KAZUMANIA BAND:おじょう生誕祭 vol.2より
7弦のモッキンバードを愛用する女性ギタリスト「おじょう」さんの誕生日を祝うイベントが新宿のWILD SIDE TOKYOで開催された。
会場の「ワイサイ」はドリンク代もリーズナブルだし、こんなオニギリまで置いてあって良心的なんだよね。
しかも!「電気ブラン」を扱っている!
ココから先は興味のある人だけ読んでね。
「電気ブラン」は今でも製法が秘伝中の秘伝とされるブランデー・ベースの甘~いアルコール飲料。
1893年(明治26年)ごろに発売されたというから133年の伝統を誇っている。
当時は「電気」という言葉が付いているモノはモダンなイメージを持っていたらしい。
今で言うと「シン・ブランデー」といったところかいな?
浅草の「神谷バー」が開発して「合同酒精」という会社が製造している。
ココは浅草の「雷門通り」。
私が大学生の頃まではこの通りの突き当りに「仁丹塔」がそびえ立っていた。
私のような古い人間にはこの景色の方がなじみがあるのではないか?
この下に「フクチャン」というヘビやらミミズやらを食べさせるゲテモノ料理屋があった。
「仁丹」の看板がかかっている建物は今もそのまま残されていて、「Samurai Ninja Museum Asakusa Tokyo」という施設が入っていていつも外国からの旅行客でにぎわっている。
外人はホントに侍と忍者が大好きだからね。
コレは今の浅草。
この角ッコの茶色い建物が「神谷バー」。
このビルは1921年(大正10年)の竣工だというから関東大震災にも耐えたことになる。
右の奥は「松屋デパート」。
コチラは昭和6年に完成したから今年で築95年。
そんなだから神谷バーの建物は文化庁の「有形文化財」に登録されている。
また、この場所は住所が「浅草1-1-1」なのね。
言ってみれば「浅草の皇居」みたいなものよ。
皇居の住所は「東京都千代田区千代田1-1」だ。
それが自慢なのか表札の下にガッツリと住所が入っている。
その横は電気ブランの販売店だ。
「場賈-バ谷神」じゃありませんよ。
右から読んでくださいね。
神谷バーの創業は1880年、明治13年。
創業者は「神谷伝兵衛」。
コレは谷中霊園内の天王寺の墓所にある伝兵衛の墓。
ロケーションもよく、かなり立派な墓だ。
電気ブランでしこたま儲けたのであろうか?
伝兵衛は元々は日本人の口に合うワインの醸造からスタートしたのだそうだ。
もうチョットやりますよ。
コレは神谷バーの前から隅田川の方を見たところ。
アサヒビールの「ウンコビル」がイヤでも目に入る…別にイヤではないけど。
最近ビール会社のカルテルが話題になったが、私は酒税の関係でビール業界はカルテルが許可されているものばかりと思っていた。
だっておかしいでしょ、あの値段の統一性は?
今さら頃騒ぐ方がおかしいって!
右下に見えているのは地下鉄「銀座線浅草駅」の入り口。
仕事柄、これまで色んな国から来たお客さんにこの辺りの案内をしたが、下の造形を目にして「アレはナンだ?」と訊いてこない人はまずいなかった。
その都度私は「It's a poop」と答えてきが、この答えに納得しないお客さんも誰ひとりとしていなかった。
「poop」のカタチは世界共通ということがコレでわかった。
さすが「岡本太郎」!
私は岡本太郎が好きなので本当のことを書いておくが、コレは「魂」を表現していて、それがビールの泡を連想させるということだ。
ところがコレがMarshallの連中にはピンと来ない。
ナゼならイギリスのビール、いわゆるエールには泡がほとんどないから。
皆さんもよくご存知の通り、銀座線浅草ー上野間は昭和2年に開通した日本最古の地下鉄だ。
私はコレはロンドンの地下鉄を手本にしているのかと思ったらさにあらず。
アルゼンチンのブエノスアイレスの地下鉄が元なんだって。
コレ知ってた?
この格子って「地下鉄出入口」というデザインになっているんだよ。
カッコいい!
その地下鉄の入口の傍らから神谷バーと松屋デパートを遠望する。
そして…いいですか~?
1945年3月10日のすぐ後、つまり約3時間の間に10万もの民間人が犠牲になった「東京大空襲」の後はこの有様だった。
見事に松屋と神谷バーの建物と地下鉄の入り口だけが残っている。
300超のB29が飛来して落とした40万発弱の焼夷弾に耐え抜いたのだ。
このことを外国からのお客さんが知っているかどうか尋ねてみると、原爆が広島や長崎に落とされたことは知っていても「東京大空襲」を知っている人はいなかった。
犠牲者の数は変わらないにもかかわらず…だ。
その10年後、「獅子文六」の原作を「市川崑」が監督した『青春怪談』という映画が公開された。
別にお化けの映画ではありませんよ。
この映画の一部は神谷バーの周辺で撮影していて、当時の風景が結構写り込んでいて面白い。
「三橋達也」と「北原三枝(石原裕次郎の未亡人)」の後ろの建物がまさに神谷バー。
さらに隅田川の方へ移動する。
右に「つぼ八」の看板がついているビルがあるでしょ?
その向こうにはビルがズラ~っと連なっている。
もうひとつ古い映画を紹介するのは鬼才「川島雄三」が1952年に撮った『とんかつ大将』。
この作品には隅田川の向こう側、すなわち向島側から浅草方面を捉えているシーンがあって、松屋デパートの全景が丸見えになるシーンが出て来る。
この光景はもう2度と見ることができない。
つまり、戦争から7年後を経った頃は上の写真の右側に移っているビルはひとつも立っていなかったということなの。
東京もナントせいせいしていたことか…。
脱線は以上。
カズマくん、ありがとう!…書くだけ書いて気が済みました。
さて、『おじょう生誕祭』。
4バンド中、2番目に登場したのは「KAZUMANIA BAND」。
背景には猛禽類の鋭いまなざし。
「KAZUMA・ロゴ」もどんどんグレード・アップしていくナァ。
松浦和亦(以下「カズマくん」)
寺沢リョータ
村田彼方(以下「シャドウ」)
オープニングは自らのバンド名を冠した「Kazumania」。
随所にカズマくんならではのポップ・センスがちりばめられたドライビング・チューン。
説得力のあるギター・サウンドで奏でられるメロディはまさにMarshallがあってこそ成立する。
この日のカズマくんのMarshallは「JCM900 4100」と「1960A」。
続いてカズマくんが弾くリフからスタートする「From Here on」。
リョータくんが繰り出してくる地を這うような低音が小気味よい。
この曲のサビでも耳馴染みのよいメロディが鳴り響く。
そんなメロディをパワフルに演出するのがシャドウのドラミング。
そして決して弾きすぎることのない、いい具合に抑制の利いたギター・ソロが飛び出した。
「ありがとうございます!
平日の夜にようこそお越しくださいました。
我々、ギター・インストということで歌がない…イヤ、歌詞がないだけで歌はあるんですよ!
私のギターが歌を歌っております!
どうぞ最後まで楽しんでいらしてください!」
「歌詞はないけど歌がある」?…オイオイ、どこかで聞いたことがある文句じゃないか!
さてはカズマくん、おぬし熱心にMarshall Blogを読んでいるな?
「チョットひとつ…『私のことを知らない』と言う人?
…(間)…
ワァうれしいな…こんなに手が上がってる!
今日、皆さんはコレでカズマを知ることになりました。
よろしくお願いします!」
エラくポジティブなカズマくん。
「余計なお世話になるかとは思いますが、ボクの性格上どうしても気になるんですよ。
今日は『おじょう生誕祭』という素晴らしいタイトルがついているんですが、『おじょう誕生祭』と脚韻を踏んで欲しかった!
何なら『おじょう誕生、気分上々』とかね」
ウマい!
「じょう」でまとめておいて…
ココでジョーくん登場!
ウソです、ウソです!この日ジョーくんは出ていません。
「アレ?シ~ンとしてるね?
アカン!今日は滑りまくってる!…ギターはキレッキレなんですけどね。
ボクは普段『改臟人間』で今は正体を隠しているんですが、『カミオン』というデコトラの雑誌に『アックスKAZUMAのデコトラメタル』というコラムを毎月書かせてもらっているんです。
ボクはデコトラが大好きなんですよ!
『カミオン』はコンビニなんかにも置いてありますのでゼヒ手に取ってご覧頂きたいと思います」
コレがその「カミオン」の最新号。
見かけたら是非手に取って『アックスKAZUMAのデコトラメタル』をチェックしてくださいね!
しかし「威風凛然の活豚車美学」ってなんだ?
「活豚車」ってのが気になるな。
調べてみると「活豚車」は「かっとんしゃ」と呼ぶ生きた豚を養豚場から食肉処理場などへと輸送する特殊な家畜運搬者のことらしい。
ウ~ム、コリャますます気になるな…というのは、しばらく前にこんな本を読んだから。
生まれたばかりの豚を3頭買い上げ、飼って育て、自分でそれらを食べてみる…というルポタージュ。
まさに「飼い喰い」。
普段、豚肉のことを考えたりはしないので、知らないことがたくさん書いてあってなかなかにオモシロかった。
となると「カミオン」の最新号は期待大。
もちろん『アックスKAZUMAのデコトラメタル』が最優先だ!
そんなデコトラ好きのカズマくんが自信を持ってお送りするキラー・チューンが「Neon Verocity - Call me the First Star」。
カズマくんがギターの声高らかに歌い上げるデコトラ賛歌。
思う存分活豚だ!
凄まじいまでのドライブ感!
一糸乱れぬシャープなキメがカッコいい!
ギターとベースのバトルもスリリング!
ま、この曲は初めて聴いた時からカズマくんの熱の入れようが他とは違うということに気づいた。
まずはタイトルの「Call me the First Star」…「First Star」とは「一番星」。
映画『トラック野郎』で菅原文太が扮する主人公が「一番星桃次郎」であることを知っていたから。
冒頭に古い映画を引き合いに出した通り、私は無類の映画好きだけど、東映の映画を観ることはほとんどないので、ココから先の話をカズマくんに合わせることはできない。
しかし、私が中学1年生の時この映画が有楽町の東映の本社社屋内にあった映画館「丸の内東映」で封切られた時の光景は忘れることができない。
普段はデコトラのハンドルを握っているパンチパーマのオジさんとお兄さんで辺り一面が埋め尽くされていたのだ。
矢継ぎ早にカズマくんがリフを弾いた次の曲は「Jam on Fire」。
軽快なヘヴィ・チューン。
ん?軽快なのにヘヴィでは「撞着」になっちゃうか?
ココでの「軽快」というのはポップな要素が強いということね。
このポップ加減がカズマくんの音楽の大きな魅力だ。
ピックアップ・ソロと…
純粋なソロ・パートでバラエティに富んだプレイング・スキルを披露してくれた。
ちなみに「on fire」というのは「絶好調」という意味のスラング。
「You're on fire!」なんてのは「ノッてるね~!」ということ。
まさに「Kazuma is on fire」なパフォーマンス。
シャドウが踏むバスドラムをバックにカズマくんが次の曲を紹介。
♪ドンドンドンドンドン
「どうもありがとうございます!
週初めの月曜日から雨だと萎えますよね
『それでも楽しんでいこうよ!』という思いを込めた曲です」
♪ドンドンドンドンドン
「よかったら一緒に踊らない?なんつって言っちゃったりなんかしちゃったりして!」
モンティ・パイソンの「エリック・アイドル」、すなわち「広川太一郎」の吹き替えみたいない口ぶりで客席をアオって…
「Rainy Monday~!」と曲名を絶叫!
魅力的なテーマ・メロディを奏でるカズマくん。
ノリノリのリズム隊の演奏からは…
雨が降ってユーウツな雰囲気などツユほども感じられない!
このシャドウの楽しそうな表情!
この曲の見せどころはここから。
ハイ、左…
ハイ、右…
3人でイキの合ったフォーメーションを組んで楽しい月曜日に仕上げてくれた。
ちなみにこの日は火曜日だった。
KAZUMANIA BANDの出番の最後を飾ったのは「The Wind Blows」。
シャープなテーマ・メロディに耳を奪われること請け合いのドライビング・チューン!
するとカズマくんとリョータくんが上下のPAスピーカーの上に移動してバトルが勃発した!
赤勝て!
白勝て!
どちらも一歩も引かない接戦状態!
そして定位置に戻ってからも熱戦が繰り広げられた。
間髪を入れずシャドウのソロ。
↑ コレは「間髪(かんぱつ)を入れず」ではなくて「間(かん)…髪(はつ)を入れず」ですからね。
華麗なスティックさばきをお見舞いして…
「ありがとうございました~!」
全6曲。
歌詞がなくても大いなる熱演には確かに歌があった!
カズマくんの詳しい情報はコチラ⇒Kazuma Matsuura Official Site
<つづく>
(一部敬称略 2026年9月1日 新宿WILD SIDE TOKYOにて撮影)