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2018年8月 9日 (木)

スピンオフ四人囃子のスピンオフ!

 
去る5月12日に名古屋のBOTTOM LINEで開催された「スピンオフ四人囃子」。
スターダストレビューの根本要さんと西山毅さんを迎えた第三の四人囃子<番外編>。
この第三四人囃子…などと書くと「34人囃子」みたいで、将来「HYS34」なんてことになりそうだが、Marshall Blogでも3回にわたってレポートした通り、このコンサートは予想通り大盛況で、東京での再演が強く望まれつつ今日に至っている。
いいね、東京で開催されたら…。
で、それに先立っているワケではないのだが、名古屋に行けなかった関係者とコンサ―トに関わったスタッフをお招きしてイッパイやりながら当日のコンサートのビデオをみんなで鑑賞する会が過日催された。
光栄にも私もご招待に預かり、末席を汚させて頂いて来た。
今日はそのレポート。

10v開宴時間になり、ステージに姿を現したのは司会進行の灘井敏彦さん。
名古屋公演に関してと、この会の主旨が説明される。20Marshall Blogが四人囃子のことを取り扱う時には四人囃子研究家の灘井さんに何かとご協力を仰いでいる。
コンサート当日はステージ周りの業務で大忙しだった。

30vそして、ココで早速四人囃子のメンバーからひと言。
まずは大二さん。

35v「どんな形でもいいから四人囃子の音楽を演れ!…と言われて名古屋で開催することになったんですね。
四人囃子のメンバーは今年で65歳、佐久間(正英さん。故人)は67歳。
もう本編を終えてアンコールの時代に入りました。
アンコールは望まれるからこそ応えるモノです。
メンバーが残した作品を皆さんに楽しんでもらえるのであれば、今後も演っていきたいと思っています。
これからもよろしくお願いします」
大拍手!
大二さん、私が知っている大人気バンドで、ヘタをすると本編よりアンコールの方が長いバンドもいますから!

40vそして、ビデオ鑑賞。
以下に掲載する当日のコンサートのライブ写真はすべて未発表のモノ…のハズ。
こういうところはMarshall Blogは手が込んでいる。
ご挨拶の写真はすべて携帯で撮影しています。
  
まずは「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」と「おまつり」。
ビデオは2階席から撮った定置カメラの映像だが、今のビデオってスゴイね。とても上質な画像と音声なの。
子供が大きくなってからというものビデオ・カメラなんて一切イジらなくなったけど、隔世の感がありますな~。

502曲が終わったところで坂下さんのご挨拶。

63v「ギターも素晴らしい。歌も素晴らしい。
それぞれの個性が出ていてすごくヨカッタと思います。そしてこれからも出来そうだ…と思いました。
囃子のメンバーは2人ですが、こういう形で演るのもいいな、と思っています」
当然大拍手。

64vビデオ再開。
ココからは西山さんが加わって第三の四人囃子が五人となる。ね、「345」と気持ちイイでしょ?
曲は「眠たそうな朝には」と「機械仕掛けのラム」。

60そして、ご挨拶は山崎さん。
山崎さんは稲葉政裕さんとの「第一スピンオフ」から参加されていらっしゃって、Marshall GALAにもご登場頂いた

65v「四人囃子は楽しんで演らせてもらっています。変拍子や複雑な曲が多いのですが、ナゼか演りやすいんですよね。
また続きが演れたらうれしいな…と思っています」
灘井さんの記録によると、山崎さんはこれまで8回ご共演されているそうだ。

70vビデオ再開。
もちろんコンサート通りの曲順で「昼下がりの熱い日」と「ハレソラ」。80vそして、西山さんがステージに上がった。
「今年になってベストワンのライブでした。こんなに楽しいライブって他にないです。
去年の12月に大二さんからお誘いを受けたんですが、すぐにはお返事せずに『一日考えていいですか?』とお答えしました。
そして、日本のロックに欠かせないバンドでボクがやるなんて自信がなかったので一旦はお断りしました。キチンと出来なければお客さんに失礼だ…と思ったんです。
でもやっぱりやってヨカッタ!
足が震えちゃったけど、このライブは本当にやってヨカッタと思っています」
そしてミツルさんがギター回しをされていたというお話に触れた。
この日、西山さんと話していてビックリしたんだけど、あのギター回しには2通りあって、普通はギタリストから見て左に向けて回すんだけど、その逆のパターンもあるんだって。
SHOW-YAはその逆パターン。
確かに!西山さんに言われて初めて気が付いた。

90v続いてのご挨拶は、長年にわたって四人囃子の音楽を追及している…すなわちコピー・バンドをされている四人小囃子の勝又さん。
下の写真は小野瀬雅生さんのスピンオフの時に西荻窪のTerraで撮影したもの。
この時、私にまでずいぶんよくして頂いちゃって…。
この時のレポートはコチラ
左から2番目が勝又さん。
当然当日は名古屋まで足を延ばされた。

100「コンサート当日はいつもながらバツグンの演奏で、ドキドキワクワク…とても楽しかったですね!そしてあんなに笑いのあるライブはかつてありませんでした。あんなに長いお客さんの列ができるライブもなかったですけどね!」
そう、もう超満員だったから!
少しでもお客さんの邪魔にならないように写真を撮るのにかなり気を遣いました。

110ビデオの方は『ゴールデン・ピクニックス』から「なすのちゃわんやき」。
そう、灘井さんも曲を紹介する時に、当該の曲が収録されているアルバムの名前を挙げていらっしゃった。
ナゼか自然にそうやりたくっちゃうんだよね。
自分が作ったモノでもないのに、そのアルバムを自慢したくなっちゃうのよ。
一体誰に自慢しているのかもわからないんだけど、自分がとても大事にしている宝物を見せているような感じ?

120既報の通り、当日のステージにはMarshall、NATAL、EDENが並んだ。
大二さんの愛器、バーチのキット。

290_2山崎さんのベース・アンプはEDEN WTP-600とD410XST。

320v 西山さんにはASTORIA CLASSICをご使用頂いた。

400_2 次のご挨拶は機材周りをご担当された南澤則賀さん。
「大二さん-南澤さん」ラインのご協力なくしてはMarshall、NATAL並びにEDENをステージに配置することはできなかった。
「27年前に大二さんにお会いしてお仕事を手伝わせて頂いたんですが、そのご恩を仇ですらお返ししないでいました。そして、ヒョンなことからまた大二さんとご一緒する機会があって、うれしいことにこの四人囃子のお手伝いをさせて頂きました。
20年ぶりぐらいに四人囃子のローディをやらせて頂きまして、また音楽の楽しさを感じることができました。
今、私はマニピュレーターの仕事をしているので、次はプロのローディにお願いしてもらうことにして…イヤ、岡井大二のドラムはオレが運ぶぞ!って思っています」
岡井大二のドラム・キットはNATALです。よろしくお願いします!

130v正直、みんなでビデオを見ながら一杯やってワイワイ騒ぐのかと思っていたら、トンデモナイ!
皆さん食い入るようにスクリーンに見入ってるんだよね。
そして、楽しい時間は過ぎるのも早ようございまして本編最後の曲。エエ~!
曲は「一触即発」。
「この大人気曲の後の人は挨拶しにくいだろうナァ~」と思っていたら…

140オレ。
ただの業者なのに…。
皆さん、Marshall Blogの記事をご覧頂いたようでとてもうれしかった。
この記念すべきステージにMarshall、NATAL、EDENが並んだことに関する喜びと誇りの気持ちを述べて、後はいつも通り…どうでもいいようなことを心を込めてお話しさせて頂きました。
「アンプは?」「マーシャルッ!」…皆さん、ご唱和ありがとうございました。

150vビデオの方は当日アンコールとして急遽セットリストに組み入れられた「泳ぐなネッシー」。
当日のビデオの上映はコレで終了。 

160他にこのコンサートを企画し、当日ご自身のバンドThe BECK'sでご出演を果たした野田欣志さんが客演した「レディ・ヴィオレッタ」。

1_0r4a2832

「カーニバルがやって来るぞ」が演目としては残っていたのだが、収録の状態を考慮して上映を見合わせることになった。

3_img_0367 最後にもう一度大二さんと坂下さんが登場。

190大二さん:思ったより面白かったね。来てくださった方々とお手伝いしてくださった方々のおかげです。またやりたいね。
坂下さん:やりましょうよ!元気なウチに…もうアブないから。
170v大二さん:やっぱり音楽は発表された作品がすべて…。守りたいのは「四人囃子」の名前。埋もれさせたくない。ラクな形で守れてイケればいいねと話しているんです。色んなミュージシャンにも手伝ってもらって楽しくストレスなしに続けていきたいですね。
坂下さん:守るんじゃなくて、攻めなきゃダメッ!

180大二さん:こうやっていつもケンカしてます!とにかくやれるウチにやりましょう。皆さん、これからも応援よろしくお願いします!
しかし、坂下さん、デカいな~。
そう四人囃子で驚いたことのひとつは皆さんのデカさ。
佐久間さんも大きかったからね~。
「ミュージシャンは小柄」とほぼ相場がキマっているでしょう?
そういう意味でもこんなバンドは珍しい。
要さんなんか、「チャイチーズ」っていう小柄なミュージシャンだけのバンドを結成してコンサートをやったとか。
会場へ入る順番は「背の順」だったんだって!
ちなみに、この上映会では尺の都合で要さんのMCはカットされました。要さんのMCはMarshall Blogでお楽しみください。

660_img_7125 こうして「スピンオフ四人囃子のスピンオフ」の本編は終了。
アンコールに突入した。

220アンコールは1989年9月にMZA有明で開催された再結成コンサート『Full-House Matinee』の映像。
29年前!
私は観ていない。ナゼなら以前勤めていた会社の赴任先の長野にいたから。
そもそも「MZA有明」ってのすら知らないのです。
でもCDは持ってる。映像もリリースされたのは知っているけど、見たことがなかった。

200cdLaser Discですよ。
私もずいぶん集めた。Dizzy Gillespieや穐吉敏子、Bruce Foremanがギターを弾いているRichie Coleに渡辺香津美、Johnny GrrifinにFrank Zappa、Woodstockが数枚…といくつか大切な盤があるんだけど、再生する機械がないので見ることができない。
DVDで買い直すのもどうにも抵抗があるし、果たして生きているウチに見れることがあるのだろうか?
今や「レーザーディスク」なんて言葉は吉幾三の歌の中でしか出て来ないもんね。
その貴重な映像を惜しげもなく4曲も見せて頂いた。
も~、みんな若くて細いのなんのって!

210ld私の挨拶の中でも触れたんだけど、若い人にも四人囃子の音楽は十分に通用するんですよ。
良いモノは良い…ということ。
現にウチに出入りしている24歳のギタリストもスッカリ「Lady Violetta」にハマってしまって、かわいそうに私のいい練習台になっている。
大二さんのおっしゃる通り、「音楽家は作品を作り出して後世に残していくこと」こそが仕事。コピーを演ったり、タオルを売ったりするのが仕事では決してない。
話はトビトビになるが、私は仕事柄若いバンドさんが集まるライブに接することがよくあるが、驚くよ、どのバンドもよく似通っていて。
まずね、歌い手さんの声がどれも似てるの。歌い回しもそう。私には全部ミスチルに聞こえる。
当然曲も似たり寄ったりで大差ない。
名古屋で野田さんと要さんのMCがドンがぶりして、ふたりとも四人囃子が出演した1974年の「ワンステップ・フェスティバル」のことに触れていた。
今、あのコンサートの出演者を見ると;
ウエスト・ロード、サウス・トゥ・サウス、ミカ・バンド、外道、キャロル、夕焼け楽団、クリエーション、サンハウス、センチ、シュガー・ベイブ、めんたんぴん、あんBAN、そして四人囃子…すべて挙げていたらキリがないのでこれぐらいにしておくが、どう思いますか?
豪華なメンツ?
イヤ、そうではなくて…。
一度聴いたら忘れることができないような強烈な個性を持っているチームばかりじゃんね。
欧米のバンドを手本に、みんな何とかして他のバンドと違うことをやろう!と必死に自分たちのオリジナリティを追求していた時代だ。だ~か~ら、70年代の前半までのロックが一番オモシロイ。
ところが、今の多くの若いバンドさんはみんなと同じことをやるのに必死になっているようにしか見えないワケ。
人と違う音楽をやっているとフェスにも出れないし、枠の外へハジキ出されてしまう。
シュレッダー系の人たちも同じ。イングヴェイ・マルムスティーンになろうとすることで疲れ切っちゃう。
そこから先、その華麗なテクニックを利用して自分だけの音楽を作ることこそが腕のみせどころなのに…。そもそも、もう速弾きに驚く人っていないでしょ?
みんな才能があるのにモッタイナイ!
だから四人囃子のような音楽を聴いて勉強してもらいたいワケよ。
コンテンポラリーなヘヴィメタルしか聴かなかった私のところに来ているその彼はとてもラッキーだったと思う。
知っているのと知らないのとでは大違い。大ゲサに言えば人生が変わったんじゃないかしら?
とにかく色んな音楽が出て来て、音楽界が活性化してくれないと商売に差し支えがあるんですよ!コレが私の本音。
 
コレでもう、スピンオフ四人囃子が続いて行くことはキマったんだから、将来のライブ会場の客席が若い人たちで埋まっていることを期待したい。
そして、その若い子たちが後年、自分たちの子供にこう説明する…「おジイちゃんはこういう音楽を聴いて楽しんでいたんだよ。パパは最初は好きではなかったんだけど、聴いているウチに大好きになったんだ。いい音楽だからね。だからキミも四人囃子の音楽を聴いてみるといいよ。気にいったらキミの子供に四人囃子を教えてあげなさい」って…いまやビートルズの音楽ですら伝承が危ぶまれていることを知っていて書いた。
しかし、四人囃子の音楽にはそれだけのパワーとオリジナリティがある。
元気なウチはがんばれ「スピ4」!
 
灘井さん、お疲れさまでした!

580四人囃子の詳しい情報はコチラ⇒①Official Web Site ②facebook

 
※『スピンオフ四人囃子 feat. 根本要&西山毅』はコチラ。「私の〇〇」シリーズと併せてお楽しみください!

スピンオフ四人囃子 #3 <前編>:The BECK's と∞Z~私の有松
スピンオフ四人囃子 #3 <中編>:スピンオフ四人囃子~私の猿田彦様
スピンオフ四人囃子 #3 <後編>:スピンオフ四人囃子~私の光太夫

 

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200_3
(2018年7月31日 新宿・御苑サウンドにて撮影)