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2018年8月 4日 (土)

私のボリビア(行ったことないけど)

 

しかし、暑いね~。
いつものMarshall Blogならしつこいぐらい「アツイ、アツイ」と文句を並べるところだけど、そんな気にもならない。
もはやコワイわ。
「一番暑い時期」と言われている3月に行ったベトナムよりゼンゼン暑い。なんかね、この暑さには「悪意」を感じるね。地球を大事にしないことに対する「お仕置き」とも取れる。
…ということで、今日は涼し気な画像を並べて少しは暑さを忘れて頂こう…という企画。
どういうことかというと、Marshall Blog初の南米の話題。
何しろ南半球は今、冬だからね。
いいな~、冬。11月生まれの私は、生来暑いのが苦手なのだ。
大黒屋光太夫のように零下50度の世界で10年も過ごすなんてのはさすがにゴメン被るが、「暑い」よりは「寒い」方がいい。
今日の舞台はボリビア。
ボリビアって知ってる?
私は小学生の時に初めて「ボリビア」という国の名前を耳にした。
それはポール・ニューマンとロバート・レッドフォード主演の人気映画『明日に向かって撃て!』の予告編の中のことだった。
この映画、こんなマヌケな邦題を付けられてしまって気の毒なんだけど、原題は『Butch Cassidy and the Sundance Kid』という。
コレは「ブッチ・キャシディ」と「サンダンス・キッド」という19世紀末のアメリカの2人組の強盗の逃避行の話。
英語学習者は、後ろの「サンダンス・キッド」にだけ定冠詞の「the」が付いていることに気付くべきだ。
「サンダンス」というのはワイオミングにある地名で、それに「kid」が付いているアダ名なんだね。苗字ではない。「サンダンスのガキんちょ」といったところか?で、他にはいないから「the」が付いてる。
「Butch」もアダ名で「頑丈なヤツ」みたいな意味がある。
こういう名前ってSonny RollinsとかChick CoreaとかDizzy GillespieろかBuster Williamsとか、昔のジャズ・ミュージシャンに結構多いんだよね。
それで、その予告編の中で「銀行強盗をしながら、はるか南米のボリビアまで逃げた」みたいな一節があって、それでこの国の名前を知った。
バート・バカラックの「雨にぬれても(Raindrops Keep Fallin' on my Head)」のヒットもあってとても人気の高い作品だったけど、私はあまり好きではなかった。
父の影響で幼いころから重厚なハリウッド映画ばかりを観て育ったので、この作品や『イージーライダー』のような「アメリカン・ニュー・シネマ」と呼ばれた軽い作風が好みに合わなかったのかも知れない。

10vしかし、今回のこの記事を書くまでその「ボリビア」なる国が南米大陸のどこにあるのかは知らなんだ。
で、調べてみた。
ブラジルとペルーの間って感じか…南米大陸にも海のない国ってあったんだな。パラグアイもそうか…。
事実上の首都はラパス(La Paz)。
国土の広さは日本の3.3倍。世界で27番目に広い国なんだって。
こうして見るとブラジルってデッカイな~。
日本の22.5倍で、ロシアを差っ引いたヨーロッパ大陸より広いんだって。

20v国旗はコレ。
またこの3色か…。

30ここで脱線。
この赤・黄・緑の配色の国旗ってやたら多いよね。
チョット見てみると…
  
サリフ・ケイタの故国、マリ。
公用語はバンバラ語とフランス語のはず。

C__5配色を反対にすると、ギニア。
コリャ、まるで「江戸三座」の定式幕だ。

C__2さらに配色を入れ替えて星をつければカメルーン。

C_マリを45°傾けてやればコンゴ。

C__3応用編はベナン。
アフリカの国旗に多く用いられていることより、この3色を「汎アフリカ色」と呼ぶらしい。
それぞれの色の意味は「赤」は殉教のために流された血、「緑」はアフリカの植生、「黄」はアフリカの富と繁栄なのだそう。
イカン、イカン、アフリカの話をしていたら暑くなって来た。
イヤ、いまや東京の方が暑いかも知れない。

C__4それじゃ、コレでどうだ!
今、冬のボリビアから。
ああ、見ているだけで涼しくなってくるような大雪原! 

50_4写真を送ってくれたのはこの女性。
Marshallの友人を通じて知り合ったブラジルはサンパウロ在住のお友達リリアン。
そして、旦那さまのエドサンドロ。

40_3新婚旅行でボリビアに行ったんだって。
そこへMarshallも連れて行ってくれたとうワケ。
でもね、コレ…残念ながら雪原じゃないの。
ナント、塩!
有名な「ウユニ塩湖」を訪れたのだそうだ。

60_3スゲエな~!
視界を遮るものナニもない。
そして、白と青だけ世界!
この塩の湖の大きさは10,582平方メートル…と聞いてもピンとこんな。
秋田県と同じぐらいの広さだって。
オイオイ、塩分摂り過ぎじゃないの?

70_3標高3,700mっていうから、富士山のてっぺんと同じぐらいの高さだわね。
冬季の富士山の頂上がどんなに過酷なところかは新田次郎の『芙蓉の人』と読んでもらうことにして、やはり高山病が厄介らしい。
リリちゃんも高山病に罹ってしまい、2日ぐらい吐き気に悩まされてしまった…

Fuyo…ようには見えませんナァ。
アルパカかなんかに乗っちゃって!

75_3おまけにMarshallの上でジャ~ンプ!

80_3そして着地。
スゴイ!
リリちゃんの服装も偶然モノトーン。
白と黒と青で統一されている。

90v_2しかし、キレイだな~。
この湖面がまるで鏡のようなんだって。

100_2乾季になると、こうして湖面にクラックが入るのだそうだ。

110_2そして、夕暮れ。
さっきまであんなに青かった空が鮮やかなオレンジ色に変化する。
そして夜には満面の星が現れる…って、さも自分で見たように、スミマセン。

120_2一瞬、奥の山が浅間山のように見えるが、コレはLaguna Hediondaというところ。
「laguna」とは「潟」という意味。要するにエディオンダ湖だ。
ココも塩湖でフラミンゴで有名らしい。
塩湖とは普通の淡水湖とは異なり1ℓ当たりの塩類の総イオン量が3g以上の水を湛えている湖のことを指す。
何かテーブル・クロスがいかにも南米じゃない?フォルクローレ。

130_2場所を移して、ココはボリビアの首都、ラパスの「Carrot Tree」というレストラン。
アタシャ、れっきりバックパッカーのための宿の食堂かと思ったよ。
このラパスという街も標高3,600mを超える地点にあり、世界で最も高所に位置する首都なのだそうだ。
そして、ラパスにはいいレストランがたくさんあるんだって。
でも、インターネットでウユニ塩湖に行った人の紀行文を読むと、屋台なんかで売っている食べ物は食中毒になる危険度がかなり高いとのことで、その人もヤラれてしまったそうだ。
コレはリリちゃんに聞いたんだけど、当然水道の水は飲めない。
私ホラ、こないだのベトナムで水道の水飲めないことの不便さを知ったからさ。
ホントに日本の衛生環境には感謝してるのさ。

140_2コチラは「Cocina popular Boliviana」というレストラン。
リリちゃんは魚のフライをオーダー。
ま、淡水魚なんだろうね…海がない国なんだから。
結構デカい。
とても美味しかったって。

150_2コレは赤葉トウガラシを使ったスタッフド・ピーマンというモノ。

160_2コレなんかはリトル・マーメイドなんかで昔から取り扱っているバゲット・サンド…に見えるけど、間に挟まっているのはリャマの肉だそうだ。
ありゃま~!

170_2コレがリャマ。

180コレは「ちゃま」。
浅草の飲み屋だ。

C_chama_2こっちはミラバケッソ…つまりアルパカ。
リャマの近い親戚かね。
ボリビアではアルパカも召し上がるのだそうだ。

リャマの肉は柔らかく、牛肉のフィレのようなイメージだそうだ。
ウ~ン、爬虫類でもナンでも、未知の肉って大抵「鶏肉みた~い」となるのが普通なのだが、リャマはそうではないらしい。

190リリちゃんが日本にいた時には、家にお邪魔してブラジル料理をごちそうになったりしたものだった。
例えば、ブラジルの家庭の味、フェイジョアーダ。
豆とソーセージの煮込みっていうのかな?
コレを白米とミカンで頂く。ミカンってあの普通の温州ミカンね。

C_fd_2 コレはブラジルのチーズ・パン、ポン・デ・ケイジョ。
要するにチーズ・パン。
とてもおいしかった。 

Pdc下の2枚の写真もリリちゃんが送ってくれた。
この白い建物、ナンだと思う?
コレ、「サンペドロ」という刑務所なんだって。

200_21,500人もの囚人を収監しているんだけど、看守がいなければ、囚人服もないのだそうだ。外出も自由。
刑務所の中には、屋台やレストラン、美容師、さらにはホテルまであって、囚人たちが自主的にひとつの町を作っているというワケ。
で、この刑務所内を自由に見て回れるツアーがあって、ラパスの観光地として有名なんだって。
なんて書くと何やら面白そうだけど、麻薬フリーだったり、窃盗天国だったりで、どうやらトンデモナイところらしい。
入り口の前に行列ができている。
観光客だろうか?

210_2以上、正確には「私のボリビア」ではなくて「リリちゃんのボリビア」でした。
 
さて、せっかくのMarshall Blog初の南米の記事なので、リリちゃんにちなんでブラジルの音楽の話を少々。
何といってもブラジルは音楽の宝庫だからネェ…といいたいところだけど、私は特段ボサノバが好きなワケではないし、浅草のサンバ・カーニバルを楽しみにしているワケでもない。
でも、大好きなブラジルのミュージシャンがひとりいる。
それはアイアート・モレイラでもなく、フローラ・プリムでもなく、イヴァン・リンスでもなく、ましてやミルトン・ナシメントやエウミール・デオダートでもない。
私は、エルメ―ト・パスコアール(Hermeto Pascoal)が大好きなのです。
あ、エグベルト・ギスモンティも相当いいな…。
 
で、以前リリちゃんとブラジルの音楽について話していた時、当然パスコアールの話になるワケで、「エルメ―ト・パスコアール」って知ってる?と訊くと、「あ、はい。知ってますよ」と気軽に答えるでないの!
日本にいると、結構音楽を聴き込んでいる人でなければパスコアールなんて知らないと思い込んでいたので、いくら地元とはいえリリちゃんのような若い女性が知っていたのでビックリ!
「え?ブラジルの人だったらみんな知ってますよ!」と追い打ちをかける。驚いちゃったよ。
私はナンで知ったのかな…と思い返してみると、19歳ぐらいの時に聴いたMiles Davisの『Live Evil』で恐らくその名を知ったのだと思う。
エルメ―トはこのアルバムに「Nem Um Talvez」という曲を提供していて、そこにドラムで参加しているのだ。
この曲、マイルス作となっている次の「Selim('miles'の逆さ綴り)」と同じ曲なので注意。
この曲自体は「In a Silent Way」のできそこないのようで、私にはサッパリ良さがわからないのだが、名前は覚えて気に留めておいた。

Aそれに加えて、仙人のような風貌に惹かれて買ってみたのが下の右の『Slaves Mass』というアルバム。
コレでビビビと来たね。かなり気に入ってよく聴いた。
 
この人、1936年の生まれというから、今年でもう82歳にもなるんだけど、ついこの5月にも来日していた。
元々はバンドネオン奏者なのだが、フルートなんかもすさまじい演奏技術を持っている。
下は数少ない私のコレクション。
もっと聴きたいんだけど、滅多に中古に出ないんだもん!

1973

1976

どんな音楽を演っているのかというと、私はよく「ブラジルのFrank Zappa」と形容している。
とにかく「自由」なんですよ、自由。何しろクリエイティブ。
下の左はモントルー・ジャズ・フェスティバルのライブ盤で、オープニングのMCが強いフランス訛りの英語でこんなことを言っている。
「ブラジルはあらゆる異なる種類の音楽のるつぼです。今から数分後に登場するグループは、信じられないようなセンス、トーン、リズム、ハーモニー、作曲、即興演奏、まさにそれらが溶け合ったモノで、「驚異的」としか言いようのない唯一の音楽を演奏します」
もう、このMCのオッサンが言う通り。
でもこのオッサン、「エルメ―ト」ではなくて「エルメット」って発音してるな…「エルメット」の方が正しそうだ。
今度リリちゃんに会った時に教えてもらおう。

1979

1980 自分のアタマの中にポッと浮かんだアイデアをそのままダイレクトに曲にしている感じ?
あるいは何も考えずに自然発生的に作曲している感じさえする。
ナレーションとユニゾンでピアノを弾いたりするアイデアなんかはZappaの「Dangerous Kitchen」みたいなこともしているんだよね。
創作の姿勢としては何となくPat Merhenyを感じさせる。

1987

1992 それと、楽器の偏重がないっていうのかな?自身の楽器をフィーチュアするようなところが一切なく、本当に「音楽最優先」という精神が伝わってくる。
でも、一緒に演る人は大変だろうナァ。エルメ―トがクチで「♪タリララダッパッダズララズビズビタラリラ…はい、このメロディ演奏して」ってやっている感じ。
こんなメロディ覚えるのは至難の業だ。
すなわち、シュッレッディング・ギター・ミュージックの極北だわね。
いつまでも元気に活躍して欲しい偉大なアーティストのひとりだと思う。

1999

2002 最後にもう1枚。
コレは昨年の11月にリリちゃんとエドが来日した時のようす。
ちょうどお酉さんをやっていたので連れて行った。
「ナニこれ?!」と2人は初めて見る「カメすくい」にビックリ。
リリちゃんは英語がベラベラなので、私がエドにわかるように英語で説明しようとしたら、このカメすくいのオジちゃんが英語を話し出した。
カメすくいのオジちゃん、まさかの英語ペラペラ!
あまりの予想外の展開に、失礼ながら3人で大笑いしてしまった!

C_img_5023 最後に…リリちゃん、どうもありがとう!
また日本に帰って来てね!その時を楽しみに待っています。

 

200_3

(一部敬称略)