THE GOOD-BYE LIVE TOUR 2025 -ROUTE 83- <後編>
衛藤さんをフィーチュアしたアコースティック・セットも楽しく終了し、ショウは後半に突入した。
ココからがスゴかった!
ナニせ1988年の『ALBUM』収録の「Don't Stop Kiss」を皮切りに、本編の最後までひと時の休みもなく走り切ったのだ。
「最後ドバ~」のスタイルはヤッチンのソロのコンサートに共通している。
続いての曲ではパワフルな衛藤さんのドラムスに合わせてメカニカルなサウンドが響き渡る。
曲は電気加工した野村さんの歌が楽しい「Presentはハムスター」。
THE GOOD-BYEが1986年に発表した5枚目のアルバム『FIFTH DIMENSION』からのチョイス。
さらに同じアルバムからマサラ風味の「The Void」。
『FIFTH DIMENSION』がリリースされた1986年当時はインド料理店なんて街中でほとんど見かけなかったよねェ?
せいぜい銀座の「ナイル・レストラン」ぐらいだった。
それが今はどこにでもあるんだから、考えてみれば大きな驚きだ。
でも反対にこうしたインド調のロック・サウンドはまったく聞かれなくなった。
それゆえにとても新鮮に響く1曲。
まだまだ序の口。
衛藤さんのストレート・アヘッドなロック・ビートに…
和佐田さんのブットい低音と…
のっつの華やかなピアノがミックスされるドライビング・チューンは…
THE GOOD-BYEのキラー・チューンのひとつ「Midnight Train」だ!
もちろん2人のギターもフィーチュア。
ヤッチンはいつも通りのMarshall。
今回ステージに上がったモデルは以前から使用して勝手知ったる「JVM」シリーズの「JVM410H」と「1960A」。
ただ以前と違うのはこの専用のフットコントローラー。
今回は歪み系のエフェクターを一切使わず、この専用フットコントローラーを利用してJVMの真空管が生み出すナチュラルなディストーション・サウンドでプレイ。
だから音がベラボーに太く、ヌケの良いサウンドが会場の隅々まで飛び交った。
sourcesのヴァイオリンの2人がステージに戻って「1999」。
野村さんの歌から…
サビをヤッチンが引き継ぐ。
スムースなベンドで奏でるメロディアスな間奏もバッチリとキマった!
やっぱり音がいいわ~!
曲が終わるとすかさずドラムスが入ってきた!
衛藤さんが踏むバスドラムをバックにヤッチンが次に演奏する曲について説明する。
「皆さま、裏GOOD-BYEは楽しんで頂けましたでしょうか?
サァ~、裏GOOD-BYEからチョット大きなGOOD-BYEの方にシフトしていきたいと思います。
次に演る曲は『Go To The ぱらだいす』。
この曲にはコーラスが付いております。
1回聞いたら覚えられるメロディですので、今日初めて来た方もすぐに一緒に歌えると思います」
「♪ラララ」と何度か予行演習をしてイザ本番!
サンバ調の楽しい曲。
そして…
お客さんのコーラスの出番。
「大きな声で!」
「♪ラ~ラララ~ラララ~ラララ~ララ」
キレイにキマりました~!
曲はそのまま止まることなく衛藤さんがバスドラムを踏み続ける中、続いてはお得意のアンケート・コーナー。
「初めてTHE GOOD-BYEを観た人」、「今日が誕生日の人」と色々な質問をお客さんに投げかける。
「イエ~!」と一番反応が大きかった質問は…「今日、フォーラムに来てヨカッタと思っている人?」だったかな?
ヨカッタ、ヨカッタ!
大いに盛り上がった後はのっつの怪しげなシンセサイザーの音に導かれて…
おなじみの「ロマンティック・ゲーム」。
今日のヤッチンはところどころフェイクを交えて歌っていた。
ココで『Special ThanX』からミディアム・スローのバラード『「「LOVE」』。
sourcesの2人が添えるヴァイオリンのバッキングがとても美しい。
sourcesが登場するステージを見ているといつも「擦弦楽器」ってスゴイと思う。
電気で増幅しているとはいえ、こんなに小さな音の楽器が2本加わるだけでアンサンブル的に絶大な効果を生んでしまうからね。
改めて聴くに、コレはとってもいい曲だねェ。
お客さんも心のこもった演奏にジックリと耳を傾けていた。
いよいよ本編最後!
衛藤さんが踏むバスドラムに合わせて力強い手拍子が沸き上がる。
おなじみのイントロは「YES! YES!! YES!!!」。
はい、タオル、タオル!
やっぱりコレを演らないとね~。
「♪ンナイス!」
和佐田さんも…
sourcesの3人も…
演奏し慣れている曲だけあってノリノリ!
盛り上がりが頂点に達して…
本編終了!
圧倒的なパフォーマンスだった。
ところで…衛藤さんのドラム・キットのラック・フレームについていたのはコレ。
ズッと気になっていた。
そしてアンコール。
「本当にどうもありがとうございました。
ゲリラ豪雨で大変な中、こんなに盛り上げてくれて最高の時間になりました。
どうもありがとうございます!
今回は7ヶ所を回ったんですが、THE GOOD-BYEを再結成してからこれまでにはなかったようなツアーになりました」
「東京国際フォーラムCもなんと12年ぶりになるんです。
またこうやって皆さまと再会できたらいいなと思っております。
その時にはまたゼヒお出かけください!」
そしてこの日に用意したグッズを紹介。
アンコールの1曲目はヤッチンのリフからスタート。
ク~、いい音~!
曲は「めちゃめちゃロックンロール」。
皆さん、ツアーTシャツにお召し替え。
曲中でヤッチンがメンバーを紹介し、各々が担当楽器で一芸を披露した。
「野津永恒!」
「日高隼人!」
「加賀谷綾太郎!」
綾太郎くんが「銀座カンカン娘」のメロディを奏でるとそれに合わせて野村さんが歌を披露。
昔、野村さんは「ダディ竹千代と東京おとぼけキャッツ」のバージョンでこの曲をレパートリーにされていたからね。
私も好きで高校生の時にコピーしたわ。
もちろんおとぼけキャッツは何度も見に行った。
おとぼけキャッツというと…「そうる透」さんは時々ヤッチンのサポートをされているが、ギターの「キー坊金太」さんは細君と夫婦漫才コンビ「ジキジキ」を結成してご活躍されている。
そのことを知らず、数年前にジキジキが出演している浅草の「東洋館」の前でお見かけして驚いたことがあった。
「和佐田達彦!」
<前編>で触れた通り、THE GOOD-BYEのステージで和佐田さんが弾いているのは加賀さんの形見のベース・ギター。
ご本人のSNSをご覧の方はご存知のことと思うが、和佐田さんはTHE GOOD-BYEのステージに立つ時には必ず事前に加賀さんのお墓をお参りされている。
なんたる殊勝なお心がけ!
そしてTHE GOOD-BYEの2人を紹介し…
最後に野村さんがヤッチンを紹介した。
ギター2人のソロにスポットが当てられて…
盛り上がりは最高潮!
そこで最後の曲、「赤いポルシェ~TAKE OFF」に取り掛かった。
定番のフォーメーションに…
お客さんはもう大喜び!
サービス満点!
見せるモノは惜しげもなくすべて見せて全プログラムを終了した!
「どうもありがとうございました!」
ヤッチンが和佐田さんから手渡された加賀さんの愛器を手にして、THE GOOD-BYEの4人が大きな大きな歓声を浴びた。
最後は加賀さんと一緒にお客さんにさよならを告げたヤッチン。
メンバーがステージから下がってもお客さんがすぐに席を立たないのがTHE GOOD-BYEのコンサートのルーティン。
みんなで「GOOD-BYEのテーマ」を歌い切るまではグッバイしないのだ。
あ~、今回も楽しかった!
曾我泰久の詳しい情報はコチラ⇒soga21.com
<おしまい>
(一部敬称略 2025年9月11日 東京国際フォーラムホールCにて撮影)