D_Drive Seiji~GUITAR DRIVE <前編>
D_Drive Seijiのソロ・ライブ。
かつてドラムスをフィーチュアした『DRUMS DRIVE』という企画があったが、今回は『Guitar Drive』と銘打ったギターが主役のコンサート。
実はコレ、今年の4月6日に予定していた企画の振替公演。
不幸にも健康面でご難が続いていたSeijiさんがほぼ体調を取り戻し、意気揚々と臨んだステージだ。
ダメよ、もうとにかく健康第一ね。
早寝早起き、適度な運動、そして少しでも変なモノを摂らないように留意しましょう。さて、今日ははじめに機材の紹介をしちゃおうかな。
コレはSeijiさんが使用したこの日のMarshall。 アンプ・ヘッドは使い慣れた「JVM410H」。
1台はスペア。
スピーカー・キャビネットは「1960TV」…珍しいでしょう?その向かって右側にセットしてあるのは今年1月のNAMMショウで発表したSTUDIOシリーズの新しい仲間「SN20H」と既存の2x12"スピーカー・キャビネット「SC212」。
さらに、ステージの上には1×12インチ、完全クローズド・バックのスピーカー・キャビネット「1912」が上下に1台ずつ。
こんなん今までなかったでしょ?
なんかこのキャビネットって、すごく見た目がいいな。
というのは、1x12"サイズにエレファント・グレインのカバリング、「1960」と同じハンドル、フレット・クロスの四辺に取り付けられたゴールド・パイピング、そして左下の「1912」のプラーク…Marshallのスピーカー・キャビネットの「箱庭」みたいな感じで実に魅力的だ。
コレで音さえよければ…って、そこが一番優れているときているんだからWho could ask for anything more?定刻通りにショウはスタート。
まだ15:30だからね、早いのは大変助かります。おなじみのリフは「Attraction 4D」。
D_Driveのレパートリーを代表するキラー・チューンから…
「Red Light, Green Light」へとつなげた。
今日も必殺のテーマ・メロディがスリリングに鳴り響く!
2曲続けての人気ナンバーでツカミはバッチリ!
「こんにちは!
今日は4月に行う予定にしていた公演の振替です。
私の入院や手術が重なり延期させてもらいました。
ご迷惑をおかけしましてスミマセンでした!
おかげさまで手術も無事に終わって復帰しました。
これからもソロ活動を続けてまたここにお邪魔させてもらいますのでよろしくお願いします」「今日は『アレ?なんかいつもとセット違う!』と思われたのではないでしょうか。
なんかスゴイでしょ?
見たこともないMarshallのスピーカー・キャビネットが並んでいると思ったでしょう?
今弾いた2曲、どのスピーカーが鳴っていたのかわかりました?」「じゃあ、このボクの真後ろにあるこの大きな『1960TV』というキャビネットから鳴っていたと思う人?(少し手をあげる)
じゃあ、その横のタテ長の『STUDIOシリーズ』のキャビネットが鳴っていたと思った人?(チラホラ)
なるほど…最後、ステージの上の両側の小っちゃいスピーカーだったと思う人?(1番多く手をあげる)
おお!最後に手を上げた人が多かったですね」「正解です!
実は端のちっちゃなスピーカー2つが鳴っていました。
コレは『1912』というスピーカー・キャビネットで『B150』というセレッションのベース用のスピーカーが入っているんですね。
だからこんなに小っちゃいのに低音がものすごくよく出るんですよ」「どこにいても音がすごくダイレクトに伝わるので間違えてしまってもムリはないと思います。
Marshallのスピーカーって本当に指向性が強いので、聞く場所ですごい感じが変わるんですね。
スピーカーがこんなに離れて両側にあるというのは、普段なかなかやらないセッティングですからね。
ボクも最初は不思議な感覚でした。
リハの時に客席で位置を変えながら弾いたんですが、『こんなに聞こえ方が変わるのか~』って驚きました。
こんなに小さくても、とにかく充分な迫力が出ています」「今日も2部構成で進めますが、この第1部は『1912』を2発鳴らして弾きます。
第2部ではこのボクの真うしろのスピーカー、『1960TV』に切り替えるんですが、その前にSTUDIOシリーズの『SN900』をア・カペラで弾いて皆さんにその新商品の音をお聴き頂きます」使用機材と今日の段取りを説明したところでココから新旧取り混ぜて3曲をつなげた。
まずは「Runaway Boy」。
いつも書いているが、私が一番最初に耳にしたD_Driveサウンド。
続けて「Lost Block」。ドラマティックなハード・ワルツ。
こうして改めて聴いてみると…やっぱりカッコいいナァ。D_Driveはスゴイよ。
他に誰がこんな曲を演るってんだよネェ?先週、久しぶりにMarshall Recordsの親分のスティーブとインターネットでミーティングをしたんだけど、最近の活動のことをとても心配していてくれていて、改めてD_Driveの音楽を「Great music!」って言っていたよ。
彼は仕事柄、日本から海外に行っているバンドをいくつも知っているが、D_Driveがそうしたバンドとは全く違った存在であることを百も二百も承知してくれているワケ。
アタシャうれしくて涙が出たわ。 このセクションを締めくくったのは『DYNAMOTIVE』から「Thumbs Up」。
コレも極めてD_Driveyな1曲。
この曲を「Marshall GALA2」でお披露目した時の衝撃を忘れない。
アノ時、イントロはディミニッシュ・コードかなんかをイッパツ鳴らしただけのシンプルなモノで、私はそっちの方が好きだった。
アタマのリフがクッキリと提示されるから。
そういえば、最近不思議なことに今頃になってアチコチでやたら「Marshall GALA3はいつやるんですか?」とか「GALA3をやってください!」って言われるんだよね。
アレはどういう風の吹き回しなんだろう?
コレは、やるのは私だけど、キメるのはMarshallなんですよ。また…コレは以前にも書いたことがあったと思うが…2020年のNAMMの時のこと。
私は「Thumbs Up」をどうしても上に出て来たMarshall Recordsの親分のスティーブに聴いてもらいたくて、ワザワザ他のところにいた彼を呼びに行って、Seijiさんに頼んで演奏してもらった。
私はドヤ顔だったんだけど、最初スティーブのアタマの上にはいくつも「?」マークが浮かび上がっていたな。
こんなサウンド、耳にしたことがなかったのだ。
曲が終わるやいなや大「ブラボー!」状態。
そして『DYNAMOTIVE』に収録されることになったのであった。「ありがとうございます。
良い音してません?…コレ!ねぇ~。
実はボクも今日、初めて実物を見たんですよ!」
ね、いいでしょ?
故小川銀次さんも「世界で一番低音が出る1x12"キャビ」と愛用してくれていました。「チョット振替公演の話に戻るんですけど…入院しまして。
皆さんは『病院食』って召しあがったことがありますか?
コレがすね、今、『クオリティ高ッ!』になってるんですよ。
まず出て来るモノがアツアツです。
『そんなことあるワケない!』ってシゲさんがメッチャ疑うんですわ~。
ところがホントにアツアツなんですよ。
しかも『ア、確かに熱いな…』なんてもんじゃないんです。
『アッツゥ~!』って触るとヤケドの1歩手前くらいぐらいの熱さ!
メチャクチャ焼きたて~、温めたて~…みたいな。
で、マジで味もいいんですよ~!
ボクは3か所入院しましたが、確かに『マッズ~!』みたいなところもありました。
でも食事のクオリティが高い病院は必ずあります…ヨカッタら紹介します」下の何枚かの写真は実際にSeijiさんから送ってもらった「病院食グルメ・コレクション」。
どうしてもアツアツには見えないんだよな~。
Seijiさんが言うには…
「写真ではウマそうに見えない。でもアレは仕方ないんです。
器や食器がチープなプラスチックだったりするのでヌルくてマズそうに見えちゃうんですよ。
アレが有田焼とか伊万里とか、高級な器によそったら絶対にウマそうに見えるハズです!」「そうなればきっと『ココに入院したいわ!』って思いますよ。
それだけボクも勧めたいくらいなんです。
だから時代が変わって、腹が減ったら『どこの病院行く?』みたいな…。
ホスピタル・レストランみたいなチェーン店が出来たりしてもいいんじゃないかなと思うくらいクオリティが高かったんです。
だからと言って皆さん入院してくださいなんて言いませんよ!
でも、もし割と長期で入院せなアカンことがわかっていれば、食事がおいしい病院へ行った方がいいですね。
そうなると本当に食事が楽しみになってきますからね。
朝食と昼食の間は短いからいいんですけど、夕食はチョット時間が空くのでメッチャ楽しみになってくるんですよ!
コレがどうしても言いたかった!」
Seijiさん、もう完全に病気のことを忘れてるな?でも、この「スキヤキ風」のヤツなんかは本当においしそうだな。
確かにコレが高級な器に入って来たらかなりイケるかも。
ま、アツアツには見えないけど。
実は私も人生で4回ほど入院していて、一番最近は1999年、腰椎の椎間板ヘルニアで1ケ月ほどベッドの上で過ごした。
当時そこは日立が運営している東大病院の子分みたいな施設で、食事がおいしいことで知られていた。
私は内臓疾患ではなかったので食事に何の制限もなく、確かに3食ともとても美味しかった…と言っていられるのもせいぜい2週間。
それ以降は初体験のおいしそうなオカズが出て来てもナゼか受け付けなくなっちゃう。
2週間も食べ続けてしまうと基本的な味付けに猛烈に飽きてしまうのだ。
やっぱり家のご飯ってのは本当に偉大だと思うね。コレはどうだっ!ウマいのか?!
さすがにコレは手術前後のメニューだったんでしょう。
でも、Seijiさんが投稿したこういった病院の食事の写真を見るたびに「健康でいなくちゃ!」と気持ちを引き締めることができるのです。
Seijiさん、ありがとう!
そしてくれぐれもお大事に!食事の後は…チガウチガウ!
でもデザートに梅。
「U-Me」を演奏。「名曲」の呼び声が高い1曲。
ホントに名曲だわ。
聴けば聴くほど味が出て来るのは梅干しの種と同じか?Seijiさんが「1912」は「U-Me」にピッタリとハマるような気がする…とMCで言っていたがご明察!
ギラギラしない「1912」のコンパクトな鳴りが曲想によくマッチしていたと思う。第1部を締めくくったのは「TSURUGIー剣ー」。
ハードに暴れ回るこの曲もバツグンのギター・サウンドで聴かせてくれた。
また早くD_Driveの演奏で聴きたいね!Seijiの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official website
<後編>につづく
(一部敬称略 2025年6月15日 新横浜strageにて撮影)