『マーシャル・スタック』生誕50周年記念~壁をあじわう
「壁」…という言葉にあなたは何を想いますか?
ベルリン?ピンク・フロイド?ゲゲゲの鬼太郎?スパゲティ屋?左官屋のオジサン?安部公房(読んだことない)?、はたまた人生の壁?…人それぞれ色々あるでしょう。
もう私は圧倒的に「Marshall」。
他の壁は思い浮かばないほどにMarshallの壁。
…ということで今日はあるギタリストが実際にステージに並べたMarshallの壁をジックリと鑑賞していただきましょう。
色々な事情があって当のギタリストは登場しません。
一体誰でしょう?
ま、Marshall Blogの読者なら一目瞭然でしょう。この「万里の長城」並みに宇宙から見えるMarshallの壁の施主を…。
ヘッド三段、キャビ二段の五段積み。
昔はヘッドとキャビ二段ずつだったんだけど、ドンドン成長している。
この効果を期待して白いMarshallを並べたのはStatus Quoだった。
実はこの光景は珍しい。ナゼなら本番中は白い照明がまったくと言っていいほど使われないからだ。
しかし、いいナァ~。
他のギター・アンプを並べたって絶対にこの雰囲気は出ない。
ナゼなら似たようなデザインの商品が数えきれないほど世の中に出回っているが、これこそがオリジナルであり、ロックの歴史を作った一部であるからだ。
この黒いハコには「ロックの夢」が詰まってるんだ。
しかも、音がいいと来てるんだからいうことありゃしない。
唯一無二にして不滅のロック・アイコン。それが「Marshallの壁」。
今年はその壁板であるフル・スタック(三段積み)が誕生してちょうど50年めに当たる。
ナゼ、こういうものが生まれたのかはMarshall Blogの読者なら多くの方がご存知であろう。
Marshallの創立25周年を記念して1987年に発売されたSilver Jubilee2555Xを今回リイシューしたのはそのためだ。
実は、私はもう何年か前に2555のリイシューをリクエストしたことがあった。
別の言い方をすると「JCM800のスプリット・チャンネル・モデル」、すなわち2210、2205、あるいは2555を再生産したらどうか?と提案したのだ。
そのことをジョン社長に話すと、「知ってる。しかし、スタック50周年を記念するモデルとしてリイシューをキープしておいたんだよ」…そうなのッ?
…ということでスタック生誕50周年を記念して、ここで最近の日本の「壁」も味わってみよう!
コレは陰陽座のステージの下手。招鬼さん側だ。
同様の壁が狩姦さんが位置する上手にも設置してある。世界に誇れる日本の「壁」の代表選手だ。
GRANRODEO。
GRANRODEOの壁はいつもアンプとアンプの間にスキマを与えているところが特徴だ。
コレはステージ上手、e-ZUKAさん側のようす。
全体ではこうなる。
ショウの中でアンプのスキマに設置されている照明が輝き、舞台装置として素晴らしい働きを見せてくれる。
こちらは摩天楼オペラ。
Anziさんも必ず壁を設置してくれる。ヘッドがJCM2000 DSL100に揃えているところがこだわりか…。
コレはKelly SIMONZさんの東京キネマ倶楽部でのセット。
1959と1960の組み合わせは実にMarshall感が強い。やはり時代の音楽を作った実績を持っているからだろう。
こちらも東京キネマ倶楽部から…東京ネイルキャッツのステージだ。
野音のステージを埋め尽くす7セットのスタック。壮観!MEJIBRAYのステージ上手。
ドバっと並べなくても「壁」はできる。
コレはCONCERTO MOONの壁。2セットでも壮観だ。Marshallだから。
そして見よ!この名誉の負傷!
カバリングの剥がれて地がムキ出しになった部分にはノンちゃんの血と汗と音楽に対する情熱しみ込んでいる。
満身創痍のビンテージ・ギターと同じだ。
Marshallの壁…ロックが存在し続ける限り生き続けるに違いない。がんばれ、壁くん!