Live or Die 2026~aphasia
『Live or Die 2026』の2番手は「aphasia」。
浅学にしてまったく存じ上げなかったので、Marshall Blogには当然コレが初めてのご登場。
メジャーでの経験もある1995年結成のベテラン・チームだ。
ところで、ギリシャ語に語源を持つバンド名の「aphasia(アフェイジア)」という単語は「失語症」という意味なんですな。
病気や疾患の英単語って語源がギリシャ語とラテン語のモノが多く、覚えるのに大変な苦労を強いられる。
そもそもやたらと読みにくい。
いくつかやってみると…
「lumbago(ランベイゴウ)」…コレはラテン語が語源で「腰痛」という意味。
でも実際に英語圏の人と話す時は「backache」で済ませちゃう。
じゃ、「migraine(マイグレイン)」は?
ギリシャ語が元になっていてコレは「片頭痛」という意味。
コレも「partly headache」とか言って逃げることができる。
困るのは他に言い換えようがない病気の名前たち。
ギリシャ語系だと「pneumonia(ニューモニア=肺炎)」、「asthma(アーズマ=喘息)」、「rheumatism(リウマティズム)=リウマチ」、「diabetes(ダイアビーティーズ=糖尿病)」、白内障が「cataract(キャタラクト)」で緑内障が「glaucoma(グラウコーマ)」等々。
ラテン語系だと「tubeculosis(チューバキュローシス=結核)」がムズカシイ。
「influenza(インフルエンザ)」も「cancer(キャンサー=ガン)」も「virus(ヴァイラス=ウイルス)」も「vaccine(ヴァクシーン=ワクチン)」もラテン語由来だ。
そういえばイギリスの人との会話の中で「痙攣」という英単語が言えない自分に気が付いたことがあった。
「麻痺(paralysis、パラリシス)」は知っていたんだけどね…コレはギリシャ由来。
「痙攣」はラテン語由来で「convulsion(コンヴァルション)」という。
変わりモノとしては「梅毒」を意味する「syphilis(シフィリス)」…コレがイタリア。
「疱瘡」を意味する「smallpox」は英語。
水疱瘡のことを「チキン・ポックス」とかいうもんね。
ではどうしてこうもギリシア語やラテン語の単語が使われているのか?
コレは医学の発症がギリシアで、その後にラテン語を使う古代ローマ帝国方面へと伝わったかららしい。
加えてラテン語はもう「死んだ言語」なので、時間が経っても変化しないという利点があるのだそうだ。
Marshall Blogはタメになるね~。
脱線おわり。
aphasiaの屋台村のようす。
結成31年ですからね。スゴイです。
とてもパワフルなスタートを切ったaphasiaのステージ。
1曲目は「Wasted Time」。
Sion
goe
jun
ベースはサポートでTsui。
Tsuiさんは前回レポートしたANIMETAL BRAVEHEARTに引き続いての出演。
プロフィールを拝見すると、どうもこのチームはベーシストの入れ替わりが激しいようで「スパイナルタップ」で言えばドラマーというところか?
goeさんはMarshallを長年にわたって愛用してくれている。
この日は「JCM2000 DSL100」と「1960A」。
コ、コレはッ!
思っていたのとゼンゼン違っていた。
上から目線的な言い方で失礼なんだけど、昨今の女性バンド臭がほとんどしない分厚いサウンドのとてもイイ感じのヘヴィ・ロックなのだ。
続けてjunさんのドラムスがハジケ飛ぶドライビング・チューン「Sandplay is Over」。
サビの展開が美しい!
goeさんのシャープなギターソロが炸裂!
間にタッピングのフレーズを挟み込み華麗にキメてみせた。
ん?この曲…作りがすごく凝っているな。
Aメロ⇒Bメロ⇒サビとひと通り通過した後、クロマチックでコードが進行する大きなコーダのパートが用意されていて、コレがすこぶるカッコいい。
アウトロがまたシャレれているときてる。
このコーダからアウトロのパートのTsuiさんのベース・ラインの何ともクリエイティブなこと!
「明けましておめでとうございます!
新年1発目でこんなに暖かく、楽しく迎えてくださって本当にありがとうございます。
みなさん、盛り上がっていますか!
ドンドン駆け抜けていきたいと思いますので次の曲いってみましょう!」
3曲目は「Queen of the Night」。
お、「魔笛」ですな?…コロラトゥーラ。「エディタ・グルべローヴァ」しか知らないけど。
クリーン・トーンのギターの静かな独奏から…
一転してアップ・テンポのタイトなバンド・アンサンブルにつながる。
「♪傷ついて 傷ついて」
切ないメロディをなぞるSionさんの声が響き渡る。
最近初めて見た女性シンガーの中でメロディを正確に歌うということに関してはSionさんが一番お上手なのではないかしらん?…と思ったらチャンと声楽をお勉強されていたのだそうだ。
やっぱり声のヌケが違うんだよね。
Tsuiさんのテクニカルなベース・ソロに続いて…
goeさんのギター・ソロ。
濃密なインスト・パートは見応え充分。
その熱情的なプレイをjunさんのドラムスが力強くバックアップした。
少々雰囲気を変えて「冬の雨」。
goeさんはコーラスでも大活躍。
切ない歌をカッチリとしたバンド・アンサンブルでドラマティックに演出する。
曲想を引き立てるギター・ソロ。
感情を込めに込めたベンドが雄々しい。
チャンとMarshallのフロント・パネルにギターをつないでいるので音太さとヌケはバツグンだ!
「皆さんが歌ってくださったり、聴いてくださったり…本当にありがとうございます。
とてもうれしいです。
寒波が来ると言っていたのに東京は全然晴れていて過ごしやすくてヨカッタです。
新年の一発目にこういう風に皆さんとお会いできてうれしいですね。
私たちの前に出たANIMETAL BRAVEHEARTSから続けてTsuiさんにサポートでベースを弾いてもらっています。
Tsuiさん、ありがとうございます」
「演る曲のスピードがさっきと違いすぎて大分戸惑ってます。
向こうは勢いでガンガンいけるけど、こっち歌物なので『あ~、どうしよう!』って思いながら演りました。
今回で3回目かな?
だからすぐに良い感じになりましたがいかがでしたか?
楽しんでもらえていますでしょうか?」
さて、前回も書いたようにこの日はヘッド・ライナーが止むなくキャンセルとなったため、他のバンドの持ち時間が延びた。
ANIMETAL BRAVEHEARTSはその時間を急遽ドラム・ソロとギター・ソロに充てたが、aphasiaは1曲追加することになった。
予定外のことなのでリハーサルができたのは開演前の僅かな時間だけ。
それゆえ各メンバーとも緊張の渦の中で演奏することとなった。
Sionさんが「お年玉ソングとして聴いていただけたら…イエ~イ」と紹介したのは「Afterglow」。
コレも鉄壁のドライビング・チューンだ。
ココでもタッピングを交えた流麗なソロを披露したgoeさん。
ナンだ…ゼンゼン大丈夫じゃん。
それどころか思う存分にノリまくっていらっしゃいました。
後ろからニコニコと見守るjunさんの笑顔のおかげだそうです。
オモシロイことを教えてやろうか?
今演奏した曲のタイトルの「Afterglow」というのは「夕やけ」とか「夕映え」という意味なんだけど、ジェネシスに同名の名曲がある(1976年の『Wind & Whthering 』収録)。
で、その曲が1977年の『Seconds Out』というライブ・アルバムにも収録されていて、曲の後半のリピートの部分でドラマーのチェスター・トンプソンが必殺のドラム・フィルを叩く。
チェスターはフランク・ザッパのバンドのOBだ。
実はその「Afterglow」で叩いた必殺のフィルは、ザッパの1974年の『Roxy & Elsewhere』というライブ盤収録の「More Trouble Everyday」という曲の中でチェスターが叩いた(多分)7/8+9/8拍子のドラム・フィルなのだ。
コレに気がついた時はビックリした。
その背景を調べてみると…
ご存知の通りジェネシスのフィル・コリンズはジャズも十分にプレイできる素晴らしいドラマーだが、ボーカズに徹するためにドラム・パートの演奏を誰かに頼む必要があった。
フィルはその大役を予てよりチェスター・トンプソンにお願いしたがっていたそうだ。
そして、チェスターがまんまとジェネシスに加入した時、フィルが「More Trouble Everyday」のあのドラム・フィルを「Afterglow」で叩いてチョーダイ!とお願いしたんだって(「フィル」がややこしいな)。
オモシロイねぇ。
興味のある方は両方聴いてみてください。
どちらも「ロック」という音楽における最高峰の作品と言っていいでしょう。
特にザッパの方はロック史上ベスト10に入れても全く問題がないような超人的にカッコいいロックです。
ちなみに1978年、私が高校1年生の時にジェネシスが来日し、新宿厚生年金会館でフィルとチェスターを観た。
演奏も照明も素晴らしいショウだったが「Afterglow」を演ったかどうかはサッパリ覚えていない。
最後のセクションに突入する。
ギター・リフからスタートした「Break the Ice」。
これまたパワフルにどこまでも突き進むドライビング・ナンバー。
ココへ来て更にバリバリとシャウトしまくるSionさん。
そして何しろバッキングもソロもギターの音が分厚い!
「♪ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!」
Sionさんのアオりで客席は大盛り上がり!
aphasiaの出番の最後を飾ったのはキラー・チューンの「Thief in the Mirror」。
最後まで一瞬たりともテンションを下がることのない激演を披露した4人。
短い時間ではあったがaphasiaの魅力が爆発したステージだったのではなかろうか?
初めて観てそう思ったわ。
イヤ~、ホントにビックリした!
aphasiaの詳しい情報はコチラ⇒aphasia official website
<つづく>
(一部敬称略 2026年1月11日 吉祥寺CRESCENDOにて撮影)