TOKYO 2020 OLYMPIC TORCH RELAY<後編>
さて、『TOKYO 2020 OLYMPIC TORCH RELAY』イベントの開演時間が刻一刻と近づいて来た!報道陣も準備にあわただしい。そして、いよいよスタート!
プログラムは今から始まる「オープニング・プログラム」と聖火を迎える「到着セレモニー」の2部構成。総合司会は金子恵理子さん。
日本語でしゃべってからすぐに同じことを英語で話すセルフ通訳方式。
コレ、大変なんだよ。ステージの上にはMarshallのロゴが映える………映えない!
真っ黒だぁ!
なんてね、いわゆる「大人のためのスポンサー事情」。
メイン・スポンサーに家電大手メーカーが名前を連ねていることへの忖度。
周囲の皆さんがすごく気にしてくれてありがたかったんだけど、気にしない、気にしない!
こちとら世界一のギターアンプ・ブランドよ…知っている人は誰がどう見てもMarshallだし、知らない人は一生知らずに終わるシロモノだから。
イギリスにも早速レポートしておいたけど、「世の中、金を出したヤツが一番強いんだから逆らってはいけない」ということで問題なし。
でも、やっぱりロゴが入っていた方がよろしいナ。ヒロアキくんの出番は一番最初。
ステージに児童合唱チーム「綺楽凛(きらり)」が勢ぞろいしたところで、このコーナーの司会、篠田愛純さんが登場。「田川さんは下関出身で、先天性の視力のハンディキャップのため、ギターの一般の演奏方法を見たことがないことからピアノのように演奏するスタイルを確立し、その超絶的な技巧により様々なサウンドを奏でています。
本日は東京五輪/パラリンピックに向けて制作された『Sky』を菊川よさこい蓮合キッズチーム『綺楽凛』の皆さんのコーラスと一緒に…。
そして山口県のよさこい総踊り曲『男なら』をよさこいチーム『馬関奇兵隊』と『菊川よさこい蓮合』の皆さまにステキな演舞で盛り上げて頂きます!」
ハハ、後ろでヒロアキくんが待機してるわ!
田川ヒロアキ登場。
まずはひとことご挨拶。
ココは時間との勝負だった。
ま、超パンクチュアルなヒロアキくんのことだから時間のマネージメントに関しては何の心配もいらないんだけどね。
あ、今「パンクチュアル(panctual=時間厳守の)」なんて書いてどこかの国の首都の知事さんみたいなことをしてしまったが、ヒロアキくんはその方とも共演してますからね。
「皆さんこんばんは、田川ヒロアキです!」
「一生に一度あるかないかの記念すべき日だと思います」と切り出して「Sky」の制作過程とレコーディングの経緯を手短に説明した。
「『綺楽凛』の子供たちとレコーディングしてから2年が経ちました。その『Sky』を聴いてください」2009年の日比谷野音以来、今まで様々な場面でヒロアキくんの熱演を見て来たけど、やっぱり今回はいつもと異なる「スペシャル感」が強く漂っていたね。感情をタップリ込めて歌い込むヒロアキくん。
楽屋ではいつもと全く変わらない様子にしていたけど、もう今日は歌い出しからその「スペシャル感」に呼応するような「やったるでフィーリング」が伝わって来ていた。
そのヒロアキくんを大いに盛り上げたのが「綺楽凛」のお嬢さん方。
「♪大空 見上げて 心の叫びを描けば」
「♪降る雨 吹く風 夜明けが塗り替えてく」
<前編>に書いたように、「綺楽凛」と生で共演するのはコレが初めての機会だった。
ヒロアキくん、とてもうれしそうだった。
そして、思いの丈を指に託したギター・ソロ。
やっぱりMarshallじゃなきゃムリだわ。
他のアンプじゃとてもヒロアキくんの気持ちを音にしきれない。
〆のポーズも心なしかいつもよりキマっているような?
まずは1曲、最高の出来で仕上げたぞ!2曲目。
「綺楽凛の子供たちからよさこいチームに入れ換わってにぎやかになりました。
20年前に民謡をよさこいにアレンジした曲です」
…と「男なら」を紹介。
よさこい部隊は、「馬関奇兵隊」と「菊川よさこい蓮合」のドリーム・チーム。静まり返った会場に響き渡るよさこいサウンド!来場者は一糸乱れぬ演舞に目も耳も釘付けになる。
このエキサイティングなパフォーマンスを更にドラマチックに仕立てているのが「あおり」と呼ばれる掛け声だ。菊川よさこい蓮合の方は大越則子さん。
親友の馬関奇兵隊の濱崎康一さん。
「♪ハ~ッ、ホッ!」と景気の良い合いの手が否が応でも雰囲気を盛り上げる。
私は生で見るのはコレが2回目。
前回は2015年の『世界ボーイスカウトジャンボリー』でのこと。
あの時は9つものよさこい連がくんずほぐれつの大演舞を披露してくれたが、ナンのナンの!
人数では比肩のしようがないが、今回も熱気にあふれた最高のパフォーマンスを見せてくれた!
そして、ヒロアキくんのギター・ソロ!
大爆発!
「ギャハハ!こんなんココでやっちゃっていいの~?」というぐらいの弾きまくり!
♪ギュイーン、ギュイーンと、あまりのハチ切れぶりに見てて思わず笑っちゃったよ。もちろん音は最高。
広い会場の隅々まで抜け渡る真正ロック・ギター・サウンド!
アンプにロゴが付いていなかったので確かなことは言えないが、こんな音を出すのはMarshallに他ならないだろう…もういいか。失礼しました!
いつも浅草雷門の提灯をありがとうございます!(←わかってくれる人だけわかってください)
ステージの傍らでは「菊川よさこい蓮合」の大旗が威勢よくはためく。
そしてそれを見守る綺楽凛のメンバー。徹底的にやりきったヒロアキくん。
思い残すことはナニもないだろう。
そして2つのよさこいチーム。
三千世界(この世のすべて)のカラスをスッ飛ばしちゃいそうなパワーみなぎる「男なら」だった!
オープニング・プログラムはこの後、スポンサー企業さんのプレゼンテーションが続いた。
終了後、田川チームは楽屋のテント村で記念撮影。
皆さんが出演したのはこのイベントの実行委員会が提供する枠で、山口県民138万人の代表だったワケ。
他にもこの枠にふさわしい山口県出身の歌手や芸人がたくさんいらっしゃったことだろう。
しかし!
写真に写っている皆さんが「山口県」の顔として一生に一度しかないであろうステージに立ったワケよ。
おめでとう!
ヒロアキくんは、最近そればかりでない。
数か月前には山口県立大学の客員教授に就任。
イヨッ、キョウジュ!
そして、元々山口県の「ふるさと大使」を務めていたのだが、それに加えて下関出身ヒロアキくんは同市の「しものせき海響大使」に任命された。
イヨッ、カイキョウ!
下はその任命式の時の前田下関市長との記念写真。
「しものせき海響大使」は、文化的な側面から下関の発展を促進するのがその任務。
社会的なステイタスを確立している影響力のある人が任命される栄えあるポジションなのだ。
前田市長もギターを嗜んでいらして、ヒロアキくんと面会した時にはすっかりギター・ヒーローと直面したような風情だったとか…。
アンプはMarshallかどうかは聞いていない。
ま、ヒロアキくんファンだから当然三段積みをお持ちのことでしょう。
次の曲のテーマは間違いなく「ふぐ」だな。
「Who? Good!」なんてね。…と思ったら、ホラ!
ヒロアキくんの海響大使の名刺…早速ふぐだよ! 今回は取材の数もスゴかった!
私が一緒にいる短い間ですら読売新聞やら地元のテレビ局やら、入れ替わり立ち代わりですよ。
下は身内のビデオ。
マネージャーの美瑞穂さんがインタビュアーに扮して本職のしゃべりっぷりを見せてくれた。
ちなみにこのMarshall CODEというモデルのデモンストレーション動画でセッティングの解説のナレーションも美瑞穂さんの仕事。
実にウマいもんです。
ビデオカメラを回しているのはヒロアキくんとは30年以上のお付き合いだという木ノ切(きのきり)さん。
ヒロアキくんが高校生の時に出演したアマチュア・バンド・コンサートの時からのお付き合いだそうです。
もちろん山口ご出身の方で、私も半日ご一緒させて頂いて「道の駅」のことやその他の重要な情報を頂戴した。
馬関奇兵隊の濱崎さんともMarshallをバックに記念撮影。
そして、同級生も駆けつけてくれた!
ウソウソ!スミマセン!
あんまり親しそうにしたいたもんですから。
村岡嗣政山口県知事にもワザワザ楽屋を訪ねて頂いた。
何せホンモノの「Guv'nor(ガヴァナー=知事)」ですからね。
下は2015年の宇部の「山口きらら記念公園」で開催された『世界ボーイスカウトジャンボリー』の時のようす。
もう6年も前かよ!
村岡さんは高校の時にプリンスに憧れてギターをやっていらしたという。
昔の写真を見せてもらったことがあるんだけど、バリッバリのロング・ヘアでロック野郎そのもの。
その後、東京大学でシッカリとお勉強されて自治省(当時)に入省された。
ココがそこら辺のロック野郎とチョット違うところ。 この時も楽しかったナァ。
やっぱり馬関奇兵隊の皆さんと一緒だった。
タイからシリモンコン・ルーパスパットさん(中央)も駆けつけてくれたんだっけ。村岡さんと一緒にお見えになったのは山口県議会の副議長、二木健治さん。
二木さんがケッサクで、ヒロアキくんの本当のファンで『Fly Away』もご自分で買って持っていらっしゃるっていうんだよね。
このお固そうなルックスで「チョーキング」がどうとか、ヒロアキくんとおしゃべりされている姿が憧れのロック・スターに面会したギター少年のようで微笑ましかった。
ハイ、記念撮影。ステージでは「オープニングプログラム」が終了した。
聖火ランナーがこの花道を通過するワケ。
本当は聖火をつないでつないで県内を回ってココに到着する計画だったけど、山口県もそれを中止して最後の部分だけをフィーチュアすることになった。
いわばアメリカン・フットボールで言うと「タイ・ブレイク方式」ですな。
同点で制限時間内に決着がつかない時、途中を大幅にカットして、いきなりエンドラインの数ヤード前からプレイを始めて、ただタッチダウンできるかどうかを競って雌雄を決するスタイル。
サッカーで言えば「PK合戦」というところか。
キタキタ~!
場内は「誰?誰?」の合唱。
実際、事前にアナウンスされていなかったからね。ランナーはカヌー・スラローム日本代表選手の足立和也さん。
カヌー競技でオリンピックに出場するために大学を中退し、日本を代表するカヤックのコーチである市場さんという方の指導を仰ぐため、萩市に居住されたそうだ。点火!ついた。
無事に儀式が終了。
この後、村岡知事他のご挨拶があってセレモニーは無事に終了した。お疲れさまでした~!
私もこの11年の間に宮古島やら、LOUD PARKやら、SPORTS OF HEARTやらMarshall GALAやら、Marshallと共に何度もヒロアキくんの大舞台にご一緒させてもらってきたけど、終演後にこんなにうれしそうに、楽しそうに、満足そうにしているヒロアキくんを見たのは初めてのことだった。
大仕事をやり遂げてホッとした…とかいうのではなく、故郷に帰り、故郷の人たちと故郷の人の前で自分の音楽を奏でたことがうれしくてならないようだった。
まさにヒロアキくんの曲が「大空」に飛び立った日だった。
故郷ってのはいいもんだね~。
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano
以前、本記事に併載していた「私の萩<後編>」はShige Blogに引っ越しました。
コチラ⇒Shige Blog 私の萩<後編>