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2021年10月27日 (水)

ミュージック・ジャケット・ギャラリー ~ コミック・ジャケット・コレクション <vol.3>


§3
「コミック・ジャケット特集」、今回はいつもより書きたくなることがベラボーに多くて自分でも驚いておりますが…それでは3番目のセクションへ移りましょう。
ようやくココで真ん中。
でも大丈夫、後半はだんだんシンドくなって取り上げるアイテム数が減少するのが普通だから。

Img_0243

『Sgt. Peppers~』同様、いったい『Abbey Road』はどれくらい作品でパロディのネタになっているのだろう。
ビートルズへのリスペクトを感じさせるモノからその反対まで…。

例えば、コレはBooker T and MG'sの『McLemore Avenue』。
アルバムのタイトルになっているこの「マクレモア通り」はBooker Tの地元のメンフィスにある通りの名前。
コリャ低予算だわ。
それでもホンモノよろしく、チャンと脚立に乗って上から撮影しているじゃん。7btmgコレなんか人すら出てこない。
マンドリンがジョン、バンジョーがリンゴ、ウッドベースがポール、ギターがジョージという役回り。
『Pickin' on the Beatles』というThe Pickin' on Pickersなるナッシュビルのブルーグラス・チームが展開しているシリーズ物のウチのひとつ。
コレ、BGMにはいいですよ。
このシリーズ、いい度胸していて普通のブルーグラスはもちろん、Led ZeppelinからLynard Skynyrdまで何でもありなの。
「ブルーグラス」と言っても、どれもほとんどニータカしていなくて、ブルーグラスの楽器を使ってホンモノに近いアレンジで演奏することを標榜している感じ。
「Black Dog」なんてなかなかのモンですよ。
コレはコレでゼンゼンあり。

Ppコレは昔よく聴いた。
ジョージ・ベンソンの1970年の『The Other Side of Abbey Road』。
コレでもアビィ・ロードのつもり。
撮影したのはマンハッタンの東53丁目だそうだ。
「西52丁目」と来ればセロニアス・モンクが「52nd Street Theme」という曲を残したぐらい、1950年代辺りまでは「ジャズ・ストリート」としてにぎわったが、それは意識していないでしょうね。
その52丁目、20年近く前に行ってみたけど、「ジャズ」の「ジ」の字も残っていなかった。

7gbar コレ知ってる?
The King's Singersの『The Beatles Connection』。
メッチャ気に入ってCDを買ってしまった。
The King's Singersというのは1968年にケンブリッジ大学の学生を中心に結成した声楽グループ。
日本で言えば慶応のダークダックスとか早稲田のボニー・ジャックスみたいなもんですな。
といっても、ただのコーラスではなくて、完全ア・カペラで、楽器の音も声で出しちゃうヤツ。
しかし、ソ連の鍬や太陽やカエルが『アビィ・ロード』とどう関係しているのかがわからんな。
Ksbc このレッチリのEPはどっちだろう?
レッチリなりのリスペクトか?
1988年の『Abbey Road E.P.』という5曲入りEP盤。
上の3枚とは違ってチャンとアビィ・ロードで撮影している。
ところが…ココはかなり交通量が多いところ。
光の加減から察するに、早朝やって来て車の中で服を脱いで、ソックスを局部に装着してサササと撮っちゃったんだろうな。
本物はイアン・マクミランというカメラマンが脚立に乗って横断歩道を往復する4人を往き返りそれぞれ3枚ずつ計6枚撮影し、歩調が合っていた5枚目の写真を選んだ。
そもそもロンドンの街中でこんな格好をしていたら捕まっちゃうのではないだろうか?
だから「それ急げ!」と、脚立などに乗らず急いで普通に地面から撮ったのだろう。
レッチリ、どうしてるんだろうね?Img_0370この横断歩道には信号はない。
コレは日本と同じ地面にシマシマの模様が描かれた「ゼブラ・クロッシング」と呼ばれる横断歩道で、渡り始めている人がいる場合は車は必ず止まらなければならない。
日中は観光客がひっきりなしに渡っているので、ココを通過する車のドライバーはさぞかしイライラするだろうな、といつも見ていて思う。
70r4a0025シマウマとは別に「ペリカン・クロッシング」という横断歩道もある。
「ペリカン」といってもペリカンの絵が描いてあるワケではなくて、「PEdestrial LIght COntroled」
の略称で歩道の両側に点々の模様が施してある。
すなわち「歩行者用信号制御装置付き横断歩道」のことで、簡単に言えば「押しボタン式」ということ。
ロンドンの街中は圧倒的にこちらのタイプが多い。
でもね、場所や状況にもよるけど向こうの人って、通りを渡ろうとしている人を見かけると自主的に止まってくれる車が日本に比べるとゼンゼン多いと思う。22 レッチリのジャケット写真の左奥に見えているのはこの建物。
70r4a00672年前に行って驚いたんだけど、アビィ・ロードの土産物店になっていた。
昔はこんなのなかったのよ。
お店のようすはコチラをどうぞ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】vol.36~The Beatles was here! <後編>
70r4a0070 
ベット・ミドラー、1976年の『Songs for the New Depression』。
シナトラで有名な「Stranger in the Night」で幕を開ける3枚目のアルバムはボブ・ディランやルーサー・ヴァンドロスとの共演を含む豪華盤。
参加ミュージシャンはブレッカー兄弟をはじめとしたガッド、スピノザといったスタジオ常連さんからミルト・ヒントン、トッド、リック・デリンジャー、さらにトッドが連れて行ったのか、ジョン・ウィルコックスまで参加している。
でも、ですね…私は何かベット・ミドラーってダメなんだよな。
ジャケットがカッコいいこともあって初期のアルバムは何枚かは持っているんだけど、まず聴くことはない。
なんか、みんなで寄ってたかってイジりまくって豪華に作り上げるところが「総花的」というか、却って中途半端でチープな感じに聴こえちゃうんだよね~。
ファンの方ゴメンなさい。
私にはベットが「ジャズ歌手」というアタマがあるからかも知れない。
「女優で歌手」という観点でライザ・ミネリみたいに捉えればいいんだろうけど…でもライザはバッチリと「ジャズ」感を醸し出しているもんね。
でも上に書いた通り、この次のアルバムぐらいまでのジャケットはすごくステキ。
このアルバム、「新しき不況への歌たち」なんてタイトルになってる。
ホームレスっぽい格好をしたベットが壁に貼られた「BETTE MIDLER」にヒゲのイタズラ描きをしたところ。
どういうことか考えた。
「C.TRUCKING」と縦書きで書いてある。
コレ自体の意味はわからないけど、「Trucking」というのは「物々交換」という意味がある。
勝手な想像なんだけど、不況でモノがないからそうした「闇市」のような「交換所」ができてい
る…。
壁でベットが扮しているのは政治家…。
ホームレスのベットはその悪政が引き起こす不況にハラを立てて政治家の写真にヒゲのイタズラ描きをした…。
そのヒゲは「レーニン」のヒゲ!
…ということなのかしらん?
コレを考えて調べるだけで1時間…時間がかかるのよ、このシリーズは。

Bette 今回コレを書くのに久しぶりにアルバムを聴いてみた。
SHOW-YAの寺田恵子さんはベットが歌った「Rose」をいうバラードを時々歌うんだけど、かなりベットのことを研究していると観た。
曲によって歌い方がビックリするほどソックリなんだよね。
私も10年以上目の前で恵子さんの生歌を聴いてきたけど、コレは大きな発見だった。
「寺田恵子」ほどの大歌手ゆえ、完全にベットのスタイルを自家薬籠中のモノにして自分のスタイルに消化しいらっしゃるんだけどね。

7s41a0226 
Henry Grossはアメリカのシンガーソングライターで、Sha Na Naの活動で名が知られている。
何せギターのオリジナル・メンバーなのだ。
この人は1951年の生まれ。Sha Na Naのデビューが69年なので18歳の時に参加したことになる。
ま、昔はそんなもんか。
久しぶりに『ウッドストック』のSha Na Naを観てみよう。
 (間)
セミアコを持って暴れている眼鏡の人がヘンリー・グロスなのか…。
次に出て来るジミ・ヘンドリックスのMarshallがステージの後ろにそびえている方にどうしても目が行ってしまうな。
 
1976年、友人のThe Beach Boysのカール・ウィルソンが飼っていた「シャノン」という愛犬が死んだ時に作った曲「Shannon」がヒットしているらしい。
このヒットのおかげでヘンリー・グロスは「ワン・ヒット・ワンダー・アーティスト」の仲間入りを果たした。
「One-hit wonder」というのは「一発屋」のことね。
でも、コピーやカバーよりはるかに一発屋の方が素晴らしい。
The Knackは「My Sharona」で、舟木一夫は「高校三年生」で、永遠にその名前を残すことになったでしょ?
コピーじゃ何も残らない。
それだけ「創る」というのは偉大なことなのだ。
 
そして下はそんなOne-hit Wonderアーティストが1981年に発表した『What's in a Name』というアルバム。
1曲目の「That Someone」という曲…中間部でドラムスが突然グワ~っと前に出て来るんよ。
カッコいいんよ。
誰が叩いているのかと思ったらテリー・ボジオでやがんの。
1981年というとMissing Personsをやってた頃か。
サウンドとしては人畜無害のポップ・チューンが並んでいるけど、テリーの他にもドラムスはエド・グリーンだの、ジェフ・ポーカロだのがプレイしていて、他にもヒュー・マクラッケンやらポリーニヨ・ダ・コスタやらの名前がクレジットされている。
ま、「当時のスタジオ・ミュージシャンが参加している」とくくってしまえばそれまでか。
1曲だけピーター・ウルフがキーボーズを担当しているのが気になるけど…。
それと「Better Now We're Friends」という曲ではチャカ・カーンとデュエットしている…ということが当時話題になったのか私は知らない。
 
ジャケットはシンプルな人文字。
すごく良く出来ていると思わない?

Img_0371よっぽどお気に召したのか、裏ジャケットもほぼ同じ。

Img_0372 

Brainstorm?…ゼンゼン知らんな。
1972年のデビュー作『Smile a While』。
コレが「1970年代にもっとも才気を表したドイツのプログレッシブ・ロック・グループ」だっていうんだけど…。
このジャケットでか?
例えて言うなら「Soft MachineやCaravan系のサウンドのバカテク・ジャズロック」なんだって!
このジャケットでか?
お!Spotifyにこのアルバムがあるではないの!
さっそく聴いてみる。
……………オイ、チョット待てよ!
メチャクチャかっこいいではありませんか!
このジャケットでか?
 
1968年、バーデンバーデンで結成され、当初は「Fashion Pink」というバンド名だったらしい。
コレはコレでまた趣味が悪いバンド名だな。
それでデビューするに際し「Brainstorm」に改名したそうな。
ジャズをベースにした高い音楽性と豊かな演奏能力でドイツ国内で人気を博し、テレビやラジオにも頻出してそれなりに名前が通っていたらしい。
知らんわ。
 
どんな調子か…
1曲目は4ビートのワルツでザッパの「King Kong」を思わせる。
2曲目も4ビートで5/4、6/4、7/4拍子をつなげた曲だったりする。
結局、コレもSoft Machineというよりザッパっぽいな、イヤ、Soft Machineっぽいフレーズも出て来て実に面白い。
3曲目は早いテンポのボサノバ。
ボーカルズが決してウマくはないんだけど、これまたヘンにロバート・ワイアットを連想させるのよ。
4曲目は5/4拍子のフォービート。
このサックスの人、テナーもフルートもこなしているけど、ソプラノが一番いい。音も太いし。
5曲目は「Snakeskin Tango」…タンゴだって。
1小節だけ典型的なタンゴのフレーズが出て来る以外は全くタンゴではない、6/4拍子のストレートなエイトビート・ナンバー。いよいよザッパっぽいナ。
またまた7/4拍子でおっぱじまるのが15分の大曲、アルバムのタイトル・チューン「Smile a While」。
…と、インスト主体の濃い~ジャズ・ロックが詰め込まれている。
このバンドはこの後、2枚目の『Second Smile』、『Last Smile』というライブ・アルバムをリリースして1975年に解散した。
微笑んでお別れしたのかは定かではない。
お隣の国だとフランスだとMagmaやZAOや後期のGongみたいなのがいてそれなりに「フランスのジャズ・ロック」というイメージがあるんだけど、私なんか「ドイツ」というとFaustとかTangerine Dreamとかみたいなチームの印象が強く、こういうバンドがドイツにいたというのが結構オドロキ。
 
これならCDを買ってもいいな…と思ったけどヤメた。
高ェんだもん。
ジャケットもコレだし。
 
ちなみに今でも「Brainstorm」というバンドがドイツにいるようだけど、そちらはヘビメタだそうで…お間違いなきよう。

Img_0373 
まだCDを毎月30~40枚ぐらい買っていた頃のパット・トラヴァースの話。
ないんですよ…。
下の『Heat in the Street』と『Live! Go for What You Know』はやたらとよく見かけるんだけど、『Pat travers』、『Makin' Magic』、『Putting It Straight』の3枚を見かけないのよ。
と言っても私は決して熱心なトラヴァース・ファンではなくて、ライブ・アルバムまで聴いて卒業してるんだけどね。
でもポール・ギルバートなんかはものスゴい「パット好き」だよね。
実際に「Snortin' Whisky」とかライブで演ってるし。
以前、単身で来日した時に開演前に楽屋で話をしていて、パット・トラヴァースの話題になった。
「パット・トラヴァースだったら”Gettin' Betta”が好き」と言ったら間髪入れず弾いてくれて、「僕とヌーノがいっしょに演っているのがYouTubeに上がってるよ!」とニコニコしながら教えてくれた。
 
そんなポールも崇拝するパットなんだけど、地元のカナダの人と話をして驚いた。
こんな感じ…
「Steppenwolf、Guess Who、BTO、Triumph、ジョニ・ミッチェル、ニール・ヤング、ザ・バンドの4/5…カナダもすごいミュージシャンをたくさん出してますもんね」
「Rushとかね」
「あ、パット・トラヴァースもそうだ!」
「ん?それって誰だっけ?」
「え?知ってるでしょ?あの『Makin' Magic』とか…」
「おお!ブンブンのことか”!ブンブンね」
パット・トラヴァースがカナダでは「ブンブン」で片づけられているのを知ってちょっとショックだった。
マギー・ミネンコと同じレベルだったのか!7bun2 さて、この『Heat in the Street』もよくある表裏ストーリーもの。
あんまり暑いんでパーキング・メーターで日光浴。
それを見つけたオマワリさんが「オイオイ、そんなところで日光浴なんかしたら車が停められないじゃないか。
ったくボンボンベッドまで出しちゃって…一体君たちはナニを考えているんだね!?」 
すると…

Img_0374「イエ~!マァ、いいじゃないの!オマワリさんもいっしょに楽しんじゃおうよ~!」
「デへへ、それもそうだな、バンドのみなさん!こんなに暑いんじゃ仕事もやってらんないもんね!これがロケンロールってヤツかい?」みたいな…。
婦警さんが親切にサンオイルまで塗ってくれている。
 
カナダの気候…こんなこともあった。
もう1人のカナダの友人曰く「シゲ、カナダは寒いだろ?だから春の訪れが待ち遠しいんだ。
だから春が来て、暖かくなり始めて気温が5℃になると家の窓はすべて開け放つんだ」
「エエエエ~!5℃で!?」
それを聞いてビックリした。
何年かしてその彼とこの話をしたところ…「デヘヘ…シゲ、ゴメン。アレはウソだよ。さすがに5℃は我々だって寒いわ!」だって。
それでもMarshallの会議で私が厚手のセーターを着ている時、彼らは半袖短パンです。

Img_0375

このアルバムを好きな人ってどれぐらいいるんだろう?
私はそのウチのひとり。
その中でこのジャケットが好きでない人はどれぐらいいるんだろう?
私はそのウチのひとり。
なんだってこんなジャケットにしちゃったんだろう?
酔拳か?
あまりにも変でしょう?
コレ、ジャケットから想像することは困難極まりないけどエライカッコいいんだぜ!
…と、10年前に書いた。
今はもうメッキリこの手の音楽を聴かなくなってしまった。
 
スコット・ヘンダーソンはスゴイよ。
このジャケットのおじいさんよりよっぽど仙人なの…完全な「ギター仙人」。
大分前の話だが、雑誌の付録DVDにスコットが登場したことがあった。
私は幸運にもその収録の機会に居合わせることができた。
彼は「1959を使っている」と言っていたけど、その時は私が持って行っていたJCM2000 TSL100を弾いてくれた。
スコットはクリニックで使うのであろうオリジナルのバッキング・トラックを持参していた。
ミディアムテンポの「A」のブルースだった。
撮影の準備が整い、いよいよ演奏がスタート。
チョワ~!カッコよすぎる!
ナニ、このフレーズ!ナニこのソロ!
すっかり聴き入ってしまい、「ああ~さすがだな、やっぱり1テイクでキメルんだな、スーパー・ギタリストは。トホホ、もうちょっと聴きたかったナ」…なんて思いながら5コーラスほど進んだ辺りであろうか、ギターの音がピタリと止んだ。
「エ、どしたの?」とステージのスコットを見ると欧米人がよくやる肩をすぼめる仕草をしている。
一体ナニがお気に召さなくて彼が演奏をストップしたかサッパリわからなかったが、「しめしめ、またスゴイ演奏が聴けるゾ!」と喜んだ。
気を取り直してテイク2。
またしても出て来る、出て来る、すごいフレーズ!
ク~、たまらん!
さっきよりいいフレーズが出てる!
よく「ファースト・テイクが一番」とか言うけど、やり直すとよくなる人もいるんだな…。
ところが…今度は3コーラスぐらい進んだところでまたピタリとギターを弾くのを止めてしまった。ん~、また何か気に入らなかったんだな。
やっぱ違うわ、完全主義者は。
さあ、もう1回!
テイク3が始まる。
すさまじいプレイ!手に汗握る奇抜なフレーズの連続!
今度こそキマッタな…と最終コーラスに差し掛かったところでまたピタリ。
「ウソ!ウソでしょ?今のOKしないでどうすんのよ!」と思いつつ取り直し。
テイク4もダメ、テイク5はしくじった…、テイク6も気に入らない、テイク7もちょっとマズイのか…。
オイオイ、こりゃ一体どうなっっちゃうのよ!
果たしてどれぐらいの時間が経ったのだろうか…仙人のやることはワカラン。
OKが出たのは録りも録ったり、何と31テイク目だった。
スタッフげんなり。
一応スコットの名誉のために書き記しておくが、その31回に及んだ「A」のブルースのアドリブ・ソロは、すべてのテイクが独創性に満ち溢れたもので、どれがOKテイクに選ばれても誰からも文句が出ようのない素晴らしいものだった。
次から次へと繰り出される驚異のフレーズは、両刃のカミソリを力いっぱい握りしめたかのような鋭さで、滅多にお目にかかれないプレイに接することが出来て幸せだった。

Img_0376 

またまた出ましたおバカジャケット。
ドニ―・アイリス(Donnie Iris)という人。
一瞬バディ・ホリーかと思った。
知らないナァ…で、調べてみると70年代にThe JaggerzとWild Cherryというバンドで活躍したアメリカのミュージシャン。
The Jaggerz時代には「The Rapper」という曲でBillboardの第2位を獲得している。
ソロになってからは80年代に5枚のソロ・アルバムを発表していて、この『Back on the Streets』は1980年にリリースした最初のソロ・アルバムだ。
この人、日本では有名なのかしらん?
私はまったく知りません。
音を聴いてみると70年代の要素を少々残した80年代のポップなアメリカン・ハードロックという感じ?Img_0378  
それでは4番目のセクションに移動しま~す。
こっから先は結構早いから。

Img_0244§4-a
まずは上段の展示のご紹介。Img_0247 
今回ブロウアップされたニール・メリーウェザーの1975年の作品『Kryptonite』。
この人もカナダのシンガー、ベーシスト、ソングライターで、スティーブ・ミラー、デイヴ・メイスン、ウィルソン・ピケットらとの共演経験があるそうだ。
ジャケットのデザインもNeil自身で、イラストはアメリカのドン・リコという人。
スーパーマンの故郷である「惑星クリプトン」が爆発して砕け散った時の残骸がこのアルバムのタイトルの『クリプトナイト』。
だからスーパーマンの格好をしているワケね。
このクリプトナイトの前では、スーパーマンは力を吸い取られてしまうのだそうだ…知らんがな。Img_0379ジャケットはこんなだけど、中身はバッチリよ。
ツボを得たややポップなハードロックとでもいいましょうか。
メリウェザーの歌声がいいの。
メロトロンが笑っちゃうぐらい活躍していて、「オイオイ、そんなに無茶すんな!」と声をかけたくなるぐらいの速弾きギターが詰め込まれている。
ギターはマイケル・ウィリスという人。
調べたけどどんな人かわからなかった。
コレ、5曲目の「The Groove」なんていい曲だよ~。
ルックスもいい感じではありませんか!
7img_0380アルバム1枚さかのぼって…コチラは『Kryptonite』の前年の1974年に発表された『Space Rangers』。
これもジャケットのデザインはニール自身。
イラストはジョン・ウルフという人。
上のアルバムと連作になっているんだな。Img_0383コチラもなかなかいいのよ。
こっちもメロトロンがすごい!
こんなに使ったら壊れちゃうぞ!
若い頃に聴いていたらかなりノメリ込んでいたかも…。
ドノヴァンの「Sunshine Superman」を取り上げている。
メリーウェザーは今年の3月に76歳で亡くなったそうだ。

7img_0382ドノヴァンの「Sunshine Superman」って1966年の全米No.1の大ヒット曲なんだけど、ナンでそんなにウケだんだろう?
ごく普通の24小節のブルースだもんね。
もちろんレコーディングにジミー・ペイジとジョン・ポール・ジョーンズが参加していることは関係ない。
ナンカこう、時代の雰囲気にマッチしていたんだろうね?…そうなのかな?
ジョン・キャメロンとスパイク・ハートリーという2人のイギリスのジャズミュージシャンが編曲を担当したそうな。
そしたら、ジャズで「Sunshine Superman」といったらコレ。
盲目のアルト・サックス奏者の1970年の『Consciousness!』というアルバム。
ジャック・ディジョネットが叩く7/4拍子に乗って演奏が展開する。
ピアノはチック・コリア。
パット・マルティーノのギター・ソロが聴きたくて大学の時に数寄屋橋のハンターで探し出して買ったもんです。
カッコいいです。E2k 
ニュージーランドのバンドってこのSplit Enzしか知らない。
1973年に結成し、母国でシングルを出すなどして活動していたが1974年にお隣のオーストラリアに拠点を移した。
ニュージーランドって国土が日本の3/4の広さで、人口は1/26…たったの500万人しかいない。
コレじゃ商売にならんわね。
オーストラリアでFlo & Eddie、ルー・リード、Roxy Musicの前座をやったりしてキャリアを積み、1975年にこのファースト・アルバム『Mental Notes』をリリースした。
そんな関係でセカンド・アルバムの『Second Thoughts』はフィル・マンザネラがプロデュースしている。
 
このバンドが出て来た時は「ナンダ、変な格好をした連中だな」とチョット気にはなったけど、レコードを買ったことはなかった。
つまり、このバンドの音楽をジックリ聴いたことがなかった。

Img_0384大分後になって買ったのが同じアルバムのオーストラリア盤CD。
私はこういう色んな要素を見境なくジャンジャン放り込んで作った音楽が好きなんです。
Roxy MusicとSparksと10ccが温泉に浸かってスッカリ湯疲れしてしまったような感じ?
ジャケットもいいし。
何やら「ゾンビご一行様」の社内旅行みたいだけど、中身はとてもビューティフルだ。
そのフィル・マンザネラがプロデュースしたセカンド・アルバムは聴いたことがないんだけど、最も売れたという1980年の『True Colours』と、1984年の『See ya 'Round』というアルバムも買って聴いてみた。
残念ながらそれは私が好きな『Mental Notes』のSprit Enzではなかった。
それでSprit Enzとはスプリットしてエンド。Sez 

1975年の『Midnight Band : The First Minute of a New Day』というギル・スコット・ヘロンとブライアン・ジャクソンの双頭アルバム。
…と言っても、こうした黒人音楽を聴かない私はお二方とも存知上げなかった。
そして4年前、ギル・スコット・ヘロンを知った。
それはこの人の「Lady Day and John Coltrane」という曲から。
「Lady Day」というのはビリー・ホリデイのニックネーム。
「ビリー・ホリデイとジョン・コルトレーンを聴けば落ち込んだ気分も吹っ飛ぶぜ」みたいな曲。
ジャズを聴いている人であれば「ウッソだろ~!」と思うのが当たり前だろう。
一種のギャグなのだろうか?
「明るいビリー・ホリデイと楽しいジョン・コルトレーン」…それとも外人得意の撞着なのか?
1971年の音源を聴くと、レディ・デイともトレーンとも全く関係のないようなゴキゲンなエイトビート・ナンバー。
何しろリズム隊が素晴らしい、と思ってクレジットをチェックすると、ドラムスはバーナード・パーディ。
なるほど。
してベースは?と、ベーシストの名前を見てビックリ!
ロン・カーターなのよ!
エレキ・ベースなのよ!
ちょっと、アータ、3年前にエレキ・ベースを弾くのがイヤで『Filles de Kilimanjaro(キリマンジャロの娘)』を最後にマイルス・デイヴィスのコンボや辞めたんじゃなかったのッ?
スイマセン、この項他には書くことなし。
 
ジャケットはゴリラの「エマニエル夫人」?

Img_0386ひとつだけ書いておきたいのは、どうしてこの「Lady Day and John Coltrane」という曲を知ったのかについて…。
それは4年前、日本を代表するベーシスト、伊藤広規さんのバンド、KOKI TETRAGONのライブ・アルバム『 The Classy Rock GIG at Yokohama STORMY MONDAY』を通じてのことだった。
光栄にも写真とライナーノーツの執筆を担当させて頂いたのはいいが、「ギル・スコット・ヘロン」なんて初めて聞く名前だったので、勉強させて頂いた…というワケ。Kotet 
また知らないのが出て来たよ。
ロジャー"ディーク"・レナード(Roger "Deke" Leonard)はManのメンバーだったり、なかったり。
要するに出たり入ったり。
Icebergという自分のバンドで 活動したり、しなかったり。
Manというのは古い南ウェールズ出身のバンドで、1968年にデビューしている。
どんな音楽を演っていた(いる、現在も活動中)かというと、ウエスト・コースト・サイケ、プログレッシブ・ロック、ブルース、カントリー・ロックの混合だっていうんだよね。
ゴチャゴチャすぎるでしょう。
私も何枚か持っているけど、確かに「どういうバンド?」と訊かれて即座に形容するのはムズカシイかもしれない…というよりかなり印象が薄い。
日本での知名度はどうなんだろう?
名前は知っていても音は聴いたことないという人が多いような気がするな。
そんなだからこのアルバムも聴いたことない。
ジャケットの写真はランボーよろしく武装したディークがパラシュートでで着地したところ。
それだけで「神風」らしい。
このオッサン、「神風特別攻撃隊」のことを知らないな?

参加ミュージシャンのクレジットを見てピント来る人はいないが、3曲目の「Sharpened Clows」という曲でゴキゲンなフィドルが大フィーチュアされるバイロン・バーラインというフィドラーは「ブルーグラスにロックの要素を持ち込んだ」ことで知られる人。
珍しい…歴史の浅いロックの場合、普通コレの反対なんだけどね。
「ロックにブルーグラスの要素を取り込んだ」っていうようなのはよくある話。
そっちの方も盛んで、The Rolling Stonesの「Country Honk」や「Honky Tonk Women」のヴァイオリンはこの人が弾いている。
他にもボブ・ディラン、エルトン・ジョン、ロッド・スチュワート、The Band 、The Byrds、The Flying Burrito Brothes 等々との音源も残している。
要するに売れっ子だったのね?
残念ながら今年の7月に亡くなってしまった。

Img_0387イギリスの人気の観光地のひとつ、コッツウォルズ地方にある「チッピング・ノートン・レコーディング・スタジオ」。
Bay City Rollersのアルバムの何枚かはココで録音された。
他にも、Status QuoやらXTCやらDuran Duranやらスティーヴィー・ウインウッドやらもこのスタジオを使っている。
このディーク・レナードのアルバムの一部もココで収録された。
メッチャいいところです。
7img_0616ココは日本の「コッツウォルズ」。
7img_8272そう南千住の「コツ通り」ね。
この「コツ」は「骨」のコツね。
江戸の三大刑場のひとつだった小塚原のちかくで、ココからほど近い吉原のあたりまでは人を焼くニオイがヒドかったらしい。
今は違いますよ、江戸時代の話ですからね。
7img_8268裏ジャケは日章旗を思わせる夕日(あるいは朝日)と空飛ぶ爆撃機。
少なくともゼロ戦(ある時期のゼロ戦の正式名称は三菱A6M5 海軍零式艦上戦闘機52型)ではない。
やっぱり「神風特別攻撃隊」のことを詳しくは知らないのであろう。
しかし、この「神風(Kamikaze)」という単語は英単語の仲間入りをしていて、それゆえこの言葉をほぼ一般的な語彙のひとつとして知っている…ということは十分にあり得る。
Img_0388…というのは、アメリカには「Spelling Bee(スペリング・ビー)」という子供向けの英単語の「綴り当て」のクイズ大会があって、私は何かの機会にこのコンテストの決勝戦の問題に「Kamikaze」が出されていたことを知ったのね。
簡単じゃんね、と思ったのと同時に「神風」というのは正式な英単語になっていることを再確認した。
だから、このディーク・レナードはイギリスのウェールズの出身だけど、「Kamikaze」という単語を知っている可能性が高いと読んだのだ。
少々コレで脱線させて頂く。
この「Spelling Bee」の「Bee(蜂)」というのは「寄り合い」という意味があるそうだが、コレってもしかしてハロルド・アーレンの有名な曲「Sleeping Bee」のシャレなのかと思っているんだけどチガウカ?
この大会はモノスゴイ人気らしくて、全米大会はテレビで生中継されるのだそうだ。
実際のようすを観たことがないので、いい機会と思い何年か分の決勝戦を収録したYouTubeの動画を覗いてみた。
コレが実にオモシロイ!
予てから知っていた通り、司会者が読む英単語の綴りを正確に答えられるかを競うだけの大変単純なクイズ。
回答する子供は10~15歳ぐらいなのかな?
不思議とインド系の子の出場者が多い。
子供たちは司会者が読み上げる「音声」の他にその単語に関して、①定義②別の読み方③起源(フランス語とかラテン語とか)④品詞といった情報を得ることができる。
コレがですね、設問の難度にモノスゴイ偏りがあるとしか思えなくて、複雑な問題に当たってしまった子がすごく気の毒なのよ。
例えば「bewusstseinslage(ビューストスタインズラーガ)」なんてドイツ語に起源を持つ単語を見たことある?
少なくとも『試験に出る英単語』では見かけない。
これは「意識態」という意味らしんだけど、日本語でもわからんわ。
多分、この言葉を知らなかったと見えて、14歳のインド系の女の子は惜しくも「ダブルs」の「s」をひとつ落としてしまい敗退していた。
他にも「haecceitas」とか、「erysipelas」とか、「aiquillette」とか、「pendeloque」とか…こんなの本当に英語なのかよ?!
そうかと思うと、「koinonia」なんて設問はこの「kamikaze」のように簡単でしょ?
でもね、動画を観ていてひとつだけ私にも答えられる問題が出て来てうれしかったの。
それは「bougainvillea」…あの花の「ブーゲンビリア」ね。
どこかで英語表記を目にして「スゲエ綴りだな…」とすごく印象に残っていたのです。
「Spelling Bee」は今では日本でも開催されているそうです。

Nsb 
ジャケットに戻って…。
裏ジャケにはこんなことが書いてある。
「インビザブル サウンド プロセス」が何たるかは知らないが、このアルバムは「クリケット愛好者」でなくても存分に楽しむことができます。
そもそも日本にクリケットを愛好しているどれぐらいいるんだろう?…と思って調べてみると、競技人口は3,000人だそうです。
コレがアータ、イギリスへ行ってごらんなさい。
笑っちゃうぐらいの熱狂ぶりだから!
とにかくこのアルバム、すごく味わい深いメロディが豊富に詰め込まれた大人のロック・アルバムです。
ジャケットはヘンだけど、中身は素晴らしい!
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マンドリンのデヴィッド・グリスマンの『Mondo mando』という1981年の作品。
スゴいイラストだな。
ウェイン・アンダーソンという人の仕事。
Img_0391 私はこの人の音楽を聴くことはないが、初めて仕事でサンフランシスコに行った時、金門橋を渡ったミル・バレーという高級住宅街にあったレストランにデヴィッド・グリスマンが来ていた。
それぐらいしかグリスマンについて書くことはないが、裏ジャケのイラストもスゴイということだけは書いておこう。Back  

お尻。
こうした身体の一部分をアップしたデザインはHipgnosisが得意とするところだが、このサンフランシスコのSweathogの1971年のデビューアルバム『Sweathog』はHipgnosisとは関係ない。
ビル・インホフという人の作品。
このバンド、サザンロックあるいはスワンプロック調のサウンドを身上としていた。
「Hallelujah」というヒット・シングルも生まれ、Black Sabbath、EL&P、The J. Geils Band、Edgar Winter's White Trash、Grand Funk Railroadらの前座を務めたこともあったが、ヤッパリどんなに大物の前座を務めたところで当たらないバンドは当たらないのね。

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§4-b
4番目の棚の下段に移りましょう。

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Iron Maidenの1986年のマキシ・シングル『Strangers in a Strange Land』。
ジャケットのイラストはメイデン・ファンにはおなじみであろうデレク・リッグス。
コレ、真ん中のヤツ。
Eddie the Headっての?
大分前の話。
Iron Maidenのマネージャーとは比較的長い付き合いで、同じプロダクションの他のバンドが来日した際にMarshallでサポートしたりしていた関係で仲が良く、年末になるとイギリスから私宛にEddieからクリスマスカードが送られてきていた。
ところが、私はIron Maidenとは世代がちょっとズレていて、まったく通っていないんですよ。
だからこのEddieのことも名前すら存じ上げていなかった。
で、何年かしてロンドンのあるパーティでそのマネージャーと一緒になった時、ヨセばいいのにクリスマス・カードのお礼を言ったのよ。
律儀に毎年送ってくれるもんだから。
「いつも”ガイコツ”のカードありがとう」って。
そしたらそのマネージャーは怪訝そうな顔をして「”ガイコツ”って…もしかして”Eddie”のこと言っているのかい?」と訊いてくるではないか。
「ヤベッ!なんか怒ってるゾ!あのガイコツってEddieっていうのか!」とすぐにピンときて「そうさ!Eddieだよ、Eddie! 『♪Eddie are you kidding me?(←ザッパの歌)』のEddie!Eddieによろしく言っておいてよ!」と、100年前からEddieを知っているようなフリをしてその場を切り抜けた。
顔から火が出てこっちがEddieみたいになるとこだった。
彼、まさかMarshall Blogを読んでないだろうな。
それにしても向こうの人達ってこの手のイラストが好きなのね!

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Godley & Creme、1981年の『Ismism』。
Marshall Blogで何回も書いている通り、私は10ccが大好きでマンチェスターの近くの10ccの地元まで訪れたぐらい。
その10ccのレパートリーの中でもとりわけゴドレー&クレーム組の作品がお気に入りだった。
だから中学の時にLP3枚組の『Consequences』が出た時、どんなに友達が止めようと大枚はたいて買った。
当時、中学生の子が清水の舞台から飛び降りるつもりで買って聴いた時はそれなりの文句はあったろう。
でも今ではとても好きな作品でLPとCDのセットを2組、ナゼか計3種類がウチのレコード棚に収まっている。
その後もゴドレー&クレームの作品を聴かないではなかったが、『Consequence』からずいぶん遠くまで来ちゃったナァという感じだった。
人はコレを「進歩」とか「進化」と呼ぶんだろうけど、私の場合はこの2人にロックンロールをベースにした物語性に富んだチョットひねった伝統的なサウンドのロックを作っていって欲しかった。
で、このアルバム、1曲目に入っている「Snack Attack」を「ラップを先取りしている」曲とか言うそうだが、いらんよ、ラップなんてモノは。
でも、「Kojack」で始まる「-ck」の食べ物の名前の脚韻の嵐なんかはオモシロイと言えばオモシロイ。
テリー・サバラスもよろこんでいるだろう…まさかコレは「テリーヌ」と「サバラン」の隠喩?
2曲目の「Under Your Thumb」とか「Wedding Bells」なんてのは古式ゆかしいゴドレー&クレーム臭が漂っていていいね。
しかし、ジャケがな~。
私は持っていないんだけど、コレは開けてタイポグラフィにしてるのか?
ん~、チョットさびしいな~。

Isnしからばコレだ!
コチラは同じアルバムのアメリカ仕様。
ナンでやね~ん!
いかにも超B級映画のサントラ盤みたいだ。
「Snack Attack」という曲名だけでコレにしたのか?
申し訳ないんですが、『Ismism』よりコッチのジャケットの方がいいんですけど…。
Img_0398「ハンバーガー」とくれば、実際に『ハンバーガー大戦争(原題:Good Burger)』なんて映画があってウチの子が小さい時にオモシロがって観てたな。Gb アメリカ人って『悪魔の毒々ナントカ』とか『親指ナントカ』とか超おバカ映画が好きだよね。
頭が6個ある鮫の映画とか…。
残念ながらこの手の映画を楽しむ趣味は持ち合わせていないが、このジャケットを見て、『デス・レース2000年』という映画があったのを思い出してしまった。
昔、東京12チャンネルのお昼の映画劇場でよくやってた。
確かレース中に人をハネて得点を稼ぐ未来のカー・レースの話で、お色気もタップリでオモシロかったな。
1975年のアメリカ映画でまだ無名のシルベスター・スタローンが出ちゃってて。
まさかスタローンも翌年に『Rocky』で大ブレイクしてオスカーまで取っちゃうなんてこの映画の制作中には想像したことすらなかっただろうね。
題名からすると話の設定は2000年だったんだろう…もう21年も過ぎてしまった!
Dr2000 驚いたことにインターネットを観ていて他にも「ハンバーガー映画」を発見した。
『デス・バーガー』!
どういう話なんだろう?Dbg出ました「毒々」モノ!
『悪魔の毒々バーガー』と来たもんだ!
ギャハハ!「添加物100%」だって!
きっと私みたいなオッチョコチョイな担当者が悪乗りして付けたんだろうな。
映画には一切興味はないけど、こうなると原題が気になるな。
調べてみると…なんだ?
ただの「The Mad」っていうらしい。Add 
 
Blodwyn Pigはミック・エイブラハムズが1968年にイアン・アンダーソンとケンカをしてJethro Tullを辞め、サックスのジャック・ランカスター組んだバンド。
Jethro Tullの方向性として進歩派のイアンに対してミックは『This Was』で聴かれるようなブルース、ジャズ路線を飽くまでも貫くべきと対立したのが原因らしい。
いわゆる「音楽性の違い」というヤツ。
オリジナルメンバーでのBlodwyn Pigは2枚のアルバムを残し、イギリスではアルバムチャートのベストテンに食い込み、アメリカにおいてもチャートインを果たすという快挙を成し遂げたが残念ながら3年足らずで一旦は解散してしまった。
この『Ahead Rings Out』は1969年のデビュー・アルバム。
私の場合、Jethro TullのOBのバンドといわれてすぐに思い浮かぶのはベースのグレン・コーニックがFleetwood MacのOB、ボブ・ウェルチとNuzzのOB、トム・ムーニーと組んだParisだ。
このバンド、すごく好きでイケるとおもったんだけど残念ながらやっぱり2枚のアルバムを発表して解散してしまった。
一時期中古CD屋でその姿を見なくなって結構苦労して探した。
「パリス、P-a-r-i-s、巴里酢と…あった!」
案外簡単に見つかったと思ったら「ナンダ!パリス・ヒルトンじゃねーか!」何てことが3回ぐらいあった。
このアルバム、ナンの文句もリクエストもない…ひたすら素晴らしい。
こういうカッコいいロックはどこへ行った?Img_04007曲目の「The Change Song」の前に短いナレーションが入っているんだけど…私にとっての「イギリス英語発音」とはまさにコレ!
ドンズバすぎる!
Marshallの人にこの英語を聞いてもらったところ、ロンドンの東の方のアクセントなのだそうだ。
イギリスに行くとこういう英語と格闘しなければならない。
コレはイギリス英語のひとつのバリエーションであるに過ぎませんからね。
アメリカ英語の方が格段にラクです。
だから英語を勉強する時はイギリス英語を学ぶことを推奨しているのです。
 
表のブタもコミカルだが、この裏ジャケが断然おしゃれ!
そういえば、以前豚を連れて散歩するオジサンを時々浅草で見かけたけど、最近全くみなくなったナァ。
………、ん~、そういうことなのかナァ。Img_0401 
ヨーマ・コウコネン、1974年がリリースした初ソロ・アルバム『Quah』。
Jefferson系は中学生の時に「ロックの入門盤」ということで『Surrealistic Pillow』を買って聴いたのが最初。
その最初が悪かったのか、ほとんど聴かないで一生を終えそうだ。
それでも、Starshipになって加入したクレイグ・チャキーソというギタリストがカッコよくて高校の時にホンの少し聴いたけど、全体的には違う世界のバンド。
自分はつくづくブリッティッシュ派なんだナァ~、と思う。
と言いつつ…安かったのでジャケット欲しさに『Long John Silver』を買ったりしたけどね。
内容はやっぱりシックリ来なかったわ。
 
このジャケット、ロックを聴き始めた頃に音楽雑誌によく広告が出ていたのを覚えている。
「こんな変なジャケットのレコードって中身はどうなっているんだろう?」と訝しんだ記憶がある。
実にいいイラストだ。
ヨーマの奥様の作品だそうで。
 
で、45年の時空を超えて聴いてみた。
こんなアコースティック・アルバムもタマにはいいもんだ。
「ヨーマ・コウコネン」というとHot Tunaでジャック・キャサディとギーギーやっているイメージしかなかったんだけど、この人、フィンガーピッキング上手なんだネェ!
正直驚いた。

Img_0394というのは、昔教則ビデオの仕事をしていた時に、ボブ・ディランより前に「Blowin' the Wind」を吹き込んだことで知られるハッピー・トラウムが主宰する「Homespun」というレーベルから、ヨーマっは次から次へとアコギの教則ビデオをリリースしていたのです。
イヤ、ビデオを見た時にはあんまりそういう印象が無かったもんで…今回、アルバムを聴いて感心した次第。
ヨーマさま、ゴメンなさい。

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ケヴィン・コイン(Kevin Coyne)はイギリスはダービー出身のシンガー、コンポーザー、フィルム・メーカー、作詞家、作家、詩人だった。
「だった」というのは2004年に没しているからだ。
残念ながら知らなかったんだけど、イギリスではかなり人気があった人。
ブルースに影響された曲づくりに強烈な歌声、それに精神に異常をきたしているかのような歌詞が魅力だったらしい。
スティングやジョン・ライドンもこの人のファンだったことを明らかにしている。
また、BBCの人気ディスク・ジョッキー、アンディ・カーショウはケヴィンのことを「ドンドンよくなる国宝」と称し、「偉大なるブリティッシュ・ブルースの声」とまで評している。
 
ナンカ、今回のシリーズは自分ばっかり楽しんじゃって恐縮なんだけど…このアルバム盤もメチャクチャいいんですよ。
1977年の作品『In Living Black and White』。
ロンドンとヨークとエジンバラで録音した2枚組ライブ・アルバム。
キーボーズを弾いているのはズート・マニー。
となると、ギターはアンディ・サマーズ…The Policeのね。
 
ジャケットもオモシロイ。
ステージの上で後ろ手に何かを隠し持っているケヴィン。
Img_0403これは裏ジャケット。
その後ろに隠し持っているモノはナンダ?

Img_0404近寄って見ると…光っている。

Img_0405ウワ!カミソリ!
 
ご心配なく。
内容は安全です。
ケヴィンの魅力的な声でブルースやレゲエ、R&B調の曲を聴かせる他、ディランの「Knockin' on the Heaven's Door」やミュージカル『ショウボート』の「Ol' Man River」なんかも取り上げている。
アンディ・サマーズは何曲かでボトルネックを披露しているんだけど、コレが実にイケる!
Zoot Money's Big Roll BandやSoft Machineに在籍した大ギタリストに向かって失礼千万だけど…やっぱりこの人ギター上手だね。
The Policeみたいな80年代のバンドで名声を馳せたので私なんかにはどうしても軽い印象が付きまとってしまう。
そして、コレを機に他のケヴィンのアルバムを何枚か聴いてみたけど…すごくヨカッタ!Img_0406

1979年、ローウェル・ジョージの死後まもなく完成したLittle Featの7枚目のスタジオ録音アルバム『Down on the Farm』。
このアルバム、いいね~。
イラストはフィートのアルバムではおなじみのネオン・パーク。
マニキュアを塗っているのに手袋をしているのはコレいかに?

Img_0407ホラ…。
1940~1950年代に活躍したアメリカのギル・エルブグレンというイラストレーターの「The Finishing Touch」という作品。
ネオン・パークはコレをモチーフにプールサイドのアヒルを描いた。
もしかしたら、アヒルが塗っているのはマニキュアではなくて口紅か…。Fk 一方、Little Feat全盛期の作品『Sailin' Shoes』。
コレは発見したのがうれしくて、Marshall Blogで以前にも何回か紹介した話。
いいの、いいの、以前の記事を読んでいない人が多いにキマっているので、オモシロイことは何度でも書くことにしてるの。
何度も読んで頂いている方にはゴメンなさい。チョット待っててね。

Sslt_2 ところはロンドンに飛んで…マリルボーンにあるかつて「EMI House」と呼ばれたのEMIレーベルの本社社屋。

Emi赤盤&青盤のジャケットの写真はこのビルのエントランスで撮影したことはよく知られている。

Red 
その真隣りにあるのが「ウォレス・コレクション」という美術館。

Wc2コレ、ホントにうれしかったの。
何の予備知識もなく絵を見て歩いていてフト目についたのがコレ。
ジャン・オノレ・フラゴナールというフランスの画家が1767年に描いた「ぶらんこ(The Swing)」という作品。

Sw1_2「アレ?コレどっかで見たことあるぞ!」とビビビと来たのが…

Sw2『Sailin' Shoes』だったというワケ。
ネオン・パークは上のアヒルといい、こういう手法を得意としているのね?
もう1回見てみましょう…ね?

Sslt そういえばザッパの『Weasels Ripped my Flesh』も確か電気ヒゲ剃り器の広告かなんかのデザインが元になっているんじゃなかったっけ?7wrmf 私は「生きているローウェル・ジョージを観た」のが自慢のひとつなんだけど、ローウェル亡きあとのFeatもすごくヨカッタという話を耳にしたことがある。
コレもコミック・ジャケットなので紹介させて頂きたいのだが、1990年のセントルイスでの演奏を収録した『Rock'n Roll Doctors』というライブ・アルバム。
下北沢のレンタルビデオ屋のワゴンセールで100円で買った。
音がよいのでオフィシャル盤かと思っていたんだけど、イタリア制作の海賊盤だった。
コレ、音だけじゃなくて、演奏が信じられないぐらい良いのです。
それが100円…うれしいね。
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Flo & Eddie、1981年の『Rock Steady』。
この2人は言わずと知れたザッパのところにいたハワード・ケイランとマーク・ボルマンね。
下のアルバムではジャケットのラスタ・カラーのタイトルでわかるようにとことんレゲエを演ってる。
何しろ「Happy Together」までレゲエなのよ!
 
コレも裏ジャケで落とすタイプ。
南国でくつろいでいるのかと思いきや…

Img_0410なんだ、スタジオだったんかいな?というオチ。

7img_0411 
サリー・オールドフィールドはマイク・オールドフィールドのお姉さん。
ふたりでThe Sallyangieなんてフォーク・デュオもやっていた。
1979年の『Easy』。
彼女の2枚目のソロアルバム。
この人もいい加減スゴイちりめんビブラートだな。
シレっと流しておいても一向に気にならないタイプの音楽。
彼女は弟の『Tubular Bells』や『Hergest Ridge』、『Ommadawn』にも参加していて、スティーブ・ハケットの『Voyage of the Acolyte』なんかにもその名を連ねている。
これも裏ジャケットで落とすストーリー仕立て。Img_0412
なんで『Easy』で人が落っこっちゃうのかサッパリわからないけど、最後は誰もいなくなっちゃうというお話し。
まさか、Genesisの『…And Then There Were Three…(そして3人が残った)』のパロディじゃないだろうな?
1年後のリリースだし、こっちもはじめは3人だし…。
『…And There Were None…(そして誰もいなくなった/Agatha Christie)』ってこと?

Img_0413 

アル・クーパーは言わずと知れたBlood, Sweat & Tearsの創設者で、マイク・ブルームフィールドやスティーブン・スティルスとの『Super Session』でよくその名を知られている。
ボブ・ディランも「Like a Rolling Stone」のオルガンもアルの仕事だ。
何かヨソヨソしいでしょ?
私、この辺は通っていないんですよ…また言うけど、ブリティッシュ小僧だったもんで。
コレは『Championship Wrestling』という1982年のアルバム。
Img_0414コレはなかなかスゴイ。
内容も格闘技になっていて、A面が第1試合、B 面が第2試という設定で、下の裏ジャケの写真の左側の人達と右側の人達とのタッグ・マッチになっている。
このデザインは昔のアメリカのボクシングの告知ポスターを模している。
左のチームのメンバーには、ミッキー・トーマス(Elvin Bishopのところにシンガー。「Fooled Around and Fell in Love」って曲好きだった。「愛に狂って」っていう邦題だったかな?)、Tower of Power、ブルース・ゲイリー(The Knackのドラマー。知らんがな)、スティーブ・フォアマン(名パーカッショニスト)、ニール・スチューベンハウス(超売れっ子ベーシスト)、エド・グリーン(Steely Danの『Aja』にも参加しているジャズ・ドラマー)など…。
対する右側チームにはヴァレリー・カーター(有名女性シンガーソングライター)、エリオット・ランドール(Steely Danのギタリスト)、ヴィンス・コライユータ(ヴィニー・カリウタね)等の名前が挙がっている。
そしてフィーチャリングがジェフ・バクスター。
レフェリーはプロデューサーの"Wild" Bill Szymczykとなっている。
「Szymczyk」…完全にポーランドじゃん。とても読めない。
調べてみると「シムジク」という表記にしているみたいだな。
え?有名なプロデューサーだぁ?
B.B.King、The James Gang、The Eagles、The J. Geils Band、ジェイ・ファーガソン等を手がけた敏腕プロデューサーですか?…どのバンドも聴かないナァ、だから知らなかったのね。Img_0415でもプロデューサーは知らなくても、私はジェイ・ファーガソンを知っているのです。
ナンとならば、高校の時、故リック・ダンコの前座で中野サンプラザでホンモノを観たことがあるのだ!
その時初めて聴いたんだけど、スゴくよくて「コレ、リック・ダンコがヤバイんじゃないの?」なんて転換の時に友達と話していた。
ところだ、リック・ダンコのステージが終わった時には100%ファーガソンを観たことを忘れていた。
それぐらいリック・ダンコのステージは素晴らしかった。
下はその時のコンサート・プログラム。70r4a0235 ね。
1978年のことでした。70r4a0238 <最終回につづく>
 

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