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2020年2月27日 (木)

NAMM2020レポート vol.11~最終日 <後編:さらばアナハイムの巻>

 
2020年のNAMMのレポートも今日で終わり。
ブースやブース内のデモをレポートするだけでなく、イーストLAでの『Showcase Live』や『The 2020 SHE ROCKS AWARDS』など、いつもと違う催しもあってレポートを書いていて楽しかった。
 
私が生まれて初めてNAMMに来たのは1999年だったかな?
たかだか20年チョットの経験だし、必ずしも毎年来ていたワケではないけど、「NAMMも変わったな~」なんて思うことが色々あるワケ。
昔話は老害ののひとつであることはよくわかっているけど、今回はそういう印象を強く受けた。
05大きな変化のひとつはコレ。
下の写真は5、6年前に撮ったもの。
「NAMMは一般の方には公開していません NAMMショウは音楽製品業界に関わる方々のみに限定されています」
かつては築地…じゃない、豊洲の市場みたいなモノだった。
一方、世界で一番大きな楽器の展示会だったフランクフルトのMUSIK MESSEは最後の2日(金曜&土曜日だったかな?)のみ、有料で一般客に公開していた。
だからその2日間は、年末のアメ横か三社祭の浅草みたいな人出で会場内は猛烈にゴッタ返すのが常だった。
NAMMも同じだった。
会期後半の土日になると、若い子を中心に、どうみても業界の人ではなさそうな連中が会場になだれ込み、最終日の閉館時間までギンギンに賑わっていた…というのが私のNAMMの印象。
それが、「去年から」と聞いたが、NAMMショウも後半の2日は一般に開放するようになったというのだ。
「それじゃ土日はフランクフルトどころじゃなさそうだな…」と心配したのだがさにあらず。
日曜日もお昼を過ぎるとスッカスカになってしまうというのだ。
Nm_img_0282_1Marshallの連中も「最終日となる日曜は来客が期待できない」というのだ。
翌日が仕事なのでサッサと帰っちゃうんだって…ウッドストックのジミヘンか?!
そういう私も日曜日は会場へ行かず、朝の便でホテルから直接空港へ向かって日本に帰るなんてことをよくした。
それは土曜日だけでなく日曜日も会場が混み合ってしまって仕事にならないから…という理由だった。
それがどうだ?…日曜日の午後になるとMarshallの連中が言っていたように、会場は見る見るウチに閑散とし出し、昨日までのにぎわいはどこへやら…財津一郎じゃないけど「さびしい~!」になってしまった。
それとも「昔は日曜日もにぎわっていた」というのは私の思い違いだったのかな?
あるいはアノ光景はまぼろしだったのか?
06それと、今回は会期中ほとんどMarshallのブースに詰めていて世間にあまり出なかったせいもあるが、日本からお見えになった関係者の方々にお会いすることがほとんどなかった。
反対にMarshallのブースの私にワザワザご挨拶にお越し頂きました皆様にはこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。
以前は日本でお会いすることはなくても「NAMMでバッタリ!」という方々がたくさんいらっしゃったが、今回はサッパリだった。
そして、一般の方も。
数年前まではfacebookで「NAMMへ行って来ます!楽しんで来ます!」とか「NAMMへ来てます!最高!」なんて投稿を山ほど見かけたが、私のfbのアカウントでそういう投稿を見かけたのは、NAMMを至高の喜びとされているようなミュージシャンおひとりだけだった。
みんな、どこへ行ってしまったのッ?

400 それと、会場に遊びに来ているミュージシャン。
繰り返すが、会場内を頻繁に見て回ったワケではないので、私の観察が間違えているのかも知れないが、いつも必ず会場アチコチのブースで見かけるミュージシャンにも出くわさなかった。
リーランド・スクラーとか、トニー・レヴィンとか、ヴィクター・ウッテンとか…(ナゼかベーシストばかりだな。ベーシストはNAMMが好きなのかな?)。
ロベン・フォードも見かけなかった。
ラリー・コリエルも、ホールズワースも、ジョー・ベックも、もう二度とNAMM会場で見かけることはない。
時代の大きな変化を感じてしまう。

0r4a0187 さて、最終日の午後のMarshallブースのデモンストレーションはPRESS to MECOから。
もうスッカリおなじみですね…Marshall Recordsのヘッド、スティーブ・タネットがステージに上がってMECOを紹介した。35MECOのNAMM 2020最後のパフォーマンス。
今回もオープニングは「Familiar Ground」。

40Luke Caley

50Adam Roffey

60Louis Williams

70相変わらず美しい3人のハーモニー。
このチームの最大のウリだ。

100v

90v

110v『Showcase Live』や以前のブースでのデモンストレーション同様、Marshall Recordsからリリースされているアルバム『Here's to the Fatigue』からの曲を次々と演奏する。120ハーモニーだけでなく三人三様の歌声が限りなくレパートリーの幅を広げる。

130

140

150そしてエキサイティングなインスト・パート。

160Lukeはバリバリとシュレッドするようなタイプではないが、よく練られたツボを得たプレイが実に魅力的。

170Adamは時にピック、時に指で弦をはじいてバンドを低音を鮮やかに彩る。

180vリード・ボーカルズが多く、どちらかと言うと歌に注目が行きがちだけど、ルイスのドラム・プレイは素晴らしい。
そのプレイはドライブ感が満点なだけではなく、ひとつひとつのプレイが実にシャープなのだ。

190NAMM初日の前日、MECOの連中と会食したことははるか昔にレポートした
その時、席がAdamの隣になってずいぶん音楽の話をしたんだけど、やっぱり日本の同じ世代のミュージシャンと聴いている、あるいは聴いて来た音楽がゼンゼン違うんだよね。
お国が違うので仕方ないんだけど、Adamは20歳台半ばでもチャンとビートルズはマスターしているし、歴史的なロックをチャンと勉強している。
ま、ロイヤル・ファミリーとシェイクスピアとブリティッシュ・ロック(「UK Rock」という呼び方はNG)はこの人たちの国の莫大な財産だからね。
おっと、Marshallもそうだった。
そこで別の記事にも書いた通り、MECOの音楽は今風ではあるけれども、ベーシックな部分は伝統のブリティッシュ・ロックにシッカリと根差していると思うワケ…とAdamに伝えると大変喜んでいた。

210「Here's to the Fatigue」、「If All Your Parts Don't Make a Whole」、「A Quick Fix」、「White Knuckling」と若さ溢れる演奏を聴かせてくれた。

240Press to MECOは6月6日にMarshall Arenaで開催される第2回目の『Marshall Live』への出演が決定している。

260s_2NAMM2020のMarshallブースのステージの最後を飾ったのはD_Drive。
その前に…ジョンがステージに上がった。
何事かと思ったら、まずはブースにお越し頂いたお客さんへの締めのご挨拶。270そして、スタッフで記念撮影をするのでステージの前を開けてください…というお願い。
「ハイハイ、下がって、下がって~。スイマセンな~」
お客さんがいなくなってからやればいいのに…こういうところがまたオモシロい!

11_0r4a0646 コレがこの時の写真。
Marshall、Marshall USA、Press to MECO、D_Driveが大集合。

280続いてタネさん。
例のアレ。
「フロム・オッサ~カ~、ジャプァ~ン(アメリカ人だと'ジャぺア~ン'になる)…ディィィィ、ドゥラ~イヴ!!!」
「ヴ」ではちゃんと下の唇を上の歯に引っ掛けての正しい発音でバンド名を呼び上げてくれた。

290D_DriveもコレがNAMM2020最後のパフォーマンス。

300Seiji

310vYuki

320vToshi330vChiiko

340vまずは「Cassis Orange」。
最後のセットはレギュラー・チューニングの曲をお届けしたよ。

350_co冒頭で最終日の午後は寂しくなってしまう…て書いたでしょう?
時は3時半。
もう既に2階はどこもガランガランだったの…D_Driveがパフォーマンスを披露するMarshallのブースを除いては!
530正直、「最後はスカスカでも仕方ないな…会場に人がいないんだから」と覚悟していた。
ところがドッコイ!
コレはうれしかった。

3604人もそんなことを考えていたのかどうかは知らないけど、とても楽しそうに演奏していた。

370

380

390続けて「M16」。

400_m最後の最後まで押したり…

410引いたり…

420たくさんのお客さんの前で銃撃戦を披露した。

430ギターだけでなく、毎日換えるステージ衣装でも来場者の耳目を引いたYukiちゃん。

435MECOのメンバーたちもD_Drive最後の舞台をジッと見守ってくれた。

440続いてはGALA2が初演だった「Livingston's Thumbs Up」。

450_ltuやっぱり耳をそば立ててしまう独特のメロディ。
そして、フィーチュアされる4人それぞれの見せ場。

460v

470v

480

490やっぱりこの曲はスゴい。
ウケもいい。
ジョンもホラ、この通り。
コレはホントの「Livingston's Thumbs Up」!
正確には「Livingston's Thumb Up」なんだけどね。
もしジョンがマイクを手にしていなかったら「Thumbs Up」になっていたことは間違いない。
そんな演奏。
 
「Livingston's Thumbs Up」の曲名の由来についてはコチラ⇒Hearts presents Sex Concerto Drive~D_Driveの巻

500最後のデモンストレーションもあと2曲。
まずは「Attraction 4D」。
何度も書いてイヤらしいようだけど、毎回こうしてたくさんの人が集まってくれて本当にありがたかった。

510v_4dお客さんたちはカメラを持ってブース内を駆けずり回ったり、機材の世話をしている私のことをD_Driveのマネージャーだと思うのだろう。
演奏が終わるたびに沢山の人が私に近寄って来て、おホメの言葉をかけてくれるのもうれしかった。
中には「好きな日本の食べものがドーノコーノ」なんてうすらトボけたことで話しかけて来る人もいるのだが、皆さんD_Driveのことを熱狂的にホメてくださる。

520私も大きな興味があったので、こりゃいいチャンスだと思い、そうした皆さんに「一体全体、D_Driveのナニがいいのか」を尋ねてみた。
さほど多くはないサンプリング数なので普遍性は低いかも知れないが、まず皆さん「曲がいい」とおっしゃる。
「曲のナニがいいのか?」と更に問い進めると「メロディがとてもいいんだよ」と何人かに言われた。
その彼らの評価の中にはアニメもゲームも介在しない。
コレがまたうれしい。
海外に行って現地の人と話していて、昨今の日本のロックが話題に上った時、アニメやゲームの話題を避けて通ることができないのが普通なのだ。
まだ「成功した」だなんていうことは口が裂けても言える状態ではないが、このあたりは「D_Driveの音楽」の快挙だと言っていいと思う。
540それと、バンド・メンバーがとても個性的だというのだ。
ある人は4人の印象をこう言い表してくれた。
Seijiさん  :ギターの達人。テクニック最高。ギターに入り込んでいる姿が印象的。
Yukiちゃん :魅力的なルックス。それでいてギターがスゴくてビックリする。
Toshiくん  :いつもニコニコしていてクレイジーで目が離せない。
Chiikoちゃん:あの体躯であのドラミングは信じられない。ワン・アンド・オンリー。
…だそうだ。

550この感想を聞いて、『プロフェッショナル』という古い映画を思い出したわ。
もちろんリアルタイムで観たワケではないけど、この頃のアメリカ映画は本当にオモシロかったナ。
少年の頃、夢中になってテレビで観たよ。

Pf そんな4人のパフォーマンスに接する時、いつでもどこでもタネさんは真剣だ。
D_Driveの音楽は自分の会社の商品だからね。
今回もすべての演奏をこの眼差しで観察していた。535最後の最後は「The Lasr Revenge」。

560最後までよ~ウケた!ウケまくった!
お疲れさまでした。570そして締めもタネさん!
タネさんには今回も色々なことを教わりました。

580終演後、お客さんw送り出してからステージを使ってMarshallのウェブサイト用にSeijiさんとYukiちゃんのインタビューを収録。
そういえばアレどうなったのかな?結構苦労したんよ。

0r4a0936すべて終わったところでステージをバックに記念撮影。

0r4a0939 それを見つけて…おお~っと、タネさん乱入~!590…と思ったらジョンとジョールまで!

600こんなボードまで作ってくれました。

610せっかくなのでイギリスから来ているMarshallのスタッフと。
上海に引き続いて、皆さんにはとてもよくして頂きました。

620夜はこんなん頂きました。
珍しく魚。
House of Bluesの裏というか表にあるフォレスト・ガンプをテーマにしたレストラン、「Bubba Gump」。
東京も春日と豊洲にあるよね。

625「Press to DRIVE」の無言の会話。
お互い携帯の翻訳ソフトを使って盛り上がってるの!

630レストランの前で最後の記念撮影。

640ホテルに帰って私はナイト・キャップ。
D_Driveの4人は翌日のフライトに備え、荷造りをするために部屋に帰っちゃった。
写真の左手はMECOのアダム。
アダムは大酒のみ。強いだけでなく、酒の知識がとても豊かで色々と教わって楽しかった。
あとブリティッシュ・スラング。
やっぱりコレを学ぶのはオモシロい。
コレばかりはこういう時だけしか学べないからね。すぐ忘れちゃうんだけど、メモして来たヤツをまたいつかどこかでお披露目したいと思う。11_img_2800_2さらばNAMM。
また来年!
そう、D_Driveは来年のNAMMにも招待され、Marshallブースで演奏することが決定しましたとさ。
その頃までにコロナが収まっているといいな。
イヤ、その前に上海があるんだ!
どうなる上海!650<おしまい> 

200

(一部敬称略 2019年1月19日 アナハイム NAMMショウにて撮影)