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2021年1月 5日 (火)

【訃報】アレキシ・ライホのMarshall

 
この記事より先に「新年のごあいさつ」を投稿した。
本当にただのご挨拶だけで1本編むのも気が引けたが、めでたい新年の最初の投稿が「訃報」になってしまうのもどうかと思い、苦肉の策でコレを2021年の2本目の記事とさせて頂いた。
…というのは、昨日飛び込んできたアレキシ・ライホの訃報。
「ナニ、アンタ、アレキシ知ってんの?」とすぐにツッコミが入りそうだが、ご指摘の通り…失礼ながら音楽は存じ上げません。
でも、2008年の7月7日に会ったことがあるの。
ナゼか場所は名古屋のダイアモンドホールで、当時のYOUNG GUITAR誌の編集長と一緒だった。
それがどうしてそういうことになったのかサッパリ覚えていない。
アレキシにはMarshallを貸し出してあって、機材の取材を申し込んでいたんだと思う。
私は前日に名古屋に用事があって、翌日にChildren of Bodomの名古屋公演があるのでちょうどいい…なんてことになって、インタビューを予定していたヤンギさんと相乗りさせて頂いたような気がする。
私の手元には残っていないんだけど、ヤンギさんのインタビューの後にアレキシの写真を撮ったんじゃなかったかな?
それが下のムックのためだったような気がするけど、最近は思い違いをしていることが少なくないので真相はわからない。
インタビューの間中ひと時も缶ビールを手から離さず、面倒くさそうに話すこの時の様子はお世辞にも「愛想が良い」と言える態度ではなかったが、いかにも「何か自分だけのモノを作り上げているロック・ギタリスト」という自信に満ち溢れた雰囲気で、小柄な体躯から出ている雰囲気は迫力満点だった。
あれがロック・ミュージシャンのデフォルト・スタイルと言えなくもないわな。Ygal_2 以下、今は見ることができない2008年7月11日付けのMarshall Blogの記事を大幅に再編して故人を偲ばせて頂く。
 
★   ★   ★   ★   ★   ★

コレがアレキシのMarshall。
アンプ・ヘッドはJCM800 2203KK。
御存知の通りSlayerのケリー・キングのシグネチャー・モデルだ。
アレキシは今年に入ってからこの2203KKを使用し始めた。
実はコレがはじめてレギュラーで使うマーシャルなのだそうだ。
以前はブースターが搭載されたアクティブ・ピックアップのギターを他社製のラック・タイプのアンプに組み合わせて使っていた。
ところが、そのギターのつくりが非常に繊細で、ステージ・アクションの激しさからか故障が頻発。
加えてサウンドが安定しないために、オーソドックスなピックアップに交換した。
そして、新しいアルバムをレコーディングする時にスタジオにあった2203KKにトライしたが、アレキシはその音に満足できなかった。
Img_2228しかし、ギターのピックアップをディストーションがやや深いモノに交換したところ、2203KKから出てくる音がガラリと変った。
アレキシ曰く、2203KKの魅力は「ヌケのよさ」と「中域の厚み」。
その素晴らしさは特にソロの時に発揮され、アレキシが今まで一度も経験したことのない納得のいくギター・サウンドになったそうだ。
 
下がメインで上がスペア。
Img_2233メインの2203KKのセッティングがデカデカと記されている。
「Pre-Amp」、すなわちゲインが「9」だって。
マスターは「3.5」だけど、コレでもかなり狂暴なサウンドだ。
「THE BEAST」スイッチは常時ON。
それだけにノイズ・ゲートもかなりガッチリと使っている。
GAINも含めたほとんどのコントロールには触ることがなく安定しているらしい。
エフェクターで歪ませることはなく、ピックアップのディストーションと2203KKですべての歪みを作り出している。
Img_2216リアのようす。Img_2220キャビネットは1960Bを1台だけ使用しているが、2×8Ωで出力している。

Img_2224アレキシ使用の1960B。
Img_2231コレはそのリアパネルのようす。
当然「8Ω STEREO」で結線しているのだが、SPEAKER OUTのひとつはキャビネットにダイレクトに、もうひとつは間にダイレクトボックスを経由させている。
いつもこの方法でキャビネットをつないでいるそうだ。
「本当は16Ω一発でつないだ方が音がいいんだけどね!」とは2001年からアレキシについているギターテクのノイビ氏。
そりゃそうでしょう。
Img_2223 出番を待つアレキシの愛器たち。Simg_2230_3
★   ★   ★   ★   ★   ★
 
以上。
Marshall Roadshowで日本国中を回って2203KKのデモンストレーションをやったっけナァ。
もう13年も前か…。
今にして思うと音のはもちろん、個性があってとてもいいモデルだった。
高崎さんが試奏された時、ノイズゲートの性能の良さに笑いながら「コレ、危険やナァ~。お婆さんが近くにおったらビックリして死んでまうで!」なんておっしゃられたのをよく覚えている。
「イヤイヤ、お婆さんはまず近寄る機会がありませんから!」なんて大笑いしたっけ。
ちなみに、アレキシは「ケリーとは仲良し」と言っていた。
  
Alexi "Wildchild" Laiho…享年41歳。
長い間病床に臥せっていたとか。
才能あるギタリストのご逝去を心からお悔やみ申し上げます。
 

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