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2022年5月26日 (木)

【Music Jacket Gallery】プロモーション・アルバム特集 <後編>

 
<後編>はいつも通りギャラリーの平面展示のアイテムをご紹介。
今回の『プロモーション・アルバム特集』では、ただでさえ一般の人の目には触れる機会が少ない宣伝用素材をご覧頂いたが、それの変形や立体のアイテムだからしてレア度はアップ!
お楽しみあれ。
解説は植村さんのオリジナル原稿に私が勝手に書き足しております。Img_0205  
★VARIOUS ARTISTS / AN INVITATION OF HEART OF VILLAGE GREEN  (1989、1990)
シュガー・ベイブの初代マネージャー、元パイドパイパー・ハウスの店主で現在も様々な企画・監修者として知られる長門芳郎氏が設立したレーベル「ヴィレッジ・グリーン」のプレゼンテーション用CD。Img_0045_2レーベルのコンセプトである人間味溢れるあたたかさ、アコースティックでシンプルな音楽にフィットした手作り感のあるデザインのブックレットやレーベルが印象的だ。
Vol.2はケース入りの2枚組だ。Img_0049「ヴィレッジ・グリーン」なんてレーベル名はやっぱりThe Kinksからかしらん?
キンクスはいいよナァ。
コレはレイとデイヴの生家の前にある「クリソルド・アームズ」というパブ。
2人はココで初めて人前で演奏した。

0r4a0051店内に飾ってあるパネル。
「Fortis Green(フォーティス・グリーン)」というのはこのパブの近く、すなわちレイとデイヴが育った町の地名。
0r4a0114コレが『Village Green Preservation Society』の着想の原点なのかな?…と思って。
「The Kinksのロンドン」という特集を【名所めぐり】でやるつもりなんだけど、準備がゼンゼン進まん!Img_9697 
★VARIOUS ARTISTS / ビートルズ企画CD (1990)
ビートルズを擁する東芝EMIならではのトリビュート企画『ALL WE NEEDS IS LOVE~愛こそすべて~』のために作成されたプロモCD。
この当時、再結成していたサディスティック・ミカ・バンドの高橋幸宏・小原礼・桐島かれんと、高野寛によるカバー4曲が収録されている。
60年代に流行した4曲入りのコンパクト盤を模したレトロなデザインが秀逸。
Img_0053  
★ナーヴ・カッツェ / 歓喜   (1991)
NAV KATZE (神経質な猫)とネーミングされた女性のトリオは、ブレイクこそしなかったがその独自の音楽性によってコアなファンを獲得した。
このプロモCDは1991年4月のデビュー・アルバム用のもの。
Img_0055リーダー格の山口美和子の手書きの歌詞やファンタジー風味あふれるメルヘンチックなイラストを用いたブック仕様のプロモCDは、彼女たちの音楽性をアピールする最適なツールといえよう。

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Img_0054 
★FUNKAHIPS LIVE SHOW / FUNKAHIPS ALL STARS SONY MUSIC ENTERTAINMENT (1989)
日本を代表するR&B/ソウル・シンガー、久保田利伸を中心にGWINKO、AMAZONS、富樫明生、ブラザー・トム / コーンなどで結成されたFUNKAHIPS ALL STARSのライヴを業界向けにプレゼンしたCD(シングル発売のみで、アルバムは未発売)。
Img_0057_2三面見開きのロング・サイズの特殊パッケージの内側は、Pファンクやファンカデリック・テイストのイラストレーションに彩られ絶妙な味わいを醸し出している。

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★VARIOUS ARTISTS / THE MUSIC PEOPLE  (1972)]
1968年に創立されたCBSソニー の5周年記念に製作されたプレゼン用の3枚組LP。
クラシック篇、ポピュラー篇、邦楽篇に分かれ、それぞれのライナーノーツに5年間の歩みとヒットのエピソードなどが綴られている。
Img_0058ジャケットのイラストは和田誠氏によるもの。
このLPは当時ヒットしたギフト・パック・シリーズで販促のアルバイトをしていた植村氏が社員の方に頂いたものだそうだ。
大事に保管しておいたんだね。

Img_0060この和田さんのイラスト、いいよね~。私にとってはナンといっても石丸電気のレコード用の黄色い紙袋。
アレ、途中でデザインがアップデイトされたんだよね。
考えてみると、LPの時代はお店の包装袋も大きくて楽しかったね。
滅多に買えないレコードだから紙袋まで大事に大事に取っておいたもんです。
石丸電気の紙袋も山ほど持ってたんだけど、いつの間にかなくなっちゃった。
ああ、またどうにかして手に入らないものか…と思っていたら近所の骨董品屋に置いてあったレコードの箱の中で発見した!
も~、どうにも欲しくて、欲しくて…。
箱の中の何がしかのレコードを買って、オマケにその袋を付けてもらおうと思ったんだけど、どうにも買いたいレコードがない。
そこで、ダメ元で「袋だけ売ってください!」と頼み込んでみた。
はじめ判断に困っていた店のオジちゃんが「ん~、袋だけ売って金を取るワケにもいくめぇ。ええい、持ってけドロボー!」と景気よく譲ってくれたのが下の袋。
コレはビニールだけど、昔は紙製だった。
 
表は、クラシックの人たち。
ブルーノ・ワルターとかカール・ベームとかマウリッツォ・ポリー二が出ているのが何となく時代を感じさせるナ。

S0r4a0385_2 裏はポピュラー音楽。
今回の<中編>で取り上げたけど、ジョージ・ベンソンの姿を見ると結構最近のモノというイメージがある。
イヴ・モンタンが出ているのが渋い。S0r4a0383 チョット、和田誠さんで脱線。
2019年の10月に亡くなってしまったのはとても残念だった。
ナゼ、お亡くなりになった時のことを覚えているのかというと、私はちょうど上海にいて、空港に向かう帰りのバスの中で見た携帯で知ったのでとても印象に残っているのです。
同行していた若い連中にその訃報を伝えたところ、ビクともしなかったことはチョットした驚きだった。
私は、イラストは言うに及ばず、和田さんが書いた映画に関する文章が好きなのね。
今、ちょうど姉妹ブログの『Shige Blog』に映画の思い出について書いているんだけど、私は音楽に狂う前は父の影響で幼い頃から洋画に夢中だった。
そんなだから、和田さんの異常なまでの記憶力に基づいた感想とも解説ともつかない文章を読んでいると何とも幸せな気分になるワケ。
私のキライな表現のひとつではあるが、今よく言う「愛を感じる」っていうヤツ。
私もどうでもいいことに関する記憶については、タマに人から驚かれるが、和田さんの記憶力は超ド級だ。(「超ド級」についてはコチラをどうぞ⇒FATE GEAR最新作『KILLERS IN THE SKY』MV撮影レポート~私の横須賀
やはり幼い頃に観ているからなのであろうが、スタッフにキャスト、役者の演技はもちろん、セリフからカメラワーク、音楽まで細かく覚えていて、まるで昨日観て来たかのようにイキイキと語るんだよね。
映画の中の名セリフを集めた『お楽しみはこれからだ』の最初の3冊(4冊目は大分後になってから上梓された)と下段の山田宏一さんとの対談集は夢中になって読んだ。
そして「映画ってこうやって観るものなのか…」と、映画の本当の楽しみ方を知ったような気になったのは1980年代に入った頃か、はたまたその前だったか…やっぱり私の記憶力はダメだね。
コレらの本は今でも時々引っ張り出しては読んでいる。
ちなみに「お楽しみはこれからだ」はガーシュインの「Swanee」でブレイクしたアル・ジョルスンの生涯を描いた『ジョルスン物語(The Jolson Story)』に出て来るセリフ。
オリジナルは「You ain't heard nothing yet!(あなたはまだナニも聴いていない)」という「ain't」と二重否定を使った下品な文章。
ジョルスンのペット・フレーズだったのかな?
けだし名訳!
余談ながら、1945年のジョージ・ガーシュインの伝記映画『アメリカ交響楽(Rhapsody in Blue)』にスターになってからのアル・ジョルソンが出て来るんだけど、コレがとてもいい感じ!
もうひとつ余談。
私はこの和田さんの手引きで『ジョルスン物語』を観て、後にヒッチコックの『引き裂かれたカーテン(Torn Curtain)』で重要な役を演じるルドヴィク・ドナス、あるいはルードヴィッヒ・デナートという俳優を覚えた。0r4a0387

 
★スピッツ / INTRODUCING スピッツ (1990)

スピッツの業界お披露目用のCDだそうだ。
スピッツは1990年3月に初のCD『ヒバリのこころ』でインディーズからデビュー。
デビュー半年前に制作されたこのプロモCDには、1989年9月にデモ・テープとしてレコーディングされた特別な音源が収録されている。
このインディーズCDが未だにかなりの高値で売られていることを考慮するとその貴重さは推して知るベしだ。Img_0062 

★BONNIE RAITT / “PROPER” PIZZA (1991)
1991年の『LUCK OF THE DRAW』発売時にEMIミュージック・ジャパンが独自に制作したプ
ロモーション用のCD。
そのアルバムからは5曲、前作の『NICK OF TIME』からは3曲を収録している。
Img_0063宅配ピザの箱を模したこのプロモCDは、「EIGHT HOT SLICE」といったメニューや、レーベル面がピザになっている凝りよう。
ヒット曲をすばやくデリヴァリーするというメッセージが込められているワケね。
ちなみに「luck of the draw」は「運任せ」、「nick of time」というのは「in the nick of time」という風に使って「ちょうどいい時に」という意味を表す。

Img_0067 

★FRANK ZAPPA / FORMULA EXPLOSIVA ZAPPA (1998) 
1993年に没してからも過去の貴重な音源が尚もアーカイヴとして精力的にリリースされ続けているフランク・ザッパ。
これまでに世に出た作品は彼の残した音楽マテリアルの2~3%にしかすぎないというのだからまだまだ楽しみだ。
この4枚組CDボックスは、1998年にRYKODISCとしてのカタログが完成したことを記念してブラジルのみの限定でプロモーション用に作成された極めてレアなもの。

Img_0068CDの他には、Tシャツ、ポスター、シール(アイロン・プリント用)、ポスト・カード、ピンバッチが洗剤(?)の箱に同梱されている。

Img_0070Tシャツのデザインは『We're Only in It for Money』のジャケット裏から。なんかいい加減な雰囲気もしないでもないな…。

Img_0071昔チューインガムについていた水に濡らして台紙をペロッと剥がすタイプのシール。

Img_0072これがその洗剤の箱。

Img_0074何だか色んなものを好き勝手に組み合わせて作っちゃった感じがするね。
それにしても肝心のCDのセレクションがサッパリわからん。
『Cheap Thrills(廉価ベスト盤)』に『Grand Wazoo』、『Zoot Allures』に『Sheik Yerbouti』だゼ。
まったく理解できん。
そこが無責任感丸出しでまた面白い!

Img_0075 

★PAUL McCARTNEY / JAPAN TOUR‘90 SPECIAL (1990)
ポール・マッカートニーの初来日を記念して日本だけで特別に作成されたプロモCDがコレ。
パッケージ自体はいわゆるプロモCDの典型だがこの収録音源はかなり貴重なもので、ポール本人が日本向けに来日ステージのことや曲作りのことなどをしゃべっている。
Img_0076「日本人は冷たい」とか言っているのかな?
当時の担当者がイギリスへの出張帰りにロンドンでポールに直接会ってテープ録音をして来たという。スゲエ。Img_0077コレはロンドンのソーホーにあるポールの事務所。
正確にはポールが運営する音楽出版社。Img_0669昔はカーテンが開いていて中で従業員が忙しそうにしていたんだけどね。
いつの頃からかこんなんなっちゃった。Img_0666  

★HINO TERUMASA / ON THE ROAD  (1989)
日野皓正の1989年『ON THE ROAD』の発売にあわせてプロモーション用に作成されたCD。

Img_0080このアルバムにはラテン・テイストに溢れる作品が多く収録されているので、それを印象付けるためにコーヒー豆などを入れる麻の袋にCDを収納している。
パッケージとしては非常に目立つが、やたらとCDが取り出しにくく、CDに麻の毛が付いてしまうとのこと。

Img_0082

 
★VARIOUS ARTISTS / 25 ANNIVERSARY  (1991)
日本の音楽出版社(音楽の原盤・出版権を持つ会社)の中でもトップ・クラスのフジパシフィック音楽出版の創立25周年を記念してプレゼンテーション用に作成された2枚組CD。
興味深いのは「CALENDAR SONGS」と題して、同社のもつ管理楽曲を季節や月といった括りでリストアップし、その中から25曲(25周年にあわせて)を収録している点だ。

Img_0084パッケージ・デザインも秀逸!

Img_0087今回も見応え充分のコレクションでありました。
ジャケットって本当に奥が深いですね~!
 
現在は休止しているが、MJGは予め閲覧を申し込んでおけば誰でもご覧になれます。
再開の暁にはゼヒ足をお運び頂き、レコード・ジャケットの楽しさと重要性を味わってくださいまし。
 
MJGの詳しい情報はコチラ⇒[金羊社]MJG常設展公式ウェブサイト

Img_0208
さて、最後に…。
このレコード・ジャケットを提供しているのは先ほどから何度もお名前を拝借している日本屈指のコレクター、植村和紀さん。
何度かMarshall Blogにも直接ご登場頂いてきた。

植村さんのコレクションの情報はコチラ⇒The Amazing Uemura Collection~Music Jacket Galleryの源

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その植村さんが西荻窪で経営されているカフェがその名もズバリの『MUSIC JACKET GALLERY』。
時折ココでしか聴けないライブも開催している最高の音楽空間。
やさしい植村さんが笑顔で迎えてくれます。
音楽好きの方はゼヒお立ち寄りください!
 
MUSIC JACKET GALLEYの詳しい情報はコチラ⇒公式Twitter

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 200(一部敬称略 協力:植村和紀氏)

2022年5月25日 (水)

【Music Jacket Gallery】プロモーション・アルバム特集 <中編>

 
<中編>は4番目の展示棚から…え?いつもより進み方が早い?
そういう時もある。
 
§ 4-a

Img_0029_1またレゲエ。
今度は「Island」、日本では東芝EMI(当時)のバージョン。
門外漢だから余計感じるのかもしれないが、70年代はレゲエの普及が盛んだったんだね~。Img_0198解説に目をやると…「レゲエ・ミュージックは1970年代の音楽の新しい流れとなるだろう」とジョン・レノンが言っていたんだって。
<前編>でチョット触れた通り、ロンドンでは確かにスゴかったんだと思う。
ボブ・マーリーに関して言えば、日本でもあのロンドンのライシアム劇場で録音されたライブ・アルバムがナニかと注目されていたけど、どちらかというとあのヘアスタイルの方が話題になっていた感じがするナァ。
あと、ジミー・クリフの「Harder They Come」というのがよく露出されていた。
基本的には門外漢なのでサッパリわかりません。
Img_0199次はWarnerのサンプラー。
昔、「Hot-Dog Press(講談社刊)」という男性向け情報誌があった。
「昔」といっても2003年まであったのか…1回も買ったことないのでピンとこなかった。
失礼しました。
でも20年も前の話だから「昔」と言っても差し支えないだろう。
「講談社」は講談本を出版することからその名が付けられたことは以前どこかに書いた。
この「Hot-Dog Press」という雑誌は今でもある「POPEYE(マガジンハウス刊)」の向こうを張って発刊されたんじゃなかったっけ?
「マガジンハウス」って言ったって、我々の世代には「パンチ」が代名詞の「平凡出版」だがね。
こういうのは「男性向け一般情報誌」って言うの?
双方、ただの一度も買ったことがなかったナァ。
でも、なつかしい感じだけはするね。
その「Hot-Dog Press」の表紙のデザインをパロったジャケット。
放送局や大手レコード店のスタッフの目を惹くためなのか、アノ手コノ手で、あるいはやりたい放題でジャケットを目立たせようとするのがこのプロモ盤のおもしろいところのひとつなのかも知れない。
ところが、ココに出ているアーティストの名前に目をやると、私が興味を持っったことがない方々ばかり。
そりゃそうだよ、タイトルの下に「Music for City Boys」って書いてあるもん。

Img_0180しかし、「シティ・ボーイ」ってナンだ?…と、今頃になってその定義を調べてみる。
「都会風の感覚を身につけ、流行に敏感な若い男性。つまりアナタのような流行を絶対に支持しないヘソ曲がりの男性の反対」
やかましい、大きなお世話だ!
 
下は裏面。
当時はまだまだ洋楽が強かったんだろうな。
いつの時代もこういう音楽を聴いてくださっている皆さんが経済を回してくれているんですね。
<前編>に引き続いてお礼を申し上げさせて頂きます。
いつ頃の盤なんだろう?
ジョージ・ベンソンの『Give Me the Night』のPRをしてるところから察するに1980年あたりのようだ。
 
コレは聞いた話だけど、どこかの大手資本経営のライブハウスの杮落としにジョージ・ベンソンが出演した時のこと。
とあるサラリーマンが、「滅多に見れない貴重なライブ」としてお得意先のおエライさんをそのライブに招待した。
「キミキミ、今日の出演者はそんなにスゴイ人なのかね?」
「そりゃもう!アメリカではトップでございますからね。歌もギターも絶品ですから、お気に召して頂けること請け合いでございます!」
「ほほう、うれしいね、そんな機会に招いてくれて…。で、何て言ったっけね、その出演者は?」
「ベン・ジョンソンです!」
「そいつァ速そうだね!」
…コレ、本当の話らしい。
信じるか信じないかは、いかにMarshall Blogが好きかどうか次第。

Img_0181もうこの頃はジョージ・ベンソンも「歌のオジさん」で成功して、すっかり不動産屋の社長さんみたいになっていたけど、ギター、死ぬほどスゴイんですよ。
デビュー当時はウェス・モンゴメリーに匹敵する「10年に1人出るか出ないかの天才ギタリスト扱い」だったらしい。
ウェスが得意としたオクターブ奏法を踏襲した上で、そのオクターブの2音に5度の音を足し、3音でベン・ジョンソン並みの超高速で弾きまくるのがひとつのウリだった。
もちろんドーピングなしだ。
しかし、この変わりよう…2人が同一人物とはにわかには判別しにくいだろう。
若い方の時の写真…この右手の角度!逆アングル・ピッキング。
手足の短い日本人にはコレできないんだよね。

Sgb2_2 でも、そのギターをフィーチュアした「硬派でいいアルバム」があんまりないんだよナァ…というのが私の不満。
CTI時代もナァ。
ジャック・マクダフ時代のアルバムなんかはいいんだけど、コテコテもそうは聴いていられないし…。
そんな中、ベンソンのギターを「ジャズ・スタンダード」というフォーマットでタップリ楽しめるのが下の2枚のライブ盤。
「ナニもそこまで弾かなくても!」というぐらい弾きまくっている。
ところが!…録音が悪いのよ。
それでも、聴いたことがない人は「歌のオジさん」や「不動産屋」のイメージは吹っ飛ぶこと間違いなし。
不動産屋さん、失礼しました。0r4a0377 
Journeyの来日に合わせて制作されたサンプラー。
エライ豪華な装丁だ。
もう完全に売り物のLPと変わりませんナァ。

Img_0152ジャケット裏面のようす。
「未来派ハード・ロック・グループ」だそうです。
あの~、このブログは決して私の音楽の好き嫌いについて書く場ではないことはわかっているんですけど、私、Journeyって全く知らないんですよ。
以前にも書いたけど、大谷令文さんに「初期のアルバムならウッシーでも絶対にイケるって!」とおススメを頂き、早速ファーストとセカンド・アルバムを買って聴いてみたけど…どうにもソリが合わなかった。
だからJoueneyについて残念ながら書けることはナニもないんです。
以前ニール・ショーンに1960を貸したことがある、ということぐらいかな?
そうだ!思い出した!
その関係で一度コンサートへ行ったことがあったわ。
シンガーはスティーヴ・ペリーではなかったし、ドラムスもスティーヴ・スミスではなかった。
Img_0153「ロッキュペイション'79」ですよ!
ウドー音楽事務所さんが展開していた来日アーティストのコンサート・シリーズ。
KISSもAerosmithもみんなこのシリーズで来日したんだぜ。
懐かしいナァ~、ロッキュペイション。

Img_0155で、「サブ・シリーズ」っていうのかどうかは知らないけど、「スーパーギタリスト」と銘打ったコンサートのシリーズがあった。
その第1弾は、1976年にBlackmore's Rainbowで来日したリッチー・ブラックモアだった。
第2弾は誰だと思う?
ロビン・トロワ―だった…コレを見逃したのを今でも悔しく思ってる。
次がAerosmith。
続いてKISS。
そして、第5弾がデイヴ・メイソンだったのです。0r4a0379  

コレもヤタラメッタラ豪華なソウルのコンピレーション。
「SPECIAL DJ COPY」となってる。

Img_0168removebgpreview


スティーヴィー・ワンダー、O.V.ライト、ダイアナ・ロス、アル・グリーン等々の錚々たるメンツ。
それぞれのアーティストのロゴがカッコいいじゃん?
ゴメン、そんだけ。
何しろソウル系の音楽はからっきし聴かないの。

Img_0169  
コレもVan Halenの来日に合わせたプロモーションモ盤。
Img_0190この帯!…インチキなの。
いかにも帯がかかっているようだけど印刷なのよ。
まだ東京の市内局番が3ケタ!
コレが4ケタになったのは1991年からだって。
携帯電話が出回りだしてからは電話番号のケタ数なんて全く関係なくなったもんね。
昔は友達の家の電話番号をいくつもソラで言えたもんだったけどナァ。
今でもいくつか言えるわ。

Img_0191 

1980年のCBSソニーのサンプラー。

Img_0194アル・ディ・メオラ、ボブ・ジェイムス、ラムゼイ・ルイスなどのクロスオーバー…イヤ、もうこの頃は「フュージョン」かな?
その辺りの音楽が爆発的に売れてた時代のアイテム。

Img_0195注目したいのは右端の上下2作。
上はレイ・ゴメスは『Volume』。
レッツゴー三匹の長作、イヤ、スタンリー・クラークやロイ・ブキャナンのサポートなんかをやっていた人(「長作=スタンリー・クラーク」は小川文明さんの受け売りです。それと、生前の文明さんはよく「桂三枝=ブライアン・フェリー」を唱えていらしゃった)。
リーダーアルバムはコレだけなのかな?
それどころか、コレのCDって見たことがないような気がするな。
ジャズっぽいフレーズをチョコチョコと挟み込むプレイがやたらとカッコいいんだけど、この自分のリーダー・アルバムでは出し惜しみしているのか、あまりソロを弾いていないのが実に残念。
そこで乾坤一擲、爆発的に弾きまくる曲が「West Side Boogie」。
コレはどうにもならないくらいカッコいい。
ショーン・レーンなんかもカバーしていますな。
今、この人どうしているんだろう?

0r4a0513その下はテリー・ボジオやパトリック・オハーンによるバンド、GROUP87。
私だってテリー・ボジオが好きだった頃があったんですよ。
でも、一般的に名前が知られるようになってしまったのでだいぶ前に卒業させて頂きました。
しかし…コレほど期待を裏切られたレコードも珍しいナ。
てっきり『Zappa in New York』のようなサウンドをイメージしていたものだったから。
このバンドはこの後Missing Personsになっていくのだが、Zappa、UK、The Brecker Brothers、あとジェフ・ベック以外のボジオって、結局ピンと来なかったな、アタシには…。
『Bongo Fury』とか『Sheik Yerbouti』あたりの素晴らしさがアダになった。
でも、UKの来日公演の時のドラム・ソロはブッたまげました。
テリー・ボジオって、ジャズ・トランペッターのウディ・ショウのバックをやっていたことがあるらしいんだけど、その音源って残ってないのかな?
もしあればそれだけは絶対聴いてみたい(涎)!

0r4a0517  
§4-b

Img_0030_1 

まずはSly。Img_0165removebgpreview 

『Small Talk』発売時のプロモ盤。
『Small Talk』にだけでもこんなに費用をかけて宣伝したんだね。
ソウル門外漢の私でも『Small Talk』までは買って一度は聴いております。Img_0167 
ガラっと替わって、これは「Chrysalis(クリサリス)」レーベルのコンピレーション盤。Img_0118このジャケット、完全に『Gilgamesh』の流用じゃん?
Gilgameshってバンドもすごくいいんだけど、ギターがモッタイなかったね。
チョットした腕の立つスター・プレイヤーを採用していればひと山当てていたような気がする。

Ggm クリサリスは1968年に発足したイギリスのレコード・レーベル。
「chrysalis」とは蝶の「サナギ」のことね。
だからロゴ・マークに蝶をあしらってある。
また、創始者はChris Wright(クリス・ライト)とTerry Ellis(テリー・エリス)という2人で、その2つの名前を合体させた「Chris +Ellis」から「Chrysalis」とした。
このレーベルはJethro TullやTen Years After、Procol HarumやUFOといったブリティッシュ・ロックの歴史を作った名バンドやアーティストを抱えていた。
だから私なんかは「クリサリス」なんて聞くと「キュンです」。
このプロモーション・アルバムはそれから時代が下って、パット・ベネターやMichael Schenker Group、Blondie等の1980年あたりの曲がコンパイルされている。
他に収録されているIcehouse、Linx、Charlie Doreなんてのは全く知らないナァ。
そうなると「シュンです」。
ドルが上がっても下がってもあのテレビCMはイヤだナァ。

Clogos下は昔買ったレコードに入っていたチラシ。
「サナギが蝶になる」というのは、クリサリス・レーベルがアメリカに進出するので応援よろしく!ということを言ってるのね。
そんなクリサリスも1985年にクリス・ライトがテリー・エリスの権利を買収し、1991年にレコード部門をEMIに売却。
音楽出版事業だけを「クリサリス・ミュージック 」として手元に残していたが、2010年にはコレもBMGに売却してしまったそうだ。Css 

§ 5-a

Img_0035_1 
The Beach Boysのコンピレーション盤。
ジャケットの印刷はこのMJGのギャラリーがある金羊社さんのお仕事だそうです。
実はジャケットの隅っこの方に「ある印」がしてあって、後でどこの印刷業者が手掛けたかがわかるようになってるんだって!

Img_0184 

REO Speedwagonも全く通らなかったナァ。
80年代にものすごく人気が出たよね。
「ベストヒットUSA」にしょっちゅう登場していたような…それじゃ私がるワケがないわな。Img_0185東京の地下鉄の路線図をモチーフにしているジャケットがとてもステキ!

Img_0188 
コチラはDavid Bowieのディスコ・ミックス。
嗚呼、「Major Tom」や「Ziggy Stardust」はどこへやら…ということでパス。

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コレは惹かれるな…1969年版のワーナー/リプライズの2枚組サンプラー。
リリースは1970年。
何ともバラエティに富んだ内容!
Jethro Tull、The Pentangle、Family、The Mothers of Invention、The Fugs、The Kinksのバンド勢から、ワイルドマン・フィッシャー、ヴァン。モリソン、ニール・ヤング、ヴァン・ダイク・パークス、タイニー・ティム、ジョニ・ミッチェル他、23アーティスト、40曲というまさに「サンプル盤!」の神髄!
自分で「Amazing」だの「Delightful」だの訴えている。
ジャケットをデザインしたのは「Hy Fujita」とかいう人。
日系の人なんだろうね。
まさか藤田嗣治の血縁かなんかじゃないだろうな?
ポートフォリオを見るとジュディ・ガーランドとかクレオ・レーンとか、ジャズ系の作品が多いみたい。Img_0127
 
このBilly Joelのサンプラーも豪華極まりない。2枚組。
後にも出てくるのでここはこれだけにしておこう。Img_0136removebgpreview


コレは「プロモ盤」と呼んでいいのか…?。
皇太子殿下(当時)と美智子妃殿下が伯刺西爾を訪れた際の現地制作の記念盤。
「伯刺西爾」ってど~こだ?
ブラジルね。
植村さん何だってこんなの持ってるんだろう?
そのおかげで皇室の方々には初めてマーブロご登場頂けることとなった。

Img_0139SPではなくてLP。
だからそう古いアイテムではなくて1967年のリリース。
レーベルは「SAKURA」レコード。Sakura裏ジャケには殿下のご挨拶などが収録されている。
しかも、全文が記載されているのでレコ―ドは必要ないような気もするが…ま、お声を拝聴するとありがたみも増すということか。
時の皇太子殿下は現在の上皇さま。
こんなご挨拶をされたようだ。
 
「(前略)59年前、笠戸丸で渡航した方々を初めとして、日本から最も遠く離れたこの地に移住された皆さんは、長年にわたり、あらゆる困難を克服して、今日各方面に確固とした基盤を築き上げられました。
私は皆さん方のここに至るまでの苦労を偲び、その努力に対して心からの、敬意を表すると共に、又ブラジル官民の方々の御協力と御厚情に対し心から感謝いたします(後略)」
Img_0141コレね、殿下がご挨拶の中で触れている「この時から59年前」というのは1908年(明治41年)のこと。
この年、アメリカとの間に「日米紳士協約」というものが締結され、アメリカへの新規の移民が大幅に規制されることになった。
「紳士協約」で移民が制限されるなんて、ナンカ嫌な感じじゃん?
調べてみると、日本が初めてハワイへ移民を送り出したのは1868年(明治元年)のこと。
その13年後、日本に来たカラカウア大王が天皇陛下に積極的なハワイへの移民を要請する。
そうして、サトウキビを作るために10年間に3万人近い日本人をハワイに送り出した。
そして、1900年にハワイがアメリカの属領になると、ハワイの日本人移民がアメリカ本土やカナダに移住するようになる。
すると、当然のごとくサンフランシスコあたりを中心に猛烈な人種差別や日本人への襲撃事件が頻発した。
そういうの、昔は今よりずっとキツかったからね。
その結果、アメリカ・サイドから「悪いことは言わないから、移民の皆さんが可哀そうだから、自発的に移民を止めるって言っちゃいなよ」といつものアメリカの論法を掲げられ、覚書ベースでアメリカへの移民を中止することにした協約。
そこで日本政府は移民の向け先を南米へスイッチし、笠戸丸という船で781人を日本から地球の裏側まで運んだ。
コレがブラジルへの最初の移民となった。
その後もブラジルへの移民は続き、最も盛んだった昭和の初期には2万数千人の日本人がブラジルに渡ったのだそうだ。
そして、1967年、時の皇太子殿下が初めてブラジルを訪れ「パカエンブー大スタジアム」というところで式典が開かれると8万人もの日系人が集ったという。
こうして記念切手も発行された。

Sstamp_2 その時の様子が上のレコードに収録されているワケよ。
どうよ、聴きたくなったでしょう?
私は聴きたい。
ナンとならば、私夫婦には「リリアン」ちゃんという日系3世のブラジル人の大の仲良しがいるからだ。
とても優秀な女性で、Marshall Blogにもご登場頂いたことがある。
ヨカッタら見てやって!
ウユニ塩湖からのレポートだよ。
   ↓   ↓   ↓
私のボリビア(行ったことないけど)

80_3コレは犬山の明治村に展示されている大正8年に建てられたブラジル移民の方の住居。
スパニッシュ様式に和のスタイルをフュージョンさせているそうだ。0r4a2662そして、こうした道具でコーヒーの栽培をしていたんだね。
移民の話というのは、行き先を問わず悲惨なモノばかりだね。
みんな政府にダマされて塗炭の苦しみを味わった。
リリアンの実家も「コーヒー農家」ではあるが、大成功して暮らし向きはとても豊かだったそうだ。0r4a2657   
「Dawn」は1969年に設立された英「Pye」傘下のレーベル。
「Pye」所属のマイナー・レーベルを掻き集めて「Dawn」ができたという系譜が記されている。
インディーズの隆盛後はこうした「レーベル意識」みたいなものが消滅してしまった感じがするね。
自分が新しい音楽を聴かないので、そういうイメージがあるだけなのかも知れない。
とにかく、70年代前半ぐらいまでは「新しいロックの創出」を標榜したオリジナリティ溢れる小さな音楽レーベルが群雄割拠していた。
Img_0144さて、この『Now Rock/Jazz Series』と題された「Dawn」レーベルのサンプラー、収録されているのはフォーク・ジャズとしてジョン・サーマンやAtlantic Bridge、ロックとしてTitaus Groan、Demon Fuzz、更にフォーク・ロックとしてMungo Jerryやマイク・クーパーなどを紹介している。
コレ…いくらPRしても「夜明け」は来ないような気がするんですけど。

Img_0146 
お次は1988年にインストゥルメンタル・ミュージックを専門に制作するために発足した「I.R.S. No Speak」レーベルのサンプラー。
ナンカこう、この辺りまで時代が下ってくると、こうしたサンプラーのジャケットのデザインもかつてとは異なるような感じですね。Img_0125収録されているのはアルヴィン・リー、Spiritのランディ・カリフォルニア、Wishbone Ash、スチュアート・コープランドなど。
このレーベル、他にもヤン・アッカーマン、ロニー・モントローズ、ダリル・ウェイなんてクセのある連中を抱えていた。
ピート・ヘイコックの名前も見える。
この人はClimax Chicago Blues Bandのギタリスト…いいんですよ、この人。
そういえば、私も『Guitar Speak II』というコンピレーション・アルバムを持ってるわ。
Img_0126
§ 5-b

Img_0039_1  
このあたりはヘタをすると市販の正規盤よりよっぽどゴージャスなプロモ盤たち。
まずはKISS、Village People、ドナ・サマーという3大看板アーティストをフィーチュアした「Casablanca Records」の3枚組サンプラー。

Img_0163このYesの3枚組ライブアルバム『Yessongs』彷彿とさせるジャケットの作りが何ともゴージャス。
もう一度言っときますけど、売り物じゃないからね。
ゼイタク~!
ドナ・サマーなんてのも人気あったよね~。
今の若い人たちには「どなた様~?」かも知れないけど。
私なんかは鼻の穴の大きさに驚いたものだった。

Img_0161 
コチラもスゴイ。
完全に売り物レベルに達しているは2枚組のEarth Wind & Fireのサンプラー。
しっかりとした作りでジャケット・デザインも申し分なし。
ズラリと並んだ代表曲。
このまますぐに売り物になりますな。
Earthの初来日の時かな?まだロックに夢中だった私は「Earthが来る!」って音楽界が大騒ぎしていたのを思い出す。
それと『Spirit』というアルバムが出た時も大騒ぎしていたのを思い出す。

Img_0129 
これも超ゴージャスなビリー・ジョエルの1979年の来日に合わせたサンプラー。

Img_0131惜しげもなくヒット曲がギュウギュウ詰めにされている。
ものスゴイお金のかけ方だよね~。
来日するたびにこんなの作ってたんだから。
それだけ儲かっていたということか…。

Img_0134 
コレ怪しい。
南米のどっかの国のGenesisのコンピレーション盤なんだけど、まずジャケットの雰囲気がまったくGenesisじゃない!
プログレっぽくしたかったんだろうね。
でもコレじゃ、Enidのロバート・ジョン・ゴドフリーかクラウス・シュルツェみたいじゃない?

Img_0137下の2枚を合わせた感じ?
チガウカ?

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Ks  

コレはブラジル製だわ。
選曲は欲張っていない…となると、それでサンプラーの役を果たすのか?

Img_0138 
『Superstars of the 70's』というコンピレーション・アルバム。
調べてみると限定販売で国内盤でもリリースされていて、「日本ではじめての"複合レーベル"による豪華な組み合わせ」なんて帯に書いてあるからそういうことなのだろう。

Img_0183 

ワーナー・パイオニアのハードロック・バンドを集めたのサンプラー。
1980年にリリースされた黒い方に収録されている音源は、Led Zeppelin、Van Halen、AC/DC、Saxon、Gamma、Deep Purple。
一方、1985年の第二巻に収録されているバンドは、Ratt、Motlry Crue、Twisted Sister、AC/DC、Night Ranger。
だそうです。
Img_0148removebgpreview
 

<おまけ>
「軽罪新聞」。RCサクセションのPRマテリアル。

Img_0100_2

Img_0101_2

昔はやたらと手が込んでいたね~。「ロッキンf」のロゴが泣かせるナァ。

Img_0102_21981年に制作されたアイテム。Img_0103removebgpreview_2「4月4日」というのも何か思わせぶり?
実は植村さん、このアイテムの存在をスッカリお忘れになられていて、RCとはゼンゼン関係ないジャケットから転がり出てきたのだそうだ。
こういうのがうれしいんだよね。
また、30cm×30cmのLPサイズはこういうことをするのにうってつけなんだよね。
私もしょっちゅうやっている。
来日コンサートの告知チラシとかをそのバンドのレコードと一緒にしておく。
そして20年ぐらい経ってそれを発見してタイムカプセル効果を楽しむというワケ。
捨てちゃっちゃあおしまいなのよ。

Img_0104_2
今回もとても楽しいコレクションだった。
次回は例によって「立体展示アイテム」のレポートをお届けします。
 
蛇足ながら…これはワタシのレコード棚からの出品。
Frank Zappaが主宰していたBIZARREレーベルの1970年のサンプラー。
アリス・クーパー、Captain Beefheart & His Magic Band、ティム・バックリー、ワイルドマン・フィッシャー、The GTO's他が収められている。
ザッパは1曲。『Hot Rats』収録の 「Willie the Pimp」。
初めて目にしたのは35年前。
大阪の梅田のレコード屋だった。
その時は10,000円を軽く超える値段が付いていたのでとても手が出なかった。
ジャケット違いの盤はもっと安く手に入ったんだけど、どうしてもこっちのジャケットのヤツが欲しかった。
結局、その時から大分経ってから手に入れた。
写真ではわからないが、ジャケットが汚れているため、かなりお買い得な値段だった。

Zapインナー・スリーブのデザインがまたイカしてる。
そこに書いてあるのは…「我々は少々風変わりなレコードを制作しています。
提供しているのは重要なレコード会社がアナタに聴かせることのない、音楽的、社会学的な内容です。
世界が必要としているもの…それはもうひとつのレコード会社なのです」とある。
ザッパが言う「体制は本当に民衆が欲しがるものは与えない」という洞察に沿ったポリシーなんでしょう。
もうそんなレコード会社はないでしょうな。
コレじゃ経済が回らないもんね。0r4a0382<後編>につづく
 

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Reigning Days(レイニング・デイズ)!

Reugniung_daysこのバンド、もう解散しちゃいましてね…なかなかいいバンドだったんよ。
音源はMarshall Recordsオンリー。

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2022年5月24日 (火)

【Music Jacket Gallery】プロモーション・アルバム特集 <前編>

 
今日のMJGは2011年6月27日に掲載した記事。
またタップリと加筆して更新の上再掲します。Img_0001今回の特集は一般消費者にとっては入手どころか、ほとんど目にする機会もないであろうプロモーションのためのアルバムのコレクション。
Img_0006展示品の中には市中で販売されていたコンピレーション・アルバムも含まれているが、大半のアイテムはその名の通り「LPやCDの販売促進」のために制作されたモノで、それらが放送局に配布されることによって収録曲がラジオでオンエアされ、ヒットへの足がかり、すなわち「商売」になる重要なツールだった。
今ではチョチョチョとCDRに音源を焼き付ければ簡単に作ることができるが、昔はレコードにするのだから大変な費用と作業だったろう。
だから展示品の中には、味も素っ気もない完全に資料的なアイテムも散見されるが、ヘタをすると本番の商品並みに立派で豪華な出来のモノも含まれている。
Img_0041_2 こういうアイテムを見るにつけ、昔はラジオがいかに重要な宣伝媒体であったかということ、LPレコードが非常に高価でステイタスの高い商品であったことを思い知らされる。
60年代にはいち押しの洋楽アーティストの曲を収録したダイジェスト盤を月ごとに制作して有力レコード店やラジオ局に配っていたこともあったらしい。
「月ごと」だぜ!
何しろ日本の洋楽マーケットにおいては、ローリング・ストーンズですらDECCA時代には儲からなかったらしいからね。
レコード会社はロックの普及に躍起になっていたんですな。
それにしても、いくら業界にいらっしゃったとはいえこの植村さんの膨大なコレクションには誰もが舌を巻かずにはいられまい。
Img_0043今回ブロウアップされていたのはEpic-sonyのサンプラー盤。
詳しくは後述。Sony もうひとつはFleetwood Macのコンピレーション盤。
みなさんはMacCのどの時代がお好き?
ヘソ曲がりの私でももちろん必殺の名盤『Rumours』はハズせないが、私はこのディスプレイの前の時期、『Bare Tree』だの『Mystery to Me』とかボブ・ウェルチがいた頃が好き。
私の周りでもスティーヴィー・ニックスが「可愛い!」ともてはやされた時期があったが、私はそれよりもクリスティン・マクヴィ(昔はクリスティン・パーフェクト)の芯の太い歌声が好きだった。
この人ってスタン・ウェッブのChicken Shackにいた頃のパフォーマンスもすごくいいんだよね。
「女にしておくのはモッタイない」…なんていうのは今となっては差別発言になるか?

Img_0004そんなワケで、宣伝用のサンプルに費用をかけてジャケットを制作するワケもなく、ほとんどが簡単なデザインであるため記事内にジャケットに関する言及が少ないこと予めご了承頂きたい。
それではいつも通り展示棚に向かって左端の上半分から…
 

§ 1-a
Aimg_0008左下のゲイトフォールドのアルバムは『Hot Menu』という1973年のWarner/Reprise/Atlanticのサンプラー。
私も持っているし、どこかの著名なミュージシャンがこのLPのおかげで音楽の知識が広がったみたいなことを言っていた。
それもそのはず、収録されているバンドがオッソロシク豪華でバラエティに富んでいる。
The Doobie Brothers、Tower Of Power、Greateful Dead、 The Allman Brothers Band、Van Morrison、Deep Purple、LedZeppelin、Black Oak Arkansas、Emerson Lake & Palmer、ダニー・ハサウェイ、ロバータ・フラックとスゴイ連中が目白押し。
1曲目からアリス・クーパーの「Elected」なのがうれしいねェ。
内側にはアーティストに関する簡単なコメントが記してあって、アリス・クーパーのところなんか、「病める現代にあって、人々の願望を具現化し観客に提示するショッキングなステージで…」とある。ずいぶんとおカタイ文章だな。
そんなことを考えてアリス・クーパーの音楽を聴いていた人が果たしていたのであろうか?
私だったら「ヘビがニョロニョロ、ギロチンバッコーンのステージのショッキングなステージ」って書くな。
「病める現代」か…。
1973年のアメリカというと前は一体どういう風に病んでいたんだろう?
少なくとも世の中は「今」よりはマシだったんじゃないかね?
そこで、このアルバムが発売された1973年(昭和48年)がどんな年だったか調べてみると、ボクシングで大場政夫がチャチャイ・チオノイを倒して5度目の防衛に成功したとあった。
何でこの出来事を引いたかというと、高校の時の数学の先生のアダ名が「チャチャイ」だったから。
「チャチャイ」なんていいアダ名だと思いませんか?
みんなオモシロがって、本物を知らないヤツまで「チャチャイ、チャチャイ」と騒いでいた。
いいアダ名を持っている人ってうらやましい。

7wsそれにしてもこのサンプラー、こんなにスゴイの入れちゃって大丈夫だったのかね~?
だって2枚組で¥980だったんだゼ!
コレをキッカケに正規のアルバムを買ってもらえれば御の字か。7980_2_2 
かつては「レガエ」なんて表記されていたレゲエ。
こうしたプロモ・アイテムを見ると、いかにレコード会社が当時この未知の音楽に期待を寄せていたかが窺い知れるというもの。
ラジオでオンエアしもらうためのLPだ。

7reggae_2収録曲を見ると、とにもかくにもボブ・マーリー推し。Img_0091これまで何度かMarshall Blogに書いているけど、私はレゲエを聴くことはまずあり得ない。
なので本当にボブ・マーリーとかピーター・トッシュの名前ぐらいしか知らない。
そんなだからイギリスに行って驚いた。
ボブ・マーリーがイギリスの連中にもたらした影響があまりにも大きかったことを実感したのだ。
「レゲエが当たり前」…みたいな。
何せこうして住んでいた家にブルー・プラークが付けられているぐらいなんだから!
ま~、それでもレゲエを聴くことは全くないんだけどね。
Bmb …と、言ってもいいたいところなんだけどナンにでも「例外」はある。
私にとってのレゲエの例外は「ビートルズ集」。
どういう風の吹き回しだったかスッカリ忘れてしまったが、3枚組のCDを中古で数百円で買った。
演奏している人やバンドは一切知らないし、知ろうとも思わないが、ひたすら意味もなく無責任に聴く音楽というのもタマにはいいもんだ。
ホントにタマに引っ張り出して数曲聴くだけだけど…結局すぐに飽きちゃうの。
だってリズムが全部レゲエなんだもん!…って、当たり前か。
0r4a0375 
「オッ、カッコいい!」と思わず目が止まるジャケット!
カッコいいギタリストはギター・ケースを持っているだけでカッコいい。
実際、ジェフ・ベックは自分でギターを持って会場にやって来てた。
ソフト・ケースだったけど。7img_0094気になる収録曲は下の通り。
ジャケットには「LIVE」と記されているだけで、その他のデータがナニも記されていない。
「Star Cycle」、「El Becko」、「Space Boogie」等が入っているところからして『There and Back』のプロモ盤なんだろうね。
アメリカ制作のDJコピー。
でもホントにライブ録音集なのか?
 
実はMJGの展示品の保有者である植村さんはオリジナル・コンフィデンス誌で元編集長を務められていたお方。
で、『There and Back 』の広告を獲った時、その代わりに「その広告に載せるキャッチ・コピーを考えてくれ」と広告主に頼まれた。
オリコンは業界誌だから広告する相手はレコード店のスタッフなワケ。
つまりレコード屋の店員さんがオリコンに出ている広告を見た時に「オ、こりゃ売れそうだ!」と思わせるようなコピーを考えなければならない。
そこで植村さんがひねり出したキャッチ・コピーがコレ…;
ジェフ・ベックが店頭を変えた!
そのコピーは広告主に大層気に入られ、予定では1ページだった広告が見開きでド~ン!(つまり2倍)になったというラッキーなオチがついた。
ん~、知らなかった!…ベックがギターという楽器の地位やギター・ミュージックのあり方を変えたのは充分に認識していたが、レコード屋さんの店頭まで変えていたとは!
ああ、今となってはレコード店がドンドン減って店頭すらなくなってしまった?!
全くいいコピーができてもこれじゃ本末転倒だわ。
レコード業界まで変えちまったのは誰だ?!Img_0096 
Richard Bransonの自伝を読んだ…途中まで。
だってスゲエ分厚いんだモン。
というか、Virginレコードを成功させるところまで読みたかったのね。
ブックオフで100円だったし、ツマらなかったり必要がない内容であれば、サッサと遠慮なく読むのを止めちゃうのが私流。
もう本ではガンバらない。
Rb日本で「Virgin」というと、一般の人たちには航空会社のイメージががもっとも強いのかな?
でも、もう数年前に日英間の航路は廃止しちゃったからね。
全部アメリカ線にシフトしちゃったんだって。
で、イギリスでは鉄道会社としても「Virgin」の名前は一般的だ。
イギリスは国鉄が線路を保有し、民間の会社が線路の使用料を国鉄に支払って自社の車輌を走らせるシステムになっている。
だから、行き交う電車の色も形もまちまちで、料金は距離程で統一されているが、サービスは車輌によって異なる。
その行き交う電車の中に「Virgin」のロゴ入りの車輌を頻繁に見つけることができるワケ。
コレがバッタみたいのが「Virgin」の車輛。
Img_0579電車だけに「脱線」します。
実は私は昔、セメントの仕事でJR貨物に関わる仕事をしていたことがあったんですわ。
今どうなっているのがは知らないが、工場の立地によって、かつて鉄道貨車はセメントの輸送手段の主力だった。
下の写真みたいなヤツね。「軍配」マークがカッコいい!
「タキ」の「タ」は「タンク車」、「キ」は25t以上の車輛形態を指す。
セメント・メーカーが何百輌とこういうセメント用の貨車を保有してJRの線路を借りて運行させるワケ。
つまり、イギリスの鉄道のシステムと同じなんだよね。
工場が近接していたりすると、線路の取り合いになっちゃう。
それで何年かに1回は管轄の鉄道管理局へ関係各社が集まって会議をしたりしたな。
もちろん会議は名目だけで、オジさんたちはその後の宴会のドンチャン騒ぎが目当てだった。
私はまだ22、23歳だったのでそれがイヤでね~。
それでも私が勤めていた会社は、JRの荷扱い量が全国で第4位かなんかで超VIP待遇だったわ。
で、JR貨物の運賃って料金を算出するのが殺人的にムズカシイんですよ。
複雑怪奇で結局最後までワケがわからなかった。
実際に会社の中で正確にその計算ができる人は「鉄道一筋何十年」というおジイさん(多分、当時は今の私より若かったハズ)ひとりだけだった。
そんな経験があったものだから、昔、鉄道好きで有名なキーボード・プレイヤーの方とイッパイご一緒させて頂いた時は音楽の話など一切せず、鉄道貨物の話で猛烈に盛り上がってとても楽しかったナ。2ks ハイ、復旧します。
 
つまり、イギリスではレコード会社の「Virgin」は知らなくても、鉄道を通じて一般の人々にも「Virgin」の名前がかなり浸透しているんじゃないかしら?
下はマンチェスターに行った時に乗ったVirginの車輛についていたプラーク。
「ペンドリーノ」はイタリアの車体傾斜式の高速列車の名称。
イタリア語で「振り子」のことは「pendolo(ペンドーロ)」というところからきている。
「振り子」は英語で「pendurlm(ペンデュラム)」だから似てるわね。
車体が振り子のように動く仕組みのおかげで高速で走ることができる…ってところじゃないの?
イギリスの電車ってモノスゴく速いから。Img_0612今では日本も同じかもしれないが、イギリスでは電車のチケットもインターネットで買うのが当たり前で、指定席を買うと該当する列車の座席にその席は販売済であることが表示される。
購買者の名前が出る車輛もある。
一見の乗客はその表示を見て、予約されていない席に座る。
下の写真は窓際は「マンチェスター・ピカデリーから先は販売済ですよ」と言っている一方、通路側は売れていないので座っても良いよと言っているワケ。
コレ、自由席車輛と指定席車輛を分ける必要がないので、すごく合理的だと思う。
よくあるでしょ?
「せっかく指定席を取ったのに自由席がガラガラでやがんの!」みたいな…イギリスではこういうことが起こらない。
そうした一般車輛の他に「ファーストクラス」の車輛が連結されている。

Img_0583さて、展示されていたのは『Virgin Original Series』と題された「Virgin」レーベルのサンプラー。

Img_0174私にとっての「Virgin」は何といってもMike Oldfieldの『Tubular Bells』です。
Virginレコードの記念すべき第1作。
一体何百回聴いたかな?…コレはオーバーか?
『Hargest Ridge』、『Ommadawn』、『Incantations』、『Platinum』、『QE2』、『Crises』なんかも買って聴いたけど『Tubular Bells』が強烈すぎてどれも受け付けなかった。
その『Tublar Bells』と切っても切れないのは『エクソシスト』。
ウィリアム・フリードキン作品としては、私はあんまり『エクソシスト』を評価していないんだよね。
もちろん「Tubular Bells」を効果的に使ったことはスゴイと思うけれど、映画としてあまり面白くないんだもん。
前半はいいんだけどナァ、特に「西洋コックリ」さんのあたりのシーンはすごくゾっとするじゃない?
でも後半になって宗教色が強くなるとチョット辛い…。
それでもあの映画が公開された時は「失神者続出!」ってスゴイ話題になったんよ。
東京では丸の内ピカデリーで上映されて失神者が担ぎ出されたとかで連日スポーツ新聞をにぎわしていたっけ。リンダ・ブレアどうしてるかね?
当時は賛否両論色々あったようだが、結果的には「Tubular Bells」が「エクソシスト」に使われたことはヨカッタのではないかと思ってる。
下は私の「お宝チラシ・コレクションから」。
この映画は日本では1974年に公開しているので、48年前のモノだ。0r4a0506 さて、この2枚組の「Virgin」のサンプラー、ナニが収録されているのかというと…Camelo Pardalis、Robert Wyatt、Henry Cow+Slapp Happy、Clear Light、Wigwam、David Allen、Daevid Bedford、Pekka等。WyattやらHenry Cow、Slapp Happy、Daevid Allenや Bedfordはもちろん好きな部類だけど後のは知らんねェ。
もったいないのはワイアットの「Sea Song」が入っちゃってるんだよね。
彼の事故の悲劇を知っていて聴いたからであろうが、この曲を初めて聴いた時はどうしようもない絶望感に襲われてビックリしたっけ。
本人はこの曲と事故のことは関係ないと言っているようだが…。
それにしてもこの曲の悲しくて切ない美しさはナンダ?
アルバート・アイラ―の『My Name Is Albert Ayler』を初めて聴いた時の感覚に似ているかもしれない。
「負の音楽の力強さ」とでも言おうか…。
Img_0175ジャズといえば、ワイアットは『The End of an Ear』というアルバムでギル・エヴァンスの「Las Vegas Tango」を取り上げているんだよね。
このギルのアルバム、エルヴィンが異常なまでにカッコいいことを申し添えておこう。

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§1-b

Bimg_0008Blue Oyster Cultをプッシュしていた時代もあったんだネェ。
好きだったナ、BOC。
新宿厚生年金へ観に行った。メチャクチャいいコンサートだった。
このLPでは「NEW YORK'S HEAVY METAL BAND」って括られているが、あの頃は彼らがニューヨークのバンドだなんて意識はまったくなかったな。

Img_0176で、ヒックリ返すとAerosmithが出てくる!
黄金のカップリングだ。

Img_0178Bob Jamesも一時期猛烈にはやりましたな。
「クロスオーバー」全盛期。
この『One on One』のプロモ盤はスゴイ。
ホンモノのマッチがズラリと詰め込まれてる。コレ持ってたら飛行機乗れないよ。

72bjs 
§2-a

Img_0016_1EXILEっていう日本のチームがまだ人気があるのかどうか知らないが、アメリカには1963年から同じ名前で活動しているバンドあった。
ココでザンゲ。
「exile」って「イグザイル」と発音するのかとばっかり思っていた。
でも発音記号は[egzail]でアタマは「エ」なんだね。
ただし、アクセントも「エ」なので日本人が「グザ」に強勢を置いているのも誤り。
グザイル」と発音するのが正しい。「ーシャル」や「フェンダー」「ブソン」と同じ。
それと、ストーンズの『メインストリートのならず者(Exile on Main Street)』のせいかどうか、「exile」という単語が「ならず者」とか「チンピラ」のような意味だろ思っている人がいるようだが、本来の意味は「亡命」とか「国外追放」、あるいは「亡命者」という意味だから。
余計なことを書くが、白人の先進国の連中は、同じ白色人種の人が国を捨てて国外に出ていく人のことを「asylum(アサイラム=亡命者)」と呼び、有色人種が同じことをすると「refugee(レフュジー=(難民))」と呼ぶ、と昔何かの本で読んだ記憶がある。
そんなことはどうでもいいか…。
 
で、取り出したるは グザイルの1979年「夜明けのライダー」というシングル曲をフィーチュアしたプロモーション盤。
このシングル曲、原題は「How Could This Go Wrong」。
チョット意訳すれば「ナンだってこんなことになっちゃったの?」ぐらいの意味なんだろうが、ナンだって「夜明けのライダー」になっちゃったの?
で、どんな曲か聴いてみる………絶句!
いわゆる懐かしの「ディスコ・サウンド」なのだが、どうにも古クサすぎてくて近寄ることすらできない。
1979年といえば、私は高校2年生のロック狂い。
当時こうしたサウンドがもてはやされていることに文句ばっかりつけていた。
今と全く変わらん。
 
しかし、「流行りモノ」の宿命だネェ。
でも、そういうモノやハヤリに飛びつく人たちこそが経済を回してくれているんです。
わかっているんですよ。
私みたいなアマノジャクやヘソ曲がりはそういう方々に感謝しなきゃイカン。
最近マジでそう思ってるの。
「鬼滅」や「ウルトラマン」を観に行ってくれてありがとうございます。Img_01721966年のSmall Facesのファースト・アルバムのジャケットを流用したキング・レコードのプロモーション・アルバム。12_img_0202「すべての若きロック・ファンに捧ぐ!これがブリティッシュ・ロックの根源音楽だ!」という見出しがついていて、「根源音楽」というところに「ルーツ・ミュージック」というルビが振ってある。
収録されているのはSmall Facesの他、Themやアラン・プライス、The Nashville Teens等。
他に収録されているバンドがかなりコアな内容で、「? and the Mysrterians」だの「Unit 4+2」なんてのは知りません。
1977年の制作らしい。
私が中学3年の時で、プログレッシブ・ロックに狂っていた頃なんだけど、こうしたバンドを若者に売りつけようとしていたところを見ると、世間ではまだまだロックが一般的な市民権を得ていなかったのだろう。
実際にそうだった。
『Hotel California』が大ヒットした後ではあったけど、クラスメイトの男の子たちはピンク・レディや百恵ちゃんに血道を上げていた。
まだまだいい時代だった。
 
このアルバムがチョットうれしかったのはBrian Poole & The Tremeloesの演奏が2曲ほど収録されていたこと。
12_img_0203何しろブライアン・プールはMarshall Blogに登場してくれていますからね。
詳しくはコチラをご覧あれ!
  ↓  ↓  ↓
【Marshall Blog】ビートルズに勝った男

下の写真の真ん中がブライアン・プール。

110 

§ 2-b

Img_0017_1 
The Allman Brothers Band、Marshall Tucker Band、エルヴィン・ビショップ、Hydraなどが所属していたサザン・ロックの名門レーベルがCapricorn。

Img_0158Lynard Skynard、ZZ Top、Charlie Daniels Band等、サザン・ロックって一時期ものすごい人気だった。
「ほとばしる男の匂い!」、「力強いロックの響き!」だもんね。
ギター・ソロがタップリでよ。
Img_01572枚組の大作サンプラー。
ジャケットのイラストは有名な人だよね?
しかし、いから「売らんかな」でもキャプリコーンのコンピレーション・アルバムを作っていたなんて信じられんな。

Img_0159§ 3
ここのセクションは濃い…というかエグイ。

Img_0023_1 
EPIC-sonyのプロモ盤。
これは一見してBillboard誌のパロディだとわかる。

Img_0105収録されているのは、ノーランズ、Cheap Trick、The Jacksons…あとは知らんな。
ミゲール・ホセとかトニー・シュートとかディック・セント・ニクラウスとか、おそらくは死ぬまで存じ上げなくても一切困らない方々。
一方、ノーランズ。
1979年に「I'm in the Mood for Dancing」ってヒット曲があったでしょ?
コレ、「ダンシング・シスター」っていう邦題だったのか…ヒデエな。
日本ではやたらとコレだけが知られているけど、イギリスに行くようになって、このチームが向こうではケタ違いに人気があることを知って驚いたことがあった。
しかし、「年末ハイライト集」なんて記載されているところを見ると、こういうのがしょっちゅう関係者に配布されていたのであろうか?

7img_0106こちらが裏面。
植村さんがオリコンの営業部長をしていた時代に「ロゴを貸して」と頼まれて出来上がったのがコレ。
「コンデンス」はもちろん「コンフィデンシャル」のシャレだが、「condense=濃縮する」という二重のシャレになっているのね?
表はBillboard、裏はオリコンとなんとも豪華な1枚。

Img_0107ココは怪しい南米産のビートルズ・ゾーン。
『Magical Mystery Tour Plus Other Songs』なんていうから、さぞかしヘンなことをやっているかと期待すると…

Img_0110ナンのことはない。
普通の『Magical Mystery Tour』だった。
それじゃ何でこんな装丁なんだ?
「ビートルズ全213曲中唯一のブルース」と言われている「Flying」がこのアルバムに収録されているけど、ビートルズにはもう曲ブルース形式があるんじゃない?
ナンだっけナァ。
忘れてしまったが、確かもう1曲ブルースがあるハズ。
思い出したらココへ書いておきます。7img_0111これはポルトガル語、つまりブラジル盤かな?Img_0112「A Hard Days Night」、「Long Tall Sally」、「Twist And Shout」、「You Can't Do That」、「All My Loving」他8曲とある。
そして右下には(Recorded Live)の表記。ホントかナァ?
ただの海賊盤かしらん?
Img_0113コレはベネズエラ盤。
「20 Exitis de Oro」というのは「20 Golden Hits」ということだって。
見ればわかるか。Img_0114曲名が原題と現地語のチャンポンになっている。現地の言葉だとナンの曲やら見当もつかないね。
ってんでインターネットでアタマの3曲だけ調べてみた。
「Ella te ama」は「彼女はあなたを愛してる」だから、「She Loves You」。
「Quiero tener tu mano」は「私はあなたの手を握っていたい」だから「I Wanna Hold Your Hand」。
次の「el dinero…no puede comprame amor」は「お金…私に愛を買うことはできませんは」だから「Can't Buy Me Love」。
ナンダ、どれも直訳なのね?Img_0117ジャズ評論家の草分けだった油井正一さんが講談調でブルーノートの1500番台のアルバムを紹介したコンピレーション・アルバム。
「非売品」なんだけど、中古レコード屋で時折見かけたので私も買った。12_0r4a0272ジャケットのデザインはバド・パウエルの『The Amazing Bud Poewll vol.1』と『vol.2』のパロディ。
こうして見ると大分違うな…。
このコンピレーション・アルバムの第2弾はソニー・クラークの『Cool Struttin'』をモチーフにしていた。12_bpコレ、うれしいのは裏ジャケも本家のブルーノート盤と同じフォントを使ってそれらしく仕上げているところ。
ブルーノートのコンピレーションCDって、「4000番台集」も併せて一時アホほどたくさん出ていたけど、一体アレは誰が買っていたのであろうか?…私です。
だって中古で2、300円で買えて、BGM代わりにかけておくにはちょうどいいじゃん?
12_0r4a0275<中編>につづく
 

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2022年3月 1日 (火)

【Music Jacket Gallery】メッセージ・ジャケット特集<vol.3>

 
『メッセージ・ジャケット特集』の最終回。
いよいよ最後の展示棚に移る。Img_0041  
§ 5 - a
このあたりは近未来系のデザイン・ゾーン。

Img_0044バーコードも扱いやすいモチーフだ。
その分、「ありきたり感」がでてしまうのもやむを得ないかな?
左はThe Kinksのデイヴ・デイヴィスが1980年にリリースした初のソロ・アルバム『AFL1-3603』。右はアイルランドのパンク・ロック・グループ、Stiff Little Fingersの同じく1980年の『Nobody Heros』というアルバム。
Img_0179removebgpreview しかし…『AFL1-3603』なんて覚えにくいタイトルだナァ。
でも、秋吉敏子の『Sumie』というアルバムに収録されている「A-10-205932」という曲名を覚えるよりはラクか… 。
この敏子さんの方の曲名は、1950年代にアメリカに渡った敏子さんに最初に付された移民の登録ナンバーだそうだ。
確かあまりにも覚えにくいということで、後に改題したんじゃなかったっけかな?
ナニになったのか忘れちゃった。

Ats 一方、このデイヴ・デイヴィスのアルバムの「AFL1-3603」とは何ぞや…。
コレはこのレコードの製品番号なのだそうだ。
このアルバムがリリースされた1980年あたりからレコード・ジャケットにバーコードを入れるようになった。
ジャケットはミュージシャンにとっては作品の大事な一部分でしょ?
そこにこんな無粋なシマシマを入れるとは何事だ!…と、デイヴは世間の美的感覚を窺うようにして抵抗して見せたというワケ。Dd 久しぶりに聴いたけど、このアルバム、まだまだ古き良き「ハードロック」のテイストが残っていてとても良いナ。
何しろデイヴの歌がスゴイ。
The Kinksでもデイヴがリード・ヴォーカルズを担当している曲がチョコチョコあるけれど、ハードに叫ぶこのアルバムでの歌唱はまったくそれとは似ても似つかないモノだ。
The Kinksのことはロンドンのを絡めて書きたいことが山ほどあるけど、その内特集を組むつもりなので今はガマン。
 
このバーコード、シマシマがナニを表しているのかはわからないけど、下のアルファベットと数字は架空のモノ。
Img_0181私は昔、教則ビデオの仕事をしていた時に600個からの商品すべてにバーコードを付ける作業をしたことがある。
も~、大変で夏休み返上で取り組んだ。
専門のソフトがあって、商品名を入力すると勝手にバーコードをひねりだしてくれるんだけど、何しろ飽きる!
その作業で覚えたのは、日本で流通している「JANコード」のシマシマの下についている数字の意味ぐらい。
頭の2桁が国を判別するコードになっていて、日本の場合は「49」。
次の5桁がその製品を作っている会社のコード。
その次の5桁がその製品自体のコードになっているということ。
こんなことを知っていても何の役にも立たんな…。
 
Stiff Little Fingersの方は数字ではなくて、よく見るとバンド名を表したアルファベットになっている。
Img_0180The Tubesの5枚目のスタジオ・アルバムは『Remote Control』。
コレはわかりやすい…機械が赤ちゃんを育ててるの図。
もう既にこんな世の中になっちゃってるんじゃないの?
プロデュースはトッド・ラングレン。
デビューからライブ・アルバムぐらいまでのThe Tubesってすごく好きなんだけど、1979年のこのアルバムはもうスッカリ80年代サウンドになっちゃっていてナ二だな。

Img_0182_2モナリザも色んなところでよく使われるわナァ。
ミロのヴィーナスと相乗りか…。
The Dammed の『Lively Arts』。
まったく通過していないのでナニです。
Img_0188折に触れてパンク/ニュー・ウェイヴ以降のロックは苦手…と、Marshall Blogに書いてきたけど、このXTCっていうのはよろしいな。
ある雑誌のインタビューでアンディ・パートリッジが「コード進行と歌のメロディの組み合わせが普通でないように作曲するよういつも心がけている」みたいなことを言っていたのが印象的だった。
また、彼は「ビートルズ・フリーク」としても有名だそうで、そのインタビューの中で「A Day n the Life」の最後の大フェルマータ中にオーケストラの人がイスを引いて出してしまうノイズのことを嬉々として語っていたのには好感が持てた。
下は1978年のXTCのセカンドアルバム『GO 2』のジャケット。
『Go 2』ってツトム・ヤマシタさんのアルバムにもあったよね?
さて、マジなのか、フザけているのかわからないが、これこそメッセージ・ジャケットの究極の姿だ。何せ自分の作品に関するメッセージがそのまま書かれているんだから。
同時にジャケットのことにも触れている。
オモシロイので少し読んでみる。
これはレコード・ジャケットであ~る。ここに書かれている文字はジャケットのデザインであ~る。デザインはレコードのセールスを助けるモノであ~る。我々はこのデザインに興味を持ち、あなたがこのレコードを手にすることを望んでいるのであ~る。ジャケットを手にした時、中の音楽を聴くように説得されるだろう…このケースではXTCの『Go 2』であ~る。そしてあなたにそれを買って欲しいのであ~る。あなた以外にもそうしてもらえれば、ヴァージン・レコードやマネージャーのイアン・リード、そしてXTC自身にもお金が舞い込んでくるワケであ~る。これはこの上ない喜びなのであ~る。いいジャケットというものはたくさんの人の目を惹き、更なるお金をもたらすワケであ~る。このメッセージが見目麗しい写真のように皆様の目を惹きつけるよう試しているところ。あなたが読むようにデザインされているのです。これを『犠牲者おびき寄せ』と呼び、あなたこそが『犠牲者』なのです。でもいつでも読むのを止めていただいても構いませんよ!なぜなら今我々がやろうとしていることは、あなたにこれを読んで頂こうとしていることに他ならないのですから。(つまり、この先を読んでもらえないようならXTCの試みが失敗だったということになるというワケ)」
…とこんな調子。
と、植村さんとは別の切り口でジャケットの重要性を説いているともいえる。
ま、シャレでやっているんだろうが、やっぱり写真や絵やグラフィック・デザインのジャケットの方が魅力的だわな。
Img_0185
ここで一句。
「ヴァン・モリソン 日本に来ない ヴァン・モリソン」
1973年の『Hard Nose the Highway』。
邦題は『苦闘のハイウェイ』といったらしい。
ジャケットのイラストは一目でマイルスの『Bitches Blew』とか『Live Evil』を手がけたマティ・クラ―ワインというドイツのイラストレーターの仕事…とばかり思っていたんだけど、どうも違うらしい。
ロブ・スプリンゲットというハービー・ハンコックのアルバムのジャケットのデザインを担当した人らしい。
ホントかな~。
ナンカ狐につままれたような感じ?
Img_0184§ 5 - b
いよいよ最後の展示棚!

Img_0047The Pretty Thingsってのは日本で人気があるのだろうか?あるいは、あったのだろうか?…みたいなことをいつも書いているけど、実際のところどうなんだろう。
この 『Parachute』は1970年の7枚目のアルバムでUKヒットチャートの3位まで上がっている。
私も持っているけど、聴くとカッコいいような、そうでもないような…。
いい曲のような、そうでないような…。
ハードのような、ソフトのような…。
でも『Silk Torpedo』とか『Savage Eye』とかジャケットはいいよね。
ヒプノシスだから。
このアルバムもヒプノシス。
…なんだけど、どうも「らしく」ない感じがする
Img_01891977年から活動を続けるAngelic Upstartsの1980年のセカンド・アルバム『We Gotta Get out of This Place』。
「We Gotta Get out of This Place」は「朝日のない街」というオチャラケた邦題を付けられてしまった1965年のThe Animalsのヒット曲。
このバンドはこのパンク調で同曲を収録した。
 
ジャケット自体はユーモラスなんだけど、とても深刻な雰囲気のイラストはニック・ホックリーという人の作品。
「ココから出ていかなくちゃ!」というタイトルからしても、公害問題を訴えているように見える。
私はこのバンドは全く知らなかった。
パンクだし。
で、調べてみると、このバンドはイングランド北部のサウス・シールズの出身なんだね。
Img_0199ジャケットに描かれているオジさんたちはランプ付きのヘルメットを被り、スコップを手にしている。
このオジさんたちは「Miner(マイナー)」、つまり「炭鉱夫」だ。
サウス・シールズの約5km南には「Whitburn Colliery(ホイットバーン・コーリエリー)」という炭鉱があったが1968年に廃坑になった。
それでアタマを抱えているのではなかろうか?
そして、「もうサウスシールズから出て行かなきゃ…仕事がなくなってしまったのだから」という風に私は想像してみたがいかがなモノだろうか?
今回のシリーズの<vol.2>で触れたようにサッチャーのせいで廃止になったのかと思ったが、サッチャーが首相の座に就いたのは1979年のことなので関係なさそうだ。

Miner 皆さんは「Cornish Pasty(コーニッシュ・パスティ)」というイギリスの食べ物をご存知かな?
そもそも日本では「ペストリー」という言葉は使っても「パスティ」という言葉には馴染みがないよね。
「ペストリー」というと、恐らくリトルマーメイド辺りで盛んに売っている菓子パンのチョット高級っぽいヤツを思い浮かべるでしょう。
主に「ペストリー」というのはそうした菓子パンの生地自体のことを指す。
その生地に具を入れて焼いたモノが「パスティ」。
イギリスではこれら2つの言葉が厳格に使い分けられているハズ。
で、イギリスには「GREGGS(グレッグス)」というパスティの専門店がそこら中にあって、コレが安くてとてもおいしい。
下はデヴィッド・ボウイの出身地、ブリクストンのGREGGS。

Img_7235コレはMarshallの近くのGREGGS。
この時は改装中だった。

Img_8872ま、だいたいこんなもの。
コレはアールズコートのGREGGSだったかな?
左のがパスティ。
ビーフシチューみたいなものがタップリ入っていて(当時で)150円ぐらいかな?
イギリスで買い食いするものといえばサンドイッチのような冷たい食べ物ばかり。
こんな値段で温かいモノは他にまずない。
だから余計においしく感じるんでしょうナ?
右のエクレアも生地のクォリティが高いのでとてもおいしい。

Img_9871さて、そのパスティの代表選手が下の「コーニッシュ・パスティ」。
「Cornish」というのは「Cornwall(コーンウォール)」というイギリス南西部(左下のとんがっている辺り)の地名の形容詞。
だからそっちが出元なんでしょうな。
イギリスでは「炭鉱夫の食べ物」とされている。
コレ、ハジッコの耳の部分が大きいでしょう?
炭鉱夫は一日中地下深く潜って、食事もそこで済ます。
当然手を洗うための水などないので、汚れた手のままで食事をすることになる。
そこで、炭鉱夫たちはこのコーニッシュ・パスティを持って坑内に入り、食事の時間になるとその汚れた手でコーニッシュ・パスティの耳の部分を持って食べる。
そして、耳の部分は汚れているから食べないで捨てちゃう。
「生活の知恵」というヤツですな。Cp2_2中身はこんな感じ。
牛肉、薄切りのジャガイモ、ルタバガというカブの一種、タマネギなどが入っている。

Cp2_1イギリスのスーパーに行くと袋入りで売っている。
「Ginsters」というのが有名…とMarshallの経理のボスが私にパッケージを見せてくれた。
その彼のその日のお昼はコレ1個。
質素だよ~、向こうの人のお昼は…朝ゴハンもだけど。
まぁ、我々の感覚だと立ち食いソバ屋で「かけそばを一杯」という感じか?
今度行ったら私も買って食べてみようかと思っているんだけど、コロナのせいで行かれない~!Cp3 ところで、サウス・シールズは静かだったな~。
下が一番の繁華街…って、いい加減静かすぎるか?
この写真を撮ったのは午後4時ぐらいだったからね~。
それでも1950年代にこの通りを撮影したビデオを見ると、人と車があふれかえっていて、あまりの変わり果てようにとても驚いた。
Img_6927
映画監督のリドリー・スコット、『モンティ・パイソン』のエリック・アイドル、イギリスで最も読まれている小説家20人のウチのひとり、キャサリン・クックソンを輩出している町がサウス・シールズ。
そして、我が友、現Geordieのギタリスト、スティーヴ・ドーソンの地元だ。
スティーヴは元The Animalsのギタリスト…つまり「We Gotta Get out of This Place」の弾き手でもあった。
奇妙な符合ではないか!
GeordieはAC/DCのブライアン・ジョンソンが在籍していたニューカッスル出身のバンド。
ニューカッスルからサウス・シールズはローカル鉄道で20分ぐらいの距離だ。Img_7024 イギリス国内に100軒は下らないと言われる「イギリスで一番おいしいフィッシュ&チップス屋」もあったりするサウス・シールズ。
イヤ、実際に美味しかったですよ。
Creamもジミ・ヘンドリックスも訪れた町ですからね。
友人の地元でもあり、私にはとてもオモシロかったけどワザワザ行くほどのことはない。
下の「サウス・シールズ往訪記」をご覧頂ければ十分だと思う。
     ↓    ↓    ↓
☆【イギリス-ロック名所めぐり vol.6】 サウス・シールズ(South Shields)
☆【Shige Blog】イギリス紀行2012 その14~サウス・シールズ1
☆【Shige Blog】イギリス紀行2012 その14~サウス・シールズ2
☆【Shige Blog】イギリス紀行2012 その14~サウス・シールズ3
Img_7055ところで、ココまでエラそうに書いて来た私ですが、「We Gotta Get out of This Place」という曲を知ったのは本家のThe Animalsではございませんでしてね…。
高校の時にリリースされたBlue Oyster Cultのライブ盤『Some Enchant Night』だった。
このアルバムのレコ発ツアーで来日してね。
新宿の厚生年金会館へ観に行ったけど、すごくいいショウだった。
もちろんこの曲も演っていた。
このチームもまだガンバってるんだね~。
SenDregsの1982年の『Indutry Standard』。
スティーヴ・モーズ、デイヴ・ラ・ルー、Tラヴィズ、ロッド・モーゲンスタイン、マイク・オコーナー、ジェリー・グッドマン…キラ星のようなスター・プレイヤーが集まったチームの割には日本ではあまりウケない印象があるんだけどどうなんだろう?
私もまだ「Dixie Dregs」と名乗っていた頃に『What If』とか『Nght of the Living Dregs』あたりのアルバムは聴いていたけど、正直ハマることはなかったナァ~。
キライじゃないけど夢中になれない。
演奏はスゴイんだけど、どうも曲に馴染めなかったんだナァ~。
『Nght of the Living Dregs』のライブの面の2曲目に収録されている「The Bash」という超絶曲がが好きだったんだけど、それがカントリーの「Wabash Cannonball」という曲の完全パクリということを後で知ってガッカリしてしまった。
 
ジャケットのイラストはどういうことなんだろう?
オジさんたちがスコップで水晶玉みたいなモノをイジている。
手前には馬かなんかの白骨体。
そしてタイトルは「工業規格」。
わからない。
 
スティーヴ・モーズってイングヴェイ・マルムスティーンが好きなんですってね?
数年前、イングヴェイとDeep Purpleのダブル・ヘッドライナー公演の時の話。
イングヴェイのステージをステージ袖の暗がりで最初から最後までジックリと観ている人がいた。
誰かと思って顔をのぞくとスティーヴ・モーズだったのでビックリした。
Img_0190御大The Moody Bluesのセカンド・アルバム『Question of Balance』。1970年の作品。
いいジャケットだ。
アインシュタインまで出て来ちゃって…。
手掛けたのはムーディーズの多くのアルバム・ジャケットを担当したフィル・トラヴァースという人。
 
私はプログレにハマった高校時代に『Every Good Boy Deserves Favour』と『Seventh Sojourn』を聴いたぐらいでムーディーズは知らないに等しいんだけど、「Go Now」なんていい曲だよね~。
アレはポールの曲じゃありませんからね。
そして、Queenの「Bohemian Rhapsody」のビデオは、マーキーの2号店の裏で撮影したあの「Go Now」のビデオを手本にしたとか…。
このアルバムでもよく知られたオープナーの「Question」なんかはチョット大ゲサだけど名曲だ。

Img_0192オランダのスーパー・バンド、Golden Earringの1975年の作品『Switch』。
アンドロイドみたいなグランギニョルが捕えられている。
何となく現在のアニメでも通用するようなデザインだ。
アートワークはハワイ生まれの日系人、ジョージ・オーサキという人。
この人のポートフォリオを見て腰を抜かしたゼ!
チョコチョコっといくつか過去の作品を紹介しようとしたけど…スゴすぎてムリ。
日系でこんな人がいたんだね~。
 
このバンド、なかなかいいんだよね。
Focusばかりがオランダじゃないってことよ。
Img_0197植村さんは大のJethro Tullファンで、ナンとイアン・アンダーソンとサシでホッケを突っついたことがおありだという。
イアンはそのホッケの味に大層感動していたそうだ。
ま、ハギスよりはマシなことは確かだろう。
私もタルは昔から大好き。
大分前に来日したでしょ?
ギターのマーティン・バレがマーシャルということもあって渋谷公会堂の追加公演を観せてもらった。
何しろこの時は『Aqualung』を全曲演奏するということで大いに期待を胸にして公園通りを上って行ったっけ。
席は2階だったんだけど、おっそろしくガラガラだった。
「これが現状なのね…」わかっちゃいるけどチト寂しいね。
ショウの方は念願のタルだっただけに文句をつける気は毛頭ない。
約束通り『Aqualung』は全曲演ったし、「Thick as a Brick」も「Song from the Wood」も演ってくれた。
だが、アレはワザとやっていたのだろうか?…イアン・アンダーソンの歌とフルートとギターが出てくると、PAの音量が妙に上がってハリのある音になる。
ところがイアンの歌なりフルートのソロが終わるやいなや、ヒョイっとバンドの音がしぼんでしまうんだよね。
最初のうちは「オ~、さっすがイアン!」と感心していたんだけれど、ショウが進むにつれてその落差が気になって、気になって…。
それでも本物のJethro Tullが観れて満足でしたがね…。
惜しむらくはどうせなら1972年の初来日公演が観たかった!

『Too Old to Rock'n'Roll, Too Young to Die』はベスト盤を除いたTullの10枚目のアルバム。
『ロックンロールにゃ老(とし)だけど死ぬにはチョイとわかすぎる』…強烈なメッセージじゃござんせんか!
でもさ、このアルバムを発表した1976年、Ian Andersonってまだ29歳だったんだゼ。
そう、昔は30歳を超えるロック・ミュージシャンなんて考えられなかったのよ。
反対に『Thick as a Brick』、『Passion Play』等の超名作&問題作をなんかを25歳の時に出しているんだからまったく恐れ入る。
昔の人は本当にスゴかった!
イアンは今年76歳。
本当に「老(とし)」になっちゃったけど、まだバリバリやっていてくれてうれしい限りですな。

Img_0202毎作ジャケットが楽しいタルだけど、このアルバムではコミック仕立てに徹している。
アートワークはマイケル・ファレルという人の仕事。
登場人物のセリフの中に収録されている曲名が挿入されている。
ファレルは他にArgentの『Nexus』や、いつかやったStreet Walkersの『Downtown Flyers』を手掛けた。Img_0203removebgpreview国内盤には日本語訳がついていた。
何やらココでも「Harrods」のきわどいパロディを掲げている。

Img_0206最後にこのタイトル、『Too Old to Rock'n'Roll, Too Young to Die』。
「~すぎて…できない」という中学で必ず習う重要な表現のひとつ。
UFOの「Too Hot to Handle」でもおなじみだ。
コレで思い出すのが中学2年の時の英語のテスト。
やっぱりこれが出題された。
学年で一番ケンカの強いとされていた加藤くんは決して勉強ができないわけではなかったが、この「too」と「to」を( )に入れる問題がどうしてもわからなかった。
そこで試験中、見回りの先生が離れたすきに前の席の伊藤くんに「オイ、4番の答えナンダ?」と小声で訊いた。
正義感の強い伊藤くんは困ってしまったが、教えないと後が怖いので同じく小声で「トゥだよ、トゥトゥ」と伝えた。
すると今度は加藤くんが困ってしまった。
一体全体どっちの( )に「o」がふたつの「トゥ」を入れてよいのやら…果たして前の( )か後ろの( )か…。
「too~to」か「to~too」か…確率は50%。
数多くのケンカの修羅場で培った野性の勘を活かして加藤くん、イチかバチか前の( )にtooをブチ込んで見事正解をキメてみせた。
試験終了後、加藤くん勝ち誇った顔!今でいう「ドヤ顔」だね。
アレは真の勝負師だけが持ち合わせている最高の笑顔だった…って、ナニを言ってんだか!
ちなみに私は自力で正解しております。
そして今でも外国人と会話する際には、今でも時折「too~to…」を使用させていただいております。
…と、この部分はあまりにもどうでもいいことなので今回カットしようかと思ったけど、読み返してみて案外面白かったので再掲した。

Tt 個別ジャケット紹介のコーナーの最後は植村さんも大好きなフランク・ザッパで〆ることにしよう。
何しろ植村さんはザッパの存命中にロサンゼルスの家までいらっしゃっているぐらいだから!
思い返してみるに、植村さんとお近づきになることが出来たのもフランク・ザッパのおかげだった。
私のザッパ好きを知っていたレコード会社に勤める方(当時)が植村さんを私に引き合わせてくれたのだ。
そのレコード会社の方自慢の赤坂のレバ刺しの名店をセットしてくださったのだが、植村さんも私もレバ刺しが苦手で、お気の毒にその方に3人分召しあがって頂いたという次第。

Levその後、都内のマンションの一室を占拠しているCDのコレクションの取材をさせて頂いたりした。
そのレポートを久しぶりに読んで我ながらオモシロかった。
大幅に加筆訂正を加えたので是非ご覧になって頂きたい。
   ↓    ↓    ↓
The Amazing Uemura Collection~Music Jacket Galleryの源

40v_2

さて、その「最後の1枚」とは『興奮の一夜』と邦題された1973年の『Over-Nite Sensation』。
私はコレを中学生の時にソニービルの下のハンターで買った。
「1,000円以下」のコーナーで確か800円だったと思う。
聴きやすくて大好きなアルバムだった。
その時から何年か経ってCDの時代になって3回ぐらい買ったかな?Img_0193removebgpreviewそして、一昨年、もう1枚LPを買った。
イギリス盤のオリジナル・プレス…だから手に入れたワケではない。
私は「オリジナル盤がどうだ」とか「マトリックスがどうだ」とかいうことには全くと言っていいほど無頓着なのです。
コレはかつて何回かフランクフルトでご一緒させて頂いたジム・マーシャルの友人の奥さんからのお誘いだったので譲り受けることにしたのだ。
ある日、突然facebookを通じてその女性から連絡があった。
「シゲ、あなたフランク・ザッパが好きって言っていたわよね?実はウチの娘がヒョンなことからザッパのレコードをたくさんもらって来たの。貴重なモノかどうかは私にはわからないんだけど、すぐにアナタのことを思い出して連絡したのよ!」という具合だった。
私はその女性のことをスッカリ忘れていたので、ビックリしてしまって、その時一緒にいた現Marshall社社長の奥さんに確認してみた。
「ああ、アナタ…彼女がフランク・ザッパを観たことがあると知って、あの時ずいぶんザッパの話をしていたわよ」と言われてしまった。
は、恥ずかしい。
その時から10年以上経っていたのにその方は私が猛烈なザッパ・ファンであることを覚えていてくれたのだ!
そこで送られてきたリストをチェックしてみると長年探し求めていた『Zappa in New York』があるでないの!
他のアルバムも「出てすぐにロンドンのレコード屋で買った」というピッカピカのオリジナル盤ばかり(←結局オリジナル盤が欲しいらしい)。
そこで、この『Over-Nite Sensation』や他のアルバムも抱き合わせで頂くことにした…というワケ。
ジャケットの色目と「Discreet」のロゴの色がが国内盤と違う。
下がそれ。
緑色のステッカーが嬉しかったりする。
「ナンダカンダ言って自慢かよ!?」ということになる。
全く自慢にはならないが…。
S0r4a0075ところでこのジャケットを描いたデヴィッドB.マクマッケンという人…Kansasの『Leftoverture』とかWeather Reportの『Black Market』のジャケットと担当した人だって知ってた?
アタシャ知りませんでした!

01ks

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以上でテーマ別展示アイテムの紹介は終わり~。

そして、今日の後半はMJG名物の立体展示のご紹介。
今日もエグイのが勢ぞろい!
ご案内のメインの文章はオーナーの植村さんの作。Img_0049
●TORI AMOS / A PIANO : THE COLLECTION [RHINO (2006)]

ニューヨーク出身の個性派シンガー・ソングライターであるトーリ・エイモスのデビュー15周年を記念して発売された5枚組CD-BOX。
「米国版ケイト・ブッシュ」ともいわれる彼女のエキセントリックな楽曲が86曲も収録されており、その約半数がリミックス、ライヴ、デモなどの貴重な音源というマニア垂涎のもの。
彼女の得意とするピアノの鍵盤を模したギミック・パッケージは実にリアルな作りになっている。
Img_0052鍵盤を押したりすることはできないが質感は本物そのもの!

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Img_0055
●KISS / KISS BOX ( SPECIAL LIMITED BOX ) [UNIVERSAL (2001)]

現在もハード・ロックの雄として健在振りを見せ付けてくれるKISSのデビュー30周年を記念して発売されたのがこの5枚組CD-BOX。
Img_0059この初回限定生産盤は完全にギター・ケースを模したもので、本物のギター・ケースのように硬質の木板に皮を貼って作られている。
内部には毛足の長い赤い裏地も貼られており、ミニチュアのギターが入っていてもおかしくない程の見事な仕上がりだ。
ケースだけに持ち運びにも便利!
Img_0062キッスからのメッセージも封入されている。

Img_0058ブックレットもゴージャス。
ホレ、Marshallがウジャウジャだよ!Img_0060
●PANIC AT THE DISCO / A FEVER YOU CAN’T SWEAT OUT(COLLECTORS BOX) [FUELED BY RAMEN (2006)]

メロディックかつパワフルの両面で人気を集めているPANIC AT THE DISCOのデビュー作『A FEVER YOU CAN’T SWEAT OUT』の初回限定生産のCDとDVDをバンドルしたデラックス・ボックス。

Img_0068全て20世紀初頭の頃のデザインに統一されたポスター、カード、新聞、ツアー・パンフレット、ダイアリー、パラパラ・マンガなど盛り沢山のオマケが楽しい。

05 

FREDDIE MERCURY / FREDDIE MERCURY THE SOLO COLLECTION [EMI (2000)]
クイーンのリード・ヴォーカリストにして名コンポーザーでもあったフレディ・マーキュリーのソロ・ワークを集大成した10枚のCDと2枚のDVDを収めた12枚組ボックス。このボックスでしか聴けない(観られない)音源(映像)もさることながら、未発表写真を数多く載せた資料満載の120ページに及ぶハード・カヴァーブックレットも同梱されている。圧巻なのは、フレディのポートレイトとサインのみで構成されたシンプルで頑丈な箱の仕様です。

Img_0071なんともゴージャスな装丁!

Img_0074帯も極太!

04 

●IRON MAIDEN / EDDIE’S ARCHIVE [EMI (2002)]
ヘヴィ・メタルの雄、Iron Maidenのデビュー20周年を記念して発売された6枚組CD-BOX。
Iron Maidenというネーミングとヘヴィ・メタルというジャンルの両方をそのままパッケージに投影させている。Img_0078彫金で仕立てたエディの蓋もさることながら、エディを取っ手にあしらったグラスもおどろおどろしいメッセージを放っている。
ファミリー・ツリーを描いた巻物も同梱されている。

Img_0091
帯も極太だッ!

Img_0079おまけのグラス。
右の巻物はメイデンの家系図。

Img_0086「グラスの底にエディがいてもいいじゃないか…」なんて今の若い人は知らないか…。

03  
●遠藤賢司 / 史上最長寿のロックンローラー  [ ナツメグ (1991)]
一貫して“純音楽”を追求し続ける日本では稀有なパンキッシュ・アーティスト、遠藤賢司の芸能生活30周年を記念して発売されたのが、この日本(いや世界)最大のCDシングル。
まだギネス非公認。
とにかくこの超デカ・ジャケ・サイズは物凄い迫力を感じさせる。
本人の手書きによる歌詞カードやおまけに付いている双六セットも楽しい。
ただ難点は、収納と持ち運びに不便なところ。
植村さん、これを持って帰るときには恥ずかしかったとか。

Img_0092
歌詞カードのサイズも特大!
エンケンさんはコレを全部歌ってる。

Img_0094これが根本敬さんの手による双六。

Img_0095

Img_0100よく見るとアンプ類がマーシャルになってる!

Img_0096エンケンさんがマーシャルに乗ってる!

Img_0098転倒するスピーカー・キャビネット。

Img_0097参加ミュージシャンの手形も付いてる!
トーベンさんや頭脳警察のトシさん。

Img_0101  
●ONO YOKO / ONOBOX ULTRACASE   [RYKODISC (1992)]
前衛アーティストであるオノ・ヨーコの音楽を集大成した6枚組CD-BOX。
Img_0103
全世界で350セット限定生産という極めてレアなジュラルミン製のボックス。
Img_0106ガラス製の『宇宙への鍵』箱の裏地に楽譜をデザインしたり、6枚のCDを並べるとオノ・ヨーコの顔になるなど、パッケージの随所に前衛アーティストとしての主張が込められている。
世界が破壊されてもこの箱だけは絶対に未来永劫に残したいという強い意思も伝わってくる。
Img_0104こういっちゃナンだけど、ヘタすると中身より箱の方が高価のような…。
Img_0109 
●PUBLIC IMAGE LIMITED / METAL BOX [VIRGIN (1979)]
Sex Pistolsのリーダー格であったジョン・ライドンが解散後に結成したパブリック・イメージ・リミテッド(P.I.L.)のセカンド・アルバム。
初回限定生産の5万セットだけは鉄製のメタル缶に12インチ・シングル(45回転)の3枚を収めたものだ。
音質にもこだわるジョン・ライドンならではのメッセージがこのアナログの仕様とパッケージに込められている。
CD-BOXの方は、1枚にまとめられたCDがアルミ缶に収められている。

Img_0112

 
●THE MONKEES / THE BIRDS, THE BEES & THE MONKEES [RHINO (2010)]
60年代後半に世界的に大ブームを巻き起こしたモンキーズが1968年に発売した傑作アルバム『TH BIRDS, THE BEES, & THE MONKEES』のデラックス版である3枚組CD-BOX。
モノラル音源や未発表音源を満載した各CDは紙ジャケ仕様に施され、当時のレコーディング・エピソードや各音源の詳細なクレジットを載せた可愛らしさに溢れたブックレットとピンバッジも同梱されている。

Img_01153Dのフロント・カヴァーも彼等のキャラにお似合いだ。3Dはうまく撮影できませんな。

01  

●VARIOUS ARTISTS / BAR-B-QUE SOUL-A-BRATION [RHINO (1998)]
遊びゴコロに溢れたユーモア・センスと卓越したクリエイティヴィティを誇るライノ・レコードお得意の名コンピレーションのひとつ。
Img_0119バーベキュー・パーティー用にと、料理に因んだ音楽(2曲のカラオケも含む)を編集した2枚組CD-BOXだ。
Img_0120特にライノらしさが感じられるのが料理のレシピやインヴィテーションのサンプルやクーポン券まで同梱しているという点。パッケージ・デザインも食欲をそそるような楽しさに溢れている。
Img_0124 
●DAVID SYLVIAN & RUSSEL MILLS / EMBER GLANCE [ VIRGIN (1991)]
デヴィッド・シルヴィアンと、彼の一連のアルバムのデザイン・ワークを手がけているラッセル・ミルズとのコラボ作品『EMBER GLANCE THE PERMANENCE OF MEMORY』だ。
このアルバムは、ラッセル・ミルズのインスタレーション用に書かれた音楽で、100ページに及ぶミルズのインスタレーションのドキュメント・アート・ブックと併せて鑑賞するボックスとなっている。
大竹伸朗氏らによるライナーノーツは日本盤のみに同梱されている。

Img_0126 
●DAVID BYRNE / DAVID BYRNE [SIRE (1994)]
ニューヨークの知性ともいわれたトーキング・ヘッズのリーダー格、デヴィッド・バーンのソロ・アルバム『DAVID BYRNE』の初回限定生産盤で、全世界で5000セットがプレスされた。48ページに及ぶこのアート・ブックは、彼の身体の各パーツの拡大写真(中にはレントゲン写真やCTスキャンの写真も!)が巨匠ジャン・バプティスト=モンディーノによって撮られ、デザインもロバート・バーグマン=アンガーの手によって見事に仕上げられている。Img_0129 
ちょっと番外でJethro Tullの『Thick as a Brick』が展示されていた。
Img_0113removebgpreview下は私が持っている盤。
本当に新聞の間にレコード盤が挟まっている態。
この新聞はもちろん架空のものだが、20ページくらいのしっかりした出来になっている。
いつか内容を全部読んでみようかと思っている。
この世紀の名盤の邦題は『ジェラルドの汚れなき世界』。
ジェラルド・ボストックなる少年が書いた「Thick as a Brick」という詩が詩作のコンテストで最優秀賞に選ばれたが、あまりにも内容が子供らしくないという理由で失格になったという。
その詩にイアン・アンダーソンが曲を付けたということになっている。
でも、これはウッソで~す!
こんな詩を8歳の少年が書くのはムリで~す。というタルらしい人を食った内容。
イアンの悪い冗談。
この作り話を信じた人が「Thick as a Brick (おバカさん)」ということか?
…と思ったらつい先日、facebookで自分のお気に入りのレコードを紹介するサークルでどなたかがこの「アルバムを挙げて8歳の少年が書いた詩にイアン・アンダーソンが曲を付けた」という解説を付けていたのには驚いた。
1972年の発売から50年を経てまだダマされている人がいるなんてJethro Tullはスゴイ!
そうか…このアルバムも50周年か…。

Photo 立体展示は以上。
 
今回は金羊社の屋上のテラスからお別れしましょう。

Img_0216美しい夕焼け!
Img_0223現在は休止しているが、MJGは予め閲覧を申し込んでおけば誰でもご覧になれます。
再開の暁にはゼヒ足をお運び頂き、レコード・ジャケットの楽しさと重要性を味わってくださいまし。
 
MJGの詳しい情報はコチラ⇒[金羊社]MJG常設展公式ウェブサイト

Img_0226さて、最後に…。
このレコード・ジャケットを提供しているのは先ほどから何度もお名前を拝借している日本屈指のコレクター、植村和紀さん。
何度かMarshall Blogにも直接ご登場頂いてきた。

植村さんのコレクションの情報はコチラ⇒The Amazing Uemura Collection~Music Jacket Galleryの源

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その植村さんが西荻窪で経営されているカフェがその名もズバリの『MUSIC JACKET GALLERY』。
時折ココでしか聴けないライブも開催している最高の音楽空間。
やさしい植村さんが笑顔で迎えてくれます。
音楽好きの方はゼヒお立ち寄りください!
 
MUSIC JACKET GALLEYの詳しい情報はコチラ⇒公式Twitter

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 200(一部敬称略 協力:植村和紀氏一氏 ※立体展示アイテムのテキストは植村氏の解説を元に制作しております)





2022年2月24日 (木)

【Music Jacket Gallery】メッセージ・ジャケット特集<vol.2>

 
§ 2 - a
グエッ!
まだ1列目が終わったところかよッ!
そんなに書いたつもりはないんだがな…。
11年前に掲載した記事の内容のほとんどを書き換えてお送りしています。
こんなバカなワタシでも11年の歳月を無駄に過ごしてはいなかったようで、たとえ世間では「どうでもいい」とされているような知識でも、自分が知らない間に結構蓄積しているものですな~。
それと大きかったのはSpotifyとYouTube。
以前にも書いたけど、この2つがありさえすれば、展示されているアルバムのほとんどの音源を聴くことができるようになった。
11年前には全く考えられなかったことだ。
それでいちいち音を確認しながら記事を書いているので膨大な時間がかかっておりま~す!
…ということで、『メッセージ・ジャケット特集』の2回目。
展示棚は2列目。
Img_0026 まずは上段から…。Img_00281964年、ニューヨークの現代詩人3人により結成したフォーク&ロック・バンドがThe Fugs。 
ノーマン・メイラーの『裸者と死者(The Naked and the Dead)』で使われている「f@#k」の婉曲表現である「fug」がそのバンド名。
The Fugsはベトナムを始めたとした様々な戦争やアメリカで起こる出来事を風刺するのが持ち味で、もしかしたら今回のMJGのテーマに最もシックリくるバンドなのかもしれない。
音楽的には…私はムリ。

Img_0161 一番上のリンカーンの『No More Slavery』というアルバム…どっかで見たことあるナァ~と思ったら、1975年のJonny Winterの『John Dawson Winter III(俺は天才ギタリスト)』にソックリじゃん?
このアルバム、高校の頃によく聴いたな~。
いつか何かのライブのリハーサルの時に稲葉政裕さんがこのアルバムの2曲目の「Golden Olden Age of Rock & Roll」のイントロをいきなり弾き出して驚いたことがあった。
だって、このアルバムって誰も聴いていないと思っていたんだモン。

Nm

Jw 
元はジョージ・ピーター・アレクサンダー・ヒーリーというアメリカの肖像画家の1869年の作品。

Al 後で絵画に手を加える手法のジャケット・デザインが出てくるが、有名な写真をアレンジするのはよくある手だ。
ジョー・ローゼンタールが撮影した有名な『Raising the Flag on Iwojima(硫黄島の星条旗)』はもっとも扱いやすいネタのうちのひとつであろう。
Ij左はアメリカのへビィメタル・バンド、Savatageの『Fight for the Rock』。
右は1980年のUriah Heepの『Conquest』。
Uriah Heepなんてだいたいイギリスのバンドなのにね。
インパールならわかるが、硫黄島の戦いに関してはイギリスは直接的には無関係のハズだ。
 
昔は何とも思わなかったんだけど、歳を取って戦争に関する文物を読むにつけ、こうした戦争ネタはいかがなものか?と感じるようになった。
連中は戦勝国だからいい気なもんですよ。
でも、敗戦国として310万人もの犠牲者を出した我々はこんなモノを「カッコイイ!」なんてよろこんではイカンよ。
ただ、この太平洋戦線屈指の激戦だった「硫黄島の戦い」は日本軍よりアメリカ軍の死傷者計の方が多かった珍しい一戦だったんだけどね。
それでも21,000人のウチ、212人の投降者を残して日本兵は全員死んだんだよ。
一方、アメリカ軍の戦死者は約7,000人に留まった。

I2mg_0162
とにかく日本は戦争に関する教育をしなさすぎるんだよね。
また戦争をできる国にしようとしているから、あんまりその悲惨さを知られたくないんだろう…としか思えない。
コンサートに行くことを「参戦」と言ってみたり、グッズを「戦利品」と言い換えたり、アマゾンから何かが届けば「着弾」と喜んでみたり…幸いにして私は経験したことがないけれど本当の「着弾」の恐ろしさは戦争末期の沖縄の人たちの暮らしに関する本を一冊読んだだけでよくわかるし、読めばとてもそんなフザけたことは言えなくなるハスだ。
もちろん実際の恐ろしさは書き記された文章などとは比べ物にならないだろう。
 
そういう意味ではこんなのもよくないんだよね。
このベイシーは結構好きなアルバムなんだけど、広島や長崎の原爆に関する本を読むと、このジャケットも気分の良いものではない。
トッド・ラングレンの「Hiroshima」なんて曲はハラが立つよ…昔は大好きだったのに!
「知る」というのは恐ろしいことです。
だから政府は戦争の教育に消極的なのだ。Abこういうのは悪趣味で、オジちゃんイヤだな。
Destroy All Monstersという1973~1985年にかけて活動したデトロイトのパンク&サイケ・バンドの『November 22. 1963』という作品。
1963年11月22日というのはジョンF.ケネディ大統領がダラスで暗殺された日。
私はちょうど1歳になったばかりの時分なのでリアルタイムの記憶は全くないが、後年よく父が「アレはスゴかった」と言っていたのを覚えている。
そりゃアメリカの現職の大統領が暗殺する瞬間を映したんだからそのショックは相当大きなモノだったハズだ。

Dmこのバンド、ボーカルズが女性なのね。
ジャケットはこんなだし、パンクはパンクなんだけど、今となっては結構おとなしく聞えるような気がしますよ。
私はプライベートでパンク・ロックを一切聴かないので確固たることは言えないのだが…。

Img_0164ケネディ大統領というと、「キューバ危機」だナンダということになるけど、「もしケネディが暗殺されなければ…」と、60年経った今でも言われることがあるでしょう?
生きていたらどうなっていたのか私にはわからないけど、とりあえず今のウクライナはどうなっていたかねェ?Img_0165チョット大きく脱線。
「ケネディが生きていれば…」という話と反対なのがイギリスのかつての首相、マーガレット・サッチャー=鉄の女。
ちょうど10年前にイングランドの北の方に行った時、現地の人々がいまだにサッチャーのことを心底憎んでいる…という話を聞いた。
サッチャーはイングランド北部でかつて盛んだった造船や重工業をすべて廃止させてたくさんの失業者を出した。
それで「英国病」と言われた長い不況から脱却したんだけど、その犠牲になった人たちはタマったもんじゃなかった。
現にいつもは静かな口調で話す私の友人もサッチャーの話になると顔を赤らめてツバを飛ばしていた。
そこでわかったのが…「ああ、コレはイギリスで『鉄の女』の話題にサッチャーいかんな…」ということ。
お後がよろしいようで…。
その時から1年経ってサッチャーが亡くなった。
イギリスでは各地でこんな風景が見られたようだった。
あからさまなお祭り騒ぎよ。

Mt3 そして、いまだにSNSにはこうした投稿が盛んなのだ。
「死んでてヨカッタ!」とか「安心してください!死んでますから」みたいな。

Mt1

Mt2
 
「地獄で焼かれてしまえマギー!」
マギーはマーガレットの愛称(dimunitive)ね。
つい最近もSNSにこの写真が投稿されていた。
 
こんなの日本では考えられないでしょう?
どんなに悪行を重ねた政治家でも国民はすぐ忘れちゃうもんね。
戦後、東京大空襲を指揮したカーティス・ルメイというヤツに勲章をあげちゃうぐらいだから。
こういうすぐに物事を忘れてしまう「水に流す」という行為は日本人の美徳であるらしいんだけど、西洋や中国ではそうはいかない。
未来永劫呪っちゃう。
人を嫌い続けたり、憎み続けたりというのは大変なパワーと根性が必要だからネェ。
Mt4さて、このケネディ暗殺の一件は後年『Executive Action(ダラスの熱い日)』という映画になった。
バート・ランカスターとロバート・ライアンが出演したドキュメンタリー・タッチの作品。
小学校6年生ぐらいの時にひとりで映画館に観に行ったナァ。
この作品の脚本を担当したのは名脚本家のダルトン・トランボ。
この人って誰だか知ってる?
聞いてオドロけよ…『ローマの休日』の脚本を書いた人のひとりなのだ!
Dah他の有名な作品に『ジョニーは戦場に行った(Johnny Got His Gun)』がある。
コレも小学生の時に新小岩の第一劇場で観たんだけど、ショックだったネェ。
私は子供の頃からこんなのを観ていたので、スッカリおかしくなっちゃったんだネェ。
でもね、さっきの話じゃないけど、こういう映画を若い子たちにジャンジャン観せるといいと思うよ。
怪獣の死骸を掃除したりする話よりは圧倒的にタメになる。
Jsi ところで、当時『ダラスの熱い日』と必ず併映していたのがフレデリック・フォーサイス原作の『ジャッカルの日』だった。
この頃は「~の日」ってのが流行っていたのかね?
『イルカの日』なんて映画もあった。

Doj 私が好きな「~の日」はコレだった。
ジョン・シュレシンジャーの『イナゴの日(The Day of the Locust)』。
やはり中学1年の時に東銀座の東劇に観にいった。
「イナゴ」を英語でどう言うかをこの作品のタイトルで覚えたわ。

Sdolゴメンね、ゴメンね~、映画のブログみたいになってきちゃったよ!
このバンドのことを調べていて発見したんだけど、東宝のゴジラ映画の9作目、1968年の『怪獣総進撃』の英題は『Destroy All Monsters』っていうんだって!
で、このバンドもこの映画のタイトルにちなんでつけたのかと思ったらさにあらず。
アメリカのコミックのタイトルにもこういうのがあって、そこから名づけたらしい。
今にして思うと『怪獣総進撃』ってスゴいタイトルだな。
ゴジラの他にキングギドラ、ラドン(「ラドン」は英語では「Rodan」って綴る。Zappaの4人の子供のうちの3人目はそれから『Ahmet Emuukha Roadan Zappa』と名づけられた)、アンギラス、クモンガ、バラゴン、バラン、そしてミニラが登場する超豪華オールスター映画。
もちろん映画館へ連れて行ってもらって観たけど、他のゴジラ映画とゴッチャになってしまって内容がまったく思い出せないな…。
それにしてもキングギドラのデザインってのは秀逸だと思う。
下のポスター、そうした怪獣の名前がズラリとクレジットされている。
スターだったんだネェ。
東宝なもんだから黒澤作品でおなじみの土屋嘉男まで出演している。Kss土屋さんも5年前に亡くなってしまったが、先日ブックオフでこんな本を見つけて買ってきた。
まだ読んでもいない本を紹介してスミマセン。
でも楽しみ!Yt戦争関連が続きますよ。
兵役に対するメッセージを発しているのはJefferson Airplaneの『Volunteers』。
ベトナム戦争盛んなりし1969年の作品。
「Volunteer」というのは「志願兵」という意味。
一方、徴兵された兵隊は「Draft」。
映画『Woodstock』のサントラ盤って映画で使われていない曲が入ってるんだよね。
ああいうのどういうことなんだろう?
「サウンド」の「トラック」をレコード盤にしているんだから映画本編にないものを収録するのはおかしいと思うのだが…。
この『Volunteers』に収録されているタイトル同名曲もそのウチのひとつだった。
<vol.1>にも書いた通り私はJefferson系列が苦手なんだけど、この曲だけはスゴく好きだった。
それなのに映画本編にはまったく登場しない!
確かJeffersonは「Volunteers」どころか、Grace Slickがチラリと映るだけでバンドとしてはゼンゼン映画に出て来ないんじゃなかったけ?
これは編集を担当したマーチン・スコセッシのせいなのか?
そのあとのディレクターズ・カットになってようやく登場したけど…。
反対にリッチー・ヘイヴンスやジョーン・バエズのように本編には入っているのにLPには収録されていない曲もあった。
 
ジャケットは新聞仕立てになってるんだネェ。
何て言う名前なのかは知らないけど、「VOLUNTEERS」という大見出しも新聞で使われるフォントでしょう。
新聞ネタのジャケットは結構多いからね~。
でも何があっても「ジェラルド」には到底かなわないな…。

Img_0166removebgpreviewロング・ジョン・ボールドリーの1972年のアルバム『Everything Stops for Tea』。
プロデュースはエルトン・ジョンとロッド・スチュアート。
コレも何回もMarshall Blogに書いてきたことだが、エルトン・ジョン(Elton John)の「John」はこのLong John Baldryの「John」。
「Elton」はSoft Machineのサックス奏者、Elton Deanの「Elton」から持って来ている。
ボールドリー、ディーン、エルトンの3人はBluesologyというバンドで一緒だった。
コレも以前何度か書いたが、Elton Johnは本名をReginald Dwightといい、イギリスの通のファンたちは彼のことを「Elton」などと呼ばず「Regi」と呼ぶのが普通のようだ。
一方、ロッド・スチュアートはSteampacketというブルース・バンドでボールドリーと一緒に活動していた。
このバンドは他にジュリー・ドリスコル(キース・ティペットの奥さん)、ブライアン・オーガー、ミッキー・ウォーラー(ジム・マーシャルのドラム教室の生徒さん)らが在籍していた今となってはスゴいバンド。
ま、といっても実際に聴いてみるとさほどオモシロくはないんだけどね。
そんな関係でエルトンもロッドもバッキング・ボーカルズでこのアルバムに参加している。
ロッドなんかバンジョーまで弾いちゃってるんだぜ。
曲も悪くない。
  
ジャケットのデザインのモチーフは「不思議の国のアリス」。
ボールドリーはマッド・ハッタ―に扮している。
「アリス」もかなり人気の高いネタですな。
とてもいい感じのイラスト。Ljbそれをガバッと広げるとこうなる。
ますますいい感じ。
このイラストを描いたのは、ナント、ロン・ウッド!
うまいもんですな~。

Img_0167removebgpreview 「不思議の国のアリス」の作者、ルイス・キャロルはオックスフォードにゆかりがあるため、現地のアーケードの天井にも大きなウサギがブラ下がっていた。0r4a0439 
§ 2 - b
2列目の下段。

Img_0029象の墓場をあしらったのはニューヨークのバンド、Elephant's Memory。
1972年のこの作品はアルバム・タイトルも『Elephant's Memory』。
なかなかカッコいいジャケットだ。
象は死に場所を選ぶため、死期が近づいた時には自ら「象の墓場」へ赴くというが、コレは密猟者やハンターたちが観光客目当てにデッチ上げた作り話しらしい。
 
シンガーが男女で何人かいるみたいなんだけど、ひとりスゴイ声を出す人がいるのよ。
コレが破天荒にカッコいい!
このアルバムからは1曲しか聴くことができなかったので、他の作品を聴いてみたんだけど呆れるほど色んなことをやっていてオモシロイといえば、オモシロイ。
まとまりがないといえば、サッパリない。
そんな万能ぶりが認められてかどうかは知らないが、このバンドはジョン・レノンとオノ・ヨーコのバック・バンドを務めている。

Img_0169
その音源は『Sometime in New York City』のC面で聴くことができる。
そういえば、コレも新聞ネタですな。
内ジャケにはデカデカとElephant's Memoryとジョン&ヨーコが一緒に写っている写真が使われている。

0r4a0221_2そしてD面がフランク・ザッパと共演した時の音源。
このレコード、ダストジャケットが欲しくて買ったんだよね。
ナントならば、元ネタになっているThe Mothersの『Fillmore East - June 1971』は、私が中学3年生の時に生まれて初めて買ったザッパのレコードだから。
正直、コレもジャケ買いだった。
この鉛筆の手書きのタイポグラフィがオモシロイと思ってね。
それをレノンのヤツ…がこんなことしやがった!
オモシロいね~。
0r4a0223コレ、『Sometime in New York City』とか言ってるけど、このザッパの面の音源を収録したのはロンドンなんだよね。
ウォータールー橋の北詰めをほんのチョット上がったところにある「Lyceum Theate(ライセウム・シアター)」でライブ録音された。
The Who、Pink Floyd、Led Zeppelin、Queenなんかもココで演奏している。
Img_0476で、ビックリしちゃうのは、このダスト・ジャケットの裏面。
「Technichian」というクレジットにジャック・ダグラスの名前が挙がってるんだよね。
コレはまさにTubesのライブ・アルバムのミキサーのクレジットに「マックス・ノーマン」の名前を見つけた時のようなオドロキだ。
今でこそ、やれシェル・タルミーだ、やれガス・ダッジョンだ、なんて聞いた風なクチをきいているけど、ロックを聴き始めた頃はプロデューサーの名前なんて全く気にしないのが普通だった。
でも、「ジャック・ダグラス」は別だった。
そのココロはAerosmithとCheap Trick。
とにかく「カッコいいアルバムを作る人」ということで子供でもその名前を認識していた。
私の場合は、それと「クリス・トーマス」かな?
Roxy Musicとサディスティック・ミカ・バンドで知った。Roxy好きだったから。0r4a0225さて、植村さんの大のお気に入りのVanilla Fudge。
セカンド・アルバム『The Beats Goes on』。
ジャケットにはその「The beat goes on」のいくつかの国の言葉の翻訳が載っている。
日本語は「音律がはずむ」となっている。ん~、「音律」ネェ。
このアルバムの解説を何かで読んでものすごく聴きたくなった。
「ベートーベン、ラグタイム、コール・ポーター、ソニー・ボノ(Sonny & Cher)、ビートルズらの曲を並べた音楽の変遷を俯瞰するような内容」ってな調子だった。
それに加えて世界のリーダーたちの名演説が収録されている…という。
例えばケネディの「Ask not what your country can do for you; ask what you can do for your country (国があなたのために何ができるかではなく、あなたが国のために何ができるかを問うてほしい)」とか。
そうと来ればオモシロそうじゃんね~!

で、聴いた…………この人たち一体どうしちゃったんだろう?
こういう時代だったんだろうネェ…で片づけてしまうより取り扱い方がわからん。
プロデューサーのジョージ"シャドウ"モートンという人がロクにコンセプトの説明もせずにこうしたアルバムづくりを指導したため、バンドはずいぶんこのプロデューサーと対立したらしい。
ま、それが普通だと思うよ。
やっている時にはワケがわからなかったけど、仕上がってみればアラ不思議!ならいいけど、コレじゃアタマに来るだろう。
「プロデューサーのせいによる実験の失敗」と公然と非難したそうだ。
このアルバムがリリースされたのは1968年の2月。
Fudgeはこの失敗作を隠すかのように同年の6月には矢継ぎ早にサード・アルバム『Renaissance』を発表した。

Img_0170下はこのアルバムの内ジャケ。
日本語ライナー・ノーツが載っている。
誰が書いたのか知らないが、書くのツラかっただろうな。
もうひとつ傷口に塩を刷り込むのであれば、カーマイン・アピスは自伝の中で「今聴いたとしても…チョット言わせてくれ…アレはクソだ。まるでSpinal Tapがビビッて作ったかのようなアルバムに聴こえる」と書いているそうです。

ザッパのヒット曲、「Dancin' Fool」に「The beat goes on and I'm so wrong」というリフレインが出て来るんだけど、まさかこのアルバムのことではあるまいな…。Img_0171removebgpreview § 3
3列目に移る。
ココは半分だけ。
それに私の守備範囲に入って来るアイテムがほとんどないのですぐ終わっちゃうよ。

Img_0032ホイットニー・ヒューストン他、キラ星の如く輝く大スターを集めて制作された1987年のコンピレーション・アルバム。
イラストは言わずと知れたキース・へリング。
すごい個性だよね。
Sxこの人の作品を見ると必ず横浜の「ロコさん」を思い出す。
東横線の桜木町から高島町の長い直線の高架下の壁にはいつの頃からかバラエティに富んだ落書きがされるようになった。
よく横浜に行っていた40年ぐらい前、その落書きを見るのが楽しみのひとつだった。
その落書きも時が経つにつれて次第にヒップホップ的なものに変わって行き、全くオモシロクなくなってしまった。
 
で、かなり昔のテレビ番組で見た記憶なのでさほど定かな記憶ではないが、確かその落書きを始めたのが「ロコさん」という日本人で、はじめは高架の壁に映った(投影された)歩行者用の信号機の影を白い太い線でなぞっただけだったという。
それで「ロコさん」という名前を知った。
それが徐々にか一気にかは知らないが、作風がエスカレートしていき、他の人の作品も混じるようになってあの壁がエラク賑やかになっていったのだとか。
しかし、いくら色々な作品が混ざって来てもロコさんのタッチは可愛く、そして一目でわかるオリジナリティの高いモノだった。
だから、私の中ではむしろへリングの作品の方が後なのね。
そして、ちょっとロコさんのことをインターネットで調べてみると、現在では日本を代表する壁画アーティストとしてますますご活躍されているようだ。
市で禁止令を出したのかどうかは知らないが、この高架下の壁は今ではただのコンクリート・ブロック塀になっている。

Loco  
§ 4-a
4列目いってみよう!

Img_0036 その上段。
ココは「核問題」っぽいゾーン。

Img_0038今から40年近く前、学校を出てすぐに北陸に住んでいたことがある。
担当地区ということで福井へ赴く機会が多かった。
ご存知の通り通り、福井県は(当時)13基の原発が稼動する原発銀座だ。
あの時も核燃料開発事業団の「高速増殖炉もんじゅ」の建設真っ盛りだった。

Mj ある日、いつもの出張と同じように福井駅に降り立つと、テレビのレポーターが近づいてきた。
「ズームイン朝!」の取材で、一般人にアンケートを取っていたのだった。
設問はその当時に政府が設定した「原発の事故重要度スケール」についてどう思うか?」というような内容で、それは「これくらいの事故だったら1。これぐらいだと放射能汚染の危険があるので5」とかいう類のモノで、内容に変化はあれど今でも存在しているはずだ。
私の答えは「いくら事故をランク分けしてみても、その危険度なんて実際に事故が起きてみなければわからないし、原発の場合、事故が起きたときにはもう遅いんじゃないんですか?」的な回答をしたように記憶している。
私の回答がテレビ局のお気に召さなかったのかテレビには映らなかったようだ。
それから26年経って福島の事故を目の当たりにした時、その時の私の回答が特段チンプンカンプンなモノではなかったと思っている。
原発なんてなければ少なくとも事故は起こらないのよ。
それより不必要な街のネオンサインを消して、コンビニも11時に閉めて、テレビの深夜放送を止めて、自動販売機を減らせって。
夜はサッサと寝ろ!F1 原子力もの。
BS&Tでこんなのがあったなんて知らなかった。
その名も『Nuclear Blues』。BSTの11枚目、末期の1980年の作品。
知ってるメンバーはデヴィッド・クレイトン・トーマスとデヴィッド・ペイチだけ。
1曲目のインスト・ナンバー…カッコいいな~。
ジミヘンの「Manic Depression」なんかも取り上げているんだけど、コレがヤケクソにいいぞ!
ペイチのベースもいいけど、ドラムスのボビー・エコノムという人が実によろしい。
この人、メーナード・ファーガソンのところにいたのか…道理でスゴイと思った。
ジャコのソロ・アルバムにも参加している。
 
物騒なジャケット・デザインだ。
コレは核爆発かなんかがあってボロボロになっている…けど笑っている。
「俺たちには音楽があるからヘッチャラさ!」みたいな意味合いなのだろうか?
原子力をナメちゃイカンぞ。
フーム、ジャケットのことはさておいて…このアルバムはすごく完成度が高いナ。
実にいい作品だ。

Img_0174私はBST門外漢なんだけど、コレの3年前のアルバム、『Brand New Day』にはマイルス・バンド加入前のMike Sternが参加しているとういうことで少し聴いていた。
『Nuclear Blues』の方がゼンゼンいいわ。

Bst「完全ヌード」みたいな意味を持つStark Nakedという名前のアメリカ産サイケ・バンドの1971年、唯一のアルバム。
すさまじく時代を感じさせるサウンド!…でも悪くない。コレでいいのだ!
人がメルト・ダウンしてキリストの顔になっているジャケット・デザインはなかなかに印象的だ。

Img_0175再びCheech & Chong。
またドラッグ!それにしてもCheech & Chongの諸作のジャケットは素晴らしい。これは1976年の『Sleeping Beauty』というアルバム。
このアルバムのジャケットとタイトルは「reds」として一般に知られている「セコバービタル」と「バービチュレイト」という汎用の薬にちなんでいる。
これらの薬はてんかんと不眠症のための治療薬で、1960~70年代のアメリカで広く濫用された。
ナゼ濫用されたのかを問うのは愚問だろう。
デザインはそのredsのカプセルから中身を引き出すと薬が舌の上に乗っているという仕掛け。
モチーフはどうでも実にカッコいいアイデアだとは思いませんか?
最近の音楽パッケージがこうした刺激的立体的なアイデアにおいて30年前、40年前の創作物に遠く及んでいないことは誰がどう考えても明らかだろう。もちろん内容、つまり音楽も同じだ。
Img_0176removebgpreview

「ロック史上最も攻撃的な作品」と評価されたThe Pop Groupの『Y』。
1979年のリリース。
コレが出て来た時、私は高校生だったんだけど。ずいぶんと話題になったことを覚えている。
私はこういうの苦手だったのでハナから相手にしなかったが、今聴くと…やっぱりタイプではないな。
でもなかなかいいな。
でも自発的には聴かないな。
でもCD持ってんだよね。
ロックではないけれど、コレだったらデレク・ベイリーだとかセシル・テイラーとかソニー・シャーロックといったフリー・ジャズの連中の方が「攻撃的」な感じがするナァ。
ジュゼッピ・ローガンとかね。
あ、「好きなんですか?」なんてその筋の人から言い寄られてもお相手はできませんが。
 
でも、ジャケットはインパクト強いナァ。
コレは出た時からそう思っていた。
パプア・ニューギニアの「マッドマン(Mud Man)」とか言われている種族らしい。
パプア・ニューギニアには種族によって当然使用している言語が異なるため、ものすごくたくさんの言葉があるらしい。
その中には、「話す」は「トクトク」、「食べる」は「カイカイ」、「花」は「ナタナタ」、「ワニ」は「プクプク」、「小さい」は「リクリク」…と、日本の擬音語や擬態語のように同じ音を繰り返す言葉を用いる種族がいるらしい。
可愛くない?
最近私が気に入っているこの手の言葉は「ヨボヨボ」。
まぁ、自分もかなり「ヨボヨボ」になって来たけど、老人の動作がシッカリしない様をよくもそんな言葉で表現したな~と、感心しきりなのである。
 
ところで、このバンド、イギリスはブリストルの出身なんですってね~。
知らなかった。

Pg_2このバンドにいたギャレス・セイガーとブルース・スミスという人がRip Rig+Panic を結成したんですってね~。
イヤ、別に好きなワケでも興味があるワケでもないんだけど、『Rip Rig & Panic』というのはラサーン・ローランド・カークの1965年のアルバムのタイトルでしてね、私の愛聴盤なもんだから。
で、このRip Rig+Panicにはネナ・チェリーというメンバーがいて、この人、ドン・チェリーの奥さんの連れ子、言い換えるとドン・チェリーが継父なんですってね~。
英語で言えば「Father in law」か?Rrpアルバムの方の『Rip Rig & Panic』ね、ドラムスのエルヴィン・ジョーンズ以外のメンバーは「The Jaki Byard Experience」というチームを結成してアルバムを発表する。
コレがまた実にいいアルバムなんだ~。
で、私の推測では、ジミ・ヘンドリックスはこのチーム、あるいはアルバムをヒントにして自分のバンドに「Jimi Hendrix Experience」という名前をつけたとニラんでいる。
多分、間違いない。
興味のある人はゼヒコチラをご覧あれ。
 ↓   ↓   ↓
【イギリス-ロック名所めぐり】vol. 62 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.5>

Jbe私は邦題否定、「オリジナル・タイトル至上主義」派なんだけど、このアルバムの『対自核』というのはうまいこと考えたな…と思う。
なんでも出自は哲学方面だとか。
私、ヒープはチョット苦手でしてね…何となくKISSのような「一般大衆向け受け狙い」のイメージを強く感じり。
ナンかこう「アク」とか「毒」みたいなモノが感じられなくて、わかりやすいぶん、聴いていてすぐに飽きちゃうんだよね。
それでも、高校の時にはほとんどのアルバムを持っていた…それで全部売っちゃった。
この『対自核』も同様。
でも、この記事を書いている間にブックオフで帯付きの安いのを見つけたので写真を撮るためだけに買った。
チョットうれしかったりして…。
 
このジャケットね、鏡に自分が写らないように撮影するのが実にムズカシイのよ。
どうやって撮ったのかは…へへへ、秘密。
この有名なアートワークにはDouglas Maxwell Ltd.という会社がクレジットされていて、他のジャケット作品もチェックしてみたが知っているモノは全くなかった。
 
ゲゲゲ!
「July Morning」の後半のシンセのソロを弾いているのはマンフレッド・マンだったのね?
それとOsibisaのメンバーがタイトル曲でパーカッションで参加しているのには驚いた!
Osibisa懐かしいナ…アフリカン・ロック。
私が中学1年生ぐらいの時、今でいうMVみたいなモノを流す早朝の番組に一時期ズッと出てたのよ。
今、聴くとカッコいいな…Osibisa。0r4a0214
 
§ 4 - b
このあたりは「人間の進化」がテーマみたいな…。

Img_00401972年のWeather Reportのセカンド・アルバム『I Sing the Body Electric』。
このタイトルはアメリカの詩人、ウォルト・ホイットマンの詩作、もしくはレイ・ブラッドベリ―の短編集のタイトルから名づけられた。
ブラッドベリーの方は人気TVドラマ、『Twilight Zone』に原作として取り入れられて映像化も果たしている。
電気仕掛けのおバアちゃんがやってくる話しらしい。
ザッパにも「Electric Jemima」なんて曲があったな。
このアルバム、最後の3曲は渋谷公会堂(当時)で録音されたライブ音源で、最終曲のマイルスの「Directions」が終わった後にメンバーを紹介するいソノてルヲさんの声が収録されている。
またこの時の音源は『Live in Tokyo』として2枚組LPで発表された。
子供の頃は「ウェザー・リポートってバンドはギターがいないんだってよ!」などと聴いて驚いたもんだった。
ギターのいないバンドなんてこの世にあるのか?とショックを受けた記憶がある。
Weather Reportもやっぱり『Heavy Weather』までだったかねぇ?
  
アートワークはフレッド・スワンソンという人。
ミジンコのイメージらしい。
ポートフォリオをチェックしてみたけど、他に馴染みのある作品は見当たらなかった。
そういえば、最近はミジンコなんて全く見なくなっちゃったけど、コレ英語で「daphnia(ダフニア)」というらしい。
ダフニア?
そこですぐに頭に浮かんで来るのはジャンゴ・ラインハルトの代表曲のひとつ「Daphne(ダフネ)」。
もちろんこれはフランスの女性の名前なのは知ってる。
ビリー・ワイルダーの『お熱いのがお好き(Some Likr It Hot)』で女装したジャック・レモンの役名も「ダフネ」だった。
そこで「ダフニア」の語源を調べてみると、ギリシア神話に出て来る「ダフネ」だという説があるらしい。
このダフネ、アポロンの初恋の人だったんだってよ!
すごくない?
ミジンコがギリシア神話と関係しているなんて!
Img_0178
コレは「ケルティック・パンク」っていうのか…。
以前、Drop Kick Murphysというアメリカのバンドが来て、Marshallを貸してくれってんでカメラを持ってライブに行ったことがあったけど、アレは「アイリッシュ・パンク」とか言ってたな。
どうしてアイリッシュとパンクを合体させる必要があるのか甚だ不可解だが、ロックなんて他の音楽の要素を貪欲に吸収して発展して来た音楽なのでケルトを吸収することぐらいきっと朝飯前なのだろう。
このアルバム、まずタイトルがいいね…『Rum Sofomy and the Lush』。
元々はアンソニー・ブラックモア(リッチー以外のブラックモアさんってはじめてだね)という人の著書のタイトル。
一般的にこの「Rum Sofomy and the Lash」というフレーズはウィンストン・チャーチルが海軍のことについて語ったセリフとして認識されているようだ。
"Don't talk to me about naval tradition. It's nothng but rum, sodomy and the lash"
「ワシに海軍の伝統についての話しなんかするもんじゃないよ。アレは酒(Rum)とSodomy(同性愛)と虐待(Lash=ムチ。ウサ晴らしのための内部暴力のことか?)以外の何物でもない」
イギリス海軍もそういうことらしい。Img_0177大変カッコいいジャケットは18世紀末のフランスの画家、セオドア・ジェリコーの活人画『The Raft on the Medusa(1819年)』が元になっている。
こういうのはオモシロイね。
今回も他に紹介したけど、ロッド・スチュアートのルノアールを使った『A Night on the Town』みたいなヤツ。
いっそ名画そのものを使ったカッコいいジャケもあるよね。
ジャズに多い。
モンクのルソーを使った『Plays Duke Ellington』とかキリコを使った『Mistrioso』とか。
Wyntonのマチスとか。
ジャクソン・ポロックのものもあったっけ。Tpg <つづく>

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Reigning Days(レイニング・デイズ)!

Reugniung_daysこのバンド、もう解散しちゃいましてね…なかなかいいバンドだったんよ。
音源はMarshall Recordsオンリー。

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 200

2022年2月21日 (月)

【Music Jacket Gallery】メッセージ・ジャケット特集<vol.1>

  
人間生きてりゃ誰にでも言いたいことぐらいある!
仕事のこと、上司のこと、政治のこと、家庭のこと、学校のこと、就職のこと、子供のこと、食べ物のこと、最近の音楽のこと…言いたいことだらけなのが普通なのだ!(注:これらの言いたいことは世間一般での普遍性を重視しており、決して私の希望を優先したワケではないので誤解のなきよう)
3.11東日本大震災と原発問題の影響下にある今日の日本の特異な社会状況を踏まえて、今回のギャラリーには60年代から80年代にかけての反戦、反差別、反核、チャリティーといったメッセージ性の強いジャケットが集結した。
Img_0001元来ロックのというものは反社会的な場所に位置している(いた)もの。
とろけるようなトーチ・ソングからノリノリのロックンロールまで様々なスタイルを吸収し、聴衆を熱狂させてしまうところがロックが持つ本来のパワーであり、そのパワーと大衆性に乗じて自然とメッセージ性を帯びた作品が出て来たという歴史がロックにはある。
そして、音楽そのものだけの表現にとどまらず、ジャケットにもメッセージを込めてしまおう…という意気込みで作られたジャケットがココMJGに並んだというワケね。
だからジャケットって大切なのよ! Img_0010 もちろん今回も植村和紀さんのコレクションで構成されている。
何しろ帰りの電車賃が80円になってしまい、帰れなくなるのを覚悟してまでレコードを買い漁ってしまったという植村さんのこと、このコレクション自体がメッセージを訴えているような気がする。
それは「レコードへの愛情」に他ならない。
Img_0011今回のブローアップ・ジャケットは…知らない!
でもメッチャいいジャケット・デザイン。
プリント機械が替わったため、今回からこのブローアップのサイズが若干小振りになったとのこと。
でもこうして説得力のあるデザインだとそんなことまったく気になりませんね。Img_0007 もうひとつはフィンランドのプログレ・バンド、Wigwam。
そのタイトル名も『Nuclear Nightclub』と早くもメッセージ感タップリ。
これは銅版画かなんかかしらん?
中世のサロンみたいな空間(これがナイトクラブ?)の向こうで核爆発が起こっている。Img_0009ではイザ!
 
§1 -aImg_0014 『Full Metal Jacket』のサントラ盤が見えてるけど今回は触れませんのであしからず。
キューブリックやり出したら止まらなくなっちゃうから…。
その代わりコチラで盛大にやっていますので、お好きな方は世界最大級の「キューブリック展」のレポート11本立てをどうぞ!
  ↓    ↓    ↓
【Shige Blog】ギリス紀行2019 その12 ~ スタンリー・キューブリック展 <vol.1>

Img_0016 今回のブロウアップ・ジャケットにも選定されている1979年のA&Mのオムニバス盤。
文化大革命を揶揄したジャケットが文句なくカッコいい!
ブライアン・デイビスという人の作品。
モチーフは「毛沢東のロックバンド」。
タイトルは『Propaganda』。
Sparksに同名の名曲があったのを思い出す。
左上にある「A BLATANT ATTEMPT TO INFLUENCE YOUR MUSICAL TASTE」というのは「アナタの音楽の嗜好に影響を与える露骨な試み」…という意味で、それが「プロパガンダ」ということ。
Img_01341979年のリリースでPoliceの曲も収録されている他、Joe Jacksonの未発表曲が収録されている。Img_0135調べてみるとこのジャケットに使われているイラストは『Police, Squeeze and Joe Jackson, Propaganda』としてニューヨークのMOMA、つまり「現代美術館」に展示されているようだ。
こんな感じ。Pg 近代美術館といえば…
ソニー・ロリンズのImpulse盤に『There Will Never Be Another You』というライブ・アルバムがあるが、アレ昔は『近代美術館のソニー・ロリンズ』というタイトルで、我々が学生の頃は「近代美術館」と呼んでいた。
もちろんMOMAの中庭で録音された音源が収録されている。
30年近く前、はじめてMOMAに行った時はうれしくてね~。
「ココでロリンズがアレを演奏したのか!」と感動したモノです。
ロリンズは後年、同じ場所でサックス1本で演じたライブ・アルバムも発表している。
ちなみに、MONAで一番私の目についた日本人の美術作品って誰のモノだと思う?
断トツで横尾忠則だった。
話はそれるが、横尾さんは若い頃そのニューヨークでCreamを観たそうで、あまりの音の大きさに気分が悪くなった…と何かの記事に書いてあった。
確か横尾さんってジミヘンも観てるんだよね。Stwb 「文化大革命つながり」ということで…Matching Moleのセカンドアルバム『Little Red Record』。
邦題は『そっくりモグラの毛語録』。
あんまり「毛」については触れて欲しくないが、とても好きな作品。
1972 年の作品でプロデュースはロバート・フリップ。
ジャケットからすると中身はイギリスのMr.BIGのような「中華ロック(この名付け親はRollyさん)」を想像するかもしれないが、Matching Moleはカンタベリー派を代表するバンドだからそうなならない。
メンバーもロバート・ワイアット、ビル・マコーミック、デイヴ・マックレー、フィル・ミラーと強力で、ブライアン・イーノが1曲ゲストでシンセサイザーを弾いている。
「メッセージ」という切り口でこのアルバムを眺めると、1曲目なんかは「Starting in the Middle of the Day We Can Drink Our Politics Away(昼の日中からイッパイやって政治問題なんか忘れちまおう)」なんてタイトルからしてかなりストレートだ。
ヘンテコリンな歌声がダラダラと続いて「It's a mole!」の叫び声の後に飛び出してくるロバート・ワイアットの超絶ドラム!タマリマセン!
ジャケットはとてもいいイラストをまとっているのに、残念ながらアートワークのクレジットが見当たらない。
一方、肉太文字でイヤが応でも目に入ってくるのが「Der Mütter Korus」というドイツ語のクレジット。
コレ、「ママさんコーラス」という意味なんだけど、「究極的にアホらしい声のパートのパフォーマンス」として参加している。
さらにそこにはロバート・ワイアットの他にLittle Honest Injunという名前が挙がっている。
どれがその「アホらしい声」なんだろう…まず1曲目のアタマがそうなんだろう。
あとは4曲目の「Righteous Rhumba」の中のおしゃべりの部分とかのことかな?
この曲、「ルンバ」なんていってるけど、当然のようにまったく「ルンバ」ではない。
ちなみに「毛沢東」は結構英語圏で出て来る名前で、「Mao Zedong(マオ・ゼドン…的な)」と呼ばれていることを覚えておくといいかも知れない。
考えても絶対に出て来ない単語のひとつだから。
私は何回聞いても忘れちゃうけど。Img_0137ジャック・ケルアックとともに「ビート文学」を代表するアメリカの詩人アレン・ギンズバーグ…と、聞いた風なクチを叩いているが、読んだことがないどころか近寄ったこともない。
同じアメリカ文学でも卒論は単位が取りやすいサリンジャーだったし…。
そんなもんだから、いつもセルジュ・ゲンズブールと間違えてしまう。
さて、「Howl」というのはギンズバーグの最も知られた詩にして代表作(らしい)。
この作品もタイトルも「HOWL」。
発音は「ハウル」。
この写真ではわかりにくいがコレは全部墓石だ。
その墓碑銘がすべてメッセージになっている。
これは一種の生前葬を具現化したもので、「オレが死んだらこうしてくれよ、と言っている」というのが植村さんの解釈。
「Live and Let Live」なんてのも見える。
これ10ccのライブ・アルバムのタイトルにもなっているが、実はコレは「人生がもたらす楽しみや喜びを享受しよう。そして同じことが他人に起こっていることを看過しよう」みたいな意味で、つまるところ「寛容であれ」ということ。
ロジャー・ムーアが初めてジェイムズ・ボンド演った『Live and Let Die』という映画があったでしょ?
もちろんこれはこの「Live and Let Live」のパロディ。
アレの邦題は『007死ぬのは奴らだ』。
つまり、「オレは生きて楽しむけど奴らは死ね!」…つまり『死ぬのは奴らだ』というワケ。
コレももう何度も書いたナ…。

S2agその詩集がこの『HOWL and Other Poems』。

Hb 翻訳版の題名は『吠える』。
CONCERTO MOONの島紀史さんはかつて「吠える」というサブ・プロジェクトをやっていた。
それが言いたかっただけ。
尼崎ご出身の方なのでDeNAベイスターズのファンというワケではないハズだ(←若い人にはわからないだろうナァ。若い人がこの記事のシリーズを読むこともないだろうけど…だからナンにも知らないんだよ)2hoelコレは知らん!
見たこともない…「Boomerang」というバンド。
そう、西城秀樹でおなじみの「ブーメラン」だ。
それにしてもインパクトの強いジャケットだ。
バンドロゴとブーメランを構えるアボリジニだけ。
BoomerangはVanilla Fudgeのボーカル&キーボードのマーク・スタインがFudge脱退後にはじめて作ったバンド。
1971年にこのアルバムをリリースして消滅。
調べてみると国内盤も出ていなかったようだ。
コレがですよ…聴いてみるとアキれるぐらいカッコいいハードロック!
取りあえず文句のつけようがない。
コレは完全にジャケットで損したな。
問答無用でボーカルズが素晴らしい。Brメンバーはマーク・スタインしか名の通った人はいない。
スタインはこの後、トミー・ボーリンやデイヴ・メイソンと仕事をした。
ボーリンの遺作「Private Eyes」にも参加している。Img_0140そういえば思いだした!
トミー・ボーリンっていまだにプロ・ミュージシャンの間で評価が高い。
この人メッチャ早死にで、亡くなったのは1976年、トミーが25歳の時なんだよね。
それなのにDeep Purpleに入るわ、ビリー・コブハムの『Spectrum』に名演を残すは…で、もしこの人が生きていたら80年代のロックももう少しシッカリしたのでは?…なんて想像してしまう。
で、ナニを思い出したのかというと、通学途中の電車で前に座ったオッサンが広げたスポーツ新聞に『Private Eyes』の写真がデカデカと出ていて、その横に「當墓林」と大きく表示されていた。
その新聞は「アメリカの天才ギタリストが新作のタイトルに『墓』なんて文字を使うもんだから死んじゃった!」と報道していた。
まだ中学2年生だった私は「トミー・ボーリン」Tommy Bolinという名前は知っていたが、音は聴いたことがなかった。
でもこの新聞記事がものすごく印象に残った。
今にして思うと、いちアメリカ人ギタリストの死がよくメジャーなスポーツ新聞にデカデカと載ったものだと思う。
今では考えられないよね。
コレズッと「富」かと思っていたら「当」の旧字体の「當」だったのね。
もしかして間違えてるんじゃない?Tb さて、Boomerangの裏ジャケットを見てみる。
ドワッ!マイケル・カスクーナが解説を書いてる!
この作品は1971年に制作されているが、もうこの時点で既にBoomerangが「ラウドでジャンピングな音楽に回帰している」ことを褒め讃えている。
当時その反対に位置していた音楽はプログレッシブ・ロック。
その複雑さへの回答がBoomerangの音楽というワケだ。
こんな時代からオリジナル回帰志向があったのね。
カスクーナはジャズ系の音楽プロデューサー。
デイヴ・ブルーベックやArt Ensamble of Chicagoのアルバムの制作を担当している。
それよりもBlue Noteの未発表音源の発掘家としての方が有名か?
1983年には「Mosaic Record」を設立しモンクやマイルス他、300のボックス・セットを制作してグラミー賞を獲ったそうな。
Blue Noteの作品すべてをオリジナル盤で揃えている世界的に有名なコレクターの小川隆夫さんはアメリカ留学時代からカスクーナを知っていて、レコード店で彼を見かけるとガッカリしたという。
ナゼならカスクーナがレコードをチェックした後は、もうそこには何もイイものが残っていないからだ。
日本でいえば植村さんか…。
カスクーナがもうひとつこの解説の中で触れているのがリチャード・ラミレスというギタリスト。
1曲、ビンテージのストラトっぽいサウンドで目の覚めるようなソロを披露してくれている。
このアルバムを収録した時にはまだ15歳だったらしい。
知らんナァ~…っというので早速この人の名前で検索してみると「Richard Ramirez」というのしか出て来ない。
「ラメリス」と「ラミレス」の微妙な違いね。

Img_0141ところが!
ラミレスの方は「Night Stalker(ナイト・ストーカー)」やら「Valley Intruder(峡谷の侵入者)」の異名を取る、1984~1985年の間に無差別に民家を襲撃して、強盗、暴行、レイプのし放題で13人もの命を奪ったという とんでもないヤツだった。
私は知らないんだけど、マリリン・マンソンのベースはトゥイーギ・ラミレスっていうの?
その「ラミレス」の由来はこのナイト・ストーカーなのだそうだ…って、このバンドのメンバーの名前はみんな凶悪犯から採っているのか。
物騒なバンドだナ…一度写真を撮らせてもらったことがあったけど。Rr上と下の共通メッセージは「裸」。
イヤ、裸ということが直接メッセージを発しているワケではなく、「ヌーディズム」というのか一種の平和主義みたいなことに結びつけてみたというワケなのです。
一時「ストリーキング」なんてのが流行ったっけね。
ずいぶんニュースでやってたけど実際には一度も見たことがなかった。
さて、これはThe Lovin' Spoonfulの69年のアルバム『Revelation Revolution '69』。
最終作かな?
ジョン・セバスチャンはもういない。
このジャケットの写真、合成だな。
人間だけ走らせて流し撮りをしておいて後でライオンを合成したんでしょう。

Img_0142 続いては反戦系。
これはWarm Dustというポール・キャラックなるキーボード・プレイヤーを中心としたイギリスのプログレッシブ・ジャズ・ロックグループの『Peace for Our Time』というアルバム。
「隠れた名盤」と言われていて、何万円もするらしい。
ジャケットはオモシロくないが、コレ、中身がなかなかのモノ。
管楽器のプレイヤーが2人も入っていていい感じ。
広島と長崎の放射能のことに触れたりしている。

Img_0143ヴィヴィアン・スタンシャルはBonzo Dog Doo-Dah Bandの創設者のひとり。
この1984年リリースの『Sir Henry at N'didi's Kraal』は『Sir Henry at Rawlinsoin End』の続編で、スタンシャル4枚目にして最後のソロ・アルバム。
内容はコメディで、前作同様ほとんどしゃべり。
両方聞いてみたけど、何かをしながら耳に入ってきた英語の意味を捉えることができるレベルの英語力を持っている人以外にはオモシロイものではないだろう。
え?私はダメよ。
南アのズールー族を引き合いに出して大英帝国の植民地政策と王室を猛烈に皮肉っているらしい。
だから純粋な「戦争反対!」的なメッセージとは異なっているようだ。
くたびれた兵隊さんが便器の上に座っている皮肉感タップリのイラストはラルフ・ステッドマンというイギリスの有名なイラストレーターの作品。

Img_0144しからば、このタイトルにある「ヘンリー・ロウリンソン」というのは誰か?
調べてみると、実在したヘンリー・ロウリンソンという人は「イギリス東インド会社(East India Company)」の陸軍士官であり、政治家であり、楔形文字研究の権威で、どうも南アのことには触れていないのでスタンシャルの登場人物とは関係ない人なのかしらん?
「東インド会社」ね…。
若い頃はアメリカにゾッコンだった私も色んなことを知るにつれて段々イヤなイメージを持つようになってしまい、今では仕事の関係もあって完全に「イギリスびいき」になってしまった。
ま、イギリスはアメリカの元だからね、歴史的にどんな悪事をして来たかということも学んでいる。
で、産業革命の発祥地であるマンチェスターに行ってからというもの、アフリカとアジアの三角貿易に興味が湧いて来て、下のような本を読んでみた。
本当は陳舜臣の『アヘン戦争』の正編を読みたいんだけど、「登場人物が多く、読み解くのが大変なのでダイジェスト版を読むといい」と中村とうよう先生がススメてくれた『実録アヘン戦争』と加藤祐三という横浜市大の教授が著した『イギリスとアジア』という新書。
その時代に中国との茶の悪徳貿易で大活躍したのが「東インド会社」だったのは学校で習った通り。
黄色い方はすごくオモシロかった…貼った付箋の数を見ればどれだけオモシロかったかをおわかり頂けるであろう。
とにかくヒデエ話よ。
「龍馬、龍馬」って騒いでいるけど、実は明治維新もイギリスだもんね…という説を私は採っている。
そうでなきゃ、皇居の隣の一等地にあんなクソデカい大使館なんか建てられないって。
0r4a0195_2ところで…マイク・オールドフィールドの『Tubular Bells』のA面の最後で使用楽器を発表するところがあるでしょ?
「エレクトリック・ギター」とか「マンドリン」とか…アレを読み上げている人がこのヴィヴィアン・スタンシャル。
Tb2それで、フト気が付いたんだけど、名盤の誉れ高いボンゾの『Gorilla』という作品に「Intro and the Outro」という曲が入っている。
4ビートでデューク・エリントンの「C Jam Blues」をパクッたような曲。
イントロの部分でニール・イネス他、バンドのメンバーと担当楽器を次から次へとジャンジャン紹介していく。
スタンシャルはトランペットで出て来る。
その他、ジョン・ウェインだのヒットラーだのカサノヴァだのやりたい放題。
カウント・ベイシー・オーケストラの担当楽器がトライアングルだとか、もうメチャクチャ!
その中にはトロンボーン担当としてヘンリー・ロウリンソンの名前も出てくる。
スゴイのはエリック・クラプトンがウクレレ担当で登場してジャンジャカ弾いてるのね。
これは実際にクラプトンが弾いたそう。
で、結局イントロの部分だけでフェイドアウトしてしまう。
だから「Intro and the Outro」。
で、このメンバー紹介のナレーションをしているのもヴィヴィアン・スタンシャル。
コレで「Tubular Bells」と「Intro and the Outro」の間に深い関係があることは間違いないことがわかった。
さぁ、ここで想像を膨らませたくなるのは、あの世紀の名曲「Tubular Bells」で楽器名を挙げていくアイデアは一体誰が出したのか…?
オールドフィールドはわざわざスタンシャルを雇ってボンゾのパロディをやったのだろうか?
でも、精神に異常をきたすほど打ち込んだ自作にそんなフザけたことをするだろうか?
真相はいかに?Bg 続いてはCheech & Chong(チーチ&チョン)の1973年の作品『Lod Cochinos』。
「Los Cochinos(ロス・コチノス)」とはスペイン語の「豚」の蔑称でアメリカでは「警官」を意味するらしい。
去年、外道の加納秀人さんと久しぶりにご一緒した時にこのチーチ&チョンの話になった。
私はチームの名前ぐらいしか知らないんだけど、秀人さんはアメリカでご覧になったことがあって、メチャクチャおもしろかったとおしゃっていた。
Img_0147このギミック・ジャケットは素晴らしい!
アイデアもデザインも秀逸!
ゆッる~い感覚がいいように伝わってくる。
Img_0149removebgpreviewJefferson Airplaneのポール・カントナーとグレイス・スリックの1971年のアルバム、『Sunfighter』。
JAの創始者のひとりマーティ・ベイリンに捧げられたアルバムでGrateful Dead、CSN、Tower of Powerのメンバーが参加している。
後にStarshipのリード・ギターとなるCraig Chaquicoが17歳の時に初めて合流したアルバムだそうだ。
『Dragon Fly』あたりのチャキーソって抜群にカッコいいと思ったけど、どうもこのJefferson系って昔から苦手なんだよな~。
写真の赤ちゃんは実際のふたりの愛娘Chinaちゃん。
アルバムにはグレイス作の「China」という曲も収録されている。
ちなみに「china」と頭文字を小文字にすると「瀬戸物」という意味ですからね。
同じように「japan」は「うるし」。
 
「陽が昇って新しい生命が生まれる」から「輪廻」みたいなメッセージを感じるジャケット・デザインだ。 
約20年前にサンフランシスコに行った時、現地の友人のアメリカ人が遠くの山の上の方に建っている家を指して「あれはグレイス・スリックの家なんだよ」と教えてくれたっけ。
グレイスはクスリか何かの前科があって「あと1回警察のお世話になることがあったら一発で刑務所送りなんだよ」なんてことを言っていたのを覚えている。
Img_0150The Doorsにこんなのあったなんて知らなかった…って、ドアーズは全くといっていいほど聴かないからムリもないか。
1972年の『Full Circle』というジム・モリソン亡き後2枚目のアルバム。
だから私が知っている「ドアーズ臭」は皆無…毒気も何にもないけど、曲がなかなかいいな。
このアルバムをリリースした6年後にレイ・マンザレク、ロビー・クリーガー、ジョン・デンスモアの3人がモリソンの詩の朗読テープにバッキング・トラックをダビングした『An American Player』というアルバムを発表してThe Doorsはその活動に終止符を打った。
 
これはまさに「輪廻転生」の図ですな?
ちょっと宗教的な雰囲気もしないではないが、絵柄としては実にステキ。
ダリっぽい?

Img_0151ジャケットを開いて切り抜くとルーレットみたいなゲームができるようになっている。
海に浮かぶ夕日を眺める3人の寂しそうな背中…「ジムよ、何でオレたちを残して死んじゃったんだよ~」みたいな?

Img_0152 
§ 1- b

Img_0024
「エエエエッ!まだやってたの?」なんて、思わずイキの長い活動歴に驚かされるバンドに時々出くわすけど、このThe Groundhogsはその最右翼だろう。
たったひとりのオリジナルメンバーであるギター/ボーカルズのトニー・マクフィーが1963年以来、現在までガンバっているというんだよね。
1963年と言えばMarshallが創業した翌年。
来年このバンドは還暦だよ。
イヤ、ストーンズみたいにやればやるほどウハウハ儲かるバンドならいいよ。
そうなりゃ反対に解散もしにくいってもんだ。
このThe Groundhogsはどうだ?
バンドの歴史を見ると、取り立ててヒット・アイテムがあるワケでなし、名前の知られたメンバーが在籍していたことは皆無だし、日本においてはほとんど知名度がないと言っても過言ではないだろう。
それなのに…辛抱&我慢の60年。
 
ところでこの1970年の『Thank Christ for the Bomb』というサード・アルバム、コレが実にいい。
それもそのハズ、リリース時には全英チャートで9位に食い込んだらしい。
とてもトリオ・バンドとは思えない音作り。
すごく曲が凝ってるんだよね。
やっぱりこういうロックはよろしいナ~。
あさま山荘よりも横井さんが出て来るよりも前のロック。
いい時代だったんだナ~。

このジャケット植草甚一さんが大好きだったという。
「日本人にこのセンスはわからないだろうな…」とおっしゃったとか。
わかっているかわかっていないかがわからないが、とりあえずカッコいい。

Img_0153ま、ニューヨークに行くとゴミの写真しか撮って来なかったという植草さんのセンスもたいがいどうかと思わなくもないが…。
植草さんは数多くの奇妙なコラージュ・アート作品を残している。0r4a0200_2 そして、ジャケットの左端で腰かけているのはベースのピーター・クルイックシック。
コレは第一次世界大戦の時に塹壕の中で撮影された写真をコラージュしたモノだそうだ。
何でこんなことをしたんだろう?
不思議。

Sgh_2この塹壕ってヤツね…ヒドかったらしいよ。
キューブリックの『突撃(Paths of Glory)』はこの塹壕での撮影がリアルで見事だったが、実際にこうした塹壕に長時間留まったことがある旧日本兵の手記を読むとホンモノはとてもあんなモノじゃなかったらしい。
何しろ狭い溝に兵隊さんが何百人も入ったきり何日も外へ出ることができない。
当然そんなところにトイレなんかあるワケがない。
でも、出るモノは場所を選ばない。
さりとてガマンもできない。
結果…塹壕の中はウンコだらけだったらしい。
 
この『突撃』のカーク・ダグラスはヨカッタ。
内容はコレもヒデエ話よ。

Pog 裏ジャケには「The End」。
このデザインは血とバラを暗喩しているらしい。
何かむしろヤケクソ感すら漂っている気がする。
それにしてもこのアルバム、ホントいいわ~。

Img_0155社会的なメッセージはないが、ジャケットが面白いという理由で展示されていたのがコレ。
アンドリュー・ロイド・ウェッバーがプロデュースした1978年の『Variations』というアルバム。
参加メンバーがスゴイ。
ジョン・ハイズマン、ドン・エイリー、ゲイリー・ムーア、ジョン・モール…要するにColloseum II。それにロッド・アージェント、バーバラ・トンプソン、ジュリアン・ロイド・ウエッバー (アンドリューの弟のチェロ奏者)が加わり、ゲストとしてフィル・コリンズが参加している。
指揮者としてロリン・マゼールがクレジットされているのがスゴイ!…ホンマかいな?

内容としてはパガニーニの『Caprice No.24(奇想曲)』をロック・テイストにアレンジした…なんだろうけど、どうも原曲に対応しているのは有名な24番だけのように聴こえるのは私だけであろうか?
7番なんかは7/4拍子でゲイリー・ムーアのギターが活躍してカッコいいんだけど、元は全然違う。
23番も同様なんだけど、こっちはまるでCurved Airの「Vivardi」みたいでヴァイオリンがカッコいい。
でも、その肝心のヴァイオリニストのクレジットが見当たらないのよ。
コレってもしかしてダリル・ウェイが弾いているのかな?

Img_0156…というのも、そのダリル・ウェイはアンドリューとジュリアン兄弟と同じ、ロイヤル・アルバート・ホールの裏にある「Royal College of Music(王立音楽大学)」のOBなんだよね。

160 一方、ロッド・アージェントはもちろん元ZombiesやArgentでおなじみのロッド・アージェント。
Argent時代には結構派手にそのキーボード・テクニックを披露した場面も多いが、それもそのハズ、この人、リック・ウェイクマンの後継者としてYesから加入の誘いを受けていたんだよね…ということはもう何回も書いた。
でも、上に名前が上がっている管楽器のバーブラ・トンプソンと組んだ『Ghosts』というアルバムは期待が大きかっただけに、聞き通すのになかなかの忍耐が必要だった。
バーブラも王立音楽大学でサキソフォンを学んだが、エリントンとコルトレーンの影響を受けて人生が変わってしまった。
そして、ジョン・ハイズマンが亡くなるまで奥さんだった。
Btraコレは最近知ったんだけど、ロッド・アージェントがデンマーク・ストリートで楽譜屋をやっていたという話。
下は結構以前に撮った写真なんだけど、「musicroom」という下にある「ARGEN〇S」という赤い看板。
「〇」には「T'」が入って「ARGENT'S」となる。
3年前に行った時には取り外されていたけど…。130 さて、ジャケット。
チェロやリュートみたいなヤツにピックアップが付いていたり、ビールの空き缶が転がったりしているけど、元は1733年にフィリップ・メルシェという画家が描いた油彩画。
この絵はロンドンの「ナショナル・ポートレイト・ギャラリー」に展示されいるらしいので今度訪れる機会があったら見て来ることにしよう。Npg_2 最後にパガニーニ。
この「カプリース」…24番だけやたらと有名だけど、今回この記事を書くに当たってひと通り全部聴いてみた。
コレがどの曲もすごくカッコいいんですわ。
24番だけってのはあまりにもモッタイない!
「アランフェス協奏曲」も第2楽章ばっかりが知られているけど、アレは第1楽章の方が断然楽しめる。
我々は…少なくとも私は、まだまだ「音楽を聴いている」ウチに入らんのよ。
 
ココから先は期せずしてつい先日掲載してしまったんだけど、せっかくのパガニーニなのでもう1回やっておくことにする。
それはロンドンのマリルボンにある王立音楽院(Royal Academy of Music)」の博物館にあるニコロ・パガニーニの肖像画。Img_0534パガニーニは超人的な演奏技巧…いわゆる「超絶」っていうヤツですな…を用いてこの「カプリース」のような数々の名曲を残したが、秘密主義者で、曲を盗まれても困らないように誰にもわからない暗号で楽譜を書いていたという。
そんな行為に加え、身体が弱く不健康なルックスから「悪魔に魂を売ってその才能を手に入れた」という噂が立っていた。
その証拠にある時、コンサートの演奏中に弦が切れてしまった。
連続してまた1本切れ、さらにまた1本切れ、とうとう最後の1本まで切れてしまった…しかし、パガニーニのヴァイオリンからは音が出続けていた…という。
ウッソだろ~。
ま、あんなに美しい音楽とは対照的にそれだけ神秘的な音楽家だったらしい。

Img_0582そこでこの肖像画をよく見てみると…Img_0582 ね、ヴァイオリンも弦が切れちゃってるの。
私はこの弦の話をかなり昔から知っていたので、この肖像画を目にした時は「やっぱり!」とうれしくなった。Img_0583この項の最後にアンドリュー・ロイド・ウェッバー。
コレももう何度も紹介してナ…『Jesus Christ Superstar』も『Evita』も『Cats』もいいけど、やっぱり私は『Sunset Boulevard』。
ブロードウェイでも観たし、CDを一体何回聴いたことか。
で今回、オリジナルのパガニーニの方の7番を聴いてドキっとした。
『Sunset Boulevard』の「序曲」にソックリなパートを発見したのだ!
ホンの一瞬なんだけど…やったな、サー・アンドリュー・ロイド・ウェッバー。

0r4a0206ドイツのロック・グループBirth Controlの1972年の作品『Hoodoo Man』。
このバンドも何度かの活動停止期間を経て現在も活動しているようだ。
野太い声のシンガーを擁した正統派ハードロック。
カッコいいな。
 
すごいイラスト…「Heinz Dofflein(ハインツ・ドフラインかな?)」という人の作品。
いまだにマニア向けのレコード屋に行くとレコードを立体展示していて見かけるイラスト。
コレ、ゲイトフォールドになっていて、広げると…

Hmこんな感じ。
スゲエ迫力。

Sbchd ダンナさん、ヘロヘロなのにまだネジ巻かれてら!
このバンドは他のアルバムのジャケットもいい感じ。

Hdn1965年のジュニア・ウェルズのデビュー・アルバムも『Hoodoo Man Blues』というが、この「hoodoo」というのは「縁起の悪い人」とか「不運」とか「疫病神」という意味。
コレで上のジャケットのイラストのストーリーがわかった。
 
このジュニア・ウェルズのアルバムの1曲目、「Snatch Back it and Hold it」という曲に「I ain't got a brand new bag」という一節が出て来ることに気がついたんだけど、コレはジェイムス・ブラウンの「Papa's Got a Brand New Bag」と何か関係があるのだろうか?
両方とも1965年に発表した自作曲。
当時流行っていたフレーズなのかな?…と思って調べてみたら、コレは「新しいカバン」を指すのではなく、「新しいモノ」という意味なのだそうだ。Hdmb1970年代のはじめ頃、『ソイレント・グリーン』とか『赤ちゃんよ永遠に(Zero Population Growth)』という人口増加問題をテーマにしたSF映画があった。
コレ、当時はたいてい2本立てでかかっていて、私は新小岩の西友の屋上にあった「第一劇場」で観たように記憶している。
「将来、映画みたいになったらコワイなぁ」なんて思ったものだ。
あの頃から50年。
実際はどう変化したのだろう?
日本は「少子高齢化」が大きな問題と化し、映画とは大きく乖離した状況となった。
コレはコレでこの国最大の危機であるワケ、この危険な状態をもたらした原因は100%「政府の無策無能」にあると私は思っているが、全世界的には発展途上国の人口増加が問題となっているワケだよね。
最近よく「代用肉」なんてモノがテレビで紹介されているけど、ゾッとする。
映画よりもっとイビツな形で問題が深刻化しているのでしょう。

『ソイレント・グリーン』の方は、人口爆発により地球上の資源が枯渇し、ほんの一部の特権階級とその他の貧民という激しい格差社会が舞台。
そこでは肉や野菜といった本物の食料品は宝石以上に稀少で高価なものになっている。
オイオイ、それじゃもはやSFじゃなくてほとんど「今」じゃん!
トドメを刺しましょうか?…ナントこの映画の舞台は2022年なのだ!
♪テッテレ~!
2sg
大きなショックを受けたところで次!
あ~、ひっさしぶりに持ってるヤツが出てきた!
Manfredman's Earth Bandの『The Roaring Silence』。Rsエ、チガウカ?
ウワ!耳からニョキッと指が出てる!
ナンダ~、ポール・バターフィールドの『Put It in Your Ear』。
「耳をかっぽじってよく聴きやがれ!」というメッセージか…。
1975年の作品。
なんってたってバック・ミュージシャンがスゴイ。
エリック・ゲイル、デヴィッド・サンボーン、セルダン・パウエル、ガース・ハドソン、チャック・レイニー、ジェイムス・ジェマーソン、ゴードン・エドワーズ、バーナード・パーディー等々なので、フト気が付くと歌よりも伴奏を聴いている盤。
それにしてもサンボーンってスゴイ。
一聴して彼ってわかるじゃん?
いつかジャズ評論家の大御所がこうおっしゃっていた「デヴィッド・サンボーンがあの音色とアーティキュレーションでちゃんとしたジャズを演っていたらそれは素晴らしいものになったと思う」って。
これを聞いて思い出したのがウチの父。
「桂小金治がちゃんと古典を演っていればナァ。小円遊が生きていればナァ」って。
2人とも実に古典落語向けの声だったからね。
サンボーンのサックスの音色を耳にするたびに小金治と小円遊の顔が浮かんでくる私なのです。
ちなみに小円遊は、吉村昭先生もヒイキにしていた日暮里の寿司屋にワザワザ電車に乗って足繁く食べに通っていたそうだ。
どうでもいいか?

Img_0159自らのバンド名を冠したマサチューセッツ出身のChameleon Churchの1968年のアルバム。
デビュー・アルバムにしてラスト・アルバム。
ジャケットは不気味だが中身はソフトなポップ・ロック。
アメリカのコメディアン、チェビー・チェイスが在籍していたそうだ。

Img_0160<つづく>
 

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2021年11月 5日 (金)

ミュージック・ジャケット・ギャラリー ~ コミック・ジャケット・コレクション <vol.4>

 
今回、急に思い出したように『ミュージック・ジャケット・ギャラリー』の記事を復活させたのには理由がありましてね…。
ひとつはコロナのせいでライブの取材が出来ず、『ライブ・レポート』を頻繁に書くことができないこと。
Marshall Blogは約70%がライブ関連の記事で構成されていたからね…コロナのバカ!
次に、レコードがブームだっていうでしょ?
私は「どっちでもいい派」で、レコードが売れようが、CDが売れようがメディアの形なんかはどうでもよくて、とにかくよい音楽の出現や発見に重きを置いている。
でも、折角レコードを手にする人が増えているのであれば、特に若い人なんかにジャケットのオモシロさを伝えて、音楽を一層楽しむ一助になれれば良いと考えたこと。
そして、もうひとつの理由は下の本を手に入れたこと。
コレを眺めていて、私もレコード・ジャケットについて再び乱筆を揮い(ふるい)たくなってしまったのだ。
『20世紀レコード・ジャケット傑作集(毎日新聞社刊)』という1冊。
70r4a0187買ってしばらくして気が付いたんだけど、「ゾッキ本」だったわ。
それにしちゃチョイと高かったナ…。
「ゾッキ本」というのは、いわゆる「新古本」とか「見切り本」のこと。
売れ残った本に下のような赤いスタンプや印をつけて安く再流通させた本。
要するにレコードでいえば「カットアウト盤」ですな。
「ゾッキ」というのは上州の方言で「~だけ」とか「~のみ」とかいう意味らしい。
さっそく桐生出身の友人に確かめてみたのだが、ご存知なかった。
こういう方言の話題には付き物の「おジイちゃんやおバアちゃんが言ってたけど、今は言わない」状態みたいだ。
それにしても「本だけ」という意味になると、どう考えても「新古本」にはたどり着かない。
そこで、もう少し調べてみると「ゾッキ」は江戸時代からある言葉で「総生」と書くらしいということがわかった。
コレは商人たちの符牒で「まとめて」という意味なのだそうだ。
それならバッチリだ。
売れ残った本をまとめて安く仕入れて、安く売る。
「新古本屋」というのをタマに見かけるが、ゾッキ本を専門に扱う本屋のことを「ゾッキ屋」というそうだ。
…と、一旦書いたが、後にその桐生の友人がご両親に「ぞっき」の意味を確認して連絡してくれた。
するとご両親の定義は「同じものが揃っていること」とおっしゃるではないか!
それってゾッキ本ではないか!
売れ残った同じ種類のものを安く売り買いするのがゾッキ本の商売なんだから。
ご協力ありがとうございました!
すると、上州の人がこの商売に古くから携わっていたことが推測できる…というワケ。
Zokki_2いきなり脱線で恐縮だが、日本と伯仲する「文学大国」であるイギリスにもゾッキ屋があって、ロンドンの繁華街、ソーホー周辺には1階が新古本、地下がエロ関係なんて店がゴロゴロしている。
この緑の看板の店なんかは映画や音楽関係のゾッキ本が所狭しと展示されていて、丁寧にチェックすると実に楽しい。70r4a0078 この「Book Warehouse」というチェーン店のゾッキ屋はありがたい。
定宿があったハマースミスや大英博物館の隣に店舗があって行くたびに訪ねるのを楽しみにしていたが、両方閉店してしまったのが残念だ。
まだホルボーンやノッティング・ヒルや、後で出て来るカムデンにあるようなので今度行ってみよう。
72zokこういう店へ行ってもシェイクスピアやモームを買うワケではない。
洋書なんか買っても本棚の肥しにもならないからね。
買って来るのはひたすら下のような辞書的なモノ。
「慣用表現辞典」やら「ことわざ辞典」やら…。
「Punctuation」というのは「句読法」というヤツらしんだけど、「"」だとか、「;」だとか、英文を書く時の表記のルールのこと。
こういう本が定価の半額以下で買える。70r4a0243さて、「ゾッキ」はこれぐらいにして…と。
手に入れた本とは、池田満寿夫と佐藤洋子の監修&選ということになっているレコード・ジャケットの寸評集。
どこだか忘れちゃったけど、レコーディング・スタジオの待合室にこの本が置いてあって、ナンの気なしに手に取って少し読んでみたらコレが滅法オモシロイ!
「コレは買ってユックリ読むべき」と決断して、その場で本を閉じた。
その時から大分時間が経ってしまったけど、どうしてもブックオフに出てこないのでアマゾンで買った。70r4a0190池田満寿夫というと、我々世代ではもうジュディ・オングのアレに尽きるんだけど、「池田満寿夫なくしては日本の版画会は成り立たない」とかいう話を池田さんの存命中に聞いたことがある。
スゴイらしいんだよ、版画の世界って。
で、池田さんは長野出身で長野高校のOBなんだよね。
私が社会に出て初めて務めた会社の富山の支店長も長野の出身で、長野高校では池田さんと同級生だった。
支店長曰く、池田さんはモロに「画学生然」とした風貌で、とにかく絵ばっかり描いていたそうだ。(写真は同書序文より) 

Mi  
内容は、生前の池田さんがお気に入りで選んだレコード・ジャケットへの寸評をコアにして、池田さんの没後にその寸評を読んだ佐藤さんが感想を述べて、それを対談形式にまとめている。
この手の本って、ロックならロック、ブルーノートならブルーノート、のように一点に特化した内容のモノが多いんだけど、この本はロックとジャズはもちろん、クラシックのレコード・ジャケットまでを網羅しているところが実にうれしい。
70r4a0196正直、池田さんが登場するのは最初の方だけなのが残念なんだけど、芸術家がどういう視点でデザインを見ているのかが伝わって来てとても興味深い。
やっぱり日本芸術界の重鎮でしょ、Santanaの『Lotus』なんかを指して「コレは横尾でしょう?」なんて横尾忠則を呼び捨てにしちゃうワケ。
「こうやっていても横尾ってわかるのがすごいよね」と、横尾さんのオリジナリティを賞賛している。
やっぱり芸術家ってのは「独創性」が命なんですな。
また、クラシックのアルバムでは「陽子、陽子」のオンパレードなのが微笑ましい。

70r4a0192マイルスの『Agharta』も横尾さんか。
さっきのSantanaの『Lotus』ね、サンタナがマイルスに完成品を見せた時の話。
マイルスは夢中になってそのジャケットを開いたりたたんだり…その口からはヨダレが垂れていたとか…。
もう夢中になって入り込んじゃったそうですよ。
 
直立猿人からディスレーリ首相までなんと幅の広いことヨ。
1979年の秋吉敏子の『Sumi-e』まで載っているのにはビックリ!
コレ、この時代の敏子さんの作品で一番聴かないアルバムなんだよな~。70r4a0199あとは高橋敏郎というレコード・コレクターと佐藤さんの対談。
そして半分以上は高橋さんが選んだジャンルを超えての名作ジャケットの紹介という構成。
やっぱりうれしいのはクラシック音楽関連のカッコいいジャケットをたくさん紹介してくれていること。
クラシックというとドイツ・グラモフォンの黄色い看板がかかったジャケットばかり想像してしまうが、クラシックもカッコいいジャケットがたくさんあるのよ!
やっぱりレコード・ジャケットはオモシロイ!

70r4a0203 
さて、内容がオリジナル記事の倍になってしまった『コミック・ジャケット特集』も大詰め!
いよいよ最後の展示棚に入ります。
そして、後半は同時に展示されていた立体ジャケット・アイテムの紹介になります。Img_0251§5-a
まずは上段。

Img_0253 
ものすごく好きなバンドなのにある作品以降まったく聴かないってことあるでしょ?
チョクチョク登場する10ccなんかがいい例なんだけど、Sparksもそう。
『Kimono My House』から『Big Beat』までしか聴かない。
このバンドの魅力って毒々しいポップさにあると私は思っていて、キレイだから飛び着いてみたけど、トゲだらけになっちゃった…みたいな。
『Big Beat』あたりまではそれを感じさせてくれでいたけど、その後がチト…。
トゲが全部抜けちゃってさるすべりみたいになっちゃった。
するとあの甲高い歌声もツライばかりになってくる。
ところがこのバンドの作品ってジャケット・デザインがいつもいいんだよね。
むか~しから思っていた。
物語性のあるデザインにはどこかHipgnosisっぽさを感じない?
コレ、兄貴のロン・メイルのセンスなんでしょうね。
以前にも書いたけど、ロンはグラフィック・デザイナーで、トッドの『Runt. The Ballad of Todd Rundgren』の中身のデザインを手がけているんだよね。
それぐらいだからジャケットのデザインには気を遣っているのかもしれない。
SparksのレーベルがIslandだったので恥ずかしながら長い間私はこのチームはイギリスの出身だと思い込んでいた。
アメリカ出身と聞いて結構驚いたっけ。
もう結構前の話になるけど、用事があって渋谷のO-EASTに行った時、ホールで外人がリハーサルをしていた。
当日、誰が出演するのか知らなかったんだけど、リハーサルをしているのがSparksだと知ってビックリ仰天したことがあった。
リハーサルもショウも観ることはできなかったが、何でもすごくいいライブだったということを後に耳にした。
 
で、下は1984年の13枚目のアルバム『Pulling Rabbits Out of a Hat』。
前作の『In Outer Space』は最も成功したアルバムだったが、今作ではその勢いを継続することが出来ずに失敗に終わったとか…。
聴いてみると、もうシンセやドラムスのサウンドが猛烈な80年代臭で、私にはチョット無理なんだけど、世間一般てきには歌詞が暗くて受け入れられなかったらしい。
ちなみにタイトルの「Pull rabbits out of a hat」は「帽子からウサギを引っ張り出す」ということで「予期せぬことをしでかす」という慣用表現。
ジャケットはいいな…でも、待てよ。
このジャケットってどっかで見たような気がするな…。

Img_0416思い出した!
左は今回の「コミック・ジャケット特集」の2回目に登場したフランク・ザッパの『Them or Us』の裏ジャケ。
Sparksの方は1984年6月のリリース。
ザッパの『Them or Us』は10月のリリース。
コレはナニがあったんだろう?
そもそもこのポーズは一体ナンなのか?

7img_0417もうチョットだけザッパに方に入り込むとこんなのがある。
1984年のツアーのアメリカ公演の様子を収録した1991年のドイツの海賊盤『Al You Need is Glove』。
尾籠なアイテムをお店してスミマセン。
でもコレ、内容がすごくよくて昔よく聴いた。7gl 
1979年のゲイリー・ブルッカ―のソロ・アルバム『No More Fear of Flying』。
飛行機がタービュランス状態なのにゲイリーだけがひとり平然とニヤリ…。
タイトルも『No More Fear of Flying』。

いつかどこかに書いたけど、機内のカップヌードルね。
昔はANAの国際線は夜食で小さいカップヌードルを出していた。
ある時、ちょうどみんなお湯を入れて麺がふやけるのを待っているぐらいの時に機体が大きなエアポケットに入っちゃった。
何が起こるかというと…コレが実におもしろい!
みんなお湯をこぼすまいと右手でカップを持ち、左手でフタを押える。
すると、飛行機の高度がグワ~っと下がるたびに全員の両手が上に伸びてしまうのだ。
ひとり残らず全員だ。
そういう自分の両手も上がっちゃうんだけど、後ろから見てると壮観ですぞ!
悲鳴と一緒にいっせいにニョキっと手が伸びて機内の全員でバンザイをしているようになる。
メチャクチャおもしろい!
今はもうカップヌードルは出ない。
何でだろう?…アレがオモシロすぎちゃったのかな?
 
ちなみにその時からそれから数年してProcol Harumが来日。
今は無き新宿厚生年金会館大ホールで四人囃子とジョイント・コンサートを開催した。
一升ビンを片手にギターのジェフ・ホワイトホーンのいる楽屋を訪ねた。
ところが彼は見当たらない。
そこで、そばにいる白髪のオジさんに「ジェフはいますか?」と尋ねると、そのオジさんは典型的なイギリス英語で「今チョット出てるんじゃないかな…?」と教えてくれた。
お礼を伝えて楽屋の外でしばらく待っているとガヤガヤとした声が聞こえ、ジェフが仲間といっしょに外から戻って来た。
さっそくイッパイ行っちゃってた。
で、再会を祝して一升ビンを渡すと「サキ、サキ!」と大喜び。
多分開演前に全部飲んじゃったんじゃないかな?
で、ショウがスタート。
驚いたネェ~、だってさっき楽屋で会った白髪のオジさんがピアノを弾いて歌い出すんだもん。
そう、彼はProcol harumのフロントマン、ゲイリー・ブルッカ―だったのである!
残念ながらProcol Harumって『Salty Dog』と『Grand Hotel』ぐらいしか知らんもんで…。
かの有名なゲイリー・ブルッカ―のご尊顔を存じ上げなかったのです。
恥ずかし~!
 
さて、このアルバム。
コレがまたいいんですよ。
それぞれの曲がゲイリーの声によくマッチしていてアッという間に全曲聴いてしまった!
しかも録音は「Strowberry Studios Sounth」…10ccがストックポートに作った「Strawberry Studio」の支店。
このスタジオについて興味がある方はコチラをどうぞ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】vol.44 ~ 10ccに会いに行く <後編>~ストロベリー・スタジオ物語
 
ジャケットはヒプノシス。
どうにも出来がいいアルバムだと思ったらジョージ・マーチンがプロデュースしていたわ。

Img_0418 

§5-b
最後!
この辺りともなると大分手抜きが目立って来るヨ~。
それじゃイカン。
有終の美を飾りましょう。

Img_0255
1979年のMadnessのファーストアルバム『One Step Beyond...』。
私は全くの門外漢だけど、「スカ」という音楽も市民権を得て久しいネェ。
「♪ホンダ~、ホンダ~」って   アレは「シティ」という車だったか。
1981年だったっていうから知らない若い人も多くなってるか?
どんなもんかと「恐いモノ聴きたさ」で聴いてみると、そんなにスチャスチャしてないのね?
ムカデ歩きの写真をポコっと配した何の飾り気のないジャケットがなかなかいい感じ。

Img_0422このバンド、カムデンの出身なんだね。
「カムデン(Camden)」はロンドンの32ある「ロンドン特別区(London boroughs)」ひとつ。

70r4a0013カムデン・タウンというエリアには洋服やアクセサリー等、若い人向けのお店がイヤになるぐらい並んでいる。
Img_1685最初に行った時はアメ横ソックリだと思ったけどね、こっちの方が全然大きい。
私にとってのこのエリアの大きな問題は、欲しいモノがナニひとつないということ。
中古レコード屋の一軒でもあればいいんだけどね。70r4a0015靴の「Dr. Martens」はカムデンが発祥。
ココで小さな靴屋を開いたのが始まりだったそうだ。
会社が大きくなりすぎちゃって本社はもうカムデンからヨソへ移ったけど、デザインのセクションが残っている。
こんなDr. Martensの「撮影スポット」なんかもあったりする。
ちょうどMarshallとのクロス・プロモーションをやっていた時かな?70r4a0139 毎年6月には「Camden Rocks Festival」というカムデン・タウン一帯のライブハウスの行き来が自由になるロンドン最大規模のロック・フェスティバルが開催される。
昨年と今年はコロナで開催されなかったが、2019年のフェスではD_Driveが「The Devonshire Arms(デヴォンシャー・アームズ)」という店で演奏した7img_8968カムデン・タウンからチョット北に行くと、左側に出て来るのが鉄道の扇形庫を改造したキャパ3,300名の有名なコンサートホール「Roundhouse」。
日本で言えば京都の梅小路だ。Img_1627_2そのすぐそばにあるのが地下鉄ノーザン線の「チョーク・ファーム(Chalk Farm)駅」。Img_1603そして、コレがMadnessのセカンドアルバム『Absolutely』。Absjpg_2ね、ココで撮影したワケ。
カムデン出身のバンドだけのことはある。
コレ、ロンドンだからサマになるけど、東京で亀戸駅あたりでジャケット写真を撮るって言ってもね~。Img_1605
Riff Raffはパンク/パブ・ロックバンドだそうで…ちょっとゴメンね、この手のヤツはマジで苦手なの。でも!である。
このジャケットはよろしいな。
なにせHipgnosisの作品なのだ!
『Vinyl Futures』か…LPレコードを食べてる。1981年のリリース。
イギリス人はLPレコードのことを「ヴァイナル」って言うでしょ?
それを食べちゃってるところを見ると、Vinylには未来はないぞ!ってことかね?…なんて言ってたのは10年前のこと。
最近ではレコードがCDの生産量を追い越し、アメリカでは製造が追いつかないんだってね~。
冒頭に書いたようにアタシャもうどっちてもいいわ。
SpotifyとYouTubeがあればナニをするんでも、ナニひとつ不自由しない。
こんな私に誰がした…?
Img_0423_2しかし、ヒプノシスの本って知らない間にゴマンと出てるんだよね~。
この『For the Love of Vinyl』なんて『Vinyl Futures』が表紙になっちゃってる。
昔、よく電球を食べるオジさんとかがよくテレビに出ていたけど、ああいうのスッカリ見なくなったね。

Hpb2_2  
最後のアイテム!
コレはRhinoのコンピレーションで、『The World's Worst Records!(世界最悪のレコードたち)』というタイトルが付けられている。
いいんかいな、こんなの。
ゴソッとシングル盤が捨てられているのはいいけど、ゴミに出している人が防菌服まで着てる!
そこまでヒドイレコードっていったい…。

Img_0426それだけじゃなくて、ナントこのLP、裏面には汚物入れまで付属しているのである!
「警告:このLPを聴くと気分を悪くする恐れがあります。体質の弱い方はこちらの袋をお使いください」…と袋に書いてある!
ヒドすぎない?
ココまで言われるとどんなもんか聴きたくなってくるから不思議だ。
ちなみに収録されてしまっているバンドは;The Novas, Edith Massey, Jimmy Cross, Heathen Dan, The Temple City, Kazoo Orchestra, Gloria Balsam, The Legendary, Stardust Cowboy, The Seven Stooges, Barnes & Barnes, Ogden Edsl, Johnny Meeskite, The Breakers…全部知らんわ。
他にThe TurtlesとWild Man Fischerというザッパ関連の人の音源が入ってる。
このふたつは知ってる。
で、聴いてみた。
そんなに悪くないよ。
モノによってはThe Shaggsが「1年間練習して来ました!」みたいのもあるけど、巷間にあふれているどこを切っても同じ「ひと山いくら」のロックよりはオリジナリティに飛んでいてはるかにオモシロい。
私にはこの汚物入れは全く不要だった。

Img_0429 

さて、締めくくりは立体&特殊ジャケットの展示のご紹介。Img_0440  
● PINK FLOYD / WISH YOU WERE HERE [COLUMBIA 1975]
2011年秋に全作品の音源をデジタル・リマスターし、ストーム・トーガソン(ヒプノシス)の手によってアートワークも一新させて話題となったピンク・フロイドの9作目。
ジャケットを包み込んだ濃紺のビニールが当時かなり話題になったが、炎に包まれた男をモチーフにしたフロント・カヴァーもかなり衝撃的なデザインだ。
Img_0269 
● CURVED AIR / AIR CONDITIONING, SECOND ALBUM (WARNER BROS.1970, 1971)
このバンドをはじめて聴いた時は驚いたナァ…「こんなんあるんだ?!」って。
曲もヴァイオリンもカッコいいのにソーニャ・クリスティーナの声がやさしすぎてズルっと来たのも覚えている。
そんなソーニャが後年のライブではノドが痛くなるのでは?と心配になるほどの迫力ある声でこれまた驚いた。
とにかく曲がいいんだよね、このバンド。
Curved Airのデビュー作は透明なビニールに収められた両面ピクチャー・ディスクを再現している。
コレは私も買った。
2作目の『Phantasmagoria』は特殊なヌキ型でのポスター・ジャケットを再現しており、彼等の華麗な音楽性を見事に表現したアートワークになってる。
パステル調の見た目のやさしさも心地よい。

Img_0271 
● PATTO / HOLD YOUR FIRE [VERTIGO 1971]
Patto大好き!オリーが大好きだからね。
だからBoxerも好き。
日本のロック・ファンもツェッペリンやパープルだじゃなくてこういうのをもっと聴くようになればいいのにね…って40年近く前に解散したバンドだっちゅーの。
パトゥの2作目となる『Hold Your Fire』。

Img_0273ロジャー・ディーンのイラスト・デザインによるフロント・カヴァーには2箇所に切り込み線が入っており、これを切り取って開けるとその下の絵柄との組み合わせで様々なキャラクターが出現してくるという凝った仕掛けになっている。Img_0272 
● THE WHO / LIVE AT LEEDS - DELUXE EDITION] [POLYDOR 1970]
英国が誇る最強のビート・バンドの最強のライヴ盤。
The Whoが一番いい頃ころだよね。
曲も演奏も楽器の音色もアートも、すべてが素晴らしい。
2012年にイギリスに行った時、このアルバムの現場を訪れようとリーズ大学に行こうと思ったんだけど、現地の人から「リーズは開発が進んでしまって昔と街のようすが変わってしまいオモシロクないよ」と言われて行くのを諦めた。

Img_0274
このアルバムだったっけか?
何かのライブでMCがピートに「どこから来たの?」尋ねると「ロンドン」と答える。
今度は「ロンドン?どこ?(London, where?)」と訊くと「イギリスさ」とピートが答える。
いかにもピートらしい受け答えだわ。
Img_0275オリジナル盤に同梱された当時の契約書やレコーディング・シートのレプリカなど、多くの付属物を忠実に復刻している。
特にこの日本企画盤では、各国でリリースされたレアなデザインのデフ・ジャケットも同梱されていることも注目すべき点のひとつだ。
Img_0277 
● DR. Z / THREE PARTS TO MY SOUL [VERTIGO 1971]
イギリス出身のキーボーズをメインとした3人組のプログレッシブ・ロック・バンド。
「魂(ハート)」を題材にしたコンセプト・アルバムで、彼等が出した唯一のアルバム。
通称「観音開き」と呼ばれる変形ジャケットだが、ハート型の切り抜きの難易度は高い。
オリジナル盤は内容の素晴らしさと反比例して売れず、今やメガ・レア・アイテムとなっている。「DR.Z」か…どっかで聞いた名前だ。

Img_0279
● BOB MARLEY & THE WAILERS / CATCH A FIRE [ ISLAND 1975]
3作目。
アルバム・タイトルに因んで、ライターを模したギミックものになった。
ライターのヌキ型はこのためだけに使用するもので、紙ジャケの制作費はこのヌキ型による製版代がかさむ。
これこそがギミック・ジャケットの最大の醍醐味にもなっているのだ。

Img_0285 

● BMG ITALIAN ROCK PAPER SLEEVE COLLECTION
雑誌『ストレンジ・デイズ』は各社で数多くの紙ジャケットを監修しているが、その中でも極めてギミック度の高いものがこのシリーズだ。
金属製のメダルが添付されたもの、トイレの便器を模したもの、グラスがくり抜かれたもの、特殊変形のブックレット・ジャケット、複雑に切り抜かれたものなど、驚愕すべきものばかりだ。

Img_0286Banco Del Mutuo Soccorso(バンコ・デル・ムッツオ・ソッコルソ)の『Io sono nato libero』ももともとはこんなに凝ったつくりになっていた。Img_0289私が持っているのはただのデジパックのオモシロクも何ともないヤツ。
ナンカ恥ずかしいナ…。

Banco  

● LED ZEPPELIN / PHYSICAL GRAFFITI, IN THROUGH THE OUT DOOR [SWAN SONG 1975, 1979]
ツェッペリンといえば、3作目の回転ジャケットが有名だが、この6作目もインナー・スリーヴと連動させて絵柄が変化するギミック・ジャケットだ。
9作目はヒプノシスのデザインによる6つの異なるアングルから撮った6種類の異なるジャケットが発売されて、当時かなり話題を集めたがマニア泣かせの企画だ。
しかも以前書いたように『In Through the Out Door』は内容が内容だけに6種類全部集まるのは地獄とされる。

Img_0290 

● TUDOR LODGE / TUDOR LODGE ( VERTIGO 1971)
メロウ・キャンドル、スパイロジャイラと並ぶ3大ブリティッシュ・プログレッシヴ・フォークのひとつであるチューダー・ロッジのデビュー作は、変形カットされた6面見開きのポスター・ジャケット。

Img_0292この仕様もさることながら、独自の波目模様のテクスチャー紙そのものも非常に特殊なもので、これも見事に再現されている。

Img_0294 

● JETHRO TULL / STAND UP, THICK AS A BRICK (CHRYSALIS 1969, 1972)
ブリティッシュ・ロックの至宝、Jethro Tullの作品にもいいジャケットが揃っている。
5作目の『Thick as a Brick』は、タブロイド新聞を模したもの。
記事は勿論のこと、パズルや広告までもが全てこのアルバムのために作られた架空のもの。
何という凝りよう!
こういうところがいかにもタルらしくてまた好きになる。
私もLPとCDともに所有しているが、写真はライブ・トラックが追加されたCD。
LPジャケットと同じ新聞が折りたたまれて挿入されている。
このA面B面合わせて1曲のこのアルバム、本当に大好きで相当聴いた。
『Thick as a Brick』は「マヌケ」とか「トンマ」みたいな意味で、実際に英語圏の人がこの言葉を口にしているのを聴いたことは1回しかない。
そういえば、最近、facebookでこのアルバムの歌詞が本当にジェラルド・ボストックという少年が書いたと思い込んでいる素直な人の投稿を目にした。
コレはイアン・アンダーソンのシャレですよ~!Img_0295『Stand Up』はそのままにジャケットを左右に開くメンバー4人が起き上がるというポップアップ・ジャケットの代表格。
要するに飛び出す絵本。
昔、国内盤はこうなっていなくて、どうしてもこの仕様のモノが欲しくて輸入盤を買った記憶がある。
それは40年以上経った今でもチャンとウチのレコード棚に収まっています。Img_0296 

● FAUST / FAUST [POLYDOR 1971]
サウンド・コラージュやカット・アップなどの技法を駆使したドイツの音響派を代表するファウストのデビュー作は、ジャケット自体が紙ではなくクリア・ビニールで作られた極めて特殊なギミック・ジャケット。
この初回限定生産のアナログでは、ディスクそのものも透明なクリア・ヴィニールとなっていた。
こういうの受け付けないんだよね~。
何がおもしろいんだかわからない。
ドイツ系のロックって苦手なんだよね。
タンジェリン・ドリーム、クラフトワーク、グルグル、カン、アモン・デュール、ノイ、アシュ・ラ・テンぺル…みんなノーコメント。
でもね、このファウストのファースト・アルバムのCDだけは持ってんのよね。
ジャケット欲しさに買っちゃったの。
といってもフルで投資するのはイヤだったのでサービス券たくさん使った。

Img_0298 

● THE BUNCH / ROCK ON [ISLAND 1972]
Fairport Convention人脈の錚々たるメンバーが集まって制作されたR&R / C&Wのカヴァー・セッション・アルバム。
ジャケットがレコード・プレイヤーになったものは『Halfbreed』で知られているが、その双璧となるのが本作で、オリジナル盤ではミニ・サイズのシングルがジャケットの切り込みに挟まっているという逸品。
ようやるわ~!こういうのは非常に楽しいね~。
それにしても紙ジャケの一番いいところって、プラケースより薄い分場所を取らないことだったりして…。

Img_0300_2
ハイ、今回はコレでおしまい。
書いた~。
何点か削ったアイテムもあったけど。10年前に書いた時の倍ぐらいのボリュームになったかな?
冒頭に書いた通り、現在ではジャケットを鑑賞するだけでなく、内容まで容易にチェックできるようになったので書いていてとても楽しかったし、たくさんの新しい発見をさせて頂いた。
こういう機会でもないとたくさんの未知の音楽に出会うことなんてことがないからね。
 
さて、このミュージック・ジャケット・ギャラリー、現在はコロナの関係で休業しているが、間もなく再開を予定しているということなので、レコード・ジャケットにご興味のある方はウェブサイトで情報を探りつつお足を運んで頂きたい。

詳しい情報はコチラ⇒【金羊社】 MJG ミュージックジャケットギャラリー 常設展

7img_0241
さて、最後に…。
このレコード・ジャケットを提供しているのは日本屈指のコレクター、植村和紀さん。
何度かMarshall Blogにも直接ご登場頂いてきた。

植村さんのコレクションの情報はコチラ⇒The Amazing Uemura Collection~Music Jacket Galleryの源

7mr_uemura
その植村さんが西荻窪で経営されているカフェがその名もズバリの『MUSIC JACKET GALLERY』。
時折ココでしか聴けないライブも開催している最高の音楽空間。
やさしい植村さんが笑顔で迎えてくれます。
音楽好きの方はゼヒお立ち寄りください!
 
MUSIC JACKET GALLEYの詳しい情報はコチラ⇒公式Twitter

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2021年10月27日 (水)

ミュージック・ジャケット・ギャラリー ~ コミック・ジャケット・コレクション <vol.3>


§3
「コミック・ジャケット特集」、今回はいつもより書きたくなることがベラボーに多くて自分でも驚いておりますが…それでは3番目のセクションへ移りましょう。
ようやくココで真ん中。
でも大丈夫、後半はだんだんシンドくなって取り上げるアイテム数が減少するのが普通だから。

Img_0243

『Sgt. Peppers~』同様、いったい『Abbey Road』はどれくらい作品でパロディのネタになっているのだろう。
ビートルズへのリスペクトを感じさせるモノからその反対まで…。

例えば、コレはBooker T and MG'sの『McLemore Avenue』。
アルバムのタイトルになっているこの「マクレモア通り」はBooker Tの地元のメンフィスにある通りの名前。
コリャ低予算だわ。
それでもホンモノよろしく、チャンと脚立に乗って上から撮影しているじゃん。7btmgコレなんか人すら出てこない。
マンドリンがジョン、バンジョーがリンゴ、ウッドベースがポール、ギターがジョージという役回り。
『Pickin' on the Beatles』というThe Pickin' on Pickersなるナッシュビルのブルーグラス・チームが展開しているシリーズ物のウチのひとつ。
コレ、BGMにはいいですよ。
このシリーズ、いい度胸していて普通のブルーグラスはもちろん、Led ZeppelinからLynard Skynyrdまで何でもありなの。
「ブルーグラス」と言っても、どれもほとんどニータカしていなくて、ブルーグラスの楽器を使ってホンモノに近いアレンジで演奏することを標榜している感じ。
「Black Dog」なんてなかなかのモンですよ。
コレはコレでゼンゼンあり。

Ppコレは昔よく聴いた。
ジョージ・ベンソンの1970年の『The Other Side of Abbey Road』。
コレでもアビィ・ロードのつもり。
撮影したのはマンハッタンの東53丁目だそうだ。
「西52丁目」と来ればセロニアス・モンクが「52nd Street Theme」という曲を残したぐらい、1950年代辺りまでは「ジャズ・ストリート」としてにぎわったが、それは意識していないでしょうね。
その52丁目、20年近く前に行ってみたけど、「ジャズ」の「ジ」の字も残っていなかった。

7gbar コレ知ってる?
The King's Singersの『The Beatles Connection』。
メッチャ気に入ってCDを買ってしまった。
The King's Singersというのは1968年にケンブリッジ大学の学生を中心に結成した声楽グループ。
日本で言えば慶応のダークダックスとか早稲田のボニー・ジャックスみたいなもんですな。
といっても、ただのコーラスではなくて、完全ア・カペラで、楽器の音も声で出しちゃうヤツ。
しかし、ソ連の鍬や太陽やカエルが『アビィ・ロード』とどう関係しているのかがわからんな。
Ksbc このレッチリのEPはどっちだろう?
レッチリなりのリスペクトか?
1988年の『Abbey Road E.P.』という5曲入りEP盤。
上の3枚とは違ってチャンとアビィ・ロードで撮影している。
ところが…ココはかなり交通量が多いところ。
光の加減から察するに、早朝やって来て車の中で服を脱いで、ソックスを局部に装着してサササと撮っちゃったんだろうな。
本物はイアン・マクミランというカメラマンが脚立に乗って横断歩道を往復する4人を往き返りそれぞれ3枚ずつ計6枚撮影し、歩調が合っていた5枚目の写真を選んだ。
そもそもロンドンの街中でこんな格好をしていたら捕まっちゃうのではないだろうか?
だから「それ急げ!」と、脚立などに乗らず急いで普通に地面から撮ったのだろう。
レッチリ、どうしてるんだろうね?Img_0370この横断歩道には信号はない。
コレは日本と同じ地面にシマシマの模様が描かれた「ゼブラ・クロッシング」と呼ばれる横断歩道で、渡り始めている人がいる場合は車は必ず止まらなければならない。
日中は観光客がひっきりなしに渡っているので、ココを通過する車のドライバーはさぞかしイライラするだろうな、といつも見ていて思う。
70r4a0025シマウマとは別に「ペリカン・クロッシング」という横断歩道もある。
「ペリカン」といってもペリカンの絵が描いてあるワケではなくて、「PEdestrial LIght COntroled」
の略称で歩道の両側に点々の模様が施してある。
すなわち「歩行者用信号制御装置付き横断歩道」のことで、簡単に言えば「押しボタン式」ということ。
ロンドンの街中は圧倒的にこちらのタイプが多い。
でもね、場所や状況にもよるけど向こうの人って、通りを渡ろうとしている人を見かけると自主的に止まってくれる車が日本に比べるとゼンゼン多いと思う。22 レッチリのジャケット写真の左奥に見えているのはこの建物。
70r4a00672年前に行って驚いたんだけど、アビィ・ロードの土産物店になっていた。
昔はこんなのなかったのよ。
お店のようすはコチラをどうぞ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】vol.36~The Beatles was here! <後編>
70r4a0070 
ベット・ミドラー、1976年の『Songs for the New Depression』。
シナトラで有名な「Stranger in the Night」で幕を開ける3枚目のアルバムはボブ・ディランやルーサー・ヴァンドロスとの共演を含む豪華盤。
参加ミュージシャンはブレッカー兄弟をはじめとしたガッド、スピノザといったスタジオ常連さんからミルト・ヒントン、トッド、リック・デリンジャー、さらにトッドが連れて行ったのか、ジョン・ウィルコックスまで参加している。
でも、ですね…私は何かベット・ミドラーってダメなんだよな。
ジャケットがカッコいいこともあって初期のアルバムは何枚かは持っているんだけど、まず聴くことはない。
なんか、みんなで寄ってたかってイジりまくって豪華に作り上げるところが「総花的」というか、却って中途半端でチープな感じに聴こえちゃうんだよね~。
ファンの方ゴメンなさい。
私にはベットが「ジャズ歌手」というアタマがあるからかも知れない。
「女優で歌手」という観点でライザ・ミネリみたいに捉えればいいんだろうけど…でもライザはバッチリと「ジャズ」感を醸し出しているもんね。
でも上に書いた通り、この次のアルバムぐらいまでのジャケットはすごくステキ。
このアルバム、「新しき不況への歌たち」なんてタイトルになってる。
ホームレスっぽい格好をしたベットが壁に貼られた「BETTE MIDLER」にヒゲのイタズラ描きをしたところ。
どういうことか考えた。
「C.TRUCKING」と縦書きで書いてある。
コレ自体の意味はわからないけど、「Trucking」というのは「物々交換」という意味がある。
勝手な想像なんだけど、不況でモノがないからそうした「闇市」のような「交換所」ができてい
る…。
壁でベットが扮しているのは政治家…。
ホームレスのベットはその悪政が引き起こす不況にハラを立てて政治家の写真にヒゲのイタズラ描きをした…。
そのヒゲは「レーニン」のヒゲ!
…ということなのかしらん?
コレを考えて調べるだけで1時間…時間がかかるのよ、このシリーズは。

Bette 今回コレを書くのに久しぶりにアルバムを聴いてみた。
SHOW-YAの寺田恵子さんはベットが歌った「Rose」をいうバラードを時々歌うんだけど、かなりベットのことを研究していると観た。
曲によって歌い方がビックリするほどソックリなんだよね。
私も10年以上目の前で恵子さんの生歌を聴いてきたけど、コレは大きな発見だった。
「寺田恵子」ほどの大歌手ゆえ、完全にベットのスタイルを自家薬籠中のモノにして自分のスタイルに消化しいらっしゃるんだけどね。

7s41a0226 
Henry Grossはアメリカのシンガーソングライターで、Sha Na Naの活動で名が知られている。
何せギターのオリジナル・メンバーなのだ。
この人は1951年の生まれ。Sha Na Naのデビューが69年なので18歳の時に参加したことになる。
ま、昔はそんなもんか。
久しぶりに『ウッドストック』のSha Na Naを観てみよう。
 (間)
セミアコを持って暴れている眼鏡の人がヘンリー・グロスなのか…。
次に出て来るジミ・ヘンドリックスのMarshallがステージの後ろにそびえている方にどうしても目が行ってしまうな。
 
1976年、友人のThe Beach Boysのカール・ウィルソンが飼っていた「シャノン」という愛犬が死んだ時に作った曲「Shannon」がヒットしているらしい。
このヒットのおかげでヘンリー・グロスは「ワン・ヒット・ワンダー・アーティスト」の仲間入りを果たした。
「One-hit wonder」というのは「一発屋」のことね。
でも、コピーやカバーよりはるかに一発屋の方が素晴らしい。
The Knackは「My Sharona」で、舟木一夫は「高校三年生」で、永遠にその名前を残すことになったでしょ?
コピーじゃ何も残らない。
それだけ「創る」というのは偉大なことなのだ。
 
そして下はそんなOne-hit Wonderアーティストが1981年に発表した『What's in a Name』というアルバム。
1曲目の「That Someone」という曲…中間部でドラムスが突然グワ~っと前に出て来るんよ。
カッコいいんよ。
誰が叩いているのかと思ったらテリー・ボジオでやがんの。
1981年というとMissing Personsをやってた頃か。
サウンドとしては人畜無害のポップ・チューンが並んでいるけど、テリーの他にもドラムスはエド・グリーンだの、ジェフ・ポーカロだのがプレイしていて、他にもヒュー・マクラッケンやらポリーニヨ・ダ・コスタやらの名前がクレジットされている。
ま、「当時のスタジオ・ミュージシャンが参加している」とくくってしまえばそれまでか。
1曲だけピーター・ウルフがキーボーズを担当しているのが気になるけど…。
それと「Better Now We're Friends」という曲ではチャカ・カーンとデュエットしている…ということが当時話題になったのか私は知らない。
 
ジャケットはシンプルな人文字。
すごく良く出来ていると思わない?

Img_0371よっぽどお気に召したのか、裏ジャケットもほぼ同じ。

Img_0372 

Brainstorm?…ゼンゼン知らんな。
1972年のデビュー作『Smile a While』。
コレが「1970年代にもっとも才気を表したドイツのプログレッシブ・ロック・グループ」だっていうんだけど…。
このジャケットでか?
例えて言うなら「Soft MachineやCaravan系のサウンドのバカテク・ジャズロック」なんだって!
このジャケットでか?
お!Spotifyにこのアルバムがあるではないの!
さっそく聴いてみる。
……………オイ、チョット待てよ!
メチャクチャかっこいいではありませんか!
このジャケットでか?
 
1968年、バーデンバーデンで結成され、当初は「Fashion Pink」というバンド名だったらしい。
コレはコレでまた趣味が悪いバンド名だな。
それでデビューするに際し「Brainstorm」に改名したそうな。
ジャズをベースにした高い音楽性と豊かな演奏能力でドイツ国内で人気を博し、テレビやラジオにも頻出してそれなりに名前が通っていたらしい。
知らんわ。
 
どんな調子か…
1曲目は4ビートのワルツでザッパの「King Kong」を思わせる。
2曲目も4ビートで5/4、6/4、7/4拍子をつなげた曲だったりする。
結局、コレもSoft Machineというよりザッパっぽいな、イヤ、Soft Machineっぽいフレーズも出て来て実に面白い。
3曲目は早いテンポのボサノバ。
ボーカルズが決してウマくはないんだけど、これまたヘンにロバート・ワイアットを連想させるのよ。
4曲目は5/4拍子のフォービート。
このサックスの人、テナーもフルートもこなしているけど、ソプラノが一番いい。音も太いし。
5曲目は「Snakeskin Tango」…タンゴだって。
1小節だけ典型的なタンゴのフレーズが出て来る以外は全くタンゴではない、6/4拍子のストレートなエイトビート・ナンバー。いよいよザッパっぽいナ。
またまた7/4拍子でおっぱじまるのが15分の大曲、アルバムのタイトル・チューン「Smile a While」。
…と、インスト主体の濃い~ジャズ・ロックが詰め込まれている。
このバンドはこの後、2枚目の『Second Smile』、『Last Smile』というライブ・アルバムをリリースして1975年に解散した。
微笑んでお別れしたのかは定かではない。
お隣の国だとフランスだとMagmaやZAOや後期のGongみたいなのがいてそれなりに「フランスのジャズ・ロック」というイメージがあるんだけど、私なんか「ドイツ」というとFaustとかTangerine Dreamとかみたいなチームの印象が強く、こういうバンドがドイツにいたというのが結構オドロキ。
 
これならCDを買ってもいいな…と思ったけどヤメた。
高ェんだもん。
ジャケットもコレだし。
 
ちなみに今でも「Brainstorm」というバンドがドイツにいるようだけど、そちらはヘビメタだそうで…お間違いなきよう。

Img_0373 
まだCDを毎月30~40枚ぐらい買っていた頃のパット・トラヴァースの話。
ないんですよ…。
下の『Heat in the Street』と『Live! Go for What You Know』はやたらとよく見かけるんだけど、『Pat travers』、『Makin' Magic』、『Putting It Straight』の3枚を見かけないのよ。
と言っても私は決して熱心なトラヴァース・ファンではなくて、ライブ・アルバムまで聴いて卒業してるんだけどね。
でもポール・ギルバートなんかはものスゴい「パット好き」だよね。
実際に「Snortin' Whisky」とかライブで演ってるし。
以前、単身で来日した時に開演前に楽屋で話をしていて、パット・トラヴァースの話題になった。
「パット・トラヴァースだったら”Gettin' Betta”が好き」と言ったら間髪入れず弾いてくれて、「僕とヌーノがいっしょに演っているのがYouTubeに上がってるよ!」とニコニコしながら教えてくれた。
 
そんなポールも崇拝するパットなんだけど、地元のカナダの人と話をして驚いた。
こんな感じ…
「Steppenwolf、Guess Who、BTO、Triumph、ジョニ・ミッチェル、ニール・ヤング、ザ・バンドの4/5…カナダもすごいミュージシャンをたくさん出してますもんね」
「Rushとかね」
「あ、パット・トラヴァースもそうだ!」
「ん?それって誰だっけ?」
「え?知ってるでしょ?あの『Makin' Magic』とか…」
「おお!ブンブンのことか”!ブンブンね」
パット・トラヴァースがカナダでは「ブンブン」で片づけられているのを知ってちょっとショックだった。
マギー・ミネンコと同じレベルだったのか!7bun2 さて、この『Heat in the Street』もよくある表裏ストーリーもの。
あんまり暑いんでパーキング・メーターで日光浴。
それを見つけたオマワリさんが「オイオイ、そんなところで日光浴なんかしたら車が停められないじゃないか。
ったくボンボンベッドまで出しちゃって…一体君たちはナニを考えているんだね!?」 
すると…

Img_0374「イエ~!マァ、いいじゃないの!オマワリさんもいっしょに楽しんじゃおうよ~!」
「デへへ、それもそうだな、バンドのみなさん!こんなに暑いんじゃ仕事もやってらんないもんね!これがロケンロールってヤツかい?」みたいな…。
婦警さんが親切にサンオイルまで塗ってくれている。
 
カナダの気候…こんなこともあった。
もう1人のカナダの友人曰く「シゲ、カナダは寒いだろ?だから春の訪れが待ち遠しいんだ。
だから春が来て、暖かくなり始めて気温が5℃になると家の窓はすべて開け放つんだ」
「エエエエ~!5℃で!?」
それを聞いてビックリした。
何年かしてその彼とこの話をしたところ…「デヘヘ…シゲ、ゴメン。アレはウソだよ。さすがに5℃は我々だって寒いわ!」だって。
それでもMarshallの会議で私が厚手のセーターを着ている時、彼らは半袖短パンです。

Img_0375

このアルバムを好きな人ってどれぐらいいるんだろう?
私はそのウチのひとり。
その中でこのジャケットが好きでない人はどれぐらいいるんだろう?
私はそのウチのひとり。
なんだってこんなジャケットにしちゃったんだろう?
酔拳か?
あまりにも変でしょう?
コレ、ジャケットから想像することは困難極まりないけどエライカッコいいんだぜ!
…と、10年前に書いた。
今はもうメッキリこの手の音楽を聴かなくなってしまった。
 
スコット・ヘンダーソンはスゴイよ。
このジャケットのおじいさんよりよっぽど仙人なの…完全な「ギター仙人」。
大分前の話だが、雑誌の付録DVDにスコットが登場したことがあった。
私は幸運にもその収録の機会に居合わせることができた。
彼は「1959を使っている」と言っていたけど、その時は私が持って行っていたJCM2000 TSL100を弾いてくれた。
スコットはクリニックで使うのであろうオリジナルのバッキング・トラックを持参していた。
ミディアムテンポの「A」のブルースだった。
撮影の準備が整い、いよいよ演奏がスタート。
チョワ~!カッコよすぎる!
ナニ、このフレーズ!ナニこのソロ!
すっかり聴き入ってしまい、「ああ~さすがだな、やっぱり1テイクでキメルんだな、スーパー・ギタリストは。トホホ、もうちょっと聴きたかったナ」…なんて思いながら5コーラスほど進んだ辺りであろうか、ギターの音がピタリと止んだ。
「エ、どしたの?」とステージのスコットを見ると欧米人がよくやる肩をすぼめる仕草をしている。
一体ナニがお気に召さなくて彼が演奏をストップしたかサッパリわからなかったが、「しめしめ、またスゴイ演奏が聴けるゾ!」と喜んだ。
気を取り直してテイク2。
またしても出て来る、出て来る、すごいフレーズ!
ク~、たまらん!
さっきよりいいフレーズが出てる!
よく「ファースト・テイクが一番」とか言うけど、やり直すとよくなる人もいるんだな…。
ところが…今度は3コーラスぐらい進んだところでまたピタリとギターを弾くのを止めてしまった。ん~、また何か気に入らなかったんだな。
やっぱ違うわ、完全主義者は。
さあ、もう1回!
テイク3が始まる。
すさまじいプレイ!手に汗握る奇抜なフレーズの連続!
今度こそキマッタな…と最終コーラスに差し掛かったところでまたピタリ。
「ウソ!ウソでしょ?今のOKしないでどうすんのよ!」と思いつつ取り直し。
テイク4もダメ、テイク5はしくじった…、テイク6も気に入らない、テイク7もちょっとマズイのか…。
オイオイ、こりゃ一体どうなっっちゃうのよ!
果たしてどれぐらいの時間が経ったのだろうか…仙人のやることはワカラン。
OKが出たのは録りも録ったり、何と31テイク目だった。
スタッフげんなり。
一応スコットの名誉のために書き記しておくが、その31回に及んだ「A」のブルースのアドリブ・ソロは、すべてのテイクが独創性に満ち溢れたもので、どれがOKテイクに選ばれても誰からも文句が出ようのない素晴らしいものだった。
次から次へと繰り出される驚異のフレーズは、両刃のカミソリを力いっぱい握りしめたかのような鋭さで、滅多にお目にかかれないプレイに接することが出来て幸せだった。

Img_0376 

またまた出ましたおバカジャケット。
ドニ―・アイリス(Donnie Iris)という人。
一瞬バディ・ホリーかと思った。
知らないナァ…で、調べてみると70年代にThe JaggerzとWild Cherryというバンドで活躍したアメリカのミュージシャン。
The Jaggerz時代には「The Rapper」という曲でBillboardの第2位を獲得している。
ソロになってからは80年代に5枚のソロ・アルバムを発表していて、この『Back on the Streets』は1980年にリリースした最初のソロ・アルバムだ。
この人、日本では有名なのかしらん?
私はまったく知りません。
音を聴いてみると70年代の要素を少々残した80年代のポップなアメリカン・ハードロックという感じ?Img_0378  
それでは4番目のセクションに移動しま~す。
こっから先は結構早いから。

Img_0244§4-a
まずは上段の展示のご紹介。Img_0247 
今回ブロウアップされたニール・メリーウェザーの1975年の作品『Kryptonite』。
この人もカナダのシンガー、ベーシスト、ソングライターで、スティーブ・ミラー、デイヴ・メイスン、ウィルソン・ピケットらとの共演経験があるそうだ。
ジャケットのデザインもNeil自身で、イラストはアメリカのドン・リコという人。
スーパーマンの故郷である「惑星クリプトン」が爆発して砕け散った時の残骸がこのアルバムのタイトルの『クリプトナイト』。
だからスーパーマンの格好をしているワケね。
このクリプトナイトの前では、スーパーマンは力を吸い取られてしまうのだそうだ…知らんがな。Img_0379ジャケットはこんなだけど、中身はバッチリよ。
ツボを得たややポップなハードロックとでもいいましょうか。
メリウェザーの歌声がいいの。
メロトロンが笑っちゃうぐらい活躍していて、「オイオイ、そんなに無茶すんな!」と声をかけたくなるぐらいの速弾きギターが詰め込まれている。
ギターはマイケル・ウィリスという人。
調べたけどどんな人かわからなかった。
コレ、5曲目の「The Groove」なんていい曲だよ~。
ルックスもいい感じではありませんか!
7img_0380アルバム1枚さかのぼって…コチラは『Kryptonite』の前年の1974年に発表された『Space Rangers』。
これもジャケットのデザインはニール自身。
イラストはジョン・ウルフという人。
上のアルバムと連作になっているんだな。Img_0383コチラもなかなかいいのよ。
こっちもメロトロンがすごい!
こんなに使ったら壊れちゃうぞ!
若い頃に聴いていたらかなりノメリ込んでいたかも…。
ドノヴァンの「Sunshine Superman」を取り上げている。
メリーウェザーは今年の3月に76歳で亡くなったそうだ。

7img_0382ドノヴァンの「Sunshine Superman」って1966年の全米No.1の大ヒット曲なんだけど、ナンでそんなにウケだんだろう?
ごく普通の24小節のブルースだもんね。
もちろんレコーディングにジミー・ペイジとジョン・ポール・ジョーンズが参加していることは関係ない。
ナンカこう、時代の雰囲気にマッチしていたんだろうね?…そうなのかな?
ジョン・キャメロンとスパイク・ハートリーという2人のイギリスのジャズミュージシャンが編曲を担当したそうな。
そしたら、ジャズで「Sunshine Superman」といったらコレ。
盲目のアルト・サックス奏者の1970年の『Consciousness!』というアルバム。
ジャック・ディジョネットが叩く7/4拍子に乗って演奏が展開する。
ピアノはチック・コリア。
パット・マルティーノのギター・ソロが聴きたくて大学の時に数寄屋橋のハンターで探し出して買ったもんです。
カッコいいです。E2k 
ニュージーランドのバンドってこのSplit Enzしか知らない。
1973年に結成し、母国でシングルを出すなどして活動していたが1974年にお隣のオーストラリアに拠点を移した。
ニュージーランドって国土が日本の3/4の広さで、人口は1/26…たったの500万人しかいない。
コレじゃ商売にならんわね。
オーストラリアでFlo & Eddie、ルー・リード、Roxy Musicの前座をやったりしてキャリアを積み、1975年にこのファースト・アルバム『Mental Notes』をリリースした。
そんな関係でセカンド・アルバムの『Second Thoughts』はフィル・マンザネラがプロデュースしている。
 
このバンドが出て来た時は「ナンダ、変な格好をした連中だな」とチョット気にはなったけど、レコードを買ったことはなかった。
つまり、このバンドの音楽をジックリ聴いたことがなかった。

Img_0384大分後になって買ったのが同じアルバムのオーストラリア盤CD。
私はこういう色んな要素を見境なくジャンジャン放り込んで作った音楽が好きなんです。
Roxy MusicとSparksと10ccが温泉に浸かってスッカリ湯疲れしてしまったような感じ?
ジャケットもいいし。
何やら「ゾンビご一行様」の社内旅行みたいだけど、中身はとてもビューティフルだ。
そのフィル・マンザネラがプロデュースしたセカンド・アルバムは聴いたことがないんだけど、最も売れたという1980年の『True Colours』と、1984年の『See ya 'Round』というアルバムも買って聴いてみた。
残念ながらそれは私が好きな『Mental Notes』のSprit Enzではなかった。
それでSprit Enzとはスプリットしてエンド。Sez 

1975年の『Midnight Band : The First Minute of a New Day』というギル・スコット・ヘロンとブライアン・ジャクソンの双頭アルバム。
…と言っても、こうした黒人音楽を聴かない私はお二方とも存知上げなかった。
そして4年前、ギル・スコット・ヘロンを知った。
それはこの人の「Lady Day and John Coltrane」という曲から。
「Lady Day」というのはビリー・ホリデイのニックネーム。
「ビリー・ホリデイとジョン・コルトレーンを聴けば落ち込んだ気分も吹っ飛ぶぜ」みたいな曲。
ジャズを聴いている人であれば「ウッソだろ~!」と思うのが当たり前だろう。
一種のギャグなのだろうか?
「明るいビリー・ホリデイと楽しいジョン・コルトレーン」…それとも外人得意の撞着なのか?
1971年の音源を聴くと、レディ・デイともトレーンとも全く関係のないようなゴキゲンなエイトビート・ナンバー。
何しろリズム隊が素晴らしい、と思ってクレジットをチェックすると、ドラムスはバーナード・パーディ。
なるほど。
してベースは?と、ベーシストの名前を見てビックリ!
ロン・カーターなのよ!
エレキ・ベースなのよ!
ちょっと、アータ、3年前にエレキ・ベースを弾くのがイヤで『Filles de Kilimanjaro(キリマンジャロの娘)』を最後にマイルス・デイヴィスのコンボや辞めたんじゃなかったのッ?
スイマセン、この項他には書くことなし。
 
ジャケットはゴリラの「エマニエル夫人」?

Img_0386ひとつだけ書いておきたいのは、どうしてこの「Lady Day and John Coltrane」という曲を知ったのかについて…。
それは4年前、日本を代表するベーシスト、伊藤広規さんのバンド、KOKI TETRAGONのライブ・アルバム『 The Classy Rock GIG at Yokohama STORMY MONDAY』を通じてのことだった。
光栄にも写真とライナーノーツの執筆を担当させて頂いたのはいいが、「ギル・スコット・ヘロン」なんて初めて聞く名前だったので、勉強させて頂いた…というワケ。Kotet 
また知らないのが出て来たよ。
ロジャー"ディーク"・レナード(Roger "Deke" Leonard)はManのメンバーだったり、なかったり。
要するに出たり入ったり。
Icebergという自分のバンドで 活動したり、しなかったり。
Manというのは古い南ウェールズ出身のバンドで、1968年にデビューしている。
どんな音楽を演っていた(いる、現在も活動中)かというと、ウエスト・コースト・サイケ、プログレッシブ・ロック、ブルース、カントリー・ロックの混合だっていうんだよね。
ゴチャゴチャすぎるでしょう。
私も何枚か持っているけど、確かに「どういうバンド?」と訊かれて即座に形容するのはムズカシイかもしれない…というよりかなり印象が薄い。
日本での知名度はどうなんだろう?
名前は知っていても音は聴いたことないという人が多いような気がするな。
そんなだからこのアルバムも聴いたことない。
ジャケットの写真はランボーよろしく武装したディークがパラシュートでで着地したところ。
それだけで「神風」らしい。
このオッサン、「神風特別攻撃隊」のことを知らないな?

参加ミュージシャンのクレジットを見てピント来る人はいないが、3曲目の「Sharpened Clows」という曲でゴキゲンなフィドルが大フィーチュアされるバイロン・バーラインというフィドラーは「ブルーグラスにロックの要素を持ち込んだ」ことで知られる人。
珍しい…歴史の浅いロックの場合、普通コレの反対なんだけどね。
「ロックにブルーグラスの要素を取り込んだ」っていうようなのはよくある話。
そっちの方も盛んで、The Rolling Stonesの「Country Honk」や「Honky Tonk Women」のヴァイオリンはこの人が弾いている。
他にもボブ・ディラン、エルトン・ジョン、ロッド・スチュワート、The Band 、The Byrds、The Flying Burrito Brothes 等々との音源も残している。
要するに売れっ子だったのね?
残念ながら今年の7月に亡くなってしまった。

Img_0387イギリスの人気の観光地のひとつ、コッツウォルズ地方にある「チッピング・ノートン・レコーディング・スタジオ」。
Bay City Rollersのアルバムの何枚かはココで録音された。
他にも、Status QuoやらXTCやらDuran Duranやらスティーヴィー・ウインウッドやらもこのスタジオを使っている。
このディーク・レナードのアルバムの一部もココで収録された。
メッチャいいところです。
7img_0616ココは日本の「コッツウォルズ」。
7img_8272そう南千住の「コツ通り」ね。
この「コツ」は「骨」のコツね。
江戸の三大刑場のひとつだった小塚原のちかくで、ココからほど近い吉原のあたりまでは人を焼くニオイがヒドかったらしい。
今は違いますよ、江戸時代の話ですからね。
7img_8268裏ジャケは日章旗を思わせる夕日(あるいは朝日)と空飛ぶ爆撃機。
少なくともゼロ戦(ある時期のゼロ戦の正式名称は三菱A6M5 海軍零式艦上戦闘機52型)ではない。
やっぱり「神風特別攻撃隊」のことを詳しくは知らないのであろう。
しかし、この「神風(Kamikaze)」という単語は英単語の仲間入りをしていて、それゆえこの言葉をほぼ一般的な語彙のひとつとして知っている…ということは十分にあり得る。
Img_0388…というのは、アメリカには「Spelling Bee(スペリング・ビー)」という子供向けの英単語の「綴り当て」のクイズ大会があって、私は何かの機会にこのコンテストの決勝戦の問題に「Kamikaze」が出されていたことを知ったのね。
簡単じゃんね、と思ったのと同時に「神風」というのは正式な英単語になっていることを再確認した。
だから、このディーク・レナードはイギリスのウェールズの出身だけど、「Kamikaze」という単語を知っている可能性が高いと読んだのだ。
少々コレで脱線させて頂く。
この「Spelling Bee」の「Bee(蜂)」というのは「寄り合い」という意味があるそうだが、コレってもしかしてハロルド・アーレンの有名な曲「Sleeping Bee」のシャレなのかと思っているんだけどチガウカ?
この大会はモノスゴイ人気らしくて、全米大会はテレビで生中継されるのだそうだ。
実際のようすを観たことがないので、いい機会と思い何年か分の決勝戦を収録したYouTubeの動画を覗いてみた。
コレが実にオモシロイ!
予てから知っていた通り、司会者が読む英単語の綴りを正確に答えられるかを競うだけの大変単純なクイズ。
回答する子供は10~15歳ぐらいなのかな?
不思議とインド系の子の出場者が多い。
子供たちは司会者が読み上げる「音声」の他にその単語に関して、①定義②別の読み方③起源(フランス語とかラテン語とか)④品詞といった情報を得ることができる。
コレがですね、設問の難度にモノスゴイ偏りがあるとしか思えなくて、複雑な問題に当たってしまった子がすごく気の毒なのよ。
例えば「bewusstseinslage(ビューストスタインズラーガ)」なんてドイツ語に起源を持つ単語を見たことある?
少なくとも『試験に出る英単語』では見かけない。
これは「意識態」という意味らしんだけど、日本語でもわからんわ。
多分、この言葉を知らなかったと見えて、14歳のインド系の女の子は惜しくも「ダブルs」の「s」をひとつ落としてしまい敗退していた。
他にも「haecceitas」とか、「erysipelas」とか、「aiquillette」とか、「pendeloque」とか…こんなの本当に英語なのかよ?!
そうかと思うと、「koinonia」なんて設問はこの「kamikaze」のように簡単でしょ?
でもね、動画を観ていてひとつだけ私にも答えられる問題が出て来てうれしかったの。
それは「bougainvillea」…あの花の「ブーゲンビリア」ね。
どこかで英語表記を目にして「スゲエ綴りだな…」とすごく印象に残っていたのです。
「Spelling Bee」は今では日本でも開催されているそうです。

Nsb 
ジャケットに戻って…。
裏ジャケにはこんなことが書いてある。
「インビザブル サウンド プロセス」が何たるかは知らないが、このアルバムは「クリケット愛好者」でなくても存分に楽しむことができます。
そもそも日本にクリケットを愛好しているどれぐらいいるんだろう?…と思って調べてみると、競技人口は3,000人だそうです。
コレがアータ、イギリスへ行ってごらんなさい。
笑っちゃうぐらいの熱狂ぶりだから!
とにかくこのアルバム、すごく味わい深いメロディが豊富に詰め込まれた大人のロック・アルバムです。
ジャケットはヘンだけど、中身は素晴らしい!
7img_0390
マンドリンのデヴィッド・グリスマンの『Mondo mando』という1981年の作品。
スゴいイラストだな。
ウェイン・アンダーソンという人の仕事。
Img_0391 私はこの人の音楽を聴くことはないが、初めて仕事でサンフランシスコに行った時、金門橋を渡ったミル・バレーという高級住宅街にあったレストランにデヴィッド・グリスマンが来ていた。
それぐらいしかグリスマンについて書くことはないが、裏ジャケのイラストもスゴイということだけは書いておこう。Back  

お尻。
こうした身体の一部分をアップしたデザインはHipgnosisが得意とするところだが、このサンフランシスコのSweathogの1971年のデビューアルバム『Sweathog』はHipgnosisとは関係ない。
ビル・インホフという人の作品。
このバンド、サザンロックあるいはスワンプロック調のサウンドを身上としていた。
「Hallelujah」というヒット・シングルも生まれ、Black Sabbath、EL&P、The J. Geils Band、Edgar Winter's White Trash、Grand Funk Railroadらの前座を務めたこともあったが、ヤッパリどんなに大物の前座を務めたところで当たらないバンドは当たらないのね。

Img_0392 
§4-b
4番目の棚の下段に移りましょう。

Img_0248

Iron Maidenの1986年のマキシ・シングル『Strangers in a Strange Land』。
ジャケットのイラストはメイデン・ファンにはおなじみであろうデレク・リッグス。
コレ、真ん中のヤツ。
Eddie the Headっての?
大分前の話。
Iron Maidenのマネージャーとは比較的長い付き合いで、同じプロダクションの他のバンドが来日した際にMarshallでサポートしたりしていた関係で仲が良く、年末になるとイギリスから私宛にEddieからクリスマスカードが送られてきていた。
ところが、私はIron Maidenとは世代がちょっとズレていて、まったく通っていないんですよ。
だからこのEddieのことも名前すら存じ上げていなかった。
で、何年かしてロンドンのあるパーティでそのマネージャーと一緒になった時、ヨセばいいのにクリスマス・カードのお礼を言ったのよ。
律儀に毎年送ってくれるもんだから。
「いつも”ガイコツ”のカードありがとう」って。
そしたらそのマネージャーは怪訝そうな顔をして「”ガイコツ”って…もしかして”Eddie”のこと言っているのかい?」と訊いてくるではないか。
「ヤベッ!なんか怒ってるゾ!あのガイコツってEddieっていうのか!」とすぐにピンときて「そうさ!Eddieだよ、Eddie! 『♪Eddie are you kidding me?(←ザッパの歌)』のEddie!Eddieによろしく言っておいてよ!」と、100年前からEddieを知っているようなフリをしてその場を切り抜けた。
顔から火が出てこっちがEddieみたいになるとこだった。
彼、まさかMarshall Blogを読んでないだろうな。
それにしても向こうの人達ってこの手のイラストが好きなのね!

Img_0395 

Godley & Creme、1981年の『Ismism』。
Marshall Blogで何回も書いている通り、私は10ccが大好きでマンチェスターの近くの10ccの地元まで訪れたぐらい。
その10ccのレパートリーの中でもとりわけゴドレー&クレーム組の作品がお気に入りだった。
だから中学の時にLP3枚組の『Consequences』が出た時、どんなに友達が止めようと大枚はたいて買った。
当時、中学生の子が清水の舞台から飛び降りるつもりで買って聴いた時はそれなりの文句はあったろう。
でも今ではとても好きな作品でLPとCDのセットを2組、ナゼか計3種類がウチのレコード棚に収まっている。
その後もゴドレー&クレームの作品を聴かないではなかったが、『Consequence』からずいぶん遠くまで来ちゃったナァという感じだった。
人はコレを「進歩」とか「進化」と呼ぶんだろうけど、私の場合はこの2人にロックンロールをベースにした物語性に富んだチョットひねった伝統的なサウンドのロックを作っていって欲しかった。
で、このアルバム、1曲目に入っている「Snack Attack」を「ラップを先取りしている」曲とか言うそうだが、いらんよ、ラップなんてモノは。
でも、「Kojack」で始まる「-ck」の食べ物の名前の脚韻の嵐なんかはオモシロイと言えばオモシロイ。
テリー・サバラスもよろこんでいるだろう…まさかコレは「テリーヌ」と「サバラン」の隠喩?
2曲目の「Under Your Thumb」とか「Wedding Bells」なんてのは古式ゆかしいゴドレー&クレーム臭が漂っていていいね。
しかし、ジャケがな~。
私は持っていないんだけど、コレは開けてタイポグラフィにしてるのか?
ん~、チョットさびしいな~。

Isnしからばコレだ!
コチラは同じアルバムのアメリカ仕様。
ナンでやね~ん!
いかにも超B級映画のサントラ盤みたいだ。
「Snack Attack」という曲名だけでコレにしたのか?
申し訳ないんですが、『Ismism』よりコッチのジャケットの方がいいんですけど…。
Img_0398「ハンバーガー」とくれば、実際に『ハンバーガー大戦争(原題:Good Burger)』なんて映画があってウチの子が小さい時にオモシロがって観てたな。Gb アメリカ人って『悪魔の毒々ナントカ』とか『親指ナントカ』とか超おバカ映画が好きだよね。
頭が6個ある鮫の映画とか…。
残念ながらこの手の映画を楽しむ趣味は持ち合わせていないが、このジャケットを見て、『デス・レース2000年』という映画があったのを思い出してしまった。
昔、東京12チャンネルのお昼の映画劇場でよくやってた。
確かレース中に人をハネて得点を稼ぐ未来のカー・レースの話で、お色気もタップリでオモシロかったな。
1975年のアメリカ映画でまだ無名のシルベスター・スタローンが出ちゃってて。
まさかスタローンも翌年に『Rocky』で大ブレイクしてオスカーまで取っちゃうなんてこの映画の制作中には想像したことすらなかっただろうね。
題名からすると話の設定は2000年だったんだろう…もう21年も過ぎてしまった!
Dr2000 驚いたことにインターネットを観ていて他にも「ハンバーガー映画」を発見した。
『デス・バーガー』!
どういう話なんだろう?Dbg出ました「毒々」モノ!
『悪魔の毒々バーガー』と来たもんだ!
ギャハハ!「添加物100%」だって!
きっと私みたいなオッチョコチョイな担当者が悪乗りして付けたんだろうな。
映画には一切興味はないけど、こうなると原題が気になるな。
調べてみると…なんだ?
ただの「The Mad」っていうらしい。Add 
 
Blodwyn Pigはミック・エイブラハムズが1968年にイアン・アンダーソンとケンカをしてJethro Tullを辞め、サックスのジャック・ランカスター組んだバンド。
Jethro Tullの方向性として進歩派のイアンに対してミックは『This Was』で聴かれるようなブルース、ジャズ路線を飽くまでも貫くべきと対立したのが原因らしい。
いわゆる「音楽性の違い」というヤツ。
オリジナルメンバーでのBlodwyn Pigは2枚のアルバムを残し、イギリスではアルバムチャートのベストテンに食い込み、アメリカにおいてもチャートインを果たすという快挙を成し遂げたが残念ながら3年足らずで一旦は解散してしまった。
この『Ahead Rings Out』は1969年のデビュー・アルバム。
私の場合、Jethro TullのOBのバンドといわれてすぐに思い浮かぶのはベースのグレン・コーニックがFleetwood MacのOB、ボブ・ウェルチとNuzzのOB、トム・ムーニーと組んだParisだ。
このバンド、すごく好きでイケるとおもったんだけど残念ながらやっぱり2枚のアルバムを発表して解散してしまった。
一時期中古CD屋でその姿を見なくなって結構苦労して探した。
「パリス、P-a-r-i-s、巴里酢と…あった!」
案外簡単に見つかったと思ったら「ナンダ!パリス・ヒルトンじゃねーか!」何てことが3回ぐらいあった。
このアルバム、ナンの文句もリクエストもない…ひたすら素晴らしい。
こういうカッコいいロックはどこへ行った?Img_04007曲目の「The Change Song」の前に短いナレーションが入っているんだけど…私にとっての「イギリス英語発音」とはまさにコレ!
ドンズバすぎる!
Marshallの人にこの英語を聞いてもらったところ、ロンドンの東の方のアクセントなのだそうだ。
イギリスに行くとこういう英語と格闘しなければならない。
コレはイギリス英語のひとつのバリエーションであるに過ぎませんからね。
アメリカ英語の方が格段にラクです。
だから英語を勉強する時はイギリス英語を学ぶことを推奨しているのです。
 
表のブタもコミカルだが、この裏ジャケが断然おしゃれ!
そういえば、以前豚を連れて散歩するオジサンを時々浅草で見かけたけど、最近全くみなくなったナァ。
………、ん~、そういうことなのかナァ。Img_0401 
ヨーマ・コウコネン、1974年がリリースした初ソロ・アルバム『Quah』。
Jefferson系は中学生の時に「ロックの入門盤」ということで『Surrealistic Pillow』を買って聴いたのが最初。
その最初が悪かったのか、ほとんど聴かないで一生を終えそうだ。
それでも、Starshipになって加入したクレイグ・チャキーソというギタリストがカッコよくて高校の時にホンの少し聴いたけど、全体的には違う世界のバンド。
自分はつくづくブリッティッシュ派なんだナァ~、と思う。
と言いつつ…安かったのでジャケット欲しさに『Long John Silver』を買ったりしたけどね。
内容はやっぱりシックリ来なかったわ。
 
このジャケット、ロックを聴き始めた頃に音楽雑誌によく広告が出ていたのを覚えている。
「こんな変なジャケットのレコードって中身はどうなっているんだろう?」と訝しんだ記憶がある。
実にいいイラストだ。
ヨーマの奥様の作品だそうで。
 
で、45年の時空を超えて聴いてみた。
こんなアコースティック・アルバムもタマにはいいもんだ。
「ヨーマ・コウコネン」というとHot Tunaでジャック・キャサディとギーギーやっているイメージしかなかったんだけど、この人、フィンガーピッキング上手なんだネェ!
正直驚いた。

Img_0394というのは、昔教則ビデオの仕事をしていた時に、ボブ・ディランより前に「Blowin' the Wind」を吹き込んだことで知られるハッピー・トラウムが主宰する「Homespun」というレーベルから、ヨーマっは次から次へとアコギの教則ビデオをリリースしていたのです。
イヤ、ビデオを見た時にはあんまりそういう印象が無かったもんで…今回、アルバムを聴いて感心した次第。
ヨーマさま、ゴメンなさい。

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ケヴィン・コイン(Kevin Coyne)はイギリスはダービー出身のシンガー、コンポーザー、フィルム・メーカー、作詞家、作家、詩人だった。
「だった」というのは2004年に没しているからだ。
残念ながら知らなかったんだけど、イギリスではかなり人気があった人。
ブルースに影響された曲づくりに強烈な歌声、それに精神に異常をきたしているかのような歌詞が魅力だったらしい。
スティングやジョン・ライドンもこの人のファンだったことを明らかにしている。
また、BBCの人気ディスク・ジョッキー、アンディ・カーショウはケヴィンのことを「ドンドンよくなる国宝」と称し、「偉大なるブリティッシュ・ブルースの声」とまで評している。
 
ナンカ、今回のシリーズは自分ばっかり楽しんじゃって恐縮なんだけど…このアルバム盤もメチャクチャいいんですよ。
1977年の作品『In Living Black and White』。
ロンドンとヨークとエジンバラで録音した2枚組ライブ・アルバム。
キーボーズを弾いているのはズート・マニー。
となると、ギターはアンディ・サマーズ…The Policeのね。
 
ジャケットもオモシロイ。
ステージの上で後ろ手に何かを隠し持っているケヴィン。
Img_0403これは裏ジャケット。
その後ろに隠し持っているモノはナンダ?

Img_0404近寄って見ると…光っている。

Img_0405ウワ!カミソリ!
 
ご心配なく。
内容は安全です。
ケヴィンの魅力的な声でブルースやレゲエ、R&B調の曲を聴かせる他、ディランの「Knockin' on the Heaven's Door」やミュージカル『ショウボート』の「Ol' Man River」なんかも取り上げている。
アンディ・サマーズは何曲かでボトルネックを披露しているんだけど、コレが実にイケる!
Zoot Money's Big Roll BandやSoft Machineに在籍した大ギタリストに向かって失礼千万だけど…やっぱりこの人ギター上手だね。
The Policeみたいな80年代のバンドで名声を馳せたので私なんかにはどうしても軽い印象が付きまとってしまう。
そして、コレを機に他のケヴィンのアルバムを何枚か聴いてみたけど…すごくヨカッタ!Img_0406

1979年、ローウェル・ジョージの死後まもなく完成したLittle Featの7枚目のスタジオ録音アルバム『Down on the Farm』。
このアルバム、いいね~。
イラストはフィートのアルバムではおなじみのネオン・パーク。
マニキュアを塗っているのに手袋をしているのはコレいかに?

Img_0407ホラ…。
1940~1950年代に活躍したアメリカのギル・エルブグレンというイラストレーターの「The Finishing Touch」という作品。
ネオン・パークはコレをモチーフにプールサイドのアヒルを描いた。
もしかしたら、アヒルが塗っているのはマニキュアではなくて口紅か…。Fk 一方、Little Feat全盛期の作品『Sailin' Shoes』。
コレは発見したのがうれしくて、Marshall Blogで以前にも何回か紹介した話。
いいの、いいの、以前の記事を読んでいない人が多いにキマっているので、オモシロイことは何度でも書くことにしてるの。
何度も読んで頂いている方にはゴメンなさい。チョット待っててね。

Sslt_2 ところはロンドンに飛んで…マリルボーンにあるかつて「EMI House」と呼ばれたのEMIレーベルの本社社屋。

Emi赤盤&青盤のジャケットの写真はこのビルのエントランスで撮影したことはよく知られている。

Red 
その真隣りにあるのが「ウォレス・コレクション」という美術館。

Wc2コレ、ホントにうれしかったの。
何の予備知識もなく絵を見て歩いていてフト目についたのがコレ。
ジャン・オノレ・フラゴナールというフランスの画家が1767年に描いた「ぶらんこ(The Swing)」という作品。

Sw1_2「アレ?コレどっかで見たことあるぞ!」とビビビと来たのが…

Sw2『Sailin' Shoes』だったというワケ。
ネオン・パークは上のアヒルといい、こういう手法を得意としているのね?
もう1回見てみましょう…ね?

Sslt そういえばザッパの『Weasels Ripped my Flesh』も確か電気ヒゲ剃り器の広告かなんかのデザインが元になっているんじゃなかったっけ?7wrmf 私は「生きているローウェル・ジョージを観た」のが自慢のひとつなんだけど、ローウェル亡きあとのFeatもすごくヨカッタという話を耳にしたことがある。
コレもコミック・ジャケットなので紹介させて頂きたいのだが、1990年のセントルイスでの演奏を収録した『Rock'n Roll Doctors』というライブ・アルバム。
下北沢のレンタルビデオ屋のワゴンセールで100円で買った。
音がよいのでオフィシャル盤かと思っていたんだけど、イタリア制作の海賊盤だった。
コレ、音だけじゃなくて、演奏が信じられないぐらい良いのです。
それが100円…うれしいね。
Rrd 
Flo & Eddie、1981年の『Rock Steady』。
この2人は言わずと知れたザッパのところにいたハワード・ケイランとマーク・ボルマンね。
下のアルバムではジャケットのラスタ・カラーのタイトルでわかるようにとことんレゲエを演ってる。
何しろ「Happy Together」までレゲエなのよ!
 
コレも裏ジャケで落とすタイプ。
南国でくつろいでいるのかと思いきや…

Img_0410なんだ、スタジオだったんかいな?というオチ。

7img_0411 
サリー・オールドフィールドはマイク・オールドフィールドのお姉さん。
ふたりでThe Sallyangieなんてフォーク・デュオもやっていた。
1979年の『Easy』。
彼女の2枚目のソロアルバム。
この人もいい加減スゴイちりめんビブラートだな。
シレっと流しておいても一向に気にならないタイプの音楽。
彼女は弟の『Tubular Bells』や『Hergest Ridge』、『Ommadawn』にも参加していて、スティーブ・ハケットの『Voyage of the Acolyte』なんかにもその名を連ねている。
これも裏ジャケットで落とすストーリー仕立て。Img_0412
なんで『Easy』で人が落っこっちゃうのかサッパリわからないけど、最後は誰もいなくなっちゃうというお話し。
まさか、Genesisの『…And Then There Were Three…(そして3人が残った)』のパロディじゃないだろうな?
1年後のリリースだし、こっちもはじめは3人だし…。
『…And There Were None…(そして誰もいなくなった/Agatha Christie)』ってこと?

Img_0413 

アル・クーパーは言わずと知れたBlood, Sweat & Tearsの創設者で、マイク・ブルームフィールドやスティーブン・スティルスとの『Super Session』でよくその名を知られている。
ボブ・ディランも「Like a Rolling Stone」のオルガンもアルの仕事だ。
何かヨソヨソしいでしょ?
私、この辺は通っていないんですよ…また言うけど、ブリティッシュ小僧だったもんで。
コレは『Championship Wrestling』という1982年のアルバム。
Img_0414コレはなかなかスゴイ。
内容も格闘技になっていて、A面が第1試合、B 面が第2試という設定で、下の裏ジャケの写真の左側の人達と右側の人達とのタッグ・マッチになっている。
このデザインは昔のアメリカのボクシングの告知ポスターを模している。
左のチームのメンバーには、ミッキー・トーマス(Elvin Bishopのところにシンガー。「Fooled Around and Fell in Love」って曲好きだった。「愛に狂って」っていう邦題だったかな?)、Tower of Power、ブルース・ゲイリー(The Knackのドラマー。知らんがな)、スティーブ・フォアマン(名パーカッショニスト)、ニール・スチューベンハウス(超売れっ子ベーシスト)、エド・グリーン(Steely Danの『Aja』にも参加しているジャズ・ドラマー)など…。
対する右側チームにはヴァレリー・カーター(有名女性シンガーソングライター)、エリオット・ランドール(Steely Danのギタリスト)、ヴィンス・コライユータ(ヴィニー・カリウタね)等の名前が挙がっている。
そしてフィーチャリングがジェフ・バクスター。
レフェリーはプロデューサーの"Wild" Bill Szymczykとなっている。
「Szymczyk」…完全にポーランドじゃん。とても読めない。
調べてみると「シムジク」という表記にしているみたいだな。
え?有名なプロデューサーだぁ?
B.B.King、The James Gang、The Eagles、The J. Geils Band、ジェイ・ファーガソン等を手がけた敏腕プロデューサーですか?…どのバンドも聴かないナァ、だから知らなかったのね。Img_0415でもプロデューサーは知らなくても、私はジェイ・ファーガソンを知っているのです。
ナンとならば、高校の時、故リック・ダンコの前座で中野サンプラザでホンモノを観たことがあるのだ!
その時初めて聴いたんだけど、スゴくよくて「コレ、リック・ダンコがヤバイんじゃないの?」なんて転換の時に友達と話していた。
ところだ、リック・ダンコのステージが終わった時には100%ファーガソンを観たことを忘れていた。
それぐらいリック・ダンコのステージは素晴らしかった。
下はその時のコンサート・プログラム。70r4a0235 ね。
1978年のことでした。70r4a0238 <最終回につづく>
 

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2021年10月16日 (土)

ミュージック・ジャケット・ギャラリー ~ コミック・ジャケット・コレクション <vol.2>

 
この国においては絶滅寸前の状態にある洋楽のロックの魅力を「ジャケット」という側面からお伝えする正義のシリーズ。
その『コミック・ジャケット』特集の第2回目。
展示の2番目のセクションに移動します。Img_0236§2-a
ココはザッパものが入っていていい感じだぞ。

Img_0238
コレはそれこそモロにザッパが喜びそうなB級怪獣映画風イラスト!…と思ったらこの『Amazing Kathy Dalton』はザッパのDiscReetレーベルからのリリース。
プロモーションのためだったのだろう、実際このキャシー・ダルトンは1973年にニューヨークとボストンで2度ほどザッパのオープニング・アクトも務めた。
この人はロサンゼルスのGas Companyという「東京ガス株式会社」みたいな名前のフォーク・グループの出身。
知らんナァ。
このアルバムには「Cannibal Forest(食人の森)」なんて物騒なタイトルの曲も収録されていて、ジャケットの雰囲気にピッタリの内容が期待されるが、音源を聴いてみると、ところどころバフィ・セイント・マリーの歌い方を思わせるマジメでソフトな曲が並ぶ。
一体どこが「Amazing」なのかがサッパリわからない。
このアルバム、オリジナル盤はかなりレアで、状態が良いとかなり高い値段が付くらしい。

Img_0338裏面に記載されているクレジット。
完全に映画風の作りになっていて、通常「Musicians」とするところを「Co-starring(共演)」とシャレこんでいる。
この共演者達がタダモノではない。
「Lowell George、Paul Barrere、Bill Payne、Sam Clayton、Kenny Gradney、Richard Hayward」…要するにLittle Feat。
そうか、コレが「アメイジング」ということか!
ザッパがローウェルに「チョット、ウチの子の伴奏してやってくんない?」って頼んだのかね?
Little FeatだけなくAlso Starringとして「Van Dyke Parks」の名前も見えるし、Guest StarsのクレジットではThe Beach Boysの「Carl Wilson」の名前も確認できる。
まさにアメイジング!ってか?
ところが、演奏を聴くに、コレのどこがLittle Featなの?って感じなのよ。
残念ながら「Dixie Chicken」でもなければ「Time Loves a Hero」でもない、無味無臭のただの演奏がウマいバンドがバックを務めている…という感じ。
まさかLittle Featが演奏しているのにLittle Featらしくないのが「Amazing」ってワケでもあるまい?

Img_0339 「ケッ、エラそうに!オマエにLittle Featのナニがわかるんだ?」って?
オウ!1978年に中野サンプラザでホンモノを観たからよ。
まぁ、コレは行っておいて良かったコンサートのひとつだったわ。

70r4a0205 この『Amazing Kathy Dalton』というアルバムは、オープニングの「Lomg Gone Charlie, Hit & Run」という曲を「Boogie Bands & Night Stands」という曲に差し替え、タイトルもその1曲に差し替えて翌年にリリースし直された。
だから元の方は1年の短命だったということになる。
これがレア度を高めているのだろう。
しかし、ナンだってそんなことをしたんだろうね?
それも「アメイジング」だ!

7kd 
他の回の展示ではセカンド・アルバムの『Little Red Record』が出展されていたMatching Mole。
今回はそのファースト・アルバム。
『そっくりモグラ』という邦題だった。
モグラが相対しているからか…。
この「Matching Mole」というバンド名は、ご存知の方も多いだろうけど、ワイアットが在籍していたSoft Machineのフランス語訳「Machine Molle(マシーネ・モレ)」を英語っぽく読んで付けられているんだよね。
 
2匹のモグラが向かい合っている姿が実に愛らしい。
イラストはアラン・クラックネル(Alan Cracknell)という人。
内容も美しいことこの上ない。
息詰まるような「美」を湛えた「Sea Song」なんかにしてもそうだが、ロバート・ワイアットには他の人が決して到達することのできない美的音感覚が備わっていると思う。
ドラミングも素晴らしいが、そういうタイプの音楽こそ彼の持ち味であり、静謐な中に途轍もないパワーを感じてしまう。
これが音楽のすごさというヤツであろう。(でも、退屈な作品は退屈よ)
静かな曲だけではなくこのアルバムの「Part of the Dance」のようなブッ壊れる寸前のようなインスト・ナンバーも実に魅力的だ。
怪我をする前のワイアットのドラミングは実に緻密でテクニカルだった。
もうひとつ、このMatching Moleの魅力はその諧謔精神だ。
グループ名からしてイカしてるもんね。
1曲目の「O Caroline」はThe Beach Boysの「Caloline No」のパロディ?
メッチャいい曲だよね。
「Signed Curtain」の歌詞なんかこんな具合…。
「♪これがイチバ~ン/これがイチバ~ン/これがサビ~、ここが多分大サビってヤツ/そして次のパートへ~… / これがニバ~ン/これがニバ~ン/これがサビ~、ここが多分大サビってヤツ~/そして他のキーへ転調~…」
こんな調子なのである。
こうしたいいバンドが短命に終わったのは残念至極である。
『Little Red Record』のジャケットもシリアスさとユーモアを交えた傑作だった。

Img_0340 
ここでザッパ。
あ~、ホッとするわ~。
家に帰って来た感じ?
契約をめぐってモメにモメた結果、ワーナー・ブラザーズが勝手にリリースしてしまった3部作の一角が『Orchestral Favorites』。
イラストはゲイリー・パンタ―(Gary Panter)。
ゲイリーはザッパのアートディレクターであったカル・シェンケル(Cal Schenkel)の影響を受けていることを明らかにしている。

Img_0341モメた3作のウチの残りの2作、『Studio Tan』と『Sleep Dirt』もパンターの作品だ。

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Sdtこのレッチリのデビュー・アルバムもパンターの作品。

Chcp  
次…。
このユニークなイラストはドナルド・ローラー・ウィルソン(Donald Roller Wilson)によるもの。
チンパンジーや犬や猫にアンティークな衣装をまとまわせて描く作風がトレードマーク。
この『Them or Us』の犬は全然まともな部類に入るだろう。
他の作品を見ると…結構ヤバイ感じ。
この人の作品はニューヨークやシカゴ、サンフランシスコ等の美術館にも展示されており、アーカンソー大学で教鞭をとったこともあるそうだ。
ま、誰もやらないことをやっているのだけは確かだ。
ザッパの作品では他に『Boules Conducts Zappa : The Perfect Stranger』、『Francesco Zappa』なども手掛けている。
どれも犬系でおとなし目のタッチだ。
大好きなザッパの作品なんだけど、どうもこのアルバムは苦手であんまり聴かなかったナ。
ナンカおもしろくないんだよね。
タイトル・ロゴがチョットヒプノシスっぽいような気もするが、このアルバムのグラフィック・デザインはガブリエラ・ラウムバーガー(って読むのが近いのかな?Gabrielle Raumberger)というアメリカのデザイナーの仕事。Img_0342この人はAerosmithの『Pump』のデザインも手掛けている。Pp  
もうひとつ展示されていたザッパのアルバムは『The Man From Utopia』。
「Chop a line now!」と始まる1曲目の「Cocaine Decision」は名曲だけど、コレもあまり聴かない作品だナァ。
ザッパの小品集ってとこかしらん?
「The Dangerous Kitchen」や「The Jazz Discharge Party Hats」あたりのしゃべるギターはスティーヴ・ヴァイのファンにはタマラナイんじゃないの?
国内盤を買いそびれてしまって、大阪に住んでいた時に神戸の中古レコード屋でゲットした。
あの頃…35年ぐらい前かな?…ちょっとしたザッパ・ブームみたいになっていて、国内盤なんかは東京で結構高い値段が付いていた。
その点、関西ではそれほどでもなくて、京都や神戸でいくらか安く買い込むことができた。
以前、マーブロでZappaの『Filmore』のオリジナル盤をヨボヨボのお婆さんが店番をしている京都の民家のような中古レコード屋さんで1,000円でゲットしたことを書いたが、その記事をご覧になった三宅庸介さんが連絡してきてくれた。
ナントその店をご存じだったのである。ビックリしたね。
 
ジャケットのマッチョなザッパはイタリアのコミック「RanXerox」のパロディ。
見ての通りザッパがスゴイ形相で蚊を叩き落としている。
海外にもハエたたきがあるんだネェ。
ちなみに「ハエ叩き」を英語で「Flapper」というそうです。
イギリスでは「Swatter」…でもイギリスには蚊はいないそうです。
あ、セミもいないのかな?
以前リバプールの人に「夏になると木にくっついてギャー!って騒ぐ虫はナンていう名前だっけ?」と尋ねられたことがあった。
「Cicada(シケイダ)」といいます。
 
これは1982年、このアルバムがリリースされる前の年のミラノの近くで開かれた野外コンサートでの出来事をイラストにしている。
演奏中にものスゴイ数の蚊がステージに紛れこんできて演奏しづらかった…の図。
つまり実話。
『You Can't Do That on Stage Anymore vol.1』に収録されている「Zomby Woof」がこの時の同じ場所での2日後の演奏。
蚊のことはどうでも、この『Zomby Woof』の演奏はすさまじいのひとことに尽きる!

Img_0343 
さて、ココは今回のハイライト…かな?
もうこのパートが書きたくてウズウズしていたのです。
 
まずはビートたけしから。
下は昭和55年(1980年)に日比谷野音の楽屋でツービートにサインしてもらった色紙。
同時に『わっ毒ガスだ!』という本にもサインをしてもらったんだけど、アレはどっか行っちゃったナァ。
この頃からオールナイトニッポンで活躍している頃のたけしが好きだった。
オモシロかったもんね~。
その頃の好きなネタの中にこういう小噺があった。
下品なヤツね。
 
ある罪人が死んで、地獄に落ちてエンマ大王から有罪の判決を受ける。
そして、鬼から「自分の好きな地獄を選べ」と言われる。
いくつかの選択肢があって…
まずは針の山…コレはいかにも痛そうなのでパス。
火炎地獄…コレは熱くてツラそうなのでパス。
血の池地獄…コレも気持ち悪いのでパス。
更にもうひとつの地獄を見ると、ウ〇コの池から罪人が顔を出してコーヒーを飲んでいる。
すると罪人は「コレが一番ラクそうだ」ということでこの「ウ〇コ池地獄」を選ぶ。
服を脱いでウ〇コの池に身を沈め、顔だけ出してコーヒーを飲んでいると、鬼がやって来てこう言った。
「ハイ、休憩終わり!みんな頭のテッペンまで潜って~!」
 
こんなような噺。
いいですか~、コレ覚えておいてくださいよ~。
70r4a0210話はMJGに戻って…
次は「イギリスのChicago」とも称されるブラス・ロックの雄、IF。
「ジャズ・ロック」という切り口でも取り上げられることも多いバンド。
それもそのハズ、初代ギタリストだったTerry Smithはギンギンのビ・バッパーだった。
ビッグ・バンドと共演した『Fall Out』ではとてつもなく骨太なギターを聴かせてくれたし、『Terry Smith with the Tony Lee Trio』も渋めのスタンダードをプレイした好盤で、双方今でも時々聴いている私の愛聴盤なのだ。
でも、彼が参加していた頃のIFの最初の2枚はどうにも退屈で私は苦手。

Terry1

Terry2 
で、下の『Tea Break Over - Back on Your 'Eads』は1975年発表のIFの8枚目にして最後のアルバム。
前述のギタリスト、Terry Smithはもう参加していない。
この前年に発表したのアルバム『Not Just another Bunch of Pretty Faces』からジェフ・ホワイトホーン(Geoff Whitehorn)に交代しているからだ。

さて、このアルバムのタイトルにある「'Eads」というのは「Heads」、つまり「頭」のこと。
で、ジャケットはIFのメンバーが風呂みたいなモノに使ってお茶を飲んでるところ。
ネズミがいて、鼻を洗濯ばさみでつまんでいるのが気になるでしょ?
 
ココでもうひとつアメリカのジョークを披露させて頂く。
よくある「Good news and bad news」というパターン。
 
ある男が死んで3つのドアがある部屋で悪魔に会った。
悪魔が言うには…
「今日は良いニュースと悪いニュースがあるぞ。
まず、悪いニュースは、この後オマエは未来永劫この3つのドアの中のひとつで過ごさねばならないこと。
一度決めたらもうそこから出ることはできない…いいか?

良いニュースは、ドアを決める前にオマエはそのドアの中を見ることができる…ということじゃ。
早速男は第一のドアを開けてみた。
すると部屋の中は人でイッパイで、みんなコンクリートの床の上に頭を接して逆立ちしていた。

コレはメッチャ頭がシンドそうだ…と男は考えた。
次に2番目のドアを開けて中を覗くと、やはり中は逆さになった人でイッパイになっていたが、床が木で出来ていた。
コレはさっきよりは大分マシだな。
でも最後のドアを見てみないとイカン…と男は考えた。

そして、男は最後のドアを開けてみた。
すると今度も中は人でイッパイだったが、今度はみんな排泄物の水槽の中に腰まで浸かり、コーヒーをすすっていた。
「コレだ!3つのウチだったらコレがいい!」
男はそう言って水槽の中に歩いて行き、悪魔がドアを閉めている時に飲み物を注文した。
何分かするとまたドアが開いて悪魔が顔を出してこう言った。
「ハイ、休憩終わり!逆さになって~!」

この最後の悪魔のセリフ、つまり落語で言う「サゲ」が『Coffee break' over, back on your heads!』という一種の決まり文句になっているのだそうだ。
『大山詣り』の「お怪我なくてよかった」とか、『火焔太鼓』の「半鐘はおよしよ、オジャンになるから」みたいなもんね。
もう一度このアルバムのデザインをチェックすると…『Tea Break Over - Back on Your 'Eads』という吹き出しのセリフの主は悪魔だったというワケ。
そして、IFはイギリスのバンドだから「Coffee break」ではなくて「Tea break」になっているのね。
だからイラストもコーヒー・カップではなくてティー・カップが描かれている。
「'Eads」と「H」を落としているのもイギリス流。
例えばコックニーの人たちは「h」を発音しない。
反対に「h」を「ヘイチ」なんて発音する人もいるな。
ネズミが洗濯ばさみで鼻をツマんでいる理由もコレでわかったでしょ?
コレは風呂ではありませんでした。Img_0344ジャケットをヒックリ返して見ると…悪魔の言いつけ通り、みんな逆さになってる。
休憩が終わったから。
欧米の人がコレを見ると「ジャンジャン!」というワケね。
私はこういう話がタマらなく大好きなのです。

7bifこのアルバムのジャケットのデザインを担当したのはThe Rolling Stonesのベロマークを考案したジョン・パスケ。

7rsjp
それにしてもショックだったのはたけしの小噺がパクリだったこと。
まぁ、日本のお笑いネタは古来、欧米からの移植が多かったからね。
ヒゲダンスのグルーチョ・マルクスのようにクレイジーとかドリフがやっていたことの多くが欧米の喜劇の借用だ。
マルクス兄弟の他にも。お手本はビング・クロスビーとボブ・ホープの「珍道中シリーズ」とかディーン・マーチンとジェリー・ルイスの「底抜けシリーズ」とかいいモノが沢山あった。

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もうコレは何回もMarshall Blogに書いていることは自分でもよくわかっているんだけど、マルクス兄弟が出てきたら書いとかないと…というのは、Queenの『オペラ座の夜』と『華麗なるレース』のタイトルはマルクス兄弟の『A Night at the Opera』と『A Day at the Races』から拝借しているということね。
マルクス兄弟の映画なんて観てみるといいですよ。
メチャクチャ面白いから。
Q1

Q2

そういえば、拝借したのはお笑いのネタだけでなく、昔は音楽も欧米のネタを盛んに取り入れていた。
先日フト気が付いたのは「スーダラ節」。
イントロにバーンスタインのミュージカル『Wonderful Town』の中の「Pass the Football」という曲のメロディがそのまま使われているではないの!
それに「One Hundred Easy Ways」という曲の「♪A sure sure sure way to lose a man」という箇所の「sure, sure, sure (シューア、シューア、シューア)」と歌う所はいかにも「スーダラ節」の「♪スースースーダラダッタ」を思わせる。
「スーダラ節」を作った青島幸男と萩原哲晶はバーンスタインを聴いて勉強したことは間違いないだろう。
何しろこのミュージカルは日本未公開だったのだから余計に都合が良かったハズだ。
でもね、こうして昔は「すごく良いモノ」をマネしていたからまだ「良いモノ」を作ることができた。
今は映画も音楽ももう完全に迷走状態だ。
出がらしから美味しいお茶を淹れることは絶対に不可能なのよ。
  
バーンスタインといえば金科玉条に『ウエストサイド物語』だけど、この『Wonderful Town』やオペレッタの『Candide』なんかか本当に名曲揃いで皆さんにもゼヒ聴いてもらいた…くない。
ひとり占めにしておきたい!…という気持ちの方が強いナ。
こんなに素晴らしい音楽は人から教わって楽しむもんじゃありませんよ。
時間と金をタップリかけて自分で探すがよい!

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7wft  
調べてみると1987年の発売だったというから、もう34年も前のことになるのか…。
『スーパーショウ』というビデオが出て、レンタルビデオ店へ借りに行ったことがあった。
当時は昔のLed Zeppelinの姿が収録されていることで話題になっていたようであったが、私は動くローランド・カークが見たかったのだ。
バート・バカラックの「I Say a Littler Prayer」にショパンの「英雄ポロネーズ」を混ぜたような演奏でヤケクソにカッコよかったが、他の内容は全くと言っていいほど覚えてない。
このコンサートが収録されたのが1969年3月25&26日で、『Supershow The Last Great Sixties Musical Event』というタイトル通り、60年代の最後を飾る豪華イベントだった。
何しろ出演者が。CREAMの解散から4ヶ月後のエリック・クラプトン(だから1959のフル・スタックがズラリ!)やジャック・ブルース、デビュー2ヶ月後のLED ZEPPELIN、ジョン・ハイズマンのColosseum、スティーヴン・スティルス、バディ・マイルス、バディ・ガイ、ナゼかMJQまで出演している。

7ssv ステージの模様はロンドンにあった工場跡に少数の観客を迎えてTV番組用にで撮影された。
そして、その映像は『SUPERSHOW』として映画化され、同じ年の11月にロンドンはウォータールー橋の北詰にある「ライセウム劇場(Lyceum Theatre)」で公開されたという。
下がそのライセウム劇場。
Led Zeppelinはココでコンサートを開いたこともあるのよ。

7img_7661それよりもライセウム劇場はボブ・マーリーの『Live!』が収録されたことでよく知られている…ハズ。
私がレゲエを聴くことはまずあり得ないが、ロンドンへ行くと当時のレゲエのムーブメントがいかにスゴかったかを窺い知ることができる…といつも思う。

Bobそして、本題。
Juicy Lucyの1971年の『Get a Whiff a This』。
コミック・ジャケットの王道を往くようなデザイン。
タイトルは「コレ、クッサ~!」みたいな意味なのかしらん?
Juicy Lucyは解散したアメリカのThe Misunderstoodというバンドのグレン・ロス・キャンベルという人やBluesbreakersのサックス、クリス・マーサーらが中心になって結成されたバンド。
「グレン・キャンベル」といってもあのOvationからシグネチャー・モデルを出していた歌手のグレン・キャンベルではありませんよ。
こっちの「グレン・キャンベル」はスティール・ギター弾き。
結成は1969年。
つまり、上の「Supershow」に出演して意気投合した連中で組んだバンドなのだ。
コレが言いたくて『Supershow』のビデオを担ぎ出したのです。
Juicy Lucyは、デビュー・アルバムに収録したボ・ディドリーの「Who Do Ya Love」が全英チャートの20位となり大きな注目を浴びた。
そして、ポール・ウィリアムスとミッキー・ムーディが参加し、セカンドアルバム『Lie Back and Enjoy it』をリリース。
そのアルバムでザッパの「Willie the Pimp」を演ってる。
そして、更なるメンバー・チェンジを経て発表したのがこの3枚目。
1曲目の「Mr. Skin」ってのはSpiritのランディ・カルフォルニアの曲。
また、オールマンの「Midnight Rider」なんかも取り上げている。

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「I'm Old Fashioned」じゃない方の「ポール・ウィリアムス」というと、我々の世代だと「Tempestやアラン・ホールズワースのバンドのシンガー」ということになるのが普通でしょう。
この人、ズート・マネーのベース/ボーカルズだったのよ。
ズート・マネーというのはブリティッシュ・ロックの歴史を勉強すると必ず出て来るシンガー/キーボード・プレイヤーで、ジミ・ヘンドリックスがロンドンに到着した日、チャス・チャンドラーに連れられて最初行った場所がズート・マネーの家だったっていうんだよね。
この辺りのことはココに書いておいたので興味がある方はどうぞ!➡【イギリス-ロック名所めぐり】vol. 58 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.1>

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このバンドでのこの人の歌はスゴクいいね。
で、ご参考…。
ポール・ウィリアムスはこのアルバムがリリースされたのと同じ1971年にエインズリー・ダンバーのソロ・アルバム『Blue Whale』でザッパの「Willie the Pimp」を歌っている。
そして前述した通り、Juicy Lucyはその前年にリリースした『Lie Back and Enjoy It』でこの曲を取り上げている。
だからポール・ウィリアムスは違うバンドで2回「Willie the Pimp」をレコーディングしているというワケ。
歌い方は両方ともオリジナルのキャプテン・ビーフハートのマネっこ。
エインズリー・ダンバーはザッパのところのドラマーだし、一体誰が選曲したんだろう?

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グレン・キャンベルのスライド・ギターが効いていて、やっぱりスゴくいいバンドだな。
裏ジャケはこんな感じ。
吹き出しの中はクレジット。
表のイラストとどういうつながりになっているんだろう?

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ちなみに…「ジューシー・ルーシー」というのは、チーズが中に入ったハンバーグを挟んだハンバーガーのことだそうです。
最近はこういうモノを食べたいとあんまり思わなくなって来たナァ。

Jlb_2フランク・マリノはカナダ人。
カナダのギター・ヒーローといえば、まずはこのフランク・マリノとパット・トラヴァースか?
Mahogany Rushではなく、1981年のFrank Marinoソロ名義のアルバム『The Power of Rock and Roll』。
映画『バック・トゥ・ザ・フーチュア』の冒頭のシーンのようなイラストはボブ・グロスマンという人の作品。
この人の作品は、TIMEやNewsweek、Esquireといったメジャーな出版物の表紙を500回以上飾っている。
まさにアメリカを代表するイラストレーターのひとりがグロスマン。

アルバムに収録されている音楽はというと…。
1981年…この手のロック、すなわち前時代的なハード・ロックの最後の時代か。
この頃まではこういう音楽を「ロック」と呼んでいた。
タイトルの通り「パワー」みなぎるロック。
まさにジャケットのイラスト通りの音楽がこのアルバムに詰め込まれている。
お国柄なのか、私の先入観なのか、このアルバムを聴いた瞬間に何となくBTOを連想してしまった。
ロックという音楽は、この後急速に一般大衆の間に入り込んだと同時にオリジナリティとパワーを失って現在に至っている…と思っているのは60と70年代の洋楽で育ったガンコな年寄りだけか?
  
先日三宅庸介さんと話していてビックリしたんだけど、このフランク・マリノって1954年の生まれで、あのライブ盤を出した時ってまだ24歳だったっていうんだよね。
勉強しないでギターばっかり弾いていたんだろうナァ…あ、私もだわ。
それでこの違い!
Img_0346フランク・マリノは高校の時に後楽園ホールに観に行った。
ギターの調子が悪いとか言って、開演が40分ぐらい遅れたんだよね。
上演中、私が投げた紙テープが彼の肩に当たっちゃって「ギロッ」ってにらまれたことは以前にもどこかに書いた。
コワかった。
そうえば紙テープって全く見かけなくなったな。
今はコンサートでの使用が禁止されているのかな?
我々世代にはとにかくMahogany Rushのライブ盤が人気で、ジミヘン・フォロワーということよりも、「スッゲェ~速弾き!」ということに耳を奪われたものだった。
「Purple Haze」を演っている…と言うこと以外には特段ジミヘンの影響がどうの…なんてことはわからなかったわ。
『California Jam』ってテレビで放映したんだっけ?
それでフランク・マリノを観た記憶は一切ないんだけど、「ギター・ソロの中でアームダウンをした時にコンサート会場の上空を飛んでいるセスナ機が会場に向かって落ちて来る演出は実にスリリングだった」なんてライブ・レポートだったかライブ盤のライナー・ノーツだっかを読んで興奮したものだった。70r4a0206 
案外ありそうでないのがこの手の浮世絵調のデザイン。
ELPのベスト盤。
このデザインが気に入ってジャケ買いした。
収録されているのは、どれも昔よく聴いた曲なのでレコード盤には針を降ろしたことが一度もない。
ジャケットのデザインを制作したのは右下に「リチヤド・エバンズ」と署名がある通り、イギリスのRichard Evansという人。
何となく「やっつけ仕事」のような感じがしないでもないが、実は結構凝っている。
開け放した窓から海と富士山が見えていて、手前には三味線。
女性はどこかの宿場の「飯盛り女」なのかしら?…でも、コレは品川宿ではなさそうだな。
立ってファースト・アルバムを持っている真ん中の女性、左手で袖をピラリと持ち上げているでしょう?
持ち上げた袂には「鳳凰」が描かれていて、それを男性に見せながら「アチキの袖と同じでありんす」と言っているところ。
ウソ、「アチキ」とか「ありんす」という廓言葉は地方出身者の遊女の訛りを隠すための吉原の工夫であって、宿場の飯盛り女がこうした言葉を使うことはなかった。
残念なのは、この女性…土足なんだよ。
下駄を履いたままなの。
コレはね、まさにイギリス人の感覚なんだよね。
実際に靴のままこの事務所に入って来てしまったイギリス人の女性がいたんですわ。
それと、障子の枠がおかしなことになっているのがオモシロい。Img_0347リチヤド・エバンズの署名の下にある落款。
ね、「ELP」になってるんだよ。
ココは「エバンス」じゃなきゃおかしい。
でも、こういう細かい仕掛けは楽しいね。7re コレは私が高校生の時に南青山の洋書屋まで行って買ったヒプノシスの図録。
あまりに繰り返し見たのでもうボッロボロになってる。
他にもヒプノシスの本がいくつか出ているけど、コレが一番好き。
上梓されたのが、Pink Floydが『Animals』をリリースする前ぐらいの時期で、ヒプノシスがまだクリエイティブな仕事をしていた頃だったから。
いや、まだロックがクリエイティブな時代に上梓されたから…と言った方が適当か?7war この本のヒプノシスのスタッフ紹介のページに目をやると…リチヤド・エバンズが出てるでないの~!
そう、この人、ストーム・ソーガソンやオウブリー・パウエルと一緒に仕事をしていたのです。7re2va そうして手掛けた多数のレコード・ジャケットだけでなく、この人、その前はナイツブリッジ(ハロッズがあるところ)に「Daisy Roots Shoes」という靴屋を開き、オリジナル・デザインのブーツを販売していた。
そのブーツはエルトン・ジョン、ジョージ・ハリソン、ロキシー・ミュージック、ロリー・ギャラガーなどに愛用されたのだそうだ。

Reb 裏ジャケも気に入ってる。
このベスト盤、「Tarkus」からの選曲がないんだよね。
裏ジャケットは世界の人々がELPのアルバムを手渡しでリレーするというコンセプト。
バックは渡し手にまつわる風景があしらわれている。
そのひとつひとつのシーンで収録曲を提示していくという趣向。
1曲目は「Hoedown」で、表からの続きで、緑の着物を来たオジサンが色黒の人に『Trilogy』を手渡す。
すると2曲目の「Lucky Man」の舞台は南国で、その色黒の人がファースト・アルバムをネイティブ・アメリカンに手渡す…というアイデアね。
ハイ、ココでエヴァンスがひとつ仕掛けをしていると思われるのが最後のところ。
砂漠で『Brain Salad Suegery』を手渡されているのはスーツを来た紳士。
つまりイギリス人のこと。何しろ「背広」の語源を持つ国だから。
このシーンの曲は「Jerusarem」…ポイントはココです。
そして、最後の収録曲の「Peter Gunn」ではテムズ川の向こうに見えるウエストミンスター、タワーブリッジ、セントポール寺院をバックに最初の日本人に「In Concert」が渡される。
コレで世界一周(一部、宇宙)。
ナゼ、イギリス紳士が出て来た場面の曲が「Jerusalem」なのか…?

Img_0348ご存知の通り、「Jerusalem」はELPのオリジナル曲ではない。
18世紀イギリスの詩人、ウィリアム・ブレイクの詩に、サー・チャールズ・ヒューバート・パリーという人が曲を付けたのが1916年。
第一次世界大戦中にイギリス国民の愛国心を高揚させようとこの曲を浸透させたためにイギリス人なら誰もが歌える「第二の国歌」と言われるようになった。
それぐらいイギリス人に密接した曲なのだ。
「オマエが第二の国家だぁ~?」
そこで物言いを付けたのがエルガーの「威風堂々」の中の「Land of Hope and Glory」。
何かというとやたらとこの曲を演奏し、歌いたがるのもイギリス人。
我こそは「第二の国家じゃい!」と「Jerusalem」の独断に待ったをかけた。
アメリカの「第二の国歌」はホーギー・カーマイケルの「Stardust」と相場がキマっているが、イギリスの場合は厄介なのよ…。
果たしてこのイギリスの「第二の国歌」論争の結末はいかに!?(ホントはそんな論争はありませんからね。私がオモシロがって勝手に騒いでいるだけです)
で、実際に数人のイギリス人に訊いてみた。
私としては「エルガーの勝ち」と読んでいたのだが、結論としては「Jerusalem」の方が優勢だった!ハッキリしてるのは…もう若い人は両方とも歌わないってよ。
 
結果…毎年夏に開催されるイギリスのクラシック音楽の大イベント「Proms」や年末のニュー・イヤー・コンサートなんかでは「Jerusalem」、「Land of Hope and Glory」そしてイギリス国歌の「God Save the Queen」の3曲を演奏いて公平を期しているとか。
下は「Proms」開催中のロイヤル・アルバート・ホール。

7img_0595_2 この項の最後に…。
このベスト・アルバムの最後にも収録されている「Peter Gunn」についてひとつ。
ELPのバージョンって、ヘンリー・マンシーニのオリジナル・リフと音がひとつ違うんだよね。
コレが昔から気になっていた。
オリジナルの方は管楽器が入るからか、キーが「F」。
一方、ELPバージョンのキーが「E」なのでこっちに合わせて言うと、フレーズの最後の音が「G」なのね。
でも、オリジナルは「Ab」なの。
これだけでずいぶんリフの雰囲気が変わってELPの方はロックっぽく聞える。
どちらをカッコいいと思うかはアナタ次第です。
 
2010年、私はEmerson, Lake & Palmerをロンドンで観ましてね。
このチームはもうカール・パーマーしか残っていないので、とても貴重な経験をしたと思ている。
Marshallのスタッフとして会場に入ったので、楽屋エリアへの出入りが自由だった。
楽屋のキャビンから目と鼻の先にあるステージまで、仲が悪そうに3人別々のカートに乗って出て行った様子が忘れられない。7img_0114さてさて、今度はロジャー・チャップマンが出て来た。
Streetwalkersの1975年のセカンド・アルバム『Downtown Flyers』。
ロジャー・チャップマンといえばFamily。
Familyといえば、「ジョン・ウェットンが在籍していたバンド」ということと、あの変形ジャケットの『Bandstand』ぐらいしか知っていることはなかった…ということは、ロジャー・チャップマンを聴いたことがなかった。
ロジャー・チャップマンに興味を持ったのもFamilyでも何でもなくて、かつてMarshallのデモンストレイターを務めていたギタリストのジェフ・ホワイトホーンがキッカケだった。
だからゼンゼン最近の話…といっても20年以上は経ってるか…。
そこでジェフが参加しているチャップマンのアルバムを何枚かディスクユニオンで見つけてまとめて買ってみた。
左上の1979年のファースト・ソロ・アルバム『Chappo(「Chappo」はこの人のニックネーム)』を除いて、ジェフはギターどころか、プロデュースや作曲でもクレジットされている。
で、聴いてみて驚いた!
も~、バフィ・セイント・マリーもビックリの「ちりめんビブラート」。
でも、声質は実にカッコいい。
例えていうならアレックス・ハーヴェイと中島みゆきを混合したような感じか?
まさに「混ぜるな危険!」な個性的な歌声はまさにひとつの「楽器」のよう。
チャップマン…Lone StarやUFOのギタリストや、イギリス大使館に勤めていた友達の苗字も「チャップマン」だったが、この名前はアメリカ人に言わせると、ものすごくイギリスっぽい名前なのだそうだ…とアメリカ人の友人が言っていた。
同様に「ミューラー」は猛烈なドイツ臭がするらしい。
 
今、久しぶりにコレらのアルバムを聴いてみたけど、ひどくカッコいいな。
でも、どれもジャケットがあまりに気の毒だ。
ちなみに「ちりめんビブラート」に相当する英語表現があるかどうかイギリス人に尋ねてみたが、特にないようだった。70r4a0222コレは脱線。
今、バフィ・セイント・マリーなんてエラそうに名前を出したが、知っているのはジョニ・ミッチェルの「The Circle Game」のカバーだけ。
この曲が使われた映画『いちご白書(The Strawberry Statement)』が日本で公開された時、私はまだ小学校2年生だったし、その後も結局この作品を観ることはなかったが、一生忘れない曲のひとつなにです。
恐らく後年、映画に夢中になってからラジオの映画音楽特集かなんかで聴いて覚えたんだろうけど、歌詞も歌っている人の顔もわからないのに、ナンカこう、子供の心にグサっと刺さったのね。
その理由のひとつは間違いなくバフィの「ちりめんビブラート」。
それまで聴いたことのない歌声で「こんな声で歌ってもいいのか?」と驚いてしまったのだ。
大分後になってジョニの『Ladies of the Canyon』の美しい歌声のオリジナルを聴いてもちっともグッと来なかった。
下は私が持っている『いちご白書』のサントラ盤。
2枚組なんだけど、A面を除いた他の面は10分チョットぐらいずつしか収録されていない。
ほとんどがクロスビー・スティルス&ナッシュとニール・ヤング。
「ウッドストック」の翌年ということもあるけど、この頃のCSN&Yの人気ってのはスゴかったんだな~、と思わせる盤。
私は全くその辺りを通らないもんですから、ただただ関心するのみ。
それより私は根っからの大英帝国派…ロジャー・チャップマンよ!

70r4a0228ロジャーは1973年にFamilyが解散した後、同バンドのギタリスト、チャーリー・ホイットニーと「Chapman=Whitney」というチームを結成し、翌年ヴァーティゴから『Streetwalkers』というアルバムを発表。
このアルバム名がそのままバンド名になって発表したのが1975年の下の『Downtown Flyers』。
このバンドのドラムスって誰だか知ってる?
Iron Maidenのニコ・マクブレインなんだよ。
ジェフ・ベック一家からはボブ・テンチがギターで、そしてマックス・ミドルトンも参加しているときてる。
内容はどうかって?
コレが大変よろしいんですよ。
「ロックって大人が聴く音楽」だったことを思い出させてくれるような硬派なロック。
私はこのアルバムは持っていないんだけど、『Red Card』と『Vicious But Fair』というアルバムを持っていて、始めて聴いた時は「おお!」と声を上げてしまったものです。
ホネのあるピュアなブリティッシュ・ロックがお好きな方にはおススメのバンド。
 
このアルバムはまたジャケットがすこぶるいいね!
マイケル・ファレルという人の仕事。72swdfま、「女性のおみ足」のジャケットとくれば、まず思い浮かべるのがソニー・クラークの『Cool Struttin'』でしょう。
ジャズ・アルバムの名ジャケットを代表する1枚だからね。Csとか、ジャズにはこういうのもあるよ。
デイブ・ブルーベックのコールポーター作品集。
キレイなおみ足だこと!

DbpcpStreetwalkersのアルバムはゲイトフォールドになっていて、見開いて縦にするとこうなる。
コ、コレは…『Cool Struttin'』も敵わない!?
Img_0351 
The Pretty Thingsの1974年の『Silk Torpedo』。
このバンドも昔からあるけど、「プリティ・シングス大好き!」なんて人にはいまだかつてお目に罹ったことがないな…。
中心人物のフィル・メイが昨年亡くなられて活動を停止した…っていうんだけど、「今までやってたのかッ?」と驚きが隠すことができない。
私も名盤の誉れ高い『S.F. Sorrow』やその次の『Parachute』は持っているけど、どうもピンと来ない。
最後までイギリスで人気あったのかな?…なきゃ続かなかったわナァ。
この『Silk Torpedo』は、Led Zeppelinのスワン・ソング・レーベルから『Bad Company』に続いて2番目にリリースされたバンドの第7作。
『Silk Torpedo(絹の魚雷)』なんて実にいいタイトルだ。
そういう曲を作ったのかと思うと、ドンズバのタイトル・ナンバーは入っておらず、「Singapole Silk Torpedo」という曲が収録されている。
「シンガポールの絹の魚雷」…ナンだろう?と思って調べてみたけど、特別な意味があるようではなかった。
歌詞を見ると、「オレは荒くれ航海士、胸のSea Dogの刺青はダテじゃない」みたいな歌い出し。
「Sea dog」というのはアザラシのことだけど、「老練の船乗り」という意味があるようだ。
そして、その船乗りが出会ってビビビと来たのが「シンガポールの絹の魚雷」。
「♪She's my Singapole silk torpedo」と歌うこの曲はなかなかにカッコいい。
 
何とも素晴らしいジャケット・デザイン!
ヒプノシスですから。7pt2_2ガバっと見開くとこういうことになる。
甲板で手を振っているのが例の航海士か?
そして魚雷に横乗りしているのが「シンガポールの絹の魚雷」というワケね。
まるで『博士の異常な愛情』のコング機長みたいだ。
7pt2_1ヒプノシスは次のアルバム『Savage Eye』のジャケット・デザインも手掛けている。
これらのスワン・ソングからリリースされたThe Pretty Thingsの2作は、ヒプノシスの代表作に数えられるモノと言ってもいいのではないか?
だってどこにでも出てくるんだもん。
ま、このヒプノシスの2枚は私もジャケ買いしたわ…聴かないのわかっていて。
Septところで、「Silk」とくれば連想するのが「Stockings」よ。
コレもコミカルなジャケットなので、ついてに紹介させて頂くのは…1957年のミュージカル映画『絹の靴下(Silk Stockings)』。
アステアのダンスとシド・チャリシの美しさとコール・ポーターの音楽を楽しむ映画。
ピーター・ローレやジュールス・マンシンの脇役陣も実によろしい。
映画の音楽監督はアンドレ・プレヴィンが務めている。
 
この作品からはジャズでは絶対に欠かすことのできない「All of You」というメガトン級の名曲が生まれている。
こういう半音の動きを上手に使った曲ってのが今の日本の音楽界から消えたね。
巷間の音楽に耳を傾けるとピアノの白鍵だけで作ったような曲ばかりだ。
だからちっとも面白くない。
コール・ポーターのこの甘美極まりないメロディをあのアステアの声で歌われた日にはロシアの美女(シド・チャリシの役どころ)もイチコロだわな。
「All of You」の他にも、ステレオ音響効果の素晴らしさを歌った「Stereophonic Sound」やストッキングがいかにロマンスに重要かを歌った「Satin and Silk」など、楽しい曲がイッパイ!

The Pretty Thingsのフィル・メイはこの映画を観て「Singapole Silk Tornado」を思いついたんじゃないだろうな…。Sst

さて、こうなると「torpedo」の語源が知りたくなりましてネェ。
というのは「-pede」というのはラテン語の接尾辞で「足」を意味するでしょ?
例えば「100(centi)」と「足(-pede)」を合わせて「centipede」でムカデじゃない?
綴りがチョット違うけど、もしや何か魚雷の語源が「足」に関係してやしないかと想像したワケ。
そしたら、やはり綴りが違えばハイそれまでよ…というワケで「足」にはゼンゼン関係なかった。
元々「シビレエイ」のことを「torpedo」っていうんだって。
きっと形がコイツに似ていたんだろうね。Torp

リバプール出身のバンド、Nasty Popの1975年のファースト・アルバム。
イイねェ、妖しげなイラスト。
コレはどういうストーリーなんだろう?
カワイコちゃんが腰かけているベッドで横になっているのは5体の宇宙人?
バンドのメンバーということなのかな?
そして、この女の子はコールガール?…ナニしろ「nasty」だから。
ベッドの下にはワニが口を開けていて、枕もとのラジオが鳴り響く。
その横には『Deaf's Cool(deafは耳が不自由な人のこと)』というレコード盤と5つあるヘッドホンのウチひとつだけが無造作にサイドボードの上に置かれている。
イスの上には焼きトマトにウインナに目玉焼きのイングリッシュ・ブレックファスト。
床にはネックの折れたギターとケースに入ったビール、それに回転式拳銃が落ちている。
奥の壁には『Sgt. Pepper's~』の内ジャケットのビートルズを連想させるような絵がかかっている。
ハハ~ン、これはビートルズの『Revolver』を暗喩しているのか…。
こういうグチャグチャっとしたジャケット・デザインはいいね。
 
イギリスの関連ウェブサイトでこのバンドを説明しているページを見ると、Stackridge、Pilot、Steely Dan、10cc等の名前が引き合いに出されている。
アルバムを聴いてみると…コレがいいのよ!
どういう風にいいのか?と訊かれれば、引き合いに出されているバンドの要素が入り混じった感じ…と言っておけば間違いないだろう。
コレはアナログで欲しいな。Img_0350ジャケット・デザインを担当したのはリチャード・エックフォード(Richard Eckford)。
この人はHumble Pieの『Smokin'』のジャケット・デザインをデザインしている。Hpsハイ、展示棚が下に移って§2-b。
悪いね、長くなっちゃって…書いている方は最高に楽しいわい。

Img_0240_2まずはGreatful Dead。
相当昔の話…中学3年ぐらいかな?
フィルム・コンサートで「One More Saturday Night」を観た。
「オワッ!カッコいい!」と思って、すぐにその曲が収録されている『Europe '72』を買った。
LP3枚組ですぜ。
当時は(今でも)大変な出費でしたよ。
そういえばコレもマンガのジャケットだったナ。
こういうヤツ。Dead 結果!
聴いたのは「One More Saturday Night」だけだった…3枚組なのに!
当時Spotify音楽配信があればあんな散財もしないで済んだのによ…。
他の曲はサッパリ受け付けなかった。
なんか「ダラ~っとしてるナァ」というのだけはわかった。
 
しばらくしてあのドクロのデザインに惹かれて『Steal Your Face』を買った。
だって問答無用でカッコいいじゃん?
あんなデザインだからサ、もしかしたらカッコいいハード・ロックでもやってないかな?って思ったワケ。Syf 結果!
ほとんど聴かなかったね。
やっぱいダラ~っとしてて。
それがデッドの味であり、楽しみだったんだろうけど、中学生だった当時はそんなことまったくわからなかった。
 
またしばらくして…今度は『Live/Dead』の「Dark Star」のギター・ソロがスゴイ!って言うじゃない?
買って聴いてみた。Livedead 結果!
どこをどう楽しめばいいのかがわからない。
ギター・ソロがスゴイって言うけど、ヘタするとジェリー・ガルシアよりフィル・レッシュのベースの方に耳が行っちゃったりして…。
バラカンさんがあれほど絶賛されているのがサッパリ理解できない。
もっともバラカンさんの本を読むと好みが真っ向から対立するのでそれもムリはないか…。
  
デッドのライブは長いことで有名だよね。
かつてボブ・ウィアとフィル・レッシュの楽器の面倒をみていた仲のよいアメリカ人の友達がライブに誘われるのはかなりの恐怖だとか言っていた。
誘われたら行かないワケにはいかないでしょ?
開演前に楽屋に顔を出して「来たよ~!がんばってね~!」と挨拶して、会場を離れまずは映画館へ…。
念のために別の映画館でもう1本観て時間を潰しておく。
その頃にはメッキリとハラも減ってくるので、レストランへ食事に行く。
ま、ワインの2~3本も空けて、「そろそろ戻るか…コンサートが終わっちゃうとヤバイからな」…とかつぶやきながらライブ会場へ戻ってズルッ!
「ドワ~!まだライブの中盤やんけ~!」
…というのはさすがに大ゲサに決まっているが、本当にこんなノリだったらしい。
私にはムリです。
 
でもね、ウチのCD棚に目をやると、ファースト・アルバムの『The greatful Dead』から、『Anthem of the Sun』、『Aoxomoxoa』、『Workingman's Dead』、『American Beauty』、『Skull and Roses』、『Europe '72』、『Blues for Allah』、『Steal Your Face』、『Terrapin Station』までと、少し飛んで『In the Dark』…と、結構持ってんのよ、デッド。
どうなってんだろうね?
買った時に1回しか聴いてないんだよ。
考えてみるにデッドもジャケットのほとんどがイラストだ。
しかも、それぞれどれも趣味がいい。
で、今回のMJGで展示されていたのは1977年の『Terrapin Station』。
デッドのライブも含めた1977年の14枚目のアルバムで、アメリカではゴールド・ディスクを獲得している。
 
ジャケットはコミカルに踊るカメが描かれており、今回のMJGのテーマにピッタリだ。
中身はというと、レゲエで始まるA面はまぁ、こんなものでしょ。
ところが!
B面を占める16分22秒のタイトル・チューン…ナンだコレはッ!?
もうヤケクソにカッコいい!
オーケストラや合唱隊の使い方が規格外に効果的で素晴らしい。
7/4の変拍子もバッチリで、これなら十分「プログレッシブ・ロック・バンド」として通用するぞ!…という感じでしょうか。
Img_0364
ところで「カメ」というとまず思い浮かべる英単語は何か?
「タートル(turtle)」?
「トータス(tortoise)」?
「テラピン(terrapin)」?
  
「タートル」はカメを指すときのオールマイティな呼び方。
「トータス」は陸に住むカメ。
そして「テラピン」はアメリカの沼に住む水陸両棲のカメを指すそうです。
下の左はテラピンちゃん。
右は今問題になっているワニガメ…ブッサイクだナァ。
カメだって第一印象が大切だな。
しかも、テラピンは食用なんだって。
「ゲゲ!」って思ったけど、考えてみれば日本人だってスッポン食べるもんね。Wg_2

Wg_1

一方、こちらはデッドの総帥ジェリー・ガルシア、1982年の4枚目のソロ・アルバム『Run for the Roses』。
「薔薇に向かって走れ」…なんてカッコいい!
内容は、私みたいなデッドの門外漢が聴くと、「一体本体と何が違うんだろう?」と思ってしまうが、「ガルシアが歌う」というところが喜びなのか?
「I Saw Her Standing There」や「Knockin' on Heaven's Door」をレゲエで演ったりもしている。
要するにジェリー・ガルシアがGrateful Deadから離れて自由に好きなことをやったアルバム…ということか。
そもそも、それがソロ・アルバムを制作する目的だもんね。

ジャケットがいい…競馬ならぬ競竜?
ティラノザウルスがトラ模様になっちゃってる。
イラストはスペインのデザイナー、ヴィクター・モスコソ。
モスコーソって言うのかな?
サイケデリック時代にソラリゼーションを効果的に使ったポスターをたくさん作ったことで知られているらしい。Img_0352レコード・ジャケットではSteve Miller Bandの『Children of the Future』やハービー・ハンコックの『Head Hunters』などを手掛けた。

Cof

7hhhh

さて、このアルバム。
「Run For The Roses」というのは「ケンタッキー・ダービー」のことを指すそうだ。
アメリカの競馬のクラシック三冠(Triple Crown of Thoroughbred Racing)の一角で歴史も人気も高いレースだそう。
優勝した馬には真っ赤なバラのレイが掛けられることから「The Run For The Roses」とアダ名されることになった。
私は全く賭け事をしないので実際の競馬については何の知識も持ち合わせていないが、競馬もイギリスが発祥であることぐらいは知っている。
何しろ「ダービー(Derby)」というのはイングランド中部の地名なんだからして…でも、13世紀に競馬が初めて登場したのはダービーではなくてチェスターだったのです。
日本では「競馬=ダービー」という感じで使われているこの言葉はヘンリー7世(あのヘンリー八世のお父さん)が1485年に創設した「伯爵」号。
競馬は英語ではそのまま「Horse race」という。
で、そのダービー伯の第12代目とバンベリー準伯爵という人が発案して1780年に始まったのが「ダービーステークス(Derby Stakes)」という馬のレース。
ダービーさんは当時のジョッキークラブの会長だったバンベリーさんの名前を付ける提案をしたが、地方競馬にすぎないレースに自分の名前を付けられるのをバンベリーさんがイヤがった。
そんじゃ「Heads or tailes?」ということでコイントスで決めようということになり、「ダービー」の名が冠されることになった。
この場合、ダービーさんは勝ちなのか負けなのかわからんな。
重要なことをコイントスで決めるなんてジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのドラムスみたいですな…このことはココに詳しく書いておいた➡【イギリス-ロック名所めぐり】vol. 61 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.4>
それで、このダービー・ステークスはロンドンのエプソム競馬場(Epsom Downs Racecourse)というところで開催されるというのだから、地名のダービーはほとんど関係ないんよ。
下がそのエプソム競馬場。
周囲の景色がキレイだね~。
大井競馬場とは大分違うな。
でもアソコの近くには「鈴ヶ森刑場跡」っていう史跡があって…あ、危ない、危ない。
コレをやると話が終わらなくなっちゃうのでまた今度。7epsomさて、サッカーやら、テニスやら、ゴルフやら、ラグビーやら、イギリスは数々のスポーツ競技の発祥の地とされているけど、コレはイギリス人が古来スポーツ好きだからというワケではなく、ご存知の通り、イギリスは「世界一ズル賢い国」でその悪知恵を駆使して世界を征服したためにコレらのスポーツが各地で普及しただけの話。
レガッタとか、ポロとか、野球の祖先のクリケットもイギリスだ。
でもコレだけじゃなくて、スヌーカー(ビリヤードの兄貴みたいなヤツ)とか、ダーツとかのインドア競技もとても盛んで、その季節になると選手権をテレビで延々と放送してる。
そして競馬。
競馬はスポーツじゃないか?…でも、『マイ・フェア・レディ』に出て来ることで知られる「ロイヤル・アスコット」なんかはテニスのウィンブルドン、ボートのヘンリー・ロイヤル・レガッタ、ゴルフの全英オープンに肩を並べる夏の人気スポーツ・イベントの一角なのだ。
開催は6月の末。
エリザベス女王が出席して自ら優勝関係者を表彰するこのレースに、毎回女王はウィンザー城から馬車でお見えになるという。
何てラブリーなんでしょう!
下は6月の上旬ぐらいに地下鉄のコンコースやエレベーターの壁に張り出される「ロイヤル・アスコット」の告知ポスター。
「Like Nowhere Else」…他の場所とは違う。
まるでThe Kinksの「I'm not like anybody else」じゃあ~りませんか!

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スイマセン…ついドップリと脱線してしまった。
ジェリー・ガルシアが完全にどっかに行っちゃった。
こんなのイギリスの興味のない人には退屈極まりないでしょうナァ。
ゴメンね。
 
さ、軌道を元に戻してもうひとつ「カメ」行ってみましょう!
1974年リリースのThe Turtlesのベスト・アルバム『Happy Together Again』。
これは可愛いジャケットですな。
表ジャケはアツアツのカメのカップル…。Img_0356裏面はこの通り。Img_0357拡大するとこう。
説明は不要ね?
何とも細かい描写が愛くるしい!
タイトルも『Happy Together Again』だからね。
この2匹も久しぶりに会ったのだろうか?
イラストを描いたのはカール・ラムゼイという南サンディエゴの画家。Kame_2「画家」としたのは、この人のポートフォリオを見るとかなりシリアスな油彩ばかりで、プロフィールには「レコード・ジャケットのデザインの仕事もした」ぐらいしか書いていないから。
「Honey Hush」がうれしいFoghatの『Energized』や高校の頃に聴いたWest, Brice & Laingの『Live'n'Kickin'』のジャケットをデザインしているようだ。

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「Happy Together」ね…私は中学の時、Zappaの『Filmore East - June, 1971』で聴いたのが初めてだったけど、いい曲だと思ったね。
このザッパ・バージョンもいいけど、オリジナルの方もいいね。
ギターのボイシングがタマんない。
作詞と作曲はThe Magiciansというバンドのメンバーだったゲイリー・ボナーとアラン・ゴードンという人たち。
知らんわ~。
2人はデモを作って数々のレコード会社に持ち込んで聴いてもらったが、ゼンゼンダメ。
そして、流れ流れてこの曲はThe Turtlesのところにやって来たという。
その時にはそのデモ音源を収録したアセテート盤がほとんど擦り切れていたという…ホンマかいな?
でも実際にいい曲だもんね。
その証拠に1967年1月にシングルとして発表されてその年の3月末からビルボードのチャートで3週連続1位を記録した。
イギリスでは8位、カナダでも1位をマークしたそうです。
ヨカッタね~、マジシャンズ。
そんなだから「Happy Together」だけを集めたコンピレーション盤ってのもあるんよ。
ザッパとタートルズのオリジナルと「ポップ・バージョン」としてシチズン・ジェーンとかいう人と、タートルズのライブ・バージョンの4パターンが収録されている。
買った時にしか聴いていないんだけど、今、またウチのCD棚から引っ張り出して聴いてみた。
聴き慣れているせいか、ザッパのバージョンが一番ヨカッタ。

Hptt_2 
モメにモメたオリンピック/パラリンピックが終わった。
長い間応援して来た「田川ヒロアキ」がパラリンピックの開会式に出演し、一気にスターダムにのし上がってくれてうれしい限り。
さて、1980年に動物のオリンピックをテーマにした『Animalympics』とかいうアニメーションがあったそうだ。Anm
その音楽を10ccのグレアム・グールドマンが担当してリリースされたのがこのサウンドトラック盤。
10ccに会いに行く』なんて記事まで書いたぐらい私は10ccが好きなんだけど、コレはまったく知らなかった。
「好き」といっても『Deceptive Bends』までだから知らなくても無理はない。
「なんだよ~、天下の10ccのメンバーが、ナニが悲しくて動物のオリンピックの仕事なんかしてるんだよ~」…と思ってガッカリした気持ちで聴くと、コレが抜群にいいのよ!
バンドは、リック・フェンやポール・バージェス等、ほぼエリック・スチュアートを除く10ccの残党。
歌は当然グラハムだから「ほとんど10cc」の印象。
やっぱり「Bus Stop」だの、「No Milk Today」だの、特級のソングライターが作る音楽だからして曲のクォリティが高い!
このままの内容で「10cc」名義にしちゃったらどうですか?
私は10cc時代だったらゴドレー&クレーム派なんだけど、このアルバムを聴いてグレアムも味方をしてあげたくなった。
グレアムは5ccになった時にエリックに付いたけど、そもそもはゴドレー&クレーム組に入るべきだった人なのよ。
ナゼそう思うかを述べてこの項を終ると…

Img_0355それは…
ゴドレー&クレームが作ったジェットコースターに乗っているように景色がコロコロと変わっていく名曲「The Dean and I」(ファーストアルバム収録)をエリック・スチュアートは「hate」という言葉を使って否定した。
ところが、グレアムは「10ccの要素が詰め込まれた名曲」と評しているのだ。
実際、彼ひとりがオリジナルメンバーの10ccで来日した時にもこの曲を取り上げていた。
その時、私はチョット不思議に思ったんだけど、すでに紹介した『10ccに会いに行く』を書くために彼のインタビューを聞いてその理由を知った。
「I'm not in Love」だけが10ccじゃゼンゼンありませんのよ!

10cc 
ココでナゼかDon Cherryの『Brown Rice』。
1975年、イタリアでのリリース。
Donはフリージャズ界の大物トランペッター。
10年前に比べてフリー・ジャズもずいぶん聴くようになったけど、ドン・チェリーはほとんど聴かないナァ。
でもこのアルバムは持っていて、タマに聴くと1曲目のタイトル・チューンがザッパの「Deathless Horsie」に似てるな~と思うのです。
このパッチワークのジャケットはドンの奥さんの手によるもの。
イタリア・プレスだとこのジャケットなのかな?

Img_0360というのはこのアルバム、こういうジャケットが普通みたいなんだよね。
私が持っているのもコッチ。
上の奥さんのパッチワークのデザインの方が断然魅力的だ。Cdbr
Buddy Miles Expressの『Booger Bear』。
「Booger」って鼻クソのことでしょ?
ザッパにも「Booger Man」って曲あるもんね。
私はこの手の音楽を聴くことがないので何の知識もないんだけど、The Tubesの、イヤ、ディメオラのところのミンゴ・ルイスが参加しているのね。
「You Really Got Me」を演っている。
でも、コレ、別の曲名を付けてオリジナル曲にした方がいいんじゃないの?…っていうぐらいのフェイク。
コレ自体をカッコいいか悪いかで言ったらカッコいいよ。
でも「You Really Got Me」として聴いたら、オイオイ、いい加減にしてくれたまえ!という感じかな?、私には。
Img_0361ジャケットはユーモラス。
コレも上に出て来たカール・ラムゼイの作品。
裏面を見ると着ぐるみの背中が裂けちゃってる!
着ぐるみの中はバディ・マイルスで「太りすぎ注意!」ってことかしらん?
Img_0362 

スティーブ・ハケット、1978年のソロ第2作『Please Don't Touch』。
マザーグースの挿絵に出来そうな薄気味悪いイラストはキム・プアというブラジル出身の女性イラストレーターの作品。
2、3の例外はあれど、ハケットはソロ・アルバム第1作の『Voyage of the Acolyte』からジャケットはずっとキム・プアのイラストをジャケット・デザインに依頼しているようだ。
10年前に書いた記事を読んだところ、「超久しぶりにレコード棚から引っ張り出して聴いてみたら実によい」とあった。
それからこのアルバムのことはスッカリ忘れていた。
それで、先日ギタリストの三宅庸介さんと話をしていて、ヒョンなことから話題がこのアルバムになった。
そこで超久しぶりにレコード棚から引っ張り出して聴いてみたら実によい!…って、何回も!
このアルバムに対して失礼だろ!
でも、ホントにいいのよ。
曲のクォリティも高いし、参加メンバーがスゴイ。
何せザッパ一家からベースのトム・ファウラーにドラムスのチェスター・トンプソン。
ナゼかリッチー・ヘイヴンス。
そしてKansasのスティーブ・ウォルシュ。
豪華といえば豪華。
メチャクチャといえばメチャクチャ。
スティーブの狙いは「黒人音楽と白人音楽、イギリスの音楽とアメリカの音楽を混ぜた音楽を作りたかった」のだそうだ。
ん~、混ざってるかどうかはわからないけど、ジャケット・デザインも含めてとにかく良質でゴージャスなポップ・アルバムに仕上がっていると思う。
この人、とてもおとなしそうなイメージで、実際に会って話をしても(私は2回ほどお会いしたことがあるのだ)、もう紳士ムードに満ち溢れている。
ところが、その印象とは裏腹にチャレンジ精神が旺盛で結構実験好きなのではなかろうか?
Van Halenよりゼンゼン前にあの手のタッピングをやっていたしね。
それと、ブルース・ハーモニカがヤケクソに上手いんだよ。
今、またこのアルバムを聴きながらこの文章を書いているんだけど、やっぱりいいわ。
Img_0367 
コレは特にジャケットがコミックなわけでも、デザインがおもしろいワケでもない。
この「NATIONAL LAMPOON」というのは1970年から1998年まで刊行されていたユーモア雑誌のこと…つまり、ホンモノのコミック。
ジャケットのデザインはその雑誌が並んでいるところ。
出版元はマサチューセッツにある有名なハーバード大学の在学生たちだった。
「lampoon」というのは「風刺」という意味。
写真のアルバム『Goodbye Pop 1952 - 1976』は雑誌から派生したパロディ曲集のアルバム。
コレがですね、なかなかバカにできない内容で、コ・プロデューサーがポール・シェイファー。
この人はデヴィッド・レターマンの「Late Show」の音楽監督で、番組の中でキーボードを弾いているあのスキンヘッドの人。
ドラムスにはラス・カンケルのクレジットがあるし、1曲目のサックス・ソロがカッコいいと思ったらマイケル・ブレッカーでやがんの!
でも一番驚いたのは、クリストファー・ゲストが複数の曲でベースを弾いている!
この人誰だか知ってる?Img_0369そう!
『Spinal Tap』のナイジェル・タフネルね。900_2  
West, Bruce & Laing!
なつかしいナァ。
今、この3人のフルネームを言える若い人がいるだろうか?
さて、この3人のフルネームはLeslie West、Jack Bruce、Corky Laingだね。
前と後ろの2人が元Mountain、真ん中が元Creamというスーパートリオだ。
スーパー・グループの宿命なのか、このトリオも1972~1974年と短命だった。
高校の頃『Live 'n' Kickin'』というライブ・アルバムをよく聴いたっけ。
このアルバムは1973年、2枚目の『Whatever Turn You On』。
「何があなたを魅せようとも」みたいな意味かな?
3人のメンバーが夢中になっているモノが描かれている。
レスリー・ウエストはハンバーガー、つまり食べ物。ジャック・ブルースは音楽と楽器、そしてコーキー・レイングはシモ。
ちなみのこのトリオ、2009年に「Bruce」のところをジャックの息子のマルコムが埋めてWest, Bruce Jr. and Raingとして再結成している。
このジャケットのイラストはジョー・ペタグノ。
Img_0368ペタグノは数えきれないぐらいのロックのレコード・ジャケットのアートワークに携わっている。
1972年にアメリカを離れて、イギリスに渡りヒプノシスと仕事をした。
下のNazarethの『Rampant』はペタグノのイラストを使ってヒプノシスがデザインを施している。
このアルバム、かつて『競獅子(きおいじし)』とかいう歌舞伎の演目みたいな邦題が付いていた。
「Rampant Red Lion」というスコットランドの家系の紋章から来ているらしい。
Nazarethはスコットランドのバンドだからね。
また、Captain Beyondの『Sufficirently Breathless』もそう。
ジャケットのクレジットを確認すると、上に出て来たカール・ラムゼイとの共同作業のようだ。
どちらがナニを担当しているのかまではわからない。

Nazaretu

Cb

The Kinksの『Soap Opera』やSweetの『Give us a Wink』。
Sweetは『Strung Up』もペタグノの作品。

Kinks

Sweet 
なついかしな、Heavy Metal Kids。
このアルバムいいんだゼ~。
このバンド、今でも活動しているらしい。
Black Oak Arkansasの『High on the Hog』もペタグノのイラスト。
このアルバムもゴキゲン。
ジム・ダンディはすこぶるカッコよろし。

Hmk

Bla  
そして、この人の最も有名な…というか、重要な仕事はMotorheadのビジュアルだろう。Mh さて、『Whatever Turn You On』の裏ジャケ。
ジャック・ブルースもコーキー・レイングもグビグビと酒をあおっているのに、レスリー・ウエストはまだ食っている…というオチが付いている。
レスリーもジャックももうこの世にいない。
7wb2l<つづく>

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2021年10月 2日 (土)

ミュージック・ジャケット・ギャラリー ~ コミック・ジャケット・コレクション <vol.1>

 

正直もうネタがなくてね。
数日前に緊急事態宣言が解除になったものの、ココのところ行けるライブもメッキリ減ってしまっていたでしょ?
Marshall Blogって70%がライブのレポートだったので、そりゃネタも尽きるワケよ。
でもナントカ更新せねば…ということで、今ではもう見ることの出来なくなった昔のMarshall Blogの記事から出来のいいのを見繕って「アーカイブ記事」を公開しようとしているんだけど、コレはコレでまた大変なの。
10年以上も前に作った記事でしょ?
まず、写真も文章も気に入らなくてね…。
とてもじゃないけどそのまま右から左へ出すことができない。
そんな中で比較的やりやすいのがレコード・ジャケットの魅力を紹介する『ミュージック・ジャケット・ギャラリー(以下、「MJG」)』。
最近はレコード・ジャケットや昔のロックの存在感がますます小さくなってきている感じもしてるしね。
記事を復活させるにはちょうどいい機会だと思って…。
 
で、今回は今から10年前の2011年12月5日 に掲載した記事を再掲することにした。
「再掲」といっても70%ぐらい書き換えてしまったのでほぼ原型を留めていない。
写真や文章が気に喰わないだけでなく、書いてある内容が時流に合わなかったのです。
「TTP問題」がどうのとか言っていたりしてね…今、チョット中国が騒いでいるけど「TTP問題」なんて誰も覚えていないでしょう?
新しい自民党の総裁が選出されたけど、だいたい今日の記事のオリジナルが掲載された10年前の12月の時の総理大臣って誰だったか覚えてる?
そう、野田さんよ。
え、野田さん自体も覚えていない?…というぐらい時の流れが早いね。
でもどんなに時代が変わっても昔のロックとレコード・ジャケットの魅力は変わらない。
でもひとつ…この音楽のメディア関連で10年のウチに大きく変わったことがある。
今回それが記事の内容の書き換え作業を強くプッシュしたのね。
それはナニかと言うと、SpotifyとYouTube。
10年前に記事を書いた時にはそれらがまだ無いか普及していなかったので、聴いたことがないレコードはジャケットの紹介をするにとどまっていたんだけど、今ではどちらかを検索すれば記事に登場するレコードのほぼすべての音源を聴くことができるようになった。
だから、10年間にはジャケットの紹介しかできなかったアルバムも、今回は音源を探し当て、片っ端から聴いて感じるところがあれば簡単な感想を付け加えることにした。
こういう作業をする時のSpotifyやらYouTubeは限りなく便利である。
反面、レコードは本来そこに収められている音楽を聴くためのモノであって、「その音楽を聴けさえすれば満足」ということであれば、レコードをコレクションする必要が全く無くなってしまったことを実感する。
実に恐ろしいことだ。
このシリーズを始める時に「利便性が風情を殺す」なんて書いたものだったが、10年チョット経って我々レコードやCDで育った世代の人類が直面した現実はそんなナマ易しいものではなかったネ。
あと何十年かして、生まれた時からSpotifyやYouTubeがある世代の人たちだけになった時、レコードやCDはこの世から姿を消しているのだろうか…なんてことは以前から取り沙汰されてきたけど、少し真剣に考えてみてしまったよ。
 
さて、「MJG」と来れば大田区は鵜の木にある音楽パッケージ印刷の老舗、「株式会社 金羊社」さんの4階のギャラリー。
Img_0221懐かしいな~。
ココへは三月に1回、展示アイテムが入れ替わるたびにお邪魔させて頂いていた。
展示品は日本屈指のレコード蒐集家、植村和紀さんのプライベート・コレクションだ。
Img_0440今回のテーマはイラストものを中心としたコミカルなジャケット。

「笑い」はいつの時代にも必要かつ不可欠なもの。
「笑い」には癒しの効果があり、人間関係を円滑にさせるばかりでなく、肉体的な面からも本来人間が持っている免疫力や自然治癒力をアップさせるっていうからね。
今の日本はとても笑える状況にはないが、こうした社会状況を少しでも変えていくためには、「笑い」が持って来いなのだ。
今回登場する数々のコミカルなジャケットを見ることによって、是非とも「笑い」の勢いを感じ取って心身ともにパワーを蓄えてもらえればうれしいね。Img_0430_2 ところで、『雨に唄えば』って映画観たことあるでしょう?
若い人たちは知らないか…。
名曲がテンコ盛りのミュージカル。

Sgir

 
あの中に「Make 'em Laugh(笑わせちゃおう)」という曲が挿入されている。
ドナルド・オコーナーの超絶ダンスが見もののハッピー・チューンで「Make 'em laugh. Make 'em laugh. Don't you know everyone wants to laugh?(笑わせちゃえ、笑わせちゃえ、みんな笑いたがっているのを知らないのかい?)」と歌う。
そう!みんな笑いたくてしょうがないのだ。
ちなみにこの映画のヒロインを演じているデビー・レイノルズって誰のお母さんか知ってる?
答えは「レーア姫」を演じたキャリー・フィッシャー。
『スター・ウォーズ』のね。
『ブルース・ブラザーズ』ではジョン・ベルーシを追っかけまわしてマシンガンをぶっ放す謎の女性ね。

7dr

7cf 

似てる?
お母さんの方がカワイかったかな?
「カワイかった」…と過去形で言わなければならないのは、2人ともお亡くなりになっているから。
2016年12年27日、ロンドンからLAに向かう飛行の中で娘のキャリーが心臓発作で息を引き取った。
すると翌日の28日、あろうことかそのショックでお母さんのデビーが脳梗塞で亡くなってしまったのだ。
コレにはホント驚いたよ。
この記事の初出は2011年12月なので、その時には2人ともご存命だった。
  
さて、話題は変わって「笑い」といえば…。
欧米人に言われてもっともうれしいお世辞は何か?
以前は「How many years were you in the States?(アメリカにどれぐらい住んでいたの?)」だった。
つまり「あなたは英語が滅法うまい」というホメ言葉だ。
ココでチョット自慢ね。
一昨年Marshallに行った時に、本社の近くの定宿の少々長逗留をしたんだけど、最後の日に「今までありがとう。今日帰ります」とレセプションで応対してくれた東南アジア系の女性に言ったら「どちらにお帰りなんですか?」と訊いてきた。
「今晩の飛行機で東京に帰ります」と私が答えると、「エエエッ?東京にお住まいなんですか?お話になる英語を聞いていたら私はてっきりロンドンにお住まいなのかと思いましたよ!」って言うワケよ。
やっぱりロンドナーに見えるんだな~…コレはさすがにうれしかったけど、今にして思うと「日本人向け接客マニュアル<おだてれば調子に乗るバカなヤツ編>」の通りだったのかも?
実際、大した英語は話していませんからね。

Dt 向こうの人って外国人が話す英語のお世辞を言う時、「Your English is very nice!(英語がお上手ですね~!)」って言っておいて、「Your English is much better than my Japanese(アナタの英語は私の日本語よりゼンゼンお上手だ)」ってよく言うんだよね。
そう付け足されたらこっちの英語をほとんど評価していないと思っていいでしょう。
コレ、社交辞令とは言え失礼だと思うんですよ。
だってこっちは中学から大学まで一応10年間も勉強していることになっているし、少なくともそうして外国人と接する機会がある仕事をしていれば、真剣に英語を勉強しているのが普通じゃない?
それにひきかえ、向こうはナンだ?
日本語なんてマジで勉強したことないでしょ?
そんなアナタのヘッポコ日本語といっしょにされちゃこっちは困るワケよ。
でも、日本人で英語が話せる人って人口の2%ぐらいなんだってね。
6年、あるいは10年も学校で学習しているのに…全くの無駄ということですからね。
いくら英語を使う環境が他国と違うとはいえ、こんな惨状は日本ぐらいのもんじゃないかしら?
  
で、英語のお世辞については考え方を変えた。
「You have sense of humor」…これが英語を話す欧米人からの最高のお世辞とした。
「ユーモアのセンスがおありですのね、愉快なお方!」みたいな。
欧米人は人を笑わせる能力を持っている人をとても尊敬する。
もちろん下品なネタはダメですよ。
英語で冗談を言うのは実にムズカシイ。
まず英語が通じなければ絶対にウケない…コレ当たり前。
そして、冗談というのは話すスピードが命なのだ。
ダラダラ、「ア~ア~」だの「ユーノー」だの言っていると相手は笑ってくれないどころか話しを聞いてももらえなくなる。
多少無理をしてでも自分なりの最高速度で一気に英語をしゃべりきるのがコツ。
それと何と言っても文化。
映画でも、音楽でも、文学でも、歴史でも、食べ物でも、テレビのネタでも、とにかく彼らが日常に接している事物を広く知らないと冗談を言うチャンスは訪れない。
実際に相手の文化的なバックグラウンドを絡めて放つ冗談が一番ラクなんだよね。
私の場合は映画と音楽だ。
政治や宗教や人種をネタにするのはあまりにも危険なので、とにかくコレに徹している。
向こうの人たちは我々が想像するよりもはるかにそういったエンターテインメントが生活の中に入り込んでいるし、よく知っているから何を言っても受け止めてくれる。
すると、共通の話題も増えるし、冗談を言う機会も増えるというワケだ。
先日、Marshallの若い女性に「刑事コロンボ」が話す英語をマネしてメールをしたら完全にシカトされたけどよ。Shika_2 そして、冗談がウケれば自動的に英語力も認められているということになる。
意味が通じてるんだから当然だ。
だから、「You have sense of humor」は最高のお世辞であり褒め言葉だと思うワケです。
エ、お前そんなこと言ってるけど実際にそう言われたことあるのかよ?って?へへへ、ご想像にお任せします。
ま、何度か言われていなけりゃこんなこと書かんわね。
 
そうそう、コレで思い出した。
昔ヒースローの待合室にいた時、東京に向かう見知らぬイギリスのオジさんに声をかけられて、お互い同じ便だったので搭乗時間まで世間話をしたことがあった。
何でも海底掘削工事のエンジニアとか言っていた。
で、話題がイギリスの天気になって、私が「You have all seasons in one day」と形容したら、その人「おお~!素晴らしい!アナタは詩人だ!」とか言いながら握手を求めて来て、ものすごく感激されて驚いたことがあった。
コレはユーモアではありませんけどね…ポエムです。
下は昔のヒースロー空港の待合室。545 なかなか本題に入らなくてゴメンナサイ、前からどうしても書きたかったことがあるんです。
「コミック」という今回のテーマを利用して書かせてもらっちゃおう。
 
私の世代は残念ながらロックの黄金時代、つまりレッド・ツェッペリンやディープ・パープルの時代にはちょっとばかり間に合わなかった。
中2の時に『ホテル・カリフォルニア』がリリースされた世代。

Hc クラスの普通の子が聴く音楽といえば歌謡曲が当たり前で、その頃からロックに夢中になっていたのは私の他にはほとんどいなかった。
だから、もう6~7年早く生まれていればJethro Tullも、Pink Floydも、Humble Pieも、Freeも、BBAも、ELPも、YESも余裕で観ることができたですよ…でもできなかった。
ところが、我々の世代は思いっきりアニメとかヒーローの黄金期に当たってるのね。
鉄腕アトム、鉄人28号、エイトマン(←主題歌の歌詞って前田武彦が書いてたって知ってた?)あたりからはじまって、ひょっこりひょうたん島、ケロヨン(木馬座)。
ケロヨンなんてモノスゴイ人気だったんだよ~。
母がよくサンケイホールに観に連れて行ってくれた。
ちなみに同じ歳の家内は、私との別れ際にはいまだに「バハハ~イ」と言うことが多い。

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テレビアニメに至っては枚挙にいとまがない。
ジャングル大帝、リボンの騎士、メルモちゃん、マッハGo Go Go!、妖怪人間べム(何故か舞台がヨーロッパ)、サイボーグ009、スーパージェッター、タイガーマスク、巨人の星、アッコちゃん、サリーちゃん、おそ松くん、もーれつア太郎、ハリスの旋風、あしたのジョー、いなかっぺ大将、みなしごハッチ、ハクション大魔王、オバケのQ太郎、ウメ星デンカ、花のピュンピュン丸(これ好きだった)、狼少年ケン、アタックNo.1、鬼太郎、河童の三平、ライオン丸(顔がライオンだもんね。ミノタウロスもビックリだぜ)、デビルマン、マジンガーZ!あ~ダメだ、キリがない!
 
怪獣系ではウルトラマンやウルトラセブンはもちろん、マグマ大使(ネーミングのセンスすごし)、ジャイアントロボ、ミラーマン等のテレビ番組に加えて、ゴジラ人気に便乗して各映画会社がジャンジャン怪獣映画を制作していた。
大映の「ガメラ」や「大魔神」は今でも人の口に上ることが多いが、松竹の「ギララ」、日活の「ガッパ」とかはほとんど耳にしないよね。
「マタンゴ」は古いか…「ゴケミドロ」なんてのもあったな。

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Gappa 

今考えると、クリエイティビティに満ち溢れていた本当にスゴイ時代だったと思う。
「ど根性ガエル」なんてスゴイぜ。
一体、誰がカエルがシャツに貼ッ付いちゃうなんてことを考えるよ?
 
音楽で例えれば、手塚治虫はデューク・エリントンぐらいスゴイし、赤塚不二夫なんてジミ・ヘンドリックスかオーネット・コールマンぐらい偉大だよ。
私はレッド・ツェッペリンもディープ・パープルも観ることはできなかったが、星飛雄馬や伊達直人や鮎原こずえ達を時を同じくして十二分に楽むことができた。

Dk

この頃のアニメはエロも過度な暴力もなくて実に愛らしかった。
そして、我々の世代がもうひとつラッキーだったのは、これらのアニメの主題曲もリアルタイムで経験したことだ。
上に挙げたほとんどの作品の主題歌は今でもほとんどソラで歌えるもんね。
それぞれが際立っていい曲だった。
妖怪人間べムはビッグバンド・ジャズだったり、アッコちゃんの最後の歌「スキスキ」はブルースだったり、演歌調もありゃ、準クラシックもあった。
鉄腕アトムのイントロはホールトーン・スケールがガッツリ使われていたり、いろんなタイプの音楽を知らず知らずの内に体験していたことなる。
ま、ウチの家内なんかは「魔女っこメグちゃん」を平気で「ケロっこデメタン」のメロディで歌っていたりもするが…。
今みたいな一石二鳥のヒット狙いのタイアップ曲なんかではなくて、クラシックを下地にキチンと音楽を勉強した作曲家が曲を作り、腕利きのミュージシャンがそれを奏でるのだからそりゃいいモノができるにキマている。
だから世代を超えて長持ちしてるんでしょうね?
作曲に関して言えば、富田勲や山本直純だもんね。
映画も音楽もアニメも、テイストが変化するのはまったく構わないと思うけど、一体ナニが美しいのか、ナニがスゴイのか、ナ二が面白いのか…の適切な基準だけは無くさないでいて欲しいことを願う。
 
展示のテーマを象徴するブローアップ・ジャケット。
今回選ばれた2枚のウチの1枚はジャニスの『Cheap Thrills』。
Img_0258もうひとつは昔の山止たつひこのマンガにでてきそうなキャラをあしらえたカナダのニール・メリーウェザー(Neil Merryweather)という人の『Kryptonite』。Img_0261 ではいつものように、気になった作品を展示棚ひとつずつ見ていきましょう!

Img_0229まずは最初のセクション…§1-a。Img_0232 数々のフォロワーを生んだ名ジャケット・デザインを手がけたのは、アンダー・グラウンド・コミックスの創始者といわれているロバート・クラム(Robert Crumb)。
それほど熱心に聴いたアルバムではないが、印象に残っているアルバムのひとつ。
残念ながらそれはジャケットのおかげではない。
その理由は値段…といってもおわかかりになる方はほとんどいらっしゃらないでしょう。

Ct_2 中学の時の話し。
当時もLPレコードの値段は全て2,300円から2,500円だった。
現在のCDとそう変わらないけど、コレは45年ぐらい前の話ですからね。
当然新品のLPを1枚買うのには、清水の舞台から真っ逆さまに飛び降りるような決心が要ったワケです。
そこへ出て来たんですよ。
CBS/SONYの名盤と言われていたレコードが1,500円均一で!
いわゆる「廉価盤」ってヤツね。
こんなの今では何ら珍しいことではないどころか、音楽なんてもうタダ同然になっちゃったけど、子供の頃の1,000円の差っつったら大変なモンですからね。
ま、今でも大変なんだけど…。
「1,500円でレコードが買える!」と狂喜乱舞したのです。
しかし、いくら安いと感動してみたところでこっちはビートルズを卒業してまだそう間もない頃でしょう。
アル・クーパーだの、ジョニー・ウインターだの、Blood, Sweat & Tearsだの、Chaseだのといわれてもネェ…まだこっちはオコチャマで、海のモノとも山のモノともつかないアイテムばかり。
どれを買っていいのかサッパリわからないワケ。
で、ひと際目を引いたのがこの『Cheap Thrills』だった。
こんなモロに漫画のジャケット見たことなかったからね。
でも結局、その時に私はこのLPを買わなかった。
仲のいい友達が買ったので借りて聴いた。
「ナンて変な声の女の人だろう!」だと思ったけど「Piece of My Heart」が気に入った。
当時、よく「Summertime」の絶唱が賞賛されていたように記憶しているけど、年月を経る間にエラ・フィッツジェラルドやカーメン・マクレエのジャズ版や、オリジナルのオペラの『Porgy & Bess』を聴いてしまうと、ジャニス・バージョンはかなりツライ。
今となってはガーシュインの最高傑作のひとつを改悪しているようにしか聞こえないんだよね。
ジャニスのフェイクっぷりもツラいけど、原因の1/3ぐらいはあのギター・ソロによるものかも知れない。
70r4a0088 その後、九段会館で開催された『Monterey Pop Festival』のフィルム・コンサートに行き、床を踏み鳴らしながら「Ball and Chain」を激唱する動くJanisを見た。
オイルをかけてストラトキャスターに火をつけるジミ・ヘンドリックスにも感動したが、ジャニスも負けていなかった。
下はその時に買ったプログラム。
同時上映は『Wattstax』だったんだけど、ゴメン、途中で出て来ちゃった。

70r4a0098_2これは植村さん所有のRobert Crumbの作品集。
Img_0263ページを繰ってみると…ホラ、『Cheap Thrills』が出てる。

Img_0264他に有名な作品はこの『Fritz the Cat』や『Mr. Natural』などがあり、どちらもやや年配の方なら「ああ、コレね」と思うだろう。
他にはエッチなマンガが盛りだくさん。

Img_0266 上に書いたように、このジャケット・デザインは数々のフォロワーを生み出していて、コレはその中のひとつ。
犬神サアカス團の2007年のシングル「たからもの」。952  
次…これはユカイ!
『liverpool 1963 - 1964 volume two』というコンピレーション・アルバム。
収録されているのは、Beryl Marsden、The Big Three、The Dennisons、The Mojos等…って全然知らんわい!
ちょっと気になるのはThe Pete Best Fourとかいうグループ。
もちろん、ピート・ベストとはRingoの前のThe Beatlesのドラマー。
この人今でも演奏しているみたい。
ジャケットはもちろん『With the Beatles』のパロディ。
元も方は、アストラッド・キルヒャーというドイツ人の女流写真家が使った一般的に「ハーフ・シャドウ」と呼ばれる手法をビートルズのメンバー達が大変気に入り、ロバート・フリーマンというイギリス人カメラマンに依頼して同じタッチで撮った写真を『With the Beatles』のジャケットに使った。
アストラッドはこれまた元ビートルズのメンバー、スチュアート・サトクリフ(ポールの前のベーシスト)と婚約したが、彼の死によって別れ別れとなってしまった。このあたりは有名な話で映画にもなったんじゃなかったっけ?
フリーマンは他にも『For Sale』、『Help!』、『Rubber Soul』なんかのジャケ写を撮った人ね。

Img_0302 裏面にはモップの写真が…。
このモップが実際に使われたのかしらん?

Img_0303 「Bummie(ブラミ―)」が集まって結成されたバンドがThe Move。
「ブラミ―」というのはバーミンガム出身者のこと。
ニューカッスル出身者が「ジョーディー」、マンチェスター出身者が「マンキュリアン」、リヴァプール出身者が「スコーサ―」というのと同じ。
バーミンガム訛りの英語はキツイぞ~。
Marshallの本社があるミルトン・キーンズはバーミンガムにほど近いこともあって、何人かのブラミ―がいる。
最近は少し慣れたけど…ココだけの話…最初の内はナニを言っているのかがわからず本当に困った。
マンキュリアンの英語も結構ツラい。
経験から言って、まだジョーディー弁の方がラクなような気がする。
 
さてこのThe Move、以前にも書いたことがあったが、どこに境目があるのかはわからないものの、イギリスでは「ロック」と「ポップ」の境界線が明確でThe Moveはどちらかというと「ポップ・バンド」の範疇に入れられているようだ。
確かにファースト・アルバムなんかを聴くと、ポップポップしていることは否定できない。
でもコレが実にいいんだな。
ま、どのジャンルに突っ込まれようとロイ・ウッドとジェフ・リンという才人を抱えたこのチームの音が悪かろうハズはない。
特にRoy Wood(後出)はいいナァ。
同じポップ・チューンを演るにしても、スルリと無難にいいメロディを聴かせるというのではなく、「アレ?そっちに行っちゃうの?」みたいな意外性を持ち合わせているところがタマらん。
初期には全英No.1となったシングル「Blackberry Way」や、同じく2位まで上昇した「Night of Fear」や「Flowers in the Rain」などのヒット曲があって、The Moveは日本でもっと名前が通ってもいいバンドだと思う。
このアルバム『Shazam(シャザム)』は1970年発表の2枚目のスタジオ・アルバム。
スーパーマンのような格好をしたメンバーのイラストがユーモラスだ。
Img_0306The Moveは1枚目も4枚目もイラストのジャケット。
メンバーの写真を表に出すことがなかった。
恥ずかしがり屋だったのかしらん?

Move

7mc 

唯一、3枚目の『Looking on』だけが写真を使ったデザインだった。
この写真がまた妙で、頭のテッペンがツルツルにハゲたおっさんを並べて俯瞰で撮ったもの。
パッと見ただけでは何かわからないようなシャレのきいた写真を使っていた。
イカンね、ハゲはオモチャじゃないぞ!
コレね。
このジャケットも十分コミック的だ。
Loところで、「Shazam」というのはナニか?
最近ではそういうアプリもあるようだが、「ジャーン!」という擬音なのだそう。
手品師が最後にワザを使って見ている人を驚かす時に「シャザム!」と言うらしい。
ドッキリカメラだったら「♪テッテレ~!」だ。
 
ココでの「Shazam」は違う。
私はこういうマンガ関係のことは全く門外漢なのでもし間違っていたらゴメンよ。
「シャザム」というのは、1930年代のアメリカのヒーロー・コミック『Captain Marvel』に登場する魔法使いのことだとか…。
このシャザムが「Shazam!」と呪文を唱えると、稲妻が轟き、主人公のビリー少年が6人分のパワーを持ったヒーローに変身する。
ここから転じて『キャプテン・マーベル』自体のことを『シャザム』と呼ぶようになった…とか?
だからMOVEのメンバーもスーパーマンみたいな格好をしているというワケね。
でもこれはスーパーマンではなくてキャプテン・マーベルなんですな…知らんがな。

「キャプテン・マーベル」でよく知ってるのはコレ。
Stan Getzの『Captain Marvel』…「Return to Forever」の前身ですな。
カッコいいことこの上なし。

Cm もうひとつついでにMOVEネタ。
写真はロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(Victoria & Albert Museum、通称「V&A」)に飾ってあったThe MoveのMarquee出演時の告知ポスター。
何ともカッコいいデザインではあ~りませんか!
でも「JULY 11 MARQUEE」としか書いていない…何年のライブだったんだろう?

7img_2251 ということで、早速ウチにある『LONDON LIVE』という本でMarqueeの出演者記録を調べてみると…あった、あった!
1967年の7月11日のことだった。Tb この日のThe Moveの対バンはWinston's FumbsというThe Small Faceのキーボーズ、ジミー・ウィンストンのバンド。
スゴイよ…その前日の出演者はTen Years Afterにロジャー・チャップマンのFamily。
翌日はアル・スチュアート(後出)だもん。
いいよナ~、人生不公平だよナ~。
もっとも1967年じゃまだ私は5歳だったけど。70r4a0144アーチー・シェップの『The Magic of Ju-Ju』にも「Shazam」という飛び切りカッコいいバッピッシュな曲が収録されている。
この『The Magic of Ju-Ju』も今回の展示に出てきてもおかしくない充分コミカルなデザインで好き。花柄の骸骨なんて実にステキな意匠だ。
内容も素晴らしい。シェップは素晴らしい。

JujuThe Move関連のネタが続くよ。
ロイとジェフが在籍していたNightridersが発展して生まれたIdle Race。
結成は1967年と古い。
これはファースト・アルバム『The Birthday Party』。
英米でジャケット・デザインが異なるが、これはイギリス盤。
誰かはほとんどわからないが、この宴席に座っている紳士たちはイギリスの有名人らしい。
で、ところどころにバンドのメンバー紛れこんでいるところが楽しいけど、このアイデアって考えてみれば完全に『Sgt. Peppers~』じゃんね?
それもそのハズ、ジェフは大のビートルズ・ファンで、何かのインタビューで目にしたんだけど家ではビートルズとバルトークしか聴かないとか。
いいチョイスだ…バルトークはカッコいいですよ~。
このアルバムはゲイトフォールド・ジャケット(見開き)になっているんだけど、その仕様のジャケットってビートルズの『Sgt. Peppers~』とストーンズの『Their Stanic Majesties』以来なんだって。
そこまでマネしたかった!
Img_0311元の表1はこういうデザイン。
Bpコレを開くと、上のモノクロ写真とこの下の写真が見開きになっていた。
7abこんな感じ。
知っている人いる?
よく見ると、かなり強引なコーラージュもあって、ステンド・グラスにも顔写真が埋め込まれている。
一番左にリンゴが座っていて、他のビートルズの3人は奥の方に立っているよ。

7inside そういえば…これはホントの話しなんだけど、昔、英語版ビデオの日本語対訳書の校正の仕事をしていた時、音楽をまったく知らない翻訳家の過去のダイナミックな所業を発見して興奮したことがあった。それは…『Sgt. peppers Lonly Hearts Club Band』を何の疑いもなく堂々と『胡椒軍曹の寂しい心楽団』と訳していたのだ!
ま、間違いではないんだけどね~。
それじゃまるで王様だよ。
Sgt 一方、こちらはRoy Woodの『Mustard』。
大名盤。
ボブ・ディラン、ジョニ・ミッチェル、マイルス・デイヴィス、デヴィッド・アレン(後出)等、自分で描いた絵画なりイラストなりを自分の作品のジャケットに使うミュージシャンは決して少なくないが、この『Mustard』のイラストもロイ自身が描いたもの。
実にいい味を出しているでしょ?
このアルバ三だけ帯が付いてい文字もカラシになっているのを見せるためか。

しっかしこの絵のセンスはなんだろね?
あんなに美しい曲を書く人なのに。
もちろん大好きなジャケットなんだけど、諸星大二郎のマンガみたいだ。
マルチ・プレイヤーで知られるロイだけど、実際にこの人バグパイプを演奏しているんだよね。

Img_0319ココで楽器クイズ。
「電気の助けを借りずにこの世で一番デカイ音を出す楽器ってな~んだ?」
「ピアノ?」…いいえ。
「ドラムス?」…いいえ。
答えは「バグパイプ」と言われているそうです。
大分前に東京藝大の学祭(「芸祭」ってヤツね)の音校(音楽学部)で実際の演奏を見せてもらったことがあったんだけど、たった1人で吹いているのに信じられないぐらいの爆音だった!
音量もさることながら、クリーンでエラク抜ける音と音域なんだよね。
みなさんも一度ご体験あれ!
だからコレを目前で見たときはビックリした。7img_65232012年にエジンバラ城に行った時の写真。
も~、「ビャ~!」っとスゲエ音なんよ。7img_6525 キューブリックの『バリー・リンドン』に戦闘直前の軍隊行進でバグパイプの楽隊が演奏するでしょ?
戦場にバグパイプを持ち込まれたのは15世紀前半のことらしいんだけど、やっぱり勇猛な音のデカさで相手をビビらせる役目をバグパイプは負っていたらしい。
こんなんでビビるか?…と、今なら思うけど、当時は人間が作ったモノでそんなに大きな音を出す仕掛けが他になかったんだろうね、きっと。 
Bl 『バリー・リンドン』は中学生の時に映画館へ観に行った初めてのキューブリック作品。
子供の頃は長いばかりで退屈極まりなかったけど、今観るとすこぶるオモシロい。
そして、今気になっているのはリンドンの面倒をみるギャンブラー、「シュバリエ・ド・バリバリ」という名前だ。
ヘンでしょ、「バリバリ」って。チキンじゃあるました。
 
スタンリー・キューブリックがお好きな方はコチラをどうぞ⇒【Shige Blog】イギリス紀行2019 その12 ~ スタンリー・キューブリック展 <vol.1> か~ら~の~11連作!

Sb 裏ジャケはこんな感じ。
ヘンな絵。Img_0321 
日本人で映画の『ロッキー・ホラー・ショウ(原題は『Rocky Horror Picture Show』)』を観たことのある人ってどれくらいいるんだろう?
舞台は?
私は残念ながら舞台は観たことがないのだが、映画はスキだった。
海外でもいまだに人気は衰えていないようで、コレはもう10年前の写真だけどドイツのフランクフルトでもこうしてリバイバル公演が打たれていた。
こんな具合だからして、欧米の中年の方でこのミュージカルの挿入歌「Time Warp」を歌えない人は恐らくいまい。
7img_0496 浅草に住む年配者が「浅草の歌」を、横浜市民が「横浜市歌」を、極めて多くの長野県人が「信濃の国」をソラで歌えるように彼らは「Time Warp」を歌って踊れるのだ。
群馬でいえば「上毛かるた」だ。
欧米の人はたいていProm(学校を卒業する時に開催されるダンス・パーティね。映画『キャリー』とか『バック・トゥ・ザ・フューチャー』なんかに出てくるヤツ)でこの曲を踊るらしい。
アメリカで映画化されたのでオリジナルがブロードウェイだと思っている人がいるかもしれないが、これはロンドン・ミュージカルですからね。
実際にウチの社長の結婚10周年を記念するパーティの時も、DJが「Time Party」をかけると全員一糸乱れず踊り狂っていたわ。
このロック・ミュージカルは、1973年から80年までスローン・スクエアの「Royal Court Theatre」で上演された。
下のアルバムはそのオリジナル・キャスト・バージョン。
このバージョンは後の映画『Rocky Horror Picture Show』よりもロックっぽいアレンジになっている。
ジャケットは何だか日本のマンガみたいだね。
ゴチョゴチョしててステキ。
このロック・ミュージカルも濃いファンが実に多くて、色んな音源を詰め込んだボックス・セットが発売されていた。
私はこの中のリード・チューンである「Time Warp」をはじめて聴いたのは、渋谷の屋根裏のなぞなぞ商会のライブだった。
フランクフルター博士のようなボディ・スーツを身にまとったボーカルズの遠藤豆千代さんが「Sweet Transvestite」を日本語で歌い、「Time Warp」を演奏した。
その歌詞が強烈で「♪I remember doing the Time Warp / Drinking those moments when」のところを「♪すい臓、腎臓、そして子宮、肛門へ(腎臓じゃなくて心臓だったかもしれません)」と歌ったのだ。
なぞなぞ商会はフランク・ザッパと『Rocky Horror Show』の日本語バージョン(王様のような直訳ではないオリジナル日本語詞)を演奏するバンドで、ザッパの「Carolina Hardcore Ecstacy」なんてそれはそれは素晴らしい詞がついていた。
で、大阪の寺田町にある(あった?)「スタジオあひる」というライブハウスで対バンさせてもらったことがあった。
「Peaches en Regalia」とか演ってたのを覚えている。
どこかに録音したテープがまだ残っているかも知れない。
そのライブハウスの上の階にはサウナ風呂があって、出演者は無料か割引で入浴できたので、ひとっ風呂浴びさせて頂いたのもいい思い出だ。Img_0309コレは『The Rocky Horror Show』のソングブック。
1995年にニューヨークにへ行った時にブロードウェイのミュージカル・グッズ専門店で買った。
ま、別段珍しいモノではない。
海外へ行くとこういうスコア類が豊富でうれしくなっちゃうよね…買ったって読みゃしないんだけどサ。70r4a0105しかし、この『The Rocky Horror Show』ってのはナンだってこんなにビジュアルの統一感がないんだろうね?
下はロンドン・キャスとの他に私が持っている「Original Roxy Cast」というバージョンと映画のサントラ盤。
上のロンドン・キャスト盤といいソング・ブックといい、どれもみんな同じ曲が収録されているのに、見た目はそれぞれまるでアカの他人だ。0r4a0103 
Bonzo Dod Doo-Dah Bandは時折この『MJG』に時折登場しているような気がするが、それだけ間口が広いということか?
昔、他の特集で紹介したヴィヴィアン・スタンシャルとマイク・オールドフィールドの件には正直驚いたし、知っておいてヨカッタ。
コレについてはまた『メッセージ・ジャケット』特集という別の回を復活させるつもりなので、その時に改めて紹介しましょう。
で、こちらはその肝心のBonzo。
2枚目のスタジオ・アルバムで、ココからバンド名を短縮し、単に「The Bonzo Dog Band」と名乗るようになった。
『The Doughnut in Granny's Greenhouse』と同じ内容だがアメリカではイギリスでヒットした「I'm the Urban Spaceman」を加えて、このように『Urban Spaceman』として発売された。
Monty Pythonの一派だけあってトボけたテイストがたまらない。

Img_0312 何でもこのジャケット・デザインは下にあるThe Incredible String Bandの『The Hangman's Beautiful Daughter』のパロディなんだって。
なるほどね~。
「Beautiful Daughter」と聞いて思い出すのは前出のThe Moveでしょう?
『Shazam』の2曲目が「Beautiful Daughter」だ…いい曲なんよ~。 7isb Bonzoのアルバムは全部持っているけど、好きなフリをしているだけかも…ワタシ。
どうもよくわからない。何が面白いのかがわからない。
時折出てくるダイアログ、つまり英語の会話があまりにも「イギリス英語」なのをせいぜい楽しんでいるぐらいか?
タイトルの「Keynsham(ケインシャム)」というのはイギリス南西部のブリストルの近く町の名前。
海賊ラジオの放送局のひとつがあった場所。
この辺りの話は長くなるので今回はパス。
Img_0314_2Bonzo Dog Band、5枚目にして最後のオリジナルアルバム『Let's Make Up and Be Friendly』。
私にとってこのアルバムのキーワードは「外道」。
外道のファースト・アルバムに収録されているオープニングSE、あの笑い袋みたいなヤツね。
秀人さんは外道のショウのオープニングでは今でも必ずコレを流しているが、アレはこのアルバムの最後に収録されている「Slush」という曲。
ジャケット・デザインが可愛くてよろしいな。イギリス盤はバックが黒だった。
この犬が「ボンゾ」。

Img_0313うれしいな~、Gongが出て来たよ。
Gongは日本では「フランスのプログレッシブ・ロック・バンド」ということになっている。
ま、間違いはないんだけど。
コレは1973年発表のGongの代表作『Flying Teapot』。
サブタイトル(赤い吹きだし)に「Radio Gnome Invisible Part1」とあるのは、いわゆる「Radio Gnome Invisible三部作」の第1作だから。
この後、『Angel's Egg』、『You』と来て三部作が完結した。
「gnome」は地中の宝を守るとされる「地の精」。
「g」は黙字で、「ノーム」と読む。
ジャケットのイラストはGongのグル、デヴィッド・アレンによるもの。
誰でも描けそうに見えるけど、そうは簡単にいくまい。

Img_0317私が始めてGongのLPを買ったのは1977年か78年。
『Gong Live Etc』が発売された時だった。
今にして思うと数少ないジャケ買いのひとつだった。
タイトル・ロゴに切り抜かれた透かし彫りのようなデザインに惹かれてどうしても欲しくなった。
当時はプログレにハマり出した頃で、Gongもプログレだっていうことも手伝って買ってみた。
最初は何だかよくわからなかったな…。
サイケのようなジャズ・ロックのような…。
デヴィッド・アレンのヘンテコリンな歌が出てくるかと思えば、何やら凄まじいドラミングの超絶演奏も出てくる。
今でもそれがGongの魅力で、このライブ・アルバムはやたらと評価が低いようだけど私は大好き。

Gle デヴィッド・アレンがバンドを離れてドラマーのPierre Moerlenが主導権を握るとバンドは急速にジャズ・ロック・サウンドに傾倒していき、『Gazeuse!』、『Expresso II』、『Downwind』、『This is the Key』等を発表した。
これがまたいわゆる「フュージョン」ではないんだよね。
「プログレッシブ・ロック」で片づけるのもどうかと思うし…。
で、前者2枚にはアラン・ホールズワースが参加していて、かつ、マリンバだのヴィブラフォンのアンサンブルがこの上なくカッコよくて一時期聴き狂った。
『Pierre Moerlen's : Live』もヨカッタ。
そのPierre Moerlenも2005年に亡くなってしまった。
調べてみると、このMoerlen、リチャード・ブランソン(Virginグループの親分)に直々に頼まれて『Tublar Bells』のプレミア公演でパーカッションを演奏したんだって…ロバート・ワイアットの代役だったそうだ。
知らなかった~。
でも今Gongの音楽を聴くとなると、この辺りの後期のアルバムではなくて『Camembert Electrique』とか『Radio Gnome Invisible三部作』などのデヴィッド・アレン在籍時の作品の方がいいんだよね。
やっぱりGongってデヴィッド・アレンでできていたんですね。
 
それにしても困るのが「Moerlen」の読み方。
いまだにわからない。
昔はモエルランだった。
他にもムーラン、モーラン、モアレン…まさに「ゲオテとはオレのことかとゲーテ言い」っていうヤツ。
それで、フランス人の友達に訊いてみたのですわ。
確か「モエXアン」みたいな感じで「X」のところはあのフランス語特有のタンを切るみたいな発音で、そこにストレスが置いてあったような気がする。
また確認しておきます。
ということで今回は無難にアルファベット表記にさせて頂きました。

G1_1

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G3

G4

ドワ~!このジャケットは問答無用でカッコいいんじゃん! 
1969年から75年まで活動していたテキサス出身のバンド、Bloodrockの1971年発表の4枚目のアルバム『Bloodrock U.S.A.』。
他の作品のジャケットはどうしようなく垢抜けないっていうのに!
これは有名なイラストレーターの作品なのかしら?
デザインからすると何やら過激な音楽を演っていそうだが、聴いてみるとさにあらず。
毒にも薬にもならないようなハードロックちょっと手前の普通のロックといったところか…。

Img_0318 60年代パンクのコンピレーションだそうです。
タイトル通り野生的で荒削りな音楽が詰め込まれているらしい。
こういうマンガって、いっかにも海外風味だよね~。
これを見てすぐに思い出したのは「スーパー・スリー」っていうアメリカのアニメ。
マイクとフリーとコイルが出てくるヤツね。
「♪スーパースリーは~、チョ~ホーブ~イ~ン~、世界のためならエンヤコラどっこいしょ」とかいう主題歌でした。
海外のアニメなのに「エンヤコラどっこいしょ」だった。
昔の人はやることなすこと本当にクリエイティブだった。

Img_0322 §1-bに移ります。

Img_0234 Climax Blues Band、古くはThe Climax Chicago Blues Band。
Hipgnosisの回でも触れたけど、いいバンドなんだよね~。
ギターのピーター・ヘイコックがすこぶるよろしい。ウマい。
コレは彼らの1972年の5作目の『Rich Man』。
このロボットのようなオッサンが「Rich Man」なのだろうね。
デザインはHipgnosis。
髪型がいかにもHipgnosisのデザインっぽい。
前作『Tightly Knit』がHipgnosisだったので今作もそうしたのであろう。
幾何学的、金属的なタッチと原色を排した色合いがすごく親しみやすい。
音の方もいいんよ。
このアルバムも、なかなかにツボを押さえた曲作りとヘイコックの土臭いギターがいい味を出している。
でも日本では全く見向きもされないバンドだったよね?

Img_0323KISSこそコミックを具現化したかのようなロック・アーティストと言えるだろう。
ゴメンネ、KISSって1回もレコードを買ったことないし、一度たりとも興味を持ったことがないんです。
初来日公演は行ったけどね、ヘヘヘ…すごくヨカッタ。
ちょうど『Destroyer(地獄の軍団)』が出てきた頃、私はプログレにハマっててね。
King CrimsonとかYesとかいわゆるプログレのビッグ・ネームを追っかけまわしてた。
他にトッド・ラングレンとかフランク・ザッパのLPをはじめて買ったのもほぼ同じ頃。
掃除の時間にホーキでギターのマネをして「Detroit Rock City」を歌ってたクラスメイトもいたけど、私はKISSは新鮮味を感じなかったというか…まったく刺激されなかった。
今聴くと全然問題なんだけどね。
「Shout it, shout it, shout it loud」っていうのあるじゃない?
「♪シャ~リ、シャ~リ、シャリラッラ~」って米屋さんのテーマソングかと思ってたぐらい。(ウソです)。
ほらね、こうしてマンガにしても何ひとつ違和感がない。それがKISS!

Img_0324 コレさ、あまりにもジャケットがお門違いなんじゃないの?
アラバマ出身のWet Willieというグループの1973年のライブ・アルバム『Drippin' Wet』。
このアルバムは聴いたことはないが、他のライブ盤を聴くと「明るい良い子のサザン・ロック」といった風情でよろしいな。
何せレーベルがサザン・ロックの名門Capricornですからね。
アラバマ出身なんだからアラバマのレコード会社から作品をリリースするのはちっとも不思議ではないんだけど…このジャケットは変すぎるでしょう。
サザン感まるでなし!
もっと変なのが、1974年ごろ短期間とはいえ、バッキング・シンガーとしてイギリスのバンド、Vinegar Joeのエルキー・ブルックスが在籍していたってんだよね~。
ちなみにわが友、ジェフ・ホワイトホーンはよくエルキーと仕事をしていた。
それでこの女性の名前を知ったのです。
Vinegar Joeはメチャクチャかっこいいよ。

Img_0325 アル・スチュアートの『Year of the Cat』。
私は特段ネコが好きというワケではないが、コレ完全なジャケ買いをした。
デザインはヒプノシス。
ネコ・マニアの女性がネコの格好をして仮装パーティーに出かけるところなんだって。
鏡台の前にゴチャゴチャ置いてあるモノがすべてネコに絡んでいてすごく可愛いの。
アル・スチュアートといえば凡そ私が好んで聴くような音楽ではない。
実際にコレを買った時はひと針降ろしてすぐ上げたわ。
でも今聴くとホッコリしていて実にいいね。
ピーター・ホワイトとティム・レンウィックという人たちがギターを弾いているんだけど、実にうまい。
日本のギターキッズは速弾きをしないと「ウマい」とは思わないようだが、こういうギターを弾く人こそウマいと思うね。
ま、私も若い頃は速弾き好きだったけど…イングヴェイのフォロワーが出て来た以降は全くオモシロいと思わなくなっちゃった。7ascat アルはこのヒプノシスの意匠を2004年のベストアルバムに再利用した。
どうもネコの仮装をしていたお姉さんは怪盗になったようだ。
高飛びに備えてパスポートが用意してある。Asgh 次もHipgnosisの作品。
Genesisの看板スター、ピーター・ガブリエルが抜けちゃってハラホロヒレハラ、テンヤワンヤの大騒ぎ!
残った4人で「一体どうすんべか!」と踏ん張ったらアラ不思議、トンデモナイ名盤ができちゃった!…と、火事場のバカ力で作り上げたのが『A Trick of the Tail』。
おまけにフィル・コリンズが素晴らしいボーカリストだったという副産物まで飛び出した。
このマザーグースかなんかに出てきそうなイラストが魅力的で、それぞれが収録曲のキャラクターになっている。
おおよそHipgnosisらしくないタッチだよね。
でも中も外も本当に素晴らしい作品だと思う。
「Dance on a Volcano」、「Squonk」、「Los Endos」等、この後のGenesisの重要なレパートリーが収録されていて、通して聴くとコンセプト・アルバムを標榜しているワケでもないのにものすごいストーリー性を感じるでしょ?
1回通して聴いてまた振り出しに戻る…みたいな作りによるものか。
2010年のJapan Progressive Rock Festivalに出演したスティーヴ・ハケットはこのアルバムの中から「Los Endos」を演奏していたっけ。
きっとこの時のメンバーとっても思い出深い作品なのだろう。
ちなみにハケットはエディ・ヴァン・ヘイレンより先に同じ方向性のライトハンドをやってるかんね。
この作品のたったひとつの難点は、内ジャケに掲載された歌詞がカリグラフィで記載されていてちょっとやそっとじゃ読めん!
キレイなんだけどね、コレじゃ読めない。

Img_0328ちなみに私が大好きなイギリスの音楽雑誌、「Classic Rock」の姉妹誌、「Prog Rock(夢のような雑誌でしょ?)」。

70r4a0116 同誌が選ぶプログレッシブ・ロック・アルバム・ベスト30で第1位に選ばれたのは『Selling England by the Pound (邦題:「月影の騎士」)』だった。
このことはもう何回もMarshall Blogに書いた。
『Trespass』、『Nursery Cryme』、『Foxtrot』、『Selling England by the Pound』、『The Lamb Lies Down on Broadway』、そしてこの『A Trick of the Tail』…こうして考えてみるとGenesisは名作の山を築いた偉大なバンドだったよね。
『Invisible Touch』もいいけどサ…やっぱね~。
1977年の来日時、新宿厚生年金会館行っておいて本当にヨカッタ。
ところで、そのベスト30。
第1位は『Selling England by the Pound』で、その他のGenesisの作品としては『Boradway』が第12位に選出されていた。
しからば、他のグループはどうか?
Pink Floydが2位の『Wish You Were Here(ナント『狂気』より上!)』と6位の『Dark Side of the Moon(ナント『炎』より下!)』でGenesisと同じく2作品がチャートイン。
Yesも4位の『Close to the Edge(危機)』と22位の『Fragile(こわれもの)』の2作品。
ELPは5位の『Brain Salad Surgery』のみ。
King Crimsonは3位の『宮殿』と24位の『Red』のやはり2作。
イギリスの雑誌らしいのはFamilyとかNektar、Caravan、Van Der Graaf Generatorあたりが入っていることかな?
しかしサ、プログレのムーブメントってよく見てみると一般のリスナーにとってはGenesisやELPやYesやCrimsonらのビッグネームのみがシーンを席巻した恐ろしく狭小な世界だったんだね。
でも、この分野をイタリアやオランダ、北欧、果ては東ヨーロッパの辺境にまで広げるとそれはもうタマらなくおもしろいことになる。
南米あたりにも面白そうな連中がいるようだし、アメリカにはKansasなんかがいたりするけど、やっぱりプログレはクラシックの要素を感じさせないとことにはピンと来ない。
だから断然ヨーロッパなのだ。
あ、Spock's Beardは例外的にイイな。

70r4a0112 同じ号にHipgnosisのストーム・ソーガソンのインタビューが掲載されていた。
「The Man who gave prog a face」だって。
この雑誌は2007年ぐらいに出版されたモノなので、まだソーガソンがご存命だった。70r4a0110 なんじゃコリャ?「三輪車」だって。
いったいどういうコンセプトでこういうバンド名にしてLP作ってこんなジャケット・デザインにしちゃったんだろうね?
大切な自分たちの作品なのに…故意にカッコよさを追求していないような…。
さぞかし売れなかったんだろうな~。
しっかりとカットアウト盤だ。
今回の「コミカル」という観点でつっつけば充分エントリーの資格はあるのだが…。
どんなもんかと聴いてみると、ルックス通りの甘々ポップ。
「バブルガム・ポップ」っていうのかな?
コレがなかなかいいのよ!
結果的にはジャケットもコレでヨカッタ。
しかし、考えてみるとサウンドがおとなしいか、ヤカマシイかの違いだけで「青春パンク」とか呼ばれている類のロックはやっていることがコレと同じだな。

Img_0333Alvin and the Chipmunksはアメリカのアニメのバンド。
大変な人気で、数々のヒット曲を生み出しただけでなく、映画も制作された。
何しろ1959年から2011年の間に50枚にも上るアルバムを発表しているというのだからスゴイ。
コレって「じゃじゃ丸とピッコロとポロリ」が50枚もアルバム出しちゃうみたいなもんでしょ?
「のび太とスネ夫とジャイアン」でもいいんだけど、剛田は音痴だからナァ。
これは1982年のアルバム、『The Chipmunks Go Hollywood』。
ジャケットのイラストに見られるように、「Eye of the Tiger」、「Tomorrow」「E.T. and Me」の他、「9 to 5」、「Fame」、「Arthur's Theme」などが収録された映画主題歌集。

Img_0334ヘビメタほどではないにしてもグラム・ロックもマンガになりやすい素材のうちのひとつに違いない。見てこの美しいマーク・ボラン!
ボランの曲の権利を日本の会社が持っているために自由にコンパイルしたベスト盤。
それにしてもマーク・ボランというか、T-Rexの人気って根強いよね。
「21 Century Boy」と「Metal Guru」と「Get It on」だけだけど。
あとは「Solid Gold Easy Action」ぐらいか?
「グラム・ロック」といえば、そのギランギランのルックスばかりが取り沙汰されるけれど、さすが70年代の前半に栄えた文化だけあって、なんといっても曲がいいよね。
だからT-Rexの曲もこうして生き残ることができているに違いない。
実際『The Slider』とか『Electric Warrior』なんて名盤の誉れだけあっていいもんね~。
ちなみにマーク・ボランの相棒のミッキー・フィンが使っていたパーカッションはNATAL製です。

Img_0336 <つづく>

 

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2016年7月15日 (金)

【Music Jacket Gallery】ライブ盤ジャケット特集<後編>

いつも通り<後編>では立体陳列の紹介をする。
今回は立体アイテムもライブ作品が集められた。
以前特集した『サウンドトラック盤』の時とアイテムが大分重複していることに書き終わってから気が付いた。
人には「読め、読め!」と勧めておいて、自分は書きっぱなしで読み返していないことがバレてもうた。
でも、内容はブレていないので、省きもしなければ、故意に手直しもしなかったことを予め申し上げておく。

1_img_0017

●WINTERLAND 1973 : THE COMPLETE RECORDINGS / GRATEFUL DEAD (RHINO 2008)
元祖ジャム・バンドとして名を馳せたGreateful Deadの1973年11月9日から11日までのウインターランドでの全公演を完全収録した9枚組CDボックス。

480v3枚のCDを収納した各3セットの紙ジャケCDを並べると大きなポスターになる特殊パッケージ。
ポストカード仕様のコンサート・ポスターとピンバッジも同梱されている。
好きな人にはタマらんだろうね。
9枚組か…アメリカン・ロックの総本山的なDeadの音楽は私には荒行の類に他ならない。
ところがこれでも私、ファースト・アルバムから『Terrapin Station』までは全部持ってるのよ。
資料として持っているので、自ら進んで聴くことはまずないが…。
「Skull and Roses」をはじめとして、Grateful Deadはどれもビジュアルがいいよね。
ちなみに「荒行」という言葉の使い方は私のオリジナルではなくて、下町のひとりヒプノシス、梅村デザイナーの請売り。
ある時、音楽好きの会合でのこと、熱心なDeadファンの方が、何十枚のDeadの音源を買って聴いている…という話をされていた。
それを耳にした梅村さんがこうおっしゃった。
「ウワ!それは『荒行』ですね~!」
もうこの「荒行」という表現がおかしくて、おかしくて…忘れられないのだ。

490_2

●LIVE AT LEEDS (SUPER DELUXE COLLECTOR’S EDITION) / THE WHO (UNIVERSAL 2010)

The Whoの名演を代表する『Live at Leeds』の6枚組(1LP+1SINGLE+4CD)ボックス。
ここ数年の趨勢であるアナログ盤も2枚同梱され、当時付属品として付けられていた契約書、プレス・キット、チケットなどのメモラビリアもLPサイズで見事に再現されている。

500vコレは欲しかったナァ。
石丸電気の閉店セールで少し安くなっていたので買おうと思ったけどガマンした。
何年か前にイングランドの北部に旅をすることがあって、「ニューキャッスル、ヨーク、それとリーズに行きたい」と案内してくれたイギリス人の親友に頼んだんだけど、「リーズは街が新しくなってしまっておもしろくも何ともないから行く必要はない」と言われて諦めた。
もちろんリーズに行きたいと思った理由は、このアルバムの音源を収録したリーズ大学を訪れてみたかったのだ。

510

●AT BUDOKAN!(LEGACY EDITION) / CHEAP TRICK  (SONY BMG 2008)
日本のみならず全世界的なライヴの名盤となったCheap Trickの『At Budokan』
の30周年を記念して発売された4枚組(1DVD+3CD)ボックス。
バンドをシンボライズする市松模様をあしらった3方背ボックスは日本独自のジャケットで、4面4つ折りのトレー・パッケージが機能性を高めている。
あれから30年も経ったのか…。
女性ファンの嬌声がものスゴかった。
Cheap Trickって出て来た時はすごくいいバンドだったのに…。何であんなんなっちゃったんだろう?
「成功」ってのも良し悪しだよナァ。

530

●THE LAST WALTZ (COMPLETE EDITION) / The Band and Others(RHINO 2002)
1978年マーティン・スコセッシ監督によってドキュメントされたThe Bandの解散コンサートのオリジナル・サウンドトラックの発売時の音源に、未発表音源24曲を追加した全54曲の4枚組CDボックス。
LP、CD、DVDとメディアが変わっても、特徴的なロゴが不変なので、統一されたアートワークが保持されている。
このコンサートのことはミュージック・ライフでリアルタイムで知った。
映画も観に行ったナァ。
出演者はなじみのないミュージシャンばっかりだった。
ストラップの不具合でClaptonがギターを落としそうになったシーンとJoni Mitchell、それとVan Morrisonがすごく印象に残った。Mac Rebennackもよかった。
Neal Diamondも『かもめのジョナサン』の挿入歌を歌っていたので知っていた。
今はジョナサンの下で私は働いている。

540

●TEXAS INTERNATIONAL POP FESTIVAL 1969 (OH BOY 1991)
歴史的野外フェスとなったウッドストックから2週間後の1969年8月30日から9月1日の3日間、テキサスのモーター・スピードウェイで開催された伝説のフェスを記録した3枚組CDボックス。
当時のプログラムを復元したブックレットの出演者リストを見るにつけ、その素晴らしさに感動を覚える。
その出演者とは?
有名どころだけ列挙すると…
★8月30日(土)
Canned Heat
Chicago Transit Authority (後のChicago)
Janis Joplin
B.B. King
Herbie Mann
Sam & Dave
★8月31日(日)
Chicago Transit Authority
Delaney & Bonnie & Friends
The Incredible String Band
B.B. King
Led Zeppelin
Herbie Mann
Sam & Dave
Santana
★9月1日(月)
Johnny Winter
Delaney & Bonnie & Friends
B.B. King
Nazz (Tood Rundgrenがいたバンドね)
Sly and the Family Stone
Spirit (みなさんの敵。私はゼンゼン平気)
Ten Years After
などなど…スゴイね。
(このあたり前回も書いてます)

550

●WOODSTOCK 40TH ANNIVERSARY COLLECTION (RHINO 2009)
1994年の25周年記念の4枚組CDボックスに、更に38曲の未発表音源を含む全77曲を集大成したのが、40周年記念のこの6枚組CDボックス。
特筆すべきは、ブックレットにはじめて3日間の公式な各アーティストのセットリストが載せられた点だ。
パッケージもライノならではの魅力に溢れた特殊仕様になっている。
コレは植村さんが制作に携わったヤツかな?
しかし、ウッドストックってスゴイよね。
小出し、小出しに50年近く経ってもまだ商売やってるんだもん。生半可な商魂じゃないぜ、コレ。
ま、好きで私も色々買わされたけど…。
私のウッドストック体験はコチラ ↓  ↓  ↓
【Shige Blog】我が青春のウッドストック <前編>
【Shige Blog】我が青春のウッドストック <後編>

560

●STAGES / JIMI HENDRIX (REPRISE 1991)
Jimi Hendrixデビュー直後の67年のストックホルムから、亡くなる直前の70年のアトランタでの壮絶なライヴを収めた4枚組CDボックス。
パッケージ自体は普通の箱だが、Jimiの顔をテクスチャーにしたり、赤ラメの箔押しなどシンプルながらクオリティの高いアートワークがうれしい。

570

●THE MONTEREY INTERNATIONAL POP FESTIVAL JUNE16-17-18,1967 (RHINO 1988)
大規模な野外コンサートの先駆けとなったモンタレー・ポップ・フェスティヴァルの全貌を収録した4枚組CDボックス。
布貼りの特製仕様も凝ったものだが、圧巻なのが96ページに及ぶオールカラーの特製ブックレットだ。
これには未発表のコンサート写真が豊富に収められ、資料性も高くなっている。

580

●LIVE : ISLE OF WIGHT‘70 / JIMI HENDRIX (POLYDOR 1991)
Marshallと並ぶJimi Hendrixのシンボルがストラトキャスター。

590
Jimiの名演のひとつである70年のワイト島のライブを収録したCDをブックレットと共にストラト形の木製ボックスに収めたモノ。
600
全世界で1,000セットの限定生産だ。
595
シリアル・ナンバーも付いている。
よ~やるわ~!
植村さんによれば、こういうキテレツな形のボックスが一番収納に困るとのこと。

610

●LIVE PHISH / PHISH (ELEKTRA 2001)
米国ジャム・バンドの最高峰を極めているPHISHのライヴ・シリーズのCD全20セット収納したバッグ型のギミック・パッケージ。
2001年の第1回の発売と同時にこのコレクション・バッグも発売された。
大半が3枚組なので聴き終わるまでに70時間ほどかかってしまうというものスゴいヴォリュームです。
人によっては「荒行」となるか?

620vこの「ジャム・バンド」という分野も私がロックから遠ざかっている間に台頭してきやに記憶している。
私もこのシリーズは何枚か持っている。
『White Album』や『Quadrophenia』を全曲演っているヤツ。
最初のうちはおもしろがって聴いていたが、そんなコピーに一体何の価値があるのか?と疑問に思い、一切聴かなくなってしまった。
もちろん、何らかの意味があってそんなことをしていたのだろうが、コピーを聴く時間があればホンモノを聴くわい。こちとらの人生、あんまり時間が残されていないでな。
でも、このバンドはキライではなくて、中心の人、なんつったけ?ソロ・アルバムも買って聴いてみた。

630

●ON THE ROAD / STRING CHEESE INCIDENT  (SCI FIDELITY 2009)
米国ジャム・バンドとして、Phishと並んで名高いString Cheese Incidentの各地でのライブを収めた10枚組CDボックス。
「ON THE ROAD」というライブ・シリーズは2002年から現在も続くもので、発売されたCDは数知れず、ここ数年はダウンロードでの配信ライブも積極的に行っている。
ノート・ファイルを模したパッケージは彼等の軽妙な音楽性を象徴しているようだ。520

●FILLMORE THE LAST DAYS (WARNER BROS. 1972)
Bill Grahamが1965年11月6日に開いたサンフランシスコのフィルモア・オーディトリアム。
その幕を閉じた1971年7月4日までの最後の6日間の夜を記録したのがこの3枚組LPボックス。

640LPボックスの初回特典にはビル・グラハムのインタヴュー(約17分)が付けられていた。

650vコレ、聴いたことないんだよね~。
先日も中古で見つけたんだけど、私の購買許可価格の基準よりホンのチョット高かったので見送った。ま、ご縁があればきっとウチにやってくるでしょう。

660Music Jacket Gallery展示の詳しい情報はコチラ⇒金羊社MJG常設展

※本展示は2014年9月に終了しています。現在の展示内容は上記の金羊社ウェブサイトでご確認ください。
(協力:立体展示品解説文原本執筆・植村和紀氏)

2016年7月14日 (木)

【Music Jacket Gallery】ライブ盤ジャケット特集<中編>

正直、自分でも驚いているんだけど、<前編>で取り上げたグループはThe Allman Brothers Bandを除いて全部イギリスものだった!
決して選ったワケではないのです。
これなら書ける…と選んだアイテムがたまたまイギリス勢ばっかりだっただけの話。
そもそもこの記事は子供の頃の経験のネタが多く、やっぱりアタシャ、ブリティッシュ・ロックで育ったんだナァと思ってしまった。
反対に今回はアメリカものが中心となった。

1_img_0043
★Fillmore East -June 1971 / Frank Zappa and The Mothers
生意気にもこんなジャケットに関する記事を書かせて頂いているが、私は「ジャケ買い」ってヤツをしない。
ましてやCDになってからはゼロだ。ま、そういう人は沢山いらっしゃるでしょう。
でも、LP時代もほとんどしたことがない。ほんの数点だ。
反対にジャケットが醜悪だからそのレコードを買わない…ということもない。
その数少ないジャケ買いしたレコードのうちの一枚がコレ。
「なんだコレ!鉛筆書きじゃん!」と、中学3年生の時に石丸電気で初めて手にした時はホントに驚いた。店員の目を盗んでMOTHERSの部分を人差し指でこすってみたぐらいだ。
考えてみると、この音源ってその時のたった6年前に収録されたコンサートだったんだよね。今からだと45年前。
時間というのは遠慮なく過ぎていくもんだナァ。
デザインはZappaお抱えのアート・ディレクター、Cal Schenkel。
このジャケットについてはJohn Lennonの『Some Time in New York City』のところに詳しく書いておいたので、是非コチラをご覧頂きたい⇒【Music Jacket Gallery】サマー・ジャケット特集<前編>

そしてこのレコードは初めてジャケ買いしたアイテムであると同時に、初めて買ったFrank Zappaのアイテムとなった。

190_3
それからチビリチビリとZappa関連のアイテムを買い集めた。
重篤なZappa病罹患者の方々に比べれば私のコレクションなど屁でもないだろう。
この写真には、レコードと海賊盤の類、それと読みもしないZappaに関する洋書並びに和書の山は写っていない。
写真のサインは、Dweezil ZappaがZappa Plays Zappaで2008年に初来日した時にもらったもの。
この写真を見てDweezilが「Wow!  Great collection!」と言ってはくれたのは、例えお世辞であったにせよとてもうれしかった。本人の息子さんだでね~。

5_fzcさて、ハードロックやらRoxy MusicやらTodd Rundgrenやらに気炎を上げていた14、15の少年にこのZappaの音楽がどう聴こえたか?何しろなんの予備知識もなしにジャケットの奇抜さだけで2,300円も出したのだからして。
最初は何てセリフが多いレコードなんだ!と思ったが、それがすごくヨカッタのだ。
映画音楽からロックの世界に入ったせいか、このシアトリカルな展開がすごくおもしろかったし、それまでに聴いたことのないメロディがテンコ盛りだったからだ。
今ではLPとCDを2枚ずつ持っているが、CDはマァ、どうってことない。
でも、LPはなかなかに思い入れがあるぞ。
国内盤は上に書いたように「初めてのZappa」というところがポイントだ。
ふたつめのポイントは「京都」。
私は24~25歳の頃、以前の仕事の関係で大阪に住んでいたことがあって、よく京都へ出かけた。
1976年にZappaが来日した際、京都大学の西部講堂でコンサートを開いたせいかどうかは知らないが、当時京都の中古レコード屋さんはZappaのアイテムを比較的豊富に取り揃えていた。
話は反れるが、下はその西部講堂での演奏を収めた海賊カセット。

6_img_2275_2どこで買ったのかは忘れてしまったが、当時は来日時の音源がコレしか出回ってなかったので喜々として聴いていたものだ。
ドラムは皆さん大スキのTerry Bozzio。

6_img_2278_2その京都。
実は以前のミュージック・ジャケット・ギャラリーでも『Fillmore East』を取り上げたことがあって、ココからその記事にリンクすれば事は済むのだが、絶対に皆さんリンク先には飛んでくれないので、加筆して採録してしまおう。

緊急特集!Hipgnosis Collection~Hard Rock Worksより (2014年4月6日掲載)>
私は決して各国盤を集めたりはしないし、オリジナル盤至上主義でもまったくない。そんな財力も根気もなく、とにかく「生きてるうちいろんなものを聴きたいと願ってる」派なのだ。
でも、国内盤の他にこの『Fillmore』のUSオリジナル盤を持っているのには理由がある。
今から20年以上前に京都の河原町付近の路地を歩いていて見つけたのが、どう軽く見積もっても戦前よりはるか昔に建てられたと思しき民家。いいですか、想像してくださいよ~、今にも朽ち果てそうなボッロボロの家を。
もちろん街の中心とはいえ、古都京都にあっては古い家などまったく珍しくも何ともない。驚いたのはその古い民家が中古レコード屋だったのだ。
ここで入らなきゃ「音楽バカ」の名がすたる。当然入ル。
ガラスの引き戸をガラガラと開けると、予想通りというか、期待通りというべきか、ヨッボヨボでシワッシワのお婆さんが出てきた。
あの頃はLPからCDへの移行が猛烈なスピードで進んでいたが、店内にはCDなんて1枚も見当たらない。
ここから先は、この古い闘技場でお婆さんとの一騎打ちとなる。
「コリャ、何か買わないととても帰れそうにないゾ…」と覚悟を決めて小さなエサ箱を探る。
もうどんなものが入っていたかは覚えていないが、ロクなもんはなかったハズ。
そして出て来たのがこの『Filmore East』!
これこそ、「はきだめに鶴」、「地獄に仏」!
映画でよく見る刑務所の看守のようにジーっと私を見つめるお婆さん。
その姿を横目で見ながらレーベルを確認するとBIZARREのブルー…¥1,500。
「かなり汚いけど、コレ買って勘弁してもらおう…」
イヤ、別に何も買わなくても一向に構わないハズなんだけど、その息詰まった雰囲気に負けてしまったのだ。
決心して盤をお婆さんに手渡し、袋に入れてもらった。
ナ、ナ、ナントその袋は新聞紙をノリで貼り合わせて作った自家製の袋だった!新聞紙だよ!
餅米かなんか煮て作ったノリで貼り合わせたんだろうね。
最後まで期待を裏切らなかったナァ~、あのお店。
あの袋、取っておけばヨカッタ。
もうひとつ驚いたのは、この記事を読んだ三宅庸介さんから連絡があって、「このお店知ってますよ!」ということだった。アレ有名な店だったのかな?

1_img_2050

★Roxt and Elsewhere / Frank Zappa and the Mothers
続いてもZappa。
コレも一体何回聴いたかナァ~。全100枚にも上るFrank Zappaのオリジナル・アルバムの中でもトップ10にたやすく喰い込む愛聴盤。
ジャケットはZappa一家のCal Schenkel。
上で書いたように、大阪に住んでいた時、勤め先の梅田のビルのとなりにできた中古レコード屋でコレのUSプロモ盤とかいう代物を見つけた。
なんでもレーベルが白いんだって。10,000円。当時はまだ消費税なんてなかった。
でも買わなかった。
なので、このアルバムのLPに関しては、今でも国内盤しか持っていない。
各面の収録時間が短めなので、盤をひっくり返す手間を考えると、2 in 1のCDの方が取り扱いは断然ラクなのだが、LPの方が圧倒的に趣があった。
なぜかというと、すべての面の冒頭に「Preamble」というZappaのMCが収録されていて、それをまず聞いて(当時は何をしゃべっているかサッパリわからなかった)、襟を正して、その超絶パーフォーマンスを拝聴する…という手順がヨカッタ。
「preamble」とは「前置き」とか「前口上」とかいう意味だ。
大学に入ってジャズを聴き出した頃、初めてThelonious Monkの「Straight No Chaser」を聴いた時、個人的には「アレ?コレ、Be Bop Tangoじゃん」と思った。
この曲の中でGeorge Dukeが弾く純粋なビバップ・フレーズが大スキだった。
そういえば「ex-」という表現を覚えたのもこの曲だったな。「Don's ex-wife!」というところ。


どの面、どの曲、どの瞬間も聴き逃せない圧倒的な演奏で、Phil Collinsはこのアルバムの「Don't You Ever Wash That Thing?」を耳にしてChester ThompsonにGenesisのツアーへ参加してもらう依頼を思いついたという。(ChesterもMarshall Blog出てます!⇒コチラ
そして、Phil CollinsはGenesisのライブにおいて、「Afterglow」という曲でこのアルバムの「More Trouble Everyday」のドラム・フィルをそのまんまChester Thompsonに叩かせている。そのもようはGenesisのライブ・アルバム、『Seconds Out』で聴くことができる。 

最近、このRoxyの映像がDVDになったでしょ?
30年近く前に京都の中古レコード屋で「Roxy」のVHSを見かけたことがあったんだよね。死ぬほど見たかったけど、確か8,000円ぐらいの値が付いていてとても手が出せなかった。
他にも『Dub Room Special』が黒いプラスチックのケースに入って陳列棚に並んでいた。そちらもかなり高額だったように記憶している。
今回、もちろんDVDも買って観たけど、正直何となくシックリ来なかったな~。
ナンカ見てはいけないものを見てしまったような感覚というか、好きな小説が映画化されたのはよいが、原作の方が全然ヨカッタ時のようなショックというか…。
このあまりにも素晴らしい音源は、そのまま音源だけにしておきたかったような気がした。
ゼイタクってもんか?

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★Caught in the Act / Grand Funk Railroad
まだ続くZappaの話題。
でもアイテムはGrand Funk Railroad。どうZappaと関わっているか?
1981年の『Good Singin', Good Playin'』をZappaがプロデュースしているということ?
イヤ、違う。まだタネは明かさない。
ああ、Grand Funk。
私の人生でこのバンドに夢中になったことは全くなかったナァ。もちろんいいバンドだとは思う。
でも、私がロックに期待する「毒気」みたいなモノをこのバンドから感じることができないんだナァ。
そういう意味ではKISSも同じだった。
「ああカッコいいな、楽しいな!」で終わってしまうロックが苦手なのです。
何というか…頭を使って音楽を聴きたいというのかナァ…なんて言ったらカドが立つか?
もちろん誰でも楽しめることができ、明るく屈託のない部分がロックの魅力であることは十二分に理解できるが、私はもっと絶望的な方がおもしろく聴けるというだけの話し。
カリフォルニアのカラっとした強い陽光の下でギター片手に歌を歌うよりも、家にこもって本を読みながら現代音楽やプログレッシブ・ロックを聴いている方がシックリくる。
だからロックはどうしてもブリティッシュに偏ってしまうのね。
こんなことを書いてばかりいてはイカンな…敵を作るばっかりだ!
で、この1975年のツアーを収録したこのライブ・アルバム。
持ってはいるけど、そんなだから何も語れない!
でもジャケットの写真はいいな~。私がいつも撮ろうとしているライブ写真のイメージ。
シャッターを切ったのはLynn Goldsmithというアメリカの女流フォトグラファー。
これでこのアルバムとZappaとの関わりを説明できる。

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実はこのGoldamithさん、Frank Zappaの宇宙規模の大名盤『Sheik Yerbouti』のZappaのポートレイトを撮った人なのだ。
チョット写真のイメージが『You Are What You Is』に似ているが、アチラはJohn Livzeyという人の作品。
ああ、こういうことを知るのはうれしいナァ。

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★What Do You Want From Live / The Tubes

The Tubesの来日公演に行かなかったのは大きな後悔のひとつだ。
前座はまだブレイクする前のイエロー・マジック・オーケストラだったしね。
The Tubesっていいバンドだよね~。こういうシアトリカルなバンドは好きだ。
デヘヘ、「いいバンド」なんて知った風なことを書いてはみたけど、私はThe Tubesというバンドに詳しいワケでは全然ないのだ。
なるべく「知ったかぶり」をしないようにしているMarshall Blogなので正直に言うが、ほとんど通っていない。
そこで、少しこのライブ・アルバムについて今回気がついたことを書いてみる。
タイトルは『What Do You Want from Live』。
当然「Live」はダブル・ミーニングになっている。「生」と「命」ね。
「あなたは命から何を望みますか?」…意訳すれば「生きるって何だ~ッ?」みたいな?
収録は1977年の11月。ロンドンはハマースミス・オデオン…今はハマースミス・アポロという名前になっている。地下鉄ハマースミス駅から歩いて3分ぐらいのところだ。
ライブのミキサーを担当しているのはナ、ナントMax Normanではないか!
そう、LOUDNESSの『Thunder in the East』のプロデューサー。
こんな仕事をしていたんだね~。
大胆なタイポグラフィのジャケットがすごくいい。
誰の仕事かな?と思ってジャケットの「Album art」という項に目をやると、何人かの名前が並んでいて、その筆頭にMichael Cottenというクレジットがある。。
もう少し上のバンド・メンバーのクレジットを見ると、そこにはSynthesizer担当で同じくMichael Cottenという名前が確認できる。
コレ、同じ人。
このMichael Cottenという人、プロダクション・デザインのプロで、ステージ・デザイン、アニメーション、電子音楽、グラフィック・アート等々の分野において世界のトップ・パフォーマーや大企業をクライアントに抱えている才人なんだって。
イベントの仕事としては、スーパー・ボールからオリンピックにまで関わっているというからスゴい。
クライアントもディズニー、ポルシェ、マクドナルド、三菱、マツダ等の名前が挙がっている。
とてもThe Tubesあたりでみょうちくりんな格好をしてシンセなんて弾いてる場合ではない。
他にもたくさんのアーティストと仕事をしていて、ザッと名前を上げると、Bette Midler、Michael Jackson、Britney Spears、Robert Plant、The Beach Boys、Bonnie Raitt、Blondie、Gloria Estefan、Phil Collins、Katie Perry他…だもん。
Michael Jacksonの『This Is It』のプロダクションを手掛けたのもこの人。

さて、久しぶりに引っ張り出してきて聴いてみた。
オイオイオイオイ!チョット待てって!
B面の一曲目、どっか他でも聴いたことがあるな。コレ何だっけな~!
そうだ、コリャ、Di Meolaだ。『Electric Rendezvous』の一曲目の「God-Bird-Change」って曲にソックリだ!
…と思って盤を調べてみたら、ナント同じ曲でやがんの!作曲はDi Meolaのところのパーカッショニスト、Mingo Lewis。
このライブ・アルバムにも参加している。
The Tubesがこの曲を演奏しているのは1977年の『Now』というアルバム。方やDi Meolaは1982年だからDi Meolaがカバーしたことになる。
どうなってんだ、コリャ!Di MeolaがTubesファンだってか?そんな馬鹿な!
なんて驚いていると、このMingo LewisってのはThe Tubesのメンバーだったのね!
今回の最大の発見にして、知らなくて恥!
まさか、サウンフランシスコの乱痴気バンドとフュージョン・ギターの大スターがつながっているなんて思わなかった。
ちなみにイギリスの地下鉄は「Underground」というけれど、そう呼ぶ人はまずいない。
長くて面倒なんだろう。もちろん日本人のように省略して「アングラ」なんて呼ぶヤツもいない。
たいてい「Tube」か「Metro」だ。
でも、絶対に「Subway」とは呼ばない。

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★Waiting for Columbus / Little Feat
普段からアメリカン・ロックは聴かないと言っておりますが~、好きなものは聴いてるのよ。
私が言っているのはEaglesだのDoobieだの、いっかにも「アメリカでんがな」みたいなメジャーなバンドが苦手ということなのね。
もっと言おうか?The Marshall Tucker Band好きだよ。意外でしょ?アレ、名前はMarshallでもToy Coldwellって「M/B」なんだよね。
Steve Millerなんかもかなり好き。
ま、それでも好きなバンドの数たるやブリティッシュのバンドには及びもつかないな…。
でも、Little Featは好きだった。
このライブ盤はよく聴いたな~。
コレはかつて書いた記憶があるけど、昔、東京12チャンネル(現テレビ東京)の日曜日の昼間の放映で『ロックおもしロック』という番組があった。
今にして思うと、ロックがまだマイナーな存在で、「ロックのおもしろさたるや何ぞや?」という啓蒙的な意味合いを込めてこのタイトルを付けたのかもしれないね。
当然、この場合の「ロック」というのは洋楽を指す。100%洋楽だ。
番組の人気コーナーに素人のバンド対決があって、BAD SCENEがプロの様相丸出しで出場し、「あんたらどっかで演ってるだろう!アマチュアじゃないんだろう?」なんて怒られて一回目で敗れ去ったのはとても印象的だった。
当たり前だよ。BAND SCENEだもん。
あの頃のバンドは、格好から演奏から、プロとアマの差が歴然としていた。
ある日、その回とは別に、Charさん(CharさんとナルチョさんはBAD SCENEのオリジナル・メンバー)がゲストで出演し、近田春夫さんとこんなやり取りをした。
「Charは最近どんなの聴いてんの?」
「オレ?Little Featとかかな?」
「オー、いいよねLittle Feat!…(お客さんに向かって)っていったって、みんな知らないでしょう?」
「知らないよね~」
ロックってそんな存在だったんだよ。
自慢じゃないが、私は中学三年か高校一年の時分であったが、Little Featはその頃すでに好きだった。
そのキッカケになったのがこの二枚組の『Waiting for Columbus』だった。
ジャケットはお定まりのNeon Park。
このバンドは『Sailin' Shoes』以降のジャケットをNeo Parkに任せたことでかなり得していると思うんだよね。
アルバムの格と印象が何段階も上がったのではなかろうか?もちろん内容がいいのが前提だけど。
以前、その『Sialin' Shoes』について書いたことがある。
自分でもすごく気に入っている文章だ。
見逃した方がいらっしゃればコチラを是非ご覧頂きたい。
  ↓     ↓     ↓     ↓
【イギリス-ロック名所めぐり】vol.18~ロンドンぶらり途中下車の旅 2015 <後編>

このアルバムの絵は「A Tomato and Hammock」というタイトルらしい。当たり前か。
こんなドアメリカのバンドゆえ、てっきりすべてアメリカで録音したのかと思いきやさにあらず。
音源は全部で1977年の七つの公演から収録されていて、最初の四つはロンドン。フィンズベリー・パークのレインボー・シアターだ。残りの三つはワシントンD.C.だ。
ジングル風の「Join the Band」から、MCとお客さんが「F-E-A-T」と叫び「Fat Man in the Bathtub」に移るシーンに興奮しないロック・ファンはいないだろう。
この部分はワシントンD.C.の録音。MCは地元のラジオ・パーソナリティ、Don "Cerphe" Colwellという人。

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そんなだから1978年7月の来日公演ももちろん行った。下はその時のプログラム。
ひとりだった。さっき書いたように、学校でLittle Featなんて聴いているヤツなんかいなかったからね。
中野サンプラザの二階席の一番前だった。
すごくヨカッタんだけど、コンサートの一番最初に演るものとばかり思っていた「Fat Man in the Bathtub」が四曲目ぐらいに出てきてビックリした。別にガックリはしなかった。
全編を通じてBill Payneが大きくフィーチュアされていたような気がするな。
ショウの最後にはメンバーがひとりずつ姿を消していき、知らない間にベースのKenny Gradneyだけがステージに残ってしまい、それに気づいたKennyが「アラ、お呼びでない?」みたいな演出だった…ように記憶している。
Lowell Georgeかっこヨカッタな。

6_img_2286_2恒例のコンサート・プログラムのチェック。
どれどれ、この頃は…スージー・クアトロが来たのか。
「ファッショナヴル・レディ・ロッカーに大変身」か…。このあたりからロックの大衆化が進みポップでつまらなくなっちゃったんだろうね。
The Babysはカッコいい。
といってもベスト盤を持っているぐらいで夢中になったことはないが、いかにもロンドン出身らしい端正なハード・ロック・サウンドを聴かせてくれる。
渋谷公会堂とサンプラザで三日間。最終日にはマチネーもかけているので全四回の公演をこなした。ヘタすりゃ小一万は動員したワケだ。人気あったんだな。
Ian Gillan Bandは武道館に観に行った…待てよ、「再び」なんて書いてあるな。
え~!Ian Gillan Bandって二回来日していたのか!この時は武道館で演っていないので、私が観たのはコレじゃなくて初来日の時だ。

Img_2287_2オマケで…。
下は1990年のセントルイス公演を収録した『Rock'n Roll Doctors』と題した発掘音源的ライブ盤。
海賊盤の一種なのかな?
下北沢のレンタルビデオ屋の処分コーナーで300円(税抜き)で見つけたんだけど、コレが信じられないぐらい素晴らしい内容。音質も良好。
Little Featってのはホントにいいバンドだと思う。

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★Back to the Bars / Todd Rundgren
ご多聞に漏れずビートルズからロックに興味を持った私が次に好きになったバンドのうちのひとつがUtopiaあるいはTodd Rundgrenだった。
ラジオで聴いた1976年の『Ra』収録の「Magoc Dragon Theater」でハマった。
そして、来日。
コレがその時の宣伝用のステッカー。いつどこでもらったのかは覚えていない。
残念ながら行かなかった。まだ中学2年の頃だったからね。

6_img_0244_2 そして、1979年4月、Toddがまたやって来た。『Oops! Wrong Planet』のレコ発ツアーだった。
よろこび勇んで中野サンプラザに繰り出した。
このコンサートは本当に感動した。一般的な評価も高かったが、私の人生の中でもトップ3に入る素晴らしいショウだった。Toddもまだ若かったしね。
この後、Toddはいろんな形で来日をしたが、後にも先にもコレしか行かなかった。

6_img_0235_2さて、Toddのライブ・アルバム、『Back to Bars』。
コレが滅法苦手である。
『Something/Anything?』。『A Wizard, a True Star』、『Todd』、『Initiation』、『Faithful』というToddの黄金期を飾る代表作から選ばれたヒット・パレードという内容。
そして、Rick Derringer、Spencer Davis、Daryl Hall、John Oates、Stevie Nicksといった豪華なゲスト陣…にもかかわらずナゼかおもしろくない。
天丼、カツ丼、すき焼き、天ぷら、しゃぶしゃぶ、バーベキュー…次々に出される人気メニューに耳がもたれてしまうからか?
イヤイヤ、ベスト盤のような内容で楽しめるライブ盤は他にいくらでもあるので、このニ枚組の選曲に不足はないだろう。
今回この記事を書くに当たり聴き直してみるに…「雑」さをすごく感じた。
多かれ少なかれライブ盤となると、スタジオのテイクに比べて荒くなるのが普通で、それがまた魅力となるのだが、このアルバムに関していうと、ただ「雑に演ってる」って感じがする。
ソロ名義でのライブ・アルバム、『Another Live』の方が断然いい。あの中の「The Wheel」という曲が大スキだった。
ただこのアルバム、ジャケットはよろしいな。
Hipgnosisだからかな?
Marshall Blogでは「下町のひとりヒプノシス」でおなじみのデザイナー、梅村昇史さんが、このアルバムのデザインをモチーフに近所の鍼灸院の新聞の折り込みチラシを制作されていたが、とても可愛かった!

260_3それでもこのニ枚組は、アメリカで最も売れたライブ・アルバムのうちのひとつとされるPeter Framptonの『Frampton Comes Alive!』を目指したんだって。
でも見事失敗に終わった。
なるほど私のLPもカットアウト盤だったわ。
…ということは、リリースされて時間が経ってから入手したんだな。
カット盤なんてなつかしいね。
ところでToddってプロデュース業やサウンド・クリエイターとして語られることが圧倒的に多いけど、あの音といいフレージングといい、ギターの方もなかなかのオリジナリティを持っているように思うのだがいかがだろう?

6_img_0240★Two for the Show / Kansas

「♪Carry on my wayward son~」…何の予備知識もなく『Leftoverture』を買って聴いたんだよね。
何でコレを買ったのかはサッパリ覚えていないんだけど、どうせ買うならCBSソニーの盤がいいな…なんて気持ちは当時あったと思う。
恐らくメンバーにヴァイオリニストがいたから興味を持ったのだろう。40年近く前の話なもんで…。
今となってはレコード会社の友人も多いのであまり滅多なことは言えないが、音質とかではなく、ジャケットの紙の厚みだとか、解説書の丁寧さとか、歌詞の翻訳の有無とか…各社間で装丁のグレードに大きな差があって、CBSソニーの製品が一番ゴージャスだと思っていた。子供の頃の話しよ。
内容はどうあれ、みんな一枚2,500円もするんだから少しでも豪華な方がうれしいにキマってる。
ただ、CBSソニーは邦題がね~。子供ながらに「おかしい」と思っていた。
当時の私のイメージでは、CBSソニーが一番豪華で、次いで東芝EMIかな?
ワーナーがちょうど真ん中ぐらい?Atlanticを抱えていたせいか、どうしても買う枚数が多くなってしまうワーナーが平均点であったのはありがたかった。
日本フォノグラムとかポリドールとかキングはあまりうれしくなかったな。
さて、そうして買った『Leftoverture』、腰を抜かしたね。
「Carry on~」のカッコよさに!
確か、お母さんにまで聴かせたような気がするな。もちろん母はロックなんかに興味を持っていなかったけど、とても理解力のいい人なので「ステキね~」ぐらいのコメントを言ってくれたのだと思う。
ところが、他の曲は全く覚えていないんだよね。聴いたかどうかも怪しい。今でも一曲もわからない。
続く『Point of Know Return』もタイトル曲だけ夢中になった。「Dust in the Wind」が名曲としてほめそやされていたが、私はそうは思わなかった。
そして、このライブ・アルバム。
やっぱり出てすぐに買ってしまうんだな~。
「Song for America」から「Point of Know Return」のクダリには興奮したものだ!
でも、やっぱりあんまり針が進まなかった。
結局、私のKansasは「Carry on my Wayward Son」と「Point of Know Return」と「Song for America」のたった三曲で成り立っているのであった。
でもさ、このアルバムのジャケットってすごくいいと思わない?
タイトルは『Two for the Show』と、「Hounddog」からの引用なんだろうけど、意味は何だ?
ジャケットを見直してすぐに気が付いたのが、この掃除のオバサンたちが手にしているモノ。
Kansasのロゴが表紙に載っていてあたかもツアー・プログラムのように見えるが、手前の座席に二冊捨て置かれているでしょ?
海外でも結して安くは売っていない、せっかく買ったコンサート・プログラムをお客さんが捨てていくワケがないでしょう。
すなわちオバサン二人が見ているのは「Playbill」というヤツ。アメリカの言葉だ。
Playbillというのは、そのミュージカルの出演者や制作に関する情報が簡単に記載されている簡易プログラム。
ブロードウェイのミュージカルに行くと、座席の上に予め一冊ずつ置いてある。
ナ~ニ、そんなにPlaybillをありがたがる必要はない。内容の70%ぐらいは広告だ。
ウチにも『Cats』とかいっぱいあたんだけどどっか奥の方へしまっちゃったナァ。
ちなみにロンドンのウエスト・エンドのミュージカル劇場ではコレをやっていない。だからロンドンではPlaybillという言葉も耳にしないのが普通。
さて、この項を〆ますよ。
実はこのジャケットには元ネタがある。
Norman Rockwellというアメリカの画家の作品だ。

270_3それがコレ。
1946年の「Saturday Evening Post」の表紙に使われていた絵だ。
こっちのオバサンが手にしている冊子の表紙をよく見ると…ね、「THE PLAYBILL」って描いてある。
私の見立ては正しかった。

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★Live at Fillmore West / Aretha Flanklin
珍しくソウル畑から2作。
Arethaは好き…。
本国に比べると日本では人気が今ひとつなんだってね~。
ま、ソウルのことは何ひとつ知らないに等しいので、無理して紙幅を割くようなことはしないが、ひとつだけ。
このジャケット、Jim Marshallの写真だ。

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★Live / Donny Hathaway

もうひとつは「永遠の名盤」の誉れ高いDonny Hathawayの『Live』。
聴くたびに思うんだけど、コレ、「You've Got a Friend」とか、お客さんの歌声がデカすぎない?
ノリノリなのはわかるんだけどね。
「Jealous Guy」ってのは名曲だな~。
ジャケットの写真は黒人のフォトグラファー、Jim Cumminsという人。
Jimi HendrixやJanis Joplin、ウッドストック等、あの時代のロック・ジャイアンツの写真を数多く撮影している。
なぜかYusef Lateefなんかも撮ってる。仲良しだったのかな?

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★U.F.O. Landed Japan / UFO

さて、ここからは「ライブ・イン・ジャパン」が続く。
まずはUFOの野音でのライブ『U.F.O. Landed Japan』。
コレ、おもしろい話しがあって、どっかに書いた覚えがあるんだけど、それがどこだかわからないのよ!「MUGEN」がどうのという話。

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★Live and Kickin' / Suzi Quatro

Suzi Quatroも人気あったよね~。「The Wild One」なんて今聴いても問答無用でカッコいい。
日本のロック界もメタルを中心に女性の進出が目覚ましいけど、Suziみたいなストレートなロックのカタマリみたいなミュージシャンはほぼいなくなった。
昔、FMレコパルかなんかで「スージー・クアトロ物語」みたいなマンガが掲載されていた。
すごく印象に残っている箇所があって、誰かがSuziに「何でベースがいいの?」と尋ねると、「ギターは〇〇(どこか忘れた!)に響くけど、ベースは子宮に響くのよ!」とSuziが答える。
そうなんですかね?
またしても…私はSuziのファンではなかったが、彼女が結婚する時のことは覚えていて、多分「ぎんざNOW!」かなんかだと思うんだけど、「Suziがレン・タッキーというバンドのギタリストと結婚するそうです」と誰かがいうと、その相方が「え、洗濯機と!?」反応する場面がすごくおもしろかったのだ。
これは1977年に日本とオーストラリアでリリースされたライブ・アルバム。
1974、1975、1976、1977、1978年とベンチャーズ・ペースで来日していた。やっぱりスゴイ人気だよ。音源は1977年のものか?
昔クアトロ、今クラプトンか…。

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★100%ライヴ・レスリー・マッコーエン / Leslie McKeown
この人の名前、「McKeown」って綴るのか…。今知った。本当に「マッコーエン」なんて読むのかな?
「マッケオウン」が近いんじゃない?
今度Marshallでスコティッシュの人に会ったら確認してみよう。イヤ、スコットランドは独立でBay City Rollersどころじゃないか?
中学の時、この人が趣味のハンティングで誤って人を撃ち殺してしまったのだが、金にモノを言わせて事件をモミ消した…なんてウワサがまことしやかに立っていた。学校の連中はみんな知っていた。
そんな事件なんかはどうでもよくて、それよりも、そんなスコットランドのバンドのシンガーがやらかしたとされる悪事のウワサが、ロック・ファンでもない連中にまで行き渡っていたことに今更ながら驚くわ。
ロックが近くなったのか、それとも、遠くなったのか?わからんねェ。
いずれにしても「J-POP」というカタストロフィで大打撃を受けてしまい、ロック・ファンからはロックが遠ざかってしまったことは確かだろう。

340_3★Libe in Japan / Wishbone Ash

かつて「世界一美しい音を出すロック・バンド」と言われていたWishbone Ash。
ここでの音源は1978年の11月10日の中野サンプラザと11月15日の新宿厚生年金で収録されている。
2010年まで日本以外で発売されたことがなかった。
写真は誰が撮ったんだろう?ジャケットにクレジットがないのだ。

350_3その中野サンプラザの前から7列目に私はいた。
高校二年だったかな?
友達とWishbone Ashのコピー・バンドをやって楽しんでいたので、すごくうれしかったな。
レコードには入っていない「King Will Come」等、『Argus』の曲も演奏してくれたのでよろこびはひとしおだった。
その後、Andy PowellのWishbone Ashをチッタで観て、Ted TurnerのWishbone Ashをロンドンで観た。
さらに、Laurie Wisefieldがギターを弾いていたロンドンの『We Will Rock You』を鑑賞した。
ま、コレだけ観ればいいんじゃないの?
今のロック界を見回してみると、Wishbone Ashみたいなバンドこそ希求されるべきなのではないかと常日頃思っている。
Wishbone Ashのようにギターという楽器の美しい面をフィーチュアした音楽がソロソロ聴きたいんじゃない?
シュレッド命の現在ギター・キッズもこのギター・アンサンブルの美しさとカッコよさに耳クソが踊るのではなかろうか?
ちなみに、イギリスではWishbone Ashは、歌詞がわからない方がシアワセ…とされているようだ。

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★Live in Japan / Roy Buchanan

Roy Buchananはモッタイないことをしたもんだ。
自殺なんかしないで今も活躍していたらどんなギターを弾いていただろうか?答えは簡単。
きっと昔と同じだったに違いない。
一時『レス・ポールとの遭遇』とかいうアルバムも出していたけど、結局Esquireに戻ってピキピキと弾きまくっていたことだろう。ちなみのこのレス・ポール盤、サイド・ギターでRay Gomezが参加しているんだよね。
で、この『Live in Japan』、私はCDでしか持っていないのだが、それがヒドイ作りで、フォト・クレジットはおろか、レコーディング・データも記載されていない。
老眼鏡をかけて隅から隅までチェックしたが見当たらなかった。
で、調べてみると、録音は1977年6月14と15日の郵便貯金ホールだったらしい。
Royはこの時、6月7日の後楽園ホールを皮切りに10日間かけて大阪、新潟、名古屋、大阪を回った。全部で9公演。
Royは一度しか来日していないので、日本でRoy Buchananを見た人は一万人程度になろうか。(チッ、案外多いな)

360_3その内の一人が高校生だった私。
会場は後楽園ホールだった。
途中で弦が切れてしまったが、ギターを取り替えるでもなく、ギターテクが出て来るでもなく、観客が見ている前で、まるで家や楽屋でやるように、ユ~ックリ、ノ~ンビリと新しい弦を張っていた。
ビールを飲みながら演奏していたっけ。
「メシア」とかやっぱりスゴくてさ、ホントに観に行っておいてヨカッタと思う。

Rb 上のプログラムから出てきたチラシ。
手書きだよ!
時間がなかったのかな?
レコード会社の宣伝の担当者の名前まで出ちゃって。五人も?!

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★Night After Night / U.K.

U.K.、1979年来日時のライブ盤。
中野サンプラザと日本青年館での収録。私は日本青年館の方を観に行った。
当時、キーボード・トリオになったU.K.は「第二のELPになるんだってよ!」なんて学校のロック好きの間(少数派)で話題になっていた。
あれほどプログレ好きな私だったが、実はU.K.のファースト・アルバムってあまり好きではなかったんだよね。「Alaska」ぐらい?
でもEddieはRoxyの頃から好きだったし、さかのぼってCurved Airまで聴いていた。
John Wettonはヒーローだった。
なので基本的にはよろこんで青年館に観に行ったのだが、そんなことはすべて忘れて帰ってきちゃった。
Terry Bozzioがスゴ過ぎたのだ。
何しろドラム・ソロには度肝を抜かれたな~。そりゃそうだよね、Terry Bozzioだもん。
でも、あの頃はFrank Zappaファン以外の人の口には上らない名前だったハズだ。
私は滅多にドラム・ソロに喜ぶことがないが、このHelpless young drummerにしてmad wih desireのTerry Ted BozzioとSonny Rollinsのカルテットで見たJack DeJonetteのドラム・ソロは一生忘れまい。
Eddie Jobsonによれば、このアルバムは東京のポリドールからのリクエストで制作され、日本だけの販売という約束になっていたが、アメリカのポリドールも興味を持っていたらしい。
以前にも書いたかもしれないが、実はこのコンサートの時、毎朝総武線で一緒になるカワイコちゃんが数列後ろに座ってたんだよね。
もう、それが気になって、気になって。
あ、コンサートはシッカリ観ましたよ。
その娘に声をかけるいいチャンスだったんだけど、結局ビビってできなんだ。今なら全然平気なんだけど。
青春の美しき思いでですな。

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★At Budokan / Bob Dylan
コレは行かなかった。高一の時だったかな?
「Bob Dylanが来る」っていうので学校のロック好きの間でも大騒ぎになっていた。
元より私はDylanが苦手だったし、何より、入場料が破格だったんじゃなかったかな~?
思い入れなし。

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★Live / Beck, Bogert and Appice

知らない間にJeff Beckも毎年来るようになっちゃったね。
基本的マーシャル的にはありがたいんだけど、他のアンプを使われるとそれが簡単に裏目に出るので恐ろしくてしょうがない。
2000年ぐらいから一回を除いて、毎回Marshallの面倒をみさせてもらっているのはMarshall冥利に尽きる。
これまでずいぶんいろんなフォーマットで来日しているJeffだけど、皆さんが一番見たかったのはこのBBAの公演なのではなかろうか?
1973年の来日公演。
初めて聴いた時、トーキング・モジュレーターには驚いたな~。「そうやってやってるんだ?」という謎はロッキンf」あたりの音楽雑誌で解明されたが、当時、この装置を使いすぎると口からギターの音の振動が脳みそを揺さぶり、挙句の果てにはアタマがパーになってしまう…と言われていた。
あの、知り合いの方でトーキング・モジュレーターの使い過ぎでアタマがおかしくなった人はいますか?
元々音楽的にアタマがおかしくて(ホメ言葉です)、トーキング・モジュレーターを使っている人なら知っているけど…。
今となっては、化学薬品だらけの食べ物のように、普段の生活の中でトーキング・モジュレーターよりよっぽど身体に悪いモノが氾濫しているせいか、誰も言わなくなったね。
スタジオ・アルバムを踏襲したデザインはとてもいいね。

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★The Eyeball Show / The Residents

The Residentsってのはサッパリわからん!
何枚買って聴いてもようわからん!
でも、この目玉のキャラクターをフィーチュアしたジャケットはいいものが多いよね。
他に何も書けません。
わかんねーんだもん。
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★Priest in the East / Judas Priest

1979年の来日公演を収録したJudas Priest初のライブ・アルバム。
コレはよく売れたらしい。
アレ、私が持っていたのとデザインが違うな…。
タイトルも違うわ。
私はコレを輸入盤で買ったのだが、漢字っぽいフォントで「LIVE IN JAPAN」って入っていた。
タイトルは調べてみると「Unleashed in the East」となっていたようだ。
写真はFin Costelloという人。これはライブ写真ではないね。
このFin Costelloという人もMick JaggerやらClaptonやらBilly GibbonsやらRobbie RobertsonやらRolly Gallagher等々、渋めの人たちのいい写真を残している。

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★Rockin' Every Night / Gary Moore

1983年、厚生年金会館での音源を収録したアルバム。
私のGary MooreはSkid RowとかColosseum IIなので、この辺りはもう全然門外漢なの。
ブルース時代は結構好きなんだけど、日本では圧倒的にメタル時代に人気が集まっているよね。
Garyは長いこと日本から遠ざかっていた。
なんでもカキかなんかが当たったことがトラウマになっているといわれていたようだが、真相はその食中毒になってしまった時に、周囲の日本人がとても冷たい仕打ちをしたのがショックで日本がキライになてしまった…という話を聞いたことがある。
本当かどうかは知らないよ。
でも、Garyファンで、通訳の友人が雑誌の電話インタビューをした時、雑談で「日本に来てくださいね!」と言ったところ「すぐにでも行きたいよ!」なんてことは言わず、「ん~、もし私を観たいなら、キミがロンドンに来た方が早いと思うよ」と言われたらしい。
マジでイヤなんだな…と思っていたらブルース・バンドで来日。
翌年はハード・ロックでまた来るなどという話もあったようだが急にスペインで客死してしまった。
私はラッキーにもその直前にロンドンでハード・ロックのセットを観ることができた。
来日時、彼が持参した1959SLPの修理をしたのはいい思い出だ。(正確にはタクシーで運搬しただけ。修理はこの道40年のベテランにやってもらった)
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★Mr.335 Live in Japan / Larry Carlton

この人もスゴイ人気だった。
あのフュージョン・ブームってのは何だったんだろうね。私は乗りませんでしたよ。
何しろやっつけ仕事のひどいジャケットばかりの「Live in Japan」モノの中にあって、このアルバムは普通だな。

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★Live in Japan / The Runaways

♪チチチチチチチチ、チェリ~ボ~ム!
なつかしいな~。
女の子だけのロック・バンドだぜ。スゲエだろ~!という時代があった。
ギターのLita FordはRitcihe Blackmoreの彼女で、ギターを教わってるという話が出まわってたな。
男性誌のGOROで篠山紀信が激写しちゃったりなんかして。
ドラムの娘が一番人気があったのかな?
そんな具合に日本では大騒ぎになっていたけど、アメリカでは大したことなかったようだ。
この音源は1977年の来日公演の時のもので、日本とカナダ、オーストラリア、ニュージーランドでのみの発売で、アメリカやイギリスでリリースされることはなかった。
オイ、チョット待てよ~。
この来日時、ボーカルのCherie Currieって18歳だって!フケてんな~!
そうか、18でこんなことやっていたのか…大したもんだよ。
昔の人はホントに偉かった。
でも、Joan Jettってのはこの後大ブレイクするもんね。わからないもんです。
このアルバム、ちょっと聴いてみたいような気もするな。
その後、連続してThe Shaggsを聴いてみるってのはどう?

430_3

★Tokyo Quo / Status Quo

Quoは観たかったな~。
もう日本来ないだろうな~。
それならいつかロンドンで観てみたいな~。
しかし、つまらんジャケットだ。

450_3★Agharta / Miles Davis

最後もライブ・イン・ジャパン。
『Agharta』は以前にも取り上げた
1975年2月1日の大阪フェスティバル・ホールでの収録。昼の部は『Agharta』、夜の部は『Pangaea』として音源が発表された。
以前にも記した通り、Milesの指揮のもと、音楽の鬼神たちが凄まじい演奏が繰り広げているワケだが、その中でも際立っているのがPete Coseyのギター・ソロだろう。
スキかキライかは別にして、フレージングといい、トーンといい、ものすごいオリジナリティだ。誰にも通じない自分の言葉でしゃべりまくっている。
強いて言えば、Jimi HendrixがSonny Sharrockのマネをしているというところか?(この逆は不可能)
ギターはGuildのS-100とかいう、シェイプがSGによく似たモデル。
この人、通常とは違う場所に弦を張ったり、曲に合わせて36通りの異なったチューニングを用いていたらしい。
かなりの変態だ。演奏もそれなりに「変態」になっているので安心して欲しい。
ところが、過去にはChessレーベルのスタジオ・ミュージシャンとしてMuddy WatersややHowkin' Wolfの作品に参加していたらしい。
Maurice Whiteと組んで、Earth, Wind & Fireの前身のバンドに在籍していたこともあるという。リーダー・アルバムはないとのこと。

ジャケットは横尾忠則。
「Agharta(アガルタ)」というのは幻の地下都市の名前で、横尾さんはこのコンサートの前年には、「シャンバラ」というチベットの伝説上の王国と「アガルタ」をテーマにした作品に取り組んでいた。
Santanaのライブ盤『Lotus』のジャケットもこれらがテーマになっている。
1970年代初頭、横尾さんの評価は日本でも高まっていたが、もっと活動がしやすいアメリカに活動の拠点を移した。
その後、日本に戻ってくるとMilesから電話がかかってきたという。横尾さんの作品を目にしたMilesがそれを気に入り、『Agharta』のジャケットのためのデザインを依頼したという。
横尾さんは『Agharta』の生音源をMilesからもらい、瞑想を重ね、レイモンドW. バーナードという人の『The Hollow World(空洞地球―史上最大の地埋学的発見)』という本の内容をアイデアに反映させた。
この本は「地球の中心に巨大な洞窟があり、そこに都市が存在する」と説いていて、横尾さんは「アトランティスのように海の底にアガルタはあるかもしれない。あるいはエルドラドみたいにジャングルの中に隠されているかもしれない」と信じていた。
そうした思想のもと、他の要素も加えてデザインされたのが『Aghrta』のジャケットだった。
HipgnosisのStorm ThorgersonとAubrey Powellによれば、アガルタとアトランティスの融合を示すために、横尾さんはクラゲやサンゴ、色鮮やかな魚を表4に描いたとしている。
なるほど、ジャケットをズ~と見てるとアガルタに行ってみたくなるな…すごいパワーだ。
ちなみに、時期が符合するかどうかはわからないが、まさに上の流れに合致する話を聞いたことがある。
Santanaが「コレが私の次の作品です」といって『Lotus』のジャケットをMilesに見せた。
Milesは羨望のまなざしを浮かべながら、あの22面体のジャケットをつぶさに調べた。
フト、SantanaがMilesの口元を見ると、ヨダレが垂れていたという。

470_2コチラは姉妹作の『Pangaea』。
『Agharta』に比べると、ずいぶん簡単なデザインだな~。でも、私は内容はコッチの方が好き。

Mp <後編>につづく

Music Jacket Gallery展示の詳しい情報はコチラ⇒金羊社MJG常設展

※本展示は2014年9月に終了しています。現在の展示内容は上記の金羊社ウェブサイトでご確認ください。



2016年5月30日 (月)

【Music Jacket Gallery】ライブ盤ジャケット特集<前編>

久しぶりに登場のMusic Jacket Gallery常設展のレポート。
今回のテーマは『LIVE LP COLLECTION』。
掲載が遅れに遅れてしまったが、開催は2014年の7~9月。場所はいつもの金羊社の本社4階ギャラリーだ。

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しつこく書く。
「ライブ」か「ライヴ」か…それが問題なのだ。Marshall Blogでは「ブ」で貫いている。
いつもご覧頂いている読者はお気づきのことと思うが、Marshall Blogの文章は、時々表記がユレてるでしょう。
同じ言葉でも、ある時はカタカナ、ある時はひらがな。あるいは、ある時は算用数字、ある時は漢数字といった具合だ。
コレ、ワザとやっています。
出版社なんかの校正業務にかかれば絶対に許されないことだと思うが、私にしてみれば、読んでいる人が一発で読み切れるような文章を書いているつもりなのだ。
どういうことか…文章を書いていてどうしてもひらがなが続いてしまう時があったりするでしょ?コレは大変読みにくい。
そういう時はまず読点を入れることを考える。
でも、読点を入れると却って文章がギクシャクしてしまうこともあるので、カタカナを入れて読みやすくしたりしているワケ。
それでもダメなら文脈を変えたり、文章を分けたりしている。
漢字とひらがなを使い分けることもある。何でもかんでも漢字にしてしまうことには反対だ。「Black Page」になってしまうから。
驚いたでしょ~?そんなに考えているのに出来はこの程度だからね!
数字も同様。
「一人」か「1人」か「ひとり」か…いつも悩んでいるんだけど、コレについてはなるべく記事内での統一を図っている。
いつもそんなことを考えているので、外来語の表記が気になる。
「ヴィデオ」か「ビデオ」…「ビデオ」に軍配を上げる。
「キング・クリムゾン」か「キング・クリムズン」…「キング・クリムゾン」。
「ロキシー・ミュージック」か「ロクシー・ミュージック」…「ロキシー」だ。
「マイルズ・デイヴィス」か「マイルス・デイビス」か…「マイルス・デイヴィス」か…たまには折衷案もよかろう。
「ブルーズ」は絶対「ブルース」。
こうした英語の発音に強引に近づけようとする表記がどうも恥ずかしいし、もしそうするのであればすべてそういう表記に徹するべきだと思うのですよ。
その場合「th」はどうするの?アメリカ発音にするなら「r」の舌を巻く発音はどう書くの?片手落ちになりませんか?…なんて意地悪のひとつも言いたくなるのは私だけだろうか?私だけなんだろうな。

10_4そして、今回のMJGは、珍しく新旧の「ライヴ盤」、イヤ、「ライブ盤」が結集した。
ナゼ珍しいかというと、いつもは「夏」とか「乗り物」とかのテーマに沿って、ジャケットの見た目で展示アイテムが集められるが、今回は盤の収録内容がテーマだからだ。

20_3「スタジオ盤」か「ライブ盤」か…スタジオ盤を好む人も大勢いらっしゃることと思うが、私は断然「ライブ盤」派だ。
今回もワガママ放題にアイテムを選定し、好き勝手に書いて、無責任に思いっきり脱線させて頂いた。
では、本コレクションのオーナー、植村和紀さんに敬意を表し、氏の大好きなJethro Tullから行ってみよ~!

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★Bursting Out / Jethro Tull
私も大好きなJethroTull。
このアルバムは期待しつつ、高校の時にリリースされてすぐに買った。だけど正直言ってあまり聴かなかったナァ。
なんか波長が合わないんだよね。
期待していたにもかかわらず、どうも相性が悪いライブ盤ってのがもうひとつあって、それはToddの『Back to the Bars』ね。
アレなんかジャケットはHipgnosisだし、ゲストは豪華だし…だけど今ひとつ燃えてこない。
この『Bursting Out』も同じ。
猛烈なTullファンにして、Ian Andersonとホッケをつついたという植村さん(本コレクションのオーナー)には恐縮なんだけど…なんか熱いものを感じない。
ただ、Barrimore Barlowのドラムはスゴイと思ったっけ。

40_4この記事を書くのに久しぶりにこのアルバムを引っ張り出してみたら、こんなのが出て来た。
1977年のイギリス国内ツアーのプログラム。
もちろん観たわけではない。小川町にあったシンコー・ミュージックさんが経営していた「ロック座」というロック・アイテム・グッズ屋で買った。
『Songs From the Wood』のレコ発ツアーということになるのかな?
で、このプログラムの公演の時のヨーロッパ・ツアーが上のライブ・アルバムの音源になっているのかと思ったがさにあらず。
上の音源は『Songs From the Wood(1977年)』の次作、『Heavy Horses(1978年)』のレコ発ヨーロッパ・ツアーだった。
内ジャケットには録音場所を「Somewhere else in Europe」と表記してあって、どこで録られたかはわからないようになっている。Tullのシャレなのかな?スイスのベルンでの録音らしい。

C_img_0305 コレ書いていてフト気が付いたんだけど、Thin Lizzyの『Live and Dangerous』…Ian AndersonとPhil Lynottのポーズが似てるじゃんね?
ま、コレもライブ盤ということで脱線させてもらうけど、Thin Lizzyって1977~78年の頃は日本ではほとんど人気がなかったように記憶している。
『Jailbreak』の後なのにね。もちろん我々の頃は「フィル・リノット」って呼んでいた。
だから、facebookなんかを見ていて「Thin Lizzy命」みたいな人を結構見かけるんだけど、チョット不思議な感じがするんだよね。
いつから人気が出たんろう?…って。やっぱり『Black Rose』でスター・ギタリスト、Gary Mooreが再加入したところからかしらん?
私の周囲にはバンドの名前は知っていても、好んで聴いているヤツなんてひとりもいなかった。
それをいいことに、美術の授業で「空想のLPジャケット」みたいなお題があって、私は『Nghtlife』とBad Companyの『Straight Shooter』をパクってゴッチャにしたヤツを提出した。
私はその頃Thin Lizzyが大好きだったのね。
その後、みんなが聴くようになって一般的になって興味がなくなっちゃった。はい、ずっとワガママしてます。

Ld

★801 Live / 801
ロクシー・ミュージック、イヤ、Roxy Musicも大好きだった。
『Viva! Roxy Music』がリリースされたのは私が中学2年の時で、ラジオで「Out of the Blue」を聴いた瞬間にハマった。イヤ、もしかしたら「Do the Strand」だったかも?あるいはその両方だったのかも知れない。
それで、まずは『Viva!』を買って、すぐさま『Siren』までの既発のアルバムを揃えた。海賊盤も買った。EnoやEddie Jobsonの名前を知ったのもこの頃だ。
Enoはまだ「エノ」と表記されていた。「レゲエ」も「レガエ」って書かれた時代。
当時、メンバーの来歴等を探りようにも今みたいに自由に情報など手に入らないので、付属の今野雄二のライナーノーツをむさぼり読んで、ミュージックライフ誌のバック・ナンバーを買い込んで来ては知識を蓄えた。
ま、コレはRoxy Musicだけじゃなくて、好きなバンドに関してはすべて同じことをやったな。
コレをご覧の皆さんもおそらく多かれ少なかれ同じことを経験していると思う。
今にして思うと、ずいぶんノンビリしていたと思うよね。
今ならWikipediaで調べて、amazonでCD買って、iTunesに取り込んで…ってとこか?あ、もはやCDなんか買わないのか…。
私の場合は前述のようにして情報を集めて、学校の帰りか、休みの日に秋葉原の石丸電気の3号館の2階へ行ってレコードを買って、10%相当のサービス券をもらう。
それを2回繰り返すとシングル盤1枚と交換できる勘定になる。そういう時は4階へ上がってLPを買うほど興味のないバンドのシングル盤を買って研究する。
ポスター等のオマケも楽しみだった。
それから1~2年もすると、ハンターやディスク・ユニオンの存在を知って、新品のレコードは100%中古レコードに取って代った。
数寄屋橋とソニービルの地下のハンターに入り浸り、黄色いビルだったか青いビルだったか、後楽園のバーゲンに参加したりするワケ。
昔、美濃部都知事の時に都営ギャンブルが廃止になり、後楽園の競輪場がプールとして後利用された。
私は父に連れられてこの競輪場にも何度か行ったことがある。
赤鉛筆を耳に挟み、折りたたんだ白い新聞を片手に唾を飛ばしながら「まくれ、まくれ!」と狂ったように怒鳴るオジちゃんたち。もう片方の手で金網をいいように揺さぶっている。そんな光景を目にして「コエ~とこだな~」と子供ながらに驚いた記憶がある。
プールになってからも友達と誘い合って何回か遊びに行ったけど、入場料がバカ高いうえにイモ洗いもいいとこでね。アレ、人の汗のなかで泳いでいるようなもんだぜ。
で、アソコ、冬になると脱衣場のスペースを利用してオーディオ用品のバーゲンとかやっていたんだよね。
何であんなところを借りていたんだろう?
とにかく目玉はカートリッジだった。
シュアとかオルトフォンとか、売れ残りの商品を7割引きとか8割引きとかで売り払っちゃう。そうなると針だけ交換するより安いので、我々貧乏学生はそういう機会を狙ってカートリッジごとレコード針を取り替えちゃうワケね。
こんな話し、生まれたときからCDがある世代の人には「謎」の類いだろうね。でも、風情があってとてもいい時代だったと思う。

話は戻って…そうして少しずつ手に入れたRoxy Musicの情報にこのライブ盤が引っかかってきた。
Phil ManzaneraとEnoが参加しているグループということで、すぐにゲット。
当時、他のメンバーがどういう人たちだかは知らなかったが、ドラムはスゴイ人だと思った…Simon Phillpsだ。
ついでに加えておくと、胡椒みたいな名前のベースはBill MacCormick。元Matching Mole。
Francis MonkmanはCurved Airのオリジナル・メンバー。
Lloyd Watsonは、メロディ・メーカー誌のコンテストで優勝し、『The Old Grey Whitsle Test』にも出演した人で、David BowieやKing CrimsonやRoxy Musicの前座をやったことがあるそうだ。Enoのソロ・アルバム、『Here Come The Warm Jets』に参加したことが縁で801にも加入した

ところで、「801」ってなんぞや?
801を英語表記すると「Eight Naught One」。コレの頭文字は「E-N-O」となる。
ホントかね?
「Naught」はイギリス英語で「zero」を表す。
コレを自分に当てはめてみると…SHIGEは「7100110008」かな?
「Seven-Hundred-One-Ground-Eight」ということで…これじゃバンド名にならんな。
さて、このジャケット…不思議だと思いませんかね?
なんでベース?
Manzaneraのプロジェクトでもあるんだからギターのヘッドにすればいいのに…。
Firebirdのヘッドがイヤだったのかな?

50_3上に記したRoxy Musicの海賊盤とはコレ。
懐かしいでしょ~。
昔のブートレッグってこうなってた。
右のピンクのはENO時代のライブ+未発表音源集。
左はEddie Jobsonが加入してからの1975年のニューヨークでのライブ録音。『Siren』のレコ発ツアーのひと幕だろう。
選曲が良い上に、当時にしては音もすこぶる良好だったのでよく聴いた。「Re-Make, Re-Model」がメッチャかっこいい!
ナンカ、こういう装丁を見ても昔はノンビリしててヨカッタね。

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★June 1, 1974 / Kevin Ayers, John Cale, Eno, Nico and others
何気に何回かMarshall Blogに登場している一枚。
Ayers, Cale, Nico, Eno、四人の中心人物の頭文字を取って「The ACNE album」と呼ばれることもあるらしい…が、そう呼ばれているのを私は聞いたことがない。
それよりもイギリスでのコンサートだし、イギリスのレコード会社からのリリースなんだからタイトルもイギリス式に『1 June 1974』にするべきだと思うんだけどいかがなものか?

では、まずはジャケット。
色がいいね~。
写真に目をやると…Kevin AyersがニコニコしているワリにはJohn CaleがKevinをギリッとニラんでいるように見えるでしょう?
何でもこのコンサートの前の晩、Kevin AyersとJohn Caleの奥さんがベッドに入っているところをJohn本人が見つけちゃったんだって!…ホントかどうかは知らんよ。
この写真を撮影したのは有名なMick Rockというフォトグラファー。
名前からして「筋金入り」って感じでしょ?「Mick」に「Rock」だもん。
この人はDavid Bowieの『Pinups』、Johnny Winterの『Captured Live!』、Queenの『Sheer Heart Attack』、Lou Reedの『Transformer』、Strapsのファーストのジャケ写を撮った人。すごいポートフォリオだよね。
ここでキレイに短く脱線。
Strapsって、2枚目だったかな?「意外にも第二のDeep Purpleは彼らだった!」みたいなキャッチコピーが付けられていて、それに惹かれて出てすぐに買った。『Secret Damage』とかいうヤツ。
ま、それなりに楽しんだけど、すぐに飽きたな。ゼンゼンDeep Purpleじゃなかったことは確かだった。

60_3以前にも一度書いたことがあって恐縮だが、ココでこそ書かねばなるまい。
それはNicoのこと。
アルバムではThe Doorsの「The End」を破壊的な解釈でユニークに演奏しているが、白塗りのルックスも十分に破壊的だ。
彼女はドイツ出身のモデルで、コレの12年前はこんな仕事をしていた。
Bill Evansの『Moon Beams』。
知らなかったんだけど、Nicoってアラン・ドロンの子供を産んでるんだってね。
そして、Kevinの終の棲家があったスペインのイビサ島に遊びに行った時、自転車に乗って麻薬を買いに出た時に転倒(どんな所なんだよ!⇒ヒッピーの天国だそうです)。頭を強打してそのまま客死したらしい。
元Velvet Undergroundだけあって一生をヘロインに捧げたとか…。
ところで、Riversideもいいジャケットの作品が多いね。ジャズでいいジャケットが揃っているのは何もBlue Noteだけじゃない。
このNicoの写真を撮ったのはPeter Sahulaという人。

Nico私は正真正銘、ソウル・ミュージックの門外漢だが、コレは知っている。
Otis Reddingの『Oris Blue』。
この写真もPeter Sehulaの撮影だ。

Obさて、『June 1, 1974』。
録音されたのは国鉄、地下鉄ピカデリー線、あるいはヴィクトリア線が乗り入れるフィンズベリー・パーク駅から徒歩1分のところにあった有名なレインボー・シアター。
表題の4人の他にもRobert Wyatt、Mike Oldfield、Rabit等が出演した。
いいナァ、見たかったナァ。
でも、このアルバムが大好きかというとさほど愛聴したワケではない。
結果として一番の収穫はナントいってもPeter Ollie Halsallを知ったことだろう。「Ollie」は「Oliver」の愛称。
Kevin Ayersの片腕だったOllieが弾くB面一曲目「May I?」のソロ。
コレにやられた。
それからOllieが参加したKevin Ayersのアルバムを何枚も買ったが、キツイんだナァ~、Kevinの音楽は…。
それでも『Whatevershebringswesing』と『The Confessions of Dr. Dream and Other Stories』は結構好きかな?
その他、Tempestはもちろん、The Rattlesまで揃えた。
Pattoは最高だよね。でもOllieのソロ・アルバムはおもしろくなかった。
苦労したのはBoxerのセカンド。
こんな話、忘れていたんだけど、Wilkinsonブリッジの創設者トレバー・ウィルキンソンの家にお呼ばれして遊びに行った時にOllieの話になった。
「Ollieが好きならコレを持って行きなヨ」とトレバーが彼の友人のOllieファンが作ったコンピレーションCDを譲ってくれた。
それにBoxerのセカンドに収録されているThe Beatlesの「Hey Bulldog」が入っていて、このMike PattoとOllieのギターが殺人的にカッコいい!
それでどうしてもアルバムを聴きたくなってしまった。『Bloodletting』というんだけど、中古で探し続けてCDが出て来るまで5~6年はかかったかナァ?
残念なことにOllieはMarshallじゃないんだよね。

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ゲットするのに苦労したのは『June 1,1974』も同様だった。
1978年ぐらいだったかな?
上に書いたようにRoxy Musicに夢中になって、関連したアルバムを片っ端から聴きたかったのだが、当時国内盤がことごとく廃盤になっていて入手不可能だった。
新宿あたりの輸入盤屋に行けば手に入ったのかもしれないが、中学3年の時だからそんな知恵もない。
でも、聴きたくて、聴きたくて…。
当時はまだ土曜日は学校があって、日曜日になると数寄屋橋とソニービルの地下のハンターに行って、有楽町のローディ・プラザで無料でレコードを聴いて帰ってくるというのがスタンダードな過ごし方だった。
滅多に入ることはなかったのだが、ローディ・プラザの奥に小さくて細長い輸入レコード屋さんがあった。確か「モーニング・サン」というお店だった。(コレも以前書いたことあるけど)
で、その日はたまたまそのレコード屋さんにフラリと入ったんだと思う。
店員さんが「何かお探しで?」と声をかけてきたので、「実は…」とこのアルバムのことを伝えると、「わかりました。じゃ、イギリスから取り寄せましょう」と言ってくれたのはいいのだが、当然値段が心配だし!
何万円もするのではないか?とビビりにビビった。まだ、子供だったからね。イヤ、値段に関していえば今も変わらない。相変わらず貧乏だ!
「イエ、そんなにしないですよ。2,000円ぐらいかな?」というので、ホッとしつつ注文した。
して、数か月して入荷したのが下の写真のLP。
アレからもう40年経ったんだナァ。
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★Caravan & The New Symphonia / Caravan
日本に同名のグループがいるようだけど、全然関係ない。
コチラはカンタベリーの一角、プログレッシブ・ロックの名門バンドのCaravanだ。
Geoff Richardsonというヴィオラ奏者がいる珍しいバンドとして知られている(か?)。
ココは『In the Land of Grey and Pink』と『Waterloo Lily』という名ジャケットの作品を抱えている。中身ももちろん極上だ。
1975年の『Cunning Stunts』はHipgnosisのデザインだ。
続く、『Blind Dog at St. Dunstans』も個人的にはとても好きなジャケット。その理由はココに書いてある。
ところで、この「Cunning Stunts」というタイトル。コレ、意味わかりますか?
私はある時、何のヒントもなしに突然コレの意味に気付いた。
要するにエッチな意味。
でも、権威と気品あふれるMarshall Blogでは(どこがだ?!)とても取り扱えない内容なので、ヒントを2つ。
①「Spoonerism」という文字の組み換え法を使っている。
②それがわかると次のジョークの意味がわかる。
  Q : What is the difference between a magician and a stripper?
  A : One has a Cunning Stunt.....
わからないけど意味を知りたいという方は、ライブ会場で私に会った時にでも尋ねてください。
でも男性の方に限ります。
ちなみにジャケットはコレ。ジャケットとタイトルの関連性はわからないナァ。何でビスポークのテイラーなんだろう?
参考にインターネットで「cunning stunts」と入れると、ナニこれ?Metallicaも同じタイトルのDVDを出してるの?何だってそんなことするんだろうか?絶対にやめて欲しい。

Cs さて、Caravanのライブ盤。
魚類図鑑のようなジャケットだ。
デザインは「Three Men Went to Mow」とかいう団体(?)。
調べたけど何者かはわからなかった。
You Tubeに同名のコントがいくつかアップされていたが無関係だ。しかし、思わず少し見てしまった。
そのコントのひとつを紹介すると、こんな具合…。
3人の男が本の倉庫で働いていて、「Yellow Book」という売れ残りの本を頭に載せたり、積木のように重ねてもて遊んでいる。暇なのだ。
そろそろ家に帰る時間じゃない?とひとりが言うと、仲間が「There is no place like home」なんて反応する。
すると、そのうちのひとりが床にその本を並べる。それを見た仲間が「Yellow book patio?」とか「Yellow book path way?」と言い当てようとするが、答えは違う。
私はココでオチがわかっちゃったんだけど、もちろんその黄色い本を並べていたのは「Yellow Brick Road」なワケ。「book」と「brick」のシャレね。
すると若い女の子が倉庫を訪ねて来て、4人一緒に帰ろうということになる。もちろんその時の男たちの格好はライオンとカカシとブリキ男だ。女の子はドロシー。
コレ、『オズの魔法使い』のワンシーン。
ドロシーが西だか東だかの魔女に「靴の踵を3回合わせてこう唱えなさい」…と教わる呪文が「There is no place like home(お家が一番!)」なのだ。
そしてその家に続く道が「Yellow Brick Road(黄色いレンガ路)」なのね。
…とマァ、こんなモンティ・パイソンの出損ないみたいなコントが『Three Men Went to Mow』で見れる。
もう典型的なイギリス英語だったので、当然イギリスの物だと思い、Marshallの友人に「コレはモンティ・パイソンのようなテレビ・シリーズか?」と確認した。
すると「聞いたことはあるが、テレビで見たことはない」…とのこと。インターネットで公開されているコメディ・シリーズのようだった。
この表現自体は『Man went to mow』という子供の数え歌だ。

しまった…ずいぶん脱線しちゃったナァ…。
脱線した割にはこのジャケットをデザインした関係者のことがゼンゼンわからないんだから申し訳ない。

この1973年に収録されたCaravanのライブ盤は、タイトルから汲み取れるようにオーケストラとの共演盤だ。
Deep Purpleをはじめとして、昔からロックとオーケストラの融合ってが盛んに行われたていたのね。
言っておきますけど、コレはジャズのマネっこですからね。
何か「オーケストラとの共演」なんていうと大仰で荘厳なサウンドが期待されるけど、このアルバムに耳にできるオケは小編成で、Caravanの音楽性がそうさせるのか、コンパクトにまとまった感じで実によろしい。
気を付けなくてはいけないのは、LPとCDではゼンゼン内容が違うのね。
ココはオケ抜きの演奏や、未発表音源を収録したCDを聴くべきでしょうな~。
記事を書くにあたって、これまた久しぶりに聴いて改めて思ったんだけど、Robert Wyattしかり、このPye Hastingsしかり、HathieldのRichard Sinclairしかり…このソフトなボーカルはカンタベリー派の特徴のひとつだったのかな?
Kevin Ayersにしても、声のキーは低いけどダラ~っとしてるもんね。

80_3裏ジャケを見ると、Pye Mobile Recording Unitという録音機材が使われたことがわかる。
「Pye」っていうからPye Hastingsの持ち物かと思ったらPye Recordsのモノだった。当たり前か。
この手の機材というとRolllig Stones Mobile Studioというヤツがやたらよく知られているが、このPyeのヤツもかなりスゴイ実績を誇っている。
ザっとその実績を記しておくと…
Live at Kelvin Hall/The Kinks (1967)
Ummagumma/Pink Floyd (1969)
Jimi Hendrix at the Albert hall (1969)
Live At Leeds/The Who (1970)
Five Bridges/The Nice (1970)
Hands Of Jack The Ripper/Lord Sutch And Heavy Friends (1972)
Live/Uriah Heep (1973)
Genesis Live/Genesis (1973)
At The Rainbow/Focus (1973)
Loud 'N' Proud/Nazareth (1973)
…などなど。
昔から聴いている多くの名盤、愛聴盤の多くがこの機材で録音されていたことがわかる。
そして収録現場はコヴェント・ガーデンのシアター・ロイヤル・ドゥルーリー・レーン。
キャパは2,200。
私は『My Fair Lady』を観るために一度だけこの劇場に入ったことがあるが、もっとデカいような感じがするな。
開業は1663年…といってもオリジナルの話しで、写真にある今の建物は1812年に建造された…ってこのビル、建ててから200年も経ってるのかよ!

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この劇場をドーンとタイトルにしたアルバムがある。
今日はここまでのところ、カンタベリー派が活躍しているし、同じライブ盤なので紹介しちゃおう。
それはRobert Wyattの『Theatre Royal Drury Lane 8th September 1974』。
未発表発掘音源でリリースは2005年。
このアルバムのタイトルってもしかしたら上の『June 1,1974』の向こうを張ってるのかな?こちらの日付の表記がイギリス式。

Cover_32591623112010_2「イギリス式」で思い出した。
このRobert Wyattのアルバムのタイトルにある「theatre」はイギリス式のつづり。ま、歴史を考えればこっちがオリジナルでしょう。
ご存知の通り、アメリカは「r」と「e」を順番を入れ替えて「theater」としている。
では、下の写真をご覧あれ。
東京は三宅坂、最高裁の並びにある国立劇場。
写真が小さく見にくくて恐縮だが、左下の国立劇場の掲示板の表示には「NATIONAL THEATRE OF JAPAN」とある。
かたや信号機の標識は「National Theater」とある。
いわゆるチャンポンである、
一体全体、どういうルールがあるのかは知らんが、こんなことを国がやっているようじゃ日本国民の英語力アップは到底期待できまい。
東京の人はご存知であろうが、実はこの前の通りを、写真の右に行くとイギリス大使館がある。
明治維新の時、イギリス政府が討幕派の味方をした論功行賞として、その用地のイギリスへの貸与が永久に保証されているという。
そこの職員がコレを見たらどう思うんだろうね。絶対に大使館内で話題になったことがあるハズだ。
恐らく道路標識の英単語のつづりはアメリカ式に統一する…ぐらいのキマリがあるのかもね。で、国立劇場はそのキマリができる前からあった…みたいな。

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★Friday the 13th / Chis Speding
三大ロック・ギタリストというと「Clapton、Beck、Page」。でもねイギリスでは「Chris Spedding」が食い込むんだよ…誰それ?ってな話が昔はあったんよ。
イヤイヤ、実際に現地にはそんな話はありゃせんよ。
ただ、ブリティッシュ・ジャズ・ロックの名門バンドに属していたり、60年代後半から70年代のロックの名盤のレコーディングに参加したりで、「名ギタリスト」と呼んで差支えがないことは間違いないだろう。
Sex Pistolsのファーストでギターを弾いているのもこの人だ、というウワサもあったが真実ではないらしい。
私は高校の時にBryan Ferryのバンドで来日した時、サンプラザでChris Speddingを観た。
「観た!」というだけで満足。ブリティッシュ・ロック好きの義務を果たしたみたいな…。
ソロ活動はパッとしなかった…というのが私の認識ですね。
「Guitar Jumboree」に呪われた半生という感じがする。当時はいいアイデアだったんだろうけど、今聞くとトホホ感は到底免れない。
歌でも損をしている人だと思う。
Robert Gordonのサポートなんかでは実にキレのいいギターを弾いているんだけどな~。
コレは1981年のニューヨークでのライブアルバム。
『Friday the 13th』なんていうから気をきかしてThelonious Monkの同名曲を演っているのかと思いきや、また「Guitar Jumboree」だ。
ゴメンなさい、勝手なことを書いて…タマにはMike Westbrookの『Love Songs』でも引っ張り出してきて聴いてみるか…。

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★Face to Face: A Live Recording / Steve Harley & Cockney Rebel
Steve Harleyなんて名前を口にするのは一体何年ぶりのことだろう?
ヴァイオリンの入ったロックに夢中になった時期があった。中学から高校にかけての頃かな?
それで、Cockney Rebelにも興味を持ち、ファースト・アルバムの『The Human Menagerie』が欲しかったのだが、これまた当時国内盤が手に入らない状態だった。(ちなみに「menagerie」というのは「動物園」という意味)
代わりに買ったのかどうかは覚えていないが、ナゼか『Timeless Flight』というアルバムだけ持っていた。
しかし、内容はまったく覚えていないナァ。全然聴かなかったんだろうね。
この項を書くのでSteve Harleyのディスコグラフィをチェックしていて、そんなアルバムがあったことも、持っていたこともタマタマ思い出した次第。
聴きたかった『The Human Menagerie』も『The Pshychomodo(「さかしま」っていう邦題が当時気になった)』も手に入れたのはかなり後になってからのこと、イエイエ、正直言って今から数年前のことだった。
やっぱりダメだな~…受け付けないわ。
まだ『The Human Menagerie』はいいんだけど、『The Psycomodo』になると曲の魅力の薄さがSteve Harleyの歌のひどさに拍車をかけてしまってあまりにもシンドイ。
『BBC』のライブ音源なんかを聴いてもツライ。
さて、このLP2枚組の『Face to Face』。
以前にも登場したことがあるが、映画のワンシーンを切り取ったようなHipgnosisのジャケットがいいじゃないか!

70_3でも、せっかくだから「コックニー」について……と言っても特に面白い話しがあるワケではない。
「コックニー」とは、「St. Mary-Le-Bow」というロンドンの東の中心、ザ・シティ地区方面にある古い教会の鐘の音が聞こえる範囲内で生まれた「真のロンドンっ子」…と定義されたのが1600年のことだという。
日本で言えば神田か日本橋で生まれて育って、一度もヨソへ住んだことがないような連中のようなものか?
どのあたりかというと…。
タマタマ写真があることを思い出したので紹介しておく。
真ん中の巨大なドーム状の建物は有名なセント・ポール大聖堂。池袋じゃないよ。
ディズニー映画『メリー・ポピンズ』で、必殺の名曲「Feed the Birds」のシーンで出て来るところだ。
完成は1710年。チャールズ皇太子とダイアナ妃はここで結婚式をあげた。
この建物、高さが111mあるそうなのだが、このドームの一番上まで上がれるようになっている。

1_rimg0221で、何年か前にそのテッペンまで上ってみた。
エレベーターなどついていない。おまけに上の方は狭いらせん階段になっていて、狭くてもう大変。
階段を上がり切った頃には両膝がガックガク、腿はパンパンになっちゃった。
残念ながらこの日は天気が悪かったが、それでも息を飲むような絶景だった。
西方面にはロンドン・アイやウエストミンスター橋を眼下に見下ろし…

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正面(テムズ南岸)にはテート・モダンと、向かって左はシェイクスピアのグローヴ座。
手前は西暦2000年を記念して架けられたミレニアム・ブリッジ。

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東方面にははるかにシティの高層ビル群を望む。

1_rimg0230すこしズーム。
赤線で囲ってあるのがその「セント・メリー・ル・ボウ教会」。
この鐘楼から聞こえる鐘の音が聞こえる範囲内で生まれた人がコックニーなのだそう。
その範囲たるや結構広いよ。

1_ch同時にそのロンドンっ子が使う労働者階級の特殊な英語も「コックニー」と呼ばれる。
『マイ・フェア・レディ』のイライザやベッカムが使う英語ね。
「あたぼうよ!」とか「てやんでい!」なんて言う人、露骨に「は」と「し」が入れ替わっちゃう人、「でーじょーぶ」とか変な音便変化させてしゃべる人…そういった「江戸っ子弁」とか言われる表現を使う人はもう東京にもいない。
ロンドンではコックニー訛りはドップリではないにしても、今でも普通に使われている英語だ。
さて、幸運にもその東京弁をしゃべる人に出くわして会話を交わしたとしても、相手の言っている意味がわからないということはまずないだろう。
では、コックニー英語はどうか?
もちろん私の能力が及ばないこともあるが、皆目見当がつかない。
金をせびられていることすら理解できなかった。
イライザ・ドゥ―リトルで例を挙げれば、彼女は…
「The rain in spain stays mainly in the plain」を「ザ・ライン・イン・スパイン・スタイズ・マインリー・イン・ザ・プライン」と読むし、「In Hertford, Hereford, and Hampshire, hurricanes hardly ever happen」を「イン・アーフォード、エレフォード・アンド・アンプシャー・アリケーンズ・アードリー・エヴァ・アプン」と発音する。
「a」が「ai」になり、最初の「h」や途中の「t」をスッ飛ばして読むのだ。
こんなんでしゃべられてもわかるワケがない。
でも、実際にはこういう方式で英語を発音する人はコックニーに限らない。
Marshallのあるミルトン・キーンズの訛りもかなり似ていて、慣れるまでは実に聞き取るのに苦労する。

話はさらに反れるが、1975年に一部をハマースミス・オデオンで録音したEric Claptonのライブ盤『E.C. was Here』に収録されている「Rumblin on my Mind」の後半にジャンジャン転調していくパートがある。
転調先のキーを「エフ・シャープ」とか発表(?)するのだが、コレは当然Claptonが言っているのだろう。
ところが「A」のところで「ア~イ」と発音するんだよね。
Claptonはサーリーというロンドンの中心から電車で30分ぐらいのところの出身なので、どう考えてもSt. Mary-Le-Bowの鐘の音は聞こえないハズだ。
要するにコックニーっぽい英語はクイーンズ・イングリッシュと並ぶイギリス英語の代表というこのなのかも。
クイーンズ・イングリッシュ…身につけたいナァ。
それともうひとつ。
コックニーには「コックニー・ライミング・スラング」というヤツがある。
コレはおもしろい。
要するに「おやじギャグ」のようなくだらない語呂合わせ。
「目」の「eye」を言い表すのにワザワザ「mint's pie」と言ったり、「電話」の「phone」を「dog and bone」と言ったり…メンドクセェ!
彼らの符牒だ。
だけど結構好きで、イギリスに行くと時折教わってくるのだが、実際には一切必要ないもんだからすぐに忘れる。
このコックニー・ライミング・スラングを使って日常の会話をしている人ってのにも会ったことがない。

1_ecwhコックニーで大分脱線しましたナァ。
チョット休憩でセント・ポール大聖堂の内のようすをどうぞ。
もう10年以上前に撮った写真だけど。

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★Live at Carnegie Hall / Renaissance
RenaissanceはHipgnosisが手掛けた『Prologue』や『A Song for All Seasons』をはじめとして、『Novella』や『Scheherazade and Other Stories』等々、比較的いいジャケットが揃っているバンドだ。
何枚も持っているけどほとんど聴く機会がないナァ。
このライブ・アルバムのジャケットに関しては可も不可もないと言ったところですかネェ?
何年か前に野音で観た時、あまりにも暑くて、クーラーの効いた四人囃子の楽屋に入り込ませて頂いて大二さんたちとテレビ・モニタ経由で鑑賞させて頂いた。
Aniie、暑かっただろうナァ、あの時。
ちなみにAniieのソロ・アルバム『Aniie in Wonderland』は当時の夫君、Roy Woodがプロデュースしていることもあって大好き。ジャケットもとてもいいし。
このふたりはまだ一緒なのですか?
野音の時、Aniieに直接訊けばよかった…んなバカな!

90_3

★A Live Recorded / Camel
Camelが来日したネェ。
私はCamelも苦手というか、昔から聴かなかったナァ。何となく聴くチャンスがなかった。
「叙情派」とかいう枕詞のせいで、多分聴かずギライみたいになっちゃってるところがありますな。
このアルバムも持っているけど、トンと記憶がありません。
1978年のリリースだけど、4年も前のMarqueeの音源が収録されている。
1974年10月の録音とされているようだが、Marqueeの資料を調べてみると、この年のCamelは1、2、3、5、6、8月しかMarqueeに出演していない。おかしいね。
こんなにデカデカとLP盤のイラストをジャケットに入れちゃって!CDなんてモノが出てくるなんてこの時は想像だにしなかったんだろね。CDが世の中に出だすのはこのアルバムの発表後、4年経ってからのことだ。
ちなみにラクダは後ろ足を触られるのを極端に嫌うので要注意。
もし触ってしまうと「後ろ足を触られるのは(ラ)ヤダー!」って怒られるよ。

100_3

★Coast to Coast:Overture and Beginners/ Rod Stewart/Faces
Rod Stewartってあまり得意じゃないもんだからFacesもほとんど聴かなかったナ。
『Long Player』の「Maybe I'm Amazed」は好きだった。
その程度なんだけど、ナンダカンダで全アルバム持っていて、このライブ盤もほとんどなじみがない。
そこで、久しぶりに聴いてみる…いいね~。ひたすら楽しいわ~。
コレ、Ron Woodのギターの音はどうなってんだ?

健康上の理由でもう退職してしまったが、かつてJackieという女性重役がMarshallにいて、私はとても可愛がってもらった。
当時、歳は50チョットぐらいだったろうか、会食の席で隣になったことがあって、ロックの話題になった。
よくある「誰が好きなの?」みたいなヤツだ。
Jackieは「アタシはもうロッドに目がないの!大スキ。Faceも何回も観に行ったわよ!」
彼女がJeff Beck GroupやThe Steampacketまで観たかどうかは訊かなかったが、うらやましいと思った。
そして、日本とは生活の中のロックの存在がまったく違うことを思い知った。

さて、この項でもうひとつ。
元ミュージック・ライフ編集長の東郷かおる子さんの著書『わが青春のロック黄金狂時代(角川SCC新書刊)』にRod Stewartのことが書いてある。
東郷さんは帰国子女でもなんでもなく、勉強して自力で英語を身につけたそうだ。
40年以上の前の話だからして、今みたいに「駅前留学」もできなければ、インターネットで外人と会話するなどという勉強方などアイデアすらなかった時代だ。さぞかし実戦のための英語の勉強は大変だったと思う。
その英語で接する相手は雲の上のスーパースターたち。
しかも仕事。すごい度胸だと思うが、たいていは何とかなったらしい。
ところがRodの英語だけはまったく歯が立たなかったという。何を話しているのか皆目見当がつかなかったそうだ。
私もそういう経験が何度もあるが、ホントにイヤなもんだ。
そういう時はもうどうしようもない。訊き返すか、わかったフリをして次に話題に持ち込むか、突然ブッ倒れて死んだフリをするかだ。
よく「聞けるんだけどしゃべれないんだよね~」なんていう人がいるが、ある程度の段階まではしゃべるより聞く方がはるかにムズカシイ。聞けないからしゃべれないということもあるんですよ~!

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★Live! in the Air Age / Be Bop Deluxe
タイトルは、前年にリリースした『Sunburst Finish』に収録されている曲、「Life in the air age」をもじっている。邦題は『ライヴの美学』…ハァ?
Bill Nelsonの奥さんって日本人なんだってね。知らなかった。
私はBe Bop Deluxeを知らなかったが、後に記す理由で中学3年ぐらいの時、このアルバムが出てすぐに買った。
ナゼかはわからないが、「Be Bop Deluxe」なんてすごくカッコいいバンド名だと思った。
言っておきますけど、「ビー・バップなんとか」っていうマンガが出るより全然前の話よ。
おかげで今でもジャズの種類としてはビ・バップが一番好き。
「Be Bop」というのは黒人のスラングで「刃物を使ったケンカ」を意味すると記憶している。

ジャケットはドイツのフリッツ・ラング監督の『メトロポリス』の引用。
SF映画に必要な要素が全てちりばめられた「SF映画の原点にして頂点」だなんて言うといかにも何度も見ているように聞こえるかもしれないが、見たことない。
1926年の制作というから和暦では大正15年。Jim Marshallが3歳の時。だからまだMarshallアンプはない。
12月に大正天皇が崩御し、新しく昭和の時代を迎えようとした時分の映画だ。
今はSFものには小説も映画もほとんど興味ないナァ。『火の鳥』ぐらいかナァ。
『スター・ウォーズ』ってどれも一回も観たことないの。
映画に関していえば、昔はクリエイティブでいいSF映画がたくさんあった。
そもそもあらゆるテクノロジーが発達しきってしまった現在、優れた「サイエンスなフィクション」を考えるのは至難のワザだよね。

120_3さて、中学生の時にこのアルバムを買った理由…それは、このEPが付いていたから。
ま、変則2枚組ライブ・アルバムということになるんだけど、LPにEPが付いているなんて初めてで、内容なんかどうでもよくて、とにかく欲しくなっちゃったのだ。
ナンダカンダでBe Bop Deluxeは5枚のスタジオ・アルバムのすべてやBBC Radio1のライブ・アルバムを買って聴いたけど、結構好き。
でもジャズのビ・バップを聴いている時間の方がはるかに長い。
ところで、Bill Nelsonのギターってチョット歪ませすぎなんだよな~。

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★Alive & Well:Recorded in Paris / Soft Machine
Soft MachineとChicagoとLed Zeppelinの共通点ってな~んだ?
そう、全部ではないが、アルバムのタイトルを序数としたこと。
Soft MacineとWeather Reportと の共通点ってな~んだ?
創始者のひとりKevin Ayers(今回はよく出て来る)がギターを弾くが、基本的にギターレスのバンドだということ。
『Black Market』や『Heavy Weather』でWeather Reportの名前がロック・ファンの間にも浸透し出した頃、純粋なロック少年だった私なんぞは「バンドにギターがいないって、どうすんの!?」なんて驚いたが、大きなお世話ですよね。
そして、Machineの「ギター鎖国」をガツンと開国させたのがAllan Holdsworthだった。
とりわけHoldsworth人気の高いこの国では、Soft Machineといえば『Bundles』に尽きると思っている人が多いのではなかろうか?
ま、確かにカッコいいよね。
Holdsworth研究家の和田アキラさんとご一緒させて頂いた時、お持ちになられたP-Projectのギターが気になって、分不相応にも「チョット、触ってもいいですか?」とお願いしたことがあった。
アキラさんって気難しいそうに見えるけど、とてもオープンな人で、「あ、いいよ!」とすぐにOKを出してくれた。
オッソロシク弦高が低かった。
で、何を弾いたかというと、プリズムはよく知らないので『Bundles』の一曲目の「Hazard Profile Part One」のリフを弾いた。
即座にアキラさんは「アッレ~、知ってるね~!」と驚いてくださってこっちはいい気分。
では、二曲目と、Temepstの「Foyers of Fun」のリフをつなげてギターをお返しした。
アキラさんに愛器をお返しすると、すかさず同じくTempestの「Gorgon」を弾いてくれた。
こんなことがうれしいもんです。いい思い出ですわ。
で!
そのAllan Holdsworthの後任でSoft Machineの加入したのがJohn Etheridge。
このアルバム、それが目当てで買ったよね~。
でも、このアルバムは正直あまり聴かなかったな。
ジャケットのデザインはPeter Shepherdという人。
前作の『Softs』やKevinの『Yes We Have No Mañanas, So Get Your Mañanas Today』、David Coverdaleの『North Winds』、『Sheena Easton』などを手掛けている。
コレはSoft Machine初のライブ音源だが、最近はもうどれだけあるのかわからないぐらい未発表ライブ音源が出ちゃってるね。
このバンドも結構商売になるんだね。
あ、私は好きですから。当然スタジオ盤全部とこのライブ盤は持ってます。

130_3またしてもこの記事を書くために、レコード棚から自分のヤツを引っ張り出して来た。
久しぶりに聴いた。
John Etheridgeは別の記事にも書いているぐらいなので好きなギタリストのウチのひとりなんだけど、このアルバムはどうもいただけなかった…昔は。
今聴くと、コレめっちゃカッコいいね~!
で、今回聴いてフト思った。
昔、あまり気にいらなかったのは録音のせいではなかろうか…と。
要するにギターの音がクリアじゃないんだよね。
低音域での速弾きなんかグッチャグッチャに聞こえる。
それでギターに夢中だった時分の私にはイマイチだったのかもしれない。
でもさ、完全にスタジオで録音されたという最後のディスコ調の曲はヒドイな。
なんだってこんなもん入れちゃったんだろう。しかも海外ではシングル・カットされたらしい。
もうひとつ…ライナーを読み返してみた。
書き手は1977年の伊藤政則さん。
スンゲエ色々な情報が書き込まれているんだけど、インターネットなんかなかった時代、これだけの情報を集めるのは至難のワザだったのではなかろうか?
ヘンに聞いた風なことは一切書かれておらず、情報の提供に徹している。
昔はライターさんもスゴかったのね。
考えてみれば、インターネット普及後の評論家とかライターの仕事っていうのも大変だと思う。チョットやそっとのことは一般消費者も情報を持っているからね。

1_img_0089_2 ところで、普段から思っていることがあるんだけど、ジャズ・ロックの旗手と言われるSoft Machineが出てきたので書かせて頂く。
『ジャズ・ロックのおかげです』なんてディスク・ガイドも読んだ。好きだから。
みなさん、「ジャズ・ロック」って「ジャズ」だと思いますか?「ロック」だと思いますか?
「おんな男」が「男」であり、「おとこ女」が「女」であるように、「ジャズ・ロック」は「ロック」かね?
え、そんなことはどうでもいい?たしかに。
定義らしきものは色々あるんだろうけど、私の感じではジャズの人が演るジャズ・ロックはジャズだよ…すなわち「ロック・ジャズ」で、その反対が「ジャズ・ロック」なんだな。
これはジャズを聴くようになるとそう感じるようになると思う。
それは「ジャズとロックの言葉が違う」ということの表れろう。
言葉がジャズ、すなわちメロディがジャズだと、いくらリズムが8ビートでも「ジャズ」だ。
例えばLee Morganの「The Sidewinder」やHerbie Hancockの「Catntalope Island」はロックには聞こえないでしょ?
反対にSoft Machineの音楽はジャズには聞こえないんだよね。
こちらの方の逆説的証明としてはPeter Ollie Halsallがおもしろい。
今回はホント、このあたりがよく出て来るな。
Kevin AyersやPattoみたいな音楽をやっていてもソロになるとジャズに聴こえる。全部ではないにしてもOllieがジャズの言葉を使ってギターを弾いているからだ。
だから、チョット演奏のパートが長いとよく「ジャズっぽい」と表現してあるのを見かけるが、断じてそれは違う…というのが私の屁理屈。アレはいかにもジャズを聴いていない勉強不足のライターさんの仕業だと思っている。
The Enidって知ってる?
一応プログレッシブ・ロックの範疇に入るイギリスのバンドなんだけど、コレはクラシックの言葉をロック楽器で話すということをやっている。
するとそうなるか?
私の耳にはかなり「クラシック音楽」に聞こえる。おもしろいもんですな…。
あ、何が言いたかったのかというと一般に「ジャズ・ロック」と言われている音楽は「ロック」であって「ジャズ」ではないということ。
下の本の表紙のオジちゃんはSteve Marcus。『Tomorrow Never Knows』とか『Count's Rock Band』といった当時の感覚で実験精神が旺盛なジャズ・ロックのアルバムを残している(私に言わせればロック・ジャズ)。
でも、この人は後に『Smile』というアルバムで聴かせるようなストレートアヘッド・ジャズの方が全然カッコいい。
私はニューヨークのボトムラインでこの人がBuddy Rich Big Bandで2番テナーを吹くのを見たが、ドラムがDave Wecklということもあって、あまりのカッコよさに小便チビリそうになったわ。
精神性や実際の内容を考慮するに最も優れたジャズ・ロックのアルバムって私にとってはZappaの『Hot Rats』かナァ。

Jr

★Encore / Argent
Argentは好きだ。
前の会社に勤めていた時にドラムのBob Henritとイッパイやったことがある。
Bobは後期The Kinksにも在籍したArgentのオリジナル・メンバーで、あるイギリスの楽器メーカーに勤務していた時に営業で来日したのだ。
この時はさほどAegentに興味がなかったため、この宴席にそう感動したワケでもなかった。すなわちArgentが好きになったのはかなり最近になってからのことなのだ。
でも、このライブ・アルバムは14歳の時(1976年)から知ってる。
友人の兄がコレを持っていて、家に遊びに行った時に目にして、ナゼかすごく印象に残っていたのだ。1976年というとこのアルバムのリリースから2年。当時はまだ新しかったんだな…。
少しでも詳しく書いてしまうと素性がバレてしまいそうなので控えるが、その友人はある「新しい家庭経営のスタイル」を提案する運動をしていて、チョット前までよくテレビや駅のポスターで見かけたものだが、その提案が私が思うに、「くだらない」というか、「ウチでは当たり前以前のこと」に思えて、その友人の主張にまったく与しなかった。
そんなだから、このアルバムのジャケットを見るといつもこの友人のことを思い出す。
さて、このライブ盤、どこで録音したの?
私が持っている輸入CDは廉価盤のせいか、Argentに関する簡単な解説しか書いてなくて、肝心のレコーディング・データがスッポリ抜けていてわからない。
もちろんインターネットでひと通り調べてみたけどわからない。
でもジャケットはなかなかによろしいな。
Yesのサード・アルバムなんかもそうだけど、こうしてフィルムをモチーフにしたデザインは少なくない。
しかし、これも時間が経つとカメラのフィルムのことなんか忘れてしまって、こうしたデザインも絶滅してしまうのではないかしら?
恐らく今の若い子はフィルムなんて見たことすらないだろう。


さて、Argetntの音楽の特徴…「大ゲサ」ということに尽きるだろう。そこがいいところなの。
どういうことかというと、ホンのチョットのネタを広げて広げて強引に大作にしちゃう。
例えて言うなら、昔なら私の卒論。今ならMarshall Blog。
私はJ.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を卒論で取り上げたのだが、原稿用紙半分で済む内容をアノ手コノ手で肉付けをして、何十ページにも膨らませたのだ。
就職もキマっていたので、必死だったよ。そして、その卒論は見事「可」を獲得!マジでうれしかったわ。
ただ、教授との面接の時、「キミの論文には内容が何もない!」と指摘された。当たり前じゃんね。どうでもいいことを並べたふくらし粉のような論文なんだから!
ま、私の幼稚な作文にArgentの曲を例えたらあまりにも失礼だけどね。
その極北はFrank Zappaだろうナァ。
何十ページもの論文を原稿用紙の半分に収めちゃう。しかも、とてもわかりやすい言葉と表現でね。
そのArgentのウリ(いつの間にか「ウリ」になってる)は、このライブアルバムの一曲目でも爆発している。「The Coming of Kohoutek」という10分を超す大作。
元々この曲は1974年のアルバム『Nexus』に収録されていて、そっちのバージョンは3分チョットだ。
「Kohoutek(コホーテク)」とは1973年にチェコの天文学者によって発見され、自身の名が付された彗星の名前。当時は大きな話題だったのだろう。それで曲のテーマにしたに違いない。
作曲はRod ArgentとChris WhiteのThe Zombiesコンビ。
ところが、コレは以前にも書いたことがあるリストの「死の舞踏」という曲の引用。その元はベルリオーズ。
ところが調べてみると、さらにその元があった。
9~10世紀にかけて作られたという「グレゴリオ聖歌」がそれだ。
スゴイなぁ、Argent!スケールが違う!(どこがじゃ!)
Rod ArgentはThe Zombies時代にも「She's Not There」やら「Time of Season」やら大ヒット曲を世に問うた才人だ。
歌はメッチャうまいし、キーボードの腕も達者で、Rick Wakemanが抜けた後、Yesに誘われたという話も残っている。
そして、ギターのRuss Ballad。
メタル・ファンには「信州備後」という曲でおなじみかもしれない。KISSの「God Gave Rock 'n' Roll to you」もこの人の作品。
そんな2人のヒット・メイカーを抱えていたのがArgentだった。

140_3そのArgnetを2010年にロンドンで観た。
High Voltageというオジさん、オバさんのためのロック・フェスだ。
その時の演奏がCDになっている。
High Voltageは昔のMarshall Blogで詳しくレポートしたが、もう見ることができないので、書き下ろしで再録したいと思う。
よってArgentはココで終わり。

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★Love You Live  / The Rolling Stones
しょっちゅう触れているけど、The Rolling Stonesは苦手でしてね。
これまで万単位のLPやCDを買ったけど、その内、Stonesものは4枚か5枚程度しかない。
この『Love You Live』はその内の1枚…といっても買ったのは数年前の話だ。
ただ、このアルバムは、1977年の発売当時にStones好きの友人から借りて少々聴いていた時期があった。
「Stonesもなかなかいいもんだ」というのがこのアルバムの古くからの印象。
ジャケットがウォーホルというのも当時話題になった。
ところが、ウォーホルのデザインが気にいらなかったMick Jaggerが後から鉛筆で線を描き加えたのだという。
この鉛筆の線こそウォーホルっぽいと思うのだがいかがだろう?
内容については、私には語る資格がない。

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★The Allman Btothers Band at Fillmore East
Jim Marshallの写真。
フィルモアではなくオールマンズの地元、ジョージア州メイコンで撮ったという話はつとに有名だ。
左上の「THE ALLMAN BROTHERS BAND AT FILLMORE EAST」という文字は後から入れたものではなく、Jim Marshall自身がステンシルを作ってケースにプリントしたそうだ。
ちなみにこのアルバムにはフィルモアで撮影された写真は1枚も使われていない。
内ジャケのステージ写真はWhisky A Go GoとFillmore Westで撮られたものだ…とJim Marshallが証言している。
それにしもこのアルバムの人気の不滅度には驚くべきものがある。一種の教典であり憲章であり…。
私は中学生の時に数寄屋橋のハンターで中古盤を買って、通り一辺しか聴いていないが、皆さんの熱中度には頭が下がる思いだ。
そんな私でも後年、Duane AllmanとDicky Bettsの双方がここでMarshallを使っていると聞いた時は大層うれしかったな。
ちなみに我々の世代は「デュアン」だ。「デュエイン」とは誰のことだ?

170_3先日、あるライブハウスで同業者、すなわちカメラマンの方からお声をかけて頂いた。
いつもMarshall Blogで私の写真をご覧になって頂いているとのことで、ありがたい限りだ。
それで、以前の記事内でこのJim Marshallの写真集を紹介したところ、その方がご興味を持って頂き、入手されたとのこと。
少しでもMarshall Blogが皆さんの役に立つのはとてもうれしいことだ。

1_img_0251で、この本に『Fillmore』の写真が出ていたことを思い出して引っ張り出してきた。
この本のおもしろいところのひとつは、最終的に採用になった写真の前後を見ることができる点にある。
グループ・ショットというのは本当に撮影が難しい。
というのは、たいてい誰かが変な顔になっていたり、目をつぶっていたりで、全員が最高の表情をしているところを捉えるのは至難の技なのだ。
私も時々頼まれるが、そういう時はやはり何枚も撮らないととても心配だ。
Jimもこのグループのカットを何枚も撮っている。
初めのうちはみんなしかめっ面だ。ただでさえイカつい連中だからして、かなり雰囲気が怖い。
そこで、Jimはスマイル作戦に出て最終版をゲットする。
この撮影の時、「あまりにもみんなしかめっ面だったのでドラッグを渡してニコニコさせた」とかいう都市伝説を聞いたことがあるが、コレは疑わしい。
このポジを見る限り、そんなことをしている時間は絶対になかったハズ。さもないと事前事後でポーズが大幅に変わってしまうから。
Jimは6人に向かってこう言ったそうだ。
「コカ・コーラのCMみたいに笑ってくれ!」
この「コカ・コーラ」が「コーク」になり、いつの間にかドラッグを意味する「コーク」になってしまったのだろう…と勝手に想像している。
この本のタイトルは「PROOF(証拠)」だからして私の想像はあながち間違ってはいないのではないか?
Dicky Bettsが横を向いちゃってるけど、1枚を除いて他の写真では全部チャンと前を向いている。

1_img_0247<前編>で紹介したかったアイテムがまだ残っていたんだけど、あんまり余計なことを書いているウチにやたら長くなってしまったので、ココで一旦打ち切り。
<中編>に続く。

Music Jacket Gallery展示の詳しい情報はコチラ⇒金羊社MJG常設展

※本展示は2014年9月に終了しています。現在の展示内容は上記の金羊社ウェブサイトでご確認ください。

2016年5月14日 (土)

Music Jacket Gallery 2016

中学、高校と、新宿は通学路で毎日通っていたが、正直、どうもなじめなくてね。
本当に用がある時しか行かない。今でもそう。
ま、「用」といえば中古レコードかライブハウスと相場がキマってる。
「ちょっとブラっと新宿でも行ってみるか~」なんてことは人生で一度もない。
考えてみりゃ他のエリアも同じだわ。
有楽町も映画館とハンターしか行かなかったもんな~。
今までの人生で中古レコード屋に滞在した時間って延べどれぐらいになるんだろう?…といっても私なんか、ただ長いことやってるというだけで、全然大したことないだろうナ。
ここ数年、月に一回だけCDの買い出しに行くようにしているんだけど、ジャズ、クラシック、ロック、民族音楽、映画音楽、たま~にブルースのエサ箱を漁って、一回にちょうど二時間。
年に12回赴くので、計24時間。
今でも年に丸一日分、中古レコード屋にいることになる。
これ以外は全く中古レコードを見に行くことがなくなった。
話を新宿に戻すと、それだけ思い入れもないだけに、街の変化にも興味がほとんどない。
でも、驚いた。
駅南口の髙島屋がオープンしてから20年経ったっていうんだよね~。
マジで4、5年かと思ってた。
おめでとうございます!

10そして今年もやって来たMusic Jacket Galleryの季節。

20今年も新宿髙島屋入口の特設会場での開催だ。

30そしたらアータ、MJGも10周年なんだそうだ。
行き馬の目を抜くような、移ろいの早い音楽再生装置の変遷に左右されつつの10周年は値千金であろう。
50
チョット前まではホントに「ジャケット」というモノがこの世から消滅しちゃうんじゃないかとマジで心配していたが、また最近音楽ソフトのトレンドに変化が出てきたようだ。このことは後で触れる。

60今回のMJGは5月13日、すなわち昨日からの開催だ。
先立つこと一日、関係者の方々に交じっていち早く展示を拝見させて頂いた。

40

会場入口付近にはひと際目を引く可愛らしい人形が…。

70髙島屋のマスコット・キャラクターのローズちゃん。
私より3つ年上なのに若々しい!
1959年(昭和34年)、のクリスマス商戦のキャラクターとして誕生したのが「ハッピーちゃん」というのがローズちゃんの前身。
その後、社長がバラがお好きということで名前を「ローズちゃん」に変えたのだそうだ。
90v
昔、「ロンパー・ルーム」という子供番組があって、髙島屋がスポンサーをしていたらしい。
その関係で、出演していたうつみ宮土里はローズちゃんの人形を抱きながらエンディング・テーマを歌っていたそうだ。
覚えていないナァ。
「鏡よ、鏡…」ってやってたのは覚えている。自分の名前が呼ばれず悔しい思いをしていたからだ。
この番組、アメリカがオリジナルなんですってネェ。
展示のローズちゃんは大変に貴重なものだそう。
目をつぶっているのかと思うとさにあらず。
ホンの少し、うっすらと瞼を開けて、ブルーの瞳をのぞかせているのだ。

100

そして、写真にあるように「バラ」が登場するレコード・ジャケットが集められ、展示された。

80…となると登場するのは当然、植村和紀さん。
今回も「薔薇ジャケ」以外のテーマ別LPジャケット展示も、ほとんどが植村コレクションから供出された。

100_30v

コレが「薔薇ジャケ」。
Paulの『Red Rose Speed Way』とKeith Jarrettの『Death and the Flower』はすぐに思い浮かぶよね。
『Layla』が髪にさしているのはバラだったのか。

100_10vさすが、植村さん。
アレ?何でこれがバラに関係しているの?なんてアイテムもしっかり網羅している。
例えばEnoの『Here Cones the Warm Jets』。
この花瓶にささっている枯れている花がバラだ。
こうして展示されているレコードは植村さん自身がテーマに沿ってセレクトしている。
今や植村さんのコレクションはLPとCDと合わせて60,000枚に及ぶ。
重複しているアイテムもあろうから「60,000種類」ということではないにしろ、スゴイ記憶力と洞察力だ。
右上のマントルピースの上のEnoの写真はすごく印象に残っているのだが、このバラ、ココで教えてもらうまでまったく気が付かなかった。

10020メイン・イベントの「ミュージック・ジャケット大賞」の展示。

110Hipgnosisかルネ・マグリットに出てきそうなイメージ・キャラクター。
130
歴代の受賞作と2016年の受賞作が展示されている。

115こちらは歴代の受賞作品。

140今回のノミネート作品がズラ~っと展示され…

150受賞作が紹介されている。

160その他の展示も例年通り盛りだくさんだ。

165イヤ~、ホントにね~、もういい加減にしたら?…と言いたくなるのは上でもチョット触れた音楽再生装置の入れ替わりだよね。
今度はまたレコードだってサ。
私は元々レコード派…というかレコードで育った世代なのでレコードの再興には何の抵抗もない。
かつては転勤族で、4,000枚のレコードをしまったり出したりしなければならない引越しの時の労苦に耐えられず、2,000枚以上売ってCDに買い換えた。
だから今でもジャズとロックで、合わせて2,000枚チョットぐらい残っているかな?
さて、そのレコードの復活、今度という今度は本当に世界レベルのブームらしい。
「CDが売れない」と喧伝し出してから久しいが、何しろ若い人たちはもはや音楽配信も避けるらしい。携帯のメモリー容量と料金の問題だ。
「音楽なんか聴かなくてもゼンゼン平気」という子も多いらしい。
しからば、音楽に興味のある子はどうやって音楽を手に入れているのかというと…ストリーミングというヤツとアナログ・レコードが主流になっているのだそうですよ。
「ホンマかいな?」とにわかには信じがたいが、海外でもそういう傾向があるらしく、ココは信じざるを得ない局面のようだ。
170…となると、レコード・プレーヤーが必要になってくる…ということで、オーディオ関連製品メーカーの鼻息も荒いようだ。
レコード・プレーヤーったってかつてFMレコパルやFMファンやスウィング・ジャーナルの後ろの方で紹介されていた20kgも30kgもあるような堅牢かつ重厚なものではない。
大抵はデジタル・インターフェイスが内蔵されていて、PCにひっつないで、最終的にはヘッドホンやらイヤホンで聴く…という状況なんだって。
私が中学生ぐらいの頃は、世の中結構「オーディオ」という趣味が盛んでね。
やれカートリッジがなんだ、アンプはなんだ…なんて情景をごく普通に目にして育った世代なものだから、今の状況に接するとナンカ変な感じがする。
お小遣いを貯めに貯めて、かつ親に援助をお願いしてひとつひとつ私が買い揃えたオーディオ機器は、ヤマハのダイレクト・ドライブのプレーヤー、サンスイのプリメイン・アンプ、ダイアトーンのスピーカーだった。
決して高級なモデルはないが、プレーヤーとスピーカーは40年経った今でも活躍している。
昔のモノは実にしっかり作ってある。
ナンダ、今の製品は!特に今のパソコン!1年と持たん!
10万で買ったパソコンが2、3年経って壊れて、その修理代が12万円だってよ!この国産メーカーのパソコンは二度と買わん!(どこのブランドか知りたい人は別途…ね)
…なんてことはどうでもよくて、意外とはいえ、とにかくフィジカル・プロダクツ存続の可能性が出て来たのはよろこばしいことだ。

180ということで、高音質CDとアナログ・レコードの聴き比べコーナーも設置された。
私は決して忘れませんよ…80年代の中ごろ、「高音質」ということでCDが神様のように崇め奉られていたあの光景を!
あの時もアチコチでCDとアナログ・レコードの聴き比べってのをやっていた。
で、みんな「うわー、CDってスゴイな~!」って涙を流して喜んだでしょうが!
冷やせば音がよくなるとか言ってCDを冷蔵庫に入れてみたり!(私は絶対やらなかった)
それがまたレコードだもんね。
過去を忘れることができる人間の能力ってまったく素晴らしいわ!
210
「LP対CD」の私なりの結論は、超高級オーディオで大音量で聴ける方は絶対アナログ・レコード。そうした装置で聴くCDの音は冗談としか思えない。LPに限る。
そうでない方は断然CD。
もうCDに慣れきってしまって、その便利さをみんなスッカリ忘れとる!
私なんか、最近クラシックをよく聴くようになって、益々CDの利便性を感じてるもんね。
「ノイズも味だ」なんてのは単なる懐古趣味。
盛大にスクラッチ・ノイズが出るストラヴィンスキーなんか聴けんでしょ?
それと重量。
ウチは古い木造なのでレコードの重みに耐えられないという憐れな事情もあったりする。
でも、ジャケットも魅力も依然捨てがたい…。
結論としては、どっちを支持していいのかわからなくなってしまった!
配信以外なら何でもいいや!

190vそのレコード・ブーム(?)を象徴するかのように、こんな本も上梓されている。
私の「レコ屋」はハンターとディスク・ユニオンだけなので内容は未知の世界だった。日本のレコード小売ビジネスを見つめ、歴史を俯瞰した大著。
植村さんやベテランのレコード会社の方とイッパイやった時に「我々の時代には『レコ屋』という言葉はなかった」なんて話題で盛り上がったりもしたが、コレが驚いたことに、我々より下の世代の方々も間には「レコ屋」という単語が存在していた。
ある音響機器メーカーの年下のスタッフの方が、ごくごく自然に「レコ屋」という言葉を口にしていて驚いたのだ。
そういえば、何年か前のMJGではハンターとのコラボグッズを展示していたっけ。

200さて、展示の両サイドをガッチリと固めているのは…
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楽しい特殊パッケージの世界。
入れ物にこんな工夫を凝らしている商品って他にないでしょ?
人類の英知の結晶が音盤のパッケージなのだ。

220そして、Marshall Blogでもおなじみの面々!
うれしいね!

230vまずはLOUDNESS!

240正々堂々と相手の土俵に上がり、相手のルールで全米を席巻した『Thunder in the East』の発売35周年を記念した豪華ボックス・セット。

この発売にを記念したコンサートのもようはMarshall Blogでもレポートした⇒LOUDNESS WORLD TOUR 2015 "THE SUN WILL RISE AGAIN"~30th Anniversary THUNDER IN THE EAST~ in JAPAN

250やっぱり楽しいね、特殊ジャケット!

260コレは2015年にリリースされているアイテムだ。
こんなにあるのね?!

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橘高さんに浩二さんも!

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コレ、聴きたいな~。ハマースミス・オデオンのQueen。
なんたってフレディの家には遊びに行ってるから(ウソこけ!)⇒【イギリス - ロック名所めぐり vol.11】 Earl's Court(アールズ・コート)の見どころ

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350あ~、コレ欲しかったんだよね~。
完全限定版、29+α枚組の『バルトーク大全集』。
高くてとても手が出なかったので、値段が1/3以下のDECCAの32枚組でガマンした。

360さぁて、ココから先は植村さんのコーナー(?)。
テーマ別ジャケット展示だ。
まずは車をフィーチュアした「車ジャケ」、通称「カージャケ」
実はちょうど今、Marshall Blogが時折レポートしている金羊社のMusic Jacket Galleryの通常展示でも「カージャケ」を特集している。
もうすぐ取材に行ってくるが、そちらの展示とは一切ダブっていないそうだ。

370ココで感心したのはWes MontgomeryのA&M盤、『Road Song』。
まただよ。
アレ?車なんか写ってたっけ?みたいな…。
植村さんとはジャケットの見方が違うんだな~…と思った。

390通常展示の方に100枚以上持って行っているのにこのボリューム。
多いんだね~、車関連のジャケット。
いかに音楽と車の関係が深いかがわかる。

400こちらも『カージャケ』なるジャケット本が上梓されるとのこと。

410そして、猫ジャケ。
コレは大分前から浸透しているでしょ。
本も出ているもんね。

420今年は『ネコの吸い方』という本を出版した坂本美雨さんが22日に来訪し、『坂本美雨に訊く、猫と音楽のおはなし』という講演をするそうだ。
坂本さんは坂本龍一さんと矢野顕子さんのご令嬢だ。

430ネコのジャケットも多いよね~。

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アレ?Gato Barbieriも?
ホントだ。黒猫が写ってる。
さんざん中古で見かけたジャケットだけど、猫が写っているなんてまったく目に入らなかった。
アルゼンチンの名サキソフォニスト。先月亡くなってしまった。

445他にもJimmy Smith、Bud Powell、Lou Donaldson、Shelly Mann、Bunny Beriganとジャズのレコードが多いことに気付く。
昔、「ジャズメン」のことを「キャッツ」と呼んだことからであろう。
クレイジー・キャッツもそうだもんね。

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ネコ関連のシングル盤の展示も。

470「黒猫のタンゴ」は流行ったよね~。
私は子供心に、「この子は歌がヘタだな~」と思った。
そして、ニャロメ。
私のご同輩のほとんどの男性がニャロメを描けるのではなかろうか?
だいたい「ニャロメ」なんて名前がいいよね。「ケムンパス」とか。

480以上が今年のMJGの展示。

さて、MJGの10周年を祝して私もやってみた!
赤っぽいジャケットを集めてみたよ。
何だかわかる?
ご名答!
そう、「紅ジャケ(べにジャケ)」。
左下はFrank Zappaの『Chunga's Revenge』。「Transilvania Boogie」というヤケクソにカッコいいインスト曲で始まるが、最近、同名異曲があるのを知って驚いた。
それはハンガリーのギタリスト、Gabor Szaboの『Macho』に収録されている。
ま、Zappaには及びもつかんわな。Zappaの方が先。
もちろん「Transilvania」とはルーマニアの地名。ドラキュラの故郷だ。
名古屋のFrank Zappaのカバー・バンド、なぞなぞ商会はコレを模して「Vampire Boogie」という曲を演っていた。

1_img_0924もうイッチョ。
「銀ジャケ」。
銀色のジャケットの作品がなくて、こっちは苦しんだ。
左はSilver。右は日本のSilver Stars。
真ん中はイギリスのChicagoと呼ばれたIf。ここのTerry Smithというギタリストはメッチャいい。
この人の後任でIfに加入したのが、かつてMarshallのデモンストレーターを長年努めていたGeoff Whitehornだ。

1_img_0926シャケとくるなら、コレなんか『ザ・サーモン!』だぜ。
ジャズ・オルガンの大巨匠、Jimmy Smithの作品。
「Flamingo」のKenny Burrellのギターがいいんだ~。
「猫ジャケ」のところに写っている、その名もズバリの『The Cat』はこの人の作品。
タネ明かしをすると、この「サーモン」は「鮭」ではありません。「鮭」は「Salmon」ね。
「Sermon」とは教会の説教のこと。
お後がよろしいようで…。

Sermon 「Music Jacket Gallery 2016」は5月22日まで。入場無料。
週末に新宿にお越しの際にはゼヒお寄りください。

Music Jacket Gallery 2016の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

490※Marshall Blog、5月16日(月)の更新はありません。

(一部敬称略)

2015年10月23日 (金)

【Music Jacket Gallery】サウンドトラック盤ジャケット特集<後編>

さて、サウンドトラック盤特集の<後編>、立体展示にはもサウンドトラック関連のCDボックスや、契約や権利関係の問題からいまだにCD化されていない貴重な音源を収めたLPが集められた。
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Woodstock 25th Anniversary Collection  (ATLANTIC 1994)
1969年8月に開催されたウッドストック・ミュージック・アート&フェアはロック史に残る歴史的イヴェント…なんて今さら書かなくてもイヤっていうほどMarshall Blogに登場してるか…。
25周年を記念して1970年発売のオリジナル・サウンドトラックの音源(3枚組LPと2枚組LP)に加えて多数の未発表音源を含む全50曲で構成した4枚組CDボックス。
コレは持っていないけど、ウッドストック関連のアイテムには結構お金を使ったナァ。
詳しくはコチラ ↓
【Shige Blog】我が青春のウッドストック<前編>
【Shige Blog】我が青春のウッドストック<後編>
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Woodstock 40th Anniversary Collection   (RHINO 2009)
前掲の1994年の25周年記念の4枚組CDボックスに更に38曲の未発表音源を含む全77曲で発売されたのが40周年記念6枚組CDボックス。
特筆すべきはブックレットに初めて3日間の公式な各アーティストのセット・リストが完全な形で載せられたことだ。パッケージもライノならではの魅力に溢れる特殊仕様になっている。
最近ウッドストックのギャラの一覧なんてのが出回っていたね。
昔から「ジミヘンのギャラが一番高くて、Quillが一番安かった」…という話しは出回っていたんだけど、なんかこうして何もかもさらけ出されちゃうとかえっておもしろくないな…。
ロマンが失われる感じがする。
それにしてもこのウッドストックの出し惜しみ作戦はもういい加減にやめたらどうなんだろうかね?
ここまで来ると出し惜しみしているというワケでもないんだろうけど…。
権利問題が深く関わったり、出演者の意向なんてのも根強く残っているのはよくわかる。
こうなりゃ演奏していようがいまいが、3日間の音源と映像、72+α時間分ありったけ全部ひっつなげて販売したらどうかね?
キャッチコピーは「あなたも40万人のうちのひとりだ!」かなんかいってサ…ま、コレ実は映画のための惹句なんだけどね。
そんなんが出たら安ければ買ってもいいな…。
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Fillmore the Lat Days  (WARNER BROS. 1972)
民生さんの曲で「フィルモア最初の日」という曲があるけど、若い人たちは「フィルモア」って何だか知ってるのかな?
Bill Grahamが1965年12月10日に開いたサンフランシスコのFillmore Auditorium。
元は「San Francisco Mime Troupe」という政治色の濃い劇団一座の公演で、これをGrahamがプロデュースしてJefferson AirplaneやThe Warlocks(後のGreatful Dead)らを出演させたことが発端となり、1968年に「Fillmore West」になった。
今、ロンドンのMarqueeについて研究していて、その出演者に思いを馳せる度にため息が出てしまうのだが、こっちもいい加減スゴイ。
ザッと見ても、Grateful Dead, the Jefferson Airplane, Santana, Quicksilver Messenger Service, Big Brother and the Holding Company, Moby Grape, The Butterfield Blues Band, Jimi Hendrix, Otis Redding, Cream, Howlin’ Wolf, Captain Beefheart, Muddy Waters, The Who…オイオイいい加減にしろよ、的な…。
ま、それでも私なんかはMarqueeの方に惹かれるけど。
そして、その幕を閉じた1971年7月4日までの6日間に及ぶ最後の夜を記録したのが、この3枚組LPボックス。
ブックレットにはフィルモアに出演したアーティスト達の全公演リスト“フィルモアの軌跡”が載せられている。
LPボックスの初回特典にはビル・グラハムのインタヴュー(約17分)が付けられていた。コレ、確かCDには収録されているように記憶している。
このビル、ウッドストックの計画に参画しなかったことを後に大変後悔したとか(怒り狂ったらしい。映画にはチラチラっと出てるけどね)…。
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Texas International Pop Festival 1969  (OH BOY 1991)
歴史的野外フェスとなったウッドストックから2週間後の1969年8月30日から9月1日の3日間、テキサスのモーター・スピードウェイで開催された伝説のフェスを記録した3枚組CDボックス。契約の関係から大半の大物アーティストの音源は収められていないが、当時のプログラムを復元したブックレットの出演者リストを見るだけでも、その素晴らしさが伝わってくる。
その出演者とは:Canned Heat、Chicago Transit Authority(後のChicago)、James Cotton Blues Band、Janis Joplin、B.B. King、Herbie Mann(ジャズのフルート奏者)、Rotary Connection、Sam & Dave、Delaney & Bonnie & Friends、The Incredible String Band、Led Zeppelin (The Led Zeppelinと定冠詞をつけて紹介されていたらしい)、 Santana、Johnny Winter、Nazz(Todd Rundgrenが在籍していたグループ)、Sly and the Family Stone、Spirit、Sweetwater、Ten Years After、Tony Joe Whiteといった面々。
コリャ豪華だわ。
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The Last Waltz  (Complete Edition)  (RHINO 2002)
1978年マーティン・スコセッシ監督によってドキュメントされたthe Band解散コンサートのオリジナル・サントラ発売時の音源に、更に未発表音源24曲を追加した全54曲の4枚組CDボックス。Robbie Robertson本人によるデジタル・リミキシング&リマスタリングが施された音源の蘇生はアーカイヴ保存という点からも素晴らしい取り組みといえる。
コレも映画館に観にいったナァ。
今、好きなのはJoni MitchellとVan MorrisonとDr. Johnのところかな?後、Claptonがギター落っこどしてしまいそうになるところ?
Rick Dankoのコンサートも行ったし、The Bandがすごくいいと思っていた時期があったんだけど、「アメリカの象徴」とされていたこのバンドの5人のウチ、4人がカナダ人と知ってかなり興ざめした。
あの頃はアメリカが一番だったから…。色々と勉強した結果、今はもうウンザリ。アメリカ人ひとりひとりはみんないいヤツらなのに…国としてはネェ。
日本の将来を憂うならば、日本が一番最初にすることは、犬神サアカス團でも聴いて「アメリカ中毒」を治すことだ。
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Martin Scorsese Presents The Blues  ( HIP-O RECORDS 2003)
筋金入りの音楽通で知られるマーティン・スコセッシ監督によるアメリカPBSテレビのドキュメント・シリーズ、『ザ・ブルース』のサントラ音源をメインに、1920年から2003年までの新録を含むブルースの歴史的音源を集大成させた全116曲収録の5枚組CDボックス。
このシリーズでは、この他に7人の映画監督による7作のサントラを始め、各アーティストの編集盤12作、ダイジェスト盤1作に及ぶ全25作のブルースのCDが一挙に発売された。
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That's Entertainment!   (TURNER ENTERTAINMENT 1995)
ミュージカル映画の至宝、MGMの人気シリーズ『ザッツ・エンターテイメント!』をメインに、82作のミュージカル映画のヒット曲、アウトテイクなど貴重な音源を129曲も網羅した6枚組CDボックス。
コレは欲しいナァ。
特製ブックレットには当時のポスターや、映画作品と収録音源のインデックスが載せられており、ミュージカル音楽のアンソロジーとして貴重なボックスといえそうだ。
映画『ザッツ・エンターテイメント!』は13歳の時にひとりで丸の内ピカデリーに観に行った。まだ、「エンターテイメント」という言葉の意味も知らなかった。
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The Rocky Horror Picture Show 15th Anniversary Collection (ODE 1990)
当時隆盛を極めていたグラム・ロックを背景に1974年に大ヒットした『ロッキー・ホラー・ショー』の15周年記念4枚組CDボックス。
本作はオリジナル・キャスト盤とオリジナル・サウンドトラック盤の2枚、世界各国でのオリジナル・キャストによるカヴァー集、そして当時の映画の予告編やアウトテイクなどのレア音源集の2枚を加えた4枚組で、普遍的なカルト的な人気を示すもの。
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Mar Y Sol: The First International Puerto Rico Pop Festival  (ATLANTIC 1972)
「Mar Y Sol」についてはコチラをご参照頂きたい。そのフェスティヴァルを記録した2枚組LP。出演者のラインナップは豪華なもので当時『太陽と灼熱の祭典』という邦題で国内盤も発売されたが、別項に書いた通り、強奪、殺人などの数々のトラブルや契約関係の問題から映像の正式な商品化は未だになされていない。モッタイナイ。
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The Concert For Bangla Desh   (APPLE RECORDS 1972)
1971年8月1日ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われたバングラデシュ難民救済のためのチャリティ・コンサートを記録した3枚組LPボックス。
出演陣の豪華さから映画もレコードもビッグ・セールを記録したが、収益金の一部が着服されたり、参加アーティストの契約問題もあってCD化が遅れた。
そして、1991年にようやく実現され、更に2005年にはBob Dylanのボーナス曲を加えて新たにデジタル・リマスタリングされた。
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The Monterey International Pop Festival, June 16-17-18, 1967  (RHINO 1997)
Shige Blogに書いたようにコレもフィルム・コンサートへ出かけて観たナァ。
大規模な野外ロック・コンサートの先駆けとなったモンタレー・ポップ・フェスティヴァルの全貌を収録した4枚組CDボックス。
布貼りの特製仕様も凝ったものだが、何といっても圧巻なのが、96ページに及ぶオールカラーの特製ブックレットだ。ここには今まで未発表だったコンサート写真が豊富に収められ、ドキュメント資料としても貴重なもの。残念ながら私は見たことがないのだが、Jim Marshallの写真が多数掲載されているのだろう。
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50 Years Of Film : Original Motion Picture Soundtrack
Recordings Of The Great Scenes And Stars From The Warner Bros. Classics, 1923 To 1973  (WARNER BROS. 1973)
50年間にわたるワーナー・ブラザーズ映画の主題曲全81曲を年代順に集大成した3枚組LPボックス。
60ページの特製ブックレットには約220点にも及ぶアーティスト写真や当時のポスターなどの貴重な画像がふんだんに盛り込まれている。
やはりこうしたアーカイヴ的な資料はLPサイズがベストですな。コレも欲しい。