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2013年5月20日 (月)

ジム・マーシャルの生涯を祝う会

Shige Blog 2012年6月15日初出

シゲブログでも弔意を寄せた通り、マーシャルの創設者ジム・マーシャルが去る4月5日、鬼籍に入ってしまった。
そして、お葬式とは別に偉大なるジムの功績と人生を祝う会がMarshallの本社があるイギリスのミルトン・キーンズで開催された。

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幸運にも私のところにも招待状が届いた。
もう私はマーシャルの仕事から離れてしまっているが、もしジムに関する祝い事があった際には万難を排して参席するつもりだったので…

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…イギリスまでひとっ飛びしてきた。

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会場は「創立40周年記念パーティ」が開催された工場にほど近い「Wilton Hall(ウィルトン・ホール)」というところ。
町の公民館風と言っては聞こえは悪いが、ジムの地元中の地元の立派なホールだ。

来客を待ちうけるJVMのフル・スタック。

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会場に入ると、ジムの半生をつづった『THE FATHER OF LOUD』の表紙のおなじみの写真が…。

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ジムの足跡を記した巨大なボード。

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この会の招待状にはこう記してあった。
「ジムとの思い出の写真をご持参ください。会場にボードを用意しときますので、そこに貼ってください」と。
私もジムが2003年に最後に来日した際の写真を持って行った。

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貼ってあるのはどれも感慨深い写真ばかり…っと、よく知っている顔を発見!ってオレじゃんか!しかも2枚も貼ってある!
1枚は2009年に「Shige Award」を受賞した時のもの。
ま、こっちはまだイイかも知れないけど、もう1枚はホテルの部屋で酔っ払ってギターを弾いている写真じゃんか~!
恥ずかしい!さてはピーターのシワザだな…?

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他にもジムにまつわる思い出の品がゾロリ!

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エリザベス女王から下賜された『The Queen Award』の賞状や…

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「Dr.Jim Marshall」の「博士号」の授与証書なども惜しげもなく展示されていた。

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ステージの両サイドにはジムの遺影が飾られ、中央のスクリーンにはジムの思い出の映像や出席できなかった関係者からのビデオ・メッセージが上映された。

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会場は200名を超す招待客でイッパイ。
東洋人は私ひとりだけで、目立つ目立つ!
しっかし、オレの顔も平べってーナァ~!

もちろん出席者はすべてジムにゆかりのある人ばかり。
とてもうれしかったのは、招待客の中に何とケン・ブラン氏がいらっしゃって、友人に紹介してもらい、いっしょに写真を撮らせていただいた。
さすがにご高齢のため足をお悪くされているが、実にかくしゃくとしていて、しかも物腰の柔らかいとても素敵なおじいちゃんだった。
「この人がJTM45を設計したのか…」と感無量で握手をしてもらった。

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ひとしきりバーでイッパイやりながら旧知の仲間とジムの思い出を語り合った後、決められた場所に着席。
私はカナダのピーターの隣りで、「ピーターでしょ?あれ貼ったの?!」恥ずかしいじゃんか!」と問いただすと「キヒヒヒヒ!」とイタズラっ子のように笑っていた。

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そして、会が始まった。
トップに挨拶をしたのはマーシャル社社長のジョナサン・エラリー氏。

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続いて壇上に上ったのはこの日の司会を務めたドラマーのニコ・マクブレイン。

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ジムのドラム仲間であり、最良の友でもあったニコ。
ジムの思い出を切々と語ったのち、司会の大役を着実にこなしていた。
彼の軽妙洒脱ぶりは定評のあるところだ。

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続いて挨拶をしたのはこの方…誰かににてるでしょう?
そう、ジムの実弟のアル・マーシャル氏だ。
兄弟しか知り得ない昔の話しを面白おかしくしてくれた。

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こうしてジムの友人や、お世話になった人、仕事仲間たちが順々に登壇し弔辞とスピーチを捧げた。

ピート・タウンゼンドからはビデオ・レターが寄せられた。
ご存知の通りピートはマーシャルを使わないが、彼なくしては絶対にマーシャルはあり得なかった。
メッセージでピートは実に淡々と思い出を語った後、「じゃあな、ジム!」と締めくくった。ピートらしいカッコいいメッセージだった

さて、ここからは世界中から駆けつけたディストリビューターたちの中から、スピーチをした私の仲良したちを紹介しておく。

アメリカからミッチ・コルビー氏。
彼も今はマーシャルから離れてしまったが、ディストリビューターとしては世界でも最も長くジムとお付き合いをしたのではなかろうか?
自身もアンプのコレクターで優れたジャズ・ギタリストでもある。
はじめて見たマーシャルの壁はナント、ニューヨークで見たクリームだった!という話しが印象的だった。

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おお~、さすがミッチ!ジムの十八番のコルクのトリックだ!ちゃんど仕込んできてた!…と思ったが「できません!」

そういえば、私が楽器店の皆さんをマーシャルにお連れしてジムといっしょに食事をした時、まだジムはまったく元気で、みんなの前でこの手品を見せてくれたっけ。みんな、覚えてる?

手品というのは左右の手の人差し指と親指ではさんだコルグを交差させて、チチンプイプイと呪文を唱えるとアラ不思議!交差しているので離すことのできないハズの両手が離れてしまうというもの。
「おお~!ワンモア、ワンモア!」という歓声に応え、「フォッフォッフォッ…」とドヤ顔で何回もやって見せてくれたジムが実にチャーミングだった。

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おとなりアイルランドからレスリー・ケイン氏。いつも私によくしてくれる大の仲良し。

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レスリーもベテランだけにジムとのお別れは相当辛いものであったハズだ。
会議ではなかなかの論客のレスリーもこのスピーチ後半では涙ぐんでしまい、見てるこっちもホロっときてしまった。

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ピーターの出番!
彼があの写真をはっつけたのよ!
ピーターとは、会議で集まるといつもホテルの彼の部屋に集合して、ラム酒を飲みながら遅くまでギターの腕比べをした。
いつも楽しかった。
え、どっちがウマイ?彼、彼!熱心なマーシャル・ブログの読者の方なら覚えていて下さると信じているが、一度登場してもらったことがあった。彼は過去プロのバンドでデビューしており、そのマボロシの音源について私が一筆奮ったのだ。だからかなうワケないんよ。
よく自分でアレンジしたビートルズ・ナンバーを弾いて聞かせてくれた。ボードに貼ってあったギターを弾いている写真はその時に撮られたものなのさ!

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ピーターのジムとの付き合いはミッチほどは長くはないが、かなりの古株。
ジムを心から信奉していた。それだけに彼のショックも大きいかったろう。
スピーチもとても真摯なものだった…あんな写真のイタズラしたくせに!

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スティーヴ・ウッド氏。ジムのお抱えドライバーだった人。
イヤ、家族といっていいだろう。彼は献身的にジムの世話をし、絶大な信頼を得ていた。

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よくマーシャルへ行くと迎えに来てくれたり送ってきてくれたりで、車中私と冗談を言い合っては大笑いするのが常で、私も彼と会うのを楽しみにしていた。
そんな旧知の中なので、一体どんなスピーチをするのかと思っていたら、淡々とジムも思い出を語った。

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ところが、話しているうちにあまりにも色々な思い出がよみがえってきたのだろう。感極まって、泣きだしてしまったのだ。
スピーチ後、ニコと抱擁し合うスティーヴ。
見ているこっちもググっと来た。会場は割れんばかりの拍手!この日のクライマックスだった。やっぱりとてもやさしい男だったんだな、スティーヴは!

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マーシャル社からインターナショナル・デモンストレーター兼ニュー・プロダクト・コーディネーターのクリス・ジョージが登壇した。彼もフランクフルトMESSEのレポートなどでブログに登場しているので顔を覚えていらっしゃる方も多いだろう。

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彼は今、9月にロンドンのウェンブリー・アリーナ(ウェンブリー・スタジアムのとなり)で開催される50周年記念コンサートの仕込みに取り組んでいる。
また新しく始まる50年に向けて意気揚々とした若々しいスピーチが印象的であった。

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さらにマーシャル社からマーケティング&アーティスト担当のニック・ボウコットがスピーチした。
彼は元グリム・リーパーのギタリストでジムとの付き合いも深く長い。

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ジムを出来る限りの爆音で送りだそうと、参席者全員に手を叩き、足を鳴らすよう求めた。
ドド~っとモノすごい音が会場を揺るがした。ニックらしいユーモアあふれるスピーチであった。

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他にジムのドラム教室の生徒であり、ジムの店の最初の従業員だった方や、ジャズ歌手のデイム・クレオ・レーン!(仲良しだったそう…知らなかった!)といった方々もスピーチを披露。

また、ジムはマーシャルだけでその名を世に知らしめたワケではなく、OBEの勲位が示す通り、病院やスポーツ団体など多方面にわたってたくさんの寄付をした篤志家としても高名であった。
そうしてお世話になった方々からの心温まる言葉も寄せられ、ジムの生前の偉業がさらに浮き彫りにされた会となった。

下は参列者に配られた会のしおりとジムの歌が収録されたオーディオCD『Reflection of a Man』。こうしてジムの声が参列者の元に半永久的に留まることとなった。

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これは配られたしおりの内側。ボロボロのキャビネットに刻まれたジムの言葉は「私の辞書には世界で最高のものは音楽だ…と書いてある。音楽にかなうヤツはいない」…その通りだ。

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後先になったが、会の冒頭に上映されたフィルムにはツェッペリンの「Whole Lottta Love」に乗せてジミ・ヘンドリックス、リッチー・ブラックモア、ピート・タウンゼンド、The Who、スパイナル・タップ、ゲイリー・ムーアが登場した。そしてフィルムの最後に出た文字は「To Be Continued」…。

そう、音楽がある限りマーシャルは不滅なのだ…。

もう一度言おう…ありがとう、そして、さよならジム!

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またマーシャルの新しい50年が始まった!

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(敬称略 2012年5月27日イギリス、ミルトンキーンズ、ウィルトン・ホールにて撮影)

この時のイギリス滞在のレポートをShige Blogに掲載しました。併せてお楽しみください!

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