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2020年6月17日 (水)

【Marshall Blog Archive】田川ヒロアキ in 美ぎ島~私の宮古島 <前編>

 
今年の夏は暑いんだってね~。
夏が暑いのは当たり前だし、暑くなってもらわないと色々と困ることも多いんだろうけど、必要以上の猛暑はとにかくカンベンして欲しいわ。
…と今からこんな弱気でいたんじゃ、もはや亜熱帯気候と化した日本の夏を乗り切ることはできそうにないな。
でも、暑いのはニガテ。
そんな私が南の島へ出向いたのはもう9年前のこと。
行き先は宮古島。
2011年5月に開催された『美ぎ島ミュージックコンベンション・イン・宮古島』に田川ヒロアキのオフィシャル・フォトグラファーとして参加させて頂いたのだ。
昨年3月にベトナムのホーチミンを往訪するまで我が人生で一番暑かったと思われる、山口県で開催された『世界ボーイスカウト・ジャンボリー』といい、ヒロアキくんに関わっていると日に焼けること、日に焼けること!
でもこの時は覚悟して行ったワリにはそうでもなかったのね。
『美ぎ島ミュージックコンベンション・イン・宮古島』は今年も5月下旬に開催を予定していたがコロナの影響で延期となった。
15回続いたこのビッグ・イベントも今回が最終回ということで、たとえ1回でも参加させて頂くことができて本当にヨカッタと思っている。
ヒロアキくんに大感謝。
そして、最後のコンベンションが無事に開催されることを祈っている。
 
今回のMarshall Blogは、もう消去されてしまったその時のレポートを全面的に構成し直して2本立てでお送りする。
ハッキリ言って書き下ろした。
9年前の記事だからね、ご覧になっていない「田川ファン」も大勢いらっしゃるのではないかしらん?
お楽しみいただければ幸いである。
05私はこの時まで九州より西というか南に行ったことがなくて、沖縄県に初めて訪れた。
那覇で乗り換えて宮古島へ。
ヒロアキくん一行と家内は異なる航空会社の便でひと足先に沖縄に入っていたので、私はひとり旅。

10そういえば、ナゼか飛行機の中で新田次郎の『アラスカ物語』を読んでいたんだね。
タイトルが示す通り、極寒の地の物語だ。
飛行機の中の効きすぎの冷房も手伝って、アタマの中はすっかり寒冷地仕様。
到着して空港の外に出た瞬間、あまりに熱気にビックリしたわ。
でも、今にして思うとホーチミンほどではなかったな。
湿度のランクが違う。
 
新田次郎はいいね。
自身の職歴を活かした山岳小説はもちろんのこと、『武田信玄』や『新田義貞』のような歴史ものまで、滑らかな筆致で読む者をグイグイ引き込んでいく。
このアラスカ物語もメチャクチャ面白かったな。
夢中になって、危うく乗り過ごして台北まで行っちゃうところだったよ…電車じゃないってば!Am_2タクシーで街中に向かう。
とにかく誰もいない!
立ち並んでいる家々は押しなべて四角いRC造り(Reinforced Concrete=鉄筋コンクリート)。
とにかく四角い。
小じゃれたデザインの家など一軒もない。
もちろん台風対策だ。
四角いシンプルなデザインにして強度を確保するワケですな。
たまに古い木造の家屋も目にするが、それらの建物にはまず2階がなく、必ず堅牢な塀に覆われている。
本場の台風のすさまじさを想像させられる…なんて、この時、ノンキなことを言っていられる境遇ではなかったんだけどね。

20奥の建物が投宿したホテル。

Img_1227ホテルで待つ家内と落ち合って早速ホテルの周辺を見て回る。
おお~、ナンカ遠くへ来たって感じがするな~。
そして、近くの食堂でゴーヤチャンプルーと宮古そばでイッパイやっといた。

30テンポが速くて恐縮だけど、コレは2日目の朝。
タクシーを呼んで家内と海を見に来た。
天気悪いでしょう~?50すぐとなりの来間島に架る来間橋を遠望する。

60タクシーの運転手にガイドをしてもらう家内。
そういえばこの運転手さん、車の中で「海ぶどう」の話を盛んにしてたな。

Img_1366 この日はヒロアキくんが登場するコンベンションの当日。
そして、コレがその会場なんだけど、何の準備もできていない。
イヤ、「できていない」のではなくて、「していない」のだ。
というのも、この頃、「戦後で2番目に大きな台風」が来襲する見込みだったのだ。
そこで、屋内会場へとを急遽予定を変更したというワケ。
台風の本場で「戦後2番目に大きな台風」…一体どうなってしまうのだろうか…。70そんな心配をヨソに町をブラブラしていて見つけた「三線教室」というのに参加してみた。

80ピックの代わりに右手の人差し指にかぶせて使う爪。
「爪」と書いて「バチ」と読むらしい。
コレに慣れるのに少し手こずったが、まぁ、弦楽器だからね…コッチもダテに長いことギターをやってはいない。
先生の後についてサラサラと弾いて見せた。
お題は「ちょうちょう」。
「♪ちょうちょ~、ちょうちょ~、なのはにとまれ」の「ちょうちょう」ね。
この曲は元々はドイツの童謡なので日本式に言えば「てふてふ」か。
「ハイ、ちょっとひとりで弾いてみて」と先生が言うので、グリッサンドしたりビブラートをかけたりしたら先生ビックリしちゃって…。
「コ、コレは教室始まって以来の生徒だ!」なんて感動してるワケ。
ま、そこまで弾いて見せればギターかなんかやっていることはおおよそ察しがつくと思うんですけどね~。

Photo そんな素朴で素敵な先生と天才三線奏者。

90天才三線奏者の出現で地元の「三線保存会」の方もワザワザ伝統衣装に身を包んで様子を見に来てくれた。
さすが伝統の衣装がサマになっている。
500円取られたけど。
小1時間もやってただろうか?
存外に楽しかったな。
人間、ホメられて決して悪い気はしません。

110vコレは3日目の様子。
ヒロアキくんの出番のコンベンションは前日に屋内で無事に終了している。
しかし、この日は天気予報通り「戦後2番目に大きな台風」が宮古島を直撃して予定されていたコンサートはすべて中止。
110どんなものかと「コワいもの見たさ」でいたんだけど、確かにスゴイ。
雨の量もいい加減すさまじいが、信じられないぐらいの強風!
街路樹をなぎ倒し、大きなホテルの建物を地震のように揺さぶってしまう。
そして停電。
明るいうちはノンキに本でも読んで時間をつぶしていればいいが、段々暗くなってくるとそうもいかなくなってくる。
お腹も空いてくるし…。
街中にハンバーガー屋があったのを思い出して、意を決して外に買出しに行くことにした。
あ、停電だからエレベーターが動かないんだった!
まさかこの風の中、ホテルの外壁にくっついている非常階段で下まで降りるほどの度胸はないし…。
ホテルのフロントに相談してみよう…と思っても、内線電話も止まってる。
携帯を使って外線でフロントにかけようと思っても受ける方の電話が使えない。
ハラ減った~。
どうすりゃいいんだ~。

120v「青菜に塩」状態でしばらくの間、暗闇の中でまんじりとしていると…「ついた~!」。
電気が復活。
あ、ありがたや~。
傘なんか全く使い物にならないので雨ガッパを着てハンバーガー屋へ繰り出した。
スゲエ雨風でサ、あんな経験は滅多にできないゼ。
こんなことやっているのは自分だけかと思っていたら、ハンバーガー屋は結構混んでたわ。
お客さん、全員グッチョグチョ!
アレ、今にして思えば、お客さんはみんな台風の恐ろしさを知らない観光客だったんだろうね。

130それではこの時ホテルの部屋から撮影した台風の様子をご覧あれ。
時間の経過がメチャクチャで大変恐縮ですが、初日、つまり宮古島に到着した午後に時計の針を戻す。
中心街からチョイと入った裏通り。
やっぱりヒッソリとしてる。

140ココでようやくヒロアキくん登場!
ホテルで落ち合って翌日のリハーサルをしにスタジオへやって来たのだ。150古式ゆかしいスタジオ。
今、スタジオというとオシャレでキレイで飲み物食べ物、弦やドラムスティックなどの消耗品も販売していて何でもござれだが、昔は東京にもこんな感じのスタジオがたくさんあった。
もっともこんなに広くはなかったけどね。
 
さっそくスタンバイ完了。
メンバーは…160田川ヒロアキ

170_2高仁範(コウインボム)。
思い返してみるに、高くんとはこの時が初めてだった。
メンバーは以上の2人。180v強いて言えばマネージャーの美瑞穂さん。
もうマッタリ・ムードになっちゃってる。
しかし、ゴミ箱やらマネキンの下半身だの…いいな~、こういうムードは。
Marshallがなかったのはマズイけどよ。

190vもちろんデュオで出演するつもりはなかったんだけど、台風で東京へ戻れなくなると次の仕事に大きな穴を空けてしまうことより、予定していたベーシストが安全を期して来なくなってしまったのだ。
急遽トラを立てる時間がなかったので、「エエイ!ママよ!」とギターとドラムスの2人体制で本番に臨むことになったのだ。
私がベースを弾いてもいいんだけど、写真を撮る人がいなくなっちゃうので、遠慮しておいた。
もちろん、「ベース弾いてくれ」なんて頼まれなかったけどね。200ヒロアキくんのア・カペラ・ギター・ソロを交えて…

210_2歌モノとインスト曲で30分間、思いっきり演奏してしまおう!というプランでリハーサルをまとめ上げた。220「やったるで~!」230リハーサルを終えて宿へ向かうバンドメンバー…といってもふたり。さて、本番はどうなりますことやら…。

240この日の夜にはコンベンションの関係者が集う「前打ち上げ」がセットされた。

250冒頭、ご挨拶をされる主催の江川ゲンタさん。

260v山崎さんと再会~!
私は私でオルケスタ・デ・ラ・ルスで活躍しているトランぺッター、佐久間勲くんに会ってしまった。
一緒になった時期はないけれど、大学の時のビッグ・バンドの後輩なの。
この3前年にはジャニスを歌う金子マリさんのバックで登場した中野サンプラザホールでバッタリ。
最近はNATALのショボンちゃんがドラムスを務めるビッグ・バンドのコンサートでバッタリ。
売れっ子なのだ。

270vこの後、勝手知ったるヒロアキくんにくっついて「ぱいながま食堂」というところへ連れて来てもらった。
「パイナガマ」については<後編>で。280やっぱりみんなコンベンションのカラミで来ている人たちなので、初めて会った人でもすぐに仲良くなっちゃう。

290ヒロアキくんのお気に入り。
「ちゃんぽん」というひと品。
コレを食べに来たと言っても過言ではないとのこと。
その名前の通り色んなモノが混ざっている。

310コレは私。
ポーク・エッグって言ったかな?
ポークといってもSPAMの薄切りなの。

300宮古島名物その名も「宮古そば」。
「ソーキそば」との違いは肉が入っているか、いないか。
「ソーク」、じゃない「ソーキ」とはブタのスペアリブのこと。
ソーキそばの肉抜きが宮古そば、とぱいながまのオバちゃんが教えてくれた。
だから値段も宮古そばの方が安いんだとか。320初日終了!
あ~、楽しかった!
 
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

330v<後編>につづく
 

200 
(一部敬称略 2011年5月26~29日 沖縄県宮古島にて撮影)