D_Drive in KADARE~『DYNAMOTIVE』リリース・ツアー in 由利本荘<前編>
去る8月26日にインターナショナル・リリースのセカンド・アルバム『DYNAMOTIVE』を発表したD_Driveは、現在のところ発売記念のツアーやライブに大忙しだ。
その甲斐あって、おかげさまでそれらの公演は各地で好評を博していると聞いた。
一行は9月の中旬には北の方面を巡業し、23日には秋田県由利本荘市でそのハイライトを迎えた。
それは「カダーレ」という大会場でのコンサート。
残念ながら私はお邪魔することができなかったので、今日はコンサートの主催者からシェアして頂いた写真を用いてヴァーチャルでそのライブ・レポートをお送りする。Marshall Blogはこうした出張系の記事では、例え実際に彼の地に赴かなくても何がしかご当地に関する文章を書くことを「是」として来たんだけど、秋田か…行ったことないので書くことがない。
しかし!それではMarshall Blogの名が廃る(すたる)ではないか!
ということで、「由利本荘市」の隣の「秋田市」について「ありがた迷惑的」に書かせて頂くことにするので少しの間、ご辛抱アレ。
「県」で括れば同じ「秋田」だからいいでしょ?
さて、下の写真は秋田ではなくて東京のど真ん中…御徒町の近くにある「佐竹商店街」というアーケード。
寂しいでしょう?
確かに半分以上の商店が「閉店ガラガラ」よ。ところが!
この「佐竹商店街」は、ナント、日本で2番目に古い商店街なのだそうよ。
ホンジャ、1番古いのはどこかと思って調べてみると、金沢の「片町商店街」だって。
片町か…いいジャズ喫茶があったっけな~。
現地の生コン屋の若社長に連れて行ってもらって2軒ほどハシゴをしたことがあった。
それと、店内では「ヤッホー!」としか口にできないことで有名なお茶漬けの「志な野」。
とてもいいお店だったが、惜しまれつつ廃業してしまったそうだ。この商店のすぐ近くを並走する清洲橋通りを神田方面に向かい、靖国通りに当たった右角に「龍角散」の本社ビルがある。
今はグッドデザイン賞を獲得する(これホント)ようなこんなモダンな建物になっちゃったけど…
かつてはこんな建物だった。
この前を通るたびに「古いビルだな~」と思っていたが、もちろん戦前に建てられたモノで、1945年3月10日の東京大空襲ではコゲコゲになりながらもナントカ持ちこたえたガッツのあるビルだった。
なつかしい。
私はこっちの方がよっぽどグッドデザインだと思うがな。 多分、秋田の方なら誰でもご存知のことと思うが、その「龍角散」のルーツは江戸時代の秋田藩(久保田藩)。
秋田藩の藩主佐竹家の御典医だった藤井玄淵という人が考案したそうな。
この「佐竹商店街」はその秋田藩主であった「佐竹家」から名づけられた。ナゼなら、かつてこの地に秋田藩の上屋敷があったからなのだ。
今から333年前の開設らしい。
そのあたりのことがこの説明板に書かれている。
明治になって近隣の武家屋敷が撤去されると、この辺りは野原となり「佐竹っぱら」と呼ばれ、見世物小屋が集中して賑わいを見せたらしい。
浪曲の超スーパースター、二代目広沢虎造の評伝を読むと、確かに「佐竹っぱら」などで語って下積みをしていた…ということが記されている。
コレは脱線だけど、浪曲というのはこのように元々は道端で演じる「大道芸」で、寄席で演じる落語
より格下の芸とされていた。
それを「♪旅ぃゆけば~」の『清水次郎長伝』で一気に浪曲を国民の最大の楽しみに昇華させたのがこの虎造だった。
その人気たるや今のジャニーズどころじゃなかったんよ!
実際に虎造を聴くと…コレがタマらなくいいんですよ。
その「評伝」とはコレ。
新潮文庫刊の『江戸っ子だってねえ』。
とてもオモシロイです。
「日本で最初の洋風画を描いたのは秋田・佐竹家の藩主佐竹義敦です」
コレも秋田の皆さんの自慢でしょう。
イヤ、自慢していいと思いますよ。
この佐竹義敦というのは、八代目の秋田藩主。
苦労が絶えない政務をこなす中、秋田藩士の小田野直武という画家から手ほどきを受け、ストレス解消のために描いた絵の腕前はバツグンだったという。
その師匠の小田野直武は、平賀源内をして「秋田の片田舎にメッチャすごい絵描きがいる」と評価せしめ、直武は源内に洋画手法を師事した。
源内は『解体新書』の翻訳に取り組んでいた親友の杉田玄白に直武を紹介し、大量の挿絵の模写を担当させたという。
こうして義敦の手厚い保護のもと、直武らは「秋田蘭画」というひとつの日本がのジャンルを確立したのだ。ちなみに、この佐竹商店街からさほど遠くない(地下鉄日比谷線で4駅)南千住の駅前に葵の御紋を掲げた「回向院」という寺ある。
徹底した幕府の吏員の監視の下、杉田玄白らはココでで腑分け(解剖)を実施し、『解体新書』の翻訳に励んだ。
解体新書は当時大ベストセラーとなり、玄白は今の価値で億単位の印税をゲットしたという。
以上…同じ秋田でも「由利本荘」ではなく「秋田」の話題で恐縮ですが、私のマーブロ書きとしての矜持を保つことができました。
さて、レポートはその由利本荘に飛ぶ。
「由利本荘」というのは2005年に誕生した新しい「市」なのか…。
秋田に詳しいワケでは全くないけれど、それでも「耳なじみのない名前だな~」と思っていた謎が氷解したわ。
その由利本荘市が、市の「文化&芸術の振興」を目的のひとつに掲げて建設したのが「文化交流館 カダーレ」。
「カダーレ」というのは秋田の言葉で「仲間に入って」という意味の「かだれ」に由来するのだそうだ。
その大ホールがコレ。
客席数は1,100。
ココのステージにD_Driveが立ったのだ。
スゲな。ステージはMarshallフルスタックがゾロリ!その前には見慣れたD_Driveのバックライン。
SeijiさんのJVM。
YukiちゃんのJVM。そして、ChiikoちゃんのNATAL。会場内はD_Drive一色!物販会場の設営に余念がないChiikoちゃんとYukiちゃん。 こんな感じに仕上がった。
あとは開場を待つだけ。ゴージャスな祝い花も頂戴しました。コレが秋田のNATALネットワーク!
「東京アクティブNEETS」のドラマー、ショボンちゃんが応援に駆けつけてくれた!
スゲな。 そして、ショウがスタート!
既に記したように今回私はこの場に居合わせていないので、以降のレポートは、演奏曲目を除いては想像と妄想で書き進めさせていただく。
また、YukiちゃんのMCについては、過去13年にわたって収集したデータを元にして筆者の頭の中のAIが作りだしたものであり、実際の内容とは異なることをお伝えしておく。
SeijiYukiToshiChiikoこの大舞台で最初にナニを演るのかと思っていたら…「M16」だった。由利本荘での銃撃戦もエキサイティング!Chiikoちゃんのシャープなドラム・フィルから…Seijiさんのリフにつなげたのは「Attraction 4D」。
ココのところ『DYNAMOTIVE』収録の曲にかかりきりだったのでナンカ懐かしい感じがするな。「暴れん坊ベース将軍」のToshiくんに広いステージはおあつらえ向きのシチュエーション。
今日も思う存分暴れまくってくれることだろう。「こんにちは!D_Driveです!
皆さん、見てください!…このMarshallの壁!
このような素敵な会場と舞台で演奏する今日という日をとても楽しみにしていました。
D_Driveの音楽を最後までどうぞごユックリお楽しみください!」「さて、今日お越しの皆さまの中にはご存知の方も多いと存じますが、私たちは去る8月26日に『DYNAMOTIVE』というアルバムを発表しました。
私たちが契約するイギリスのMarshall Recordsから世界に向けてリリースした2枚目のアルバムです。
今日は私たちのライブ会場で販売しているブックレットと帯がついている『特別国内盤仕様』のCDを持ってまいりましたので、是非お買い求め頂きますようご案内申し上げます。
それでは早速…次の曲はその『DYNAMOTIVE』に収録されています「Wings」です。
私が実家で可愛がっている2羽のインコ、レモンちゃんとラムちゃんをモチーフにして作った曲で、『I Remember The Town』とともにアルバムに先行してシングル・リリースされた2曲のウチのひとつです。
あ、ラムちゃんのことをいくら言っても『ライムちゃん』と間違えるヘンなオジさんもいらっしゃるんですが、正しくは『ラムネのラムちゃん』です」
誰がそんなに何度も同じ間違えをするんだろうかね?
Yukiちゃんのファンク・ストラミングがキレイに決まって…D_Driveらしいヘヴィな展開となる。
レモンちゃんもラムちゃんもなかなかハードなインコちゃんに違いない。
ま、「インコ」って英語で「budgie」だからね。
それも無理はない。秋田でも「指圧の心は親心」の浪越ポーズが飛び出すのは「Thumbs Up」。Seijiさん作のパノラミックなナンバー。
「D_Driveってどんな曲を演っているの?」と訊かれ、何曲か推薦して欲しいと頼まれた時、私は必ずこの曲を候補に入れるだろう。
それだけユニークな作品。
もう1回やっておくけど、「ユニーク」というのは「変わっている」という意味ではなくて、「変わっているからひとつしかない」という意味ですからね。もう1曲続けては「D_クラシック」のひとつ「Runaway Boy」。
D_Driveの最初の自主制作アルバム『Something to Drink?』に収録されていたナンバーで、『DYNAMOTIVE』に再録された。
『Something to Drink』をお持ちの方はゼヒ『DYNAMOTIVE』のバージョンを聴き比べて頂きたい。
「Runaway Boy」が洋楽になったとお感じになられるのでは?
その大きな要因のひとつはベースかも知れない。<後編>につづく
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このビデオの曲が収録されているD_Driveのインターナショナル・アルバム第2弾『DYNAMOTIVE』を絶賛販売しております。
おかげさまで、中身もジャケットも皆さまから大変好評を頂戴しています。コチラはリード・チューンのひとつ「だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)」。
また長らく欠品しておりましたインターナショナル・アルバム第1弾『MAXIMUM IMPACT』も入荷しました!Marshall Music Store JapanでCDをお買い上げのお客様にはMarshallスクエア・ロゴステッカー3枚をプレゼント!
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(一部敬称略 2022年9月23日 秋田県由利本荘市 文化交流館 カダーレにて撮影
※撮影:Kiyotaka Sato/Kadare Yurihonjo & Hideshi Arakawa/Sennenji Yurihonjo 写真のご提供誠にありがとうございます)