虹色オーケストラ 『少年と魔法のロボット』
生活環境の変化やテクノロジーの進化によって音楽の在り方も大きく変わってきたことはMarshall Blogでつとに触れている。
日本のロックやポピュラー音楽は、もはやアニメやゲーム、そして動画サイトをなくしては考えられなくなった。
70年代初頭、日本のロックがゆりかごの中にあった頃、この状況を想像できた人は日本にただのひとりもいなかったろう。
今日のライブ・レポートは変わりゆく日本のポピュラー音楽の現場の最先端からお送りする。
登場するのは「虹色オーケストラ」。
昨年末に開催され大成功を収めたコンサートの第2弾だ。
ロビーにはクラシック音楽に関するグッズが飾ってあり、こんなものを見つけた。大ヴァイオリニスト、ユーディ・メニューインのコンサート・プログラム。1951年、サンフランシスコ講和条約が結ばれた年。スポンサーがU.S. FLEET ACTIVITIES, YOKOSUKA」とある。すなわち「横須賀海軍設備」。駐留する米軍人の慰問コンサートだったのだろう。
こういうものは大歓迎だ。ニューヨークのエイヴリー・フィッシャー・ホールにはカラヤンやベーム、アバド等のマエストロのボールペン素描が飾ってあったり、19世紀から立ち並ぶロンドンの劇場には古~い公演ポスターが飾ってあったりと実に楽しい。日本の劇場は殺風景すぎる。
一方、今か今かと開演を待ちわびる2,000人のお客さんの前には、お~、最早おなじみの光景!
キットはUS FUSION X。キックが22"x18"、タムが10"x6.5"と12"x7"、フロアが16"x14"。それに別発注で14"x11"のフロアを組み合わせている。
ショボンちゃんゾッコンのスネアはNATAL自慢のPure Stave(ピュア・ステイヴ)。アッシュの14"x5.5"。
Staveとは「桶」という意味で、Pure Stave Snareは元々パーカッション・メーカーであるNATALのコンガ製作の技術をスネアに活かした逸品。
これまで多くのプロ・ドラマーに試して頂いたが、驚いたことに全員の方々から満点の評価を頂戴しており、日本での発売が待たれている。
ヘッドはおなじみフラッグ・シップ・モデルWT-800、キャビネットはD410XSTが2発。
このオーケストラにはギタリストがふたりいて、ひとりは1960Aを使用していた。
このコンサートはミュージカルというか、ストーリー仕立てになっている。
女の子の役は「魔法のロボット」。
ロボットを作った博士。
歌を作ることはできても歌うことのできない少年。
その少年がつくり、魔法のロボットが歌う歌をライブ演奏でお送りするという趣向。
シンガーが入れ替わり立ち替わりステージに登場し、熱唱を繰り広げる。
バンドのメンバーはというと…
40mP(よんじゅうめーとるぴー)。原案とすべての曲を制作し、監督を兼ねる。
要するに動画サイトで絶大な人気を誇る40mPの作品をナマで聴かせるのが「虹色オーケストラ」なのだ。
脚本、演出、編曲を担当している事務員G。ステージではピアノを担当。
同じくギターの[TEST]。
このバンド関連の仕事ではあまりにもたくさんの音を使うので利便性を優先し、デジタル・アンプを使用しているが、実は根っからのMarshallプレイヤー。1987Xを愛用してくれている。
オーケストラという名称に偽りなく、ストリングスやブラス・セクションも参加している。
そして、このコンサートを美しく彩ったもうひとつの要素は「踊り」。
こちらも色々なタイプの「舞い」が登場し、観客の目をステージに釘付けにした。
ショボンは寝ている時と食事の時を除いては、トイレの時も風呂でもスティックを手放さないような人。とにかくドラマーとして精進することしか頭にないような求道者だ。
Vinnie Colaiutaが大好きという彼のプレイはダイナミックな上に小技にも長けていて見ていて飽きない。
そんな彼が今まで使用していたキットに別れを告げ、NATALを選んでくれたことをとてもうれしく思っている。将来が楽しみな若手ドラマーだ。
確かなテクニックがショボンのグルーブの上で自在に舞うところが圧巻だ。驚異的なダイナミック・レンジの広さはEDENを得ることによってより強調される。
何しろ音がいい!どこまでも抜けるEDENのクリア・トーンを完璧にコントロールしていた。
ロボットの寿命を迎えることによって、少年とロボットに別れが訪れる。感動のラスト・シーンだ。
約2時間半のステージ。終演後は出演者が全員ステージに登場し、ごあいさつ。
直近では昨年の12月に大宮でコンサートが開催され、今回で4回目の公演となったが、出演者のみなさんは個々の活動に専念し、しばらく「虹色オーケストラ」はお休みとなるそうだ。
残念だが次回を楽しみに待つことにしよう。
あ~楽しかった。若い人たちと仕事をするのはとても愉快だ。病気の話しはまず出ない。ホント、元気をもらったような気になるよ!みんな、どうもありがとう!次回も楽しみにしてるよ~!
虹色オーケストラの詳しい情報はコチラ⇒オフィシャル・ウェブサイト
Marshall Blogをご覧のギタリストの皆さん!
バンドのドラマーさんに↓↓↓を教えてあげてくださ~い!
NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
おかげさまでNATALが設置されている部屋のご指定もたくさん頂き、高い評価を頂戴ております。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
(一部敬称略 2014年3月1日 横須賀芸術劇場にて撮影)