フレイズブリンガー~BLAZE FUTURE <前編>
私も「ライブハウス」なるものに通い出してずいぶんと長い時間が経つけど、池袋に来る機会ってのはほとんどなかったナァ。
最もロックに夢中だった約45年前頃に池袋にあったライブハウスを思い出そうとどんなに頭をヒネっても名前が出て来ない。
そもそもその頃って池袋にライブハウスがあったのかな?
たまたま私が見たかったバンドが出ていなかっただけで、池袋にもライブハウスがあったのかも知れない。
それでも渋谷や新宿と今も昔も大きな差があることは間違いないだろう。
ナンでなんだろうね?
豊島区がライブハウスの開店を規制する条例でも設けているのだろうか?…そんなことはないか。
今日はそんな池袋に来た。
初めて訪れる「harevutai」からのライブをレポートする。出演は、先日『新たなるメタルを求めて』と題してMarshall Blogにインタビューを掲載した男性シンガーのデュオ・チーム「ブレイズブリンガー」。
会場のロビーに飾られた祝い花の数々。
なんか変わったのが多いな。
コレなんか占いのブースみたいじゃん?
ナニか元となっているモノがあるのかな?ジジイにはわからん。カウンターではドリンクだけでなくグッズも売っているのには驚いた。
今はこんなんなっているのね?グッズのひとつ、オリジナル・ステッカー。
20円ぐらいのチョコに入っているオマケみたいだね。「20円のチョコ」といえば…森永製菓の「チョコべー」というのがあったの知ってる?
知るワケないか…50年前のお菓子だからね。
スイミング・クラブの帰りのバスの中で食べるのが楽しみだった。「チョコべー」には「ベーシール」という小さなステッカーのオマケが入っていて、自分の名前の「ベーシール」を皆欲しがったものだった。
私は「シゲユキ」なので「シゲべー」のシールが欲しかったんだけど、ついに出くわさなかったので存在しないのかと思っていた。
でも下の写真を見ると…「シゲべー」のシールあったんだね~。
しかもタイムリーなことに長嶋のデザインじゃん!
コレにはビックリ。
ブレイズブリンガー初の単独公演がスタートした!
harevutaiはステージの間口が広くてとてもいい感じ!
「ライブハウス」というより「劇場」の風情ですな。塚本"JOE"旭(以下「ジョーくん」)
アキト
松浦和亦(以下「カズマくん」)
Kabaya'n(以下「カバちゃん」)
寺沢リョータ
村田彼方(以下「シャドウ」)
まずはMVも制作したチームの自らの名前を冠したキラー・チューンを華麗にキメた!
「ブレイズブリンガー」だ!「見たか!」とでも言っているかのようなこのジョーくんの自信マンマンの表情!
続けざまに「Forgive my guilty」。
2人で会話を交わすように交互に歌ってドラマを作り出す…
ド迫力のドライビング・ナンバー。
カバちゃんのソロ。
カバちゃんが使用したMarshallは「JVM210H」と「1960BV」。
雰囲気が変わって「ライトレスワールド」。
完璧なコンビネーションでバツグンのロック・グルーブを生み出すリズム隊。
長いこと一緒に演っている気心の知れたコンビなのだ。
そんなリズムに乗って2人はこのダンサブルな曲でも思う存分声を張り上げ続け…
冒頭3曲で一気に会場を熱し上げた!
「ブレイズブリンガーよろしく!」
「今日は最高の1日にしようぜ!」
簡単なあいさつの後はカズマくんのギターでスタート。
「菫色の肖像」なんてタイトルから静かな曲かと思ったらトンデモナイ!
ジョーくん先行で歌い出す問答無用のハード・チューン!
「菫色の肖像」って言い換えると「紫の肖像」…すなわち「Who Do We Think We Are?」ってことか!
「オレたちは自分のことナンだと思ってんだ?」ってか。
『Who Do We Think We Are?』はディープ・パープルの最高傑作。
そういえばジョーくんは「ブレイズブリンガー」という名前はディープ・パープルの「Storm Bringer」に着想を得たと言っていたな。アキトくんも徹底的に叫びまくる!
カズマくんのソロ。
カズマくんはもちろんMarshall。
スピーカー・キャビネットはカバちゃんと同じ「1960BV」。今日は愛用のプリ・アンプ「JMP-1」と「JVM210H」のパワー・アンプを組み合わせたオール真空管のシステム。
だから音が太い!ヌケる!ウケる~!
やっぱり真空管アンプが作り出すギター・サウンドしか勝たん!もうイッチョ激しいヤツを!
「PDR」だ!この曲でもシャドウのドラムスが大爆発!
それにダイナミックなベース・ラインを乗せるリョータくん。
そしてカバちゃんのテクニカルなソロ。
そうそう、カバちゃんが昔やっていたVelatoriaってバンド、私は気に入っていたんよ。メジャーに展開するサビが耳に残るオモシロイ曲。
ジョーくんがマイクスタンドを振り回して迎えるまさかのピカーディ・ケイデンスも魅力的だ。「やっと…やっとライブまで漕ぎつけました。
初めて会った人とはもう1年以上経ってます。
そして、この場所は思い出深いところなんです。
言ってもいいですか?…ただいま~!」
客席から「おかえり~!」の盛大なレスポンス。
「もう序盤なら泣きそうなんだけど!
ライブは6年ぶりとかになっちゃうんじゃない?
だから男泣きでもいいよね?…今日は許されてもいいよね?
今まで5曲ブッ通しで演ってきましたが、ココから未発表の曲をどんどん演っていきます。
いいですか?」「ココまで長かったようで、短かったようで。
『ライブをいつ、どこでする?』ってアキトに訊いたら『harevutaiがいい』って言うから。
しかも6年ぶりのライブならそりゃ泣いてもおかしくネェよな…男泣きだよ、それは。
オレもコイツにちゃんと『ただいま!』と言わせるために今日までガンバって来れて本当によかったです。
ありがとう!」カズマくんがアコースティック・ギターに持ち替える「TSUBAKI」。
さすがにコレはシットリ・ナンバーだろう。案の定2人が情感豊かに歌い上げるバラード。
サビを中心にツイン・ボーカルの魅力がこうした静かな曲でも十分にアッピールされた。
「ココからはアキトのソロ・コーナーだ!
アキトにステージを任せるぜ。
よろしく!」「任せられたぜ。よろしく。
いいね、いいね、気持ちいい。
復活にするにあたりまして自分の曲が欲しいな…ってフト思ったんですよ。
なので1曲作ってきました!
みんなで楽しめるように一生懸命書いた。
みんなで盛り上がってくれますか?」これまたとびっきりゴキゲンなドライビング・ナンバー。
何しろタイトルが「うるとらはぴぃらんど」だから。リョータくんのベースがとてもいいお味!
曲調に合わせて弾いたカバちゃんのソロもとてもエキサイティング!
パワフルに、そして華麗に歌うアキトくんの魅力も大爆発のまさに「うるとらはっぴぃ」な1曲だった。
「せっかくのライブなんで盛り上がる曲がいいなと思って。
ア~、楽しすぎる~!
ズッとライブしたかったんだよ、オレ。
ところで、ボクが蘇って最初にライブをするんだったらこの人と演りてぇっていう方がいました。
それでは出て来て頂きましょうか…トリットちゃーん」お客さんの拍手に包まれてアキトくんコーナーのゲスト登場。
「みんなやさしい~!。初めまして。
トリットです。よろしくお願いします!」「ボクのガチのイトコでございます。
1歳違いで生まれてから1年間一緒にいました。
ボクが音楽を始めることになった時も、かなり早い段階から『ナニか一緒に出来ないかな?』と声をかけてキーボードを弾いてもらったんです。
ワンマンでも弾いてもらったし、2人でイベントとかもしましたし、ズッと一緒にやってきました。
ボーカルの相棒は塚本ですが、楽器の相棒はトリちゃんしかいないということで今日お呼びしました」
「よろしくお願いします」2人で演奏したのは飼っていたハムスターとの思い出を曲にしたアキトくんの作品「すべり台」。
トリットちゃんが奏でる優しいピアノに合わせて…
アキトくんとハムスターが一緒に過ごした時間がジックリと歌い込まれる。
何も知らないで聴いたら、テッキリお別れした恋人のことを想って歌っているのかと思うわ。
アキトくんの優しさがにじみ出ていた。 <つづく>