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2022年2月21日 (月)

【Music Jacket Gallery】メッセージ・ジャケット特集<vol.1>

  
人間生きてりゃ誰にでも言いたいことぐらいある!
仕事のこと、上司のこと、政治のこと、家庭のこと、学校のこと、就職のこと、子供のこと、食べ物のこと、最近の音楽のこと…言いたいことだらけなのが普通なのだ!(注:これらの言いたいことは世間一般での普遍性を重視しており、決して私の希望を優先したワケではないので誤解のなきよう)
3.11東日本大震災と原発問題の影響下にある今日の日本の特異な社会状況を踏まえて、今回のギャラリーには60年代から80年代にかけての反戦、反差別、反核、チャリティーといったメッセージ性の強いジャケットが集結した。
Img_0001元来ロックのというものは反社会的な場所に位置している(いた)もの。
とろけるようなトーチ・ソングからノリノリのロックンロールまで様々なスタイルを吸収し、聴衆を熱狂させてしまうところがロックが持つ本来のパワーであり、そのパワーと大衆性に乗じて自然とメッセージ性を帯びた作品が出て来たという歴史がロックにはある。
そして、音楽そのものだけの表現にとどまらず、ジャケットにもメッセージを込めてしまおう…という意気込みで作られたジャケットがココMJGに並んだというワケね。
だからジャケットって大切なのよ! Img_0010 もちろん今回も植村和紀さんのコレクションで構成されている。
何しろ帰りの電車賃が80円になってしまい、帰れなくなるのを覚悟してまでレコードを買い漁ってしまったという植村さんのこと、このコレクション自体がメッセージを訴えているような気がする。
それは「レコードへの愛情」に他ならない。
Img_0011今回のブローアップ・ジャケットは…知らない!
でもメッチャいいジャケット・デザイン。
プリント機械が替わったため、今回からこのブローアップのサイズが若干小振りになったとのこと。
でもこうして説得力のあるデザインだとそんなことまったく気になりませんね。Img_0007 もうひとつはフィンランドのプログレ・バンド、Wigwam。
そのタイトル名も『Nuclear Nightclub』と早くもメッセージ感タップリ。
これは銅版画かなんかかしらん?
中世のサロンみたいな空間(これがナイトクラブ?)の向こうで核爆発が起こっている。Img_0009ではイザ!
 
§1 -aImg_0014 『Full Metal Jacket』のサントラ盤が見えてるけど今回は触れませんのであしからず。
キューブリックやり出したら止まらなくなっちゃうから…。
その代わりコチラで盛大にやっていますので、お好きな方は世界最大級の「キューブリック展」のレポート11本立てをどうぞ!
  ↓    ↓    ↓
【Shige Blog】ギリス紀行2019 その12 ~ スタンリー・キューブリック展 <vol.1>

Img_0016 今回のブロウアップ・ジャケットにも選定されている1979年のA&Mのオムニバス盤。
文化大革命を揶揄したジャケットが文句なくカッコいい!
ブライアン・デイビスという人の作品。
モチーフは「毛沢東のロックバンド」。
タイトルは『Propaganda』。
Sparksに同名の名曲があったのを思い出す。
左上にある「A BLATANT ATTEMPT TO INFLUENCE YOUR MUSICAL TASTE」というのは「アナタの音楽の嗜好に影響を与える露骨な試み」…という意味で、それが「プロパガンダ」ということ。
Img_01341979年のリリースでPoliceの曲も収録されている他、Joe Jacksonの未発表曲が収録されている。Img_0135調べてみるとこのジャケットに使われているイラストは『Police, Squeeze and Joe Jackson, Propaganda』としてニューヨークのMOMA、つまり「現代美術館」に展示されているようだ。
こんな感じ。Pg 近代美術館といえば…
ソニー・ロリンズのImpulse盤に『There Will Never Be Another You』というライブ・アルバムがあるが、アレ昔は『近代美術館のソニー・ロリンズ』というタイトルで、我々が学生の頃は「近代美術館」と呼んでいた。
もちろんMOMAの中庭で録音された音源が収録されている。
30年近く前、はじめてMOMAに行った時はうれしくてね~。
「ココでロリンズがアレを演奏したのか!」と感動したモノです。
ロリンズは後年、同じ場所でサックス1本で演じたライブ・アルバムも発表している。
ちなみに、MONAで一番私の目についた日本人の美術作品って誰のモノだと思う?
断トツで横尾忠則だった。
話はそれるが、横尾さんは若い頃そのニューヨークでCreamを観たそうで、あまりの音の大きさに気分が悪くなった…と何かの記事に書いてあった。
確か横尾さんってジミヘンも観てるんだよね。Stwb 「文化大革命つながり」ということで…Matching Moleのセカンドアルバム『Little Red Record』。
邦題は『そっくりモグラの毛語録』。
あんまり「毛」については触れて欲しくないが、とても好きな作品。
1972 年の作品でプロデュースはロバート・フリップ。
ジャケットからすると中身はイギリスのMr.BIGのような「中華ロック(この名付け親はRollyさん)」を想像するかもしれないが、Matching Moleはカンタベリー派を代表するバンドだからそうなならない。
メンバーもロバート・ワイアット、ビル・マコーミック、デイヴ・マックレー、フィル・ミラーと強力で、ブライアン・イーノが1曲ゲストでシンセサイザーを弾いている。
「メッセージ」という切り口でこのアルバムを眺めると、1曲目なんかは「Starting in the Middle of the Day We Can Drink Our Politics Away(昼の日中からイッパイやって政治問題なんか忘れちまおう)」なんてタイトルからしてかなりストレートだ。
ヘンテコリンな歌声がダラダラと続いて「It's a mole!」の叫び声の後に飛び出してくるロバート・ワイアットの超絶ドラム!タマリマセン!
ジャケットはとてもいいイラストをまとっているのに、残念ながらアートワークのクレジットが見当たらない。
一方、肉太文字でイヤが応でも目に入ってくるのが「Der Mütter Korus」というドイツ語のクレジット。
コレ、「ママさんコーラス」という意味なんだけど、「究極的にアホらしい声のパートのパフォーマンス」として参加している。
さらにそこにはロバート・ワイアットの他にLittle Honest Injunという名前が挙がっている。
どれがその「アホらしい声」なんだろう…まず1曲目のアタマがそうなんだろう。
あとは4曲目の「Righteous Rhumba」の中のおしゃべりの部分とかのことかな?
この曲、「ルンバ」なんていってるけど、当然のようにまったく「ルンバ」ではない。
ちなみに「毛沢東」は結構英語圏で出て来る名前で、「Mao Zedong(マオ・ゼドン…的な)」と呼ばれていることを覚えておくといいかも知れない。
考えても絶対に出て来ない単語のひとつだから。
私は何回聞いても忘れちゃうけど。Img_0137ジャック・ケルアックとともに「ビート文学」を代表するアメリカの詩人アレン・ギンズバーグ…と、聞いた風なクチを叩いているが、読んだことがないどころか近寄ったこともない。
同じアメリカ文学でも卒論は単位が取りやすいサリンジャーだったし…。
そんなもんだから、いつもセルジュ・ゲンズブールと間違えてしまう。
さて、「Howl」というのはギンズバーグの最も知られた詩にして代表作(らしい)。
この作品もタイトルも「HOWL」。
発音は「ハウル」。
この写真ではわかりにくいがコレは全部墓石だ。
その墓碑銘がすべてメッセージになっている。
これは一種の生前葬を具現化したもので、「オレが死んだらこうしてくれよ、と言っている」というのが植村さんの解釈。
「Live and Let Live」なんてのも見える。
これ10ccのライブ・アルバムのタイトルにもなっているが、実はコレは「人生がもたらす楽しみや喜びを享受しよう。そして同じことが他人に起こっていることを看過しよう」みたいな意味で、つまるところ「寛容であれ」ということ。
ロジャー・ムーアが初めてジェイムズ・ボンド演った『Live and Let Die』という映画があったでしょ?
もちろんこれはこの「Live and Let Live」のパロディ。
アレの邦題は『007死ぬのは奴らだ』。
つまり、「オレは生きて楽しむけど奴らは死ね!」…つまり『死ぬのは奴らだ』というワケ。
コレももう何度も書いたナ…。

S2agその詩集がこの『HOWL and Other Poems』。

Hb 翻訳版の題名は『吠える』。
CONCERTO MOONの島紀史さんはかつて「吠える」というサブ・プロジェクトをやっていた。
それが言いたかっただけ。
尼崎ご出身の方なのでDeNAベイスターズのファンというワケではないハズだ(←若い人にはわからないだろうナァ。若い人がこの記事のシリーズを読むこともないだろうけど…だからナンにも知らないんだよ)2hoelコレは知らん!
見たこともない…「Boomerang」というバンド。
そう、西城秀樹でおなじみの「ブーメラン」だ。
それにしてもインパクトの強いジャケットだ。
バンドロゴとブーメランを構えるアボリジニだけ。
BoomerangはVanilla Fudgeのボーカル&キーボードのマーク・スタインがFudge脱退後にはじめて作ったバンド。
1971年にこのアルバムをリリースして消滅。
調べてみると国内盤も出ていなかったようだ。
コレがですよ…聴いてみるとアキれるぐらいカッコいいハードロック!
取りあえず文句のつけようがない。
コレは完全にジャケットで損したな。
問答無用でボーカルズが素晴らしい。Brメンバーはマーク・スタインしか名の通った人はいない。
スタインはこの後、トミー・ボーリンやデイヴ・メイソンと仕事をした。
ボーリンの遺作「Private Eyes」にも参加している。Img_0140そういえば思いだした!
トミー・ボーリンっていまだにプロ・ミュージシャンの間で評価が高い。
この人メッチャ早死にで、亡くなったのは1976年、トミーが25歳の時なんだよね。
それなのにDeep Purpleに入るわ、ビリー・コブハムの『Spectrum』に名演を残すは…で、もしこの人が生きていたら80年代のロックももう少しシッカリしたのでは?…なんて想像してしまう。
で、ナニを思い出したのかというと、通学途中の電車で前に座ったオッサンが広げたスポーツ新聞に『Private Eyes』の写真がデカデカと出ていて、その横に「當墓林」と大きく表示されていた。
その新聞は「アメリカの天才ギタリストが新作のタイトルに『墓』なんて文字を使うもんだから死んじゃった!」と報道していた。
まだ中学2年生だった私は「トミー・ボーリン」Tommy Bolinという名前は知っていたが、音は聴いたことがなかった。
でもこの新聞記事がものすごく印象に残った。
今にして思うと、いちアメリカ人ギタリストの死がよくメジャーなスポーツ新聞にデカデカと載ったものだと思う。
今では考えられないよね。
コレズッと「富」かと思っていたら「当」の旧字体の「當」だったのね。
もしかして間違えてるんじゃない?Tb さて、Boomerangの裏ジャケットを見てみる。
ドワッ!マイケル・カスクーナが解説を書いてる!
この作品は1971年に制作されているが、もうこの時点で既にBoomerangが「ラウドでジャンピングな音楽に回帰している」ことを褒め讃えている。
当時その反対に位置していた音楽はプログレッシブ・ロック。
その複雑さへの回答がBoomerangの音楽というワケだ。
こんな時代からオリジナル回帰志向があったのね。
カスクーナはジャズ系の音楽プロデューサー。
デイヴ・ブルーベックやArt Ensamble of Chicagoのアルバムの制作を担当している。
それよりもBlue Noteの未発表音源の発掘家としての方が有名か?
1983年には「Mosaic Record」を設立しモンクやマイルス他、300のボックス・セットを制作してグラミー賞を獲ったそうな。
Blue Noteの作品すべてをオリジナル盤で揃えている世界的に有名なコレクターの小川隆夫さんはアメリカ留学時代からカスクーナを知っていて、レコード店で彼を見かけるとガッカリしたという。
ナゼならカスクーナがレコードをチェックした後は、もうそこには何もイイものが残っていないからだ。
日本でいえば植村さんか…。
カスクーナがもうひとつこの解説の中で触れているのがリチャード・ラミレスというギタリスト。
1曲、ビンテージのストラトっぽいサウンドで目の覚めるようなソロを披露してくれている。
このアルバムを収録した時にはまだ15歳だったらしい。
知らんナァ~…っというので早速この人の名前で検索してみると「Richard Ramirez」というのしか出て来ない。
「ラメリス」と「ラミレス」の微妙な違いね。

Img_0141ところが!
ラミレスの方は「Night Stalker(ナイト・ストーカー)」やら「Valley Intruder(峡谷の侵入者)」の異名を取る、1984~1985年の間に無差別に民家を襲撃して、強盗、暴行、レイプのし放題で13人もの命を奪ったという とんでもないヤツだった。
私は知らないんだけど、マリリン・マンソンのベースはトゥイーギ・ラミレスっていうの?
その「ラミレス」の由来はこのナイト・ストーカーなのだそうだ…って、このバンドのメンバーの名前はみんな凶悪犯から採っているのか。
物騒なバンドだナ…一度写真を撮らせてもらったことがあったけど。Rr上と下の共通メッセージは「裸」。
イヤ、裸ということが直接メッセージを発しているワケではなく、「ヌーディズム」というのか一種の平和主義みたいなことに結びつけてみたというワケなのです。
一時「ストリーキング」なんてのが流行ったっけね。
ずいぶんニュースでやってたけど実際には一度も見たことがなかった。
さて、これはThe Lovin' Spoonfulの69年のアルバム『Revelation Revolution '69』。
最終作かな?
ジョン・セバスチャンはもういない。
このジャケットの写真、合成だな。
人間だけ走らせて流し撮りをしておいて後でライオンを合成したんでしょう。

Img_0142 続いては反戦系。
これはWarm Dustというポール・キャラックなるキーボード・プレイヤーを中心としたイギリスのプログレッシブ・ジャズ・ロックグループの『Peace for Our Time』というアルバム。
「隠れた名盤」と言われていて、何万円もするらしい。
ジャケットはオモシロくないが、コレ、中身がなかなかのモノ。
管楽器のプレイヤーが2人も入っていていい感じ。
広島と長崎の放射能のことに触れたりしている。

Img_0143ヴィヴィアン・スタンシャルはBonzo Dog Doo-Dah Bandの創設者のひとり。
この1984年リリースの『Sir Henry at N'didi's Kraal』は『Sir Henry at Rawlinsoin End』の続編で、スタンシャル4枚目にして最後のソロ・アルバム。
内容はコメディで、前作同様ほとんどしゃべり。
両方聞いてみたけど、何かをしながら耳に入ってきた英語の意味を捉えることができるレベルの英語力を持っている人以外にはオモシロイものではないだろう。
え?私はダメよ。
南アのズールー族を引き合いに出して大英帝国の植民地政策と王室を猛烈に皮肉っているらしい。
だから純粋な「戦争反対!」的なメッセージとは異なっているようだ。
くたびれた兵隊さんが便器の上に座っている皮肉感タップリのイラストはラルフ・ステッドマンというイギリスの有名なイラストレーターの作品。

Img_0144しからば、このタイトルにある「ヘンリー・ロウリンソン」というのは誰か?
調べてみると、実在したヘンリー・ロウリンソンという人は「イギリス東インド会社(East India Company)」の陸軍士官であり、政治家であり、楔形文字研究の権威で、どうも南アのことには触れていないのでスタンシャルの登場人物とは関係ない人なのかしらん?
「東インド会社」ね…。
若い頃はアメリカにゾッコンだった私も色んなことを知るにつれて段々イヤなイメージを持つようになってしまい、今では仕事の関係もあって完全に「イギリスびいき」になってしまった。
ま、イギリスはアメリカの元だからね、歴史的にどんな悪事をして来たかということも学んでいる。
で、産業革命の発祥地であるマンチェスターに行ってからというもの、アフリカとアジアの三角貿易に興味が湧いて来て、下のような本を読んでみた。
本当は陳舜臣の『アヘン戦争』の正編を読みたいんだけど、「登場人物が多く、読み解くのが大変なのでダイジェスト版を読むといい」と中村とうよう先生がススメてくれた『実録アヘン戦争』と加藤祐三という横浜市大の教授が著した『イギリスとアジア』という新書。
その時代に中国との茶の悪徳貿易で大活躍したのが「東インド会社」だったのは学校で習った通り。
黄色い方はすごくオモシロかった…貼った付箋の数を見ればどれだけオモシロかったかをおわかり頂けるであろう。
とにかくヒデエ話よ。
「龍馬、龍馬」って騒いでいるけど、実は明治維新もイギリスだもんね…という説を私は採っている。
そうでなきゃ、皇居の隣の一等地にあんなクソデカい大使館なんか建てられないって。
0r4a0195_2ところで…マイク・オールドフィールドの『Tubular Bells』のA面の最後で使用楽器を発表するところがあるでしょ?
「エレクトリック・ギター」とか「マンドリン」とか…アレを読み上げている人がこのヴィヴィアン・スタンシャル。
Tb2それで、フト気が付いたんだけど、名盤の誉れ高いボンゾの『Gorilla』という作品に「Intro and the Outro」という曲が入っている。
4ビートでデューク・エリントンの「C Jam Blues」をパクッたような曲。
イントロの部分でニール・イネス他、バンドのメンバーと担当楽器を次から次へとジャンジャン紹介していく。
スタンシャルはトランペットで出て来る。
その他、ジョン・ウェインだのヒットラーだのカサノヴァだのやりたい放題。
カウント・ベイシー・オーケストラの担当楽器がトライアングルだとか、もうメチャクチャ!
その中にはトロンボーン担当としてヘンリー・ロウリンソンの名前も出てくる。
スゴイのはエリック・クラプトンがウクレレ担当で登場してジャンジャカ弾いてるのね。
これは実際にクラプトンが弾いたそう。
で、結局イントロの部分だけでフェイドアウトしてしまう。
だから「Intro and the Outro」。
で、このメンバー紹介のナレーションをしているのもヴィヴィアン・スタンシャル。
コレで「Tubular Bells」と「Intro and the Outro」の間に深い関係があることは間違いないことがわかった。
さぁ、ここで想像を膨らませたくなるのは、あの世紀の名曲「Tubular Bells」で楽器名を挙げていくアイデアは一体誰が出したのか…?
オールドフィールドはわざわざスタンシャルを雇ってボンゾのパロディをやったのだろうか?
でも、精神に異常をきたすほど打ち込んだ自作にそんなフザけたことをするだろうか?
真相はいかに?Bg 続いてはCheech & Chong(チーチ&チョン)の1973年の作品『Lod Cochinos』。
「Los Cochinos(ロス・コチノス)」とはスペイン語の「豚」の蔑称でアメリカでは「警官」を意味するらしい。
去年、外道の加納秀人さんと久しぶりにご一緒した時にこのチーチ&チョンの話になった。
私はチームの名前ぐらいしか知らないんだけど、秀人さんはアメリカでご覧になったことがあって、メチャクチャおもしろかったとおしゃっていた。
Img_0147このギミック・ジャケットは素晴らしい!
アイデアもデザインも秀逸!
ゆッる~い感覚がいいように伝わってくる。
Img_0149removebgpreviewJefferson Airplaneのポール・カントナーとグレイス・スリックの1971年のアルバム、『Sunfighter』。
JAの創始者のひとりマーティ・ベイリンに捧げられたアルバムでGrateful Dead、CSN、Tower of Powerのメンバーが参加している。
後にStarshipのリード・ギターとなるCraig Chaquicoが17歳の時に初めて合流したアルバムだそうだ。
『Dragon Fly』あたりのチャキーソって抜群にカッコいいと思ったけど、どうもこのJefferson系って昔から苦手なんだよな~。
写真の赤ちゃんは実際のふたりの愛娘Chinaちゃん。
アルバムにはグレイス作の「China」という曲も収録されている。
ちなみに「china」と頭文字を小文字にすると「瀬戸物」という意味ですからね。
同じように「japan」は「うるし」。
 
「陽が昇って新しい生命が生まれる」から「輪廻」みたいなメッセージを感じるジャケット・デザインだ。 
約20年前にサンフランシスコに行った時、現地の友人のアメリカ人が遠くの山の上の方に建っている家を指して「あれはグレイス・スリックの家なんだよ」と教えてくれたっけ。
グレイスはクスリか何かの前科があって「あと1回警察のお世話になることがあったら一発で刑務所送りなんだよ」なんてことを言っていたのを覚えている。
Img_0150The Doorsにこんなのあったなんて知らなかった…って、ドアーズは全くといっていいほど聴かないからムリもないか。
1972年の『Full Circle』というジム・モリソン亡き後2枚目のアルバム。
だから私が知っている「ドアーズ臭」は皆無…毒気も何にもないけど、曲がなかなかいいな。
このアルバムをリリースした6年後にレイ・マンザレク、ロビー・クリーガー、ジョン・デンスモアの3人がモリソンの詩の朗読テープにバッキング・トラックをダビングした『An American Player』というアルバムを発表してThe Doorsはその活動に終止符を打った。
 
これはまさに「輪廻転生」の図ですな?
ちょっと宗教的な雰囲気もしないではないが、絵柄としては実にステキ。
ダリっぽい?

Img_0151ジャケットを開いて切り抜くとルーレットみたいなゲームができるようになっている。
海に浮かぶ夕日を眺める3人の寂しそうな背中…「ジムよ、何でオレたちを残して死んじゃったんだよ~」みたいな?

Img_0152 
§ 1- b

Img_0024
「エエエエッ!まだやってたの?」なんて、思わずイキの長い活動歴に驚かされるバンドに時々出くわすけど、このThe Groundhogsはその最右翼だろう。
たったひとりのオリジナルメンバーであるギター/ボーカルズのトニー・マクフィーが1963年以来、現在までガンバっているというんだよね。
1963年と言えばMarshallが創業した翌年。
来年このバンドは還暦だよ。
イヤ、ストーンズみたいにやればやるほどウハウハ儲かるバンドならいいよ。
そうなりゃ反対に解散もしにくいってもんだ。
このThe Groundhogsはどうだ?
バンドの歴史を見ると、取り立ててヒット・アイテムがあるワケでなし、名前の知られたメンバーが在籍していたことは皆無だし、日本においてはほとんど知名度がないと言っても過言ではないだろう。
それなのに…辛抱&我慢の60年。
 
ところでこの1970年の『Thank Christ for the Bomb』というサード・アルバム、コレが実にいい。
それもそのハズ、リリース時には全英チャートで9位に食い込んだらしい。
とてもトリオ・バンドとは思えない音作り。
すごく曲が凝ってるんだよね。
やっぱりこういうロックはよろしいナ~。
あさま山荘よりも横井さんが出て来るよりも前のロック。
いい時代だったんだナ~。

このジャケット植草甚一さんが大好きだったという。
「日本人にこのセンスはわからないだろうな…」とおっしゃったとか。
わかっているかわかっていないかがわからないが、とりあえずカッコいい。

Img_0153ま、ニューヨークに行くとゴミの写真しか撮って来なかったという植草さんのセンスもたいがいどうかと思わなくもないが…。
植草さんは数多くの奇妙なコラージュ・アート作品を残している。0r4a0200_2 そして、ジャケットの左端で腰かけているのはベースのピーター・クルイックシック。
コレは第一次世界大戦の時に塹壕の中で撮影された写真をコラージュしたモノだそうだ。
何でこんなことをしたんだろう?
不思議。

Sgh_2この塹壕ってヤツね…ヒドかったらしいよ。
キューブリックの『突撃(Paths of Glory)』はこの塹壕での撮影がリアルで見事だったが、実際にこうした塹壕に長時間留まったことがある旧日本兵の手記を読むとホンモノはとてもあんなモノじゃなかったらしい。
何しろ狭い溝に兵隊さんが何百人も入ったきり何日も外へ出ることができない。
当然そんなところにトイレなんかあるワケがない。
でも、出るモノは場所を選ばない。
さりとてガマンもできない。
結果…塹壕の中はウンコだらけだったらしい。
 
この『突撃』のカーク・ダグラスはヨカッタ。
内容はコレもヒデエ話よ。

Pog 裏ジャケには「The End」。
このデザインは血とバラを暗喩しているらしい。
何かむしろヤケクソ感すら漂っている気がする。
それにしてもこのアルバム、ホントいいわ~。

Img_0155社会的なメッセージはないが、ジャケットが面白いという理由で展示されていたのがコレ。
アンドリュー・ロイド・ウェッバーがプロデュースした1978年の『Variations』というアルバム。
参加メンバーがスゴイ。
ジョン・ハイズマン、ドン・エイリー、ゲイリー・ムーア、ジョン・モール…要するにColloseum II。それにロッド・アージェント、バーバラ・トンプソン、ジュリアン・ロイド・ウエッバー (アンドリューの弟のチェロ奏者)が加わり、ゲストとしてフィル・コリンズが参加している。
指揮者としてロリン・マゼールがクレジットされているのがスゴイ!…ホンマかいな?

内容としてはパガニーニの『Caprice No.24(奇想曲)』をロック・テイストにアレンジした…なんだろうけど、どうも原曲に対応しているのは有名な24番だけのように聴こえるのは私だけであろうか?
7番なんかは7/4拍子でゲイリー・ムーアのギターが活躍してカッコいいんだけど、元は全然違う。
23番も同様なんだけど、こっちはまるでCurved Airの「Vivardi」みたいでヴァイオリンがカッコいい。
でも、その肝心のヴァイオリニストのクレジットが見当たらないのよ。
コレってもしかしてダリル・ウェイが弾いているのかな?

Img_0156…というのも、そのダリル・ウェイはアンドリューとジュリアン兄弟と同じ、ロイヤル・アルバート・ホールの裏にある「Royal College of Music(王立音楽大学)」のOBなんだよね。

160 一方、ロッド・アージェントはもちろん元ZombiesやArgentでおなじみのロッド・アージェント。
Argent時代には結構派手にそのキーボード・テクニックを披露した場面も多いが、それもそのハズ、この人、リック・ウェイクマンの後継者としてYesから加入の誘いを受けていたんだよね…ということはもう何回も書いた。
でも、上に名前が上がっている管楽器のバーブラ・トンプソンと組んだ『Ghosts』というアルバムは期待が大きかっただけに、聞き通すのになかなかの忍耐が必要だった。
バーブラも王立音楽大学でサキソフォンを学んだが、エリントンとコルトレーンの影響を受けて人生が変わってしまった。
そして、ジョン・ハイズマンが亡くなるまで奥さんだった。
Btraコレは最近知ったんだけど、ロッド・アージェントがデンマーク・ストリートで楽譜屋をやっていたという話。
下は結構以前に撮った写真なんだけど、「musicroom」という下にある「ARGEN〇S」という赤い看板。
「〇」には「T'」が入って「ARGENT'S」となる。
3年前に行った時には取り外されていたけど…。130 さて、ジャケット。
チェロやリュートみたいなヤツにピックアップが付いていたり、ビールの空き缶が転がったりしているけど、元は1733年にフィリップ・メルシェという画家が描いた油彩画。
この絵はロンドンの「ナショナル・ポートレイト・ギャラリー」に展示されいるらしいので今度訪れる機会があったら見て来ることにしよう。Npg_2 最後にパガニーニ。
この「カプリース」…24番だけやたらと有名だけど、今回この記事を書くに当たってひと通り全部聴いてみた。
コレがどの曲もすごくカッコいいんですわ。
24番だけってのはあまりにもモッタイない!
「アランフェス協奏曲」も第2楽章ばっかりが知られているけど、アレは第1楽章の方が断然楽しめる。
我々は…少なくとも私は、まだまだ「音楽を聴いている」ウチに入らんのよ。
 
ココから先は期せずしてつい先日掲載してしまったんだけど、せっかくのパガニーニなのでもう1回やっておくことにする。
それはロンドンのマリルボンにある王立音楽院(Royal Academy of Music)」の博物館にあるニコロ・パガニーニの肖像画。Img_0534パガニーニは超人的な演奏技巧…いわゆる「超絶」っていうヤツですな…を用いてこの「カプリース」のような数々の名曲を残したが、秘密主義者で、曲を盗まれても困らないように誰にもわからない暗号で楽譜を書いていたという。
そんな行為に加え、身体が弱く不健康なルックスから「悪魔に魂を売ってその才能を手に入れた」という噂が立っていた。
その証拠にある時、コンサートの演奏中に弦が切れてしまった。
連続してまた1本切れ、さらにまた1本切れ、とうとう最後の1本まで切れてしまった…しかし、パガニーニのヴァイオリンからは音が出続けていた…という。
ウッソだろ~。
ま、あんなに美しい音楽とは対照的にそれだけ神秘的な音楽家だったらしい。

Img_0582そこでこの肖像画をよく見てみると…Img_0582 ね、ヴァイオリンも弦が切れちゃってるの。
私はこの弦の話をかなり昔から知っていたので、この肖像画を目にした時は「やっぱり!」とうれしくなった。Img_0583この項の最後にアンドリュー・ロイド・ウェッバー。
コレももう何度も紹介してナ…『Jesus Christ Superstar』も『Evita』も『Cats』もいいけど、やっぱり私は『Sunset Boulevard』。
ブロードウェイでも観たし、CDを一体何回聴いたことか。
で今回、オリジナルのパガニーニの方の7番を聴いてドキっとした。
『Sunset Boulevard』の「序曲」にソックリなパートを発見したのだ!
ホンの一瞬なんだけど…やったな、サー・アンドリュー・ロイド・ウェッバー。

0r4a0206ドイツのロック・グループBirth Controlの1972年の作品『Hoodoo Man』。
このバンドも何度かの活動停止期間を経て現在も活動しているようだ。
野太い声のシンガーを擁した正統派ハードロック。
カッコいいな。
 
すごいイラスト…「Heinz Dofflein(ハインツ・ドフラインかな?)」という人の作品。
いまだにマニア向けのレコード屋に行くとレコードを立体展示していて見かけるイラスト。
コレ、ゲイトフォールドになっていて、広げると…

Hmこんな感じ。
スゲエ迫力。

Sbchd ダンナさん、ヘロヘロなのにまだネジ巻かれてら!
このバンドは他のアルバムのジャケットもいい感じ。

Hdn1965年のジュニア・ウェルズのデビュー・アルバムも『Hoodoo Man Blues』というが、この「hoodoo」というのは「縁起の悪い人」とか「不運」とか「疫病神」という意味。
コレで上のジャケットのイラストのストーリーがわかった。
 
このジュニア・ウェルズのアルバムの1曲目、「Snatch Back it and Hold it」という曲に「I ain't got a brand new bag」という一節が出て来ることに気がついたんだけど、コレはジェイムス・ブラウンの「Papa's Got a Brand New Bag」と何か関係があるのだろうか?
両方とも1965年に発表した自作曲。
当時流行っていたフレーズなのかな?…と思って調べてみたら、コレは「新しいカバン」を指すのではなく、「新しいモノ」という意味なのだそうだ。Hdmb1970年代のはじめ頃、『ソイレント・グリーン』とか『赤ちゃんよ永遠に(Zero Population Growth)』という人口増加問題をテーマにしたSF映画があった。
コレ、当時はたいてい2本立てでかかっていて、私は新小岩の西友の屋上にあった「第一劇場」で観たように記憶している。
「将来、映画みたいになったらコワイなぁ」なんて思ったものだ。
あの頃から50年。
実際はどう変化したのだろう?
日本は「少子高齢化」が大きな問題と化し、映画とは大きく乖離した状況となった。
コレはコレでこの国最大の危機であるワケ、この危険な状態をもたらした原因は100%「政府の無策無能」にあると私は思っているが、全世界的には発展途上国の人口増加が問題となっているワケだよね。
最近よく「代用肉」なんてモノがテレビで紹介されているけど、ゾッとする。
映画よりもっとイビツな形で問題が深刻化しているのでしょう。

『ソイレント・グリーン』の方は、人口爆発により地球上の資源が枯渇し、ほんの一部の特権階級とその他の貧民という激しい格差社会が舞台。
そこでは肉や野菜といった本物の食料品は宝石以上に稀少で高価なものになっている。
オイオイ、それじゃもはやSFじゃなくてほとんど「今」じゃん!
トドメを刺しましょうか?…ナントこの映画の舞台は2022年なのだ!
♪テッテレ~!
2sg
大きなショックを受けたところで次!
あ~、ひっさしぶりに持ってるヤツが出てきた!
Manfredman's Earth Bandの『The Roaring Silence』。Rsエ、チガウカ?
ウワ!耳からニョキッと指が出てる!
ナンダ~、ポール・バターフィールドの『Put It in Your Ear』。
「耳をかっぽじってよく聴きやがれ!」というメッセージか…。
1975年の作品。
なんってたってバック・ミュージシャンがスゴイ。
エリック・ゲイル、デヴィッド・サンボーン、セルダン・パウエル、ガース・ハドソン、チャック・レイニー、ジェイムス・ジェマーソン、ゴードン・エドワーズ、バーナード・パーディー等々なので、フト気が付くと歌よりも伴奏を聴いている盤。
それにしてもサンボーンってスゴイ。
一聴して彼ってわかるじゃん?
いつかジャズ評論家の大御所がこうおっしゃっていた「デヴィッド・サンボーンがあの音色とアーティキュレーションでちゃんとしたジャズを演っていたらそれは素晴らしいものになったと思う」って。
これを聞いて思い出したのがウチの父。
「桂小金治がちゃんと古典を演っていればナァ。小円遊が生きていればナァ」って。
2人とも実に古典落語向けの声だったからね。
サンボーンのサックスの音色を耳にするたびに小金治と小円遊の顔が浮かんでくる私なのです。
ちなみに小円遊は、吉村昭先生もヒイキにしていた日暮里の寿司屋にワザワザ電車に乗って足繁く食べに通っていたそうだ。
どうでもいいか?

Img_0159自らのバンド名を冠したマサチューセッツ出身のChameleon Churchの1968年のアルバム。
デビュー・アルバムにしてラスト・アルバム。
ジャケットは不気味だが中身はソフトなポップ・ロック。
アメリカのコメディアン、チェビー・チェイスが在籍していたそうだ。

Img_0160<つづく>
 

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