NAKED MACHINE ROCKMAYKAN SPECIAL GIG <第2部>
ウ~ム…そうかナァ~?
NAKED MACHINEのホーム「目黒鹿鳴館」でのスペシャル・ギグ。
メンバーの好みで選んだ曲と新曲を披露した第1部に続いての第2部は対バンなしのNAKED MACHINEだけがステージに上がる「単独公演」。
コレが「初めての単独公演」だっていうんだよナァ。
ホントにそうなのかナァ~?
いくらナンでも「初めて」ということはないだろうよ。
にわかには信じられず「マー索くん」で確認してみた。
NAKED MACHINEが初めてMarshall Blogにご登場頂いたのは2016年4月16日のライブで、場所は今日と同じ鹿鳴館だった。
まだNAKED MACHINEがまだ5人体制だった時のこと。
下の写真がその時のようす。それで記録を遡ってみると…やっぱり「単独公演」らしき内容の記事はなかった。
<第1部>のレポートの中で紹介した今日のために作った缶バッジには「SINCE 2015」と記されているので、比較的初期の頃からMarshall Blogにご協力頂いていると言っても差し支えはないと思う。
そんなだからもし単独公演をやっていたとすれば、Marshall Blogとしては万難を排して取材にお邪魔しているハズなのよ。
それなのに記事が見当たらないということは…やっぱり今回が初めての単独公演なんだね。
ビックリだ。 しかし、いつの頃から1晩のライブに複数のバンドが出演するのが当たり前のようになったのかナァ?
2つ、3つなら「ツーマン、スリーマン」というトンマな和製英語にも笑ってもいられるけど、7つも8つも出た日にゃ大変だわナァ。
「8マン」だなんて神社じゃあるまいし。
私は1978年位から渋谷の西武デパートの裏のキャバレーの上にあった「屋根裏」や新宿の小滝橋通り沿いにあった頃の「ロフト」に頻繁に通うようになったが、昼の部ならイザ知らず、夜の部はほぼ全部がバンドがひとつしか出演しない公演内容だった(「昼の部」も単独の公演が多かった)。
だから「ワンマン」とか「単独公演」という言葉を口にするようなこともなかったように記憶している。
例えどんなにお客さんが入らなくてもステージに上がるバンドの数はひとつだった。
つまりのバンドが単独で1本のショウを丸々見せて、それなりの集客ができるレベルのバンドしかライブハウスに出ることができなかった…ということになるか?
もちろんエンターテインメントの様態の変化に伴う関係者の経済的な事情もあったことであろう。
ま、私が言っているのはRCサクセションやPANTA&HALが屋根裏やロフトに出ていた時代だからナァ。
古い話サね。
前回のレポートの中に「回顧録を編んで私が過ごした日本のMarshallの歴史の一部を残しておこうかナァ」なんてことをツラっと書いてしまったが、実行するかどうかは別として、実際私のような古い人間しか知らない古いことは、思い出す度にMarshall Blogに残しておこうかと思っているのです。
もうそういうことを知っている人が少なくなっちゃったからね。
結局そうしたモノが同じ古い人にしか読まれないので意味がないこともわかっているんだけど、人間、齢を重ねて来るとどんなことでも何かに残しておいた方がいいと考えるワケですよ。
さもないとすべて消え去ってしまって二度と取り戻すことができないから。
というワケで「NAKED MACHINE初の単独公演」はMarshall Blogが続く限り記録が残ることになります。
そしていつでも振り返ることができるのだ。
第1部では20名限定だった客席スペースが満員のお客さんで埋め尽くされた。
お客さんの腕が上がり、曲に合わせて激しい動きを見せる。
いつものNAKED MACHINEのショウのようすだ! それもそのはず、オープニングで演奏したのは「Evil Eyes」。
マッハの突風が吹きすさぶドライビング・チューン!曲が終わり、すさまじい歓声がステージに浴びせかけられると…1曲目の余韻を断ち切るように本間さんの叩くフィルが切り込んで来て…
そのまま2曲目の「Go to the Top」へ!本間さんの壮絶なドラミングを背にKANちゃんが勢いよく声を振り絞る。凝ったバッキングのフレーズのサビのパートから転調して源ちゃんのソロへ。
NAKEDサウンドが爆発しまくったところで…
続けてもう一発「Walk Don't Run」いってみよう!啓祐さんのベースがフィーチュアされるイントロから…
転調を繰り返すトリッキーな本編へと続いていく。スリル満点な曲の展開はテケテケの「Walk Don't Run」とは似ても似つかない。
ヴェンチャーズのオハコの「Walk Don't Run」は「ジョニー・スミス」というギブソンがシグネチャー・モデルを出したほどのスゴいジャズ・ギタリストが1954年にリリースした曲なんだよ。まずは3曲連続。もう熱演!
「告知をしてからアっという間でした…私たちのホーム『目黒鹿鳴館』でのワンマン。
皆さま、お足元のお悪い中、そしてお暑い中、ようこそお越しくださいました。
こんなにたくさんの方に来て頂きましてありがとうございます。
久しぶりに会える人も大勢でとってもうれしいです。
あ、私、結構お客さんを見渡して歌えるタイプです。
今日はもう怒ったようにみんなが手を上げてくれるなと思っていたんですよ。
そりゃワンマンだからね!」
「昼間の『スペシャル・ライブ』も楽しく演ったんですよ~!
第2部は慣れないワンマンですが、今日は全ての曲を演ります。
ココまでサクッと終わってしまってスミマセン。
MCをココで入れたのはこの後新しい曲や難しい曲を演るので心の準備をしたかったためです。
ということでさっそく第2のセクションへ移りたいと思います」再びイントロで本間さんが大暴れするのは「Turn on Ignition」。「ウッ!」ファースト・フル・アルバムのタイトル・チューン。
NAKED MACHINEのライブでひと際人気の高い曲。
そんな重要な曲をアルバムの2曲目に配置したのがとてもヨカッタ。
この曲でも執拗に繰り返す転調の中でバリバリ弾きまくる源ちゃん。
このソロの〆のフレーズがタマりませんな。
ところで「弾き倒す」っていう表現を好んで使う人がいるでしょ?
あの言い回しはいつ頃から、そしてどこから来たのかな?
何を「倒す」んだろう?…もちろんそんな言葉が正式に存在することはないであろう。
一方、「引き倒す」という慣用表現は存在する。
コレはどういう意味かというと、通常とは反対に遊郭で客がお女郎さんから金品を巻き上げて迷惑をかけること。
要するに決して良い意味ではない。
「弾き倒す」はコレから来てるのかな?
もうひとつ、「贔屓(ヒイキ)の引き倒し」という表現もあるな。
こっちも「ヒイキしすぎてかえってその人をダメにしてしまうこと」という悪い意味。
いずれにしても私は「弾き倒す」という表現を用いない。
とにかくソロとなると源ちゃんは「弾きまくる」んだけどムダな音がないんだよね。
ただただやたらと速く弾くだけのプレイとはワケが違うのだ。 『Turn on the Ignition』からの曲が続く。
コレまでの曲とはテンポを替えて「Wings of Tomorrow」。3度ほど出て来る6連符で組み立てた源ちゃんのピックアップ・ソロはいつ聴いてもカッコいい。啓祐さんが出す低音が曲をグッ~と引き締める。「♪さぁ飛び立とう~」のパートではKANちゃんの振りに合わせてお客さんの腕が右へ左へと軽やかに動いた。下は写真を間違えているワケではありません。
「暗転」なの。
何も見えないけど、この間、音声的は「KANちゃ~ん」とか「本間さ~ん」と、ステージ向かって盛大に掛け声が送られている。ステージに照明がともされると啓祐さんのベースが不気味なウネリを上げる。
「The Devil of Hatered」だ。昨年10月にリリースした3曲入りCD『Monochrome Heart』からの1曲。 7/4と4/4拍子を組み合わせたリズム・パターンが「憎しみの悪魔」感をうまく醸し出す!
いいナァ、この曲。
どこか日本の陰旋法を感じさせる歌のメロディ。源ちゃんのブラック・サバス趣味が爆発したかのようなダークな展開が素晴らしい。
「悪の大魔王」が出て来そうな中間部の展開が曲想にピッタリだ。
CDではメロトロンのような音がグバ~っと絡んできてこれまたバッチリなんだよね。第1部で「LAメタル族」であることを口にしていた啓祐さんとKANちゃん。
コレ、全然LAじゃありませんけど…重く苦しい地獄のサウンド。
でも、お2人とも最高の「Devil感」と「嫌悪感」でございました!
『Turn on the Ignition』に戻って「Chained Mystery」。それこそ「Heaven and Hell」テイストの1曲。
やっぱり「ロケンロー・テイスト」や「LAテイスト」は諦めていただきましょう(←「第1部」のレポート参照)。
どうしたってNAKED MACHINEにはこうした極上のブリティッシュ・ロック・サウンドがベスト・マッチするのだ!「『暗いシリーズ』の時間になりましたね。
『The Devil of the Hatred』は7分の長さなんですが、曲を作っていくウチにドンドン長くなっちゃって!
そうなると30分枠のライブとかだとこの1曲に時間を取られちゃうでしょ?
だから『この曲はワンマンじゃないと出来ないねぇ~』なんて言っていて、今日ようやく演奏することが出来たんです。
大好きな曲なんですよ!」
とても良いと思います。
「コロナの最中の世の中が暗い時に作ったすごく思い入れが深い曲なんです。
愛の歌なのか、自分の人生を歌っているのか、はたまた憎しみの歌なのか、聴く人の感情によって色んな解釈で聴いて欲しいと思って作りました。
今日は演奏が出来てとってもうれしいです!」
KANちゃんと源ちゃんが向かい合ってスタートするのは「Eternal Moon」。
なんか久しぶりなんじゃない?
2人の静かな8小節のデュエットを経て飛び出す硬質極まりないギター・リフ。
ズンズク突っ走るハードなサウンドに乗ってKANちゃんが切なく美しいメロディを歌い上げる。
矢継ぎ早に「Don’t Say Anything」。
いつかも書いたように記憶しているが、私にとってものすごく「NAKED MACHINE」を感じさせる曲。
チョット風変わりなリフ…
疾駆するリズム…意表を突く転調… そして、取って付けないサビのパートの歌のメロディ。加えてテクニックを決してひけらかすことなく、飽くまでも「曲の一部」を構成するパートして超絶技巧で魅せるギター・ソロ。 どうすか?NALED MACHINEでしょう?さて、ココからは単独公演でしか観ることが出来ないコーナー。
まずは本間さんのソロ。日本を代表する百戦錬磨の大ドラマーの至芸。熱気あふれるプレイに客席から大きな声援が上がる! そして本間さんも雄叫び~! そこへ啓祐さんが加わって来た。本間さんのドラムスにゴリンゴリンと重低音を被せる啓祐さん。
ワンマンでしか観ることができない啓祐さんのソロの雄姿にやはり大きな声援が送られた。 リズム隊の2人がステージから降りると源ちゃんがステージの中央に歩み出た。ア・カペラでバリバリ弾き倒す…じゃない、弾きまくる源ちゃん。得意のトリルをフィーチュアした華麗なプレイを披露。火花の出るようなシュレッディングと極上のギター・サウンドに三たび大きな歓声がステージに向けられた。もちろん源ちゃんはMarshall。
「1960A」の上に積み上げられた新旧の「DSL100」。
この日、源ちゃんは上段の「DSL100H」を使用した。
源ちゃんのバックラインについては「第1部」のレポートを見てね!そしてリズム隊の2人を迎えて「Attack of the Aliens」をプレイ。2009年9月にリリースした源ちゃんのソロ・アルバム『Light and Shadow』に収録された1曲
「この曲に休符はあるんか?」というぐらい音符を敷き詰めたまさにシュレッド・ギターの「シーツ・オブ・サウンド」。
お客さんの全ての目が源ちゃんのピックを持つ手とフレット・ボードを滑っていく指に集中した! これまた大きな歓声!…当たり前だな。
こんなに弾かれた日にゃ源ちゃんの指をやっているのもラクじゃないだろうな。
最高地点まで上がったテンションはそのまま次に曲に引き継がれる。
本間さんがアメリカで活動していた時のEZOのナンバー「Fire Fire」だ。お召し替えをしてパワー倍増のKANちゃん。コレもタイトル通り本当に火が立って真っ黒コゲになりそうな1曲だ。KANちゃんが全曲作詞を担当した3曲入りCD『Vanity of the World』から「Trust Me」。もうこの辺りとなると客席はスゴいことになっちゃう。ただでさえ生半可な熱気じゃなかったのに、このドライビング・ナンバーが「火に油を注いだ」のだ!
確かにカッコいいもんね、この曲。
ガツンと転調してつないだサビのメロディがまるで別の曲を継ぎ足したように聴こえるが、そこが不自然ではなくて猛烈にスリリングなんだよね。
NAKEDの「転調マジック」か~ら~の~…源ちゃんが弾く絶望的にダークなギター・リフは…上で紹介した3曲入りの最新CD『Monochrome Heart』から「Traitor's Gate」。「♪綺麗に落としてね 悔いはないわ」
落とすのは首。
ロンドン塔の「Traitor's Gate」にヒントを得て作られた曲。
こんな曲他にないよ~。
近いのは犬神サアカス團ぐらいかな。
犬神さんのインテリ度はかなり高いからね。
「Traitor's Gate(裏切者の門)」については以前説明した。
一方、「そういえば!」と急に思い出したのが夏目漱石。
この明治の文豪に『倫敦塔(新潮文庫刊)』という作品があって、もしや「Traitor's Gate」について触れてはいないか?と思って早速読んでみた。
読み切るのに大変な苦労を強いられた。
さすが倫敦塔!活字の級数があまりにも低くて老眼には「拷問」以外の何ものでもなかったのだ!
漱石は明治33年(1900年)10月から35年12月までの2年間をロンドンで過ごした。
顔はアバタだわ、背は低いはで、猛烈な劣等感にさいなまれ、精神を病んで帰国したのは誰もが知る話。
漱石は奥さんもヒドかったこともよく知られていて、結構気の毒な人だったんだよ。
さて、漱石が「倫敦塔(Tower of London、以下'ロンドン塔')」を訪れたのは明治33年10月31日のことだった。
つまり、ロンドンについて比較的イの一番で見学に行った。
「一度見れば十分」と書いてはいるが、きっととても見たかったのであろう。
まず漱石は「塔橋」の上からロンドン塔を俯瞰する。
「塔橋」ってナンのことかと思ったが、読み進んでいくうちにわかった。
ロンドンのシンボルのひとつ「タワー・ブリッジ」の直訳だった。
つまり漱石は下の写真のような光景を目にしたハズだ。
この写真は私がタワー・ブリッジの上部の渡り廊下から撮ったモノなので、漱石の眺めはこんなに立体的ではなかったかも知れない。漱石が入り口(上の写真の奥の方)からロンドン塔に入る。
そしてこう綴る。
「又少し行くと右手に逆賊門がある。
門の上には聖トマス塔が聳えている」
漱石は下の写真の右から左に向かって歩いている。
「逆賊門」とはもちろん「Traitor's Gate」のこと。
真ん中の窓の下にある黒い掲示板には「St. Thomas Tower」と記してある。
つまり「聖トマス塔」のことだ。
外から見るとこうなっている。
歩道の左はすぐにテムズ川。
漱石はこう続ける。
「逆賊門とは名前からが既に恐ろしい。
古来から塔中に生きながら葬られたる幾千の罪人は皆舟からこの門まで護送されたのである。
彼らが舟を捨てて一度びこの門を通過するや否や娑婆の太陽は再び彼等を照らさない。
テームス川は彼等にとっての三途の川でこの門は冥府に通じる入り口であった」
さすが文豪!…もうコレ以上の「逆賊門」について説明することはあるまい。
下がその「逆賊門(Traitor's Gate)」。
NAKED MACHINEのCDに収録されている水が滴る音やギギギギ~という門扉が動く音はココの音だよ。
ただ、この門扉は木でできているそうです。この『倫敦塔』、『坊ちゃん』や『こゝろ』のようにスラスラと読みやすいワケではないが漱石なので難解ということはない。
小説でも紀行文でもなくて、何が書いてあるかというと、目の前にある(当時で)800年ぐらい前に造られた歴史ある建物について私的な空想をめぐらせるという内容。
要するにMarshall Blogみたいなもんだね←ナンでやねん?!
しかし、読んでいると自分が見たロンドン塔と全く同じモノを120年前に漱石が見ていたということに感動する。
関東大震災、東京大空襲、東京オリンピックの三段悪活用でただでさえ歴史を感じさせない街になってしまった東京を「さらに東京をブッこわ~す!」とばかりに破壊し続ける日本人とはエライ違いで、ロンドンの街は今日撮った写真と100年前に撮った写真の光景が全く同じということが少なくない。
「建物という物は100年保てば必ず文化財になる」と著名な建築家が言っていたように思うが、日本人にはコレができない。
それは「石の文化」と「木の文化」の違いなどではなく、文化的民度の違いなのだ。
漱石も間違いなくそう思っているぞなもし!もうね、源ちゃんのギターが曲の雰囲気にまたピッタリなのよ!
いますぐ船に乗って逆賊門をくぐってもらいたいぐらい!あ、それはダメダメ!
源ちゃんにはこれから先もっとMarshallでギターを弾いてもらいますから!「ありがとうございます!長く暗い時間だったね。
ワンマンじゃなきゃ絶対出来ない展開だったのですが…いかがでしたか?
(客席から『イエーイ!』)楽しかったならヨカッタ!
暗い歌を歌いながら楽しいってどうなんでしょうね?
さて、先ほど20名の方たちの前でスペシャル・ライブをして、プレゼントをお渡ししました。
プレゼントというのは、本間さんがミックスをしてくれた第1部で披露した新曲のデモ音源のCDだったんです。
本間さんが1枚1枚手作りで複製までしてくれました。
つまり、今ココにいらっしゃる20人の方は先にその曲をお聴きになったワケです、はい。
たぶん今年中に出せると思うアルバムにはその曲が収録される予定になっています。
それではホントに佳境に入りましたので各メンバーから今日の感想を伺いましょう」
早いものでショウはもう終盤。
ちなみに「佳境」という言葉がライブの最後の方のMCの中で使われている場に出くわすことがあるが、この言葉は「終盤」という意味ではありませんからね。
言葉としては「見せ場」とか「最も素晴らしいパート」という意味。
ま、ショウの終わりの方に見せ場が来るのは普通のことなので、いつの間にか意味がゴッチャになったんだろうね。当日の第1部にお越し頂いたお客さんにプレゼントしたのはコレ。
新曲のサイン入りのデモCD。「(津軽弁で)さき、青森から来て、夜行列車で上野に着いだ。
東京?まだ、あのぉ、標準語もしゃべれねぇですけんどよろすくお願いすます」
小沢昭一の本だったっけかナァ。
東北へ旅をした時、行き先を間違えて津軽へ行ってしまった。
「しまった!」と思ったが、「思いがけず津軽弁を聴くことができて大変トクをした気持ちになった」というクダリがあった。
だからこの日のお客さんはラッキーだった!
私は東京生まれの東京育ちなので、「お故郷の言葉」を持っている人たちがすごくうらやましい。
敦賀弁とかね。「数日前に本間さんからの提案でベース・ソロをやることになりましたが、オレ…そんなキャラじゃないから!
だからすごくい緊張しましたよ!
ありがとうございます。また頑張ります!」
「皆さん、本当にありがとうございました!
最初はどうなるかな?と思っていました。
本当は対バンが入る予定だったんですが、ギリギリになってワンマンになっちゃった!
急にプレミアム・ミニライブみたいなモノを企画をしたりとか色々考えてやったんだけど、次回もしこういうプレミアムをやるなら少し規模を拡大してやりたいね!」「またワンマンが出来るように頑張ります。
もう鹿鳴館も今年で終わってしまうので、また今年中にココに来れるようにガンバります!
まずは先ほどチョットお話しました新曲を皆様ににお聴かせしたいと思います」ということで、本邦2度目の公開となるNAKED MACHINEの新しい曲「勿忘草(わすれなぐさ)」で満員の客席に向けてブチかました!
KANちゃんのシットリとしたバラードのパートから…
本間さんのツーバスが炸裂する激甚パートへ! 源ちゃんのソロも思う存分歌いまくった。第1部に参加した20名を除く客席の皆さんには初披露となったワケだが、反応はバッチリ!
バンドにとってもお客さんにとってもきっと「忘れなライブ」になったことだろう。 さて、植物の「勿忘草」については第1部のレポートに記しておいたので気になる方にはご覧頂きたいと思う。
そこに『男はつらいよ』の「さくら」さん役の倍賞千恵子さんについて少し触れた。
佳境に入る前にそれについてチョット追補させて頂きたいと思う。
それは…『男はつらいよ』の第24作目、昭和54年(1979年)の香川京子さんがマドンナを務めた『寅次郎春の夢』を観ていて気が付いたこと。
第1部のレポートに書いた通り、倍賞さんは殺人的に歌がうまいんだけど、『男はつらいよ』50作の中でその美しい歌声を披露するのが5、6回ぐらしかないのね。しかもどれもかなりチョコチョコっとしか聞かせない。
そのウチで一番倍賞さんの歌がフィーチュアされているのが『寅次郎春の夢』で、劇中劇で倍賞さんが「蝶々夫人」を歌うんだけど、もう本格的なベルカントなの。
さすがです。
倍賞さんは忘れているのか、隠しているのかわからないが『倍賞千恵子の現場(PHP新書刊)』という自著の中では触れていないが、恐らく吹替なしのご本人の歌唱のハズだ。
そして、ハッと気がついたのは「さくら」という役名。
第21作の『寅次郎わが道をゆく』でマドンナの木の実ナナがSKD(松竹歌劇団)のダンサー役を演じるのだが、彼女はさくらちゃんの学生時代の友人で、SKDのホームである浅草国際劇場の楽屋をさくらちゃんが訪れる。
幼いころから「ノド自慢あらし」で有名だった倍賞さんは「松竹音楽舞踏学校」に入り、首席で卒業してそのままSKDに入団したエリート。
いきなりフロントでフィーチュアされていたらしい。 さて、宝塚には「♪スミレのは~な~咲くころ~」という劇団のテーマソングがあるでしょ?
当然ライバルの松竹歌劇団にもそうした曲があって、こう歌う…「♪さくら咲く国、さくらさくら」。
寅さんが映画の中で何度もコレの鼻歌を歌うのだが、山田洋次は果たしてココから倍賞さん演じる寅次郎の妹「さくら」と名付けたのではないか?
下は在りし日の国際劇場。
「村田英雄ショウ」がかかっているでしょう?
倍賞さんは実際に村田英雄のバックで踊っていたらしい。
他にもクレイジー・キャッツ、フランク堺、若山富三郎のショウに出演していた…見てみたかった、そんな倍賞さんを!
私なんか人間が古いもんでいまだに「国際劇場」がある方が当たり前のような気がしないでもない。
1981年にキング・クリムゾンの初来日公演を観たことは一生の思い出である反面、1976年のフランク・ザッパを観ることが出来なかったのが一生の悔いである。
古くからのラウドネス・ファンも国際劇場にきっとよき思い出をお持ちのハズだ。
ちなみに『寅次郎我が道ゆく』で武田鉄矢が田舎から出て来て寅さんに連れて来てもらって観たSKDのステージに夢中になり、家に帰らずにアルバイトとして入り込んでしまうトンカツ屋は「河金」といって国際劇場のすぐ隣にあった。
私の父はたまたまそのロケの時期に「河金」に行って「渥美清」をみかけたそうだ。
渥美さんは昭和30年代、国際劇場から歩いて数分のところにある「フランス座」というストリップ劇場に出演していて、その雑用係とコントの台本を書いていたのが「井上ひさし」であることはつとに有名な話だ。
『男はつらいよ』に「ポンシュウ」というバイの親友が出て来るでしょう?
あの人は「関敬六」といってフランス座時代の仲間。
井上さんによると、この頃のコメディアンとしての渥美さんは抱腹絶倒、空前絶後のオモシロさだったらしい。
コレも見てみたかった!
蛇足ながら…
『男はつらいよ』の1980年の第26作『寅次郎かもめ歌』でマドンナを演じたのは伊藤蘭。
蘭ちゃんの役名がなんと「すみれ」ちゃんなんですよ。
これは単なる符合なのか、山田さん流のシャレなのか…オモシロイなぁ。 そしてNAKED MACHINE初めての単独公演が佳境を迎える。
「さて、もう少しお付き合い頂けますとうれしいですね~。
今日はもうあと2曲です!ブッ飛ばしていきますよ~!
そしてまた皆さんとお会いできますように、そして、次回またココをパンパンに埋められるようにガンバりますのでこれからもNAKED MACHINEの応援をよろしくお願いします!
今日はどうもありがとうございました」 まずは2022年リリースの3曲入りCD『Vanity of the World』のタイトル曲。最後まで剛速球勝負!クライマックスに向かって突っ走る!そして続けて本編の最後を飾ったのは同じく『Vanity of the World』から「Glory Day」。第1部でKANちゃんが触れたところによると、元々はロケンロー・テイストが濃厚だったというこのナンバー。源ちゃんの源ちゃんによるNAKEDファンのためのギターと…KANちゃんのKANちゃんによるNAKEDファンのための歌で…華々しく本編の最後を飾った。
これぞ「佳境」!そしてアンコール。
「今日はありがとうございました。
涼しい~、このズボン!超涼しい。
さっきアミアミだったけどアレって超暑くて!
これからが夏ですからね~。コワいですね~!
ココで最後までいらしてくれた皆様にお知らせがございます」
「来る12月21日、NAKED MACHINEはココ目黒鹿鳴館での最後のワンマンをやります!
ホントは対バン形式でやろうと思っていたんだけど、今日のワンマンが近づくにつれて『ワンマンでよくね?』ってなっちゃってェ。
今回色んな方とお話をしたら『ワンマンの方が楽しい』とか『一日中NAKEDが見られた方がうれしい』と多くの方がおっしゃってくださったんです。
(客席をジ~と見回して…)言ってくれたよね!…キミも言ってくれたよね!〇〇ちゃんも言ってくれたよね!ソコの人も言ってくれた!」
「今日も大変な一日だったんですが、こうして終わってみるとまだ3時間くらい歌いたいな~って感じです。
でも時が経ってしまいましたからね…。時が経てば終わりがくるので仕方ない。
また12月にゼヒよろしくお願いします!
あと2曲残っておりまして、いつも通り最後の1曲は写真を撮っても大丈夫です。
でも演奏も見てくださいよ!
みんなで3ヶ月の間練って来たこのワンマン…お越しくださいまして本当にありがとうございました!」アンコールに演奏したのはまずは「Monochrome Heart」。そして最後の最後は撮影OKの「Fight to Survive」。「♪Fight!」「♪Alive!」「♪Survive!」
いつもコレでスミマセン。最後までとても楽しそうなKANちゃん!初の単独公演、大成功!
おめでとう!
「どうもありがとう!」
こうして目黒の「ハダカ祭り」は賑やかに幕を降ろしたのであった。
12月も楽しみだ!
NAKED MACHINEの詳しい情報はコチラ⇒NAKED MACHINE OFFICIAL WEBSITE
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