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« 【Music Jacket Gallery】メッセージ・ジャケット特集<vol.1> | メイン | Marshallが音楽学校始めました! »

2022年2月24日 (木)

【Music Jacket Gallery】メッセージ・ジャケット特集<vol.2>

 
§ 2 - a
グエッ!
まだ1列目が終わったところかよッ!
そんなに書いたつもりはないんだがな…。
11年前に掲載した記事の内容のほとんどを書き換えてお送りしています。
こんなバカなワタシでも11年の歳月を無駄に過ごしてはいなかったようで、たとえ世間では「どうでもいい」とされているような知識でも、自分が知らない間に結構蓄積しているものですな~。
それと大きかったのはSpotifyとYouTube。
以前にも書いたけど、この2つがありさえすれば、展示されているアルバムのほとんどの音源を聴くことができるようになった。
11年前には全く考えられなかったことだ。
それでいちいち音を確認しながら記事を書いているので膨大な時間がかかっておりま~す!
…ということで、『メッセージ・ジャケット特集』の2回目。
展示棚は2列目。
Img_0026 まずは上段から…。Img_00281964年、ニューヨークの現代詩人3人により結成したフォーク&ロック・バンドがThe Fugs。 
ノーマン・メイラーの『裸者と死者(The Naked and the Dead)』で使われている「f@#k」の婉曲表現である「fug」がそのバンド名。
The Fugsはベトナムを始めたとした様々な戦争やアメリカで起こる出来事を風刺するのが持ち味で、もしかしたら今回のMJGのテーマに最もシックリくるバンドなのかもしれない。
音楽的には…私はムリ。

Img_0161 一番上のリンカーンの『No More Slavery』というアルバム…どっかで見たことあるナァ~と思ったら、1975年のJonny Winterの『John Dawson Winter III(俺は天才ギタリスト)』にソックリじゃん?
このアルバム、高校の頃によく聴いたな~。
いつか何かのライブのリハーサルの時に稲葉政裕さんがこのアルバムの2曲目の「Golden Olden Age of Rock & Roll」のイントロをいきなり弾き出して驚いたことがあった。
だって、このアルバムって誰も聴いていないと思っていたんだモン。

Nm

Jw 
元はジョージ・ピーター・アレクサンダー・ヒーリーというアメリカの肖像画家の1869年の作品。

Al 後で絵画に手を加える手法のジャケット・デザインが出てくるが、有名な写真をアレンジするのはよくある手だ。
ジョー・ローゼンタールが撮影した有名な『Raising the Flag on Iwojima(硫黄島の星条旗)』はもっとも扱いやすいネタのうちのひとつであろう。
Ij左はアメリカのへビィメタル・バンド、Savatageの『Fight for the Rock』。
右は1980年のUriah Heepの『Conquest』。
Uriah Heepなんてだいたいイギリスのバンドなのにね。
インパールならわかるが、硫黄島の戦いに関してはイギリスは直接的には無関係のハズだ。
 
昔は何とも思わなかったんだけど、歳を取って戦争に関する文物を読むにつけ、こうした戦争ネタはいかがなものか?と感じるようになった。
連中は戦勝国だからいい気なもんですよ。
でも、敗戦国として310万人もの犠牲者を出した我々はこんなモノを「カッコイイ!」なんてよろこんではイカンよ。
ただ、この太平洋戦線屈指の激戦だった「硫黄島の戦い」は日本軍よりアメリカ軍の死傷者計の方が多かった珍しい一戦だったんだけどね。
それでも21,000人のウチ、212人の投降者を残して日本兵は全員死んだんだよ。
一方、アメリカ軍の戦死者は約7,000人に留まった。

I2mg_0162
とにかく日本は戦争に関する教育をしなさすぎるんだよね。
また戦争をできる国にしようとしているから、あんまりその悲惨さを知られたくないんだろう…としか思えない。
コンサートに行くことを「参戦」と言ってみたり、グッズを「戦利品」と言い換えたり、アマゾンから何かが届けば「着弾」と喜んでみたり…幸いにして私は経験したことがないけれど本当の「着弾」の恐ろしさは戦争末期の沖縄の人たちの暮らしに関する本を一冊読んだだけでよくわかるし、読めばとてもそんなフザけたことは言えなくなるハスだ。
もちろん実際の恐ろしさは書き記された文章などとは比べ物にならないだろう。
 
そういう意味ではこんなのもよくないんだよね。
このベイシーは結構好きなアルバムなんだけど、広島や長崎の原爆に関する本を読むと、このジャケットも気分の良いものではない。
トッド・ラングレンの「Hiroshima」なんて曲はハラが立つよ…昔は大好きだったのに!
「知る」というのは恐ろしいことです。
だから政府は戦争の教育に消極的なのだ。Abこういうのは悪趣味で、オジちゃんイヤだな。
Destroy All Monstersという1973~1985年にかけて活動したデトロイトのパンク&サイケ・バンドの『November 22. 1963』という作品。
1963年11月22日というのはジョンF.ケネディ大統領がダラスで暗殺された日。
私はちょうど1歳になったばかりの時分なのでリアルタイムの記憶は全くないが、後年よく父が「アレはスゴかった」と言っていたのを覚えている。
そりゃアメリカの現職の大統領が暗殺する瞬間を映したんだからそのショックは相当大きなモノだったハズだ。

Dmこのバンド、ボーカルズが女性なのね。
ジャケットはこんなだし、パンクはパンクなんだけど、今となっては結構おとなしく聞えるような気がしますよ。
私はプライベートでパンク・ロックを一切聴かないので確固たることは言えないのだが…。

Img_0164ケネディ大統領というと、「キューバ危機」だナンダということになるけど、「もしケネディが暗殺されなければ…」と、60年経った今でも言われることがあるでしょう?
生きていたらどうなっていたのか私にはわからないけど、とりあえず今のウクライナはどうなっていたかねェ?Img_0165チョット大きく脱線。
「ケネディが生きていれば…」という話と反対なのがイギリスのかつての首相、マーガレット・サッチャー=鉄の女。
ちょうど10年前にイングランドの北の方に行った時、現地の人々がいまだにサッチャーのことを心底憎んでいる…という話を聞いた。
サッチャーはイングランド北部でかつて盛んだった造船や重工業をすべて廃止させてたくさんの失業者を出した。
それで「英国病」と言われた長い不況から脱却したんだけど、その犠牲になった人たちはタマったもんじゃなかった。
現にいつもは静かな口調で話す私の友人もサッチャーの話になると顔を赤らめてツバを飛ばしていた。
そこでわかったのが…「ああ、コレはイギリスで『鉄の女』の話題にサッチャーいかんな…」ということ。
お後がよろしいようで…。
その時から1年経ってサッチャーが亡くなった。
イギリスでは各地でこんな風景が見られたようだった。
あからさまなお祭り騒ぎよ。

Mt3 そして、いまだにSNSにはこうした投稿が盛んなのだ。
「死んでてヨカッタ!」とか「安心してください!死んでますから」みたいな。

Mt1

Mt2
 
「地獄で焼かれてしまえマギー!」
マギーはマーガレットの愛称(dimunitive)ね。
つい最近もSNSにこの写真が投稿されていた。
 
こんなの日本では考えられないでしょう?
どんなに悪行を重ねた政治家でも国民はすぐ忘れちゃうもんね。
戦後、東京大空襲を指揮したカーティス・ルメイというヤツに勲章をあげちゃうぐらいだから。
こういうすぐに物事を忘れてしまう「水に流す」という行為は日本人の美徳であるらしいんだけど、西洋や中国ではそうはいかない。
未来永劫呪っちゃう。
人を嫌い続けたり、憎み続けたりというのは大変なパワーと根性が必要だからネェ。
Mt4さて、このケネディ暗殺の一件は後年『Executive Action(ダラスの熱い日)』という映画になった。
バート・ランカスターとロバート・ライアンが出演したドキュメンタリー・タッチの作品。
小学校6年生ぐらいの時にひとりで映画館に観に行ったナァ。
この作品の脚本を担当したのは名脚本家のダルトン・トランボ。
この人って誰だか知ってる?
聞いてオドロけよ…『ローマの休日』の脚本を書いた人のひとりなのだ!
Dah他の有名な作品に『ジョニーは戦場に行った(Johnny Got His Gun)』がある。
コレも小学生の時に新小岩の第一劇場で観たんだけど、ショックだったネェ。
私は子供の頃からこんなのを観ていたので、スッカリおかしくなっちゃったんだネェ。
でもね、さっきの話じゃないけど、こういう映画を若い子たちにジャンジャン観せるといいと思うよ。
怪獣の死骸を掃除したりする話よりは圧倒的にタメになる。
Jsi ところで、当時『ダラスの熱い日』と必ず併映していたのがフレデリック・フォーサイス原作の『ジャッカルの日』だった。
この頃は「~の日」ってのが流行っていたのかね?
『イルカの日』なんて映画もあった。

Doj 私が好きな「~の日」はコレだった。
ジョン・シュレシンジャーの『イナゴの日(The Day of the Locust)』。
やはり中学1年の時に東銀座の東劇に観にいった。
「イナゴ」を英語でどう言うかをこの作品のタイトルで覚えたわ。

Sdolゴメンね、ゴメンね~、映画のブログみたいになってきちゃったよ!
このバンドのことを調べていて発見したんだけど、東宝のゴジラ映画の9作目、1968年の『怪獣総進撃』の英題は『Destroy All Monsters』っていうんだって!
で、このバンドもこの映画のタイトルにちなんでつけたのかと思ったらさにあらず。
アメリカのコミックのタイトルにもこういうのがあって、そこから名づけたらしい。
今にして思うと『怪獣総進撃』ってスゴいタイトルだな。
ゴジラの他にキングギドラ、ラドン(「ラドン」は英語では「Rodan」って綴る。Zappaの4人の子供のうちの3人目はそれから『Ahmet Emuukha Roadan Zappa』と名づけられた)、アンギラス、クモンガ、バラゴン、バラン、そしてミニラが登場する超豪華オールスター映画。
もちろん映画館へ連れて行ってもらって観たけど、他のゴジラ映画とゴッチャになってしまって内容がまったく思い出せないな…。
それにしてもキングギドラのデザインってのは秀逸だと思う。
下のポスター、そうした怪獣の名前がズラリとクレジットされている。
スターだったんだネェ。
東宝なもんだから黒澤作品でおなじみの土屋嘉男まで出演している。Kss土屋さんも5年前に亡くなってしまったが、先日ブックオフでこんな本を見つけて買ってきた。
まだ読んでもいない本を紹介してスミマセン。
でも楽しみ!Yt戦争関連が続きますよ。
兵役に対するメッセージを発しているのはJefferson Airplaneの『Volunteers』。
ベトナム戦争盛んなりし1969年の作品。
「Volunteer」というのは「志願兵」という意味。
一方、徴兵された兵隊は「Draft」。
映画『Woodstock』のサントラ盤って映画で使われていない曲が入ってるんだよね。
ああいうのどういうことなんだろう?
「サウンド」の「トラック」をレコード盤にしているんだから映画本編にないものを収録するのはおかしいと思うのだが…。
この『Volunteers』に収録されているタイトル同名曲もそのウチのひとつだった。
<vol.1>にも書いた通り私はJefferson系列が苦手なんだけど、この曲だけはスゴく好きだった。
それなのに映画本編にはまったく登場しない!
確かJeffersonは「Volunteers」どころか、Grace Slickがチラリと映るだけでバンドとしてはゼンゼン映画に出て来ないんじゃなかったけ?
これは編集を担当したマーチン・スコセッシのせいなのか?
そのあとのディレクターズ・カットになってようやく登場したけど…。
反対にリッチー・ヘイヴンスやジョーン・バエズのように本編には入っているのにLPには収録されていない曲もあった。
 
ジャケットは新聞仕立てになってるんだネェ。
何て言う名前なのかは知らないけど、「VOLUNTEERS」という大見出しも新聞で使われるフォントでしょう。
新聞ネタのジャケットは結構多いからね~。
でも何があっても「ジェラルド」には到底かなわないな…。

Img_0166removebgpreviewロング・ジョン・ボールドリーの1972年のアルバム『Everything Stops for Tea』。
プロデュースはエルトン・ジョンとロッド・スチュアート。
コレも何回もMarshall Blogに書いてきたことだが、エルトン・ジョン(Elton John)の「John」はこのLong John Baldryの「John」。
「Elton」はSoft Machineのサックス奏者、Elton Deanの「Elton」から持って来ている。
ボールドリー、ディーン、エルトンの3人はBluesologyというバンドで一緒だった。
コレも以前何度か書いたが、Elton Johnは本名をReginald Dwightといい、イギリスの通のファンたちは彼のことを「Elton」などと呼ばず「Regi」と呼ぶのが普通のようだ。
一方、ロッド・スチュアートはSteampacketというブルース・バンドでボールドリーと一緒に活動していた。
このバンドは他にジュリー・ドリスコル(キース・ティペットの奥さん)、ブライアン・オーガー、ミッキー・ウォーラー(ジム・マーシャルのドラム教室の生徒さん)らが在籍していた今となってはスゴいバンド。
ま、といっても実際に聴いてみるとさほどオモシロくはないんだけどね。
そんな関係でエルトンもロッドもバッキング・ボーカルズでこのアルバムに参加している。
ロッドなんかバンジョーまで弾いちゃってるんだぜ。
曲も悪くない。
  
ジャケットのデザインのモチーフは「不思議の国のアリス」。
ボールドリーはマッド・ハッタ―に扮している。
「アリス」もかなり人気の高いネタですな。
とてもいい感じのイラスト。Ljbそれをガバッと広げるとこうなる。
ますますいい感じ。
このイラストを描いたのは、ナント、ロン・ウッド!
うまいもんですな~。

Img_0167removebgpreview 「不思議の国のアリス」の作者、ルイス・キャロルはオックスフォードにゆかりがあるため、現地のアーケードの天井にも大きなウサギがブラ下がっていた。0r4a0439 
§ 2 - b
2列目の下段。

Img_0029象の墓場をあしらったのはニューヨークのバンド、Elephant's Memory。
1972年のこの作品はアルバム・タイトルも『Elephant's Memory』。
なかなかカッコいいジャケットだ。
象は死に場所を選ぶため、死期が近づいた時には自ら「象の墓場」へ赴くというが、コレは密猟者やハンターたちが観光客目当てにデッチ上げた作り話しらしい。
 
シンガーが男女で何人かいるみたいなんだけど、ひとりスゴイ声を出す人がいるのよ。
コレが破天荒にカッコいい!
このアルバムからは1曲しか聴くことができなかったので、他の作品を聴いてみたんだけど呆れるほど色んなことをやっていてオモシロイといえば、オモシロイ。
まとまりがないといえば、サッパリない。
そんな万能ぶりが認められてかどうかは知らないが、このバンドはジョン・レノンとオノ・ヨーコのバック・バンドを務めている。

Img_0169
その音源は『Sometime in New York City』のC面で聴くことができる。
そういえば、コレも新聞ネタですな。
内ジャケにはデカデカとElephant's Memoryとジョン&ヨーコが一緒に写っている写真が使われている。

0r4a0221_2そしてD面がフランク・ザッパと共演した時の音源。
このレコード、ダストジャケットが欲しくて買ったんだよね。
ナントならば、元ネタになっているThe Mothersの『Fillmore East - June 1971』は、私が中学3年生の時に生まれて初めて買ったザッパのレコードだから。
正直、コレもジャケ買いだった。
この鉛筆の手書きのタイポグラフィがオモシロイと思ってね。
それをレノンのヤツ…がこんなことしやがった!
オモシロいね~。
0r4a0223コレ、『Sometime in New York City』とか言ってるけど、このザッパの面の音源を収録したのはロンドンなんだよね。
ウォータールー橋の北詰めをほんのチョット上がったところにある「Lyceum Theate(ライセウム・シアター)」でライブ録音された。
The Who、Pink Floyd、Led Zeppelin、Queenなんかもココで演奏している。
Img_0476で、ビックリしちゃうのは、このダスト・ジャケットの裏面。
「Technichian」というクレジットにジャック・ダグラスの名前が挙がってるんだよね。
コレはまさにTubesのライブ・アルバムのミキサーのクレジットに「マックス・ノーマン」の名前を見つけた時のようなオドロキだ。
今でこそ、やれシェル・タルミーだ、やれガス・ダッジョンだ、なんて聞いた風なクチをきいているけど、ロックを聴き始めた頃はプロデューサーの名前なんて全く気にしないのが普通だった。
でも、「ジャック・ダグラス」は別だった。
そのココロはAerosmithとCheap Trick。
とにかく「カッコいいアルバムを作る人」ということで子供でもその名前を認識していた。
私の場合は、それと「クリス・トーマス」かな?
Roxy Musicとサディスティック・ミカ・バンドで知った。Roxy好きだったから。0r4a0225さて、植村さんの大のお気に入りのVanilla Fudge。
セカンド・アルバム『The Beats Goes on』。
ジャケットにはその「The beat goes on」のいくつかの国の言葉の翻訳が載っている。
日本語は「音律がはずむ」となっている。ん~、「音律」ネェ。
このアルバムの解説を何かで読んでものすごく聴きたくなった。
「ベートーベン、ラグタイム、コール・ポーター、ソニー・ボノ(Sonny & Cher)、ビートルズらの曲を並べた音楽の変遷を俯瞰するような内容」ってな調子だった。
それに加えて世界のリーダーたちの名演説が収録されている…という。
例えばケネディの「Ask not what your country can do for you; ask what you can do for your country (国があなたのために何ができるかではなく、あなたが国のために何ができるかを問うてほしい)」とか。
そうと来ればオモシロそうじゃんね~!

で、聴いた…………この人たち一体どうしちゃったんだろう?
こういう時代だったんだろうネェ…で片づけてしまうより取り扱い方がわからん。
プロデューサーのジョージ"シャドウ"モートンという人がロクにコンセプトの説明もせずにこうしたアルバムづくりを指導したため、バンドはずいぶんこのプロデューサーと対立したらしい。
ま、それが普通だと思うよ。
やっている時にはワケがわからなかったけど、仕上がってみればアラ不思議!ならいいけど、コレじゃアタマに来るだろう。
「プロデューサーのせいによる実験の失敗」と公然と非難したそうだ。
このアルバムがリリースされたのは1968年の2月。
Fudgeはこの失敗作を隠すかのように同年の6月には矢継ぎ早にサード・アルバム『Renaissance』を発表した。

Img_0170下はこのアルバムの内ジャケ。
日本語ライナー・ノーツが載っている。
誰が書いたのか知らないが、書くのツラかっただろうな。
もうひとつ傷口に塩を刷り込むのであれば、カーマイン・アピスは自伝の中で「今聴いたとしても…チョット言わせてくれ…アレはクソだ。まるでSpinal Tapがビビッて作ったかのようなアルバムに聴こえる」と書いているそうです。

ザッパのヒット曲、「Dancin' Fool」に「The beat goes on and I'm so wrong」というリフレインが出て来るんだけど、まさかこのアルバムのことではあるまいな…。Img_0171removebgpreview § 3
3列目に移る。
ココは半分だけ。
それに私の守備範囲に入って来るアイテムがほとんどないのですぐ終わっちゃうよ。

Img_0032ホイットニー・ヒューストン他、キラ星の如く輝く大スターを集めて制作された1987年のコンピレーション・アルバム。
イラストは言わずと知れたキース・へリング。
すごい個性だよね。
Sxこの人の作品を見ると必ず横浜の「ロコさん」を思い出す。
東横線の桜木町から高島町の長い直線の高架下の壁にはいつの頃からかバラエティに富んだ落書きがされるようになった。
よく横浜に行っていた40年ぐらい前、その落書きを見るのが楽しみのひとつだった。
その落書きも時が経つにつれて次第にヒップホップ的なものに変わって行き、全くオモシロクなくなってしまった。
 
で、かなり昔のテレビ番組で見た記憶なのでさほど定かな記憶ではないが、確かその落書きを始めたのが「ロコさん」という日本人で、はじめは高架の壁に映った(投影された)歩行者用の信号機の影を白い太い線でなぞっただけだったという。
それで「ロコさん」という名前を知った。
それが徐々にか一気にかは知らないが、作風がエスカレートしていき、他の人の作品も混じるようになってあの壁がエラク賑やかになっていったのだとか。
しかし、いくら色々な作品が混ざって来てもロコさんのタッチは可愛く、そして一目でわかるオリジナリティの高いモノだった。
だから、私の中ではむしろへリングの作品の方が後なのね。
そして、ちょっとロコさんのことをインターネットで調べてみると、現在では日本を代表する壁画アーティストとしてますますご活躍されているようだ。
市で禁止令を出したのかどうかは知らないが、この高架下の壁は今ではただのコンクリート・ブロック塀になっている。

Loco  
§ 4-a
4列目いってみよう!

Img_0036 その上段。
ココは「核問題」っぽいゾーン。

Img_0038今から40年近く前、学校を出てすぐに北陸に住んでいたことがある。
担当地区ということで福井へ赴く機会が多かった。
ご存知の通り通り、福井県は(当時)13基の原発が稼動する原発銀座だ。
あの時も核燃料開発事業団の「高速増殖炉もんじゅ」の建設真っ盛りだった。

Mj ある日、いつもの出張と同じように福井駅に降り立つと、テレビのレポーターが近づいてきた。
「ズームイン朝!」の取材で、一般人にアンケートを取っていたのだった。
設問はその当時に政府が設定した「原発の事故重要度スケール」についてどう思うか?」というような内容で、それは「これくらいの事故だったら1。これぐらいだと放射能汚染の危険があるので5」とかいう類のモノで、内容に変化はあれど今でも存在しているはずだ。
私の答えは「いくら事故をランク分けしてみても、その危険度なんて実際に事故が起きてみなければわからないし、原発の場合、事故が起きたときにはもう遅いんじゃないんですか?」的な回答をしたように記憶している。
私の回答がテレビ局のお気に召さなかったのかテレビには映らなかったようだ。
それから26年経って福島の事故を目の当たりにした時、その時の私の回答が特段チンプンカンプンなモノではなかったと思っている。
原発なんてなければ少なくとも事故は起こらないのよ。
それより不必要な街のネオンサインを消して、コンビニも11時に閉めて、テレビの深夜放送を止めて、自動販売機を減らせって。
夜はサッサと寝ろ!F1 原子力もの。
BS&Tでこんなのがあったなんて知らなかった。
その名も『Nuclear Blues』。BSTの11枚目、末期の1980年の作品。
知ってるメンバーはデヴィッド・クレイトン・トーマスとデヴィッド・ペイチだけ。
1曲目のインスト・ナンバー…カッコいいな~。
ジミヘンの「Manic Depression」なんかも取り上げているんだけど、コレがヤケクソにいいぞ!
ペイチのベースもいいけど、ドラムスのボビー・エコノムという人が実によろしい。
この人、メーナード・ファーガソンのところにいたのか…道理でスゴイと思った。
ジャコのソロ・アルバムにも参加している。
 
物騒なジャケット・デザインだ。
コレは核爆発かなんかがあってボロボロになっている…けど笑っている。
「俺たちには音楽があるからヘッチャラさ!」みたいな意味合いなのだろうか?
原子力をナメちゃイカンぞ。
フーム、ジャケットのことはさておいて…このアルバムはすごく完成度が高いナ。
実にいい作品だ。

Img_0174私はBST門外漢なんだけど、コレの3年前のアルバム、『Brand New Day』にはマイルス・バンド加入前のMike Sternが参加しているとういうことで少し聴いていた。
『Nuclear Blues』の方がゼンゼンいいわ。

Bst「完全ヌード」みたいな意味を持つStark Nakedという名前のアメリカ産サイケ・バンドの1971年、唯一のアルバム。
すさまじく時代を感じさせるサウンド!…でも悪くない。コレでいいのだ!
人がメルト・ダウンしてキリストの顔になっているジャケット・デザインはなかなかに印象的だ。

Img_0175再びCheech & Chong。
またドラッグ!それにしてもCheech & Chongの諸作のジャケットは素晴らしい。これは1976年の『Sleeping Beauty』というアルバム。
このアルバムのジャケットとタイトルは「reds」として一般に知られている「セコバービタル」と「バービチュレイト」という汎用の薬にちなんでいる。
これらの薬はてんかんと不眠症のための治療薬で、1960~70年代のアメリカで広く濫用された。
ナゼ濫用されたのかを問うのは愚問だろう。
デザインはそのredsのカプセルから中身を引き出すと薬が舌の上に乗っているという仕掛け。
モチーフはどうでも実にカッコいいアイデアだとは思いませんか?
最近の音楽パッケージがこうした刺激的立体的なアイデアにおいて30年前、40年前の創作物に遠く及んでいないことは誰がどう考えても明らかだろう。もちろん内容、つまり音楽も同じだ。
Img_0176removebgpreview

「ロック史上最も攻撃的な作品」と評価されたThe Pop Groupの『Y』。
1979年のリリース。
コレが出て来た時、私は高校生だったんだけど。ずいぶんと話題になったことを覚えている。
私はこういうの苦手だったのでハナから相手にしなかったが、今聴くと…やっぱりタイプではないな。
でもなかなかいいな。
でも自発的には聴かないな。
でもCD持ってんだよね。
ロックではないけれど、コレだったらデレク・ベイリーだとかセシル・テイラーとかソニー・シャーロックといったフリー・ジャズの連中の方が「攻撃的」な感じがするナァ。
ジュゼッピ・ローガンとかね。
あ、「好きなんですか?」なんてその筋の人から言い寄られてもお相手はできませんが。
 
でも、ジャケットはインパクト強いナァ。
コレは出た時からそう思っていた。
パプア・ニューギニアの「マッドマン(Mud Man)」とか言われている種族らしい。
パプア・ニューギニアには種族によって当然使用している言語が異なるため、ものすごくたくさんの言葉があるらしい。
その中には、「話す」は「トクトク」、「食べる」は「カイカイ」、「花」は「ナタナタ」、「ワニ」は「プクプク」、「小さい」は「リクリク」…と、日本の擬音語や擬態語のように同じ音を繰り返す言葉を用いる種族がいるらしい。
可愛くない?
最近私が気に入っているこの手の言葉は「ヨボヨボ」。
まぁ、自分もかなり「ヨボヨボ」になって来たけど、老人の動作がシッカリしない様をよくもそんな言葉で表現したな~と、感心しきりなのである。
 
ところで、このバンド、イギリスはブリストルの出身なんですってね~。
知らなかった。

Pg_2このバンドにいたギャレス・セイガーとブルース・スミスという人がRip Rig+Panic を結成したんですってね~。
イヤ、別に好きなワケでも興味があるワケでもないんだけど、『Rip Rig & Panic』というのはラサーン・ローランド・カークの1965年のアルバムのタイトルでしてね、私の愛聴盤なもんだから。
で、このRip Rig+Panicにはネナ・チェリーというメンバーがいて、この人、ドン・チェリーの奥さんの連れ子、言い換えるとドン・チェリーが継父なんですってね~。
英語で言えば「Father in law」か?Rrpアルバムの方の『Rip Rig & Panic』ね、ドラムスのエルヴィン・ジョーンズ以外のメンバーは「The Jaki Byard Experience」というチームを結成してアルバムを発表する。
コレがまた実にいいアルバムなんだ~。
で、私の推測では、ジミ・ヘンドリックスはこのチーム、あるいはアルバムをヒントにして自分のバンドに「Jimi Hendrix Experience」という名前をつけたとニラんでいる。
多分、間違いない。
興味のある人はゼヒコチラをご覧あれ。
 ↓   ↓   ↓
【イギリス-ロック名所めぐり】vol. 62 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.5>

Jbe私は邦題否定、「オリジナル・タイトル至上主義」派なんだけど、このアルバムの『対自核』というのはうまいこと考えたな…と思う。
なんでも出自は哲学方面だとか。
私、ヒープはチョット苦手でしてね…何となくKISSのような「一般大衆向け受け狙い」のイメージを強く感じり。
ナンかこう「アク」とか「毒」みたいなモノが感じられなくて、わかりやすいぶん、聴いていてすぐに飽きちゃうんだよね。
それでも、高校の時にはほとんどのアルバムを持っていた…それで全部売っちゃった。
この『対自核』も同様。
でも、この記事を書いている間にブックオフで帯付きの安いのを見つけたので写真を撮るためだけに買った。
チョットうれしかったりして…。
 
このジャケットね、鏡に自分が写らないように撮影するのが実にムズカシイのよ。
どうやって撮ったのかは…へへへ、秘密。
この有名なアートワークにはDouglas Maxwell Ltd.という会社がクレジットされていて、他のジャケット作品もチェックしてみたが知っているモノは全くなかった。
 
ゲゲゲ!
「July Morning」の後半のシンセのソロを弾いているのはマンフレッド・マンだったのね?
それとOsibisaのメンバーがタイトル曲でパーカッションで参加しているのには驚いた!
Osibisa懐かしいナ…アフリカン・ロック。
私が中学1年生ぐらいの時、今でいうMVみたいなモノを流す早朝の番組に一時期ズッと出てたのよ。
今、聴くとカッコいいな…Osibisa。0r4a0214
 
§ 4 - b
このあたりは「人間の進化」がテーマみたいな…。

Img_00401972年のWeather Reportのセカンド・アルバム『I Sing the Body Electric』。
このタイトルはアメリカの詩人、ウォルト・ホイットマンの詩作、もしくはレイ・ブラッドベリ―の短編集のタイトルから名づけられた。
ブラッドベリーの方は人気TVドラマ、『Twilight Zone』に原作として取り入れられて映像化も果たしている。
電気仕掛けのおバアちゃんがやってくる話しらしい。
ザッパにも「Electric Jemima」なんて曲があったな。
このアルバム、最後の3曲は渋谷公会堂(当時)で録音されたライブ音源で、最終曲のマイルスの「Directions」が終わった後にメンバーを紹介するいソノてルヲさんの声が収録されている。
またこの時の音源は『Live in Tokyo』として2枚組LPで発表された。
子供の頃は「ウェザー・リポートってバンドはギターがいないんだってよ!」などと聴いて驚いたもんだった。
ギターのいないバンドなんてこの世にあるのか?とショックを受けた記憶がある。
Weather Reportもやっぱり『Heavy Weather』までだったかねぇ?
  
アートワークはフレッド・スワンソンという人。
ミジンコのイメージらしい。
ポートフォリオをチェックしてみたけど、他に馴染みのある作品は見当たらなかった。
そういえば、最近はミジンコなんて全く見なくなっちゃったけど、コレ英語で「daphnia(ダフニア)」というらしい。
ダフニア?
そこですぐに頭に浮かんで来るのはジャンゴ・ラインハルトの代表曲のひとつ「Daphne(ダフネ)」。
もちろんこれはフランスの女性の名前なのは知ってる。
ビリー・ワイルダーの『お熱いのがお好き(Some Likr It Hot)』で女装したジャック・レモンの役名も「ダフネ」だった。
そこで「ダフニア」の語源を調べてみると、ギリシア神話に出て来る「ダフネ」だという説があるらしい。
このダフネ、アポロンの初恋の人だったんだってよ!
すごくない?
ミジンコがギリシア神話と関係しているなんて!
Img_0178
コレは「ケルティック・パンク」っていうのか…。
以前、Drop Kick Murphysというアメリカのバンドが来て、Marshallを貸してくれってんでカメラを持ってライブに行ったことがあったけど、アレは「アイリッシュ・パンク」とか言ってたな。
どうしてアイリッシュとパンクを合体させる必要があるのか甚だ不可解だが、ロックなんて他の音楽の要素を貪欲に吸収して発展して来た音楽なのでケルトを吸収することぐらいきっと朝飯前なのだろう。
このアルバム、まずタイトルがいいね…『Rum Sofomy and the Lush』。
元々はアンソニー・ブラックモア(リッチー以外のブラックモアさんってはじめてだね)という人の著書のタイトル。
一般的にこの「Rum Sofomy and the Lash」というフレーズはウィンストン・チャーチルが海軍のことについて語ったセリフとして認識されているようだ。
"Don't talk to me about naval tradition. It's nothng but rum, sodomy and the lash"
「ワシに海軍の伝統についての話しなんかするもんじゃないよ。アレは酒(Rum)とSodomy(同性愛)と虐待(Lash=ムチ。ウサ晴らしのための内部暴力のことか?)以外の何物でもない」
イギリス海軍もそういうことらしい。Img_0177大変カッコいいジャケットは18世紀末のフランスの画家、セオドア・ジェリコーの活人画『The Raft on the Medusa(1819年)』が元になっている。
こういうのはオモシロイね。
今回も他に紹介したけど、ロッド・スチュアートのルノアールを使った『A Night on the Town』みたいなヤツ。
いっそ名画そのものを使ったカッコいいジャケもあるよね。
ジャズに多い。
モンクのルソーを使った『Plays Duke Ellington』とかキリコを使った『Mistrioso』とか。
Wyntonのマチスとか。
ジャクソン・ポロックのものもあったっけ。Tpg <つづく>

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Reigning Days(レイニング・デイズ)!

Reugniung_daysこのバンド、もう解散しちゃいましてね…なかなかいいバンドだったんよ。
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