【大野祥之の還暦を祝う!】 ROCK AGAIN JAPAN <前編>~ JEKYLL★RONOVE & TORNADO-GRENADE登場!
大野さんも還暦なのね?!…おめでとうございます!
Marshall Blogではこれまで広規さんや森園さん、大二さんたちの還暦祝いのイベントのようすをレポートしてきた。
日本のロックの黎明期~揺籃期~成長期を支えた偉大な先輩たちも齢を重ね干支を5回迎えても尚、元気に第一線で活躍されていることは実にうれしくもありがたいことだ。
最近ののロック界を見回して、「これじゃイカン!」とノンビリ隠居もしていられないのだろう。
というのも、私より5~10歳ぐらいの人たちって、ラッキーにもロックの一番ヨカッタ時代を生で体験してるんだよ。
私がマーブロで「黄金時代のロックがどうのこうの」と騒いだところで、チト時遅しで、タッチの差でほとんど後追いなワケ。
だから少し年上の方々がうらやましくてね~。
音楽評論家の大野祥之さんもそのうちのひとりだ。
初代Led Zeppelinのファン・クラブの会長を務め、16歳の時にインタビューをされているのだからスゴイ。
筋金入りのロックのご意見番だ。
私も昔のロックのことでわからないことがあると、時折電話をかけてご指南を頂戴したりしている。
その大野さんの還暦をお祝いするイベントが開催された。
…といっても大野さんはミュージシャンではないので、ステージでギターを演奏する…とかいった類の内容ではない。
どういうことになったかというと、『ROCk AGAIN JAPAN』と題し、大野さんが最近気に入っている、あるいは注目している若手バンドを集めたコンサートを開催したのだ。
出演したのは4バンド。
「ロックのご意見番」がチョイスしたバンドたちだけあって、見ごたえも聴きごたえも満点の充実したコンサートとなった!
さてさて、開演だよ!
冒頭に二階席から影の声であいさつをする大野さん。ステージに上がればいいのに…テレちゃって!
JEKYLL★RENOVEはMarshall Blog初登場。「コレ、何て読むの?」と人も多いかも知れない。
「Jekyll」は「ジキル」。スティーヴンソンのアレ。
「Dr. Jekyll」というMiles Davisの演奏で有名なJackie McLeanの名曲もある(『Milestones』収録)。
問題は「Ronove」の方。「ロノベ」?
私も知らなかったんだけど「ロノウェ」と読むそうです。
「ロノウェ」というのは悪魔のひとり、ひと柱って言うのかな?
「悪魔学」によれば地獄の侯爵にして大伯爵。修辞学を修めているそうだ。
ま、私は会ったことないけど、文章とかうるさそうだな…。
「ジキル博士」に「悪魔」…なんていうとBlack Sabbathあたりのオドロオドロしいヘヴィなサウンドを想像しがちだがさにあらず…。
ソリッドなギター・リフに乗せた気の利いた歌のメロディが実にイカしている!
「お金大好き!」とマイク片手にあでやかにステージを彩るJEKYLL。
大野さんは「峰不二子」なんておっしゃっていたが、ルックスはご覧の通り雰囲気満点!
それだけじゃない、この人、どんなに暴れようが何をしようが、音程が実にしっかりしていていらしゃる。
そして、ちょっとハスキーで野太い声が曲にピッタリとマッチしているのだ。
やっぱり「ロックの声」はこうでなくちゃイケねぇ。
イヤ、こういう声で演奏する音楽のことを「ロック」と呼ぶのだ。
もちろんギター・ソロもタップリ!
スリリングなツイン・リード・パートもふんだんに盛り込まれている!
グイグイとフロント陣を押しまくるリズム隊もバツグンのコンビネーション。
NATALのメイプル・キットの歯切れのよいクリスピーなサウンドがエネルギッシュなバンド・サウンドを演出するのだ!
アクションもハデハデなえいっち。コレまたNATALのサウンドにシックリ?
「若さ」と「伝統」が実にいい具合にミックスしていて、ヘヴィなロックが健在であることを確認した瞬間だった。
JEKYLL★RENOVEの詳しい情報はコチラ⇒ official site
「grenade」とは「手りゅう弾」のこと。
この言葉は元々は中世のプランス語で、「ザクロ」という意味。手りゅう弾の形状がザクロににていることからこの名前がついた。
今、フランス語では「ザクロ」のことを「grenadier(グレナディエ)」という。
一方、英語では「pomgranate」。
「pomme」はフランス語で「リンゴ」だ。だから、英語の「ザクロ」はフランス語を組み合わせて出来ていることがわかる…ような気がする~。
昔、「ザクロは人の肉の味がする」なんてことをよく言っていたが、そんな馬鹿な…。
あ、このバンド、ザクロとは何にも関係ないの。
でも、今にも人を食べちゃいそうな爆発的なエネルギーを持ち合わせていることは間違いない!
Sex、Spice、Rock'n Roll!の塚本"JOE"旭。
ハイテンションエクスタシーの真壁雄太。
てらちんの息子さんのリョータくんは「CLASSIC ROCK JAM」他のイベントで何度かMarshall Blogに登場してもらっていることもあって、TORNADO-GRENADEのことは知っていた。
でも、観るのは今回が初めて。
コレがまたいい!
こちらもハード・ロックの伝統に則した若さあふれるサウンド。平均年齢22歳!
最初から最後まで見せ場がタップリ。
そして、笑わせる。
MCではメンバー各自が身も凍るような「悪行」を語ったりと観る者を飽きさせない。
コレでいいのだ。
「笑い」はエンタテインメントの「母」なのだ。
笑わせるばかりじゃない。
こちらも70年代のハード・ロックのおいしいところをタップリとブチ込んだしっかりしたロックを聴かせてくれる。
何曲目かは忘れちゃったけど、ヤケクソにカッコいいリフの曲があったナァ。
終演後、そのことをメンバーに伝えると、「あ、ソレ、僕です!僕が作ったんです!」なんて教えてくれた。可愛いね、22歳だもん…ってウチの下の子より若いわ。
こちらもNATALサウンドが炸裂!
こういう音楽の場合、NATALメイプルの驚異的な鳴りは圧倒的に有利だよね。
特にバス・ドラム。
気持ちいいわ~。
私みたいなギター族からするとこう思うワケ….みんなスネア・ドラムを持参するけど、叩く回数はフィルやゴースト・ノートを除けば、バス・ドラムの方が多いワケじゃん?
4/4のエイト・ビートだったらスネアは2&4拍目の2回。もちろんパターンにもよるけど、バスドラは3回以上踏むでしょ、たいてい。
だからバスドラの音ってのは大切なんだな~と。
NATALの評判がいいのもよくわかる。
でも、このあたりのことを言うとハイハットやライド・シンバルの方がよっぽど叩く回数は上なんだけど…。
Marshall Blogではよく「若い人たちは昔の『ロックがロックだった時代』のロックをよく聴いて勉強すべし。そして、若い感性を溶け込ませて自分たちの音楽を作るべし」…なんて意味合いのことを書いている。
本当にそう思っているからだ。
コレね、不思議なことに、若いバンドが昔のロックを昔風に演奏しているのを聴いても案外面白くないのね。あんなに恋しかった昔のロックなのに…だ。
最近それに気づいた。
だって、それならば昔の音源を聴いていればいいだけの話しだもん。
ジジイも少しは進化するらしい。
そういう意味では、今日紹介した2バンドはマーブロ的欲求を十分に満たしてくれていたように思う。
実に楽しかったし、素直にカッコいいと思った。
さすが大野チョイス!
TORNADO-GRENADEの詳しい情報はコチラ⇒official site
つづく
1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版制作中!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
(一部敬称略 2015年4月13日 渋谷DUO MUSIC EXCHANGEにて撮影)