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2021年11月22日 (月)

今一度マーシャル・スタジオ:ビデオに字幕を入れて思い出しちゃった!

 
以前にMarshall Blogでご紹介したMarshall本社に隣接するスタジオのビデオに字幕を入れたのでゼヒご覧くださいまし!

今日の本編はコレでおしまい。
後は<オマケ>というか、<脱線>。
 
ところで、この字幕ね…。
作業をしていて昔携わっていた楽器の教則ビデオの仕事のことをスッカリ思い出してしまった。
昔はビデオに字幕ひとつ入れるのも大変な作業だった。
「昔」ったって本の20年ぐらい前のこと。
字幕を入れたビデオを紹介するだけじゃMarshall Blogの名がすたるので、昔を懐かしむ思いでどんなことをしていたがココに書き記しておくことにしよう。
あんな仕事をした人はそうは多くないであろうし…。

7subt12 このビデオなんか、Marshallに頼んでオリジナルの素材をデータ転送サービスで送ってもらって、字幕の原稿を作って、それらを組み合わせて、YouTubeにアップロードして「ハイ終わり」でしょ?
ま、実は今回のヤツはニーヴの人の英語が難しくて翻訳原稿を作るのに少々頭をヒネらされたんだけど…いずれにしてもさほどの大事ではない。
しかも一番の難関の英語の聞き取りも、最近では字幕が出ちゃうもんね。
でもね、あの字幕は決して正確ではないので、一旦捕らわれてしまうとドツボにはまったりもするので要注意。
やっぱり自分の耳が一番。
 

 昔はというと…
(Time warp! ♪Way back when in 1998←Steely Danの「Hey Nineteen」の節でどうぞ!字余り)
 

まず、字幕を入れたいと思う、つまりそれなりに売れそうな作品のビデオを作品をアメリカのビデオの制作会社あるいは音楽出版社に頼んで送ってもらい、それを翻訳家に転送する。
ひと月ぐらいするとビデオの中のセリフを翻訳した字幕の原稿が出来上がってくる。
仕事の一番のキモとなるのは、やはり元となるこの字幕原稿だ。
その内容を私がチェックする。
今では今回みたいに私が好きなように翻訳して「読みやすい長さかどうか」だけを考えて字幕にしているだけだけど、プロの仕事は違う。
日本語の場合、一般の人が1秒間に読むことができる文字の数は「6文字」とされていて、それを考慮すると、概ね字幕1枚に入れられることができる文字の数が14文字になるらしい。
プロの翻訳者はそれを常に頭に入れながら字幕の文章を書くワケだ。
7subt1それと、この仕事の場合、つまり「教則ビデオ」にはセリフの原稿、いわゆる「ドラフト」が存在しない。
言い換えると、映画の字幕は脚本家が書いた元の言語のセリフ原稿があるので、それを読みながらジックリと訳文を考えることができる。
ところが、教則ビデオの場合はデモンストレーターがしゃべっていることを一言一句漏らさずすべて聴き取る必要がある。
外国の言葉を正確に聴くのはしゃべるよりムズカシイでのう。
しかも、ビデオの中には一般の人が口にしないような音楽の専門用語がジャンジャン出て来るでしょう?
例えばギターの場合、「クランク・アップ」だとか「チャンク」だとか。
また「チョーキング」だとか「シールド」なんていうのは日本の方言だからその辺りのことも知っておかなければならない。
いつもお願いしていた翻訳家の女性は帰国子女で、一度そんな情報を伝えると二度と間違いを起こすことのない大変に頭脳明晰な方だった。
私はその方と映画や英語についてのおしゃべりをするのが大好きだった。
映画の知識に関しては私の方が断然上だったけどね。
そんな方でも専門用語にはお手上げになっちゃう…そこで登場するのが私なワケよ。
要するに「監修」が私の仕事…英語で言えば「スーパーバイザー」よ。
 
そして並行してアメリカから字幕を入れるためのマスター・テープを送ってもらう。
コレが「ベータカムD2」とかいう規格のテープで、下の写真ではわからないだろうけど「VHSの大魔王」みたいな出で立ちで、ベラボーにデカくて重いときてる。
で、コレを持って字幕を入れるスタジオに行く。
何本もある時は重くても~大変。
もちろんスタジオは予約しておかないといきなりは対応してくれない。72d2 スタジオにある専用の機材で持参したテープに制作した翻訳の原稿データを流し込んでもらう。
原稿の訳文には「〇分X秒」という字幕を入れるタイミングの目安が書いてあって、ビデオを流しながらリアルタイムで映像の内容と字幕が合致しているかどうかを厳しくチェックする。
それ以前はもっと手間のかかる方法を採っていたのだが、私が無理をお願いしてこうして作業を簡略化してもらった。
とにかく、こうして指定したタイミングで字幕がキチンとマスター・テープに入れられるかどうかを日がな1日チェックする。
も~、コレが忍耐のいる仕事でね~。
私は横でウツラウツラしているだけだったけど…。
で、こうしてマスター・テープに字幕が入ればこっちの作業は完了。
7d1 今度はジャケット。
元々英語で表記されている部分を日本語に置き換える作業がまた面倒な作業なのだ。
「今に比べると…」という意味ね…当時はこうした作業が当たり前だったから何とも思っていなかったけど。
このアートワークも今みたいにパソコンだけで完結するのとは違って、「版下フィルム」というモノを作らなければならなかった。
「Lay over」とか言ったっけかナァ?
Tt3やはりアメリカから素材のデータを送ってもらって、コチラで作った日本語の原稿と組み合わせて、版下を制作してオリジナルと同じ体裁に仕上げるワケ。
私はこの日本語にする作業やジャケットに入れる解説文を書いていた。
コレも基本はビデオのパッケージに書いてある元の英文を翻訳するのが基本なんだけど、それが一本調子でツマんない不愛想な文章なのよ。
それで、結構アレンジさせてもらったナァ。

73spine_2

 このジミヘンのビデオの時は、お店の棚に収めた時に目立つように、背表紙にこのJimi Hendrix Experienceの3人がロンドンのキュー・ガーデンズで撮った「ジャケット用の写真を入れたい」と申し入れた。
すると、出版社の方から「いいアイデアだけど、ヘンドリックス家の許可を取らなければならないので少し時間をください」という返事があってビックリしたことがあった。
結果OKが出て、その後のNAMMでその出版社の担当者(レッチリのチャド・スミスのお兄さん)からジミの妹さんのジェイニーを紹介された時は「フジヤマ、テンプラ!ああ、アノ時の!アレはアナタだったのねッ?」ということになった。
まさか、かのジミ・ヘンドリックスの家の人と関われるなんてそのデザインの申し入れをした時は夢にも思わなんだよ。Hal コレは脱線の脱線だけど、他に書く機会がないだろうから記しておこう。
こんな本知ってる?
パット・メセニーのソング・ブック。
パットとライル・メイズが作った167曲が載っている。
この本も同じ出版社から上梓されているんだけど、パットがスゴったらしい。
パットはもう殺人的に忙しくて、こんな本に携わっている時間が全くなくて、「採譜してくれれば2日でチェックする」ということになった。
それで、パットはミルウォーキーのこの会社に来て一室に閉じこもりその作業に取り組んだ。
パットは2日間、食事とトイレ以外は一度も部屋から出てこなかったらしい。
ものスゴイ集中力なんだって。
やっぱ人間、集中欲と記憶力だナァ。70r4a0757 さて、ジャケットの日本語の版下が出来上がったら、字幕の入ったマスターテープと一緒にアメリカの出版社に送り返し、後は商品になって出荷されてくるのを待つだけ…なんてことをやっていた。
このビデオを送る運賃だけで数万円よ。
懐かしいナァ。
今となってはこの一連の作業がパソコンの前に座ってひとりでチャチャチャと出来ちゃうんだから恐ろしい。
反対に…考えてみるとこの一連の作業を完遂するのに、テープや字幕入れのためのデッキやスタジオが必要だったり、版下のフィルム等の材料や機材が必要で、今ではそれがすべて不要になってしまった。
つまりこれらのモノを作っていた人の日ごとが消滅しちゃった。
それだけじゃない。
材料を入れる容器を作っている業者、それを販売している商社、運送屋なんかも一蓮托生でみんな仕事が減ってしまった。
モノが動けば必ず伝票が必要になって来る。
その伝票を作る紙屋、印刷屋、インク屋、そしてそれには必ず運送屋と商社が絡んでくる。
まだあるよ。
素材をアメリカに送る業者、スタジオに行くための交通費、スタジオに出前してもらう弁当等にかかる支出も消滅した。
もっと言うと、スタジオのトイレットペーパーも減らない、電気代や水道代もかからない、靴も減らない…パソコンでひとつナニかができるようになるとこれだけ経済に影響を及ぼすことになる。
儲かるようになったのはパソコン屋とインターネットのプロヴァイダーだけか?
取りあえずひとつだけ変えることができないのは、翻訳業者の仕事だ。

7r1536113315903040192393jpeg

でも、これとてAIに置き換わろうとしているでしょ?
今のところはビジネス・レベルでは全然使い物にならないみたいだけど、近い将来それも克服することだろう。
スゴイね。

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Bad_touch今日のビデオに出ていたBAD TOUCH!

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2020年9月 8日 (火)

Fury of Fear 西村守 Plays STUDIO VINTAGE <私的YouTube考をチョイと交えて 2>

 
しかし、ナンだね。
増えないもんだね…このYouTubeのチャンネル登録者数ってのは。
「Marshall」だぜ~?
オフィシャルだぜ~?
「Marshall」の名前がついてりゃチョロいもんだと思っていたけどトンデモナイわコリャ!
内容が悪いのか、やり方が悪いのか?
ハハハ、テコでも増えネェ。
なんだか全ての皆さんに申し訳ないような気になってくるわ。
 
ま、コレで一攫千金を狙っているワケではないので、チャンネル登録者数や視聴回数に拘泥せず、一時的な盛り上がりを重視することなく、将来にわたってロック好き、Marshall好きの皆さんに愛でて頂けるようなモノを自分なりに作っていきたいと思うことにしたの。
将来的には、「Marshall Japan」のチャンネルで、もっとMarshallのことを取り上げていきたいし、せっかくブリティッシュ・ロックの本場と付き合っているんだから、その辺りのことも取り扱いたいし、たとえ名前は知られてはいなくても、オリジナリティあふれるカッコいい音楽をMarshallで作っているチームを紹介していきたいなんて思うんですわ。
考えてみりゃ、コレってMarshall Blogの動画版じゃんね?
進歩がないけど、コレしかない。
YouTubeの「Marshall Japan」チャンネル、Marshall Blogともども今後ともよろしくお願い申し上げます。
まずはチャンネル登録お願いします!ってか?

コチラからどうぞ!⇒YouTube

コレ ↑ ↑ ↑ ってFrank Zappaの「Register to vote(投票権の登録をお願いします)」みたいでカッコよくね?
Marshall Japanチャンネルの出張登録所…。
アメリカは選挙ができる年齢に達しても、日本のように自動的に選挙権が付与されるワケではなく、意志のある人は「選挙人登録」をしないと投票することができない。
アメリカ人の友達にこのことを尋ねると、登録自体はごくごく簡単にできると言っていた。
そこで、ザッパは「もっと政治に関心を持って、アメリカをよくしよう!」という思想のもと、自分のコンサート会場に出張登録所を設けることを常としていた。
このことを言ってるワケ。
 
ロックへの「納得」と「共感」を得るために、また、若者とベテラン・リスナーの「分断から協調へ」を目指し、本当のロックの「自助・共助・公助」を実現するために清き1クリックをお願いします!
  
ということで、Fury of FearのまもちゃんのSTUDIOシリーズの<VINTAGE編>を公開しました!
コレも以前にMarshallブログで一度お見せしたモノだけど、今一度、チャンネルをご登録のうえお楽しみください!

Fury of Fearの詳しい情報はコチラ⇒official website

 

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2020年9月 1日 (火)

Fury of Fear 西村守 Plays STUDIO CLASSIC <私的YouTube考をチョイと交えて>

 
YouTubeってのは2005年、今から15年前に設立されたそうで…。
その後、いつ日本に広まったのかは知らないが、昔は「ウワ~、ジミヘンのこんな映像があったんだ~」なんて、ビデオがなかった時代に育った我々には、そうした存在すら知らなかった動画を無料で見れることが大きな驚きだったのを覚えている。
それでも、私には「エンターテイメントは無料ではない」という確固たる信念と、いいモノが見たければお金を出してパッケージを所有すべしという思いがあって、YouTubeの視聴に夢中になったことは一度もない。
何でも見れちゃうから飽きちゃうんだよね。
「見て楽しむ」ということより、「次のモノを探すのがツラい」…みたいな。
しかし、珍妙な音源がアップロードされているのは正直助かりますな。
残念ながらお金を払っているSpotifyなんかは有名なアイテムばかりで、ゼンゼン頼りない。
私のような音楽変態が調べものをする時には、キテレツなアイテムを驚くほど収容しているYouTubeの方がゼンゼン有用だったりする。
でもその「レアなビデオや音源に接するモノ」と思い込んでいたYouTubeの在り方が今では大きく変化して、最近では「憧れの職業はユーチューバー」なんてことを言う若者が増えているじゃない?
公序良俗に反しない限りYouTubeの使い方に規定があるワケではないだろうし、閲覧だけでなく自由にビデオを投稿できるのが大きな魅力なのでしょうから、今の状態に至ったのは当然のことなんでしょう。
テレビもオモシロくないしね。
ところが、この動画の視聴回数への拘泥し具合が尋常ではないように思うんだよね。
視聴回数を増やすためなら何でもする…という風潮が実際に犯罪を誘発しているワケだし。
でも何よりも気がかりなのは、「視聴回数が多いモノは良いモノだ」とか「人気の動画は正しい」と勘違いしている視聴者の姿勢だと思うのです。
「良いモノ」だから人気が出るのは当然という面はあるんだけど、それは受け取り手に良いモノを判断する能力があっての話。
今、そんなんじゃないでしょう?
音楽のヒットチャートを覗いてみれば一目瞭然なように4つか5つのバンドやミュージシャンの名前が独占しているでしょう?
こんなの異常だと思わない?
ビートルズの時代だったら話はわかるよ。
情報が氾濫し過ぎていて、消費者がどうしていいのかわからず、とにかく流行りのモノに乗っておこうという危険な発想の賜物でしょう。
「この動画は視聴回数も高評価かも少ないからダメだ」と決めるのは愚の骨頂。
その動画に良いかどうかの判断を下すのは視聴者本人の感性でしょう。
私はYouTubeのようなモノがもっと日本人のエンターテイメントに対する間口を広げ、芸術面での民度やを少しでも上げるためのツールに使われることを切に願う。
日がな一日YouTubeを見ていて、「こんなカッコ音楽を演っているバンドを見つけた!」とか「こんないい音楽がこの世にあったのか!」と未知の世界を広げて欲しいワケ。
それにしてもビデオ、ビデオ…すべての面において「音楽はSNSに殺された」としか言いようがない。
現時点においては、SNSはライブ配信で活躍して、少しでも音楽に罪滅ぼしをしてもらいたいと思うわ。
  
と、つべこべ言ってみたころで時代の趨勢には抗えないので、Marshall Blogもビデオをゴチャゴチャやるようになったけど、「視聴回数」や「チャンネル登録」の数というのはテコでも伸びないもんですな~。
ま、ビデオの内容やサムネイルの良し悪しはさておいて、「Marshall」の名前(オフィシャルですよ!)がついていてもゼンゼンだわ。
チャンネル登録者を多く抱えていて、視聴回数を稼ぐミュージシャンのアカウントから動画をアップしてもらうという手もあるらしく、実際にそういう手法で商品の宣伝をしているブランドもある…なんて話も聞いた。
「PRの仕事」という観点から見れば、それも確かにひとつの手なんだけど、Marshallはそんなことは絶対にしたくない。
MarshallはMarshallでやる。
コアなヤツをやっていく。
でもさ、コレ存外に制作するのがオモシロくてさ…結構夢中になっちゃうんだよね。
撮影するのも素材を集めるのもかなり苦労するんだけど、編集作業が実に楽しいのです。
反面、ブログの存在価値がドンドン薄れてしまっているのが気になるが、Marshall Blogはブログでしかできないことを続けて行こうと思っています。
だから「Marshall Japan」のチャンネル登録をよろしくお願いします。
 
ということで、今回は約1年前にMarshall Blog上で公開したFury of Fearの西村守が弾くSTUDIO CLASSICのデモ動画を1本にまとめてYouTubeにアップロードしました。
動画自体の内容は以前と同じですけど、チョット見てみて!

 

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2020年8月25日 (火)

スタジオ・ジョニー~Jonny Plays Studio <STUDIO VINTAGE編>…いいこと教えてあげる!

  

60年になんなんとするMarshallの歴史の中心に君臨する1959とJCM800 2203。
それらが数々の名演/名盤誕生の瞬間に立ち会い、ロック・ギターの発展に計り知れない業績を残してきたことに異論を唱えるロック・ギタリストはいないだろう。
しかし、そのサウンドはとにかくラウド!
「♪大きいことはいいことだ」の時代はいずこへ…今ではスッカリちいさいものばかりがもてはやされるコンパクトな時代になってしまった。
ってんで、Marshallも時代のニーズに呼応するべくリリースしたのがSTUDIOシリーズ。
1959と2203、加えて2555Jubileeの3つの100Wモデルを20Wにパワー・リデュースしたモデル。
おかげさまで世界中で好評を頂戴しております。

10そのSTUDIOシリーズの1959の方、つまりSTUDIO VINTAGEシリーズを若きギター・ヒーロー、Johnny Yoshi Hiroにデモンストレーションにお願いし、その動画を公開した。
Johnnyくんは今年2月に解散したLuther Smoke Dokeyes時代に何度かMarshall Blogにご登場頂いている。
とにかく若い。
24歳になったか、ならないか…それなのこのTシャツ。
よくこんなの売ってるな。
JohnnyくんはチャンとTシャツのオジちゃんの顔が見えるように撮影時にわざわざギターを掛け直してくれた。
誰かこのオジちゃんを知ってる人いますか?
05この人は、Little Jimmy Dickens(リトル・ジミー・ディケンズ)というカントリーの大御所。
「Little」というぐらいで、150cmの伸長を活かし(?)、ギランギランのスパンコールの衣装をまとって人気を集め、1983年にカントリーの殿堂入りを果たした。
え?私は知ってるのかって?
現代音楽から民族音楽まで、「音楽」とあれば何でも楽しむ私だけど、自慢じゃないがジャズ以外の黒人音楽とカントリー・ウェスタンだけはダメだ。
他にも苦手な音楽はあるけれど、ソウルとカントリーは私の二大天敵なのだ。
ブルーグラスはまだいんだけど、どうしてもカントリー&ウエスタンは受け付けない。
やっぱり私はレッドネックからはほど遠い、根っからのイギリス紳士なんだな。(ウソこけ!)
だからこのお方を知るワケがない。
でも、「Grand Ole rpry(グランド・オール・オープリー)」に参加してたのね?
「Grand Ole Opry」だけはDoyle Dylesのおかげでかろうじて知ってる。11_ljd2 この1965年の「May the Bird of Paradise Fly up Your Nose」という曲が最大のヒット曲なのだそうだ。
聴いてみるとスゴいのよ…ギターが。
もうさすがにコレはフザけているんじゃないか?と思うぐらい威勢の良いディレイのかけっぷり!
そのギターはGrady Matinという人。
ハハハ!やっぱりな…エコープレックスがちょうど発売された頃だったんだって!
誰でもこうやりたくなる気持ちはわかる!
Jdsグラディ・マーチンは、ロニー・ホーキンス、ロイ・オービソン、エルヴィス、レオン・ラッセル、ジョーン・バエズ、J.J.ケールなんかとも共演している人。
写真だけ見るとひと昔前まで浅草演芸ホールに出ていたようなイメージだ。
マルベル堂でブロマイドを売っていそう?
この人、カイ・ウィンディングの『Modern Cowboy』というアルバムに参加しているのには驚いた。
トロンボーンでカントリー?
さすがに気になって聴いてみたが、ま、トロンボーンのイージー・リスニング・ミュージックみたいな?
悪くはないけど、やっぱりJay & Kaiの方がケタ違いにカッコいい。

Gm カントリーの脱線ついでに…。
あったんですよ、Marshallにも。
「4140 Club & Counry」というカントリー用のモデル。
ゼンゼン歪まなかったらしい。11_cc お、それと、今日の記事のタイトル。
「スタジオ・ジョニー」というのは、ブレヒト=ワイルの「Surabaya Johnny(スラバヤ・ジョニー)」という曲のシャレ。
私はワイルが大好きなので、Johnnyくんに許可をもらった上でこういうタイトルにさせてもらった。
Johnnyくんはワイルを知らなかった。
ヒヒヒ、コレでおあいこね。11_kw こんな具合で、Johnnyくんがウチに来るとそっち方面の音楽の話で盛り上がる。
「リッチー」や「イングヴェイ」の名前はただの1回も出て来ない。
何となく方向性がピッタリだったのは、オーネット・コールマンの『Dancing in Your Head』ぐらいか?
Johnnyくんはサザン・ロックにも造詣が深くてね。
Marshall Tucker BandだのBlack Oak Arkansasとかいう名前が毎回出て来る。
こないだはHydraの話もしたな。
私はサザン・ロックはそれほど聴いていないんだけどね。
一方、彼はプログレのようなヨーロッパ然とした類の音楽がカラッきしダメ。
こうしてゼンゼン話が合わないようだけど、だからこそ実に面白い。
24歳とは全く思えん。
この動画を撮影の後、お疲れさん会で酔っぱらって、Status QuoやFoghatを一緒に弾かせてもらったの実に楽しかった。
ウチのセガレより全然若いんだよ。
こんな若い人と楽しく仕事ができるなんて、私はなんてシアワセなんだ!20さて、Johnnyくんにデモをしてもらったのは、20WヘッドのSV20H。

30それを2x12"のSV212と…

401x12"に組合わせる。

50そして、同じく20Wのコンボ、SV20Cも弾いてもらった。

60STUDIOシリーズは完全真空管仕様。
ECC83が3本と…

70EL34が2本搭載されている。

80やっぱりね…真空管アンプですよ。
タイトルにある「いいこと」とはこのことなの。
ご存知のようにMarshallはCODEというデジタル・アンプをやっているでしょ?
おかげさまでコチラも好評で、本当にレコーディングで使っているプロ・ギタリストがいるぐらいのサウンド・クォリティなワケ。
それで今頃それのデモ動画をセッセと作っていることもご存知でしょう?
CODEもSTUDIOも同じ場所で撮影しているんだけど、特に防音の処理をしていない部屋なので、外には丸聞といえば丸聞こえなの。
ところが!
同じような音量にしているつもりでも、外へ漏れ聞こえて来る音の大きさが真空管アンプとデジタル・アンプとではゼンゼン違うのよ!
コレが「音のヌケ」というヤツなのね。
真空管アンプは文字通りジャンジャン音が外へ抜けていってしまう。
長いコトやっていたら間違いなく「オワマリさんコース」だろう。
こんなにも違うモノかと今更ながら驚いた。
道理でデジタル・アンプのギターの音が、大きな会場では後ろまで届かないことがよくわかった。
もうひとつ…。
ビデオ・カメラに収録される音が全く違う。
機械はしょうじきだよ~。
コレも同じ音量でやってても、真空管アンプの方は収録している音が簡単に割れてしまうんよ。
音の周波数の加減なのかナァ?
そこでその場でビデオ・カメラのメーカーに電話して、音声入力の調整の仕方を教えてもらい、最小にセットして試してみた。
結果…ダメ。
どうしても音が割れちゃうの。
こんなことを体験したら、いくらPAの技術が進化しても大きなコンサート会場では真空管アンプを選ぶべきということがわかりますね。
「ギター・アンプはやっぱり真空管に限る」ということへの理解が深まったのはとても「いいこと」でした。
CODEのコスパも素晴らしいけどね。
一応、両方立てておかないと…。
でも、とにかくアレにはビックリした。
そんなことがあって、実は今回の撮影は3回目のチャレンジだったのよ!
毎回、事後の「音楽飲み会」の方が楽しみだったりして…。
90STUDIOシリーズは元のモデルのルックスも忠実に再現しているところがうれしい。110この黒と金と白のカラー・コーディネーションはジム・マーシャルの偉大な発明だと思うよ。

120
160

130リア・パネルは今風にアレンジされている。

125SV212のハンドルはこれまたうれしいメタル仕様。

140vこの1x12"がまたいいんだ~。

150それでは、Johnnyくんの新曲「Daydream Waltz」をフィーチャしてお送りしましょう!

Ddw『スタジオ・ジョニー <STUDIO VINTAGE編>』をどうぞ~!

Johnny Yoshi Hiroの詳しい情報はコチラ⇒Twitter と Instagram

170v今日はココまで。
<STUDIO CLASSIC編>につづく。
 

「Marshall Japan」チャンネルの登録をお願いします!⇒YouTube

180 

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2019年11月18日 (月)

【チャンネルMarshall Japan】Marshall2019

8_2019

『Marshall GALA2』の開演前の最後に上映したのがこのビデオ。
数回前の記事で触れたマーケティング・チームのフィリッパが『Marshall GALA2』のためにワザワザ制作してくれた、今年前半のMarshallの歳時記。
音楽はMarshall Recordsアーティスト、D_Driveの「Attraction 4D」。
「Marshall GALA」も「Marshall Blog」も、そして「D_Drive」も…イギリスのMarshallではスッカリおなじみなんですよ~。
 
ハイ、どうぞ~。

コレがこのビデオで流れている「Attraction 4D」を収録しているD_Driveの世界デビューアルバム『Maximum Impact』。

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…以上、この4本を『Marshall GALA2』の開演前に上映しましたことレポートしておきます。
 
 
YouTubeのチャンネルはコチラ⇒Marshal Japan

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【チャンネルMarshall Japan】アーティスト・スポットライト~ロビン・トロワー

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 『Marshall GALA2』の開演前、3本目に上映したビデオはロビン・トロワーのインタビュー。
以前、Marshllのウェブサイトに登場していたので翻訳してMarshall Blogに掲載したことがあった。
 
その記事がコレ⇒ロビン・トロワー・インタビュー (オマケつき)
 
この記事を書いた時、「サッパリしている」と内容の簡素さに触れた。
でも、STUDIOシリーズのリリースに合わせてこんなインタビューをしていてくれたのね?…うれしいです。
 
ビデオの中でロビンは1987XとSV20Hのスタックを弾いているけど、スゴイね。
どっちのアンプで弾いても、もう聞いた瞬間に「ロビン・トロワ―の音」ってわかる。
言い方を変えれば「ロビン・トロワ―にしか出せない音」だ。
 
若い人なんかも「いい音、いい音」って騒いているのをよく見かけるけど、本当の意味で「いい音」というのは、リッチーに似ている音でも、イングヴェイに似ている音でもなくて、「その人にしか出すことのできない音」のことなんじゃないかな?
ロビンがインタビューの中でいいことを言っている。
やっぱりコピーはどんなにうまくコピーしたところで、音楽的な価値という面においてはホンモノを超えることは絶対にできないワケで、「自分だけの音」を作るにはやっぱり「自分だけの音楽」、「自分にしかできない音楽」が必要なのではなかろうか?
「作ること」こそ尊い…私はそれができそうにないので早々に音楽から足を洗ったわい。
でもコピー・バンドは楽しいね。
コピー・バンドはアマチュアの特権だからね…でもお金は取れない。
「自分だけの音楽を作る」のがプロ…大いにお金を取るべきだし、もしいい音楽を提供されたのならお客さんは気持ちよくお金を支払うし。
この年になって、こういうことがようやくわかるようになったわ。
 
しかしね~、Marshallで鳴らすロビン・トロワ―のギターの音を死ぬまでに一度聴いておきたいな~。
中学の時、サンプラザに行っておけばヨカッタなぁ。
今度チャンスがあったらMarshallに頼んでイギリスまで押しかけさせてもらっちゃおうかな~?
では、お楽しみアレ!

YouTubeのチャンネルはコチラ⇒Marshal Japan

Mblogo

2019年11月17日 (日)

【チャンネルMarshall Japan】思い出のMarshall

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2002年に初めてMarshallの工場に行った時は感動したナァ。
ジムもまだ全然元気で、家にお呼ばれしてエラく緊張したっけ。
アレからもう数えきれないほど工場を訪れ、ドアの鍵の暗証番号を知るまでになってしまい、今では別段感動することがなくなってしまった。
それどころか、ジムと初めて仕事をさせて頂いてから21年…アータ、周りの人が物故したり、転職したりして行くウチに私もスッカリ古株になってしまったよ。
初めて行った時に驚いたのは、あのMarshallがほとんど手作りで生産されていたことだった。
今でも変わりはないが、基板周りを除いては工員さんがひとつひとつ丁寧にハンドメイドしていたのだ。
で、とりわけ目を惹いたのがカバリングのセクションで、木製のキャビネットにかぶせられたカバリング素材を切って、貼って、形を美しく整えていくサマはとても魅力的だった。
このカバリングのセクションが全ての工程の中で最も技術を要する…とその時聞いた。
今日はそんなカバリングのセクションを60年代に担当した人が語るMarshallの思い出。
Jim Nairnというお方。
このNairnという苗字の読み方がわからなくて困った。
ちょうど、GALA2でMarshallご一行と一緒だったので尋ねてみたのだが、「ネイルン」とも「ネイリン」とも…「ナーン」と読むのではないか?という説まで飛び出した。
取りあえずビデオの中では「ネイリン」さんとさせて頂いた。

ナーンかよくわからなかったんだけど、このお方、スゴイよね。
ハンウェルのジムの楽器店の頃からMarshallに勤めていたというんだから。
この赤い看板の床屋さんがそのジム・マーシャルの第1号店があったところ。
かつてはフィッシュ&チップス屋さんだったのだそうだ。
ココへ行った時も感動したわ~。
 
その時の様子はコチラ⇒【イギリス‐ロック名所めぐり vol.2】 マーシャルの生まれ故郷<後編>

39 そして、コッチのジムは1965年、1959発表の瞬間に立ち会う。
 
そのあたりのことを語っているのが『Marshall GALA2』の開演前、2番目に上映したビデオ。
いいね~。
初めて見た瞬間から字幕を入れて一人でも多くに人に見てもらいたいと思った。
この手のMarshallの歴史を記録するビデオなんてモノは作れるウチに作っておいて欲しい。
ところが!
おジイちゃん、すごいコックニー訛り!
しゃべっていることの意味はほぼ全部わかるのだが、字幕にするとなると正確を期さざるを得ない。
そこで、前回の記事に登場したフィリッパ姐さんにお願いしてトランスクライブ(文字起こし)してもらった。
それで何とか乗り切ることができた。 
でもひとつ…うまく訳せなかった箇所があった。
それはジムが「And they announced the…who」というところ。
ココ、「(自分たちが)誰かを告げた」という意味と「The Who」というバンド名がシャレになっているワケ。
コレを何とか処理したかったんだけど時間切れ。
そんなこともありつつ字幕を完成させたのがこのビデオ。
お楽しみあれ!

YouTubeのチャンネルはコチラ⇒Marshal Japan 
 

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【チャンネルMarshall Japan】Marshallの工場を見学しよう!

 

Tvイヤ、私はね、考えていなかったんですよ…『Marshall GALA2』の開演前にMarshallに関するビデオを上演するなんてことは。
内容はチョット言えないけど、1回目の時は確かにとてもいいビデオを上映したよ。
でも、今回は全く考えていなかった…というより、全く思いもよらなかった。
ところが、今年の6月にMarshallの工場に出張して社長や今回来てくれたアレックスやマーケティングのスタッフと会議をした時のことだった。
社長がこう切りだした。
「エ~、ナンだいオマイさん、その~ビデオて~ヤツは今回はやらないつもりなのかい?しょっちゅうあることじゃあるまいに…演奏が始まる前にナンカお客さんに見てもらったらどうだい?」
「へぇ、親方。イヤね、アッシもそれを考えていたんですが、何分にもお客様に見て頂く適当なモノが見当たらねェんですゼ」と私。
「それじゃ、フィリッパの姐さん、シゲのために何かビデオを作ってやんな」と親方…イヤ、社長。
フィリッパ姐さんはマーケティング組の番頭さんだ。
「ガッテンだよ親方。シゲ、安心しな!オマエさんとガラのためにこの姐さんが何かいいビデオを作ってやるからサ!」ととても頼もしいフィリッパ姐さん。
「姐さん、ありがてぇ。恩にきるゼイ」
(Marshallの連中がこの辺りのところを自動翻訳ソフトで英語にして読んだらどうなるんだろうな?翻訳ソフトはこの江戸っ子弁を正確に訳すことができるのかな?できるもんならやってみたまえ!)
と、会議は順調に進み、GALA2の開演前にMarshallに関するビデオを上映することになった。
すると程なくしてフィリッパ姐さん、イヤ、フィリッパから今年の前半のMarshall歳時記的なビデオが送られて来た。
 
こうなると蠢きだすのが私のアイデアの虫。クタクタに弱った虫だけどよ。
そのビデオだけじゃ寂しかろうと、Marshallが制作した既存のビデオを併映することにした。
それもそのまま上映するのではなく、チョット前に導入した動画編集ソフトを使って字幕を入れることにしたのだ。
ヘヘヘ、字幕の入れ方がわかったので、やりたくなっちゃったんだね。
もはや清水俊二か戸田奈津子気分よ。
 
そこでまず最初に手を付けたのが工場を紹介するビデオ。
中に登場するジョンのセリフを翻訳したまではヨカッタんだけど、イザ字幕を入れようとすると、メチャクチャ難しいことがわかった。
私は以前、教則ビデオの仕事をしていて、もう数え切れないぐらい多くの作品の字幕の監修をやらせてもらった。
こういうヤツね…ビデオ。まだDVDの「デ」の字もなかった時代。

Mp

Bd

Mdf 聞き取り&翻訳はとてもできないよ。そういうのは帰国子女のプロの通訳/翻訳家が担当して、音楽的な箇所を私がチェックする…というシステム。
そうしたプロの翻訳家と付き合っているウチに知った字幕のノウハウというのが、
①日本人が1秒間に目で終える文字は平均で6文字まで。
②ビデオの場合、横組みで日本語字幕にできるのは14文字まで。
…ということだった。
なまじこんなことを知っていたもんだから、最初のウチはチョット悩んだね。
ナゼ悩んだのかというと、ジョンの話す英語がヤケクソに速くて、どんなに翻訳文を簡素にしてもとても上のルールに収まりきらなかったのだ。
面と向かって話していると、もうそういう「速いモノ」だと思ってさほど困らないが、イザ文字にするとなると大変であることがわかった。
それでも大した量ではないので何とか収めきった(つもり)。
 
ジョンはこのビデオの中でイギリスとべトナムの工場は全く同じ…と説いているが、それはホントにその通り。
実際に私も初めてべトナムの工場を見学した時一番最初に思ったのは「なんだ、ブレッチリーと全く同じじゃん!」っだった。
しかし!…しかし、しかし、しかし、しかし!ゼンゼン違うことがある!
それは「暑さ」。
もうヴェトナム暑かった~。
私は暑いのが滅法苦手でしてね。
ジョンは偉いよ。
日本の人が行ってもべトナムの湿気と気温にはかなりヤラれる。イギリスの人が行ったら尚更だと思うよ。
それなのに、仕事とはいえしょっちゅう行ってるからね。
…とそんなべトナムの旅と工場見学を綴ったMarshall Blogの記事はコチラ。
【工場見学編】
ベトナムに行ってきた! vol.5 ~ MAV見学 <前編>
ベトナムに行ってきた! vol.6 ~ MAV見学 <後編>
【驚きと感動と最後は下痢の観光編】
ベトナムへ行ってきた!~私のホーチミン vol.1
べトナムへ行ってきた!~私のホーチミン vol.2
ベトナムへ行ってきた!~私のホーチミン vol.3
ベトナムへ行ってきた!~私のホーチミン vol.4
ベトナムに行ってきた!~私のホーチミン vol.7
ベトナムに行ってきた!~私のホーチミン <最終回>


この一連のベトナムの記事の中でも同じビデオを紹介しているけど、今度は字幕入りだよ。
是非、今一度ご覧あれ。
このビデオが『Marshall GALA2』の開演前の一番最初に上映されました。

YouTubeのチャンネルはコチラ⇒Marshal Japan 
まださびしいよ!

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