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2017年10月24日 (火)

田川ヒロアキ『THEME PARK-テーマ・パーク-』を100倍、イヤ10倍、イヤイヤ1.5倍ぐらい楽しむ <前編>

  
去る10月11日、田川ヒロアキがニューアルバム『THEME PARK-テーマ・パーク』をリリースした。
コレが、予想をはるかに上回る反響で、関係者一同は驚きを隠せないでいる。
このアルバムは「ギタリストの田川ヒロアキ」よりも「作曲家の田川ヒロアキ」に焦点を当てたコンピレーション・アルバムだ。
つまり、ヒロアキくんが色々な団体からの委嘱を受けて作った曲と演奏が詰め込まれた楽しい作品。
ヒロアキくんとはカレコレ長い付き合いをさせて頂いている。
大切なMarshallのアーティスト並びにお客さんであり、仲のよい友人でもあり、公私ともに割と頻繁に連絡を取り合っているので、広範囲にわたる彼の音楽活動を常時把握しているつもりなのね。
でも、出て来るね~、知らないのが。
「こんなことやってたの?」などという驚きの発見もあって、今度のアルバムはプライベート的にもとても楽しいアルバムになった。
すでに公式音源として世に出回った作品も多く収録されているが、そこはヒロアキくんのこと…「へへへ、モッタイないから溜まっていた音源を根こそぎかき集めましたゼ!」などと乱暴なことはするワケがない。
自分の最新のイメージに合致するように、録り直し、作り直しがタップリと施されている。
もちろん本邦初公開の作品も聴きごたえ満点だ。
仲の良いのをいいことに、普段ヒロアキくんの音楽を「校歌ロック」などと呼んでいるが、『THEME PARK』には様々な局面を通して、ヒロアキ・ミュージックのコアな部分が収められたと思っている。
今回は委嘱作品集ということで、当然各々の曲にはバックグラウンドがある。
封入されているブックレットにヒロアキくん自身がそのバックグラウンドについて一筆認めているが、大きなお世話だがこっちはマーブロ、そのあたりのところをもっとワガママに深く掘り下げて、2回にわたり「裏ライナー・ノーツ」を編んでみたいと思う。
要するに「Making of THEME PARK」だ。

10vある日、マネージャーの美瑞穂さんから連絡があった。
電話の内容は、今度カクカクシカジカでコンピレーション・アルバムを作るのだが、何かタイトルのいいアイデアはないか?という。
困った時はすぐこのオジさんだ。
ま、こっちもキライではないので、すぐに協力しちゃう。
一旦電話を切って考えた。
「フーム…テーマ・ソングのコンピレーション・アルバムか…。テーマね~、テーマ、テーマ、テーマ…何かうまいシャレはないかな~」などと考えて、比較的すぐに出て来たのが「テーマ・パーク」という言葉。
チョット安直に過ぎるような気はしたが、色んなシチュエーションの音楽が入っていて、遊園地みたいににぎやかでいいかも…と思った。
問題は表記。
当然、CDのジャケットには「THEME PARK」とアルファベットの表記を採用することになるだろう。
そうした場合、日本人は「テーマ」というカタカナと音には十分に慣れているが、「theme」というつづりと「シーム」という音には全く親しみがないので、タイトルとしてこの言葉を採用するのは不利なのではないか…コレが心配だった。
ま、「theme」を何のひっかかりもなく読む人は「シーム」という発音を知っているだろうから問題はないけど、慣れない人は「テメエ!」なんて読んだりして。
ヒロアキくんは「平和の風」だからして、そんな好戦的なことは絶対しないから。
とにかく、美瑞穂さんにこのアイデアを伝えてみた。
すると「ワ~、それいいですね!『テーマ・パーク』にキメました!」
「チョチョチョチョ、もう少し考えた方がいいんじゃないの?!」
「イエイエ、気に入りました。いいですね。もうそれで行きます」
美瑞穂さんは、時折ルックスからは想像できないぐらい竹を割ったような側面を見せる人なのだ。
そして、上に書いたような読み方の問題についての心配を伝え、ひとつのアイデアをお伝えした。
それは、サブタイトル的に「テーマ・パーク」という表記をつけ加えてはどうか?ということだった。
こうして、と言っても何の紆余曲折もないのだが、タイトルが決定した。
ジャケットについても色々とありましてね~。
それは<後編>のお楽しみ!

20それでは『THEME PARK』に収録されている曲をひとつずつ見ていこう。
本稿の作成に当たっては、ヒロアキくんご本人と美瑞穂さんに全面的にご協力を頂いたことを最初にお伝えしておく。
  
  
1. キミを乗せて
2015年にリリースしたアルバム、『Over Drive』のリード・チューンの採録。

232015年のMarshall GALAでは山本征史さんと金光健司さんと演奏してくれたヒロアキくんの最近の愛奏曲だ。

50「再録」と言っても、ボーカルズとドラムスをリメイクした。
そして、何よりもご注目頂きたいのはギターの音。
『Over Drive』の時にはまだ使っていなかった、現在愛用しているJVMを思う存分駆使してギター・パートを録音し直してくれたのだ。

30v車好きのヒロアキくんは筑波サーキットでの国家演奏等、何度もカーレースに関係した仕事をしていて、Marshall Blogでも紹介してきた。

25この曲は、岡山国際サーキットで開催されるMAZDAの大イベント、「マツダファンフェスタ」のテーマ・ソングとなり、ローカルテレビのCMでも採用されていた。

30下は筑波サーキットで「君が代」をメタル調でグイングイン演っているところ。
残念ながら私は岡山には行っていないが、恐らくこんな調子でブチかましてくれたハズだ。
エンジンをかけるところからスタートするこの曲、聴けば聴くほど引き込まれていく…今頃言うのもナンだけど。
初めての車の運転に胸をときめかせる歌詞を、全く別の意味で独自に解釈された方もいてビックリ仰天したが、なるほどそれもおもしろい。チョットここには書けませんが。
コレね、キャッチーなメロディも魅力的なんだけど、アレンジがすごく練ってあって実によろしい。
「さぁ行け~!」って感じのギター・ソロも好き。
ただし、安全運転で行きましょう!

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2. 酎 High KING!
一瞬、日本語版Jefferson Starshipかと思うようなアメリカ調のハード・ロック。
広島県は呉市のライブハウス、「ケラウスランブラ」の20周年を記念して、マスターから依頼されたお店のテーマ・ソング。
下の写真はヒロアキくんがケラウスランブラに出演した時のもの。
な~んかメッチャ楽しそうだな。
スッカリ出来上がっちゃってるぞ、コレ。
左の白いギターを抱えているのがマスターのNaoさん。
「Marshall以外は使わない」という大のマーシャリスト。
残念ながらお店にお邪魔したことはないのだが、Marshallがドッサリ用意されていると聞く。
実にありがたい。
タイトルは「酎ハイの王様」なのね?
焼酎飲みながらハイキングするのかと思った。

60ナゼかと言うと、実は私はNaoさんと酒席をご一緒させて頂いたことがあって、その酒豪っぷりに仰天したからだ。
Naoさんなら焼酎をストレートでガブ飲みしながら野山の全力疾走するなんて、おちゃのこサイサイだろうと思った次第。
私もサラリーマンから、ミュージシャンから、色んな人と酒席を共にしてきたが、直さんはかなりイケる部類に入るだろうな。
さすがにレスラーや相撲取りと勝負するとそうなるかわからないが、ま、十分に渡り合えるだろうな。
かつて大酒豪と謳われた五代目古今亭志ん生は、関東大震災の時に、「こんなに揺れたんじゃ東京中の酒屋の酒が全部地面に飲まれちまう!」ってんで、家族を放っておいて酒屋に走ったという人。
「こんな時にナニやってんだ?酒なんかどうでもいいから好きにしない!」と酒屋の主人はトットと避難した。
志ん生は大よろこび…スゴい人がいたモノである。
その志ん生が双葉山に飲み比べの勝負を申し込まれたことがあったという。
双葉山は身長180cm、体重135kgとお相撲さんにしては決して大柄な部類ではないが、69連勝といういまだ敗れられていない記録を持つ大横綱だ。
その酒量も横綱級に間違いない。
この時、志ん生はすでに他のところでかなり飲んでしまっていて、スッカリ出来上がっていたのだが、「酒飲み」のメンツにかけてこの勝負を受けた。
結果…この時はさすがに双葉山に軍配が上がった。
しかし、もし志ん生が先に飲んでおらず、素面の状態で勝負に挑んでいたら志ん生が勝っていただろう…と自分で言っていた。それほどの大酒のみだった。
やっぱNaoさんもコレぐらいイケるでしょう。白鵬との取り組みが見てみたいものだ。
だから「酎High KING!」。
下の写真は手前から、おなじみMarshallの社長ジョナサン・エラリー、家で飲むと安心してすぐにウトウトしてしまう私、そしてNaoさん。
山口県柳井市のMarshall MUSEUM JAPANオープン時の時のショット。
たかだか5年前のことだけどなつかしいな~。

70またNaoさんは、このヒロアキくんが作った曲を大層気に入り、自分のプロデュースでCD化してしまった。
二井原さん、恭司さん、SHARAさん、てらちん等、ケラウスランブラにゆかりのあるミュージシャンがこぞって参加しているスーパーセッション作品に仕上がったとのこと。
Naoさん、ホントにこの曲がうれしかったんだね~。
ヒロアキくんはいい仕事をしたね!

Sho  
  

3. 府中に夢中
寡聞にして「府中市」が東京の他にもあることを知らなかった。
そのもうひとつとは、広島県府中市。
ヒロアキくんはその府中市に2つ作品を提供している。
まずは「府中に夢中」。
下が府中。
市内に芦田川が流れる人口4万人弱の盆地。
市長さんが戸成さんとおっしゃるようだ。
自分の町の市長なのに「となり市長」ということになる。
「となりの市長」と言ってもジブリは関係ない。
さて、「府中に夢中」の歌詞はかつての五木ひろしの「横浜たそがれ」に似たつくりをしている。
山口洋子は演歌に頻出する単語を並べてこの曲の歌詞を作ったというが、「府中に夢中」は、花から虫から名所旧跡まで、府中の魅力をズラリと並べた内容となっている。
作詞は府中の子供さんたちとヒロアキくん。
ヨカッタよ、コレ、子供たちで。
こんなのオッサンにやらせたら、「♪府中よいとこ、温泉入って、酒かっくらって、ウマいもん喰って、また温泉入って、酒かッくらって…」ってな内容に絶対なっちゃうからね。
ヒロアキくんが編む愛らしいメロディに自分の町を愛し、称える子供たちの歌詞がうまく合わさったほほえましい一編。
しかし、そんなにいいの、府中って?
…と思ってチョコっと調べてみると…

80もう、こんな街並みを見ただけで行きたくなっちゃうね。
時折マーブロに紀行文を寄せているように、私はロンドンに行くようになってからというもの、古い町並みが大スキになっちゃってさ。
ホントにこんなんなってんすか、府中?
いいな~。
ところで、ヒロアキくんは山口県下関の出身だ。
それなのにナンだって広島のいち都市の歌を作ってるんだろうか?
不思議でしょ?
そのいきさつはカンタン。
府中市にお勤めのヘビメタ好きの切原さんという方がヒロアキくんの大ファンだったから。
こう書いてしまうとそれまでなんだけど、物事そう簡単にはいきませんからね。
実現までの道のりは長かった。

90切原さんは、故成毛滋さんの関係でヒロアキくんが参加したギタリストのコンピレーション・アルバム『Voo Doo Doll』(1995年)を聴いてヒロアキくんのプレイに注目した。
このCDにはヒロアキくんが今でも演奏している「Fly Away」と「Stranger Destroys Arms」の2曲が収録されていた。
そして、2000年。
全国ネットのラジオで14年間にわたり毎週オンエアされた『Heavy Metal Syndicate』で使用されたジングル、この『THEME PARK』にも収録されている「シンジケート・アドレス(後出)」がヒロアキくんの作品と演奏であることを知って狂喜乱舞。
以降、二井原さんのアルバム『Ashes to Glory』に参加したことなど、徐々にヒロアキくん周辺の情報が増え、下関でライブがある際は欠かさず足を運ぶようになった。
…なんて簡単に書いたけど、アータ、その距離たるや片道300km弱よ。
どんだけ好きなのッ?…「惚れて通えば千里も一里」ってヤツだね。
そうしている内に「いつか、田川さんに府中の曲を作って欲しい」という気持ちが芽生えた。
そして遂に、20年越しの思いがかない、府中の市政60周年を記念する2曲が完成したのであった!
こうして市に熱狂的なメタル・ファンの職員さんがいらっしゃらなければ、このアルバムの3曲目は「焼酎に夢中」になっていたかも知れない(また焼酎かよ!)。
さて、場所は変わって町田のライブハウス。
今月のはじめに開催された『THEME PARK』のレコ発ライブの会場でのこと。
終演後、カメラを片付けていると、「あの~」とお声をかけて頂いた方があった。
その方は銀色の鋲が無数に付けられた黒い上下のへヴィメタ・コスチュームに身を包み…というのはウソ。
ご丁寧にお名刺を差し出しながら自己紹介した方は当の切原さんだった。
「いつもMarshall Blogを楽しみにしています!」とおっしゃってくださった。
とてもうれしかった。
私が、この次に出て来る府中の名産品でもある「タンス太鼓」の話を持ち出すと、切原さんは「あ、アレは私のアイデアなんですよ!」と、うれしそうなお顔をされたのがとても印象的だった。
大変おとなしく温厚な方で、ヘヴィメタルのコンサートでコブシを突き上げてデス声を張り上げているようには見えなかった。(多分されていないと思う)
下の写真は地元のダンスチーム「トゥインクルハート」とのコラボレーションで「府中に夢中」を演奏しているところ。
舞台の裏の瓦屋根の家が気になるな…。
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4. Lofty Tree
府中シリーズの第2弾。
切原さんから「へヴィメタルでお願いします」との注文を受け、好きにやっちゃった1曲。
あ~あ…。
府中はモノ作りが盛んな町で、世界的なダイキャスト・メーカーのリョービや機械メーカーの北川鉄工所が現在でも本社を置いているところ。
江戸時代から家具づくりの伝統を受け継いでいて、その製品は「府中家具」として知られている。
チョット話は反れるが、アンガールズの田中卓志ってのはココの出身なのだそうだ。
イヤ、それだけではなくて、平幹二郎も府中の出身。
私が一番驚いたのは松本英彦。
もう亡くなってしまったが、ソニー・ロリンズ直系の日本を代表するテナー・サキソフォニストで、ジョージ川口や小野満らと組んだビッグ・フォーは1950年代、アイドル的な人気を誇った。
そのピアニストは中村八大だ。
私は生前富山で一度だけ松本さんの演奏を見たことがあった。
もうかなりのおジイさんだったが、プレイは恐ろしくモダンで音もメチャクチャカッコよかった。
話を戻す。
この曲はすでにTAGAWAのセカンド・アルバム『Wind』にも収録されている。

10cd_2『Wind』の時は「備後しんいち鬼炎太鼓」のみなさんとの共演だった。

96だから曲は以前から知っていた。
今回は『Wind』に比べて気持ちテンポが遅めなのかな?
サビのメロディはヒロアキくんならでは「校歌テイスト」が炸裂。
コレでいいのだ。
しかし、メロディの歌わせ方がウマいよね。
本当に歌っているようにギターを弾く。
でも知ってた?
当たり前のことなんだけど、ヒロアキくんの弾くギターって、呼吸も含めて歌い回しが実際に歌っている時と全く同じなんだよ。
つまり、ギターを弾いている時は歌っている時なの。
聴いたことはないけど、「Ave Maria」を歌わせたら、間違いなくギターと寸分違わない歌い回しをするよ。
それとギターの音もいいね!
Marshallだからね!
  
今回の「Lofty Tree」はヒロアキくんの完全単独パフォーマンス。
だから冒頭の太鼓の音もヒロアキくんが府中名物の「たんす太鼓」を使って録音した。
ヒロアキくんは曲ができるずっと前にこの太鼓を打っておいて、今回その時の音源を組み合わせたそうだ。
ダウンジャケットを着て打っている。相当寒かったのかな?

Ht この「たんす太鼓」は家具づくりのノウハウを活かし、胴を府中で製作。皮については石川県は松任の老舗太鼓メーカー、浅野太鼓に製作を依頼したそうだ。
実は、前の会社に勤めていた時、一時期私の隣の席にはこの浅野太鼓の御曹司が座っていた。
とってもいい子だった。カメラが好きで、私が撮ったライブの写真をいつも興味深そうに、また熱心に見てくれた。
彼、どうしてるかな…って私よりゼンゼン立派になっちゃったにキマってるわな!

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5. 維新の言霊
ヒロアキくんは「よさこい」への作品提供も盛んに行っている。
「よさこい」の作品だけをコンパイルしたアルバムもリリースしているのはファンの方ならご存知であろう。
160cd私はこのヒロアキくんの「よさこい」の仕事をとても高く評価している。
最近は高梨康治さんの「刃」のように和楽器を組み合わせたロックも盛んになってきているようで、何かの機会にヒロアキくんの「よさこい」作品が耳目を集めるようにならないかと期待しているのだ。
ナゼかって?
だってカッコいいじゃん。
「ロック」と「和」の融合ということは70年代から幾度となく取り組まれてきたことだけど、このヒロアキくんの「よさこい」はそれがかなり自然な形に仕上がっていると思うのだ。
時代が追いついたということなのかもしれない。
それとね、ひとつ気が付いたのは、最近の若いロック・バンドってかなり平気でドンガラガッタ風のメロディを取り入れているんだよね。
この手法こそが、もしかした真の「日本のロックの独立」なのではないか?とも感じたりもするのである。
180さて、この「維新の言霊」は下関のよさこいチーム「馬関奇兵隊」の代表曲だ。

120下の写真でヒロアキくんの右隣にいらっしゃるのが馬関奇兵隊リーダーのシリモンコン・ルーパスパットさん。
あまり日本語が得意でないのが難点だ。
あ、チガウわ!
コレは私の人生で一番暑かった2015年8月に山口市阿知須きらら浜で開催されたボーイスカウトの世界大会で撮影した時のもの。
この時、初めてナマの「よさこい」を拝見した。

150ヒロアキくんと談笑しているのがホンモノの馬関奇兵隊の総督、濱崎康一さん。
ありがたいことに濱崎さんも熱心なMarshall Blog読者でいらっしゃる。
こんなにたくさんの方々に読んで頂いてMarshall Blogはシアワセだ。

130ヒロアキくんの演奏に合わせて、いくつもの連が一か所で踊る光景はまさにスペクタクルだった。

140この時はバッキングトラック+ヒロアキくん+村岡山口県知事というフォーマットだった。
いつか、生のバンド演奏でヒロアキくんの「よさこい」に合わせて馬関奇兵隊が踊るところを見たいナァ。
この「維新の言霊」を聴いてその思いが募ったよ。

170ソリッドでハードな演奏の間で素晴らしいノドを聴かせてくれるのは清野明子さん。
生まれは横浜だが、2歳半から民謡を始め、全国レベルの民謡大会の賞を総ナメにした日本を代表する民謡歌手だ。
日体大をご卒業されているのがおもしろい。




Ak 美瑞穂さんによれば、底抜けに明るい方で、ナマの声は相当スゴイらしい。
濱崎さんのご縁で今回のレコーディングにご参加頂いたとのこと。
あっさり2テイクで撮っちゃったって!

Ak_2 歌詞では下関の歴史に欠かせない人物たちの言葉を連ねている。
「高杉晋作は男の中の男 エライじゃないか」…高杉晋作は江戸に出て来て、尊敬する師の吉田松陰の骸を小塚原(今の南千住)に掘り返しに行ったっていうんだよね。
小塚原には刑場があって、ナント、江戸年間で20万人がそこで処刑されたという。
昔はチョットした悪さでもすぐ死刑だったから。
明治になって廃止となり、今はJRの敷地になっている。
つまり民家が建てられないようにしてあるのだ。
ナゼか?
最近まで、夜はタクシーがその辺りに近寄らなかったという……そういうことです。♪明るく元気にいきましょう。
このあたりも興味深い話がゴロゴロしていましてね…また今度。
  
「恋は思案の他…とやら」というのは坂本龍馬の俚謡の一節。
何でもNHKの大河ドラマで福山雅治が歌ったらしいが、今回ヒロアキくんはオリジナルのメロディを付けて清野さんに歌ってもらった。
「俚謡(りよう)」というのは「里謡(さとうた)」と同じ意味で、民衆の間で歌い継がれた地元の歌のこと。
下関の遊郭で遊んで朝帰りをした龍馬が、怒って帰りをまっていた奥さんに向かって歌ったところ、彼女は笑い出してしまったという。
奥さんは「おりょう」さんだっけ?
この文句の意味は「男女の恋情は常識で説明できるものではない」ということ。
大変平たく言うとこの場合、「ヘソ下三寸、人格なし」ということになりますな。
それを笑って許したおりょうさんが立派!と考えるのはそれほど当たっていない。
江戸時代、幕府公認の遊郭である吉原は、鼻の下を伸ばしたオッサンがニヤニヤしながら行くところと思ったら大間違い。
吉原は当時、観光客が大挙して訪れる江戸の一大観光エリアだった。
それこそ当時の「テーマ・パーク」よ。
今のディズニーランドよりはるかににぎやかなアミューズメント・スポットだったのである。
それゆえ、男性がそこに遊びに出掛けるのは、度が過ぎない限りは家庭内で問題にしなかった。
「オイ、チト吉原へ行ってくらぁ」と旦那が言うと「あいよ、行っといで。遅くなるんじゃないよ、オマイさん」ってな具合。
反対に、「不倫」は「下の下」とされ、ご法度扱いだった。
「不義密通」は重罪で、ケースによってはさっきの小塚原に連れていかれれ、男女ともにカンタンに首を落とされた。
だから幕府、つまり政府はそうした遊び場を作って、そっち方面のストレスを発散させたんだね。(他にも理由あり)
もちろん、それなりに金がかかるので、稼ぎの少ない町人はそうおいそれと行けるワケでなかったことは付け加えるまでもあるまい。
そして、吉原以外の幕府が認証していない遊郭を「岡場所」と言った。
そうした岡場所は全国各地にあって、恐らく下関にもあったのだろう。
当然、龍馬もそこへ遊びに出掛ける。
そのこと自体は問題ではなくて、龍馬が朝帰りをしたことがおりょうさんの機嫌を損ねたのではないか?
吉原の場合は、夜中の2時に営業を終了し、宿泊した客は朝6時に店を出なければならない。
ちゃんと係りのモノが起こしに来るのだ。
龍馬はコレをやったのではないか?
当然、お泊りとなれば金もかかるし、おりょうさんに寂しい思いをさせることになるからね。
あることがキッカケで現在吉原のにわか研究をしております。
近日Marshall Blogで研究結果を発表しますので乞うご期待!
  
ところで、この曲は最初のインストのロック・パートの後、清野さんとヒロアキくんのデュオになるでしょ?
都都逸のパート。
ココでヒロアキくんは中国琵琶をJMD50に通して弾いたそうだ。
JMDシリーズはMarshall初のデジタル・アンプ。かつてヒロアキくんはそのコンボを愛用していた。
そうだよね、コレ琵琶の音だわ!三味線じゃないじゃん!
一応書いておきますが、落語なんかを聞いていると、どうも三味線の音色は陽気で、反対に琵琶の音色は陰気ということになっているらしい。
ま、演目の内容がゼンゼン違うからね。
以前にも書いたが、戦前は「琵琶語り」という音楽がモノスゴイ人気だったんだよ。
それが戦後、演者側の団体がゴタゴタしているウチに人気を失い、聴き手がいなくなりほぼ絶滅してしまった。
今、「絶滅」という意味では、トラディショナルなロックも同じ運命にあるのではないかと真剣に心配している。
で、真ん中あたりで清野さんがロック・ビートに乗って入ってくるんだけど、そこが気持ちいいんだ。
犬神サアカス團みたいなんだな。
そうそう、犬神凶子さんの歌い方って民謡なんだよね。
つまり、力まない。ス~っと声を出してくるんだ。
だからとても日本的で品があって美しい。
私は黒人のマネをして力んで歌う日本の女性歌手がもうどうにもならないぐらい苦手なのだ。
そして、その後はハード・ロック満開!このパートのカッコよさったらないよ!
このアルバムの聴きどころの1曲と言えるのではあるまいか?
  
  
6. 笑顔らんまん
続いても「よさこい」。
今度は下関の菊川町というところの子供のよさこいチーム、「綺楽凛」のナンバー。

Kirari_2 軽快な和風のメロディのテーマからシャープなギター・ソロを経てスリリングなキメへ。
その後、ガラッと様相を変え、可愛らしい歌が続く
歌を歌っているのはAYANOちゃん。
いい声だ。
何のてらいもなくストンと歌っているところがとても気持ちがいい。
下の写真のヒロアキくんの両側はAYANOちゃん(右)と「菊川よさこい連合」代表の畑村則子さん。
子供歌というのは案外大きなパワーを秘めていて、ヒロアキきんはそれを知っていてこのパートのメロディを紡いだに違いない。
そしてまたアップテンポになりハッピーハッピー。
このパート、コーラスで美瑞穂さんが参加しているのを聞き逃してはならない。
和太鼓の採用もさりげなくていいね。

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7. Victory!
まぁ~、ホントに色んなことやってるわ。
コレは知らなかった。
下関の「関門JAPANボクシングジム」のテーマ・ソング。
血汗が飛び交うハードなイメージからガッツリと激メタル調で作ったところ、「チョットこれは…」とNGが出されてしまったという。
なるほど、気を取り直して出来上がったのは「勇気あふれる熱きメロディ」って感じ?
気合いだ、気合いだ、気合いだ!
コレ、やったね~…真ん中のギターのハモリのパート。
メッチャかっこいいわ。
今回の作品はJVMを手に入れたということで、徹底的にギターの音に凝り、JVMの機能を使いまくったという。
意地でそうしたのかどうかは知らないが、何しろ、JVM210Hの持つチャンネルとモード、6種類のサウンドすべてを使ったという。
あ、近々、『あしたのジョー』の故郷ってのをMarshall Blogで案内するのでお楽しみに。

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7. KRYニュースライブ
「KRY」とは山口県で最も古い放送局「山口放送株式会社」のこと。
何で「KRY」なの思うよね?
その心は「KK.RADIO YAMAGUCHI」だそうだ。
そのニュース番組のテーマ・ソングをヒロアキくんが作曲している。

_img_0189アレ?
ヒロアキくん、山口へ帰るとずいぶんルックスが変わるんだな~…とは思いませんね。
「はい、みなさんこんばんは」と、ついつなげたくなる曲調はさすがヒロアキくん。_img_0191実は私はこのKRYの方々と接触したことがありましてね、編成業務局企画事業部長なんて方とご挨拶したことがあった。
それも柳井市にMarshall MUSEUM JAPANがオープンした時のことだ。

200KRYの方々が取材にお見えになったのね。

210ジョンもブラ下がりで取材を受けちゃって!
コレもなつかしいな~。
ちなみにヒロアキくんは後年、この場所で「手数セッション」として演奏したことがあるのだ。
KRYは来なかったようだ。

220<後編>につづく。
次回はジャケット制作の現場からスタート。衝撃的なモノをお見せします。
 
(一部敬称略)