Merge Fes vol.2 <後編>~ヘアメタル研究会&TAKANAGER CRUE
第1回の好評を受けて去る6月23日に開催された2回目の『Merge Fes』のレポートの<後編>。
現在2番手の「ヘアメタル研究会」のステージの真っ最中!「昔、どこの町にも『学研のおばちゃん』っていたと思うんです。
学研じゃなくて『学習』と『科学』か?
まだあるよね?
オバちゃん、いるよね?」今の人は知らないでしょう?
学習研究社(=学研)から出版されていた『学習』と『科学』という学習雑誌。
ウチの方では「科学と学習」という順で呼んでいた。
『科学』の方は付録がとても奇抜で豪華。
それを目当てに時折母にねだって買ってもらった。本体の方は読んだ記憶がない。
『学習』は2009年に休刊、『科学』は2010年に休刊になったものの、2022年に復刊したそうだ。
コレ、一体どういうマーケティングをしていたのか、今となっては甚だ不思議なんだけど、新刊が出ると小学校の校門の横にどこからともなくオバちゃんがやって来て、テキ屋のように『科学』と『学習』を並べて販売するんだよね。
するとクラスの中で「今、科学と学習のオバちゃんが来てるね」なんて話が出るワケ。
まるで児童公園にやって来る「カタ屋」みたいなモノだった。
YOFFYさんは私よりかなり若いのに「科学と学習」の販売手法をご存知ということは、私の時代と変わらずその「オバちゃん制度」が続いていたんですな?
なんてことを思いながらインターネットを見ていたら『科学と学習 ふろく展』なるものが開催されているのを見つけた。
行きたい!見たい!…ダメだ、九州だわ! スミマセンけど、「科学と学習」でもう少し脱線させてください。
もう大分前の話になるけど、知り合いのツテである「オーディオ装置の聴き比べ体験会」に呼んでもらったことがあった。
「聴き比べ」と言ってもオーディオ機器の聴き比べではなくて、持ち寄ったレコードやCDの音質を聴き比べるという企画。
会場は秋葉原にある4階建ての鉄筋コンクリートのビル。
その最上階にリスニング・ルームがあって、そのオーディオ装置たるや、もちろんアンプは管球式(真空管アンプのことね)で、スピーカーはJBLの「パラゴン」だった。
有志がそのオーディオ装置で聴いてみたいレコードを提出して片っ端から1曲ずつ聴いていくんだけど、これが想像を絶するスゴさで、録音の良いレコードは大ゲサではなく、もう生演奏に近い音なの。
本当に目の前で演奏している感じ。
私は「CD擁護派」なんだけど、残念ながら音質はレコードの方がはるかに良く、CDの音はうるさいばかりで全然オモシロくなかった。
その中で一番印象に残っているのが、The Whoの「My Generation」で、もうジョン・エントウィッスルが目の前であのベース・ソロを弾いているかのようだった。
ここのところ、「レコードの音があったかい」とか何とか言っているけど、アナログ・レコードの音の良さを本当に理解するにはコレぐらいの投資をしないとわからない…と強く思った。
ちなみに調べてみると程度のよいパラゴンの初期型ともなると1千万円近くの値段がついているようだ。
でも、オーディオの世界では大したことがない範囲でしょう。
ところで、そのオーディオ装置の持ち主は「科学と学習」に掲載される品物の写真、すなわちブツ撮りを長年にわたって一手に引き受けていたその世界では有名な写真家の方だった。
普段はその装置で演歌とクラシックをお聴きになっているとお聞きした。
脱線終わり。 「次はヘアメタル研究会が初めて邦楽にチャレンジいたします!
『関西メタルの元祖』というか。ANI-Katsuさん的にもちょっとビビッとくるんじゃないかなと思ったらコピーしたことがなかったそうです。
聴いてください…『44』ですよ」上の写真のYOFFYさんの手は「5」になっているけど、「44」とはもちろん「44MAGNUM」のこと。
曲は「I Just Can't Take Anymore」。SHOWさんが叩き出すひたすらドライブするロック・ビート。
使用しているドラム・キットはMerge Fesでフィーチュアして頂いているNATALドラムス。
12"、13"、16"、22"のアッシュのキット。
ストレートなロックにもってこいのサウンドだ。単純明快、スカッとノリまくるロンクンロールでYOFFYさんが激唱!
さらにTOKIさんがソロを明るく華やかに繰り出した。
「ありがとうございました。
そんなオレたち、『44』さんみたいな髪型になっていますよね?
この曲はボクが高校生の頃にコピーしたことがあるんです。
このメジャーなコードがちょっとヴァン・ヘイレンの『ジャンプ』かな?と思って。
アレンジをしてヘアメタル研究会ヴァージョンでお届けしました。
次はネズミの…『ラット』ってネズミですか?
ラットの『回るよ、回る』という曲を演ります!」「回るよ、回る」はRATTの「Round and Round」。
ANI-Katsuさんがズンズンとはじき出すワイルドな低音が気持ちいい!
「♪ラウンドゥランド!」
ひたすら楽しくヘヴィな曲調にYOFFYさんの歌声が完璧にマッチする!イキの合ったギター・アンサンブルから…
最後のギター・バトルまでサオ・チームが大活躍!
TOKIさんは「JCM900 4100」と「1960A」を使用。
TOKIさんの切り込みに答えるSUSSYさん。
SUSSYさんは「DSL100H」と「1960A」だ。
「地球が回ったぜ!
いよいよエンディングに近づいてきました!
ヘアメタル研究会のステージもあとわずかでお別れの時間です。
マックだったら『蛍の光』が流れている…ゴメン、わかりづらいこと言ってゴメン!
それでは『コレを演っとけば間違いない』っていうヤツを演ります」それはボン・ジョビ。
前回も書いたけど、ボン・ジョビってのはホントに人気があるんだネェ?
SUSSYさんがトーキング・モジュレーターを操る曲は…世界歌謡大将にも私にもおなじみの…♪ドンドン「イッツマイラ~イフ」。
自家薬籠中の1曲。
まさに身体にしみ込んだボン・ジョビ・エキスを大放出するかのようなテンション。サングラスをハズしたTOKIさん。
この後またかけちゃうんだけど。演奏し慣れた曲でビシっと気合の入ったドラミングを見せてくれたSHOWさん。
最後もお得意のボン・ジョビ。
「You Give Love a Bad Name」で思いっきり盛り上げて持ち時間を締めくくった5人!
今日も歌におしゃべりにとても楽しいステージだった!
ヘアメタル研究会の詳しい情報はコチラ⇒オフィシャルサイトヘアメタル研究会の屋台村。
「PayPay使えます!」って!
もうこういうところまでキャッシュレスが入り込んで来ているんですナァ。
でもコレで驚いていてはいけない。下は今年の「鳥越神社」の例大祭に出ていた唐揚げの露店。
PayPayが使えるらしいのよ!
テキ屋もPayPayですよ。
便利なのかも知れないけど、風情もナニもあったもんじゃない。
こんなの寅さんが知ったら悲しむぞ。
「それをやっちゃぁおしまいよ」って。
それとビックリしたのはよくこうした露店で見かける「イカの姿焼き」ね。
昔は300円とか450円とか?
ここ数年、イカが不漁でしょう?
それが原因でその姿焼きの値段が1200円にもなっているんだって!TAKANAGER CRUEの屋台村ではTシャツが人気を集めていた。
ということで、今回も最後にステージに上がったのは「TAKANAGER CRUE(タカナガー・クルー)」。
DONNI
TK
YOU
HIMAWARI(以下「ヒマちゃん」)。
ココのレパートリーはすべてモトリー・クルー。
1曲目は「Saints of Los Angels」。続けてTKさんが弾くシャープなリフから始まる「Wild Side」。
TKさんのMarshall。
「JCM900 4100」と「DSL100H」のハーフスタックが2セット。
キャビは双方「1960A」。やっぱりアンプを真空管をフルで使って出す音は図太くヌケが良い!
アレ?
もしかして、このお店の名前はこの曲から採ったのかしらん?
我々の世代だと「Wild Side」といえばルー・リードになっちゃんだけどね。コーラスでも活躍のYOUさん。
YOUさんが愛用しているマイクスタンドがスゴイ!
デューク東郷もビックリの「M16 Assult Rifle」仕様。
コレがマイクだけでなく飲み物までホールドしてしまう万能型のマイクスタンドなのだ。
もちろんお店に狼藉者が闖入して来たら銃として使用することもできる(だろうか?)。続けて「Looks That Kill」。
パワフルでストレートなロック・ビート。
やっぱバスドラムがスゲエ!「♪She moves like a cat」のポーズ。
ギター・ソロもクールにキメた!
「Thank you Tokyo.
ジュンビハ デキマシタカ?
サケベ~!
イロンナ ヒトガ イマスネ
サケヲ ノミマス ゲツヨウビカラ
ヤリスギテ オサケニ ニゲマス
ダメデス
タノシンデ イマスカ トウキョウ
ゲツヨウビ スキナヒト?
ダイジョウブ デス
ワタシ モウジキ 60サイデス」ギターのキザミからスタートした2曲目はビートルズの「Helter Skelter」。
モトリー・クルーってこんな曲も取り上げていたのか…。
ワーミー・バーを派手に使ったギター・ソロ。
DONNIさんがアオる、アオる!お客さんとのコール&レスポンスがあって…「ダイスキデス トーキョー!」
すかさずヒマちゃん大爆発!
ウオ~!イケイケ~!凄まじいまでの疾走感と爽快感!
曲は「Red Hot」。
こりゃ「ホット」どころじゃとても収まらない騒ぎだわ!一変して「ドンガラガッタ・ビート」。
最近はこういうタイプの三連リズムの曲を耳にすることがないのでとても新鮮に響く。「♪Smokin' in the boys room」
YOUさんは自家製のお立ち台に乗ってギンギンに低音を弾き出す。
「タノシイ ジカンハ アットイウマデスネ
ビール、チアーズ
ミナサン シッテマスカラ ライブハウスハ フウゾクエイギョウデハ アリマセン…インショクテン デス
ミナサン ノ インショクデ ゼイキン ヲ ハラッテイマス
ナノデ ミナサン オサケヲ タクサン ノマナイト ワタシタチハ デンシャチン ガ
アリマセン
カエリノ デンシャチン ガ ナイ
サイゴノ タバコノ 1ポンヲ スイオエルト カエル カネガ タリナク ナッチマウ
イッタイ ナンダ カンダ コンナ クラシ」ヒマちゃんがピアノの前に移動するのはTAKANAGAER CRUEのステージの大きなアクセントとなるバラード「Home Sweet Home」。
今日も情感豊かにジックリと歌い込んだDONNIさん。
TKさんの弾くリフからスタートするのは「Shout at the Devil」。
ミディアム・テンポでヘヴィに迫りくる1曲。
「♪Shout, shout」
ドラムスでシャウトしているかのようなヒマちゃんのプレイ!
TAKANAGER CRUEのステージの最後を飾ったのは「Live Wire」。
コレもTKさんのリフからスタート。スッゲエ!
メチャクチャ速いダウン・ストローク。
私も若い頃は出来ていたかも知れないけど、今はとてもじゃないが全くできん!今回もモトリー・クルーの音楽を通じてハードなロックの魅力を存分に伝えてくれた4人だった。
「皆さん、お酒を飲んでください!
最後まで残ってくれたお客さんに良い出し物があるよ。
今日来たお客さんラッキーだよ!」
とDONNIさんが言い残してTAGANAGER CRUEのステージを終了した。「良い出し物」とはコレ。
すなわちアンコール。
各チームからシンガーが大集合した良い出し物!演奏した曲はモトリー・クルーのキラー・チューン「Kickstart my Heart」。
全員が楽しそうに演奏し、それを見守る客席も大いに盛り上がった。
こうして『Merge Fes』の第2回目もニギニギしく幕を下ろしたのであった。
<おしまい>
(一部敬称略 2025年6月23日 新宿Wild Side Tokyoにて撮影)