e-ZUKA LIVE TOUR 2024~LET'S GET STARTED "GtHZ!"
今回久々にご登場頂くのはGRANRODEOのe-ZUKAさん!
e-ZUKAさんは去る4月24日にソロ・アルバム『LET'S GET STARTED』を発表。
「Let's get started!」…そうなんだよね、ナゼか「Let's start!」とは普通言わないんだよね。
「'get'という言葉はなるべく使わないようにしましょう。お里が知れますからね!」と小学校で習うらしいイギリス人もコレには「get」を使う。
もちろん「Let's start」でも何の問題もないが、「get+started」にすると「さあ、準備をしていつでも始められる状態にしておきましょう!」と、「今すぐおっぱじまる」というニュアンスが出るらしい。
それと、恐らく特にアメリカのネイティブの皆さんには「レツゲッスターレ」の方が口にしやすいんじゃないのかしら?
我々も「先」と言うより「先ッチョ」とした方が言葉のリズムが良いし、「いかにも先端」というニュアンスが出て来る…みたいな?
アルバムのリリースにともない『e-ZUKA LIVE TOUR 2024~LET'S GET STARTED "GtHZ!" 』と冠したコンサートを大阪、名古屋、東京で開催した。
東京は2日にわたって2公演が催され、今日レポートするのはその2日目。
つまりツアー千秋楽。
しかし「GtHZ!」ってナンダ?
かなり考えた。
ま、「Gt」は「ギター」でしょうナ。
しからば「HZ」は?…「周波数」の単位?それとも「ヘーゼル・ナッツ」?あ、「片頭痛」か?
悩みに悩んでGRANRODEOのウェブサイトに助けを乞うたところ…「GtHZ!」が「ギター弾こうぜ!」だということがようやくわかって「1KRC(一件落着)」!
今日はその凄まじいまでに盛り上がったステージの様子をお送りします。
それでは読者の皆さん、Let's get started!
この日はステージ下手のサブ・ステージから颯爽と階段を下りて登場したe-ZUKAさん。
1曲目はアルバムのオープナーの「neo」。
クールなメロディが飛び交うゴキゲンなドライビング・チューン!
激烈なパフォーマンスでe-ZUKAさんをサポートするのは…
藤澤健至Mao瀧田イサム原澤秀樹ノッケからおいしいフレーズ満載の濃厚ソロがタマらん!早くもギターを持ち替えてアルバムの収録曲順通りに「Make It!」。
いかにもGRANRODEOを思わせる曲調が何ともいいナァ~。「ありがとうございます!YouTuberのZUKAちゃんです!
ついに最終日が来ちゃいました~!」といつもの調子のご挨拶を経ての3曲目はハードロック・テイスト満点の「CHASING TRUTH」。ところで、e-ZUKAさんはMarshall。
愛用のアンプ・ヘッド「JCM2000 DSL50」を「1960B」と組み合わせた。チャンネルは「ULTRA GAIN」がメイン。
e-ZUKAさんのギターの音って、自分が知っている「ロック・ギター」のサウンドの中で最も「ロック・ギター」というイメージが私にはあるのです。
でもね、GRANRODEOのステージを初めて拝見したのは2011年2月6日のZepp Tokyoの『LIVE TOUR 2011 REACH FOR THE BULLET』というショウだったんだけど、その時、e-ZUKAさんはギター・ソロのコーナーでジャズのスタンダードの「Autumn Leaves(枯葉)」をバリバリに弾いて見せてくれましてね、私はそれにヤラれた。
つまりその時は「ロック・ギター」ではなかった!
外人のロック・ギタリストでジャズが出来る人は特段珍しくないけど、日本にはほとんどいないからね。
大感動しちゃってね~。
アレからもう丸13年経ったのか…。
Marshall GALAにもご出演頂いて、ズットMarshallをご愛用頂いて、ありがたい限りです。
ちなみに『I got you under my skin』というe-zukaさんのソロ・アルバムがあるけれど、このタイトルは「あなたはしっかり私のもの」という演歌の歌詞みたいな邦題がつけられたコール・ポーター作の大スタンダード曲の題名ですから。
正確には「I've got you under my skin」なんだけど、この曲はフランク・シナトラの代表曲のひとつだった。
私もよく鼻歌で歌っています。
そう、私としてはそういうことをされるe-ZUKAさんが好きなワケですよ。
メンバー紹介を兼ねて各々のソロがフィーチュアされる。
「藤澤健至!」健ちゃんもMarshall。
ヘッドはMarshallのフラッグシップ・モデル「JVM410H」、スピーカー・キャビネットはe-ZUKAさんと同じく「1960B」。Maoくんのシンセサイザー・ソロに… 瀧田さんのベースと原澤さんのドラムスのソロが続き場内の熱気がますます上がった!
MCを挟んで超エキサイティングな「Burn Your Enemies」。
e-ZUKAさんと健ちゃんの壮絶な子弟ギター・バトル!
フュージョニーな曲調でガラリと雰囲気を替えたのは『LET'S GET STARTED』から「Way Home」。
心地よいメロディが耳を惹くマイナー・チューン。「ありがとうございます!もうギター聴きすぎたでしょ?
こんなにギターがデカいコンサートって滅多にないんじゃないの?」
とか言いながらガンガンいっちゃうよ~!
曲はみんなで踊って楽しむアルバムのタイトル・チューン「LET'S GET STARTED」。
瀧田さんもソロで大暴れ!そしてサビのパートでは客席の皆さん全員が右に左に手首をブラブラさせて楽しんだ!MCをはさんで「Monster Maze Coaster 2024」。
この曲ではみんなでタオルをグルグル回したよ。
即興のセッションのコーナーではe-ZUKAさんがノドを披露。
そのままアルバム収録曲の「DD BLUES」につないだ。「イヤ~、ありがとうございました。
楽しんで頂けましたでしょうか?…私は楽しいです。
ココで本当はやりたくなんですがメンバーを紹介します」と、メンバーひとりひとりについて語る長いMCに入る。
「ZUKA節」連発でよく笑ったわ~!
e-ZUKAさんって何でも最後まで言い切っちゃうとことがスゴイんだよね。
たとえばMaoくんの紹介。
「こう見えてですね、Maoちゃんはワインソムリエの資格を持っていてですね。
そしてナント、テコンドーのを世界選手権第2位!
ウソですよ…でもテコンドーやってんのは本当です。
それで台東区の大会で2位になったんだよね?」…するとMaoくんが「全部ウソです」。
私はMaoくんと知り合ってから結構長い時間が経っているんだけど、そんなこと一度も聞いたことがなかったので、e-ZUKAさんの話を聞いてかなり驚いた…驚いて損した。 そんな調子で楽しいMCを随所にちりばめながらショウは進行していく。
長いMCで爆笑を獲った後はカバー曲のコーナー。
さっきのMCの雰囲気は一体どこへ…曲はまずゲイリー・ムーア作の人気ギター・バラード「Sunset」。
しかし、相変わらずe-ZUKAさんの右手のフォームが美しい。
私も仕事がらたくさんのギタリストの知り合いがいるが、e-ZUKAさんの右手が弦をはじく動きは誰よりもキレイだと思っている。続いてはRushの「Yyz」。
ずいぶんたくさんのロックを聴いてきて、古いロックに限って言えば私もそう簡単に人後に落ちるつもりはないし、なかんずくプロッグ・ロックは大の好物だった。
ところが、このRushってのだけは全く通っていなくて本当に何も知らないのです。
今でもゼンゼン知らないんだけど、この曲に関しては「e-ZUKAさん由来」の思い出がある。
さて、e-ZUKAさんは今回の東京のライブのメイキング映像をYouTubeで公開されていて、そのビデオの中で「会場の『東京キネマ倶楽部』のステージに上がるのは今回が3回目で一番最初は『Marshall GALA』の時だった」と紹介してくださっている。
「Marshall GALA」というのはMarshallの「Official Venue」であるこの東京キネマ倶楽部で2016年に開催したMarshallのイベントのこと。
e-ZUKAさんには四人囃子の岡井大二さんや故坂下秀実さんらとセッション・バンドを組んで頂いた。
その時、e-ZUKAさんが選んだ演奏候補曲の中にこの「Yyz」が入っていたのだ。
私は人生で初めてその曲名を耳にし、どんな曲かを確かめてから他のメンバーさんにe-ZUKAさんのご希望をパスした。
曲が複雑だったため、e-ZUKAさんには恐縮だが最終的には採用されず演奏されることはなかった。
しかし、私の頭の中には「Yyz」という3文字が強烈な印象を放って残ったというワケ。
だからこの日、とうとうe-ZUKAさんの「Yyz」を聴くことができてとてもうれしかったのです。そしてもう1曲はギター・キッズ(←この言葉も最近はスッカリ耳にしなくなったナァ)がみんな夢中になったマイケル・シェンカーの「Into the Arena」。「3曲聴いてもらいました。
1番最初に演ったのは、ゲイリー・ムーアの『Sunset』というバラードです。
ナゼ演ったのかと言うと、ボクが中学校の頃、バンドをやっていたんですが人前で演奏したことがなかったんです。
それで中3の時、『グループで好きなことをやって発表しなさい』みたいな音楽の授業があったんです。
それでボクはその時すでにギターが弾けたので、友達に他の楽器を弾いてもらって演奏したのが『Sunset』だったんです。
人前で初めてギターを演奏した思い出の曲でございます。
ちなみにこの会場はMarshallが多いでしょう?
で、健至もMarshallでしょ?俺もMarshall。
ボクら昭和の人間にとってもMarshallって本当に憧れのアンプだったんですが高くて!
で、広告にはだいたい『60回ローン』って書いてあったね。
要するにローンで買うのが前提のアンプだったんですよ。
瀧田さんに出会った38年前、道玄坂のヤマハに行って2階に上がるとMarshallがあった。
友達と『あ、コレ弾かせてもらおうよ!』ということになって、『チョットすみません。ボクたち試奏したいんです』って店員さんにて言ったら『買う予定のない人に弾かせません!』って言われたの。
ヒドくないですか?田舎者だと思ってバカにしちゃってさ!
それを今は…立派にMarshallを買いました!」
ありがとうございます!
そうでしたネェ。
昔はMarshallだけじゃなく、フェンダーもギブソンもショウ・ウィンドウの中に入っていてニオイを嗅ぐことすらできなかった。
私はe-ZUKAさんより少し年上なんだけど、試奏する度胸なんてないものだから、秋葉原の朝日無線の5階にあったMarshallの三段積みをウィンドウ越しに眺めているだけでした。
ちなみにe-ZUKAさんの同郷の先輩で今や「世界の」となったジミー桜井さんから聞いたところによると、e-ZUKAさんはもう子供の頃から既にものすごくギターがウマかったそうだ。
「2曲目に演ったのは、ラッシュの『Yyz』です。
コレも本当に昔から好きな曲でです。
カナダのトロント空港の空港コードが『YYZ』なんですね。
その3文字のモールス信号をリズム・パターンに用いたというとっても楽しい曲で~す。
その後に演ったのが前にも演りましたけが『Into the Arenaね。
コレに手を出すなんてかなり危険なんです…演るとギタリストが叩かれる!
この曲も初めて人前で演りました」
…とe-ZUKAさんが丁寧に演奏した曲を解説してくれた。コレはオマケ。
ゲイリー・ムーアもズッとMarshallで、最後に日本に来た時、先方から依頼を受けて私が「1959」というゲイリーのMarshallを会場に取りに行き、専門のエンジニアにメンテナンスをお願いしてタクシーで会場に戻しに行った。
お礼にピックをもらった。
とてもいい思い出です。
下はイングランド南部のブライトンにある「GAK」というゲイリーの行きつけだった楽器店。
ブライトンに住んでいたゲイリーは何の前触れもなくフラッと店にやってきては「あの新しいMarshallチョット弾かせてくれる?」とやっていたそうだ。
もちろん店員が「買う予定のない人に弾かせません!」などど言うことはなかったろう。 ギターを持ち替えて「Vengence」。
これまたショウがクライマックスに向かうにふさわしい火の出るようなスーパー・ハードな1曲。
デューク・エリントンの「Caravan」のテーマ・メロディも飛び出した!
矢継ぎ早にダンサブルな「18SDGs」が続く。
バンドの皆さんも右へ左へとステージ上を大暴れ!
客席はもう大喜びでピョンピョンよ!
ニュー・アルバムからe-ZUKAさんと健ちゃんの絶妙なアンサンブルがスリリングな「百花繚乱~咲き誇れ~」。疾駆するリズムに乗ってギター・インスト・ミュージックの醍醐味を思う存分アッピールしてくれた。
アータ、ギターはロックの花形よ!
時代がどんなに変わってもギターはバリバリと前に出て来てもらわなきゃ困るのだ!
その背後には必ずMarshallね←コレ重要。
本編を締めくくったのはアルバムのクローザーでもある「Hope for」。
聴く者の心を揺さぶる美しいメロディ。
「♪心の奥で溶けた希望がまた光に変わるよ」
そこにお客さんのコーラスが重なる。
コレは感動でしょう!
e-ZUKAミュージックによる素晴らしいギター・ショウに仕上がった本編だった!「ヅカさん」コールが飛び交う中、再び姿を現したe-ZUKAさんとバンド・メンバーたち。
「ヅカちゃんです!ありがとうございま~す!」
伝える内容に間違いがないようにメモを見ながら物販と打ち上げ配信の告知をして…
「ホントにね~、こんな気分になるなんて初めてなんですがとっても気分がいいです!
歌ってやろうかな!って思ってます」で、e-ZUKAさんが本当に歌っちゃったのがCharさんの「闘牛士」。
高校の時にハヤリましたわ~。
この曲が大好きだったと言うだけあってe-ZUKAさんの心のこもった熱唱が飛び出した。
よっぽど気分がよろしかったのか、さらに高校2年生の文化祭で大ウケしたという、今も忘れることができない成功体験となっている曲、LAZYの「Dreamer」を歌い、演奏した。「さぁ、いよいよ曲がありません!」
「おかわりタイム」ということで『LET'S GET STARTED』から再び「Make It!」を演奏した。健ちゃんも最後の最後までバツグンのMarshallサウンドでキレッキレのプレイを聴かせてくれた。歌のないロックでコレだけ盛り上がるなんて素晴らしいことじゃないか!
e-ZUKAミュージックのクォリティや演奏能力の高さもさることながら、「ギター・ショウ」として最高のエンターテインメント性を見せつけてくれた楽しいコンサートだった。
「イヤ~楽しかった!本当にありがとうございました。
また出来るように、オマエらガンバれよ!
違うッ?
あ、スミマセン!ボクがガンバります。
ボク、ガンバりますのでまた見に来てくださいね!
本当にありがとうございました。幸せでした!」
さぁGtHZ!
アンプはMarshallね!
e-ZUKAの詳しい情報はコチラ⇒GRANRODEO Official Website
<あとがき>
当日チョット驚き、そしてとてもうれしかったことがありました。
それは上で触れたe-ZUKAさんにご出演して頂いた2016年の『Marshall GALA』、並びに2019年の『Marshall GALA2』のTシャツをお召しになった方々が私を見つけて「ゼヒまたMarshall GALAを開催してください!」とおっしゃって下さったのです。
自分が企画したコンサートの開催を期待してくださっている方がいらっしゃるなんてうれしいじゃありませんか!
『Marshall GALA3』を企画したらe-ZUKAさん、また出て頂けるかしら?
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皆さん、ギター・インストがお好きということがわかったので…日本が世界に誇るインストゥルメンタル・バンド、D_Driveをお送りします!
<だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)>
<Wings>
<Thmbs Up>
<Begin Again>
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(一部敬称略 2024年6月16日 東京キネマ倶楽部にて撮影)