな方。日本の洋楽レコード界にとてつもない業績を残されている。
そんなだから、会社をお辞めになった時、その足跡を記録した本を上梓しようという計画が持ち上がった。ところが竹家さんからキッパリお断りされたそうだ。
しかし、竹家さんのお仕事を後世に伝える義務感に燃えた植村さんを含むこの本の制作スタッフは、懸命に竹家さんの説得にあたり、時を経てようやくこのインタビューが実現したというものなのだ。
そう、私がいつも騒いでいるこうした「伝承作業」は、情報伝達の手段が進化した今こそ、あらゆる分野において真っ先にされなければならないことだと思う。
要するに温故知新の源の保全だ。
ま、最新のテクノロジーで古いことを学ぶなんて皮肉なことかもしれないが、「良いものは良い」のであ~る。この本もそれを教えてくれている「伝承本」のひとつだ。
72
右のページの左の上、The Whoの「A Legal Matter」なんだけど、B面が「The Kids Are Alright」になってる。
ま、「A Legal Matter」も悪くないけど、ココは「The Kids Are Alright」がA面でしょう?
ちなみにこのころのPeteはMarshallだ。太くてメチャクチャきれいなクリーン・トーンだ。
どうしてこうなったかと言うと…要するに海外から送られてくるものを「右から左に」ということらしい。…とこんなこともあったが、反対にAB面を故意にひっくり返してヒットを狙うなんてこともあった。
さらに、勝手に日本だけでシングル・カットしちゃうなんてこともしたらしい。

ところで、竹家さんはThe Beatlesのシングル盤のジャケットのデザインのほとんどを手掛けていらっしゃたということなのだが、ビックリしたことがひとつ。
60年代中盤、東芝音工は洋楽の分野においては業界ナンバー1だった。理由はThe BeatlesとThe Venturesを抱えていたからだ。社内のLPを含めた洋楽の全売り上げの65%がThe BeatlesとThe Venturesだったらしい。
でも驚いたのはこんなことではない。
ナント、当時The VenturesというのはThe Beatlesの10倍の売り上げを誇っていたというのである!
コレだもん、テケテケ、強いハズだよ。楽器もよく売れたにキマってら!
そこへ行くと今の楽器の世界ときたら…悲劇以外の何物でもないでしょ。テクノロジーばかり進化したものの、演奏する肝心の音楽の質が低下してしまったからだ。
しかも、デジタル・テクノロジーが生み出すサウンドは60年代や70年代の音に比べてどうか?劣悪としか言いようがないでしょう。ただ便利なだけだ。
何よりもマズイのは、やはりここでも「伝承」がなされていないことだ。
流行や利便性を追求するあまり、あの素晴らしいピュアな真空管のアンプだけが生み出せる美しいサウンドやPAスピーカーではなく、ギター・アンプのスピーカーが空気を震わせるホンモノの爆音を知っているベテランまでもがそちらに流れてしまって、後輩のその素晴らしさを伝承しようとしないことだ。
それなのにギターばかりビンテージ、ビンテージといって古いモノを希求するのは、高価な無農薬のコメや野菜を集めておいて、人口調味料やインスタントのだしを使って料理するようなものではないのか?
いつも言っているように、「楽器のブーム」なんてのはあり得ない。楽器は音楽をクリエイトするための「道具」なんだから。
今まで「ノコギリ」のブームなんてあったか?それとも「フライパン」のブームなんてあったか?そんなもんはありはしない。それらは材木を切ったり、食材を調子する「道具」だからだ。
テケテケの時代、それはギターのブームではなくて、「The Venturesの音楽」のブームだったということをもっとよく考えるべきだと思うね、楽器業界は。
すなわち、誰もが夢中になる「音楽」をクリエイトすることが先決なのだ。
73
そして、邦題。
コレは子供のころから「神戸牛のハンバーグ化」だと思っていたし、今でも原題主義に立っている。
何でこんなことするんじゃろね?…で、ようやくわかった。
もちろん売り上げを考えてのことなんだけど、昔はラジオの存在が大きく関わっていたという。
つまり、「いかにラジオでかけてもらえるか」…。
このことである。
『それでは次の曲、マーベレッツで「Too Many Fish in the Sea」です』というよりも、『それでは次の曲、マーベレッツで「海には魚が多すぎる」。最近はイワシが獲れないらしいよ~!』とやった方が、オンエアしてもらいやすいし、一般聴取者の耳にも入りやすいということ。
このThe Marveletsの曲がヒットしたかどうか知らんよ。
ま、Zappaの「Titties and Beer」という曲があって、「おっぱい印ビール」というキテレツな邦題が付いているが、ヒットしたなんて話しも聞いたことがない。

じゃ、当時はラジオを聴く人が多かったのか?ということになる。
実際に今よりは多かったのだろうが、それでもテレビが主役であったことには今と変わりはない。
深夜放送の影響力が莫大だったのである。

植村さんによれば、邦題は「一種のキャッチコピー」だという。
同感である。
中にはどう考えても悪ノリしているとしか考えられないヤツもあった。
まず筆頭に上がるのはJeff Beckの『ギター殺人者の凱旋』だろうネェ、月並みだけど。でも当時は実際にこのアルバムをこう呼んでいるヤツがいたもんね。
で、何やら「ジェフ・ベックの『ブロウ・バイ・ブロウ』というアルバムがスゴイ」と聞いて、レコード屋へ買いに行ったヤツがいた。
「すみません、ジェフ・ベックの『ブロウ・バイ・ブロウ』ください」とやったら出された商品が『ギター殺人者の凱旋』だったもんで、ソイツは「あ、すみません、コレ持ってます」と顔を真っ赤にして答えた。コレ、事実です。
ついでだから書くけど、この邦題は実は日本のレコード会社が考えたオリジナルではなくて、『Blow by Blow』の海外の宣伝に「The Return of the Axe Murderer」というキャッチコピーがあって、それをそのまま和訳してしまったというのが真相だ。
ギターのことを「axe(おの)」って言ったりするからね。でも、コレはギターが元じゃない。サックスだ。40年代のニューヨークのビバッパーたちはシャレや形状もあってか「サックス」のことをすでに「アックス」と呼んでいた。

で、このアルバム収録の人気曲、に邦題「哀しみの恋人たち」っていうのがあるでしょ?これは「'Cause We've Ended as Lovers」という現在完了の見本みたいな文章が原題。「もう私たち恋人じゃないから…」ぐらいの意味合いになろうか。
これは明らかに邦題のいいレアなケースの代表だろう。
「イヤ~、あの人の『こうずうぃーぶえんでっどあずらばーず』は完コピだね!」というより、「スゲー、あの人『哀しみの恋人たち』は完璧じゃん!」の方がシックリくる。
Kansasの「Carry on my Wayward Son」なんかも「伝承」としてうまくやった。

他方、「Walk This Way」を「お説教」に、「Sweet Emotuon」を「やりたい気持ち」にしたのは失策だった。
しかし、この「Sweet Emotion」って曲の邦題どうする?なんて場面があったのかな?
会議の席で「はい、多数決。「やりたい気持ち」の人、手を挙げて!」なんてキメてたりして。オイ、一体何の会議だ?!
こうした邦題は、どうも公序良俗に反しない限り、やりたい放題で担当者が好き勝手に決めることが多かったらしい。

それともうひとつ「コレはよくない」と思うのは、原題を流用する時に、冠詞や名詞の単複の区別を無視することだ。
こういうことが日本人の英語感覚をドンドン鈍らせるのだ。やはり「神戸牛のハンバーグ化」なのだ。

そうして四苦八苦して何とか洋楽を普及させようとした先達がいたにも関わらず、不思議というか、皮肉というか、浜崎あゆみに代表されるようにJ-POPの連中の曲のほとんどの曲名が英語表記になっちゃったね。
どういうことなんだ?まさか日本人の英語力がアップしたってか?ないない!ゼンゼンないよ。だって歌詞は丸っきり日本語だもん…。
ただ英語の方がカッコいいから…ということ以外考えられない。
でもね、コレって日本だけの現象ではなくて、同じアルファベットを使っている国でもそう。旧聞ではあるが、ドイツ人の友達も「ドイツ語じゃモノが売れない」って同じことを話していた。

そういえば、こんなこともあった。以前、教則ビデオの対訳のチェックの仕事をしていた時の話し。対訳の文中に「胡椒軍曹の寂しい心楽団」というのが出て来て絶句した。
私がチェックする前は本当にコレが印刷されて商品の一部として流通していたんだぜ。『ゴム魂』よりはマシか?
植村さんのご指摘。The Beatlesの曲って、『Revolver』以降のアルバムは邦題が付いていないって気が付いた?「With a Little Help From my Friends」は時折カバーなどでは「心の友」と呼ばれているようだが、植村さんのおっしゃる通り。
コレはThe Beatlesの人気も高まる一方の中、邦題を付けるのが苦しくなっちゃったかららしい。そりゃそうだよ、The Beatlesの曲名を勝手に変えるなんてさすがに良心がとがめる。
もし、あのまま続けていたら『Revolver』も「寝てるだけ」とか「黄色い潜水艦」、「彼女は言った、言った」なんてことになってたワケよ。、「いい日、日だまり」やら「ここ、そこ、どこもかしこも」…ポールがっくり。
もし私が担当者だったら1曲目は「税務署職員」として副題をこうつける「~住民税高くてスミマセン。それなのに無駄づかいしてゴメンね」。切手を買うんじゃない!
それとついでに…『サージェント~』って「ロック史の頂点に輝く名盤」みたいな扱いをされているけど、ロックの象徴ともいえるエイト・ビートの曲が案外少ないんだぜ。

74さらに脱線。
さっきの「ギター殺人者の凱旋」ではないが、この邦題もスゴかった。Meatloafのバラード「Two Out of Three Ain't Bad」で「66%の誘惑」。
原題の「two out of three」というのは「3つのうちの2つ」ということ。歌詞を読んでも何が「3」で何が「2」かはピンと来ないが、大分後になって邦題にピンときた。3つのうちの2つをパーセンテージで表せば余りは出るが、「66%」だ。
このタイトルに惹かれてシングルを買っちまったのは高校の時だ。
邦題おそるべし。
あ、さっきから例に挙げている邦題をつけたレコード会社、偶然全部同じだ!

2_66_2しかし、スゴイ時代だよね。プログレだってホラ…。
Pink FloydやYesには驚かないけど、Amon DuulだのThird Year BandだのBrian Augerだの、East of Edenだの…マジで売れると思ってたのかね?

75続いて「帯」。
もちろん帯は値段の提示をしたり、レコードの中身を簡単に説明して消費者の購買意欲をそそるためのものだが、書籍の補充カード(短冊)と同じ役割を果たしていた時代もあった。

帯は好きだナァ~。
破って捨てちゃう人の方が多かったんだってね~。
私は絶対にそんなことしなかった。丁寧にハズして袋にまとめて保管しておいた。
ずいぶんな量になったんだけど、引っ越しの混乱に紛れて父が全部捨てちまいやがった!
他に中学生の時から大事に集めていたコンサートのチケットの半券とかも捨てられてしまったんよ。
今、あればおもしろかったのにナァ。あの頃はまさかMarshall Blogなんてやるなんて夢にも思わなかったから。

帯が存在するということは日本国内盤があったということ。
コレを見ると、驚くほどコマメに国内盤をリリースしていたかがわかる。

76初めて見るものもあれば、おなじみのものもあってページをめくっていて実に楽しい。

77こんなMichael Gibbsのアルバムまで国内盤があったんだもんね。
植村さんによると昔は輸入盤の方が値段が高くて、輸入盤をムキ出しにして持って歩くのがひとつのステイタスだったのだそうだ。
だから帯はゼンゼン重要視されていなかった。昔の帯が希少になっているのはそういう事情が遠因のひとつになっている。
そういえば学生の時、Pablo Cruiseのファンだった家内にニュー・アルバムをプレゼントしたことがあった。
こっちは1枚でも多く自分のLPが欲しいのに、死ぬ気でそれを我慢してプレゼントしたワケだ。学生の2,500円は大金だ。今でも大金だ。
彼女はよろこびながら袋からレコードを取り出すと、真っ先に人差し指を帯に引っかけてバリっと破ってしまったのだ。
もちろん私が悲鳴を上げたことは言うまでもない。「だってジャケットが全部見えないジャン!」と彼女は横浜弁で答えたとさ…めでたくない、めでたくない。

78コレはヒドイ。Roy Woodの名盤『Boulders』が『ミュージシャンはマジシャン』だって!んなワケねーだろ!
このCaptain Beyondもスゴイ。『Sufficiently Breathless』が『衝撃の極地』だもんね。
いいナァ、こんな仕事したかったナァ。
アイルランドのFruuppはなかなかいいよ。

79こんな変形帯のアイデアも当然出てくる。
右ページの一番左はシリーズ企画で、The Mothers of InventionやJethro Tullも含めて全部で9作だけ制作された激レアアイテムだそうだ。

79_2Frank Zappa特集。
何しろ植村さんはZappa好きが高じて、転職をしてまで契約をしにLAのZappaの家まで行った人だ。
当然ヌカリはない。
私はコレラの邦題は好きじゃないけどね。
90

こうした手書き文字の帯もたくさん存在した。どれもほとんどタッチが同じだもんね。
ああ、帯おもしろいナァ~。
ああ、オレの帯~!

80_23番目のテーマは日本で独自に制作されたアルバム。
これもかなり好き勝手やってて楽しい。

79_4コレはMarshall Blogで過去に詳しくやっているので下をご覧いただきたい。

【Music Jacket Gallery】
日本独自ジャケットLPコレクション<前編>
日本独自ジャケットLPコレクション<中編>

79_5各ページの下欄に認められた植村さんの含蓄に富んだ解説がまたいい具合で、簡潔ながら実に読みごたえがある。
各グループやアーティストひとつにつき1枚ずつ掲載するという基本ルールを課したらしいが、どうしてもヒイキのバンドは複数枚が選ばれた。
膨大なコレクションの中から掲載アイテムを厳選し、狭い紙幅で解説を加えるのはさぞかし苦しい作業であったと思う。
将来の夢はレコードの博物館を作ることだという植村さん。今回のこの本を目にした人の多くがその夢が早くかなって欲しいと思ったに違いない。

繰り返すが、上記の内容には植村さんからうかがったお話しをふんだんに盛り込ませて頂いた。

『洋楽日本盤のレコード・デザイン』の詳しい情報はコチラ⇒グラフィック社刊公式ウェブサイト

235v
ここから第二部。
せっかくの機会なので私のコレクションもチョロリと並べて本稿末尾を汚させてもらうことにした。
先述の通り、帯のコレクションはとっくの昔に逸失してしまっているので、残っているものの中から本に出ていないと思われる、目についた手近なものをランダムに引っ張り出してきた。
植村さんの本とダブっているものがあったら失礼をお許し頂きたい。

●左のJose Felicianoは古い。「1968年のグラミー賞」がどうのと言っているぐらいだから45年ぐらい前のモノだ。レトロ感がハンパじゃない。もちろん中古でゲットしたもの。
●Pacoは観といてヨカッタ!しかも長野県の岡谷で観たのよ。
●Focusの未発表音源集の原題は『Ship Memories』。『美の魔術』とは一体ナニゴトか?
2曲目の「Can't Believe My Eyes」という曲のJan Akkermanがカッコいい!5曲目の「Gilder」は「Mother Focus」と同じじゃんかよ。でもこっちの方が素敵!
●Genesisの『静寂の嵐』の原題は『Wind & Wuthering』。「wuthering」というのは「風が激しく吹く」というイギリスの方言で、普通の辞書に出ていないように記憶している。
ブロンテの『嵐が丘』の原題は『Wuthering Heights』という。Kate Bushの名曲も同様。ヒースクリフとキャシーね。いずれにしても「静寂」とは関係ない。
●PMFのアルバムはナゼか2枚持っていて、その両方に帯が付いてた。CDもあって、それにイタリア語版のLPもあるので、何やらにぎやか…。Areaの方が好きなんだけどな。

110_2ここも何てことはないんだけど…
●Hermeto Pascoalのこのアルバムはジャケット(外も中も)も好きで大切にしてる。
●真ん中のHal WilnerのWeilのトリビュート・アルバムは大阪の阪急箕面駅の横のスーパーの上のレコード屋で500円で買った。ZappaのところのFowler兄弟なんかが参加している大好きな一枚。一時聴き狂った。
Hal Wilnerの2作はCDが見つからなくて苦労した。Weilの方は意外安くゲットしたが、Monkの方はいまだに見つからない。なんで廃盤になってんの?
●WingsはHipgnosisのカッコいいジャケットとまったく関係ない帯のデザインがかえっていい。この頃のPaulは曲もパフォーマンスも最高にカッコよかった。
●なつかしいRough DiamondはUriah HeepのDavis Byronがいたバンド。「笑うダイアモンド」と思っていたヤツがいたけど違うってば!コレ、帯がパラフィン紙でできてるんだよ。

120さて、上のThelonious Monkのトリビュート盤にはスゴイことが起こっている。
本体と帯に表示されている値段が違うのだ。
定価を変える時、金色の値段のシールを貼って急場をしのぐことは珍しくはない。ナ~ニ、どうせ100円とか200円の違いだろって?
とんでもない!
コレが、本体が2,800円で帯に表示されている定価が3,800円。ナント1,000円も値差があるのだ!
このアルバムは2枚組なので、3,800円が正しいのだろう。
チョットしたチェック漏れなんだろうけど、担当の人、相当怒られたんじゃなかろうか?

130_2帯じゃなくて「フィルム+ステッカー」という仕様もあった。はがしたくてもガマン、ガマン。

140植村さんの本はロック作品ばかりなのでジャズLPの帯を少々…「少々」というのは、ジャズのLPは東日本大震災以降、ゴッソリ階下の倉庫にしまい込んでしまったのですぐに引っ張り出せるものがないのよ。
それにジャズのLPはカッコいいジャケット・デザインは多くても、おしなべて帯のデザインは単調でつまらないものが多い。
左の2枚は日本のジャズ・レーベルThree Blind Miceの水野修孝という人のビッグ・バンド作品。香津美さんが客演してバリバリ弾きまくっている。
右は八城一夫というピアニストの作品。

150『Put in Tune/八城一夫フィーチュアリング渡辺香津美』という1975年録音のドラムレスのピアノ・トリオ作。
帯にはこうある…『ベテラン八城一夫と気鋭のギタリスト渡辺香津美との出逢い』。
30年以上前に神保町のTONYで2,000円で買って以来の大大大愛聴盤。
ジャケットはトホホだが、内容はあまりにも素晴らしい。多分CD化されていないと思う…どうかCD化しないで!独り占めしておきたいのだ!

160_2帯はボックスものにもこうして平然と付いてきた。

170日本のロックを少々。
ウシャコダもおとぼけCATSも大好きだった。昔はいいバンドが山ほどいたんよ!

180●YMOは透明の盤が欲しくて買った。コレ、香津美さんのギター・ソロがそのまま収録されていたら芸術的価値が何倍にもなったし、みんな聴いたら驚いたろうにナァ。もっともそれがマズいので香津美さんはグループを離れたとかいうウワサも聞いたことがあるが…ウワサだよ。
後のノーカットのライブ音源『Faker Holic』で聴けるようになった香津美さんのソロはヤッパリスゴかった。
●驚いたことに『ゴールデン・ピクニックス』を録音した時の森さんや大二さんって、まだ22歳だったんだよね。今のうちのセガレたちより若かった。昔の人はスゴかった。22歳で「Lady Violetta」だからね。
このアルバムの「パリ野郎」とか「ネッシー」とか「ヴィオレッタ」を聴いていて思うのは、今の若い人のバンドって、つくづく器楽のメロディ、すなわち楽器で奏でるメロディがないよね。機材のことは詳しいかもしれないけど、楽器本来の魅力を発揮する場面が圧倒的に少ないと思うね。
●ハード・ロックを聴いている男の子ならみんなきっと好きだったBAD SCENE。アルバムが出ると聞いて浮足立った。そして、聴いてみんな撃沈した。ガックシ…。
あのカッコいいBAD SCENEはいずこへ?
これぞ「神戸牛のハンバーグ化」の極致。イヤ、「ピーマンの肉詰め」か?
「風に向かってぶっ飛ばせ」も「Rising Dream」もズタズタ…。さんまは目黒に限るのに!
「Bird of Fire」も「ペルシャの女」も「Dancing Wizard」も「フィーズ」も収録されていなかった。
今、あの頃の曲をそのまま吹き込んで若い連中に聴かせたらビックリするんじゃないかな?
「日本のロックはこんなにカッコよかったんだ!」って。
帯を見ると『誰が、ROCKを口あたりのいい音にしてしまったのか』って謳ってる。少なくともBAD
SCENE自身のせいではなかろう。
ギターの杉山さんと話した時、「今使っているストラトは都内のほとんどの楽器屋さんで試して一番音がヨカッタのを選んだ。Marshallは50Wが欲しかった」とおっしゃっていたのを覚えている。1987をお使いだったのだ。
●もしかしたら私の大したことないコレクションの中で一番聴いたアルバムはパンタ&HALの『マラッカ』かもしれない。

190_2パンタ&HALのスタジオ録音盤2枚、『マラッカ』と『1980X』。参加しているメンバーは異なるが、兄弟のような出で立ちだ。
双方、写真は鋤田正義さん。

200_2『1980X』は両面表1という仕様で、帯もそれに対応したデザインになっていた。
上の写真に見えるサインは、私が高校の時、このアルバム発表直後ぐらいに頂戴した。歌詞でPANTAさんと共同創作をしていた三文役者のボーカル、花之木哲さんの口利きでPANTA&HALのリハーサルにお邪魔した時のことだ。
私は高校の時、三文役者の(今でいう)ローディみたいなことをさせてもらっていたのだ。
場所は渋谷の明治通り沿いの場外馬券売り場の前あたりにあったVEGAスタジオ。
今にして思うと、いくら紹介があったにせよ、よくあんなどこの馬の骨かも知れない高校生をスタジオに入れてリハーサルを見せてくれたものだと思う。
きっとこのアルバムのレコ発コンサートのリハーサルか何かだったのだろう。
LPを差し出してサインをお願いするとPANTAさんは「毎度あり!」とおどけながら気さくに「どの曲がヨカッタ?」と私にお訊きになった。
私も気の利いたひとことでも言えればよかったのだが、緊張してしまって、前から知っていて聴きなじみのあったアルバムのオープナーである「トトトト、トゥ・シューズです」と月並みな返答をしてしまった。
するとPANTAさんは「あ、そう。『ナイフ』なんてすごくいいと思うんだけどな…」とおっしゃったことをよく覚えている。
あまりにもカッコいい浜田さんのドラムで始まる「ナイフ」もよかったし、「Audi 80」だって、シングル・カットされた「ルイーズ」だって「Kick the City」だってよかったのに!もちろん「トゥ・シューズ」もいい曲なんだけど…PANTAさん、きっと「つまらない子だ」と思ったに違いない。
休憩の時には、「HALのテーマ」のコード進行を平井光一さんに教わった。
メモ用紙がなかったのでLPを入れて行った石丸電気の紙袋のフタの部分の裏にズラズラと平井さんが口にするコード名をそのまま書いていった。13thだの9thだのMaj7だの…その時は丸っきりチンプンカンプンだった。
「それで後でわかる?」
平井さんは心配してくださったが、何しろ譜面の読み方なんてまったくわからない時分のことだ。小節の縦線なんてことは頭にまったくない。どうにもならなかったけど、その袋は長い間大切に保管していた。
とにかく大好きなバンドのそばにいられただけで猛烈にうれしかった。
それが今ではPANTAさんにもよくして頂いて…ああ、なんて幸せな人生なんだろう!

210_2本に合わせてシングルの話しもひとつ…。
これがそのシングルの「ルイーズ」。
1978年にイギリスで誕生した世界初の試験管ベイビー、ルイーズ・ブラウンの名前をタイトルに冠した曲。何てカッコいい曲と歌詞なんだろう!やっぱりこんなの聴いちゃうと今のロックってい一体どういうつもりなんだ?と思っちゃうよね。
そしてB面の「ステファンの6つ子」。B面といってもコレは両A面なんだな。
名曲中の名曲「ステファン」…今でも時々口ずさむ時がある。
ジャケットも銀ピカでイカしてる!ちょっとCal Shenkelみたいなタッチ?そう、「頭脳警察」という名前からもわかるようにPANTAさんは大のZappaファンなのだ。
このシングル盤は私の宝物のうちのひとつ。

220_2…ということで悪ノリして勝手に「第二部」なんてくっ付けちゃったけど、シングル盤や帯の魅力がいくらかでも伝わって、植村さんの本に興味を持って頂ければ幸いである。
しかし…この本に掲載されている作品の多くでMarshallが使われているだろうし、もしMarshallがなかったらページ数もグッと減っていたかもしれないジャン…なんてことを考えたのは日本で私ひとりだろうナァ。でも、それは事実なのだ。
おススメです。

240_2P.S. 植村さん、貴著へのクレジットありがとうございました。

(本項内における当該書籍の転用・掲載は著者の許可を得ています)

2015年2月10日 (火)

【Music Jacket Gallery】動物ジャケット特集<後編>

昨日、この『動物ジャケット特集』の<前編>を掲載したところ、予想以上の反響があり、「あんなのどうだ」、「こんなのもあるよ」というご意見を寄せて頂いた。
その中で吹き出してしまったのがAerosmithの『Nine Lives』のオリジナル・デザイン。ウマい!
アレはネコ?おっかない顔しているヤツ。
あのジャケットも確か宗教的な理由かなんかでデザインが変更になったんだよね?

Z_img_6653…ということで、みんな大好き動物ジャケット。<後編>いってみよ~!
(注:本展示は2013年4月~6月のものです。現在MJGではまったく別のアイテムが展示されています)

Z_img_6655『動物ジャケット特集』の<後編>はヘビ・コーナーから。
ロック系のレコード・ジャケットともなるとヘビも登場頻度が高い。
「ロックでヘビ」と来ればまずこの人が相場だろう。何せステージで共演してるぐらいだから…。
Alice Cooperのおでまし~。
1986年の『Constrictor』。
Alice Cooper、もうダ~イ好きなんだけど、これは知らん。
私のAlice Cooperは1977年の『From thr Inside』まで。80年代はロック離れを促した私にとっての暗黒時代なのだ。

70年代のAlice Cooperはとにもかくにも曲が最高にヨカッタ。「ロックかくあるべし」的な曲が目白押しだ。人気もバツグンでFM雑誌に「アリスは愛妻家」とかいってグラビアに出ていたのを覚えている。
好きな曲を挙げればキリがないが、Slashが『Guitar』というビデオで『Welcome to my Nightmare』に収録されている「Cold Ethyl」をこの世で最もカッコいいギター・リフと言っていたのを聞いてうれしくなった。
「ショック・ロック」と呼ばれたヘビやギロチンが登場するステージも魅力的だったのだろうが、そんなことをしなくても十分に楽しめるロックだった。
今でもロンドンのライブハウスに出演することがあって、何年か前にオックスフォード・ストリートの100Clubに登場するというので、ちょうどロンドンにいた私はチケットをゲットしようとしたが、ゼンゼン売り切れで臍を噛む思いをした。
MarshallはClassic Rock誌とのタイアップで、何年か前にChalk FarmにあるRoundhouseという有名な劇場を使ってイベントを開催したことがあった。その時のMCはナントAlice Cooperだった。心底行きたかった。

Z_img_6742Alice Cooperにはこういうドンズバのヘビジャケもある。カッコいい。「Under my wheels」や「Halo of Flies」が入ってもちろん内容も素晴らしい。
「♪Telephone is ringing, you got me on the run」…ク~、タマらん。

2_img_0008Uraih Heepも『Demons and Wizards』や『The Magician's Birthday』といったRoger Deanの数作を除いてはあまりジャケットに恵まれないグループだったと私は思う。
『Look at Yourself』もアイデアはおもしろいかもしれないけど、決してカッコよくはあるまい。

このヘビジャケは1977年の『Innocent Victims』。
ナニこれ?
このアルバム、本国イギリスではサッパリだったが、ドイツとニュージーランドでは大ウケしたそうだ。
ボーカルはもうDavid ByronではなくてJohn Lawtonという人。ドイツのバンド、Lucifer's Friendに在籍していた人。チョットしか聴いたことないけど、このLucifer's Friendというバンドはいいよ。

この前作、John Lawtonが参加した最初のアルバム『Firefly』は結構好きだったりもしてます。
2010年にロンドンでUriah Heepを観た時のボーカルさんはすさまじくハイ・トーンだったナァ。

このバンドのギタリスト、Mick Boxは忠実なるMarshallのユーザーで、1965年に発表したMarshall初の100Wモデル、JTM45/100のリイシューを愛用している。
このリイシュー・モデルの取扱説明書にMarshall Museum Japanの館長と私の名前がクレジットされているのは何回も書いた。このことを誇りに思っているので機会があれば何度でも書いちゃうよ。

Z_img_6735
Hydra、このバンドは全く通過していない。でもこのジャケットはなんかものすごくなじみ深い感じがするナァ。
それだけ。
だって知らないんですもの!

Z_img_6745コレはスキだった~。私だって人の子よ。Michael Schenkerのギターにシビれた時期はある。高校の時、夢中になって聴いたナァ。
中野サンプラザに行った時のギターは元Lone StarのPaul Chapmanだった(この人、Gary Mooreの後釜としてアイルランドのSkid Rowにいたこともある)。結局UFOでもScorpionsでも来なかったし、みんなが「シェンカー、シェンカー」と騒ぐようになってスッカリ熱がさめてしまったため、Michael Schenkerはとうとう見ずじまいだったことは以前にも書いた。

このアルバムはドップリとキーボードが入った初のUFOのアルバムなのだが、思い違いをしていた。キーボードってPaul Raymondかとばっかり思っていたんだけど、UFO!、あ、チヤウUSO!
キーボードはDany Peyronelって人なのね。
プロデュースはTen Years AfterのLeo Lyons。

ジャケットはHipgnosis。
UFOは『Phenomenon』以降、アルバム・ジャケットのデザインにHipgnosisを起用したことがすごくバンドに利してると思うのは私だけではあるまい。
不思議なのはそのコンセプト。
『Force It』にしても本作にしても、『Lights Out』にしても、どうもバンド側から「こういうデザインにしてくれ」的なアイデアは出なかったような気がするのね。
「あ~、あ~、スキにやってくれ。なんなら勝手にタイトルも付けちゃって!」って感じ。
だって、『Phenomenon』から『Obsession』までHipgnosisジャケットの作品でタイトルと同名の曲が入っているのは『Lights Out』だけじゃん?
どうだろうか?

CGもなかった時代、Hipgnosisは実際にロケ等をして写真を撮っていたらしいが、このサルは合成だね。さすがに。
サルの左手の小指の影とかよくできてるナァ。
コレさ、裏ジャケってメンバーがみんなこのビニールの管を手にして自分の身体にくっつけて喜んでるじゃない?バンドのメンバーはみんな血がつながってる…ぐらいの意味なのかな?
でも、管を持ってないのってSchenkerだけなんだよね。絶対Philがイジワルしたんだよ。
「オイオイオイ、ドイツ人はダメよ、ダメダメ」
と言ったかどうかは私は知らない。

Z_img_6750この辺り、チョット雑になって来て申し訳ないんだけど、もうコレは呆れられるほどやっているのでリンクを貼って終わり。でも動物ジャケットなんだね。

詳しくはコチラ⇒【イギリス-ロック名所めぐりvol.9】 バタシー発電所

Z_img_6754ブタちゃんをもうひとつ。Blodwyn Pigじゃないよ、Black Oak Arkansasの『High on the Hog』。
まさか、ブタでBlack Oakが出てくるとは思わなんだ。
私は詳しくないんだけど、Jim Dandyカッコいいよね。日本では人気がでなかったようだけど、男性的なロックの最右翼で大変よろしい。
このアルバム、ドラムがTommy Aldridgeなのね。プロデューサーはTom Dowdだし。

ジャケットのイラストはJoe Petagnoというアメリカ人。
この人がまたスゴイときてる。メタラー好みのゴテゴテのイラストがよく知られているようだけど、Motorheadのロゴなんかもこの人のデザインだ。
他にも数多くのロック・アルバムのジャケットを制作している。
Nazarethの『Rampant』、『Greatest hits(「Love Hurts」が入ってるヤツね)』、Captain Beyondの『Sufficiently Breathless』、The Kinksの『Soap Opera』、Sweetの『Give us a Wink』、Heavy Metal Kids、The Baker Gurvitz Army等々渋めのバンドのオンパレードでうれしくなる。

プロレスラーのハルク・ホーガンってこのバンドにいたって話しを聴いたことがある。
あの体躯だからドラムかと思ったら、この人フレットレス・ベースがうまいらしい。
もひとつ。
今でもカルト的な人気を誇るShawn Laneは、1978年、弱冠14歳でこのバンドに加入してツアーに参加したとか…。

ところで、日本では「ブタ」のことを一辺倒で「pig」と呼ぶが、アメリカでは「hog」という言葉がよくブタに使われる。
その心は、子豚が「pig」。一方親豚、つまりデカくなると「hog」になって、そう呼び分けるらしい。

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ブタの次はイタチ。イタチは英語で「weasel」…とくれば『Weasels Ripped my Flesh』。つまり『いたり野郎』だ。
コレも以前やったのでリンク。

詳しくはコチラ⇒【Music Jacket Gallery】ギター・ジャケット特集<後編>

Z_img_6756大好きな大好きなZappaだけど、この1984年の2枚組アルバム『Them or us』はあまり聴かないアルバム・グループの一員だ。曲はどれもいいんだけど、アルバムになるとナンカおもしろくないんだよね。
『Them or Us』という自伝もあった。

ジャケットはアメリカ人画家、Donald Roller Wilsonという人の作品。この人はこの『Them or Us』以外にも『Francesco Zappa』や『Boulez Conducts Zappa:The Perfect Stranger』のジャケットを担当した。
犬、猫、チンパンジー、ピクルス、アスパラガス、マッチなどをモチーフにした奇怪な作品はとても印象深いものだ。

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ちなみにコレはこのアルバムの裏ジャケ(表4)。

5_img_0012_2 そしてこっちは1984年のツアーの音源をベースにしたブートレッグ『All You Need is Glove』の裏ジャケ。
ま、こんなんもある…ということで。はしたなくてスミマセン。

5_img_0017_2 お次はサイ。
これも以前やった。Adrian BelewもZappa出身だ。

詳しくはコチラ⇒