Paul Weller Live in Japan
正直が取り柄のMarshall Blog。
知らんモノは知らんとハッキリいうことを「是」としている。あ、ハッタリは時折かましてます。
で、The Jamとか、世代が違うんですよ。
だからPaul Wellerのことについてもまったくといっていいほど存じ上げません。
あ~あ~、言わなきゃいいのにね。
でも、知りもしないことをゴチャゴチャ書くのはマッピラごめんだし、そもそもアーティストに対して失礼だ。
そんなことを考えながら記すPaul Wellerの来日公演。
でも、PaulとMarshallの結びつきが強いことはよく知ってる。
2009年、MarshallはPaulの50歳を記念してシグネチャー・モデル1987PWを世界限定50台でリリースしたのだから。
日本にも数台が入荷してすぐに完売したのを記憶している。
そして、Marshallはこのモデルの売り上げを「ChildLine」という、いじめや児童虐待等の影響を受ける児童を相手にする電話カウンセリングを行う慈善団体に寄付したのだ。
さて、このPaulのシグネチャーモデル。1987PWというモデル・ナンバーにはなっているが、元は2100 Lead & Bassという2x12"コンボだ。
Paulの大のお気に入りのモデルで、長年にわたり愛用している。今回の来日公演でもそれを使用した。
下段はエクステンション・キャビネット。
LCフレットのフル・フェイスってメッチャかっこいいよね。大スキ。
この2100は1973から1976年までの間、通信販売だけで流通していたレア・アイテムだ。
JCM900の2100と混同しないように。
昔、頭の二ケタがモデルのスタイルを表していた時期があった。すなわち「19」がヘッド。「21」がコンボを意味していた。
だから2159は1959のコンボ(記録では日本未上陸)、2187は1987のコンボのモデル・ナンバーだった。
そして、2100はMarshallの中でも変わった設計のモデルとされている。
シグネチャー・モデルの型番にあるように設計の母体は1987。すなわち50W。
「LEAD & BASS」の名が示す通り、ひとつのチャンネルがギター用、もう一方のチャンネルはベース用になっていた。
「これ一台でベーシストと楽しくジャムっちゃおう!」みたいな企画だったのであろうか?
当然、他の4インプットのモデル同様にリンクすることができ、より多彩な音作りが可能になっている。
チェックしなかったけど、後ろのは1962かな?
もうひとつ面白いのはこのコンボのヘッド・バージョンは1964というモデル・ナンバーで存在しているが、LEAD & BASSという観点からすると、100Wバージョン・ヘッドはMarshall名義では製造せず、CMIでしか作らなかった。
写真を撮っていたらツアー・マネージャーのロジャーが親切にもピロっとPaulのピックを置いてくれた。
これがそのピック。もらってきちゃった!モッズファザー…カッコいいね!
そして、こちらはドラマーBenのキット。
フロント・ヘッドは取り換えられているが、NATALのバーチだ。
12"、16"、22"のコンフィギュレーション。
スネアもペダルもNATALを愛用している。
ショウがスタート。
有名なGreatful Deadの熱狂的オッカケ「Dead Head」よろしく、「Weller Head」ともいうべきイギリス人カップルがいる。Paul Wellerの行くところ世界中追いかけてショウを楽しんでいるのだ。
開演前に少し話をしたのだが、この人たちがまた感じのいい人達で面白かったナ。PaulのTシャツを買いたいんだけど、「サイズが小さくて着れん!」とガッカリしていたっけ。
そのカップルはシッカリ最前列を陣取っていたので、私がプレスピットに入ると肩を叩いて声をかけてくれた。
曲はまったくわからないけど、ストレートにロックする姿は見ていて実に気持ちがいい。
満員の観客もノッケから大ノリだ。
それでですね、Paulはすごいジェントルマンだったのですよ。
スタッフの人から私がお邪魔していることを聞きつけると、私のところにワザワザ来てくれてキチッと挨拶してくれた。ビックリしちゃったよ!
差し出した手を握ると、とても柔らかくて温かかった。
Paulのバンドはツイン・ドラムでBenはパーカッショニストとしての役割もこなしていた。
実はPaulを観るのは二回目だ。前回は2004年の「Rock Odyssey」というイベントだった。
ナンカあの時よりもイキイキとして元気そうだった。
私より4つ年上か…。
実際に面と向かって会ってみると、細身で貫録があって実にカッコいい。
やはり一世を風靡した人ってのは雰囲気が違いますな。
Paulは今年五月に『Saturns Pattern』というアルバムを出したばかり。Benのバスドラム・ヘッドのデザインはこのアルバムのジャケットだ。
このアルバムからのレパートリーを中心に新旧を取り混ぜた20曲。そして二回のアンコールで8曲を演奏。すごいサービスだ。日本のファンをいかに大切にしているのかが感じ取れる。
Paulはかつてのインタビューで「ピックアップのスイッチをひねるだけで俺はMarshallの音色を自由自在に操れる。うるさいラウドな音色から、美しいクリーンな音、温かいベースの効いた音に至るまで」…と言っている。
イヤ、まさにそうなんですよ。
ショウが始まる直前、ジャラーンとコードを試し弾きした瞬間、マジで驚いたね。
思わず小声で「ウワッ!音いい~」とつぶやいてしまった。
いかにもビンテージのMarshallのリッチな音色で、6本の弦の音がひとつひとつバラバラに聞こえて来るような素晴らしいバランス。
ソロではシャープなトーンで愛用のテリーを唸らせる。
Paulの言葉通り2100をうまく使いこなしていた。
The Jamの曲も何曲か披露され、長年のPaulファンにはタマらない内容だったハズだ。
Paul Wellerの詳しい情報はコチラ⇒Official Website(英語版)
1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
(一部敬称略 2015年10月14日 Zepp Diver Cityにて撮影)