Marshall Blogに掲載されている写真並びに記事の転載・転用はご遠慮ください。
【マー索くん(Marshall Blog の索引)】
【姉妹ブログ】
【Marshall Official Web Site】
【CODE/GATEWAYの通信トラブルを解決するには】

« SIMO WITH 森園勝敏 | メイン

2026年7月 1日 (水)

マーシャル・ブログ博物館  第10回:マーシャル・タイムマシン<その4>

先回は「Marshallを最初に日本に輸入したのは誰か?」という謎を解きほぐし、日本のMarshall史に大きな衝撃を与えたワケだが(←ウソこけ!)、そのことに因むオモシロい話をお聞きした。
「オイオイ、一体ナンの話だ?」という方にはコチラをご覧頂きたい。
   ↓    ↓    ↓
マーシャル・ブログ博物館  第9回:マーシャル・タイムマシン<その3>
 
その「オモシロい話」の主は先週末に開催された田川ヒロアキさんのバースデイ・ライブでドラムスをご担当された「そうる透」さん。
ご存じの通り透さんは1991年から「外道」のドラマーとして「加納秀人」さんと活動を共にしてきた「筋金入りの外道」だ。
118a0203だから当然秀人さんが所有している「神田商会から購入した日本に最初に入って来たMarshall」の話は勝手知ったるところ。
下がその実物。
1971年製の「1959」と「1960AX」だ。56v_2透さんが上のMarshallのことを知っていることを承知の上、「1971年にMarshallが発行した古い新聞を読んでいたところ、日本に最初にMarshallを輸入したのはヤマハでも神田商会でもなく、実は荒井貿易だったことを突き止めた」という話をしたところ、楽器好きの透さんは興味津々の様子で私の話を聞いてくれた。そして、先回もココに掲載した下の写真の「ミッキー・カーティス&ザ・サムライ」に話が及ぶと、「だからか~ッ!」と驚き交じりの大きな反応を頂戴した。
「だからユージンさんはMarshallのことをよく知っていたのか!」
さすが透さん、即座にザ・サムライのドラマーである「原田裕臣」さんのお名前を口にされた。
それというのも、原田さんは初期の「東京おとぼけキャッツ」のディレクションをされていたことがあったというのだ。
今度は私がビックリ。
ついでに確認してみると、写真にはヘッドしか写っていないが、ベースの「Jimmy Tetsu」というのはやはり「山内テツ」さんのことだそうだ。1971_8_3下はかつては「イモ判」として親しまれていた外道が1974年に発表したファースト・アルバム。
横浜野外音楽堂(現横浜スタジアム)でライブ収録されたギターのサウンドは上の写真のMarshallが出している。
そして、透さんに言われてハッとしたのだが、この日本のロック史に残るアルバムの音源を録音し、プロデュースをしたのがミッキー・カーティスさんなのだ。
この透さんとのおしゃべりをもってして全部がキレイにつながったような気がした。
透さん、ありがとうございました!Gdさて、今回の「タイムマシン」は1971年8月発行の『The Marshall WORLD』のつづき。
第6面から見ていくことにする。P6「Marshallづくりの達人たち」と称して紹介されているのは…
左からケン・ブラン、M・ゴージ、K・フレッグ、ビル・ミドウクロフト、ドリーン・ターナー。
製造部門の責任者というポジションの皆さんだが、さすがの私もケン・ブランしか知らないナァ。
ターナーさんという右端の女性はすべての女性の工員の訓練と実際の作業の監督をしていた人らしい。
女性がキャビネットを取り扱ったりするのは無理だろうから、恐らくは電気関係の仕事の監督をされていたんだろうね。Sstaff で、「こんな風にして製造していますよ~」という説明があって、最後は下の出荷のシーン。
Marshallが積み込まれたコンテナーがアメリカに向かって出発するところ。
その出荷の様子を見に来たのが左の写真の黒いスーツの方。
この方は当時アメリカでMarshallの輸入代理店を務めていた「Unicord(ユニコード)」の社長さん。
熱心だな~。
Unicord社は「Univox」というブランドを持っていて「KORG」や「マツモク」製品の海外ディストリビューションをしていた。
ジミ・ヘンドリックスが愛用していたことで知られる「Uni-Vibe」は元は三枝文夫(みえだふみお)さんというエンジニアが開発し、日本のメーカー「新栄電気」が生産していた「Vibro Chorus」というエフェクターにペダルを接続してモジュレーションの周期を足で可変できるようにした商品。
それがアメリカに渡り「Unicode」社が扱うことにより「Uni-Vibe」という商品名で流通した。
自分の会社が扱う商品には「Uni-」という接頭辞を付けていたんだね。
私はこの辺りについては全く詳しくないので気の利いた文章を書くことはできないが、概ねこんな流れだと思う。
やがて、Unicord社やUnivoxというブランドは80年代にKORGに買収され、現在のKORGのアメリカ現地法人である「KORG USA」の前身となった。
ところで1970~80年代にアメリカ向けに出荷されたMarshallには「EL34」ではなく「6550」が搭載されていたことは好事家の間では有名な話。
この出荷方法を指示したのもUnicordだった。
主な理由は音質ではなく、パワー管を抜いてイギリスから出荷させ、輸送中に発生する真空管の故障を減らすためだった。
ちなみに戦時中、日本海軍はドイツが開発した高性能のレーダーを引き取りにはるばるドイツまで潜水艦で行ったことがあった。
苦心惨憺、首尾よくそのレーダーを日本に持ち帰ったが、残念ながらレーダーは故障していて役に立たなかった。
その原因は輸送中の振動による真空管の故障だったらしい。
もしかしたらUnicord社はこのことを知っていたのかもしれない…そんなことはないか?Sproduction_2 第7面もMarshallを使っているバンドの紹介。
右上は1969年にカーディフで結成された「Shakin' Stevens and the Sunsets」というチームが出ている。
1977年に活動を停止したようだが、現在もオリジナル・メンバーで活動を続けているそうだ。
ムズカシイこと一切抜きのストレートなロケンローが実に心地よい。
左の中段、「Dawn」というエセックスのバンドらしいのだが、コレは全然わからなかった。
その下の「Edison Lighthouse」は「Love Grows(Where my Rosemary Goes)」というヒット曲を持つ1969年結成のロンドンのポップ・バンド。
ウ~ム、この「Love Grows」という曲はゴージャスなストリングスが入っていたりしてなかなかにいいゾ。
このバンドも今でも活動をしているそうだ。
下段のサーリーのバンド「Grants Tomb」もわからなかった。
右の「Marshall for Middle」という見出しは「Chirpy Chirpy Cheep Cheep」という最初のレコードを1970年にヒットさせた「Middle of the Road」というグラスゴーのバンド。
この曲、後に何とポール・モーリアがカバーしている。
一番下にはナンだか知らんが「NOLL 31」というスウェーデンのバンドが写真と簡単なキャプションだけで紹介されている。P7この新聞が発行された1971年8月というと、オールマン・ブラザーズ・バンドが『フィルモア』をリリースした2ケ月後。
それほどオールマンの人気がガツンと来ていたのかしらん?
やたらと「オールマンがMarshallを使ってツアーをしています」と喧伝している。
他にもイギリスのグループがMarshallを携えてアメリカでツアーをしているということが書かれている。
つまり、いかに急速にMarshallの製品がアメリカで広がっているかということを騒いでいるワケ。Am8面もバンドの紹介。
左のタテ長のスペースでは「AGD」、すなわちTony Ashton、Kim Gardner、そしてRoy Dykeからなるキーボーズのトリオ。
このチームは「ブラックプール」の出身なのか…ブラックプールというのはイングランド北部のリゾート地で、社交ダンスコンテストの世界大会が開かれる場所…だったように記憶している。
なんて知ったような口をきいているが、この3人のウチで名前を知っているのは「トニー・アシュトン」だけ。
しかも「ジョン・ロード」や「イアン・ペイス」と組んだ「Paice Ashton & Load」の活動だけだので知っているウチには入らんか?
このAGDがロンドンの「Speakeasy」他でガンガン活躍している…という話から始まって、「ディープ・パープル」と3週間にわたってアメリカをツアーして「Whisky-A-Go- Go」他、名だたるクラブで演奏したということをレポートしている。
P8コレがThe Whoの『Sell Out』のジングルにも出て来る「Speakeasy」が入っていたビル。30_2ココにPink Floyd、ジェフ・ベック、Yes、Thin Lizzy、エルトン・ジョン、Cockney Rebel、The Rolling Stones、The Crazy World Of Arthur Brown、The Mothers of Invention、デヴィッド・ボウイ、The Velvet Underground、ボブ・マーリーなんてのが出ていたというのだから…いい時代でしたナァ。40v そのお隣にディープ・パープルのことが出ている。
ナニかオモシロそうなことが書いてあるのかと思いきや…書いてあるのは完全にバンドのプロフィールと近況だけ…残念でした。
ディープ・パープルの下にはイギリスの「テリー・デュヴァル」という人やアイスランドのレイキャビク出身の「Nattura」というバンドが紹介されている。Dp_2さらにその下、「Stop Press」というのはイギリス英語の表現で「新聞の印刷開始後に飛び込んで来た最新ニュース」という意味。
ココでは「付けたし」ぐらいのイメージなのかな?
ブラジルのディストリビューターから「ブラジル国内でもたくさんのバンドがMarshallを使っている」という知らせが入った…という情報と「Strife」というイギリスのバンドの人気が急上昇しているということを伝えている。
そしてその右。
「美女とMarshallは切っても切れない関係にあります」なんて言ってやがる。
イタリアの「ボローニャ」の展示会でMarshallをバックに「THE Marshall WORLD」を読んでいるところを捉えました…だそうです。Mb関係がないけど井上先生にこんな本がある。
このボローニャというのは住民の自治意識が発展した素晴らしい街なんですってネェ。Img_5105 次の号は1971年12月に発行されたモノ。
この号は2ページ分しか残っていなかった。2301面に「勇ましく新しきインディアン・ロック」という見出しの元で紹介されているのは「Redbone」というバンド。
Marshallのフル・スタックをズラリと並べた様は確かに勇ましそうだ。
インドのバンドにしてはシタールやタブラを演奏するメンバーがいないな…と思ったらこの「インディアン」というのは「嘘をつかない」方のインディアン。
いわゆる「ネイティブ・アメリカン」の血を引いた皆さんが結成したチームなのだ。
チラっと音を聴いてみると…「♪ドンダタッタドンダッタッタ、アババババババババ」なんてインディアンのステレオタイプできな要素が全くない実に耳障りのよいソフトなロック・サウンドだった。
この記述によると、創設者のロリーとパットの兄弟は独学でそれぞれギターとベースをマスターし、エルヴィス、グレン・キャンベル、ソニー&シェール、オデッタ、ジョン・リー・フッカーのバックを務めた経験があるというんだけど、ホンマかいな?
ちなみに私は中学校2年生の時に本物の「オデッタ」の演奏を観たことがあります。240その下は「Bob Miller and The Millermen」という楽団でもMarshallが活躍しているという記事。
ボコッと床におかれた「1959」がオモシロい。
何の変哲もない、また毒にも薬にもなりそうにないビッグバンド・スタイルのオーケストラ。
「シュープリームス」のUKツアーのバックをやっているという話題。
他にもボビー・ダーリン、デュアン・エディ、シャーリー・バッシ―、クリフ・リチャードといった大御所との共演を果たした由緒正しいオーケストラなのだそうです。250白地に2色の「Super Sound」のプリントTシャツ出来!
Marshall取り扱い店または直接ローズ・モーリスでお買い求めください。
1枚50p(50ペンス)だというから当時の為替レートでは425円ぐらいか?
55年前の話ですよ。260vそして第4面。
また世界のディストリビューターがドバっと紹介されている。
「フェロー諸島(Faroe Islands)」なんて知ってる?
デンマークの自治領で現在の人口は55,000人。
じゃ「クック諸島(Cook Islands)」は? 
ニュージーランド王国を構成する立憲君主国家なんだって。
現在の人口は15,000人。
50年以上前にそんなところでもMarshallを売っていたんだねェ。
オモシロいけどキリがないのでコレで止めておく。
270またディープ・パープルのことが出ている。
今度はMarshallが新たに開発したPAアンプをディープ・パープルが工場に取りに来たという記事。
何でも250Wのパワー・アンプを8台使って2000Wの出力を実現したシステム。
12チャンネルのミキサーと15インチのスピーカーとホーン・スピーカーが搭載されたキャビネット8台で鳴らしたのだそうだ。
このアンプについてイアン・ギランがどう言っていたかということには触れていない。
しかし、この写真のホーンつきのキャビネット、何回か前の回で紹介したイアン・ギランのキャビネット盗難騒ぎと符合するのではないか?…なんて想像するとオモシロいね。
280「"A Tee break" ---- not a warming cuppa but a chance for Marshall staff show off the company's new trendy white tee shirts」
この従業員のグループ写真に付けられたキャプション。
「ティー・ブレイク----温かいお茶の時間ではありませんが、Marshallのスタッフが会社の新しいトレンディな白いティー・シャツを披露するチャンスなのです」ぐらいの意味。
一生懸命シャレているワケね。
「cuppa」と言うのは「a cup of tea」のこと。Gp名盤の誉れ高いキンクスの1971年の『Muswell Hillbillies(マスウェル・ヒルビリーズ)』には「Have a Cuupa Tea」という曲が収録されている。
ん?この曲はシングル・カットされているな…発売したのはこの新聞の1ケ月前。
もしかしてこの記事の筆者はキンクスを意識してこのキャプションを書いたのかも?…いくらなんでも考えすぎか?
Marshallの事務所にいると「Shige, have a cuppa tea?」とか「Cuppa tea?」なんてよく声をかけてくれたものだった。
コレをもっと省略すると「Cuppa?(カッパ?)」だけになる。
本当にイギリス人は紅茶が好きだからね。
かつてはそれで戦争をしちゃったぐらいだから。
私も紅茶が大好き。
イギリスの硬水で入れた本場の紅茶はホントにおいしいからね。
しかもスーパーで売っているような庶民のための安い紅茶がおいしい。Mh 下は夥しい数の調理器具や食品サンプルの店が立ち並んでいることで世界的に知られる浅草合羽橋。

Img_0007江戸の昔、私財を投じてココの掘割を整備した「合羽屋喜八」に心を打たれたホンモノの河童がその工事を手伝った…という伝説がある。
その河童の像がコレ。
手にしているのは紅茶ではなく魚。Img_0002 アメリカのギター・プレイヤーからのお便り。
「親愛なるMarshall
ボクはメリーランド州のアナポリスというところのハード・ブルース・ロックンロール・バンドでリード・ギターを弾いています。
そして御社の顧客でもあり、貴社は最高のアンプ・メーカーであるという賛辞を送りたいのです。
ボクがMarshallの製品を意識したのは1967年、ワシントン・ミュージック・センターでジミ・ヘンドリックスのポスターを目にした時でした。
そのポスターに『ジミ・ヘンドリックスはMarshallを使っています』とあったんです。
ボクはジミがファースト・アルバムであの突風のようなサウンドをどうやって出していたのか不思議に思っていました。
そして今ではその答えを得ています。
その後、著名なギタリストたちがドンドンMarshallを携えてコンサートに臨むようになり、やはり最良の人たちは最良の物を使うということがごく自然であることを知りました。
ジェフ・ベック・グループ、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス、テン・イヤーズ・アフター、クリーム他、みんなMarshallを使っています。
そのギタリストたちはスタイルは異なれど、観客の心を揺さぶり感動させるに十分なトーン、バランス、そしてさっき書いたようにな『突風のようなサウンド』を持っているのです。
ギタリストには生まれ持った才能や技術が必要ですが、全ての観客を感動させるためには、信頼するに足る高品質のギター・アンプが不可欠です。
私が100Wの『Super Lead』を手に入れてから8ケ月が経ちました。
ボクのバンドは6ケ月ほどルイジアナのニューオーリンズに滞在し、サザン・ブルースとロックンロールにドップリと浸かって来ました…」
みたいなお手紙。
コレね、オモシロいと思ったのは、この青年がMarshallを意識したキッカケが『Are You Experienced?』というところ。
1967年、このアルバムが出た瞬間にあのギターのサウンドを耳にしたワケ。
ビックリしただろうね~。
それでギターを嗜んでいればジミがどんな機材を使っているのか気になることは必定でしょう。
「この音はMarshallというイギリスのギター・アンプが出しているのか!」
なんて感動してその4年後にこの彼は「1959」を手に入れた。
リアル・タイムでのヘンドリックス仕込み。
いいナァ。
一部では「アルバムのレコーディングではフェンダーのアンプを使った」説もあるようだけど、Marshallでいいじゃない!
そして、このアナポリスの彼がデジタル機器まみれの今のロック・コンサートのステージの光景を目にしたら一体ナンというだろうか?
お便りお待ちしています!300vまたカタログが出来しました。
ローズ・モーリスから送ってもらいましょう!410<つづく>
 

200_2