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2014年8月 4日 (月)

第14回 真夏のJAZZ 葉山 2014 ~モヒカーノ関メモリアル~

葉山に来た。暑い~。
潮風が心地よいこと!…と思ったらベッタベタの熱風。
それでも都会の風よりは健康的で、そういう意味では実に気持ちがよい。
隣の逗子の海水浴場は飲酒や音楽の禁止条例が布かれ(とてもいいことだ)、訪れる客が大幅に減っていることをテレビのニュースで喧伝していたが、この辺りはどこの駐車場もパンパンで、にぎやかな海水浴場の雰囲気が横溢している。
御用邸があるせいかどうかは知らないが、渋谷よろしく俗化極まりない湘南エリアの海水浴場よりはずっとおとなしくてクラッシーな感じがするのが好ましい。
初めて訪れたが、とてもいい印象を受けた。
今年初のかき氷…金時ミルク。イヤ~、おいしかったな~。

10 さて、なぜにココ葉山までやって来たのかというと、おいしいかき氷を食べるためではない。
『第14回 真夏のJAZZ 葉山 2014』の取材に訪れたのだ。
14回目となるこのジャズまつり、もはや葉山の夏の風物詩のひとつとなっている。
当初は海近くの屋外で開催されていたが、現在は葉山福祉文化会館内で催されている。
「暑い、暑い」と苦しまず、ジックリとジャズが味わえるというワケ。

今回は、昨年1月に早逝されたラテン・ジャズ・ピアニスト、モヒカーノ関さんへのトリビュート・コンサートとなった。

20取材の目的はコレ…ギタリスト、杉本篤彦さんのグループだ。

30杉本篤彦

40v杉本さんは昔からMarshall MG(Marshall MGIII)を愛用してくださっていて、以前にもMarshall Blogに登場して頂いたことがある。
ストレート・アヘッドなジャズをベースにソウルフルなプレイを身上とする人気ギタリストだ。
80v
今回のMarshallはJVM215C。JVM2の2x12"、50Wコンボ。
90
もちろんチャンネルはCLEAN/GREEN。TREBLEとMIDDLEが3、BASSが7~8というジャズ・セッティング。MASTERはかなり大きめにセットされている。

100
今日の杉本さんのグループ、ゲストでピアノは石井彰。日野皓正グループのピアニスト。その他、著名なジャズ・ミュージシャンとピアノ・トリオやグループを結成し活躍している。

50v吉岡大典。ジャズ、ラテン、ソウル、R&B、ブラジル音楽、ポップス、吹奏楽、フォーク、ワールドミュージック等々、幅広い分野で活躍する名手。
60v

ドラムの板垣正美もあらゆるジャンルで活躍する売れっ子ドラマー。膨大な数のサポート・ワークもこなしている。

70v

オープニングはWes Montgomeryの「Full House」。Wesの7枚目にして初のライブ・アルバムのタイトルにもなったFmの名ワルツ。
このアルバムA面最後に収録されているブルース、「Blue 'n' Boogie」の壮絶なギター・ソロはロック・ファンにも聴いてもらいたいナァ。共演のJohnny GriffinやWynton Kellyの胸のすく快演も聞き逃せない。

110杉本さんもやや早めのテンポでWesに負けないガッツのあるプレイを聴かせてくれる。
シングル・ノート、オクターブ、コード・ソロとWesの黄金のスタイルをカンペにカバーする熱のこもったソロが素晴らしい。

1202曲目は杉本さんのオリジナルで「Black and Blue」。
俗語で「Black and Blue」というのは「アザ(黒タン、青タン)」を意味するが、杉本さんのこの曲のタイトルが意味するところは都会出身の杉本さんの夜のイメージが「黒」、その後移り住んだ湘南の海や空のイメージが「青」…これが杉本さんの音楽のインスピレーションの礎となっているそうだ。
また、杉本さんが初めて訪れたニューヨークで観て感銘を受けたブロードウェイ・ミュージカル『Black and Blue』にもひっかけてあるそうだ。
よっぽどお好きと見えて、8年も続いた湘南のFMの杉本さんがパーソナリティを務めた番組名も『Black and Blue』と名付けられていた。

130vついでながら…私の「Black and Blue」はコレ。Bud Powellの『Blues in the Closet』というVerb盤。
このジャケットが好きでジャケ買いした。Bud Powellの話しをする時、まず人の口に上ることがないアルバム。色合いやモデルの女性もカッコいいが、すべての文字が小文字というのが実にイキ。聴くより眺めている方がシアワセ…。

Bbテレビ東京の人気番組『美の巨人たち』のエンディング・テーマともなったこの曲、ウォームな曲想がこのグループのヴァーサティリティアッピールする格好の素材だ。

135v続いてはオリジナルの「Blazing Sword」。
「sword」という単語は発音に注意。つづりに「w」が入っているが、ほとんど発音しない。「スァード」みたいな発音になる。Wishbone Ashの名曲も「スロウ・ダンザ・スァード」だ。
140
新撰組のファンだという杉本さん。とりわけ土方歳三がお好きで、『燃えよ剣』に触発されて作った曲だとか。
急速調でスリリングなテーマからして聴きごたえ十分!
実は、この曲ラジオで聴いたことがあって感動…ナマで聴きたかった曲なのだ!
175
各人とも素晴らしいソロを展開する!

200v

150v

160

170vここでもシングル・ノート、オクターブ、コード・ソロと丁寧、かつ緊張感極まりないソロを織り上げる杉本さん。
全音ジックリ聴いてしまった!

180シグネチャー・モデルに記されている三角印は新撰組のそれだ!

ところで…杉本さんのプレイ・スタイル。
このことである。(司馬遼太郎に対抗して池波正太郎風に…)

ピックを持っているように見えるがピックは使っていない。
昔はPat Martinoのような石のピックを使っていたが、演奏中誤って落とし、割ってしまった。その時に咄嗟に採った弾き方がそのまま今のスタイルになってしまったという。
基本的にはダウンは親指、アップは人差し指で返している。
親指は普通に弦をはじいているが、人差し指は、何と説明したらよいか、指の腹の薬指側を弦に当てているそうだ。
こうすることによってアルアイレ奏法に近くなり、弦がフレットに当たらず澄んだ音になるのを狙っている。

それと左手…発見してしまった。
先ほどから触れているが、杉本さんはオクターブ奏法をよく使用する。
1弦と3弦、または2弦と4弦の組み合わせをでオクターブを作る場合、人差し指と小指で弦を抑えるのが普通だが、杉本さんはガバッと開いて、ほとんど人差し指と薬指で押さえてしまう。
コレ、ハイフレットならそう問題ないが、5フレットぐらいまで下りてくるとかなりツライ。
ここでもガッツを追及する杉本さんなのだ。

1854曲目はEaglesの「Desperado」をシットリと。

210v一音一音、息を吹きかけるように紡ぎだす音が美しい。

220v最後もオリジナルで〆る。「Crazy Summer Blues」。

230vクソ暑い異常な夏に一撃をくらわすハードな曲!

235短い時間ではあったが、一年の大半をステージですごす杉本さんのこと、さすが!あまりにも濃いステージの組み立てで「真夏のJAZZ 葉山 2014」の素晴らしいオープニングを飾った。

240v杉本篤彦の詳しい情報はコチラ⇒杉本篤彦オフィシャル・ブログ

250ところで、杉本さんがMarshallを好む理由…「ガッツがあるから」。
「ガッツ」重視の杉本さん、この言葉が意味する一番のところは「音抜けが抜群」ということだそうだ。

250v続いて登場したのは田近香子さんというピアニスト率いるVakenecoというトリオ。
驚いたのはこのベース。

260vこの人、岩見敬吾という。元ミドリのベーシスト!
ああ、何年ぶりだろう?!バッタリ出くわしてビックリ!

270vルックスが若き日のミンガスみたいじゃない?!
ゴリンゴリンのトーンで音もミンガスみたいでカッコよかった。
しかし、こうして期せずして昔の仲間にバッタリ出くわして旧交をあたためるというのは実にいいもんだ。

280vその次に登場したのが「いわし」。Marshall BlogではSPICE FIVEでおなじみの和佐田さんが参加しているピアノ・トリオだ。

290「い」の井上尚彦。
320
「わの」和佐田達彦

300v「し」の進藤陽悟。進藤さんは以前ファンキーさんの五星旗3rdでMarshall Blogに登場してもらった。

310vこれがまた最高だった。
さすが和佐田さんが参加しているグループだけあって演奏だけだでなくMCも抱腹絶倒!イヤ~、おもしろいのなんのって!
もちろん3人ともプレイは超一流。最高の演奏と最強のおしゃべりは一度体験すべし!

330帰りはちょっと渋滞に巻き込まれたけど、まぁ問題なし。
実に充実した一日であった!
夏もなかなかいいもんだ…イヤイヤ、早く秋になってくれ~!

340(一部敬称略 2014年8月2日 葉山福祉文化会館にて撮影)