Marshall Blogに掲載されている写真並びに記事の転載・転用はご遠慮ください。
【マー索くん(Marshall Blog の索引)】
【姉妹ブログ】
【Marshall Official Web Site】
【CODE/GATEWAYの通信トラブルを解決するには】

« 2026年5月 | メイン | 2026年7月 »

2026年6月

2026年6月29日 (月)

SIMO WITH 森園勝敏

5月に開催された森園勝敏を迎えてのsimoのライブ。10vステージから客席を見渡す関ちゃん。
壮観だったのであろう。
ナニせ大入りの満席なのだ!20ギターの関雅樹。30v今回も関ちゃんの幻想的なア・カペラのソロからスタート。008a0043それに軽快なピアノのイントロが続く。
 
石井為人40vそしてリズム隊が加わる。
 
ベースの宮野和也。50vドラムスは岡井大二。
simoのオリジナル曲「Yours」でショウはスタート。60v続いても関ちゃんのファンク・ストラミングから始まる「New」。70v為人さんのファンキーなピアノ・ソロ!80アグレッシブなフレーズを折り込んだ関ちゃんのソロが続く。90vもうすでにバラエティに富んだギターの音色が飛び交っている。
それらのサウンドはすべてMarshallから。
関ちゃんが使用しているのは…ヘッドは2台とも人気の「STUDIOシリーズ」。
上段は「JTM45」の20Wバージョンの「ST20H」。
下段は「1959」の同じく20Wバージョンの「SV20H」。118a0012スピーカー・キャビネットは向かって左がSTUDIOシリーズの2x12"「ST212」。
右は「1922」。118a0007_2これらをギターの信号を振り分けてステレオで鳴らしている。118a0024ギター・ソロの後には大二さんのソロも飛び出した!100v大二さんのドラム・キットはNATALのバーチ。110スネア・ドラムもNATALの「Beaded Hammered」だ。
コレで「ズドンズドン!」と気持ち良く楔を打ち込んでくれる。120「ありがとうございます!」
メンバーやsimoの紹介してから冒頭の2曲についての説明を加え早速次の曲に移った。130v関ちゃんがギターを持ち替えた3曲目はsimoのキラー・チューンのひとつ「Pinky」。140不思議な魅力がある曲でしてね。
このギターのテーマ・メロディを無意識の内に口ずさんでいる時があるんだよね。
コレはそんな1曲。200フト気が付くとユースケくんが宮野さんのところでナニかやっている。
どうもストラップの調子が悪いようだ。
でもそこはさすがプロ!…宮野さんは全く動じず弾き続けていたのでトラブルが発生していることにゼンゼン気が付かなかった!160またギターを持ち替えて、関ちゃんが「売れたらいいな」と思って作ったという「DE・MO・NE」。170キーボーズのソロからベース・ソロへ。
ユースケくんのサポートでストラップ問題は一件落着。
おかげでシャープな宮野さんのソロを存分に味わうことができた!180第1部を締めくくったのは関ちゃんの愛奏曲、ビートルズの「Dear Prudence」。
ジャズのスタンダード「The Nearness of You」を折り込みながらのギターの独奏でスタート。150v関ちゃんが奏でるアルペジオに大二さんのバスドラムが加わって曲が動き出す。210関ちゃんの歌も飛び出して…220v宮野さんが深遠なベースソロが続く。230vそして為人さんがガラス細工のような繊細なピアノ・ソロをプレイ。240関ちゃんのギター・ソロではべートーベンの「フロイデ」を引用しながら曲をクライマックスに持って行った。250vいつにも増して厳しく、そして優しい「Dear Prudence」だった…のではなかったかしらん?260「第2部に続く~!」
しばし休憩。260vコレは今回のための告知チラシ。
ゲストの「森園勝敏」が「simo」より目立っているとして前回のライブの時に大きな話題になった。270v第2部では冒頭から森さんが登場。280森園勝敏290v関ちゃんはジャケットを脱いで師匠とお手合わせに臨む。300v森さんの傍らにはMarshall。310お気に入りの「ASTORIA DUAL」だ。320こうして始まった第2部のオープニングはジョー・ザヴィヌル作の「Mercy, Mercy, Mercy」。3302曲目…関ちゃんのギターから始まるコレも「simo+森さん」のオハコの「Senor Blues」。340選びに選んだ音をストンストンと置いていく味わい深い森さんのソロ。350vそれにつられてか、落ち着きはらった為人さんのソロ。
コレがまた素晴らしいときてる。118a0092 リズム隊の2人も自家薬籠中の曲だけあって…370v曲のクライマックスへの向かっていくドラマづくりは完璧!380v関ちゃんと森さんの会話型MC。
「simo with 森園勝敏」が始まって2年が経過したそうだが…390「もっと前からやっていた気がするネェ」400v「イエイエ、まだ2年しか経っていないんですよ」410v森さんが言う通り、私もたった「2年前から」というのがにわかには信じられなかったのだが、考えてみるとsimoに近いメンバーでズッと前から演っていたからね。
ということで初めてMarshall Blogでレポートしたそのライブがいつのことだったか調べてみた。
それは2012年12月28日、「Republic Saxophone」名義の西荻窪の「Terra」のライブだった。42014年前のsimoの4人の皆さん。
でもコレは「今のMarshall Blogに初めてご登場いただいた時」ということで、実際にはコレ以前にもクロコダイルなどで同様の機会があったように記憶している。Str 次もsimoのステージではお馴染みのナンバー「K.T. ストリート」。
イントロを奏でるのは埼玉の関ちゃん。
ということでこの「K.T.」は「小手指」と「所沢」の頭文字…というのはウソ。
青山の「骨董通り」のことね。434この曲も知らないウチにテーマ・メロディを口ずさんじゃうヤツ。
そのテーマを師弟で引き分ける。440森さんは「Birdland」の一節を引用してレイドバックのカタマリのようなソロ。450vバッキングに徹する為人さんのオルガンがまた渋い!460v一方の関ちゃんも密度の濃いフレーズを詰め込んだソロを聴かせてくれた。470v「今日、ボクらの後ろにあるのはMarshallです」
満席のお客さんに向かって今回もMarshallやMarshall Blogについて触れてくれた。
関ちゃん、いつもありがとう!480vそしてsimoのCD『Rock Extra』を紹介して…「師匠も曲を作ってアルバムを出せばいいんですよ」と水を向ける。
森さんは10枚ほどのソロ・アルバムをこれまでリリースしているのだ。490v「曲なんて滅多にできないよ!…やりたい気持ちはあるけど。
アレ、アイデアが『降ってて来る』とか言うけど…降っては来ないよね」
と言う森さんに関ちゃんが運営しているレーベル「Giraffe Records」からこの場でアルバム制作のお誘いがかかった。500vココで四人囃子コーナー。510まずは為人さんのエレピのイントロから「空と雲」。530感動的なホンモノ2人の演奏!520そしてもう1曲は「眠い月」。540v幽玄な世界から…570v徐々にクライマックスに向かっていく…560v圧倒的な演奏力!580v今、こんな曲のこんな演奏を聴くことができるのは「simo&森園勝敏」のステージだけだろうナァ。590v告知のコーナー。
ココで上で紹介した今日のための「チラシの表記がおかしい!」という問題がぶり返した。
このフォントのサイズでは「SIMO WITH 森園勝敏」ではなくて「森園勝敏 WITH SIMO」じゃないか!というヤツ。
関ちゃんが「デザイナーに任せただけなんですよ!」と説明すると…620「そういう指示をしたんでしょう?」と森さんも引き下がらない!610続いては6月27日の関ちゃんのソロ・ライブの告知。
27日は2つの台風が同時に関東にやって来ると言う椿事が予想され、関ちゃんは来場者の安全を考慮して早々とこの公演を中止する決心をした。
楽しみにされていた皆さんはこの振替公演に期待しましょう。600次は森さんが加わったsimoのライブではきっと演奏されるブルース・ナンバー。
今日はフレディ・キングの演奏で知られる「I'm Tore Down」をチョイス。525vそして今日のライブの締めくくりはおなじみの「Feelin' Altight」だった。640セミアコに持ち替えた関ちゃん。680v宮野さんのドッシリした低音。650v為人さんの軽快なピアノ。660v森さんのソウルフルな歌と渋いギター。670vそして、大二さんの最高のグルーヴで演奏はまさにFeelin' Alright!730v アンコール。
「皆さんお楽しみ頂けましたでしょうか?」
特別に設置した会場の最後部の席まで埋まった今回のライブ。
皆さん、とてもお楽しみの様子でした。675v最後を締めくくったのは作曲者を迎えての「Lady Violetta」。
やっぱり何百回聴いてもいい曲だナァ。700v 690v  710 720 730v最後に関ちゃんがメンバーを紹介して全てのプログラムを終了した。
最上の演奏でジックリと聴くインストゥルメンタル曲たち。
この日集まった見巧者、耳巧者の皆さんには至福の時間となったことと思う。
 
simoの詳しい情報コチラ⇒Seki's Web750 200_2(一部敬称略 2026年5月13日 新中野弁天にて撮影)

2026年6月26日 (金)

LIVE INCLUSIVE 2026の田川ヒロアキ<後編>

『LIVE INCLUSIVE 2026』のレポートの<後編>は激演を終えたヒダノさんと宅間さんのインタビュー・コーナーから。
パワフルなヒダノさんのステージは熱量の消費がすさまじく、この前日にも90分のステージを2回こなして体重が5kg落ちてしまったとか…しかし、その後にイッパイやってシッカリと取り戻したそうです。520「『ソーラン節』で盛り上がった後のステージはやりにくかった」という宅間さん。
「気持ちを切り替えてマッタリとお酒が似合うような感じになってくれたらいい」と思って演奏したという。
というのも、タイトルの「ショットガン」はドンパチやる方のアレではなく、カクテルの名前なのだそう。
そして次にご登場するデヴィッド・マシューズさんとの関係について触れた。
お2人は10年以上前からのお付き合いで、宅間さんがデヴィッドがお住まいの八戸に足を延ばしたりしてお互いのコンボで何度も共演しているのだ。
そして今回『LIVE INCLUSIVE』のステージに立っているのもデヴィッドのお誘いだったそうだ。530vそしてデヴィッド・マシューズさんがピアノに向かった。
はじめMITSUMIさんが英語で話かけたが、デヴィッドは途中から日本語を話し始め…118a0324「日本語ムズカシイです。
ニューヨークで5年間、日本語を勉強しました…日本語ムズカシイ。
助詞の使い方?
助詞でぇ思い出しましたが、女の子も『女子』と言います!」
おおっ!コレはザブトン10枚でしょう!
あまりにもバッチリなデヴィッドの日本語!
ちなみにアジのタタキが彼の好物なのだそうです。5401984年、私が大学の軽音楽部のジャズ・オーケストラでギターを弾いていた頃、デヴィッドが率いる「Manhattan Jazz Quintet(以下「MJQ」)」がファースト・アルバムをリリースした。
それはジャズ小僧たちにとってはまさにセンセーショナルな出来事で部内は大騒ぎ!
まだCDが普及する前の話で、LPレコードを脇にはさんでいる部員に「ナニを買ったの?」と尋ねると、袋から出して見せてくれるソレは決まって下のアルバムだった。
あの頃はフュージョンの嵐が吹き荒れていて、ジャズのコアなリスナーたちはストレート・アヘッドなジャズに飢えていたのだ。
かく言う私もこうしてアルバムを持っているワケだが…。
写真内の赤いCDの方はこれから演奏する「Caravan」をタイトルにした1988年のMJQのアルバム。Img_5101オーケストラの中で一番大騒ぎしていたのはトランペット・セクションの連中だった。
下の写真の右端がもう故人になってしまったMJQのトランぺッター「ルー・ソロフ(Lew Soloff)」。
その素晴らしいプレイだけでなく、ルーが元「Blood Sweat & Tears(BS&T)」のメンバーだったということもみんなの驚きの的になっていたっけ(そういえばBS&Tのシンガー、デヴィッド・クレイトン・トーマスが一昨日お亡くなりになった)。
左端のスティーヴ・ガッドの隣が42年前のデヴィッド。
あんまり変わらないね!Img_5103実は…さっき「ザブトン10枚!」なんて言ったけど、私はデヴィッドが日本語に堪能なことをよく知っていたのだ。
ナンとならば、デヴィッドには「Superb Hop Band」というオーケストラのライブ・レポートで以前にもこのMarshall Blogにご登場頂いたことがあるのだ。
こうして再びご協力頂けるとはナント誇らしいことか!620 さて、デヴィッドのピアノからスタートしたのは…
560デューク・エリントン楽団でおなじみ、ファン・ティゾールの「Caravan」。550恐らくは世界で一番有名なエキゾチックなテーマ・メロディを帆足さんがヴァイオリン奏で、ソロもフィーチュアされた。570宅間さんがトゥー・マレットのスタイルでソロを披露すると…600vデヴィッドにソロがリレーされ、密度の濃いフレーズを次々と紡ぎだした。580vそして中村さんが鮮やかなスティックさばきを見せてエキサイティングなソロ・リレーを締めくくった。Dsそして歌でお迎えしたのが「戸田恵子」さん。
コンサート第1部のクライマックス!
曲はスタンダードの「On the Sunny Side of the Street(明るい表通りで)」。
戸田さんのクリアな歌声が明るく楽しい曲調にベストマッチ!610デヴィッドのソロをフィーチュアされて楽しさ倍増!620v戸田さんは1番を英語で、そして2番を日本語歌詞で歌い、会場をまさに明るい表通りに変えてしまった!630v第1部はコレにて終了。
15分の休憩。04v第2部は小此木さん、伊東さん、麻生さんが歌う「緑黄色社会」の「Mela!」でにぎやかにスタート!05ヒロアキくんも歌い手の皆さんに負けずににぎやかなギター・ソロを聴かせてくれた。118a05753人のシンガーがステージを離れると今度は車いすダンサーの「泉葉子」さんが登場し…10ヒダノ修一さんが演奏に加わった。20_2曲は『ロッキー3』の挿入歌、サバイバーの「Eye of the Tiger」。
この曲が大ヒットしたのは44年前の1982年のこと。
そっこら中でこの曲がかかっていたのを思い出す。
その年の総理大臣が誰だったか覚えている?…鈴木善幸と中曽根康弘だったんだよ。
アメリカの大統領はロナルド・レーガン。
ヒロアキくんはそんなヒット・ナンバーの勇猛な歌メロとソロを弾いた。30_2もちろんヒロアキくんのギター・サウンドはMarshallから。
使い慣れている「JVM210H」とスピーカー・キャビネットは2x12"の「1936」。35ココで注目してもらいたいのは1936の足元。
宅間さんのヴィブラフォンのマネをして、音に広がりが加わることを期待しつつ、4つのキャスターをそれぞれ外側に向けてみた。
結果!…私のバカ耳には普段とゼンゼン変わりがないように聴こえました。36曲中でヒロアキくんが『逗子LIVE INCLUSIVEスペシャル・バンド』を紹介。
110v_2ギターの「細川圭一」さんを筆頭にヒロアキくんがメンバーの名前を呼ぶとそれぞれが短いソロを披露。118a0529そして車いすを使った泉さんならではのダンス・パフォーマンスが展開した。80泉さんはステージを縦横無尽に行き来する大熱演!
70vそしてド迫力のヒダノさんの太鼓!
60_2♪ドスドスと迫りくるその和太鼓のサウンドは「虎の目」どころではなくて「象がまるごと一頭」という感じ。40vこのセットもまさに『LIVE INCLUSIVE』ならではのひと幕だった。50_2ココでまたまた雰囲気が替わる。
小此木さん、伊東さん、麻生さんがステージに戻って中島みゆきの「糸」を…120宅間さんを交えて演奏した。
ココはシットリと2本マレットで…マレットの数は関係ないか?140さらにデヴィッドが加わってビリー・ジョエルの「The Longest Time」。
コレも私が大学生の時だった1983年のヒット曲。
クラブの仲間とフザけてマネをしてみたことがあったがゼンゼンできなかった…当たり前か。
今回、司会のMITSUMIさんから「デヴィッドがこの曲のアレンジに関わっていた」という話を聞いてビックリ!
大学の時にあんなことをしなければヨカッタ…スミマセン。118a0368 まだ続く第2部の「シットリ」コーナー。
今度は麻生さんとわたなべさんのデュエットで森山良子&直太朗さん親子の「さとうきび畑」を情感豊かに歌って聴かせてくれた。150v_2三浦さんの手話通訳も加わり、より一層感動の度合いが高まった。55v 再び手話コーナー。
私はコレを楽しみにしていた。160今度はこの後に戸田恵子さんとコーラスの「すずかけ児童合唱団」でお送りする「アンパンマンのマーチ」の歌詞の手話をみんなで教わった。170ウチの孫が「アンパンマン」が大好きで毎日「バイピンマン」だの「ドチンたん」だのと騒いでいるので連れてきてあげればよかったナァ。180_2戸田さんが加わっての「アンパンマンのマーチ」は大盛り上がり。
そしてもう1曲「手のひらを太陽に」を歌った後、本日の出演者がステージに大集合!190昨年に続いてコンサートのフィナーレを飾ったのは出演者がリレーで歌う 「いつか見た青い空」。
歌にギターにヒロアキくんも大活躍!210_2お揃いのTシャツに身をくるみ…240v心のこもった最後の熱演を客席に届ける。230v_2入場時に配布されたプログラムにはこの曲の歌詞が掲載してあって…Img_5095お客さんも一緒に歌って楽しかったコンサートとの別れを惜しんだ。200_2本当に音楽の楽しさの全てを含んだかのような…0r4a0034バラエティに富んだ内容のとても素敵なコンサートだった。0r4a00342そして最後の最後にヒロアキくんのキメのポーズもバッチリとキマった!250v_2演奏が終わり、ヒロアキくんはヒダノさんにエスコートされながらお客さんとお別れ。260<デザート>
ライブの後は冷たいモノでもいかが?
逗子の駅の近くにある「CREAMAHOP」というアイスクリーム屋さん。Img_6425チョット変わったフレイバーの品揃えはどれも食べてみたくなる感じ。
何でも3種類まではお試しOKだとか。
ひと玉のサイズも大きくて、それでいて値段もリーズナブル。
厳格なダイエットに取り組んでいる今となってはとても口に出来るシロモノではないが、この時はペロリと頂いた。
とてもおいしかった!Img_6424<前編>では明日開催されるバースデイ・ライブをご案内したが、台風の影響が出ませんように…!
その後、8月には福島と仙台を回る東北ツアーが決定しているとのこと。
東北へ行ってもインクルーシブにがんばっぺ!
 
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPianoNt 200_2(一部敬称略 2026年3月22日 逗子文化プラザなぎさホールにて撮影)

2026年6月24日 (水)

LIVE INCLUSIVE 2026の田川ヒロアキ<前編>

今日の記事は神奈川の逗子から。
かなりの時間が経過してしまったが、3月22日に開催された『LIVE INCLUSIVE 2026』という素敵なイベントに田川ヒロアキが出演したのでその模様を2回にわたってレポートする。
我々の仕事は「inclusive」の反対の「exclusive」という言葉を時折使うことがある。
コレは「排他的」という意味で、例えばMarshallブランドのギター・アンプしか使わない人…まさにヒロアキくんなんかがそれに当たるワケだが、そういうギタリストを「Marshall exclusive guitarist」なんて呼んだりするする。
他にも輸入品の代理店がひとつしかない無競合の状態を指す場合も「エクスクルーシブ」という言葉を適用する。10vしからば「inclusive」は?…「包括的」という訳語が当てられていて「全てを含む」という意味合いを持つ言葉。
この『LIVE INCLUSIVE』は様々なバックグラウンドを持つアーティストが音楽のジャンルを超えて集まり、同じステージで共演する2024年にスタートしたコンサートだ。
出演するすべてのアーティストが対等に自らの音楽を奏で、主役も脇役もないステージが観る者に大きな感動を与える。
そんなすべてを抱え込む「インクルーシブ」なコンセプトが逗子から発信されているのだ。
会場となったのは「逗子文化プラザなぎさホール」。20個人的に逗子といえば…脚本家、映画監督の新藤兼人。
新藤さんは大船の松竹撮影所に近いということもあって女優の乙羽信子と共に逗子に住んでいたことがあった。
私は新藤さんが設立した独立プロ「近代映画協会」で乙羽ちゃんと組んだ作品がどれも好きで、その他にも新藤さんの監督作品はかなり観たし、本職である脚本を手掛けた作品は無意識の内に数えきれないぐらい観てきた。
簡単に言えばファンなワケね。
著書も古本屋で見つけては買い込んできてよく読んだ。
だから新藤さんや乙羽ちゃんについては書きたいことが山ほどあるが、キリがないのでコレでとどめておくことにする。008a0004さて会場のロビーにはイベント関連のグッズがズラリと並び…40公式Tシャツ等が人気を集め…50祝い花の傍らに展示された出演者の寄せ書き入りのTシャツが来場者の目を惹いた。30もちろんヒロアキくんの最近作『THE ROAD SEEKER』他もバッチリ展示。60コンサートの冒頭、司会の3人が登場してご挨拶。70司会は「MITSUMI」さん。
そして「ケーマトーマ」さんが手話通訳を務めた。80そしていよいよお待ちかねのライブ・パフォーマンスがスタート。90 まず最初は「ディズニー・プリンセス・メドレー」。
マイクを握ったのは「麻生かほ里」さん…100v「小此木麻里」さん…110vそして「伊東えり」さん。
この3人の美しい歌声で「輝く未来」、「愛の芽生え」、「ホール・ニュー・ワールド」の3曲をメドレーで聴かせてくれた。120vこの日、全編を通じて伴奏を務めたバック・バンドの皆さん。
 
コンサートの音楽監督、構成も担当したピアノの「進藤克己」さん…130v「帆足彩」さん…140v「細川圭一」さん…150v「大和田ハルヲ」さん…160vそして「中村皓」さん。
 
この5人がインクルーシブな演奏で全出演者を支えてくれた。170v次にステージに上がったのは…180我らが「田川ヒロアキ」。190vもちろんヒロアキくんをサポートしているのはMarshall。
愛用の「JVM210H」と「1936」が今日もお供を務める。200まず演奏したのはこうしたビッグ・イベントでは冒頭に取り上げられることが多いインストゥルメンタル・ナンバーの「Seascape」。210いつ聴いても美しいギター・サウンド。118a0495 もちろんヒロアキくんの指と演奏技術がモノを言っているのだが、Marshallというギター・アンプがハードロックやヘヴィメタルのためだけの楽器ではなく、全ての音楽に適していることを繊細に、そして華麗に示してくれる。
そう、Marshallはまさに「インクルーシブ」なギター・アンプなのだ!220_kkrそして曲は上で紹介したヒロアキくんの最近作『THE ROAD SEEKER』から「翔KAKERU」へと続いた。250v「JAFツーリングカー選手権 ロードスター・パーティレースIII ジャパンツアーシリーズ」のテーマ曲。225和風テイストのイントロに導かれるドライビング・ナンバー。230vギター・ソロ炸裂!
誰にもマネができないエクスクルーシブなプレイング・スキル!240「♪イエ~!」
そして戦いに臨む男たちへ気合の入ったエールを送って…260vキマった~!270v場面がガラっと替わって「わたなべちひろ」さんがピアノの前に座り深遠な音色を聞かせ…。280弾き語りでAdeleの「Make You Feel My Love」を披露した。
何たる魅力的な声!
客席は水を打ったような静けさ。
全員がこの美しい歌声に耳をそばだてた。290v2人の演奏に続いてはインタビューのコーナー。
「今のちひろちゃんの歌にスッカリ感動して、私の演奏はなかったことに…」
そんなバカな!
全ての会話が同時に手話通訳される。008a0091ヒロアキくんは演奏した曲を解説。
「私は生まれも育ちも山口県の下関市なので『Seascape』という曲はその下関の海をイメージして作りました。
もちろん私には海を見た記憶がほとんどないので『こういう感じかな~?』と。
私には他にも『Sky』のように自然をテーマにした曲が多いんですが、それらはそういうイメージから生まれた曲なんです」310v「そして2曲目のアップテンポの『翔KAKERU』とう曲…皆さんに盛り上げて頂きました。
コレはモータースポーツのテーマ曲なのでスピーディなサーキットのイメージで作りました。
今回このコンサートへの出演オファーを頂いた時、どういう選曲にしようかな?と考えてこの2曲を選んだのですが、バンドの皆さまが手伝ってくださるとは知らなくて…きっと皆さん大変だったのではないかと思います。
そして影で何人かの皆さんがコーラスで私と一緒に歌ってくださってゴージャスな感じになりました。
お客様に盛り上げて頂いて私も本当に楽しく演奏することができました。
ありがとうございます!」320vそしてちひろさんへのインタビューが続いた。118a0134 場面が替わって「手話コーナー」。
ステージに登場したのは…340俳優で手話パフォーマーの「三浦剛」さん。
元横浜DeNAベイスターズ監督の「三浦大輔」さんのご実弟。
このコーナーは即席の手話教室。
基本的な手話のしぐさを説明する三浦さんのお話がとても面白くて夢中になって聞き入ってしまった。350vもうひとりは「難聴うさぎ」さん。
うさぎさんは生まれつき聴覚に障害があり、ろう学校で発音の勉強をされたという。
たとえば唇を合わせて開いて発声すると「ま」の音になるとか、舌を上の歯の裏につけて口を開きながら声を出すと「た」になるとかを教わるのだそうだ。
こうしたことを考えてみたこともなかったのでうさぎさんの話に興味が尽きなかった。
そして、手話パフォーマーの彼女が今流行りのギャルの言葉を手話でやって見せてくれたのもとてもオモシロかった。360v本当に時々ではあるのだが、NHKの手話通訳ニュースなどを見るにつけ、この手話通訳ってスゴいと思っうことが多く、この2人のコーナーは実にタメになった。
ちなみに「高峰秀子」と「小林桂樹」が主演し、デコちゃんのご主人の「松山善三」が脚本を書いて初めて監督した1961年の東宝映画『名もなく貧しく美しく』なんかは1人でも多くの人に観てもらいたいと思う。370そしてまた場面が一転。
会場に威勢の良い太鼓の音が鳴り響く。
118a0177太鼓を打ちながら客席を練り歩き…380ステージに上がったのは「ヒダノ修一」さん。390v豪快に桶太鼓を打擲するヒダノさん!390「♪沖のカモメに潮時きけば~」と飛び出した歌は「ソーラン節」。
当然即座に客席から手拍子が沸き起こる。
イヤ~、ヒダノさん久しぶりだナァ~!410v…というのは、今から20年ぐらい前になろうか?
ヒダノさんが『太鼓は最高!!』という和太鼓の教則ビデオを発表されことがあったのだが、実はこのビデオのタイトルを考案したのが私なんです。400vvヒダノさんは身体もデカいけど、当時からいつもニコニコ、ハキハキととても心の大きな方で、「大人になったらこういう人になりたい」とお会いするたびに思っていた…私の方がはるかに年上だけど。
そして15年ぶりにぐらいにお会いしたヒダノさんは全く以前と寸分もお変わりがなくてとてもうれしかった!430vあの時から齢が重なっていてもバチさばきは以前にも増して鋭く、力強く、会場を大いに盛り上げた。420またまた場面が大きく替わって今度はジャズ。
まさにインクルーシブ~!440ヴィブラフォンの向こう側に立ったのは「宅間義之」さん。
宅間さんも知り合いで、これまで2度ほどこのMarshall Blogにご登場頂いている。
でもお会いするのはかなり久しぶり。
「渡辺えり子」さんのコンサートで宅間さんが鶯谷の「東京キネマ倶楽部」の階段で出番待ちをしていた時にバッタリ出くわした時以来。
アレも随分前のことか。450vこのヴィブラフォンとかマリンバのような鍵盤打楽器は、打楽器の技術を使ってピアノを弾くようなモノで、「すべての楽器の中で最も習得するのが困難な楽器のひとつ」という説がある。
そんな厄介な楽器にはチャレンジする気すら起きないが、ジャズやフランク・ザッパの音楽が大好きな私はこの鍵盤楽器の類が大好きで、宅間さんにお会いするたびにこの楽器について色々と教わって来た。
以前のMarshall Blogの記事では宅間さんが楽器を組み立てるところからレポートしたぐらいなのだ。460v今回教わったのはコレ。
スタンドに付いているキャスター4つをそれぞれ斜めに外側に向けておくと音が広がる感じがするそうなのだ。
そんなバカな!とは思うが、ミュージシャンのこうした楽器に関する妙なこだわりが大変にオモシロいではあるまいか?470宅間さんが演奏したのはオリジナル曲の「ショットガン」。500宅間さんが巧みに操る4本のマレットが華麗に鍵盤の上を舞うスリリングな1曲。480大和田さんはアップライト・ベースに持ち替え。118a0448ピアノ・ソロがフィーチュアされて…118a0592ストレート・アヘッドなジャズ・ビートに乗って宅間さんが華やかなソロを展開した。490vそしてドラム・ソロが大いに曲を盛り上げて…590宅間さんが再びテーマを奏でて曲は幕を下ろした。
この続きは<後編>で!118a0268さて、実際にそれこそインクルーシブな音楽活動を続けているヒロアキくん。
「よさこい」のフィールドでも大活躍で、その分野の盟友である下関のよさこいチーム「馬関奇兵隊」の結成25周年を記念する『晋作・長州・下関』という9曲入りCDに参加した。Sbktcdそして、Marshall Blogでもレポートした『EXPO 2025大阪・関西万博』で共演を果たしたカナダのよさこいチーム『APPARE Yosakoi Vancouver』に招聘され、5月の中旬からヴァンクーバーを訪れて来た。
下の写真はその時のようす。Cn1話を聞けば、それはそれは楽しかったそうで…そりゃあそうでしょう。
SNSに上がっている写真を見れば話を聞かなくてもわかるわ。
もちろん公演も大成功!Cn2ところでヒロアキくんがカナダのよさこいチームのために作った曲、「APPARE」の中では「♪鳴子両手によう踊る」と歌われる。
鳴子とは下の写真で踊り子さん達が手にしている、元々は田畑を荒らす鳥や獣を威嚇するための農具で、それが転じて踊りの時に使う打楽器になった。
テレビのニュースを見てタマタマ知ったんだけど、今、この鳴子がナフサ不足問題で作れなくなっているのだそうだ。
正確に言うと、シンナーが不足していて色を付けることができないという。
ポテトチップスの袋みたいな話。510音を出すことができれば本来の用途としては問題ないのであろうが、踊り子の手先を彩る装飾具でもあるワケだからできれば華やかな方が良いに決まっている。
ナ二からナニまでスッカリ世の中がおかしくなっちゃって…昔のようなノーマルな日々が戻って来ることを願ってやまない。

Nk_2 そしてそのカナダ・ロスが癒される間もなく、今週末に恒例の『MUSIC TRAVELING』が開催される。
まぁ、MCはカナダの話だらけだろうナァ。
皆さん、ゼヒ聞きに行ってあげてくださいな。
毎回ショウの内容を入念に作りこんでくるヒロアキくんのバースデイ・ライブ…今回も楽しみだ。
 
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPianoBd<後編>につづく
 200_2(一部敬称略 2026年3月22日 逗子文化プラザなぎさホールにて撮影)

2026年6月22日 (月)

SYU AND YUHKINEN~SYU PLAYS Marshall 1959 MODIFIED

つい先日、GalneryusのSyuちゃんとYUHKIさんのデュオ・チーム「SYU and YUHKINEN」のタイのMarshallのライブハウスでのステージの模様をお届けしたが、今日はその凱旋公演のもようをレポートする。
「ただいまJAPAN!! やっぱりJAPAN!!」か…そうそう、誰がナンと言おうと日本が一番いい!10v会場ははじめてお邪魔する飯田橋の「Spacewith」。
寡聞にして存じ上げなかったが、コチラは「菅沼孝三」さんのホーム的なお店だったのかしらん?20孝三さんの他、「王様」や故「仮谷克之」さんに関するアイテムが店内に展示してあって感動してしまった。30この日の屋台村のようす。
SYU AND YUHKINENやAKHAMBRAのアイテムをお取り揃え。40コチラはステージのようす。
ドワッ!Marshallがズラ~リ!
ありがとうございます。
全く知らなかったんだけど…「Marshallのハーフ・スタックのキャスターなし+1936のキャスターつき」と「Marshallのハーフ・スタックのキャスターつき+JC-120のキャスターなし」というのは積み上げるとほぼ同じ高さになるんだネェ。
ま、こんなことに感動しているのは私ぐらいのモノでしょうけど30年近くMarshallの仕事をして来て初めて知ったわ。
ん?そうか…「1960」と「JC-120」って幅が760mmで同じだったんだ?
ともに12"のスピーカーが横に並んでいる構造なんだからそう不思議なことではないんだけど、これまで一度も考えたことがなかった。
12インチのスピーカーをバッフル板に取り付けるとき、2つのスピーカーのこの距離が最も良い音を出すということなんろうな。
…ということをこのステージが教えてくれた。
50ステージ上のMarshallをチョット見てみよう。
いわゆる「JMP時代」の「1959」。
マスター・ボリュームの改造が施されている。60_2コレはランディ・ローズのシグネチャー「1959RR」のハーフスタックかな?
Marshallに回路図が残っていなかったため、私の仲良しだったエンジニアの「ダニー・トーマス」がカリフォルニアのランディの実家まで赴き、ローズ家の倉庫にしまってあったランディが所有していた1959の回路を精査し、どういう風に改造をしていたかを正確につきとめてそれを再現したモデル。
ハンドブックに掲載した「ランディからルディ・サーゾへの手紙」を翻訳したりなんかして、コレの発売準備をしていた頃は実に楽しかった。70v向かって右端のMarshallは私がMarshallに50台限定でオーダーした「ECフレット」をまとったビンテージ・ルックスの「JCM2000 DSL100」と「1960A」のハーフ・スタック。
セット販売ながら、確か予約の段階で売り切れになったように記憶している。
いい時代だった。
D_DriveのSeijiさんやMOONSHINEのCharlie Tanakaさんがこのヘッドを所有しているが、セットになっていたキャビネットはどこへ行ってしまったんだろう?80vそして、ステージ上手の壁際にセットしてあるヘッドにご注目。90Syuちゃんのトレードマークのジャック・オー・ランタンのピック入れとフィンガー・イーズ…ではなくて。110注目して欲しいのは、この日実際に使用したMarshall。Img_42892ハンドワイアード回路の1959に改造を加えた「1959 Modified(型番:1959MS、以下「1959MOD」)」だ。120イギリスのMarshallのスタッフを迎えて5月の下旬に開催された「Tone Sanctuary」という試奏会でSyuちゃんが一発で気に入ってしまったのが上の1959MOD。
写真はその時に撮った写真。
Marshallのアーティスト担当のジョエルとの間にあるのは新しいジミ・ヘンドリックスのシグネチャー・モデル。
Syuちゃんはコレも弾いてくれたけど、それはそれはスゴい音だった!008a0623 そこで日本に帰って来たばかりのSYU AND YUHKINENのライブで早速1959MODを使ってみようじゃないか!とになったのが今回のライブ。130会場は超満員…まさに「立錐の余地がない」とはこのことよ。
写真がウリのMarshall Blogだけど、ナニをどうやってもうまく写真が撮れなかったので今回は撮影を完全に断念。
そこで以下のライブ写真をSyuちゃんに見繕って送ってもらった。140vSYU AND YUHKINENとGALNERYUSのレパートリーをタップリと披露するプログラム。150v前回まではイスが用意されていたとか。
登場した早々YUHKIさんが客席の様子の違いに驚いていた。
Syuちゃんだけでなく実はYUHKIさんとも古いお付き合いでしてね。
その昔、キーボードのスタンドでお世話になっていたことがあったのです。160激演につぐ激演!
時に一糸乱れぬアンサンブルで、時に互いに一歩も譲らないバトルで充実したパフォーマンスを展開する2人。
そしてSyuちゃんの傍らには「1959MODIFIED」。Stコレね。185センド&リターン回路を搭載していないので余計に音が良い。
その代わりにオリジナルの1959に搭載されていないマスター・ボリュームと2つのコントロールを搭載している。
それは「BRIGHT」スイッチとディストーションのキャラクターが大きく変化する「CLIP」スイッチだ。186今回のSyuちゃんのセッティングは左から…
 PRESENCE=3
 BASS=2
 MIDDLE=7
 TREBLE=2
 VOLUME I=10
 VOLUME II=0(ジャンプをしていないので無使用)
 MASTER VOLUME=7
 インプットはブライト・チャンネルのHIGH。
今回は「CLIP」も「BRIGHT」も使用しなかった。Img_68293足元のようす。
基本的にはアンプで歪みを作り、オーバードライブとほんのりブースターを追加。
オリジナルの「半開きワウ・ペダル」も大活躍。210使用したスピーカー・キャビネットは「DSL100EC」セットの「1960A」なので、ユニットはオーナーが載せ替えていなければ普通の「CELESTION G12T-75」だ。200vそれでは演奏後に聞き取ったSyuちゃんの1959MODの感想をインタビュー形式で書き記しておこう。

Marshall Blog(以下「M」):先日試奏をしてもらって、今回いきなり実戦で使ってもらったワケですが、どうでした?
Syu(以下「S」):イヤ~、スゴかったです!
点数を付けさせてもらえるとしたら「100点」の枠には到底収まりませんね。
まさに自分が求めていた音でした。
M:Syuちゃんは「1959ハンドワイアード」の発売を記念して開催した2005年の『Marshall祭り3』にも出演してもらった経緯があるぐらいで、1959ハンドワイアードのことは既に知っていたはずでしょう?
S:はい、でもあの頃はまだ若かったので「音」というモノがよくわかっていなかった…DSLの方がヨカッタんです。
その後、だんだんと音というモノがわかってきて…コンプ感とか、1959のようなビンテージ系のMarshallで音を作ることを目標とするようになっていたんですよ。
M:アラ?それじゃタイミングが超バッチリだったというワケ?
S:ハイ、まさに!
だから今回は心から気持ちよく弾かせてもらいました!
M:どういう点がそんなに気持ちがヨカッタんでしょうか?
S:コレが一番強調したいところなんですが、とにかく音の立ち上がりがメッチャ速い!
どんなに速く弾いても音の粒立ちがよくて完璧に付いて来てくれるんです。
M:やっぱり全然違うよね。
歪みについてはいかがですか?
S:さっきチョット触れたまさに「目標」としていた音です。
今回は時間がなかったのであんまり突っ込んだ音作りができなかったんですが、それでも大満足。
時間をかけてあの2つのスイッチも使ってジックリ研究すればもっとスゴイ音になることは間違いない!
M:GALNERYUSのギター・サウンドとしてはいかがでしょう?
S:もうバッチリすぎるでしょう。
「1959」というとメタルのイメージに結び付かないかも知れませんが、今の若い速弾きの子たちにもピッタリなのではないでしょうか?
シミュレーターなんて使っている場合ではありませんよ!
コレで一生イケます!」
M:ハハハ!どうもありがとう!
今度はGALNERYUSのステージで是非音を聴かせてください。
S:もちろんです!

下の写真は2008年にMarshall Blogに掲載したSyuちゃんへのインタビュー記事に使用したモノ。
うれしそうに、楽しそうに1959MODを語るSyuちゃんの表情はこの18年前時と全く変わりがなかった。220v普段からMarshall Blogで音質の良さを「音抜けが良い」とか「太い」とか「コシがある」とかいう表現を使っているけど、Syuちゃんが弾く1959MODに関しては、そんなことよりとにかく「音の質」自体が大変に素晴らしいと思った。
人それぞれ好みがあるにしても、もしかしたら「これが最上のロック・ギターの音質」ということが言えるのではあるまいか?
弾き手がSyuちゃんということを割り引いても、我ながら本当に素晴らしいサウンドだと思った。
そして同時にSyuちゃんが「当代随一のメタル・シュレッダー」であることを1959MODがつぶさに証明して見せた。170vショウは約2時間にわたってスリリングな展開を見せ、満員のお客さんを大いに楽しませた。1807月15日に2年ぶりの新しいアルバム『A CRY FROM THE SKY ABOVE』の発表を控えているGALNERYUS。
8月5日からスタートする『THE CRY ECHOES』THROUGH THE SKY』ツアーや、SyuはANIMETALでの活動も控えていてこれからも大変に楽しみだ!
   
GANERYUSの詳しい情報はコチラ⇒GANERYUS Official Website240v 200_2(一部敬称略 2026年6月14日 飯田橋Spacewithにて撮影 ※ライブ写真他提供:Syu)

2026年6月19日 (金)

MATS LEVIN featuring JIEN TAKAHASHI~FACING THE ANIMAL TOKYO 2026<後編>

マッツとジエンくんの『Facing the Animal』再現ライブのレポートの<後編>はMarshall Blogらしく学識豊かにスタートしようではないか。
下の美しい庭園は駒込にある「六義園(りくぎえん)」。
第五代将軍「徳川綱吉」の側用人にして大親友だった「柳沢吉保」の庭園だ。
実はこの庭は今でいう「テーマ・パーク」になっている。
ナニをテーマにしているのかと言うと…それは「和歌」。
「万葉集」や「新古今和歌集」に詠われている和歌にインスパイアされて庭園をデザインしたという。008a0008その内のひとつが新古今和歌集のこの歌…
 
和哥の浦に月の出汐のさすまゝによるなくたづのこゑぞさびしき 

008a0013この歌を詠んだのは平安末期から鎌倉時代初期の天台宗僧にして歌人の「慈円」だ…コレが言いたかっただけである。Jien さて、ステージでは順調にプログラムが消化されていく。
インストゥルメンタルの小品なれど、ジエンくんが思い入れタップリに美しいメロディを紡ぐ「Air on a Theme」。560vそのよく歌うギターのサウンドを出しているのはMarshall。
ヘッドはジョー・サトリアーニのシグネチャー・モデル「JVM410HJS」。118a0009スピーカー・キャビネットはMODE FOURシリーズの「MF400A」と「MF400B」。118a0004 Kohtaくんのピアノから始まるバラード「Like an Angel – For April」。570v当たり前だけど、マッツの声はバラードでも素晴らしい。
声を聞いているだけでもホントにグッとくるわ。580vマッツの歌にギターで泣いて応えるジエンくん。590vイングヴェイが愛妻「エイプリル」に捧げた1曲。
コレはMarshall Blogに何度も書いたことだけど、私は今はなき「赤坂BLITZ」が山の上にあった頃から来日時のイングヴェイをMarshallでサポートしていて、厚生年金会館やら日本青年館やらロンドンのウェンブリー・アリーナやら、色々なところでご一緒させて頂いた。
とりわけ印象に残っているのは2009年にディープ・パープルとのダブル・ヘッドライナーで来日した時のこと。
後に「YJM100」となるイングヴェイのシグネチャー・モデル最初の試作機を本人に見せにMarshallのエンジニアと一緒に東京フォーラムに行った時のことだ。
試作機のチェックやリハーサルが終わって本番までの間、楽屋でマルムスティーン家の皆さんとご一緒させて頂いた。
ご夫婦はとても仲がよく、イングヴェイは色々な話をしてくれるし、エイプリルもとても親切だしでアレは忘れることのできないとても楽しい1日となった。
 
さて、ステージの方はというと…2人の「Like an Angel」の感情のぶつけ合いはショウを通しての大きな見どころのひとつになっていた。600vマッツが「On guitar, Jien Takahashi!」とジエンくんを紹介して「Only the Strong」。610ミディアム・テンポに乗ってジックリとマッツの声に酔いしれる。620vジエンくんも容赦ないプレイを突っ込んで来た!630v美河さんのドラムスから…118a0037『Facing the Animal』のクローザー「Casting Pearls before the Swine」。650v名盤の最後を飾るにふさわしいパノラミックな1曲。660次から次へと変わっていく音の情景。670その様々なシーンが完璧なプレイで再現された。
ちなみにこの曲んタイトルの「Casting pearls before the swine」とは「ブタに真珠」や「ネコに小判」という意味だ。
680続けざまに「Another Time」。118a0319 お客さんは大合唱!008a0194マッツがジエンくんが持っていた小さな人形見つけて手にしているところ。
振ってみるとジャラジャラと硬貨が入っている音がする。
720「コレは一体ナンだ?」ということでジエンくんが説明。730「ポムポムプリン」とかいうらしいが、マッツは大層気に入った様子だった。740v本編最後のMC。
「次は『Facing the Animal』からの最後の曲です。
コレはイングヴェイからリフが入ったテープをもらって、スウェーデンの家に持って帰って聴いたところとても良い感じだったのでそれに歌のメロディと歌詞を付けたんです。
それでイングヴェイのいるマイアミで簡単なデモを作り、プロデューサーに聴かせたところ『スローすぎる。もっと速い曲の方がいい』とあまり感触が良くなかった。
ところが数日後、イングヴェイから電話があって、彼はこう言ったんです。
『あのデモ曲のタイトルを知ってるか?…[Facing the Animal]ってんだよ!』って」
つまりイングヴェイのツルのひと声でその曲が採用され、アルバムのタイトルにまでなった…という話。770「私はそれがとてもハッピーでした…そんな曲を最後にお送りします」750v本編の最後を締めくくったのがアルバムのタイトル曲「Facing the Animal」。780全く手を抜くことがないマッツの魂を焦がすような熱唱と…790vそれを完璧に支える4人の名手たちの技で彩られたショウは最後までアッという間だった!118a0388  810v 820v 830v本編を終えた5人がアンコールで再びステージに姿を現すまでこんな話をお届けしよう。
 
ジエンくんが紹介してくれて、終演後マッツと2人きりで少し話をさせてもらった。
ちょうどいい機会だと思って気になっていたことをマッツに訊いてみた。
それは彼の「Mats」というファースト・ネームについて。
スウェーデンには「Mats-Morgan Band」という超絶技巧をウリにしたバンドがいて、当然マッツもそれを知っていて「Oh!  They are crazy!」なんて言っていたが、この「Mats」という名前がスウェーデンでは一般的なのかどうかを教えてもらった。
マッツは「ホイ来た!」とばかりにとてもうれしそうに話してくれた。
「Mats」という名前はスウェーデンでは60年代生まれの人にやたらと多い名前で、マッツが小学校に行っていた頃はクラスには必ず何人かの「Mats」がいたのだそうだ。
ところが、1970年代に入るとスウェーデンでは自分の息子に「Mats」という名前を付ける親がピタリといなくなってしまった。
本当に「ゼロ・マッツ」になったらしい。
確固たる理由はわからないが、単なる流行りすたりだったらしい。
そんなこんなで彼とは歳が近いせいもあってとても楽しい会話になった。
マッツは1964年生まれで私より2歳若いが、下っ腹は全く出ていないし、髪もフサフサ、最後の最後まで声はバッチリ…実際の本人はその年齢より10歳以上若いのではないか?という感じだった。
そこへいくと自分のこの「おそマッツさま」ときたら!
マッツにその秘訣を問うとこういう答えが返って来た…「Young wife!」
  
さて、アンコール。
Kohtaくんのシンセサイザーがガツンとフィーチュアされる。835アンコールはマッツのキャリアを俯瞰するバラエティ・パック。
本編で『Facing the Animal』を再現するのはDAY1とDAY2の共通のプログラムだが、アンコールの演奏曲目はガラリと替えられた。
お客さんが快哉の声を上げたのは…
840Vandenbergの「Hit the Ground Running 」。850演奏している方も楽しそうだ。860続いてはSwedish Eroticaの「Rock ‘n’ Roll City」。
まだまだ気合が入りまくるオリ―!870v最後まで最高に力強いスティックさばきを見せてくれた美河さん!885マッツが叫ぶ「♪アーライッ!(Alrightのことね)」がカッコよすぎる!880「Tokyo rock'n' roll city!」
890v「いい人たちばかりだし、食べ物はおいしいし…日本最高!アーライ!」
最後のあいさつをして…
900vいよいよこの日最後の曲に取り掛かる。910At Vanceの「Fallen Angel」。920v今回もギターに通訳に和歌にと大活躍だったジエンくん。
全編を通してのよどみないギター・プレイとMarshallが発する轟音は圧巻だった!930v感動のフィナーレ!940しかし、「本当にカッコいい声」ってのはあるもんだね。
そんなことわかっちゃいるけど、今回のマッツにはトコトンそれを思い知らされたわ。945「どうもありがとうございました!」950お客さんから花束を受け取ってうれしそうなマッツ。960本当にアッという間に終わってしまった素晴らしいショウだった!

Jien Takahashiの詳しい情報はコチラ⇒VIOLET ETERNAL OFFICIAL WEBSITE

970<おしまい>
 200_2(一部敬称略 2026年5月12日 大塚Hearts+にて撮影 ※協力:ルビコン・ミュージック)

2026年6月17日 (水)

MATS LEVIN featuring JIEN TAKAHASHI~FACING THE ANIMAL TOKYO 2026<前編>

「♪オ~ツカ~、カドマン~」なんて知ってる?
1960年代の終わりから70年代にかけて流れていた、かつて大塚に存在した総合結婚式場のTVコマーシャル。
当時の子供たちはこのCMで「大塚」という地名を知った。
というわワケで久しぶりの大塚「Hearts+」。10今日はイングヴェイ・マルムスティーンと活動を共にしたシンガー「Mats Levin」のライブ。
同じく「ドゥギー・ホワイト」、「マイク・ヴェセーラ」といったイングヴェイとの共演歴を持つシンガーとのステージも記憶に新しいJien Takahashiをフィーチュアしてのショウの2日目。
20v下は店内の壁に貼られたポスター。
ポスターの下はマイク、右は「KAZUMANIA」…Marshall Blogゆかりの人ばっかりでうれしいワァ。30v 今回も招聘は「ルビコン・ミュージック」。
ルビコンさんの現場は物販のアイテムが豊富で見ているだけで楽しい。40CDはもちろんのこと…70特製のエコ・バッグや…50Tシャツ類。
ホラこんなにズラ~リ!スカジャン(?)まで!100音源の類もバラエティに富んでいる。
60ファンの皆さんはこのレコードに目を惹かれたのでは?
マッツが1986年に友人と結成した「Capricorn」というバンドの音源。80ヤングだった頃のマッツ!
コレがホントの「若松さま」。
このアイテムはマッツ自身が持参したそうだ。90超満員の客席を前にして定刻通りにショウがスタートした!008a0003 Mats Levin(以下「マッツ」)。120vJien Takahashi(以下「ジエンくん」)。130v_2SilexのKohta。140vオリ―・バーンスティン150v美河浩太118a0040マッツが参加した1997年のイングヴェイ・マルムスティーンのアルバム『Facing the Animal』を再現するステージの1曲目はアルバムのオープナーでもある「Braveheart」だ。180続けてジエンくんがイントロをメロディを奏でる「Sacrifice」。190早速ジャケットを脱ぎ捨てて熱唱するマッツ。
しかし、スゲエ声だな~!
声がデカいとか、高いとかではなく、ひたすら「カッコいい声」なんだよね~。
200v中間部のディミニッシュのシーケンスがとてもスリリング!210vもう1曲ジエンくんのリフから続けて演奏したのは「Heathans from the North」。220vジエンくんの激音をクリエイトしているのはもちろんMarshall。
ヘッドはジョー・サトリアーニのシグネチャー・モデル「JVM410HJS」。230そしてスピーカー・キャビネットはジエンくん自慢の「MF400A」と「MF400B」。
この組み合わせでバツグンに鋭く、そして音抜けが良いギター・サウンドを出すというワケ。240vユックリめのテンポに乗って最高のシャウティング・ボイスを聴かせてくれるマッツ。
「heathan」というのは「異教徒」という意味か…。
ジャズ・ピアニストの巨人「バド・パウエル」に「Dance of Infedels(異教徒の踊り)」という有名な曲があるが、同じ異教徒でも「infedel」と「heathan」ではナニが違うのか?
前者は「神を信じない者」とか「教えに背く者」いう意味で、後者は「特定の宗教の教えを知らない未開な人」というニュアンスの違いがあるんだって。
Marshall Blogはタメになるね~。250コチラは敬虔なイングヴェイ教徒。
もちろん繰り出して来るソロは完全に教義を咀嚼していたモノだ。260「『Facing the Animalの夜』にようこそ!
アルバムに入っている13曲…ん?12曲か?知らんけど。
日本はいつだって最高だ!」
ジエンくんの通訳が入って次に演奏する曲について解説した。118a0547 「通訳」という仕事は話者の発言の内容を一言一句曲げずに翻訳するのが鉄則で、通訳者の意思を微塵も入れてはいけない…とか言うんだよね。
でもジエンくんの場合はそんなの関係ねぇ。
マッツが話す英語をテキパキと逐次で訳しながら、イングヴェイ周りの付加情報を巧みに付け加えてくれる。
話の背景を知らない人でもマッツの話が楽しめる親切通訳なのだ。118a0160 オリ―がガンガン繰り出してくる重低音と…118a0287美河さんの歯切れのよいドラムスに…118a0076 Kohtaくんのキーボーズが彩を添えるリフは7/4拍子。
曲は「Enemy」。280v冒頭からマッツの張り裂けんばかりの歌声!
コレはタマらんね~。290vさまざまなエッセンスを盛り込んだジエンくんのソロも素晴らしい!300vもう1曲続けて「End of my Rope」。
コレは「我慢の限界」とか「万策が尽きてもうお手上げ」ということを意味するタイトル。
320サビのポップなテイストがすごくいい感じ。
「ポップ」といえば、この日のお客さんもみんなマッツと一緒に歌っていたのにはビックリ。325v転調からのギター・ソロ。
そ~れ!さらにもう1回転調だ!
その転調を利用してドラマティックなソロに仕立て上げたジエンくん。330v他の曲とはガラリと雰囲気が替わって「Alone in Paradise」。355どこまでも伸びやかに声を張り上げるマッツ。
360
ジエンくんは下手へ移動して…370切れ味の鋭いソロを披露した。
こんなに流麗に弾いちゃって…さぞかし「パライソ」にいる気分なんだろうねェ。
380vお客さんも元気に大合唱!
こういう空気はライブに来ないと味わえない。
実にいい雰囲気だ。390続けてガラっと曲調が変わってドップリとヘヴィに「My Resurrection」。400v前の曲とは全く異なる表情でこの重厚でダークな曲を歌い上げるマッツ。
「resurrection」というのは「復活」ですな?
グスタフ・マーラーの交響曲第2番の通称が「Resurrction」、ドイツ語の原題は「Auferstehung(アウフエアシュテーウンク)」。
マーラーの方も同様にタップリとダークで重厚な曲だ。410クラシカルなアンサンブル・パートを経て…420ジエンくんのギター・ソロも重厚な味わいだ。008a0151 「『Facing the Animal』からの曲をたくさん演っておりますが、さっき演った「Alone in Paradise」『Odessay』セッションでジョー・リン・ターナーたちが作っていたのを私が完成させた曲です。
日本でとても人気が高い1曲だとか?」350vさて、ココで今回の公演の目玉のひとつが飛び出す。
それは「Playing with Fire」。
と言っても、イングヴェイの1999年の『Alchemy』収録の「Playing with Fire」ではなく、録音までしておきながら残念にも未発表で終ってしまった同名異曲の「Playing with Fire」。
つまり、コレがこの曲の「世界初披露」ということになるのだそうだ。
ジエンくんが奏でる緊張感あふれまくるイントロ・フレーズに…450美河さんの鮮やかなフィルが絡みつく。455vマッツの雄叫びが会場の隅々まで響き渡る。460v危険な香りのソロ…でも絶対に火遊びはイケません。
ちなみに「放火」は英語で「arson(アーソン)」、日本の符丁では「赤猫」という。
470vとてもよくできたカッコいい曲なのにお蔵入りしてしまったとはモッタイない。
しかしこの日、東の国の東京の大塚の地で見事にこの作品が息を吹き返した。
マッツとジエンくんの共同作業の大きな成果と言えるのではあるまいか?
ファンの皆さん、ヨカッタね~!
008a0160 『Facing the Animal』に戻って「Poison in Your Veins」。
ジエンくんのリフから…490スカっとブッ飛ばすドライビング・チューン。
700こういうリズムに乗ったマッツのシャウトはが最高に素晴らしいとしか言いようがない!
これぞロック・ボイス!510vKohtaくんのオルガンがバンド・アンサンブルを分厚くし…520vオリ―のベースが火の玉のように突進する!530マッツとジエンくんが寄り合って…540ギター・ソロ炸裂!550v<後編>につづく

Jien Takahashiの詳しい情報はコチラ⇒VIOLET ETERNAL OFFICIAL WEBSITE

200_2(一部敬称略 2026年5月12日 大塚Hearts+にて撮影 ※協力:ルビコン・ミュージック)

2026年6月15日 (月)

1st0~Dramatic 1man Show 3rd<後編>

3回目を迎えた「1st0」の単独公演のレポートの<後編>。Fl リズム隊の2人が燃え上がった後、シーンは一転。
ロマンティックなピアノの音が流れ込んで来る。445『2nd Chapter』から…吉祥寺を「眠らない町」にしてしまった「不夜城Fake Love」。450vサビのチョット変わった感じのクロマティックの使い方がタマらん!
とてもいい曲。
ホント、このバンドは曲のクォリティが高いと思う。
CDで聴くことができる緻密な作り込み方のセンスもバツグン。460ココでもTAKAAKIさんと…480vLEAさんを大フィーチュア!
カ~ッチョいい~!490そんな名曲をRyoくんのギターがドラマティックに締めくくった。470その「ドラマティックなギター・サウンド」を出しているのはMarshall。
「JCM2000 DSL100」と「1960A」だ。118a0004 「ありがとうございます。
大活躍のTAKAAKIにもう1度拍手を!
髪の毛もカッコいい~」
500「カッコいい?ありがとう。
しかし…夕方に予定があるでしょうに。
色々な事情があるにもかかわらずココに来て頂けたことを本当にありがたく思う限りですよ。
配信をご覧の皆さんも昼間忙しいでしょうに…ありがとうございます。
うれしいですね。
今日1つだけ約束することがあります。
絶対押しません!…どんな恨みを買うかわかりませんからね。
途中で帰り始める人を見るのもツラいですしね。
もし危ない!と思ったら1.25倍速ぐらいで演奏します。
こうして滞りなく進行できてるのは会場のスタッフとココにいらっしゃっる皆さまのお陰です。
本当に今日はメチャクチャ演りやすいです!」500v 「ココからお楽しみの企画がございます…世界初公開の新曲を披露したいと思います。
この曲のキーワードは『ネバネバサラダ』です。
私がこの曲をもらった時に思い付いたのが、チョット爽やかなんだけどチョット悲しみもあるような…そんな雰囲気だったので、主人公は不器用な生き方をしているんですが、周り人の力を借りてガンバって切り抜けて欲しい…というメッセージを込めた歌詞にしました」510「『ネバネバサラダ』というのは野球の星野仙一さんが掲げていたスローガンで『ネバ―ネバ―サレンダー』というのがあったんですよ。
そこから曲の主人公の生き方にこのタイトルをあてがいました。
ま、たまたまファミリーマートに行った時に、『ネバネバサラダ』と言うのを売っていたんでみんな覚えやすいかな?って…そこから発展させてタイトルをつけた次第でございます」520v_2新しい曲「Never Never Surrender」は「♪ウォ~ウォ~」とメンバー全員参加のコーラスから。530これまた胸のすくようなドライビング・チューン。540vRyoくんのソロを交え…550複雑な転調を繰り返し、不退転の決意を感じさせながらネバネバと盛り上がっていった!560 続いては『Chapter2』のクローザー「Everlasting Shine」。570激しい演奏の中からみずみずしい歌のメロディが浮かび上がって来る。580コンパクトながらもギュっとおいしいとことを詰め込んだギターソロ。590vTAKAAKIさんのベースによるアルペジオのように…600この曲ってバッキングいちいちカッコいいんだよね。610荘厳なパイプオルガンのサウンド。
そして大爆発!620ここまでで一番のスピード・チューン(かな?)が飛び出した。
それは「Dear Ruler」。630何しろ複雑なキメがスゴイったらありゃしない!640vそして本編の最後を締めくくったのは「東京Dream」。650前の曲に勝るとも劣らない急速調の展開に4人はドラマティックに燃え尽きていった!660v 670v 680v 690vアンコール。
んん?まだ準備が出来ていないのか?
YUHYAさんやLEAさんが手を交差させてしきりに「ダメ出し」をしている。700 か~ら~の~「イチゼロ」サイン。710全員お揃いのTシャツに着替えたアンコールの1曲に演奏したのは「X JAPAN」の「Blue Blood」。
あ、あのポーズは「ダメ出し」ではなくて「X」だったのか!
昔、「EX(エックス)」というバンドがあってね、2本溝のレコードを出して話題になったことがあった。
1度だけ野音でこのバンドを観た記憶がある。
「2本溝のレコード」とはその名の通り盤面に溝が2本切ってあって、となりの溝に針を落とすと違う曲が再生される仕組みになっていた。
それにどういう意味があったのかはいまだにわからない。720サングラスをかけて熱唱したYUHYAさん。
ちなみに我々の世代で「青い血」といえば大映の「大怪獣ガメラ」だよ。730v「今日は我々、こうやってワンマンをやっておりますが今年もガンバって活動して参ります。
で、今日はひとつ発表があります。
下半期に巣鴨の『獅子王』で主催のライブが1本決まりました。
楽しみにしていただければと思います。
さて、残り時間があと14分となってしまったのでソロソロ」
時間に追われる「シンデレラ・ライブ」も残りわずか!740「ではでは今日はいい天気ですからきっと夜になってもいい星空が見えるのではないか思います」750vアンコールの2曲目は「Starlight」。750そしていよいよ最後!
「ついにコノ曲が流れたと言うことは、本当に、本当に最後になって参りました!
皆さん、今日は長い間本当にありがとうございました。
我々1st0は今年も走り続けますよ~。
このままみなさんと駆けて行きたぁ~い!」760もちろんショウの締めくくりは泣く子も黙る1st0のキラー・チューン「Planetary Nebula」。770この名曲を志し高らかに奏でた4人。
コレはもう日本のロックの「第九」だね。780v 790v 800v 810v会場の聴衆に、そして配信の観客に大きな感動を与えて1st0の3回目の単独公演が終了した。
もちろん時間通りに!830「ありがとうございました!」
8401st0の詳しい情報はコチラ⇒1st0 Official850<おしまい>
 200(一部敬称略 2026年5月10日 吉祥寺CRESCENDOにて撮影)

2026年6月12日 (金)

1st0~Dramatic 1man Show 3rd<前編>

今回は「ドラマティック・ロック」を標榜する「1st0」の第3回目の単独公演のレポート。
自分たちの音楽の創出に取り組む真摯な姿勢がストレートに伝わって来る、観ていてとても気持ちのよい良いショウだった。10v会場の入り口には祝い花が飾られ…20vオリジナル・リストバンドの特設コーナーが設けられた。30 それとは別の会場内の屋台村のようす。40アルバムのスリーヴ・デザインをあしらった2種類のTシャツが好評だ。50今日は午後1時開演のマチネー。
深遠なSEが流れる中、メンバーがステージに現れて定刻通りにショウはスタートした。
今日はパンクチュアルに進行すること間違いなし。
その理由はMarshall Blogの前回の1st0のライブ・レポートに書いた通りだ。60YUHYA70vRyo80vTAKAAKI90vLEA100v1曲目の「Revolution」からギターとベースのポジションを入れ替えての大熱演。
3回目の単独公演のスベリだしは絶好調だ!110続けてRyoくんのギターはじまりでセカンド・アルバム『2nd Chapter』から「Acceleration」。120vRyoくんの轟音はもちろんMarshallから。
「JCM2000 DSL100」と「1960A」を使用。125vYUHYAさんが魅惑のメロディを歌い上げると…130vRyoくんの必殺のソロが炸裂した!140すでにLEAさんのツーバスが思う存分暴れまくっていることはココに書くまでもなかろう。150「皆さん、こんにちは!
ウォ~!超満員でございますね。
我々、ドラマティック・ロックバンド『1st0』です。
3回目のワンマンライブにお越し頂きありがとうございます。
さっそく2曲連続で聴いてもらいましたが、今回は珍しくコノ熱い男、Ryoが作った2曲でスタートしました」160v「日曜日のゴールデンウイーク最終日の昼間からご来場頂きありがとうございます!
以前、今演ったどちらかの曲でライブが始まったことはあったんですが、最初に自分の曲が2つ続くというのは初めてこのことで…しかもそれがワンマンで、というところがうれしいような、恥ずかしいような」170v「恥ずかしくないよ。
『Acceleration』の歌詞に関しては、私が『こんな感じでお願いします』とRyoに渡して、すぐにすごく良い感じで作ってくれたんですけど、実はこの曲を初めて聴いた時にガァッ~っとすごく速い感じの印象を受けたんです。
それでフワ~っと降りて来たモノがアニメのキャラクターなんですよ。
『アクセルレイター』というダーク・ヒーローのキャラクターなんです。
そのストーリー通りにチャンと仕上げてくれたんですよ」
と、みんなでそのアニメの話しで盛り上がって…180「ボクの曲は結構ストレートな曲が多いんですが。『ドラマティック・ロック』というところで、これからもどんどんドラマティックな曲を演っていきたいと思います。
ボクの曲が2曲続いたと言っておきながら、もう1曲聴いてもらいたいと思っておりますがいいですか!」190vRyoくんが作った曲だけあって次の「The Abyss is calling」もシャープなギター・リフからスタート。200vTAKAAKIさんの重低音がグイグイとバンドを引っ張っていく。210vサビの「♪Just calling you」がどうしようもなく印象的だ!220vもちろん作曲者も感情を込めてソロをブチかます!230vYUHYAさんが「Tragedy~!」と絶叫し、「ホイ!ホイ!」と客席をアオる。
240曲はファースト・アルバムのオープナー「Tragedy~終焉~」だ。250シットリとしたムードから曲がパワフルに展開していくワルツ。260vシーンに合わせてYUHYAさんが巧みに歌い抜けて行く。
曲はセカンド・アルバムに収録されている「Tragedy~輪廻~」へとつながる。
コレは組曲になっているのね?270vハードで豪壮なリフから…280vナイーヴなパートまで、ドラマツルギーに長けたこの曲を表情豊かに表現していく。290随所にちりばめられた耳を惹くRyoくんのギター・プレイ。300プロッグ・ロック・テイストの後半からダ・カーポして曲が終わる展開があまりにも素晴らしい!
これぞまさに「ドラマティック」!008a0116いきなりRyoくんの泣きのギターが飛び出して来て休みなく次の曲が続く。320v一転してド迫力の猛進状態が繰り広げられる!
曲は「Glorious Fate」。330何しろ煙が上がってしまいそうな凄まじいドライブっぷり!340vそんなバンドのパワーを一身に受けてYUHYAさんが果敢に熱唱する。350「ギター、Ryo!」
ソロから同期を使ったギター・アンサンブルへと曲は進んでいきクライマックスを迎えた。360「ありがとうございます。
『Tragedy』を2曲演りましたが、実はコレは3部作という話が最初からありまして、最後は壮大な感じになるんですかね?」365aYUHYAさんの話を受けてLEAさんがひと言。
「今日はたくさんお集まり頂いてありがとうございます。
今日は珍しくRyoくんの曲をド頭から3曲続ける構成でしたが、その後に続いたのは『Tragedy』シリーズでした。
次のサード・アルバムでは最終作がでるぞ!…みたいな感じの3部作予告の曲を続けて演りました。
皆さんには厳かに聴いて頂いちゃいましたけど、それも『ワンマンならでは』という感じですね。
疲れていないでしょうか?
もうサード・アルバムも今絶賛レコーディング中です。
作曲も並行してやっているんですが、まだ3部作の曲については出来ておりません。
デモの形にはなっていなくて、まだボクの頭の中にしかありません」365bv「サード・アルバムは『Tragedyシリーズ』に限らずかなり大作づくしで、ポップでロックで、ドラマティック・ロックでメタルじゃないよ…みたいな。
でもサード・アルバムで『ウチらメタル・バンドじゃないよ』というのはチョット無理があるんじゃないかっていうぐらい結構鉄っぽい。
みんなでホウレンソウ食べてちゃんと鉄分を補給しましょうね!
ちなみに、オープニングのSEわかりました?
『Revolution』と『Acceleration』のメロディが入っていたんです。
ワンマンなのでそんなSEを独自で作ってみました。
我々にはキラキラした装飾とかはありませんが、そうやって音楽的な部分でガンバっていますのでこの後も楽しみにしていてください!」365cYUHYAさんが「噛めば噛むほど美味くなるスルメ曲」と紹介した「Fight with the Madness」が続く。008a0025 ストレートなビートで突き進むメロディアスなナンバー。
イヤ、「スルメ」ほど噛む必要はゼンゼンありません。
口にいれた瞬間に十分おいしいハズ。370vやっぱり超人的なLEAさんのツーバス!
イカで例えたらダイオウイカ以上のレベルだ!380vそのバスドラムにTAKAAKIさんの低音が緻密にカラミつく!390Ryoくんはココでも表情豊かなソロを聴かせてくれた。
やっぱりMarshallが送りだして来る真空管アンプのサウンドはヌケヌケで気持ちがいいね~。400曲が終わるやいなや、TAKAAKIさんが中央の台に乗ってゴリンゴリンと弾き出した。405vその低音にLEAさんがゴキゲンなグルーヴを流し込む。420TAKAAKIさんのスラップが唸って…430vリズム隊の2人が炎上した!440v<後編>につづく
 200(一部敬称略 2026年5月10日 吉祥寺CRESCENDOにて撮影)

2026年6月10日 (水)

杉本篤彦BIG BAND東京公演~音楽活動40周年記念&バースデーライブ<後編>

「杉本篤彦BIG BAND」初の東京公演のレポートの<後編>。
最近は時代も変わり、かつては「ハードロックやヘヴィメタル専用のツール」の感が強かったMarshallのギター・アンプも世間の音楽の嗜好性の変化とともに様々な音楽の現場で使われるようになってきた。
そんな中、長年にわたってMarshallでジャズを奏で続けてきた杉本さんは日本におけるその分野の嚆矢と言ってよいだろう。
今回のビッグ・バンドとシチュエーションでもそのMarshallによるジャズ・ギターの魅力を存分に伝えてくれた。05vしばしの休憩を挟んで杉本篤彦BIG BANDの東京公演の第2部が始まった。
進藤さんが「♪ハッピーバースデートゥーユー」を奏でると…118a0452大きなバースデイ・ケーキがステージに運び込まれた。
そう、このショウは杉本さんの音楽活動40周年を記念するだけでなく、誕生日のお祝いも兼ねているのだ。10「わぁ~スゴイ!おいししそう!
コレ、ホントに食べられるの?
今日はボクの他にバンドの中でも小林くんの誕生日がが4月の24日、それからトランペットのさつきさんが5月9日なんですよ。
おめでとうございます!」118a0291「お客様で5月生まれの方いらっしゃいますか?
何人かいらっしゃる?」
気前のよい杉本さん、誕生日が近いお客さんに何枚かCDをプレゼントしちゃった!30_2「やっと3歳になりました…還暦過ぎたらもう一緒なんで。
産んでくれた親にも感謝したいと思いますし、こうやってこの世界でなんとかやっていかれるのも皆さんのおかげでして心から感謝したいです。
そこで愛を込めて『愛のテーマ』を1曲目に演奏したいと思います。
ご存じかと思いますが、キャセイパシフィック航空のきれいな『スッチー』。
今は『キャビン・アテンダント』と言いますが、昔はスッチーって言っていたんです。
かつてのテロ事件以前はソフトケースに入れたギターを機内に運ぶことができて、それがスッチーと話すチャンスだったんです。
今はテロのせいでそれが出来なくなっちゃった」
ま、猛烈に人当たりの良い杉本さんのことだからギターが持ち込めなくてもキャビン・アテンダントとガンガンおしゃべりされているのではないかと思いますけどね。40v_2ということで第2部はアメリカのシンガーソングライターのバリー・ホワイトが「ラブ・アンリミテッド・オーケストラ」名義で発表した「愛のテーマ(Love's Theme)」。
昔の人ならだれでも知っているこのメロディ。
杉本さんがキャセイパシフィック航空の名前を出したのは、この曲がテレビCMに使われていたから。
それで誰もがこのメロディを知るようになった。
杉本さんらしい優しさあふれるチョイス。50分厚いトランペットのアンサンブルがこの名旋律を美しく歌い上げる。60フルートに持ち替えた加納さんのソロに…80池田さんのトロンボーン・ソロが続く。90そして杉本さんのソロ。
シングル・トーンで弾き始め、ところどころオクターブを織り込んでメロディアスなソロを練り上げた。100v杉本さんのギターを鳴らしているのはMarshall。
指先で弦をはじく杉本さんの奏法に音の立ち上がりが速いMarshallがベストマッチするのだ。110v今回使用しているのは50W、1x12"のトランジスタ・コンボ「MG50DFX」。120杉本さんが使っているモデルは姿を変え、同スペックで「MG50GFX」という名前でMarshallは生産を続けている。Mg50gfx続いては進藤さんが弾くあの超有名なイントロ。
ピアノ・イントロ・クイズをやればその即答率と正解率は「オブラディ・オブラダ」や「レット・イット・ビー」といい勝負になるのではあるまいか?130そんなイントロに続いて飛び出して来る鉄壁のアンサンブルは「Take the A Train」。
自然と客席から手拍子が沸き上がった!150ココではまず杉本さんのソロが先行。160続いて大野裕太さんのアルト・サックス・ソロ。175v小野塚豊さんのテナー・サックスがソロを引き継ぎ…180v定番のソロ・フレーズを織り込んだ松木さんのトランペットを経て…190v小池さんのテナー・サックスがソロ・リレーのパートを締めくくった。200vサックス・セクションでバリトンを担当しているのは宮原朋子。504vそしてこれまた有名なアンサンブルのパートが続き曲は最高潮を迎えた。210「ありがとうございました!
コレ、イントロのピアノが有名でギターで演ろうと思って練習してみたんですが、ギターであのメロディを弾くとすごくチャッチくなっちゃうんですよ!
練習中に自分で却下して、やっぱり進藤さんにピアノで弾いてもらうことにしました」220v「さて、今日は5月5日ということで私の誕生日でもあるんですが、実はボクは歴史が好きで、特に幕末の新選組の『土方歳三』が好きなんです。
旧暦にはなるんですが、実は土方歳三も5月5日生まれなんですよ。
当時の太陽暦にするとズレちゃうらしんですが誕生日が一緒なんです。
しかもボクがいた地域が歳三が若き日に剣術の腕を磨いた牛込柳町の『試衛館』の近くだったのですごくジモティを感じるんです」230「それで土方歳三の曲をいくつか作りまして、その最終版って言うんですか?…第3弾として歳三が函館で死ぬ瞬間を描いた曲を作りました。
コレも元はビッグバンドの曲ではないんですがアレンジしてみたら素晴らしいサウンドになりました。
『土方歳三に捧げるVol.3』です」240曲は「North Road」。
「北海道」を英語にして「海」を取ったという曲名。
とてもロマンティックなアンサンブルで曲はスタート。250進藤さんのピアノをバックに物悲し気なテーマ・メロディをギターで奏でる。260vトロンボーン・セクションの芳醇なバッキングを得てそのメロディが小池さんがテナー・サックスに引き継がれる。270加納さんのアルト・ソロ。
巧みなアーティキュレーションと華麗な指さばきで感動的なプレイを聴かせてくれた。280vその加納さんのソロに呼応するかのような杉本さんのソロ。
「コレが土方歳三の最期か!」
猛烈なグリッサンドでソロのドラマ性を高めた。290アンサンブルの後の長いブレイクから感動的なエンディングへと続いた。
「これでおしまい」…は勝海舟か。300しかし、ことが「幕末」となると「新選組」の人気がこうも高いのは一体どうしたことなのか?
佐幕派がそれだけ多いということでは全くなかろうに。
若~い女の子が「藤堂平助は新選組の八番隊長なんでスゥ~!」なんてやっているのも実際に目にしたことがある。
浅学にして私はどちら様か存じ上げなかったが、果たして彼女は新選組が何たるかを知っていたのであろうか?
何が言いたいのかと言うと、それだけの激動の時代、新選組以外にもオモシロイ話がたくさんあるということよ。
例えば下の写真の真ん中の『夜明けの雷鳴』。
これは「高松凌雲」というお医者さんの話。
幕府軍と五稜郭まで行って、敵味方なく負傷者の面倒を看、後に「佐野常民」らと日本赤十字社の前身である「同愛社」を設立した人。
右の『彰義隊』は説明不要でしょう。
左の『暁の旅人』は長崎で高名な「ポンぺ」の薫陶を受けた蘭方医「松本良順」を描いた一作。
良順は「順天堂病院」の創設者の1人だが「沖田総司」の主治医だった。
私はコレらを著した「吉村昭」の大ファンで、数多くの作品の舞台となっている長崎に3度ほど巡礼した。Img_5092_2本を読んだ後は機会があれば登場人物のお墓をお参りする。
下は谷中霊園にあるその高松凌雲のお墓。
コレは「掃苔家」を気取っているワケではなく、読書を楽しくするコツのひとつだと思っている。
ちなみに「今戸の狐」という落語の名作舞台の今戸には「今戸神社」という古社があって、そこには「沖田総司終焉の地」が立っている。1 ということで…
「土方歳三の次も幕末シリーズ。
今日は大阪で『杉本篤彦幕末バンド』というのを仕切っている爆破犯人みたいなベーシストの津田藤宏が来てくれています。
彼のプロデュースで『Dragon Horse』をナント京都で制作しました」310vそして当の津田さんがステージに上がってご挨拶。
さっきケーキを運び入れてくれた方。
「せっかくならば京都の電気を使って、京都で坂本龍馬の曲を録音しました!」
ココで杉本さんとの関西での活動の告知をした。340_2v 「これから演奏する曲は『坂本龍馬』をイメージした曲なんですが、コレは龍馬の末裔の方から『曲を書いてみないか?』と直接お誘い頂いて作った曲なんです。
実は今日、その坂本家10代目の『坂本匡弘(まさひろ)』にお越し頂いています」
「幕末」を時代のムーブメントとして佐幕派と倒幕派の両方を応援しちゃうのが杉本さんのスゴイところ。320v「多分日本の偉人の中で最もファンが多いと思われる龍馬でしょう。
その坂本家のオフィシャルの曲を作るということで、私もそんなに責任を持ちたくないので、ウチにお越し頂いて1音ずつ『こんなのどうですか?』とやりながら合同で作曲したようなもんなんですけど…。
その曲を『CLUB DAZZ』というアルバムに入れました。
今日はビッグバンドのアレンジで今日初めて生で聴いて頂きます。
恐る恐る演らせて頂きます!」118a0297コレが2019年にリリースした杉本さんの25枚目のアルバム『CLUB DAZZ』。Cd さて、杉本さんキモ入りのキラー・チューン「Dragon Horse」。
これまで葉山でも取り上げられて何度も耳にしてきたが、この日はビッグバンド・アレンジということを割り引いても十分すぎる気合が感じられる演奏が展開した。350スリリングなイントロに続いて杉本さんがテーマを奏でる。
この緊張感あふれる展開はまるでクライム・ムービーのいちシーンを見ているようだ。360v赤い「Byrdland」を引っ提げた小林さんのソロがフィーチャーされる。370この表情!
これで実際のプレイがソウルフルでないとしたらもう写真なんて信用できないことになる!380v続く進藤さんのソロはリチャード・ティーのようなテイストでファンキーにまとめ上げられた。390都さんのソロはオルガン。400vここぞとばかりに徹底的にハードに攻め込んで見せてくれた!410まだまだ続くソロのリレー。
次はリズム隊の2人。
まずは田中さんの必殺スラップ!420間髪を入れず正岡さんがカチっとしたソロで応酬。
「間(かん)、髪(はつ)を入れず)」ね。430v杉本さんのソロはア・カペラで。
440v「Milestones」を引用しながら得意のファンク・ストラミングでグイグイ迫って来る!
人差し指のハラでこすりながら弦をかき鳴らすサウンドは世界広しと言えども恐らく杉本さんだけのモノであろう。450そして小池さんのテナー・サックス。460杉本さんとの掛け合いだ!470曲は盛り上がりに盛り上がって幕を下ろした。
この激烈パフォーマンスは坂本家の皆さんにも大いにご納得頂けたことであろう。
自然とレポートにも力が入ってしまった!480「ありがとうございました。
『龍馬』を英語にして『Dragon Horse』というタイトルにしましたが、匡弘さんが名付けてくれました。
もう1つ、龍馬の奥さんの『おりょうさんのテーマ』もあるんですが、今日は演りませんのでお聴きになりたい方はCDをお求めください。
『Dragon Horse』か『CLUB DAZZ』というアルバムの両方に収録されていますが、2枚お買い上げくださっても買っても結構でございます」330そして杉本篤彦BIG BANDのメンバーをひとりひとりご紹介。008a0028_2 今、杉本さんの口から「おりょう」さんの名前が出たところで最後の脱線をしておきましょう。
それは長崎について。
コレのためにさっき吉村先生で伏線を張っておいたというワケ。
そう、長崎は龍馬だらけ。
ファンにはたまらんきに!505もちろん『龍馬がいく』は読んではいるけど、吉村先生が龍馬に関する作品を残していないことに加え、ウチは基本的に佐幕派なので長崎へ行っても「亀山社中」に寄るぐらい。506中はこんな感じ。
展示品がレプリカばかりなのがチト残念。510目を惹いたのはこの月琴。
おりょうさんが弾いて楽しんでいた。520v亀山社中のすぐ近くの長崎の町を見下ろすスペースには、ブーツを履いていたという龍馬にちなんだオブジェが設置されている。530コレはあの有名な龍馬の写真を撮影したという「上野彦馬」の撮影所の跡に立てられた記念像。
彦馬は横浜の「下岡蓮杖」と並ぶ日本の写真の開祖。
でもあの龍馬の写真は彦馬のお弟子さんが撮影したと云われているんだよね。008a0149市内の中心部の万才町(まんざいまち)にある「長崎法務合同庁舎」の入り口立っている月琴を弾くおりょうさんの像。
昔、ココには「小曽根乾堂」という龍馬のパトロンをしていた豪商の家があって、龍馬のはからいでおりょうさんが身を寄せていた時に月琴を習ったとか。
私はそのウチ杉本さんが月琴でジャズを演ってくれるのではないか?とひそかに期待している。540「最後の曲になりますが、2008年にコロンビアからメジャー・デビューした時に気合を入れて作った曲です。
夏が異常なんで作った曲です。
どんどんクレイジーになっちゃって…だから演奏中もクレイジーになっちゃう曲でございます」550v杉本篤彦BIG BAND初の東京公演の本編の最後を飾ったのは「Crazy Summer Blues」。
年々暑くなっていく日本の夏への心配と憂い込めたような厳しいテーマ・メロディ。
570…なんて言っみたけど、そのサウンドはストレートなロック・ビートに乗ったドライビング・チューン!
トロンボーン、トランペット、ピアノ、オルガンとつながるハードなソロを見守る杉本さん。580ソロ・リレーの後、ガラリと表情を変えた曲は杉本さんが果敢に弾き込む新しい主題に沿ってクライマックスを目指していく。560そして劇的なエンディングを迎え本編を終了した。600「ありがとうございました!」
最後にもう一度メンバーを1人ずつ紹介。590すぐさまアンコール。
右手を振り上げて気勢を示したのは『Laure'a』収録の「荒野のギター」。610コレもタイトルがいい。
そのタイトルにイメージがマッチしたテーマ・メロディはとても魅力的だ。
008a0047ビッグ・バンドをバックに情感を込めて最後のソロを奏でた杉本さん。630v「どうもありがとうございました!」
最後に感謝の気持ちを込めたひと言があってすべてのプログラムを終了した。
実にいいショウだった!
そして、音楽活動40周年並びにお誕生日おめでとうございました!640毎年Marshall Blogでレポートしている『真夏のJAZZ葉山』。
今年の杉本さんはこのビッグ・バンドを率いてご登場される。
何しろウチは夏はコレしか出かけないからね、今年もとても楽しみだ。
でも杉本さん、この人数で楽屋はどうなっちゃうの?!
 
杉本篤彦の詳しい情報はコチラ⇒杉本篤彦公式ウェブサイト650v<おしまい>

200(一部敬称略 2026年5月5日 赤坂B♭にて撮影)

2026年6月 8日 (月)

杉本篤彦BIG BAND東京公演~音楽活動40周年記念&バースデーライブ<前編>

Marshall Blogとジャズのビッグバンド…コレ、ゼンゼン関係ないように思えるかも知れないが、実は過去に2バンドほどご登場頂いたことがある。
そのウチのひとつにはマンハッタン・ジャズ・クインテットの大御所ピアニスト、デヴィッド・マシューズにも出て頂いているのだから我ながらMarshall Blogもスゴイじゃないか!
しかし、それらはNATALドラムスに関する記事だった。
そして今回、満を持してMarshallアンプをフィーチュアしてのビッグバンドのライブをレポートすることになった。
その主役は杉本篤彦…「Marshallでジャズを演る男」である。
杉本さんが長年抱いていた夢であった自分のビッグバンドを結成し、遂にその東京公演が開催されたのだ。
会場は赤坂の「B♭」。10v会場に入ると、まず杉本さんのデビュー30周年を記念して昨年5月に発表したCD『Regrowth』と続いてリリースされた『Dragon Horse』のポスターが目に飛び込んで来る。20それらのアルバムを含む杉本さんの作品や他の出演者の方々のアイテムが物販で取り扱われた。30フト壁に目をやると…「ヤマノ・ビッグバンド・ジャズ・コンテスト」のポスターが…第57回目かぁ。
私が出たのは一体何回目だったのだろう?
40vその時のプログラムを引っ張り出して来てビックリ。
1984年、それは第15回目のことだった!
42年前…この頃は毎年「日本青年館」で開催していた。
その時から何年も経って、まさかイングヴェイ・マルムスティーンのMarshallをサポートするために同じ場所に行くなんてこの時は夢にも思わなかったわ。Img_5078久しぶりにページを繰ってみる。
まだマイルス・デイヴィスがピンピンしていてニュー・アルバムを出していたんだね。
下の写真からは読み取ることができないだろうが、ギターで私の名前が載っている。
ちなみに浮世絵調のイラストの男性は私がモデルなのだそうだ。
確かに…頭はイラストと同じになってしまった。
このイラストを描いたのは「今尾敏道」さん。
今でも第一線でバリバリとサックスを吹いている。
それと、ドラムスの板谷達也くん。
彼は長年にわたり泉谷しげるさんのバンドでドラムスを叩いている。Img_5086普段「Marshall、Marshall」とロックの権化のようなアイテムの仕事をしているジジイが本当にビッグバンドなんてやっていたのかよ?…と訝しむ皆さんに当時の私の姿をお見せしようではないか。
ま、以前にも出したことがある写真なんだけど、読者がほとんど被らないからまた出してやれ。
私は明治大学の「Big Sounds Society Orchestra」という楽団にお世話になっていた。
下は4年生が卒業する時に開催するリサイタルに備えての合宿の時のようす。50v場所は山中湖とかアッチの方だったように記憶している。
ものすごく寒くて金管の連中が朝一番で楽器を手にする時にヒイヒイ言っていた。60生来ワガママな私は団体行動が大キライで、こうした「部活」のようなモノはいつも敬遠していた。
しかし、クラブ活動をしていないのは就職に不利とされていたので、写真の右下に写っているトランペットを担当していたクラスメイトに頼んで3年生の途中からオーケストラに入れてもらった。
それまでジャズはタップリ聴いていたものの、直前まではギンギンにロック・ギターを弾いていたのよ。
この合宿の最終日のこと。
こういう「みんなで力を合わせてひとつのモノを創りあげる」的な喜びを知った私は打ち上げの時に号泣してしまいましてね。
堪えても堪えても感動の涙が止まらずオンオン泣いてしまった。
もうすぐ卒業してしまう4年生とそれを送り出す後輩たちの多くが私につられてもらい泣きをしていた。70vそのリサイタルの時の写真。
ソロなんか弾いてやがる。
会場は有楽町の「よみうりホール」。90コレは「ロブ・マッコーネル」というカナダのトロンボニストのオーケストラの「T.O.」という曲を演奏しているところ。
トロンボーンの青木くんのソロのバックを務める私。
18人で構成されているオーケストラからトロンボーンとギターのたった2人だけで延々と演奏するパート。
ま~、緊張したわ。
山野のコンテストでもこの曲を演奏して「審査員賞」という賞を頂戴した。100ゲストでご登場頂いた「谷啓」さんと。
この時のことは一生の思い出だ。
以上。110昔、「アナタの夢は何ですか?」と問われたスティーヴ・ガッドが「フランク・シナトラのバックのビングバンドでドラムスをプレイすること」と答えていたインタビュー記事を読んだ記憶がある。
ガレスピー、モンク、ブレイキー、ミンガス、穐吉敏子…ジャズを志す者にとってはやっぱり自分のビッグバンドを抱えることが大きな夢なんだナァ。
さて、赤坂B♭…杉本さんの夢の場所にはMarshallがあった。1201曲目は杉本さんのギターからスタート。
お!このフレーズは?!130カウント・ベイシーがピアノで奏でる有名なイントロを杉本さんがギターで軽快に奏でて「Jumpin' at the Woodside」が始った。
ベイシー・ナンバーでスタートするとはビックリ&ゴキゲン!
140ピアノのソロはMarshall Blogでは「いわし」の「し」でおなじみの進藤陽悟。150そして、杉本さんのガッツあふれるソロをタップリ!160v杉本さんの思いのたけを音にしているのはMarshall。
50W、1x12"のトランジスタ回路のコンボ「MG50FX」。
コレのクリーン・チャンネルと杉本さんのホロウ・ボディのギターのコンビネーションが実によくマッチするのだ。170杉本さんと知り合ったのはカレコレ17年ほど前のこと。
そして下は渋谷の「JZ-Brat」に初めてライブにお邪魔した時の写真。
2008年8月26日のこと。2sg杉本さん、全然変わらないナァ。
このライブにお邪魔する前、「ボク、Marhallの『MG』というモデルが大好きなんですよ!」と一番最初に頂いたお電話でおっしゃっていたことにも変わりがないのだ。2sg2ソロは大野裕太のアルト・サックス…180vトロンボーンの池田雅明…190テナー・サックスの小池修…200vさらにトランペットの松木理三郎にバトンが回された。210各々ミュートを着脱する派手なアクションを披露したトランペット・セクション。220トランペット・セクションは松木さんの他に…

さつきかほり65v田中洋行118a0187小笠原優心70vスカ~っとスウイングして幕を開けた杉本篤彦BIG BANDの東京公演。
ギターのイントロとベイシーで思い出した!
昔の仕事で富山に赴任していた時、地元のビッグバンドに入れてもらっていたことがあったのだが、ナゼかそのバンドにはピアニストがおらず、ベイシーの曲を演奏する時にはピアノ・パートをすべてギターが代わって弾くという珍なるオーケストラだった。
「チャンとできたのか」って?できるワケない!230「ありがとうございます!
『杉本篤彦BIG BAND』の東京での初めての公演となります。
ゴールデンウィークの外へ遊びに行きたい空気の中、たくさんの方にお越し頂きましていただきましてありがとうございます。
今日は楽しんでいってください!」240vリズム・セクションは『真夏のJAZZ葉山』のレポ―トにいつもご登場頂いているお2人。
ドラムスは正岡淳。250vそしてベースはT-SQUAREの田中晋吾。2602人がクリエイトするファンキーなリズムに乗って杉本さんがテーマ・メロディを奏でる。
曲は杉本さんのオリジナル曲「Black Pepper」。270分厚いオルガン・サウンドを聴かせてくれるのは都啓一。
Marshall Blogへはご自身のバンドRayflowerでご登場頂いている。280vファンク・ビートとジャズ・ビートと変化するリズムに乗って進藤さんの美しいソロ…290杉本さんのコンボのメンバー小林憂旗のオート・フィルタを使ったソロ…300v加納奈実のサンボーン張りの泣きのソロが続く。310vそして杉本さんのソロ。
アウトフレーズを交えて色鮮やかなフレーズを紡いでいく。
ウン、MGがとてもいい音を出すんだわ~。320vここでもダイナミックなトランペット・セクションが大活躍!340ソロを交えながら再び杉本さんがテーマを奏でて曲は幕を下ろす。
330「次は比較的最近の曲で『Laure'a』というアルバムに入っている曲です。
コロナの時に曲をたくさん作りまして、収録されている曲が全てメジャーの明るい曲ばっかりなんです。その中で1曲、とてもオーソドックスなスイングの曲を作りました」360vコレがその『Laule'a』。
「大切なものはすぐ近くにある」と副題が付けられている。Lau 「ボクが育ったのは東京の市ヶ谷の方なんですけど生まれは築地です。
家がすき焼き屋なんです…若大将みたいでしょ?
だから子供の頃にいつも銀座の夜景を見ていたんです。
そんなオーソドックスな古き良き時代に思いを馳せた曲です」350「若大将」と「銀座」で少し脱線。
ココは浅草仲見世通りの裏道。
写真にあるすき焼き屋の「今半」は「人形町」やら「本店」やらどにうもややこしいことになっているが、どうやら事業体としては5つの今半が存在するらしい。Img_6777この今半別館というのは今半本店から暖簾分けされ芝の三田で営業していたが、戦時中に建物疎開(空襲の延焼被害を少なくするために強引に立ち退きをさせられた)で取り壊されてしまった。
そこで戦後に浅草で再オープンしたのがこの「今半別館」。Img_6782そして、コレが「若大将・田沼雄一」の実家であるすき焼き屋「田能久」のモデルになった。
そう言われてみると今にも「飯田蝶子」や「有島一郎」が玄関先に出て来そうだ。Img_6780それと銀座。
私は昔の東京の景色が見たくて古~い日本映画を観出したんだけど、コレが尋常でなくオモシロい。
そこで頼まれもしないのに70年前ぐらいの銀座の様子わかる作品を3本ほど紹介しておく。
『君の名は』の数寄屋橋にも仰天したが、コレが一番スゴかった。
1951年、「成瀬巳喜男」の『銀座化粧』。
ちょうど「三十間堀川」の埋め立て工事をやっている頃で、「田中絹代」が東銀座を案内するシーンが素晴らしい。
「三原橋」がまだ「橋」だった頃の映画。Gk1955年の『銀座二十四帖』。
日活作品だけあって内容はチト荒唐無稽だけど、そこは黒澤明も認める映画づくりの名手にして明治大学OBの「川島雄三」がうまく作ってくれているでげす。
題名通り舞台はドップリ銀座でありんす。(川島さんは花魁言葉をよく使ったそうだ)
男性諸氏は「月丘夢路」の規格外の美しさと「浅丘ルリ子」の信じられないぐらいの可愛さを堪能すべし。24jpg1950年代には銀座を舞台にした映画はものすごくたくさんあって、どれもすごくいいんだけど「銀座の街並みフィーチュア」ということで最後の1本はコレにしてみる。
1953年の清水宏の『都会の横顔』。
銀座で迷子になった子供を池辺良が連れて歩く設定で銀座の街並みがガンガン出て来る。
とにかく若き日の「有馬稲子」が可愛いいったらありゃしない。昔の宝塚はスゴかった!Ty2 そんな昔の銀座の雰囲気を味わったところで杉本さんが演奏したのは「夜風のスイング」。370「夜風のスイング」…まずタイトルがいい。
そしてオクターブとコードで奏でる愛らしいテーマ・メロディはいかにも杉本さんらしい。380そのままソロに。
心温まるメロディが次から次へと飛び出して来る。390v松木さんのよく歌うソロから…400進藤さんのピアノへとリレー。410スケールの大きなオーケストラ・アンサンブルでハッピーに曲は締めくくられる。
ウ~ム、私も映画が好きだったので50年以上前から有楽町や銀座に足繁く通っていたからね…演奏を聴きながら日劇や朝日新聞の本社や東京都庁があった頃の景色を思い出したわ!
あの頃に戻りたいとは思わないけど…昔はヨカッタね。
つまり「Things Ain't What They Used to Be」!420「夜の銀座というと、ウチのおバアちゃんは『服部時計店』…『和光』に勤めていたんです。
だいたいアソコはルパンとか、怪人二十面相とか、犯人がアドバルーンで逃げていくようなイメージがあって、そういう曲を作っちゃいました。
タイトルが『怪人二十面相』…『ウォホホ、明智くん』。
コレが商標に当たるかどうかチャットGPさんに聞いたら…『大丈夫』って」
アラ?また江戸川乱歩…というのは最近別の記事で2回続けて乱歩のことを書いたばかりだったから。430今、杉本さんが口にした『明智小五郎』ね。
この人が一番最初に乱歩の作品に登場するのは大正14年の「D坂の殺人事件」という30分もあれば読めちゃうような短編なんだけど、この「D坂」って何のことか知ってる?
コレは根津にある「団子坂」のことなのね。
1868年の上野戦争の時、長州の連中はこの坂を下りて来て、幕府軍のボス「輪王寺宮能久親王(りんのうじのみやよしひとしんのう)」がいる「東叡山寛永寺」を目指したんだネェ。60 「アドバルーンね。今はもうないですね。
アドバルーンを覚えてる人は大分…マァ~昭和30、40年代生まれぐらい?
松屋とか三越とかで上がっていましたね。
チョットそんなイメージで作った曲です」
ホント、昔、アドバルーンはそこら中に上がっていた。
松屋や三越でなくても新小岩の西友だってジャンジャン上げていた。
あの頃と比べて東京の空からいなくなったのはアドバルーンだけではなくて、コウモリもいなくなったよね。
森鴎外の『雁』みたいなことを言っておりますが、昔は夕方になって、遊び疲れて家に帰る頃になるとどこからともなくコウモリがチロチロと飛んで来たものだった。420v第1部を締めくくったのは杉本さんのキラー・チューンのひとつ「怪人二十面相」。
スリリングなドライビング・ワルツ。440サックスとユニゾンで奏でる怪しげでなテーマ・メロディ。118a0049 そのままシャープなフレーズで構成されたギター・ソロへ。
「杉本さん+ワルツ」ということになるといつか葉山でウェスの「Ful House」を取り上げていたことを思い出す。450続いては途中で転調を絡まりながらの池田さんのトロンボーンをタップリと!470vトロンボーン・セクションは…
 
伊藤直哉500v田村理Tb1バス・トロンボーンは望月さやか。490v小池修さんの力強いソロが続く。
実は小池さんとは15、16年ぐらい前に当時私が勤めていた会社が扱っていたリードの件で電話で会話をしたことがあった。
冒頭に出て来た今尾くんの伝手だった。
その時のことを今回小池さんにお話ししたところ「お~、あの時の!」と覚えてくださっていた。480そして曲の後半ではリズム隊2人がフィーチュアされた。
まずは田中さんのソロ。490vそして進藤さんのモントゥーノに乗って正岡さんが鮮やかなスティックさばきを見せる。500曲はゴージャスなアンサンブルが展開し、怪人二十面相がアドバルーンで空の彼方に飛んで行った。510杉本篤彦の詳しい情報はコチラ⇒杉本篤彦公式ウェブサイト
620v
<後編>につづく

200(一部敬称略 2026年5月5日 赤坂B♭にて撮影)

2026年6月 5日 (金)

SYU & YUHKINEN LIVE IN BANGKOK

GALNERYUS(ガルネリウス)のSyuとYUHKIのデュオ・チーム「SYU & YUHKINEN」が5月末に台湾とタイに遠征した。10v_2タイのバンコクでのライブ会場はナントMarshallのライブハウス…その名も「Marshal LIVEHOUSE BANGKOK」。30_2Syuちゃん曰く、とにかく店内は猛烈にMarshall!40アンプからヘッドホン、Bluetoothスピーカーまで鉄壁の品揃えだったとのこと。50v_2実機は展示されていなかったが、先日ココでも紹介したジミ・ヘンドリックスの新しいスタックもフィーチュアされていたそうだ。60_2Syuちゃんはこの東南アジアツアーに出かける3日ほど前に東京で開催された『Tone Sanctuary』というMarshallの試奏会でその新しいジミヘンのスタックをお試し頂いた。
このアンプ自体は「1959 HAND WIRED」なんだけど…スンゲエ音だったわ!
Syuちゃんと一緒に写真に収まっているのはMarshallのアーティスト担当のジョエル・マナン。
筆者とは20年以上来の友達。
しかし、考えてみるとSyuちゃんは2005年に開催した『Marshall祭り3』に出演してもらった時よりも前からなのでお付き合いなのでやはり20年以上になるんだよナァ。008a0625ステージはこんなようす。
ちゃんとドラムキットがNATALだわ。70ステージに上がったのは「JVM410H&1960BV」と「JCM800 2203&1960BX」。
ナンダ?タイはBキャビが人気なのかしらん?80Syuちゃんは2203の方を使用。
タイは電圧が220Vなのでゴキゲンなサウンドを得ることができたようだ。90v会場は満員。100_22人のオリジナル曲とガルネリウスの曲をインストゥルメンタルにして披露した。110_2轟音&爆音で縦横無尽に弾きまくるSyuちゃん。120vスーパー・テクニックで迎え撃つYuhkiさん。
さぞかし凄まじい演奏だったハズだ…と初めて見たようなことを言っているけど、実は私は2007年にこの2人の演奏をフランクフルトで見ているんだよね。130vコレはその時の様子。
何しろ19年前のこと。
2人とも若さ全開でバリバリ弾きまくってヨーロッパの観衆からヤンヤの拍手を浴びていた。Rimg0174こんなオマケもあったっけ。Rimg0172ついでながら、私はコレ。Rimg0212バンコクのお客さんは真剣そのもの。
穴が空くほどの熱い視線で2人の演奏に見入っていたとか。
ところがみんなスマホでビデオを録っているので、曲が終わると録画を停止する作業を優先するため拍手や歓声が遅れて上がって来る。
演奏している方は「アレ?ウケが悪いのかな?」と心配になっちゃうよね。140_2演奏の後はQ&Aのコーナー。150vお客さんからは、ギターやペダルの機材類、作曲や練習方法に関することに質問が集中した。
18年ぐらい前、Syuちゃんと私の2人で「Marshall Roadshow」というこうしたクリニックを開催し、日本国中を回った。
その中でさんざんQ&Aをやったが、質問の内容は全く同じですな。160みんなで記念撮影もしたよ。170_2そして終演後はサイン会&握手会。180ライブを観たお客さんの全員が列に並んでこの貴重な機会を体験した。
ギターを持参した人も!190_2GALNWRYUSの人気は台湾でもすこぶる高く、タイではラウド系のロックに人気が集まっているらしい。
客層は日本とは比べ物にならないぐらい若い人が多く、今回のライブも20歳代のお客さんが中心だったという。
ハードロックやヘヴィメタルはもう東南アジアに活路を見出すしかないのか…。
Marshallがなければ創りえなかったそうしたロックを今の日本の若者にも親しんでもらいたい…心底そう思う。
ガンバれGALNERYUS!200_2ところでバンコク公演を終えて帰国しようとした2人、折り悪く台風6号にカチ合ってしまい現地で延泊をするハメになってしまった。
お疲れさまでした!
 
GANERYUSの詳しい情報はコチラ⇒GANERYUS Official Website

20v 200(一部敬称略 写真提供:Syu)

2026年6月 4日 (木)

マーシャル・ブログ博物館  第9回:マーシャル・タイムマシン<その3>

1971年8月発行の『The Marshall WORLD』を見てみよう。
「MARMARADE」という9文字がド~ンと目に飛び込んで来る。P1「Dean Ford and Gayloads」というバンドを前身に1966年に結成された「マーマレイド(Marmalade)」はグラスゴー出身のポップロック・バンドで、「なつかしの〇〇」のようなサーキットでナント現在も活動しているらしい。
1968年から1972年にかけて10曲をUKシングル・チャートに送り込んだ人気のバンドで、「Reflections of my Love」というビルボードで10位、UKチャートで3位まで上昇した国際的なヒット曲を持っている。
聴いてみると確かにマーマレイド・ジャムよりはアマアマなれど「マーマイト」よりははるかに良い。
ま、例によってMarshallの必要性は感じないが…。
ズラリと並んだMarshallのフル・スタック。
これはロンドンの北の「セント・オールバンズ」というところで開催されたMarshallのデモンストレーション・ショウのようす。
見出しにある「CODY」というのも当時の新進気鋭のイギリスのバンドでこのショウに出演した。
ステージにMarshallの三段積みがある光景ってのはやっぱりいいもんだナァ。Mmr1演奏以外にもMarshallの商品を来場者に説明するコーナーもあったようだ。
下がそのようすっぽい写真…どう見ても商品の説明をしているようには見えないな。
このオジさんの前に置いてあるのはMarshall製の8チャンネル・ミキサー「2050」とパワー・アンプ(スレイヴ)の「2031」。Prmコレはマーシャル・ブログ博物館の第3回目で紹介した工場に残っている「2031」。
MarshallはこのPAシステムには相当入れ込んでいたような感じがする。Img_0017こんなところで「MARSHALL LAW」という言葉が出て来ている。
「3700Hi-Z」というMarshallのマイクロフォンの広告。
「Marshallの高品質のPAアンプにはMarshallの高品質のマイクロフォンをお使いください」という戒厳令を発しているワケね。
先っチョのグリルのデザインが「Marshall」の「M」になっているんだゼ。
その下には「JIM MARSHALL」の文字が見える。Mic_2「露出を重要視しているMarshallとローズ・モーリスは主要販売国の展示会に積極的に参加しています」ということで2ページ目では海外での楽器展示会の様子を報じている。P2コレはスイスの「チューリヒ」。
なかなかのボリュームだ。ZuコレはNAMMショウ。
左は現在も営業しているトロントの楽器店「Long & McQuade」のジャック・ロング。
その隣りはナント!…ジム・マーシャルと2番目の奥さんのルネ・マーシャル。
さらにローズ・モーリスのモーリス・ウルフ。
右端もローズ・モーリスの人か?Mm_2フランクフルトで年1回開催されていた『Spring Fair』。Ff_2ロンドンで開催された『Sound 71 Internatuonal Exhibition』の様子。
ココでも「2050」と「2031」をプッシュしている。
上に書いた通り、かなり推しの商品だったんだナァ。
とにかくこの当時はPAシステムの機材に心血を注いでいたことがわかる。Osコレはイスラエルの「テルアビブ」での展示会。
右の白髪のオジさんは「アイザック・ウルフソン」というイギリスではよく知られたスコットランド出身の起業家&慈善家。
1900年に創業した「Universal Stores」という通販会社をヨーロッパ最大の規模に成長させた人。
現在は「GUS(Great Universam Store)」という企業名で7万人の従業員を抱える大企業として運営されている。
このウルフソンさん、正式には「Sir. Isaax Wolfson, 1st Baronet」というお名前だそうだ。
この「Braonet(バロネット)」というのはイギリスの世襲称号のひとつで、地位は「男爵(baron)」の下、「ナイト(knight)」の上に位置し、日本語では「準男爵」という訳語が当てられているが世襲称号のウチでは最下位で、貴族ではなく平民の扱いとなる。
女性の場合は「baronetess(バロネテス)」。
敬称は「sir(サー)」、女性は「dame(デイム)」。
準男爵の奥さんは「lady(レディ)」という敬称が付けられる。
ウルフソンさんはMarshallの製品を自社で扱おうとして見に来たのかしらん?Ta毎号掲載しているMarshallの世界の代理店の紹介。
日本も出ている。
1971年当時、日本でMarshallの輸入代理店を務めていたのはどこでしょう?
「荒井貿易株式会社」だった。
この後に形を変えてまた出て来るのでそこで詳しく見てみよう。

Dis_2
読者からのお便りのコーナー。
サンフランシスコの「レオナルド J. バンコ」さんから「最近香港に行った時に1992SUPER BASSと1982スピーカー・キャビネットを買い、『The Marshall World』を手に入れました。とても気に入っています。そして品質の高さと職人気質に誇りを持っている御社を祝福したい」
同じような内容の手紙がオハイオとイギリスのサセックスのお客さんから寄せられている。
ありがとうございます。Lt_2 

HisMarshallとローズ・モーリスの歴史が簡単につづられている。
「1964年9月5日土曜日、ローズ・モーリスの3人の役員が初めてMarshallアンプの音を耳にしました。ハンウェルにあったマーシャルの小さな工房でのことです。
45Wと50Wのアンプ、さらにPA用のコラム・スピーカーひと組が用意されました。
その品質は感動的で、書類が即座に弊社の購買部に送られ、月末までジム・マーシャルがローズ・モーリスのロンドンの事務所を世界の総販売元の拠点に任命したのです。
ジムはいつもしきりに自分の製品がどうすれば世界のあらゆる地域で受け入れられるかについて考えを巡らせていました。
そしてジムはローズ・モーリスの役員と手を握り、アメリカやヨーロッパの国々への進出を果たしたのです。
この1964年の歴史的な日から数年が経過し、Marshallの商品は驚くほどの成長を遂げ、文字通り世界中のバンドやオーケストラやアーティストに行き渡ってきました。
ナイトクラブやレストランや社交クラブ等、あらゆる場所に広がったのです!
その成長のペースに工場の規模が合わなくなり、Marshallは3度ほど移転を繰り返し、現在はブレッチリーに落ち着きました。
上着を脱ぎすて腕まくりをするボスの下、Marshallの工場は活況を呈しています。
チョットとした歴史でした…でもMarshallにとってはエキサイティングな歴史なのです」
拙訳ゴメン。

 

3ページ目は世界のバンドの紹介。P3「グル・グル」なんて出てるよ!
「ハイデルベルグを基点にMarshallを使って欧州で最も難解な音楽を演奏するトリオ」なんて紹介されている。
ナニか気の利いたことを書いてあげたいんだけど、私は「クラウト・ロック」の素地がないのでパス。Gg_2この下は私にとっては大発見中の大発見。
長年のナゾがこの「The Marshall WORLD」であっけなく氷解した。
…というのは、私はMarshallに直接お世話になる前、輸入楽器を取り扱うヤマハの子会社で長年にわたってMarshallの担当をしていたワケだが、その頃「日本で最初のMarshallの輸入代理店はどこか?」という問いに明確に答えられる人が社内にいなかった。
「ヤマハではなかった」ということと「数社で輸入販売」をしていたという情報があるにはあったのだが、「じゃ、誰なの?」と突き詰めると最古参の社員も言葉を濁さざるを得なかった。
そこでこの記事の登場だ。
興味深いのでナニが書いてあるか私の頼りない英語力で訳出してみよう。
今から55年間前、「1971年の話」ということを念頭に置いて読んでくだされ。
 
「今年のフランクフルトの楽器展示会で『荒井貿易』という会社が日本のMarshallの総輸入代理店に任命された。
4月8日に最初のオーダー分を出荷。
5月20日、6月に開催される『Tokyo Music Fair』の展示に間に合うようにと2度目は急ぎのオーダーとなり、6月8日に商品が出荷された。
日本のマーケットが究極的に重要なモノになっていくことを感じ、私は『Tokyo Music Fair』の開催に合わせて予定していた訪日を早め、一体どういう風にプレゼンテーションをして、それがどのように受け入れられるかを自分の眼で確かめることにした。
そして、その両方について決して失望することはなかった。
『Tokyo Music Fair』は1971年、日本で最初に開催された楽器のイベントで、その後たくさんの同様の展示会が開催されるようになったのはごく自然のことと言えよう。
しかし間違いなく『荒井史郎(荒井貿易の創設者)』は際立っていた。
メイン・ホールの展示は十分な広さの回転式の展示台に数々のギターや関連商品が展示された。
そして別室に用意された大きな舞台の端には他の商品とともに色違いのMarshallのスタックがいくつか設置されていた。
それらのMarshallは展示するだけが目的ではなく、日本の第一線のバンドがひっきりなしにそのMarshallをデモンストレーションしたのだ。
その中のひとつが「The Samurais」で、その演奏で常に部屋をイッパイの観客を酔わせていた。
そこで私は英語を理解することができるお客さんと少し話しをしてみた。
客の評価は一様に熱狂的だった…というのは彼らはこれほどの爆音にもかかわらずピュアで歪まないアンプの音を耳にしたことが全くなかったのだ。
他の地区の代理店の社長たちからもこの点について熱狂的な支持を得ている。
例えばドイツの『Gotthold Meyer(かつて長年にわたってドイツの代理店を務めていた[MUSIK MEYER]の社長だった人)』、カナダの『Fred Kalisky([Efkay Music]という会社の創設者)』、メキシコの『Walther Veerkamp([Casa Veerkamp]という会社の以前の社長)』などなど。
イベントの最終日、私が告げられたのは今回の展示が大成功で、以降の出荷を出来る限り早くしてもらいたいということだった。
たった3ヶ月の間に3回ものリピート・オーダーをもらった私はスッカリ気を良くしてしまった。
私たちローズ・モーリスは素晴らしい商品を販売していることを知っているが、商品に寄せられる賛辞はこうした地元のエージェントの最初のプロモーションにおいて見せるその熱意によるものと感じている。

荒井貿易株式会社の社長の荒井史郎さん、輸入品担当マネージャーの村松さん、並びに日本において卸業務をご担当頂いている神田商会株式会社のShigeo Kindo(ママ)さん、Tomotashi Suzuki(ママ)さんに深謝申し上げる次第である。    

ローズ・モーリス共同経営責任者ロイ・モーリス」(一部敬称略)Jp上に書いたように私がヤマハの子会社に所属していた時に「最初期には数社がMarshallの輸入販売をしていた」とされていたが、そうではなかったのだ。
このロイ・モーリスのレポートを鵜呑みにするところによれば、荒井貿易株式会社がMarshallを輸入して、楽器問屋である株式会社神田商会に商品を卸していたんだね。
そしてこの新聞の2年後の1973年、ディープ・パープルが2回目に来日した年にヤマハ株式会社(当時「日本楽器製造株式会社」)がMarshallの総輸入販売代理店の権利を獲得して現在に至っている。
今にして思うと、この代理店の変更はジム・マーシャルではなくてローズ・モーリスの仕業だったんだろうな。
 
写真につけられているキャプション⇒「THE SAMURAIS:日本のトップ・グループのひとつ。
アメリカでも活動するボーカリストのミッキー・カーティスにより結成。
他のメンバーは「Yuji Harada(ドラムス、原田裕臣)」、「Kippy(リード・ギター)」、「Jimmy Tetsu(ベース、山内テツ?)」、そして「Boo」。1971_8_3急に思い出した。
今から15年前、ミッキーさんからサインを頂戴したことがあったんだ。
ニコニコ、メチャクチャ感じのよい方だった。Mc2それともうひとつ。
下は「外道」の加納秀人さんが所有している1971年製の「1959」と「1960AX」。
よく秀人さんは私にこう説明してくれた。
「コレはね、日本に初めてMarshallが入って来た時に神田商会から買ったモノなんだよ。
本当に音がデカくて全く歪まないんだよ!」
シリアルナンバーから割り出すと1971年製だった。
私は何度もこの1959の音を耳にしたが、秀人さんがおっしゃる通りどこまでいっても素晴らしいクリーン・トーンで、それだけに音ヌケの良さは尋常ではない。
よっぽどギターの腕が達者でないとコワくて使えまい。
元々Marshallってのはそういうモノだった。
さて、これらの「神田商会、1971年製、クリーントーン」という情報を突き合せてみると、ロイ・モーリスのレポートとピッタリ符合する。
つまり秀人さんの1959と1960AXは日本に最初に上陸したMarshallと見て間違いないようだ…ということがわかった。
このシリーズ、ナンて楽しいんだろう!56v_2商品の紹介も忘れない。
ココは「Supa Fuzz 1975」と「Supa-Wah(2023)」をピックアップ。Ml_24ページ目も海外のバンドの紹介。
「ガンビアのバンド」なんて初めて聞いた。
その名も「SUPER EAGLES」。
音を聴いてみたら…もろにアフリカン・ロック。
ナンでガンビアかというと、昔、この国はイギリスの植民地で奴隷貿易の拠点だった…いう歴史的な関係があるんだね。
今でもガンビアはコモンウェルスの一員だから、イギリスが戦争に巻き込まれたらガンビアの軍隊はチャールズ王子を守るために戦わなくてはならない。
他にハンガリーの「LOCOMOTIVE」、スウェーデンの「FOLKE LINDESJO'S BAND」、イギリスの「DANIELS BAND」と「HOTT COTTAGE」。
どれも猛烈に知らん!
このHOTT COTTAGEというチームはMarshallの地元、ブレッチリー出身のバンドらしい。
アトミック・ルースター、エドガー・ブロートン、チキン・チャック、バークリー・ジェイムズ・ハーヴェストの前座を務めたことがようだ。
左下は南アフリカの「ジョニー・マーシャル」という人が本社に来て「南アで一番売れているギター・アンプはMarshall」というレポートをした…という話し。
「ジョニー・マーシャル」なんて名前は聞いたことがない。
恐らく名字が偶然「マーシャル」という南アの代理店の人なんだろう。P45ページ目。
P5パッと目に留まったのは一番上のコレ「Marshall at Ronnie Scott's」。
ヴィクター・フェルドマンがロニー・スコッツに出演してエレクトリック・ヴィブラフォンを演奏するにあたりMarshallを使用したというのだ。Jz「ロニー・スコッツ」はロンドンのソーホーにある世界的に有名なジャズのライブハウス。
2009年にMarshallは「Class5」の発表会をココで開催した。
みんなでバスに乗って工場から出発した。
この時は楽しかったナァ。

Rs ヴィクター・フェルドマンはロック的に言えばスティーリー・ダンの『Aja』他のレコーディングに参加したピア二スト、ヴァイブラフォニスト、パーカッショニスト。
ジャズ的に言えば、マイルス・デイヴィスがフェルドマン作曲の「Seven Steps to Heaven」や「Joshua」を取り上げている。A7ロンドンのオックスフォード・ストリートに「100クラブ」という、昔ローリング・ストーンズも出ていた老舗のライブハウスがあるのだが、コレはヴィクター・フェルドマンのお父さんが始めたお店だ。
何度も前を通りかかって一度入ってみたいのだが、今の出演者はパンク・ロックのバンドばかりで私にはチト性に合わないのでいまだに未経験。Img_0293新製品の広告。
1971~1978年に製造していた「Artist」というニックネームのモデル。
スタック・タイプの「2041」は「Two-Piece」と名付けてヘッドとキャビネットを組み合わせて販売した。
一方の2x12"のコンボは「2040」。
ともに出力は50Wでリヴァーブ搭載。
説明によるとMarshallのトップ・エンジニアが新しいコンセプトに基づいて設計をしたとか。
その結果、高音域と低音域がウマい具合にブレンドされた「Middle Fog」なるサウンドを実現。
リヴァーブ・ユニットはハモンド製だそうだ。NlこっちはMarshallブランドの宣伝。
まさに「破竹の勢い」というヤツだったんでしょうナァ。
勇ましいことがズラズラと書いてある。Ad_2この号、ページがまだ続くが以降は次回。
<つづく>

200

2026年6月 2日 (火)

犬神サアカス團:花、地獄に咲く花<後編>~私の谷中墓地(その21)

犬神サアカス團、4月の単独公演『花、地獄に咲く花』の後半。10v幣(ぬさ)を手にした凶子姉さんが歌うのは「人面庁」。20いわゆる「人面瘡」の歌。
この曲を聴くと手塚治虫の『どろろ』を思い出す。30v凶子姉さんが狂ったように振り回す幣が、まるでチアリーディングのポンポンのようにリズミカルに曲を彩る。
「人面瘡」ってのは日本だけかと思っていたらこの手の話しは海外にもあるんだってね。
アメリカに「エドワード・ルーカス・ホワイト」という作家がいて、『ルクンドオ(邦題:こびとの呪い)』という小説がよく知られているらしい。
明兄さん、読んでみて!40「ハチマキってどうなの?ってズっと思ってんだけどさ、ハチマキといえば『岩下志麻』か私かでしょ?
アッハハハハ!
岩下志麻の次に私が似合うと思ってるよ。
あの『卑弥呼』って映画を観た時、やっぱハチマキはヤベェって思ったしさ。
ホラ、あるじゃん?丑の刻参りとか。
みんなハチマキやった方がいいって。ハチマキやってるバンドなんてある?
誰もやらなかったね」45「岩下志麻」が「卑弥呼」を演じていたなんて知らなかった。
それにしても岩下さんはどうしようもなくキレイだよナァ。
好みにもよるけど女優さんの中で一番の美人じゃないかとさえ思っている。
あの甘くて太い声がまたいいんだわ。
「俳優は顔より声の方が重要」とさえ言われているからね、志麻さんは完璧なの。
恐らくアレは野村芳太郎の『疑惑』で「球磨子」の弁護士役を演じるために勉強をしに来ていたんだろうと思う…私が高校生の時、東京地裁のとある裁判の傍聴席で彼女が私のすぐとなりに座ったことがあった。
いいニオイだった。
岩下さんの清張モノといえばこれまた野村芳太郎の『影の車』も好きな作品。
小津さんの『秋刀魚の味』はもちろん、中村登の『古都』や『紀の川』の文芸モノ、小林正樹の『切腹』や今井正の『婉という女』、木下恵介の『死闘の伝説』というバイオレンス作品、どれもヨカッタ。
よくテレビに出て来る「茂木健一郎」という脳科学者は『秋刀魚の味』を60回以上観ているそうだよ。
ま、私ですら3回は観ているもんね。
でもダンナの篠田正浩の作品はニガテ。
そんな中、志麻さんのおススメを1本。
またまた野村芳太郎で1967年の『女の一生』という作品。
『女の一生』といえば、号泣せずにはとても読むことができない遠藤周作の同名の連作小説があるけれど、この映画はフランスのモーパッサンの方。
かなり原作に忠実に日本版に翻案されている。
岩下さんもいいけど、「左幸子」がまたいいんだ~。
今知ったけどコレは「山田洋次」が脚色に加わっていたんだね。
だから余計いいのかも。
凶子姉さんが「岩下志麻」なんて名前を出すから予定外の脱線をしてしまったわ。O1 「春…ナニか新しいコトありますか?新しくやろうかナァとか、ナニか買おうかナァとか」50「犬神明です!」
60「ヤッパリね、春だからやりたいことが結構あるんだよ。
その1つがヨガだね。
ズッと言っているんだけど、そろそろ本気でやろうかな…ホットヨガ。
普通のストレッチにもなるし、運動にもなるし、いつかやりたいと思っている。
身体は全然硬いです。
あとは動画編集に最近ハマってる」
最近、明さんは昔の「犬神サーカス団」時代のレアな動画を掘り起こしてSNSで公開しているからね。
まだまだ超貴重なマテリアルがあるんだってよ。
ということで明兄さんの動画編集に期待。
何しろ8mmのフィルムも残っているのだそうだ。70v明兄さんの「春」が終わったところで演奏のコーナーに戻る。
曲は「太陽を待ってる」。
80さあ、この辺からクライマックスに向けてジリジリと盛り上がって行くよ~!90v明兄さんのドラムスをバックに…100この曲の見せ場の凶子姉さんとONOCHINの掛け合いが始まった。110リッチー・ブラックモア役のONOCHINがメロディを弾く。120vその図太い音はMarshallから。
ONOCHINが使っているのは「JCM800 2203」と「1960A」、加えてエフェクト音用の「ORIGIN20」だ。130ONOCHINが弾いたメロディをイアン・ギラン役の凶子姉さんがなぞっていく。125vコレで盛り上がっておいて明兄さんのドラムスがシャープなグルーヴをヒネリ出す。140v明兄さんが叩いているのは愛用のNATALのアッシュのキット。150「さぁ~みんな!次は私たちと一緒に踊ろうか!
手を伸ばしたり、足をブランってやったり、背中が痛いかな?ってならないようにチョット身体を動かして!
大丈夫かな?大丈夫かな?
じゃあ行くべ!『栄光の日々』!」160ギターと掛け合いの敦くんのベースが今日もカッコいい!170vお客さんは凶子姉さんと一緒に大きく手をフリフリ。180歌メロをウマい具合に取り込んだギター・ソロもバッチリだ!190v凶子姉さんの指導でみんなで身体を動かして楽しいね!200ONOCHINが弾く「アメリカ国歌」。210vそして凶子姉さんがタンバリンを手にすればそれはもう「ビバ!アメリカ」。220明にいさんと…230v敦くんのシャープなロック・グループに乗って…250v「♪ABC、LSD、CIA、USA」
凶子姉さんは「私の病気はアメリカ」、「あなたの病気もアメリカ」と歌うけど、今やアメリカの方がよっぽど重篤な病気に罹ってしまった感じですナァ。
まさかこの期に及んで「絶対君主の国家」が誕生しようとは!どうなるアメリカ!240「どうもありがとう。
みんな踊ったから疲れたでしょ…チョット座ってみるか。
こんなに座って観るのに慣れると他のライブには行かれないって。
ウチしか来れなくなる日が来るって。
HEAVEN’S DOORさんにお願いしてイスを買ってもらったんだよ。
スゴイよ」250「HEAVEN’S さんには昔からお世話になってるんだよね。
いつも無理をきいてもらって色んなことをやらせてもらいました。
そして椅子まで買ってくれた。
ところでキョンピはどうですか?今学期からやりたいこと」260「一昨年30周年の時にコノ衣装にして、そのまま去年も着ていたのね。
ナンかわからないけど気に入っちゃったから。
だから今年はチョット衣装を新しくしたいなぁ~とは思ってます。
兄さんたちの衣装はチョットまだわかんないけど…このままかもしんないね。
でも今のは悪くない。キラキラだもん。
顔がメッチャ光ってる。大事なことだ。
ということで今年は衣装を新しくしようかなぁ~と思ってますので楽しみにしててください」118a0118さて今日の単独公演もクライマックス。
となると出てるは当然客席との「ロックンロール」の掛け合い大会。
明兄さんのドラムスに合わせて…290 「ロックンロール!」
「暗黒礼賛ロックンロール!」280 「やっぱりコレが出て来ないと!」的に出て来た定番中の定番。300v ONOCHINが台に上がっていつもながらのシャープなソロを展開。310 凶子姉さんと敦くんがそのすぐ後ろで盛り立てる。
コレもこの曲ならでは光景。320 「さぁ~、次はコレだ!『自殺の唄』いくぜぇ~」330 「♪死ね!死ね!死んじまえ!」340v 「♪死ね!死ね!死んじまえ!」350v 「♪死ね!死ね!死んじまえ!」
360v縁起でもないこのドライビング・ナンバーはいつも大ウケだ!370 そして本編の最後を締めくくったのは珍しい…「犬神天国~ロックンロールファイヤー」。380 狂ったように頭を大きく振るお客さんを血気溢れるパフォーマンスで応えた4人!390v 400v 410v 420v そしてすぐさまアンコール。430 もちろんアンコールはコレから。440 コレがなくてはアンコールが始まらない…450 「カワイイ音頭」!460 「アンコールありがとうございます。
お知らせがあります。
次のワンマンは6月日20日、ココ三軒茶屋HEAVEN’S DOORです。
タイトルは『無知なヤツラのユートピア』…『理想郷』と書いてユートピア。
コレがわかる人は昭和だね。
私たちは楽しくやっています。
これからもみななさんと一緒に楽しく演っていきたいと思います!」470v アンコールでは「花嫁」と「命みぢかし恋せよ人類」を熱演。
今日もいいライブだった!480メンバーがそれぞれ台に上がってお客さんにお別れのご挨拶。490 500 510 520いつも賑やかな犬神サアカス團の物販。
118a0561ビデオ類やこれまで見たことがないアイテムが増強されて…118a0560今回も大盛況だった!118a0563






次回はコレね。530v 犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒犬神サアカス團公式ウェブサイト540_2<おしまい>
  
☆☆☆私の谷中墓地(その21)☆☆☆

続いては「乙6号」のエリア。
ブラっとお墓を見て歩いていると、どんな人かは全く知らなくてもお墓の規模と名字を見ればだいたいその墓の主のステイタスが想像できる。
そして試しにインターネットにその墓の主の名前を入れてみると、案の定大半がウィキペディアに出ているような人ばかりだ。
例えばコチラの「綾小路」さん。
そしてこの墓石の立派さ…もう絶対にいい家柄にキマってるじゃん?Photo_6このお墓の主は「綾小路有良(ありかず)」さん。
で、調べてみると…アタリ!
綾小路家16代目の当主にして雅楽家。子爵。
綾小路さんのところは代々「郢曲(えいきょく)」の師範を務めているようた。
郢曲というのは、平安から鎌倉時代にかけての歌モノの宮廷音楽のこと。
「伊福部昭」さんが「鬢多々良(びんたたら)」という郢曲を作っているというので聴いてみると…雅楽のインストだった。
なかなかいいもんですよ。1_下の方が綾小路有良さん。
侍従に任ぜられ孝明天皇や明治天皇に仕え、1886年から「歌会始」で「披講」の発声を担当した。
「披講」というのは、「♪ちは~や~ふる~~ かみよ~もきかず~」みたいに節をつけて歌を詠む係のこと。
有良さんは3オクターヴの声域を持っていたそうです。
しかし、千年以上も続いている歴史があるだけあって雅楽の世界もスゴイね。
仕組みやしきたりがゼンゼンわかりません。Aya続いては敷地内に碑が立っている立派なお墓。1_4コレは「重野安繹(しげのやすつぐ)」という江戸末期から明治初期に活躍した薩摩藩出身の漢学者、歴史家で「実証主義」を提唱した日本歴史学研究の泰斗。
墓石にあるように日本で最初の文学博士。2v_2何でも同僚の金を使い込み、奄美大島に流されたというからエライんだか悪いんだかわからん。
その流刑先の奄美大島で西郷隆盛と出会ってセゴドンに漢詩の指導をしたという。Photo_8撰文は貴族院議員で従五位勲二等の文学博士「小牧昌業(こまきまさなり)」
篆額は京都帝国大学教授で同じく文学博士の「内藤虎次郎」先生。
柴又の「寅さん」と同じ名前だけどエライ違いだ。3v_2「信欣三」という俳優のお墓。
「信(しん)」さんというのはご本名。「信金蔵」さんとおっしゃる。
おジイさんは尾張藩士で幕末には幕府軍に参加して箱館戦争を戦ったという。1_5私は古い映画が好きでここ数年は1950~1960年代の作品に夢中になっているが、このシリーズを書き始めるころまでは、正直「信欣三」というお名前は全く意識していなかった。
つまりお墓でこの俳優さんを知ったのだが、知らないウチにこれまで信さんが出演している映画をナント数多く観ていることか!
「エ~、アレにも出ていたの?コレにも出ていたの?」の連続。2_2この方が信欣三さん。Shin一方、下は「殿山泰司」のエッセイ。
まぁ、全編フザけているとしか思えない文章で読みにくいことこの上ないが、昔の映画界のことがたくさん記してあってとてもオモシロい。
私は役者のしての泰ちゃんが好きなのです。
で、この本に信さんのことが書いてある。
信さんの実家は銀座5丁目か6丁目にあった「函館屋」という食料品店で、日本で最初にアイスクリームを販売した店なのだそうだ。
そういう泰ちゃんの実家も銀座5丁目にあった有名なおでん屋「お多幸」だからね(現在は日本橋で営業中)。
銀座地区ということで2人は有名な「泰明小学校」のOB。
信さんの方が先輩で肝臓がんで亡くなった大酒飲みの泰ちゃんより飲んだらしい。12_img_5055「チョット待てよ!日本で最初のアイスクリームは横浜の元町じゃね~のかよ?」と思われる向きもあるかも知れない。
下は元町にある「アイスクリーム発祥の地」のオブジェ。
コレね、確かに日本で最初のアイスクリームを作って横浜の馬車道で販売したのが「町田房造」という人だった。
ところが、一般市民向けにアイスクリームを売り出して日本で最初の専門店となったのが信さんの実家の「函館屋」なのだそうだ。
上に書いたように信さんのおジイさんは五稜郭で新政府軍と戦った人。
その時、幕府を支持していたフランスの軍人からアイスクリームの製法を教わったそうです。Ic 少しだけ信さんの出演作を紹介しておくと…例えば1957年の小津さんの『東京暮色』。
コレは小津作品の中で最も陰鬱な内容で、私も2度ほど観たがあまり好きではない。
ネコちゃん(有馬稲子)ファンの私としては、この役どころがチトつらいのだ。
でも「明治大学」の校歌がフルコーラスで歌われるシーンがあるのはうれしい。4vpコレは最近観たんだけど同じく1957年の『青空娘』。
O0666086414862640326若尾文子の映画も一体どれだけ観たかわからないが、若い頃は本当に可愛いかった。
ハッキリ言って、もうどうしていいのかがわからないぐらいカワイイ。
役どころも多彩で、しかもその演技のどれもが素晴らしいときてる。Azm1954年、山本薩男の『太陽のない街』。
コレは「共同印刷」の労働争議をモデルにした社会派の作品。
信さんはそうした社会派や文芸系のシリアスな映画への出演が多かった。
とにかく立派なフィルモグラフィだ。3vpココも立派な墓所で…1_6東京都が説明版を取り付けている。24幕末から明治にかけての公卿「大原重徳(おおはらしげとみ)」のお墓。
知ってる?
東京都がワザワザ説明板を取り付けるほどスゴイ人なのか?…って思うでしょ?2v_3この人が重徳。
簡単に言って幕末にギンギンに攘夷を唱えて、「一橋慶喜」を将軍に、福井藩主の「松平春嶽」を政治総裁職という要職につけることを実現させた立役者というワケ。
説明板を取り付けた方がよいビッグな人が谷中には他にゴロゴロしていると思うんだけどナァ。
きっと私の理解が浅すぎるんでしょう。Photo_9墓所の奥にある碑には「閑院宮載仁親王(かんいんのみやことひとしんのう)」の撰文が彫り込まれている。3v_3<つづく>
  
200(一部敬称略 2026年4月26日 三軒茶屋HEAVEN'S DOORにて撮影)