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2021年11月11日 (木)

Marshall読み方教室

 
「♪マーシャル・ブログはいいブログ…」
 
今、柳亭痴楽なんて知っている人は少ないだろうな。
私もリアルタイムではないけれど、父がオモシロがっていたので学生の頃に時折カセット・テープの音源を聴いた。
「柳亭痴楽」という名跡は五代目まで続いたが今は空位になっている。
今ココで話題にしようとしているのは四代目のこと。
自らを「破壊された顔の所有者」と称して珍顔をウリにしていたが、今みるとゼンゼン普通にしか見えない。
珍顔も今では相当進化しているからね。
この人は「綴り方狂室」という芸で大変な人気を集めた。
「♪柳亭痴楽はいい男 ああ、いい男 鶴田浩二や錦之助 アレよりグンといい男」とリズミカルな七五調で淀みなく口上を披露する。
実は私はコレのどこがオモシロいのかがわからない。
何しろ人気のあった芸人さんだったので、当然母も痴楽の全盛期のことを覚えている。
そこで、どこがオモシロかったのを尋ねたところ、「あれだけ次から次へとテンポよく言葉が出て来るところがオモシロいじゃない?」だそうで…お笑いにワビやサビが存在していた時代があったことを感じ取れる洞察ではあるまいか。
そんな調子で、「♪上野を後に池袋 走る電車は内回り 私は近頃外回り…」と、小林旭の「恋の山手線」の元ネタを演じたのがこの四代目柳亭痴楽。
7chirakuMarshall Blogではこの「綴り方狂室」というタイトルに目をつけてみた。
でも、こっちは「綴り方」ではなく「読み方」。
今日は「Marshall読み方教室」というのをやってみたいと思う。
このクダリをやりたいだけでワザワザ痴楽師匠にご登場頂いた次第。
相変わらず前置きが長くてどーもスイマセン!…お、そういえば根岸の三平師匠(=海老名家)の家の最寄り駅は山手線の「鶯谷」だ。
五代目古今亭志ん生と十代目金原亭馬生の家はその隣の「日暮里」にあった。
「ネコの町」で有名な谷中商店街のすぐそば。
昔、この辺りには噺家が多く住んでいて、「上野」から歩いて10分ぐらいの稲荷町には八代目林家正蔵(後の彦六)がいた。
上野の隣の「御徒町」には八代目桂文楽の家とそのすぐ近くに五代目古今亭今輔の家があった。
ゼ~ンブ見て来た。
この辺りのことはいつかShige Blogで一本編みたいと思っております。 7img_5132 ところで、「Marshallの読み方教室」って一体ナンだ?」と思うでしょう?
英語の話し。
Marshallの型番の「数字」を英語でどう読むか…ということをやってみたいと思う。
以前からチョコチョコとやっていたけど、今日はその総集編。
実は「有名な楽器のモデル名をどう読むのが一般的か?」という知人のfacebookへの投稿にヒントを得た。
 
…というのも、「〇〇って英語でナンて言うんだろう」と思うことが結構あったりするでしょ?
その証拠に「〇〇を英語で言えますか?」の類の本がナントたくさん上梓されていることよ!
サッとインターネットをさらってみてだけでこんなに出てる。
私もかつては2、3冊は買ったけどね…。
こういうのは読んだ時には「なるほど、なるほど」となるんだけど、実際に使う機会がない限りスッカリ忘れてしまって案外身につかないもんです。
でも、やらないよりやっておいた方がはるかに良い。
10v_470_2私の場合、Marshallの本社の近くにあるコーナー・ショップに行った時、「固形石鹸」が英語で言えなくて困ったことがあった。
もちろん「soap」はわかっているんだけど、「固形」の部分をどう言えばいいんだろう?…店員さんを目の前にして考えてしまった。
「固形」だから「solid」か?と思い、「Do you have a solid soap?」とやってみたけど通じない。
結局「Soap, soap」と言いながら両手で四角を作って見せたらすぐに通じて置いてある場所を教えてくれたんだけど、「旅の恥はかき捨て」で、連中が英語で何と呼んでいるのか確認しておいた。
答えは「soap bar」だった。
なるほどね~…この単語はまずもって一生忘れることはない…という具合。
こうして赤ちゃんが言葉を身に付けていくように、必要なことから自然に覚えていくのが理想的なんでしょうな。
Sb_2ちなみに「コーナー・ショップ」というのはイギリスに行けばどこにでもあるコンビニの元祖みたいな小さなスーパー。
雑誌から、食べ物から、酒類、雑貨、店によっては生鮮食品まで少しずつ何でも取り揃えてある。
下の写真の赤い看板に「OFF LICENSE」と書いてあるけど、コレは「酒類は扱っているけど、ココで飲ませることはできません」という意味。72cs3_2コーナー・ショップの店員はナゼかほとんどが中近東系の人たちだ。
時間によっては店内でメッカに向かって礼拝をしていたりする。
見た目はナンだけど、コワイことはゼンゼンない。
複数のアイテムを買うと必ず「Bag?」と訊いてくる。
もちろん「袋に入れますか?」ということなんだけど、日本もコレにすればヨカッタんだよ。
みんなで協力してレジ袋なしが基本。
必要な時だけ申し出ればいい。
いちいち「袋は有料ですがお入り用ですか?」と訊くのも、訊かれるのも、はたまた「要りません」と答えるのも実に面倒な話だ。7cs2_2
「数字」と言えば、以前大きな桁数の数字を読む時に日本語と英語のどちらが速いかという競争をオーストラリアの人としたことがあった。
その時は私の日本語が勝った。
やっぱり英語で大きな数字を読むのは難儀なことだと思ったが、英語には3ケタごとに付される「,」があるので、システマチックかつ視覚的に大きな数字を一発で読むことができるんだよね。
「,」の付く位置には「thousand(千)」、「million(百万)」、「billion(十億)」、「trillion(一兆)」、「quadrilliom(千兆)」、「quintrilliom(百京)」…と名前が決まっているので、そのすぐ左隣りの数字を10の位で、またすぐ右隣りの数字は100の位で読むだけでいいのでとても簡単だ。
「,」が付けられる位置が「千」の次に「百万」に飛んでいるのを不思議がっている日本人を時折見かけるけど、「,」は英語で数字を読むためのツールですから。
英語の人たち向けに便利にできているんです。
コレがドイツなんかに行くと「,」と「.」が反対なので見ていてすごく気持ちが悪い。30v_2さて、Marshallのモデルナンバーといえば「1959」みたいな4ケタの数字でしょ?
コレには当然「,」はつけない。
付けてしまうと「1,959」となり「ワン・サウンザンド・ナイン・ハンドレッド・フィフティナイン」と位取りして読まれてしまうかも知れない。(註:以降、最後の数字の前につける「and」はすべて省略します)
コレでは長くてどうにもならない。
「キミ、アンプ何使ってんの?」
「Marshallのワン・サウンザンド・ナイン・ハンドレッド・フィフティナインだよ」
「やっぱりワン・サウンザンド・ナイン・ハンドレッド・フィフティナインか!音いいもんね」
「そうワン・サウンザンド・ナイン・ハンドレッド・フィフティナインが一番好き!」…なんて長すぎるわ。
コレに「エスエルピー」なんて付けたらもう「寿限無」みたいなことになってしまう。
しからば付いていない場合はどう読むか?…コレを詳しく見ていくのが今日の内容。
いかにもやっつけ企画みたいだけど、イエイエ、私は完全にマジですよ。

歴史順にいきましょう。 
まずはMarshallの第1号機である「JTM45」。
数字は2ケタ。
日本では「ジェイティーエム よんじゅうご」だけど、英語では「JTM forty five」と位取りして読みます。
2ケタの場合は「four-five」と平読みしないのが普通。50次におなじみの「1959」。
日本では「いちきゅうごうきゅう」と平読みして、略して「ごうきゅう」なんて呼んだりするけど、数字4ケタの場合は、2ケタずつに区切って位取りをして読むのがスタンダード。
つまり「Nineteen-fifty nine(ナインティーン・フィフティナイン)」となる。70_2当然「1987」も同様。
「Nineteen-eighty seven(ナインティーン・エイティセブン)」ね。80_2コンボでも読み方は同じ。
「Nineteen-sixty two(ナインティーン・シクスティトゥー)」ね。
イヤ、コレは「Bluesbreaker」って呼ぶ方が多いかな?
90
キャビネットも「Nineteen-Sixty(ナインティーン・シクスティ)」と同じ読み方でいけます。100次に行く前に…。
この4ケタの数字がどうやって決められているかはご存知ですかな?
ナンジャラホイ?と思う方はコチラをクリック!
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【イギリス-ロック名所めぐり】vol.54~変わりゆくロンドン <その4>デンマーク・ストリート(前編)

 
JCM800(はっぴゃく)に入るよ。
JCM800は「JCM eight-hundred(ジェイシーエム・エイト・ハンドレッド)」と位取りをして読む。
「100W、1チャンネル、2インプット、マスターボリューム付き」のモデルが「2203」。
コレも4ケタだから2つに分けて「Twenty two-zero(または'o')-three」かなんかでいいのかしらん?
答えはブー!
このモデルは平読みにして「Two-two-o-three(トゥー・トゥー・オー・スリー)」と呼ばれている。110_3それでは、同じJCM800の仲間の「2555」はどうか。
「2203」と同じように「Two-five-five-five」と行きたいところだけど…ブー!
コレは「Twenty five-fifty five(トゥエンティファイブ・フィフティファイブ)」と読む。
でも、誰もそうは呼ばないね。
みんな「ジュビリー」って呼んでいる。115しからば、「100W、2チャンネル、2インプット、マスターボリューム付き」と定義される「2210」はどうかというと…「Twenty two-ten(トゥエンティトゥー・テン)」だそうです。
で、コレの50Wバージョンの「2205」になるとたちまち「Two-two-o-five(トゥー・トゥー・オー・ファイブ)」に戻ってしまう。
中に「0」が入ってくる影響か?22102_2それではJCM900(きゅうひゃく)。
代表機種の「4100」行ってみよう!
「Four thausand-one hundred」?…ブー。
「Four-one-zero-zero」?…ブー。
「Fourtyone-double o」?…ブー。
コレは通常「Forty one-hundred(フォーティワン・ハンドレッド)」と呼ばれているのよ。
「100」が41個ということ。120_2じゃJCM900の2x12"コンボの「4102」は?
コレは「Forty one-o-two(フォーティワン・オー・トゥー)」となる。

7jc4102 だんだんイライラして来たでしょう?
こんなの一体誰がキメてるんだよ!とか思うでしょう?
イイエ、コレは誰もキメていないのよ。
強いて言うなら、英語圏の人たちの「口のまわりの筋肉」+「彼らの習慣」としかいいようがない。
つまり、相手に容易に通じる範囲内で一番口にしやすい読み方をしているだけの話し。
今回、この記事を書くにあたって、怪しいヤツはすべてMarshallのスタッフに確認したが、これらの読み方は決してルールではなくて、イギリス人の習慣とMarshall社内の伝統が組み合わさった数字の読み方だと思って欲しい…とのことだった。
だから「2203」を「Twentytwo-o-three」と呼んでも一向に構わないし、通じないこともない。
でも、郷に入ったら郷に従いたくなるもんね。
私もMarshallの連中と話す時、最初のウチはチョット苦労した。
モデル名を言う前に1回「1960」という数字を思い浮かべて、「コレは2つずつ区切って読むんだったナ」と認識してから「Nineteen-sixty」と口にする。
そんなことをしていた…すぐに慣れたけどね。

1_2 数字型番シリーズの最後はLEAD12(じゅうに)。
「5005」はどう読むか?
日本語だったら「五千、飛んで飛んで五」ぐらいになろうか?
調べたんだけど英語ではこの「飛んで」という表現がないようだ。
だから「o」と読む。
もちろん「zero」でもいいんだろうけど、向こうの人はコレを「ズイーロウ」と発音するのでリズムが狂っちゃうのかもしれない。
数値として読むときは単に「Five thousand and five」になるけど、モデル・ナンバーの場合は「Fifty-o-five(フィフティ・オー・ファイブ)」になるそうだ。

750052jpg2_2 次に数字4ケタの型番以降のモデルを見てみよう。
まずはJCM2000(にせん) DSL100(ひゃく)。
「JCM2000」はそのまま「JCM Two thousand(JCM トゥーサウザンド)」と読む。
で、「DSL100」は「DSL One hundred(DSL ワンハンドレッド)」、「DSL50」は「DSL Fifty(DSL フィフティ)」。
簡単、簡単!7dsl しからばJVMは?
「JVM410H」は「JVM Four-ten-H(JVM フォー・テン・エイチ)」と読む。
ま、イギリスでは場所によっては「H」を「エイチ」ではなく「ヘイチ」と発音してるわ。140_2「SV20H」も同様に「SV Twenty-H(SV トゥエンティ・エイチ)」ね。
こういう数字がワッテージを表すような場合には、位取りをして読む傾向がある。
「じゃあJTM45は何でFour-fiveなの?」と思う方もいらっしゃるかも知れない。
ブー!
この「45」はワッテージではありません。
「JTM45」の出力は30Wなの。
「45」は幻の出力なのだ。150では、ココで一発ムズカシイやつ。
Marshallは1990年代の終わりごろまで「Dynamic Bass System」というベース・アンプのシリーズを生産していた。
その中に200W、4×10"のコンボがあったのね。
モデル名は「72410」。
さて、5ケタはどう読む?
「Seven-twenty four-ten」?
それとも「Seventy two-four hundred-ten」?
 
答えは「Seventy two-four-ten(セブンティトゥー・フォー・テン)」。774410_2 
同じく1x15"バージョンの「72115」は「Seventy two-one-fifteen(セブンティトゥー・ワン・フィフティーン)」と読む。
理由は、このシリーズは「7」が統一のモデル・ナンバーになっていて、400Wのモデルは「4」、200Wのモデルは「2」がそれに続いた。
だからヘッドには「7400」とか「7200」という型番が付された。
一方、コンボにはスピーカーのコンフィギュレーションをくっつけたというワケ。
このシリーズすごくヨカッタのにナァ。

772115_2

ついでに真空管もやっておこう。
こっちは至って簡単。
そのまま読むだけでヒッカケ問題はなし。
 
EL34は「EL Thirty four(EL サーティフォー)」。190ECC83は「ECC Eighty three(イーシーシー・エイティスリー)」。
Marshallでは「12AX7」とは呼ばない。
ヨーロッパの会社だから。
200_3「6550」は「Sixty five-fifty(シクスティファイヴ・フィフティ)」。
 
最後に…真空管は「Tube(チューブ)」ではなくて必ず「Valve(バルブ)」と呼んでいる。

210<姉妹編>につづく 

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