SUPER ROCK 2025 IN 巣鴨 <その2>~NAKED MACHINE
CALAVERASに続いて3番目に『SUPER ROCK IN 巣鴨』のステージに上がったのは…NAKED MACHINE!
KAN
里村源多朗
岡本啓祐
復活!
本間大嗣CALAVERASのアメリカン・ロック・サウンドとは一線を画するブリティッシュ・ハードロック風味。
明るく楽しいアメリカン・ロックとは異なる重厚な雰囲気が何ともいえない魅力だ。
1970年代の中盤、私はこの手のロックで青春時代を過ごした。1曲目は2019年のフル・アルバム『TURN ON IGNITION』から「Evil Eyes」。
♪ズクズクズクズクと図太いこと極まりないギター・サウンドで源ちゃんが奏でるシャープなリフが大変に小気味よい。その音を出しているのはMarshall「JVM210H」と「1960A」のコンビネーション。
源ちゃんがJVMを選ぶのは珍しい?
音の粒立ちが良い凛々しいサウンドだった。続けて2曲目の「Vanity of the World」。
説明不要のドライビング・ナンバー。
本間さんのドラムスと…啓祐さんのベースがカラミ合ってスリリングなグルーヴを生み出していく。
KANちゃんが丁寧に歌う印象的なメロディのサビから…
転調して源ちゃんのソロ。
奇を衒うことのないロック・ギターの伝統を語り継ぐプレイはどのフレーズも聞き逃すことができんぞ。「皆さん、『SUPER ROCK 2025 in 巣鴨』にようこそお越しくださいました。
私たち、NAKED MACHINEです!
お待たせしちゃったけれどみんなに会えてメチャメチャうれしいです!
それでは皆さんをNAKED WORLDに誘(いざな)います。
最後までごユックリお楽しみください。」
この日、総計16人のミュージシャンが集ったが、女性はKANちゃんただ1人。
今はどんなライブでも女性の比率が高いからね。
コレは「春の椿事」と言っても差支えがないぐらい現象だったのではなかろうか?啓祐さんのベースが♪グリングリン暴れ出す。
何とも言えない邪悪系なフレーズ!
カッコいいわ~。2023年に発表した3曲入りCD『MONOCHROME HEART』から「The Devil of the Hatred」。
7/4、4/4、2/4の拍子が入り組んだ複雑なリズム展開。
いいな~、こういうのは。
そして、「vanity(虚栄心)」とか「hatrid(憎悪)」とか「出る単」の最初の方に掲げられている受験英語には欠かすことのできない重要な単語が曲名に使われていて勉強にもなるぞ。KANちゃんの熱のこもった歌声が響く!
中間部のコワいパートから源ちゃんのソロへとつなげる。
このコワいパートを聴くたびに私はトム・ハンクス主演の映画『ビッグ』を思いだすのだ。
遊園地で未来を予言する機械「ゾルタン」のシーン。
源ちゃんはココでも鮮やかにおいしいフレーズを披露。この曲は聴いているウチに目の前の世界がドンドン変わっていって時間の経過がマヒしてしまうような感じがしてオモシロイ。
曲はダ・カーポして再び啓祐さんのベースのピックアップが登場するが、イントロがもう昔のことのような感じがするワケよ。続いて「Trust Me」。
源ちゃんのアルペジオにシットリとした歌声を被せるKANちゃん。 そして源ちゃんが弾くリフを囲んで爆発!
本間さんのドラムスの疾走感がすさまじい。
昨年末は椎間板ヘルニアに苦しんだ本間さんだったが、無事にお帰りになることができて本当にヨカッタ!ガツンと転調して聴かせるサビ。
この展開にはいつもハッとさせられる。悠然と入り込んで来るギター・ソロ。
期待通りに展開してくれるフレーズの組み立て方がうれしい。 もうイッチョ続けて『MONOCHROME HEART』から「Traitor's Gate」。
妖気漂うヘヴィなワルツ。「♪綺麗に落としてね」って歌詞はKANちゃんうまいことやったよネェ。
コレにはアン・ブーリンもキャサリン・ハワードも納得していることでしょう。
続編で「Claimer's Gallery」というのはいかが?リズムが4/4拍子になっての見事なソロ!
歯切れのよいピッキングは聴いていて気分爽快!「重かったね…コレだけがNAKED WORLDではありませんが。
私たちNAKED MACHINEは実は本当に久しぶりの東京なんですね。
数えてみると『ライブ』と言う形でココで皆さんにお会いするのは本当にお久しぶりなんです。
皆さん、元気にしてましたか?
私たちはこの先しばらく東京でライブをやります」
客席から大きな歓声が上がった。
私もうれしいわ! NAKED MACHINEの出番も後半に入る。
アタマから本間さんが鮮やかなスティックさばきをお見舞いする2019年に発表したフル・アルバムのタイトル・チューン「Turn on the Ignition」。「♪One-on-one and one way road」
啓祐さんと本間さんの2人のパートから…
ギター・ソロ…コレがまたスゴイ。
ソロの間に3回転調するというスペクタキュラー!そしてKANちゃんの絶叫「♪Turn on the ignition~!」
続けて「Walk Don't Run」。
問答無用で爆走するドライビング・ナンバーに客席は大盛り上がりだ。
みんなこういうロックが好きなのよ。ソロ中の源ちゃんを無言で鼓舞するkANちゃん。
「もっと弾かんかい!」「こんなにたくさん来てくれて、熱い拍手をしてくれて、そして後ろの方の人まで手を高く上げてくれて…私たちとても感激しています。
今日のイベントは一番最初に出たSUPER BLOODの亮くんが企画してくれました。
本当にありがとうございます!
改めてみんなで熱い拍手を贈りましょう。
さて、我々もあと2曲となりました。
寂しいけれど私たちも次のステップを歩み出すので、この先の旅にもずっと付いて来てください。
よろしくお願いします」残す2曲のウチの1曲目は「Glory Day」。
唸るようにしてKANちゃんが歌う典型的なハードロック・ナンバー。
ポップだけどポップ過ぎない大サビの展開が実によろしいな。カッコいいリフがあって、スリリングなギター・ソロがあって…ロックはコレでいいのにいつからおかしなことになっちゃったんだろうネェ…NAKED MACHINEの作品の数々を聴いているとこんなことを考えてしまう。
井上ひさし先生の受け売りになってしまうけど、コレはテレビのせいだと思う。
詳しくはまた別の機会に。「皆さん、ありがとうございました!
最後の曲はどうぞ写真を撮ってください。
またお会いましょう。
NAKED MACHINEでした」NAKED MACHINEの出番の最後飾ったのはいつものヤツ。
「Fight to Survive」だ!
となるとMarshall Blogもいつものヤツで締めくくらせて頂こうじゃないか!
「♪Fight!」「♪Survive!」
「♪Alive!」
NAKED MACHINEは今日も素晴らしい演奏だけでなく、立派なステージマナーで満員のお客さんを魅了したのであった。
「ありがとうございました!」
NAKED MACHINEにはいつまでもガンバってもらってこのMarshallがなければ生まれて来なかったであろう種のロックの保存に努めてもらいたいと思うのです。
私は真剣にそう思っているんです。
NAKED MACHINEの詳しい情報はコチラ⇒NAKED MACHINE OFFICIAL WEBSITE
ギターは里村源多朗によるMarshallの混じりけのないピュアな真空管アンプのサウンドでお届けしました。
<つづく>
(一部敬称略 2025年3月29日 巣鴨獅子王にて撮影)