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2015年9月10日 (木)

15th 真夏のJazz葉山 <前編>

海~!
葉山~!
今年も来たぜ~。
そうだ、夏だったんだよ、この頃は。
ドエライ暑かったんだっけ。
海水浴客で道が混んでいる恐れがあったので、この日はメッチャ早く家を出てきた。

10_2家を早く出てきた目的はもうひとつ…。
この朝市に来たかったのだ。
何か新鮮な魚でも…と思ってもこの暑さだから家に持ち帰ることはまずムリ。
ってんで地元の魚介類を使った海鮮丼だのパエリアなんてのを頂いてきた。
どのお店もすごい人気なのよ~。

20_2中でもすごかったのはコレ。
見て、この行列!
開店まで約一時間、みんな汗ダクダクで列に並んでる。

30_2何を売っているのかと思ったら、近所の有名なレストランのスイーツ。
「ケーキの切り落し」ってのとタルトが大人気なのだ。
家内が犠牲になって列に並んでくれてウチもいくつか買ってみたけどおいしかった。あ、写真の淑女は家内ではありません。

40_2そして今年もやって来ました『モヒカーノ関メモリアル 真夏のJazz葉山』!

50_2今回で15回目を迎える地元の名物イベントだ。

60_2ステージには去年に引き続きMarshallがステージに!
去年はJVMのコンボ、JVM205Cだったが今年はスタックになった。
理由はまた後で。

80そしてNATAL!

90_2さらにEDEN。WT-800とD410XSTが2台を積み上げたフル・スタック。

100vコレらは杉本篤彦グループのバックラインだ。

110杉本篤彦

120v吉岡大典

130v星牧人

140vJIMI橋詰

150v杉本さんのグループは今年もトップで登場。

160オープニングは杉本さんのアルバム『Black and Blue』収録の「Crazy Summer Blues」。

170杉本さんらしいガッツのあるハード・チューン。

180vオープニングにふさわしい爽快な演奏だ。

190続いては「Bedroom Eyes」。

200がらりと変わって都会的でアダルトな雰囲気の曲。

210昨年は参加していなかった星さん。
ドッシリと存在感のあるピアノ。

215大きくフィーチュアされた吉岡さんのベース・ソロ。

220よどみなく連なり出て来るおいしいフレーズの数々。

230まさに入魂の演奏だ!

240v三曲目は杉本さんの愛奏曲であるWes Montgomeryの「Full House」。
去年も演奏したどころか、杉本さんはWesの曲だけを演奏するライブなども企画している。
N_s41a1137

オハコだけあって攻撃的に猛烈にスウィングするプレイが気持ちよい~!

260Wesを敬愛する杉本さんをそのスタイルを踏襲し、ソロはシングル・ノート⇒オクターヴ・ソロ⇒コード・ソロの順で組み立てられる。
300v
そして、どうしても触れておかなければならないのは杉本さんのピッキング・フォーム。
杉本さんもWes同様ピックを使わない。
Wesがピックを使わなかった理由は、夜中にギターを弾く時に音が大きくならないように指で弾くようになったという話しだ。
状況は違えど、指でピッキングしている。
名付けて「ツー・フィンガー・ストローク」。そのスタイルは昨年のレポートに詳述したので興味のある方はコチラをご参考願いたい。

270シングル・ノートからオクターヴに入ったところ。

280オクターヴの時の左手の運指も独特だ。
…と同時に右手の動きも変わる。
ここはWes同様、親指だけを使ってすさまじいスピードで二本の弦を弾いていく。

290コレが「Full House」を収録したWes Montgomeryの代表作のひとつ『Full House』。内容はもちろん最高だがジャケットもいいナァ。コード・ソロを弾いているとことかな?
この音を聴いて、このジャケットを見て、L-5が欲しくならないギタリストはこの世にいまい。

Fh 杉本さんも以前はL-5を弾いていたが、今ではオリジナルのシグネチャー・モデルを使用している。
音はいうに及ばず、サイズも大変気に入っているそうで、しかも驚くほど丈夫なのだそうだ。軽量でもあるので、驚異的に旅の多い杉本さんの演奏活動にピッタリなのだ。
250v

そして、アンプはMarshall。
アンプは残念ながら旅に持って出歩けないので、その場にあるものを使うことが多いが、大事なステージはMarshallだ。
先日開催された「CDデビュー20周年記念」でもJVMが使用された。
私が杉本さんと出会った頃はMGシリーズを愛用されていた。そう、Wes Montgomeryもトランジスタ・アンプの愛好家だった。

310先述の通り、前回はJVMの50Wコンボ、JVM205Cを使用した。
しかし、会場が大きくステージがかなり広いので、どうしても音量を上げ気味せざるを得ず、そうするちょっとクリーン・チャンネルのヘッド・ルームが足りなくなり、とコード・ソロの時のトーンがややクリアでなくなってしまったのだ。
そこで、今回は100Wを小さく鳴らそうということで、ヘッドにJVM210Hに1936を組み合わせた。
キャビは1960でいいのだが、やはり、親指で弾いた時に低音が出過ぎるのではないか?と考え、2x12"にした。
それでも1936のこと、低音の出方はバツグンだ。それを緩和するためにキャスターをつけてステージから浮かしてみたというワケ。
結果…最高!
それでもBassゼロにしたけどね。
シングル⇒オクターブ⇒コードと音数が増えて行くにしたがい、音の厚みがドンドン増して前に出て来る。そして、ツブ立ちのいいこと!
もうコレは「快感」以外の何物でもないね。
Marshallで奏でるジャズ・ギターも素晴らしい。さすが杉本さん、ナイス・チョイス。そして、オレ。

320vこの星さん出で立ちに、大学の時に部屋の壁に貼ってあった石丸電気でもらったWynton Kellyのポスターを思い出した。

330vさっき紹介した『Full House』のピアノもWynton Kellyだ。
ソロにコンピングにと完璧なプレイでバンドを支える。

340v再び吉岡さんのベース・ソロ。

356v

指の回り方も尋常ではないが、感情の込め方も並じゃない!
また音がいいのよ!
比較的早いパッセージを多用する吉岡さんの華麗なテクニックを余すところなくEDENがアッピールしちゃう。

355v橋詰さんのドラム・ソロ。
橋詰さんは和佐田さんや松川さんとのグループで以前より存じ上げていたが、お会いするのはコレがはじめて。
スネア・ドラムを含め快くNATALを叩いてくれた。

360_2基本的にはロックの方…ということだが、ナンノ、ナンノ、フォービートも素晴らしい!
ドラム・キットで隠れていて見えないのが残念だが、セクシーなシースルーの衣装も素晴らしかった!

370v10"、12"、13"のスリー・タムのリクエストには外部キットの助けを借りて対応。
橋詰さん、フィニッシュが異なっても「ゼンゼン気にしない!」。豪快な人だ~!
橋詰さんも初めてNATALに接したことになるが、「よく鳴るドラム」とものすごくお褒めの言葉を頂戴した。
やるナァ、NATAL。
どこへ行っても最高の評価を頂いて…お父さん、ホントうれしいわ~。

380四曲目はおなじみProcol Harumの「A Whiter Shade of Pale」。簡単に言えば「青い影」。
これほど邦題が原題より浸透している曲も珍しい。映画で言えば『愛と青春』のナントカだ。
かつてMarshallのデモンストレーターを務めていたGeoff Whitehornは今もProcol Harumで活躍をしているが、かつて来日した時、あるおエライさんから「青い影」を弾いてくれと言われた。ま、一般の人にとっては「青い影」がProcol Harumのすでてだろうからね。
Geoffははじめイヤがっていたけど、仕事と思ったのか、ツラツラをメロディをなぞり出した。それもGeoff流のハーモニーを完璧につけて…あのカッコよさったらなかったナァ。
杉本さんはMCで歌詞の内容も解説。
この曲も海外の名曲にありがちなトホホな歌詞だというワケ。
他方では、音楽的にはバッハのパクリとか言われてズタズタなんだけど、作者のGary Brookerがそれを聞いてもただニヤリとするだけだろう。
ナゼならこの曲、古今東西、媒体の種類を問わず世界で最もオンエアされた曲だというのだ。
Gary曰く、「売れたもん勝ちよ」…ということはないか。しかし、気になるのはその印税。
私はGaryに一度だけ合ったことがあってホンノ少しだけ話しをしたが、チョット厳しそうだが、感じのいいイギリスおじさんだった。
ああ、あの時「アレ一曲で毎年いくらぐらい印税が入ってくるんですか?」って訊けばヨカッタ!

390杉本さんの「青い影」も素晴らしかった。
ジャズだけでない黒人系音楽に心酔する杉本さんらしいソウルフルな演奏だ。
そうそう、杉本さんってCTI時代のWesの曲をたくさんレパートリーに入れてるんだよね。エライと言うか、心底Wesが好きなんだなと思う。
そこへいくと私なんか、完全ににわかWesファンで、ほとんどRiversideかVerve時代のアルバムしか聴かないもんね。

N_s41a1129 そして最後は自作曲の「涙の向こうに」。
東北や日本のことを想い作った曲で来年レコーディングする予定だそうだ。

400vこのPat Metheny調の曲の中間部には杉本さんのセリフが出て来る。
ジャズと詞の朗読という試みが50~60年代に盛んに展開され、Charles Mingusあたりにもカッコいい作品が残っている。
もちろん杉本さんの作品はそんな肩っ苦しいものではなく、美しいメロディとわかりやすい言葉を絡み合わせた心あたたまるものだ。
なんともホンワカなムードにしてくれる名曲だ。

410杉本さんの気持ちがそのままのり移ったかのようなリズム隊の演奏も「さすが!」の一言につきる。

420おいしい素材と腕のいい料理人が集まって作る至上の一皿。

430おいしいだけでなく、外の暑さを吹っ飛ばすとてもあたたかいステージだった!
アレ?それじゃ余計アツイじゃねーかッ!
あたたかくなったのは当然「心」です。

440v_2杉本篤彦の詳しい情報はコチラ⇒杉本篤彦オフィシャルブログ

445v二番手に登場したのはVakeneco。
「バケネコ」じゃないよ、「ヴァケネコ」ね。昨年に引き続いて、五回目の登場。

450田近香子

460v岩見継吾

470v中島道博

480v…からなるピアノ・トリオ。

490ベースの岩見さん。ミドリ在籍時からの友人だ。
以前は「岩見のとっつぁん」なんて呼んでいたけど、シリアスなベースは相変わらずだ。

500この若き日のMingusのような風貌がまたいい。
初めて知ったのは、彼もEDENを愛用してくれているということ。
で、今回ステージのEDENにすごく喜んでくれた。

510このトリオもおもしろい。
独特の作風のオリジナル曲からCarpentersの「Superstar(Bonnie Bramlett and Leon Russell)」までワン&オンリーの世界を織りなす。

530もはやこのフェスティバルのひとつの「顔」であると言っても過言ではないだろう。

540Vakenecoの詳しい情報はコチラ⇒Vakeneco Official Website

550ロビーでは出演を終えたミュージシャンを迎えて物販が盛んにおこなわれている。
これも人気の的のひとつ。
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つづく

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。
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★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます!不慣れな作業でもうヘロヘロ!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年8月2日 葉山町福祉文化会館ホールにて撮影)