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2016年9月 1日 (木)

ワテは60からだす!!:中野重夫の還暦を祝う <その3>~私のお伊勢さま (後編)

今日はお伊勢参りの後編から。

10この「おはらい町通り」」を歩いていてとにかく目につくのが「伊勢うどん」の五文字。

20マァ、何しろ「伊勢うどん」だらけ。

30実際に伊勢うどんを食べさせるうどん屋さんからお土産屋さんまで一斉に伊勢。
お腹も空いてきたので、ココは当然ご当地の名物を頂いて…というのがノーマルな旅の進行なのだろうが、実は私、伊勢うどん苦手なのよ~。
50
うどんは大スキなの。
以前勤めていた会社の近くにうどん屋ができたってんで早速行った。
そこが伊勢うどんのお店だった。
「伊勢うどんか~。始めて食べるな…」と口に入れてビックリ仰天。
フカフカだったのだ!
下の宣伝文句には「もちもち」って書いてあるけど、ああいうのは「もちもち」とは言わない。
「ふかふか」が正しい。
もしくは「ポワポワ」かな?
何せ「うどん」といえば頭の中は完全に「讃岐うどん」なものだから、あのコシのなさはシンドかったな。
…ということで、伊勢うどんはパスして、松阪に戻って焼肉を食べることにした。

40この伊勢うどんを見るとイギリスのパスタを思い出しちゃうんだよね。
イギリスには「アルデンテ」という言葉はない…としか思えない。
イタリア料理店に入ってパスタを頼むと、出て来るのはすべてふっかふかの離乳食状態。
これがバジルをタンマリ加えたトマトソースにからまってマズイことこの上ない。
せめて麺にコシがあれば…と、ウェイトレスに麺を茹ですぎないように頼んでも、どうにも意味が通じない。
英語で食感のことえを「texture」というが、土台、連中には「麺のコシ」という発想が皆無で、小学校の給食のソフト麺のようなテクスチュアしか知らないようなのだ。
で、何回か硬茹で麺をオーダーしているウチに気が付いたのが、そこら辺のイタリア料理店ではすでに茹でてある冷凍のパスタを使っているということ。
それじゃ麺の硬さなんか調節できっこないよね~。

70ちなみにこの伊勢うどんの麺の柔らかさは、昔、長距離を歩いて伊勢にやって来た人たちの胃の負担にならないように、つまり消化しやすいように徹底的に茹でで麺をソフトにしたのだそうだ。
優しいね~。
このお店は有名なのかな?
「支度中」なのに行列ができてる。
で、フト玄関に目をやると立派な注連縄(しめなわ)が…。

60
この旅は七月の上旬…それなのにまだ注連縄が飾ってあるの?と不思議に思うのはこの辺りの人以外の感覚。
伊勢では一年中注連縄を飾る習慣があるのだそうだ。
松阪でもよく見かけた。
「蘇民将来子孫家門」と書かれた注連縄は、スサノオノミコトがらみの民話が元になっていて、厄除けの意味があるそうだ。
「蘇民将来」の由来は各自調べてみてくだされ。

310 もうひとつやたらと見かけるのがコレ。

80「てこね寿し」っていうヤツ。
伊勢うどんとてこね寿しで「伊勢セット」なんてやっている店が何軒かあった。

90こうした観光地にはありがちなのだが、餅とか饅頭の類がとにかく盛ん。

100
190
こんな餅菓子の博物館まである。
赤福餅をはじめ、まつかさ餅、太閤出世餅、二軒茶屋餅等、すごい種類の餅菓子が流通している。

110この博物館、伊勢参りの歴史をやさしく解説しているコーナーがあってとても面白い。

120v昨日も書いたけど、いかに伊勢参りが大事業であったかがよくわかる展示だ。

130コレは床屋さん。

140v魚屋さん。

150お茶屋さん。

160流行りの地ビールも。
何種類か持ち帰って飲んだけど、おいしかったよん。

180ホラ、銀行もこんな感じ。
ところで…この数字の名前の銀行って変じゃない?
私の周辺で言うと、富山にいた時に第四銀行(だいしぎんこう)ってのが事務所と同じビルに入っていて、長野にいた時には八十二銀行にお世話になった、
今日の「マーブロ勉強コーナー(「大きなお世話コーナー」ともいう)」のテーマは銀行だよ。
数字がついた銀行は「ナンバー銀行」などと呼ばれ、今でも第四、七十七、この百五などが営業している。
コレはナニかというと…。
幕末から明治に入った当初、政府は通貨を整備するところまで手が回らず、世の中は幕藩時代の藩札をはじめとした種々雑多なお金が流通する混乱状態にあった。
時の政府はこうした事態をナントカ収拾するために、明治五年(1872年)に「国立銀行条例」を制定して、民間の銀行に銀行券を発行させ、これまでの紙幣を新しい銀行券と交換させて混乱状態にあった既存のお金を回収しようとしたんだね。
「オラオラ、新しい金に換えてやるから古いの全部持ってこい!」とやった。
そうするために、国立銀行を四つ設立した。
まず、「第一国立銀行」…コレは第一勧業銀行を経て現在のみずほ銀行になってる。
「第二国立銀行」は今の横浜銀行。
「第三国立銀行」は大阪に作られるはずだったが営業開始前に解散。つまり実現しなかった。
「第四国立銀行」は新潟が本拠地の今もあるヤツ。そういう意味では現在最も歴史の長い銀行だ。
四つ目は大阪で設立された「第五国立銀行」で、今は三井住友銀行に引き継がれている。
その後、明治九年(1876年)には更に条例が改正され、次々に国立銀行が設立され、認可を受けた順に番号のついた銀行がジャンジャン誕生した。
三年後の明治十二年 には、その数が153にも上ったという。
だから津に本店を置くこの「百五銀行」は、105番目に認可を受けた国立銀行だったというワケ。
ちなみに長野の八十二銀行は、82番目に認可を受けたのではなくて、第十九銀行(上田)と六十三銀行(小諸)が合併してできた。
「19+63=82」だからね。
あなたなら何番がいい?

200この「第三銀行」は出身が国立銀行ではなくて、松阪に本店がある第二地方銀行。
ややこしい~!
ココのATMの利用明細伝票はおみくじになってるんだって!

210vコレは郵便局。

220vイヤ~、おはらい町通り、ホント面白かった!
今度はさっきの橋のところから隣のエリアに移動してみよう。

230そう、おかず横丁!
鳥越神社に近いお総菜屋さんが並んでいるところね…って、オイオイ、写真がチャウやんやん!
ちなみに千貫神輿で有名な「鳥越」は、正しくは「とりごえ」ではなく「とりこえ」と読む。
こないだ、鳥越祭りの時に辺りをブラついていた若いカップルが「とりこしじんじゃ」と言っていたが、顔を洗って出直して頂ければ幸いだ。

235vハイ、コレが正しいヤツ。
「おかげ横丁」だ。

240vおかげ横丁は、昨日触れた第61回目の神宮式年遷宮の年である1993年(平成五年)に開業した新しい観光スポット。

250お伊勢参りが盛んだった江戸時代の街並みを再現しているそうだ。

260レプリカとはいえ、おはらい町通りの雰囲気が連結していて、ちっともチャチくない。

270招き猫がマスコットなのかしらん?
350
あらゆるところで猫の姿を見かける。

280
300
ネコ好きの人達にはうれしい?

290

330

マァ、どこもかしこも…簡単に言えばお土産屋さんだらけということよ。

370v

でも、すごく丁寧に作ってあって見歩いていてもゼンゼン飽きることがない。

360イベントの掲示板もこの通り。

380子供相手に流しそうめんをやっていた。

390v養殖真珠で有名なミキモトのお店。
創業者の御木本幸吉は鳥羽のうどん屋の息子さんだ。
品質の良さを証明するためだかなんだかで、商品を燃やしてしまった…とかいうエピソードがなかったっけ?忘れちゃったな。
覚えているのは、あるイギリスの楽器商社の社長さん(金持ち)が日本に来た時、「結婚記念日に最高級の真珠を買いたいのでMIKIMOTOに連れて行ってくれ」と頼まれたことがあった。
「ミキモト」ご指名だったよ。
スゴイね~、日本の技術と商品は!

400ココも実に楽しかったな~。
スッカリ気に入っちゃった。

410駐車場の向かいの喫茶店。
おかげ横丁の反対側の入口。

420ココのマスコットも猫ちゃん。
楽しそうに踊ってら!
さて、M'AXAも盛り上がってそろそろダンス・タイムかな~?

430v…ではなくて、ステージはアコースティック・セットに入る。
バンドは「やまとなでひで」。

440ボーカルはM'AXAの剛さん。
450v
パーカッションは本多'taco-bow'正典。

460vフルートの中野恭子。

470そして、中野重夫。

480「やまとなでひで」は、1984年のライト・ミュージック・コンテストでグランプリを獲得した「中野ブラザース」を経て、シゲさんと実弟の秀夫さんが中心となって結成したグループだ。
今日はシゲさんの長年にわたる音楽活動を振り返るというプログラムで、ほとんどその当時のメンバーが結集しているが、この「やまとなでひで」は残念ながらオリジナル・メンバーで出演することができなかった。
ナゼなら、ヒデさんが2008年に早逝してしまったからだ。
その代役を剛さんが務めて歌うのは「ダンシング・ドール」。

490実は、私は二度ほど秀夫さんにお会いしたことがある。
最初は、今回の<その1>で触れた通り、シゲさんに呼んで頂いてFM三重のラジオ番組に出演した時。
津にあるラジオ局へ行く前に秀夫さんがやっていたライブ・バー「異時輪摩(いじりんま)」へ連れて行ってくれて、パスタをごちそうになった。
失敬ながら何の話をしたのかは覚えていないが、私のことだからMarshallか音楽の話にキマっている。
でも、パスタがすごくおいしかったのとヒデさんがニコニコ楽しそうにおしゃべりをしていたのをハッキリと覚えている。
520
二度目にお会いしたのは東京でのこと。
コレも<その1>で触れた、GOODYEARの代理店の総会にお邪魔した時のことだった。
その時のメンバーはシゲさんと、今日フルートで出演している時の奥さま、恭子さんの三人だった。
ガンという病魔に侵されたヒデさんは、津でお会いした時のハツラツとした印象とはまったく異なり、痩せてしまって、立っているだけでもすごく辛そうだった。
ヒデさんは「最後に兄貴ともう一度演りたい…」とシゲさんに希望を伝え、無理を承知でそのステージに立ったのであった。
私はその時に初めてナマのヒデさんの歌声を耳にしたが、「やまとなでひで」のCDで知っていたヒデさんのそれより、やさしく、そして力強かった。
それから数か月してシゲさんからヒデさんの訃報が届いた。
49歳という若さだった。

530v

今回、剛さんのMCで知ったのだが、「M'AXAをアメリカのパブのイメージにしよう!」とアイデアを出しのはヒデさんで、実際に内装も自らの手で施したのだそうだ。
お店の名前は兄貴、インテリアは弟…中野ブラザーズはM'AXAの歴史に大きな足跡を残しているのである。
二曲目で合流したのは…

500センチメンタルシティロマンスの中野督夫。
久しぶりの督夫さん。
四年ぐらい前に、ある方面から頼まれて鈴木茂さんを撮影した時以来。
その時、小坂忠さんとともに三人で「完熟トリオ」に参加されていた。
510v
考えてみるとステージには「中野さん」が三人!
「中野さん」、「高円寺さん」、「阿佐ヶ谷さん」だったら面白かったんだけどな…そんなことあるワケない!
督夫さんはヒデさんが作った「星と雲」を故人に捧げて歌った。

540_2

ココで督夫さんの音頭で乾杯。
あ、私も写ってる。一生懸命仕事してるのだ!
カンパ~イ!

560

ハイ、お客さんもご一緒に~!

546シゲさん、還暦おめでとうございます!

570vお客さんとも乾杯~!
この後、シゲさんはお色直しで一度ステージを離れた。

580しばしスペシャル・ゲストの中野督夫さんコーナー!
590
現センチのコーラス、アイちゃんも参加!
550v
生前のヒデさんが好きだったという1975年のセンチのシングルから「篭時」。
ヒデさんもこの演奏を聴いてきっと喜んだに違いない。
525v
シゲさんもお色直しをして、アコギを手に戻って来た。
740
曲は「雨はいつか」。

700v元センチのTaco-Bowさんは以前、Rolloverにドラムで参加していたので何度もご一緒させて頂いている。
久しぶりに会えてうれしかった。

710v督夫さんの絶妙なリードでお客さんも参加して大盛り上がり!

720v今日唯一の管楽器、恭子さんのフルートの美しい響きが会場にこだました。

730vパッと出てきとと思ったら、歌とギターとおしゃべりで、グ~ッとお客さんの気持ちをつかんでしまうあたりはサスガ!
コンサートの名シーンのひとつになった。

750シゲさんと固い握手を交わして督夫さんはステージを降りた。

760ステージのシゲさんと剛さん。
シゲさんは何を見上げているのか?

770vシゲさんの視線の先は上手側の壁…

780中ほどに飾ってある弟の写真と愛器に目で話しかけていたのだ…。

790v中野重夫の詳しい情報はコチラ⇒facebook

<まだ結構つづく>

(一部敬称略 2016年7月2日 松阪M'AXAにて撮影)