田川ヒロアキ~MUSIC TRAVELING at 芝浦ピアシス <前編>
雨ニモ負ケズ
風ニモ負ケズ
南ノ島ノ台風ニモ負ケズ
決シテ炎天下ノキャンプノ暑サニモ負ケナイ
丈夫ナカラダヲモチ
東ニ音楽好キノコドモアレバ
イッテマーシャルノ音ヲ聴カセテヤリ
西ニ重要ナイベントガアレバ爆音デマーシャルヲ鳴ラシテヤリ
ホメラレテ
ヨロコバレテ
サウイフモノニナッテイル
…のが田川ヒロアキ。
そして先月、今年も恒例のバースデイ・ライブ『MUSIC TRAVELING』の時期となった。
誕生日の当日はヒロアキくんが地球の裏側にいたので今回はだいぶ時間が経ってからの開催を余儀なくされた。
それが…折り悪くこの日は台風7号と8号が同時に関東地方を通過するという予報が出てしまった!
どうするヒロアキくん!?
「田川ヒロアキ+台風」ということになると、上でも触れたように2011年5月の宮古島でのイベントを忘れることができないでしょう。
「戦後2番目に大きい」とされた台風の直撃地に自ら乗り込んだのだから。
まぁ、確かにスゴかったネェ。
鉄筋コンクリートづくりのホテルがいいようにスウイングして、雨が縦横無尽に振りまくり、電気も止まった。
でも、思ったほどではなかったかな?
空腹に耐えかねてその雨の中を歩いてハンバーガーを買いに行ったぐらいだったから。
とにかくあの台風はいい思い出となった。
さて、今回の双子台風。
ヒロアキくんは予定通り催行を決意した。
会場はいつもの芝浦の「ピアシス」。
ま、確かに天気は良くないけど、台風が来ている感じなんてゼンゼンしないぞよ。
…ということで血糖値の上昇を抑えるために食後にピアシスの周辺を散歩してみた。
Audiの紋所がまぶしい自動車の「株式会社ヤナセ」の本社社屋。
傍らに案内板が立てられていた。
それによると、大正4年に「梁瀬長太郎」が創立した「梁瀬商会」は、事業の拡大とともに大正8年にこの地に進出。
12万坪に広がる東京市の港湾事業として埋め立てられたこの辺りは土地の利用計画も決まっておらず、梁瀬商会は向こう40年にわたる賃借契約を東京市と結び、契約が失効した昭和34年にこの地を東京都から買収した。
移転当時この周辺は埋め立てられてから数十年も放置されたままで、電気も水道も通っていない掘っ立て小屋が散見される見渡す限りの草原だったのだそうだ。
まぁ、そうでしょうネェ。
下はその案内板に載っている梁瀬親子の写真。
「梁瀬長太郎」はもともと三井物産の機械部に在籍していて、長太郎が「株式会社ヤナセ」の前身の「梁瀬商会」を設立すると三井物産から輸入自動車と鉱油類の一手販売権を譲り受けた。
三井物産とあらば、「三井の番頭」とアダ名された長州の「井上馨」の名が真っ先に思い浮かぶ。
となると、長太郎はヒロアキくんと同じ山口県の人か?と思ったらさにあらず。
長太郎は群馬の人。
ヒロアキくんが演奏したこともある「ニュー山王ホテル」の前身の「山王ホテル」の取締役も務めていたこともあったそうだ。
「山王ホテル」は二・二六事件の舞台となったことでよく知られているね。
一方の「次郎」は長太郎の次男坊。
お父さんから会社を引き継ぎ、会社を自動車輸入業の最大手に成長させ、アメリカ車の販売に寄与したとされて「米国自動車殿堂」入りを果たした。
他に殿堂入りしている日本人はホンダの創業者の「本田宗一郎」やトヨタの5代目社長の「豊田英二」らがいるそうだ。
はい、ピアシスに戻ってきました。
コレで血糖値スパイクの心配なし。
寄せられた祝い花の数々。
バラエティに富んだグッズもズラリ。
そして定刻通りに出発進行!
ヘヴィ・メタル調の「♪Happy birthday」が流れる中ステージに姿を現した4人のバンド・メンバー。
まずは最近作『The Road Seeker』から「Open Road」。
CDの冒頭に収録されているこの曲を録音する際にはギリギリとピックが弦をこする音にまでこだわったインストゥルメンタル・チューン。
このライブでもその雰囲気を忠実に再現した。
今日の『MUSIC TRAVELING』、ヒロアキくんと一緒に旅に出るのは…
そうる透
寺沢功一
石黒彰
そして冒頭に書いたように実際の誕生日はとっくに過ぎてしまったけど、とにかく本日の主役、田川ヒロアキ。
今日のヒロアキくんのMarshallのようす。
アンプ・ヘッドはいつも愛用してくれている「JVM210H」。
スピーカー・キャビネットは昨年同様の1x12"キャビネット「1912」が2台。
前回試しに導入してみたところ、スッカリお気に召して頂き今年も1912の出番と相成った。
コレは1989年から製造している古いモデルなんだけど、お試しになったことがあるギタリストが大変に少ない。
かつてRCサクセションにも在籍していたことがあるギタリスト、故・小川銀次さんは「世界で一番低音が出る12インチ一発キャビネット」とおっしゃっていた。
そのご評価はまさに正しく、このベース用のスピーカーを搭載したキャビネットはどこへ持って行っても大好評なのだ。
ちなみにそうる透さんはかつて銀次さんがやっていた「Crosswind」という超絶フュージョン・バンドでプレイされていたんだよ。
テーマにソロにと早速「田川節」を炸裂させたヒロアキくん。
続けて「キミを乗せて」。
景気のよい展開に早くも客席は大きな盛り上がりを見せた。
シャープなソロを展開して…
バッチリとキマった~!
ああ、この曲を聴くといつも「Marshall GALA」を思い出すよ。
もうアレから10年だよ!
10年も経てばナニもかも変わるわナァ…変わらないのはヒロアキくんの自分の音楽に対する情熱ぐらいだよ。
「皆さん、こんにちは~!
悪天候の中お越しくださいましてどうもありがとうございます!
無事に辿り着いてヨカッタです。
メンバー一同お待ちしておりました。
今日も色んなメニューを持って来ましたので最後までよろしくお願いします!」
「そして、先日カナダより帰国しました!
その話はまた後ほどさせていただきます。
後半には新曲をお届けするとか、しないとか…。
オマエにも新曲を聴かせてやろうか~(←コレは言っていない)」
軽いご挨拶の後は再び『THE ROAD SEEKER』から「Driving Jam」。
ヒロアキくんのスキャットをフィーチュアして曲が展開する軽快なナンバー。
「てらちん!」
メンバーのソロも次々と飛び出してくる!
「石黒彰!」
百戦錬磨のプレイヤーの至芸。コレも「MUSIC TRAVELING」の大きな楽しみのひとつ。
ヒロアキくんの「Purple Haze」を引用したソロが炸裂して…
「そうる透!」
そしてダイナミックなキメの数々が曲をスリリングに演出した。
ガラリと替わって続いては『FACE』からさわやかに「Spacecraft」。
ヒロアキくん独特のギターの歌いまわしでメロディを奏で…
トリッキーなソロを導入して曲に大きなメリハリを与えた。
もう1曲、ヒロアキくんのファンク・ストラミングからスタートする大人ムードのこの曲は「Swing Picking」。
石黒さんのピアノと絡みあいながらテーマを奏でる。
てらちんの深みのあるベース・ソロから…
曲のタイトル通り透さんがジャズ・ビートを繰り出すと…
そのリズムに乗って石黒さんのスウィンギーなピアノ・ソロが繰り広げられた。
ソロ・リレーのシンガリはヒロアキくん。
ここはクリーン・トーンでアダルトにまとめてみた。
ウ~ム、歪みだけでなく、ヒロアキくんとJVMのコンビネーションはクリーンなサウンドも素晴らしい。
エンディングのキメがカッコいいね。
ココでカナダの話。
Marshall Blogでもレポートしたカナダの万博のよさこいチームに招聘してもらい、今度はコチラからカナダに乗り込んで行った。
ライブ・ステージでは現地でMCの通訳も務めた美瑞穂さんが制作したヒロアキくんの故郷である山口県の美しい景色のスライドをシンクロさせたソロのパフォーマンスが大好評だった。
そして地元カナダのよさこいチームと、日本から一緒に乗り込んだ「沖縄太鼓」チームとのコラボレーションのシーンにあっては「Amazing!」の掛け声とともにスタンディング・オベーションが沸き起こったという。
滞在していたのは3週間。
森の中にいるような環境で過ごし、作曲の作業も進んだようだ。
東京の緯度は北緯39度、ヴァンクーバーは49度。
10度以上緯度が違うと春夏の昼の長さが日本とゼンゼン違うんだよね。
夜9時でもまだ明るいことにビックリしたそうだ。
アレ、そうなんだよね。
北緯51度とヴァンクーバーより更に緯度が高いイギリスは、6月ともなると夜10時が日本の夕方4時ぐらいな感じ。
でも一旦暗くなり出すとまさにつるべ落とし。
瞬時にして真っ暗になってしまう。
イギリスは6月21日が1年で最も日が長いと言われているんだけど、ナントその日の昼の長さは16時間にもなる。
1日の2/3が昼!
ヒロアキくんと美瑞穂さんも時差ボケはなかったが、とにかくこの昼の長さには調子を狂わされてしまったとか。
カナダ話の後はメンバー紹介をして「Train」。
石黒さんのピアノをバックにヒロアキくんがほのぼのとしたテーマ・メロディを奏でる。
全編を貫く「♪ダダンダダン」のリズムと種々のバンドアンサンブルを対比させて曲が進んで行く様が楽しい。
曲が終わった直後に石黒さんが弾いたのは「ウルトラマン」の主題歌。
「祖師ヶ谷大蔵~、祖師ヶ谷大蔵~」
今日の「Train」の終点は祖師ヶ谷大蔵だった。
私はこの駅がナニ線にあるのかも知らないんだけど、祖師ヶ谷大蔵にはかつて円谷プロダクションや円谷英二の自宅があったんですってネェ。
それゆえこの駅で使われているメロディは上りが「ウルトラマン」で下りは「ウルトラセブン」なのだとか。
続けて『FACE』のリード・チューン「WHITE ARROWS」。
スリリングに曲が展開する中、乾いた音でシャープなソロをキメ込んで…
おなじみのポーズが飛び出した!
本日発売の3曲入りのCDを紹介して今度は万博の話。
パラリンピックの時はかなりキメごとが多かったが、万博のステージはかなり自由がきいたので美瑞穂さんのアイデアが存分に生かされた。
下はその時のようす。
Marshall Blogでもレポートしたその万博のステージで演奏した曲を第1部の最後に演奏した。
今日ヒロアキくんが身に付けている衣装やヘアスタイルも万博の時の物。
つまり、「今ココで最高のバンドメンバーを従えてあの万博のステージを再現しようではないか!」という企画。
曲は「APPARE YOSAKOI VANCOUVER」。
メンバーの皆さんもあの万博のステージに上がっているかのようなテンションで…
熱気あふれる演奏を展開!
「♪踊れ!」
「デァンス!」
こうして4人の切れ味の鋭い演奏で第1部が締めくくられた。
演奏後、ヒロアキくんが「今日がお誕生日の方はいらっしゃいますか?」と客席に問うと…
「ハイ!」という元気な声が客席から上がった。
この日お誕生日だったのは以前にもMarshall Blogにご登場頂いた有吉さん!
ヒロアキくんが参加している山口県の郷人会「長州友の会」の運営委員を務めていらっしゃるお方。
そしてローソクとスイーツが運び込まれ…
「お誕生日おめでとう!」
「ありがとうございます!」
コレにて第1部終了。
<後編>につづく
