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2017年12月 7日 (木)

MR.PG PLAYS 1959

  
またもやって来ましたブードカン。

10今日はMR.BIGの東京公演。

207月にリリースした『Defying Gravity』を引っ提げての来日公演だ。
いつぞやはブタちゃんが飛んでいたけど、今回はゾウさん。
「defy」とは「無視する」とか、「ものともしない」とかいう意味。
するとタイトルは「重力関係なし!」みたいな意味だからゾウが逆さになってる?

30リハーサル後の楽器雑誌向け取材タイム。
ナンカ久しぶりにこの光景を見た気がするな。

70伝統と例によって皆さん、サオものの撮影にご執心。
ま、アンプはおもしろくないからね。
四角くて黒いだけだから。
でも、音を出しているのはアンプだからね。

T_0r4a3537 ということでウチはもっぱらコレ。
アンプ屋ですので。
今回のポールのチョイスは1959のフル・スタック。
つまり、1959SLP、1960Aそれに1960Bのセット。
ナ~ンの手も施していない市中に出回っているのと同じモノ。
何で知っているかというとウチから持って行ってるMarshallだから。

40vアンプの取材はおもしろくないかもしれないけど、よく見てみると色んな発見があるんよ。
例えば、今回ポールは「INPUT IIのHi」を使っていること。
それにボリュームは「2弱」…「less than 2!」とポールは笑ってた。
MIDDLEを「1以下」にしてPRESENCEは「7近く」まで上げている。BASSは「4」。
こんなんだと音がペランペランになりそうなイメージだけど、ゼンゼンそうはならない。
キャビネットは上下鳴らしている。
ギターばっかりマネして、こういうところに目を向けないのはナンセンスだよね。

50足元のようす。

60武道館でMR.BIGを拝見するのは何回目かな?
今回も大入り満員!
開演前には愛息のマーロンくんをお連れになったポールの奥様と再会。
2013年のポールのソロ・バンドの東京公演以来。
マーロンくんは生まれた時の姿を写真で拝見しただけだったので、その成長ぶりにビックリ!

35大歓声に包まれてショウはスタート!

90ニュー・アルバムを引っ提げての来日とだけあって、セットリストはアルバムの収録曲が中心となった。

100相変わらずのショウマンシップに長けたエンターテインメント性の高いステージ。
いかにもアメリカのバンドって感じだよね。

100v曲を引きたてるツボを押さえたソロが素晴らしいね。
決してギター・ソロを聴かせる曲ではなくて、曲を聴かせるためのギター・ソロ。
でも、ジックリ聴いちゃうソロ!

120vステージの後には大型のスクリーンが備え付けてあって、色々なイメージ画像やポールが描いたイラストが映し出される。
さすが、ポール!
ギター・アンプのイラストがMarshallになってる!
「Marshall」とは書いていないけど、どう見てもMarshall。
コレで判別できちゃうMarshallもスゴイ。
そう、オリジナルだからね。
そして、エリックがポールに向かって手を差し出しているのは…

130ドリル~!

140v当然下手側ではビリーもやってる。
やっぱりコレがなくちゃね!

150ポールとは彼がMarshallに戻って来てくれてからのお付き合いなので、カレコレもう結構長くなった。
その間、ずいぶん色んなモデルを使ってもらった。
最初はVintage Modernのコンボ、2266Cだったかな?
JMDのコンボを使ってもらったこともあったし、JVM410HやDSL40Cの時もあった。

160大分前、ポールは私に「シングルコイル・ピックアップの音の特性を強調したいんだ」みたいなことを言っていたことがあった。
今まではそれを考えてのアンプのチョイスということもあったハズなのだが、ナニを使おうといつもそれぞれのモデルの良いところを引き出してくれた。

170そして今回のギターのピックアップはハムバッキング。
1959SLPはそれゆえのチョイスだったのかもしれない。
でもね、今までで一番好きな音だったな、私は。
もう音の輪郭がハッキリしていて、何せヌケる。
それよりもナニよりも、出て来るのが限りなく美しいMarshallの音なのだ!
やっぱりギターアンプは真空管に限る。

190v知り合いも何人か観に来ていて後で話を聞いてみると、皆クチを揃えてポールのギターの音の良さをホメ称えていた。
ま、Marshallですから?!
それとショウの楽しさだよね。
アニメで語られた「パット・トーピー物語」にはやはり涙を流した人たちが多かったようだ。
そのパットがアンコールで「We're an American Band」を元気よく歌ったのにはビックリ!
メッチャ歌うまし。
外人ってのはホントに歌のうまい人が多い。
ポールもそうだけど。
そんな連中が集まってるんだもん、コーラスがキレイにキマってるわい。
「Vocals」と歌のパートが常に複数で表現されることからもわかるように、海外では複数の人間が同時に歌を歌う行為は、古来からごく当たり前のことなんだろう。
そして、海外のロックと日本のロックを決定的に異にしている要素のひとつは「コーラスの多寡」なんだよね。
ホント、素晴らしいショウでした。

180タマにはこんな一枚も。
しかし、背が高い!
マーロンくんもデカくなるんだろうな~。

200vMR.BIGの詳しい情報はコチラ⇒WOWOW ENTERTAINMENT公式サイト

T_0r4a3648(敬称略 2017年9月26日 日本武道館にて撮影)

2017年2月24日 (金)

Joe Satriani ~ Surfing to Shockwave Japan Tour 2017 <追補版>

単独公演としては15年ぶりの来日となったJoe Satriani。
イヤ~、素晴らしいショウだった!
私はJoeを観たのは今回が2回目。
前回はウェンブリーで開催されたMarshallの50周年記念コンサートの時だった。
前日のリハーサルの時、別室で彼が弾くところをすぐ目の前で拝見したが、「ギターのうまい人だな~」と思った。アレは大きな役得だった。
私も職業柄、数えきれないほどのスゴ腕のギタリストの演奏を目の前で見て来たが、とにかく「うまい!」と感じた。
それも、特に速く弾くわけでもなければ、トリッキーなプレイをするワケではまったくない。
何か呼吸みたいなものが独特なんだよね。日本人にはこういう感じの人はいない。
それと何せ出てくる音が素晴らしくてトリハダが立ってしまった。
そんな経験をしていたものだから今回の来日公演もとても楽しみにした。
今回のメンバーは…
Joe Satriani

10vギターとキーボーズにMike Keneally。
Mikeは2008年に単独で来日し、原宿アストロホールでホッピーさんや鬼怒さんと共演した時以来。
その翌日に新宿のディスクユニオンで弾き語りのミニ・ライブを開催した。Frank Zappaの「The Idiot Bustard Son」とビートルズ「And Your Bird can Sing」を取り上げていたっけ。
ご存知の通り、MikeはZappaバンドの最後のサイド・ギタリスト/ボーカルズを務めた人だ。
当時、Mikeが使っているアコギの仕事をしていた関係でフランクフルトの展示会で一緒になるのがすごくうれしくて、「Carolina Hard Core Ecstasy」のイントロの弾き方がを教わったりした。
すごく楽しかった。
20v
さて、MikeもMarshall。
Joeのシグネチャー・モデルJVM410HJSと1960Bを使用した。
キーボーズのソロ・コーナーもあったりして、比較的キーボーズの仕事の比重が大きかったが、ギターに関しては、時折訪れるソロやJoeとの掛け合いで素晴らしいテクニックと音楽性を見せてくれた。
この人、「天才」って言葉がよく似合う。

1_s41a0010 ベースはMikeの盟友、Bryan Beller。
Bryanもフランクフルトで何回も観たな。
Mikeと組んでアコースティックでZappaの曲を演奏していた。
超絶も超絶、やっぱり「Inca Roads」はすごい人気だった。
今回はステージ上手で派手なアクションをキメつつ、着実なプレイでバンド・アンサンブルを強固なモノにした。

30vドラムスはMarco Minneman。
今日は何だか「Frankfurt MESSE思い出の会」みたいになっちゃったけど、この人も10年以上前にフランクフルトで初めて観た。
それは某シンバル・メーカーが主催する、Thomas Lang、Johnny Rabbとのドラム・トリオのコンサートだった。
マァ、ドラムのゲップがいいように出たけど、「またエライ人が出て来たな~」と感心したものだった。
Eddie Jobsonの来日公演もこの人だったかな?
この人もZappa好きなんだよね。
今回もタップリとドラム・ソロですさまじいテクニックを見せてくれた。

40v Joeはもちろん自分のシグネチャー・モデル、JVM410HJSを使用。
指定キャビネットはすべて1960Bだ。
ステージにはハーフ・スタックが3台セットされたが、使用したヘッドは真ん中のみ。両端の2台はスペアだ。
キャビネットは向かって右と中央のモノを鳴らした。

1_s41a0004 セッティングは大変シンプルだ。
基本的にはJVMの2つのセンド&リターンのうち「Programmable Serial FX Loop」から外部のマルチ・エフェクターにつないでいる。
それとJVMのEmmulated line Outから信号を取り出して恐らくPAへ送っているのだろう。
西欧ではギターもベースのように、スピーカーをマイキングした音とアンプからのライン・アウト信号を混合して音作りをすることが多いらしく、JVMはその需要に応えるべくEmmulated Line Outを搭載した…なんてことをJVMの発売時にクリニックでずいぶん実演つきで説明したけど、日本人はゼンゼンこれを使わないね。
でも、こんな大ギタリストがこの機能を使っていることによって、JVMのEmmulated Line Outの優位性が証明されてヨカッタ、ヨカッタ。
後で変更になったかもしれないが、サウンド・チェックの時のコントロールは全チャンネルGAINが10。
MASTERは1、2とも6ぐらい。
このモデルはCLEANとCRUNCHのトーン・ヴォイシングが普通のJVMと異なっていて、OD1とOD2は若干歪みが抑え気味になっている。
OD系のセッティングはEQはすべて4ぐらい、VOLUMEは5。
繰り返すが、コレはサウンド・チェックの時のセッティングなので本番では大きく変わっているかもしれない。
ギター・テクの人が弾いた時はモッサモサな音だったんだけど、Joeが弾いたらアラ不思議!
鋭くも太く美しいサウンドが洪水のように飛び出してきた!

50コレがJVM410HJS。
見た目としての通常品との違いはフロント・パネルの上部がカバリング仕様になっていることと通常ホワイトのパイピングがゴールドになっていること、さらにストラップに1959等に使われているビンテージ・タイプのものが採用されている…ことかな?
機能的には上で触れたように、トーン・ヴォイシングが通常品とは異なる他、4つのREVERBがNOISE GATEに置き換わっている。
JoeはそれぞれTHRESHOLDを4にセットしていた。

60ショウはアンコールも含めて2時間。
チト、私は詳しくないのでよくはわからないが、セットリストはオールタイムベストといったところか…。
それにしてもスゴイね、あの完璧さは…。
自己の持ち得る能力を超えたところへ行って勝負するミュージシャンもいるが、たいていプロは持っている力を全部出さず、余裕を考慮して演奏するものだ。
人それぞれだけど、どうだろう、7割ぐらいの力で演っているのかね?
でも、Joeを見ていると7割どころか3~4割ぐらいで演っている印象を受けるナァ。
何というか、お茶を飲みながら楽しくおしゃべりをしている感じ?
それは、きっとJoeが「ギターを弾いている」ということよりも、「ギターで作った自分の音楽を奏でている」ということが伝わるからではなかろうか?
もちろんやっていることや出ている音は筆舌しがたいほどにスゴイんだけどね。
そして、この音の良さは何人も否定することができはしないだろう。
やっぱり真空管のアンプだよ…Joeは言葉では言わないかも知れないけど、彼のギターがそう言ってるじゃん!
ところで、Joeって還暦なの!?
若い!

70v(敬称略 2017年2月8日 中野サンプラザホールにて撮影)

2016年10月 6日 (木)

Marshall & NATALでVamp! Bamboo! Burn!

タイトルの『Vamp! Bamboo! Burn!』は「ヴァン!バン!バーン」と読む。
現在上演中の劇団☆新感線の最新作ミュージカルだ。
東京は全公演をソールド・アウトさせて終了。今は富山で公演中。
例によって職権濫用で東京公演前日のゲネプロを拝見したのだが、コレがも~メッチャクチャ面白かった!
細かい内容についてここでは一切触れないが、少々トリッキーな筋立てに、隅々まで丁寧に練り込まれた笑いを誘う言葉が素晴らしい。
さすがは宮藤官九郎さんの脚本。
そして、主演の生田斗真くんと小池栄子ちゃんの大熱演!
まったく一時も舞台から目を離せないのだ。
そして、この一編をさらに魅力的にしているのはその音楽。
劇団☆新感線の真骨頂だ。
私のようなオールド・スクールは聴いていてニヤリとさせられる曲も数少なくなくて、これまた最高に楽しむことができた。

10_2そのステキな音楽をサポートしているのが…まずはMarshall。

20こちらはMarshall Blogではおなじみ劇団☆新感線の音楽キー・パーソン岡崎司さんのMarshall。
いつも通りのJVM410Hと1960Aで安定かつ完璧なギターサウンドをクリエイトする。
40
今回参加しているもう一人のギタリストは前川紘毅さん。
同じくJVM410Hとこちらは1960B。
現在の公演ではJVM210Hを使用している。

30そして、ドラマーは松田翔さん。
今回もバッチリNATALだ!

50シェルはアッシュ。
フィニッシュはグレイ・スパークル。
翔さんはNATALのツイン・ペダルも大のお気に入りでいつも愛用してくれている。

60「ミュージカルの楽団」というと黒子に徹していることが多いが、今回はムフフ…NATALにうれしいことが!

70機会があれば是非ご覧ください!…と言いたいところだけどなかなかチケット取れないもんね~。
すいません、自分ばっかり。
でも、究極的におもしろかった!
やっぱりMarshallもNATALも最高だわッ!

Vamp! Bamboo! Burn!の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(2016年8月16日 赤坂ACTシアターにて撮影)

2016年6月 6日 (月)

Z'sもMarshall!~Z's TOUR 2016 -3rd CHALLENGEより

矢沢永吉が若手ミュージシャンを集めて結成したバンドが「Z's」。
以前、ichiroちゃんが参加していたためMarshall Blogで紹介させて頂いたことがあった。
2014年6月のことだ。
Z'sについてもう一度説明すると、1,000名以上の応募者からメンバーを選抜した矢沢永吉のバンドだ。
そして、今年も『Z's TOUR 2016 -3rd CHALLENGE-』と銘打ったツアーが敢行され、締めくくりには幕張メッセ 並びに神戸ワールド記念ホールが興奮のるつぼと化した。
そして、そこで活躍したのはMarshall!
今日は幕張メッセのMarshallのレポートだ。

10フレット・クロスではなく、フロントにカバリングが施されたJVM410HはJoe Satrianiモデル。
JVM410HJSだ。
上段がメインで下段はサブ。
キャビネットは通常の1960A。

20足元のようす。
しっかりJVMのフット・コントローラーが組み込まれている。
ラベルを除くとch1から…Clean、Clean/Red、Crunch、Crunch/Red、Heavy、Soloとなっている。
ナント多彩なセッティング!
JVM410Hを使っているプロ・ギタリストは多いが、これほどバラエティなサウンドをフット・コントローラーで操っている人は他に知らない。
しかも、簡易ミキサーを使って、本人以外にソデに待機しているギターテクの方もフット・コントローラーの信号をJVMに送れるようにしていた。
設計者に確認したところ。この方法がJVMやフット・コントローラーにダメージを与えることはないが、セッティングの順番によっては片方のフット・コントローラーしか作動しないことがあるので注意。

30そして、このMarshallの弾き手はこの方、椿本匡賜(つばきもとまさし)。
過酷なオーディションをパスした実力の持ち主だ!

椿本匡賜の詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAl WEBSITE

40(一部敬称略 2016年5月10日 幕張メッセにて撮影)

2016年4月12日 (火)

杉本篤彦のニューアルバムはJVM!~公開レコーディングの現場から

ソウルフルでR&B、ゴキゲンなジャズを聴かせてくれる杉本篤彦。
Marshall Blogに登場する数少ないジャズ・ギタリストのひとりだ。
その杉本さんが公開レコーディングを敢行するということを耳にし、現場にお邪魔してきた。
30

これがそのニュー・アルバム『Tomorrow Land』。
露出を抑え、低い色温度の風合いのジャケットがまずいい。

10cdレコーディングは基本的に「せーの」の一発録りだ。
まずはリハーサルで曲を確認。
20
杉本さんのギターの他にメンバーは…
キーボードの星牧人

40ベースは平岩カツミ。

50ドラムに板垣正美

60そして、杉本さんはMarshall!
そうでなきゃMarshall Blogに登場しない。

70v今回はJVM201Hと1936。

80v_2もちろん使うのはクリーン・トーン。
CLEAN/GREENで歪まない設定にして、キャビネットにはキャスターを装着した。
杉本さんはフルアコのようにかなりボディ鳴りのよいセミアコをご使用になっていので、低音がダブつかないよう配慮したのだ。
…というといかにもこの時に試行錯誤を重ねたように思われるかもしれないが、実はこのセッティングは昨夏の葉山ジャズで実証済み。
あの時の音

があまりにも素晴らしかったので、同じ組み合わせでレコーディングに臨んだというワケ。

90杉本さんは以前、トランジスタ駆動のMarshallの汎用モデルMGシリーズをご使用されていたが、
それでもバツグンにいい音を出されていた。
トランジスタ・アンプといって侮ることなかれ、ジャズ・ギターの大巨人、Wes Montgomeryもトランジスタ・アンプで進撃を重ねたのだ。

100でも、やっぱり真空管アンプの方がいいな。
ウォームさが違う。かといって甘ったるくなりすぎず、キリっとした音像が実に気持ちいい。
とにもかくにも「いい音」としか言いようがあるまい。

110vバックを務めるのは、他の現場でも杉本さんの作品を演奏する機会がある方々だが、初めて演奏する曲もないワケではない。
それなのにシレっと曲をさらっただけでリハーサルは終了。
ま、ジャズの人はみんなこうなのは先刻承知だけど、やはり演奏技術の高さに舌を巻いてしまう。
今のMarshall Blogで書いたかどうかは定かではないが、私の大学時代からの親友で現在プロで活躍しているサックソフォニストがいる。
彼に誘われてある小編成のジャズ・オーケストラのコンサートにお邪魔したことがあった。
ゲストで有名な男性ボーカルが登場して、スタンダード曲の「Too Close for Comfort」をMel Tormeの『Swings Shubert Alley』のスコアで演奏した。
ジャスを聴き始めたころよく聴いた好きなレコードだったし、Sammy Davis Jr.も愛唱していた大スキな曲だったのでうれしかった。友人は確か2番テナーを吹いていた。
彼も無類の酒好きで、帰りに「ウチでイッパイやっていかないか?」と誘うと、気持ちよくそれに応えてくれた。
早速イッパイやり始めた。BGMは当然ジャズだ。「そうだ…」と思い出して、『Swings Shubert Alley』をかけた。
1曲目に収録されているのがその「Too Close for Comfort」なのだが、彼は曲が始まってしばらくしてこう言った…。
「アレ?コレってオレたちがさっき演った曲じゃん?」
こっちはそれをわかっていてそのCDをかけたんだけど…。
彼はこの曲を知らなくて、ステージで初見で吹いたというのである。
それに驚くと、「え、なんで?それができなきゃお金は一銭ももらえないじゃん?」と涼しい顔をして言ってのけやがった。
イヤ、音楽家なんだから譜面がスラスラ読めて当たり前なんだけど、こちとら「ロックの国から来た人間」だからして、こういうことに心底驚いちゃうんだよね。
だって、ロックのギターの連中が「譜面」と呼んでいる、コード進行とちょっとしたキメの譜割りが記してあるモノとはワケが違う。
職人ってのはホントにスゴイ。
でも、上には上がいて、モダン・ジャズの開祖にして人類史上最高のアルト・サックス奏者Charlie Parkerは、自身の『With Strings』というアルバムのレコーディングにクラシックのミュージシャンを呼んだ時、彼らの読譜力や演奏能力に舌を巻いたというのだ。Parkerが驚いたということに驚く。クラシックの曲の譜面ってホントすごいもんね。
ま、何はともあれ、家で寝っ転がって、ジャズでもクラシックでも好きなCDでも聴いているのが一番ラクでいい。
これを書いていて思い出したけど、その友人がウチに来た別の機会に飲み過ぎてヒジが滑り落ち、座っていたイスのひじ掛けに脇腹を強打してしまったことがあった。
酔いが醒めてみると、どうにもその脇腹が痛い。
何日経ってもまったく痛みが収まらないので、病院でレントゲンを撮ってみたら見事にアバラ骨にヒビが入ってやがんの。
アレ、手術するほどじゃもちろんないし、治療のしようがないっていうんだよね。放っておくより仕方がないという。
しばらくの間ものすごくツラかった。
ハイ、本番の準備ができたようなので今日の脱線終わり。

115お客さんが入って会場の空気が変わる。

120_2…といたいところだけど、4人とももう完全に音楽に入り込んでいて、周囲のことなどまったく意に介さないようす。

130_2

140v_2

150v_2

160v譜面を掲げて杉本さんが曲を紹介し、レコーディングの段取りが説明される。

170コレ、杉本さん直筆の譜面。
メッチャクチャきれい!このまま販売できる。
愛用の写譜ペンを使用されているとのことだが、コレなかなかうまく使えないんだよね。
私も昔チョットやってみたけど、グチャグチャになっちゃってとてもこうはならなかった。
杉本さんの書く譜面は「読みやすい」とミュージシャン仲間からも好評なのだそうだ。
この譜面書きの作業もかなり性格が現れるよね。

180_2杉本さんらしいハート・ウォーミングかつソウルフルな曲が聴く者の心をとらえて離さない。

200vバックの皆さんも杉本さんの頭と心の中にある音を、正確に自分の担当楽器の音に変換していく。
240
このピリピリ感がタマらんね!

210vプレイバックを聴く。

190
星さんが手直しを希望して、演奏を差し替える。
こんなところも見せてくれちゃうのだ。
でもね、どこがマズかったのかがサッパリわからん!
手直ししてもどこが良くなったのかメッキリわからん!
自分の耳の悪さと才能の無さが身にしみるわい。

220しっかしギター、いい音だな~。
Marshallを敬遠するジャズ・ギタリストもいるけど、全然使い方次第だと思うんですけどね。
John Abercrombieなんて実にいいと思うけどな。
逆にクセのあるアンプだけに、杉本さんみたいに武器にしてしまえばいいのよ。
杉本さん、今度はASTORIA CLASSICだな…絶対お気に召していただけるハズ。

230こうしてベーシック・トラックがライブ感満点でレコーディングされ、後日他のレコーディング・スタジオで若干の手直しが施された。
もちろんそちらもJVMを使って作業が行われた。

250Marshallのジャズ・サウンドにあふれた杉本さん渾身のニュー・アルバム『Tomorrow Land』…あなたにも是非お聴き頂きたい!

10cd

杉本篤彦の詳しい情報はコチラ⇒杉本篤彦オフィシャルブログ

260(一部敬称略 2015年12月26日 都内某レコーディング・スタジオにて撮影)

2016年4月 5日 (火)

『さかいゆうTOUR 2015“ジャスミン”』のTAK TANAKA with Jubilee

人気シンガーソングライター、さかいゆうが最新シングル「ジャスミン」を引っ提げて全国5大都市をめぐる『さかいゆうTOUR 2015“ジャスミン”』の千秋楽。
会場は超満員の中野サンプラザホール。

10_2ギターは田中”TAK”拓也。

20v背後に控えしMarshallは…

30vSilver Jubilee 2555Xと1936V。
Marshallスタック生誕50年を記念して昨年発売したJubileeは世界的に大ヒット!
デジタル商品が跋扈するギター・アンプ界の現況にあって「真空管アンプ健在!」を見せつけてくれた。やっぱり真空管アンプは音がいいからね~。
また、Vintage30を搭載したこの1936Vがいいんだ~。
ただし、ビンテージ系のヘッドにはマッチしない場合があるので要注意。音が固くなっちゃうの。

40v足元のようす。

50リバーブはセンド&リターンにつないでいる。

60あ、Marshallもリバーブ・ペダルはあるのはご存知?
こういうのね。
誰よ?久しぶりに見た…なんて言ってるのは?
エフェクター天国の日本は、皮肉にも熾烈な競合状態にメーカーは地獄を見ているけど、このMarshallのエフェクター・シリーズはかなりのロングセラーで世界的に普及しているのよ。
このリバーブ(RF1)をはじめ、モジュレーション(RG1)、ディレイ(EH1)等のデジタル空間系3兄弟は歪み系ペダルよりスタートを後にしているが、その歪み系他の先行組の発売は2000年だからね。
もう足掛け16年も販売を継続している。
コレ実は、1959や1962等のビンテージ系や1960を別にすればかなりの長寿商品なのよ。
発売当時のことを思い出すナァ。とにかく輸入しても輸入してもすぐに売れて足りなくなっちゃってね…予想通りGuv'norIIが一番の人気だったんだけどJackhammerのスゴイ人気ぶりには予想を完全に裏切られた。
しかし、「隠れた長寿商品」の王者は何と言ってもアコースティック・アンプのASシリーズだと思うがね。

3_reflector_rf1_top_left もしかしてMarshallの現行のエフェクターを話題にしたのはMarshall Blogで初めてかな?
…というのは、最近ASTORIAの試奏でMarshallのこのシリーズのエフェクターを色々とイジくっているんだけど、シンプルですごくよくできてるもんだからサ…改めて見直しちゃったってワケ。

Ap ベースは種子田健さん。
3_s41a0625
ベース・アンプはEDEN。
ヘッドはWT-800、キャビネットはD410XLTとD115XLTだ。
70v
EDENの超ヌケヌケサウンドを味方にバンドを思いっきりうねらせる!
190
いつもココに書いているように、私はいつもヘンテコリンな音楽ばかりを聴いているので、失敬ながらさかいゆうさんの音楽を聴くのがこの時が初めてだった。
演る曲、演る曲、どれもクォリティが高く、サンプラザを満員にするような大きな人気を誇っていることに素直にうなづけた。

80そして、緩急自在、曲のドラマに合わせて絶妙なギタープレイを披露するTAKちゃん。
オッと、失礼。ウチの下の子と同じ名前なもんだからつい気安くなってしまう?
バラードでも…
100

アップテンポの曲でもJubieeがバッチリと弾き手をサポートする。

90vTAKちゃんと知り合ったのは諸星かーくんのところでのこと。sun-goさんのご紹介だ。
その時はMarshallではなかったが、とてもいいギターを弾く人だと思ったら、それもそのハズ、バークリーでキチンとした音楽教育を受け、LAで活動していたというのだ。
道理でKenny Wheelerのことも知っていたワケだ。

Kenny Wheelerについてはコチラをご参照あれ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】vol.21~メリルボーン周辺

110vで、今回なおさら驚いたのはアコギの腕前。
ショウの中盤にさかいさんがバンドではなく、ギターやピアノだけをバックに歌うコーナーがあって、「メチャクチャかっこいいギターをバックに歌います」とTAKちゃんを紹介した。

120すると抜群のグルーヴとテクニックでアコースティック・ギターを操って見せてくれたのだ。
アッパレ。
ちなみにアコギの時はJubileeはお休み。
その代りに専用のアコギ・アンプを使用していた。
さっきちょっと触れたMarshallの超ロング・セラー・アコギ・アンプのASシリーズでないのは残念だが、ちゃんとアコギもアンプで鳴らしていたのはさすがのアメリカ仕込み。

130vアコースティック・ギターを弾く時、日本では「アコギ・アンプを使うことはない」とは言わないが、ラインの使用が標準だ。ところが、海外ではアコギ・アンプはステージの必須アイテムだ。
アメリカを代表するフィンガーピッカーにかつてその理由を尋ねたことがあったが、自分の手元で音作りができ、リアルなサウンドをモニタリングできるというのがその理由。
しかし、ラインではなく、アコギ・アンプを使う一番大きな理由は、音のパンチ力が段違いにいいということだそうだ。
下がさっき「隠れた長寿商品」として触れたそのASシリーズ。

3_as そして、TAKちゃんのソロ!

140待ってましたとばかりに大爆発!
TAKちゃんの見せ場ということだけでなく、Jubileeサウンドの聴きどころだ!

150vナント、こんなことまで~!

160vそこは腕利きギタリストのこと、やたらメッタラ弾き狂うことはなく、さかいさんの音楽を第一に考慮してのバランスのとれたソロを披露した。

170vでも、アクションもバッチリのTAKちゃんなのであった!
いろんな仕事をしているTAKちゃんのこと…次に一緒になる現場はどこかいな?
その時が楽しみだ。

180v(一部敬称略 2015年12月19日 中野サンプラザホールにて撮影)



2015年12月16日 (水)

劇団☆新感線のMarshallとNATAL

ロック・フィーリングあふれる楽しいミュージカルで圧倒的な人気を誇る劇団☆新感線。
その旗揚げ35周年を記念した特別な催しが開かれた。
題して『新幹線MMF』。
新感線の舞台といえば欠かせないのはギンギンのロック・バンドだ。
この特別なステージにも新感線ではおなじみのメンバーが結集した。

10ギターは岡崎司

20vギター、高井寿

30vキーボード、松崎雄一。

40vキーボードは松田信男。

50vベースは大桃俊樹。

55そしてドラムは松田翔

60vその記念すべきステージで活躍しているのがMarshall。

70岡崎さんはJVM410Hと1960A。

80v足元のようす。

90上手の高井さんもMarshall。
マスクでお顔がよくみませんが~。高井さんは夏にもMarshall Blogにご登場頂いているので気になる人はコチラをチェック。

100松田さんもJVM410Hと1960Aだ。
ッシャ~!ステレオでJVM!気持ちいい!

110v足元のようす。

120MarshallだけでなくNATALも大活躍だ。

130翔くんが使用しているのはアッシュのキット。フィニッシュはグレイ・スパークル。いつぞやブライアン・ティッシーが使っていたのと同じ材とフィニッシュ。

140コンフィギュレーションは12"、13"、16"、22"。

150翔くんはNATALのツイン・ぺダルもエラク気に入ってくれている。もんのすごい踏みやすいそうだ。

160写真はリハーサルのようす。

170vところで、このショウのタイトル、「MMF」とはなんぞや?

180

音楽のMusic、映像のMovie、祭りのFestival、それぞれの頭文字を並べたそうだ。わかりやすい!

190つまりライブ演奏で新感線の歴史を振り返る…という内容。

20035年の歴史の中から選りすぐった作品をライブでプレイ。その当時の舞台の映像をビッグ・スクリーンで上映するという企画なのだ。

210vコリャ長年のファンにはタマらんわね~。
また、新しいファンには過去のステージを疑似体験する最高のチャンスとなったワケだ。

230vそして本番。会場は超満員。
公演は二日間行われた。

240イヤ、コレがまたメチャクチャ面白い!

245写真には写っていないが、バラエティに富んだ役者さんが次から次へとステージに現れては熱唱する。
上に記した通り、背面の巨大なスクリーンにはその公演の当時の映像が映されるのだが、役者さんが実際に歌っているのと完璧にシンクロしているので、二つのステージを同時に見ているような感じ?

250演奏は完璧!
MarshallもNATALも名うてのテクニシャンに操られて最高のサウンドを出しやがる!

260でね、この曲がいちいち面白い。
「アレ?この曲どっかっで聴いた?!」…なんて、私なんか何度もお終わらいしてしまった!
加えて古田新太さんの司会が実におもしろい!
イヤ~、素晴らしいショウだった。役得、役得!

270劇団☆新感線の詳しい情報はコチラ⇒オフィシャルサイト

2801965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます。まったくはかどりません)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2015年10月30日 豊洲PITにて撮影)

2015年12月 7日 (月)

Marshallだより~Joel Mananの最新バックライン情報 (2015年12月号)

忘れた頃にやって来るMarshallのアーティスト担当、Joelからのアーティスト情報…というよりバックライン情報。
また急に送って来たよ。
今回はイギリスもフェスの季節が終わり、比較的おとなしいヤツが揃ってる。
ところで、このJoelという名前。
Billy Joelなんかの影響で我々は何の抵抗もなく「ジョエル」と発音するが、ネイティブの連中がJoelのことを呼ぶ時、どうも「ジョール」って言ってるんだよね。「ジョエル」には絶対に聴こえない。
「Joe」が入ってるもんね。
ちなみにこの「Joe」は「Jacob」の愛称。この愛称のことは正式には「ニックネーム」ではなくて「ディミニュティブ(diminutive)」という。
「Joe」は「John」とは関係ない。だから矢吹丈のパスポートには「Jacob Yabuki」と書いてある…ワケないな。
Jon LordとかJon Andersonみたいな「h」が入っていない「ジョン」は「Jonathan」のディミニュティブでこれまた「John」ではないので要注意…って注意する必要はなかなかないか。
で、私も最近はマネっこして「ジョエル」のことを「ジョール」と呼ぶように務めている。

さて、最初のバックラインは1987Xと1960Xのフルスタック。
ナンダ、ナンダ?パーティの後か?
いいね~。やっぱりこの出で立ちはタマらんね。
大スキ。

M_10オーナーはシドニーのポップ・パンク・バンド、5 Seconds of Summer。略して5SOSって言うんだって。
デビューは2011年。バンド名をタイトルにしたファースト・アルバムを発表すると11カ国でナンバー・ワンをマークした。

M_20_3 お次はBring Me The Horizon。
人気あるネ~、このバンド。

M_30ステージにドバっと並ぶ1960がトレードマークだけど、今日はヘッドを紹介。
オーナーはLee Malia。

M_50v

意外にココもコンサーバティブだ。
1987XとJCM800 2203の三階建て。
何年か前のOZZ FESTで観たけど、彼らの演奏はコレらのモデルが出て来た頃の音楽とは似ても似つかないモノだ。
1987は1966年、2203は1981年の発売。
さすがMarshallやね。上の5 Seconds of Summerもそうだけど、時代を突き抜けてる。
一時期の流行でステージに並ぶアンプとは土台ワケが違う。ロックの歴史を作り、そして作り続けているギター・アンプなのだ。
君たち、若いのにようわかっとるやないけ!

M_40v何かを試しているDave Mustaine。

M_60vコチラはSlayerだよ。
JCM800 2203KKの三段積み。もちろんKerry Kingのラック。

M_70v2203KKもすごくいいアンプだった。

M_80vコチラはJeff Hannemanの後をついで加入したGary Holtのヘッド。

M_90vJCM2000 DSL100が三台ラックに収まっている。

M_100左がジョール。右はグレース。
Thank you for the nice photos as always!

前回のJoelのバックライン情報はコチラ

M_110v(敬称略)

2015年12月 2日 (水)

Paul Weller Live in Japan

正直が取り柄のMarshall Blog。
知らんモノは知らんとハッキリいうことを「是」としている。あ、ハッタリは時折かましてます。
で、The Jamとか、世代が違うんですよ。
だからPaul Wellerのことについてもまったくといっていいほど存じ上げません。
あ~あ~、言わなきゃいいのにね。
でも、知りもしないことをゴチャゴチャ書くのはマッピラごめんだし、そもそもアーティストに対して失礼だ。
そんなことを考えながら記すPaul Wellerの来日公演。

10でも、PaulとMarshallの結びつきが強いことはよく知ってる。
2009年、MarshallはPaulの50歳を記念してシグネチャー・モデル1987PWを世界限定50台でリリースしたのだから。
日本にも数台が入荷してすぐに完売したのを記憶している。
そして、Marshallはこのモデルの売り上げを「ChildLine」という、いじめや児童虐待等の影響を受ける児童を相手にする電話カウンセリングを行う慈善団体に寄付したのだ。

20さて、このPaulのシグネチャーモデル。1987PWというモデル・ナンバーにはなっているが、元は2100 Lead & Bassという2x12"コンボだ。
Paulの大のお気に入りのモデルで、長年にわたり愛用している。今回の来日公演でもそれを使用した。
下段はエクステンション・キャビネット。
LCフレットのフル・フェイスってメッチャかっこいいよね。大スキ。

30vこの2100は1973から1976年までの間、通信販売だけで流通していたレア・アイテムだ。
JCM900の2100と混同しないように。
昔、頭の二ケタがモデルのスタイルを表していた時期があった。すなわち「19」がヘッド。「21」がコンボを意味していた。
だから2159は1959のコンボ(記録では日本未上陸)、2187は1987のコンボのモデル・ナンバーだった。
そして、2100はMarshallの中でも変わった設計のモデルとされている。

40シグネチャー・モデルの型番にあるように設計の母体は1987。すなわち50W。
「LEAD & BASS」の名が示す通り、ひとつのチャンネルがギター用、もう一方のチャンネルはベース用になっていた。
「これ一台でベーシストと楽しくジャムっちゃおう!」みたいな企画だったのであろうか?
当然、他の4インプットのモデル同様にリンクすることができ、より多彩な音作りが可能になっている。

45チェックしなかったけど、後ろのは1962かな?
もうひとつ面白いのはこのコンボのヘッド・バージョンは1964というモデル・ナンバーで存在しているが、LEAD & BASSという観点からすると、100Wバージョン・ヘッドはMarshall名義では製造せず、CMIでしか作らなかった。

50写真を撮っていたらツアー・マネージャーのロジャーが親切にもピロっとPaulのピックを置いてくれた。

60これがそのピック。もらってきちゃった!モッズファザー…カッコいいね!

70a

70b そして、こちらはドラマーBenのキット。
フロント・ヘッドは取り換えられているが、NATALのバーチだ。

8012"、16"、22"のコンフィギュレーション。
スネアもペダルもNATALを愛用している。

90ショウがスタート。
有名なGreatful Deadの熱狂的オッカケ「Dead Head」よろしく、「Weller Head」ともいうべきイギリス人カップルがいる。Paul Wellerの行くところ世界中追いかけてショウを楽しんでいるのだ。
開演前に少し話をしたのだが、この人たちがまた感じのいい人達で面白かったナ。PaulのTシャツを買いたいんだけど、「サイズが小さくて着れん!」とガッカリしていたっけ。
そのカップルはシッカリ最前列を陣取っていたので、私がプレスピットに入ると肩を叩いて声をかけてくれた。

100曲はまったくわからないけど、ストレートにロックする姿は見ていて実に気持ちがいい。
満員の観客もノッケから大ノリだ。

110vそれでですね、Paulはすごいジェントルマンだったのですよ。
スタッフの人から私がお邪魔していることを聞きつけると、私のところにワザワザ来てくれてキチッと挨拶してくれた。ビックリしちゃったよ!
差し出した手を握ると、とても柔らかくて温かかった。

120ドラムのBen Gordelier。

130vPaulのバンドはツイン・ドラムでBenはパーカッショニストとしての役割もこなしていた。

140実はPaulを観るのは二回目だ。前回は2004年の「Rock Odyssey」というイベントだった。
ナンカあの時よりもイキイキとして元気そうだった。
私より4つ年上か…。
実際に面と向かって会ってみると、細身で貫録があって実にカッコいい。
やはり一世を風靡した人ってのは雰囲気が違いますな。

11s41a4098Paulは今年五月に『Saturns Pattern』というアルバムを出したばかり。Benのバスドラム・ヘッドのデザインはこのアルバムのジャケットだ。

Cdp このアルバムからのレパートリーを中心に新旧を取り混ぜた20曲。そして二回のアンコールで8曲を演奏。すごいサービスだ。日本のファンをいかに大切にしているのかが感じ取れる。

11s41a4190_2 Paulを盛り立てるバック陣の演奏もソリッドでカッコいい!

170

Paulはかつてのインタビューで「ピックアップのスイッチをひねるだけで俺はMarshallの音色を自由自在に操れる。うるさいラウドな音色から、美しいクリーンな音、温かいベースの効いた音に至るまで」…と言っている。

160イヤ、まさにそうなんですよ。
ショウが始まる直前、ジャラーンとコードを試し弾きした瞬間、マジで驚いたね。
思わず小声で「ウワッ!音いい~」とつぶやいてしまった。
いかにもビンテージのMarshallのリッチな音色で、6本の弦の音がひとつひとつバラバラに聞こえて来るような素晴らしいバランス。
ソロではシャープなトーンで愛用のテリーを唸らせる。
Paulの言葉通り2100をうまく使いこなしていた。

11s41a4237 The Jamの曲も何曲か披露され、長年のPaulファンにはタマらない内容だったハズだ。

180Paul Wellerの詳しい情報はコチラ⇒Official Website(英語版)

1901965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2015年10月14日 Zepp Diver Cityにて撮影)

2015年8月31日 (月)

劇団☆新感線~『五右衛門 vs 轟天』

雨の赤坂。
チョット前まで「アツイ、アツイ」と文句を言っていたのがウソのように涼しくなった。あんなに暑くて悶え苦しむのもホンノ十日間ぐらいのもんなんだよね。
それぐらいの間、文句を言わずに過ごしたいとは思うけど…できないね~。ホント暑かった。

今日来ているのはACTシアター。
私がお隣のBLITZにはしょっちゅう来ていることは、マーブロ読者の皆さんならご存知の通り。
でもこの棟続きの隣の劇場にお邪魔するのは初めて。

10フ~ン。中はこんなんなってるのか…。
私は劇場の類が好きでしてね。
海外の古い劇場なんてものすごく魅力に感じるのだ。
ブロードウェイでもウエスト・エンドでも、由緒ある劇場はその作りの荘厳さの魅力もさることながら、演劇や音楽の歴史に名を残すような世界的な演者がそのステージに立った、というロマンがたまらないのだ。

20今、ここでかかっているのは、劇団☆新感線の『五右衛門vs轟天』というロック・ミュージカル。
2015年で旗揚げから35周年(!)を迎えた劇団☆新感線。
この公演は「オールスターチャンピオンまつり」として上演される新作だ。
古田新太と橋本じゅんという劇団の看板役者が「石川五右衛門」と「剣轟天」というハマリ役に扮し、演技の火花を散らすアクション爆笑活劇なのだ。

210

ステージに目をやると…お、NATAL!
アララ、何か悪いことでもしたのかッ?檻に入ってるじゃないか!

40…ということではなくて、ステージ上のミュージシャン・ブースだ。オケピみたいなもんだね。
これが素舞台のようす。
30
NATALの叩き手はおなじみ松田翔
マテ・カマラスブリーフ&トランクスのステージでNATALをプレイしてMarshall Blogに登場してくれている。

50v今回はアッシュのキット。
70
12"、13"、16"、22"のコンフィギュレーションでフィニッシュはシルバー・スパークルだ。
今まではバーチを使っていたが、今回はアッシュ。
鳴りと歯切れのよさが今回のステージにピッタリだ。
アッシュ、人気あるな~。

60翔くんのところから客席を見るとこういう感じ。
ナンカいいな~。秘密基地みたいで。
他のバンドのメンバーとアイ・コンタクトがまったく取れないので、モニター・テレビが設置されている。
昔、ブロードウェイで観たミュージカルで、何人かのダンサーが何の合図もなしに見事にシンクロさせて踊るシーンが何回もあって、「一体どうやってタイミングを合わせているんだろうか…。星一徹みたいな人が客席にいて、サインでも出しているのかな?」と不思議に思ったことがあった。
答えは簡単。後ろを振り返ったところに答えがあった。
二階席の舞台側の壁、すなわち二階の一番前の席の外側にモニター・テレビが何台も取り付けられていたのだ。
ま、そんなもんでしょうね。ところであのミュージカル、ナンっていったけナァ~?

80上手側のブースはギタリストがこもる。
ドワ!スゲエ変なフレーズ弾いてる…カッコいい~!
お、外に誰か写ってる。楽器テクの貴くんだ。

90おお~、アンプはJVM410Hと1960A。
もうコレを見ただけで、このミュージカルがいかに「音」にこだわっているかがわかるというもの。

100足元のようす。

110手元のようす。
小道具も準備万端。

120ギターのブースからの眺めはこんな感じになる。視界がかなり狭い!

130リハーサルが始まった。

135Marshallの弾き手は高井寿

150高井さんも劇団☆新感線がらみのSKOMBというバンドでMarshall Blogに登場してもらった

1_s41a6413
すんばらしい激ハード・ロック!
Marshallサウンド炸裂~!やっぱりロック・ギターは真空管アンプで鳴らすに限るワイ。

1_s41a6417 ベースは福井ビン
このミュージカル、バンドにキーボードがいない。どれだけロックなの~?

170その頃、ドラム・ブースでは…

180翔くんがバッシンバッシン猛烈なビートを叩き出している!
ん~、アッシュで正解。
どこへ行っても「音がいいね~!とお褒めの言葉を頂戴しているNATALの本領ハッキ~!!

190v本番中は撮影ができないので、リハーサルの様子をお送りした次第。
7月29日が杮落しだった本公演も明後日に千秋楽を迎える。残すところ今日を含めてあと三公演。
レポートが遅くなっちゃって恐縮ですが、ロック・ミュージカルがお好きな方はゼヒ!

200『五右衛門 vs 轟天』の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

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1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年8月26日 赤坂ACTシアターにて撮影)

2015年8月11日 (火)

ichiro Plays JVM~長渕剛 10万人オールナイトライヴ2015

でっかいリハーサル・スタジオに…

10Marshall!
JVM210Hが2台とキャビネットは1936だ。

20ココは8月22日、富士山麓で夜9時から翌6時まで10万人を集めて開催される長渕剛のオールナイト・ライヴのリハーサルをしているスタジオなのだ。

30弾き手はichiro。

40ichiroちゃんはブルース系の仕事の時にはT1987(トレモロ搭載の1987)、ロック色の歌伴の時にはJCM2000 DSL100やVintageModernのコンボ2266Cなどを現場に合わせて使用して来た。
今回はJVM。
だからJVMはスゴイってんだよね。ichiroちゃんのようなギターを弾くために生まれてきたようなウルサ方から爆音だけでストレスを発散させようとするパワー満点の若者までを満足させる。
こんなギター・アンプは他にない。
これは、「JVMは何でもできる」ということが言いたいワケではなくて、ただただひたすらJVMはいい音がたくさん詰まっている…ということ。

50足元のようす。

60マァ、笑っちゃったのが、このギター群。全部ichiroちゃんのモノ。
絶え間なく増え続ける私のCDを指して、よく家内から「こんなに買ってどうすんの?聴いてんの?少し処分したら?」なんてバチ当たりなことを言われるが、ん~、それをそのままichiroちゃんのギターに言いたくなっちゃう感じ?
そもそもichiroちゃんがレスポール弾いてるところなんかついぞ見たことない!
しかし、これこそがプロの道具なのだ!
玄翁でも包丁でも聴診器でも、「プロの道具」ってのはカッコいいもんだ。

70実はコレ、使用ギターの選択中なの。
お邪魔した時はまだリハが始まったばかりで、これから使用するギターをギュっと絞り込んでいくところだったのだ。
でも、もっとスゴイのは長渕さんのギター。
コレの3倍ぐらいのアコギが奥の方にドバーっと置いてある。
あんなに同じギターが大量に置いてあるのを初めて見た。ギター工場でもこんなんなってない。はたまた、NAMMでも楽器屋さんでも見たことない!壮観でした。

808月22~23日、富士山麓で素晴らしい音色を聞かせてくれるのは「オウム」ではなくてJVMだ!
Go Go ichiroちゃん!
(↑一応言っておくけど、この下りシャレになってます。ヒントは2.2360679。電卓でこの数字を二乗してみて!
あ、スミマセン!今、「フェルマーの最終定理」の本を夢中になって読んでるもんですから、つい数学ネタが…)

ichiroの詳しい情報はコチラ⇒ichiro WEB SITE
長渕剛 10万人オールナイトライヴ2015 in 富士山麓の詳しい情報は⇒コチラ

90v※Marshall Blogは明日より夏休みを頂きます。再開は19日(水)を予定していますが、号外を掲載するかもしれませんし、気が変わって何やらアップするかも知れません。
それとは別に、Shige Blogでは『イギリス紀行2015』を掲載中です。
夏休み中、お時間のある時にスイカでも召し上がりながらご覧頂き、涼しげな(寒そうな)イギリスの風景で暑気をはらって頂ければうれしく存じます。

Shige Blog『イギリス紀行』はコチラ⇒Shige Blog

Marshall Blogをご愛読くださっている皆様、よい夏休みをお過ごしください!


(一部敬称略)

2014年7月25日 (金)

ichiro Plays Marshall~Z's START ON TOURより

2014年3月に結成された矢沢永吉の新しいバンド、Z's(ゼッツ)。
矢沢さんのむき出しの魂と若手メンバーによる若く熱いエナジーのぶつかり合い!
そのZ'sの「Z's START ON TOUR」と冠した全国ツアーにサポート・ギタリストとして参加したのがおなじみichiro。
そして全公演でichiroちゃんを完璧にバック・アップしたのがMarshallだ!

10v 矢沢さんのサポートでは、以前JCM2000 DSL100を使用していたが今回はちょっと小ぶり。

201987Xと1936のコンビネーションだ。

30予備としてビンテージの1987T、50WのSUPER TREMOLOも準備されていた。

40足元のようす。大分シンプルになったナァ…。

50矢沢さんのコンサートはもちろん今回が初めてではなく、以前は武道館や屋外競技場等で拝見した。
今回はZepp Tokyoというライブハウスでのステージということで大分雰囲気が違った。
客電が落ち、紗幕にZ'sのポートレイトが映し出され、Freeの「All RIght Now」が流れる。
会場は一糸乱れぬ「永ちゃん」コール!
やはり巨大な会場とは異なる一体感の強さに感動を覚えずにはいられない。
このすさまじいまでの興奮に包まれた一大ロック・ショウにMarshallが関わっていることを誇りに思った。

ichiroの詳しい情報コチラ⇒ichiro WEB SITE

Img_0099 (一部敬称略 2014年6月4日 ZEPP TOKYOにて撮影)

2014年7月23日 (水)

Jeff BeckのMarshall 2014

Jeff Beck、ジェフ・ベック、じぇふ・べっく…どう考えてもまず名前がいいよな…。

そして、その名を口にしてみる…
じ・ぇ・ふ・べ・っ・く
……すると問答無用で浮かび上がってくるのは白いストラトキャスターを下げたギタリストの姿だ。
人気、実力、キャリアをギター1本に詰め込んで時代を超えて常に前進し続ける真のアーティスト。
「他の追随を許さない」とは、まさにこういう人のことを言うのだろう。実際、古今東西、他にこんなギタリストいないもんね。

4月の来日公演、私がお邪魔したのは東京ドームシティホール3daysの初日だった。
満員のお客さんを前に、いつも通り次へと次へと代表曲を淡々と弾きこなすようすに力みはまったくなく、まるで息を吸うように自然だった。まさにギターを弾くために生まれてきた人間を見た。

いつぞはJeffがステージに現れた途端、観客が総立ちとなり、まさかのスタンディングでショウを観たことがあったが、今回のお客さんは実に落ち着いていて、イスに座りながらジックリとJeffの音楽を楽しんでいたのはとてもうれしく思えた。
いい音楽を聴くにはこうでなきゃ。

今回もMarshall。
JeffがMarshallを愛用してくれていることはうれしいことこの上ないが、輪をかけてうれしかったのはステージ上のホンモノのJeff Beckを撮影したことだ。
ま、正直「オレもいよいよここまで来たか…」と感慨にふけりましたよ。
ところが実際の撮影では結構ビビった。
写真を撮ること自体にビビったというワケではない。
撮影をしていると、ファインダーを通してJeffとガッチリ目が合うのだ。コレが結構コワイ。眼光が鋭く、何か獲物を狙う猛獣のような目なのだ。
子供の頃読んだ雑誌を通じ、「インタビュー嫌いのジェフ・ベック」という情報が刷り込まれていて、インタビューが嫌いなら写真も嫌いなんだろうな…と勝手に思い込んいるので、「オイ、そこのオッサン、ナニ写真撮ってんだ!」なんて怒られたらどうしよう!…なんてことを考えてしまう。
もちろん許可を得ているし、そんなことはまったくないのよ。

それでは今回のJeff BeckのMarshallを紹介しよう。

10v今回はDSL100Hと1960BXのセットがメイン。音はかなり固めにセットされている。双方日本で用意したものだ。

1999年の来日時(Jennifer Battenと来た時)以来、毎回JeffのMarshallのサポートをしてきているが、これまではJCM2000 DSL50を使用するケースが最も多く、他にDSL100や1987Xが選ばれたこともあった。
ヘッドやセッティング自体は割合毎回異なるが、キャビネットは一貫して1960BXだ。
何かのインタビューで、かつてJeffが「Bキャビネットの方がステージでモニタリングしやすい」とBキャビネットを使う理由を述べていた記憶がある。

実は今回大きな機材上の変更点がある。
それはMarshallのモデルではなく、「電圧」である。
以前使用していたJCM2000は持参していたので、当然イギリスと同じ230V仕様。1987Xは日本で調達したが、こちらもイギリスと同様、230V、50Hzで使用していた。
ところが、今回のDSL100Hは現地調達の100V仕様。
すると、イギリスで弾くのと音は異なるハズなのだが、出てくる音は完全にJeff Beck。
やはり自らのサウンドを確立したギタリストにとって機材の違いはそう大きな問題ではなく、彼らの音が機材ではなく指から出されているモノであることがよくわかる。
昨今の「機材狂騒ぶり」を見ていると、このことが完全に忘れ去られているような気がする。何でも趣味の道具をイジくり回すのはとても楽しいことだとは思うけどね…。

そして、Jeffが使ってきた機材は市中の楽器店で入手できる普通のMarshallと何ら変わらない。
加工も改造も一切していない一般品であることを書き添えておく。

20これは上のMarshallの真裏にセットされたDSL100Hと1960AX。客席からはまったく見えない。
表のMarshallと異なったトーンにセットされている。

30ステージ上手にセットされていたのはサイド・ギター、Nicolas MeierのMarshall。
Jeffとまるっきり同じDSL100Hと1960BXのセットだ。
この人、徹底してバッキング・プレイに徹していたけど、エレアコの持ち替えてソロが回ってきた途端、めくるめくテクニックでバリバリ弾きだしたには驚いた!

40ナンダカンダでJeffのギターテクのSteveとの付き合いも長くなり、すっかり仲良しになった。今回は1月のBlur以来の再会だ。
そのSteveに会うために早めに会場に入り、休憩室で時間をつぶしていると、Jeffが楽屋フロアに入って来た。
驚いた。
Jeffはギターをお付きの人に持たせることなく、肩にかけて自分で運んでいたのだ。
感じるね~、ギターへの愛を!
そして、楽屋からは熱心にギターを練習する音が…。

『Truth』から46年。ほぼ間断なく音楽活動を続け、常にギター界の頂点に君臨するギターの王者。次は何をしてくれるんだろう?
Jeff Beckと同じ時代に生きることができたのはギターを愛する者として幸せだと思うのだ。

50v(敬称略 2014年4月6日 東京ドームシティホールにて撮影)

2014年7月17日 (木)

Knebworthだより~Sonisphere Festival 2014

イギリスで毎年開催される2大ロック・フェスティバルのうちDownload Festival(Donington)について先日レポートした
今日はもうひとつのNebworthで開催されるSonisphere Festivalの写真がアーティスト担当のJoelから届いたので紹介する。

Sonisphere Festival(ソニスフィア・フェスティバル)は6月から8月にかけてヨーロッパ各地を巡業するロック・フェスティバルだ。今年もフィンランドを皮切りにノルウェイ、ドイツ、イタリア、スイス、イギリスを巡り、先週のポーランドで終了した。
イギリスではロンドンから大分北東へ行った、Knebworth(ネブワース)というところで開催される。

このSonisphereには行ったことはないが、私はだいぶ前にKnebworthには行ったことがある。
下がその時の写真。
若いな…ネクタイなんか締めちゃって…。

後ろに見えるのがKnebworth HouseというCountry House。カントリー・ハウスというのはてっとり早く言えば貴族の住いということになる。他にもManor House(マナー・ハウス)なんてのもある。
複雑な行政区画や、貴族制度等々、さすがにイギリスは歴史の古い国だけあって、こういう昔からあるものは調べて調べても知らないものが出て来て辟易する。

このKnebworth House、ずっと城かと思っていた。ま、貴族が住んでいるバカでかい邸宅とくれば「城」と呼んでもよさそうだが、向こうの連中はそれをしっかり区別する。
うっかり「The castle in Knebworth」なんて言おうものなら、「No, no shige, it's a country house!!」なんてすぐに訂正されちゃう。(←実話)
それでもね、郊外へ行くと結構どこにでもこのカントりー・ハウスってのがあって、スゴイよ。とにかくデカい。塀づたいの道を車で結構走ってもなかなかその塀が途切れなかったりする広大な敷地、その中にそびえ立つ古式ゆかしいゴシック調の建物はどう見ても「城」だ。

このネブワース城、イヤ、ネブワース・ハウス、元は古いものだが、現在の体になったのは1840年代のことらしい。

Nwここでロック・コンサートが開かれるようになったのは最近のことではない。最初に大きなコンサートが開かれたのは1974年のことで60,000人を集めたという。
そ の時の出演者はThe Allman Brothers Band、The Doobie Brothers、Mahavishunu Orchestra、The Sensational Alex Harvey Band、Van Morrison、Tim Buckleyという顔ぶれだった。
いいよナァ~。
その後に続いたフェスティバルの出演者もFrank ZappaやSteve Miller Band、Brand X、Genesis、Todd Rundgren等、私的にヨダレもののグループばっかり。EllaやSarahまで出てる。1986年、Queenの最後のライブ演奏の舞台となったのもココだ。
で、この時私を連れて行ってくれた人は「10ccを観た」といって私を大層うらやまらしがらせた。

DVDになったLed Zeppelinが演奏したのは1979年。イギリスでは1975年以来のライブ演奏で11万人を集めたという。

Lzkw21980年のThe Beach Boysの演奏もライブ・アルバムになっている。
ヤケクソなまでの大ヒット・パレード。どの曲もえらくテンポが速いのが気になるが、「Sloop John B」のすさまじい走りようはいつ聴いてもツライ~。

Bbkwさて、それでは今年Sonisphereで活躍したMarshallたちを見てみよう。
写真は本社のアーティスト担当、Joel Mananの提供だ。

SsまずはIron MaidenのMarshall。
Iron MaidenのギタリストたちはMarshallを愛用してくれている。
こちらはDave MurrayのMarshall。

Iron1

こちらはYanik GarsのMarshall。
JMP-1の上に収まっているのはマルチ・エフェクト・プロセッサーJFX-1。コレすごくヨカッタんだけどな~。

Iron2以前は3人ともラックを使用していたように記憶しているが、今Adrian SmithはJVMを使用している。Iron3当然キャビネットもMarshallだ。

数多いMarshall信奉者の中でもIron Maidenの忠誠度は非常に高く、Marshallの創立40周年の時にもBruce Dickinsonを除いて全員パーティに参加してくれていた。
生前Jim Marshallは同じドラム・メーカーのエンド―サー(Jimは第1号エンド―サーだったらしい)ということもあってかNickoをすごく可愛がっていた。
工場にあるミュージアムの中央にはNickoのドラム・キットが飾ってあったほどだ。
本人たちにはEddieのようなオドロオドロしい雰囲気はまったくなく、気さくでとてもいい人たちだ。

Iron4イギリスの人気シンガー・ソングライター、Frank Turnerのバンドのギタリスト、Benの1962。

Ben_frank_turnerこちらはSlayerのステージ。

Slayer4

壁は意外にも平屋建てだ。

Slayer2みればわかりますな~。2203KK。ちゃんとKerry King本人が使用している。これもすごくいいアンプだった。
ずいぶんRoadshowやったっけな~。

SlayerKerry 健在!
Kerryだけはちょっと近寄りがたいんだよな~。コワイとかいうよりも何しろ人見知りが激しい感じなのよ。
いつも緑色のボトルに入った変な酒を飲んでる。ちょっと飲ませてもらったことがあったが、クセえわ、ノドが焼けるほど強いわでビックリした。

Slayer3この人はChino Moreno。Deftonesのボーカリスト。打ち上げでMarshall Stanmoreとパチリ。

Chino_morenoまた来年!
Thanks for the great photos, Joel!  Please let me take them next time haha!

(写真提供:Marshall Amplification plc  Joel Manan)

2014年2月10日 (月)

I Remember Gary~ゲイリー・ムーアのこと

今日のタイトル…「思い出」ったって別にGary Mooreとサシでイッパイやったワケでもなければ、親しく話したワケでもない。エラそうにすんません。

ただ、ここのところ命日(2月6日)だったり、フィギュア・スケートで「Parisienne Walkways」が使われたりで、ファンの間で盛り上がっていたようなので、マーブロも一枚噛ませていただこうという趣向だ。
まったく大した話題ではない上に既出の話しが主で恐縮だが、これをいい機会ととらえ、片鱗とはいえ、Marshallとして偉大なプレイヤーのことを記録し、後世のファンに「伝承」しておこうと思い立ったのだ。

★        ★        ★        ★        ★  

そもそもGary Mooreの名前が一般的になったのはいつの頃だろう。
私が彼の名を知ったのはこのColossum IIの『War Dance』がリリースされた時だった。1977年の作品だから日本で発売されたのは1978年になるのかな?
当時はまだ「ギャリー・ムーア」と表記されていた。しばらくすると表記が「ギャリー」じゃなくて「ゲイリー」になった。「ま、ゲイリーが正しいんだろうな…」と思った。

ところが、はるか時間が経ってマーシャルの連中と付き合うようになって知ったのは、イギリス人はGaryを「ゲイリー」ではなくて「ギャリー」、イヤ どちらかというと「ギヤリー」と発音するということだった
。Mooreは「ムーア」ではなくて「モーァ」。ほとんど「ア」は発音しない。もう少し正確にカタカナ表記をするならば、「ムォーア」と発音する。

ここで脱線。
マーブロで時々書いているけど、日本の英語教育はものすごい英米チャンポンか、アメリカ寄りなんだよね。
2、3日前にもテレビのクイズ・バラエティで、「英語でトイレのことを『toilet』とはいいません。『toilet』とは便器のことです」…とかやっていた。
アノね、イギリス人はゼンゼン言いますよ、トイレのことを「toilet」って。テレビの中での正解は「bath room」となっていた。
私も最初イギリスへ行ってトイレのありかを尋ねる時に「bath room」という言葉を使っていた。もちろんこれでバッチリ通じる。でも最近では何となくそれが恥ずかしくなってしまい、「toilet」という言葉を使うようにしている。「郷に入れば郷にしたがう」し、元々英語はイギリスの言葉だからね。
番組でも「アメリカでは…」と断りを入れてくれればいいのにね。

さて、Gary。このレコードでスッカリ好きになってしまった私はもっと他のプレイも聴きたくなってSkid Rowのレコードを探したが、当時は手に入らなかった。
その後、『Back on the Street』で狂喜。1979年にThin Lizzyに加入していとうれし。『Black Rose』はよー聴いた。
でもここで終わり。その後、ブルース系になるまでは、正直まったく聴かなかったな~。
でも好きなギタリストだった。

Cdそして2010年。21年ぶりにGaryが来日した。
これがその時のステージのもよう。会場は水道橋の(当時)JCBホール。
ベースのPete Reesという人もMarshallで、ご覧のようにVBA400とVBC810のスタックを2台使っていた。

10これがゲイリーのマーシャル(下の写真。正真正銘、市販の普通の1959SLPだ。言い換えれば楽器店で普通に手に入る1959SLPと同じ。改造も何もしていない。
ただし、電圧はイギリスと同じ230Vで使用している。

この時、ギターテクのGrahamが私に訊いてきた。「シゲ、ナゴ~ヤってところの電気の周波数は50Hzかい?それとも60Hz?」
「日本は西のエリアは60Hzなんだ。名古屋も60Hzだよ。」
するとGrahamはこう答えた。
「やっぱりね。すぐにわかった。ココ(東京)と音がゼンゼン違うんだよ!」
「どっちがいいの?」
「ここさ!50Hzじゃないとダメなんだ」
と教えてくれた。

先日blurのところでも登場したJeff Beckのギター・テクのSteveは昔、「60Hzで使用すると倍音が乏しくなる」と言っていた。
が、ゲイリーのギターテクの表現では「低域 (less bassy)が薄くなる」ということだった。

そして、キャビネットは、見た目は1960BXだが、スピーカーはVintage30 に交換されている。言い換えれば1960BXのビンテージルックス・バージョン。

20インプットはとにかく左上のトレブル・ブースト・チャンネルだけ。男だ!
セッティングは PRESENCEが2、MIDDLEが8程度、それ以外はLOUDNESS 1も含めてすべて 9あたり。
1959弾きのベテラン・ギタリストの方々ならおわかりでしょうが、普通はとてもこんなセッティングじゃ弾けないよね?

実はこの時、Garyが持ってきた1959SLPの調子が悪くなってしまい、修理をしたのだ。
修理後、JCBホールに戻しに行く前に、直っているかどうかを当然チェックした。せっかくなので実際のGaryのセッティングを自分のレス・ポールで鳴らしてみた。
ま、Garyと同じ音が出ると思うほど自惚れちゃござんせんが、死んだわ、耳。
狭い場所で弾いたせいもあったが、同じ音が出るどころか暴れまくっちゃってまったく弾けなかった!どこをどう弾いても瞬時にしてフィードバックよ!

もうコ レぐらいの音量になると、出す音と同じくらい消してる音に気を遣わねばならないという感じ。「ギターの技術はミュートにあり」を実感したのであった…。
コレね、イギリスでやるともうとても弾けないよ。電圧が高い分、高域が張りだして来てよほどのテクニックがない限りムリ。少なくとも私なんぞは恥ずかしくて弾けん!

Img_0256b 足元のようす。予想以上にリバーブが深めにかけられていた。アレ、ショートディレイもかかっていたのかな?
使用していたのは現行の1959SLPなのでセンド&リターンが搭載されているが、エフェクターはギターとアンプの間につないでいた。古式ゆかしい使い方。

30この日のセットリスト。翌日の国際フォーラムも同じだった。1時間半のステージ。

40使用していたピックは市販のティアドロップ型のエキストラ・ヘビィという厚めのものだった。
Grahamに色々と見せてもらったが、「あんなんもあった、こんなんもあっ た」と案外ピックには神経質ではないようだった。
某メーカーのものが気に入っているのだが、柔らかいつくりになってしまったので現在使用中のエキストラ・ へビィのものに換えたとか…。
市販のピックじゃしょうがないので、Grahamにお願いして2007年のツアー時のピックを頂戴した。

50右手を見てると、ロングトーンで1弦をヒットする時なんか、ピッキングはアップばっかりだった。
そして、あのビブラート。チリメンじゃなくて振幅の大きなビブラート。好きだな~。

とにかく硬くて厚いピックがお好み。
弦はメインが0.10~0.52のセット。もっとプレーンに太いゲージを使っている先入観があったけど、そうでもなかったね。反対にボトムがへヴィだった。曲によっては0.09のセットも使用していたということだ。

60そ のGary、まぁ~音デカかったな。
下の写真を見て欲しい。少しマーシャルが下手側に振ってあるのがわかるだろうか?
JCBホールではミキ サー卓が真ん中じゃなくて少々上手側にセットされていた。これはGaryのギターの音が卓を直撃しないようにという配慮なのだ。
したがって下手の前の方のお客さんはもう完全に「マーシャル浴」だった。
ギターの音が大きいとよく「ギターの音しか聴こえない!」と大ゲサなことえを言うが、この時は本当にそうだった。
職権を濫用し、数曲でGary真ん前でMarshall音を聴いてみたけど、ウソ偽りなくドラムや 他の楽器の音が全く聴こえなかった。
耳から入った爆音が頭蓋骨を揺さぶって脳味噌を共振させてしまうのか、弾いている音以外の音が聴こえて来ちゃうんだから!
とにかくデカかった!ド ラムがアテぶりに見えたもんね。こんなにデカイ音、武道館で観たテッド・ニュージェント以来か?!(今にして思うとアレも大したことなかったのかもしれない)
でも、いい音だったナァ。
また、ギターのボリュームを絞った時のクリーン~クランチがたまらなくいいんだ~。
そして、ボリュームをアップしてのロング・トーン!ホント、Marshallの素晴らしさをトコトン教えてもらったような気になった。
Img_0269そしてそれから3カ月後、ロンドンでGaryを観た。
High Voltage というロックフェスティバルでGaryはブルースではなくハードロックを演っていた。
4月の来日時、「来年またハードロックのフォーマットで来日するかもしれない」という話しが漏れ聞こえていた。
このHigh Voltageの時は、それより少し先にGaryのハードロックを見せてもらった…ぐらいにしか考えていなかった。
この時もGrahamに会って「ヤア、ヤア」ということになり、「また東京で会えるかもしれないね!」なんて話していたのだが、この時は2人ともまさかあんなことになろうとは思っていなかった。
でも、これが私が見た最後のGaryの姿だった。

2011年2月6日、Robert William Gary Moore、スペインにて客死。

70さて、ここは生前のGaryが住んでいたイギリスはBrighton。
にぎやかなショッピングストリートを抜けたところにある楽器屋。
Garyは何か気になる楽器を見つけると、必ずここへ来て試したという。外壁に飾ってあるLes PaulはGary Mooreをイメージしているのかな?
(Brightonについては『名所めぐり』で後日取り上げる)

80そしてMarshallは、偉大なるMarshallプレイヤーにGaryに敬意と追悼の意を表し、このフルスタックを制作した。

90vプラークには「In fond memory of a dear friend GARY MOORE 1952 - 2011」と記されている。
Marshallは偉大なプレイヤーを失った。とりわけ、『50 YEARS OF LOUD LIVE』に出演できなかったことは今でも悔やまれる。
ウェンブリーのステージのGaryを思う存分撮りたかった…。

100「Gary Mooreの人気は本国と日本だけだ。アメリカじゃ誰も知らない」という話しを昔よく聴いた。ちょっと調べてみて驚いた。その話しが本当のようだったからだ。

本人名義のアルバムとしては『Still Got the Blues』が83位とトップ100に入っているだけで、他はすべて100位以下か圏外。
なんでアメリカ人にはウケなかったんだろう。アメリカ人にはこのギターのカッコよさがわからなかったんだろうな~。
ヨーロッパではやはり本国イギリスとスウェーデンで人気が高かったようだ。

そんな事とは関係なく、Garyのギターの音色は永遠に我々日本人の心に生き続けるであろう。
Still Got Gary!

120v

(機材写真:2010年4月28日 水道橋JCBホールにて撮影)

2014年1月28日 (火)

blurのMarshall

blurが来日した。
世代的にこのバンドを聴いているというワケではないんだけど、身近に感じていることがひとつある。
それは、ロンドンのNational Portrait Galleryがカギを握っている。この美術館はその名の通りトラファルガー広場にある有名なNational Galleryに隣接していて、王室や貴族、名士等々、肖像画だけを展示している。
当然、The Beatlesをはじめとしたブリティッシュ・インベンションの立役者や、国益をもたらしたブリティッシュ・ロックの名ミュージシャンのポートレイトがズラリと並んでいることを期待するワケだ。
はじめて行った時は驚いた。
私が見落としていない限り、常時展示されているのはPaul McCartneyとこのblurだけだったのだ。(写真はStones等チビチビ飾ってある)
そのblurのポートレイトはAndy Waholチックな大きなもので相当目立つものだ。
ロンドンに行くたびにこの美術館にブラっと立ち寄っている内にスッカリおなじみになったというワケ。
10_2Jeff Beckのギター・テクを務めている仲良しのSteveがGraham Coxonとも仕事をしているのだ。

95Steveから連絡が入り、マーブロ取材もOKということで武道館に会いに行って来た。

20_2GrahamのMarshall。
ヘッドは普通の1959SLP。センドリターンがついた現行品だ。
それにPB100が2台。

30キャビネットは左下のプラークからすれば、1960AVにLCフレットを張ったもの。カバリングはLevantなので、1960AXにVintage30を搭載したモノと言った方が近いか…。

40v足元のようす。メッチャ整然としている。

50よく見るとおなじみのエフェクターのコントロールが連なっている。そう、ご想像の通り。
実はこれ元MarshallのR&DチームにいたMike Hillという人の手によるものだそうだ。このMikeはJCM800の開発にも才能を発揮した優秀なエンジニアで、Ken Branと並んでMarshallへの貢献度が高い人だった。

60これはMarshallの後ろに鎮座ましましたる秘密兵器。イヤ、やっている仕事は単純明快。供給電源の電圧と周波数を任意にコントロールしている。

70ここでは230V、50Hzに設定。要するにイギリスでMarshallを使用しているのと同じ環境を作っているワケだ。
Gary Mooreのギターテクとも話しをしたが、彼らは電圧もさることながら、周波数をすごく気にしていて、やはりイギリスと同じ大井川から東のエリアの方がやり安いのだそうだ。

80Grahamのサオ類。

90残念ながらこの日は先約があってショウ自体はみれなかった。Steveとは4月にJeffの来日時に再会することを約束して武道館を後にした。

100(敬称略 2014年1月14日 日本武道館にて撮影)

 

2013年11月27日 (水)

【緊急速報!!】奥田民生のMarshall~『奥田民生2013ツアー SPICE BOYS』から

Marshall Blog久しぶりの登場は奥田民生のMarshall。
民生さんは本日2013年11月27日ニューアルバム『O.T. Come Home』をリリース!
それに時期を合わせ『奥田民生2013ツアー SPICE BOYS』を敢行。
全国16公演。今日明日、東京は中野サンプラザホールでファイナルを迎える。
そして、今回のツアーもMarshallがお供させていただいた。
民生さんのMarshallをのぞいてみよう!

10メインの1974年製の1959と1960B。

50v基本的にこのスタックは常に鳴らされている。
リンクして使用。

60パワー管を2本抜いて出力をダウンさせている。マスター・ボリュームも追加されている。

70今回は常にこの1959スタックを鳴らし、他のアンプの音を混ぜる方式を採用している。どういう風にそれらを使い分けているのかというと…「気分」だそうだ。もちろん大体のことは曲に合わせて決めている。
キャビネットは2系統の信号を受けられるように改造してある。

80こちらは1973製のPA20のスタック。
ヘッドのモデル・ナンバーは1917。その名が示す通りPA用のアンプで、元来このヘッドは細長いコラム・スピーjカーと組み合わせで販売されていた。

このキャビネットは元々18インチのスピーカーが搭載されていたベース用のものとされている。
Marshallのスピーカー・キャビネットの歴史は古く(なにしろ最初はスピーカー・キャビネット屋)、モノスゴイ多くのモデルが過去に存在していたことに加え、確固たる資料が残されていない。
それゆえ過去のモデルの調査をする時に苦労するのはいつもスピーカー・キャビネットに関して。
18インチのスピーカーを搭載していたのは1980と1988というモデルだったようだ。

そして、この民生さんのキャビネットは、18インチのスピーカーを取り払い12インチ・スピーカーを2台搭載している。

20v見た目はHandwiredシリーズで復活を遂げた2061Xと同じ。詳細は拙著『Marshall Chronicle』をご参照あれ。

3020Wとは思えない音圧!

2台とも「コレコレ!」と思わず声を出したくなるような絶妙なMarshallトーンだった。

40やっぱり民生さんにはMarshallが良く似合う。

これが本日発売のニュー・アルバム『O.T. Come Home』。
レコーディングでは上のPA20も大活躍したとのこと。

奥田民生の詳しい情報はコチラ⇒OKUDA TAMIO OFFICIAL WEBSITE

Cd(一部敬称略 2013年11月27日中野サンプラザホールにて撮影)