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2014年7月23日 (水)

Jeff BeckのMarshall 2014

Jeff Beck、ジェフ・ベック、じぇふ・べっく…どう考えてもまず名前がいいよな…。

そして、その名を口にしてみる…
じ・ぇ・ふ・べ・っ・く
……すると問答無用で浮かび上がってくるのは白いストラトキャスターを下げたギタリストの姿だ。
人気、実力、キャリアをギター1本に詰め込んで時代を超えて常に前進し続ける真のアーティスト。
「他の追随を許さない」とは、まさにこういう人のことを言うのだろう。実際、古今東西、他にこんなギタリストいないもんね。

4月の来日公演、私がお邪魔したのは東京ドームシティホール3daysの初日だった。
満員のお客さんを前に、いつも通り次へと次へと代表曲を淡々と弾きこなすようすに力みはまったくなく、まるで息を吸うように自然だった。まさにギターを弾くために生まれてきた人間を見た。

いつぞはJeffがステージに現れた途端、観客が総立ちとなり、まさかのスタンディングでショウを観たことがあったが、今回のお客さんは実に落ち着いていて、イスに座りながらジックリとJeffの音楽を楽しんでいたのはとてもうれしく思えた。
いい音楽を聴くにはこうでなきゃ。

今回もMarshall。
JeffがMarshallを愛用してくれていることはうれしいことこの上ないが、輪をかけてうれしかったのはステージ上のホンモノのJeff Beckを撮影したことだ。
ま、正直「オレもいよいよここまで来たか…」と感慨にふけりましたよ。
ところが実際の撮影では結構ビビった。
写真を撮ること自体にビビったというワケではない。
撮影をしていると、ファインダーを通してJeffとガッチリ目が合うのだ。コレが結構コワイ。眼光が鋭く、何か獲物を狙う猛獣のような目なのだ。
子供の頃読んだ雑誌を通じ、「インタビュー嫌いのジェフ・ベック」という情報が刷り込まれていて、インタビューが嫌いなら写真も嫌いなんだろうな…と勝手に思い込んいるので、「オイ、そこのオッサン、ナニ写真撮ってんだ!」なんて怒られたらどうしよう!…なんてことを考えてしまう。
もちろん許可を得ているし、そんなことはまったくないのよ。

それでは今回のJeff BeckのMarshallを紹介しよう。

10v今回はDSL100Hと1960BXのセットがメイン。音はかなり固めにセットされている。双方日本で用意したものだ。

1999年の来日時(Jennifer Battenと来た時)以来、毎回JeffのMarshallのサポートをしてきているが、これまではJCM2000 DSL50を使用するケースが最も多く、他にDSL100や1987Xが選ばれたこともあった。
ヘッドやセッティング自体は割合毎回異なるが、キャビネットは一貫して1960BXだ。
何かのインタビューで、かつてJeffが「Bキャビネットの方がステージでモニタリングしやすい」とBキャビネットを使う理由を述べていた記憶がある。

実は今回大きな機材上の変更点がある。
それはMarshallのモデルではなく、「電圧」である。
以前使用していたJCM2000は持参していたので、当然イギリスと同じ230V仕様。1987Xは日本で調達したが、こちらもイギリスと同様、230V、50Hzで使用していた。
ところが、今回のDSL100Hは現地調達の100V仕様。
すると、イギリスで弾くのと音は異なるハズなのだが、出てくる音は完全にJeff Beck。
やはり自らのサウンドを確立したギタリストにとって機材の違いはそう大きな問題ではなく、彼らの音が機材ではなく指から出されているモノであることがよくわかる。
昨今の「機材狂騒ぶり」を見ていると、このことが完全に忘れ去られているような気がする。何でも趣味の道具をイジくり回すのはとても楽しいことだとは思うけどね…。

そして、Jeffが使ってきた機材は市中の楽器店で入手できる普通のMarshallと何ら変わらない。
加工も改造も一切していない一般品であることを書き添えておく。

20これは上のMarshallの真裏にセットされたDSL100Hと1960AX。客席からはまったく見えない。
表のMarshallと異なったトーンにセットされている。

30ステージ上手にセットされていたのはサイド・ギター、Nicolas MeierのMarshall。
Jeffとまるっきり同じDSL100Hと1960BXのセットだ。
この人、徹底してバッキング・プレイに徹していたけど、エレアコの持ち替えてソロが回ってきた途端、めくるめくテクニックでバリバリ弾きだしたには驚いた!

40ナンダカンダでJeffのギターテクのSteveとの付き合いも長くなり、すっかり仲良しになった。今回は1月のBlur以来の再会だ。
そのSteveに会うために早めに会場に入り、休憩室で時間をつぶしていると、Jeffが楽屋フロアに入って来た。
驚いた。
Jeffはギターをお付きの人に持たせることなく、肩にかけて自分で運んでいたのだ。
感じるね~、ギターへの愛を!
そして、楽屋からは熱心にギターを練習する音が…。

『Truth』から46年。ほぼ間断なく音楽活動を続け、常にギター界の頂点に君臨するギターの王者。次は何をしてくれるんだろう?
Jeff Beckと同じ時代に生きることができたのはギターを愛する者として幸せだと思うのだ。

50v(敬称略 2014年4月6日 東京ドームシティホールにて撮影)