D_Drive Seiji:地獄のJET Drive~三本の矢ツアー
D_Drive Seijiのソロ・アクティビティ。
今回は3人のギタリストが一堂に会して展開している『地獄のJET Drive』。
「三本の矢」とはもちろん「毛利元就」のアレだ。
中国地方で強大な勢力を築き上げた「毛利元就」は一族の内紛を恐れ、晩年に3人の息子を枕元に呼び、「1本の矢は簡単に折れるが、3本束ねればそう簡単に折ることはできない」と諭し、兄弟仲良く力を合わせて毛利家の隆盛を保ってくれと願ったんだね。
下がその元就公。
黒澤明は1985年の『乱』の中にこの逸話を引用した。
三男坊が力づくで3本の矢を折って父親の弱気を非難し、兄弟の団結の危機を説くと激怒した父親がその三男坊を追放してしまう。
ところが本当に父親や一族のことを慮っていたのはこの三男坊だったワケね。
『乱』は「シェイクスピア」の『リア王』を原作にしているが、考えてみると『エデンの東』も入っているような気がするな。
エデンの東の次男坊、「ジェームス・ディーン」が演じる「キャル」ね。
ココで『エデンの東』を監督した「エリア・カザン」で脱線しようものならキリがなくなってしまうので話を進める。
でも「黒澤明と矢」ということであれば、何と言っても1957年の『蜘蛛巣城』でしょう。
クライマックスで主人公の「鷲津武時」が無数の矢に射抜かれてしまうシーン。
コレ、三船敏郎に向かって実際に近距離から矢を射放ったのだそうだ。
射手は成城大学他、大学の弓道部の部員たち。
ところで三船さんは少々酒グセが悪かったそうだ。
この撮影後、酔っぱらっては成城の黒沢さんの家の前に来て「オイ黒沢!あんな危険な目に遭わせやがって!」とトグロ巻いたとか。
ちなみに「成城石井」というスーパーがあるでしょ?
アレは元々成城にあった「石井精肉店」という肉屋さんだった。
黒沢家ではよなよな開かれる食事会に供する高級肉を石井精肉店から買っていた。
その商売のおかげで「町の肉屋」が有名スーパーにまで成長したという…ホントかどうかは知らないよ。
さて、まずステージに立った1本目の矢は「地獄のJET Drive」の「Drive」、Seiji。
今日のSeijiさんは「JVM210H」と2x12"スピーカー・キャビネット「1936」を使用。
1曲目にもってきたのは「Mr. Rat Boots」。
「トムとジェリー」にインスパアされて作った軽快で楽しいドライビング・チューン。
相変わらず後半の展開がスリリング!
ココのパートがすごく好き。
今日は念願だった関東エリアでの「地獄のJET Drive」…まずはご挨拶。
そしてサブ・タイトルであるところの「3本の矢」の意味を説明した。
「矢」というのはギターのことね。
三者三様のプレイング・スタイルやサウンドを楽しんで頂くのがこの企画。
さらにSeijiさんは演奏の合間に曲を解説を折り込んでいく。
それらはD_Driveファンの皆さんにはかなり耳に馴染んだ話かもしれない。
ところが初めてライブを観に来てくださったお客さんにとっては大変に有意義な音楽の道しるべになるのだ。
実際、「Seijiさんの曲解説で演奏を一段と楽しむことができた」…という感想もよく頂くとのこと。
続いてはD_Driveスタンダード中のスタンダード、カーチェイスがテーマの「M16」。
大阪の地下鉄御堂筋線では梅田駅が「M16」。
それゆえ「御堂筋線の曲を演って!」とリクエストされることがあるそうだ。
ちなみに私は大阪に住んでいた時、2年半ほど「HK59(阪急箕面駅)」から「M16」に通勤していたわ。
これまでに何度も書いて来ているけど、このテーマ・メロディにはすごくD_Driveらしさを感じる。
初めて聴いた時に一発で覚えた決して他では聴くことができない名旋律だ。
中間のパート…ひとりだけの銃撃戦ではあるものの、最上のギター・サウンドでM16でドンパチやってくれた。
まぁ、御堂筋線の「M16」の朝のラッシュ時は銃撃戦どころじゃない混雑っぷりだったな。
地下鉄で入場制限をしているのを見たのは初めてのことだった。
次にお届けするのはMarshallの前の社長に捧げられた曲、「Thumbs Up」。
その社長がよく親指を立てて「グー!」とやることよりこのタイトルがつけられたことをSeijiさんが説明。
2019年の『Marshall GALA2』の時、社長本人を目の前にしてこの曲を初演したことは一生忘れない。
今日もホールトーン・スケールで快適にカッ飛ばす!
この曲で特にスゴいと私が思っているのは、起承転結の「承」に当たるパート。
クラシック音楽風に言えば「第2主題」があまりにもカッコいいと思っている。
Seijiさん、よくこのフレーズが頭に浮かんだな…と。
そして曲の見せ場、長いタッピングのパートもバッチリとキマった。
この曲もすごく好き。
NAMMや上海MESSEのステージで何回も演ったね。
続いては「U_Me」の説明。
桜をテーマにした曲は山ほどあっても梅を取り扱った曲が見当たらない…ということで、Seijiさんがそれを不憫に思い書き上げた名作。
ところが、こないだ偶然にナニかの本で読んだのだが、「歌」…すなわち和歌となると「梅」を題材にしたモノの方が多く、「桜」の歌は珍しかったんだってよ。
ということでみんな大好き「U_Me」。
「和」テイストのヘヴィなパートから…
ロマンティックなサビのメロディまで聴きどころ満載のこの曲は実にウメぇこと作ってある。
こんな曲を作って演奏している人なんて他に知らないでしょ?
ライブの告知。
来たる7月26日は『独奏Strings』と称した同じ会場でのSeijiさんのソロ・ライブだ。
今注目の新しいMarshallをSeijiさんに弾いてもらい、その音を皆さんに聴いてもらうコーナーを設けてもらう予定。
コレがスゴい音なのよ!乞うご期待!
今日は3本の矢がビュンビュン飛んでくるということで、持ち時間がそう長くないため次でSeijiさんの出番は最後となる。
最後の曲はもうスッカリおなじみの「Tsurugiー剣ー」。
険しい表情でギターの剣を振り回す!
今日は「剣」とか「矢」とか、ヤケに戦闘モードでございます。
極上のMarshallトーンで鮮やかな剣の舞を見せてくれたSeijiさん。
んんん~、もっと観たい、聴きたい!
「どうもありがとうございました!
引き続き『三本の矢』をお楽しみください!」
1本終了。
続いてステージに上がった2本目の矢は「地獄のJET Drive」の「JET」担当の「横関敦」。
もちろん横関さんのニックネームの「JET FINGER」の「JET」だ。
横関さん、Marshall Blogへはものすごく久しぶりのご登場。
「マー索くん」で調べてみたら2013年の『ライブ六弦心』以来のことだった。
凄まじい数の矢が超速で飛び交う。
相変わらずの鬼神のような弾きっぷりでうれしくなってしまった!
そして3本目の矢にしてトリは小林信一。
「地獄のJET Drive」の「地獄」担当。
小林さんはMarshall Blog初登場。
変幻自在の矢とでも言おうか。
バラードも交えたバラエティ豊かなレパートリーで本編が締めくくられた。
そしてアンコール。
いよいよ元就公の教えであるところの「三本の矢」が威力を発揮する時が来た!
その前に物販よろしく。
オリジナルのコースター、キーリング、ポストカードなどが紹介された。
Seijiさんは慣れているだけあってスラスラと説明が上手だな。
もちろんD_DriveのCDも屋台村に並んだ。
3人そろい踏みで演奏したのは小林さんのオリジナル曲。
まずは小林さんのソロから…
横関さんが続き…
Seijiさんがシンガリを務めた。
まさに三者三様のプレイング・スタイルが勢いよく飛び出してギター・インストゥルメンタル・ミュージックの醍醐味を見せてくれた。
考えてみりゃこの人たち、ワザワザ3本まとめなくても1本でもそう簡単には折れない人たちなのよ!
「どうもありがとうございました!」
ということで次回のSeijiさんのStrageは7月26日!
Seijiさんの演奏の他、上にも書いた通り新しいMarshallを持って行くのでお楽しみに!
Seijiの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Website
(一部敬称略 2026年6月20日 新横浜Strageにて撮影)