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2026年6月 8日 (月)

杉本篤彦BIG BAND東京公演~音楽活動40周年記念&バースデーライブ<前編>

Marshall Blogとジャズのビッグバンド…コレ、ゼンゼン関係ないように思えるかも知れないが、実は過去に2バンドほどご登場頂いたことがある。
そのウチのひとつにはマンハッタン・ジャズ・クインテットの大御所ピアニスト、デヴィッド・マシューズにも出て頂いているのだから我ながらMarshall Blogもスゴイじゃないか!
しかし、それらはNATALドラムスに関する記事だった。
そして今回、満を持してMarshallアンプをフィーチュアしてのビッグバンドのライブをレポートすることになった。
その主役は杉本篤彦…「Marshallでジャズを演る男」である。
杉本さんが長年抱いていた夢であった自分のビッグバンドを結成し、遂にその東京公演が開催されたのだ。
会場は赤坂の「B♭」。10v会場に入ると、まず杉本さんのデビュー30周年を記念して昨年5月に発表したCD『Regrowth』と続いてリリースされた『Dragon Horse』のポスターが目に飛び込んで来る。20それらのアルバムを含む杉本さんの作品や他の出演者の方々のアイテムが物販で取り扱われた。30フト壁に目をやると…「ヤマノ・ビッグバンド・ジャズ・コンテスト」のポスターが…第57回目かぁ。
私が出たのは一体何回目だったのだろう?
40vその時のプログラムを引っ張り出して来てビックリ。
1984年、それは第15回目のことだった!
42年前…この頃は毎年「日本青年館」で開催していた。
その時から何年も経って、まさかイングヴェイ・マルムスティーンのMarshallをサポートするために同じ場所に行くなんてこの時は夢にも思わなかったわ。Img_5078久しぶりにページを繰ってみる。
まだマイルス・デイヴィスがピンピンしていてニュー・アルバムを出していたんだね。
下の写真からは読み取ることができないだろうが、ギターで私の名前が載っている。
ちなみに浮世絵調のイラストの男性は私がモデルなのだそうだ。
確かに…頭はイラストと同じになってしまった。
このイラストを描いたのは「今尾敏道」さん。
今でも第一線でバリバリとサックスを吹いている。
それと、ドラムスの板谷達也くん。
彼は長年にわたり泉谷しげるさんのバンドでドラムスを叩いている。Img_5086普段「Marshall、Marshall」とロックの権化のようなアイテムの仕事をしているジジイが本当にビッグバンドなんてやっていたのかよ?…と訝しむ皆さんに当時の私の姿をお見せしようではないか。
ま、以前にも出したことがある写真なんだけど、読者がほとんど被らないからまた出してやれ。
私は明治大学の「Big Sounds Society Orchestra」という楽団にお世話になっていた。
下は4年生が卒業する時に開催するリサイタルに備えての合宿の時のようす。50v場所は山中湖とかアッチの方だったように記憶している。
ものすごく寒くて金管の連中が朝一番で楽器を手にする時にヒイヒイ言っていた。60生来ワガママな私は団体行動が大キライで、こうした「部活」のようなモノはいつも敬遠していた。
しかし、クラブ活動をしていないのは就職に不利とされていたので、写真の右下に写っているトランペットを担当していたクラスメイトに頼んで3年生の途中からオーケストラに入れてもらった。
それまでジャズはタップリ聴いていたものの、直前まではギンギンにロック・ギターを弾いていたのよ。
この合宿の最終日のこと。
こういう「みんなで力を合わせてひとつのモノを創りあげる」的な喜びを知った私は打ち上げの時に号泣してしまいましてね。
堪えても堪えても感動の涙が止まらずオンオン泣いてしまった。
もうすぐ卒業してしまう4年生とそれを送り出す後輩たちの多くが私につられてもらい泣きをしていた。70vそのリサイタルの時の写真。
ソロなんか弾いてやがる。
会場は有楽町の「よみうりホール」。90コレは「ロブ・マッコーネル」というカナダのトロンボニストのオーケストラの「T.O.」という曲を演奏しているところ。
トロンボーンの青木くんのソロのバックを務める私。
18人で構成されているオーケストラからトロンボーンとギターのたった2人だけで延々と演奏するパート。
ま~、緊張したわ。
山野のコンテストでもこの曲を演奏して「審査員賞」という賞を頂戴した。100ゲストでご登場頂いた「谷啓」さんと。
この時のことは一生の思い出だ。
以上。110昔、「アナタの夢は何ですか?」と問われたスティーヴ・ガッドが「フランク・シナトラのバックのビングバンドでドラムスをプレイすること」と答えていたインタビュー記事を読んだ記憶がある。
ガレスピー、モンク、ブレイキー、ミンガス、穐吉敏子…ジャズを志す者にとってはやっぱり自分のビッグバンドを抱えることが大きな夢なんだナァ。
さて、赤坂B♭…杉本さんの夢の場所にはMarshallがあった。1201曲目は杉本さんのギターからスタート。
お!このフレーズは?!130カウント・ベイシーがピアノで奏でる有名なイントロを杉本さんがギターで軽快に奏でて「Jumpin' at the Woodside」が始った。
ベイシー・ナンバーでスタートするとはビックリ&ゴキゲン!
140ピアノのソロはMarshall Blogでは「いわし」の「し」でおなじみの進藤陽吾。150そして、杉本さんのガッツあふれるソロをタップリ!160v杉本さんの思いのたけを音にしているのはMarshall。
50W、1x12"のトランジスタ回路のコンボ「MG50FX」。
コレのクリーン・チャンネルと杉本さんのホロウ・ボディのギターのコンビネーションが実によくマッチするのだ。170杉本さんと知り合ったのはカレコレ17年ほど前のこと。
そして下は渋谷の「JZ-Brat」に初めてライブにお邪魔した時の写真。
2008年8月26日のこと。2sg杉本さん、全然変わらないナァ。
このライブにお邪魔する前、「ボク、Marhallの『MG』というモデルが大好きなんですよ!」と一番最初に頂いたお電話でおっしゃっていたことにも変わりがないのだ。2sg2ソロは大野裕太のアルト・サックス…180vトロンボーンの池田雅明…190テナー・サックスの小池修…200vさらにトランペットの松木理三郎にバトンが回された。210各々ミュートを着脱する派手なアクションを披露したトランペット・セクション。220トランペット・セクションは松木さんの他に…

さつきかほり65v田中洋行118a0187小笠原優心70vスカ~っとスウイングして幕を開けた杉本篤彦BIG BANDの東京公演。
ギターのイントロとベイシーで思い出した!
昔の仕事で富山に赴任していた時、地元のビッグバンドに入れてもらっていたことがあったのだが、ナゼかそのバンドにはピアニストがおらず、ベイシーの曲を演奏する時にはピアノ・パートをすべてギターが代わって弾くという珍なるオーケストラだった。
「チャンとできたのか」って?できるワケない!230「ありがとうございます!
『杉本篤彦BIG BAND』の東京での初めての公演となります。
ゴールデンウィークの外へ遊びに行きたい空気の中、たくさんの方にお越し頂きましていただきましてありがとうございます。
今日は楽しんでいってください!」240vリズム・セクションは『真夏のJAZZ葉山』のレポ―トにいつもご登場頂いているお2人。
ドラムスは正岡淳。250vそしてベースはT-SQUAREの田中晋吾。2602人がクリエイトするファンキーなリズムに乗って杉本さんがテーマ・メロディを奏でる。
曲は杉本さんのオリジナル曲「Black Pepper」。270分厚いオルガン・サウンドを聴かせてくれるのは都啓一。
Marshall Blogへはご自身のバンドRayflowerでご登場頂いている。280vファンク・ビートとジャズ・ビートと変化するリズムに乗って進藤さんの美しいソロ…290杉本さんのコンボのメンバー小林憂旗のオート・フィルタを使ったソロ…300v加納奈美のサンボーン張りの泣きのソロが続く。310vそして杉本さんのソロ。
アウトフレーズを交えて色鮮やかなフレーズを紡いでいく。
ウン、MGがとてもいい音を出すんだわ~。320vここでもダイナミックなトランペット・セクションが大活躍!340ソロを交えながら再び杉本さんがテーマを奏でて曲は幕を下ろす。
330「次は比較的最近の曲で『Laure'a』というアルバムに入っている曲です。
コロナの時に曲をたくさん作りまして、収録されている曲が全てメジャーの明るい曲ばっかりなんです。その中で1曲、とてもオーソドックスなスイングの曲を作りました」360vコレがその『Laule'a』。
「大切なものはすぐ近くにある」と副題が付けられている。Lau 「ボクが育ったのは東京の市ヶ谷の方なんですけど生まれは築地です。
家がすき焼き屋なんです…若大将みたいでしょ?
だから子供の頃にいつも銀座の夜景を見ていたんです。
そんなオーソドックスな古き良き時代に思いを馳せた曲です」350「若大将」と「銀座」で少し脱線。
ココは浅草仲見世通りの裏道。
写真にあるすき焼き屋の「今半」は「人形町」やら「本店」やらどにうもややこしいことになっているが、どうやら事業体としては5つの今半が存在するらしい。Img_6777この今半別館というのは今半本店から暖簾分けされ芝の三田で営業していたが、戦時中に建物疎開(空襲の延焼被害を少なくするために強引に立ち退きをさせられた)で取り壊されてしまった。
そこで戦後に浅草で再オープンしたのがこの「今半別館」。Img_6782そして、コレが「若大将・田沼雄一」の実家であるすき焼き屋「田能久」のモデルになった。
そう言われてみると今にも「飯田蝶子」や「有島一郎」が玄関先に出て来そうだ。Img_6780それと銀座。
私は昔の東京の景色が見たくて古~い日本映画を観出したんだけど、コレが尋常でなくオモシロい。
そこで頼まれもしないのに70年前ぐらいの銀座の様子わかる作品を3本ほど紹介しておく。
『君の名は』の数寄屋橋にも仰天したが、コレが一番スゴかった。
1951年、「成瀬巳喜男」の『銀座化粧』。
ちょうど「三十間堀川」の埋め立て工事をやっている頃で、「田中絹代」が東銀座を案内するシーンが素晴らしい。
「三原橋」がまだ「橋」だった頃の映画。Gk1955年の『銀座二十四帖』。
日活作品だけあって内容はチト荒唐無稽だけど、そこは黒澤明も認める映画づくりの名手にして明治大学OBの「川島雄三」がうまく作ってくれているでげす。
題名通り舞台はドップリ銀座でありんす。(川島さんは花魁言葉をよく使ったそうだ)
男性諸氏は「月丘夢路」の規格外の美しさと「浅丘ルリ子」の信じられないぐらいの可愛さを堪能すべし。24jpg1950年代には銀座を舞台にした映画はものすごくたくさんあって、どれもすごくいいんだけど「銀座の街並みフィーチュア」ということで最後の1本はコレにしてみる。
1953年の清水宏の『都会の横顔』。
銀座で迷子になった子供を池辺良が連れて歩く設定で銀座の街並みがガンガン出て来る。
とにかく若き日の「有馬稲子」が可愛いいったらありゃしない。昔の宝塚はスゴかった!Ty2 そんな昔の銀座の雰囲気を味わったところで杉本さんが演奏したのは「夜風のスイング」。370「夜風のスイング」…まずタイトルがいい。
そしてオクターブとコードで奏でる愛らしいテーマ・メロディはいかにも杉本さんらしい。380そのままソロに。
心温まるメロディが次から次へと飛び出して来る。390v松木さんのよく歌うソロから…400進藤さんのピアノへとリレー。410スケールの大きなオーケストラ・アンサンブルでハッピーに曲は締めくくられる。
ウ~ム、私も映画が好きだったので50年以上前から有楽町や銀座に足繁く通っていたからね…演奏を聴きながら日劇や朝日新聞の本社や東京都庁があった頃の景色を思い出したわ!
あの頃に戻りたいとは思わないけど…昔はヨカッタね。
つまり「Things Ain't What They Used to Be」!420「夜の銀座というと、ウチのおバアちゃんは『服部時計店』…『和光』に勤めていたんです。
だいたいアソコはルパンとか、怪人二十面相とか、犯人がアドバルーンで逃げていくようなイメージがあって、そういう曲を作っちゃいました。
タイトルが『怪人二十面相』…『ウォホホ、明智くん』。
コレが商標に当たるかどうかチャットGPさんに聞いたら…『大丈夫』って」
アラ?また江戸川乱歩…というのは最近別の記事で2回続けて乱歩のことを書いたばかりだったから。430今、杉本さんが口にした『明智小五郎』ね。
この人が一番最初に乱歩の作品に登場するのは大正14年の「D坂の殺人事件」という30分もあれば読めちゃうような短編なんだけど、この「D坂」って何のことか知ってる?
コレは根津にある「団子坂」のことなのね。
1868年の上野戦争の時、長州の連中はこの坂を下りて来て、幕府軍のボス「輪王寺宮能久親王(りんのうじのみやよしひとしんのう)」がいる「東叡山寛永寺」を目指したんだネェ。60 「アドバルーンね。今はもうないですね。
アドバルーンを覚えてる人は大分…マァ~昭和30、40年代生まれぐらい?
松屋とか三越とかで上がっていましたね。
チョットそんなイメージで作った曲です」
ホント、昔、アドバルーンはそこら中に上がっていた。
松屋や三越でなくても新小岩の西友だってジャンジャン上げていた。
あの頃と比べて東京の空からいなくなったのはアドバルーンだけではなくて、コウモリもいなくなったよね。
森鴎外の『雁』みたいなことを言っておりますが、昔は夕方になって、遊び疲れて家に帰る頃になるとどこからともなくコウモリがチロチロと飛んで来たものだった。420v第1部を締めくくったのは杉本さんのキラー・チューンのひとつ「怪人二十面相」。
スリリングなドライビング・ワルツ。440サックスとユニゾンで奏でる怪しげでなテーマ・メロディ。118a0049 そのままシャープなフレーズで構成されたギター・ソロへ。
「杉本さん+ワルツ」ということになるといつか葉山でウェスの「Ful House」を取り上げていたことを思い出す。450続いては途中で転調を絡まりながらの池田さんのトロンボーンをタップリと!470vトロンボーン・セクションは…
 
伊藤直哉500v田村理Tb1バス・トロンボーンは望月さやか。490v小池修さんの力強いソロが続く。
実は小池さんとは15、16年ぐらい前に当時私が勤めていた会社が扱っていたリードの件で電話で会話をしたことがあった。
冒頭に出て来た今尾くんの伝手だった。
その時のことを今回小池さんにお話ししたところ「お~、あの時の!」と覚えてくださっていた。480そして曲の後半ではリズム隊2人がフィーチュアされた。
まずは田中さんのソロ。490vそして進藤さんのモントゥーノに乗って正岡さんが鮮やかなスティックさばきを見せる。500曲はゴージャスなアンサンブルが展開し、怪人二十面相がアドバルーンで空の彼方に飛んで行った。510杉本篤彦の詳しい情報はコチラ⇒杉本篤彦公式ウェブサイト008a0047<後編>につづく

200(一部敬称略 2026年5月5日 赤坂B♭にて撮影)