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2022年8月30日 (火)

プログレッシブ・ロックってナンだ?~D_Driveの新作『DYNAMOTIVE』が教えてくれたこと

 
皆さんはプログレッシブ・ロックがお好きですか?
今日は「プログレッシブ・ロック」について書きます。
 
時折こんなシーンに出くわすことがある。
曲が長いっちゃあ…「アラ!プログレだネェ」。
変拍子に気が付いて…「ヘェ!プログレっぽいネェ」
歌詞が難解と見れば…「ナニ?プログレ好きなの?」
それらがいわゆる「プログレッシブ・ロック」と呼ばれている音楽のステレオタイプであることは否定はしない。
実際、King CrimsonもPink Floydも曲は長いし、ワケのわからないことを歌ったりしているもんね。
あと付け加えるなら、メロトロンを使っているか否か…か?
でもね、そういう条件に当てはまっていればミソもクソもプログレッシブ・ロックに括ってしまうのはナ~ンカ違うような気がズットしていた。
もうチョット言うと、「燃えるゴミ」か「燃えないゴミ」かが判別できないモノはすべてプログレッシブ・ロックにしてしまう的な処理方法。
クラシックの「現代音楽」の取り扱いにも似たイメージ。
そうではなくて、プログレッシブ・ロックというのはもっと精神的なモノではないか?…と私は予てから考えていたワケ。
「進歩的な」とか「前進的な」という意味の「progressive」という単語を冠した「プログレッシブ・ロック」と呼ばれている音楽は、出て来た時にはブルースに深く根差したそれまでのロックと一線を画したまさに「プログレッシブ」な音楽だったんだけど、時間が経ってピンからキリまで色んなモノが出揃った結果、プログレッシブ・ロックはちっともプログレッシブではなくなってしまった。
そこで、「曲が長い」とか「変拍子の多用」だとかいう外見だけがプログレッシブ・ロックの言葉の意味として生き残っている…というのが今の日本のプログレッシブ・ロックをとりまく環境と考えてまず間違いないであろう。
ところが!
今回、プログレッシブ・ロックの故郷であるイギリスでは、上に書いたようなステレオタイプを包含しつつ、プログレッシブ・ロックという音楽がその語意通りに存在しているということを知った。
そのキッカケを作ってくれたのはD_Driveだった。5bafyggdq  
Marshall Blogの前回の記事でD_Driveが2枚目の世界リリース・アルバム『DYNAMOTIVE』を発表したことをレポートした。
現在、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、キリル文字を使う国のどこか…あたりのウェブサイトや雑誌を通してPRが盛んに展開されているのだが、今回は特にイギリス国内でのPRが充実していて、D_Driveの名前も徐々にイギリスで浸透してきているらしい。
コレはうれしい!
ロックの第一等国のイギリスである程度の地位を築くことができればヨーロッパを押さえることができるかも知れないからね。
アニメの力もゲームの助けもなしに、自分たちの作った音楽一本で勝負をしているだけに、もしそうなれば喜びもひとしおというモノだ。
210
そのPR戦略の中で特にうれしかったのは雑誌関連。
イギリスは日本とは比べ物にならないぐらい雑誌の文化が発達している。
日本では先日、若いバンドを取り扱う雑誌の休刊が発表されて私は結構ショックを受けたんだけど、イギリスはまだまだ雑誌が盛ん。
下はMarshallの本社の近所にある「ASDA」という大手スーパーなんだけど、本屋でもないのに向こうのハジが見えないぐらい多種多様な雑誌を陳列している。
イギリスのスーパーはどこへ行っても同じ。
その代わり町の本屋は極端に少ない(本屋に関しては今や日本も同じか…)。
Img_0624 
もちろんギターに関する雑誌も何種類か置いてあって、その中のひとつが『GUITAR WORLD』。
コレはアメリカの雑誌だが、イギリス版が発行されている。
イギリス産の『Total Guitar』と人気を二分するギター雑誌だ。
うれしいことに、コレにD_Driveのインタビューと機材紹介が掲載されるようなのだ。
「ようなのだ」というのも変なのだが、もし出なかったら恥ずかしいのでこういう表現にしておく。
でも、イギリスに行くたびに目にしている雑誌なのでコレはうれしかった。
こういうインタビューの依頼が来ると、毎回私は「英語の質問⇒日本語の質問⇒日本語の答え⇒英語の答え」という翻訳の全プロセスを担当している。
もちろん私の英語だけでは不自然なので、英語の達人であるMarshall Recordsのスタッフに「Anglicization(アングリサイゼーション)」という作業をしてもらう。
つまり、学校で習ったような四角四面の私の英語を、日常のイギリス人が使っているような自然な英語にブラッシュアップしてもらうのだ。
連中は英語ウマいよ~…当たり前か?
それでも8割以上は私が翻訳した英文が残る。
ところが、加筆訂正してもらった残りの2割の鋭さが生半可じゃないのですよ!
「そうか!ココはそういえばヨカッタのか!」と毎回目から大きなウロコが何枚も落ちる。Gw_2 
『GUITAR WORLD』もうれしかったけど、もっとうれしかったのは『Prog Rock』というプログレッシブ・ロック専門誌からインタビューが来たこと。
『Prog Rock』は70~80年代のロックを題材にする『Classic Rock』の姉妹誌。
私はこの雑誌が大好きで、自分の好きなバンドが特集されていれば必ず買って帰って来るのが常だった。
「prog」というのは「progressive」の略ね。
向こうの連中は普通「プログレッシブ・ロック」のことを「プロッグ・ロック」と呼ぶ。
このインタビューの質問はムズカシかった!
さすがプログレッシブ・ロック専門誌というだけのことはあったな。
 
私はプログレッシブ・ロックが大好きでしてね。
今はもうほとんど聴くことはないけれど、中学3年生の頃から夢中になって、数年前まで積極的にCDを買い漁っていた。
ブリティッシュは言うに及ばず、イタリア、フランス、北欧、東ヨーロッパと、ドイツ物を除く色々なプログレッシブ・ロックを聴いてきたつもり。
出だしはKing Crimson、次いでYes。
Pink Floydはあまり聴かなかったナ。
イギリスに頻繁に行くようになってからというもの、Genesisが猛烈にスキになった。
Soft Machineを筆頭にカンタベリー派も大好きでご当地カンタベリーへも2度行った。
最終的に一番好きなグループは、イタリアのAreaかな?
私の頭の中ではこうしたバンドが作り出した音楽こそが「プログレッシブ・ロック」だったし、それが当たり前のことだと思っていた。
550r4a0204ココでチョット待てよ…ということになる。
D_Driveってプログレッシブ・ロック・バンドだったっけ?…ということね。
 
D_Driveの音楽をご存じない方はゼヒCDをお買い上げ頂くなり、サブスクでチェックするなりして頂きたい。
一方、ご存知の方にお尋ねしましょう。
D_Driveの作っている音楽ってナンだと思いますか?
ハード・ロック?それとも歌なしのヘヴィ・メタル?
そんなところでしょうな…決して間違えていないと思う。
ところが、イギリスにおいてはハードロック系の雑誌ではなく、プログレッシブ・ロックの専門誌がD_Driveを取り上げてくれるという。
ナンでやねん?!
  
チョットコレをご覧頂きたい。
コレは一番最近アップされたD_Driveのニューアルバムに関する記事。
『DYNAMOTIVE』のレビューを載せて頂いた。
媒体はイギリスのウェブ・マガジン「Distorted Sound」。
5dm 
いいですか~?
一番最初のところを見てください。
ナント!堂々と「ジャパニーズ・プログレッシブ・ロッカーズのD_Drive」と紹介しているではないの!

5  
 
実は前作の『MAXIMUM IMPACT』を発表した時も同じだった。
「D_Driveがクリエイトしている音楽には、メタルとかハードロックとかいろいろな音楽の要素が感じられる」…として、必ずと言っていいほどその要素のひとつに「プログレッシブ・ロック」が挙げられるんですよ。
日本人で胸を張ってD_Driveの音楽を「プログレッシブ・ロック」にカテゴライズする人って本当にごく僅かなのではなかろうか?
私が知る限りでは今回の『DYNAMOTIVE』のアートワークを担当して頂いた梅村デザイン研究所の梅村昇史さんぐらいだ。
彼は、さすが日本屈指のフランク・ザッパ研究家にしてSoft machineやEnglandの国内盤のアートワークを手掛けただけのことがあって、D_Driveの音楽を「プログレッシブ・ロック・メタル・ヴェンチャーズ」と形容してみせた。
イギリス人が梅村さんの表現を耳にしたら「Hit the mark!!」と声を上げるかもしれない。
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しからば、そのプログレッシブ・ロックの故郷であるイギリスの人は一体何をどう捉えてD_Driveを「プログレッシブ・ロック・バンド」と呼ぶのであろうか?
気になり出したら止まらない!
そこで、Marshall Recordsの3人の若いスタッフにプログレッシブ・ロックに関するアンケートをしてみることを思いつき、番頭格のピーターに答えの取りまとめをお願いしてみた。
回答者が3人と少なく、普遍性が低いアンケート結果ではあるものの、3人ともイギリスの音楽業界に直接関与している業界人なので、よもや大きく勘違いをした回答は含まれていないと信じている。
イタリック体は私の質問青字はイギリス・チームの答え、そして各>>>>は私の感想、あるいは解説。
では…。
 
Q1:プログレッシブ・ロックとはどういう音楽だと思いますか?連想する言葉を3つ挙げてください。
A1:複雑、オモシロい、革新的。
>>>>このイメージは洋の東西を問わないようだ。

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Q2:個人的にプログレッシブ・ロックと思っているバンド/アーティストを3つ挙げてください
A2:●クラシック・ロックのバンド:Pink Floyd、Genesis、Yes
   ●現代のバンド:Porcupine Tree、Tool、Dream Theatre(当然TheaterではなくてTheatre)
>>>>Pink Floydというのは本当に強い。
イギリスの「ケンブリッジ」という場所を説明するには2通りあって、ひとつは当然「オックスフォードと並ぶ大学がある所」。
もうひとつは「Pink Floydの出身地」って言うんだよね。
また、アコースティック・ギターが目の前に1本あって、「みんなでナニか歌おうか?」となった時、日本人なら一体ナニを歌うだろうか?
「ゴンドラの唄」か?「ああ上野駅」か?はたまた「琵琶湖周航の歌」か?
そんな時、イギリス人って「Wish You Were Here(あなたがここにいてほしい)」とか歌っちゃうんだゼ。
反面、Genesisはかなり意見が分かれるところのような気がする。
例えば、私より若い布袋さんのバンドのドラマーのスティーブ・バーニーはGenesisが大好きで、コンサートを観た私をものスゴく羨ましがっていた。
一方、昔The Animals、今はニューカッスルのバンドGeordieでギターを弾いているスティーブ・ドーソンは「生涯でGenesisの音楽を聴いたことは一度もない」ぐらいのことを言っていた。
同じイギリス人でもGenesisの音楽の受け入れられ方がココまで違うモノか!と驚いたことがあった。
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Q3:「イギリスはプログレッシブ・ロック発祥の地」という認識はありますか?
A3:はい。
>>>>ヨカッタ。そうこなくちゃ!Img_8393  
Q4:イギリスのプログレッシブ・ロック・バンドを歴史的に代表すると一般的に思われるバンドは誰でしょう?3つまで挙げてください。
A4:Pink Floyd、King Crimson、Genesis
>>>>ココでYesがハズれてKing Crimsonが出て来るところがオモシロい。
結局Genesis強し。
とにかくPink Floyd!

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Q5:「カンタベリー派」と呼ばれるプログレッシブ・ロックのサブ・カテゴリーがあるのをご存知ですか?
A5:いいえ、知りません。
>>>>実はこの質問は以前に他の人にもしたことがあって、やはり「知らない」と言っていた。
私が「カンタベリーに行く」と伝えると、「ナンで?」とすごく不思議そうな顔をしていたのを思い出す。
Rimg0176 Q6:「プログレッシブ・ロック」と呼ばれているカテゴリーの中から好きなアルバムや曲を3つ挙げてください。
A6:●ピーター:『Meddle/Pink Floyd』、『The Dark Side of the Moon/Pink Floyd』、曲で「Echoes/pink Floyd」
  ●T氏:『Lateralus/Tool』、『Gear of a Blank Planet/Porcupine Tree』、『Colors/Between the Buried and Me』
  ●I氏:プログレッシブ・ロックはほとんど聴きません。 
>>>>ピーターが挙げたモノは当たり前なのでナニも言うことはない。
ちなみに30歳前のピーターに「Echoes」は『2001年宇宙の旅』の「スター・ゲイト」のシーンにシンクロしていることを知っているか?と尋ねたことがあった。
ピーターはチャンと知っていた。
日本の30歳前の若い人でこのことを知っている人は一体何人いるだろうか?
今となっては1人もいないような気がする。
一方、T氏が挙げたPorcupine Tree以外のバンドは全く知らないので、早速Spotifyで聴いてみた。
んんん~、私にはチョット受け入れ難いナ。
少なくともプログレッシブ・ロックには聞こえなかった。
でもこのToolってのジャケットがすごくカッコいいな。

Tl

Por

Bt   
 
Q7:イギリス若い人たちはどんなバンドが「イギリスのプログレッシブ・ロック」と認識していると思いますか?
A7:Haken、 Porcupine Tree、 Museなど…イギリスのバンドは少ないですね。
それよりも、アメリカの方が盛んかも知れません。
例えば…Polyphia、 Animals as Leaders、Covet、Plini、Periphery、The Contorsionist、Chon、Gojiraなど…。
>>>>コレも片っ端から全部聴いてみた。
このHakenというバンドはとてもいいね。スッカリ気に入っちゃった。
このバンドは問答無用の正統派ブリティッシュ・プログレッシブ・ロックだよ。

「Haken」っていうから「Yonaka」みたいに「派遣」という日本語をバンド名にして、労働問題に一石投じようとしているのかと思ったら「ヘイケン」と読むのだそうな。
ピーターが挙げたアメリカのバンドは、Polyphiaというのを除いては、全部同じに聞こえた。

Polyphiaというのはナイロン・ギター・サウンドをフィーチュアしているので他との聴き分けができるが、やっていることに違いは感じられない。
また、Polyphiaの演奏している曲がどれを聴いてもほとんど同じで、3曲と辛抱できなかった。
これらのバンドの曲を適当に入れ替えて連続して聴かされたら、多分「全曲ひとつのバンドが演っている」と思うに違いない。
まるでどのバンドも声と曲調が示し合わせたかのように共通しているJ-POPのバンドの音楽を聴いているのと同じ感覚に陥ってしまった。
それと、ナイロン・ギターを使うPolyphiaを除いてはどのバンドもギターの音が同じなの!
ま、それを言っちゃぁ、シュレッダー系なんてもっとどれも同じか…。
Hk  
Q8:もしD_Driveがプログレッシブ・ロック・バンドだとすると、どういうところがそう感じさせるのでしょう?
A8:D_Driveの音楽は紛れもなく「Progressive Music」ですよ。
「プログレッシブ・ロック」という言葉の定義は、普通60年代後期や70年代のプログレッシブ・ロックに当てはめられますが、今は「progressive」という言葉はもっと広い意味で使う傾向にあります。イギリスにおいては、複雑でオモシロく、革新的で音楽のジャンルを押し広げるような音楽すべてに適用されている言葉なんです。
我々が言う「プログレッシブ・ロック」を常にPink Floyd、Yes、King Crimson、Genesis等の音楽にリンクさせて考える必要はないのですが、ある範疇で音楽の実験を行なうことはそのプログレッシブ・ロックの伝統を尊重したものだと言えます。
そういう意味では「progressive」という言葉は、例えばブルース基盤のハード・ロック('60年代初期のような曲)、ソウル(アイザック・ヘイズの『HOT BUTTERED SOUL』)、ジャズ(マイルス・デイヴィスの実験的なフレーズ)、エレクトロニカ(Floating Pointsとファラオ・サンダースの『Promises』)、メタル(現代的なプログレッシヴ・ミュージックのほとんど)、ヒップ・ホップに至るまで何でも当てはめることができるのです。
>>>>やはり思った通りヨーロッパ西端の島国と極東の島国とでは「プログレッシブ」という言葉の捉え方が違うということなのだ。
ファラオ・サンダースというのは後期コルトレーンのコンボにいたフリー系のテナーの人。
そんな人の名前が出て来たので、ロンドン交響楽団も参加しているという『Promises』というアルバムも聴いてみた。

ピーターの言葉を説明するために引き合いに出すにはもってこいの作品かもしれない。
しかし…2021年の作品ながら、私の耳には全く「プログレッシブ=進歩的」には響かなかったナァ。
何か私が知らないところで何らかの新しい要素を組み込んでいるのかも知れないが、現代音楽を聴いていればこんなのいくらでも出くわすわ…というサウンドに私には聞こえる。
要するにクラシック音楽の世界から見ると「古い」ということ。

しかし、こんなこと演っちゃって、ファラオもファラオだわ。
他のアルバムではコッテコテのテナーを吹いて、泥臭い歌まで歌っているんだゼ!

Fy_2  
A9:D_Driveの曲で特にプログレッシブ・ロックを感じさせる曲はありますか?
A9:全部です。D_Driveの音楽は全曲「プログレッシブ・ロック」の旗の下にあります。
>>>>全部!? 
アレは全部プログレだったのか!
今度、海外で「D_Driveってどんな音楽を演っているの?」と訊かれたらナンの迷いもなく「あ、プログレです」と言うぞ!
50r4a0028
 Q10:D_Driveから離れて…一般的に現在の音楽シーンを見渡した時、プログレッシブ・ロックに未来はあると思いますか?
A10:上で述べたように、我々が言うところの「プログレッシブな音楽」は山ほどあるワケです。
そしてそれらの音楽は、音楽のジャンルを押し広げたいと思っているミュージシャンの中に連綿と続いていくのです。
例えば、イギリスで超人気のポップ・ミュージック・アーティストのハリ―・スタイルズの「She」という曲などは『狂気』のB面によく似ていますよ!
>>>>コレも聴いてみた。
さすが、ピーター。いい耳をしていると思った。
でも私には『The Dark Side of the Moon』のB面というより、「Shine on You Crazy Diamond」に聴こえた。
しかし、「百文は一音にしかず」でこの1曲でピーターがプログレッシブ・ロックの現在について言おうとしていることがよく理解できた。

Dom_2

Hs 

さすが英語の母国ですナァ。
変拍子がどうのとか、メロトロンがどうのとかいうこととは全く関係なく、イギリスでは「progressive」という単語をその言葉の意味の通りに使っているにすぎないということがわかった。
ナンカ、この記事を書いていてこんな本があったのを思い出しちゃったよ。
昔、ヤクルトに助っ人で来ていたボブ・ホーナーの『地球のウラ側にもうひとつの違う野球があった(日之出出版刊)』ってヤツ。

Bh
しかし、日本ではD_Driveを自然に「プログレッシブ・ロック・バンド」と呼ぶ人はこれからもいないだろうナァ。
しかしピーターが言うようにイギリスのメディアがD_Driveが取り組んでいることを「複雑でオモシロく、革新的で音楽のジャンルを押し広げるような音楽」と評価しているとなれば、コレはコレでとても誇らしいことではなかろうか?
自信を持って世界に行けるというモノだ。
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そこで、もう一度「Distorted Sound」の記事を見てみるとこうある。
「Japanese progresive rockers D_Drive are truly one of a kind in this industry」
この「one of a kind」というのは「種類がひとつしかない」という意味で、すなわち「他に例を見ない」ということ。
ロックの本場の国で、「日本のプログレッシブ・ロック・バンドのD_Driveは、この業界においてまさに他に類を見ない」と評価されたのである。
やはりイギリスのロックは今でも個性が重んじられているのだ。

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内容もジャケットも大変高いご評価を頂戴して胸を撫でおろしています。
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