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2015年7月23日 (木)

OGAN OVER AMERICA!!

こんなヘソまがりの私でも海外で活躍する日本人スポーツ選手を見るとうれしくなる。
それにしても、日本人の体躯も昔に比べ、こんなに立派になったというのにどうしていつまでも海外勢にかなわないんだろう?
やっぱり活動資金の公的な支援が乏しいのと、とどのつまりは優れた指導者に恵まれていないってことになるのかね?
そもそもアメリカなんてちょっと前まではほとんどサッカーやってなかったんじゃなかったっけ?バレーボールもそうだよね?それがアッという間に「世界の強豪」になっちゃった。
ま、スポーツの話題はヤメにしておこう…どうせ何も知っちゃいないんだから。

コレが音楽の世界とあればうれしいことは尚更だ。
教育システムが確立しているクラシックの世界は除いて、ポピュラー音楽の世界で海外に拠点を置いて活躍し、成功した日本人といえば、私の場合はまず1950年代にアメリカに渡った穐吉敏子。
その苦労は『ジャズと生きる(岩波書店)』とか『孤軍(全音楽譜出版社)』という彼女の著書に詳しい。
ケタはずれの音楽的才能があるのはもちろんだけど、それだけじゃとても乗り切れない。チャンスだって必要だ。そして、規格外の根性がなければとても達成できない偉業だ。
実際、ニューヨークでお会いした時にはすさまじいオーラを感じた。イヤ、正確にはコワくて話しかけられなかったので、そばで佇まいを拝見しただけなのだが…。
自伝を読んでいてすごく印象に残っているのは、敏子さんがキャリアを積んで自分のオーケストラを結成した時、現地のミュージシャンの奥さんたちが、ダンナに向かって、「アナタ、日本人の女に雇われるって一体どういうことなの?」と音楽とは関係のない被差別体験したということ。
穐吉敏子の高度な音楽性は演奏するミュージシャンに超難度の演奏技術を要求し、後には「ToshikoとZappaのところにいたミュージシャンは、どんな現場でもオーディションを受ける必要なし…」と言われるようになったとか。ホントかどうかは知らないが、これまたうれしい話し。
それと敏子がMiles Davisに最初に会った時、「Wanna sit in?」と訊かれて断ってしまったのを今でも後悔しているということ。
Milesの言葉の意味がわからなかったのだそうだ。「sit in」というのはジャズ用語で「一緒に演奏する」ということ。
「音楽は世界の共通語」かもしれないが、ギターでステーキの焼き方を表現することはできまい。やはり文化の異なる土俵で勝負するのだから、言葉の苦労も並大抵なものではないだろう。
ジャズのピアノ界とサックス界のYngwie Malmsteenが競演した『Sonny Stitt Sits in With Oscar Peterson』なんていうドンズバのアルバムもある。

ロックの世界では山内テツだろうナァ。
70年代にFreeとFacesという名門バンドで活躍したんだからあまりにもスゴイ。以前にも書いたけど、Facesの時は、ステージの前にウイスキーのボトルをストレートで半分空けて、ステージの途中でその半分を飲み干し、演奏が終了してまたボトルを一本空けていたというのだからすさまじい。相撲取りか?話しを聞いただけで胃がチリチリしてくるわ。
まだアニメもゲームもなかった時代だからね。音楽一本、ベース一本で勝負したワケだ。
Canのボーカルのダモ鈴木もいた。

そして、ここにアニメもゲームも関係なく、ベース一本で北アメリカ大陸をまたにかける男がいる。
小笠原義弘(オガン)である。
今日の記事のタイトルはもちろんPaul McCartneyから。

10vMarshall BlogでもレポートしたChris Duarteのトリオへの参加だ。

20Chrisはオガンちゃんを含むトリオでShrapnelからライブ・アルバムをリリースしている。
もう一回言わせて頂くが、イヤ、何回でも言わせて頂くが、このCDに使用されている写真は私が撮ったものなのよ…宣伝、宣伝!詳しくはコチラ

30cd今回の全米ツアーは、親方であるラーメン好きのChris Duarteと…

O30v前回一緒に日本を回ったJohn McKnight。
この人、音もプレイもマジですごいでね。NATALを気に入ってくれているところがまたスゴイ。

O40v初日は7月22日のオハイオの中東部のタスカラワス。Eastern Standard Timeでは今、8時チョット前。もうすぐ出番かな?だとすれべ初日なのでチョット緊張しているかも知れないね。

その後は、明日のオハイオはデイトンから、ミシガン⇒インディアナ⇒アイオワ⇒サウス・ダコタ⇒イリノイ⇒またオハイオ⇒ニューヨーク⇒コネチカット⇒ニュー・ハンプシャー⇒ロード・アイランド…と回って来て、千秋楽は、マンハッタンはリンカーン・センターの向かいの「The Iridium」だ。
Fat Tuesdayが閉店した後、晩年のLes Paulが毎週月曜日に出ていた店ね。
私もそこで20年近く前にLesに会ってサインをしてもらった。
いいナァ~、くっついてって写真撮りたいな~。
普段あまりアメリカびいきのことを言わない私だけど、コレは見てみたいよね。
ナゼかというと、アイオワだのダコタだの、この公演箇所を見ればわかるように、完全に現地の人だけを相手にするコンサートだからね。そういうところでオガンちゃんのプレイが一体どう受け入れられているのか?
オガンちゃんがもう何度もアメリカで、また世界中で演奏して評価が高いことはよくわかっているけど、現地の人たちの音楽をプレイする東洋人がどう受け入れられるか皮膚で感じてみたいんだよね。

O50vオガンちゃんのお供をするのはEDEN。

O60v今までは会場によってはこんなセットや…

O70vこんなセットを組んで来たが…

O80v今回はWT-800とD115XLTを引き連れて、こんなセットで思う存分暴れてきてくれることだろう。
現地での機材は『Nick's Photo Gallery』でよくMarshall Blogに登場してくれる、Marshall USA DivisionのNick Bowcottが面倒を看てくれた。
ここで彼にひとことお礼を言わせてチョーダイ!

Hi ADMF, thank you very much for looking after my friend with EDEN.  I really appreciate your generous support.  Ogan is brilliant.  I hope you get the chance to see him during this tour!      TDMF

O90vがんばれオガンちゃん!

O100v今回のツアーのために用意されたポスター。
私が撮った写真を採用して頂いた。
オガンちゃん、ありがとう!まるでツアーに参加するような気分だぜ!

小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒DANCIN' FUNKY BASS!!!

O100vlarge(一部敬称略)