NAMM2020レポート vol.1~激レアさんがやって来た。
2年ぶりにNAMMに行って来た。
しかし、新型コロナには困ったネェ。
日本を発ったのは2週間前のことで、まさかこんな大きな騒ぎになるとは思いもよらなんだ…というより、その時にニュースになっていたかさえも定かではない。
もし、今現在に行くことになっていたらどうだろう?
アメリカだからヘッチャラ?
イヤ、やっぱあんまりいい気はしないよ。
そういえば何年か前のNAMMのこと…。
NAMMから日本に帰った直後に40度近い高熱を出したことがあった。
同じくNAMMに行っていた同業他社の仲良しも全く同じだったと後に聞いた。
すると、Marshallの連中も12人中10人、イギリスに帰って高熱を出して寝込んだというのだ。
こうした災厄は以前にもあったらしく、人はコレを「ナム風邪」と呼んでいると教わった。
私が初めてNAMMに行ってから20年が経つが、後にも先にもナム風邪に罹ったのはその1回限り。
巨大と言えども窓のない設備に、世界中から来た何万人の人が一堂に集うんだから風邪のひとつも流行しても不思議はなかろう。
おかげさまで今回も全く大丈夫だった。ロサンゼルス空港到着。
今回は機内で全く映画を観なかったナ。興味をそそる作品がナニひとつなかった。
着陸の数時間前から隣に座っていたオーストラリア人のオジさん(と言っても私よりゼンゼン若いが…)と政治や日本の歴史についておしゃべりをしていたらアッという間に着いた。
その人、東南アジアから成田経由で現在住んでいるロスに帰る途中で、日本には来たことがないという。
その私との会話で日本で大変興味を持ったので、今度必ず行ってみる…というのだ。ホンマか?
しかし、政治の話を英語でするのはムズカシイなぁ。自分の語彙の少なさに愕然とする…のでいつも勉強しようと思うのだがなかなかできんね。
下の写真にYukiちゃんが写っているように、D_DriveがMarshallのブースでデモンストレーションをしたり、イベントに出演したりで、今回は怪しい通訳、兼頼りないロードマネージャーとしてバンドに同道した。
いつもは空港を出た所にいる「SUPER SHUTTLE」という乗り合いのワゴンを使うんだけど、今回はD_Driveの楽器もあるのでMarshallのエマがチャーターしてくれた大型ワゴンでアナハイムへ向かった。
それが…
後で聞いて驚いたんだけど、この「SUPER SHUTTLE」って昨年末で廃業しちゃったんだって!
そう言われてみれば、下の写真の青い車を見かけなかったような気もする。
Uberだって。
Uberが急速に普及して絶滅してしまったそうだ。
タクシーも壊滅状態らしい。
チョット調べてみると、アメリカでは日本の感覚で言うところの「白タク」行為が認められているため、車を持っていてヒマな人はみんなUberに登録して運転手を始めちゃうんだって。
日本は道路運送法で自家用車に第三者を乗せて大火を得ることには国の許可が必要だからね。
今では日本にもUberはあるけど、アメリカの状況とはワケが違う。
でも、先日ある若い女性ギタリストが事務所にMarshallを取りに来ようとしたんだけど、あいにく身体の具合が悪くて車の運転ができない。
そこでスタッフがアレンジしたのがUber。
指定したJVMと1960が詰める大きさの車がやって来て積み込んで行った。
コストにもよるけど便利といえば便利に違いない。
しかし…インターネットが出始めの頃、立花隆先生が「インターネットが世の中のすべてを変える」と予見していらしたが、全くその通りになったな。
今回も宿泊は定宿のDouble Tree by Hilton。
イギリスのMarshallのそばにあるDouble Treeの関係。
写真は窓から見える景色。
左端にNAMMの会場が見える。
着いた日は特にナンの予定も入っておらず、夕方、みんなと近くのイタリアン・レストランで会食。
店内にはソフィア・ローレンのようなイタリアの世界的スターの写真が所狭しと飾ってあった。
印象的だったのは、フランク・シナトラの写真がやたら多かったこと。
シナトラの両親はイタリア系アメリカ人だからね。
また『ゴッドファーザー』観たくなってきたぞ!
下の写真、右端の遠くの方でMarshall Recordsのヘッド、タネさんがしっかりアッピールしながら写り込んでる。
翌朝の朝食。
どうだ!キタねェだろ~!色どりが最悪だろう!
いつも家内から「シゲちゃんの朝ごはんは殺風景ね!」と笑われてしまう。
我ながらヒドイと思うわ。
マーブロでは何度も海外での食事のことを書いてきているけど、本当にツライ。
朝ごはんが一番ツライ。
このホテルは長期滞在者のためにビュッフェのメニューを1品だけ毎日変えているのだそうだ。
でもすでに2日目にはゲンナリ…。
それと海外に出た時の家内の言いつけ…ヨーグルトを食べるように。
元来あまり好きではないヨーグルト…やっぱりウマくない。
2日目、パスを交付してもらう。
係の人が「アナタ日本人?私、京都生まれなのよ!」なんて言いながら対応してくれた。
この写真、パスを見せたいワケじゃない。
見せたいのは2連のMarshallのランヤード。特製のNAMM用だ。
D_Driveの皆さんはMarshallのブースのステージで明日から始まるデモンストレーションのためのサウンドチェックとリハーサル。
サササと手早くセットしていつもの演奏。
海を渡ってもお手の物です。
別の回で詳しくお見せするけど、今回のMarshallのブースはこんな感じ。
今、最終仕上げ段階。
「タネさん!演るよ!」
タネさんはその新曲を大層気に入っており、新曲を演奏するというので呼んできた。
マンツーマンで聴いてき頂いてメッチャ喜んでた。
そういえば、タネさんこのMONCLERの薄手のダウンジャケットをず~っと着てたな…。
上海のフェイク・マーケットで買ったんだぜ。
細工は流々仕上げを御覧じろ…ってか?
120Vでゴキゲンの竿チーム。
この日の夕食はタネさんアレンジで近くの新しく出来たステーキハウスに。
私のフィレ・ステーキ。
レアで焼いてもらった。
美味しかったんだけど、「オレはライオンか?」と思うほど中はマジ卍の生状態。
コレがホントの『激レアさんを連れてきた。』だった!
ものすごく柔らかくて美味しかったけどね。
ちなみに肉が柔らかいことを表現する形容詞は「soft」ではなく「tender」。
コレはジム・マーシャルから教わった。
してみると…ですよ。
エルヴィスの「Love me Tender」って名曲があるでしょ?
アレってどうして「Love me Tenderly」にならないんだろう。
ココは副詞の「tenderly」になるハズ。
コレは「Poetical License」といって、英語は詩の場合、文法よりも言葉のリズムを優先する慣習があって、それに則っているのだそうだ。
ビートルズの「Ticket to Ride」なんかも平気で「She don't care」なんてやってるもんね。
ビートルズの場合は黒人英語に憧れての話なのかもしれないけど。
Zappaにもあるよ、「She don't wanna get drafted, she don't wanna go(彼女は徴兵なんかされたくない)」って。このメロディ、とても「She doesn't」では歌えない。
コレでオモシロいが「If you speak English good, you don't speak it well(英語を'ウマク'話しているなら、アナタは英語を'うまく'話していない)」ってヤツ。
コレ、文法的に正しくは形容詞の「good」ではなくて副詞の「well」にしてやらないと。
イヤミなひと言ですな。
文法は実にオモシロい。
D_Drive、レーベルメイトのPress to Meco、そしてMarshallで記念撮影!
今日はコレでおしまい。
短いでしょ?
連載の構成上、ココで1回切っておきたかったのです。
<つづく>